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第6のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは2017年10月にロシア海軍黒海艦隊へ引き渡される

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『インタファクス』より
2017年5月19日9時30分配信
【黒海艦隊は(2017年)10月に「カリブル」装備艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」を受け取る】
モスクワ、5月19日、インタファクス-ロシア

有翼ミサイル「カリブル」で武装する小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は、今年10月に黒海艦隊へ引き渡される。
『インタファクス』は、公開株式会社『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』総取締役レナート・ミスタホフより伝えられた。
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「プロジェクト21631艦は、2017年、2018年、2019年の納入を計画しております。
納入は10月を予定しております。
今年にはヴイシニー・ヴォロチョークが、来年にはイングシェチア、そしてオレホヴォ・ズエヴォは2019年に納入いたします」
ミスタホフ
は語った。

彼は、同プロジェクトの全ての小型ロケット艦長射程有翼ミサイル「カリブル」を装備する事を指摘した。
「これらの艦は、全て黒海艦隊へ行きます」
工場
の総取締役は話した。

以前、同工場で12隻のプロジェクト21631小型ロケット艦シリーズの10番艦(「グラード」)が起工されたと報じられた。
それは、ゼレノドリスク造船所ロシア海軍総司令部の技術的要件に沿って海軍の為に建造される。

5隻のプロジェクト21631小型ロケット艦は、既にロシア海軍の一員として任務を遂行している。
それは「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」である。



[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は2013年8月29日に起工され、2016年8月22日に進水しました。

ロシア海軍への引き渡しは2017年に予定されており、就役後は黒海艦隊へ配備されます。
[6隻目のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは2017年にロシア海軍へ引き渡される]

「ブヤン-M」の1~5番艦はドイツMTU社製ディーゼルエンジンを装備していましたが、ヨーロッパ連合対ロシア制裁により以後の供給が停止した為、6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」以降は、ドイツ製ディーゼルをライセンス生産した中国製ディーゼルエンジンが装備されます。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦ブヤン-Mの6番艦以降は中国製ディーゼルエンジンを装備する]

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そして今回、建造元である『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』の総取締役レナート・ミスタホフ氏は、改めて「ヴイシニー・ヴォロチョーク」が今年10月に黒海艦隊への引き渡しを予定していると表明しました。

2018年10月には「イングシェチア」が、2019年10月には「オレホヴォ・ズエヴォ」が就役するとの事です。

起工は「オレホヴォ・ズエヴォ」の方が「イングシェチア」よりも3ヶ月ほど早かったのですが、その後の工事の進捗状況の為か、就役は「イングシェチア」が先になるようです。

レナート・ミスタホフ氏は、この3隻が黒海艦隊へ配備されると述べていますが、9番艦以降には言及していません。

黒海艦隊には、「ブヤン-M」の4番艦と5番艦が配備されたのですが、その後、バルト艦隊へ配置換えとなった為、その代わりに6-8番艦が配備される事になるようです。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドル&セルプホフ近影]


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に10隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2017年10月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2019年10月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年10月就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2020年就役予定

建造番号640「グラード」Град
2017年4月24日起工/2020年就役予定



現在の所、プロジェクト21631は12番艦までの建造が計画されています。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]
[ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦の10番艦グラードは起工された]

プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
「カリブル」には、対艦攻撃型(最大射程375km)と対地攻撃型(最大射程2500km)が有ります。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

従来の小型ロケット艦は対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。


2015年10月7日、カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻(「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)は、カスピ海からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2016年8月19日には、黒海艦隊「ブヤン-M」2隻が地中海東部(シリア沖)からシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を去った

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『タス通信』より
2017年5月19日7時44分配信
【太平洋艦隊旗艦は国際展示会へ参加した後にシンガポールを去った】
ウラジオストク、5月19日/タス通信

太平洋艦隊旗艦・巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」は、国際海軍兵器・軍事装備展示会『IMDWX Asia-2017』へ参加した後、シンガポールチャンギ海軍基地を去った。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス部代表ウラジーミル・マトヴェーエフは発表した。

「本日、太平洋艦隊戦闘艦支隊は、シンガポールのチャンギ海軍基地を去り、遠距離航海任務の遂行を継続します。
3日間に渡りロシアの巡洋艦は国際展示会へ参加し、参加国の外国代表団の訪問の為に開放されました」

彼は伝えた。

マトヴェーエフは、支隊司令部の士官の訪問中、シンガポールの海軍司令部及び海軍業界の代表との会合が行われ、展示会へ参加した他の艦を訪れた事を指摘した。
また、太平洋艦隊船員は外国港の観光名所を見物した。

太平洋艦隊戦闘艦支隊は、4月1日にウラジオストクから遠距離航海へと向かった。
艦船は既に釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)への寄港を行なった。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

5月13日にシンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった]

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5月15日にはシンガポールチャンギ港で行なわれたシンガポール海軍創立50周年記念観艦式に参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍創設50周年記念観艦式へ参加した]

5月16日にシンガポールチャンギ港へ入港しました。

「ワリャーグ」は、5月16日から18日まで開催される国際海軍兵器展示会『IMDEX Asia-2017』へ展示艦として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を訪れた]

そして『IMDEX Asia-2017』終了の翌日である5月19日にチャンギ港を出航しました。


今回の遠洋航海で「ワリャーグ」は7ヵ国の訪問を予定しており、既に大韓民国、フィリピン、ベトナム、タイ、シンガポールの5ヶ国の訪問を終えています。

今後、「ワリャーグ」アジア太平洋地域の何れかの2ヶ国を訪問する事になります。
どの国を訪問するのかは未だ明らかにされていませんが・・・

ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはマレーシアのランカウイを訪れた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月18日11時13分配信
【太平洋艦隊の病院船「イルティシュ」はマレーシアのランカウイ港へ寄港した】
ウラジオストク、5月18日、インタファクス-AVN

太平洋艦隊病院船「イルティシュ」は、木曜日にランカウイ港(マレーシア)へ到着した。

「訪問の枠組みで太平洋艦隊将兵はマレーシア王立海軍及び同市行政部の代表と会合します。
太平洋艦隊の病院船の乗組員と医療要員は、外国港の観光名所と歴史的な場所を見物します」
太平洋艦隊
広報サービスは伝えた。

更に、は停泊中に燃料、水、食料の在庫を補充する。

声明では、「イルティシュ」が約3ヶ月の間、地中海水域のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員であった事が指摘されている。

浮揚病院「イルティシュ」は、沿岸及び海上で負傷者と病人を受け入れる事が出来る。
船内には、患者100名分のベッドが在り、緊急時には450名を受け入れる。
更に200名分のリハビリテーション用のベッドが在る。
全ての医療室には必要な機器が装備されている。

肉体訓練全般の為、船上には、トレーニング及び競技形式スポーツ(テニス、バレーボール、ミニサッカー)の大広間が設けられている。
リハビリテーションセンターには、体育館、プール、サウナ、射撃練習場リラックスサロンが含まれる。

病院船の任務は、平時あるいは戦闘行動時の負傷者、病人、被災者への医療援助の提供、更には、遭難した艦船からの避難にある。



プロジェクト320病院船「イルティシュ」は、ポーランドシュチェチン造船所で1988年11月25日に起工され、1989年7月6日に進水し、1990年7月31日に竣工し、1990年8月10日にソ連海軍へ就役しました。
就役後は太平洋艦隊へ配備されました。

2013年秋からナホトカ艦船修理工場で近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のオビ級病院船は復帰する]

近代化改装終了後、2016年5月にはクリル諸島マトゥア島(松輪島)の調査へ参加しました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]

2016年8月18日、ASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス』へ参加する為、ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはタイへ向かった]

9月1日にタイバンコクへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはASEANの国際演習へ参加する為にタイのバンコクへ到着した]

9月9日には、南シナ海タイ、日本、中国の艦と災害救助の為の合同演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは南シナ海でタイ、日本、中国の艦と合同演習を行なった]

9月13日にバンコクを出航し、ウラジオストクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』参加部隊と合流した]

2016年9月26日にウラジオストクへ帰港しました。
[ASEAN諸国の国際演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはウラジオストクへ帰港した]


その後、太平洋艦隊広報部からの発表は有りませんでしたが、2017年初頭には地中海へ派遣され、約3ヶ月間滞在した後、ウラジオストクへの帰路に就きました。
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そして5月18日にはマレーシアランカウイ島へ寄港しました。
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なお、マレーシアの隣のシンガポールには、現在、太平洋艦隊旗艦の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が居ます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を訪れた]

ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年5月17日9時54分配信
【ロシア海軍は地中海でのミサイル射撃を事前警告した】

ロシア海軍は、5月24日から27日までの期間中に地中海で射撃を伴う軍事演習を実施する。
『フォンタンカ』が伝えたように、これは、アメリカ合衆国連邦民間航空管理局のデータベースに掲載されたパイロットの為の通知において述べられている。


通知A0039/17では、こう示されている。
「ロシア海軍は地中海の水域(ゾーンには緩衝地帯も含まれる)でミサイル射撃試験の実施を計画している」

通知は、リビア沿岸に沿った全ての海域と、トリポリから150kmの海の奥に関連する。

最新データによると、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊には、現在、有翼ミサイル「カリブル」を搭載するフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」、更には潜水艦「クラスノダール」が在る。
また、この海域では、大型揚陸艦「ヤーマル」、掃海艦「ワレンチン・ピクリ」、中型偵察艦「キルディン」、海洋曳船MB-174、浮揚工場(工作船)PM-138が戦闘勤務に就いている。

また、メディアは、ロシア連邦海軍グループへ、対艦ミサイル「ウラン」で武装する警備艦「スメトリーヴイ」が合流すると報じた。



黒海艦隊警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」は、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」は、5月13日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

黒海艦隊海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」は、2017年3月末から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリは再び地中海東部(シリア沖)へ派遣された]

黒海艦隊偵察艦「キルディン」は、2017年2月初頭から地中海で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦キルディンはシリア沖へ行く]

黒海艦隊大型揚陸艦「ヤーマル」は、2017年5月12日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。

黒海艦隊海洋曳船MB-174は2017年4月6日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海で行動しています。

黒海艦隊工作船PM-138は2017年1月18日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。

今回の記事では触れられていませんが、北方艦隊
大型対潜艦「セヴェロモルスク」も現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]

黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は、2016年10月末から2017年3月初頭まで地中海に滞在していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは4ヶ月間の地中海航海を終えてセヴァストーポリへ帰投した]
2017年3月6日にセヴァストーポリへ帰港していますが、近い内に地中海へ進出すると一部のメディアで報じられています。

5月24日から27日の間にリビア沖で実施されるロシア海軍の演習には、これらの艦の何れかが参加する事になるでしょう。
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ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月16日17時42分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で砲射撃を行なった】

北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の乗組員は、戦闘訓練の枠組みにおいて、バレンツ海沿岸の射爆場で海上標的への複合砲射撃を実施した。

射撃実行中に艦載砲複合体AK-130AK-630は、仮想敵の水上艦を模した曳航海上盾船を攻撃した。

射撃実施海域は、前もって船舶航行と航空機の飛行の為に閉鎖された。

以前に巡洋艦の乗組員は、第2錬成任務要素への移行中に、対潜航空隊航空機Il-38ヘリコプターKa-27と連携した。
航空隊と共同で巡洋艦の対潜及び対空防衛の課題へ取り組み、更には、艦の無線電波装置が点検された。

5月に巡洋艦の乗組員は、艦の戦闘班員の航海の為の準備、兵器と装備、他の要素の点検を含む完全に基礎訓練サイクルを完了した。

海上でロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の乗組員には、戦闘班の整然とした活動への取り組み、単独艦での訓練プログラムに沿った一連の艦内演習の実施が待ち受けている。

海上での任務遂行後、「マルシャル・ウスチーノフ」北方艦隊主要基地~セヴェロモルスクへ戻る。

[参照]
「マルシャル・ウスチーノフ」
は、プロジェクト1164ロケット巡洋艦である。
1978年10月5日にニコラエフ造船工場「アドミラル・フロータ・ロボフ」の名で起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に「マルシャル・ウスチーノフ」の名で北方艦隊へ加入した。
巡洋艦の全長は186メートル、幅20.8メートル、最大速力32ノット、乗組員は約500名。
艦の兵装は、16基の有翼ミサイル発射装置、更には、高射ミサイル複合体、砲、対潜兵器である。

ロシア海軍には、このようなロケット巡洋艦が3隻在る:「モスクワ」-黒海艦隊、「ワリャーグ」-太平洋艦隊、「マルシャル・ウスチーノフ」-北方艦隊



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練が実施されました。


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]

プロジェクト22350フリゲートは2025年までに4隻がロシア海軍へ就役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月16日12時47分配信
【ロシア海軍は2025年までに4隻のプロジェクト22350フリゲートの受領を計画している】
サンクトペテルブルク、5月16日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍は2025年までに4隻の最新フリゲート・プロジェクト22350を受領しなければならない。
火曜日に海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフは発表した。

「(海軍は)4隻のプロジェクト22350フリゲートの受領を計画しております」
彼は、通信船「イワン・フルス」進水式典中に話した。

伝えられているように、同プロジェクトのフリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年11月に海軍へ加わる。
トリャピチニコフによると、2番艦「アドミラル・カサトノフ」は2018年には海軍へ加入できるだろう。

海軍造船管理部長が指摘したように、海軍は4隻のプロジェクト22350フリゲートを受領した後、このプロジェクトを近代化する。
彼は、近代化は「かなり高度なもの」と言ったが、程度については説明しなかった。

トリャピチニコフは更に、同プロジェクトのフリゲート「アドミラル・カサトノフ」は2018年に海軍へ引き渡され、造船工場『北方造船所』は適切な条件下で艦の建造が可能である事を指摘した。
「工場『北方造船所』は、フリゲート"アドミラル・カサトノフ"が2018年に海軍へ加入する計画を可能にするでしょう」
彼は話した。

『北方造船所』は火曜日に通信船「イワン・フルス」を進水させた。
トリャピチニコフの見方では、この艦は最も現代的な装置を装備している。
「船は、海軍の様々なグループ間の通信の保障を含めた特殊な任務の遂行の為に意図されております。
2025年までに、我々は、更に2隻の同プロジェクト船を受領しなければなりません」
トリャピチニコフ
は話した。

彼は、「イワン・フルス」「温帯で」勤務を行なうと付け加えた。



[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

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ロシア海軍の為の新世代フリゲート、プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク「北方造船所」で4隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(417)は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2014年11月から洋上試験が行なわれています。
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ロシア海軍への引き渡しは2017年11月に予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2017年11月にロシア海軍へ引き渡される]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(431)は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、現在艤装中です。
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[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
ロシア海軍への引き渡しは2018年に予定されています。

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2017年に進水が予定されています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2017年夏-秋頃に進水する]

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]


今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、プロジェクト22350は2025年までに4隻がロシア海軍への引き渡しを計画していると発言しました。

トリャピチニコフ少将の発言を見る限り、4隻のプロジェクト22350フリゲートが就役した後は、改良型の建造へ移行する事になるようです。
(つまり、プロジェクト22350の建造は4番艦「アドミラル・イサコフ」で終了する)

トリャピチニコフ少将は、それ以上の事には言及していませんが、おそらくはプロジェクト22350Mの建造へ移行するという事でしょう。
[ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる]

プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2017年11月にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月16日12時21分配信
【最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は(2017年)11月に(ロシア)海軍へ加入する】
サンクトペテルブルク、5月16日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は今年11月にロシア海軍へ加入する。
海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフは発表した。

「今年に納入される多くの発注品が(造船工場『北方造船所』には)控えております。
11月には、フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"と後方支援船エリブルスが海軍へ加わります」

彼は、通信船「イワン・フルス」進水式典中に話した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」プロジェクト22350のトップ艦であり、『北方計画設計局』により開発された。
同プロジェクトのフリゲートは、自身で、そして艦船連合部隊の一員として、遠洋ゾーンで敵の水上艦及び潜水艦に対する戦闘活動の実施、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。

副首相ドミトリー・ロゴージンが言ったように、このタイプの艦の試験の複雑さは
「長期間に渡り、何も作成せず、その後で作業開始を決定したので、単独の艦で数十の新たな複合体の試験へ取り掛かった」事に有る。



[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。


進水後、『北方造船所』の岸壁で艤装工事が進められました。
[艤装中のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影]
[ロシア海軍最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影(2013年3月)]

2013年7月末までに艦長オレグ・グセフ1等海佐以下186名の正規乗組員が乗艦しました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」へ正規乗組員全てが乗艦した]

2013年7月31日からは『北方造船所』岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]

130mm砲は2014年9月に入り、ようやく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]

11月8日、『北方造船所』岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

2014年11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]


「アドミラル・ゴルシコフ」の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]

2015年5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験(第2段階)へ向かいました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した]

その後はバルチースク基地へ移動し、洋上試験を続けていました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験を再開した]

2015年7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を訪れた]

9月3日にバルチースクを出航し、9月7日にクロンシュタットへ到着しました。


9月11日、建造元の『北方造船所』は、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海における洋上試験(第2段階)を完了したと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の第2段階を完了した]

その同じ日、「アドミラル・ゴルシコフ」は午前9時にクロンシュタットを出航し、フィンランド湾で洋上試験を行ない、同日の午後8時に帰港しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィンランド湾で昼夜の洋上試験を行なった]


その後、バルチースク基地へ移動した「アドミラル・ゴルシコフ」は、9月22日に白海へ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海へ向かった]

9月24日にはバルト海を出て北海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海を出て北海へ入った]

9月30日、白海沿岸セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ到着した]

10月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」国家受領試験を実施する為、白海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の最終段階を実施する為に白海へ出航した]

11月2日、A-192M「アルマート」130mm単装砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で130mm砲を発射した]

11月25日、白海有翼ミサイル(カリブル)の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2015年12月25日、白海での洋上試験の第1段階は完了しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海での洋上試験第1段階を完了した]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海方面へ移動し、2016年2月24日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲の対空射撃試験を実施しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で砲撃試験を実施した]

2016年2月末からはロスリャコヴォ村(ムルマンスク近郊)をベースにして海上試験を続けました。
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3月初頭には艦載ヘリコプターKa-27の発着試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はヘリコプターの着艦試験を行なった]

3月23日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲による海上砲撃試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で海上目標への砲撃試験を行なった]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動し、バレンツ海で各種試験が続けられました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"近影(2016年5月末-6月初頭)]

2016年7月末~8月初頭頃には、電子戦闘システム5P-28の試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"の電子戦闘システムの試験が実施された]





「アドミラル・ゴルシコフ」は、2016年11月~12月末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[最新鋭のプロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2016年12月にロシア海軍へ引き渡される]
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2016年11月22日にロシア海軍への引き渡しが予定されている]

しかし、高射ミサイル複合体「ポリメント・リドゥート」に問題が発生しており、引き渡しの期日は未定となりました。
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のロシア海軍への引き渡し時期は未だ明確では無い]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2016年11月中旬までにバルチースクへ戻り、11月22日にバルチースクを出航しました。
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11月24日にはサンクトペテルブルク『北方造船所』へ到着しました。
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「アドミラル・ゴルシコフ」ロシア海軍への引き渡しは、2017年に延期されることになりました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフのロシア海軍への引き渡しは2017年前半に延期された]

2017年1月21日には『北方造船所』の浮きドックへ入渠しました。
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その後、『北方造船所』岸壁で艦内の全ての機器の点検と整備が行なわれました。
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2017年3月20日にサンクトペテルブルクから出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は兵装試験の為に再びバレンツ海へ向かった]
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当初はバレンツ海で試験を行なう予定でしたが、結局バルト海で試験が行なわれ、5月8日にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。




以前には「アドミラル・ゴルシコフ」ロシア海軍への引き渡しは、2017年7月末に予定されていたのですが、今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、引き渡しは2017年11月になる事を明らかにしました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2017年7月末にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍の為の新世代偵察艦イワン・フルスはサンクトペテルブルクで進水した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月16日12時33分配信
【『北方造船所』で新世代通信船「イワン・フルス」が進水した】
サンクトペテルブルク、5月16日-ロシア通信社ノーボスチ

造船工場『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で、火曜日に新世代通信船プロジェクト18280の2隻目となる「イワン・フルス」が進水した。
『ロシア通信社ノーボスチ』特派員は報告した。

「今日、私達は、通信船イワン・フルスを進水させました。
これはシリーズの2番艦です。
1隻目のユーリー・イワノフは、今、海軍において任務を遂行しております」
ロシア連邦海軍
造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフは式典で話した。

『北方造船所』総取締役イーゴリ・ポノマリョフが述べたように、同艦のロシア連邦海軍への引き渡しは2017年11月に計画されている。

以前に造船所が発表したように、「イワン・フルス」の係留試験は5月末に開始される。

プロジェクト18280船は、通信の保障、艦隊の統制、電波偵察を行う為に意図されている。
その全長は95メートル、幅16メートル、速力16ノット、航続距離8000海里、乗組員131名。
その戦術-技術的特性のおかげで、それは前世代の同類よりも著しく優秀である。

通信船は、艦内電力の効率と操作特性を著しく改善しており、管理機器装置と兵装の大幅な自動化が導入されている。

「イワン・フルス」プロジェクト18280の最初の生産船である。
プロジェクト18280艦を開発したのは、公開株式会社『中央設計局アイスベルク』(サンクトペテルブルク)である。
船は2013年11月に起工された。

同プロジェクトの1番船「ユーリー・イワノフ」は2014年12月にロシア海軍へ引き渡された。



ロシア海軍新世代偵察艦プロジェクト18280の2番艦「イワン・フルス」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

そして起工から3年半後の2017年5月16日に進水しました。



今後、「イワン・フルス」は2017年5月末に造船所の岸壁で係留試験を開始し、洋上試験を行なった後、2017年11月にロシア海軍へ引き渡される予定です。

「イワン・フルス」は、さる4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]


プロジェクト18280偵察艦の1番艦「ユーリー・イワノフ」は、2014年12月末にロシア海軍へ納入され、2015年7月26日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役しました。
2015年11月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着し、現在は北方艦隊の一員として任務を遂行しています。
[ロシア海軍最新鋭偵察艦ユーリー・イワノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を訪れた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月16日5時36分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」はシンガポールの国際兵器展示会へ参加する】
ウラジオストク、5月16日、インタファクス-極東

太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、シンガポールの海軍兵器・軍事装備国際展示会『IMDEX Asia-2017』へ参加する。

「火曜日に巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍基地チャンギへ係留されました。
3日間に渡り、展示会参加国の外国代表団はロシアの巡洋艦を訪れることが出来ます」
太平洋艦隊
広報サービスは発表した。

支隊司令部の士官の訪問中、更にシンガポール共和国海軍司令部及び海軍業界の代表との会合が行われ、他の『IMDEX Asia-2017』参加艦を訪れることは注目される。

また、太平洋艦隊船員は、外国港の観光名所を見物する。

伝えられているように、太平洋艦隊の戦闘艦は、4月1日に世界の大洋海域への遠距離航海へ出発した。

航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。
艦船は既に釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)への寄港を行なった。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域での聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

5月13日にシンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった]

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5月15日にはシンガポールチャンギ港で行なわれたシンガポール海軍創立50周年記念観艦式に参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍創設50周年記念観艦式へ参加した]

そして5月16日にシンガポールチャンギ港へ入港しました。

「ワリャーグ」は、5月16日から18日まで開催される国際海軍兵器展示会『IMDEX Asia-2017』へ展示艦として参加するようです。

ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年5月15日14時22分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」は物資を補充する為にキプロスへ入った】

5月15日・月曜日、黒海艦隊の最新フリゲート「アドミラル・エッセン」は、表敬訪問と物資の補充、更には乗組員の休養の為、キプロスのリマソール港へ寄港した。

『ラジオCypLive』が報じたように、同艦のリマソールへの滞在期間は明らかにされていない。

ロシア海軍広報サービスは、フリゲート「アドミラル・エッセン」バルト艦隊から黒海艦隊への移動を行っていると発表した。
艦はジブラルタル海峡を5月5日に通過し、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊へ合流した。

また、それから間もなくジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、有翼ミサイル「カリブル」で武装するプロジェクト636.3潜水艦「クラスノダール」もまた、バルト艦隊から黒海艦隊への移動を行っている。

「アドミラル・エッセン」は、プロジェクト11356フリゲートの最初の生産艦であり、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。
同艦は2016年6月に黒海艦隊へ引き渡され、秋には駐留場所であるセヴァストーポリへの移動を計画していた。
しかし、10月に(停泊用)樽へ係留中、「アドミラル・エッセン」はスクリューを損傷し、それ故にバルト海へ留まった。
事件後、同艦の艦長と航海戦闘班指揮官は交代した。

プロジェクト11356フリゲートの排水量は4000トン、速力は30ノット、自立航行期間は30日。
艦の兵装には、有翼ミサイル「カリブル」、口径100mm砲A-190、533mm魚雷、艦上ヘリコプターKa-27(或いはKa-31)が在る。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]

3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]

3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]

4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、バレンツ海国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」カリーニングラードへ戻りました。
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[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海へ戻ってきた]

「アドミラル・エッセン」は、2016年5月26日にロシア海軍へ納入され、翌5月27日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催される予定でした。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月26日にロシア海軍へ納入される]
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月27日にロシア海軍へ就役する]

しかし、急遽もう一度点検出航を行なう事になった為、延期されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンのロシア海軍への引き渡しは延期された]

2016年5月31日、受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・エッセンはロシア海軍へ納入された]


2016年6月7日、カリーニングラード市沿バルト造船工場『ヤンターリ』の岸壁で、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(海軍旗)初掲揚式典が開催され、ロシア海軍へ就役、黒海艦隊第30水上艦師団へ編入されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

その後もバルト海に留まっていましたが、10月下旬には黒海へ回航される事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ回航される]

しかし、バルチースク基地でスクリューと推進軸を損傷してしまった為、修理が必要となり、黒海への回航は延期されることになりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器を修理する]

「アドミラル・エッセン」は建造元の『ヤンターリ』へ回航され、浮きドックで修理が行なわれました。
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修理は2016年12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器の修理を終えた]

その後はバルト海で修理後の航行試験が行われていたようですが、2017年3月7日には、バルト艦隊親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は、本来の配備場所である黒海艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは黒海艦隊基地へ向かった]

バルト艦隊基地・バルチースクを出航した「アドミラル・エッセン」は、北海へ出た後にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、大西洋を南下しました。
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5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
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その後、「アドミラル・エッセン」地中海を東へ進み、5月15日には地中海東部に位置するキプロス島南部のリマソール港へ寄港しました。
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現在、この海域には、同型艦の「アドミラル・グリゴロヴィチ」が居るので、近い内に合流する事になるでしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

なお、北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」も、4月28日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]


記事中で触れられていますが、5月13日にはプロジェクト06363潜水艦「クラスノダール」ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入っています。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍創設50周年記念観艦式へ参加した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月15日10時6分配信
【ロケット巡洋艦「ワリャーグ」はシンガポールの海上パレードへ参加した】
ウラジオストク、5月15日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、シンガポール海軍創設50周年に捧げられる海上パレードへ参加した。
東方軍管区下の太平洋艦隊の代理人ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは、シンガポール海軍50周年に捧げられるパレードの海上部門へ参加する為、シンガポール共和国のチャンギ海軍基地の泊地へ投錨しました。
海軍パレードには合計で20ヶ国の25隻の戦闘艦が参加します。
これらの艦は、ベトナム、シンガポール、スリランカ、バングラディシュ、ブルネイ、ミャンマー、フランス、マレーシア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、中国、タイ、カナダ、日本、アメリカ合衆国、南朝鮮(大韓民国)を代表しています」
マトヴェーエフ
は話した。

彼によると、ロシア巡洋艦の乗組員団から儀仗班が、パレードの沿岸部門の枠組みで軍事船員の記念碑の除幕式へ参加する。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、2017年4月1日から世界の大洋海域で遠距離航海任務を遂行している。
航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。
遠洋航海中に艦船は釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)への寄港を行なった。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域での存在の保障と、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

5月13日にシンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった]

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そして5月15日にはシンガポールチャンギ港で行なわれるシンガポール海軍創立50周年記念観艦式に参加しました。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の概要が定められた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月15日9時0分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」近代化の「ロードマップ」は開発された-情報筋】
サンクトペテルブルク、5月15日、インタファクス-AVN

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の今後の近代化の輪郭と範囲は軍により定められた。
月曜日にインタファクス-AVNは情報筋より伝えられた。

「航空母艦の近代化のロードマップは承認されました」
彼は指摘した。

彼によると、何処の企業で近代化が実施されるのか、そして作業の開始時期は、未だ決定されていない。

巡洋艦の今後の近代化の過程において、資金上の理由から、ミサイル複合体「グラニート」の交換は、おそらくは実行されないと以前に対談者の1人は話した。

彼によると、近代化は、先ず初めに、主動力装置の4基のボイラーの交換に関連する。

「この内の2基は、既にバルト工場(『統合造船業営団』へ加入している)に用意されています」
対談者は伝えた。

「更に、電波位置特定機器(レーダー)と電波電子兵装、航空機航法複合体も近代化されます」
彼は指摘した。

対談者によると、ボイラーの交換の為の操作には、航空母艦が少なくとも6ヶ月間はドックに滞在する事が必要である。
彼は、現在、このようなトン数の艦を受け入れる事が可能な唯一のドックは、同艦の近代化の準備を計画し、『統合造船業営団』の構成から外されている『第82艦船修理工場』に在ると話した。

「アドミラル・クズネツォフ」は、この前の秋と冬には地中海への遠距離航海に在り、2月8日に戻ってきた。
艦上に在った第279独立艦上戦闘機航空連隊第100独立艦上戦闘機航空連隊の一部の航空機は、シリアのテロリスト目標への攻撃へ参加した。

公式データによると、戦闘飛行の実施中、2機の航空機航空母艦への着艦の際に失われた。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が有する武装には、特に、科学生産合同『機械製造』(現在はコーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)が開発した対艦ミサイル複合体「グラニート」の12基の発射装置が有り、ミサイルの飛翔距離は700kmまでである。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

シリア沖から戻ってきた「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になるようです。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
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『第35艦船修理工場』
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]


これまでのロシア側の報道を見る限り、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には、改装費用が異なる幾つかのオプションが考慮されているようです。

改装費用650億ルーブル(2017年3月中旬初出、但し、新型機器の設計開発費用300億ルーブルも含む)
兵装(打撃有翼ミサイル複合体も含む)や電子機器の殆ど全てを交換し、寿命も20年延長。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により寿命を20年延長する]

改装費用200億ルーブル(2017年3月初頭初出)
対空兵装、電子機器などを新型に換装し、ボイラー4基を交換。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年7月までに始まる]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年5月末から始まるかもしれない]

改装費用数十億ルーブル(2016年5月下旬初出)
主に航空関係艤装に焦点を当てた必要最低限の改装。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」を設計した『ネフスキー計画設計局』は、既に同艦の近代化改装の設計案を完成させています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の設計案は完成した]

2017年4月下旬、「ロシア防衛産業企業体の匿名の情報提供者」は、「アドミラル・クズネツォフ」が近代化改装で現用の有翼ミサイル複合体「グラニート」汎用垂直発射装置3S-14UKSKへ換装すると発言しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな打撃巡航ミサイル(カリブル、オーニクス、ツィルコン)を装備する]
「グラニート」の換装については、以前にもロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏が言及しています。
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2017年5月、別の「情報提供者」は、「グラニート」の換装については「おそらくは実行されない」と言いました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装で有翼ミサイル複合体グラニートを換装しない?]

「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基は新品に交換されるようですが、この工事は、ムルマンスク近郊のロスリャコヴォに在る第82艦船修理工場大型浮きドックで行なわれる可能性が高いようです。
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第82艦船修理工場は、その大型浮きドックで何度も「アドミラル・クズネツォフ」の修理を行なったことがあります。
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この他、レーダーなどの各種電子機器も近代化するとの事ですから、新型のものに換装される事になるようです。

バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは『ロシア海軍の日』の観艦式へ参加する為にクロンシュタットでメンテナンスを行なう

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年5月11日18時35分配信
【警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はサンクトペテルブルクの海軍の日を前にクロンシュタットでドック修理を行なう】

プロジェクト11540警備艦(コード名「ヤストレブ」)「ヤロスラフ・ムードルイ」は、5月8日・月曜日に『クロンシュタット海洋工場』でドック修理を行なう為、クロンシュタットへ入った。
『海軍産業』(フロートプロム)は同社広報サービスより伝えられた。


「計画ドック修理は今週末までに始まり、6月中旬あたりに完了します」
『クロンシュタット海洋工場』
広報サービス部長グレブ・チュビンスキーは『海軍産業』へ話した。
修理は、フョードル・ミトロファノフ記念ドックで実施される。
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同社の専門技術者は、船体の水中部分、推進軸機構と船底外部機器を検査する。
必要な場合、工場は、これらの機構の修理を行なう。
最後の艦の水中部分が塗装される。

同社は、クロンシュタットへの「ヤロスラフ・ムードルイ」の到着が、バルト艦隊の艦がサンクトペテルブルクから予定外に去った事と、バルト海での戦闘準備状態の抜き打ち査察とは何の関係も無い事を強調した。

修理中、乗組員の一部は艦に滞在する。

以前、「ヤロスラフ・ムードルイ」の修理はカリーニングラード造船所『ヤンターリ』で実施されており、この際に艦のタービンの1基はヴォルガ領域内の公開株式会社『メタリスト-サマーラ』で修復された。
『クロンシュタット海洋工場』沿バルト工場『ヤンターリ』は、『統合造船業営団』へ加入している。

海軍は、警備艦サンクトペテルブルク海軍の日のパレードへ参加させる為、クロンシュタットでの修理の為に艦を向かわせる事を決定した
「それはロジスティックの観点から便利です」
バルト艦隊
の情報提供者は『中央海軍ポータル』(フロートコム)へ話した。

「ヤロスラフ・ムードルイ」は2009年から海軍の一員として加わっている。
これは、第2のプロジェクト11540警備艦である。
このシリーズのフリゲートは、水中及び水上からの攻撃からの戦闘艦と船の防護、潜水艦の捜索、探知、追尾、艦船への攻撃、揚陸部隊の支援、その他の任務を果たす為に意図されている。

艦の兵装は、6門の533mm魚雷発射管、2基の対潜ロケット魚雷複合体「ヴォドパード-NK」、対潜ロケット爆雷装置RBU-6000、4基の高射ミサイル複合体「キンジャール」、2基のミサイル-砲複合体「コールチク」、更にはAK-100 100mm砲がある。
艦上には対潜ヘリコプターKa-27が駐留する。



バルト艦隊所属のプロジェクト11540警備艦の2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(2009年6月19日竣工/7月24日就役)は、2014年8月から2015年2月まで長期遠洋航海を行ない、太平洋方面のインドネシアまで進出しました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、ガスタービンエンジン(高速航行用)の1基が破損し、修理されることになりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイは2016年初頭に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

修理完了後にロシア海軍へ復帰し、2016年4月にはコルベット「ボイキー」(2013年5月16日就役)と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に対潜戦闘訓練を行なった]


「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2016年6月1日にバルチースクを出航し、6月11日には地中海中部マルタ島を訪問、6月14日にマルタを出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイ、マルタ島訪問(2016年6月11日)]
[バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはロシア海軍地中海作戦連合部隊へ参加する]

その後、地中海東部へ到着し、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の一員として行動していました。

6月17日にはアメリカ海軍駆逐艦「ニアミス」を起こしました。
[地中海東部でアメリカ海軍駆逐艦はロシア海軍の警備艦ヤロスラフ・ムードルイへ接近した]

その後の動向は一切明らかにされていませんでしたが、地中海を出て紅海へ移動し、ジブチ港へ寄港していました。
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8月18日にジブチを出航し、アフリカの角(アデン湾)海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務に就いた]

9月初頭にオマーンサラーラ港へ寄港し、9月6日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務を続ける]

「ヤロスラフ・ムードルイ」は、以前にも2014年9月~10月にアデン湾海賊対処任務に就いており、今回で2度目になります。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

その後、「ヤロスラフ・ムードルイ」海賊対処任務を終えて地中海東部へ戻り、9月20日にキプロスリマソール港へ寄港しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキプロスを訪れた]

10月7日に北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。


その後、大西洋を横断してカリブ海へ行き、10月26日にはキューバハバナ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキューバを訪れた]
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11月17日にはトリニダード・トバゴポイント・フォーティン港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはトリニダード・トバゴを訪れた]
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その後もカリブ海に居たようですが、12月初頭には母港(バルチースク)への帰路に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはカリブ海を去り、母港への帰路に就いた]

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「ヤロスラフ・ムードルイ」大西洋を東へ進み、12月16日にはラマンシュ海峡)英仏海峡)を通過しました。
この時、ブリテン海軍フリゲート「サザーランド」が追尾しました。

12月19日に母港バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは遠洋航海を終えて母港バルチースクへ戻った]


その後もバルチースクに居たようですが、2017年5月8日にクロンシュタット『クロンシュタット海洋工場』へ到着しました。
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「ヤロスラフ・ムードルイ」は、今年7月30日にサンクトペテルブルクで行なわれる「ロシア海軍の日」記念観艦式へ参加する予定であり、その為に『クロンシュタット海洋工場』でメンテナンスが行なわれます。


「ヤロスラフ・ムードルイ」は、2012年4月からロシア皇帝家(ロマノフ家)の後援を受けています。
[ロマノフ家は警備艦ヤロスラフ・ムードルイを後援する]

ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った

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『インタファクス』より
2017年5月13日20時29分配信
【潜水艦「クラスノダール」はアメリカ合衆国海軍の巡洋艦の監視下で地中海へ入った】
モスクワ、5月13日、インタファクス-ロシア

バルト海から黒海の常時駐留場所への移動を行なっているロシア海軍の最新ロケット潜水艦「クラスノダール」は、土曜日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入った。

ロシア潜水艦は水上を進んでおり、アメリカ「タイコンデロガ」型ロケット巡洋艦が付き添っている。

具体的には、ジブラルタルの監視者が伝えているように、ロシア海軍潜水艦は、アメリカ巡洋艦の監視下でヨーロッパの半島南端に位置するジブラルタル岬を通過した。

5月5日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した際、ロシア潜水艦王立海軍軍艦「サマセット」が追跡した。

伝えられているように、黒海艦隊の第4の最新大型ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は、バルト艦隊から黒海艦隊への艦隊間移動を行なっている。
同艦にはバルト艦隊海洋曳船「ヴィクトール・コネツキー」が同行している。
常時駐屯場所への到着は6月に予定されている。

2015~2016年、黒海艦隊へ同タイプの潜水艦「ノヴォロシースク」、「ロストフ・ナ・ドヌー」、「スタールイ・オスコル」が補充された。

同プロジェクトは第3世代ディーゼルエレクトリック潜水艦に属し、外国海軍の同類と比較して最も低騒音の1つと見られており、ロシアの以前のプロジェクトよりも高い戦闘効率性、最新のミサイル-魚雷兵装、電波電子及び水中音響機器を有している。
プロジェクト636.3潜水艦の特徴は、打撃ミサイル複合体「カリブル-PL」、更には更新された電波電子機器を装備している事に有る。

4月初頭、潜水艦「クラスノダール」は、バルト艦隊の海上射爆場で水上標的への有翼ミサイルの試験発射を行なった。



[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクアドミラルティ造船所で2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

起工から1年2ヶ月後の2015年4月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは進水した]


その後、アドミラルティ造船所の岸壁で艤装工事が行なわれました。
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艤装工事は2015年7月20日までに完了しました。
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2015年7月27日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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2015年8月10日から航行試験を開始しました。



試験は2015年10月末までに完了し、「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ納入され、合わせて聖アンドレイ旗の初掲揚式典も開催されました。
[黒海艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは2015年11月5日にロシア海軍へ引き渡される]
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]

就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。

「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、またアドミラルティ造船所へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。
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修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

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2017年4月8日、「クラスノダール」バルト海有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「クラスノダール」は、5月初頭頃に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した]

「クラスノダール」は浮上状態で航行しており、5月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

そして5月13日にはジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
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「クラスノダール」黒海艦隊基地への到着は6月になります。


ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が就役しており、最初の3隻は既に黒海艦隊基地へ回航されています。
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プロジェクト06363潜水艦は全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されました。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊へ回航中

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3月18日進水/2016年10月26日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年5月31日進水/2016年11月24日就役
黒海艦隊に配備予定



今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
1番艦「モジャイスク」と2番艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」は2017年中に起工されます。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月13日6時5分配信
【太平洋艦隊旗艦はシンガポール海軍のフリゲートとの合同演習を実施した】

西太平洋諸国の海洋シンポジウムの海軍演習への実地取り組み段階の枠組みで、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、南シナ海南部でシンガポール共和国海軍フリゲート「シュープリーム」との通信及び海上機動の合同演習を実施した。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、2017年4月1日から世界の大洋海域で遠距離航海任務を遂行している。
航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。
遠洋航海中に艦船は釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)への寄港を行なった。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域での聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

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5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

そして5月13日には、シンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
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今後、太平洋艦隊艦船支隊シンガポールを訪れるようです。
ブログ『代表のぼやき』より
【シンガポール観艦式、アジアで最大規模に、参加艦が判明!!ロシアの航洋曳舟が登場】

5月15日にシンガポールチャンギ港で行なわれるシンガポール海軍創立50周年記念観艦式には、ロシア海軍から親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」に加え、救助曳船「フォーチー・クルイロフ」が参加します。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装で有翼ミサイル複合体グラニートを換装しない?

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月13日9時0分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化において、ミサイル複合体の交換は未だ提供されていない】
モスクワ、5月13日、インタファクス-AVN

重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」(以後-「アドミラル・クズネツォフ」)の今後の近代化の過程において、ミサイル複合体「グラニート」の交換は、おそらく実行されないだろう。
土曜日にインタファクス-AVNは情報筋より伝えられた。

「資金上の理由から、ミサイル複合体グラニートの他者への交換は、おそらくは実行されないでしょう」
彼は指摘した。

彼によると、近代化は、先ず初めに、主動力装置の4基のボイラーの交換に関連する。

「この内の2基は、既にバルト工場(『統合造船業営団』へ加入している)に用意されています」
対談者は伝えた。

「更に、電波位置特定機器(レーダー)と電波電子兵装、航空機航法複合体も近代化されます」
彼は指摘した。

対談者は「何処の企業で近代化が実施されるのか、そして作業の開始時期は、未だはっきりしておりません」と言った。

「現時点において、航空母艦は、第35艦船修理工場で技術的な戦闘準備状態に在りますが、艦上航空隊の飛行士の訓練条件に関しましては、最近のシリア沖への『出張』の後、一定の休養時間が与えられており、航空母艦からの飛行を許可する為、定められた規則を実行する必要が有ります」
彼は話した。

「論理的に見て、航空母艦と艦上の航空団は、初秋には海上へ出られるようになるでしょう」
インタファクス-AVN
の対談者は指摘した。

以前、第279独立艦上戦闘機航空連隊戦闘機Su-33第100独立艦上戦闘機航空連隊戦闘機MiG-29KRの飛行士の一部は、現在、クロンシュタットで7月30日に開催される主要な海軍パレードの準備を行なっていると伝えられた。

その後に第279独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、クリミアサキの地上「空母」~訓練複合体「ニートカ」で訓練飛行を開始する事は既知の通りである。

第279独立艦上戦闘機航空連隊第100独立艦上戦闘機航空連隊の一部の航空機は、最近の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の遠距離航海中に、シリアのテロリスト目標への攻撃へ参加し、2月8日に戻ってきた。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が有する武装には、特に、科学生産合同『機械製造』(現在はコーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)が開発した対艦ミサイル複合体「グラニート」の12基の発射装置が有り、ミサイルの飛翔距離は700kmまでである。

以前、一部のメディアは、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の過程で、最近のシリアのテロリストへの攻撃で良好な実績のあるミサイル複合体「カリブル-NK」を兵装として得るかもしれないと報じた。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

シリア沖から戻ってきた「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年に始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になるようです。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
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『第35艦船修理工場』
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]


これまでのロシア側の報道を見る限り、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には、改装費用が異なる幾つかのオプションが考慮されているようです。

改装費用650億ルーブル(2017年3月中旬初出、但し、新型機器の設計開発費用300億ルーブルも含む)
兵装(打撃有翼ミサイル複合体も含む)や電子機器の殆ど全てを交換し、寿命も20年延長。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により寿命を20年延長する]

改装費用200億ルーブル(2017年3月初頭初出)
対空兵装、電子機器などを新型に換装し、ボイラー4基を交換。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年7月までに始まる]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年5月末から始まるかもしれない]

改装費用数十億ルーブル(2016年5月下旬初出)
主に航空関係艤装に焦点を当てた必要最低限の改装。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]

「アドミラル・クズネツォフ」を設計した『ネフスキー計画設計局』は、既に同艦の近代化改装の設計案を完成させています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の設計案は完成した]

2017年4月下旬、「ロシア防衛産業企業体の匿名の情報提供者」は、「アドミラル・クズネツォフ」が近代化改装で現用の有翼ミサイル複合体「グラニート」汎用垂直発射装置3S-14UKSKへ換装すると発言しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな打撃巡航ミサイル(カリブル、オーニクス、ツィルコン)を装備する]
「グラニート」の換装については、以前にもロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏が言及しています。


しかし、今回の「情報提供者」は、「グラニート」の換装については否定的であり、「おそらくは実行されない」と言っています。

ただ、以前にも話が出ていたボイラー4基の交換は認めており、既に2基は製造元の『バルト工場』で用意されているとの事です。

この他、レーダーなどの各種電子機器も近代化するとの事ですから、新型のものに換装される事になるようです。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年12月)の原因は着艦拘束装置のケーブルとは関係が無い

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月11日19時10分配信
【『セヴェルスターリ』:「アドミラル・クズネツォフ」における非常事態は、ケーブルの品質とは関係が無い】
モスクワ、5月11日-ロシア通信社ノーボスチ

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」における航空機Su-33の事故は、航空拘束装置のケーブルが不良品であったが故に発生したという説は確認されなかった。
木曜日に『セヴェルスターリ』社広報サービスは発表した。

昨年12月5日、シリアでの戦闘任務を遂行した後の戦闘機Su-33は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」への着艦を行なった際、甲板を越えて飛び出した。
事故は、航空拘束装置のケーブルが切断された後に発生した。
戦闘機パイロットは脱出に成功し、彼は捜索救助サービスにより艦上へ送り届けられた。

「2016年12月5日に地中海エリアで重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの甲板への着艦を行なった際の軍用航空機Su-33の事故に関する原因の調査を行なっているロシア連邦国防省は、『セヴェルスターリ』指導部へ、次のような結論を通知しました:株式会社『レダエリーSSM』が製造した航空拘束装置のロープが不良品であった事が原因であるとの説は確認されなかった。
ロープの品質に関する請求は有りませんでした」

声明では、こう述べられた。

更に、それは以前にサンクトペテルブルク連邦単一企業『クルイロフ国立科学センター』の研究室で、必要条件に沿っているかどうかの見本品の試験が行われており、更には、ロープは必要条件に沿っていると確認されたことを強調した。



[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日に地中海東部(シリア沖)へ向けて出航し、2017年2月8日に帰港しました。

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


シリア作戦中、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機2機が事故により失われています。

2016年11月13日には、艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
パイロットは脱出に成功しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

2016年12月5日、艦上戦闘機Su-33(機体番号67)「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

事故の原因については様々な憶測が流れていますが、その中の1つに着艦拘束装置ケーブルが不良品だったというのが有ります。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]

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「アドミラル・クズネツォフ」着艦拘束装置「スヴェトラーナ-2」は、サンクトペテルブルクプロレタリア工場で製造されたものです。
【公開株式会社「プロレタリア工場」公式サイト】

プロレタリア工場は、ロシア海軍向け以外に、インド海軍向けにも着艦拘束装置を製造しています。
[ロシアは着艦拘束装置の製造を再開した]

着艦拘束装置のケーブル自体は、ロシアの大手鉄鋼会社『セヴェルスターリ』の子会社『レダエリーSSM』が製造しています。
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【『セヴェルスターリ』公式サイト】

そして今回、『セヴェルスターリ』社は、着艦事故の原因を調査しているロシア国防省から、事故原因は子会社が製造したケーブルとは関係が無いと通知を受けました。


事故原因については、以前に『コメルサント』紙が、パイロットの操作ミス(着艦拘束装置ケーブルの真ん中付近では無く、そこから外れた位置に着艦フックを引っ掛けた為に多大な負荷が掛かって切れた)と報じた事もありましたが、即座にロシア国防省広報部から名指しで否定されています。

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した

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『タス通信』より
2017年5月12日10時24分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は対空防衛演習の為にバレンツ海へ出航した】
モスクワ、5月12日/タス通信

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、対空及び対潜演習の為、バレンツ海へ出航した。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガは報道機関へ伝えた。

「ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは、戦闘訓練計画下で第2錬成任務の要素を実行する為、バレンツ海へ出航しました。
海上で乗組員は、戦闘班の整然とした活動へ取り組み、対空、対潜防衛、航行中及び停泊中の生存の為の闘い(ダメージコントロール)といった一連の艦内演習を実行します」
セルガ
は話した。

以前、同艦の乗組員は航海準備を行ない、兵装と機器を点検した。
演習の後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスクへ戻る。

「マルシャル・ウスチーノフ」プロジェクト1164ロケット巡洋艦であり、1978年10月5日にニコラエフ造船工場で起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に北方艦隊へ加わった。
その全長は186メートル、幅20.8メートル、最大速力32ノット、乗組員は約500名。
艦の兵装は、16基の有翼ミサイル発射装置、更には、高射ミサイル複合体、砲、対潜兵器である。

ロシア海軍には、このようなロケット巡洋艦が3隻在る:「モスクワ」-黒海艦隊、「ワリャーグ」-太平洋艦隊、「マルシャル・ウスチーノフ」-北方艦隊



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月9日9時50分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」はタイでの軍事-外交ミッションを成功裏に果たした】
バンコク、5月9日-ロシア通信社ノーボスチ、エフゲニー・ベレニキー

ロシア太平洋艦隊の艦船は火曜日にタイ訪問を完了し、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」は、その課せられた軍事-外交ミッションを果たし、タイに住み、働いているロシア人への勝利の日の素晴らしいプレゼントとなった。
『ロシア通信社ノーボスチ』は火曜日に同国のロシア連邦大使キリール・バルスキーより伝えられた。
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[2国間関係の発展]
「太平洋艦隊戦闘艦支隊の訪問は、この2年間で既に3回目であり、今日のロシアとタイの2国間関係の集約的発展の過程で生じた重要な部分となっております」
ロシア外交団
のトップは話した。

大使は、この2年間で2国間関係は、様々な分野における両国の共通の利益に基づいたダイナミックな発展段階に在る事を強調した。

「太平洋艦隊戦闘艦支隊の訪問は、我々の国の間の外交関係が成立してから120周年となりました。
そして、それはロシア連邦の指導者が、東南アジアにおける我々の主要なパートナーの1つであるタイとの関係の発展へ注意を払っている事の証です」
バルスキー
は話した。

ロシア側にとって、この訪問は、大いなる象徴的な意味を有するとタイロシア大使は付け加えた。
何故なら、ロシア太平洋艦隊旗艦親衛巡洋艦「ワリャーグ」が、それ(支隊)を率いていたからである。

「この艦は、太平洋艦隊で最も強力なものの1つであり、1904年のロシア-日本戦争の仁川の戦いで英雄的な最期を遂げた歴史的な巡洋艦ワリャーグの名を持っています。
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その記憶は、ロシアで、軍で、我が国の海軍で大事に保存されています。
それはタイ側も理解している事を確信しています」

外交団のトップは話した。

[軍事外交とサッカー]
「この訪問中にタイ海軍司令部の代表との会合、更には、我々の国の間の友好関係の証である他の目的の一連の行事が行なわれ、タイ国指導部及びタイ軍司令部は、この訪問に高い優先順位を与えています」
バルスキー
は話した。

タイの軍事船員は5月7日にロシア巡洋艦を訪れ、「ワリャーグ」の船員はタイ海軍旗艦の航空巡洋艦「チャクリ・ナルエベト」への答礼訪問を行なった。
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更に、訪問プログラムでは、5月8日に巡洋艦「ワリャーグ」艦上でロシアタイの軍事船員間のサッカーの親善試合が行なわれ、スコアは1:1の引き分けに終わった。
最初の点はロシア船員が獲得し、その後、タイの同僚は後半の土壇場で同点に追いついたと大使は話した。

「この我々の軍の間の友好関係は全て、ロシアとタイ間の信頼のパートナーシップの大規模なビルの建設におけるレンガです」
大使は話した。

[勝利の日のロシア人への贈り物]
巡洋艦「ワリャーグ」
は、5月6日にロシア市民の訪問の為に開放されたとタイロシア外交団のトップは伝えた。

「太平洋艦隊艦船支隊の訪問は、ロシア市民~タイに住み、働いている同胞と、その家族の間で大いなる関心を引き起こしたと言うべきでしょう。
5月6日に巡洋艦を約200名が訪れ、この内の約100名は学生であったと言えば十分です」

大使は伝えた。
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「先ず第一に、これは、パタヤに住む我々の市民であり、ロシア学校『ディプロマット・プラス』で学んでいる子供達です。
これは、タイのロシア大使館の職員の子供達であり、ロシア連邦大使館下の普通教育学校の学生と教師です。
これは全て、非常に重要な教育の瞬間であり、この訪問は、タイに住むロシア市民全ての為の本当の贈り物となりました。
何故なら、これは、我々の偉大なる祭日である勝利の日の前に行なわれたからです」
バルスキー
は話した。

[次の訪問は11月に]
「私は、ロシア艦船の訪問は、これで最後では無い事を確信しております。
今年11月にロシア太平洋艦隊のもう1つの艦船支隊のタイへの寄港が計画されており、これは、ロシアとタイ間の友好関係と、我々の軍の間の協同の強化に重要な貢献を成すでしょう」
バルスキー
『ロシア通信社ノーボスチ』へ話した。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

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5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

そして5月9日にサッタヒープ港を出航しました。


なお、太平洋艦隊艦船支隊は、タイ訪問を終えた後にシンガポールを訪れるようです。
ブログ『代表のぼやき』より
【シンガポール観艦式、アジアで最大規模に、参加艦が判明!!ロシアの航洋曳舟が登場】

5月15日にシンガポールチャンギ港で行なわれるシンガポール海軍創立50周年記念観艦式には、ロシア海軍から親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」に加え、救助曳船「フォーチー・クルイロフ」が参加します。

ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2017年8月からクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月7日11時45分配信
【艦上飛行士は(2017年)8月にならなければクリミアの地上「空母」で戦闘機Su-33の訓練飛行を開始できない】
シンフェローポリ、5月7日、インタファクス-AVN

戦闘機Su-33を装備する北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊は、8月にならなければクリミア地上擬似空母での訓練飛行を開始する事が出来ない。
日曜日にインタファクス-AVNは、この地域の造船業界より伝えられた。

「サキの地上試験訓練複合体(航空隊)ニートカでの第279独立艦上戦闘機航空連隊の艦上機の飛行士の訓練は、5月から8月に延期されました」
対談者は話した。
彼は、訓練飛行が延期された理由を言わなかった。
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以前には、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」シリア沖への遠距離航海から戻ってきた後、艦上飛行士は休暇へと向かい、その後、3月末からムルマンスク州飛行場の1つで訓練飛行を開始すると伝えられた。

対談者は、この計画が戦闘機MiG-29KR/KUBRを装備する第100独立艦上戦闘機航空連隊のパイロットまで広げられるのかどうかについては説明しなかった。

知られているように、「アドミラル・クズネツォフ」の遠距離航海において、その艦上には、第279独立艦上戦闘機航空連隊と共に、サキ複合体ニートカでパイロットが訓練を行なった複数の第100独立艦上戦闘機航空連隊航空機が在った。

入手可能な情報によると、第100独立艦上戦闘機航空連隊航空機の大部分は、クリミアに在る同類がウクライナの一部であった時に使用できなかったが故に建設を開始した新たな複合体が就役しなければならないエイスク空港へ留まっている。
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以前、部署の人間は、エイスク複合体ニートカは2016年末に運用への移行を計画していると述べた。



[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた]

ロシア海軍艦上戦闘機Su-33は、北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」にのみ配備されており、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦としています。
(普段はセヴェロモルスク-3飛行場に駐留)
現在の総保有機は20機であり、少なくとも15機程度が稼働状態に在ります。
(機体番号60、62、66、68、71、76、77、78、79、80、84、85、86、87、88)
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稼動状態に在る15機のSu-33は寿命延長近代化改修が行なわれており、少なくとも2025年までは運用されることになります。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]

第279連隊Su-33は、2016年4月26日から6月24日までクリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」で「発着艦」訓練を行ないました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカでの発着訓練を完了した]


その後、7月1日からは母艦「アドミラル・クズネツォフ」での飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この時、「アドミラル・クズネツォフ」には10機程度のSu-33が搭載されました。

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機Su-33は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]


Su-33イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]


11月17日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機シリア領内のテロ組織『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルKh-101を発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」Su-33シリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]

元々は空対空専門のSu-33でしたが、今回の地中海遠征へ出発する前に、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24-33が装備されました。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]

12月5日、1機のSu-33(機体番号67)が「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]

Su-33を含む「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。

[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]


地中海東部(シリア沖)から戻った後、艦上戦闘機Su-33MiG-29Kは、北方艦隊の演習へ何度か参加しています。

今年(2017年)もSu-33は、クリミア半島サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」へ移動して訓練を実施しますが、今回の記事の通り、当初予定していた5月から8月に延期されました。

昨年のSu-33サキ飛行場での訓練には、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29Kも少数が参加しましたが、今年も同様になるのかどうかは不明です。

ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月7日11時6分配信
【北方艦隊の支援船「アルタイ」と「ドゥブナ」は遠距離航海から基地へ戻ってきた】

北方艦隊救助曳船「アルタイ」中型海洋給油船「ドゥブナ」は、遠距離航海任務遂行後に常時駐留所へ到着した。

桟橋で船の乗組員は、北方艦隊司令部の代表と、昨年10月以来見ていない家族と親類に出迎えられた。
この間に船は40000海里以上を航行し、アフリカ大陸を周回して何度かの外国港への寄港を行なった。

北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将は指摘した。
「救助曳船アルタイと給油船ドゥブナの乗組員は、大西洋、インド洋、更には地中海で北方艦隊の戦闘艦を支援する初めてのユニークな航海を実行しました」

艦隊司令官は強調した。
「支援船の乗組員のプロ意識により、航空艦グル―プ、更には、アフリカ周回を行なった大型対潜艦セヴェロモルスク率いる艦・支援船支隊の任務は成功裏に果たされました」

支援船は、2016年10月15日から遠距離航海を始めた重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる北方艦隊航空艦グループの構成へ加わった。
(2016年)11月から(2017年)1月まで船の乗組員は地中海で任務を遂行した。

(2017年)1月中旬から救助曳船「アルタイ」中型海洋給油船「ドゥブナ」は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海を支援した。
船員は、航行中及び停泊中に液体貨物を移送する何度かの操作を行なった。

カーボベルデ諸島を訪問した後、4月末に支隊は分離した。
大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海で任務遂行を継続し、支援船バレンツ海へ進路を取った。



ロシア北方艦隊救助曳船「アルタイ」(1987年10月21日就役、1992年まで「カラバフ」)と中型海洋給油船「ドゥブナ」(1974年12月19日就役)は、2016年10月15日、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。
[ロシア海軍北方艦隊の支援船は空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征をサポートした]

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、航空打撃艦グループ大型対潜艦「セヴェロモルスク」救助曳船「アルタイ」、給油船「ドゥブナ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
救助曳船「アルタイ」
中型海洋給油船「ドゥブナ」


北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

4月7日には赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]
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4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデプライア港へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]

4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]

4月27日、アフリカ大陸を一周した再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]
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しかし、救助曳船「アルタイ」給油船「ドゥブナ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」に同行せず、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは帰路に就く]

そして5月7日に「アルタイ」「ドゥブナ」は母港(セヴェロモルスク)へ戻りました。


なお、再び地中海へ入った大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、5月4日から6日までキプロスリマソール港へ寄港しています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]

ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリア沖から母港バルチースクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年5月7日11時32分配信
【バルチースクは遠距離航海から戻ってきたバルト艦隊の大型揚陸艦「コロリョーフ」を出迎えた】

大型揚陸艦「コロリョーフ」給油船「コラ」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、常時駐留場所のバルチースク港へ到着した。

バルチースク軍港では歓迎式典が開催され、バルト艦隊司令部の代表、船員の家族と親類が出席した。
揚陸艦連合部隊の埠頭では、航海で顕著な功績の有った者が表彰され、乗組員は子豚の丸焼きを贈られた。

大型揚陸艦「コロリョーフ」は、2016年11月に遠距離航海へ向かった。
航海中に数千海里を航行し、幾つかの外国及びロシアの港への業務寄港を行なった。

艦の乗組員は、単独で、そして地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として、数十回の戦闘演習任務を遂行した。

海洋給油船「コラ」は2017年4月7日から航海を行なっていた。
船の乗組員は、遠海ゾーンのロシア海軍の艦船の物資-技術サービス保障に従事していた。



バルト艦隊大型揚陸艦「コロリョーフ」(130、1992年1月5日就役)は、2016年11月頃に地中海東部へ派遣され、11月26日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

以後、ボスポラス海峡を通って黒海沿岸シリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリアへ貨物を運ぶ]

今回の記事では「外国及びロシアの港への業務寄港を行なった」と書かれていますが、これは、黒海沿岸のロシアの港(セヴァストーポリノヴォロシースク)とシリアタルトゥースを何度も往復してたという事です。
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大型揚陸艦「コロリョーフ」は、計5回の輸送任務を遂行しました。
・2016年12月10日ボスポラス海峡南下、12月21日北上
・2017年1月11日ボスポラス海峡南下、1月21日北上
・2017年2月1日ボスポラス海峡南下、2月11日に北上
・2017年2月21日ボスポラス海峡南下、3月4日北上
・2017年3月17日ボスポラス海峡南下、3月27日北上


2017年4月3日にボスポラス海峡を南下して地中海へ出た後、帰路へ就きました。

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その後は地中海を西進してジブラルタル海峡を通過、大西洋へ出た後に北上し、5月2日までにラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を終えて帰路に就いた]


一方、バルト艦隊中型海洋給油船「コラ」(1967年10月19日就役)は、2017年4月7日にコルベット「ボイキー」、「ソーブラジテルヌイ」、救助曳船SB-123と共にバルチースクを出航し、北大西洋へ進出しました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」と「ボイキー」の北大西洋遠征(2017年4月)]

「コラ」以外の3隻は5月1日にバルチースクへ帰港しましたが、「コラ」だけは大西洋上に留まりました。

それは、シリア沖から戻ってくる大型揚陸艦「コロリョーフ」へ同行する為だったようです。


そして5月7日、大型揚陸艦「コロリョーフ」中型海洋給油船「コラ」は、揃ってバルチースクへ帰港しました。


これまでバルト艦隊は1隻の大型揚陸艦を交代でシリア輸送任務へ派遣していましたが、現在の所、「コロリョーフ」に代わる大型揚陸艦バルト艦隊から派遣されているという情報は有りません。

ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した

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『タス通信』より
2017年5月6日15時57分配信
【新たな潜水艦「クラスノダール」は(2017年)6月に黒海艦隊へ到着する】
セヴァストーポリ、5月6日/タス通信

バルト艦隊から黒海艦隊へ移動するプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は、6月にその駐留場所への到着が予定されている。
黒海艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「黒海艦隊の為に建造された潜水艦クラスノダールは、現在、バルト艦隊から黒海艦隊への移動を行なっています。
バルト艦隊の海洋曳船ヴィクトール・コネツキーが同行します。
駐留場所への到着は6月になるでしょう」
トルハチェフ
は話した、

「クラスノダール」は、第4のプロジェクト636.3潜水艦である。
このタイプの3隻の潜水艦「ノヴォロシースク」、「ロストフ・ナ・ドヌー」、「スタールイ・オスコル」は、既に黒海艦隊へ補充されている。

昨年、ロシア海軍は、第5の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と第6の「コルピノ」を受領した。
これらは、未だ黒海艦隊へ移動していない。
この潜水艦は、更に6隻が太平洋艦隊の為に建造を計画している。

またの名を「ワルシャワンカ」として知られるプロジェクト636.3潜水艦は、中央設計局『ルビーン』により開発された。
その速力は20ノット、自立航行期間は45日、乗組員は50名以上。
潜水艦の水上排水量は2000トン以上、水中排水量は約4000トンになる。
「ワルシャワンカ」の兵装には、有翼ミサイル複合体『カリブル』が含まれる。



[プロジェクト06363潜水艦]

プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクアドミラルティ造船所で2014年2月20日に起工されました。

[プロジェクト06363潜水艦クラスノダールは起工された]

起工から1年2ヶ月後の2015年4月25日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは進水した]


その後、アドミラルティ造船所の岸壁で艤装工事が行なわれました。
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艤装工事は2015年7月20日までに完了しました。
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2015年7月27日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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2015年8月10日から航行試験を開始しました。



試験は2015年10月末までに完了し、「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ納入され、合わせて聖アンドレイ旗の初掲揚式典も開催されました。
[黒海艦隊の為の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは2015年11月5日にロシア海軍へ引き渡される]
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]

就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。

「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、またアドミラルティ造船所へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。
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修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。
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その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

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2017年4月8日、「クラスノダール」バルト海有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「クラスノダール」は5月初頭に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。

黒海艦隊基地への到着は6月になります。


ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が就役しており、最初の3隻は既に黒海艦隊基地へ回航されています。
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プロジェクト06363潜水艦は全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されました。

プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

[プロジェクト06363]
・B-261「ノヴォロシースク」(Б-261 Новороссийск)
建造番号01670
2010年8月20日起工/2013年11月28日進水/2014年8月22日就役
黒海艦隊へ配備

・B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(Б-237 Ростов-на-Дону)
建造番号01671
2011年11月21日起工/2014年6月26日進水/2014年12月30日就役
黒海艦隊に配備

・B-262「スタールイ・オスコル」(Б-262 Старый Оскол)
建造番号01672
2012年8月17日起工/2014年8月28日進水/2015年7月3日就役
黒海艦隊に配備

・B-265「クラスノダール」(Б-265 Краснодар)
建造番号01673
2014年2月20日起工/2015年4月25日進水/2015年11月5日就役
黒海艦隊へ回航中

・B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(Б-268 Великий Новгород)
建造番号01674
2014年10月30日起工/2016年3月18日進水/2016年10月26日就役
黒海艦隊に配備予定

・B-271「コルピノ」(Б-271 Колпино)
建造番号01675
2014年10月30日起工/2016年5月31日進水/2016年11月24日就役
黒海艦隊に配備予定



今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
1番艦「モジャイスク」と2番艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」は2017年中に起工されます。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月6日13時10分配信
【ロシア艦「セヴェロモルスク」はキプロスのリマソール港を訪問した】
モスクワ、5月6日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」リマソール港(キプロス)への3日間の業務寄港を完了した。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は報道陣へ伝えた。

「近い内に、北方艦隊船員は地中海水域で遠距離航海任務の遂行を続けます。
港への停泊中に乗組員は、水、燃料、食料の在庫を設定基準まで補充し、乗組員は休養の為の時間を与えられました」

彼は指摘した。

長期航海の計画任務の処理に加え、北方艦隊将兵は、大祖国戦争におけるソヴィエト人民勝利の日(5月9日)を海上で祝う準備を行なう。
艦の最上甲板に乗組員の隊列が形成される。
航海の最先任者スタニスラフ・ヴァリク1等海佐は、国防相の祝電を読み上げ、偉大なる勝利の日に将兵を祝福する。

大型対潜艦「セヴェロモルスク」の航海は、2016年10月15日に始まった。
3ヶ月の間に大型対潜艦乗組員は、地中海エリアで重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として任務を遂行した。

(2017年)1月中旬、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、救助曳船「アルタイ」、中型海洋給油船「ドゥブナ」と支隊を構成して遠距離航海任務の遂行に着手した。
ロシア船員スエズ運河を通過して紅海へ、そしてインド洋への移動を行なった。

2月9日から15日まで、アラビア海エリア及び沿岸のパキスタン海軍基地で実施された国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加した。

遠距離航海中に大型対潜艦の乗組員は、アフリカアジアの10ヶ所の港を訪れた:
サラーラ(オマーン)、カラチ(パキスタン)、ヴィクトリア(セーシェル)、ダルエスサラーム(タンザニア)、ペンバ(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ共和国)、ウォルビスベイ(ナミビア)、ルアンダ(アンゴラ)、マラボ(赤道ギニア)、プライア(カーボベルデ)



[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、「セヴェロモルスク」給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

4月7日には赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]
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4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデプライア港へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]

4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]

4月27日、アフリカ大陸を一周した大型対潜艦「セヴェロモルスク」は再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]
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しかし、救助曳船「アルタイ」給油船「ドゥブナ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れ、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは帰路に就く]

一方、大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海を東進し、5月4日から6日までキプロスリマソール港へ寄港しました。
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リマソール港には、黒海艦隊警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」が4月26日から28日まで寄港しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」も5月5日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入っています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月5日10時8分配信
【ヘリコプター「カトラン」の量産は2020年に開始する計画である-ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』総取締役】
アルセーニエフ(沿海地方)、5月5日、インタファクス-AVN

艦上偵察-打撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(「アリガートル」の海洋ヴァージョン)の量産は、2020年には開始できる。
ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』(国営法人『ロシアン・テクノロジー』に加入)のトップ、アンドレイ・ボギンスキーは述べた。

「それは2020年近くになると思います、20年の変わり目には仕上がるでしょう。
仕上げは膨大な量ですが、私共は、その準備を整えております。
全ては、ロシア連邦国防省の我々の同僚に依ります」

金曜日、アンドレイ・ボギンスキーは、公開株式会社『アルセーニエフ航空機会社N.I.サズーキン記念「プログレス」』(AAK『プログレス』、沿海地方)への出張中に報道陣へ話した。

以前、ヘリコプターKa-52Kを製造するホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』は、海洋試験の第1段階を完了したと発表した。
現在、機体は株式会社『カモフ』の基地に在り、困難な気象条件下での任務遂行後のヘリコプターの各ユニットの専門家による完全な評価が行なわれている。

ヘリコプターKa-52K「カトラン」は、株式会社『カモフ』が開発した海洋ヘリコプターの生産ラインの延長であり、ロシア海軍へ軍備採用される。
このラインには、Ka-25、K-27、Ka-29、Ka-31のようなヘリコプターが含まれる。

Ka-52Kは、パトロール、沿岸へ上陸する揚陸部隊の火力支援、戦術的縦深を持つ最前線での対上陸防衛の課題の解決の為に意図されている。
現代的な機上機器は、海上での位置が不明な場合のヘリコプターの航法を保障する。

基本モデルとKa-52Kは、重兵装の配置の為の短縮折り畳み式翼と折り畳みローター機構の存在が異なっており、船倉(格納庫)へコンパクトに配置する事を可能にする。
寸法が小さくなったヘリコプターKa-52Kは、艦へ配置されるヘリコプターの最大可能機数の増加を可能にする。

以前、ロシア最新艦上偵察-打撃ヘリコプターKa-52「カトラン」は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海の枠組みで試験飛行を成功裏に行ったと報じられた。



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艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

そして結局、「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]


北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

今回のシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]

「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれているようです。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]


ロシア海軍向けのKa-52Kの量産は、現在の所は2020年頃からの開始が見込まれているようです。

この他にKa-52Kは、エジプトへ売却された元ロシア海軍向け「ミストラル」級ヘリ空母の艦載機として同国への売り込みが行なわれており、エジプトが購入を決定すれば、ロシア海軍向けよりも早く量産が始まる事になるでしょう。

ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った

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『タス通信』より
2017年5月5日11時16分配信
【最新フリゲート「アドミラル・エッセン」はロシア連邦海軍の地中海グループへ補充された】
モスクワ、5月5日/タス通信

黒海艦隊最新フリゲート「アドミラル・エッセン」地中海へ入り、遠方作戦ゾーンの海軍常設連合部隊へ補充された。
同艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフは発表した。

「バルト艦隊から黒海艦隊への艦隊間移動を行なっている黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・エッセン"は、本日、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ到着しました。
戦闘艦は、遠方ゾーンの海軍常設連合部隊へ加わりました」
トルハチェフ
は話した。

彼によると、現在、地中海海軍グループでは、黒海艦隊の新たな同型艦2隻「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」が任務を遂行している。



[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。

それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]


2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]

2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】

出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]

11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]

工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]

2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]

その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。

3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]

3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]

3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]

4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、バレンツ海国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した]

バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」カリーニングラードへ戻りました。
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[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海へ戻ってきた]

「アドミラル・エッセン」は、2016年5月26日にロシア海軍へ納入され、翌5月27日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催される予定でした。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月26日にロシア海軍へ納入される]
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月27日にロシア海軍へ就役する]

しかし、急遽もう一度点検出航を行なう事になった為、延期されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンのロシア海軍への引き渡しは延期された]

2016年5月31日、受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・エッセンはロシア海軍へ納入された]


2016年6月7日、カリーニングラード市沿バルト造船工場『ヤンターリ』の岸壁で、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(海軍旗)初掲揚式典が開催され、ロシア海軍へ就役、黒海艦隊第30水上艦師団へ編入されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

その後もバルト海に留まっていましたが、10月下旬には黒海へ回航される事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ回航される]

しかし、バルチースク基地でスクリューと推進軸を損傷してしまった為、修理が必要となり、黒海への回航は延期されることになりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器を修理する]

「アドミラル・エッセン」は建造元の『ヤンターリ』へ回航され、浮きドックで修理が行なわれました。
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修理は2016年12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器の修理を終えた]

その後はバルト海で修理後の航行試験が行われていたようですが、2017年3月7日には、バルト艦隊親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は、本来の配備場所である黒海艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは黒海艦隊基地へ向かった]

バルト艦隊基地・バルチースクを出航した「アドミラル・エッセン」は、北海へ出た後にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、大西洋を南下しました。
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そして5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、同型艦の「アドミラル・グリゴロヴィチ」が居ますので、近い内に合流する事になるでしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]


なお、北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」も、4月28日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入っています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月5日9時53分配信
【親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は訪問の為にタイへ到着した】
バンコク、5月5日-ロシア通信社ノーボスチ

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」で構成されるロシア太平洋艦隊艦船支隊は、金曜日にタイ東海岸のサッタヒープ港へ到着した。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、タイ海軍東方艦隊司令部より伝えられた。

4月1日から遠距離航海任務を遂行している艦の訪問は、ロシアタイの間の海軍協力の更なる発展の為である。
以前、ロシア艦船支隊は、大韓民国(釜山港)フィリピン(マニラ港)への寄港を行なった。

サッタヒープ商業港は、隣接するタイランド湾沿岸のタイ最大の軍事基地サッタヒープ海軍基地が部分的に使用している。
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特に、タイ海軍旗艦・航空巡洋艦「チャクリ・ナルエベト」が駐留している。
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ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

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そして5月5日にはタイサッタヒープ港へ到着しました。

記事中で触れられていますが、サッタヒープ港にはタイ海軍外洋哨戒ヘリコプター母艦「チャクリ・ナルエベト」も駐留しています。
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なお、太平洋艦隊艦船支隊は、タイ訪問を終えた後にシンガポールを訪れるようです。
ブログ『代表のぼやき』より
【「いずも」「さざなみ」が参加のシンガポール海軍創立50周年記念観艦式 ロシアは「ワリャーグ」が参加!!??】

5月15日にシンガポールチャンギ港で行なわれるシンガポール海軍創立50周年記念観艦式には、ロシア海軍も参加します。

ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツはシリア沖からセヴァストーポリへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月4日10時47分配信
【黒海艦隊の海洋掃海艦「コヴロヴェツ」は地中海からセヴァストーポリへ戻った】

本日、黒海艦隊クリミア海軍基地に所属する海洋掃海艦「コヴロヴェツ」は、地中海での長期航海任務の遂行を完了し、セヴァストーポリへ戻った。

海洋掃海艦は4ヶ月以上に渡り地中海ロシア海軍常設連合部隊の一員として任務を遂行し、計画ローテーションに基づいて海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」と交代した。

セヴァストーポリでは、遠距離航海から戻った艦の為の歓迎会が開催された。
それには、クリミア海軍基地司令部、水域防護艦旅団の代表、退役将兵の一部が出席した。



ロシア海軍は、2016年2月から交代で黒海艦隊掃海艦1隻をシリア沖へ展開させています。
[ロシア海軍黒海艦隊の掃海艦はシリア沖で活動する]

先ず初めに、海洋掃海艦「コヴロヴェツ」(913)が2016年2月中旬に地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルと海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海へ入った]

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2016年5月下旬には海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(770)と交代し、「コヴロヴェツ」は5月27日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリはシリア沖に到着した]

その後、「ワレンチン・ピクリ」は8月17日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港し、交代で海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」(911)が派遣されました。
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そして、「イワン・ゴルべツ」と交代する為に再び「コヴロヴェツ」が派遣されることになり、2016年12月末にセヴァストーポリを出航し、12月27日にボスポラス海峡を南下しました。
「コヴロヴェツ」は、1月9日までにシリア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツは再びシリア沖へ派遣された]

2017年3月末には海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」シリア沖へ到着したのですが、「コヴロヴェツ」も、そのままシリア沖へ留まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリは再び地中海東部(シリア沖)へ派遣された]

「コヴロヴェツ」は、5月2日にボスポラス海峡を北上しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海東部を去った]

そして5月4日にセヴァストーポリへ帰投しました。


現在、地中海東部には、少なくとも8隻のロシア海軍艦船が滞在しています。
大型揚陸艦軍用輸送船は、シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)に就いており、哨戒艇シリアタルトゥース港の警備に当たっています。

警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(4月7日にボスポラス海峡を南下)
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(5月1日にボスポラス海峡を南下)
大型揚陸艦「ヤーマル」(4月28日にボスポラス海峡を南下)
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」(4月25日にボスポラス海峡を南下)
偵察艦「キルディン」(2月5日にボスポラス海峡を南下)
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(3月24日にボスポラス海峡を南下)
哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」(4月6日にボスポラス海峡を南下)
海洋曳船MB-174(4月6日にボスポラス海峡を南下)

これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊創設]

地中海作戦連合部隊司令部が乗る旗艦は、地中海東部へ派遣される水上戦闘艦が交代で務めており、現在の旗艦は、おそらく「アドミラル・グリゴロヴィチ」でしょう。

ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した

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『インタファクス』より
2017年5月2日18時4分配信
【ヘリコプター「カトラン」の海洋試験は成功と認められた】
モスクワ、5月2日、インタファクス・ロシア

艦上偵察-打撃ヘリコプター「カトラン」は、予備海洋試験を成功裏に実施した。
『インタファクス』ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』広報サービスより伝えられた。

「ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』(国営法人『ロシアン・テクノロジー』に加入)が製造したヘリコプターKa-52Kは、海洋試験の第1段階を完了しました。
現在、機体は株式会社『カモフ』の基地に在り、困難な気象条件下での任務遂行後のヘリコプターの各ユニットの専門家による完全な評価が行なわれています」

広報サービス担当者は話した。

彼によると、2016年末から2017年初頭に行なわれたこの段階の試験には、2機のヘリコプターKa-52Kが参加した。

「司令部から与えられた任務遂行の結果、ヘリコプターの試験は成功と認められます」
ホールディングス
は強調した。
「Ka-52Kは、海洋条件での試験野第1段階を完了しました。
その結果、機体は航空巡洋艦の艦上へ配置し、成功裏に指示された任務を遂行する事が可能であるとの結論が出ました」


「ヘリコプターはユニークな特性を有しておりますが、しかし、海上航行の際、そのエンジン、ユニット、アビオニクス、管理システム及び兵装が、海洋環境下でどのように動作するのかを理解する為には不十分です。
設計局の作業は、試験の枠組みで、航空艦におけるものを含めて続けられます」
『ロシアン・ヘリコプターズ』
の販売担当副総取締役ウラジスラフ・サヴェリエフは指摘した。

ヘリコプターKa-52K「カトラン」は、株式会社『カモフ』が開発した海洋ヘリコプターの生産ラインの延長であり、ロシア海軍へ軍備採用される。
このラインには、次のようなヘリコプターが含まれる:Ka-25、K-27、Ka-29、Ka-31

[ヘリコプターの任務]
Ka-52K
は、パトロール、沿岸へ上陸する揚陸部隊の火力支援、戦術的縦深を持つ最前線での対上陸防衛の課題の解決の為に意図されている。
現代的な機上機器は、海上での位置が不明な場合のヘリコプターの航法を保障する。

基本モデルとKa-52Kは、重兵装の配置の為の短縮折り畳み式翼と折り畳みローター機構の存在が異なっており、船倉(格納庫)へコンパクトに配置する事を可能にする。
寸法が小さくなったヘリコプターKa-52Kは、艦へ配置されるヘリコプターの最大可能機数の増加を可能にする。

以前、ロシア最新艦上偵察-打撃ヘリコプターKa-52「カトラン」は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海の枠組みで試験飛行を成功裏に行ったと報じられた。

「それは未だ試験飛行が行なわれておりますが、海軍航空隊の一員としての兵器使用の能力、ヘリコプター自身の能力が非常に高い事は明白であります」
航空母艦
の艦長セルゲイ・アルタモノフは、テレビ局『ロシア-24』が放送したドキュメンタリー番組において話した。
番組は、ロシア連邦海軍打撃艦グループシリア沖への航海を取り上げたものである。

「Ka-52の海上での動作状態は、実に称賛に値する特性を示しております」
セルゲイ・アルタモノフ
は述べた。

「このヘリコプターの信頼性は、様々な条件下において戦闘安定性を保障できる事を期待させてくれます」
巡洋艦
の艦長は話した。

番組では、カモフ記念試験設計局の飛行士により行なわれた「アドミラル・クズネツォフ」の甲板からの「カトラン」の試験飛行が紹介されている。

ロシア連邦海軍打撃艦グループは、遠距離航海でシリア沖の戦闘任務を遂行した後、北方艦隊主要基地セヴェロモルスクへ戻ってきた。



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艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

そして結局、「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]


北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

今回のシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]

「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれているようです。

Ka-52Kは、今後も艦上でのものを含めて飛行試験を継続するとの事ですが、「アドミラル・クズネツォフ」は今年から近代化改装を開始するので、他のヘリコプター搭載艦、例えばプロジェクト1155大型対潜艦などで試験が行なわれるのでしょうか。

ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を終えて帰路に就いた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年5月2日20時5分配信
【バルト艦隊の大型揚陸艦「コロリョーフ」は常時駐留所へ戻る】

バルト艦隊大型揚陸艦「コロリョーフ」は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の艦の一員として意図された任務の遂行を完了し、常時駐留場所~バルチースク市へ向かっている。

現在、大型揚陸艦「コロリョーフ」の乗組員は、既にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了している。
の乗組員は、北海及びバルト海への移動を行なう。
5月上旬には常時駐留場所バルチースク市への到着が予定されている。

の乗組員は、2016年11月から意図された任務を遂行した。
この間に「コロリョーフ」は50000海里以上を航行した。



バルト艦隊大型揚陸艦「コロリョーフ」は、2016年11月頃に地中海東部へ派遣され、11月26日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

以後、ボスポラス海峡を通って黒海沿岸シリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリアへ貨物を運ぶ]
今回の記事で「意図された任務」という表現が登場していますが、これはシリアへの輸送任務を指しています。

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大型揚陸艦「コロリョーフ」は、計5回の輸送任務を遂行しました。
・2016年12月10日ボスポラス海峡南下、12月21日北上
・2017年1月11日ボスポラス海峡南下、1月21日北上
・2017年2月1日ボスポラス海峡南下、2月11日に北上
・2017年2月21日ボスポラス海峡南下、3月4日北上
・2017年3月17日ボスポラス海峡南下、3月27日北上


2017年4月3日にボスポラス海峡を南下して地中海へ出た後、帰路へ就きました。

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その後は地中海を西進してジブラルタル海峡を通過、大西洋へ出た後に北上し、5月2日までにラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

今後はバルト海へ入り、5月10日までには母港バルチースク基地へ到着する予定です。
5月9日は大祖国戦争戦勝記念日なので、この日までに到着するのかもしれません。

これまでバルト艦隊は1隻の大型揚陸艦を交代でシリア輸送任務へ派遣していましたが、現在の所、「コロリョーフ」に代わる大型揚陸艦バルト艦隊から派遣されているという情報は有りません。