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ロシア航空機製造業界は第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型を開発する用意がある

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月28日8時55分配信
【『統合航空機製造営団』は将来航空母艦の為の新たな艦上戦闘機を開発する用意がある-設計主任】
モスクワ、2月28日、インタファクス-AVN

『統合航空機製造営団』将来航空母艦へ装備する為の新たな艦上戦闘機を開発する用意があり、軍からの発注が有れば、未だ採用されていないSu-57の艦載ヴァージョンを作成する。
『統合航空機製造営団』設計主任セルゲイ・コロトコフ『インタファクス』へ伝えた。

「かなり大量の作業になります。
必要な場合、それは無条件に実行されます。
我々は、それを熟知しております」
セルゲイ・コロトコフ
は、新たな航空母艦の為の将来の艦上戦闘機の作成について『インタファクス』へ話した。

彼は、『統合航空機製造営団』は、軍からSu-57(PAK FA)航空母艦での使用の為に適応させる発注は受けていない事を指摘した。
「国防省が、その要求を提起した場合、それは実行されます。
それは未だ要求されていませんが、どの程度のものであるのかを私は理解しております」

設計主任は話した。

彼によると、航空母艦と、その航空団を作成する作業は並行して行なわれる。
「我々が作るのは航空構成のみであり、艦には従事しておらず、何も接合点は有りません。
複合体は全ての活動、発艦、着艦、運用、電磁適合と、その先に関連します。
これは共同で行なわれるべきです」

彼は話した。

「私は、これは新たな技術的解決により行なわれるべきであると信じています。
新たな航空母艦を建造する場合、それは最新の方法を有していなければなりません~例えば電磁カタパルトとか」
セルゲイ・コロトコフ
は強調した。

「今、非常に重要な作業は、最新レベルの課題を遂行する事が可能な新たな技術的アプローチです。
従いまして、古い技術的アプローチを行なう場合、我々は、それと同様のものを受け取るでしょう。それは我々が今、既に有しているものです。
それは、何の為にやるのでしょうか?」
セルゲイ・コロトコフ
は語った。

数日前、ロシア連邦国防省の海軍造船兵器軍事研究センター所長ニコライ・マクシモフは、テレビ局『ズヴェズダー』の生放送で、ロシア連邦海軍の為の新たな航空複合体の作成が計画されていると述べた。
「予見される航空複合体の建造には、航空母艦自身、航空団、駐留システムが含まれます」
ニコライ・マクシモフ
は話した。

クルイロフ国立科学センターの水上艦設計部長ワレンチン・ベロネンコによると、航空母艦の艦上には、その海洋ヴァージョンの作成が決定された場合、ロシア第5世代戦闘機Su-57が駐留できる。

以前、『統合造船業営団』のトップは、新たな国家軍備プログラムにおいて、新たな航空母艦の為の「作業の定義」が規定されると述べた。

Su-57(T-50、前線航空隊将来航空複合体、PAK FA)は、ロシア第5世代多目的戦闘機であり、スホーイ試作設計局により開発された。
それは、遠距離及び近距離戦闘における全ての種類の空中目標の破壊、敵の地上、水上目標の撃破、敵の対空防衛システムの突破、駐留場所から大きく離れた空中空間のモニタリングを行ない、敵の航空機の行動管制システムの破壊の為に意図されている。

PAK FAの初飛行は、2010年1月29日にコムソモリスク・ナ・アムーレで行なわれた。

一週間前、ロシアシリアへ4機のSu-57を試験の為に派遣した事が知られるようになった。

現在、ロシア海軍には、唯一の航空母艦重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が存在する。
その航空団は、シリアの軍事作戦へ参加した。
「アドミラル・クズネツォフ」は、間もなく近代化を始める予定である。



ロシア第5世代重戦闘機スホーイSu-57(T-50)は、2010年1月29日に試作機の初飛行が行なわれました。


現在までに10機の飛行試験用試作機と3機の地上試験用試作機が製造され、各種試験が行なわれています。

2017年12月5日には、新たなエンジン(製品30)を搭載したSu-57試作機の初飛行が行なわれました。


Su-57の第1次量産機12機(1個飛行隊分)の製造契約は2018年の署名が予定されており、最初の2機は2019年にロシア航空宇宙軍へ引き渡されます。
『タス通信』より
2018年2月8日6時0分配信
【(ロシア)国防省は2018年に12機の戦闘機Su-57の供給契約へ署名する】

Su-57は国家受領試験の第1段階を完了し、ロシア航空宇宙軍での「試験-戦闘運用」が始まっています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月8日7時17分配信
【最新戦闘機Su-57は試験-戦闘運用へ採用された】

将来的には、ロシア海軍将来航空母艦艦上戦闘機としてSu-57の艦上戦闘機型が作られる事になります。
ただ、具体的な開発時期は未だ決まっていないようですが・・・
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
[ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する]
[ロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型が開発される]

これまでにSu-57の艦上戦闘機型の開発に関する話は、ロシア造船業界側或いはロシア海軍側からのみ出ていましたが、今回、初めてロシア航空機製造業界、つまり、実際にSu-57の艦上戦闘機型の開発を担当する事になる当事者の側から話が出てきました。



記事中で触れられていますが、2018年2月下旬、シリアフマイミーン航空基地へ2機のSu-57が到着しました。
『インタファクス』より
2018年2月22日10時38分配信
【メディアはロシア第5世代戦闘機がシリアへ現れたと報じた】

Su-57シリアで兵装などの試験を行なうようです。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月23日8時58分配信
【シリアでSu-57の戦闘能力の試験が行なわれるかもしれない-情報筋】

その数日後、更に2機のSu-57フマイミーン航空基地へ到着しました。
(つまり、合計で4機)
『インタファクス』より
2018年2月24日10時57分配信
【シリアの活動家は更なる2機のロシアのSu-57がシリアに居ると伝えた】
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ロシア海軍バルト艦隊の給油船エリニヤは地中海東部から母港バルチースクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年2月27日20時21分配信
【バルト艦隊の給油船「エリニヤ」は遠距離航海から戻ってきた】

バルト艦隊給油船「エリニヤ」は、遠距離航海任務を遂行した後、艦隊主要基地バルチースク市へ戻ってきた。

バルト艦隊給油船は、2017年8月から地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の艦船の物資リソースを保障した。
航海期間中、船の防護の為、給油船の上にはバルト艦隊海軍歩兵部隊が滞在していた。

中型海洋給油船「エリニヤ」は、2017年8月19日にバルト艦隊主要基地~バルチースク市から出航した。
給油船は200日以上に渡り航海を行ない、この間に船は11000海里以上を走破し、航行中及び投錨停泊中の艦船へ50回の補給を行ない、7000トン以上の液体貨物を渡した。
この他に給油船は、シリア・アラブ共和国及びキプロスの港への寄港を行なった。

船の歓迎へ捧げられる会合には、バルト艦隊司令部の代表、更には船員の家族と親類が出席した。
遠距離航海で功績のあった乗組員は表彰を受け、艦隊司令部から高価な贈り物と賞状が手渡された。



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プロジェクト160中型給油船(「アルタイ」型)の2番船「エリニヤ」は、フィンランドラウマ造船所で建造され、1968年2月21日に進水し、同年6月にソ連海軍へ引き渡されました。
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当初は黒海艦隊へ配備されていましたが、1996年にバルト艦隊へ転属しました。

「エリニヤ」は、2008年秋以降、2度に渡りアデン湾へ派遣されています。

1度目は、2008年10月28日から2009年1月7日まで警備艦「ネウストラシムイ」に随伴し、同艦のアデン湾海賊対処任務を支援しました。
[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

この間、2009年1月1日には民間船と間違えられてソマリア海賊に襲撃されました。
[警備艦「ネウストラシムイ」航海指揮官の記者会見]

2度目は、2013年5月から7月頃まで警備艦「ネウストラシムイ」に随伴し、同艦のアデン湾海賊対処任務を支援しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」はマルタ島訪問を終えた]
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

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「エリニヤ」は2017年8月19日にバルチースクを出航し、地中海東部へ向かいました。

2017年9月から地中海東部に滞在し、同海域で行動するロシア海軍艦船への物資補給に従事しました。

地中海東部滞在中にシリアタルトゥース港キプロスリマソール港へ寄港しています。

2018年2月中旬頃に地中海を去り、2月22日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、2月27日にバルチースクへ帰港しました。

ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの為のロシア製ガスタービンエンジンは2018年末までに納入される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月27日9時10分配信
【プロジェクト22350フリゲートは最初のロシア製ガスタービンエンジンを受け取る】
モスクワ、2月27日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト22350フリゲートは、『ODK-サトゥルン』社ウクライナ機器輸入代替プログラムの枠組みにおいて作成する最初のロシア製ガスタービンエンジンを2018年に受け取る。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、工場の総務取締役ヴィクトール・ポリャコフは語った。

「今日において、私共は、北方造船所で建造されているプロジェクト22350に関する受注を有しております。
最初の2基のユニットを、我々は今年には御引き渡しいたします。
御客様の定められた期限は、2018年の第4クオーター(10-12月)です」

彼は話した。

2014年から2017年までの期間に『サトゥルン』の生産施設において3つの海洋動力装置「M90FR」(出力27500馬力)、「ユニット-DKVP」(出力10000馬力)、「M70FRU-R」の試験-設計作業が行なわれた。
これらの装置は、モスクワキエフの関係悪化後にロシア連邦との協業が破綻したウクライナ企業『ゾーリャ機械設計』で製造されたエンジンの輸入からの今後のロシアの自立を保障する。

プロジェクト22350フリゲートは、自身で、そして艦船連合部隊の一員として、遠洋ゾーンで敵の水上艦及び潜水艦に対する戦闘活動の実施、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
独特な建造方式の上部構造物(ステルス)のおかげで、艦の放熱面は効果的に縮小され、電波位置特定(レーダー)及び光学的な可視性は減少した。
同プロジェクトのトップ艦「アドミラル・ゴルシコフ」は、2018年にロシア海軍への加入が予定されている。

プロジェクト22350フリゲートの排水量は4500トン、全長135メートル、幅15メートル。
フリゲートの兵装は、口径130mmの艦載砲A-192「アルマート」、16基の対艦ミサイル「オーニクス」あるいは「カリブル-NKE」の為の発射装置、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」から成る。



ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)

【科学生産合同「サトゥルン」公式サイト】
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【『科学製造合同アヴローラ』公式サイト】
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【国営企業ガスタービン製造科学工業複合体「ゾーリャ機械設計」公式サイト】
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なお、ロシアカルーガ市に在る非公開株式会社「科学製造国内企業トゥルボコン」は、公式サイトを持っていません。
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ソヴィエト連邦時代、ガスタービン搭載艦は、ニコラーエフ市61コムーナ造船所カリーニングラード州ヤンターリ造船所ゼレノドリスクゴーリキー造船所などで建造されていました。
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しかし、1991年末のソ連邦解体後、ガスタービン機関の部品を製造する会社と最終組立を行なう会社が別々の国に分かれてしまう事になり、何かと不都合が生じました。

そこで1993年、旧ソ連ガスタービン製造に関わっていた「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、「ゾーリャ機械設計」が集まり、合同企業「トゥルボルス」が設立されました。
【非公開株式会社『トゥルボルス』公式サイト】

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービン(M90FR)も、ロシアウクライナの企業の共同開発でした。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。

2014年3月末まで「ゾーリャ機械設計」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

ウクライナロシアガスタービンエンジン生産に関する「分業体制」が瓦解した為、ロシア海軍ガスタービン装備艦の建造は停滞しました。
[ロシア海軍の新型フリゲートの建造は停滞する]

プロジェクト22350フリゲートは1番艦と2番艦、プロジェクト11356Rフリゲートは1番艦~3番艦のガスタービンは供給されましたが、ウクライナは、それ以降のエンジンの引き渡しを拒否しました。
(代金はウクライナへ支払っていた)
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

この為、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になり、ルイビンスク『サトゥルン』社ガスタービンエンジンの最終組立施設を作る事になりました。
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]

2018年1月初頭、『サトゥルン』社ガスタービンエンジンの生産が始まりました。
[ルイビンスクのサトゥルン社はロシア海軍の為のガスタービンエンジンの生産を開始する]

これにより、プロジェクト22350フリゲートの3番艦以降のガスタービンエンジンも、ようやく供給の目途が立つ事になり、2018年末までに3番艦「アドミラル・ゴロフコ」用のエンジンが引き渡される予定です。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与された



『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月27日6時0分配信
【太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は勲章海軍旗を掲げた】

本日、ウラジオストクで、太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」親衛勲章海軍旗掲揚式典が開催された。

全乗組員の前で、同艦へナヒーモフ勲章を授与するロシア連邦大統領令が読み上げられ、その後、十字印と親衛リボンへ国家表彰の肖像を乗せた親衛旗が巡洋艦の旗竿へ掲げられた。
特に記念すべき出来事として、艦へ満艦飾旗が掲げられた。
式典では更に、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」へ、勲章と勲章リボンを付けた戦闘旗が広げられた。

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、ナヒーモフ勲章を授与されたロシア海軍で第3の艦である。
以前、北方艦隊原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」の乗組員が、同様の国家表彰を受けた。

[参照]
巡洋艦
は、1979年7月31日に『61コムーナ記念』造船工場ロケット巡洋艦「チェルヴォナ・ウクライナ」として起工された。

1982年7月27日に進水した。

1990年1月7日、巡洋艦ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍旗が掲揚された。

1990年9月~11月、巡洋艦セヴァストーポリ港からペトロパブロフスク・カムチャツキー港への艦隊間移動を行なった。

1996年2月9日、ロケット巡洋艦「チェルヴォナ・ウクライナ」は、海軍総司令官令により、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」へ改名された。

勤務中に巡洋艦は、様々な訓練において何度も艦隊で最高の艦と認定された。
巡洋艦は数十回の戦闘勤務と国際海軍演習を行なった。
2013年、「ワリャーグ」は長期に渡り地中海ロシア海軍常設艦船連合部隊の一員として任務を遂行した。

艦長はアレクセイ・ウリャネンコ親衛1等海佐である。



ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年1月7日就役)は、2017年4月1日から6月14日まで東南アジアへの遠洋航海を行ないました。
[親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ東南アジア遠征(2017年4月-6月)]

帰港後、6月末から7月初頭に掛けてオホーツク海で演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊主力水上部隊は対空戦闘演習を行なった]

2017年9月下旬、日本海及びオホーツク海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』(第2段階)へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

合同演習が終わった後もオホーツク海に滞在し、10月9日には、原子力水中巡洋艦「トムスク」と共に海上目標への有翼ミサイル発射訓練を行ないました。
(「ワリャーグ」対艦ミサイル「ヴルカーン」「トムスク」対艦ミサイル「グラニート」を発射)

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月9日3時47分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」及び潜水艦「トムスク」は水上標的への有翼ミサイル射撃を実施した】

10月12日には大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と共に対水上及び対空砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月12日6時7分配信
【太平洋艦隊の艦は水上及び空中標的への砲射撃を実施した】


10月14日にラペルーズ海峡を西へ通過し、その後、ウラジオストクへ帰港しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2018年2月2日には太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の演習の「相手役」を務めています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと共に演習を実施した]


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ナヒーモフ勲章ソ連邦時代の1944年に制定されたものですが、ソ連邦解体後にはロシア連邦へ受け継がれることになり、2010年にロシア連邦の国家勲章として改めて制定されました。

2015年12月29日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、「ワリャーグ」ナヒーモフ勲章が授与されると発表しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

それから2年以上経った2018年2月23日の「祖国防衛者の日」クレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「ワリャーグ」へ正式にナヒーモフ勲章を授与しました。

『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】
同日、北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」にはウシャコーフ勲章が授与されています。

それから4日後の2月27日、ウラジオストクに停泊している「ワリャーグ」で、新たに授与されたナヒーモフ勲章付き親衛海軍旗の初掲揚式典が開催されました。


記事中で触れられていますが、「ワリャーグ」の他に、北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」ナヒーモフ勲章を授与しています。

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、2012年7月28日にナヒーモフ勲章の授与が発表され、翌2013年1月10日、ウラジーミル・プーチン大統領が同艦を訪れてナヒーモフ勲章授与式が開催されました。
[プーチン大統領は北方艦隊基地を訪問する]


親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、2016年7月22日にロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将が同艦を訪れ、ナヒーモフ勲章授与式が開催されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]



ナヒーモフ勲章を授与された3隻の巡洋艦は、何れも遠洋航海を何度も行っていますが(例えば「ピョートル・ヴェリキー」「モスクワ」は2010年春に極東へ派遣された)「ワリャーグ」の場合、特に2度に渡り地中海東部へ派遣されています。

1度目は2013年11月初頭から2014年1月初頭頃まで地中海東部に滞在しました。
(2013年8月末出港・2014年1月25日帰港)
[ロケット巡洋艦ワリャーグ地中海遠征(2013年8月-2014年1月) ]

2度目は2016年1月初頭から5月初頭頃まで地中海東部に滞在しています。
(2015年11月2日出港・2016年7月18日帰港)
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

ロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型が開発される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月25日12時40分配信
【ロシアの戦闘機Su-57は将来航空母艦の為に適応できる】
モスクワ、2月25日、インタファクス

ロシアは、第5世代戦闘機Su-57の艦載ヴァージョンを取得できる。
クルイロフ国立科学センターの水上艦設計部長ワレンチン・ベロネンコは述べた。
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「決定が下された場合、それ(Su-57)は、甲板(航空母艦)の為に適応します」
ワレンチン・ベロネンコ
テレビ局『ズヴェズダー』の生放送で話した。

ロシア連邦国防省の海軍兵器軍事研究センターの艦船将来計画部長ウラジーミル・ペペリャエフは、ロシア将来航空母艦プロジェクトには、トランポリン(スキージャンプ)加速装置(カタパルト)の並行装備が提供されると述べた。
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「トランポリンと加速装置を併用すれば、全ての航空機の発艦能力が増加します」
ウラジーミル・ペペリャエフ
は話した。

Su-57(T-50、前線航空隊将来航空複合体、PAK FA)は、ロシア第5世代多目的戦闘機であり、スホーイ試作設計局により開発された。
それは、遠距離及び近距離戦闘における全ての種類の空中目標の破壊、敵の地上、水上目標の撃破、敵の対空防衛システムの突破、駐留場所から大きく離れた空中空間のモニタリングを行ない、敵の航空機の行動管制システムの破壊の為に意図されている。

PAK FAの初飛行は、2010年1月29日にコムソモリスク・ナ・アムーレで行なわれた。

最近、非公式情報筋から、4機の戦闘機Su-57シリアロシアグループへ登場した事が知られるようになった。
「我々の数多くの兵器はシリアでの評価が行なわれており、Su-57も、そこへ向かいました。
これは、新たな戦闘機の他の気候条件での試験、そして更には防塵の試験を行なうための機会です」

情報筋は『インタファクス』へ話した。



ロシア第5世代重戦闘機スホーイSu-57(T-50)は、2010年1月29日に試作機の初飛行が行なわれました。


現在までに10機の飛行試験用試作機と3機の地上試験用試作機が製造され、各種試験が行なわれています。

2017年12月5日には、新たなエンジン(製品30)を搭載したSu-57試作機の初飛行が行なわれました。


Su-57の第1次量産機12機(1個飛行隊分)の製造契約は2018年の署名が予定されており、最初の2機は2019年にロシア航空宇宙軍へ引き渡されます。
『タス通信』より
2018年2月8日6時0分配信
【(ロシア)国防省は2018年に12機の戦闘機Su-57の供給契約へ署名する】

Su-57は国家受領試験の第1段階を完了し、ロシア航空宇宙軍での「試験-戦闘運用」が始まっています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月8日7時17分配信
【最新戦闘機Su-57は試験-戦闘運用へ採用された】

将来的には、ロシア海軍将来航空母艦艦上戦闘機としてSu-57の艦上戦闘機型が作られる事になります。
ただ、具体的な開発時期は未だ決まっていないようですが・・・
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
[ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する]



記事中で触れられていますが、2018年2月下旬、シリアフマイミーン航空基地へ2機のSu-57が到着しました。
『インタファクス』より
2018年2月22日10時38分配信
【メディアはロシア第5世代戦闘機がシリアへ現れたと報じた】

Su-57シリアで兵装などの試験を行なうようです。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月23日8時58分配信
【シリアでSu-57の戦闘能力の試験が行なわれるかもしれない-情報筋】

その数日後、更に2機のSu-57フマイミーン航空基地へ到着しました。
(つまり、合計で4機)
『インタファクス』より
2018年2月24日10時57分配信
【シリアの活動家は更なる2機のロシアのSu-57がシリアに居ると伝えた】

ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月25日12時44分配信
【ロシア海軍の為の新たな航空母艦が建造される】
モスクワ、2月25日、インタファクス

ロシア海軍の為の新たな航空複合体が建造される。
ロシア連邦国防省の海軍造船兵器軍事研究センター所長ニコライ・マクシモフは述べた。
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「予見される航空複合体の建造には、航空母艦自身、航空団、駐留システムが含まれます」
ニコライ・マクシモフ
テレビ局『ズヴェズダー』の生放送で話した。

新たな航空母艦には、発艦の為のトランポリン(スキージャンプ)加速装置(カタパルト)が並行装備される。
ロシア連邦国防省の海軍兵器軍事研究センターの艦船将来計画部長ウラジーミル・ペペリャエフはテレビ局へ伝えた。
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「トランポリンと加速装置を併用すれば、全ての航空機の発艦能力が増加します」
ウラジーミル・ペペリャエフ
は話した。

クルイロフ国立科学センターの水上艦設計部長ワレンチン・ベロネンコによると、航空母艦の艦上には、その海洋ヴァージョンの作成が決定された場合、ロシア第5世代戦闘機Su-57が駐留できる。
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「決定が下された場合、それ(Su-57)は、甲板の為に適応します」
ワレンチン・ベロネンコ
は指摘した。

以前、『統合造船業営団』のトップは、新たな国家軍備プログラムにおいて、新たな航空母艦の為の「作業の定義」が規定されると述べた。

『インタファクス』が伝えたように、『クルイロフ国立科学センター』は、将来航空母艦の概念設計~プロジェクト23000E「シトルム」を開発している。
将来航空母艦プロジェクト23000E(コード名「シトルム」)は、未だ模型でのみ存在している。
艦のコンセプトは、『クルイロフ科学センター』(サンクトペテルブルク)『ネヴァ川計画設計局』と共同で開発している。
艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達し、それは90機までの航空機及びヘリコプターを搭載する。

2017年3月初頭、ドミトリー・ロゴージン副首相『インタファクス』のインタビューに対し、ロシア防衛産業企業体は、然るべき決定が下された場合、海軍の為の新たな航空母艦を建造する用意があると語った。



[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
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ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。

現在の所、将来航空母艦は、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が検討されています。

重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]


将来航空母艦艦載機は、2019年以降に配備予定のロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]

将来航空母艦には、艦載機発進の為のカタパルトが装備されます。
[ロシア海軍の為の将来正規空母はカタパルトを装備する]

将来航空母艦の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来航空母艦アイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来航空母艦の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]

将来航空母艦は、2016年6月16日にサンクトペテルブルク『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」(2019年就航予定)と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]
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将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]

将来航空母艦の建造は2023年~2028年の開始が計画されています。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
[ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される]

第6のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは2018年3月末にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月23日14時6分配信
【(ロシア)海軍は(2018年)3月に小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」を受領できる】
カザン、2月23日-ロシア通信社ノーボスチ

タタールスタン『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で建造されている小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は、3月にロシア海軍へ補充される。
金曜日、ロシア連邦国防省管理局長(艦船及び海洋兵器の国家防衛発注保障担当)パーヴェル・ペチコフスキーは発表した。

金曜日、『ゼレノドリスク工場』の造船台で、プロジェクト21631小型ロケット艦(株式会社『ゼレノドリスク計画設計局』により開発)シリーズの1隻「ナロ・フォミンスク」が起工された。
現在、5隻の同プロジェクト艦~トップ艦「グラード・スヴィヤージスク」と生産艦「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が、ロシア海軍で勤務に就いている。
更に5隻の同プロジェクト艦~「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「オレホヴォ・ズエヴォ」、「イングシェチア」「グライヴォロン」「グラード」が、様々な建造段階及び試験に在る。

「それ(小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」)は、昨年に納入されていなければなりませんでしたが、輸入代替措置の遂行に関連し、我々は、その受領を待つことになりました。
私が思いますに、3月には海軍へ、更なる1隻の戦闘ユニットが補充される事になりましょう」
ペチコフスキー
は報道陣へ話した。

彼は、輸入代替プログラムの実現により、現在、海軍の艦の為の全ての種類の基礎機器が国内で製造されている事を指摘した。

以前、ロシア連邦国防省は、黒海艦隊小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」が工場航行試験及び国家受領試験を完了すると発表した。
それは、全段階の試験を終えた後、2017年末までに海軍への受け入れが計画されていた。

プロジェクト21631小型ロケット艦は河川-海クラスの多目的艦であり、最も現代的な外観の砲、ミサイル、対水中工作、高射、電波工学兵装を装備する。
同プロジェクト艦の用途は、国家経済圏の保護と防護である。
特に、それは増加した排水量と、海上および沿岸目標の撃破の為に意図されている最新の長距離高精度ミサイル兵器~汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」を有する。



[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は2013年8月29日に起工され、2016年8月22日に進水しました。

「ブヤン-M」の1~5番艦はドイツMTU社製ディーゼルエンジンを装備していましたが、ヨーロッパ連合対ロシア制裁により以後の供給が停止した為、6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」以降は、ドイツ製ディーゼルをライセンス生産した中国製ディーゼルエンジンが装備されます。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦ブヤン-Mの6番艦以降は中国製ディーゼルエンジンを装備する]

艤装を完了した「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は、7月下旬から8月初頭に掛けて内陸水路経由でゼレノドリスクからノヴォロシースクへ回航されました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークはノヴォロシースクへ回航された]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは黒海での航行試験の準備を行なっている]
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9月5日、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は洋上試験の為に初めて出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは黒海で洋上試験を開始した]

9月19日からは、黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2016年3月11日就役)と洋上での合同訓練を開始しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークはフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"との合同訓練を行なう]

工場航行試験は2017年10月末に完了し、11月10日から国家受領試験が始まりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年11月10日17時2分配信
【小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」の国家試験が始まった】

「ヴイシニー・ヴォロチョーク」黒海東部(ノヴォロシースク近辺)で洋上試験を行なっていますが、12月中旬頃から同海域の天候が悪化し、洋上試験は何度も中断を余儀なくされました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年12月13日11時59分配信
【小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」の試験は天候に妨げられている】

「ヴイシニー・ヴォロチョーク」ロシア海軍への引き渡しは2017年末に予定されていましたが、12月末になっても試験が完了しなかった為、2018年に延期されることになりました。
[第6のブヤン-M小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークのロシア海軍への引き渡しは2018年に延期される]

今回の記事によると、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」ロシア海軍への引き渡しは2018年3月末になるようです。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に11隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で建造されています。
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[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2018年春就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2020年就役予定

建造番号640「グラード」Град
2017年4月24日起工/2020年就役予定

建造番号641「ナロ・フォミンスク」Наро-Фоминск
2018年2月23日起工/2021年就役予定


現在の所、プロジェクト21631は12番艦までの建造が計画されています。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]
[ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦の10番艦グラードは起工された]

プロジェクト21631の主要兵装は、有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
「カリブル」には、対艦攻撃型(最大射程375km)と対地攻撃型(最大射程2500km)が有ります。
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[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

従来の小型ロケット艦は対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。

ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンはシリア沖へ到着した

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月24日9時0分配信
【海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は地中海の海軍常設連合部隊の一員として加わった】
モスクワ、2月24日、インタファクス-AVN

黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地から、海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」地中海ロシア海軍常設連合部隊の一員としての任務遂行に着手した。
土曜日に『インタファクス-AVN』黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐より伝えられた。

彼は、対機雷艦が2月21日に駐留地点から出航した事を想い起こした。

「今年は、掃海艦の乗組員にとって、初めての遠海ゾーンへの航海となります」
士官は話した。

現在、地中海常設連合部隊の一員として、約15隻の黒海艦隊戦闘艦及び支援船が行動している。



プロジェクト02668「アガート」海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、元々はベトナム海軍向けのプロジェクト266MEとして1994年にサンクトペテルブルクで起工されましたが、ベトナムがキャンセルした為に工事は中断しました。

その後、新世代掃海艦の為の機器のテスト用として建造が再開される事になり、2006年5月26日に進水しました。
[新型掃海艦プロジェクト02668「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」]

2007年7月25日からフィンランド湾で洋上試験を開始しました。
[新型掃海艇「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」洋上テスト開始 ]

洋上試験は2008年も続けられました。
[新型掃海艇「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」近影(2008年2月23日) ]
[新型掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリン近影(2008年6月12日) ]

2008年7月29日に内陸水路経由で黒海沿岸ノヴォロシースクへ回航されました。
[ノヴォロシースクの掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」]

2009年1月17日にノヴォロシースクで海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍新掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」就役 ]

以後、ノヴォロシースク海軍基地をベースに黒海で活動しています。

2017年4月5日には黒海東岸トルコ海軍との合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

就役以来、黒海から出た事の無かった「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」でしたが、2018年1月21日にボスポラス海峡を南下し、初めて地中海へ入りました。

2月24日までにシリア沖へ到着しました。

ロシア海軍は、2016年3月以降、シリア沖掃海艦を1隻ずつ交代で派遣しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の掃海艦はシリア沖で活動する]


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」(黒海艦隊):2017年11月3日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年2月22日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2017年11月3日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
水路調査船「ドヌズラフ」(黒海艦隊):2017年11月19日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-56(黒海艦隊):2017年10月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

昨年11月から地中海東部に居る海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」は、「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」と交代で帰路に就く事になるようです。

地中海東部にはロシア海軍偵察艦が交代で1隻ずつ派遣されており、2017年末からはバルト艦隊中型偵察艦SSV-520「アドミラル・フョードル・ゴロヴィン」が滞在していましたが、同艦は2月20日頃に地中海を去り、現在は黒海艦隊中型偵察艦「エクヴァトル」が派遣されています。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月20日16時51分配信
【地中海でロシア海軍の偵察艦の交代が行なわれた】

シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を行なったロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーは母港への帰路に就いた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年2月22日23時33分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」はラマンシュ海峡を通過する】

世界の大洋の作戦的に重要な海域における遠距離航海任務の遂行を完了した北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、ラマンシュ海峡へ入った。
現在、ロシア船員は、海況の最も狭い部分~パ・ド・カレーを通過している。

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」乗組員は、北海の不利な水文気象条件下での航行を準備し、暴風下での艦の材料部分および資材の固定の点検を行なっている。

艦は、昨年9月12日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから遠距離航海へ出発した。
5ヶ月間に渡り乗組員は地中海ロシア海軍常設グループの一員として活動し、与えられた任務を遂行した。

北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、航海時に数千海里を走破した。
その基地への帰投は、3月前半となる。



北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(1978年就役)は、2014年11月下旬から2016年6月末まで地中海東部への遠距離航海を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーは1年7ヶ月に及んだ長期航海を終えて帰港した]

2017年5月下旬には北方艦隊の演習へ参加しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年8月10日に北極圏遠征へ出発し、8月21日にはエニセイ川ドゥディンカ近辺で上陸演習を行ないました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊はエニセイ川で上陸演習を行なった]

その後、遠征部隊本隊と別れて母港セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
[北極圏遠征中のロシア海軍北方艦隊艦船部隊は2つのグループに分かれた]

北極圏航海から戻って間もない9月12日にセヴェロモルスク港を出港し、大西洋へ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年9月13日13時9分配信
【北方艦隊の大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は遠距離航海へ出発した】

9月21日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年9月21日9時43分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」はラマンシュ海峡を通過した】

9月25日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

その後、地中海東部へ到着し、10月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

以後、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就きました。
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・2017年10月22日にボスポラス海峡を南下、11月1日に北上
・11月11日にボスポラス海峡を南下、11月下旬頃に北上
・12月25日にボスポラス海峡を南下


2018年1月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、1月22日に同海峡を南下して地中海へ入りました。

これで「アレクサンドル・オトラコフスキー」「シリア・エクスプレス」任務を終えて母港セヴェロモルスクへの帰路に就き、2018年2月23日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。


現在、バルト艦隊からも「シリア・エクスプレス」任務の為に大型揚陸艦「ミンスク」地中海東部へ派遣されています。
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ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦ナロ・フォミンスクは起工された

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『タス通信』より
2018年2月23日12時33分配信
【タタールスタンでロシア連邦海軍の為の小型ロケット艦「ナロ・フォミンスク」が起工された】
カザン、2月23日/タス通信

ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦「ナロ・フォミンスク」は、金曜日・祖国防衛者の日に、タタールスタン『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で起工された。
『タス通信』特派員は現地より報告した。

「一度に2つの祭日を共にする機会に、感謝の意を表したいと思います。
ナロ・フォミンスクと命名された11番目のプロジェクト21631小型ロケット艦は起工されました。
我々の艦は、その高い運用特性、戦闘能力を証明しており、現在、カスピ小艦隊と黒海艦隊で就航中です」
ロシア連邦国防省
管理局長(艦船及び海洋兵器の国家防衛発注保障担当)パーヴェル・ペチコフスキーは話した。

「ナロ・フォミンスク」は、合計12隻から成るプロジェクト21631艦の最新である。

「小さな排水量に、それは複合体カリブルを装備しています。
これは長射程有翼ミサイルであり、シリアにおける対テロ作戦中に、その高い効率性を示しました
ペチコフスキー
は説明した。

艦の開発者は、『ゼレノドリスク計画設計局』である。

プロジェクト21631小型ロケット艦は、2010年からロシア連邦海軍の為に工場で建造されている河川-海クラスの多目的艦であり、現代的な外観の砲、ミサイル、対水中工作、高射、電波工学兵装を装備する。

同プロジェクト艦の用途は、国家経済圏の保護と防護である。

現在、5隻の同プロジェクト艦~トップ艦「グラード・スヴィヤージスク」と生産艦「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」、「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」が、ロシア海軍で勤務に就いている。
今日において、『ゼレノドリスク工場』の造船台では、更に5隻の同プロジェクト艦~「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「オレホヴォ・ズエヴォ」、「イングシェチア」「グライヴォロン」「グラード」の建造が進められている。

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』は、ロシアの大規模かつ戦略的に重要な造船企業の1つである。
120年にわたる業務で、工場は1500隻以上の海洋及び河川艦、様々なクラス及び用途の船を建造した。



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[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に11隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で建造されています。
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[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2018年春就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2020年就役予定

建造番号640「グラード」Град
2017年4月24日起工/2020年就役予定

建造番号641「ナロ・フォミンスク」Наро-Фоминск
2018年2月23日起工/2021年就役予定



現在の所、プロジェクト21631は12番艦までの建造が計画されています。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]
[ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦の10番艦グラードは起工された]

プロジェクト21631の主要兵装は、有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
「カリブル」には、対艦攻撃型(最大射程375km)と対地攻撃型(最大射程2500km)が有ります。
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[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

従来の小型ロケット艦は対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。


2015年10月7日、カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻(「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)は、カスピ海からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2016年8月19日には、黒海艦隊「ブヤン-M」2隻が地中海東部(シリア沖)からシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2018年5月下旬に進水する

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『タス通信』より
2018年2月20日14時48分配信
【大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は2018年5月に進水する】
カリーニングラード、2月20日/タス通信

沿バルト造船工場『ヤンターリ』ロシア海軍の為に建造している大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、2018年5月の進水を計画している。
『タス通信』は、造船所の広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「5月後半には大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは進水しなければなりません」
彼は話し、同艦の海軍への引き渡しの実施は、以前に計画されているように2018年であると付け加えた。

ミハイロフによると、2017年に揚陸艦は最初の技術的段階~造船台における艦の船体の組み立ての完了~を終了し、そして2018年には「受注品は、メインエンジン一式の交換を含めた大規模な作業が予定されています」

対談者は、専門家が「大型揚陸艦のトップ(註:「イワン・グレン」)の試験中に発覚した艦の制御の問題を除去する為の困難な操作を行なっている」と説明した。

工場『ヤンターリ』広報秘書官は、受注建造責任者セルゲイ・パンフィロフの指摘を引用した。
「これら全ての作業は4月末には完了しなければならず、5月後半には艦は進水しなければなりません」

プロジェクト11711大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2015年6月11日に起工され、現在、造船台で進水前の位置に在る。

同プロジェクト艦は『ネフスキー計画設計局』により開発され、5000トンの排水量を有する。
艦は、13両の戦車、36両の装甲兵員輸送車あるいは歩兵戦闘車、300名の揚陸隊員を収容する。
指定場所へ強化された標準装備の海軍歩兵中隊を送り届け、ポンツーンにより上陸させる能力が見込まれている。
艦の兵装は、口径30mmの6銃身自動砲から成り、甲板の格納庫には2機の輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。



[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。



そして起工から約3年を経て、2018年5月下旬に進水します。

現在の所、「ピョートル・モルグノフ」は2018年末にロシア海軍へ引き渡される予定です。


プロジェクト11711大型揚陸艦の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定です。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]

ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている

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『タス通信』より
2018年2月19日9時10分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」の修理の為の全ての必要な書類は用意されている】
モスクワ、2月19日/タス通信

航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の全ての設計書類は、艦の修理の為に全て用意されている。
『タス通信』のインタビューに対し、『ネフスキー計画設計局』総取締役セルゲイ・ウラソフは話した。

「この艦の全ての設計書類が我々の所に存在しているのは、簡単なことではありませんでした。
これらは修正され、建造へ使用されました。
1990年代初頭、我々は、黒海工場から全ての事前通知を受けました~訂正、建造中の修正、艦の引き渡し及び試験に関する」

彼は話した。

ウラソフによると、『ネフスキー計画設計局』は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』、プロレタリア工場や、ロシア唯一の航空母艦の修理に関わる他の企業と合同で作業を進めている。

「我々は、海軍から示されたアドミラル・クズネツォフの為のあらゆる作業に関する設計を用意しております」
設計者は強調した。

彼は、修理中に航空母艦には、然るべき品質の飲料水を一度に提供する新たな淡水化装置が設置されると付け加えた。

以前、『タス通信』ロシア防衛産業企業体の情報提供者から伝えられたように、3年と見積もられている航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化修理の契約は、2018年第1クオーター(3月末まで)にロシア連邦国防省統合造船業営団との間で署名される。



セルゲイ・ウラソフ氏へのインタビュー記事。
『タス通信』より
2018年2月19日9時0分配信
【『ネフスキー計画設計局』:「アドミラル・クズネツォフ」乗組員の為の条件は改善される】



『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月20日14時6分配信
【『統合造船業営団』は「アドミラル・クズネツォフ」近代化の契約への署名を計画している】
モスクワ、1月20日-ロシア通信社ノーボスチ

今日におけるロシア連邦海軍唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の契約は、近い内の署名が計画されている。
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ語った。

「私が思いますに、非常に間もなくです。
従いまして、私達は、非常に速やかに技術的課題の形成を終えなければなりません」

彼は、報道陣の質問に答え、こう話した。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日までにかけて、6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になります。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(セヴェロドヴィンスク)
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『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基が新品に交換されるのは確実であり、ムルマンスク『第35艦船修理工場』には、2017年8月下旬に同艦の為の新造のボイラーが届けられています。
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近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まる]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まり、3年間に渡る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

以前には500億ルーブルと伝えられた「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装費用は、「ほぼ半分」(250億ルーブル程度)に減らされる事になるようです。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の予算は500億ルーブルよりも減らされる]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約への署名は、2018年3月末までに行なわれ、署名後に工事が開始されます。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約への署名は2018年1月~3月に行なわれる]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は契約署名と同時に始まる]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月20日6時14分配信
【太平洋艦隊の艦は仮想敵潜水艦の捜索と破壊の任務を果たした】

太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、第2錬成任務(K-2)の要素への取り組み中、仮想敵潜水艦の捜索、探知、破壊の任務を成功裏に果たした。

日本海の戦闘訓練射爆場で、艦の乗組員は、太平洋艦隊海軍航空隊艦載ヘリコプターKa-27PLと連携して対潜活動~仮想敵潜水艦の捜索、探知、破壊の為の練習を行なった。
仮想敵の役割は、太平洋艦隊ディーゼルエレクトリック潜水艦の内の1隻が演じた。

対潜任務の遂行中にヘリコプターKa-27PL乗員は潜水艦を探知し、その座標を艦へ転送した。
大型対潜艦の乗組員は受け取った情報を処理し、各部局は、仮想敵潜水艦の分類と追跡の複合活動を行なった。
その後、大型対潜艦は、対潜魚雷の発射を仮想実行し、反応深海爆雷の発射を実際に行なった。

以前、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」の乗組員は、海上及び空中目標を砲撃で成功裏に撃破した。
この他、狭い場所の航行の課題へ取り組み、様々な部署の演習と訓練を行なった。



大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)は、2018年1月19日にピョートル大帝湾で地上及び海上目標への砲撃を含む各種演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

翌1月20日にはピョートル大帝湾捜索救助ヘリコプターKa-27PSを使った海上での捜索救助訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で捜索救助訓練を行なった]

2月14日にはピョートル大帝湾で対空・対水上砲撃訓練やダメージコントロール、対水中工作訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で演習を行なった]


大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2018年1月17日にはピョートル大帝湾ヘリコプターKa-27の発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年1月17日5時8分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊のヘリコプターKa-27乗員は大型対潜艦からの離艦及び着艦へ取り組んだ】

1月30日には、沿海地方に駐留する太平洋艦隊航空隊対潜哨戒機Il-38を敵機に見立てた対空防衛演習や、艦載ヘリコプターの発着訓練などを行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で演習を実施した]

2月2日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」の演習の相手役として、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が出てきました。
「ワリャーグ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」の戦闘訓練の「敵役」を務め、その後、救助訓練で「遭難船」の役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと共に演習を実施した]

2月13日には日本海で砲撃及びミサイル発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で実弾射撃訓練を行なった]


そして2月20日、これまでは別々に海上訓練を行なっていた「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、日本海で対潜戦闘訓練を実施しました。

訓練には「敵役」として、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する太平洋艦隊ディーゼル潜水艦1隻が参加しました。

ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月16日8時47分配信
【ウラジオストクでの軍艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の火災は(機関)室の機器の取り外しの際に発生した】
モスクワ、2月16日、インタファクス-AVN

太平洋艦隊軍艦「マルシャル・シャーポシニコフ」への引火は、機関室への重要な機器の1つの設置の際の溶接作業時に引き起こされた。
金曜日、『インタファクス』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

太平洋艦隊大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は2015年から修理されている。
それは、艦船修理工場『ダーリザヴォート』(ウラジオストク)で進行中である。

「溶接作業時に木製の足場が燃え出しました。
火気作業の実施は、基礎設備の下で準備されました。
機関室への設置の際に引火しましたが、そこは空であり、機器は取り外されていました」

彼は話した。

情報提供者によると、他の設置された火気には燃え移っていない。

金曜日の以前、太平洋艦隊広報サービス部長ニコライ・ヴォスクレセンスキーは、火災は消し止められ、被害者は居ないと発表した。
火災により、設備は著しい損害を被っていない。

大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、遠距離航海において、インド洋での船舶航行の安全を保障する作戦へ一度ならず参加している。
2010年5月、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」の解放作戦を実施した。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工された。
1986年2月に太平洋艦隊の戦闘編制へ加入した。

修理後、同艦は、新たなミサイル及び砲兵装、更には現代的な電波電子戦闘システムと通信システムの取得が見込まれている。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月25日に出港しています。
アデン湾到着後の5月6日には、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]


2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]


2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


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2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォート』で近代化改装工事が始まりました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

この他、有翼ミサイル「カリブル」垂直発射機3S-14も装備されるようです。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】

6隻のプロジェクト1155大型対潜艦が、2022年までに近代化改装を行ないます。
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ型)5隻は2022年までに近代化改装される]


現地時間2018年2月16日10時4分(モスクワ時間で3時4分)、『ダーリザヴォート』で修理中の「マルシャル・シャーポシニコフ」で火災が発生しました。
『タス通信』より
2018年2月16日4時29分配信
【ウラジオストク港で太平洋艦隊の大型対潜艦が燃え出した】
現地時間10時10分には11台の消防車と約50名の消防隊員が現場に到着し、消火作業が始まりました。
10時30分には艦に乗っていた106名が避難しました。

モスクワ時間で6時頃までに火災は鎮火しました。
『タス通信』より
2018年2月16日6時6分配信
【ウラジオストクにおける太平洋艦隊の軍艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の火災は消し止められた】

火災の原因は、溶接作業中に木製の足場へ引火した事によるもののようです。

ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2019年-2020年に開始できる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月15日12時32分配信
【『ロシアン・ヘリコプターズ』は艦上打撃機「カトラン」の量産は1~2年後に開始できると述べた】
アルセーニエフ(沿海地方)、2月15日、インタファクス-AVN

ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』(『ロシアン・テクノロジー』)は、艦載打撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」の試験完了は今年を見込んでおり、量産への移行は2019~2020年になる。
『インタファクス-AVN』のインタビューに対し、ホールディングスの総取締役アンドレイ・ボギンスキーは述べた。

「国家軍備プログラム(2018~2027年の)プロジェクトには、海軍の為のヘリコプターのヴァージョン"カトラン"が存在します。
これに関する契約は未だ有りませんので、正確な時期について御話しするのは難しいですね。
私共は、2019~2020年になると見ておりますが」
アンドレイ・ボギンスキー
Ka-52Kの量産開始時期についての質問に答え、こう言った。

Ka-52Kは、打撃ヘリコプターKa-52「アリガートル」の艦上ヴァージョンである。

アンドレイ・ボギンスキーは、ホールディングスが新たなヘリコプターの海上試験の完了を今年と見込んでいる事を指摘した。
「私共は望んでいます。
何はともあれ、国防省の我々の同僚が同様の希望を持っており、我々の希望、我々の能力と重なる事を」
アンドレイ・ボギンスキー
は話した。

ロシア連邦国防省が発表したように、Ka-52K「カトラン」は、将来の国産ヘリコプター母艦における戦闘使用が決定されている。

この他に、ヘリコプター母艦「ミストラル」へ装備する為のKa-52Kの供給に関するエジプトとの交渉は続いている。
2017年夏、ロシアカイロへのヘリコプター「カトラン」供給の入札に勝利した事が公表された。

戦闘ヘリコプターKa-52K「カトラン」は、パトロール、沿岸へ上陸する揚陸部隊への火力支援、前面地域及び戦術的縦深での対揚陸防衛の任務を果たす為に意図されている。

「カトラン」は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海の枠組みにおいて、試験飛行を成功裏に行なった。



艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、当面の間は重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]


北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国アル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]

このシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
ただし、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBとは違い、戦闘には参加していないようですが・・・
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]

「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]

ロシア海軍向けのKa-52Kの為の契約は、2019年に締結される見込みです。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される]

早ければ、2019年にはKa-52Kの量産が開始されるでしょう。

Ka-52Kは、2020年以降に建造が開始される汎用ヘリコプター母艦「プリボイ」級の搭載機となります。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日16時21分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」の修理は2019年に完了する】

プロジェクト11540警備艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』での修理後、2019年初頭に海軍へ引き渡される。
『Mil.Press FlotProm』は、海軍の消息筋より伝えられた。


彼は、2月14日・水曜日に発生した同艦の火災が、海軍への引き渡し時期に如何なる影響を及ぼしたのかについては明らかにしなかった。

「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で2014年から修理されている。
それは、2016年末の復帰が計画されていたが、問題点の洗い出しにより、大量の追加作業が必要となった為、警備艦の引き渡しは2017年11月に延期された。

『Mil.Press FlotProm』の海軍の情報提供者によれば、警備艦の船体及び船体構造は既に修復されており、動力装置の作業の完了が残されている。
それ(動力装置の作業)は『メタリスト-サマーラ』が実行している。
同社の技術ディレクター、アレクサンドル・カルプヒンによると、工場は、合意に正確に沿って同艦のガスタービンエンジンの作業を遂行している。

同プロジェクトの警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」の元乗組員の1人によると、このタイプの艦は、充分に信頼できる。
同時に、ウクライナ製ガスタービンの輸入代替問題及びニコラエフ企業『ゾーリャ機械設計』との契約破棄が故の困難さが確定した。
工場製造者によるガスタービンエンジンの技術的サービスに伴って行なわれている事について言えば、対談した士官は報道紙へ、仕上げは公文書に対応していると付け加えた。

2月14日、『Mil.Press FlotProm』は、工場『ヤンターリ』での警備艦の明確な修理完了時期に関し、同社広報サービスから対する質問への答えを得られなかった。

「ネウストラシムイ」は、プロジェクト11540警備艦のトップであり、1993年に『ヤンターリ』で建造された。
それは、敵潜水艦の捜索、探知、追尾及び破壊、海上における戦闘艦及び船舶の対艦及び対潜防衛の為、海上および基地で水中及び水上目標へ打撃を与え、陸軍の戦闘行動の支援、上陸支援、更には、海上揚陸部隊のカバーの為に意図されている。
バルト艦隊に加入している。



プロジェクト11540警備艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。

就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)
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就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。

2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。

警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート
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そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]

2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]

2012年7月から9月に掛けて北方艦隊大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]

「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後はカリーニングラード『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装が行なわれています。
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ガスタービン機関は、サマーラ工場で修理されています。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]

当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]

そして2017年11月の復帰も実現せず、未だに『ヤンターリ』で修理中です。


モスクワ時間で2018年2月14日14時30分頃、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】

「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年初頭と、更に延期される事になりました。

なお、以前に『ヤンターリ』総取締役エドゥアルト・エフィモフ氏も、『インタファクス』のインタビューに対し、「ネウストラシムイ」は2019年には海軍へ復帰できると話しています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
【沿バルト造船工場『ヤンターリ』総取締役:警備艦「ネウストラシムイ」は2019年に復帰できる】
このインタビューは火災発生前のものですから、どのみち、同艦の修理完了予定は2019年となっているようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月14日5時45分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は砲射撃を実施した】

太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、第2錬成任務(K-2)の要素への取り組み中に、仮想敵の空中攻撃手段からの攻撃を成功裏に撃退し、海上目標を砲で撃破した。

艦隊の戦闘訓練射爆場で、艦の乗組員は、太平洋艦隊海軍航空隊航空機Il-38NTu-142M3が役割を演じた仮想敵空中攻撃手段からの攻撃を撃退した。

対空防衛任務への取り組みにおいて、大型対潜艦の砲手は、100mm砲装置から空中目標への射撃を実施した。
その後、対潜艦は、海洋曳船MB-92の支援の下で、仮想敵の水上目標を模した海上曳航盾への複合砲射撃を実行し、浮遊海上「機雷」の破壊の為に砲装置AK-630が使用され、電波電子妨害の発信へ取り組み、航行中の艦の生存闘争(ダメージコントロール)演習を実行し、更には、無防備の泊地へ停泊する大型対潜艦の一連の対水中工作活動を実施した。
その後、艦はピョートル大帝湾海域での任務遂行を続ける。

以前、沿岸、海上、空中目標へのミサイル及び砲射撃が、同じ連合部隊の艦~大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」により実施された。



プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、1980年4月19日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のA.A.ジダーノフ記念造船工場(現「北方造船所」)で起工され、1983年3月26日に進水し、1986年2月15日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[ウダロイ型6番艦「アドミラル・トリブツ」]

2009年6月29日から11月16日まで初のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
[ロシア海軍第4次ソマリア遠征]

2011年12月10日から2012年5月3日まで2度目のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
アデン湾から帰港途中に中国海軍との合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装が始まりました。

ガスタービンエンジンクロンシュタット海洋工場で修理されました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]

「アドミラル・トリブツ」の近代化改装は電子機器の交換がメインであり、新たに汎用射撃管制システム「バギラ-M」、戦闘情報管理システム「シグマ」、航海レーダーMR-231、MR-231-3が搭載されました。

汎用射撃管制システム「バギラ-M」
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【戦闘情報管理システム「シグマ-E」】

【航海レーダーMR-231】

【航海レーダーMR-231-3】

これに伴い、ディーゼル発電機も、従来の200kw×1基から300kw×2基に換装されました。


近代化改装を終えた「アドミラル・トリブツ」は、改装後の試験を兼ねて出航し、2016年6月20日に他の艦艇と共に宗谷海峡を東へ通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡通過(2016年6月20日)]

2016年7月に艦隊へ復帰しました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

2016年9月4日にウラジオストクを出航して中国へ向かい、中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加し、10月5日に帰港しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

2016年10月15日にウラジオストクを出航し、インド洋へ向かいました。
12月14日から21日までインドを訪れ、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]
インドからの帰路にフィリピン、韓国、日本を訪問し、2017年1月25日にウラジオストクへ帰港しました。

2017年2月6日、海上での戦闘訓練を行なう為、ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは戦闘訓練の為に出航した]

2017年2月8日には対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは戦闘機Su-35Sと対空戦闘訓練を行なった]
,
2017年6月15日には沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する艦上対潜ヘリコプターKa-27PL及び艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]

2017年9月下旬には、日本海オホーツク海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

2017年9月24日には他の合同演習参加艦船と共にラペルーズ海峡を東へ通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

合同演習終了後もオホーツク海・カムチャツカ方面に留まり、10月28日にラペルーズ海峡を西へ通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2018年1月19日、「アドミラル・トリブツ」ピョートル大帝湾で地上及び海上目標への砲撃を含む各種演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

翌1月20日にはピョートル大帝湾捜索救助ヘリコプターKa-27PSを使った海上での捜索救助訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で捜索救助訓練を行なった]

そして2月14日、ピョートル大帝湾で対空・対水上砲撃訓練やダメージコントロール、対水中工作訓練を行ないました。

対空射撃訓練には、沿海地方に駐留する対潜哨戒機Il-38NTu-142M3「敵役」として協力しました。

対水上砲撃訓練には、海上曳船MB-92に曳航された海上盾(対水上射撃訓練用の標的)が使われました。

記事中で触れられていますが、前日の2月13日には同型艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」日本海で砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で実弾射撃訓練を行なった]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で実弾射撃訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月13日0時20分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は日本海でミサイル及び砲射撃を実施した】

3昼夜に渡る出航計画の下で、船員は仮想敵の永久堡塁を模した沿岸射爆場の標的への100mm砲による砲射撃を行ない、その後、水上目標への砲の試射を行なった。

敵の空中攻撃手段からの艦の組織的防衛の演習中、目標を撃破する為に「アドミラル・ヴィノグラードフ」の砲が使用され、高射ミサイル複合体「キンジャール」ミサイル発射が実行された。

更に、戦闘訓練射爆場で乗組員は海上浮遊機雷の破壊及びパッシブ妨害発信の課題へ取り組んだ。

艦の任務遂行を太平洋艦隊補助船及び海軍航空隊航空機Il-38が支援した。



大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)は、2016年3月末にウラジオストクを出航し、東南アジア及び太平洋海域への遠洋航海を実施しました。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]

この遠洋航海中の2016年4月中旬にはアジア太平洋地域国際海軍演習『コモド-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフが参加した国際演習『コモド-2016』は終了した]

2016年5月には国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは国際海軍演習『ADMMプラス-2016』へ参加する]

2016年7月にはハワイ沖まで行きました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはハワイ沖へ現れた]

2016年8月8日にウラジオストクへ帰港しました。



その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようです。

2017年4月4日、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は久々に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘及び機雷掃討訓練を行なった]

4月5日には対水上、対空砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海で砲撃訓練を行なった]

4月11日~12日には沿海地方ニコラエフカ基地艦載ヘリコプターKa-27が、出航した大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」で発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは日本海でヘリコプターの発着艦訓練を行なった]


2017年10月2日、ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」の3隻は、アジア太平洋地域への遠距離航海の為、ウラジオストクを抜錨しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・パンテレーエフはアジア太平洋地域への遠距離航海へ出発した]

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まず最初に、10月12日にブルネイムアラ港を訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月12日4時20分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はブルネイへ業務寄港の為に到着した】

10月17日にムアラを出港し、ブルネイ海軍と合同演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月17日8時30分配信
【太平洋艦隊艦船はブルネイ海軍と合同演習『PASSEX』を実施した】

10月20日にフィリピンマニラを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月20日4時37分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンへ業務寄港の為に到着した】


支隊は10月26日にマニラを出港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月26日10時58分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンへの寄港を完了した】

その後、「アドミラル・ヴィノグラードフ」艦船支隊と別れて帰路に就き、11月9日にウラジオストクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月9日7時57分配信
【大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は遠距離航海からウラジオストクへ戻った】

「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、2017年11月20日にウラジオストクを訪問した日本海上自衛隊護衛艦「はまぎり」のホストシップを務めました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月20日6時44分配信
【ウラジオストクへ日本自衛海軍の駆逐艦「ハマギリ」が到着した】

2017年11月25日には日本海上自衛隊護衛艦「はまぎり」との合同救助演習『SAREX(Search and Rescue Exercise) -2017』を実施しました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月25日7時13分配信
【太平洋艦隊及び日本の艦船は海上で合同捜索救助演習「SAREX-2017」を実施した】
太平洋艦隊からは「アドミラル・ヴィノグラードフ」の他に救助曳船「アラタウ」水路調査艇「BGK-2151」が参加しました。

2018年1月17日にはピョートル大帝湾ヘリコプターKa-27の発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年1月17日5時8分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊のヘリコプターKa-27乗員は大型対潜艦からの離艦及び着艦へ取り組んだ】

1月30日には、沿海地方に駐留する太平洋艦隊航空隊対潜哨戒機Il-38を敵機に見立てた対空防衛演習や、艦載ヘリコプターの発着訓練などを行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で演習を実施した]

2月2日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」の演習の相手役として、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が出てきました。
「ワリャーグ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」の戦闘訓練の「敵役」を務め、その後、救助訓練で「遭難船」の役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと共に演習を実施した]


そして2月13日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」日本海で砲撃及びミサイル発射訓練を行ないました。

ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は領空侵犯機の迎撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月12日8時12分配信
【カムチャツカで太平洋艦隊海軍航空隊当直部隊の訓練が実施された】

カムチャツカ太平洋艦隊海軍航空隊の当直部隊の計画訓練が実施され、その中で戦闘機飛行士はロシア領空への仮想侵入者の迎撃を行なった。

夜間にロシア領空へ模擬侵入する空中境界線への侵入者の役割は、太平洋艦隊海軍航空隊航空機MiG-31が演じた。

仮想侵入者の迎撃には、エリゾヴォ飛行場(カムチャツカ地方)から警告の為、目標を検出、識別、追尾する全天候迎撃戦闘機MiG-31乗員が上がった。
迎撃機の内の1機は、訓練中に侵入航空機へのミサイルの電子発射を行なった。

自立して「侵入者」の捜索及び破壊を行なうMiG-31乗員の困難な任務の為、地上の対空防衛手段の能力が最小限用いられた。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]

4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

5月19日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での迎撃訓練を行なった]

6月16日にはカムチャツカ半島及び太平洋の上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31はカムチャツカ半島で空中戦闘訓練を行なった]

7月17日には超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は超音速巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった]


その後も、エリゾヴォ基地MiG-31は、度々各種の飛行訓練を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月31日8時0分配信
【太平洋艦隊のMiG-31飛行士は空中での燃料補給へ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月15日6時36分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は困難な気象条件でのフライトへ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月17日10時40分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の高速迎撃機MiG-31乗員は困難な気象条件でフライトを行なった】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月23日6時2分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は仮想敵の航空機を成層圏で破壊した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月11日3時20分配信
【高速迎撃戦闘機MiG-31乗員はカムチャツカ及び太平洋上空での夜間空中戦闘実施の習熟へ取り組んだ】


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月20日3時55分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】



2018年1月23日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は成層圏戦闘訓練を行なった]


なお、MiG-31を開発したロシア航空機製造会社『ミグ』は、MiG-31の後継機MiG-41の開発に着手します。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年6月14日9時59分配信
【ロシアはMiG-31を代替する新たな迎撃戦闘機の開発を始めた】

ミグ社は、MiG-31を代替する「遠距離迎撃将来航空複合体」の概念設計を行なっています。

ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年2月11日11時1分配信
【練習艦「ペレコプ」は海上での錬成任務K-2へ移行する】

艦の出航に先立ち、駐留条件における毎日の組織的及び戦闘活動といった艦自身の準備を含む駐留所における専門の錬成任務K-1の様々な活動が実施された。

海上で乗組員は艦内演習を実施し、生存の為の闘い(ダメージコントロール)、無防備の泊地への停泊中の艦の対水中工作防衛の訓練を行なう。
この段階が完了すれば、練習艦の乗組員は、海上および空中目標への実地砲射撃を行なう。

現在、「ペレコプ」は、初めて行くルートとなる北極航路への遠距離航海の準備を続けている。

艦の航海の枠組みにおいて4つの大洋の通過が計画されており、セヴァストーポリ及びウラジオストクへ寄港して生徒の交代が行なわれる。



プロジェクト877練習艦は、ポーランドグダニスク造船所で3隻が建造されましたが、既に1隻が除籍されています。

[プロジェクト877練習艦]
「スモーリヌイ」
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1974年4月23日起工/1976年1月8日進水/1976年6月30日就役

「ペレコプ」
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1976年4月24日起工/1976年12月11日進水/1977年9月30日就役

「ハサン」
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1977年5月30日起工/1978年1月31日進水/1978年12月28日就役
1998年5月31日除籍、解体


現在は「スモーリヌイ」「ペレコプ」の2隻がバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。


「スモーリヌイ」(300)は、2014年には「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗員を乗せてフランスサンナゼールへ行き、同地で宿泊艦として使われた後、同年末にクロンシュタットへ戻りました
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2015年にはアンゴラ共和国ルアンダを訪れました。
2016年には地中海及び黒海(セヴァストーポリ)への遠洋実習航海を行ないました。


遠洋実習航海から戻った後はクロンシュタットでオーバーホールが行なわれていたようです。
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「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



このように、最近では、プロジェクト877練習艦2隻が毎年交互に遠洋実習航海を行なっていましたが、今年(2018年)には、2隻とも実習航海を行ないます。
[ロシア海軍の練習艦スモーリヌイとペレコプは2018年に1000名以上の生徒の遠洋実習航海を行なう]

今年、最初に遠洋実習航海を行なうのは「ペレコプ」となり、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、北極航路、更には極東方面(ウラジオストク)まで行くようです。
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「ペレコプ」は遠洋実習航海で4つの大洋を通過するとの事ですが、これは大西洋、太平洋、インド洋、北氷洋(北極海)を指しているようです。

ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月8日配信
【国家軍備プログラムで新たな航空母艦の為の作業の定義が規定される-統合造船業営団】
ソチ、2月8日、インタファクス-AVN

『統合造船業営団』は新たな航空母艦の作成の為の作業を率先して行ない、これは2018~2027年の国家軍備プログラムにおいて規定される。
『インタファクス』『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「作業の定義は、その方向で規定されます。
私達が間に合えるように行なうかどうか、私達が計画期間の枠組みにおいて実行するかどうかという我々にとっての問題は未解決です」
アレクセイ・ラフマノフ
は、国家軍備プログラムにおいて新たな航空母艦の建造は規定されているのかどうかという質問に答え、こう話した。

「私達が率先し、これらの作業を進めます。
このような種類の艦の必要性は、疑いなく存在している事を理解していますから」
『統合造船業営団』
総裁は付け加えた。

同時に彼は、航空母艦の建造の最終決定は、ロシア軍の責任の範囲にある事を強調した。
「軍事ドクトリンに沿った具体的な海洋機器の種類に関する要求の問題、これは参謀本部と海軍の仕事です」
アレクセイ・ラフマノフ
は話した。

『インタファクス』が伝えたように、『クルイロフ国立研究センター』は、将来航空母艦の概念設計~プロジェクト「シトルム」を開発している。
将来航空母艦は、未だ模型でのみ存在している。
艦のコンセプトは、『クルイロフ研究センター』(サンクトペテルブルク)『ネヴァ川計画設計局』と共同で開発している。
艦の全長は330メートル、幅40メートル、吃水11メートル。
航空母艦の速力は30ノットに達し、それは90機までの航空機及びヘリコプターを搭載する。

2017年3月初頭、ドミトリー・ロゴージン副首相『インタファクス』のインタビューに対し、ロシア防衛産業企業体は、然るべき決定が下された場合、海軍の為の新たな航空母艦を建造する用意があると語った。



[ロシア将来航空母艦]

ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。

ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』は、将来空母の概念設計案「シトルム」を作成しています。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

この概念設計案をベースにして、5万トンから8万5千トンまでの3種類の設計案(軽空母、中空母、重空母)がロシア海軍へ提示されています。

重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]

将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]

2016年11月~2017年1月には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」シリア軍事作戦へ参加していますが、この時の経験も将来航空母艦の設計に取り入れられます。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験は同艦の近代化改装と新たな空母の建造へ生かされる]
[正規空母アドミラル・クズネツォフを中核とする空母機動部隊のシリア遠征の経験はロシア海軍の新型艦の設計と建造へフィードバックされる]


2017年7月、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、ロシア海軍の将来の「航空巡洋艦」は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラムの終わりに建造が開始され、更に、その搭載機として、『ヤコブレフ』社による新世代VSTOL艦上戦闘機の開発が検討されていると発言しました。
[ロシア海軍の将来空母はVSTOL空母になるかもしれない]

2017年7月下旬、ロシア海軍航空隊司令官イーゴリ・コジン少将は、新たな国家軍備プログラムにおいてロシア海軍将来空母の為のVSTOL戦闘機の開発が始まると述べました。
[ロシア海軍の将来空母の為のVSTOL艦上戦闘機が開発される]

2017年11月下旬、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏も、新たなVSTOL戦闘機の開発計画が有ると述べました。
(つまり、「検討」の段階は終わり、開発が決定した)
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]

ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機を搭載する事になる将来空母が、8万トン級重空母6万トン級中空母になるとは考えられないので、実際に建造される新空母は、軽空母になる可能性が高いでしょう。

以前に将来空母概念設計(シトルム)を作成した『クルイロフ国立科学センター』は、今度は30000~40000トン級の軽空母の概念設計案を作成します。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]

2017年11月下旬、ロシア連邦海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将は、将来空母の建造は2023年~2028年の開始が計画されていると述べました。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
2018年からスタートする新たな国家軍備プログラムは、以前には「2018年~2025年の国家軍備プログラム」と呼ばれていたのですが、最近になって「2018年~2027年の国家軍備プログラム」に変更されて10ヶ年計画となったので、その後半~末期に建造を開始するという事でしょう。


現在の所、将来空母の艦載機として開発が決定しているのはヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機のみですが、この他に、べリエフによる艦上早期警戒機の自主設計プランが存在します。
[べリエフは艦上早期警戒機の特許を登録した]

旧ソ連邦時代に計画されたプロジェクト114342重航空巡洋艦(改「バクー」型)は、VSTOL戦闘機Yak-41(141)と通常の早期警戒機Yak-44Eを搭載する「空母」であり、ソ連国防省からも建造は承認されていたのですが、更に大型化してCTOL戦闘機を搭載するプロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)が建造される事になった為、ペーパープランで終わりました。
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或いは、将来、このコンセプトがロシア海軍で復活する事になるかもしれません。

最新大型揚陸艦イワン・グレンは2018年5月末頃にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月9日15時28分配信
【(ロシア)海軍は大型揚陸艦「イワン・グレン」を春の末に受領する】
モスクワ、2月9日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト11711大型揚陸艦のトップ「イワン・グレン」は、春の末にロシア連邦海軍へ引き渡される。
金曜日、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ語った。

「待つのは、言わば、ほんの一瞬です。
課題に関する基本的な決定は採択されており、全ての必要な試験、これらはすべて完了します。
私が思いますに、春の末には、我々は、これらの作業をすべて完了させている事でしょう」

彼は話した。

以前、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』が、大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家受領試験は2月末に完了するという情報を公表した事が知られるようになった。
海軍は、この艦を昨年末には受領している筈だった。

大型揚陸艦「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、『ネフスキー計画設計局』により開発された。
それは2004年12月に起工され、2021年5月に進水し、係留試験は2015年10月に始まった。
艦の工場航行試験は2016年6月に始まった。

国家受領試験プログラムは、2017年11月30日にバルト海で始まった。
ロシア連邦国防省の発注下で工場『ヤンターリ』は、もう1隻の同プロジェクト艦~大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」を建造している。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、ソヴィエト及びロシア海軍で10数隻が姿を見せていたプロジェクト1171大型揚陸艦の発展型である。
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その上部構造物の大部分は著しく変化している。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、軍用車両及び機器の輸送の為に意図されており、300名までの海軍歩兵、36両の装甲兵員輸送車或いは13両の戦車を移送できる。
艦は輸送揚陸ヘリコプターを装備する。

プロジェクトは、ポンツーン装置を使用して無防備の海岸へ接触せずに艦から揚陸部隊と車両の上陸を実現する世界で唯一のものである。



[新型揚陸艦イワン・グレン]
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プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
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2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。

[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]

「イワン・グレン」国家受領試験は2018年2月に再開され、同月中の完了が予定されています。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は2018年2月末に完了する]

まず初めに、バルト艦隊航空隊艦載ヘリコプターKa-27の着艦試験が行なわれます。
[バルト海でロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験が再開される]

全ての試験完了後、「イワン・グレン」カリーニングラード造船所へ戻り、ロシア海軍へ引き渡す為の準備が行なわれます。

「イワン・グレン」ロシア海軍への引き渡しは、今年の春の末になるとの事ですから、おそらくは5月末くらいでしょう。


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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]

ロシア海軍バルト艦隊の戦闘機Su-27は巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年2月8日14時35分配信
【バルト艦隊の戦闘機飛行士は有翼ミサイルの仮想攻撃を撃退した】

カリーニングラード州バルト艦隊海軍航空隊の航空基地の戦闘機飛行士は、対空防衛力の検査中に有翼ミサイルの仮想攻撃を撃退した。

仮想敵の役割は、バルト艦隊の軍事インフラストラクチュア施設への有翼ミサイル発射演習を行なった多目的戦闘機Su-30SMが演じた。

ミサイルの仮想攻撃の撃退の為、カリーニングラード州に駐屯するバルト艦隊海軍航空隊全天候戦闘機Su-27の乗員が警戒の為に上がった。

Su-27乗員は、タイミング良く目標を探知、捕捉し、「空対空」ミサイルにより指定境界で目標を成功裏に破壊した。

総計で演習には約10機の艦隊海軍航空隊航空機が参加した。



バルト艦隊海軍航空隊戦闘機爆撃機は、ロシア連邦の飛び地カリーニングラード州へ配備されています。
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カリーニングラード州チェルニャホフスク飛行場に駐留する第4親衛独立海洋襲撃機航空連隊は、20機程度の前線爆撃機Su-24Mと6機程度の偵察機Su-24MRを保有しています。
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カリーニングラード州チカロフスク飛行場に駐留する第689親衛戦闘機航空連隊は、18機程度の戦闘機Su-27及びSu-27UBを保有しています。
ロシア海軍戦闘機Su-27を保有しているのは、バルト艦隊航空隊のみです。
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第689親衛戦闘機航空連隊は1939年9月5日に創設され、大祖国戦争に参戦し、1953年秋に海軍航空隊へ移管されたものの、1978年には空軍へ戻り、1986年には防空軍へ移管され、1994年12月には再び海軍へ移管され、現在に至っています。
現在の装備機Su-27は1990年に導入されました。
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この他、チェルニャホフスク飛行場は、2016年12月初頭から多用途複座戦闘機Su-30SMの配備が始まっています。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

続いて2017年には、5機のSu-30SMチェルニャホフスク飛行場へ配備されました。
(つまり、現在までに計6機)
[ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は3機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]


今回の演習は、Su-30SMが「敵役」を務め、Su-30SMから発射された有翼ミサイル(巡航ミサイル)Su-27が迎撃するというシナリオの下で行なわれました。

ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは洋上試験を開始した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月7日16時28分配信
【通信船「イワン・フルス」はバルト海での試験へと向かった】
サンクトペテルブルク、2月7日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍の為に建造されている新世代のプロジェクト18280通信船「イワン・フルス」は、バルト海での航行試験へと向かった。
造船工場『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)広報サービスは発表した。

「乗組員及び船の試験実施チームから成るほぼ300名のメンバーは、1ヶ月間に渡る航海で、イワン・フルスの主動力装置、管制システム、機構、電子機器の動作を点検し、速力及び操艦試験、甲板上の機器及び投錨装置の試験を実施します。
造船所は、約150の航行証明の終了を控えています」

声明では、こう述べられた。

航行試験が成功裏に実現した場合、船は国家受領試験を開始する事が指摘された。

以前、『北方造船所』は、「イワン・フルス」ロシア海軍への引き渡しは、2018年3月末~4月初頭に計画されていると発表した。

プロジェクト18280船は、通信の保障、艦隊の統制、電波偵察を行う為に意図されている。
その全長は95メートル、幅16メートル、速力16ノット、航続距離8000海里、乗組員131名。
その戦術-技術的特性のおかげで、それは前世代の同類よりも著しく優秀である。

通信船は、艦内電力の効率と操作特性を著しく改善しており、管理機器装置と兵装の大幅な自動化が導入されている。

「イワン・フルス」プロジェクト18280の最初の生産船である。
プロジェクト18280艦を開発したのは、公開株式会社『中央設計局アイスベルク』(サンクトペテルブルク)である。
船は2013年11月に起工された。

同プロジェクトの1番船「ユーリー・イワノフ」は2014年12月にロシア海軍へ引き渡された。



ロシア海軍新世代偵察艦プロジェクト18280の2番艦「イワン・フルス」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

起工から3年半後の2017年5月16日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新世代偵察艦イワン・フルスはサンクトペテルブルクで進水した]



「イワン・フルス」は2017年5月末から造船所の岸壁で係留試験を開始し、2018年2月7日に工場航行試験へと出発しました。


「イワン・フルス」ロシア海軍への引き渡しは、2018年3月末~4月初頭に予定されています。

「イワン・フルス」は、2017年4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]


プロジェクト18280偵察艦の1番艦「ユーリー・イワノフ」は、2014年12月末にロシア海軍へ納入され、2015年7月26日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役しました。
2015年11月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着し、現在は北方艦隊の一員として任務を遂行しています。
[ロシア海軍最新鋭偵察艦ユーリー・イワノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻は2021年までに近代化改装される

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『タス通信』より
2018年2月6日12時37分配信
【太平洋艦隊は2021年に4隻の近代化された「アンテイ」を受領できる】
ボリショイ・カーメニ/沿海地方、3月6日/タス通信

太平洋艦隊は2021年には近代化された後の4隻のプロジェクト949A「アンテイ」原子力潜水艦を受領できるだろう。
ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは語った。

「私達は、今、この問題を検討しており、それ~この実現時期は、2021年になると思います」
彼は極東工場『ズヴェズダー』訪問中に報道陣へ話した。

ボリソフは更に、今年、太平洋艦隊の同プロジェクトの潜水艦の内の1隻「オムスク」を受け入れる事が出来、それは2019年の引き渡しが予定されている事を指摘した。

彼によると、近い将来に工場プロジェクト955「ボレイ」潜水艦の修理と近代化に従事する。
「当地へ新たなボレイが到着します。
ズヴェズダーは、このグループの保守整備及び修理、近代化を行ないます」

国防次官は指摘した。

以前、原子力潜水艦「アンテイ」は、工場『ズヴェズダー』における高度な近代化により、ミサイル複合体「カリブル」で再武装し、寿命は延長される事が知られるようになった。
海洋工学中央設計局『ルビーン』総取締役イーゴリ・ヴィリニトは、海軍が保有する全てのこのタイプの潜水艦の近代化が計画されていると『タス通信』へ伝えた。

このような潜水艦は総計で11隻が建造され、現在、ロシア海軍には8隻が残っている。
各々の潜水艦の排水量は24000トンに達し、24基の有翼ミサイル「グラニート」発射装置及び6門の魚雷発射管を装備する。



【極東工場『ズヴェズダー』公式サイト】
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極東工場『ズヴェズダー』は、沿海地方ボリショイ・カーメニ市に在る艦船修理工場です。

以前には、旧ソ連の大量の除籍原潜の解体工事を行なっていました。

最近では、太平洋艦隊原子力潜水艦のオーバーホールや近代化改装を行なっています。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]
[ロシア海軍の原子力戦略用途水中巡洋艦リャザンは近代化改装を終えて太平洋艦隊へ復帰し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ戻った]

更に極東工場『ズヴェズダー』では、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII)の近代化改装が行なわれています。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
[太平洋艦隊のオスカーII級原潜3隻は2020年までに近代化される]

現在までに太平洋艦隊の2隻の949A「イルクーツク」「チェリャビンスク」『ズヴェズダー』へ回航され、近代化改装工事が進められています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]

近代化される949Aは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」の両方を運用できる汎用ミサイル発射機を装備しますが、将来的には、この汎用発射機から極超音速ミサイル「ツィルコン」も発射できるようになります。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]

極東工場『ズヴェズダー』では、計4隻の太平洋艦隊949Aの近代化改装が計画されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻は沿海地方のボリショイ・カーメニで近代化改装される]

今回、極東工場『ズヴェズダー』を視察したロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、2021年には4隻の近代化改装が終わっていると発言しました。

現在、太平洋艦隊には5隻の949A(「イルクーツク」、「チェリャビンスク」、「トヴェリ」、「オムスク」、「トムスク」)が在籍していますから、この内の1隻を除いて全て近代化改装が行なわれる事になります。
(今回、ユーリー・ボリソフ氏は、「オムスク」も近代化改装されると述べている)

近代化改装の対象から除かれるのは、2014年12月末にオーバーホールを完了している「トムスク」になるようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは任務を終えてカムチャツカへ帰港した]

ロシア海軍航空隊は2020年までに約50機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年2月7日2時0分配信
【ロシア海軍航空隊は約50機の近代化されたヘリコプターKa-27を受け取る】

ロシア海軍航空隊潜水艦捜索及び探知の航空装置の能力は、近代化される約50機の艦載対潜ヘリコプターKa-27により新たな水準へ上昇する。
この艦上配置ヘリコプターは、既により良い側面を見せており、潜水艦の捜索及び探知任務への取り組みで高い効率性を示している。
現時点で海軍航空隊には、既に20機の近代化されたヘリコプターKa-27Mが採用されている。
2020年までに、更に約30機の機体の受領が計画されている。
近代化の作業は、公開株式会社『クメルタウ航空機製造事業』で行われている。
ヘリコプターKa-27Mは、ロシア海軍の全ての艦隊で軍備採用される。

海軍総司令部の技術的必要条件に沿って、ヘリコプターは機上電波電子兵装を更新し、新たな捜索システムが設置され、潜水艦の探知及び攻撃の為の新たな手段、更には電波音響兵装の受け入れを可能とし、このタイプのヘリコプターの意図された任務の遂行を著しく高める事を可能にする。

近代化の結果、ヘリコプターは現代的な地上及び艦の指揮所への情報伝達手段を導入し、他のヘリコプターとの通信は近代化される。
近代化されるヘリコプターKa-27Mの乗員は、エイスク市海軍航空隊戦闘動作・飛行再訓練センターで準備されている。

ヘリコプターKa-27、Ka-27Mは、陸上の飛行場及び海況5の波打つ海上の艦の甲板から飛行任務を遂行できる。
今日において、このクラスのヘリコプター海軍航空隊ヘリコプターの基礎を成している。
それは、遠海及び近海ゾーンにおいて、高い効率性で海軍グループの対潜防衛を保障する。

Ka-27M潜水艦及び水上艦の捜索、探知、追跡、攻撃の高い能力を有し、海上で遭難した飛行装置(航空機)、艦船の乗員の捜索と救助の実施、更には、艦船グループの活動を保障する為の輸送任務を遂行できる。



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現在、ロシア海軍は、艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを約50機程度保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

Ka-27PLの近代化型Ka-27Mは、2012年5月に第一次発注が行なわれると発表されました。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

【Ka-27M試作機(0909号機)】
その後、Ka-27M試作機(0909号機)は、北方艦隊での試験が行なわれました。
[艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている]

2014年12月には、北方艦隊所属の4機のKa-27PLが近代化改修を行なう事になりました。
[ロシア海軍の対潜ヘリコプターKa-27PLの近代化改修が始まる]

近代化改装されたKa-27Mの最初の8機は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[ロシア海軍の8機の対潜ヘリコプターKa-27が2015年に近代化される]

しかし、引き渡しは1年遅れて2016年12月になりました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化改装された艦載対潜ヘリコプターKa-27Mを2016年12月に受領する]

2016年12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

この内の6機は、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊は2017年に6機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mを受け取る]

この他、2017年末までに、もう2機が引き渡されたようです。
(合計10機)

何機かのKa-27Mは、クラスノダール地方エイスク基地で各種試験や乗員の訓練などに使われているようです。
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Ka-27Mへの近代化改修作業は『クメルタウ航空機製造事業』で実施されています。
[ロシアン・ヘリコプターズはロシア海軍航空隊へ近代化されたヘリコプターKa-27Mを供給する準備を整えている]
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2018年1月9日、次のKa-27Mグループがロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

今回引き渡されたKa-27Mは、バルト艦隊、北方艦隊、太平洋艦隊へ配備されます。

1月11日、バルト艦隊航空隊の基地へ1機目のKa-27Mが到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

現在までにロシア海軍は20機のKa-27Mを受領しており、2020年までに合計で約50機の受領が予定されています。


この他、Ka-27の後継機となる将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」の開発も始まっています。
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は2025年頃から生産を開始する]
[ロシア海軍航空隊将来艦上ヘリコプター"ミノーガ"は汎用タイプとなる]

ロシア海軍太平洋艦隊向けに新世代小型ロケット艦カラクルト級が4隻建造される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月7日5時45分配信
【太平洋艦隊は4隻の小型ロケット艦の供給契約を見積もっている】
コムソモリスク・ナ・アムーレ、2月7日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊は4隻のプロジェクト22800小型ロケット艦の受領を計画している。
ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは発表した。

「今年のプランで、我々は、太平洋艦隊の為の4隻の小型ロケット艦の契約を締結するつもりです。
それは、ここで建造されます」
ボリソフ
『アムール造船工場』訪問中に話した。

彼によると、工場は、2027年までの実際の作業の為の重要なプログラムを受け取った。

以前に報じられたように、ロシア連邦国防省は、有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」を有するプロジェクト22800(コード名「カラクルト」)小型ロケット艦を購入する。

プロジェクト22800(コード名「カラクルト」)は、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
小型ロケット艦は、近海ゾーンでの任務遂行の為に意図されている。

プロジェクト22800小型ロケット艦の排水量は約800トン、速力30ノット。
艦の全長は約67メートル、幅は約11メートル、航続距離は2500海里。

小型ロケット艦は、高精度ミサイル兵器複合体と現代的な砲複合体を装備し、艦の兵装には、ミサイル複合体「カリブル-NK」、更に、現代的な管理複合体、電波通信複合体、航法複合体、電波電子戦闘複合体、対潜及び対水中工作兵装が含まれる。



[新世代小型ロケット艦カラクルト級]


プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦であり、ソ連邦時代から高速戦闘艦艇を手掛けてきた「アルマーズ」設計局により設計されました。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、「アルマーズ」設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
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プロジェクト22800の主要兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

この他、AK-176MA 76mm砲高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは2017年末までに制式採用される]

ただ、1番艦「ウラガーン」は、艦後部の「パーンツィリ-M」設置スペースにAK-630M 30mmガトリング砲2基が設置されているので、「パーンツィリ-M」の装備は見送られているようです。
(2番艦「タイフーン」も同様)
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「カラクルト」の最初の2隻:「タイフーン」「ウラガーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは進水した]

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)「シトルム」が起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]

2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]


プロジェクト22800は、『ペラ』造船所並びにフェオドシヤ造船工場の他に、今後はタタールスタンゼレノドリスク造船所でも建造されます。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

プロジェクト22800は2022年までに18隻の建造が計画されています。
[ロシア海軍の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800は2022年までに18隻建造される]


今回のロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏の発言によれば、この内の4隻は、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で建造されます。

プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月7日5時49分配信
【太平洋艦隊はミサイル「カリブル」を有するコルベットプロジェクト「グロームキー」を2018年に受領できる】
コムソモリスク・ナ・アムーレ、2月7日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦太平洋艦隊は、ミサイル「カリブル」で武装するプロジェクト20380コルベット「グロームキー」を年末に受領できる。
ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは発表した。

「我々は今、2018年の納入プログラムに関心を持っております。
コルベット"グロームキー"の納入プランについてですが、現在、艦の準備進捗度は84パーセントです。
年末に艦隊はこの艦を待っています」
ボリソフ
コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場の訪問中に報道陣へ語った。

彼は、昨年に工場は、このシリーズのコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」を引き渡したが、それは2年遅れた事を想い起こした。
「それ(グロームキー)はカリブルで武装し、これは恐るべき兵器です」
ボリソフ
は指摘した。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの2隻目となる「グロームキー」は2012年4月20日に起工されました。
[新世代コルベット「グロームキー」は起工された]

当初は2015年の引き渡しが予定されていましたが、建造工事は遅延しています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト20380コルベット"グロームキー"の建造は対ロシア制裁の影響により遅延する]

起工から5年以上が経過した2017年7月28日に造船台を出渠しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第2のプロジェクト20380コルベット"グロームキー"は造船台を出渠した]



契約軍人のみで構成される「グロームキー」乗組員は、2017年10月末までに編成を完了しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月1日4時21分配信
【太平洋艦隊は新たなコルベット「グロームキー」の乗組員の形成を完了した】

「グロームキー」乗組員は、11月24日にサンクトペテルブルク海軍統合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年11月24日15時38分配信
【コルベット「グロームキー」の乗組員は研修の為にサンクトペテルブルクへ到着した】


そして2018年2月7日、コムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場を視察に訪れたロシア国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、「グロームキー」は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡されると発言しました。


なお、ボリソフ氏は、「グロームキー」有翼ミサイル「カリブル」を装備するとも述べています。

現在就役中の「グロームキー」の同型艦(プロジェクト20380)5隻は、いずれも対艦ミサイル「ウラン」を装備しており、「カリブル」は装備していません。

しかし、2017年12月末、『イズベスチヤ』は、プロジェクト20380コルベットが今後「カリブル」を装備すると報じています。
『イズベスチヤ』より
2017年12月27日0時1分配信
【ロシアのステルスコルベットは「カリブル」を装備する】

プロジェクト20380コルベットの中で、「グロームキー」が最初に「カリブル」を装備するのかもしれません。

現在の所、ロシア太平洋艦隊向けに4隻のプロジェクト20380コルベットの建造が計画されており、1隻目は2017年7月に就役しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット4隻は2017年6月末~2020年10月下旬に就役する]

カムチャツカ半島に駐留するロシア海軍歩兵部隊は雪崩の警告射撃を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
沿海地域情報供給部(ウラジオストク)発表
2018年2月6日5時23分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍歩兵は下り坂の雪崩の警告目標への戦闘射撃を行なった】

カムチャツカ太平洋艦隊海軍歩兵連合部隊の迫撃砲班は、半島の雪崩の地域で射撃を行なった。

予防活動は、カムチャツカ地方中央の対雪崩の要求の下で、下り坂の雪崩に関連する許容し得ない非常事態において、雪崩多発地域に配置された自動車道路及び高圧送電ラインの保護の為、実施された。

危険を伴う射撃は、参加した海軍歩兵隊員により、120mm迫撃砲「サーニ」から行なわれた。
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合計で30回以上の射撃が行なわれた。
迫撃砲班は作業地域で事前通告及び封鎖を行なった。

下り坂の雪崩の警告は、バルハトナヤ火山、パラトゥンスク橋、ヴィリュチンスク火山地域で実行されており、太平洋艦隊将兵を起用して数日間に渡り行なわれる。



カムチャツカ半島には、ロシア太平洋艦隊クラスノダール-ハバロフスク2度赤旗授与・第40独立海軍歩兵旅団が駐留しています。

元々は第3独立海軍歩兵連隊という名称でしたが、2014年に第40独立海軍歩兵旅団へ改編されました。

第40独立海軍歩兵旅団は、2017年12月からT-80BV戦車の配備が始まっています。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月6日5時47分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍歩兵連合部隊は新たな戦車T-80BVを受領した】


現在、ロシア海軍歩兵は5個旅団などで構成されています。

[北方艦隊]
キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団(スプートニク)

[太平洋艦隊]
第155独立海軍歩兵旅団(ウラジオストク)
クラスノダール-ハバロフスク2度赤旗授与・第40独立海軍歩兵旅団(ペトロパブロフスク・カムチャツキー)

[バルト艦隊]
スヴォーロフ及びアレクサンドル・ネフスキー勲章授与・第336べラストク親衛独立海軍歩兵旅団(バルチースク)

[黒海艦隊]
ジューコフ勲章授与・ソヴィエト社会主義共和国連邦成立60周年記念・第810親衛独立海軍歩兵旅団(セヴァストーポリ)
第382独立海軍歩兵大隊(テムリュク)

[カスピ小艦隊]
第414独立海軍歩兵大隊(カスピースク)
第727独立海軍歩兵大隊(アストラハン)



以前には太平洋艦隊第40海軍歩兵旅団北方艦隊第61海軍歩兵旅団は連隊でしたが、2013年~2014年に旅団に格上げされました。
[ロシア海軍歩兵の2個連隊は旅団に改編される]

なお、黒海艦隊第810独立海軍歩兵旅団は、2018年1月29日付でロシア連邦大統領令により親衛称号が授与されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年1月30日11時44分配信
【黒海艦隊海軍歩兵旅団及び2個航空連隊は名誉称号を授与された】

サンクトペテルブルク市の北方造船所は2019年末以降にロシア海軍の為の汎用揚陸艦プリボイ級と新世代駆逐艦リデル級を建造できる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年2月5日10時11分配信
【『北方造船所』は2019年以降に駆逐艦と揚陸艦を建造できる】
サンクトペテルブルク、2月5日-ロシア通信社ノーボスチ

造船工場『北方造船所』は、新たな船台の建設完了後に汎用揚陸艦新世代駆逐艦「リデル」型を建造できる。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビュー工場の総取締役イーゴリ・ポノマリョフは、こう述べた。

「造船所は(新たな船台の建設完了後の2019年第4クオーターから)排水量25000トンまでの艦を建造できます。
この新たな艦には、リデル、更には、陸上戦闘車両及びヘリコプターを搭載できる汎用揚陸艦も含まれます。
これらの艦が、どのような外観になるのかは国防省が決めます。
我々が船台の建設を完了させた後でのみ、我々は、これらの課題を実行する準備が整い、これらの艦の建造を準備します」

彼は話した。

更には、民間造船ラインで造船所「アフラマックス」型タンカー及び石油プラットフォームを建造できる。

ポノマリョフは、昨年に『北方造船所』公開株式会社『メトロストロイ』と船台建設の契約を締結した事を想い起こした。

「我々は、許可文書に沿った形で、技術的監視、建設方法、市内で作業開始の合意への署名の準備といった建設開始の準備段階に在ります。
我々がこの書類のプロセスを完了した後でのみ、私が思いますに、これは3月~4月になるでしょうが、我々は、建設の活動段階へ移行するでしょう」

総取締役は話した。

以前、2つの船台を有する造船台エリアの建設の契約条件で合意したと報じられた。
それは、350トンの積載能力を持つガントリークレーン及び現代的な機器移送自走船舶用貨車基盤を装備する。
そこへ配置される現場技術者は、造船台の完成と製造される機械の取り付けに参加する。
作業は、2019年第4クオーター(10-12月)に完了しなければならない。
新たな複合体は、25000トンまでの大型船及び大型艦の大規模ブロック建造を可能にする。
これは、工場の製造ラインを、新世代フリゲート、揚陸艦、液化ガス輸送船、石油タンカーにまで拡張する。



【造船工場『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)公式サイト】

サンクトペテルブルク市『北方造船所』は、1912年11月14日に設立され、当初は『プチロフスカヤ・ヴェルフィ』という名前でした。
艦齢100年以上になる潜水艦救助船「コムーナ」も、『プチロフスカヤ・ヴェルフィ』で建造されました。
[ロシア海軍最古参・救助船「コムーナ」が見つめた93年]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船コムーナは黒海で救助演習を行なう]

ソヴィエト連邦時代には『A.A.ジダーノフ記念工場』と改名され、1960年代以降にはソ連海軍向けの比較的大型の水上戦闘艦を多数建造しました。
プロジェクト58ロケット巡洋艦:4隻
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プロジェクト61大型対潜艦:5隻
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プロジェクト1135警備艦:6隻
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プロジェクト1134ロケット巡洋艦:4隻
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プロジェクト1134A大型対潜艦:10隻
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プロジェクト1155大型対潜艦:4隻
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プロジェクト956駆逐艦:17隻
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ロシア連邦となってからはロシア海軍向けの艦の建造は激減し、1990年代後半~2000年代初頭には中国海軍向けのプロジェクト956E/956EM駆逐艦4隻などを建造して糊口を凌いでいました。

2000年代に入るとロシア海軍向けの新世代水上戦闘艦の建造が始まり、プロジェクト20380コルベットプロジェクト22350フリゲートプロジェクト20385コルベットプロジェクト20386コルベットなどが建造されています。

しかし、『北方造船所』の乾ドックの寸法は全長170メートル、幅21メートルであり、これ以上大きな艦は建造出来ません。
具体的には、プロジェクト1155大型対潜艦くらいの艦が、現在の『北方造船所』で建造できる最大の艦となります。

そこで、『北方造船所』に新たなドックが建設される事になり、2017年12月末に建設契約が締結されました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月29日12時51分配信
【北方造船所は新たな船台を建設する契約を締結した】

『北方造船所』には、全長250メートル、幅70メートルの乾ドックが2ヶ所建設され、その完成は2019年末に予定されています。

新たな乾ドックが完成すれば、『北方造船所』は、汎用ヘリコプター揚陸艦「セヴァストーポリ」型原子力駆逐艦「リデル」級(「オルロフ-チェスメンスキー」型)を建造出来るようになります。
[ロシア将来汎用揚陸艦]
[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]