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ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は悪天候下で飛行訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月21日7時27分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機飛行士は太平洋のサイクロンの条件下でフライトを実施した】

太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機飛行士は、カムチャツカの複雑な気象条件下で操縦技術の向上を続けている。

半島には新たに太平洋のサイクロンが到来し、高空迎撃戦闘機MiG-31の乗員は、視界が制限された条件下で計器を使用する操縦への取り組みの為、低い雲と降雪の条件下で離着陸を行ない、更に、グループのメンバーと連携して意図された任務を果たした。
飛行士はフライト実施中、予備飛行場に関連した点検を交代で行ない、再びの離脱と着陸、短縮距離での離着陸へ取り組んだ。

訓練の主な課題は、戦闘機MiG-31飛行士の操縦技量の維持と、半島の複雑な気象条件下での連携から成る。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]

4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

5月19日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での迎撃訓練を行なった]

6月16日にはカムチャツカ半島及び太平洋の上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31はカムチャツカ半島で空中戦闘訓練を行なった]

7月17日には超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は超音速巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった]


その後も、エリゾヴォ基地MiG-31は、度々各種の飛行訓練を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月31日8時0分配信
【太平洋艦隊のMiG-31飛行士は空中での燃料補給へ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月15日6時36分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は困難な気象条件でのフライトへ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月17日10時40分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の高速迎撃機MiG-31乗員は困難な気象条件でフライトを行なった】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月23日6時2分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は仮想敵の航空機を成層圏で破壊した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月11日3時20分配信
【高速迎撃戦闘機MiG-31乗員はカムチャツカ及び太平洋上空での夜間空中戦闘実施の習熟へ取り組んだ】


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月20日3時55分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】



2018年1月23日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は成層圏戦闘訓練を行なった]

2月12日には領空侵犯機の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は領空侵犯機の迎撃訓練を行なった]

2月20日には編隊飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月20日5時23分配信
【カムチャツカの戦闘機MiG-31乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】

2月28日には、対潜哨戒機Tu-142M3が敵機役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月28日6時21分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の戦闘機飛行士は仮想敵の空中攻撃手段を撃退した】

3月6日には、対潜哨戒機Il-38対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送ヘリコプターMi-8と共に悪天候下で飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月6日3時56分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の飛行士は困難な天候条件下で訓練飛行を実施した】

3月16日にはカムチャツカエリゾヴォ飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38Nが敵機(爆撃機)役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は爆撃機の迎撃訓練を行なった]

そして3月21日には、悪天候(降雪と低い雲)の下で飛行訓練を行ないました。


なお、MiG-31を開発したロシア航空機製造会社『ミグ』は、MiG-31の後継機MiG-41の開発に着手しています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年6月14日9時59分配信
【ロシアはMiG-31を代替する新たな迎撃戦闘機の開発を始めた】

ミグ社は、MiG-31を代替する「遠距離迎撃将来航空複合体」の概念設計を行なっています。

MiG-41は、単なるMiG-31の改良発展型ではなく、全く新しい設計の迎撃戦闘機となります。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年8月22日17時17分配信
【迎撃戦闘機MiG-41は宇宙で動作できる】

ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『決闘』を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月21日6時10分配信
【太平洋艦隊のディーゼル潜水艦の乗組員は水中決闘演習を実施した】

沿海地方に駐留する太平洋艦隊ディーゼル潜水艦連合部隊の艦は、錬成任務L-2の要素へ取り組んでいる。
それは、意図された任務を遂行する為の水中艦の準備プログラムの切り離す事のできない部分であり、様々な作戦-戦術環境下で戦闘訓練を実施する。

L-2任務への取り組みの枠組みにおいて、太平洋艦隊の2隻の潜水艦は、戦闘訓練射爆場で、双方とも武器を使用する仮想敵潜水艦の捜索及び攻撃の演習を実施した。

潜水艦の内の1隻は、仮想敵の潜水艦を探知し、それを攻撃する。
他の水中艦は回避機動を行ない、演習用魚雷の実地射撃を行なう。

潜水艦の乗組員は更に、機雷源を突破する訓練を行なった。

その後、潜水艦乗員は、戦闘訓練射爆場で固有の任務へ取り組んでいる太平洋艦隊対潜艦の為の任務を果たした。



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現在、ロシア太平洋艦隊には6隻のプロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦が在籍し、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留しています。
(この他にも3隻の潜水艦が居るものの、事実上退役している)

[第19潜水艦旅団]
B-394「ヌルラト」
(1988年12月30日就役)修理中
B-464「ウスチ-カムチャツク」(1990年1月30日就役)
B-494「ウスチ-ボリシェレツク」(1990年12月30日就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年12月30日就役)近代改装後、2017年1月27日に再就役
B-190「クラスノカメンスク」(1992年12月30日就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年1月22日就役)


太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を行なっており、第19潜水艦旅団潜水艦も参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]

演習2日目の3月21日には、2隻の同型潜水艦による『決闘』(対決)方式の演習が行なわれました。
(艦名は明らかにされませんでしたが)

潜水艦同士の『決闘』演習は以前から実施されており、昨年には少なくとも2回実施されました。

2017年3月10日:北方艦隊戦略用途原子力水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」原子力大型潜水艦「オブニンスク」
[ロシア海軍北方艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦ユーリー・ドルゴルーキーと原子力大型潜水艦オブニンスクはバレンツ海で『決闘』を行なった]

2017年9月15日:太平洋艦隊戦略用途原子力水中巡洋艦「リャザン」原子力巡洋潜水艦「クズバス」
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンと原子力巡洋潜水艦クズバスは『決闘』を行なった]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月21日5時0分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は空中目標へのミサイル射撃を実施した】

本日も戦闘訓練計画に従い、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦は日本海で戦闘演習任務への取り組みを続けている。

演習を実施している大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の乗組員は、その最中に、海上移動中の単艦での組織的対空防衛の任務を果たした。
仮想敵の攻撃への反撃で、大型対潜艦の砲手は模擬空中目標への一連の砲射撃を実行した。
更に艦は、パラシュートで投下された標的へ自衛高射ミサイル複合体「キンジャール」のミサイル発射を行ない、成功裏に撃破した。

海上での艦の行動は、艦隊の海軍航空隊対潜航空機Il-38Nが支援した。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、演習1日目には大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」と共に機雷敷設訓練を行ないました。

そして演習2日目の3月21日には対空防衛演習を実施し、艦砲(100mm砲30mmガトリング砲)及び高射ミサイル「キンジャール」の実弾射撃を行ないました。

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは海上訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年3月20日17時38分配信
【バルト艦隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は錬成任務の枠組みで仮想目標への攻撃行動へ取り組んだ】

バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、錬成任務の枠組みにおいて艦隊の海上射爆場で、仮想海上および空中目標へのミサイル及び砲複合体での攻撃の為の艦の戦闘班の行動へ取り組んだ。

訓練を行なう艦の乗組員は電波電子妨害を発信し、移動中の艦のダメージコントロール演習を実施し、狭い場所を通過し、視界の制限された条件で航行し、更には、対水中工作活動へ参加した。

この他、艦の乗組員は艦上航空隊のヘリコプターKa-27の使用へ取り組んだ。
海上飛行士は、艦の対空防衛手段の上空飛行を行ない、更には、明るい時間帯と暗い時間帯に艦の発着場へのヘリコプターの着艦を行なった。

艦の錬成任務への移行時には、総計で10回以上の戦闘訓練の実行が控えている。

錬成任務(K-2)は、バルト艦隊の全ての水上構成(水上艦艇)の戦闘熟練度の試験である。
その枠組みで、乗組員の準備段階、指示された任務を海上で遂行する各艦の状態が評価され、更には様々な作戦-戦術状況での単独戦闘を行なう。



プロジェクト11540警備艦の2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、カリーニングラード造船所で1988年5月27日に起工され、1990年に進水しましたが、1991年12月のソ連邦解体以降は財政難により建造工事は中断されました。
[ネウストラシムイ級2番艦ヤロスラフ・ムードルイ]

2000年代半ばから工事は再開され、2009年6月19日にロシア海軍へ引き渡されました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された]

2009年7月24日、バルト艦隊へ編入されました。
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入]

2011年末から2012年初頭に掛けて重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の地中海遠征へ参加しました。
[アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

2012年4月からロシア皇帝家(ロマノフ家)の後援を受ける事になりました。
[ロマノフ家は警備艦ヤロスラフ・ムードルイを後援する]

2012年6月末には国際海軍演習FRUKUS(France、Russia、United Kingdom、United States)へ参加しました。
[バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、国際海軍演習「FRUKUS-2012」に参加する]

2012年7月初頭から9月末まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

2012年12月17日から2013年7月5日まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[バルト艦隊艦船は地中海へ向かった]
[バルト艦隊艦船部隊は地中海から戻ってきた]

この間の2013年1月下旬には、地中海東部及び黒海で実施されたロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習に参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬) ]

2014年8月9日から2015年2月21日まで、地中海、アデン湾、インド洋、東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

帰港後はガスタービンエンジンの修理が行なわれました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

2016年4月に復帰しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]

2016年6月1日から12月19日まで地中海、アデン湾、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2016年6月-12月)]

2017年5月初頭からクロンシュタット海洋工場でオーバーホールが行なわれました。
[バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは『ロシア海軍の日』の観艦式へ参加する為にクロンシュタットでメンテナンスを行なう]

そして2018年3月20日、戦闘訓練の為に出航しました。

ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月20日14時9分配信
【クリミアで黒海艦隊の大型揚陸艦の乗組員は海軍歩兵の軍用車両の積載及び海洋揚陸部隊の上陸へ取り組んだ】

黒海艦隊の戦闘訓練計画に沿って、クリミアオプーク射爆場で戦術特殊訓練が行なわれ、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」「オルスク」の乗組員と黒海艦隊独立海軍歩兵旅団の部隊は、その中で大型揚陸艦への軍用車両及び海軍歩兵隊員の組織的な積載、更には、無防備の海岸への海洋揚陸部隊の上陸へ取り組んだ。

訓練中、艦への車両の積載基準量は一時的に除去され、揚陸部隊の上陸の際に仮想戦闘を行なう各戦闘車両乗員の行動の正常さが評価された。

訓練には、海軍歩兵の300名の将兵と30両の車両が参加した。



黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」152(1975年12月30日就役)は、2017年前半には「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸からシリアタルトゥース港への物資輸送任務)へ7回従事しましたが、同年8月初頭に黒海へ戻ってからは、演習などに従事していました。

黒海艦隊大型揚陸艦「オルスク」148(1968年12月5日就役)は、2017年12月に長期修理を終えて10数年ぶりに艦隊へ復帰し、2018年からは「シリア・エクスプレス」へ2度従事しており、3月中旬に黒海へ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへの輸送任務に就いた]


そして2018年3月20日、2隻の大型揚陸艦クリミア半島オプークで上陸訓練を行ないました。
「オルスク」にとっては、10数年ぶりの上陸訓練になります。
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「ニコライ・フィリチェンコフ」「オルスク」は就役から40年以上のオールドタイマーですが、まだまだ現役に留まるようです。

ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-56はセヴァストーポリへ戻る

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月20日13時28分配信
【黒海艦隊の水上修理所(工作船)PM-56は地中海からセヴァストーポリへ戻る】

黒海艦隊水上修理所(工作船)PM-56は、地中海からセヴァストーポリへ戻る。

現在、同船は黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通過を行なっている。

グループの一員としての滞在期間に同船の乗組員は、地中海で任務を遂行しているロシア海軍の艦船の整備と技術的準備状態の支援を行なった。

以前、遠海ゾーンで水上修理所PM-56は、計画ローテーションに基づいて黒海艦隊の同型船PM-138と交代した。



ロシア海軍工作船は、交代で地中海東部へ派遣され、約5ヶ月程度のローテーションでシリアタルトゥースへ駐留し、同海域で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっています。
この数年間は、黒海艦隊PM-56PM-138が交互に派遣されていました。
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PM-138は、以前には2017年1月下旬から6月中旬まで地中海東部に滞在していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138はシリア沖から戻ってくる]

2017年6月中旬にPM-138と交代したのは、バルト艦隊から派遣されたPM-82でした。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリア沖に到着した]

2017年10月下旬には、PM-82と交代する為に黒海艦隊PM-56地中海東部へ派遣されました。
PM-82は2017年11月13日に母港バルチースクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月13日17時11分配信
【バルト艦隊の水上修理所(工作船)は地中海からバルチースクへ戻った】

2018年3月8日、PM-56と交代する為、黒海艦隊PM-138ボスポラス海峡を南方へ通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138はシリアへ派遣される]

そして3月20日、PM-56ダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

PM-56は数日以内にセヴァストーポリへ帰投します。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年3月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年3月15日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年3月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の第4世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと第4世代多用途原潜カザンの航海試験の準備を進めている

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月20日8時41分配信
【原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」と第4世代ロケット艦のトップ「カザン」は更なる試験の準備を行なっている-株式会社『セヴマシュ』総取締役】
モスクワ、3月20日、インタファクス-AVN

プロジェクト「ボレイ-A」原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」第4世代ロケット艦プロジェクト「ヤーセン-M」のトップ「カザン」は、現在、更なる試験の準備を行なっている。
株式会社『生産合同・北方機械製造事業』(セヴマシュ)総取締役ミハイル・ブドニチェンコは述べた。
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「2017年12月、プロジェクト"ボレイ-A"原子力潜水艦クニャージ・ウラジーミルは船台から出渠し、現在は、更なる試験の準備を行なっております。
同プロジェクトの他の艦の建造は、ロシア連邦国防省に承認されたスケジュールに沿っております」
ミハイル・ブドニチェンコ
は、火曜日に発行された『イズベスチヤ』紙のインタビューに対し、こう話した。

彼は更に付け加えた。
「一般的に、シリーズの次の艦の引き渡しは早くなります。
何故ならば、既に機器の動作は示されていますから」


多目的原子力潜水艦プロジェクト「ヤーセン-M」の引き渡し時期と隻数の質問に答え、生産合同『セヴマシュ』総取締役は説明した。
「第4世代ロケット艦のトップであるカザンは、現在、当社の岸壁に在り、海洋試験の準備をしております」

「原子力潜水艦アルハンゲリスクを含む同プロジェクトの他の艦は、船台での時期における造船台の過程に在ります。
セヴマシュが建造する原子力艦の隻数については、以前に海軍総司令官ウラジーミル・イワノヴィチ・コロリョーフ閣下が仰られた通り、プロジェクト"ヤーセン-M"原子力潜水艦が6隻、ボレイ-Aロケット艦が5隻です。
これらは、国内の原子力水中造船の、より良い成果を具現化したものです」
ミハイル・ブドニチェンコ
は強調した。



プロジェクト955「ボレイ」級戦略用途原子力水中巡洋艦の4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工され、2017年11月17日に進水しました。

[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]

現在は造船所の岸壁で艤装中であり、2018年には洋上試験が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊は2018年に最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの洋上試験を行なう]


プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工され、2017年3月31日に進水しました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]


2017年7月末からは造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

現在は航海試験の準備が進められています。


この2隻の原潜北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

現在の所、この2隻のロシア海軍への引き渡しは、2018年末に予定されています。
[新世代多用途原潜カザンと戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは2018年にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月20日4時50分配信
【太平洋艦隊の約20隻の艦と支援船は戦闘演習訓練の為に海へ出た】

本日、戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊水上艦、潜水艦、支援船は、ピョートル大帝湾の射爆場での演習任務への取り組みに着手した。

演習の為の主要基地からの出航の際、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」水域保護艦大隊の3隻の基地掃海艇と連携して艦の掃海先導を行なった。
その直後に、大型対潜艦ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は遭遇海上戦闘の組織的実施へ取り組んだ。

更に親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は、演習中に遭難した艦への援助を与え、仮想損傷船の船上からの船員の避難を行なった。
この目的の為、艦上ヘリコプターKa-27PSと標準装備の高速航行手段(高速ボート)が関わった。

同時に本日、演習中に大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」及び「アドミラル・ヴィノグラードフ」は機雷敷設演習を行なった。

太平洋艦隊の戦闘訓練射爆場では、合計で約20隻の艦隊艦、潜水艦、補助船が任務を果たす。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月20日5時32分配信
【太平洋艦隊の艦艇は、沿岸、海上、空中目標への砲射撃を実施した】

本日、戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦艇は、戦闘演習訓練の実行中にピョートル大帝湾海域で一連の演習を実施した。

特に、大型揚陸艦「オスラービャ」は、艦上に海軍歩兵部隊の車両と人員を受け入れ、沿岸射爆場エリアまでの移動を行ない、仮想敵の永久強化砲台を模した標的の位置へ砲射撃を実施した。
その後、艦はクレルカ岬の射爆場地域での「支点」手法の戦術-特殊訓練中に、無防備の海岸へ揚陸部隊を上陸させた。

本日、同時にロケット艇「R-19」は、太平洋艦隊海軍航空隊対潜航空機Il-38Nと連携して単艦での組織的対空防衛へ取り組み、空中標的への砲射撃を実施した。
その後、は演習を実施し、その最中に海上浮遊機雷の模型を砲火で破壊した。



今回の太平洋艦隊広報部発表で名前が登場する艦は、1隻を除き、何れも最近に演習を行なっています。

第44対潜艦旅団に所属する大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1991年12月15日就役)は、2018年1月8日に東南アジアへの遠距離航海(2017年10月2日に出航)から帰港しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した]

第44対潜艦旅団に所属する大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役)と「アドミラル・ヴィノグラードフ」(1989年5月1日就役)は、2018年2月20日に対潜戦闘訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]

第100揚陸艦旅団に所属する大型揚陸艦「オスリャービャ」(1989年12月1日就役)は2018年3月4日に砲撃訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャは日本海で砲撃訓練を行なった]

第36水上艦師団に所属するナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)は2018年3月5日に演習を行なっています。
(大型揚陸艦「オスリャービャ」も参加)
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは日本海で戦闘演習を行なった]

第165水上艦旅団・第2親衛ロケット艇大隊に所属するロケット艇R-19(1992年12月7日就役)は2018年3月17日に演習を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-19はピョートル大帝湾で演習を行なった]


そして3月20日、上記の艦を含む約20隻の太平洋艦隊の艦船は、ピョートル大帝湾で演習を行ないました。

記事中に出てくる「水域保護艦大隊の3隻の基地掃海艇」は、ウラジオストク南部のウリス湾へ駐留する第165水上艦旅団・第11水域保護艦大隊に所属する基地掃海艇BT-100、BT-114、BT-232の事でしょう。

基地掃海艇BT-100(1984年6月28日就役)
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BT-114(1987年11月1日就役)
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BT-232(1988年9月30日就役)

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この他、具体的な艦名は明かされていませんが、ウリス湾へ駐留する第19潜水艦旅団に所属するプロジェクト877潜水艦も演習に参加しています。
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海軍航空隊からは、沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38N捜索救助ヘリコプターKa-27PSなどが演習へ参加しました。
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ロシア海軍は40台の遠隔操作無人水中装置を購入する


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月17日23時15分配信
【今後3年間で海軍へ40台の海洋ロボットが加わる】
モスクワ、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

今後3年間で海軍は40台の海洋ロボットを受け入れる。
ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は語った。

「私共は、今後3年間で、危険を冒す事無く人員の為の調査を実行し、潜水艦へ援助を与えるロボット複合体40台の受領を計画しております」
コロリョーフ
は、ラジオ局『エコー・モスクワ』のインタビューに対し、こう話した。

加えて、現在、海軍救助支隊には、150台以上の遠隔操作無人水中装置が有ると提督は付け加えた。



今回、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督が述べている「ロボット複合体」(「海洋ロボット」は、『ロシア通信社ノーボスチ』が勝手に付けたタイトル)とは、要するに、遠隔操作の無人水中機器の事です。

現在、ロシア海軍では、以下のタイプが運用されています。
[ロシア海軍は潜水救助機器での遅れを取り戻した]

深海遠隔操縦装置「ヴェノム」
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深海遠隔操縦装置「タイゲル」(タイガー)
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深海遠隔操縦装置「パンテラ-プリュス」(パンサー・プラス)

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これらの深海遠隔操縦装置は、ロシア海軍各艦隊の救助船調査船に搭載されています。

ロシア海軍最古参の救助船「コムーナ」(1915年7月14日就役)も、近代化改装の際に「パンテラ-プリュス」を搭載しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船コムーナは黒海で救助演習を行なう]

「タイゲル」「パンテラ-プリュス」は、2009年11月の太平洋艦隊対潜哨戒機Tu-142の墜落事故の際、タタール海峡で使用されています。
[Tu-142墜落事故(旧ブログ)]


現在、ロシア海軍各艦隊には、合計で150台の深海遠隔操縦装置が配備されていますが、今後3年間で(2020年末までに)、更に40台を調達するとの事です。

ロシア海軍潜水艦の海洋への滞在時間は5年間(2012-2017年)で3倍に増えた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月17日22時53分配信
【ロシア潜水艦の海洋への滞在は5年間で3倍に増えた】
モスクワ、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア潜水艦は、この5年間で海洋への滞在を3倍に増やした。
ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は語った。

「航海~これは、全ての潜水艦の1年間の海洋への滞在時間の総計です。
参考の為に、5年前には、この数値は1105日でしたが、2017年には、3倍以上の3366日でした」
コロリョーフ
ラジオ局『エコー・モスクワ』のインタビューに対し、こう話した。

彼によると、航海は、潜水艦の乗組員の専門的な準備レベルの上昇を最も分かりやすく示すものである。



今回、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督が述べているのは、1年間のロシア海軍の全ての潜水艦の海洋滞在(航海)日数の総計です。

これが2012年には総計1105日でしたが、2017年には3366日と、3倍以上に増えたとの事です。


増加の理由は色々と有るでしょうが、まず第一に、この期間中に新たな潜水艦が計10隻就役した事でしょう。

2013年1月10日:戦略用途原子力水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」就役(北方艦隊)
2013年12月23日:戦略用途原子力水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」就役(太平洋艦隊)
2014年6月7日:原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」就役(北方艦隊)
2014年8月22日:潜水艦「ノヴォロシースク」就役(黒海艦隊)
2014年12月19日:戦略用途原子力水中巡洋艦「ウラジーミル・モノマーフ」就役(太平洋艦隊)
2014年12月30日:潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」就役(黒海艦隊)
2015年7月3日:潜水艦「スタールイ・オスコル」就役(黒海艦隊)
2015年11月5日:潜水艦「クラスノダール」就役(黒海艦隊)
2016年10月26日:潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」就役(黒海艦隊)
2016年11月24日:潜水艦「コルピノ」就役(黒海艦隊)


この他に、オーバーホールや近代化改装を終えて復帰した潜水艦も有ります。

2013年7月初頭:潜水艦「カルーガ」(北方艦隊)復帰
2013年12月下旬:原子力水中巡洋艦「スモレンスク」(北方艦隊)復帰
2014年12月初頭:原子力大型潜水艦「オブニンスク」(北方艦隊)復帰
2014年12月下旬:原子力水中巡洋艦「トムスク」(太平洋艦隊)、戦略用途原子力水中巡洋艦「エカテリンブルク」(北方艦隊)復帰
2015年9月下旬:潜水艦「ウラジカフカス」(北方艦隊)復帰
2015年12月末:原子力大型潜水艦「プスコフ」(北方艦隊)復帰
2016年3月下旬:原子力巡洋潜水艦「クズバス」(太平洋艦隊)復帰
2016年12月末:戦略用途原子力水中巡洋艦「リャザン」(太平洋艦隊)、潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(太平洋艦隊)復帰、特務原子力潜水艦「ポドモスコヴィエ」(北方艦隊)再就役
2017年4月初頭:原子力水中巡洋艦「オリョール」(北方艦隊)、潜水艦「ドミトロフ」(バルト艦隊)復帰



ロシア海軍以外の視点で見ても、2016年2月にNATO連合海軍部隊司令官が、北大西洋におけるロシア海軍潜水艦の活動は増大していると表明しています。
[ロシア海軍潜水艦の大西洋での活動は増大した]

2012年10月には、アメリカ東海岸沖で原子力潜水艦「ニジニ・ノヴゴロド」が発見されています。
[シエラII級原潜、アメリカ東海岸沖で行動?]

2016年11月には地中海東部949A原子力水中巡洋艦が行動していました。
[ロシア海軍の巡航ミサイル原潜ヴォロネジは地中海東部(シリア沖)へ派遣された?]
[ロシア海軍の巡航ミサイル原潜は地中海東部に居る?]

ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる

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『タス通信』より
2018年3月17日23時35分配信
【ノヴォロシースクの新たな駐留地点には60隻以上の艦船を収容できる】
モスクワ、3月17日/タス通信

黒海艦隊の為に作成されるノヴォロシースクの新たな駐留地点は、全ての作業を完了した後に60隻以上の艦船を収容できる。
ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で述べた。

「私共は、ノヴォロシースクの黒海艦隊のゲオポルト基礎駐留地点の建設作業を続けております。
建設完了後、ゲオポルト水域には、60隻以上の戦闘艦及び特務艦が駐留できます」

彼は話した。

更に、太平洋艦隊ヴィリュチンスクの駐留地点の建設も進められており、既に最重要施設の建設は完了している。
潜水艦の駐留地点の建設完了と共に、太平洋艦隊第4世代水中巡洋艦の新たなグループが形成されるとコロリョーフは話した。



黒海東岸ノヴォロシースクでは、2000年代から黒海艦隊の為の海軍基地の拡張工事が行なわれていました。
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1997年5月28日にロシアウクライナが締結した旧ソ連黒海艦隊の分割協定により、黒海艦隊は2017年5月28日までセヴァストーポリ(クリミア)に駐留できる事になっていました。
『ロシア黒海艦隊情報サイト』より
【ロシア連邦及びウクライナによる黒海艦隊の分割パラメータに関する合意(キエフ、1997年5月28日)】

2000年代には、ウクライナは、ロシア黒海艦隊の駐留期間延長など一切認めないという態度を貫いてました。
つまり、「2017年までに出ていけ」という事です。
[ウクライナは、2017年までのロシア海軍基地の撤退を求める]
[ロシア黒海艦隊は、2017年末までにウクライナを去る]
[ロシア黒海艦隊は、2017年5月28日までにウクライナを退去しなければならない]

この為、2003年にロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、セヴァストーポリに代わる黒海艦隊の基地をノヴォロシースクへ建設する法令に署名し、建設工事が始まりました。
当初は、100隻の艦船を収容できる基地を2012年までに建設する計画でした。
[黒海艦隊基地ノヴォロシスクは、2012年までに完成する]

その後、ウクライナには親ロシア派政権が誕生し、2010年4月21日に締結されたハリコフ合意により、黒海艦隊の駐留期間は25年延長されました(2042年までの駐留が可能となった)。
因みに、今回の記事に登場するロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督は、2010年7月から2011年5月まで黒海艦隊司令官を務めていました。

しかし、2014年3月、クリミア半島を巡る状況は大きく変わりました。
[ロシア-ウクライナ間の黒海艦隊協定は廃止された]
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船の大部分はセヴァストーポリに駐留する]
ロシア黒海艦隊は、セヴァストーポリに駐留できなくなるという可能性を憂慮する必要は無くなりました。

この為、ノヴォロシースク海軍基地の拡張工事は当初計画よりも縮小される事になり(100隻収容から60隻収容に縮小)、完了期日も先延ばしされました(2020年)。

将来的には、黒海艦隊潜水艦部隊(第4独立潜水艦旅団)ノヴォロシースクへ駐留する事になるようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦はノヴォロシースクを基地とする]

現在建造中のプロジェクト22160哨戒艦6隻も、就役後はノヴォロシースクへ配備される予定です。
[プロジェクト22160哨戒艦]

ロシア海軍の最新鋭多用途原潜ヤーセン級は北方艦隊と太平洋艦隊へ配備される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月17日23時3分配信
【ロシア海軍総司令官コロリョーフ:比類なき原子力潜水艦「ヤーセン」は北方艦隊と太平洋艦隊で勤務に就く】
モスクワ、3月17日、インタファクス-AVN

原子力潜水艦「ヤーセン」は、北方艦隊太平洋艦隊で勤務に就く。
ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は述べた。

「何はともあれ、私共は、このシリーズの建造を続けており、艦は北方艦隊及び太平洋艦隊の一員として任務を果たします」
ウラジーミル・コロリョーフ
は、ラジオ局『エコー・モスクワ』の生放送で話した。

「プロジェクト"ヤーセン"潜水艦のトップは北方艦隊に在り、与えられた任務を遂行しています。
私は、その全ての戦術-技術的特性が完全に発揮されている事を強調したいと思います」

総司令官は付け加えた。

「(ヤーセンの)いくつかの電波電子兵装システム、通信手段、ミサイル兵装は比類なきものであり、同様のものが出てくる事など近い内には予見できません。
加えて、巡洋艦には大いなる近代化のポテンシャルが有ります」

提督は指摘した。

以前、ウラジーミル・コロリョーフは、ロシア海軍の為に6隻の潜水艦「ヤーセン」が建造されていると述べた。
「更に6隻のプロジェクト"ヤーセン"原子力潜水艦と5隻の原子力ロケット艦ボレイ-Aが、様々な建造段階に在ります」
ウラジーミル・コロリョーフ
『クラースナヤ・ズヴェズダー』紙のインタビューを受け、こう話した。

プロジェクト885「ヤーセン」潜水艦は、地上、水上、水中の物体の撃滅の為に意図されている。
その兵装は、現代的な魚雷複合体と、有翼ミサイル「カリブル」を含むミサイル兵器である。
このミサイルは、シリアでの作戦に何度も関わっている。




[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦 ]

ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦は、7隻がセヴェロドヴィンスク市「セヴマシュ」で起工され、このうち1隻が就役しています。

1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水、2013年12月30日に竣工、2014年6月17日に就役し、北方艦隊第11対空母原潜師団へ編入されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
就役後も各種試験と慣熟訓練に従事していましたが、2016年3月までに終了しました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは戦闘演習の為に出航する]
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
[ロシア海軍最新鋭原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2017年8月にも有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2番艦「カザン」からは改良型のプロジェクト885Mとなり、2009年7月24日に起工され、2017年3月31日に進水し、同年7月から造船所岸壁での係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]
ロシア海軍への引き渡しは2019年末に予定されており、就役後は北方艦隊へ配備されます。

3番艦(改「ヤーセン」級としては2隻目)「ノヴォシビルスク」は2013年7月26日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2020年に予定されています。
[ヤーセン級多用途原潜3番艦ノヴォシビルスクは起工された]
[ヤーセン級多用途原潜ノヴォシビルスクの船体の水圧試験が行なわれた]

4番艦(改「ヤーセン」級としては3隻目)「クラスノヤルスク」は、2014年7月27日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2020年に予定されています。
[多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスク(と戦略原潜ボレイ級5番艦)はロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の第4世代多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスクの船体の水圧試験が行なわれた]

5番艦(改「ヤーセン」級としては4隻目)「アルハンゲリスク」は、2015年3月19日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2021年に予定されています。
[ロシア海軍の為のヤーセン級多用途原潜5番艦アルハンゲリスクは起工された]

6番艦(改「ヤーセン」級としては5隻目)「ペルミ」は、2016年7月29日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2022年に予定されています。
[ロシア海軍の為の第6のヤーセン級原子力水中巡洋艦ペルミはセヴェロドヴィンスクで起工された]

7番艦(改「ヤーセン」級としては6隻目)「ウリヤノフスク」は、2017年7月28日に起工されました。
[ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2023年12月末に予定されており、就役後は北方艦隊へ配備されます。

現在の所、「ヤーセン」級シリーズの建造は7隻で終了する予定です。
[ロシア海軍第4世代多用途原潜ヤーセン級は2023年までに計7隻が就役する]


7隻の「ヤーセン」級は、北方艦隊太平洋艦隊へ配備されます。
おそらくは、こうなるでしょう。

[北方艦隊]
「セヴェロドヴィンスク」、「カザン」、「アルハンゲリスク」、「ウリヤノフスク」
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[太平洋艦隊]
「ノヴォシビルスク」、「クラスノヤルスク」、「ペルミ」

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2020年代中期には、「ヤーセン」級の次の第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級の建造が始まります。
[ロシア海軍の第5世代多用途原子力潜水艦ハスキー級の1番艦は2023~2024年に起工される]
[ロシア海軍第5世代多目的原子力潜水艦ハスキー級の寿命は52年となる]

ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-19はピョートル大帝湾で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月17日5時26分配信
【太平洋艦隊のロケット艇R-19はピョートル大帝湾で艦内戦術演習を実施した】

本日、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊ロケット艇R-19は、ピョートル大帝湾の戦闘訓練射爆場で、実地戦闘訓練の実施に先行する艦内戦術演習一連の準備を行なった。

特に、乗組員は仮想敵の空中攻撃手段に対する水上艦の戦闘訓練を行ない、「敵」艦船支隊への組織的なミサイル打撃へ取り組んだ。

船員はさらに、艦の生存の闘い(ダメージコントロール)の海上訓練を実施した。

艇の訓練の次の段階は、海上及び空中目標への実地射撃の実施となる。



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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【ロケット艇R-19】

プロジェクト12411(タランタルIII級)大型ロケット艇R-19は、ロシア極東ハバロフスク造船工場で建造され、1992年12月7日に就役しました。
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現在は第19水上艦旅団第2親衛ロケット艇大隊に所属し、ウラジオストク南部ウリス湾に駐留しています。
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[第2親衛ロケット艇大隊]
ロケット艇R-79(1241T、1984年12月就役)
ロケット艇R-261(12411、1988年12月就役)
ロケット艇R-297(12411、1990年9月就役)
ロケット艇R-298(12411、1990年12月就役)
ロケット艇R-11(12411M、1991年9月就役)
ロケット艇R-14(12411M、1991年12月就役)
ロケット艇R-18(12411M、1992年8月就役)
ロケット艇R-19(12411M、1992年12月就役)
ロケット艇R-20(12411M、1993年11月就役)
ロケット艇R-24(12411M、1994年12月就役)
ロケット艇R-29(12411M、2003年8月就役)



基本的には沿海地方に駐留し、日本海で行動しているR-19ですが、ほぼ毎年、宗谷海峡を東進してオホーツク海で実施される太平洋艦隊の演習へ参加しています。

2012年7月初頭に宗谷海峡を通過し、太平洋艦隊の指揮幕僚演習へ参加しています。
[ロシア太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡を東進(2012年7月1日)]

2013年7月下旬にオホーツク海で実施された太平洋艦隊の「抜き打ち演習」へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊艦船は「抜き打ち演習」を終えて基地へ戻った]

2014年4月末に宗谷海峡を東進し、約1ヶ月間に渡りオホーツク海南部に滞在しました。
[ロシア太平洋艦隊の10隻以上の艦艇が洋上で行動している]

2015年6月上旬にオホーツク海へ入り、太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]

2015年9月2日にはサハリンコルサコフ第2次世界大戦終結70周年の記念観艦式へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はサハリン南部で第2次世界大戦終結70周年記念観艦式を挙行する]

2017年7月上旬には宗谷海峡を東進して日本海へ入り、太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水上艦16隻はラ・ペルーズ海峡を通過して日本海へ入った]

ロシア海軍北方艦隊のバチスカーフAS-36の近代化改装は2019年に完了する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年3月15日15時40分配信
【(ロシア)海軍は軍備として在る全ての救助深海装置の近代化プログラムを完了する】

海軍総司令部は、海軍捜索救助部隊の装備の充実と並行して続けられている捜索・緊急救助業務サービスの軍備として在る全ての救助深海装置の近代化プログラムを殆ど完了している。
この作業の結果、救助深海装置は高度の近代化及び修理を実施し、15年に渡る高レベルの効率の運用が可能となる。

近代化のラインの最後は、近代化作業実施の最終段階に在る救助深海装置プロジェクト18270「べステル」であり、それは2019年に北方艦隊へ引き渡される。

救助深海装置「べステル」は、海底に横たわっている深度720メートルまでの遭難した潜水艦の乗組員へ援助を与えて救助し、更には水中物体の調査と水中技術作業の実施の為に意図されている。

サンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』での近代化により、救助深海装置「べステル」の特性は、太平洋艦隊捜索・緊急救助業務サービスへ加わっている同シリーズの第2の装置~プロジェクト18271「べステル-1」が有する特性と同様となる。

ロシア海軍緊急救助支隊の目標の大部分は、現代的な船、艇、深海装置を装備する事に有り、2020年には総数の70パーセント以上に達する。



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プロジェクト18270「べステル」救助深海装置AS-36は、1989年4月にニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で起工され、1991年春に進水しました。

1994年8月25日には北方艦隊の基地へ到着し、同年9月20日から11月4日まで白海で工場航行試験と国家受領試験が実施されました。

1994年11月15日にロシア海軍へ納入され、1996年8月9日にセヴェロモスク基地へ到着し、プロジェクト05361救助船「ゲオルギー・チトフ」(1982年12月就役)へ搭載される事になりました。
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しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により満足に稼働できず、2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の際に出動したものの、何の成果も得られませんでした。

その後も北方艦隊に在籍していました。

2014年6月初頭のAS-36


2017年3月20日にはバレンツ海での捜索救助演習へ参加しました。


2017年4月にも捜索救助演習へ参加しました。
この時には、プロジェクト05360救助船「ミハイル・ルドニツキー」(1978年12月就役)を母船としました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月9日13時58分配信
【救助水中装置AS-36はコラ湾で特殊任務へ取り組んだ】

近代化改装の話は2013年から出ていましたが、2017年12月からサンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』で実行に移される事になりました。

AS-36は、2019年に北方艦隊へ復帰します。

近代化改装されたAS-36は、太平洋艦隊へ配備されている改良型のプロジェクト18271「べステル-1」と同様の能力を有する事になります。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]


現在、ロシア海軍には6隻の救助深海装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2019年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は爆撃機の迎撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月16日6時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31は飛行戦術演習中に仮想敵の航空機を迎撃し、空中給油を行なった】

カムチャツカ航空基地太平洋艦隊海軍航空隊混成航空連隊高空迎撃戦闘機MiG-31は、飛行戦術演習中に、ロシア連邦の空中空間(領空)を侵犯する仮想敵の航空機の迎撃任務へ取り組んだ。

侵犯機の役割は、2機の対潜航空機Il-38Nが演じ、仮想敵の戦略爆撃機に扮した。

当直部隊の高空迎撃戦闘機MiG-31のペアは、警報により発進した。
地上の電波工学手段と連携して目標の探知と分類に成功し、その後、「空対空」クラスのミサイルの電子発射を実施した。

演習中、高空迎撃戦闘機は更に、チュクチ自治管区の飛行場から移動してきた航空機Il-78による空中給油へ取り組んだ。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]

4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

5月19日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での迎撃訓練を行なった]

6月16日にはカムチャツカ半島及び太平洋の上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31はカムチャツカ半島で空中戦闘訓練を行なった]

7月17日には超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は超音速巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった]


その後も、エリゾヴォ基地MiG-31は、度々各種の飛行訓練を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月31日8時0分配信
【太平洋艦隊のMiG-31飛行士は空中での燃料補給へ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月15日6時36分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は困難な気象条件でのフライトへ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月17日10時40分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の高速迎撃機MiG-31乗員は困難な気象条件でフライトを行なった】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月23日6時2分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は仮想敵の航空機を成層圏で破壊した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月11日3時20分配信
【高速迎撃戦闘機MiG-31乗員はカムチャツカ及び太平洋上空での夜間空中戦闘実施の習熟へ取り組んだ】


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月20日3時55分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】



2018年1月23日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は成層圏戦闘訓練を行なった]

2月12日には領空侵犯機の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は領空侵犯機の迎撃訓練を行なった]

2月20日には編隊飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月20日5時23分配信
【カムチャツカの戦闘機MiG-31乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】

2月28日には、対潜哨戒機Tu-142M3が敵機役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月28日6時21分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の戦闘機飛行士は仮想敵の空中攻撃手段を撃退した】

3月6日には、対潜哨戒機Il-38対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送ヘリコプターMi-8と共に悪天候下で飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月6日3時56分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の飛行士は困難な天候条件下で訓練飛行を実施した】


そして3月16日、カムチャツカエリゾヴォ飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38Nが敵機(爆撃機)役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカのエリゾヴォ基地へ到着した]

戦闘訓練が終わった後、ロシア航空宇宙軍空中給油機Il-78からの空中給油訓練を行ないました。


なお、MiG-31を開発したロシア航空機製造会社『ミグ』は、MiG-31の後継機MiG-41の開発に着手しています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年6月14日9時59分配信
【ロシアはMiG-31を代替する新たな迎撃戦闘機の開発を始めた】

ミグ社は、MiG-31を代替する「遠距離迎撃将来航空複合体」の概念設計を行なっています。

MiG-41は、単なるMiG-31の改良発展型ではなく、全く新しい設計の迎撃戦闘機となります。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年8月22日17時17分配信
【迎撃戦闘機MiG-41は宇宙で動作できる】

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部へ行く

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年3月14日14時50分配信
【今週に3隻のロシア海軍の軍艦が地中海へ入った】

警備艦「プイトリーヴイ」は、3月14日・水曜日にボスポラス及びダーダネルス海峡を地中海エリアへと通過した。
『インタファクス』は、黒海海峡を移動する艦船を観察しているイスタンブールのインターネット情報リソースを引用して報じた。


今週初め、既に3隻のロシア戦闘艦地中海へ入っている。
3月12日・月曜日には、同海域へ黒海海峡から大型揚陸艦「ミンスク」が到着し、火曜日には、有翼ミサイル「カリブル」を装備するフリゲート「アドミラル・エッセン」が同じコースを辿った。

現在、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊は、約15隻の艦及び補助船を有している。

「プイトリーヴイ」は、プロジェクト1135M警備艦である。
艦は1979年6月27日にカリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で起工された。
1981年4月16日に進水し、1982年2月9日に海軍へ加わった。

「プイトリーヴイ」の全長は123メートル、排水量は3400トン、32ノットの速力を発揮する。
兵装として警備艦には、4基のミサイル複合体「ラストルブ」発射装置、2基の高射ミサイル複合体「オサー」2連装発射装置、2基の100mm砲AK-100、2基の4連装533mm魚雷発射管、2基の反応爆雷装置RBU-6000が設置されている。



プロジェクト1135M(クリヴァクII級)警備艦「プイトリーヴイ」は、1979年6月27日にカリーニングラード「ヤンターリ」造船所で起工され、1981年4月16日に進水、1981年11月30日に海軍へ納入され、1982年2月9日に黒海艦隊へ編入されました。
「プイトリーヴイ」は、計32隻が建造されたプロジェクト1135/1135M(クリヴァクI/II級)の最終艦です。
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就役後は一貫して黒海艦隊で行動し、ソ連邦解体後も現役に留まって活動を続けていました。

2014年5月から2015年2月までセヴァストーポリの工場でオーバーホールが行なわれました。

2015年5月18日にセヴァストーポリを出航し、数年ぶりに地中海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海へ向かった]

2015年6月下旬には大西洋へ行き、アンゴラ赤道ギニアを訪問した後、8月に地中海へ戻りました。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-8月)]

その後も地中海東部に滞在し、2015年10月初頭にはシリア沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

2015年10月上旬にセヴァストーポリへ帰港しました。

2016年5月下旬にセヴァストーポリを出航して地中海へ行き、7月初頭には帰港しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部へ行く]

2016年8月初頭に再びセヴァストーポリを出航して地中海へ入り、11月下旬まで滞在し、11月27日午前に帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部からセヴァストーポリへ帰投した]

帰投後はセヴァストーポリで艦のメンテナンスを行なっていたようです。
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2017年7月21日にセヴァストーポリを出航し、7月22日にはボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部(シリア沖)へ向かった]

7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。


タルトゥースの観艦式には、潜水艦「クラスノダール」、救助曳船SB-739、掃海艦「ワレンチン・ピクリ」、偵察艦「ワシーリー・タチシチェフ」、警備艦「プイトリーヴイ」、フリゲート「アドミラル・エッセン」、サルベージ船KIL-158が参加しました。
この他、査閲艦艇として哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」も参加しました。

8月3日に地中海を離れてボスポラス海峡を北上し、8月4日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海を去った]

8月31日には砲撃及び高射ミサイル発射訓練を実施しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年8月31日11時40分配信
【軍艦「プイトリーヴイ」は黒海で演習を実施した】

9月11日頃にセヴァストーポリを出航し、9月12日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海へ入った]

11月14日にはボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

その後は、黒海で行動するアメリカ海軍ブリテン海軍などの軍艦を監視していました。
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2018年2月下旬にはフリゲート「アドミラル・エッセン」(プロジェクト11356R)、警備艦「スメトリーヴイ」(プロジェクト61)と共に演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年2月19日14時41分配信
フリゲート「アドミラル・エッセン」、警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は演習を実施する為に黒海へ出た】


そして2018年3月14日、ボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年3月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「オルスク」(黒海艦隊):2018年3月5日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年3月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

なお、2017年12月初頭から地中海東部に滞在していたフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、3月13日頃にスエズ運河を通過して紅海へ行ったようです。
【Yoruk Isik氏の2018年3月14日0時53分のツイート】
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、紅海で実施されるフランス海軍エジプト海軍の合同演習を監視するようです。

プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2018年8月末頃にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月12日16時52分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は夏の末には海軍へ引き渡す事ができる】
サンクトペテルブルク、3月12日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は、夏の末にはロシア海軍へ引き渡す事ができる。
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。

計画では、海軍は昨年に艦を受領していなければならなかったが、特に、コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』が製造し、フリゲートへ装備されなければならない高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」に関する状況が故に引き渡しは延期された。

「我々の情報では、(高射ミサイル複合体の)試験は、艦が試験へ出るまでに、およそ1ヶ月半は掛かります。
それ(高射ミサイル複合体)は、現在、射爆場で仕上げを行なっており、その後に、フリゲートからの射撃を行なう為に艦へ復帰しなければなりません。
私共は、全てが順調に進んだ場合、フリゲートは夏の末には戦闘編制へ加入する機会があると考えております」
ラフマノフ
は話した。



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[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。


進水後、『北方造船所』の岸壁で艤装工事が進められました。
[艤装中のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影]
[ロシア海軍最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」近影(2013年3月)]

2013年7月末までに艦長オレグ・グセフ1等海佐以下186名の正規乗組員が乗艦しました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」へ正規乗組員全てが乗艦した]

2013年7月31日からは『北方造船所』岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]

130mm砲は2014年9月に入り、ようやく『北方造船所』へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]

11月8日、『北方造船所』岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

2014年11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]


「アドミラル・ゴルシコフ」の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]

2015年5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」サンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験(第2段階)へ向かいました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した]

その後はバルチースク基地へ移動し、洋上試験を続けていました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験を再開した]

2015年7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を訪れた]

9月3日にバルチースクを出航し、9月7日にクロンシュタットへ到着しました。


9月11日、建造元の『北方造船所』は、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海における洋上試験(第2段階)を完了したと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の第2段階を完了した]

その同じ日、「アドミラル・ゴルシコフ」は午前9時にクロンシュタットを出航し、フィンランド湾で洋上試験を行ない、同日の午後8時に帰港しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィンランド湾で昼夜の洋上試験を行なった]


その後、バルチースク基地へ移動した「アドミラル・ゴルシコフ」は、9月22日に白海へ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海へ向かった]

9月24日にはバルト海を出て北海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海を出て北海へ入った]

9月30日、白海沿岸セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ到着した]

10月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」国家受領試験を実施する為、白海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の最終段階を実施する為に白海へ出航した]

11月2日、A-192M「アルマート」130mm単装砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で130mm砲を発射した]

11月25日、白海有翼ミサイル(カリブル)の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2015年12月25日、白海での洋上試験の第1段階は完了しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海での洋上試験第1段階を完了した]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海方面へ移動し、2016年2月24日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲の対空射撃試験を実施しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で砲撃試験を実施した]

2016年2月末からはロスリャコヴォ村(ムルマンスク近郊)をベースにして海上試験を続けました。
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3月初頭には艦載ヘリコプターKa-27の発着試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はヘリコプターの着艦試験を行なった]

3月23日にはA-192M「アルマート」130mm単装砲による海上砲撃試験が行われました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で海上目標への砲撃試験を行なった]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動し、バレンツ海で各種試験が続けられました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"近影(2016年5月末-6月初頭)]

2016年7月末~8月初頭頃には、電子戦闘システム5P-28の試験が実施されました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"の電子戦闘システムの試験が実施された]




しかし、高射ミサイル複合体「ポリメント・リドゥート」に問題が発生した為、引き渡しの期日は未定となりました。
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のロシア海軍への引き渡し時期は未だ明確では無い]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2016年11月中旬までにバルチースクへ戻り、11月22日にバルチースクを出航しました。
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11月24日にはサンクトペテルブルク『北方造船所』へ到着しました。
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「アドミラル・ゴルシコフ」ロシア海軍への引き渡しは、2017年に延期されることになりました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフのロシア海軍への引き渡しは2017年前半に延期された]

2017年1月21日には『北方造船所』の浮きドックへ入渠しました。
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その後、『北方造船所』岸壁で艦内の全ての機器の点検と整備が行なわれました。
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2017年3月20日にサンクトペテルブルクから出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は兵装試験の為に再びバレンツ海へ向かった]

当初はバレンツ海で試験を行なう予定でしたが、結局バルト海で試験が行なわれ、5月8日にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。



その後、5月21日午前にサンクトペテルブルクを出航し、バルト艦隊主要基地バルチースクへ向かいました。
『Dambievのブログ』より
2017年5月22日配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は次の段階の試験へと出発した】

6月初頭からバルト海で洋上試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海で洋上試験を行なう]
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバルト海で高射ミサイル複合体の発射試験を行なう]

7月1日にはサンクトペテルブルクへ入港しました。


その後、クロンシュタットで7月30日に行なわれる「ロシア海軍の日」観艦式のリハーサルへ何度も参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]



そして7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


「アドミラル・ゴルシコフ」は、観艦式の前の7月21日~22日に、艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」の発着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はクロンシュタット沖で艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの発着艦試験を行なった]

観艦式の後の動向は明らかにされていませんでしたが、9月上旬頃にバルト海沿岸のバルチースク(バルト艦隊基地)からバレンツ海方面の北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動していたようです。
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2017年9月29日、洋上試験の最終段階がバレンツ海で始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"の洋上試験の最終段階がバレンツ海で始まった]

2017年10月8日には早期警戒ヘリコプターKa-31の着艦試験が行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年10月8日19時5分配信
【ヘリコプターKa-31乗員はフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」への着艦へ取り組んだ】

しかし、洋上試験(おそらくは高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の発射試験)は不成功に終わったらしく、「アドミラル・ゴルシコフ」ロシア海軍への引き渡しは2018年に延期される事になりました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフのロシア海軍への引き渡しは2018年に延期される]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2017年12月末にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻っており、洋上試験の最終段階が再開されるのは、2018年4月~5月に予定されています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2018年春に洋上試験を再開する]

その後、試験が順調に進めば、今年の夏の末、つまり8月末には「アドミラル・ゴルシコフ」へ海軍旗が掲揚される、つまり、ロシア海軍へ就役する事ができるでしょう。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフは2018年8月末頃にロシア海軍へ就役する]


なお、「アドミラル・ゴルシコフ」は、サンクトペテルブルクへ戻る途中の2017年12月23日、2基の巡航用ディーゼルエンジン10D49の内の1基が破損しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月13日13時1分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の巡航用ディーゼルは破損した】

この為、破損したディーゼルエンジンサンクトペテルブルク『コロムナ工場』から派遣された技術者により修理される事になりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月15日17時41分配信
【情報筋:フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」のディーゼルは3月の修理が計画されている】

ディーゼルエンジンの修理は2018年3月中旬に完了したようです。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年3月13日18時56分配信
【情報筋:フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」のディーゼルは復旧した】

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月12日7時49分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」は今年初めての海洋航海へ出発した】

計画ローテーションに沿って黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」セヴァストーポリから黒海海峡へ進路を取った。
戦闘艦の乗組員にとって、これは2018年最初の遠海ゾーンへの航海である。

恒常駐留地点での出航への準備過程で艦の乗組員は、ロシア連邦海軍の水上艦の訓練コースに沿って様々なテーマの艦内演習を実施した。

特に、船舶航行集中海域での航海及び操艦の課題へ取り組み、海上および空中目標への砲射撃を実施し、仮想敵へのミサイル複合体「カリブル-NK」による攻撃へ取り組み、ミサイルの電子発射を行なった。

[参照]
「アドミラル・エッセン」
は、このプロジェクトの第2の海洋ゾーンフリゲートであり、最初の生産艦である。
ロシア帝国海軍の提督ニコライ・オットーヴィチ・フォン・エッセンに因んで命名された。
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このシリーズの艦の排水量は、ほぼ4000トンになり、速力-30ノット、自立航行期間-30日。
「アドミラル・エッセン」は、ミサイル「カリブル」、自衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mm砲、高射砲、反応爆雷装置で武装している。



プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水し、2016年6月7日に就役しました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

2016年10月下旬に黒海へ回航され予定でしたが、バルチースク基地でスクリューと推進軸を損傷してしまった為、修理が必要となり、回航は延期されることになりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器を修理する]

「アドミラル・エッセン」は建造元の『ヤンターリ』へ回航され、浮きドックで修理が行なわれました。
修理は2016年12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器の修理を終えた]

その後はバルト海で修理後の航行試験が行われていたようですが、2017年3月7日には、バルト艦隊親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は、本来の配備場所である黒海艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは黒海艦隊基地へ向かった]

2017年5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

その後、「アドミラル・エッセン」地中海を東へ進み、5月15日には地中海東部に位置するキプロス島南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]

2017年5月31日、潜水艦「クラスノダール」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアパルミラ(タドムル)ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も、同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部へ留まりました。
[巡航ミサイル"カリブル"を搭載するロシア海軍黒海艦隊の2隻のフリゲートと1隻の潜水艦は地中海東部に留まる]

6月23日には同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「アドミラル・エッセン」は、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

それから4日後の7月9日にセヴァストーポリを抜錨し、再び地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・エッセン"は再びシリア沖へ向かった]

7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。


その後も地中海東部へ留まり、9月4日にシリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

「アドミラル・エッセン」は9月22日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリア沖からセヴァストーポリへ帰投した]


その後は黒海に留まり、2018年2月下旬には警備艦「プイトリーヴイ」(プロジェクト1135M)、「スメトリーヴイ」(プロジェクト61)と共に演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年2月19日14時41分配信
フリゲート「アドミラル・エッセン」、警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は演習を実施する為に黒海へ出た】

そして2018年3月13日までにセヴァストーポリを抜錨して地中海東部へ向かいました。

現在、地中海東部には同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」が滞在していますが、「アドミラル・エッセン」は、その交代の為に出航したようです。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で戦闘演習を行なった]

ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は2018年4月までに締結される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月12日18時58分配信
【『統合造船業営団』は4月までの航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の契約への署名を見込んでいる】
サンクトペテルブルク、3月12日、インタファクス-AVN

『統合造船業営団』は、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化の契約の締結は、2018年4月よりも遅くはならないと見込んでいる。
『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。

「契約への署名は、今年4月よりも遅くなる事は無いと予想されます」
彼は話した。

「大量に署名され、ある程度の規模は開示されます」
彼は、修理開始時期についての質問に答え、こう話した。

以前、2016年末~2017年初頭のシリア沿岸への遠距離航海の実施後、航空母艦は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)の支所『第35艦船修理工場』での修理へ回される予定であると報じられた。

海軍及び業界の代表は、航空母艦の修理及び近代化は2018年に開始する予定であると共に表明した。
現在、ロシア連邦国防省は、2年~2年半掛かると予想される作業予定の「ロードマップ」へ取り組んでいる。
実際の作業量は、特別の資金供給の量が知られた後に定められる。

以前、『統合造船業営団』のトップは、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理は2018年に始まり、修理作業量は国家軍備プログラムのバランスに依ると発言した。
12月初頭、北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフは、「アドミラル・クズネツォフ」は修理へ向かうと述べた。
「それは既に修理へ回されており、現在、措置の準備が進められております。
それは艦船修理企業に在ります」

彼は話した。
司令官によると、航空母艦の近い内の遠距離航海への参加は計画されていない。

2017年2月、北方艦隊航空艦グループは、地中海への遠距離航海からセヴェロモルスクへ戻ってきた。
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グループは、特に、「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」で構成されていた。
「アドミラル・クズネツォフ」艦上航空隊シリア軍事作戦へ関わった。
公開情報によると、軍事行動とは関係ない2度の航空事故が有り、航空群は2機の戦闘機を失った。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


シリア沖への遠距離航海から1年後、2018年2月23日の「祖国防衛者の日」クレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「アドミラル・クズネツォフ」ウシャコーフ勲章を授与しました。

『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】

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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になります。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(セヴェロドヴィンスク)
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『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基が新品に交換されるのは確実であり、ムルマンスク『第35艦船修理工場』には、2017年8月下旬に同艦の為の新造のボイラーが届けられています。
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近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まる]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まり、3年間に渡る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

以前には500億ルーブルと伝えられた「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装費用は、「ほぼ半分」(250億ルーブル程度)に減らされる事になるようです。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の予算は500億ルーブルよりも減らされる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]

遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」は地中海へ入った】

遠距離航海任務を遂行しているバルト艦隊練習艦「ペレコプ」は、ジブラルタル海峡の通過を終えて地中海へ入った。

大西洋移動時、艦の乗組員は海上技量を向上させ、生存の為の闘い(ダメージコントロール)、更には船舶航行及び漁業の集中海域での操艦といった一連の艦内演習を実施した。

3月1日に艦は新たな練習航海へ出発した。
練習艦の遠距離航海は、ロシア連邦国防省の海軍教育学校の生徒の海上実習の枠組みにおいて実施される。
将来の海軍士官は同艦において、特に操艦に関連した教育プログラムを実行する。
総計で海洋航海には500名以上の生徒が参加する。

航海士の航海中に練習艦「ペレコプ」は4つの大洋へ行き、同艦の歴史上初めて北海航路を通過する。
艦には半年以上に渡る航海と、約22000海里(41000km以上)の距離の走破が待ち受けている。
航海プログラムにより、外国及びロシアの港へ8回の業務寄港を行なう。



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プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、北極航路、更には極東方面(ウラジオストク)まで行くようです。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]

その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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今後、「ペレコプ」地中海を東進して黒海へ入り、セヴァストーポリへ寄港した後、また地中海へ戻り、紅海インド洋を通過して太平洋方面へ行く事になるようです。

ロシア海軍太平洋艦隊は2020年までに3隻のプロジェクト20380コルベットを受領する


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月11日10時50分配信
【太平洋艦隊は2020年までに有翼ミサイル「カリブル」を有するコルベット3隻を受領する-情報筋】
モスクワ、3月11日、インタファクス-AVN

太平洋艦隊は2020年には「カリブル」を有する最新コルベット3隻により著しく増強される。
『インタファクス』は情報筋より伝えられた。

「現在の太平洋艦隊の地政学的情勢の条件は、更新され続けています。
有翼ミサイル"カリブル"を有するコルベット3隻は、2020年までに受領しなければなりません」

対談者は話した。

彼によると、これは、プロジェクト20380艦「グロームキー」、「リェーズキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」についての話である。

「艦隊は更に、近代化された潜水艦プロジェクト949を受領します。
これらは、今後に開発されるものを含め、先進的な兵装を搭載します」

情報提供者は伝えた。

以前、艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、太平洋艦隊有翼ミサイル「カリブル」を有するコルベット「グロームキー」を今年に受領すると語った。
「昨年末までに我々はプロジェクト20380コルベットの最初の艦ソヴェルシェーンヌイを受領しました。
今年に艦隊は同じプロジェクトのグロームキーと、続いて改善プロジェクト~グレミャーシチーの受領を準備しています」

司令官は『クラースナヤ・ズヴェズダー』紙のインタビューに対し、こう話した。

司令官は更に、『2027年までの国家軍備プログラム』に沿って、コムソモリスク・ナ・アムーレ造船工場は、太平洋艦隊の為に、有翼ミサイル「カリブル」を有するプロジェクト22800小型ロケット艦4隻を建造すると述べた。
「これは、高速で寸法が小さく、目立たない艦であり、排水量は、ほぼ800トンであり、現用及び将来に運用期限を迎えるロケット艦及びロケット艇を代替します。
更に数隻の類似の艦が、我々の為に『東方造船所』で建造される可能性は排除されません」

彼は話した。

彼は更に、太平洋艦隊は間もなく新たなディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト636.3への習熟を始めると語った。
1隻目の潜水艦は2019年に受領される。



現在、ロシア極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの建造が進められています。

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1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、2017年7月20日に就役しました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2隻目の「グロームキー」(2012年4月20日起工、2017年7月28日進水)は、2018年末の就役が予定されています。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は2015年7月22日に起工され、2019年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]

4隻目の「リェーズキー」は2016年7月1日に起工され、2020年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]


今回の記事に登場する「匿名希望の情報提供者」によると、今後就役する「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「リェーズキー」の3隻は有翼ミサイル「カリブル」を装備するとの事です。

現在就役中のプロジェクト20380コルベット5隻(「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」、「ストイーキー」、「ソヴェルシェーンヌイ」)は、いずれも対艦ミサイル「ウラン」を装備しており、「カリブル」は装備していません。
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しかし、2017年12月末、『イズベスチヤ』は、プロジェクト20380コルベットが今後「カリブル」を装備すると報じています。
『イズベスチヤ』より
2017年12月27日0時1分配信
【ロシアのステルスコルベットは「カリブル」を装備する】

今後就役するプロジェクト20380コルベットは、「カリブル」を装備するのかもしれません。


最終的には、合計8隻のプロジェクト20380/20385コルベット太平洋艦隊へ配備される事になります。
(20380が4隻、20385が4隻)
[ロシア海軍太平洋艦隊は8隻のプロジェクト20380/20385コルベットを受領する]

エーゲ海でシエラレオネの貨物船と衝突したロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ヤーマルは船体の修理を終えた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月9日11時0分配信
【情報筋は揚陸艦「ヤーマル」の船体の水中部分の修理が完了したと述べた】
モスクワ、3月9日、インタファクス-AVN

エーゲ海で外国船と衝突後に損傷を受けた大型揚陸艦「ヤーマル」は、上部構造物の修理の為にケルチへ向かう。
『インタファクス』は情報筋より伝えられた。

「ヤーマルはセヴァストーポリ海洋工場(セヴァストーポリ)を去りました。
船体の水中部分の修理は成功裏に完了しました」
彼は話した。

情報提供者によると、ケルチ工場『ザリフ』は、大型揚陸艦の上部構造物を修復する。

黒海艦隊によると、昨年12月30日、エーゲ海カルパトス海峡を通過中のばら積み貨物船「オルカ-2」(シエラレオネ船籍)と大型揚陸艦「ヤーマル」の衝突が発生した。

黒海艦隊広報サービスが以前に『インタファクス』へ伝えた所によれば、「ヤーマル」地中海からセヴァストーポリへ向かっていた。
衝突の結果、何ら負傷者は居ない。
艦は移動のままであり、指定地点への移動を続けた。

伝えられる所によれば、「ヤーマル」は昨年12月23日に黒海海峡を通過してシリアへ進み、2017年11月にも同国へ貨物を運んだ。



ロシア黒海艦隊プロジェクト775大型揚陸艦「ヤーマル」(1988年12月30日就役)は、この数年間は黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。
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2017年には、計11回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

・1月29日にボスポラス海峡を南下、2月18日に北上
・3月2日にボスポラス海峡を南下、3月12日に北上
・3月25日にボスポラス海峡を南下、4月6日に北上
・4月11日にボスポラス海峡を南下、4月21日に北上
・4月28日にボスポラス海峡を南下、5月7日に北上
・5月12日にボスポラス海峡を南下、5月21日に北上
・8月25日にボスポラス海峡を南下、9月3日に北上
・9月15日にボスポラス海峡を南下、9月28日に北上
・10月11日にボスポラス海峡を南下、10月22日に北上
・11月5日にボスポラス海峡を南下、11月17日に北上

「ヤーマル」は2017年12月23日にボスポラス海峡を南下し、シリアへ向かいました。

シリアから戻る途中の2017年12月30日、エーゲ海シエラレオネ貨物船「オルカ2」と衝突しました。

「ヤーマル」は2018年1月1日にボスポラス海峡を北上し、その後、セヴァストーポリへ帰港しました。

貨物船との衝突により、「ヤーマル」は上部構造物を破損し、船体にも損傷を受けた為、まずセヴァストーポリ艦船修理工場『セヴァストーポリ海洋工場』で船体の修理を行ないました。
[エーゲ海でシエラレオネの貨物船と衝突したロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ヤーマルの修理が始まる]
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「ヤーマル」の船体の修理は2018年3月初頭に完了し、今後はケルチへ回航され、同地の『ザリフ』造船所で上部構造物の復旧が行なわれます。
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近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)の1隻目は2021年以降に復帰する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月5日1時44分配信
【太平洋艦隊は「カリブル」に適応した巡洋艦を2021年以降に受領できる】
モスクワ、3月5日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊ミサイル複合体「カリブル」に適応した原子力水中巡洋艦プロジェクト949Aを2021年以降に受領できる。
太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は語った。

「原子力水中巡洋艦プロジェクト949Aの近代化及び新たな兵器への再装備プランは存在しています。
それは、対艦ミサイル"グラニート"に代わり、有翼ミサイル複合体"カリブル"へ適応させるものです。
この方向性への実際の作業は既に沿海地方の工場ズヴェズダーで進められており、おそらく、近代化された艦の内の1隻が艦隊の常時即応部隊へ加わるのは、2021年以降になるでしょう」
アヴァキャンツ
は、ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、こう話した。
これは月曜日にサイトで公開された。

彼は、近代化された後の原子力水中ロケット巡洋艦プロジェクト949Aには「増大したミサイル弾薬数が存在する」事を指摘した。


ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2018年3月5日0時2分配信
【セルゲイ・アヴァキャンツ大将:それが戦闘準備態勢に関連しているのならば、我々にとって2流の課題では無い】
ロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へのインタビュー記事。



【極東工場『ズヴェズダー』公式サイト】
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極東工場『ズヴェズダー』は、沿海地方ボリショイ・カーメニ市に在る艦船修理工場です。

以前には、旧ソ連の大量の除籍原潜の解体工事を行なっていました。

最近では、太平洋艦隊原子力潜水艦のオーバーホールや近代化改装を行なっています。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]
[ロシア海軍の原子力戦略用途水中巡洋艦リャザンは近代化改装を終えて太平洋艦隊へ復帰し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ戻った]

更に極東工場『ズヴェズダー』では、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII)の近代化改装が行なわれています。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
[太平洋艦隊のオスカーII級原潜3隻は2020年までに近代化される]

現在までに太平洋艦隊の2隻の949A「イルクーツク」「チェリャビンスク」『ズヴェズダー』へ回航され、近代化改装工事が進められています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]

近代化される949Aは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」の両方を運用できる汎用ミサイル発射機を装備しますが、将来的には、この汎用発射機から極超音速ミサイル「ツィルコン」も発射できるようになります。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]

極東工場『ズヴェズダー』では、計4隻の太平洋艦隊949Aの近代化改装が計画されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻は沿海地方のボリショイ・カーメニで近代化改装される]

現在、太平洋艦隊には5隻の949A(「イルクーツク」、「チェリャビンスク」、「トヴェリ」、「オムスク」、「トムスク」)が在籍していますから、この内の1隻を除いて全て近代化改装が行なわれる事になります。

近代化改装の対象から除かれるのは、2014年12月末にオーバーホールを完了している「トムスク」になるようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは任務を終えてカムチャツカへ帰港した]


今回、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴャキャンツ提督は、近代化改装を終えた949Aの1隻目が復帰するのは、2021年以降になると発言しました。

遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年3月9日9時1分配信
【練習艦「ペレコプ」はラ・マンシュ海峡を通過して大西洋へ出た】

バルト艦隊練習艦「ペレコプ」は、パ・ド・カレー、ラ・マンシュ海峡を通過して大西洋へ出た。

今週初め、生徒を艦上に乗せた練習艦「ペレコプ」は、バルト海スカンジナビア海峡を越えて北海へ出た。
海峡ゾーンを通過する際に士官の当直義務及び航海士乗組員の当直を繰り返し行なう事により、生徒は貴重な経験を得た。

練習艦の遠距離航海は、ロシア連邦国防省の海軍教育学校の生徒の海上実習の枠組みにおいて実施される。
将来の海軍士官は同艦において、特に操艦に関連した教育プログラムを実行する。
総計で海洋航海には500名以上の生徒が参加する。

航海士の航海中に練習艦「ペレコプ」は4つの大洋へ行き、同艦の歴史上初めて北海航路を通過する。
艦には半年以上に渡る航海と、約22000海里(41000km以上)の距離の走破が待ち受けている。



プロジェクト877練習艦は、ポーランドグダニスク造船所で3隻が建造されましたが、既に1隻が除籍されています。

[プロジェクト877練習艦]
「スモーリヌイ」
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1974年4月23日起工/1976年1月8日進水/1976年6月30日就役

「ペレコプ」
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1976年4月24日起工/1976年12月11日進水/1977年9月30日就役

「ハサン」
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1977年5月30日起工/1978年1月31日進水/1978年12月28日就役
1998年5月31日除籍、解体


現在は「スモーリヌイ」「ペレコプ」の2隻がバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。


「スモーリヌイ」(300)は、2014年には「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗員を乗せてフランスサンナゼールへ行き、同地で宿泊艦として使われた後、同年末にクロンシュタットへ戻りました
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2015年にはアンゴラ共和国ルアンダを訪れました。
2016年には地中海及び黒海(セヴァストーポリ)への遠洋実習航海を行ないました。


遠洋実習航海から戻った後はクロンシュタットでオーバーホールが行なわれていたようです。
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「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



このように、最近では、プロジェクト877練習艦2隻が毎年交互に遠洋実習航海を行なっていましたが、今年(2018年)には、2隻とも実習航海を行ないます。
[ロシア海軍の練習艦スモーリヌイとペレコプは2018年に1000名以上の生徒の遠洋実習航海を行なう]

今年、最初に遠洋実習航海を行なうのは「ペレコプ」となり、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、北極航路、更には極東方面(ウラジオストク)まで行くようです。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
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ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138はシリアへ派遣される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月9日9時0分配信
【黒海艦隊の水上修理所(工作船)PM-138は地中海の海軍艦船連合部隊へ補充された】

黒海艦隊水上修理所(工作船)PM-138は、戦力の計画ローテーションに従ってセヴァストーポリから地中海への移動を行ない、この地域の海軍常設連合部隊の一員として加わった。

グループの一員として滞在期間中、補助船の乗組員は、地中海で任務を遂行するロシア海軍の艦船の技術的準備状態の維持の保障を行なう。

[参照]
PM-138
は、プロジェクト304水上修理所(工作船)である。
工作船は、基礎駐留地点から遠く離れた海域における艦船の兵器や機器設備の修理の為に意図されている。
満載排水量は5660トン、船の全長は122メートル以上になる。
最大速力-13.5ノット。
航続距離-9000海里。
自立航行期間-40日。



ロシア海軍工作船は、交代で地中海東部へ派遣され、約5ヶ月程度のローテーションでシリアタルトゥースへ駐留し、同海域で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっています。
この数年間は、黒海艦隊PM-56PM-138が交互に派遣されていました。
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PM-138は、以前には2017年1月下旬から6月中旬まで地中海東部に滞在していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138はシリア沖から戻ってくる]

2017年6月中旬にPM-138と交代したのは、バルト艦隊から派遣されたPM-82でした。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリア沖に到着した]

2017年10月下旬には、PM-82と交代する為に黒海艦隊PM-56地中海東部へ派遣されました。
PM-82は2017年11月13日に母港バルチースクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月13日17時11分配信
【バルト艦隊の水上修理所(工作船)は地中海からバルチースクへ戻った】


そして2018年3月8日、PM-138ボスポラス海峡を南方へ通過して地中海へ入りました。

PM-138は、昨年10月下旬から地中海東部に滞在していたPM-56と交代します。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年2月22日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「オルスク」(黒海艦隊):2018年3月5日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦ラズリーフはカムチャツカ半島で対地砲撃訓練を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月7日5時58分配信
【カムチャツカで太平洋艦隊の軍艦「ラズリーフ」は沿岸射爆場の目標を砲撃で撃破した】

ロシア北東の連合部隊の艦は、海上での錬成任務K-2(海上における単艦での意図された行動)の要素への取り組み計画の下で戦闘訓練を実施している。

カムチャツカ沿岸の戦闘訓練射爆場で、太平洋艦隊小型ロケット艦「ラズリーフ」は、組織的対空防衛及び艦の生存の闘い(ダメージコントロール)、海上での捜索と救助を含めた一連の演習及び訓練を実施した。

「ラズリーフ」の砲手は、沿岸の識別が困難なポジションの標的への一連の砲射撃を成功裏に実施し、仮想敵の強化トーチカを破壊した。

戦闘訓練実施中の客観的な監視は、太平洋艦隊海軍航空隊無人飛行装置「オルラーン-10」を使用して行なわれた。
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プロジェクト12341小型ロケット艦「ラズリーフ」は、ウラジオストク造船工場で1986年11月1日に起工され、1991年11月16日に進水し、1991年12月31日に海軍へ納入されました。
1992年2月11日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。

現在は、カムチャツカ半島ペトロパブロフク・カムチャツキーに駐留する第114水域防備艦旅団第66小型ロケット艦大隊に所属しています。

対艦ミサイル「マラヒート」を主兵装とする小型ロケット艦「ラズリーフ」ですが、今回の演習では、艦後部に搭載されている76mm砲による沿岸目標への砲撃を行ないました。


ウラジオストク造船工場では太平洋艦隊向けに計4隻のプロジェクト1234小型ロケット艦「スメルチ」、「イネイ」、「モローズ」、「ラズリーフ」~が建造されましたが、この内、一番最初に建造された「スメルチ」(1984年3月4日就役)は、対艦ミサイルを換装するなどの近代化改装を行ないます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)は近代化改装される]

ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦メチェーリはピョートル大帝湾の演習で対空ミサイルを水上目標へ発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月7日4時12分配信
【太平洋艦隊の小型対潜艦「メチェーリ」は水上目標への高射ミサイル射撃を実施した】

太平洋艦隊の艦船は、海上での錬成任務K-2(海上における単艦での意図された行動)の要素への取り組みを続けている。

戦闘訓練計画に従い、ピョートル大帝湾の射爆場の1つで太平洋艦隊小型対潜艦「メチェーリ」は、戦闘訓練を実施する演習を行なった。

特に、乗組員は、艦の組織的対空防衛行動と、仮想敵の攻撃からの回避へ取り組んだ。

更に小型対潜艦は、電波電子妨害を発信し、自衛高射ミサイル複合体「オサー」の海上目標への射撃を実施した。
高射ミサイルは、仮想敵の水上艦を模した海上盾船へ成功裏に命中した。



『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【小型対潜艦MPK-64「メチェーリ」】

プロジェクト1124M小型対潜艦MPK-64は、ハバロフスク造船工場で1988年1月4日に起工され、1990年10月2日に進水し、1990年12月31日にソ連海軍へ納入され、1991年3月14日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。

2001年10月1日付で「メチェーリ」と命名されました。

現在は、沿海地方ウラジオストクに駐留する第165水上艦旅団第11水域保護艦大隊に所属しています。

基本的には対潜兵装と対空兵装のみで対艦ミサイルを搭載していない小型対潜艦「メチェーリ」ですが、今回の演習では、高射ミサイル「オサー-MA」を海上標的へ発射しました。

高射ミサイル「オサー-MA」による対艦攻撃は、南オセチア紛争(ロシア・グルジア戦争)中の2008年8月9日に発生したアブハジア沖海戦において、黒海艦隊小型ロケット艦「ミラーシュ」が実際に行なっています。
[アブハジア沖海戦「詳細」]
[アブハジア沖の海上戦闘(2008年8月9~10日)とセルゲイ・メニャイロ中将]

ロシア海軍太平洋艦隊の地対艦ミサイルはバスチオンとバルへ更新される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月5日3時0分配信
【太平洋艦隊は新たな沿岸ミサイル複合体「バスチオン」を受領する】
モスクワ、3月5日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊は、沿岸ミサイル部門の再装備の為に新たな機動複合体「バスチオン」の受領を計画している。
太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は伝えた。

「太平洋艦隊の沿岸部門の現代的で先進的な容貌の軍用装備への再装備計画において、新たな複合体バスチオンの受領が存在します」
アヴァキャンツ
は、ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、こう話した。
これは月曜日にサイトで公開された。

彼は、太平洋艦隊は既に、この複合体及び沿岸複合体「バル」の著しい運用経験を蓄積している事を指摘した。

「つい最近、カムチャツカの独立沿岸ロケット連隊の大隊は演習を実施し、その中で整然とした部隊区分へ取り組み、仮想敵艦へのミサイルの電子発射を行ないました。
以前には、ミサイルの実地発射を成功裏に実施しました」

提督は説明した。

彼によると、太平洋艦隊の沿岸部門が受領するのは、機動ミサイル複合体だけでは無い。

「今年には、沿海地方に駐屯する独立海軍歩兵旅団は、最新のBTR-82Aへ完全に再装備されます。
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現代的な車両の受領プロセスは既に始まっています。
注目されるのは、以前に同様の装甲車が複雑な天候条件における慣らし運転及び評価の為、カムチャツカの海軍歩兵部隊へ運用の為に受け入れられている事です。
そこでは、昨年12月にT-80BV戦車が軍備採用されました。
特に、他の現代的な軍用車両が受け入れられます」
アヴァキャンツ
は付け加えた。


ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2018年3月5日0時2分配信
【セルゲイ・アヴァキャンツ大将:それが戦闘準備態勢に関連しているのならば、我々にとって2流の課題では無い】
ロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へのインタビュー記事。




沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。


沿岸ミサイル複合体(地対艦ミサイル)「バル」は、艦対艦ミサイル「ウラン」/空対艦ミサイルKh-35の地上発射ヴァージョンです。

2014年末、沿海地方スモリャニノヴォに駐留する太平洋艦隊第72沿岸ロケット旅団沿岸ミサイル複合体「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で新型地対艦ミサイルの発射訓練を行なった]

2016年3月初頭には、第72沿岸ロケット旅団「バスチオン」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"が配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"を初めて発射した]


一方、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア太平洋艦隊沿岸ミサイル(地対艦ミサイル)部隊(第520独立沿岸ロケット砲旅団)が配備されていたのですが、その地対艦ミサイルは、数年前までは旧式化した「リドゥート」(1960年代に配備)でした。
[ロシア太平洋艦隊の地対艦ミサイル部隊]

そこで、これらの旧式化した地対艦ミサイルを更新する為、クリル諸島にも新型の沿岸ミサイル「バスチオン」及び「バル」が配備される事になりました。

2016年11月下旬、クリル諸島(千島列島)南部のイトゥルプ島(択捉島)「バスチオン」が、クナシル島(国後島)「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した]

2017年2月末には、カムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)にも「バスチオン」が配備されたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊はカムチャツカ半島へ超音速対艦ミサイル"バスチオン"を配備した]

2017年7月には、おそらくはイトゥルプ島へ配備された「バスチオン」の発射訓練が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"の発射訓練を行なった]


今回、アヴァキャンツ提督も触れていますが、カムチャツカに駐留する第40独立海軍歩兵旅団には、2017年12月からT-80BV戦車の配備が始まっています。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月6日5時47分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍歩兵連合部隊は新たな戦車T-80BVを受領した】

ロシア海軍太平洋艦隊の戦略原潜(弾道ミサイル原潜)はデルタIII級からボレイ級へ更新される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月5日3時8分配信
【太平洋艦隊司令官は軍備として存在する潜水艦について話した】
モスクワ、3月5日-ロシア通信社ノーボスチ

工場修理を行なった太平洋艦隊戦略用途ロケット水中巡洋艦プロジェクト667BDRは戦闘準備態勢に在り、更なる勤務を行なう。
それが戦闘編制から除外されれば、新たな原子力巡洋艦プロジェクト955が軍備採用される。
太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は語った。

「この艦(戦略用途ロケット水中巡洋艦プロジェクト667BDR)が戦闘編制から除外されれば、新たな原子力巡洋艦プロジェクト955が軍備採用されます。
この潜水艦は、太平洋艦隊の潜水部隊に2隻のみ~アレクサンドル・ネフスキーとウラジーミル・モノマーフ~です。
ですが、これは、将来のプロジェクト667潜水艦の運命が決まっている事を意味しておりません。
艦は運用時に、その大いなる信頼性を示し、最近に工場修理を行ないました。
ロケット艦は以前と同様に実働しており、戦闘準備態勢に在り、与えられた任務を成功裏に遂行しています」
アヴァキャンツ
は、ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、こう話した。
これは月曜日にサイトで公開された。

彼は、特にプロジェクト667BDR戦略用途ロケット水中巡洋艦「リャザン」が、昨年12月にロシア連邦軍最高司令官の統制下でロシア戦略核戦力の運営の為の訓練を行なったことを指摘した。

「乗組員は重要な任務を成功裏に処理しました。
この潜水艦は、更なる勤務を行ないます」

提督は締めくくった。


ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2018年3月5日0時2分配信
【セルゲイ・アヴァキャンツ大将:それが戦闘準備態勢に関連しているのならば、我々にとって2流の課題では無い】
ロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へのインタビュー記事。



現在、ロシア太平洋艦隊には5隻の戦略原子力潜水艦(弾道ミサイル原潜)が在籍しています。

[プロジェクト667BDR「カリマール」原子力戦略用途水中巡洋艦]
K-223「ポドリスク」(1980年1月23日就役)
K-433「聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」(1980年12月31日就役)
K-44「リャザン」(1982年9月18日就役)

[プロジェクト955「ボレイ」原子力戦略用途水中巡洋艦]
K-550「アレクサンドル・ネフスキー」(2013年12月23日就役)
K-551「ウラジーミル・モノマーフ」(2014年12月19日就役)



プロジェクト667BDR「リャザン」は、2011年から2016年末まで寿命延長近代化改装が行なわれました。
[ロシア海軍の原子力戦略用途水中巡洋艦リャザンは近代化改装を終えて太平洋艦隊へ復帰し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ戻った]

2017年9月には原子力潜水艦「クズバス」との戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンと原子力巡洋潜水艦クズバスは『決闘』を行なった]

「ポドリスク」は2015年10月30日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍の戦略原潜ブリャンスクとポドリスクは弾道ミサイルを発射した]

「聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」は2016年10月12日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦『聖大致命者凱旋者ゲオルギイ』はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した]


「ボレイ」級「アレクサンドル・ネフスキー」は、2015年9月30日にカムチャツカヴィリュチンスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

「ボレイ」級「ウラジーミル・モノマーフ」は2016年9月26日にヴィリュチンスク基地へ到着しています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

2015年12月18日に起工された「ボレイ」級7番艦「インペラ―トル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は就役後に太平洋艦隊へ配備されます。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]

太平洋艦隊には、最終的に4隻の「ボレイ」級戦略原潜が配備され、現在配備されているプロジェクト667BDR(デルタIII級)は退役していく事になりますが、近代化改装を終えた「リャザン」は、2020年代前半まで現役に留まるでしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ4隻の第4世代戦略原潜ボレイ級が配備される]
[ロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級は太平洋艦隊のデルタIII級を代替する]

更には、2020年代に建造される「ボレイ-B」級も何隻かは太平洋艦隊へ配備される事になるでしょう。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年3月5日15時43分配信
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」は北海へ出た】

バルト艦隊練習艦「ペレコプ」スカンジナビア海峡を通過し、北海へ出た。

海上移動中、艦上では士官と専門の航海士が当直に就き、「狭い場所」を通航する練習を行なった。

海峡を通過する際に士官の当直義務及び航海士乗組員の当直を繰り返し行なう事により、生徒は貴重な経験を得る。
この海域は船舶航行の集中ゾーンであり、専門規定及び海図に従い航行する。

この海域の特徴は、大量の浅い海域、狭い海域、水路が存在する事にあり、通過時には艦の乗組員の特別な注意と専門性が必要となる。

艦は3月1日に新たな練習航海へ出発した。
それは500名以上の生徒が参加する。

航海士の航海中に練習艦「ペレコプ」は4つの大洋へ行き、同艦の歴史上初めて北海航路を通過する。

艦には半年以上に渡る航海と、約22000海里(41000km以上)の距離の走破が待ち受けている。

航海プログラムにおいて外国及びロシアの港へ8回の業務寄港を行ない、更には太平洋国際演習へ参加する。



プロジェクト877練習艦は、ポーランドグダニスク造船所で3隻が建造されましたが、既に1隻が除籍されています。

[プロジェクト877練習艦]
「スモーリヌイ」
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1974年4月23日起工/1976年1月8日進水/1976年6月30日就役

「ペレコプ」
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1976年4月24日起工/1976年12月11日進水/1977年9月30日就役

「ハサン」
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1977年5月30日起工/1978年1月31日進水/1978年12月28日就役
1998年5月31日除籍、解体


現在は「スモーリヌイ」「ペレコプ」の2隻がバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。


「スモーリヌイ」(300)は、2014年には「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗員を乗せてフランスサンナゼールへ行き、同地で宿泊艦として使われた後、同年末にクロンシュタットへ戻りました
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2015年にはアンゴラ共和国ルアンダを訪れました。
2016年には地中海及び黒海(セヴァストーポリ)への遠洋実習航海を行ないました。


遠洋実習航海から戻った後はクロンシュタットでオーバーホールが行なわれていたようです。
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「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



このように、最近では、プロジェクト877練習艦2隻が毎年交互に遠洋実習航海を行なっていましたが、今年(2018年)には、2隻とも実習航海を行ないます。
[ロシア海軍の練習艦スモーリヌイとペレコプは2018年に1000名以上の生徒の遠洋実習航海を行なう]

今年、最初に遠洋実習航海を行なうのは「ペレコプ」となり、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、北極航路、更には極東方面(ウラジオストク)まで行くようです。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
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