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ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した

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『タス通信』より
2017年4月15日9時3分配信
【情報筋:ロシアのミサイル「ツィルコン」は試験で音速の8倍に達した】
モスクワ、4月15日/タス通信

新たなロシア極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」は試験で音速の8倍に達した。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「ミサイルの試験中、その飛翔速度はマッハ8(註:音速の値の算定は飛翔高度に依存する)に達した事が確認されました」
対談者は話したが、如何なるプラットフォームからミサイル発射が実行されたのかについては明らかにしなかった。

「ツィルコン」ミサイルは、「カリブル」及び「オーニクス」ミサイルの為に使用される汎用発射装置3S-14から発射できる事を情報提供者は指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前、『タス通信』が他のロシア「防衛産業」の情報提供者から伝えられたように、今年には「ツィルコン」国家受領試験が実施される。

ミサイルは軍備採用された後、特に、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」「アドミラル・ナヒーモフ」の弾薬庫に補充されなければならない。

「ツィルコン」の射程距離は、公表されているデータによれば約400kmであり、ミサイルの最大速度はマッハ4~6の領域が示されている。



極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6になるようです。

一説によると、ロシア・インド共同開発極超音速ミサイル「ブラーモス-II」ロシア向けヴァージョンとの事です。
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「ツィルコン」の発射試験は既に開始されています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は2015年秋から始まっており、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で発射試験が行なわれているようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の制式採用は、2020年以降になる見込みです。
[極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2020年以降にロシア海軍へ制式採用される]

一方、2018年から生産を開始できる見込みであるという話も有ります。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"は2018年から生産を開始するかもしれない]

「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、最近に行なわれた試験において、最大速度マッハ8を記録したとの事です。


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、今後に大規模な近代化改装が行なわれる重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]

現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」も装備する事になります。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。


この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア海軍第5世代多用途原子力潜水艦ハスキー級の建造契約は2018年以降に締結される]

更には、航空機発射型地上発射型も構想されているようです。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った

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『タス通信』より
2017年4月14日4時38分配信
【ロシアのロケット巡洋艦「ワリャーグ」は南朝鮮(大韓民国)の釜山港への訪問を完了した】
ウラジオストク、4月14日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクリーナ

ロケット巡洋艦「ワリャーグ」を含む太平洋艦隊戦闘艦支隊は、金曜日に朝鮮共和国(大韓民国)釜山港への業務寄港を完了した。
同艦隊の公式代理人ウラジーミル・マトヴェーエフは発表した。

「訪問の枠組みにおいて太平洋艦隊船員は朝鮮共和国(大韓民国)海軍司令部の代表、釜山市の市長、ロシア連邦総領事との会合を行ないました」
マトヴェーエフ
は話した。
また、船員は市内の観光名所と博物館を見学し、朝鮮の同僚とのスポーツ競技会へ参加し、釜山、ソウル、仁川ロシア人学校支部の生徒の為の「ワリャーグ」の見学旅行が行なわれた。

釜山への訪問は4月11日から14日まで続いた。

「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」は4月1日にウラジオストクを去った。
その航海は2ヶ月以上に渡って続き、支隊は、更に6回の外国の港への非公式訪問及び業務寄港を行なう。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域における聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、この地域の国との海軍協力の更なる発展にある。



親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

2015年12月29日には「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようであり、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日に対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


そして2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】


太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将も同日に韓国訪問を終えて帰国しました。

今後、太平洋艦隊艦船支隊は、アジア太平洋地域の6ヶ国を訪問します。
具体的な国名は未だ明らかにされていませんが・・・

原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される

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『イズベスチヤ』より
2017年4月13日0時1分配信
【(ロシア)海軍は2018年に科学調査艦「ベルゴロド」を受領する】

潜水艦は水中ケーブルを敷設し、海底で有益な鉱物を探し出す。

プロジェクト09852原子力科学調査潜水艦「ベルゴロド」は2018年に(ロシア)海軍へ引き渡される。
最新潜水艦は、無人深海装置バチスカーフ、更には特殊科学機器を搭載する。
専門家によると、潜水艦は、大深度での軍事的課題の解決と、北極棚の調査と有益な鉱物の採取の為に使用できる。

『イズベスチヤ』北方艦隊本部から伝えられたように、現在、「ベルゴロド」は、新たな任務遂行の為の機器と機構の近代化作業を進めている。
それは来年には完了し、その後、海軍への引き渡しが計画されている。
「ベルゴロド」は、世界最大の造船台であるセヴェロドヴィンスク機械製造事業第55作業所に未だ在る。

プロジェクト09852は、未完成のプロジェクト949A「アンテイ」水中巡洋艦をベースに作成されている。
これらの潜水艦は、世界の大洋へのアメリカ空母連合部隊の展開に対する回答として、ソヴィエト社会主義共和国連邦で建造された。

「ベルゴロド」は1992年に『セヴマシュ』で起工された。
2006年には進捗度76パーセントで艦の建造は凍結された。
しかし、軍事船員は「未完成艦」に再び興味を持ったが、それは「空母ハンター」としてでは無かった。
艦は、有人および無人の深海装置を搭載する為に再建造される事が決定された。

潜水艦は、多数の特殊機器と潜水機器、有人深海装置を移動させる為の開閉式収納室の設置のために意図されている。
その1つは、救助艇「ベステル」である。
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艦は地球物理学複合体「マグマ」を展開し、北極棚で地質調査作業を実施できる。
複合体は4分の1のコストであり、気象条件や結氷状態に関係なく困難な海域で調査を実施する。

「ベルゴロドは、多目的水中コンバインと言えるでしょう」
インターネットプロジェクト『ミリタリー・ロシア』編集長ドミトリー・コルネフ『イズベスチヤ』へ話した。
「この潜水艦は、深海装置、バチスカーフ、無人装置を運搬できます。
更にそれは、海底で作業を行ないます。
従いまして、ベルゴロドは、軍事及び平和目的の双方に使用できます。
例えば、潜水艦は海底ケーブルを敷設し、或いは"ガルモニヤ"システムを展開します。
更に潜水艦は、北極棚の調査と有益な鉱物の採取に役立ちます」


「ベルゴロド」と直接類似するものは、専門家によると、世界には無い。
アメリカペンタゴン先進研究機関(DARPA)は、複数の民間企業と合同で「ポセイドン」プログラムを実現している。
その作成には、毎年約700億ドルが支出されている。
これは、全地球航法システムGPSの水中の同類~通信中継深海装置システムである。
ロシアは、調査に従事するのみならず、機器を搭載し、海底を調査する事が出来る水中機器搭載艦を作成する。



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プロジェクト949A(オスカーII級)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市『セヴマシュ』で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」は特殊用途原潜へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、セヴェロドヴィンスク市『セヴマシュ』造船所で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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再起工後の工事進捗状況は一切明らかにされませんでしたが、今回の記事の通り、工事は進められているようであり、2018年末までにロシア海軍へ引き渡されるとの事です。

ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日5時27分配信
【カムチャッカで戦闘機MiG-31の飛行士は成層圏での空中目標の迎撃へ取り組んだ】

カムチャッカでの戦闘訓練活動実施の枠組みにおいて、太平洋艦隊海軍航空隊航空基地迎撃戦闘機MiG-31のペアは、仮装有翼ミサイルの迎撃訓練を実施した。

警報演習下で戦闘機飛行士は離陸し、所定地域まで飛行した。
その後、MiG-31乗員は空中目標の捜索と破壊へ取り組んだ。
飛行目標のデータは、対空防衛手段から受け取った。
MiG-31乗員の為の仮想目標-時速800kmで飛翔する有翼ミサイル成層圏下部で探知された。
距離約120kmでミサイルは破壊された。

この迎撃の特徴は、仮装目標の探知の最良の条件を作成する為、MiG-31乗員が成層圏の高度15kmまで上昇していた事に有る。
そして迎撃戦闘機の飛行速度は、時速2500km以上であった。

ロシア海軍の首位競争の結果、太平洋艦隊海軍航空隊航空基地戦闘機飛行隊は、空中戦闘実施部門において3年連続で1位を獲得した。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]


そして4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。

この「有翼ミサイル」は、飛行速度が時速800km程度との事ですから、おそらくはアメリカの「トマホーク」を想定しているのでしょう。

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはシリアのタルトゥースで物資を補充した

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『タス通信』より
2017年4月13日9時36分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」はタルトゥースで物資を補充した】
モスクワ、4月13日/タス通信

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、水曜日にシリアタルトゥースロシア海軍物資-技術サービス供給所で水と食料と燃料の在庫を補充した後、地中海での任務遂行を続ける。
『タス通信』モスクワ軍事-外交筋より伝えられた。

「ミサイル"カリブル"で武装するフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は、4月12日にシリアのタルトゥースへ寄港しました。
そこで水と食料と燃料の在庫を補充し、ロシア連邦海軍常設連合部隊の一員として与えられた任務を遂行する為、本日に再び出航しました」

対談者は話した。

4月8日、艦は地中海ロシア連邦海軍常設連合部隊へ補充された。
フリゲートの前の航海は、ほぼ3月の全期間に渡って継続した~艦は3月2日に地中海へ入り、(ロシア)国防省は3月31日にフリゲートノヴォロシースクへ戻ったと発表した。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」プロジェクト11356フリゲートのトップである。
このシリーズの艦の排水量は、およそ4000トン、速力は30ノット、自立航海期間は30日。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」の兵装は、有翼ミサイル「カリブル-NK」、自己防衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mmのA-190砲、高射砲、反応爆雷装置、魚雷であり、更には艦上ヘリコプターKa-27或いはKa-31を搭載できる。



ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役し、同年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

その後、2度に渡り地中海への航海を行ないました。
(2016年9月24日~10月7日2016年11月3日~12月19日)

2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。

それから約1ヶ月後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は一旦黒海へ下がり、3月31日には黒海東岸ノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]
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4月3日、トルコ海軍フリゲート「バルバロス」(F-244)コルベット「ブユックアダ」(F-512)ノヴォロシースク港を訪れ、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はホストシップを務めました。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は4月5日にノヴォロシースクを出航し、トルコ海軍ロシア黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

演習終了後は黒海の出口へ向かい、4月7日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びシリアへ向かった]

4月8日にはロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)に到着した]
つまり、地中海東部(シリア沖)へ到着しました。
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そして4月12日にはシリアタルトゥースへ入港し、同港のロシア海軍第720物資-技術サービス供給所で水と食料と燃料を補充しました。
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[ロシアとシリアはタルトゥースのロシア海軍基地に関する新たな協定を締結した]


「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年夏、つまり少なくとも6月までは地中海東部に留まるようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは2017年夏まで地中海東部(シリア沖)に滞在する]


現在、シリア沖には、少なくとも8隻のロシア海軍艦船が展開しています。
大型揚陸艦「コロリョーフ」のみバルト艦隊ですが、他は全て黒海艦隊です。

警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」
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偵察艦「キルディン」(2月5日にボスポラス海峡を南下)
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海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(3月24日にボスポラス海峡を南下)
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大型揚陸艦「コロリョーフ」(4月3日にボスポラス海峡を南下)
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大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(4月6日にボスポラス海峡を南下)
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大型揚陸艦「ヤーマル」(4月11日にボスポラス海峡を南下)
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哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」(4月6日にボスポラス海峡を南下)
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海洋曳船MB-174(4月6日にボスポラス海峡を南下)
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対空戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日5時32分配信
【太平洋艦隊の艦は空中標的への戦闘射撃を実行した】

太平洋艦隊海上戦闘訓練射爆場で、の乗組員は、冬期訓練期間の結果の査定点検の枠組みで、仮想敵の空中攻撃手段からの攻撃を撃退する任務へ成功裏に取り組んだ。

大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」で構成される太平洋艦隊捜索-打撃艦グループは、仮想敵の空中攻撃手段の大規模な攻撃を撃退する為の複合任務へ取り組んだ。

電波電子戦闘手段を活性化させ、アクティブ及びパッシブ妨害を発信した。
射撃実施防御線へ接近する標的へ、の乗組員は、小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」の艦上から打ち出されたミサイル標的「サマン」へ単一実地ミサイル-砲射撃を実行した。
戦闘活動の実施中に全ての指定目標は成功裏に破壊された。

出航中のは、今後に太平洋艦隊対潜航空隊と協同で仮想敵潜水艦の合同捜索を実行する。
そして更に、一連の艦内演習と訓練を実施する。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2016年3月末にウラジオストクを出航し、東南アジア及び太平洋海域への遠洋航海を実施しました。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

この遠洋航海中の2016年4月中旬にはアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

2016年5月には国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

2016年7月にはハワイ沖まで行きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

2016年8月8日にウラジオストクへ帰港しました。



その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようです。

2017年4月4日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は久々に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘及び機雷掃討訓練を行なった]
対潜戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3と、沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する対潜哨戒機Il-38も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

翌4月5日には、対水上、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で砲撃訓練を行なった]

4月11日~12日には沿海地方ニコラエフカ基地艦載ヘリコプターKa-27が、出航した大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」で発着艦訓練を行ないました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海でヘリコプターの発着艦訓練を行なった]


一方、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(548、1991年12月15日就役)は、2016年8月中旬にウラジオストクを出航し、12月22日に帰港しています。
この間、9月には北極圏北方艦隊との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]


そして4月13日、「アドミラル・パンテレーエフ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は一緒に出航し、対空戦闘訓練を実施し、小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350、1990年12月29日就役)から発射されたミサイル標的「サマン」を撃墜しました。

小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」
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ミサイル標的「サマン」は、高射ミサイル「オサー-MA」をベースにした標的用ミサイルです。
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今後、「アドミラル・パンテレーエフ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、ニコラエフカ基地対潜哨戒機と共に対潜戦闘訓練を行なうようです。

ロシア海軍航空隊は2017年4月下旬に2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2017年4月12日0時0分配信
【今年4月下旬にロシア海軍航空隊へ2機の多目的戦闘機Su-30SMが引き渡される】

4月最後の10日間(21~30日)、海軍航空隊の兵団及び襲撃機航空隊の一部の再装備の枠組みにおいて、2機の多目的戦闘機Su-30SMが引き渡される。
引き渡し式典は、『イルクーツク航空機工場』の飛行場で開催される。

国家契約履行の枠組みで、2017年末までに更なる3機のSu-30SM海軍航空隊への引き渡しが計画されている。

国家防衛発注の主要履行者である公共株式会社『イルクト・コーポレーション』は、高機動多目的戦闘機Su-30SMの生産を行なっている。
航空機『試作設計局スホーイ』により開発され、公共株式会社『イルクト・コーポレーション』の支所『イルクーツク航空機工場』で生産されている。

多機能戦闘機Su-30SMは超機動性を有しており、フェーズドアレイアンテナの電波位置特定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前部水平翼(カナード)を装備する。
戦闘機は、現代的かつ最先端の「空対空」及び「空対地(空対艦)」クラスの高精度兵器を使用できる。
更に、航空機は、将来の多機能超機動単座戦闘機の飛行士の訓練の為に使用できる。

Su-30SM戦闘機Su-30MKIファミリーの系列の延長である。
戦闘機は、電波位置特定システム、無線通信、国籍識別、射出座席と一連の支援システムを海軍航空隊の必要条件に適合させている。



「科学生産法人『イルクト』」公式サイトより。
【多目的戦闘機Su-30SM】
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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

その後、2016年12月12日までに合計12機のSu-30SM黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]

この他、2016年12月初頭にはバルト艦隊航空隊へSu-30SMの最初の1機が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2016年12月28日には北方艦隊へ2機のSu-30SMが配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]


そして2017年4月下旬には、2機のSu-30SMロシア海軍航空隊へ引き渡されます。

更に3機のSu-30SMが2017年末までにロシア海軍航空隊へ引き渡される予定です。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海でヘリコプターの発着艦訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月12日8時8分配信
【太平洋艦隊のヘリコプター乗員は大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の甲板への着艦に取り組んだ】

太平洋艦隊海軍航空隊航空基地の乗員は、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の甲板からの発艦と着艦へ取り組んだ。

太平洋艦隊の海洋射爆場における訓練飛行実施中に、艦載ヘリコプターの飛行士は、一昼夜の明るい時間と暗い時間に、停止および航行中の艦への約30回の着艦を行なった。

戦闘訓練活動の枠組みにおいて、甲板への着艦に加え、ヘリコプター乗員は、仮想敵潜水艦の捜索と追跡の戦術動作、更には対潜任務遂行下での艦の乗組員との連携活動へ取り組んだ。
更に、電波工学兵装、対空防衛複合体、通信システムと航空機管理システムを点検する目的で艦の上空飛行が行なわれた。

艦の乗組員と飛行士との間の連携への取り組みは、船員と飛行士の専門的な訓練要素の1つである。
艦への着艦は、海軍航空隊の飛行士の訓練で最も困難な種類である。
最初に飛行士は、飛行場と、更に飛行ルート上での飛行へ取り組み、その後でのみ艦への着艦が許される。

ヘリコプター乗員の訓練プログラムでは、夜間の飛行へ特に注意が払われた。
ヘリコプター乗員は、計器使用下で着艦へのアプローチを行ない、海上を飛行し、空中から艦をカバーした。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2016年3月末にウラジオストクを出航し、東南アジア及び太平洋海域への遠洋航海を実施しました。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

この遠洋航海中の2016年4月中旬にはアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

2016年5月には国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

2016年7月にはハワイ沖まで行きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

2016年8月8日にウラジオストクへ帰港しました。



その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようです。

2017年4月4日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は久々に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘及び機雷掃討訓練を行なった]
対潜戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3と、沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する対潜哨戒機Il-38も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

翌4月5日には、対水上、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で砲撃訓練を行なった]

そして4月11日~12日には太平洋艦隊海軍航空隊航空基地艦載ヘリコプターKa-27が、出航した大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」で発着艦訓練を行ないました。
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この航空基地は、沿海地方ニコラエフカの事でしょう。
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なお、ニコラエフカ基地に駐留する対潜哨戒機Il-38は、4月11日に日本海上空を飛行しています。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年4月11日発表
【ロシア機の日本海及び太平洋における飛行について】

寿命延長近代化改装を終えたロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは駐留基地へ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月11日13時27分配信
【原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は修理後に北方艦隊潜水部隊基地へ到着した】

北方艦隊原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」(プロジェクト949A「アンテイ」)は、計画修理を完了した後、コラ半島の常時駐留所へ到着した。
艦は4月6日にセヴェロドヴィンスクを出航し、困難な結氷状態に在る白海の水上位置とバレンツ海エリアを通過して移動を行なった。

桟橋で巡洋艦の乗組員を北方艦隊潜水艦部隊司令官ウラジーミル・グリシェチュキン少将が出迎えた。
同艦の艦長セルゲイ・ノヴォハツキー1等海佐から基地間移動の任務は成功裏に果たされたとの報告を受け、家に戻ってきた潜水艦乗りを祝福した。

乗組員はセルゲイ・ノヴォハツキー1等海佐を2016年9月に艦へ受け入れ、修理作業最終段階の実行の検査を行なった。
原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は受領-納入試験中に海上で一連のチェックを行ない、固有の戦術-技術特性を確認した。
近い内に巡洋艦は航行試験の最終段階を実施し、深海で兵器と装備の点検を行なう。
基地及び海上での計画戦闘準備錬成任務へ移行した後、艦は常時準備部隊へ加わり、その主な目的下で指示された任務の遂行へ着手する。

『統合造船業営団』傘下の艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』での原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」の修理は3年以上続いた。
同社は、全ての艦載システム~機械部分、電波電子兵装、船体構造、主動力装置の技術的準備状態の回復を実行した。
潜水艦原子炉には(核燃料が)再装填され、兵装複合体は修復され、更に、原子力艦の推進軸の技術的特性を回復する複雑な作業が行なわれた。
修理の結果、巡洋艦の就役期間は大幅に増加した。

原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は、セヴェロドヴィンスクセヴマシュ社で1989年1月19日に起工された。
1993年に北方艦隊へ加入した。
幾つかの戦闘勤務を成功裏に遂行し、何度も作戦-戦略演習へ参加した。

原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は、現代的なミサイル兵装、機雷-魚雷兵装、水中音響兵装、電波光学兵装、更には改善された航法複合体を装備しており、世界の大洋の指定海域における艦の効率的な任務の遂行を可能にする。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

「オリョール」は2017年4月末までに北方艦隊へ復帰する予定です。
[近代化改装される原子力水中巡洋艦オリョールは2017年4月末までにロシア海軍へ復帰する]

2017年4月6日、「オリョール」艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」を去り、駐留基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した]


そして4月11日に駐留基地へ到着しました。
具体的な場所には触れられていませんが、ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)の事でしょう。
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今後、「オリョール」は海上で各種の試験を行ない、それが終わった後、正式に北方艦隊へ復帰するようです。


現在、ロシア海軍には8隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦が在籍しており(北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に5隻)、この内の4隻が打撃有翼ミサイルを換装する大規模な近代化改装を行ないますが、「オリョール」は、この4隻には含まれていません。
(「オリョール」を含む北方艦隊所属の949Aは寿命延長近代化改装のみ)
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]

ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年4月10日13時4分配信
【バルト艦隊の艦は仮想敵潜水艦の捜索と破壊を行なった】

遠距離航海任務を遂行しているバルト艦隊艦船支隊は対潜演習を行ない、コルベット「ボイキー」「ソーブラジテルヌイ」の戦闘班は、仮想敵潜水艦の捜索を行なう標準探知手段の助力を得た。

また、艦船支隊に乗っている海軍歩兵部隊は、仮想テロリストの攻撃を撃退する訓練を実施し、更には、標準装備武器からの海上目標への射撃を行なった。

コルベットに駐留する艦隊海軍航空隊艦載ヘリコプターKa-27の乗員は、大西洋海域上でフライトを実施し、仮想敵潜水艦の捜索と水上目標の探知へ取り組んだ。

艦船支隊は4月7日にバルチースク市の軍港を去り、複合戦闘演習任務へ取り組む為、北大西洋へ進路を取った。



プロジェクト20380コルベットの2番艦「ソーブラジテルヌイ」(531)は、2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水、2011年10月14日に就役しました。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]

2012年7月29日に親衛海軍旗を授与され、親衛艦となりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2012年7月28日
【海軍記念日にコルベット「ソーブラジテルヌイ」は親衛艦となる】

プロジェクト20380コルベットの3番艦「ボイキー」(532)は2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水し、2013年5月16日に就役しました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]


「ソーブラジテルヌイ」「ボイキー」は、昨年(2016年)10月も北大西洋へ進出しています。
(10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]

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2017年4月7日、2隻のコルベットは、支援船2隻と共に北大西洋への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット2隻は北大西洋へ向かった]

[バルト艦隊艦船支隊]
コルベット「ボイキー」
コルベット「ソーブラジテルヌイ」
救助曳船SB-123
中型海洋給油船「コラ」


今回は曳船給油船も連れているので、長期の航海になるようです。

そして4月10日には対潜戦闘訓練と、乗艦している海軍歩兵部隊の対テロ戦闘訓練を実施しました。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた


『タス通信』より
2017年4月11日8時1分配信
【太平洋艦隊の戦闘艦は訪問の為に南朝鮮(大韓民国)の釜山港へ到着した】
ウラジオストク、4月11日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクリーナ

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、朝鮮共和国(大韓民国)釜山港へ到着した。
本日、『タス通信』東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス代表ウラジーミル・マトヴェーエフより伝えられた。

「訪問の枠組みで太平洋艦隊船員は朝鮮共和国(大韓民国)海軍司令部の代表、釜山市の市長、ロシア連邦総領事と会合します。
太平洋艦隊将兵は釜山市の観光名所を見物できますし、韓国船員とのスポーツ競技の為の一連の合同親善試合が開催されます」

彼は話した。

更にマトヴェーエフは、巡洋艦「ワリャーグ」給油船「ペチェンガ」韓国の学童、釜山、ソウル、仁川ロシア人学校支部の生徒が訪れたと話した。
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「生徒の大半は、ロシアのプログラムを学習した朝鮮民族です。
ロシア人船員は、太平洋艦隊将兵の生活と旗艦の兵装について知る為の戦闘艦への子供達の遠足の為に点検を行ないました」


彼によると、釜山巡洋艦「ワリャーグ」を、更にロシア連邦総領事朝鮮共和国海軍戦闘司令部の司令官が訪れる。

マトヴェーエフは、艦隊の戦闘艦が4月1日から世界の大洋海域で遠距離航海任務を遂行している事を想い起した。
航海は、ロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。
遠距離大洋航海中に、艦船は更に6回の外国の港への非公式訪問及び業務寄港を行なう。



親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

2015年12月29日には「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようであり、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日に対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


そして2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

そして4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2014年12月5日にも韓国を訪れています。
この時は釜山では無く、仁川(インチョン)へ寄港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の仁川へ到着した]
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ乗員は装甲甲板巡洋艦ワリャーグを追憶する]

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは2017年夏まで地中海東部(シリア沖)に滞在する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年4月10日11時6分配信
【「アドミラル・グリゴロヴィチ」は今夏まで地中海に留まると情報筋は伝えた】
モスクワ、4月10日-ロシア通信社ノーボスチ

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(プロジェクト11356)は、2017年夏まで地中海ロシア海軍作戦連合部隊の一員として戦闘勤務を続ける。
月曜日、ロシア通信社ノーボスチ軍事-外交筋より伝えられた。

ロシア連邦海軍作戦連合部隊の一員として「アドミラル・グリゴロヴィチ」は今年2月28日から地中海で任務を遂行した。
3月31日、同艦はトルコ海軍の艦を迎える為、ノヴォロシースクへ到着した。

「フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は、トルコ艦の訪問が終わった後、戦闘訓練計画下で4月8日に地中海へ戻り、今年夏までロシア艦グループの一員として戦闘勤務を続けます」
対談者は話した。

彼によれば、艦の復帰は、4月7日のアメリカ合衆国有翼ミサイル「トマホーク」によるシリアシャイラト飛行場への攻撃とは何ら関係が無い。

「4月3日~5日のトルコ海軍の艦の訪問は、既に今年初めに計画されており、フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は、この時にホストシップに選ばれています」
情報提供者は話した。



ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役し、同年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

その後、2度に渡り地中海への航海を行ないました。
(2016年9月24日~10月7日2016年11月3日~12月19日)

2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。

それから約1ヶ月後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は一旦黒海へ下がり、3月31日には黒海東岸ノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]
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4月3日、トルコ海軍フリゲート「バルバロス」(F-244)コルベット「ブユックアダ」(F-512)ノヴォロシースク港を訪れ、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はホストシップを務めました。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は4月5日にノヴォロシースクを出航し、トルコ海軍ロシア黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

演習終了後は黒海の出口へ向かい、4月7日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びシリアへ向かった]

4月8日にはロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)に到着した]
つまり、地中海東部(シリア沖)へ到着したという事です。
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「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年夏、つまり少なくとも6月までは地中海東部に留まるようです。


現在、シリア沖には、少なくとも7隻のロシア海軍艦船が展開しています。
大型揚陸艦「コロリョーフ」のみバルト艦隊ですが、他は全て黒海艦隊です。

警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」
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偵察艦「キルディン」
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海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」
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大型揚陸艦「コロリョーフ」
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大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」
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哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」
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海洋曳船MB-174
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ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月9日3時0分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊は、沿海地方からカムチャツカへの長距離飛行を行なった】

太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31の編隊は、沿海地方航空・防空軍航空連合部隊の飛行場ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤからカムチャツカ常時駐留飛行場への長距離飛行を行なった。
飛行距離は2200km以上であった。
フライトの枠組みに置いて飛行士は空中戦闘の要素へ取り組み、空中目標の捜索、探知、迎撃の任務を遂行した。

沿海地方においてカムチャツカ飛行士は数十回の戦闘演習を実施し、良く知らない場所の上空で任務を果たした。
更に、飛行中に軍勤務者は大きな傾斜と曲線の機動の要素へ取り組み、照準複合体の能力値の限界での空中戦闘を行ない、昼間及び夜間の着陸へのアプローチへ取り組んだ。

また、迎撃戦闘機MiG-31の乗員は、飛行技量と専門的技術の水準を高める為、一連の特別なテストを受けた。

[参照]
迎撃機MiG-31BM
は、対ミサイル防衛システムの一部である。
あらゆる範囲の高度で有翼ミサイル及び弾道ミサイルを破壊する為に意図されている。
衛星、第5世代ステルス航空機、起伏を迂回する軌道を飛ぶ低空飛行目標、無人飛行装置(無人機)の探知と破壊が可能である。

超音速迎撃戦闘機MiG-31BMは、複座高空飛行機として比類が無い。
高空での速度はマッハ2.83、地面上では時速1500kmである。

航空機MiG-31は、「空対空」長距離ミサイル、中距離ミサイル、短距離ミサイルを搭載できる。
更にMiG-31BMは、地上目標へ打撃を与える「空対地」高精度兵器の搭載が可能である。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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そして4月9日、ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。

ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した

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『タス通信』より
2017年4月8日15時1分配信
【潜水艦「クラスノダール」はバルト海の標的への有翼ミサイル発射を実行した】
モスクワ、4月8日/タス通信

プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は、バルト艦隊海洋射爆場において水上標的への有翼ミサイル発射を実行した。
(ロシア)国防省広報サービスは発表した。

「客観的な監視データによると、海上標的は成功裏に破壊されました」
タス通信
が受け取った声明では、こう述べられた。

発射を実行した場所は明らかにされなかった。

近い内に、潜水艦は様々な種類の訓練を行なう数十回の艦内演習へ取り組む~潜水艦の生存の為の闘い(ダメージコントロール)、乗組員の組織的な日常活動、水上及び水中に位置する航法、その他。

潜水艦シリーズ636.3は、水上艦及び潜水艦との戦闘、機雷源の設置、偵察行動の為に意図されている。
このタイプの潜水艦の主な利点の1つは、低水準の騒音に在る。



[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクアドミラルティ造船所で2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

起工から1年2ヶ月後の2015年4月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは進水した]


その後、アドミラルティ造船所の岸壁で艤装工事が行なわれました。
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艤装工事は2015年7月20日までに完了しました。
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2015年7月27日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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2015年8月10日から航行試験を開始しました。



試験は2015年10月末までに完了し、「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ納入され、合わせて聖アンドレイ旗の初掲揚式典も開催されました。
[黒海艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは2015年11月5日にロシア海軍へ引き渡される]
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]

就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。

「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、またアドミラルティ造船所へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。
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修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

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そして2017年4月8日、「クラスノダール」バルト海有翼ミサイルを水上標的へ発射しました。

ロシア海軍当局は、ミサイルの種類には全く触れていませんが、「カリブル」対艦型(最大射程375km)でしょう。


先に就役したプロジェクト06363潜水艦の1~3番艦は、就役後にバレンツ海まで行って「カリブル」対地型(最大射程2500km)を発射した後、配備先である黒海へ向かいましたが、「クラスノダール」バレンツ海へ行かず、直接黒海へ向かうのかもしれません。


ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が就役しており、最初の3隻は既に黒海艦隊基地へ回航されています。
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プロジェクト06363潜水艦は全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されました。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3月18日進水/2016年10月26日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年5月31日進水/2016年11月24日就役
黒海艦隊に配備予定



今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
1番艦「モジャイスク」と2番艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」は2017年中に起工されます。

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)に到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月8日10時25分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海の海軍常設連合部隊の一員としての任務遂行を再開した】

本日、アナトーリー・ヴェリチコ3等海佐が艦長を務める黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、地中海ロシア海軍常設連合部隊の一員として加わった。

4月3日から5日まで「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、ノヴォロシースクを非公式訪問したトルコ海軍艦船支隊のホストシップとなり、ロシア-トルコ海軍『PASSEX』タイプの2ヶ国間演習へ参加した。

[参照]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」
は、海洋ゾーンフリゲート・プロジェクト11356のトップである。
このシリーズの艦の排水量は、およそ4000トン、速力は30ノット、自立航行期間は30日。

兵装:有翼ミサイル「カリブル-NK」、自己防衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mm砲A-190、高射砲、反応爆雷装置、魚雷、更にはヘリコプターKa-27(或いはKa-31)を搭載できる。



ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役し、同年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

その後、何度か地中海への航海を行ないました。

2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。

それから約1ヶ月後の3月31日、出航したセヴァストーポリでは無く、黒海東岸ノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]
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4月3日、トルコ海軍フリゲート「バルバロス」(F-244)コルベット「ブユックアダ」(F-512)ノヴォロシースク港を訪れ、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はホストシップを務めました。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は4月5日にノヴォロシースクを出航し、トルコ海軍ロシア黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

演習終了後は黒海の出口へ向かい、4月7日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びシリアへ向かった]

そして4月8日にはロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日)へ加わりました。
つまり、地中海東部(シリア沖)へ到着したという事です。
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現在、シリア沖には、ロシア海軍偵察艦「キルディン」、海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」が滞在しています。

4月3日には大型揚陸艦「コロリョーフ」ボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。

4月6日には哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」、海洋曳船MB-174、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」ボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年に始まる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年4月6日13時51分配信
【航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化は2017年に始まる-ロシア連邦国防省】
モスクワ、4月6日、インタファクス-AVN

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理と近代化は今年(2017年)に始まり、この作業には『セヴマシュ』の専門技術者が従事する。
木曜日(4月6日)、ロシア国防相代理(国防次官)ユーリー・ボリソフ『インタファクス-AVN』へ伝えた。
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「そうですね、作業は今年から始まります」
ユーリー・ボリソフ
は質問に答え、こう話した。
彼によると、航空母艦の修理と近代化は、『セヴマシュ』(セヴェロドヴィンスク、アルハンゲリスク州)で行なわれる。

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以前、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は完全な戦闘準備状態に在り、近代化の作業量については国防省の決定を待っていると述べた。
「クズネツォフは、完全に戦闘可能な航空母艦です。
僕は、それが完全に戦闘可能であると確信しております。
それは、我々が昨年に行なった近代化の後、根本的に新たな機能を有する性質の航空団を得ました。
それは、自身の機能を適切に実行できるように、基礎ユニット、システム、機構が更新されました」
アレクセイ・ラフマノフ
は、月曜日(4月3日)にラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で話した。
「従いまして」彼は続けた。
「老朽化による除籍というのは時期尚早ですが、ある種の近代化は必要であり、この事実は生きています。
僕達は、国防省が然るべき指示を下したのならば、この作業を準備します」


アレクセイ・ラフマノフは、今後の近代化の作業量については何も言わず、この問題はロシア連邦国防省が決めると説明した。
それは、作業実施期間に依る。
「それは国防省の仕事です。
完全な戦闘準備状態に在りますし」
アレクセイ・ラフマノフ
は話した。

また、彼は、シリア作戦へ参加中の航空母艦における航空機の墜落事故の原因に関する質問には答えなかった。
「これは、軍の問題です。
僕が質問に御答えするのは、少なくとも、艦上に居た場合ですね」
アレクセイ・ラフマノフ
は話した。

3月17日、『イズベスチヤ』紙は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化には650億ルーブルの費用が掛かり、巡洋艦の就役期間は20年延長されると報じた。

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以前、ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは、「アドミラル・クズネツォフ」が、問題点洗い出しの過程を終えた後に修理へと向かい、具体的な時期は国防省が決めると述べた。

3月2日、『インタファクス』のインタビューに対し、ドミトリー・ロゴージンは、ソヴィエト時代に製造された重巡洋艦は、近代化する事により、ロシア連邦海軍の戦闘編制へ長期に渡り留まる事が出来ると話した。
「僕達は、過去に作成された戦闘プラットフォームを使用するのは恥ずべき事であるなどとは考えておりません。
この巡洋艦は、高度な近代化の対象です。
それは、多年に渡る長期の勤務を継続する事が出来るようになります」
ドミトリー・ロゴージン
は指摘した。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2月8日に地中海からセヴェロモルスクへ戻ってきた。
巡洋艦艦上航空隊は、シリア軍事作戦へ関わっていた。
「アドミラル・クズネツォフ」の航海中、2機の艦上戦闘機が失われた。
事故は着艦へのアプローチの際に発生し、飛行士は脱出した。

「アドミラル・クズネツォフ」は、1982年に黒海造船工場の造船台で起工された。
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艦は50機以上の航空機を搭載できる。
その兵装は、有翼対艦ミサイル「グラニート」、高射ミサイル複合体「クリノーク」高射ミサイル砲複合体「カシターン」、自動艦載砲、更に対潜防衛システムから成る。

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ロシア連邦大統領の指示により、2016年1月から10月まで、株式会社『艦船修理工場ズヴェズドーチカ』は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の修理と近代化の作業を実行した。
実行期間は短縮され、回復作業に求められる企業の生産能力と組織的リソースは大規模に動員された。
課題遂行の為、数千名の高度熟練労働者と専門技術者が参加し、組織的な3交代モードで作業が行なわれた。

巡洋艦の航海の準備は、作業実行期間中に同艦が運用から外されなかった為、困難であった。
巡洋艦の乗組員の居住の保障及び戦闘訓練の活動の為、修理作業は非常に慎重な調整を必要とした。




ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

シリア沖から戻ってきた「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になるようです。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
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『第35艦船修理工場』
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近代化改装の内容については、現時点においては未だ正式には決定されてないようですが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]


これまでのロシア側の報道を見る限り、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には、改装費用が異なる幾つかのオプションが考慮されているようです。

改装費用650億ルーブル(2017年3月中旬初出。但し、新型機器の設計開発費用300億ルーブルも含む)
兵装(打撃有翼ミサイル複合体も含む)や電子機器の殆ど全てを交換し、寿命も20年延長。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により寿命を20年延長する]

改装費用200億ルーブル(2017年3月初頭初出)
対空兵装、電子機器などを新型に換装し、ボイラー4基を交換。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年7月までに始まる]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年5月末から始まるかもしれない]

改装費用数十億ルーブル(2016年5月下旬初出)
主に航空関係艤装に焦点を当てた必要最低限の改装。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]


「アドミラル・クズネツォフ」を設計した『ネフスキー計画設計局』は、既に同艦の近代化改装の設計案を完成させています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の設計案は完成した]


そして今回、ロシア連邦国防相代理(国防次官)ユーリー・ボリソフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まると改めて明言しました。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装開始は2018年に延期されるという話も出ていますが、ボリソフ氏は、それを否定しました。

ただボリソフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装はセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で行なうと述べています。
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2010年4月に初めて「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の話が出た時には、その為の作業は『セヴマシュ』で行なわれると言われていました。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]

しかし最近では、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は、上記のように、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』での実施が有力視されています。

『セヴマシュ』は、退役した重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」インド海軍向けの空母「ヴィクラマーディティヤ」へ改造した経験を持っているので、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装にも協力するという事でしょうか。
[空母ヴィクラマーディティヤ]
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ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット2隻は北大西洋へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年4月7日17時48分配信
【バルト艦隊艦船支隊は遠距離航海へ出発した】

コルベット「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」、曳船SB-123、給油船「コラ」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、バルチースク海軍基地を去り、北大西洋へ進路を取った。

航海期間中に艦船の乗組員は10回以上の様々な戦闘演習任務を遂行し、その中には、合同訓練、通信演習、対空・対潜防衛、更には海上での物資補充がある。

コルベットに駐留する(バルト)艦隊海軍航空隊艦載ヘリコプターKa-27の乗員は、大西洋海域で何度かの飛行勤務を行ない、仮想敵潜水艦の捜索と水上目標の探知の訓練を実施する。



プロジェクト20380コルベットの2番艦「ソーブラジテルヌイ」(531)は、2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水、2011年10月14日に就役しました。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]

2012年7月29日に親衛海軍旗を授与され、親衛艦となりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2012年7月28日
【海軍記念日にコルベット「ソーブラジテルヌイ」は親衛艦となる】

プロジェクト20380コルベットの3番艦「ボイキー」(532)は2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水し、2013年5月16日に就役しました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]


「ソーブラジテルヌイ」「ボイキー」は、昨年(2016年)10月も北大西洋へ進出しています。
(10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]

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そして2017年4月7日、2隻のコルベット北大西洋への遠距離航海へ出発しました。

今回は曳船給油船も連れているので、長期の航海になるようです。

ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月7日18時31分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はマラボ港(赤道ギニア)への業務寄港を行なった】

スタニスラフ・ヴァリカ1等海佐が指揮し、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船「アルタイ」、中型海洋給油船「ドゥブナ」で構成される北方艦隊艦船支隊は、赤道ギニア共和国首都マラボ港へ到着した。

ロシア艦船の業務寄港は2日間に渡って続く。
この間、大型対潜艦「セヴェロモルスク」乗組員は、艦上へ赤道ギニア共和国軍指導部と同市行政部、更にはカメルーンロシア連邦大使館の代表者を受け入れる。

ロシア船員の為、同市の観光名所見学のバス旅行が提供される。
大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、マラボ市の住民とゲストが訪れるため、数時間開放される。

業務寄港の2日目には、ロシア赤道ギニアの軍事船員チーム間のミニサッカー競技会が計画されている。

[参照]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
支援船の航海は、2016年10月15日に始まった。
3ヶ月の間に乗組員は、地中海エリアで重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として任務を遂行した。

1月中旬にロシア艦船スエズ運河を通過して紅海へ、そしてインド洋への移動を行なった。
2月9日から15日まで、アラビア海エリア及び沿岸のパキスタン海軍基地で実施された国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加した。

アフリカ周囲への遠距離航海中に、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、サラーラ港(オマーン)、カラチ港(パキスタン)、ヴィクトリア港(セーシェル)、ダルエスサラーム港(タンザニア)、ペンバ港(モザンビーク)、更にはケープタウン港(南アフリカ共和国)、ルアンダ港(アンゴラ)を訪問した。



[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、「セヴェロモルスク」給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

「セヴェロモルスク」は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

そして4月7日、北方艦隊艦船支隊赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
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ロシア赤道ギニアは、2015年7月20日にロシア海軍艦船の寄港手続きを簡略化する協定を締結しています。
[ロシアと赤道ギニアはロシア海軍艦船の寄港手続きを簡略化する協定を締結した]

協定締結の翌日(2015年7月21日)には黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」マラボ港へ寄港しています。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは赤道ギニアのマラボを訪れた]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った

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『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年4月7日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2017年4月6日午後5時頃、ロシア海軍「スラバ級ミサイル巡洋艦」「ドゥブナ級補給艦」種子島北東沖を西進し、その後、大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。



この2隻は、4月1日にウラジオストクを出航したロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」中型海洋給油船「ペチェンガ」です。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]


親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

2015年12月29日には「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようであり、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日に対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


そして2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。

「ワリャーグ」に続き、中型海洋給油船「ペチェンガ」救助曳船「フォーチー・クルイロフ」ウラジオストクを出ました。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

救助曳船「フォーチー・クルイロフ」(1989年6月29日就役)は、昨年(2016年)3月末~8月初頭の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」太平洋・インド洋遠征へ参加しています。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

4月2日には津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

そして4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
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ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは再びシリアへ向かった

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『タス通信』より
2017年4月7日12時19分配信
【情報筋:黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」はシリアのタルトゥース港へ入る】
モスクワ、4月7日/タス通信

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の次の地中海への航海の枠組みにおいて、シリアタルトゥースロシア海軍物資-技術供給所を訪れる。
『タス通信』はモスクワの軍事-外交筋より伝えられた。

「有翼ミサイル"カリブル"で武装するロシア艦の航海の枠組みにおいて、シリアのタルトゥースの物資技術供給所への寄港が行なわれます」
対談者は話した。

彼によると、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は現在、黒海海峡ゾーンに在り、モスクワ時間14時頃には地中海へ入る。
艦は、ノヴォロシースクで物資を補充した後に航海へ向かい、黒海トルコ艦との合同演習へ参加した。

情報提供者は、シリア沖への「アドミラル・グリゴロヴィチ」の航海継続期間は「状況により変わってきますが、何れにせよ1ヶ月以上になるでしょう」と指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

フリゲートの前の航海は、ほぼ3月の全期間に渡って継続し、艦は3月2日に地中海へ入り、(ロシア)国防省は3月31日にフリゲートノヴォロシースクへ戻ったと発表した。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」プロジェクト11356フリゲートのトップである。
このシリーズの艦の排水量は、およそ4000トン、速力は30ノット、自立航海期間は30日。
艦の兵装は有翼ミサイル「カリブル-NK」、自己防衛複合体「シチーリ-1」、口径100mmのA-190砲であり、艦上ヘリコプターを搭載できる。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

7月13日には黒海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で砲撃訓練を行なう]

8月下旬には「抜き打ち演習」へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊は抜き打ち演習へ参加する]


2016年9月24日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めての地中海航海へと出発しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャへ向かった]

地中海へ出た「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、9月28日にギリシャケルキラ(コルフ)島を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャのケルキラ(コルフ島)を訪問した]
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10月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」ギリシャから去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャを去った]

10月7日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはセヴァストーポリへ帰投した]


それから約1ヶ月後の2016年11月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は再び地中海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]

11月4日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
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その後、北方艦隊重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループへ加わりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は11月11日頃までシリアタルトゥース港へ寄港して各種物資を補充しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイルによるシリア領内のテロ組織への攻撃を準備する]

2016年11月15日、シリア領内イドリブホムスISIL(イラク・レバントのイスラム国)及びアル=ヌスラ戦線の施設への攻撃が開始されました。
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[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

攻撃へ参加したのは重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機、沿岸ミサイル「バスチオン」(本来は地対艦ミサイル)であり、この他、「アドミラル・グリゴロヴィチ」有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]



その後もロシア海軍空母機動部隊の一員として地中海東部に居たようですが、12月中旬には機動部隊を離れて帰路に就き、12月18日にボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
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2016年12月19日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖から帰投した]

その後、12月25日に92名(アレクサンドロフ・アンサンブル団、いわゆる赤軍合唱団のメンバーを含む)を乗せてソチ空港を離陸し、黒海へ墜落したロシア軍旅客機Tu-154の捜索に参加しました。
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『スプートニク日本語版』より
【露軍機ツポレフ154墜落】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月25日10時16分配信
【ロシア国防省のTu-154の機上滞在者リスト】


2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)へ行く]

当初は非公式筋からの情報として伝えられていましたが、すぐ後に黒海艦隊広報部から正式に発表されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年2月27日15時31分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」はセヴァストーポリから地中海へ出発した】

当初の予定では、2月28日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入る筈だったのですが、濃霧によりボスポラス海峡の船舶航行が2日間に渡って中断した為、海峡通航は3月2日にずれ込みました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは地中海へ入った]

その後、1ヶ月ほど地中海東部(シリア沖)で行動していました。
この間、具体的に何をしていたのかは明らかにされていませんが、おそらくはロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の旗艦任務に就いていたのでしょう。

3月29日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。
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3月31日、1ヶ月ほど前に出航したセヴァストーポリでは無く、黒海東岸ノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]
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4月3日、トルコ海軍フリゲート「バルバロス」(F-244)コルベット「ブユックアダ」(F-512)ノヴォロシースク港を訪れ、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はホストシップを務めました。

4月5日にはノヴォロシースク沖で、トルコ海軍の2隻の艦と、「アドミラル・グリゴロヴィチ」を含むロシア海軍黒海艦隊の合同演習が実施されました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

その後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は4月7日にボスポラス海峡へ入り、南方へ通過しました。
今回のタス通信の記事では「公式に確認されていない」と書かれていますが、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の海峡通過は既に現地で確認されています。

行き先は、ロシア海軍物資補給所が在るシリアタルトゥース港です。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」ノヴォロシースクで物資を補充した後に出航し、トルコ海軍の艦と合同演習を行ない、ボスポラス海峡へ入っているので、ノヴォロシースクを出航した4月5日よりも前の時点で地中海東部(シリア沖)への派遣が既に決まっていたようです。

ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した

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『タス通信』より
2017年4月6日14時48分配信
【原子力潜水艦「オリョール」は修理後に復帰する】
モスクワ、4月6日/タス通信

プロジェクト949A多目的原子力潜水艦「オリョール」は、修理後にロシア海軍の戦闘編制へ復帰する。
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』広報サービスは発表した。

「原子力艦は当社の水域を離れ、常時駐留場所への移動を開始しました。
原子力潜水艦オリョールの修理作業は3年以上に渡って続きました。
ズヴェズドーチカは、全ての艦載システム~機械部分、電波電子兵装、船体構造、主動力装置の技術的準備状態の回復を実行しました」

同社は伝えた。

潜水艦の原子炉には(核燃料が)再装填され、兵装複合体は修復された。
専門技術者は更に、原子力艦の推進軸を復旧した。

「近い内に、ロシア英雄セルゲイ・ノヴォハツキー1等海佐が指揮する巡洋艦の乗組員は、納入責任者ミハイル・ポジンスキー率いる試験実施チームと共に、海洋射爆場で艦の全てのシステムの点検を実施します。
オリョールの試験完了後、戦闘任務の遂行へ着手します」
造船所
は指摘した。

北方艦隊プロジェクト949A「アンテイ」原子力潜水艦K-266「オリョール」は、2014年4月に技術的準備状態の回復作業の為、『ズヴェズドーチカ』のドックへ置かれた。
修理完了後、原子力艦の就役期間は3年半に延長される。
潜水艦セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造され、1993年2月5日に海軍へ加入した。

「アンテイ」は、海洋工学中央設計局『ルビーン』(サンクトペテルブルク)により開発された。
この第3世代多目的潜水艦(大陸間弾道ミサイルを搭載しない)のNATO分類は「オスカーII」である。
これらの原子力艦の全長は155メートル、排水量は24000トン、潜航深度600メートル、水中速力32ノット(時速約59キロメートル)、乗組員は107名。
「アンテイ」の兵装は、射程距離約500キロメートルの有翼ミサイル「グラニート」の発射装置24基と6門の魚雷発射管である。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

「オリョール」は2017年4月末までに北方艦隊へ復帰する予定です。
[近代化改装される原子力水中巡洋艦オリョールは2017年4月末までにロシア海軍へ復帰する]

そして2017年4月6日、「オリョール」艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」を去り、駐留基地へ向かいました。
今回の記事では具体的に触れられていませんが、ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)の事でしょう。
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今後、「オリョール」は海上で各種の試験を行ない、それが終わった後、正式に北方艦隊へ復帰するようです。


現在、ロシア海軍には8隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦が在籍しており(北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に5隻)、この内の4隻が打撃有翼ミサイルを換装する大規模な近代化改装を行ないますが、「オリョール」は、この4隻には含まれていません。
(「オリョール」を含む北方艦隊所属の949Aは寿命延長近代化改装のみ)
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]

ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる

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『イズベスチヤ』より
2017年4月5日20時30分配信
【「スペル-ゴルシコフ」(超ゴルシコフ)は1000トン改善される】

ロシアの最新フリゲートは遠距離電波位置特定ステーション(レーダー)と追加の発射装置を受け取る。

ロシア将来フリゲート・プロジェクト22350Mは、1000トン重くなる。
新たな戦闘艦は、プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」シリーズの発展型である。
22350Mは、未だ1隻も起工されていないが、造船業分野において、このプロジェクトは既に非公式に「スペル-ゴルシコフ」(超ゴルシコフ)の名で呼ばれている。
その排水量は「先祖」よりも1100トン以上になる。

(ロシア)海軍総本部が『イズベスチヤ』へ話したように、プロジェクト22350Mフリゲートに関する造船業界との調整は続けられている。
しかし、その排水量(艦を置き換える水の容量)は、従来の「ゴルシコフ」に比べて1100トン以上の6500トンであることは明らかである。
追加された容量は、現代的な機器の設置と戦闘能力の強化の為に必要なものである。

プロジェクト22350フリゲートの建造は2005年に始まった。
シリーズのトップ艦となる「アドミラル・ゴルシコフ」『北方造船所』で2006年2月に起工された。

「ゴルシコフ」の納入期限は数度に渡り延期された。
その理由の1つは、130mm砲A-192Mの不準備によるものであった。

艦の排水量は5300トン、全長は135メートル、速力は29ノット、自立海上滞在期間は30日。
空中の敵からフリゲートを防護するのは、遠距離高射ミサイル複合体「リドゥート」高射ミサイル砲複合体「パラシ」である。
「ゴルシコフ」は、130mm砲A-192Mミサイル-超音速の「ヤーホント」と有翼の「カリブル」で水上及び地上目標を破壊する。
フリゲートの全てのミサイル兵器は、汎用垂直発射装置に収納される。

近代化されたフリゲート22350Mは、2014年12月、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将の談話で登場した。
彼によると、(ロシア)海軍は、北極圏グループの基礎となる少なくとも15隻の「ゴルシコフ」「スペル-ゴルシコフ」の受領を見込んでいる。

近代化されたフリゲートの概略図や模型は未だ提示されていない。
「スペル-ゴルシコフ」の画像のみは、艦載電波電子機器、通信システムと管理システムの開発者-コンツェルン『海洋情報システム-アガート』から公表された。
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それは、フリゲートの上部構造物に複数の新たな電波位置特定器(レーダー)アンテナが姿を見せている。
十分な寸法と電波位置特定ステーション(レーダー)の3軸重アンテナ(X、Y、Z軸の座標目標を表示)が含まれている。

「おそらく、艦には空中目標を遠距離で探知する現代的な電波位置特定器が登場し、更には、ミサイルの為の垂直発射措置が追加されるでしょう」
雑誌『兵器輸出』編集長ミハイル・バラバノフ『イズベスチヤ』へ話した。
「間近の競合相手~フランスとイタリアのFREMM、スペインのF110、オーストラリアのAWDと比較すると、ロシアのゴルシコフは、全ての必要な兵器と機器を配置するには排水量が十分ではありません。
従いまして、プロジェクト22350Mが、それ(排水量)を増加させる事を決定したのには十分に裏付けされた理由が有ります。
その戦闘能力において、スペル-ゴルシコフは競合相手を前に高い優位性を有しております」


現在、「ゴルシコフ」は試験が行われている。
それが完了した後、フリゲート北方艦隊第43ロケット艦師団へ加入する事になるだろう。
更に、3隻のプロジェクト2230フリゲート「アドミラル・カサトノフ」、「アドミラル・ゴロフコ」、「アドミラル・イサコフ」が様々な準備段階に在る。
全ての作業が完了した後、「ゴロフコ」北方艦隊へ、「イサコフ」黒海艦隊へ加入するものと見られている。



[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

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ロシア海軍の為の新世代フリゲート、プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク「北方造船所」で4隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2014年11月から洋上試験が行なわれています。
2017年3月20日には兵装試験の為に出航しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は兵装試験の為に再びバレンツ海へ向かった]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、現在艤装中です。
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[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2017年に進水が予定されています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2017年夏-秋頃に進水する]

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]


現在の所、1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」が2017年(6月末)、2番艦「アドミラル・カサトノフ」は2018年末、3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2019年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦~3番艦は2017年~2019年にロシア海軍へ引き渡される]

4番艦「アドミラル・イサコフ」の引き渡しは2020年に予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート2隻(3番艦と4番艦)は2020年末までにロシア海軍へ引き渡される]

5番艦以降の建造に関しては、未だ具体的な計画は策定されていないようです。


プロジェクト22350の改良型となるプロジェクト22350Mに関しては、以前から名前だけは何度も出ていました。

2014年12月には、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督(現在は『統合造船業営団』総裁の顧問)が、ロシア海軍は少なくとも15隻のプロジェクト22350/22350Mを受領すると発言しています。
[ロシア海軍は15隻のプロジェクト22350/22350Mフリゲートを受領する]

そして今回、プロジェクト22350Mフリゲートの(満載)排水量は6500トンとなる事が明らかにされました。


ロシア海軍が極度の財政難から未だ脱していなかった2000年代初頭に計画されたプロジェクト22350フリゲートは、建造費用を抑える為、「大洋ゾーン水上艦」としては最小のサイズに留められました。

しかし今となっては、このサイズでは不充分であると判断された為か(1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」は未だ就役していないが、既にバルト海、白海、バレンツ海で洋上試験を行なっている)、22350Mは6500トン級の艦にする事になったようです。


プロジェクト22350Mが何時から建造を開始するのかは未だ決まっていませんが、或いは、プロジェクト22350の建造を4隻で打ち切り、以後は22350Mに切り替える可能性も考えられるでしょう。

ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツは地中海東部(シリア沖)から戻ってきた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月5日17時58分配信
【北方艦隊主要基地へ大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」が戻ってきた】

本日(4月5日)、北方艦隊主要基地-セヴェロモルスク市-へ、アンドレイ・ザルコフ2等海佐の指揮下で遠距離航海任務を成功裏に果たした大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」が到着した。

母港へ帰ってきた同艦の乗組員を北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将が祝福した。
彼は、遠海ゾーンで任務を遂行した乗組員のプロ意識と高い軍事海洋技量を指摘した。

大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は、昨年5月5日に遠距離航海へ出発し、2016年~2017年に、主として黒海地中海で任務を遂行した。
この間に同艦は、およそ4400時間航行した。

合計で同艦は45000海里以上を航行した。
これをキロメートルに換算した場合、北方艦隊将兵は、地球の赤道上を2度回った事になる。
遠距離航海中、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」の乗組員の家族には、2人の男の子が生まれた。

[参照]
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
は、何度も北方艦隊及び連合部隊で最高の艦と認定されてきた。
同艦は演習『ザーパド(西)-2009』及び『ザーパド-2013』へ参加した。

何度も地中海と、北極圏ノヴォシビルスク諸島への北海航路上の遠距離航海を行なった。

2015年には、大型揚陸艦「コンドポガ」と共に、北極圏の戦略的に重要な産業施設の防衛の為の軍種間戦術演習の枠組みにおいて、ドゥディンカ港地域の無防備の海岸への揚陸部隊の上陸へ参加した。



北方艦隊大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」(016)は、2016年5月5日にセヴェロモルスクを出航し、地中海へ向かいました。
(ただし、出航時には北方艦隊広報部からの発表は無かった)

北方艦隊広報部発表では全く触れられていませんが、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」黒海沿岸シリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)に就いていました。

大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は2016年5月28日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

以後、ボスポラス海峡を通過(南下・北上)して黒海地中海を往復し、シリアタルトゥースへ貨物を運びました。
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[2016年]
・6月11日南下/6月23日北上
・7月1日南下/7月中旬北上
・7月20日南下/7月28日北上
・8月6日南下/8月15日北上
・9月1日南下/9月13日北上
・9月24日南下/10月3日北上
・10月11日南下/10月18日北上
・10月29日南下/11月8日北上
・11月16日南下/11月26日北上
・12月4日南下/12月14日北上

[2017年]
・2月6日南下/2月16日北上


大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は、計11回の輸送任務を遂行しました。

2017年3月2日にボスポラス海峡を南下して地中海へ出た後、西へ向かい、母港セヴェロモルスクへの帰路に就きました。

3月25日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[北方艦隊の大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツはシリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を終えて帰路に就いた]

3月29日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ出ました。
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[シリア沖から戻ってくる北方艦隊の大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツは英仏海峡を通過した]

そして4月5日にセヴェロモルスクへ帰港しました。


これまで地中海には、シリア輸送任務の為、北方艦隊大型揚陸艦1隻が交代で派遣されてきましたが、現在の所、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」に代わる北方艦隊大型揚陸艦は派遣されていないようです。

ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年4月5日13時47分配信
【黒海でロシアとトルコの合同演習が実施された】
モスクワ、4月5日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア黒海艦隊トルコ海軍の艦は黒海合同演習を実施した。
黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフは報道機関へ伝えた。

「2ヶ国の艦の演習の枠組みにおいて、係留地での測量、駐留地からの出航、掃海の実施、合同機動演習と組織的通信、更には、小型高速目標の攻撃の撃退、組織的な臨検活動の実施、水上に浮かんだ人の捜索と救助へ取り組みました」
彼は話した。

トルハチェフは、黒海艦隊からはフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」、「ラプトル」型哨戒艇が、トルコ海軍からはフリゲート「バルバロス」コルベット「ブユックアダ」が参加した事を説明した。



ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役し、同年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

その後、何度か地中海への航海を行ないました。

2017年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリを出航し、地中海東部へ向かいました。

それから約1ヶ月後の3月31日、出航したセヴァストーポリでは無く、黒海東岸ノヴォロシースクへ入港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖からノヴォロシースクへ戻ってきた]
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2017年4月3日、トルコ海軍フリゲート「バルバロス」(F-244)コルベット「ブユックアダ」(F-512)ノヴォロシースク港を訪れました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月3日13時0分配信
【トルコ海軍戦闘艦支隊はノヴォロシースクへ到着した】

トルコ海軍の艦のホストシップは、「アドミラル・グリゴロヴィチ」が務めました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」セヴァストーポリでは無くノヴォロシースクへ戻ってきたのは、この為だったようです。

同日、トルコ海軍のヴェイセル・コセル大将と黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコ大将の会談が行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月3日18時54分配信
【ノヴォロシースクで黒海艦隊司令官とトルコ海軍指揮官の会合が開かれた】

4月4日、トルコ海軍代表団は「アドミラル・グリゴロヴィチ」を訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月4日9時37分配信
【トルコ海軍の指揮官は黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」を訪れた】

同日、トルコ海軍代表団は、大祖国戦争で戦死したロシア海軍将兵の慰霊碑へ献花しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月4日14時9分配信
【黒海艦隊とトルコ海軍の代表は戦争で死亡したノヴォロシースクのロシア船員の記念碑へ黙祷を捧げた】

トルコ海軍の2隻の艦は、4月5日午前にノヴォロシースクを出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年4月5日11時8分配信
【トルコ海軍の艦はノヴォロシースクへの訪問を完了した】


その後、トルコ海軍の2隻の艦とロシア海軍黒海艦隊の合同演習が実施されました。

ロシア海軍トルコ海軍の合同演習は、2013年4月以来、実に4年ぶりです。
[黒海艦隊の揚陸艦は黒海沿岸諸国の合同演習に参加する]

ロシア海軍NATO加盟国海軍の合同演習も、2014年3月のウクライナ危機以降、全く行われていませんでしたが、今回、数年ぶりに実施されました。
(ただし、ロシア海軍北方艦隊NATO加盟国ノルウェー沿岸警備隊の合同演習は、ウクライナ危機の後も何度か実施された)

ロシア海軍からは、「アドミラル・グリゴロヴィチ」の他に、掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」が参加しました。
「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は2009年1月17日に就役しており、黒海艦隊の艦船の中では新しい部類に入ります。
[新型掃海艦ヴィツェ-アドミラル・ザハリン、黒海艦隊へ]
[新型掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」は1月17日に就役する]
[ロシア海軍新掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」就役]

この他、2015年以降に就役した「ラプトル」型哨戒艇(対破壊工作艇)も参加しました。
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「ラプトル」型哨戒艇は、合同演習において、ロシア海軍及びトルコ海軍の艦へ攻撃を仕掛ける敵の「小型高速目標」の役割を演じたようです。

近代化改装される原子力水中巡洋艦オリョールは2017年4月末までにロシア海軍へ復帰する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2017年4月4日21時25分配信
【原子力多目的潜水艦「オリョール」は2017年4月末までに(ロシア)海軍へ復帰する】

2017年4月末までに(ロシア)海軍潜水艦部隊へ、修理と技術的準備状態の回復を終えたプロジェクト949A多目的原子力潜水艦「オリョール」が復帰する。
現在、原子力潜水艦「オリョール」は、セヴェロドヴィンスク企業『ズヴェズドーチカ』で修理作業の最終段階が行なわれている。
潜水艦は、一連の居住保障システム、電波工学兵装と航法機器を更新した。

原子力潜水艦「オリョール」は、北方艦隊潜水艦部隊の一員として任務を遂行する。

更に2017年には、プロジェクト667BDRM戦略用途ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」プロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦「ドミトロフ」海軍への復帰が計画されている。

今年2月、潜水艦「トゥーラ」艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の造船台から出渠した。
現在も修理作業が続けられており、2017年第4クオーター(10月~12月)に完了する。
その先には、原子力潜水艦「ブリャンスク」の修理が待ち受けている。
第4世代原子力潜水艦の建造の課題は、造船プログラムの実現において第3世代原子力潜水艦(の修理)と相互にある。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

進水後は『ズヴェズドーチカ』の岸壁で改装工事の最終段階が行なわれており、2017年4月末までに修理を完了して復帰する予定です。

現在、ロシア海軍に在籍する8隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦の内、4隻が打撃有翼ミサイルを換装する大規模な近代化改装を行ないますが、「オリョール」は、この4隻には含まれていません。
(「オリョール」を含む北方艦隊所属の949Aは寿命延長近代化改装のみ)
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]


今回の発表で触れられていますが、「オリョール」の他に、戦略用途水中巡洋艦「トゥーラ」通常動力潜水艦「ドミトロフ」も2017年に復帰する予定です。
[2017年に3隻の潜水艦が修理を終えてロシア海軍へ復帰する]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月5日7時20分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は砲撃戦を実施した】

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の乗組員は、海上及び空中目標への及び高射ミサイル射撃を成功裏に実施した。

艦隊の戦闘訓練計画に沿って、日本海エリアに位置する射爆場で艦の乗組員は、仮想敵の戦闘艦空中攻撃手段を模した標的への及び高射ミサイルの複合射撃を実施した。

2基の艦載砲複合体AK-100からの実地射撃は、仮想敵の戦闘艦を模した曳航された大型海上盾船へ最大距離で行なわれた。
速射砲複合体AK-630の砲撃班は、小型目標からの攻撃の撃退と対空防衛の要素へ取り組んだ。

その後、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の乗組員は、小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」の艦上から打ち出されたミサイル標的「サマン」へ、高射ミサイル複合体「キンジャール」の実地射撃を行なった。
戦闘活動の実施中に全ての指定目標は成功裏に破壊された。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2016年3月末にウラジオストクを出航し、東南アジア及び太平洋海域への遠洋航海を実施しました。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

この遠洋航海中の2016年4月中旬にはアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

2016年5月には国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

2016年7月にはハワイ沖まで行きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

2016年8月8日にウラジオストクへ帰港しました。



その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようです。

2017年4月4日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は久々に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘及び機雷掃討訓練を行なった]
対潜戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3と、沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する対潜哨戒機Il-38も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。


翌4月5日には、各種砲兵装を使用して対水上、対空射撃訓練を実施しました。

AK-100 100mm単装砲
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AK-630M 30mm機関砲
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更に「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350、1990年12月29日就役)から発射されたミサイル標的「サマン」を、高射ミサイル「キンジャール」で撃墜しました。

小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」
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高射ミサイル複合体「キンジャール」(8連装回転式垂直発射機)
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ミサイル標的「サマン」は、高射ミサイル「オサー-MA」をベースにした標的用ミサイルです。
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘及び機雷掃討訓練を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年4月4日7時18分配信
【日本海で「アドミラル・ヴィノグラードフ」は潜水艦との戦闘演習を実施した】
ウラジオストク、4月4日-ロシア通信社ノーボスチ

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」乗組員は、太平洋艦隊海上戦闘訓練射爆場対潜航空隊航空機の支援を得て仮想敵潜水艦を探知、破壊した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフの乗組員は、艦隊の海軍航空隊の対潜航空機Tu-142とIl-38の支援を得て、仮想敵潜水艦を探知し、破壊する複合任務へ取り組みました。
仮想敵潜水艦の役割は、太平洋艦隊のディーゼルエレクトリック潜水艦が演じました」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼によると、同艦の乗組員は、仮想敵潜水艦を分類し、追跡する複合活動を行なった。
その後、探知された潜水艦は、同艦の反応爆雷装置魚雷兵器により模擬破壊された。
また、大型対潜艦は、仮想敵潜水艦が敷設した機雷源を突破し、砲複合体AK-630からの実地射撃による浮遊機雷の破壊の要素へ取り組んだ。

「近い内に同艦の乗組員は、ミサイル及び砲の実地射撃の実行により空中攻撃手段及び小型高速目標からの攻撃を撃退する単独砲撃戦を実施します」
マトヴェーエフ
は付け加えた。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2016年3月末にウラジオストクを出航し、東南アジア及び太平洋海域への遠洋航海を実施しました。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

この遠洋航海中の2016年4月中旬にはアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

2016年5月には国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

2016年7月にはハワイ沖まで行きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

2016年8月8日にウラジオストクへ帰港しました。



その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようです。


2017年3月18日の「アドミラル・ヴィノグラ―ドフ」(ウラジオストク金角湾)
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そして2017年4月4日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は久々に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
「アドミラル・ヴィノグラードフ」が使用した兵器は、RBU-6000対水中ロケット4連装533mm魚雷発射管です。

RBU-6000対水中ロケット12連装発射機
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4連装533mm魚雷発射管
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対潜戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3と、沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する対潜哨戒機Il-38も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

カーメニ・ルチェイ基地
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対潜哨戒機Tu-142M3
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ニコラエフカ基地
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対潜哨戒機Il-38
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ウラジオストク南部のウリス湾に駐留するプロジェクト877潜水艦
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なお、対潜哨戒機Tu-142M3プロジェクト877潜水艦は、さる3月19日に日本海で実施された親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の対潜戦闘訓練にも参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]

対潜戦闘訓練の後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、敵潜水艦が敷設した機雷AK-630M 30mm機関砲で掃射する機雷掃討訓練を行ないました。
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ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの洋上試験の最終段階が始まる

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『タス通信』より
2017年4月3日15時25分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」の国家受領試験の最終段階が始まる】
カリーニングラード、4月3日/タス通信特派員アレクサンドル・アルヒポフ

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されたフリゲート「アドミラル・マカロフ」は、艦上高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の動作の不具合の問題を取り除いた後、国家受領試験の最終フェーズの為、試験実施基地バルチースク市を出航した。
同社の広報サービスは発表した。

「4月1日、警備艦アドミラル・マカロフは、工場水域から試験実施基地バルチースク市へ移動しました。
試験実施チームと同艦の乗組員は、国家受領試験を完了させる為、次の出航を準備しています」

広報サービスは伝えた、

艦の国家受領試験は昨年10月7日に始まり、バルト海及びバレンツ海で実施された。
出航時と2つの艦隊間移動の際、同艦は良好な耐航性と全てのシステムの整然とした動作を示したが、複合体「シチーリ-1」の動作に不具合が見つかった。
今年の第1クオーター(1-3月)に、その製造者と艦の試験実施チームは合同で問題を解決したと広報サービスは説明した。
試験の最終段階では艦の全てのシステムの安定した動作が確認されなければならず、加えて同社は、艦の発注者への引き渡しは今年前半に予定されている事を説明した。

フリゲート「アドミラル・マカロフ」は2012年2月29日に起工され、2015年9月2日に進水した。
これは、ロシア連邦国防省の発注下で沿バルト造船工場『ヤンターリ』が建造するプロジェクト11356警備艦シリーズの3番艦である。
艦シリーズの最初の2隻~「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2016年3月11日に、「アドミラル・エッセン」は(同年)6月7日に引き渡された。



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[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]

それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]

2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]

2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。
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7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]

工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]

10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]

10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]

11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]

12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]

この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了せず、2017年1月以降も試験は続けられる事になりました。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された]

1月16日までにバルト海高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフはバルト海で艦対空ミサイルの発射試験を行なった]

試験後、「アドミラル・マカロフ」は、一旦『ヤンターリ』造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦アドミラル・マカロフは艦対空ミサイル発射試験後にカリーニングラード造船所へ戻った]

そして2017年4月1日、「アドミラル・マカロフ」『ヤンターリ』造船所からバルチースク基地へ移動しました。
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近い内に再び海上へ出て高射ミサイル複合体「シチーリ-1」などの試験を行なうようです。

「アドミラル・マカロフ」ロシア海軍への引き渡しは、2017年6月に予定されています。
[プロジェクト11356R警備艦の3番艦アドミラル・マカロフは2017年6月にロシア海軍へ引き渡される]


なお、「アドミラル・マカロフ」に続いて起工されたプロジェクト11356R4番艦5番艦インドへ売却される事になった為、「アドミラル・マカロフ」ロシア海軍向けのプロジェクト11356の最終艦となります。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]

ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月3日6時8分配信
【迎撃戦闘機MiG-31BMは沿海地方のピョートル大帝湾上空で空中戦闘を行なった】

迎撃戦闘機MiG-31MiG-31BMの乗員は、沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘実施の技量習得へ取り組んだ。
飛行士は、仮想敵航空機の探知、迎撃と戦闘の実施を学んだ。
フライトは、太平洋艦隊海軍航空隊カムチャツカ航空基地迎撃戦闘機MiG-31乗員が参加する飛行戦術演習の枠組みで実施された。

合同演習訓練飛行を実施する為、カムチャツカの飛行士は、沿海地方航空・防空軍の航空連合部隊の飛行場への2000km以上の移動飛行を行なった。

一度のみの飛行勤務の演習の枠組みにおいて、飛行士は約30回の発進を行なった。
空中において迎撃戦闘機の乗員は、交互に超音速で遠距離の「敵」航空機を迎撃する合同任務へ取り組んだ。

更に、フライト中に飛行士は、大きな傾斜と曲線の機動の要素へ取り組み、照準複合体の能力値の限界での空中戦闘を行ない、昼間及び夜間の着陸へのアプローチへ取り組んだ。

[参照]
迎撃機MiG-31BM
は、対ミサイル防衛システムの一部である。
あらゆる範囲の高度で有翼ミサイル及び弾道ミサイルを破壊する為に意図されている。
衛星、第5世代ステルス航空機、起伏を迂回する軌道を飛ぶ低空飛行目標、無人飛行装置(無人機)の探知と破壊が可能である。

超音速迎撃戦闘機MiG-31BMは、複座高空飛行機として比類が無い。
高空での速度はマッハ2.83、地面上では時速1500kmである。

航空機MiG-31は、「空対空」長距離ミサイル、中距離ミサイル、短距離ミサイルを搭載できる。
更にMiG-31BMは、地上目標へ打撃を与える「空対地」高精度兵器の搭載が可能である。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

そして4月3日、MiG-31B/BSMiG-31BMは、沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
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ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た

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『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年4月3日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2017年4月2日午前9時頃、ロシア海軍「スラバ級ミサイル巡洋艦」「ドゥブナ級補給艦」北海道松前半島白神岬沖を東へ通過し、太平洋へ出ました。
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無論言うまでも無く、この2隻は、4月1日にウラジオストクを出航したロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」中型海洋給油船「ペチェンガ」です。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]


親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

2015年12月29日には「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようであり、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日に対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


そして2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。

「ワリャーグ」に続き、中型海洋給油船「ペチェンガ」救助曳船「フォーチー・クルイロフ」ウラジオストクを出ました。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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救助曳船「フォーチー・クルイロフ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

救助曳船「フォーチー・クルイロフ」(1989年6月29日就役)は、昨年(2016年)3月末~8月初頭の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」太平洋・インド洋遠征へ参加しています。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

そして上記のように、4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
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ただ、日本国防衛省から4月2日に津軽海峡を通過したと発表されたのは「ワリャーグ」「ペチェンガ」の2隻のみであり、「フォーチー・クルイロフ」については触れられていません。


未だ具体的な国名は明らかにされていませんが、「ワリャーグ」支隊は、アジア太平洋地域の7ヵ国を訪問するとの事です。

この他、ロシア太平洋艦隊広報部は、航海の目的として「アジア太平洋地域における聖アンドレイ旗のデモンストレーション」を挙げています。

「聖アンドレイ旗」ロシア海軍の軍艦旗です。
「ワリャーグ」は1996年2月9日に親衛称号を受け継いでいるので、親衛称号のリボンが付いた「親衛海軍旗」になりますが。
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