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ミストラル級の代わりとなる新たな揚陸ヘリコプター母艦2隻は2024年と2026年にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2017年5月31日9時14分配信
【情報筋:ロシアは2027年までに2隻の揚陸ヘリコプター母艦を建造する】
モスクワ、5月31日/タス通信

ロシアは2026年末までにディーゼル-ガスタービン動力装置を有する揚陸ヘリコプター母艦を2隻建造する。
その航空群の基礎はヘリコプターKa-52Kとなる。
『タス通信』ロシア「防衛産業」の情報提供者より伝えられた。

「ヘリコプター母艦の試験-設計作業は2018年に開始され、2020年にはトップ艦の建造が始まり、海軍への引き渡しは2024年に計画されております。
1隻の生産艦の製造は2022年に予定され、引き渡しは2026年になります」

対談者は話した。

彼は、「ヘリコプター母艦はディーゼル-ガスタービン装置を有する」事を明らかにした。
これは複合装置であり、ディーゼルはメインエンジン、ガスタービンは出力を高める為に必要となる。

情報提供者によると「艦の航空群の基礎はヘリコプターKa-52Kで構成されます」
これらのヘリコプターの引き渡しは、ヘリコプター母艦と同時期となる。
更に、艦にはヘリコプターKa-27、Ka-29、Ka-31が駐留する。

情報提供者は、現時点で作業の履行者は決まってはいないが、ヘリコプター母艦の建造は、新たな『2018-2015年の国家軍備プログラム』の草案に含まれている事を指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

[プロジェクト「プリボイ」]
展示会『HeliRussia-2017』
ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは、ロシアの最初のヘリコプター母艦は、およそ2022年頃に登場すると報道陣へ伝えた。
ボリソフは、詳細については明らかにしなかった。

国際フォーラム『アルミヤ-2015』の海軍陳列台では、排水量14000トンの汎用揚陸艦「プリボイ」のモデルが展示された。
モデルの一覧表では、艦はヘリコプターKa-27、Ka-29型、そして高射複合体「クリノーク」及び「パーンツィリ-M」、更に口径100mmのA-190砲を装備できる事が示された。
それは、500名までの兵員と60両の車両を積載し、4隻の「セルナ」型揚陸艇、或いは2隻の「ジュゴン」型揚陸艇を搭載できる。

その後、「プリボイ」の模型では、更に、甲板上にKa-52Kのモデルが示された。
(訳注:今回の記事では汎用揚陸艦「プリボイ」揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」が混同されている)



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター母艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター母艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

[汎用揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」]
満載排水量:24000トン
全長:180メートル
幅:30メートル
吃水:5メートル
速力:22ノット
航続距離:5000海里
自立行動期間:60日
乗員:320名
積載能力:海軍歩兵隊員500名、各種戦闘車両50両
搭載機:ヘリコプター×16機(Ka-29、Ka-52K、Ka-27)
搭載艇:揚陸艇×6隻
兵装:AK-176MA 76mm単装砲×1基
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
AK-630M2「ドゥエト」30mm機関砲×2基


汎用揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

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搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される]

Ka-52K「カトラン」の量産は2020年から開始される予定です。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる]

この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、最近、修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

「ミストラル」級が配備される予定だったウラジオストク南部ウリス湾では、埠頭の建設が続けられています。
[ウラジオストクのウリス湾ではロシア海軍の大型水上艦(ヘリコプター空母)の為の埠頭の建設が続けられる]
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「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2025年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍は4隻の汎用ヘリコプター揚陸艦を必要とする]
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

2017年5月末、ロシア連邦国防相代理(国防次官)ユーリー・ボリソフ氏は、1隻目の汎用ヘリコプター母艦は2022年にロシア海軍へ引き渡されると発言しました。
[ミストラル級の代わりとなる新型汎用ヘリコプター母艦の1番艦は2022年にロシア海軍へ就役する]


そして今回、「ロシア防衛産業の匿名希望の情報提供者」は、揚陸ヘリコプター母艦の建造スケジュールの詳細を明らかにしました。

[揚陸ヘリコプター母艦]
・1番艦:2020年起工/2024年就役予定
・2番艦:2022年起工/2026年就役予定


揚陸ヘリコプター母艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)となるとの事です。

これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


揚陸ヘリコプター母艦が何処の造船所で建造されるのかは未だ決まっていないようですが、最有力候補は、「ミストラル」級2隻の後ろ半分を建造したサンクトペテルブルク『バルト工場』でしょう。
[ロシア海軍の将来汎用ヘリコプター揚陸艦の建造にはミストラル級の経験が生かされる]
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揚陸ヘリコプター母艦の艦名は未だ明らかにされていませんが(というか、おそらくは未だ決まっていない)、「ミストラル」級に命名される筈だった「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」が筆頭候補のようです。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
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ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した


『タス通信』より
2017年5月31日8時36分配信
【ロシア連邦海軍の軍艦はパルミラの『イスラム国』施設へ有翼ミサイルを発射した】
モスクワ、5月31日/タス通信

ロシア海軍フリゲート「アドミラル・エッセン」潜水艦「クラスノダール」は、パルミラ地域テロリストグループ『ISIL』(『タス通信』註:以前には『イスラム国』と呼ばれており、ロシア連邦では非合法の組織)の施設へ有翼ミサイル「カリブル」の4度の発射を実施した。
ロシア連邦国防省は発表した。

「ロシア海軍のフリゲート"アドミラル・エッセン"と潜水艦クラスノダールは、地中海東部水域からパルミラ地域のテロリストグループ『ISIL』の施設へ有翼ミサイル"カリブル"の4度の発射を実施しました。
全ての目標は撃破されました」

声明では、こう述べられた。
潜水艦「クラスノダール」は水中位置から有翼ミサイルの発射を行なった。

攻撃の為の目標はパルミラ東部地域に隠されており、それは過激派の重機材と人員の詰所が在り、ラッカからテロリストが移送した事が指摘された。

ロシア連邦国防省は強調した。
「アメリカ合衆国、トルコ、イスラエルの司令部には、現用の相互チャンネルにより、有翼ミサイルの発射を適時に通知しています」

「指示された任務は成功裏に遂行されました」
ロシア連邦国防省
は評価した。
「直接にミサイル兵装の使用に関わるロシア海軍の艦と潜水艦の乗組員の高い戦闘準備体制が確認されました」

「ロシア海軍は、発注品を受領した後、短時間で高精度兵器複合体による打撃の結果の能力を実証しました」
ロシア連邦国防省
は声明で強調した。



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プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)の2番艦「アドミラル・エッセン」は、2016年6月7日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」黒海艦隊基地へ向けて出航し、5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]


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プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、2015年11月5日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]

2017年4月8日にはバルト海有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「クラスノダール」は、5月初頭頃に黒海艦隊基地へ向けて出航し、5月13日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]


現在、「アドミラル・エッセン」「クラスノダール」は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[地中海東部ではロシア海軍黒海艦隊の12隻の艦船が行動している]

ロシア海軍は、2017年5月29日から6月4日までの間に、シリア沿岸沖の公海上でミサイル発射演習を実施すると国際機関へ通知しています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月30日12時30分配信
【ロシアはシリア沖で海軍の軍艦のミサイル発射演習を実施すると航空会社及び船主へ警告した】
ミサイル発射は、モスクワ時間で8時から22時の間に実施されると通知されました。

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そして2017年5月31日(モスクワ時間で8時過ぎ)、「アドミラル・エッセン」「クラスノダール」は、シリア沿岸沖の公海上からシリアパルミラ(タドムル)ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。


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『ノヴァトール・エカテリンブルク設計局』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
元々は、ソ連海軍時代に配備された対地有翼ミサイル「グラナート」をベースに開発されました。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]


「カリブル」は、2015年10月以降、シリア領内テロ組織に対し、何度か実戦で使用されています。

・2015年10月7日カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

・2015年11月20日カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2015年12月8日黒海艦隊潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2016年8月19日黒海艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

・2016年11月15日黒海艦隊警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

今回の「カリブル」実戦使用は、ロシア海軍全体では通算6回目、黒海艦隊としては通算4回目となります。

ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年5月29日15時39分配信
【(ロシア)海軍の最後の原子力艦「アクラ」はセヴェロモルスクへ移動した】

プロジェクト941重原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」は、久しぶりに北方艦隊主要海軍基地セヴェロモルスクへ到着した。
5月29日・月曜日、『インタファクス』は消息筋の談話を報じた。


対談者が確言したように、これは、水中原子力艦クロンシュタットへの移動開始の前兆である。
同艦は、クロンシュタットで7月30日の海軍の日に実施される主要海軍パレードへ参加しなければならない。

以前、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)広報サービスは、同社が重原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」の技術的準備を問題なく完了したと発表した。
1ヶ月半に渡り、艦内総合システムの機器、機雷-魚雷兵器、電気機器と電力供給システムの修復が行なわれた。

「ドミトリー・ドンスコイ」は、ロシア海軍に唯一残されているプロジェクト941(コード名「アクラ」)原子力水中艦である。
2003年から2010年まで、潜水艦から「ブラヴァー」の試験が実施され、合計14回の発射の内、半分は成功と見なされている。
2015年には、潜水艦は何度も対潜演習の実施中に北方艦隊戦闘訓練射爆場へ出航した。

戦略原子力水中ロケット艦プロジェクト941「アクラ」は、世界最大の潜水艦である。
1981年から1989年に掛けて、このタイプの艦6隻が進水し、就役した。
潜水艦の主要兵装は、水中位置から発射管へ水を注入する必要なく、火薬蓄積圧力により発射を保障する20基の大陸間弾道ミサイルR-39である。



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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
1981年~1989年に6隻が就役しましたが、現役に留まっているのは1隻のみであり、既に3隻が解体されています。

プロジェクト941重原子力戦略用途水中巡洋艦(タイフーン級)の1番艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(1981年12月29日納入、1982年12月14日海軍旗掲揚)は、1990年代末に新開発の潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の試験艦へ改造され、2005年から2010年まで発射試験に従事しました。

その後、「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれ、今度は、海洋で試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]

2013年には、戦略原潜「アレクサンドル・ネフスキー」、多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の海洋試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新型原潜の海洋試験のモニタリングの為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

「ドミトリー·ドンスコイ」は、2020年まではロシア海軍に留まる事になります。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍に留まる]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは2020年まで現役に留まり、潜水艦弾道ミサイル"ブラヴァー"改良型の試験を行なう]


暫く動きの無かった「ドミトリー·ドンスコイ」ですが、今年になってからセヴェロドヴィンスクで整備が行なわれ、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
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今後、「ドミトリー·ドンスコイ」クロンシュタットへ移動するようです。
7月30日の「ロシア海軍の日」の観艦式へ参加する為に。


「ドミトリー·ドンスコイ」が7月30日にクロンシュタットで行なわれる観艦式へ参加するという情報は、以前から何度も出ています。
何れも非公式筋からの情報ですが。

『イズベスチヤ』より
2017年4月27日0時1分配信
【超強力な核戦力「タイフーン」はバルト海へ行く】

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月4日20時25分配信
【(ロシア)海軍の日の為に北方艦隊の4隻の1等艦がクロンシュタットへの移動を計画している】

クロンシュタットの観艦式には、「ドミトリー·ドンスコイ」以外にも、北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」が参加するかもしれません。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡を通過する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月30日13時4分配信
【ロシア艦「セヴェロモルスク」はラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入った】
モスクワ、5月30日-ロシア通信社ノーボスチ

遠距離航海を行なっている大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、ラマンシュ海峡へ入った。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガ1等海佐は発表した。

「セヴェロモルスクは、ラマンシュ海峡で最も狭い部分であるパ・ド・カレー海峡へ入りました。
更に同艦は北海へ、その後は北東大西洋海域への移動を行ないます」
セルガ
は話した。

彼は、同艦の乗組員が、対空及び対潜防衛を保障する演習、更には、艦上航空機-ヘリコプターKa-27を使用した救助活動訓練を実施した事を指摘した。

広報サービス部長によると、近い内に乗組員は、遠距離航海計画に沿って北東大西洋海域での任務遂行を継続する。

「セヴェロモルスク」は昨年10月15日に遠距離航海へ出発した。
地中海水域で同艦は重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として、更にはロシア海軍作戦連合部隊の一員として任務を遂行した。

航海中に北方艦隊船員は、アラビア海水域及び沿岸のパキスタン海軍基地で実施された国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加した。
また、艦はアフリカ大陸の周回移動を行ない、アフリカアジアの10ヶ所の港を訪れた。
総計で大型対潜艦は37000海里以上を航行した。



[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、「セヴェロモルスク」給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

4月7日には赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]
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4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデプライア港へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]

4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]

4月27日、アフリカ大陸を一周した大型対潜艦「セヴェロモルスク」は再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]
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しかし、救助曳船「アルタイ」給油船「ドゥブナ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れ、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った]

一方、大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海を東進し、5月4日から6日までキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]
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その後も地中海に滞在していましたが、5月23日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去った]

大西洋へ出た「セヴェロモルスク」は、5月25日にポルトガルの首都リスボンへ補給の為に寄港し、3日間滞在して5月27日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはポルトガルのリスボンを訪れた]

その後、5月30日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
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ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した



『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年5月29日13時33分配信
【バルト艦隊海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの次の一群を受け取った】

カリーニングラード州チェルニャホフスク軍用飛行場へ、バルト艦隊海軍航空隊航空基地の飛行隊の1つを構成する更なる2機の戦闘機Su-30SMが到着した。

航空機イルクーツク製造工場で受領され、カリーニングラード州への移動飛行を行なった。

歓迎式典には、艦隊海軍航空隊司令部の代表と航空基地の要員が出席した。

この6ヶ月間でバルト艦隊は合計して3機の戦闘機Su-30SMを受領した。
1機目は2016年12月に海軍航空隊航空基地へ到着した。

今年の国家防衛発注の枠組みにおいて、バルト艦隊海軍航空隊は、この戦闘機を更に数機受け取る。

[参照]
戦闘機Su-30SM
『試作設計局スホーイ』により開発され、公共株式会社『イルクト・コーポレーション』の支所『イルクーツク航空機工場』で生産されている。
これは、ロシア第4+世代多目的重戦闘機Su-30の最新の改正型である。
それは超機動性を有しており、フェーズドアレイアンテナの電波位置特定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前部水平翼(カナード)を装備する。

航空機は、現代的かつ最先端の「空対空」及び「空対地(空対艦)」クラスの高精度兵器を使用できる。
Su-30SMの利点には、給油と外部燃料タンク無しで3000km以上を飛行する機体の能力が含まれる。



「科学生産法人『イルクト』」公式サイトより。
【多目的戦闘機Su-30SM】
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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

その後、2016年12月12日までに合計12機のSu-30SM黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]

この他、2016年12月初頭にはバルト艦隊航空隊へSu-30SMの最初の1機が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2016年12月28日には北方艦隊へ2機のSu-30SMが配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]


2017年は、計5機のSu-30SMロシア海軍航空隊へ引き渡されます。
[ロシア海軍航空隊は2017年4月下旬に2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領する]

この内の2機(機体番号71、72)は5月29日にバルト艦隊チェルニャホフスク飛行場へ到着しました。
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これでバルト艦隊Su-30SMは、計3機になりました。

今年末までにロシア海軍航空隊へ引き渡される3機のSu-30SMバルト艦隊へ配備されることになるようです。

ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊はウラジオストクから出航した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月30日6時30分配信
【ウラジオストクからクリル群島マトゥア島探検隊が出発した】

マトゥア島探検隊のメンバーは、太平洋艦隊副司令官アンドレイ・リャブヒン中将の指揮下にある。

大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、サルベージ船KIL-168、救助曳船SB-522で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、太平洋艦隊将兵とロシア地理学協会の代表と共にウラジオストクから出航し、コルサコフ港へ進路を取った。
サハリンロシア地理学協会の地元支部グループが合流し、その後、探検隊はマトゥア島へ向かう。

出航を前にして探検隊参加者には、海上移動を先導する課題が与えられた。
支隊の艦船の上には、約100名の参加者と、30両以上の様々な車輌が展開する。

艦船支隊マトゥア島到着時に沿岸への車輌、資材の陸揚げが行なわれ、探検隊参加者は特別に用意された野外宿営地を展開する。

今年の探検隊の科学メンバーは大幅に拡大されている。
マトゥア島では、ウラジオストク、モスクワ、カムチャツカ、サハリンから来た複数の水文地質学者、火山学者、水生生物学者、景観設計学者、土壌学者、潜水夫、鉱物探査隊員、考古学者のグループが同時に作業を行なう。

2016年からロシア地理学協会は、ロシア連邦国防省及びロシア海軍太平洋艦隊と合同で、クリル群島マトゥア島における歴史的文化遺残と自然遺産に関する複合作業を行なっている。

200名から成る最初の探検隊は、2016年5月から7月までマトゥア島で大規模調査を行なった。
専門家は1000以上の物理-化学、生物学のデータを研究室で調査し、200以上の外部環境の測定を行なった。
放射線と化学的探査が120km以上のルートに渡り実施され、島の全ての要塞と100以上の歴史的施設が調査された。
潜水夫は、島の入り江と湾の水中調査を実施した。

島での探検作業の為にキャンプが設置され、野外浴場、医療所、ベーカリー、食堂、衛生疫学研究室が稼働していた。



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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]


2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。

以後、マトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
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[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]

2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾旧日本海軍零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]

2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]


2017年にはマトゥア島の第2次調査が実施されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう]


そして2017年5月30日、第2次マトゥア島調査隊を乗せた太平洋艦隊艦船支隊ウラジオストクを出航しました。

太平洋艦隊艦船支隊サハリンコルサコフへ寄港した後、マトゥア島へ向かいます。
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地中海東部ではロシア海軍黒海艦隊の12隻の艦船が行動している

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月28日9時45分配信
【地中海の(ロシア)海軍常設連合部隊の一員として黒海艦隊の10隻以上の戦闘艦と支援船が任務を遂行している】

地中海ロシア海軍常設連合部隊の一員として黒海艦隊の10隻以上の戦闘艦支援船が任務を遂行している。

グループは、最新フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」、警備艦「スメトリーヴイ」、大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」、「ニコライ・フィリチェンコフ」「アゾフ」、潜水艦「クラスノダール」、機雷掃海艦、対水中工作艦、給油船と他の支援船で構成される。

グループは、変化する軍事的・政治的状況を考慮し、地中海で任務を遂行する部隊の管理の改善の為に作成された。
2012年12月から、海軍の艦は、この地域での常時の任務遂行へ着手した。
ロシア海軍地中海連合部隊司令官はパーヴェル・ヤスニツキー1等海佐である。



現在、地中海東部には、少なくとも12隻のロシア海軍の艦船が展開しています。

黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」は、5月5日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問し、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入っています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]

黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」は、5月19日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。

黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は5月20日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。

黒海艦隊大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」は5月23日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。

黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」は、5月13日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

黒海艦隊海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」は3月末から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリは再び地中海東部(シリア沖)へ派遣された]

黒海艦隊偵察艦「キルディン」は2月初頭から地中海で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦キルディンはシリア沖へ行く]

黒海艦隊哨戒艇(対水中工作艇)「ユナルメーツ・クルイマ」は4月6日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部(シリア)に居ます。

黒海艦隊海洋曳船MB-174は4月6日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。

黒海艦隊工作船PM-138は1月18日にボスポラス海峡を通過し、現在は地中海東部で行動しています。


この内、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」の3隻の水上戦闘艦大型揚陸艦3隻は、2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]


これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
現在の地中海作戦連合部隊司令官は、パーヴェル・ゲンナジエヴィチ・ヤスニツキー1等海佐です。
詳細は明らかにされていませんが、2016年秋頃から司令官を務めているようです。

地中海作戦連合部隊には旗艦が置かれており、地中海東部へ派遣される水上戦闘艦が交代で務めています。
現在の旗艦は明らかにされていませんが、おそらくは、3隻の水上戦闘艦の中で最も長く地中海東部に滞在している「アドミラル・グリゴロヴィチ」でしょう。

ヤスニツキー1佐は3代目の司令官ですが、初代はユーリー・スタニスラヴォヴィチ・ゼムスキー1等海佐、2代目はアレクサンドル・アナトリエヴィチ・オクン1等海佐です。

これまで地中海作戦連合部隊には、黒海艦隊以外にも、北方艦隊バルト艦隊から何隻かの艦船が常時派遣されていましたが、現在、地中海東部に居るロシア海軍の艦船は、全て黒海艦隊所属です。

ヘリコプターKa-62の艦載型が開発される?


『タス通信』より
2017年5月26日15時16分配信
【Ka-62は将来に海洋ヴァージョンを得るかもしれない】
モスクワ、5月26日/タス通信

カモフ設計局は、折り畳み式のローター及び尾部を有するヘリコプターKa-62の海洋ヴァージョンの作成を提示する。
展示会『HeliRussia-2017』株式会社『カモフ』総取締役セルゲイ・ミヘーエフは表明した。

「格納庫が作られている艦に対応するKa-62の開発の為のアイデアを現実化するのは簡単な事ですよ。
折り畳み式ローターという独特の解決策を見込んでおりますので」

彼は話した。

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ヘリコプター市場に応じて、既にローターのみならず、尾部の折り畳みが作成、提示されている。
「私共は、完全に独自のヘリコプターを作成し、巨大なニッチを代替する事が可能であり、軍用及び民間用の双方の課題を実行できます」
ミヘーエフ
は話した。

前日、N.I.サズイキン記念アルセーニエフ航空機会社『プログレス』(ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』、国営法人『ロステフ』へ加入)の発着場からKa-62の飛行試作機が最初の試験飛行を行なったと報じられた。

フライトは、時速110kmで15分間に渡って続けられ、ヘリコプターの全ての必要な仕上げは成功裏に完了した事が示された。
ロシア連邦産業貿易省は、2030年までに365機のKa-62の販売を計画している。
更に当局は、Ka-62は、最大離陸重量-7トンのヘリコプターの中で最も競争力が有るだろうと予測している。

昨年(2016年)4月、Ka-62の飛行試作機は、全体的な動作能力の評価と主要電力供給システム及び機上機器の点検の為、初めて地上からの離脱を行なった。

Ka-62が使用される主要分野は、旅客輸送、救助活動、更には石油の分野での作業が含まれる。
高レベルの動力装備は、高空での広範囲のヘリコプターの操作を保障する。
Ka-62は、熱帯気候での使用と海上の飛行が可能である。



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ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』公式サイトより
【ヘリコプターKa-62】

ヘリコプターKa-62の艦載型を開発するという話は、2012年10月にも出ています。
[ロシア海軍、Ka-62艦載型を採用?]
この時は、ロシア海軍の小型のヘリコプター搭載艦、例えばプロジェクト20380/20385コルベットの搭載機としての需要が見込まれていました。

今回、『カモフ』社のトップ、セルゲイ・ミヘーエフ氏は、Ka-62艦載型がロシア海軍向けであるとは言っていませんが、外国向けも考慮してるのかもしれません。

ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為だったウラグバの埠頭は放置されている

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年5月25日12時32分配信
【放置された「クズネツォフ」の為のヴィジャエヴォの埠頭は機器の一部を失っている】

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の為の浮き埠頭プロジェクト16182は、稼働不能となっている。
施設を設計した中央設計局『モノリート』の総取締役ウラジーミル・ヴォルコフは『中央海軍ポータル』へ話した。
ヴィジャエヴォ近郊のウラグバに在る埠頭は、2000年代初頭からは、その用途の為に使用されていない。
業界は、それを復元する用意があるが、海軍の決定を待っている。


「クズネツォフ」の為の埠頭は長い年月を経た後、それ自身は保持されているが、その機器の一部は失われたか、或いは動作不能状態に在る。

『中央海軍ポータル』設計局から伝えられたように、2016年1月、設計局の専門技術者は、施設の状態を評価する為にヴィジャエヴォへ行き、その後、近代化の為の提案を用意している。
エンジニアは埠頭を調査し、ポンツーン本体、ブリッジ装置、沿岸の結合施設、パイプライン機構一式、船舶用システム、電気機器の状態を評価した。

[レポート:「クズネツォフ」の為の埠頭は機器が失われ、それは稼働しない]
施設のポンツーン本体と船舶用装置の状態は、中央設計局『モノリート』の評価では、悪くない。
「ただ、幾つかの要素は欠けておりますし、埠頭の金属棒は交換する必要が有ります」
設計局
『中央海軍ポータル』特派員へ伝えた。

レポートの抜粋

「配管系機構一式は稼働不能であり、その大部分は撤去され、舟橋間とブリッジ接続部、配管の付属品は欠けている。
特に、配管支柱、ホース装置支柱と幾つかの配管システムは残されている」

「船舶用システムは不完全な状態に在る」

「電力舟橋の電気機器は非稼働である」

「電力舟橋の電気機器は不完全な状態に在る。
高圧配電装置は稼働不能であり、機器が無い。
照明装置パネル、無効電力代用装置は稼働不能であり、制御ブロックと機器が無い。
沿岸の高圧電源ケーブルと電源間引込配分装置と変圧器は交換が必要である」

北方艦隊
広報サービスは、施設の状態に関する『中央海軍ポータル』の質問への回答を拒否した。
それはロシア国防省へ送られた質問に沿っている。

[「クズネツォフ」に浮き埠頭は必要か?]
元海軍総司令官ウラジーミル・マソリン上級大将は、埠頭の状態が悪化している事は驚く事では無いと『中央海軍ポータル』へ語った。
「それは何の保護も有りませんし、何処でも歩き回れます。
2000年代初頭から、巡洋艦はヴィジャエヴォに姿を見せていません」
マソリンは、巡洋艦のウラグバへの駐留は、湾の地理的位置とインフラストラクチュアの不足が故に不便であると話した。
彼によると、現状では、「クズネツォフ」は工場の近くに駐留する事が望ましい。


同時にマソリンは、このような埠頭は、海軍にはまだ必要であると語った。
「その作成に従事するのは、今でしょう。艦は駐留システムと共に設計されるものですから。
それは長期に渡るものとなり、高価であり、海軍は、ソヴィエト時代ですら、それを行なう為の時間的余裕は有りませんでした」

上級大将は、こう考えている。

艦は、1991年から1996年まで公式にヴィジャエヴォへ駐留し、第43ロケット艦師団へ加入していた。
その後、同艦は駐留場所を『第35艦船修理工場』の岸壁へ変更した。
ヴィジャエヴォの埠頭は、事実上放棄され、おそらくは保護されないまま残された。

マソリン提督は、海軍の指導部が、単に「埠頭の移転或いは保守を維持する為のタイムリーな決定を下さなかった」と見ている。
彼は更に、水上艦の為のインフラストラクチュアの不完全さは、沿岸の電力共有システムと、そのリソースを製造する機器が必ずしも全てでは無いと言った。

重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」の最後の艦長イーゴリ・リャブコフ1等海佐は、彼の巡洋艦は、このような埠頭を使用しなかったと『中央海軍ポータル』へ語った。
「ゴルシコフ」は、『セヴマシュ』か、『第35工場』か、セヴェロモルスクの停泊用樽に停泊していた。
彼によると、ヴィジャエヴォの施設は「他の理由により衰退し、放置されました。
貴方は1990年代に何が起こったのかを覚えているでしょう」
リャブコフは語った。


彼は、今、埠頭は、特に現状では巡洋艦に必要ないと付け加えた。
ただし、士官は、海軍の艦の為のインフラストラクチャには幾つかの問題点を見出している。

[『中央海軍ポータル』参考資料]
超重鉄筋コンクリート浮き埠頭プロジェクト16182
は、ゴロデツコイ造船所-現・公開株式会社『造修・造船営団』で建造された。
1989年に施設は発注者へ引き渡され、ヴィジャエヴォ近郊のウラグバへ設置された。

埠頭の岸壁は、沿岸に沿って設置されており、同様の施設と比べて寸法は小さい。
開発者によると、それは、嵐の条件下で係留されるする海軍の大型航空艦の停泊の課題を解決する。

1978年、このような埠頭が無かったが故に重航空巡洋艦「キエフ」セヴェロモルスクでスコールの為に停泊用樽から引き離され、錨を降ろし、エンジンを作動させたにも関わらず座礁した。

施設の全長は255メートル、本体幅13.5メートル、床からの深さ4メートル。
埠頭には、2つの電力舟橋を含む5つのポンツーンが有る。

これは、「ユニークかつ唯一のこの種類の埠頭」と開発者が言うように、排水量8万トンまでの航空巡洋艦の停泊を保障する。
それは、深さ50メートルまで、波の高さ2メートルまで、風速毎秒40メートルの場所に設置される。

『モノリート』『中央海軍ポータル』へ話したように、文書では埠頭の寿命は30年となっているが、実際には、これらの施設は半世紀か、それ以上使える。

再び埠頭を使用する為には、近代化と復旧作業のプロジェクトが必要であると『モノリート』総取締役ウラジーミル・ヴォルコフは『中央海軍ポータル』へ語った。
設計局は、然るべき算定を既に行なっている。


『中央海軍ポータル』は、埠頭の建設者-『造修・造船営団』とも接触した。
同社は『中央海軍ポータル』へ、工場は、類似の施設を建設する全ての必要な技術的作業の準備を整えていると確約した。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、1990年12月25日にソ連海軍へ納入され、海軍旗初掲揚式典を開催し、北方艦隊へ編入され、正式にソ連海軍へ就役しました。
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その後、ソ連邦解体直前の1991年12月1日に黒海沿岸セヴァストーポリを出航し、12月24日に北方艦隊基地ウラグバ(ヴィジャエヴォ)へ到着しました。
[エクソダス~空母クズネツォフ回航~(1991年12月)]

「アドミラル・クズネツォフ」が到着したウラグバには、今回の記事に登場する同艦の為の専用埠頭プロジェクト16182が用意されていました。
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北方艦隊には、「アドミラル・クズネツォフ」の前に2隻の重航空巡洋艦「キエフ」「バクー」(アドミラル・ゴルシコフ)が配備されていましたが、同艦隊の大型水上艦用基地セヴェロモルスクには、これらの艦が接岸できる埠頭も桟橋も無く、この2隻はセヴェロモルスク沖に停泊していました。
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重航空巡洋艦「キエフ」
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重航空巡洋艦「バクー」(アドミラル・ゴルシコフ)
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これでは何かと不便な為、重航空巡洋艦の為の基地として、セヴェロモルスクから離れたウラグバ基地に白羽の矢が立てられ、プロジェクト16182浮き埠頭が運び込まれました。

プロジェクト16182浮き埠頭は8万トンまでの重航空巡洋艦が停泊できるとの事ですから、「アドミラル・クズネツォフ」の次に北方艦隊へ配備される筈だった重原子力航空巡洋艦「ウリヤノフスク」にも対応していたようです。
(「アドミラル・クズネツォフ」の姉妹艦「ワリャーグ」太平洋艦隊配備予定だった)
[未完の原子力空母ウリヤノフスク]

「アドミラル・クズネツォフ」は1990年代末までウラグバ基地に駐留していましたが、当時のロシア海軍の極度の財政難により満足な整備が出来ず、艦の状態が悪化した為、2000年代初頭にはムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航されてオーバーホールが行なわれました。
[1993年のウラグバ基地]
[ウラ・グバ港(ヴィジャエヴォ)]
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「アドミラル・クズネツォフ」は2004年秋には修理を終えて復帰しましたが、二度とウラグバ基地へ戻る事は有りませんでした。
[クズネツォフ復帰まで~1990年代末~2004年~]
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その後、「アドミラル・クズネツォフ」は何度も地中海への遠距離航海を行ない、2016年11月にはシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは就役25周年を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この間、ウラグバ基地プロジェクト16182浮き埠頭は放置され、荒れ果ててしまいました。
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今回の記事のように、最近になって、このプロジェクト16182浮き埠頭を復活させようという動きが出てきましたが、実現する可能性は限りなく低いでしょう。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはポルトガルのリスボンを訪れた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月27日12時56分配信
【ロシア海軍の軍艦はポルトガル港で食料と燃料の在庫を補充した】
モスクワ、5月27日、インタファクス-AVN

大西洋で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、ポルトガル首都への業務寄港を完了した。
土曜日にロシア軍当局は発表した。

「ロシア艦のリスボンへの業務寄港は3日間に渡りました。
寄港の主な目的は、水、食料、燃料の在庫の補充でした」
インタファクス-AVN
が受け取った北方艦隊広報サービスの声明では、こう述べられた。

「北方艦隊の対潜艦の乗組員は、遠距離航海計画に沿って大西洋での任務遂行を続けます」
艦隊本部は通知した。

2016年10月15日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった遠距離航海中に、大型対潜艦「セヴェロモルスク」の乗組員は2度に渡り地中海での任務を果たした。
最初に地中海水域へ入った同艦は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として3ヶ月間に渡り活動した。

(2017年)1月中旬、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、救助曳船「アルタイ」中型海洋給油船「ドゥブナ」を伴って遠距離航海任務の遂行に着手した。
ロシア船員スエズ運河を通過して紅海へ、そしてインド洋への移動を行なった。

その後、ロシア船員アフリカ大陸を周回し、アフリカアジアの10ヶ所の港を訪れた:
サラーラ(オマーン)、カラチ(パキスタン)、ヴィクトリア(セーシェル)、ダルエスサラーム(タンザニア)、ペンバ(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ共和国)、ウォルビスベイ(ナミビア)、ルアンダ(アンゴラ)、マラボ(赤道ギニア)、プライア(カーボベルデ)



[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、「セヴェロモルスク」給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

4月7日には赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]
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4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデプライア港へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]

4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]

4月27日、アフリカ大陸を一周した大型対潜艦「セヴェロモルスク」は再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]
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しかし、救助曳船「アルタイ」給油船「ドゥブナ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れ、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った]

一方、大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海を東進し、5月4日から6日までキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]
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その後も地中海に滞在していましたが、5月23日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去った]

大西洋へ出た「セヴェロモルスク」は、5月25日にポルトガルの首都リスボンへ補給の為に寄港し、3日間滞在して5月27日に出航しました。
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ロシア海軍の艦船がNATO(北大西洋条約機構)加盟国であるポルトガルを訪問するのは、2016年6月10日~13日に太平洋艦隊基地へ回航される救助船「イーゴリ・ベロウソフ」以来、ほぼ1年ぶりになります。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ到着した]

2016年10月末以降は、歴史的にロシア海軍と縁の深いギリシャを除き、NATO加盟国の港へのロシア海軍の艦船の寄港は途絶えていました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]

ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月27日9時24分配信
【地中海における黒海艦隊の艦船の演習は完了した】

地中海における遠海ゾーンの海軍常設作戦連合部隊の戦力を成す黒海艦隊水上艦師団計画査閲戦術演習は完了した、

船団護衛活動、組織的対空、対潜、対水中工作防衛の訓練、対抗海上戦闘への取り組みを実施した後、警備艦「スメトリーヴイ」は、空中標的への複合体「ヴォルナ」ミサイル射撃を実行した。
その後、「スメトリーヴイ」は、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」及び「アドミラル・エッセン」と共に、海上目標を艦載砲射撃で撃破した。
更に、艦は、反応深海爆雷の射撃実行を伴う仮想敵潜水艦への攻撃へ取り組んだ。

今後、黒海艦隊の艦は、地中海海軍連合部隊司令部の計画下で任務の遂行を続ける。



ロシア海軍は、2017年5月24日から27日の間にリビア東部沖でミサイル発射演習を実施すると諸外国へ通知しています。
[ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する]
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黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」(751)は、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問し、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

警備艦「スメトリーヴイ」(870)は5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]


5月23日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」は、ロシア黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の指揮下で戦術演習を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を開始した]

この他、5月19日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「アゾフ」(151)、5月20日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(152)、そして5月23日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(158)も演習へ参加しました。
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演習初日には大型揚陸艦3隻を警備艦3隻が護衛しましたが、2日目には、大型揚陸艦への攻撃を撃退するという想定下の演習が実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を続ける]

演習3日目には、5隻の艦(おそらくは「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」大型揚陸艦2隻)が2つのグループに分かれて海上戦闘訓練が行われました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で海上戦闘訓練を行なった]

そして演習最終日(4日目)には、「スメトリーヴイ」高射ミサイル複合体「ヴォルナ」を発射しました。
ロシア海軍が事前に通告した「ミサイル発射」は、これの事だったようです。
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その後、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」による海上目標への砲撃が行なわれ、最後には「仮想敵潜水艦」への攻撃訓練が実施されました。

今回の黒海艦隊広報部発表では触れられていませんが、5月13日に潜水艦「クラスノダール」ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入っています。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「クラスノダール」「仮想敵潜水艦」として演習へ参加した事は有り得るでしょう。
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ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で海上戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月26日14時27分配信
【地中海では黒海艦隊の艦船演習の枠組みにおいて対抗海上戦闘が行なわれた】

地中海では、黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の総指揮下で、遠海ゾーンの海軍常設作戦連合部隊の戦力を成す黒海艦隊水上艦師団計画査閲戦術演習が続いている。

第1段階の船団護送活動を実施後、敵の空中攻撃手段からの組織的集団防護、対潜、対水中工作防衛の訓練が行われ、5隻の戦闘艦は2つのグループを構成し、対抗海上戦闘と艦の放射線、化学兵器、生物兵器からの保護演習を実施した。

演習は5月27日まで続く。



ロシア海軍は、2017年5月24日から27日の間にリビア東部沖でミサイル発射演習を実施すると諸外国へ通知しています。
[ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する]


黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」(751)は、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問し、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

警備艦「スメトリーヴイ」(870)は5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]


5月23日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」は、ロシア黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の指揮下で戦術演習を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を開始した]

この他、5月19日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「アゾフ」(151)、5月20日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(152)、そして5月23日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(158)も演習へ参加しました。

演習初日には大型揚陸艦3隻を警備艦3隻が護衛しましたが、2日目には、大型揚陸艦への攻撃を撃退するという想定下の演習が実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を続ける]

演習3日目には、5隻の艦(おそらくは「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」大型揚陸艦2隻)が2つのグループに分かれて海上戦闘訓練が行われました。

ミストラル級の代わりとなる新型汎用ヘリコプター母艦の1番艦は2022年にロシア海軍へ就役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月25日16時50分配信
【最初のヘリコプター搭載艦は2022年にロシアへ姿を現わす】
モスクワ、5月25日-ロシア通信社ノーボスチ

「ミストラル」の同類のヘリコプター母艦の建造は、ロシア連邦「2018-2025年の国家軍備プログラム」に入っており、最初の艦の引き渡しは2022年に計画されている。
木曜日に国防次官ユーリー・ボリソフは報道陣へ伝えた。

「ええ、(新たな国家軍備プログラムの枠組みでの建造は)入っていますよ。
ヘリコプター母艦の建造には、平均して4年は掛かりますから、私が思いますに、そうですね、そのように(2022年に)なるでしょう」

彼は、展示会『HeliRussia-2017』の最中に記者の質問に答え、こう話した。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター母艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター母艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

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[汎用揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」]
満載排水量:24000トン
全長:180メートル
幅:30メートル
吃水:5メートル
速力:22ノット
航続距離:5000海里
自立行動期間:60日
乗員:320名
積載能力:海軍歩兵隊員500名、各種戦闘車両50両
搭載機:ヘリコプター×16機(Ka-29、Ka-52K、Ka-27)
搭載艇:揚陸艇×6隻
兵装:AK-176MA 76mm単装砲×1基
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
AK-630M2「ドゥエト」30mm機関砲×2基


汎用揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

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搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される]

Ka-52K「カトラン」の量産は2020年から開始される予定です。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる]

この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、最近、修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

「ミストラル」級が配備される予定だったウラジオストク南部ウリス湾では、埠頭の建設が続けられています。
[ウラジオストクのウリス湾ではロシア海軍の大型水上艦(ヘリコプター空母)の為の埠頭の建設が続けられる]
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現在の所、「ロシア版ミストラル」の建造は、2018年以降に『2018-2025年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍は4隻の汎用ヘリコプター揚陸艦を必要とする]
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]


今回、ロシア連邦国防相代理(国防次官)ユーリー・ボリソフ氏は、1隻目の汎用ヘリコプター母艦は2022年にロシア海軍へ引き渡されると発言しました。
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ボリソフ氏は、汎用ヘリコプター母艦の建造には4年程度は掛かると言っておりますので、起工は、以前にも言われていた2018年頃になるでしょう。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦の建造は2018年に始まる]

汎用ヘリコプター母艦が何処の造船所で建造されるのかは未だ決まっていないようですが、最有力候補は、「ミストラル」級2隻の後ろ半分を建造したサンクトペテルブルク『バルト工場』でしょう。
[ロシア海軍の将来汎用ヘリコプター揚陸艦の建造にはミストラル級の経験が生かされる]
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汎用ヘリコプター母艦の艦名は未だ明らかにされていませんが(というか、おそらくは未だ決まっていない)、「ミストラル」級に命名される筈だった「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」が筆頭候補のようです。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]

ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月25日12時50分配信
【バレンツ海で北方艦隊多種戦力演習が始まる】

本日、北方艦隊の様々な部隊は、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー学生の年次実地研修の枠組みで行なわれる演習へ参加する為にバレンツ海へ出た。

北方艦隊戦闘訓練管理部長オレグ・ズヴェレフ少将は、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」で部隊の行動を統制する。

演習中にロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー学生へ、北方艦隊の様々な部隊の実地行動の実例として、海上での部隊の組織的統制、更には、対機雷防衛、対潜防衛、対空防衛、海上での様々な打撃部隊の展開の基本要素が示される。

演習は、4つの主要エピソードから成る~
水域保護連合部隊による多種打撃部隊の支援。
対潜航空隊と連携した捜索打撃艦グループによる潜水艦の捜索と攻撃。
海上で編成される艦隊の対空防衛部隊による敵の空中攻撃手段の攻撃の撃退。
海上で遭難した人員の救助。

北方艦隊の打撃部隊の展開の段階で、基地掃海艦「ポリャールヌイ」「コロムナ」で構成される掃海艦グループは、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」で構成される支隊の駐留所からの出航と対機雷防護を保障する。

第2のエピソードの実地活動では、対潜航空隊と共同での捜索打撃艦グループによる潜水艦の捜索と仮想破壊が提供される。
小型対潜艦「ユンガ」「ブレスト」で構成される捜索打撃艦グループは、対潜航空機Il-38及びヘリコプターKa-27PL乗員と連携し、対潜兵器を使用して仮想敵潜水艦の捜索と破壊を行なう。

海上で編成される艦隊の対空防衛部隊のエピソードでは、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、小型対潜艦「ユンガ」「ブレスト」、小型ロケット艦「アイスベルク」「ラッスヴェート」乗組員は、前線爆撃機Su-24が設置する落下標的への実地ミサイル及び砲射撃を実行する。

その後、捜索救助艦載ヘリコプターKa-27PSと連携した救助曳船SB-406潜水夫船BM-596による仮想遭難者の救助のエピソードが展示される。

北方艦隊多種戦力演習には、合計で10隻の戦闘艦及び支援船、更には、北方艦隊航空・防空軍の航空機とヘリコプターが関わる。



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

それから3日後の5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。

今回の演習は、ロシア連邦軍参謀本部アカデミーの学生(ロシア軍の士官)の実地研修の為に行なわれるものであり、「マルシャル・ウスチーノフ」「演習旗艦」を務めるようです。

ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月25日11時25分配信
【『ロシアン・ヘリコプターズ』は(ロシア)国防省の為のKa-52Kの供給計画について話した】
モスクワ、5月25日-ロシア通信社ノーボスチ

ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』は、2019年に艦上ヘリコプターKa-52Kの供給契約をロシア連邦国防省と結ぶつもりでいる。
ホールディングス総取締役アンドレイ・ボギンスキーは報道陣へ伝えた。

「現在、ヘリコプターKa-52の軍への引き渡しが進められています。
海軍ヴァージョンのKa-52Kは、試験設計作業が進められています。
私共は、それを速やかに完了し、文書を受け取る事を望んでおり、2019年には、この機体の供給の為、国防省との契約を結びます」
ボギンスキー
は、同日にロシア首都で開催された国際ヘリコプター展示会『HeliRussia』で話した。

現在、ヘリコプターKa-52は、ロシア航空宇宙軍のみの軍備である:2011年にホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』「防衛産業」が署名した契約書に沿って、ロシア連邦航空宇宙軍は2020年までに、この機体を140機受領する。
このような大規模な「アリガートル」の購入の合理性は、実際の戦闘活動により確認された~メディアが報じたように、2016年4月にKa-52シリアテロリストに対して使用された。



艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

そして結局、「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]


北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

このシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]

「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれているようです。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]

ロシア海軍向けのKa-52Kの量産は、現在の所は2020年頃からの開始が見込まれているようです。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる]


この他にKa-52Kは、エジプトへ売却された元ロシア海軍向け「ミストラル」級ヘリ空母の艦載機として同国への売り込みが行なわれており、エジプトが購入を決定すれば、ロシア海軍向けよりも早く量産が始まる事になるでしょう。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドネシアを去った


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月25日11時18分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はジャカルタ訪問を完了した】

本日、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、タンジュンプリオク港(ジャカルタ、インドネシア共和国)への訪問を完了した。

訪問の枠組みで太平洋艦隊船員は、インドネシアロシア大使ジャカルタ海軍基地司令部、インドネシア海軍西方艦隊司令部の代表と会合し、更には、北ジャカルタ市長への表敬訪問を行なった。

太平洋艦隊将兵は外国港の観光名所を見物し、インドネシアの同僚とサッカー及びバレーボールの親善スポーツ競技会を開催する。

訪問期間中、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」には、インドネシアロシア連邦大使館の学校の生徒、更にはインドネシア海軍将兵、ジャカルタの住民とゲストの訪問が計画されている。

送別式典の終了後、インドネシア海軍の艦との通信及び機動の合同演習が行なわれた。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、2017年4月1日から世界の大洋海域で遠距離航海任務を遂行している。

航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。

航海中に艦船は釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)、シンガポール港への寄港を行なった。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域での聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

5月13日にシンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった]

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5月15日にはシンガポールチャンギ港で行なわれたシンガポール海軍創立50周年記念観艦式に参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍創設50周年記念観艦式へ参加した]

5月16日にシンガポールチャンギ港へ入港しました。

「ワリャーグ」は、5月16日から18日まで開催される国際海軍兵器展示会『IMDEX Asia-2017』へ展示艦として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を訪れた]

『IMDEX Asia-2017』終了の翌日である5月19日にチャンギ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を去った]

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その後、「ワリャーグ」は更に南下し、5月22日にはインドネシアタンジュンプリオク港(ジャカルタ)へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドネシアのタンジュンプリオクを訪れた]

そして5月25日にタンジュンプリオクを出航しました。

ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはベトナムのカムラン港を訪れた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月25日9時7分配信
【病院船「イルティシュ」はベトナムのカムラン港へ入った】
ウラジオストク、5月25日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊病院船「イルティシュ」は、ベトナムカムラン港を訪問した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフは報道陣へ伝えた。

「遠距離航海任務を遂行している太平洋艦隊の病院船イルティシュは、本日、カムラン港へ入りました。
訪問の枠組みで太平洋艦隊将兵はベトナム海軍の第4海軍管区司令部の代表とカンホア省人民委員会指導部と会合します」
マトヴェーエフ
は伝えた。

彼によると、病院船の乗組員と医療要員は、外国港の観光名所と歴史的な場所を見物する。

「イルティシュ」は、約3ヶ月の間、地中海水域のロシア海軍常設作戦連合部隊の艦船の一員として行動した。



プロジェクト320病院船「イルティシュ」は、ポーランドシュチェチン造船所で1988年11月25日に起工され、1989年7月6日に進水し、1990年7月31日に竣工し、1990年8月10日にソ連海軍へ就役しました。
就役後は太平洋艦隊へ配備されました。

2013年秋からナホトカ艦船修理工場で近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のオビ級病院船は復帰する]

近代化改装終了後、2016年5月にはクリル諸島マトゥア島(松輪島)の調査へ参加しました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]

2016年8月18日、ASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス』へ参加する為、ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはタイへ向かった]

9月1日にタイバンコクへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはASEANの国際演習へ参加する為にタイのバンコクへ到着した]

9月9日には、南シナ海タイ、日本、中国の艦と災害救助の為の合同演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは南シナ海でタイ、日本、中国の艦と合同演習を行なった]

9月13日にバンコクを出航し、ウラジオストクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』参加部隊と合流した]

2016年9月26日にウラジオストクへ帰港しました。
[ASEAN諸国の国際演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはウラジオストクへ帰港した]


その後、太平洋艦隊広報部からの発表は有りませんでしたが、2017年初頭には地中海へ派遣され、約3ヶ月間滞在した後、ウラジオストクへの帰路に就きました。
地中海東部に居る間には、キプロスリマソールシリアタルトゥースへ寄港した事も有ったようです。
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5月18日にはマレーシアランカウイ島へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはマレーシアのランカウイを訪れた]

5月23日にランカウイを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはマレーシアを去った]

そして5月25日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
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カムラン港には、4月27日から5月1日まで太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が訪れています。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を続ける

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『タス通信』より
2017年5月24日14時36分配信
【黒海艦隊の軍艦は地中海で仮想敵を撃退した】
モスクワ、5月24日/タス通信

黒海艦隊の部隊は、地中海での演習中に仮想敵の攻撃から艦船支隊を防護する合同活動へ取り組んだ。
同艦隊の代理人ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は発表した。

「船団の対潜、対空、対艦、そして対水中工作防護任務を遂行後、艦の乗組員は、演習の次の段階へ取り掛かりました。
フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・エッセン"で構成される打撃艦グループは、大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフ、アゾフ、ツェーザリ、クニコフへの仮想攻撃に対し、警備艦スメトリーヴイ乗組員と合同で仮想敵の攻撃を撃退する合同活動へ取り組みました」
トルハチェフ
は話した。

以前、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」を含む黒海艦隊の艦は、地中海大型揚陸艦へ随伴する演習を実施した。



ロシア海軍は、2017年5月24日から27日の間にリビア東部沖でミサイル発射演習を実施すると諸外国へ通知しています。
[ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する]


黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」(751)は、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問し、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

警備艦「スメトリーヴイ」(870)は5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]


5月23日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」は、ロシア黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の指揮下で戦術演習を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を開始した]

この他、5月19日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「アゾフ」(151)、5月20日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(152)、そして5月23日にボスポラス海峡を通過した大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(158)も演習へ参加しました。

演習初日には大型揚陸艦3隻を警備艦3隻が護衛しましたが、2日目には、大型揚陸艦への攻撃を撃退するという想定下の演習が実施されました。

2020年末にはロシア海軍の約半数近くの軍艦が巡航ミサイル"カリブル"を装備しているだろう

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『タス通信』より
2017年5月24日10時33分配信
【2020年末にはロシア連邦海軍の軍艦の約半数にミサイル「カリブル」が装備されている】
モスクワ、5月24日/タス通信

2020年末には、(ロシア)海軍の約半数の戦闘艦に海洋配置有翼ミサイル「カリブル」が装備されている。
水曜日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、連邦院(上院)『政府の時間』で述べた。
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「2020年末には・・・海軍の約半数の戦闘艦に、海洋配置有翼ミサイル"カリブル"が装備されているでしょう」
ショイグ
は話した。

ミサイル複合体「カリブル」は、シリア作戦中にプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」プロジェクト21631小型ロケット艦を含む水上艦、更にはプロジェクト636.3潜水艦(ワルシャワンカ)により使用された。

また、2021年のロシア海軍の軍備には、新たなミサイル複合体「ブラヴァー」を有する7隻の先進的な「ボレイ」級を含む13隻の潜水艦が採用されている。

「2021年には・・・海洋戦略核戦力の戦闘編制に13隻の潜水艦が提供されているでしょう。
新たなミサイル複合体ブラヴァーを有する7隻の先進的なボレイ級を含めて」
ショイグ
は話した。

3隻のプロジェクト「ボレイ」潜水艦は、既に海軍へ引き渡されている。
2014年には、2隻の潜水艦「クニャージ・オレグ」「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」が起工された。
2015年には潜水艦「インペラ―トル・アレクサンドルIII」が、2016年には「クニャージ・ポジャールスキー」が起工された。
各々の潜水艦は、16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。

以前、ロシア防衛産業企業体の情報提供者は、「クニャージ・ウラジーミル」が当初計画よりも1年後の2018年にロシア海軍へ加わると『タス通信』へ伝えた。
潜水艦は、2017年に海軍へ引き渡される見込みだった。



『ノヴァトール・エカテリンブルク設計局』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
元々は、ソ連海軍時代に配備された対地有翼ミサイル「グラナート」をベースに開発されました。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

現在、ロシア海軍では、プロジェクト11356警備艦プロジェクト11661K警備艦「ダゲスタン」プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦(セヴェロドヴィンスク)プロジェクト06363潜水艦プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦「オブニンスク」プロジェクト677「ラーダ」潜水艦(サンクトペテルブルク)に搭載されています。

2015年10月以降には、シリア領内テロ組織に対し、何度か実戦で使用されています。

・2015年10月7日カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

・2015年11月20日カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2015年12月8日黒海艦隊潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2016年8月19日黒海艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

・2016年11月15日黒海艦隊警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海東部からシリアへ発射。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]


今後、更に「カリブル」を装備する新型艦~プロジェクト22350フリゲートプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦プロジェクト22160哨戒艦プロジェクト885M原子力水中巡洋艦プロジェクト677M潜水艦プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊向け)ロシア海軍へ就役します。
この他、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦プロジェクト971原子力巡洋潜水艦プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦の一部も近代化改装により「カリブル」を装備します。

大雑把に推測して、2020年末には、ロシア海軍「カリブル」装備の水上艦は35隻程度、潜水艦は24隻程度になっているでしょう。

今回、セルゲイ・ショイグ国防相は、「Около половины」(約半分)と言っていますが、これは、必ずしも「50パーセント」を意味しておりません。
この場合は、およそ35-40パーセント以上といった所でしょう。


この他、セルゲイ・ショイグ国防相は、ロシア海洋戦略核戦力、即ちロシア海軍戦略原潜にも言及しています。
[新世代戦略原潜ボレイ級]

要するにショイグ国防相は、2021年には7隻の新世代戦略原潜「ボレイ」級を含む13隻の戦略原潜ロシア海軍で活動していると言っているので、「ボレイ」級以外の戦略原潜は5隻という事になります。
この5隻は、プロジェクト667BDRM(デルタIV)の事でしょう。

ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は地中海で演習を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海艦隊情報供給部(セヴァストーポリ)発表
2017年5月23日13時53分配信
【地中海で黒海艦隊水上艦の演習が実施される】

地中海では、黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の総合指揮下で、遠海ゾーンの海軍常設連合部隊の戦力を成す黒海艦隊水上艦連合部隊計画査閲戦術演習が実施される。

現在、黒海艦隊の最新フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」と、警備艦「スメトリーヴイ」は、3隻の大型揚陸艦で構成される支隊を護衛する船団護衛活動へ取り組んでいる。

計画査閲戦術演習に関与する部隊は、今後数日の間に、更に仮想敵の空中攻撃手段の撃退と潜水艦の捜索訓練を実施し、合同機動を行ない、生存の為の闘い(ダメージコントロール)と組織的通信に関する課題へ取り組む。

指示された任務の遂行には、ロシア戦闘艦艦上ヘリコプターKa-27PLが関わる。



ロシア海軍は、2017年5月24日から27日の間にリビア東部沖でミサイル発射演習を実施すると諸外国へ通知しています。
[ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する]


黒海艦隊警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494)は、2017年4月初頭から地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはキプロス訪問を終えた]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」の同型艦「アドミラル・エッセン」(751)は、5月15日から17日までキプロスリマソール港を訪問し、現在は地中海東部に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

警備艦「スメトリーヴイ」(870)は5月22日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った]


「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」は、ロシア黒海艦隊副司令官ワレリー・クリコフ中将の指揮下で戦術演習を行ないます。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【ワレリー・ウラジーミロヴィチ・クリコフ】

「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「スメトリーヴイ」は、3隻の大型揚陸艦を護衛しているとの事ですが、現在、地中海には、5月19日にボスポラス海峡を通過した「アゾフ」(151)、5月20日にボスポラス海峡を通過した「ニコライ・フィリチェンコフ」(152)、そして5月23日にボスポラス海峡を通過した「ツェーザリ・クニコフ」(158)が居ます。
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演習中には潜水艦の捜索訓練が実施され、艦上対潜ヘリコプターKa-27PLも関与するとの事ですから、5月13日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った潜水艦「クラスノダール」も、この演習へ参加するのかもしれません。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月23日13時23分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」は地中海での任務遂行を完了し、大西洋へ出た】

本日、北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海での任務遂行を完了し、ジブラルタル海峡への移動を行ない、大西洋へ出た。

地中海北方艦隊将兵は、4月末からロシア海軍作戦連合部隊の一員として在った。

2016年10月15日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった遠距離航海中に、大型対潜艦の乗組員は2度に渡り地中海での任務を果たした。

最初に地中海水域へ入った同艦は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる航空艦グループの一員として3ヶ月間に渡り活動した。

(2017年)1月中旬、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、救助曳船「アルタイ」中型海洋給油船「ドゥブナ」を伴って遠距離航海任務の遂行に着手した。
ロシア船員スエズ運河を通過して紅海へ、そしてインド洋への移動を行なった。

その後、ロシア船員アフリカ大陸を周回し、アフリカアジアの10ヶ所の港を訪れた:
サラーラ(オマーン)、カラチ(パキスタン)、ヴィクトリア(セーシェル)、ダルエスサラーム(タンザニア)、ペンバ(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ共和国)、ウォルビスベイ(ナミビア)、ルアンダ(アンゴラ)、マラボ(赤道ギニア)、プライア(カーボベルデ)

近い内に北方艦隊対潜艦の乗組員は、遠距離航海計画に沿って大西洋で任務遂行を続ける。
航海中に大型対潜艦は36000海里以上を移動した。



[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-)]

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北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは、2016年10月21日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

10月25日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。

11月9日、地中海東部において大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]

航空打撃艦グループは11月12日までにシリア沖へ到着しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]

11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]

航空打撃艦グループは、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]

シリアでは、ロシアトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。

これを受け、航空打撃艦グループは、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

しかし、「セヴェロモルスク」給油船「ドゥブナ」、救助曳船「アルタイ」は帰路には就かず、航空打撃艦グループと別れ、その後も地中海東部へ留まっていました。

北方艦隊艦船支隊(指揮官:スタニスラフ・ヴァリク1等海佐)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
中型海洋給油船「ドゥブナ」
救助曳船「アルタイ」


北方艦隊艦船支隊は2017年1月27日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

その後、オマーンサラーラ港へ寄港し、2017年2月7日に出航しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアラビア海の国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加する]

2月9日にパキスタンカラチ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンを訪れた]

北方艦隊艦船支隊は、2月10日から14日にパキスタン沖で実施される国際海軍演習『AMAN-2017』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』はパキスタンで始まった]

【演習『AMAN-2017』公式サイト】

2月13日と14日には海上での実地演習(アクティブフェーズ)が実施されました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊が参加する国際海軍演習『AMAN-2017』の海上での実地段階が始まった]

北方艦隊艦船支隊は演習終了後にパキスタンを去り、インド洋を南下しました。

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その後、北方艦隊支隊赤道を越え、古くからの船乗りの伝統行事である「赤道祭」が開催されました。
「セヴェロモルスク」にとっては、就役以来初めての「赤道祭」となりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はインド洋で赤道祭を準備する]

赤道を越えた北方艦隊艦船支隊は、2月28日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは赤道を越えてセーシェル諸島を訪れた]
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3月1日、北方艦隊艦船支隊の3隻はセーシェル諸島の首都ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島のヴィクトリア港へ入港した]
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北方艦隊艦船支隊は、3月4日にヴィクトリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はセーシェル諸島を去った]

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北方艦隊艦船支隊は西へ向かい、タンザニアダルエスサラーム港を訪れ、3月10日夕方に出航しました。

北方艦隊艦船支隊タンザニアを去った後、3月18日に隣国のモザンビークペンバ(ポルト・アメリア)を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はモザンビークを訪問した]

その後、北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸を南下し、喜望峰沖を西へ進み、3月20日に南アフリカ共和国へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は南アフリカ共和国を訪問した]

南アフリカ共和国訪問を終えた北方艦隊艦船支隊アフリカ大陸大西洋側を北上し、3月25日にナミビアウォルビス・ベイを訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はナミビアを訪れた]

ナミビアを出た後、4月1日から3日までアンゴラルアンダ港を訪問しました
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[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊はアンゴラのルアンダを訪れた]

4月7日には赤道ギニアマラボ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船支隊は赤道ギニアのマラボを訪れた]
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4月18日にはアフリカ大陸の西方の島国・カーボベルデプライア港へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを訪れた]

4月21日にプライア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはカーボベルデを去った]

4月27日、アフリカ大陸を一周した大型対潜艦「セヴェロモルスク」は再びジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して再び地中海へ入った]
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しかし、救助曳船「アルタイ」給油船「ドゥブナ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れ、そのまま大西洋を北上して帰路に就きました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った]

一方、大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海を東進し、5月4日から6日までキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロス訪問を終えた]
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その後も地中海に滞在していましたが、5月23日にジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ出ました。

今後は大西洋で任務を遂行するとの事ですから、おそらくは、母港への帰路に就くようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはマレーシアを去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月23日7時13分配信
【太平洋艦隊の病院船「イルティシュ」はマレーシアのランカウイ港への訪問を完了した】

訪問の枠組みで太平洋艦隊将兵はマレーシア王立海軍及び同市行政部の代表と会合した。
太平洋艦隊病院船の乗組員と医療要員は、外国港の観光名所と歴史的な場所を見物した。

更に、船は停泊中に燃料、水、食料の在庫を補充した。

「イルティシュ」は、約3ヶ月の間、地中海水域のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として行動した。

[参照]
320型船「イルティシュ」
は、1981年1月からソヴィエト社会主義共和国連邦海軍へ加入している。

病院船「イルティシュ」は、沿岸及び海上で負傷者と病人を受け入れる事が出来る。

病院船の任務は、平時あるいは戦闘行動時の負傷者、病人、被災者への医療援助の提供、更には、遭難した艦船からの避難、海上での艦船及び潜水艦の乗組員の休養の為の組織的活動にある。

船内には、患者100名分のベッドが在り、緊急時には450名を受け入れる。
更に200名分のリハビリテーション用のベッドが在る。
全ての医療室には必要な機器が装備されている。



プロジェクト320病院船「イルティシュ」は、ポーランドシュチェチン造船所で1988年11月25日に起工され、1989年7月6日に進水し、1990年7月31日に竣工し、1990年8月10日にソ連海軍へ就役しました。
就役後は太平洋艦隊へ配備されました。

2013年秋からナホトカ艦船修理工場で近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のオビ級病院船は復帰する]

近代化改装終了後、2016年5月にはクリル諸島マトゥア島(松輪島)の調査へ参加しました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]

2016年8月18日、ASEAN諸国の国際演習『ADMMプラス』へ参加する為、ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはタイへ向かった]

9月1日にタイバンコクへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはASEANの国際演習へ参加する為にタイのバンコクへ到着した]

9月9日には、南シナ海タイ、日本、中国の艦と災害救助の為の合同演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは南シナ海でタイ、日本、中国の艦と合同演習を行なった]

9月13日にバンコクを出航し、ウラジオストクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュは中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』参加部隊と合流した]

2016年9月26日にウラジオストクへ帰港しました。
[ASEAN諸国の国際演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはウラジオストクへ帰港した]


その後、太平洋艦隊広報部からの発表は有りませんでしたが、2017年初頭には地中海へ派遣され、約3ヶ月間滞在した後、ウラジオストクへの帰路に就きました。
地中海東部に居る間には、キプロスリマソールシリアタルトゥースへ寄港した事も有ったようです。
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5月18日にはマレーシアランカウイ島へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の病院船イルティシュはマレーシアのランカウイを訪れた]

そして5月23日にランカウイを出航しました。
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なお、マレーシアの近くのインドネシアには、現在、太平洋艦隊旗艦の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が居ます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドネシアのタンジュンプリオクを訪れた]

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月22日14時31分配信
【北方艦隊艦船はバレンツ海で複合演習任務を遂行した】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、北方艦隊航空隊と連携してバレンツ海で高射砲複合体の射撃を実施した。

射撃は、対空防衛演習中に行なわれた。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」艦載砲複合体AK-130AK-630の担当班は、兵器の戦闘実地操作を行ない、様々な高度ならびに方向から使用される仮想敵の空中攻撃手段の脅威下で海上を移動する戦闘艦支隊の対空防衛を保障した。

艦の乗組員は更に、船舶航行集中の条件下での合同機動の要素へ取り組み、無防備の泊地における艦船の対水中工作防護の訓練を行なった。

戦闘艦の砲射撃は、ロシア連邦軍参謀本部アカデミーの学生の実地研修の準備中に、北方艦隊の戦闘能力の実証の枠組みで行なわれた。



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドネシアのタンジュンプリオクを訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月22日11時42分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はジャカルタへ到着した】

本日、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、タンジュンプリオク港(ジャカルタ、インドネシア共和国)へ到着した。

訪問の枠組みで太平洋艦隊船員は、ジャカルタ海軍基地司令部、インドネシア海軍西方艦隊司令部の代表、同共和国のロシア大使と会合する。

更に、ロシア船員は外国港の観光名所を見物し、インドネシアの同僚との一連の合同親善スポーツ競技会を開催する。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」には、インドネシアロシア連邦大使館の学校の生徒、更にはインドネシア海軍将兵、ジャカルタの住民とゲストの訪問が計画されている。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、2017年4月1日から世界の大洋海域で遠距離航海任務を遂行している。

航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。

航海中に艦船は釜山港(大韓民国)、マニラ港(フィリピン)、カムラン港(ベトナム)、サッタヒープ港(タイ)、シンガポール港への寄港を行なった。

航海の主な目的は、アジア太平洋地域での聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。



ロシア太平洋艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2月9日には対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]

2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]

2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。

3月28日にも「ワリャーグ」「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。


2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

「ワリャーグ」には中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴しています。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」
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中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

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太平洋艦隊艦船支隊は4月2日に津軽海峡を通過して太平洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは津軽海峡を通過して太平洋へ出た]

4月6日には大隅海峡を通過して東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは大隅海峡を通過して東シナ海へ入った]

4月11日、大韓民国釜山(プサン)港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を訪れた]

4月12日には太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将韓国を訪問し、韓国海軍の高官と会談を行ないました。
4月13日には韓国海軍代表団と共に「ワリャーグ」を視察しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月13日13時11分配信
【ロシア太平洋艦隊司令官は朝鮮共和国(大韓民国)海軍コマンド司令官と会談した】

太平洋艦隊艦船支隊は、4月14日に釜山(プサン)港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは韓国の釜山港を去った]

4月20日、太平洋艦隊艦船支隊は、フィリピンマニラ港を訪れました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラ港を訪れた]
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4月21日には「ワリャーグ」艦長と将校団がフィリピン海軍司令部を表敬訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ艦長はフィリピン海軍司令官を表敬訪問した]

同日、フィリピン大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏が「ワリャーグ」を視察しました。

[フィリピン大統領ドゥテルテはロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグを視察した]

4月22日にはマニラ市内で太平洋艦隊アンサンブル艦隊司令部オーケストラのコンサートが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のアンサンブルはマニラでコンサートを行なった]

4月24日、太平洋艦隊艦船支隊マニラ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはフィリピンのマニラを去った]

4月27日にはベトナムカムラン港へ入港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月1日、太平洋艦隊艦船支隊カムラン港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはベトナムのカムラン港を去った]

5月5日にタイサッタヒープ港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイのサッタヒープへ入港した]

5月9日にサッタヒープ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはタイ訪問を終えた]

5月13日にシンガポール海軍フリゲート「シュープリーム」との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍のフリゲートと合同演習を行なった]

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5月15日にはシンガポールチャンギ港で行なわれたシンガポール海軍創立50周年記念観艦式に参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポール海軍創設50周年記念観艦式へ参加した]

5月16日にシンガポールチャンギ港へ入港しました。

「ワリャーグ」は、5月16日から18日まで開催される国際海軍兵器展示会『IMDEX Asia-2017』へ展示艦として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を訪れた]

『IMDEX Asia-2017』終了の翌日である5月19日にチャンギ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールのチャンギ港を去った]

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その後、「ワリャーグ」は更に南下し、5月22日にはインドネシアタンジュンプリオク港(ジャカルタ)へ入港しました。

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月22日10時28分配信
【黒海艦隊の警備艦「スメトリーヴイ」は地中海のロシア海軍作戦連合部隊へ補充される】

前日に対潜演習へ参加し、空中標的への高射ミサイル射撃を行なった黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は、セヴァストーポリから地中海への計画移動任務の遂行へ着手した。

艦は本日に遠海ゾーンのロシア海軍常設作戦連合部隊の戦力構成へ加わる事が計画されている。
現時点で、最新フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」を含む黒海艦隊の10隻の戦闘艦支援船が活動している。



黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」(1969年10月21日就役)は、2016年3月6日にセヴァストーポリを出航して地中海へ向かい、6月10日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]

その後、2016年10月28日に再びセヴァストーポリを出航し、10月29日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。


10月31日から11月1日までギリシャを訪問し、ロシア皇帝家出身のギリシャ王妃オルガ(オリガ)の生誕165周年記念行事へ参加しました。

オリガ・コンスタンチノヴナ・ロマノヴァ(1851年9月3日~1926年6月18日)は、ロシア皇帝アレクサンドル2世の弟コンスタンチン大公の娘であり、1867年にギリシャ国王ゲオルギオス1世と結婚してギリシャ王妃となりました。
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「スメトリーヴイ」ギリシャを去った後も地中海東部(シリア沖)に滞在し、ここで2017年の新年を迎えました。

2017年2月下旬には地中海東部に居るアメリカ海軍原子力空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」を追尾しました。
ブログ『BMPD』より
【「スメトリーヴイ」は「ブッシュ」を追う】

「スメトリーヴイ」は3月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、3月6日にセヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは4ヶ月間の地中海航海を終えてセヴァストーポリへ帰投した]

それから1ヶ月半程経った5月20日、セヴァストーポリから出航して対空戦闘訓練を行ない、高射ミサイル「ヴォルナ」AK-726 76mm連装砲を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは黒海で対空戦闘訓練を行なった]

「スメトリーヴイ」は、そのまま南方へ向かったようであり、5月22日にはボスポラス海峡を通過して地中海へ出ました。

「スメトリーヴイ」は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)へ参加します。


現在、地中海東部には、少なくとも11隻のロシア海軍艦艇が滞在しています。

警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」
警備艦「アドミラル・エッセンチ」
警備艦「スメトリーヴイ」
潜水艦「クラスノダール」
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」
偵察艦「キルディン」
大型揚陸艦「アゾフ」
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」
哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」
海洋曳船MB-174
工作船PM-138



なお、ロシア海軍は5月24日から27日までの間にリビア東部沖で軍事演習を実施します。
[ロシア海軍は2017年5月24日から27日までの間にリビア沖でミサイル発射演習を実施する]

ロシア海軍太平洋艦隊は近い将来に新型コルベットを受領する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月21日0時15分配信
【太平洋艦隊は近い将来に3隻の新たなコルベットを受領する】
モスクワ、5月21日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊は近い将来に3隻の新たなコルベットを受領する。
ロシア連邦国防省は、日曜日に迎える太平洋艦隊の日に際し発表した。

「沿海地方の工場では、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"の最終試験が行なわれており、近い将来、艦隊にはコルベット"グロームキー"とロシア英雄ツィジェンジャポフが加わります」
声明では、こう述べられた。

軍当局は、近年、艦隊原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」揚陸艇「イワン・カルツォフ」海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」、2隻の「グラチョノク」型対水中工作艇、ユニークな機器を有する救助船「イーゴリ・ベロウソフ」を含む数隻の補助船が加わった事を想い起した。

「艦隊の将来の駐留場所の研究と開発は続けられています。
現在、2017年6月から9月まで実施される国防省とロシア地理学協会のクリル群島のマトゥア島への2回目のユニークな科学研究探検の準備は完了しております」
国防省
は話した。

艦隊の沿岸部門はミサイル複合体「バル」を受け取り、対空防衛複合体S-300と交代する為、ミサイルシステムS-400「トリウムフ」が到着した。

沿海地方及びカムチャツカ海軍航空隊へ、近代化された対潜航空機Il-38N艦載ヘリコプターKa-29が補充された。
ウラジオストク近郊の独立海軍歩兵旅団は、新たな落下傘システムをマスターした。

「6月1日から始まる夏季演習期間は、艦隊にとっては少なからず緊張したものとなるでしょう。
要員は、国際的なものを含む数十回の大規模演習において自身の技量を示し、更には、世界の大洋で戦闘任務の遂行を続けます」

当局は締め括った。



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[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]

その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省アムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]

その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊プロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]

2015年5月22日に進水式典が開催されました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

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進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方ボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]
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ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。
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2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。
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2017年1月初頭から係留試験が行われました。

2017年1月30日、「ソヴェルシェーンヌイ」は、航行試験を行なう為、初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を開始した]

3月16日に初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は100mm砲の射撃試験を行なった]

航行試験は現在も続けられており、これが完了すればロシア海軍への引き渡し準備が整います。
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現在の所、「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年前半にロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入される予定です。
おそらくは、早くても2017年6月下旬でしょう。
[新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2017年前半にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

「ソヴェルシェーンヌイ」に続き、アムール造船工場では3隻の同型艦が建造されており、2018年~2020年にはロシア海軍へ引き渡される見込みです。

[ロシア海軍太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット4隻は2017年~2020年に引き渡される]


ロシア海軍新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、現在までに計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち4隻がロシア海軍へ引き渡されています。

20380/20385は、サンクトペテルブルク北方造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で建造されています。

[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号550)
バルト艦隊に配備

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備

「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備

「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備

「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年5月進水予定/2018年就役予定

「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2019年就役予定

「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定

[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年前半就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2018年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定

「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2020年就役予定
太平洋艦隊に配備予定



プロジェクト20380/20385に続き、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造も始まっており、1番艦「ジェルズキ―」は2016年10月28日に起工されました。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]

ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年5月20日16時44分配信
【北方艦隊艦船グループはバレンツ海で計画戦闘訓練に着手した】

本日(5月20日)、北方艦隊の4つの戦術艦船グループは、バレンツ海沿岸の射爆場で計画戦闘訓練任務の遂行に着手した。

日中には、コラ多種戦力小艦隊の6隻の戦闘艦北方艦隊ロケット艦連合部隊、2隻の捜索救助作業統制船から成る戦術艦船グループは合同任務へ取り組む。

北方艦隊の射爆場での戦闘訓練演習の実施の様々な段階で、掃海艦グループ、2つの打撃艦グループ、捜索打撃艦グループ、捜索救助作業統制船救助支隊が形成される。

戦闘艦の乗組員は、合同機動訓練、航空機との連携、潜水艦の捜索、艦隊の対空防衛部隊の支援へ取り組む。
別の要素として、海上で遭難した要員を捜索・救助する捜索救助支援部隊の演習が実施される。

北方艦隊の計画戦闘訓練活動には、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、小型対潜艦小型ロケット艦、コラ多種戦力小艦隊基地掃海艦、救助曳船SB-406、潜水夫支援船BM-596の乗組員が関与する。

演習完了後、北方艦隊の艦船は常時駐屯場所へ戻る。



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日に北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。


「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
[ロシア海軍は今後も巡洋艦を維持する]

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは黒海で対空戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年5月20日8時45分配信
【黒海艦隊の警備艦「スメトリーヴイ」は空中標的へのミサイル射撃を実行した】

黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」は、戦闘訓練射爆場において、敵の空中攻撃手段からの攻撃を撃退する計画単独演習を実施した。

艦は、空中目標を模した標的へ2基の高射ミサイル複合体「ヴォルナ」の発射と砲射撃を実行した。
標的の設置は、黒海艦隊海軍航空隊水陸両用航空機Be-12の乗員により支援された。



黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」(1969年10月21日就役)は、2016年3月6日にセヴァストーポリを出航して地中海へ向かい、6月10日に帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは地中海へ向かった]

その後、2016年10月28日に再びセヴァストーポリを出航し、10月29日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。


10月31日から11月1日までギリシャを訪問し、ロシア皇帝家出身のギリシャ王妃オルガ(オリガ)の生誕165周年記念行事へ参加しました。

オリガ・コンスタンチノヴナ・ロマノヴァ(1851年9月3日~1926年6月18日)は、ロシア皇帝アレクサンドル2世の弟コンスタンチン大公の娘であり、1867年にギリシャ国王ゲオルギオス1世と結婚してギリシャ王妃となりました。
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「スメトリーヴイ」ギリシャを去った後も地中海東部(シリア沖)に滞在し、ここで2017年の新年を迎えました。

2017年2月下旬には地中海東部に居るアメリカ海軍原子力空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」を追尾しました。
ブログ『BMPD』より
【「スメトリーヴイ」は「ブッシュ」を追う】

「スメトリーヴイ」は3月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、3月6日にセヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイは4ヶ月間の地中海航海を終えてセヴァストーポリへ帰投した]


それから1ヶ月半程経った5月20日、黒海へ出航して対空戦闘訓練を行ない、高射ミサイル「ヴォルナ」AK-726 76mm連装砲を発射しました。

高射ミサイル「ヴォルナ」
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AK-726 76mm連装砲
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黒海艦隊では、警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」「アドミラル・エッセン」などの新造艦の配備が進められていますが、既に就役から47年が経ったオールドタイマーの「スメトリーヴイ」は、まだ暫くの間は現役に留まるようです。

プロジェクト22160哨戒艦ワシーリー・ブイコフとドミトリー・ロガチョフは2018年にロシア海軍へ引き渡される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月20日9時0分配信
【『ゼレノドリスク工場』は2018年に2隻のプロジェクト22160哨戒艦の引き渡しを準備している-総取締役】
モスクワ、5月20日、インタファクス-AVN

2隻のプロジェクト22160哨戒艦は来年に納入する。
『インタファクス』は、公開株式会社『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』総取締役レナート・ミスタホフより伝えられた。
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「軍艦ワシーリー・ブイコフとドミトリー・ロガチョフは、双方とも2018年に御引き渡しいたします。
1隻は同年初頭に、もう1隻は年末に」
レナート・ミスタホフ
は話した。

同プロジェクトのトップ艦「ワシーリー・ブイコフ」は、工場の造船台で2014年2月26日に起工された。
ドミトリー・ロガチョフ少将に因んで命名された2番艦は2014年7月25日に起工された。
ソ連邦英雄パーヴェル・デルジャーヴィンに因んで命名されたプロジェクト22160の3番艦は2016年2月に起工された。
4番艦「セルゲイ・コトフ」は2016年5月8日に起工された。

現代的な艦プロジェクト22160は、領海の保護、公海と内海の経済圏のパトロール、密輸と海賊活動の阻止の為に意図されている。
また、同プロジェクト艦は、海上災害の犠牲者の捜索と援助へ参加し、海上輸送中の船、更には海軍基地と水域を保護する事が出来ると同社広報サービスは伝えた。

艦は高速特性(最大速力30ノット)を有し、乗組員(80名まで)の居住の為の快適な条件が保障されている。
捜索能力を強化し、捜索救助活動を実施する為、艦には12トンのヘリコプターの駐留能力が提供される。
艦は、無線電波及び水中音響兵装、更には、電波電子対抗手段を装備する。

艦は公開株式会社『北方計画設計局』(サンクトペテルブルク)で設計されている。

以前、軍事産業企業体の情報提供者は、プロジェクト22160艦の最初の3隻は、ロシア連邦黒海艦隊において、近海及び遠海ゾーンでの護衛の機能を果たすと『インタファクス』へ伝えた。
情報提供者によると、第2グループの3隻の艦は有翼ミサイル「カリブル」 での武装が計画されている。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国ゼレノドリスク造船所です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2014年2月26日に起工されました。

[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]

2014年7月25日には2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」が起工されています。

2016年2月18日には3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

2016年5月8日、4番艦「セルゲイ・コトフ」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

2016年11月25日、5番艦「ヴィクトール・ヴェリキー」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第5の新型哨戒艦ヴィクトール・ヴェリキーは起工された]


そして今回、建造元である『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』の総取締役レナート・ミスタホフ氏は、1番艦「ワシーリー・ブイコフ」と2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は2018年にロシア海軍への引き渡しを予定していると表明しました。

「ワシーリー・ブイコフ」は2018年初頭に、「ドミトリー・ロガチョフ」は2018年末にロシア海軍へ引き渡されるとの事です。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに5隻が起工されており、少なくとも6隻の建造が予定されています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水予定/2018年就役予定

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2018年就役予定

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工

「ヴィクトール・ヴェリキー」(工場番号165)
2016年11月25日起工


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル"カリブル"搭載艦24隻を受け取る]

プロジェクト22160哨戒艦には、AK-176MA 76mm砲有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍の為のプロジェクト22160哨戒艦は巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での迎撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2017年5月19日9時21分配信
【カムチャツカで戦闘機飛行士は成層圏の空中目標の迎撃を実施した】

カムチャツカ太平洋艦隊海軍航空隊の航空基地での戦闘機飛行士の戦闘訓練活動実施の枠組みにおいて、ロシア領空への仮想侵入者の成層圏迎撃訓練が実施された。

空中境界線上の侵入者の役割は、高度18000~20000メートルを超音速で飛行し、戦闘機飛行隊長で1級飛行士のセルゲイ・コデルレ中佐により操縦されるMiG-31が演じた。

目標の迎撃へ、その乗員に最近の軍事飛行学校の卒業生の士官を含む2機の戦闘機MiG-31が飛び立った。
乗員は、仮想空中目標の捜索、捕捉、破壊へ取り組んだ。
「侵入者」のデータは、地上の対空防衛手段から受け取った。

目標の迎撃に最適な条件を作成する為、乗員は、毎時2100kmの速度で戦闘機を成層圏下部へ上げなければならなかった。
空中境界線への仮想侵入者は、100~120kmの距離で破壊された。

航空基地司令ゲンナジー・ミロネンコ大佐の評価によると、与えられた戦闘任務を果たした若い飛行士は「良好」及び「優秀」である。

カムチャツカ戦闘機飛行隊海軍で最高のものの1つであり、戦闘機飛行隊の間で、空中戦闘実施において3年連続で1位を獲得した。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]

4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

そして5月19日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
ロシア国防省の発表を見る限り、新米パイロットの訓練も兼ねていたようです。


なお、第865独立戦闘機航空連隊は、5月15日に創設78周年を迎えました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年5月17日2時41分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行隊の飛行士は、その空中部門の設立の日を迎えた】
1939年5月15日にカムチャツカで創設された第20襲撃機航空連隊第865独立戦闘機航空連隊の起源です。