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ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦救助船アラゲズとバチスカーフAS-30はカムチャツカ沖で潜水艦救助訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦軍沿海地方情報供給部(ウラジオストク市)発表
2018年3月29日9時14分配信
【太平洋艦隊の救助船「アラゲズ」乗組員は海底に横たわった遭難潜水艦への援助へ取り組んだ】

錬成任務K-2の要素への取り組みの枠組みにおいて、太平洋艦隊救助船「アラゲズ」アヴァチンスキー湾海域で海底に横たわった遭難潜水艦を援助する演習を実施し、その中で、意図された任務を遂行する要員及び救助機器の準備状態が点検された。
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課題を解決する為に、深海救助装置AS-30が関わった。
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演習中に海洋射爆場で装置搭載船から水中へ発進し、深度80メートル以上の海底で潜水艦の模型試験台の捜索を実行した。
深海装置の乗組員は「遭難潜水艦」のハッチ周囲の点検及び清掃を行ない、その後、そこへ接近してハッチへ接続し、潜水艦の乗組員を脱出させる訓練を実施した。

演習実施中にAS-30は、潜水艦の模型試験台へ5回のドッキングを行なった。
深海での精密な作業の客観的な観察は、遠隔操作水中装置「タイゲル」を使用して行われた。



『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【救助船「アラゲズ」】

プロジェクト537「オシミノーグ」(蛸)救助船の2番船「アラゲズ」は、ウクライナニコラエフ市に在る『61コムーナ記念造船工場』で1979年11月29日に起工され、1984年7月28日に進水しました。
1989年1月28日にソ連海軍へ就役し、当初は黒海艦隊へ配備されていましたが、ソ連邦解体後の1993年9月20日に太平洋艦隊へ転属し、極東に回航されました。

「アラゲズ」は、1988年11月12日に就役したプロジェクト1855深海救助装置(バチスカーフ)AS-30の母船となりました。

「アラゲズ」AS-30は、2009年11月上旬から12月末まで、タタール海峡で消息を絶ったロシア太平洋艦隊対潜哨戒機Tu-142M3の捜索に参加しました。
[Tu-142墜落事故]

2016年2月から、最新鋭バチスカーフAS-40の一時的な母船となりました。
(本来の母船である最新鋭救助船「イーゴリ・ベロウソフ」が同年9月にウラジオストクへ到着するまでの間)
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]

2016年から2018年初頭までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォート』でオーバーホールが行なわれました。

修理完了後、ペトロパブロフスク・カムチャツキー港へ回航されました。


「アラゲズ」に搭載されているバチスカーフAS-30は、2011年から2013年まで近代化改装を実施し、プロジェクト18551へアップグレードされています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のバチスカーフAS-30は深海試験を完了した]
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ロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Il-38Nは北極圏で潜水艦捜索訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月30日9時48分配信
【太平洋艦隊の対潜航空隊の飛行士は初めて北極地域で潜水艦の捜索を実行した】

カムチャツカに駐屯する太平洋艦隊海軍航空隊の航空基地の飛行士は、北極圏において仮想敵潜水艦の捜索の任務へ取り組んだ。

対潜航空機Il-38Nの乗員は、初めて北極地域への飛行を行ない、最大持続時間で空中へ滞在した。

対潜任務飛行の遂行中に、自立して潜水艦の捜索及び分類の戦術動作へ取り組み、更には、電波位置測定手段及び水中音響手段を用いて追尾した。
Il-38Nの飛行士は、対潜兵器複合体のチェックを行ない、仮想爆撃を実行した。

初めての日という条件下で太平洋艦隊将兵は編隊飛行の技量をより完全なものとし、乗員は、地上電波航法及び方向指示手段が不在という状況で指定ルートを通過した。



『イリューシン』公式サイトより
【Il-38対潜航空機】

旅客機Il-18をベースに開発された対潜哨戒機Il-38は、1961年9月27日に初飛行し、1967年から1972年までに65機が生産されました。

現用のIl-38は、Il-38N仕様への近代化改修を受けます。

Nは「ノヴェッラ」Новелла(短編小説、新規追加条項)の略です。
Il-38の上部に追加されたのが「ノヴェッラ-P-38」複合体です。
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北方艦隊は、2012年3月にIl-38N(15号機)を受領していますが、これはプロトタイプのようです。
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nの飛行訓練を開始した]

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2014年7月15日、Il-38N「量産機」(機体番号19)ロシア海軍へ引き渡されました。
[近代化された対潜哨戒機Il-38Nは7月15日にロシア海軍へ引き渡される]
[近代化された対潜哨戒機Il-38N量産1号機はロシア海軍へ引き渡された]

その後、27号機、24号機、23号機が改修を終えてロシア海軍航空隊へ引き渡されています。

2015年3月30日には太平洋艦隊航空隊が初めてIl-38Nを受領しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2015年6月30日、5機目となる「フョードル・ゾロトゥヒン」号(機体番号78、RF-75338)モスクワ近郊のジュコーフスキー飛行場ロシア海軍航空隊へ引き渡され、7月20日にカムチャツカ半島航空基地(エリゾヴォ)へ到着しました。
[ロシア海軍航空隊は5機目の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカへ配備される]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカのエリゾヴォ基地へ到着した]


Il-38Nの第1バッチ近代化改修機の5機は、以下の航空基地へ配備されています。

・19号機「ラジー・パンコフスキー」(RF-75355):エイスク(クラスノダール地方)
・27号機「ヤコフ・クテポフ」(RF-75320):エイスク(クラスノダール地方)

・23号機(RF-75322):ニコラエフカ(沿海地方)

・24号機(RF-75341):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)
・78号機「フョードル・ゾロトゥヒン」(RF-75338):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)


Il-38Nの第1バッチ近代化改修(2012年契約締結)は5機で終了しますが、これに続く第2バッチの近代化改修の為の契約も2015年5月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為の対潜哨戒機Il-38近代化改修の第2バッチの契約が締結された]

2016年12月29日、第2バッチの第1陣2機がイリューシン社からロシア海軍へ引き渡されました。
22号機「ヴィクトール・ポタポフ」11号機「ミハイル・ヴェロビツキー」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊は2機の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2025年までに計30機のIl-38Il-38N仕様へ近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]

ロシア海軍太平洋艦隊の水上戦闘艦は沿海地方及びカムチャツカの演習で海上標的へ艦対空ミサイルを発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月30日10時30分配信
【太平洋艦隊の戦闘艦はカムチャツカ及び沿海地方でミサイル及び砲射撃を実施した】

ピョートル大帝湾では、錬成任務K-2の要素への取り組みの枠組みにおいて大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」海洋曳船MB-93の支援下で、仮想敵の水上艦を模した海上曳航盾へ一連の砲射撃を実施した。
更に大型対潜艦は、水上標的へ自衛高射ミサイル複合体「キンジャール」の発射を実施した。

本日、同時に盾船へロケット艇R-29R-261が砲射撃を実施した。

カムチャツカ沿岸では、海上および空中目標への複合砲射撃が小型ロケット艦「モローズ」により実行された。
艦の砲手は高射砲の砲火で浮遊機雷の模型を破壊した。
更に同艦は、高射ミサイル複合体「オサー」の空中及び海上標的への発射を行なった。

艦の任務への取り組みの為の戦術環境は、太平洋艦隊海軍航空隊対潜航空機Tu-142Il-38Nにより作成された。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を開始しました。

太平洋艦隊旗艦ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(548)は、演習1日目には遭難した船の救助訓練などを行ないました。
同日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572)は機雷敷設訓練を行ない、大型揚陸艦「オスリャービャ」(077)は砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]

3月21日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の対空防衛訓練、潜水艦2隻による『決闘』(対決)方式の演習などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『決闘』を行なった]

3月22日には、沿海地方での上陸訓練が行なわれ(おそらくはクレルカ岬)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」などによる砲撃支援の後、大型揚陸艦「オスリャービャ」海軍歩兵部隊を上陸させました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

3月26日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対潜戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対潜戦闘訓練を行なった]

3月27日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対空戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対空戦闘訓練を行ない、短距離艦対空ミサイルを発射した]

3月28日には、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]


そして3月30日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は、海上曳船MB-93が曳航する海上標的へ100mm砲を発射し、更には高射ミサイル「キンジャール」も(海上標的へ)発射しました。
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同時に、ロケット艇R-29(916)R-261(991)も海上標的へ76㎜砲を発射しました。
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一方、カムチャツカ方面では、小型ロケット艦「モローズ」(409)30mmガトリング砲で機雷掃討を行ない、空中目標及び海上目標へ高射ミサイル「オサー-MA」を発射しました。
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海上標的への高射ミサイル発射は、3月7日にも太平洋艦隊小型対潜艦「メチェーリ」により実施されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦メチェーリはピョートル大帝湾の演習で対空ミサイルを水上目標へ発射した]

ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター揚陸艦セヴァストーポリ型の設計は『北方計画設計局』が担当する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年3月29日17時14分配信
【情報筋:ロシアは海軍の為の新たな汎用揚陸艦の概略設計をスタートさせる】

ロシアの設計者は、ロシア海軍の為の汎用揚陸艦の概略設計の開発を始める。
『Mil.Press FlotProm』は、サンクトペテルブルクの設計局に関係する3名の情報提供者より伝えられた。


その内の1人によると、汎用揚陸艦の概略設計の作成の発注は、『北方計画設計局』へ一任された。
これまでは伝統的に、国産の揚陸艦及び航空艦の設計には『ネフスキー計画設計局』が従事していた。

2000年代、『北方計画設計局』は、プロジェクト21810中型揚陸艦を開発した。
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唯一の充分に大きな「揚陸艦」は書類上に在ったが、ロシア海軍は、その発注を断念した。
艦の模型は、軍事技術フォーラム『アルミヤ(軍)-2017』で初めて示された。
インド海軍の為に中型揚陸艦の輸出版が作成されたものの、それは発注者が居ないままである。

サンクトペテルブルク設計局の高位の情報提供者の1人は『Mil.Press FlotProm』へ、海軍『ネフスキー計画設計局』が間接的に作成に立ち会ったプロジェクト11711大型揚陸艦の改善ヴァージョンを断念し、ヘリコプター母艦を選択したと話した。

2015年、「揚陸艦」の2つのヴァージョンを設計者より提示された~それは排水量約14000トンのヘリコプター・ドック艦(コード名「プリボイ」、開発者『ネヴァ川計画設計局』)と、クルイロフの技術者による排水量24000トンの汎用艦(コード名「ラヴィーナ」)である。
海軍が、どのプロジェクトを選択したのかという情報は未だ知られていない。
設計局へは3月29日に対応する問い合わせを送った。

他の情報提供者は『Mil.Press FlotProm』特派員との対談で、新たな艦の作成には、協業生産の枠組みで複数の企業が関わり、艦の概念案の作者である『クルイロフ国立科学センター』も含まれる事を強調した。
『クルイロフ国立科学センター』は模型試験を実行し、強度計算を仕上げ、更には設計への助言を続ける。
対談者は、艦の開発へ『ネヴァ川計画設計局』及び『北方計画設計局』の技術者が関わる可能性を排除せず、既に数年間に渡り企業合併の可能性が討議されていると付け加えた。

大規模な揚陸艦の建造は、2027年までの国家軍備プログラムにおいて起工され、ヘリコプター母艦の建造は『北方造船所』へ一任される。
発注される最初の船体は、2020年頃には現実化する。

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プロジェクト775大型揚陸艦「カリーニングラード」の元艦長セルゲイ・ストゥプニコフ3等海佐は『Mil.Press FlotProm』特派員との対談で、海軍は新たな汎用揚陸艦を必要としている事を指摘した~まず第一に太平洋艦隊黒海艦隊、更には北方艦隊も有り得る。
彼によると、バルト艦隊には、この艦は存在しなくとも良い。

彼は、現在、大型揚陸艦は主に貨物輸送の為に使用されており、大型の汎用揚陸艦の出現は、ロシア海軍の能力を拡張する事を付け加えた。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
2017年6月、サンクトペテルブルク国際海軍サロン開催時にロシア海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将『FlotProm』特派員へ、海軍は2025年に2隻のヘリコプター母艦の受領を見込んでいると語った。
彼によると、納入される2隻の艦は、フランス「ミストラル」に類似しており、この国家軍備プログラムの有効期間の最後に計画されている。

2015年、『ネヴァ川計画設計局』は、ヘリコプター母艦のヴァージョンを提示した。
プロジェクト「プリボイ」艦はディーゼル動力装置の装備が計画されている。
その兵装は、高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」、4~6機のヘリコプターKa-27或いはKa-52K電波位置測定ステーション「ポジチフ-M1.2」MR-231である。

「プリボイ」は500名の海軍歩兵隊員、40~60両の車両、更には4隻のプロジェクト11770M揚陸艇或いは2隻のプロジェクト12061M揚陸艇を積載する。
ヘリコプター母艦の排水量は約14000トン、全長165メートル、幅25メートル。
最大速力は約20ノット。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

[汎用揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」]
満載排水量:24000トン
全長:180メートル
幅:30メートル
吃水:5メートル
速力:22ノット
航続距離:5000海里
自立行動期間:60日
乗員:320名
積載能力:海軍歩兵隊員500名、各種戦闘車両50両
搭載機:ヘリコプター×16機(Ka-29、Ka-52K、Ka-27)
搭載艇:揚陸艇×6隻
兵装:AK-176MA 76mm単装砲×1基
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
AK-630M2「ドゥエト」30mm機関砲×2基


この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、ロシア海軍向けとなる汎用ヘリコプター揚陸艦が設計され、実際に建造されることになります。
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]

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搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの供給契約は2019年に締結される]

Ka-52K「カトラン」の量産は2020年から開始される予定です。
[ロシア海軍向けの艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産は2020年に始まる]

この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、最近、修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

「ミストラル」級が配備される予定だったウラジオストク南部ウリス湾では、埠頭の建設が続けられています。
[ウラジオストクのウリス湾ではロシア海軍の大型水上艦(ヘリコプター空母)の為の埠頭の建設が続けられる]
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「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

2017年5月、「ロシア防衛産業の匿名希望の情報提供者」は、2隻の調達が計画されている揚陸ヘリコプター揚陸艦の建造スケジュールの詳細を明らかにしました。
[ミストラル級の代わりとなる新たな揚陸ヘリコプター母艦2隻は2024年と2026年にロシア海軍へ引き渡される]

[汎用ヘリコプター揚陸艦]
・1番艦「セヴァストーポリ」:2020年起工/2024年就役予定
・2番艦:2022年起工/2026年就役予定


汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)となるとの事です。

これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦の建造費は約400億ルーブルになると見積もられています。
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦の建造費は約400億ルーブルになる]

ロシア国防省(ロシア海軍)は、セヴァストーポリ市の要望に応え、汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦に「セヴァストーポリ」の名前を付ける事を決定しました。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦はセヴァストーポリと命名される]

汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を担当する造船所は、これまでに複数の候補が挙げられていましたが、サンクトペテルブルク『北方造船所』に決まりました。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター母艦プリボイ級1番艦セヴァストーポリはサンクトペテルブルクの『北方造船所』で2020年に起工される]
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そして、実際にロシア海軍向けに建造される汎用ヘリコプター揚陸艦の設計を担当する設計局は、以前には『ネフスキー計画設計局』になると言われていましたが、最近は『北方計画設計局』が有力視されているようです。

『ネフスキー計画設計局』は、ソ連時代から海軍揚陸艦航空機搭載艦(航空母艦)の設計を手掛けているのに対し、『北方計画設計局』は、主に巡洋艦、駆逐艦、フリゲート級の水上戦闘艦の設計を専門としており、揚陸艦の設計の経験は殆ど有りません。

唯一、『北方計画設計局』が手掛けた揚陸艦が、2000年代に設計したプロジェクト21810中型揚陸艦です。
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[プロジェクト21810中型揚陸艦]
満載排水量:1600トン
全長:97メートル
幅:11メートル
速力:16ノット
航続距離:14ノットで2500海里
自立航行期間:30日
乗組員:47名
積載能力:海軍歩兵隊員200名、戦車5両
兵装:110mmロケット砲×2基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
高射ミサイル複合体「イグラ」8連装発射機×1基


これはインド海軍向けなどを念頭に輸出用として設計されましたが、何処からも発注が無かった為、ペーパープランに終わりました。


『北方計画設計局』汎用ヘリコプター揚陸艦を設計する場合、その概念設計案「ラヴィーナ」を作成した『クルイロフ国立科学センター』が全面的に支援する事になるでしょう。
更には、『ネヴァ川計画設計局』も何らかの支援を行なうかもしれません。

ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は地中海南東部で潜水艦探知演習を行なった


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月29日9時0分配信
【対潜航空機Tu-142は地中海南東部の演習で仮想敵潜水艦の捜索を行なった】
モスクワ、3月29日、インタファクス-AVN

ロシア海軍航空隊の部隊は、冬季研修期間の戦闘訓練計画活動中に潜水艦を捜索、探知する戦術飛行演習を実施した。
木曜日、『インタファクス』ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部より伝えられた。

「対潜航空機Tu-142はロシア連邦領内の飛行場の1つから離陸し、地中海南東部で潜水艦の捜索、探知、分類の課題へ取り組みました」
対談者は指摘した。

国防省によると「指定海域で航空機乗員は電波位置特定機及び水中音響ブイを複合使用する訓練を行ない、更には分析を受信し、情報を転送しました」

「全ての任務は、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の艦との綿密な連携して遂行されました」
声明では、こう述べられた。

「演習へ関わった航空機の戦闘機航空隊による援護は、ロシア海軍航空隊の戦闘機Su-30SM乗員により行なわれました」
彼は指摘した。

Tu-142は、遠距離対潜航空機/海洋哨戒航空機である。
航空機は、A.N.ツポレフ記念試作設計局が開発した。
NATOコード名は「ベア-F」である。
航空機Tu-142の前部気密キャビンは2階である。
頭頂部は乗員の為に割り当てられ、大部分の兵装は、下方の3つの専門セクションに在る。

胴体中部は2個兵装セクションで占められ、目標の捜索及び撃破の為の手段がある(電波ブイ、魚雷、ミサイル、機雷、爆弾及び他の兵器)。
燃料タンクは第2兵装セクションの下に在る。
後部気密キャビンには2連装機関砲AM-23が装備されている。

Tu-142の実際の航続距離は12500km、戦闘行動半径6400km。
電波位置測定ブイRGB-75は超低周波音域で動作し、活動距離は5kmまでである。
潜水艦の探知の為、航空機Tu-142は、このブイを投下する。
水中聴音機の設定深度は150m、転送アンテナは水面の上に在る。
RGB-75ブイの活動ゾーンへ外国の潜水艦が進入すると、転送アンテナを通して航空機へ信号を送る。
次にTu-142は、ブイが潜水艦を探知した場所で、潜水艦の進路、速力、潜航深度といった目標の明らかにされた動向の数値を定める為、捕捉のバリアを置く。
更に航空機は、潜水艦の追尾か、、あるいは機上の航空魚雷もしくは対潜ミサイルを使用して破壊を行なう。

現在、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊には、黒海艦隊の2隻のプロジェクト636.3潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」が居る。



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現在、ロシア海軍航空隊遠距離哨戒機Tu-142(航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-95の海軍型)は、北方艦隊に12機、太平洋艦隊に12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイに配備されています。

今回、ロシア国防省は、地中海南東部で演習を行なったTu-142の所属を明らかにしていませんが、間違いなくキぺロヴォ基地に駐留する北方艦隊の機体でしょう。
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現在、地中海東部には少なくともロシア海軍潜水艦2隻~「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」が滞在しているので、この2隻を「敵役」にして演習を行なったようです。

遠距離哨戒機Tu-142M3は、2016年6月初頭にも地中海東部へ進出した事が有ります。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]

なお、今回、地中海南東部で演習を行なったTu-142M3は、「ロシア海軍航空隊」多用途複座戦闘機Su-30SMにより援護されたとの事です。
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[多用途複座戦闘機Su-30SM]

現在、Su-30SM黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊に配備されていますが、ロシア国内の基地から発進して地中海南東部へ行ったとは考えられないので、ロシア海軍航空隊Su-30SM(おそらくは黒海艦隊所属機)もシリアフマイミーン飛行場(ラタキア)へ進出しているようです。
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現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年3月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年3月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年3月29日10時0分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘演習任務を遂行する為にバレンツ海へ出航した】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、北方艦隊の戦闘訓練射爆場で戦闘演習任務を遂行する為にバレンツ海へ出航した。

この数日間、乗組員は、組織的な航海当直の遂行、警戒活動、更には、対空及び対潜防衛、対水中工作防衛、航行中の艦のダメージコントロールを含む一連の艦内戦闘演習へ取り組んだ。

巡洋艦の砲-ミサイル複合体の班は、空中及び高速水上目標の追尾と破壊の訓練を行なう。
一連の実地射撃、更には、北方艦隊航空・防空軍の連合部隊の航空機との連携が計画されている。

海上での戦闘演習任務を遂行した後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は常時駐留所セヴェロモルスクへ戻る。



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】

2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]


2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]


その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]

2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]
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「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は2016年8月末~9月に開始される予定でしたが、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する]

2016年10月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験の為に出航しました。

[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上試験を開始した]

近代化改装された「マルシャル・ウスチーノフ」は、これまでのMR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されました。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダー「フレガート-M2M」に換装されました。

「マルシャル・ウスチーノフ」は2016年11月5日に就役30周年を迎えました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは白海で最終試験を行なう]

11月30日、「マルシャル・ウスチーノフ」は航海試験を終えて帰港しました。
[近代化されたロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは航海試験を終えて帰投した]

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航海試験を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」ロシア海軍へ引き渡され、12月24日にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月26日にセヴェロモルスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]
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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

6月16日、「マルシャル・ウスチーノフ」バレンツ海で演習を行ない、高射ミサイル複合体「オサー-MA」を対空目標へ発射し、更に沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘及び沿岸砲撃訓練を行なった]

「マルシャル・ウスチーノフ」クロンシュタットで開催される『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、7月初頭にセヴェロモルスクを抜錨してバルト海へ向かい、フィンランド湾東部海域で他の参加艦と共に観艦式の為の合同訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]
[2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式の合同訓練がフィンランド湾東部で実施された]

7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


クロンシュタットの観艦式へ参加した北方艦隊艦船部隊は7月31日に出航し、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


12月1日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月1日16時14分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、乗組員の海軍技量向上の為にバレンツ海へ出航した】

12月4日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33が敵役を務める対空・対艦戦闘訓練を行ない、高射ミサイル複合体「フォルト」、「オサー-MA」を空中標的へ発射し、130mm連装砲を空中標的と海上標的へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月4日23時55分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海でミサイル及び砲射撃を実施した】

12月26日には、北方艦隊対潜哨戒機Il-38が敵役を務め、バレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日15時59分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で航空隊との連携へ取り組んだ】


そして2018年3月29日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。

ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク基地へ到着し、洋上試験の準備を始めた

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『タス通信』より
2018年3月28日19時55分配信
【海賊捜索の為の艦はノヴォロシースクの黒海艦隊基地へ到着した】
クラスノダール、3月28日/タス通信

最初のプロジェクト22160哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、ノヴォロシースク黒海艦隊海軍基地へ到着し、乗組員は、艦の兵装、システム及び機構への習熟を始めた。
水曜日、『タス通信』艦隊の情報供給部長代行アレクセイ・ルリョフより伝えられた。

「現時点で艦は、近いうちに開始される航行試験及び国家受領試験の準備段階に在ります。
プロジェクト22160哨戒艦のトップ、ワシーリー・ブイコフの乗組員は到着し、艦へ配置されています」
ルリョフ
は話した。

彼は、乗組員がサンクトペテルブルク海軍合同訓練センターで研修を行なったと説明した。
今、船員には、艦を建造したA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場の専門技術者による研修の実施、現代的な兵装複合体、機構、艦内システムへの習熟が控えている。
その後、乗組員と工場の専門技術者は、海軍への受け入れの前の国家受領試験の実施の為の準備を行なわなければならない。

[プロジェクト22160]
「ワシーリー・ブイコフ」
は、プロジェクト22160のトップ艦である。
それは、2015年2月26日に起工され、2017年に進水した。
プロジェクトは、公開株式会社『北方計画設計局』(サンクトペテルブルク)により作成された。
この艦は30ノットの速力発揮が可能であり、約1300トンの排水量を有し、乗組員は約80名、艦の航続距離は6000海里に及び、自立航行期間は60日である。

艦は標準兵装として、口径57㎜砲、高射ミサイル複合体、機関銃を有しており、ヘリコプターKa-27PSの駐留能力が提供される。

プロジェクト22160艦は、海洋ゾーンの保護と防護の為に意図されており、
軍事活動の場合、それは、基地エリアの防衛中に海軍の部隊と施設の安全を保障できる。
艦は更に、護送及び対海賊活動の任務を果たし、捜索救助機能を遂行する使命を帯びている。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国ゼレノドリスク造船所です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2014年2月26日に起工されました。

[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]

2014年7月25日には2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」が起工されています。

2016年2月18日には3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

2016年5月8日、4番艦「セルゲイ・コトフ」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

2016年11月25日、5番艦「ヴィクトール・ヴェリキー」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第5の新型哨戒艦ヴィクトール・ヴェリキーは起工された]

2018年1月13日、6番艦「ニコライ・シピャーギン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト22160哨戒艦ニコライ・シピャーギンは起工された]



1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2017年7月23日にゼレノドリスク造船所の造船台から出渠し、同年10月には内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。
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「ワシーリー・ブイコフ」乗組員の編成は、2018年1月中旬までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はプロジェクト22160哨戒艦の1番艦ワシーリー・ブイコフの乗組員の編成を完了した]

編成された乗組員団は、サンクトペテルブルク海軍合同訓練センターで研修を行なった後、3月28日にノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

今後は「ワシーリー・ブイコフ」の洋上試験が始まります。

「ワシーリー・ブイコフ」は、2018年前半にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[プロジェクト22160哨戒艦の1番艦ワシーリー・ブイコフは2018年前半にロシア海軍へ引き渡される]


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工されています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年就役予定

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2018年就役予定

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型コルベット"リェーズキー"の非金属複合材料製上部構造物は2018年夏に完成する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年3月28日10時28分配信
【コルベット「リェーズキー」は2018年夏に複合材料の上部構造物を受け取る】

『中部ネヴァ川造船工場』は、プロジェクト20380「ステレグーシチー」型コルベットの為の第4の上部構造物を形成する為のガラス繊維強化プラスチック構造物の製造を今夏に完了する。
構造物はコムソモリスク・ナ・アムーレへ向かう。
それは『アムール造船工場』の専門家により運ばれ、コルベット「リェーズキー」へ設置される。
『中部ネヴァ川造船工場』広報サービスは『Mil.Press FlotProm』へ話した。


同社は、上部構造物の建設作業は期限内に完了した事を指摘した。
「以前、『中部ネヴァ川造船工場』は、3つの複合材料上部構造物を『アムール造船工場』へ御引き渡ししております。
これらは、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"及び2隻~グロームキーとアリダル・ツィジェンジャポフの為に完全に形成されました」

広報サービスは付け加えた。

アムールの艦が受け取った最後の2つの上部構造物は、構造図に基づいて組み立てが準備された。

「ソヴェルシェーンヌイ」上部構造物の作業時、『アムール造船工場』の専門家は『中部ネヴァ川造船工場』ガラス繊維強化プラスチックの製作の研修を行なった。
極東の艦の技術の取得は、『中部ネヴァ川造船工場』の実物大の複合材料の製造の発展の為に使用される。

『海洋複合材料造船』社の技術ディレクター、ワレリー・メレティフによると、ガラス繊維強化プラスチック構造物の製造を軌道に乗せるのは、大規模な企業でも1年半~2年は掛かるだろう。
『中部ネヴァ川造船工場』『アムール造船工場』は、海軍の為の大規模な複合材料構造物の建設が可能な2大企業となるだろう。

2018年2月、『アムール造船工場』は、プロジェクト20380コルベットを、6隻では無く4隻だけ建造する事が知られるようになった。
艦の数の削減は、このクラスの艦の建造に関する海軍の新たな優先順位、造船所及び構成企業への資金供給の減少により引き起こされた。



現在、ロシア極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの建造が進められています。

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1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、2017年7月20日に就役しました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2隻目の「グロームキー」(2012年4月20日起工、2017年7月28日進水)は、2018年末の就役が予定されています。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は2015年7月22日に起工され、2019年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]

4隻目の「リェーズキー」は2016年7月1日に起工され、2020年の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]



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プロジェクト20380コルベット上部構造物(艦橋、煙突周辺、ヘリコプター格納庫)ガラス繊維強化プラスチックの真空一体成型により製造されており、現在の所は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』のみで製造されています。
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『アムール造船工場』で建造されるプロジェクト20380コルベットの場合、『中部ネヴァ川造船工場』で製造した上部構造物極東に在る同社まで運ぶ必要があります。

1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」上部構造物は、2012年10月に『アムール造船工場』へ到着しました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

現在までに、『アムール造船工場』には3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」までの上部構造物が届けられています。

そして2018年夏には、4隻目の「リェーズキー」上部構造物が到着する予定です。


今後は、『アムール造船工場』でもガラス繊維強化プラスチックの真空一体成型が行なわれる事になります。
(『アムール造船工場』の技術者が『中部ネヴァ川造船工場』へ派遣され、真空一体成型の技術を学んだ)
[ロシア海軍の為のプロジェクト12700対機雷防衛艦(掃海艦)は極東(コムソモリスク・ナ・アムーレ)でも建造される]

『アムール造船工場』で、これ以上プロジェクト20380コルベットを建造する計画は有りませんが、ガラス繊維強化プラスチック製船体のプロジェクト12700掃海艦や、20380の拡大発展型であるプロジェクト20386コルベットなどが今後建造される事は有り得るでしょう。
[プロジェクト12700アレクサンドリト掃海艦]
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]

この他にも、将来に建造される新世代航空母艦原子力駆逐艦「オルロフ-チェスメンスキー」型上部構造物ガラス繊維強化プラスチック製になる可能性が高く、ロシア海軍非金属複合材料の需要は、将来的には増加します。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]
[ロシア海軍将来駆逐艦リデル級の上部構造物は非金属複合材料で造られるかもしれない]

将来的には『中部ネヴァ川造船工場』だけでは需要を賄いきれなくなる可能性が高く、この為、『アムール造船工場』にも非金属複合材料の製造技術を身に着けさせるのでしょう。

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は北極圏で迎撃戦闘訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月28日6時1分配信
【太平洋艦隊の戦闘機は北極圏における仮想敵空中攻撃手段の攻撃の撃退へ初めて取り組んだ】

太平洋艦隊海軍航空隊カムチャツカ基地の飛行士は、北極圏で仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する対空防衛部隊の訓練へ参加した。

敵役はグループの対潜航空機Il-38Nが演じ、チュクチ海上空を飛行し、チュクチ自治管区北部の施設を爆撃する主要任務を帯びた仮想敵の爆撃機を模した。

空中攻撃の脅威の位置測定の為、カムチャツカの飛行場から高空迎撃戦闘機MiG-31のペアは警告の為に発進した。
彼らは、爆撃を行なう前に指定境界線上で仮想敵航空機を破壊しなければならなかった。

この任務を遂行するに当たり、カムチャツカ戦闘機飛行士は、給油航空機Il-78から2度の空中給油を受け、初めて無着陸で北極地域で4000キロメートル以上の距離の移動飛行を行なった。

北極地域太平洋艦隊迎撃戦闘機は、目標を成功裏に探知、分類し、長射程空対空ミサイルの電子発射を実施した。
全ての「敵」航空機は、ミサイルの最大射程距離で成功裏に破壊された。

この他、演習中に初めて迎撃機MiG-31は、目標への誘導を東方軍管区の電波位置測定監視所及び航空機誘導所の管制の下で行なった。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31B及びMiG-31D3が配備されています。


MiG-31は度々訓練を行なっており、2016年7月中旬には、原子力潜水艦から発射された超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

12月24日には、敵の攻撃を受けて損傷したという想定下での滑走路への着陸訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2016年12月24日8時2分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31乗員は、損傷したという想定下の滑走路への着陸へ取り組んだ】

12月30日には、潜水艦捜索訓練を行なう対潜哨戒機Il-38の援護訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は対潜哨戒機Il-38を援護した]

2017年3月10日、一部のMiG-31エリゾヴォから沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地(ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35が駐留)へ移動しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年3月10日10時31分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊の戦闘機MiG-31編隊はカムチャツカから沿海地方への長距離飛行を行なった】

ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地
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2017年3月28日には、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」の防空戦闘訓練へ「空中目標」として参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

4月3日にはMiG-31B/BSMiG-31BM沿海地方ピョートル大帝湾上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方で空中戦闘訓練を行なった]
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4月9日にツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ飛行場を離陸し、ホームベースであるカムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は沿海地方からカムチャツカへ戻った]

4月13日にはカムチャツカ半島有翼ミサイル(巡航ミサイル)の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での巡航ミサイル迎撃訓練を行なった]

5月19日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は成層圏での迎撃訓練を行なった]

6月16日にはカムチャツカ半島及び太平洋の上空で空中戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31はカムチャツカ半島で空中戦闘訓練を行なった]

7月17日には超音速有翼ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は超音速巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった]


その後も、エリゾヴォ基地MiG-31は、度々各種の飛行訓練を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月31日8時0分配信
【太平洋艦隊のMiG-31飛行士は空中での燃料補給へ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月15日6時36分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は困難な気象条件でのフライトへ取り組んだ】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月17日10時40分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の高速迎撃機MiG-31乗員は困難な気象条件でフライトを行なった】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月23日6時2分配信
【カムチャツカの戦闘機飛行士は仮想敵の航空機を成層圏で破壊した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月11日3時20分配信
【高速迎撃戦闘機MiG-31乗員はカムチャツカ及び太平洋上空での夜間空中戦闘実施の習熟へ取り組んだ】


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月20日3時55分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】



2018年1月23日には成層圏での迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は成層圏戦闘訓練を行なった]

2月12日には領空侵犯機の迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の戦闘機MiG-31は領空侵犯機の迎撃訓練を行なった]

2月20日には編隊飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月20日5時23分配信
【カムチャツカの戦闘機MiG-31乗員はグループ飛行への取り組みへ着手した】

2月28日には、対潜哨戒機Tu-142M3が敵機役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年2月28日6時21分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊の戦闘機飛行士は仮想敵の空中攻撃手段を撃退した】

3月6日には、対潜哨戒機Il-38対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送ヘリコプターMi-8と共に悪天候下で飛行訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月6日3時56分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍航空隊の飛行士は困難な天候条件下で訓練飛行を実施した】

3月16日にはカムチャツカエリゾヴォ飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38Nが敵機(爆撃機)役を務め、迎撃戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は爆撃機の迎撃訓練を行なった]

3月21日には、悪天候(降雪と低い雲)の下で飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は悪天候下で飛行訓練を行なった]

3月28日には、ロシア航空宇宙軍空中給油機Il-78から空中給油を受けてチュクチ自治管区北部まで飛行し、チュクチ海方面から侵入してくる「敵爆撃機」を迎撃するという想定下で訓練を行ないました。
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「敵役」は、MiG-31と同じくエリゾヴォ飛行場に駐留している対潜哨戒機Il-38Nが務めました。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]


なお、MiG-31を開発したロシア航空機製造会社『ミグ』は、MiG-31の後継機MiG-41の開発に着手しています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年6月14日9時59分配信
【ロシアはMiG-31を代替する新たな迎撃戦闘機の開発を始めた】

ミグ社は、MiG-31を代替する「遠距離迎撃将来航空複合体」の概念設計を行なっています。

MiG-41は、単なるMiG-31の改良発展型ではなく、全く新しい設計の迎撃戦闘機となります。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年8月22日17時17分配信
【迎撃戦闘機MiG-41は宇宙で動作できる】

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは日本海で対潜戦闘訓練を行なった

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月28日6時46分配信
【太平洋艦隊の軍艦は日本海で対潜演習を実施した】
ウラジオストク、3月28日、インタファクス-極東

ロケット巡洋艦「ワリャーグ」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」で構成される打撃艦グループは、水曜日に日本海で対潜演習を実施した。
水曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「ピョートル大帝湾でアドミラル・パンテレーエフは、沿海地方多種戦力小艦隊の潜水艦連合部隊の内の1隻が役割を演じる仮想敵潜水艦の捜索を行ないました」
声明では、こう述べられた。

課題を解決する為に、艦上対潜ヘリコプターKa-27が関わった事が明らかにされた。

「潜水艦への接触を確立した後、それ(Ka-27)は、所在地点をロケット巡洋艦ワリャーグへ転送しました。
アドミラル・パンテレーエフは、水中の目標を反応深海爆雷で攻撃しました。
次に、太平洋艦隊旗艦は、更なる反応爆雷の指定場所への射撃を実施し、演習用魚雷の一斉射撃を行ないました」
広報サービスは発表した。

以前、仮想敵潜水艦の捜索と破壊の課題は、太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」により解決された事が指摘された。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を開始しました。

太平洋艦隊旗艦ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(548)は、演習1日目には遭難した船の救助訓練などを行ないました。
同日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572)は機雷敷設訓練を行ない、大型揚陸艦「オスリャービャ」(077)は砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]

3月21日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の対空防衛訓練、潜水艦2隻による『決闘』(対決)方式の演習などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『決闘』を行なった]

3月22日には、沿海地方での上陸訓練が行なわれ(おそらくはクレルカ岬)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」などによる砲撃支援の後、大型揚陸艦「オスリャービャ」海軍歩兵部隊を上陸させました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

3月26日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対潜戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対潜戦闘訓練を行なった]

3月27日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対空戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対空戦闘訓練を行ない、短距離艦対空ミサイルを発射した]


そして3月28日、今度はナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が対潜戦闘訓練を行ないました。

「アドミラル・パンテレーエフ」「ワリャーグ」は、「反応深海爆雷」~RBU-6000対潜/対魚雷ロケットを発射しました。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷ロケットの生産が再開される]

「ワリャーグ」は更に、533mm魚雷の一斉発射を行ないました。
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「敵役」は、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第19潜水艦旅団所属の1隻の潜水艦が務めました。
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ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する

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『イズベスチヤ』より
2018年3月27日0時1分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」はデジタル及び全天候となる】

新たな管制システムは、事実上あらゆる条件下での艦上航空隊の飛行を可能にする。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」には、航空機飛行管制デジタル電波技術複合体が設置される。
これは、艦上航空機が良好な視界の日中のみならず、あらゆる時間帯及び複雑な条件下で任務の遂行を可能にする。
これは、パイロットの負担を著しく低下させる:エレクトロニクスは、自動モードでの着艦へのアプローチを可能にする。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ話したように、電波工学複合体は、飛行装置の最短の航法の保障、移動の管制、着艦へのアプローチの保障の為に意図される。
システムの重要なタスクは、戦闘航空機の艦の甲板への自動着艦である。

現在、インド海軍では、ロシアが作成した電波技術複合体「レジストル」が成功裏に稼働している。
システムは、指令モード(パイロットは手動で座標を追尾し、指示された軌道へ導く)での着艦へのアプローチを可能にする。
この他に、自動モードで時機の決定を行なう事も可能であるが、終末段階で艦尾へ接近し、パイロットは自分で着艦を制御する。
複合体「クズネツォフ」にも設置され、着艦を完全な自動モードで保障する。
更に、近代化される航空巡洋艦は、この手順において最小限必要な条件を著しく低下させる。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ説明したように、最新の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは、既に全ての必要な機器を有しているが、自動モードでの着艦は未だ実行できない。
この場合の複雑さは、その物体の動きに必要な他の行動である~しかも、指示軌道の厳しさ、特別な正確さは、飛行装置に害を及ぼすかもしれない。
この管制信号は、艦から発信され、航空機の機上へ転送される。

試験の進行の問題が故に、1990年代に「アドミラル・クズネツォフ」は、これをアナログ回線のみでテストした。
それは、限定された作動速度、不充分な高精度、危険な障害を有していた。

結果として、最初から「クズネツォフ」の動作は「全力」では無かった。
着艦は手動で実行され、悪天候或いは夜間に航空機の飛行を完全に保証する能力は無かった。

その後、2000年代には、インド海軍の為に、以前のソヴィエト重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」が再建造され、注文主は条件を設定した:艦は、昼も夜も、あらゆる天候で活動しなければならない。
この為、近代化された電波技術複合体「レジストル」が作成された。

「我々の艦上航空隊の水平離着艦の先駆者ヴィクトール・ゲオルギエヴィチ・プガチョフは、見えない状態での飛行作業はとても難しく、艦への夜間の着艦は危険であると言いました」
ロシア英雄で試験飛行士のオレグ・ムトヴィン『イズベスチヤ』へ話した。
「飛行士は、その能力の限界まで行動します。
従いまして、最初の着艦は要注意です」


オレグ・ムトヴィンは、複合体「レジストル」は、インド航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」で良好さを示していると付け加えた。

「クズネツォフの近代化の過程で、このようなシステムを装備するのならば、これは大きなブレークになります」
対談者は『イズベスチヤ』へ語った。
「これは、夜間及び複雑な気象条件での着艦への安定した精密さを可能にします。
艦の戦闘能力は著しく強化されます」


アメリカ合衆国海軍の為には、既に完全自動着艦システムが作成されている。
しかし、それは、全てに先駆けて艦上無人機が使用する。
航空機のパイロットは、規定されているように、着艦の最終段階では自分で制御し、誤差を修正する必要がある。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


シリア沖への遠距離航海から1年後、2018年2月23日の「祖国防衛者の日」クレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「アドミラル・クズネツォフ」ウシャコーフ勲章を授与しました。

『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】

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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になります。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(セヴェロドヴィンスク)
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『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基が新品に交換されるのは確実であり、ムルマンスク『第35艦船修理工場』には、2017年8月下旬に同艦の為の新造のボイラーが届けられています。
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近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まる]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まり、3年間に渡る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月までに締結される予定です。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は2018年4月までに締結される]


「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装の際に新たな航空機管制複合体を装備します。

現在、「アドミラル・クズネツォフ」には、航空機管制複合体「レジストルK-4」(NATOコード名「ケイク・スタンド」)が装備されています。
しかし、今回の記事で触れられているように、その能力は不充分であり、インド海軍航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」に装備されている「レジストル」の改良型が、「アドミラル・クズネツォフ」にも装備されるようです。
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[空母ヴィクラマーディティヤ]

ロシア海軍黒海艦隊は新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフの乗組員の編成を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月26日18時1分配信
【黒海艦隊は第2の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」の乗組員を形成した】

ノヴォロシースク海軍基地は、第2のプロジェクト22160哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」の乗組員の形成を完了した。

現在、契約軍人だけで揃えられた乗組員は、ノヴォロシースク海軍基地の艦で実習を行ない、サンクトペテルブルク海軍合同研修センターでの研修を準備している。

[参照]
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」
A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で建造され、2017年に進水した。
現在、艦は工場試験及び国家受領試験の準備を完了している。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国ゼレノドリスク造船所です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2014年2月26日に起工されました。
[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]

2014年7月25日には2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」が起工されています。

2016年2月18日には3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

2016年5月8日、4番艦「セルゲイ・コトフ」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

2016年11月25日、5番艦「ヴィクトール・ヴェリキー」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第5の新型哨戒艦ヴィクトール・ヴェリキーは起工された]

2018年1月13日、6番艦「ニコライ・シピャーギン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト22160哨戒艦ニコライ・シピャーギンは起工された]


2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、2017年末頃にゼレノドリスクから内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。
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今回の黒海艦隊広報部発表によると、「ドミトリー・ロガチョフ」は乗組員の編成を完了しており、艦の艤装も殆ど終了しているようです。

「ドミトリー・ロガチョフ」は、2018年12月末にロシア海軍へ引き渡される予定です。
[プロジェクト22160哨戒艦ワシーリー・ブイコフとドミトリー・ロガチョフは2018年にロシア海軍へ引き渡される]


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工されています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年就役予定

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2018年就役予定

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対空戦闘訓練を行ない、短距離艦対空ミサイルを発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月27日5時30分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦は空中目標へのミサイル射撃を実施した】

本日、戦闘訓練計画に従い、太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、艦隊の海軍航空隊の遠距離対潜航空機Tu-142と連携して、仮想敵の空中攻撃手段の攻撃を撃退する演習を実施した。

ピョートル大帝湾の射爆場の1つで行なわれた演習の想定では、大型対潜艦は空中攻撃を受けた。
仮想敵に対し、艦は自衛高射ミサイル複合体「キンジャール」を使用し、模擬空中目標へ4発の高射ミサイルの発射を行なった。

前日、これらの艦は対潜打撃グループを構成して行動し、仮想敵潜水艦から魚雷で攻撃され、2度の対潜ミサイル-魚雷及び反応深海爆雷の発射を行なった。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572)は、演習1日目には機雷敷設訓練を行ない、大型揚陸艦「オスリャービャ」(077)は砲撃訓練を行ないました。

3月21日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の対空防衛訓練、潜水艦2隻による『決闘』(対決)方式の演習などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった]


3月22日には、沿海地方での上陸訓練が行なわれ(おそらくはクレルカ岬)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」などによる砲撃支援の後、大型揚陸艦「オスリャービャ」海軍歩兵部隊を上陸させました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

3月26日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対潜戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対潜戦闘訓練を行なった]

3月27日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対空戦闘訓練が行なわれ、空中標的へ短距離艦対空ミサイル「キンジャール」を発射しました。
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空中標的を投下したのは、ハバロフスク地方カーメニ・ルチェイ飛行場に駐留している遠距離対潜哨戒機Tu-142M3のようです。
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月26日8時57分配信
【太平洋艦隊打撃艦グループは仮想敵潜水艦へ対潜兵器の射撃を実施した】

戦闘訓練計画に従い、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦は、太平洋艦隊の射爆場で戦闘訓練任務の遂行を続けている。

本日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」で構成される対潜打撃艦グループは、艦上ヘリコプターKa-27PL及び対潜航空機Il-38Nと連携し、仮想敵潜水艦の捜索及び追跡の課題へ取り組んだ。
潜水艦の役割は、連合部隊潜水艦の内の1隻が演じた。

対潜打撃艦グループの艦は潜水艦を発見し、安定した接触を確立した。
その後、仮想敵潜水艦に対し、対潜兵器複合体を投入した。
演習中に大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、2発の対潜ロケット-魚雷の発射を実施した。
その次に、第2の対潜艦敵潜水艦の魚雷兵器で攻撃され、反応深海爆雷の射撃を行なった。

対潜部隊の行動の客観的な観測及び安全は、演習を行なっている艦隊の10隻の戦闘艦及び補助船により保障された。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572)は、演習1日目には機雷敷設訓練を行ない、大型揚陸艦「オスラービャ」(077)は砲撃訓練を行ないました。

3月21日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の対空防衛訓練、潜水艦2隻による『決闘』(対決)方式の演習などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった]


3月22日には、沿海地方での上陸訓練が行なわれ(おそらくはクレルカ岬)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」などによる砲撃支援の後、大型揚陸艦「オスラービャ」海軍歩兵部隊を上陸させました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

そして3月26日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」による対潜戦闘訓練が行なわれ、実際に対潜ロケット-魚雷反応深海爆雷を発射しました。

対潜ロケット-魚雷は、「ラストルブ」対潜ミサイルの事でしょう。
[ロシアはラストルブ(SS-N-14)対潜ミサイルを近代化する]

反応深海爆雷は、RBU-6000対潜/対魚雷ロケットの事です。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷ロケットの生産が再開される]

「敵役」は、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第19潜水艦旅団所属の1隻の潜水艦が務めました。

今回の記事では「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」の名前しか出ていませんが、3月26日の演習には、この2隻を含め、合計10隻の艦船が参加していたようです。

イリューシンはロシア海軍の対潜哨戒機Il-38の後継機を開発している

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月25日15時40分配信
【ロシアは新たな対潜航空機の設計に取り組んでいる】
モスクワ、3月25日、インタファクス-AVN

『イリューシン記念航空複合体』は、将来にIl-38を代替できる新たな対潜航空機の設計へ取り組んでいる。
『インタファクス』は同社広報サービスより伝えられた。


「現在、当社は自主的に、既に在るIl型航空機をプラットフォームとする対潜航空機の作成の可能性を研究しております。
更には、完全に新しい航空機の開発というテーマにも取り組んでおります」

広報サービスの協力者は話した。

彼は、このプロジェクトを現実化する競争入札の時期は何時になるのかという話は、未だ時期尚早である事を強調した。
「ですが、国防省が、この航空機の作成を求めた場合、公開株式会社イルは、これを開発し、軍当局へ、我が国の防衛力を確保する為に必要な機数を供給する用意があります」
同社の代理人は話した。

2018年初頭、『統合航空機製造営団』は、ロシア連邦海軍の為の新世代対潜航空機の作成作業は、完了に近付いていると発表した。
「ロシア海軍は新世代の対潜哨戒航空機の発注を計画しています。
『統合航空機製造営団』におけるロシア海軍航空隊の為の作成作業は、完了に近付いています」
『統合航空機製造営団』
の社内雑誌『ゴリゾント』では、こう述べられた。

以前、ロシア連邦海軍航空隊司令官イーゴリ・コジンは、海軍航空隊が有する全ての哨戒航空機の集団を代替する新たな開発が行なわれていると語った。
「これは、新たな汎用プラットフォームの作成と導入についての話です。
この最新の機体は多くの課題を解決し、外国の同類機を上回ります」
イーゴリ・コジン
は話した。

更に、新世代対潜航空機の為のプラットフォームIl-18を代替する為にも考慮されており、複合体「ノヴェッラ」の装備が可能な双発ターボプロップ機Il-114-300が検討されていると伝えられている。

現在、公開株式会社『イル』(『統合航空機製造営団』へ加入)は、古い航空機Il-38の近代化作業を遂行している。
これらには、航空機の電波電子偵察、哨戒、敵潜水艦の捜索及び破壊の能力の向上を実現する新たな捜索-照準システム「ノヴェッラ-P-38」が設置される。

ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフは、以前に、近代化されるIl-38へ設置される複合体「ノヴェッラ」は、潜水艦の捜索及び探知効率の4倍の増加を可能にすると語った。
「これの良い点は、偵察及び目標指示を行なう能力を有している事です。
これと同じ航空機は、新たな捜索-照準システムの助力を得て、潜水艦の位置を確実にし、破壊する事ができます。
基になったIl-38と比べ、兵器リストは広範囲に適用されます」
ウラジーミル・コロリョーフ
は話した。

Il-38は、Il-18を基にして作成された遠距離対潜航空機である。
それは、自身で、或いは対潜艦と合同で潜水艦を捜索及び破壊し、海上偵察及び捜索救助作戦の為に意図されている。
Il-38の最大離陸重量は68トン、戦闘行動半径2200キロメートル、上昇限度8000メートル。
航空機の動力装置は、出力4250馬力の4基のエンジンから成る。
戦闘積載量は8400キログラムまでであり、対潜爆弾、魚雷、海上機雷を搭載する。
航空機は、14時間連続でパトロールを実行できる。
航空機の巡航速度は400km/h、最大速度は610km/h。航続距離は6500km。



現在、ロシア海軍航空隊の現用対潜哨戒機Il-38は、Il-38Nへの近代化改修が進められています。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]

更には、Il-38などの後継となる新世代対潜哨戒機の開発も進められています。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38と電子偵察機Il-20の後継となる統一プラットフォームは2020年に初飛行する]
[ロシア海軍航空隊の為の新世代対潜哨戒機の開発は進められている]

当然ながら、以前にIl-38を設計した『イリューシン』も、新世代対潜哨戒機の開発に名乗りを上げています。

『イリューシン』が提案しているのは、旅客機Il-114-300をベースにした対潜哨戒機です。

[イリューシン、ロシア海軍用の新対潜哨戒機を提案]

『イリューシン記念航空複合体』公式サイトより
【Il-114-300】

ただ、現在の所は、まだロシア国防省から開発に正式なゴーサインが出たわけでは無いようですが・・・

ロシア海軍のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦(アクラ級)へ650mm魚雷が復活する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月25日10時31分配信
【プロジェクト971原子力潜水艦は、それぞれ航空母艦を撃沈可能な魚雷兵器を有する-製造者】
モスクワ、3月25日、インタファクス-AVN

コンツェルン『ギードロプリボール』(水中機器)が製造する口径650mmの6576A型魚雷は、世界で最も強力である。
日曜日、同社の将来計画部長グレブ・チーホノフは述べた。

「これに比類するものなど、何処にも有りません。
この製品1つで、航空母艦を撃沈できます」

彼はテレビ局『ズヴェズダー』の生放送で話した。

「西側には、口径533mmより大きいものは有りません。
我々が作成するこの6576A魚雷の特性はユニークです~高速、長射程、爆薬を積んでいます」
グレブ・チーホノフ
は話した。

「3本の魚雷を含むワンセットは、1つの水中音響機器に対抗します」
彼は説明した。

「従いまして、この潜水艦(プロジェクト971)は、機雷複合体~機雷-魚雷、機雷-ロケットの課題を解決します。
これらの複合体の開発は、我がコンツェルンで展開しております」

彼は付け加えた。

プロジェクト971潜水艦魚雷弾数は40本から成り、しかも、その半分は口径650㎜で増強される。


グレブ・チーホノフ氏が出演したテレビ局『ズヴェズダー』の番組(北方艦隊プロジェクト971原子力巡洋潜水艦の特集)

この動画で9:18辺りから登場する人物がグレブ・チーホノフ氏です。



口径650mmの6576型魚雷「キート」の開発は1969年から始まり、1975年から発射試験が行なわれ、1976年11月19日に軍備採用されました。
6576型魚雷は、650mm魚雷発射管を装備するソ連海軍プロジェクト671RT/RTM(ヴィクターII/III級)原子力潜水艦に搭載されました。
この他、1980年代から就役した第3世代原子力潜水艦(プロジェクト949/949A、プロジェクト945、プロジェクト971)にも当初は搭載されました。

1982年には第3世代原子力潜水艦用として改良型の6576Aの開発が始まり、1990年から北方艦隊原子力潜水艦で発射試験が行なわれ、1991年4月25日に軍備採用され、魚雷の生産が始まりました。

6576A型魚雷は、650mm魚雷発射管を装備するロシア海軍原子力潜水艦プロジェクト949A(オスカーII級)、プロジェクト971(アクラ級)、プロジェクト671RTMK(改ヴィクターIII級)に搭載されました。
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[6576A型魚雷]
全長:11.3m
幅(直径):650mm
発射重量:4759kg
弾頭重量:557kg
最大速力:50ノット
射程距離:50km(50ノット)/100km(35ノット)
発射深度:最大480m

しかし、2000年8月12日に6576A型魚雷を搭載するプロジェクト949A原子力水中巡洋艦「クルスク」が艦首で爆発事故を起こして沈没しました。
乗組員は全員死亡しました。
[巡航ミサイル原潜「クルスク」]
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この「クルスク」の爆発の原因については西側でも色々な説が唱えられましたが、ロシア側は、6576A型魚雷が爆発した可能性が高いと判断しました。

爆沈事故時に「クルスク」が搭載していた6576A型魚雷
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この為、「クルスク」爆沈事故の後、6576A型魚雷ロシア海軍原子力潜水艦から撤去されました。
650mm魚雷が撤去された後、650mm魚雷発射管機雷射出のみに使用されるようになりました。


そして、650mm魚雷ロシア海軍原子力潜水艦から姿を消して10数年の歳月を経て、6576A型魚雷プロジェクト971原子力巡洋潜水艦で復活する事になりました。


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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト971「シチューカ-B」】

プロジェクト971「シチューカ-B」原子力巡洋潜水艦(NATOコード名「アクラ」級)は、1985年から2001年に掛けて14隻がソ連/ロシア海軍へ就役し、更に1隻がインド海軍へリースする為に建造され、2012年に引き渡されています。
既に2隻が除籍・解体されており、現在、ロシア海軍に在籍しているのは12隻です。

[コムソモリスク・ナ・アムーレ(アムール造船工場)建造艦]太平洋艦隊へ配備
・K-284(工場番号501):1993年4月13日に「アクラ」と命名
1983年11月11日起工/1984年6月22日進水/1984年12月30日納入/1985年1月15日就役
1994年頃退役、2004~2008年に極東艦船修理工場『ズヴェズダー』で解体

・K-263(工場番号502):1993年4月13日に「デリフィン」と命名、2002年2月9日に「バルナウル」と改名
1985年5月9日起工/1986年5月28日進水/1987年12月30日納入/1988年1月11日就役

・K-322(工場番号513):1993年4月13日に「カシャロート」と命名
1986年9月5日起工/1987年7月18日進水/1988年12月30日納入/1989年3月1日就役

・K-391(工場番号514):1993年4月13日に「キート」と命名、1997年9月1日に「ブラーツク」と改名
1988年2月23日起工/1989年4月14日進水/1989年12月29日納入/1990年1月13日就役

・K-331(工場番号515):1993年4月13日に「ナルヴァル」と命名、2001年1月24日に「マガダン」と改名
1989年12月28日起工/1990年6月23日進水/1990年12月30日納入/1991年1月23日就役

・K-419(工場番号516):1993年4月13日に「モルシュ」と命名、1998年1月29日に「クズバス」と改名
1991年7月28日起工/1992年5月18日進水/1992年12月31日納入/1993年1月30日就役
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

・K-295(工場番号517):1993年4月13日に「ドラコン」と命名、1999年8月30日に「サマーラ」と改名
1993年11月7日起工/1994年7月1日進水/1995年7月17日納入/1995年7月29日就役

・K-152(工場番号518):1993年4月13日に「ネルパ」と命名
1993年起工/2006年6月24日進水/2009年12月28日就役
2012年1月23日、インド海軍へリース、「チャクラ」と改名

・工場番号519号艦(「イルビス」?)
1994年起工
2007年、工事進捗度60パーセントで建造停止

・工場番号520号艦
1990年起工
1992年3月18日、工事進捗度25パーセントで建造中止、その後に解体

・工場番号521号艦
1991年起工
1992年3月18日、工事進捗度12パーセントで建造中止、その後に解体

[セヴェロドヴィンスク(セヴマシュ)建造艦]北方艦隊へ配備
・K-480(工場番号821):1991年7月24日に「バルス」と命名、1998年4月27日に「アク・バルス」と改名
1985年2月22日起工/1988年4月16日進水/1988年12月29日納入・就役
2002年10月1日除籍、2010年に艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で解体

・K-317(工場番号822):1990年10月10日に「パンテーラ」と命名
1986年11月6日起工/1990年5月21日進水/1990年12月27日納入/1990年12月30日就役

・K-461(工場番号831):1991年6月25日に「ヴォルク」と命名
1987年11月14日起工/1991年6月11日進水/1991年12月29日納入/1992年1月27日就役

・K-328(工場番号832):1991年1月24日に「レオパルド」と命名
1988年10月26日起工/1992年6月28日進水/1992年12月30日納入/1993年1月15日就役

・K-154(工場番号833):1991年7月24日に「チグル」と命名
1989年9月10日起工/1993年6月26日進水/1993年12月29日納入/1994年1月5日就役

・K-157(工場番号834):1993年4月6日に「ヴェプリ」と命名
1990年7月13日起工/1994年12月10日進水/1995年11月25日納入/1995年12月30日就役

・K-335(工場番号835):1993年2月22日に「ゲパルド」と命名
1991年9月23日起工/1999年9月17日進水/2001年12月3日納入/2001年12月4日就役
[ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはオーバーホールを終えて復帰した]

・K-337(工場番号836):1994年1月25日に「クーグアル」と命名
1992年8月18日起工
1998年1月22日建造中止
2003年以降に解体(原子炉などは「ボレイ」級戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」へ流用)

・K-333(工場番号837):1995年2月7日に「ルイシ」と命名
1993年8月31日起工
1997年10月6日建造中止
2004年以降、解体(原子炉などは「ボレイ」級戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」へ流用)


この内、「レオパルド」、「ヴォルク」、「ブラーツク」、「サマーラ」の4隻がセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で大規模な近代化改装(プロジェクト971M)を行ないます。
[近代化改装されるプロジェクト971M原子力巡洋潜水艦レオパルドは2018年にロシア海軍へ復帰する]

北方艦隊「ヴォルク」は、2014年8月にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍北方艦隊のアクラ級原潜ヴォルクはセヴェロドヴィンスクで近代化改装を行なう]

太平洋艦隊「ブラーツク」「サマーラ」も、2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

近代化改装されるプロジェクト971Mは、533mm魚雷発射管から射出できる巡航ミサイル「カリブル」を搭載します。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年3月24日17時53分配信
【海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクへの遠距離航海に参加する】

(ロシア)海軍総司令部の計画に沿って、ロシア海軍研修-研究センター海軍兵学校(ピョートル大帝兵学校)の200名以上の第2及び第4コースの生徒は、軍艦「ペレコプ」セヴァストーポリからウラジオストクへの遠距離航海に参加する。
この航路を行く生徒は、伝統あるロシア海軍研修学校の歴史上初めての遠洋航海へ参加する。

航海期間中の航海及び海軍兵学校生徒の海上実習の指揮官は、海軍兵学校校長ウラジーミル・ソコロフ少将である。
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3月26日、海軍兵学校生徒はサンクトペテルブルクから到着し、練習艦「ペレコプ」へ乗り込む。
今週に彼らは一連の規定艦内演習及び訓練を含む航海前の準備を行ない、艦の配置、戦闘見張り、航海学級練習、海峡通過の際の行動、ダメージコントロール活動についての知識を得る。

計画では、4月1日に練習艦「ペレコプ」セヴァストーポリから出航し、承認された航路の移動を開始する。
航海は2ヶ月に渡り、その中でピョートル大帝兵学校の生徒は、海上実習の完全なコースを実施する。



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プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になります。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」サンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]

その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]
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「ペレコプ」地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。

ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着します。

航海へ出発する前の生徒の訓練を行なった後、4月1日に「ペレコプ」セヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいます。

ロシア海軍バルト艦隊の戦闘機Su-27はバルト海上空で空中戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年3月22日16時29分配信
【バルト艦隊海軍航空隊のSu-27パイロットはバルト海上空で空中戦闘の計画演習を行なった】

バルト艦隊海軍航空隊航空基地戦闘機飛行隊の飛行士はフライトを実施し、仮想敵航空機との戦術管理空中戦闘へ取り組んだ。
戦闘機Su-27乗員は、空で様々な複合戦闘訓練の要素を実行し、様々な高度と様々な時間帯に攻撃及び防衛機動を用いた操縦技術の向上に特別な注意を払った。

予定ルートを飛行するロシア戦闘機は、バルト海の中立水域上空で空中空間使用の国際規則に厳密に従い、合同で空中移動の組織的統制を行なった。

戦術戦闘中にSu-27乗員は、交代で仮想敵航空機の捜索、探知、破壊へ取り組んだ。





バルト艦隊海軍航空隊戦闘機爆撃機は、ロシア連邦の飛び地カリーニングラード州へ配備されています。
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カリーニングラード州チェルニャホフスク飛行場に駐留する第4親衛独立海洋襲撃機航空連隊は、20機程度の前線爆撃機Su-24Mと6機程度の偵察機Su-24MRを保有しています。
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カリーニングラード州チカロフスク飛行場に駐留する第689親衛戦闘機航空連隊は、18機程度の戦闘機Su-27及びSu-27UBを保有しています。
ロシア海軍戦闘機Su-27を保有しているのは、バルト艦隊航空隊のみです。
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第689親衛戦闘機航空連隊は1939年9月5日に創設され、大祖国戦争に参戦し、1953年秋に海軍航空隊へ移管されたものの、1978年には空軍へ戻り、1986年には防空軍へ移管され、1994年12月には再び海軍へ移管され、現在に至っています。
現在の装備機Su-27は1990年に導入されました。
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この他、チェルニャホフスク飛行場は、2016年12月初頭から多用途複座戦闘機Su-30SMの配備が始まっています。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

続いて2017年には、5機のSu-30SMチェルニャホフスク飛行場へ配備されました。
(つまり、現在までに計6機)
[ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は3機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]


2018年1月26日には、Su-27、Su-24M、Su-30SMが参加する演習が行なわれました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27、前線爆撃機Su-24、多用途戦闘機Su-30SMは戦闘飛行訓練を行なった]

2018年2月8日には、Su-30SMが「敵役」を務め、Su-30SMから発射された有翼ミサイル(巡航ミサイル)Su-27が迎撃するというシナリオの演習が行なわれています。
[ロシア海軍バルト艦隊の戦闘機Su-27は巡航ミサイルの迎撃訓練を行なった]

ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月21日14時3分配信
【『統合造船業営団』は「ボレイ-B」型潜水艦の設計の結果について話した】
クビンカ/モスクワ州、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

最新の原子力潜水艦「ボレイ-B」の設計は、経済的な視点からは不十分な結果で完了する。
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは述べた。

「私が思いますに、我々が、このテーマへ到達できるのは、今年末よりも早くはならないでしょう。
実際の試験設計作業におけるボレイ-Bの外観の定義は、今年末には完了します。
このプロジェクトは、経済的視点では、まあまあでしょう」

彼は話した。

『統合造船業営団』総裁は、現在、営団の専門家は、このプロジェクトの「製図版」へ立ち戻っていることを指摘した。
「我々がこの議論を終える時、我々は、再びこのプロジェクトを海軍へ提案します」
ラフマノフ
は指摘した。

原子力潜水艦「ボレイ-B」は、プロジェクト955原子力潜水艦の更なる発展型である。
プロジェクト「ボレイ-A」及び「ボレイ-B」潜水艦は、太平洋艦隊及び北方艦隊への配置の為に意図されている。



[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[プロジェクト955ボレイ戦略用途原子力水中巡洋艦 ]

プロジェクト955「ボレイ」原子力戦略用途水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、このうち3隻が就役済みです。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役しました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
就役は2018年に予定されています。

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工されました。
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]
就役は2019年に予定されています。

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2020年に予定されています。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2020年に予定されています。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2021年に予定されています。

「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了します。


その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」の建造へ移行する事になりました。

「ボレイ-B」は最低でも4隻の建造が計画されており、1番艦は2026年の就役が予定されています。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]


現在は「ボレイ-B」の設計作業が進められていますが、今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「ボレイ-B」は「経済的視点」からは、決して満点を与えられるものでは無いと言っています。

「ボレイ」シリーズの建造費は、およそ230億ルーブルと推定されていますが、「ボレイ-B」は、それよりも遥かに高価になるかもしれないという事でしょうか。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクとヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年3月23日17時20分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と「セヴェロモルスク」はバレンツ海の演習で仮想敵の空中攻撃を撃退した】

北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、戦闘訓練計画活動の枠組みにおいてバレンツ海で仮想敵航空隊の攻撃からの艦船支隊の対空防衛演習を実施した。

演習へは更に、北方艦隊航空・防空軍対潜航空機連合部隊航空機が関わった。
Il-38の乗員は空中標的を投下し、艦の高射ミサイル及びにより成功裏に撃破された。

大型対潜艦の兵装として在るAK-100及び高射ミサイル複合体「キンジャール」の砲術班は、与えられた任務を果たした。

訓練時、射撃を行なった艦の一連の乗組員は、整然とした行動と高い海軍技量を示した。

戦闘訓練を実施した後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、人員の熟練度の向上と水上艦の第2錬成任務の独自の要素への取り組みの準備の為、バレンツ海エリアでの計画任務を合同で継続する。



北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)(1988年1月24日就役)は、2017年8月10日から10月4日まで北極海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]


北方艦隊「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)(1982年1月10日就役)は、2017年7月30日にクロンシュタットで行なわれた「ロシア海軍の日」観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]


観艦式が終わった後も母港へは戻らず、大西洋を南下して地中海へ入り、更には紅海、アデン湾へ進出し、2017年9月1日から海賊対処任務に就きました。
[大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」アデン湾遠征(2017年8月-)]

海賊対処任務を終えた「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、10月17日にスエズ運河へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年10月17日11時0分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はスエズ運河へ入った】

10月21日にエジプトアレクサンドリア港訪問を終えて出航し、地中海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年10月21日17時42分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はエジプトのアレクサンドリア港への業務寄港を完了し、地中海へ出た】

11月3日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月3日10時16分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出た】

翌11月4日、ポルトガルリスボン港を訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月4日17時15分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はリスボン港へ寄港した】

11月27日、バレンツ海で砲撃演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月27日15時0分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海で砲射撃を実施した】

遠距離航海を終えた「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、11月28日にセヴェロモルスク基地へ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月28日14時53分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は遠距離航海を完了した】

帰投から約1ヶ月後の12月26日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日17時18分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海で対潜演習を実施した】


2018年1月23日にはヘリコプターの発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年1月23日17時25分配信
【北方艦隊の艦上航空隊は大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の発着場でヘリコプターの着艦へ取り組んだ】

3月21日にはヘリコプターの夜間の発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年3月21日18時6分配信
【北方艦隊の艦上ヘリコプター乗員はコラ湾で夜間着艦へ取り組んだ】


そして2018年3月23日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は一緒にバレンツ海へ出航し、対空防衛戦闘訓練を行ないました。

第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2018年3月21日16時59分配信
【原子力潜水艦「カザン」は2019年に(ロシア)海軍へ引き渡される】
クビンカ/モスクワ州、3月21日/タス通信

プロジェクト885(M)「ヤーセン」多目的原子力潜水艦「カザン」は2019年にロシア海軍へ引き渡される。
水曜日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。

「私共は、近い内に全ての問題が克服される事を願っており、私共は、係留試験を出ます。
それが成功しなければ、仕上げは来年になります。
我々は、艦を戦闘即応組織へ引き渡す必要があります。
それは大方、来年でしょう」

彼は話した。

ラフマノフは、新たな潜水艦「非常に多数の兵器複合体」であり、それゆえに艦の試験さえも2つの航海計画になると説明した。
「全ての見通しは、捉えられません」

「これは現実に新たな一歩であり、私共は、多くの第4世代潜水艦の建造を拡大します。
管理システムは、判明したように、極めて正確で綿密な調整を必要とします。
我々は供給者へ、強力な用意を示さなければなりません」

彼は話した。

「ヤーセン」型原子力潜水艦は、機械製造局『マラヒート』で設計された。
それは、敵の潜水艦及び水上艦の破壊、海軍基地、港、艦船グループや他の目標へ打撃を与える為に意図されている。
兵装構成には、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」が加わっている。

「ヤーセン」第4世代多目的原子力潜水艦に属する。
前任者との違いは、魚雷発射管が配置されているのが艦首では無い事である。
(そこには水中音響複合体球状アンテナが在り、長距離で敵の探知を可能にする)



[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

「カザン」北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

「カザン」の航海試験は今年(2018年)に始まります。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の第4世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと第4世代多用途原潜カザンの航海試験の準備を進めている]


以前には、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2018年に予定されていました。
[新世代多用途原潜カザンと戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは2018年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、係留試験で何らかの問題が発覚したらしく、2018年中の引き渡しは断念され、翌年(2019年)に延期される事になったようです。


「ヤーセン」級シリーズ(原型1隻、改型6隻)は、2023年~2024年までに7隻がロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍第4世代多用途原潜ヤーセン級は2023年までに計7隻が就役する]
[ロシア海軍の最新鋭多用途原潜ヤーセン級は北方艦隊と太平洋艦隊へ配備される]

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは空中戦闘訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年3月23日13時20分配信
【北方艦隊の艦上航空隊の飛行士は北極の複雑な気象条件下での空中戦闘実施の動作へ取り組んだ】

北方艦隊艦上航空隊戦闘機MiG-29Kの飛行士は、ムルマンスク州地域の複雑な気象条件下において、北極の複雑な気象条件下での仮想敵との空中戦闘及び破壊の動作へ取り組んだ。

飛行士は離陸及び着陸の訓練を実行し、複雑な操縦の技術を向上させ、様々な高度で行動する空中目標の迎撃及び攻撃の戦術動作を行なった。

訓練は日中と夜間に実施された。

妨げの無い複雑な気象条件で、乗員は、彼らの前に与えられた全ての任務を遂行し、高い専門的技量を示した。

合計で8機の戦闘機MiG-29Kが空中へ上がった。

戦闘機飛行士は24時間の戦闘当直に就き、数分で空へ上がり、あらゆる与えられた任務を遂行する。



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[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
[艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(旧ブログ)]
[RSKミグMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機(RSKミグ公式サイト)]

ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUB24機の購入契約は、2012年2月29日に締結されました。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

ロシア海軍向けのMiG-29KUB量産1号機は2013年10月下旬に初飛行しました。
[ロシア海軍の為の艦上戦闘機MiG-29KUB量産1号機は飛行試験を開始した]

2013年11月下旬、当初の計画通りに2機のMiG-29K(単座型)と2機のMiG-29KUB(複座型)ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]

そして2014年12月2日までに8機のMiG-29Kと2機のMiG-29KUBが、当初の計画通りにロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍へ10機の艦上戦闘機MiG-29K/KUBが引き渡された]

2015年12月末までに10機のMiG-29Kが引き渡され、契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

MiG-29Kは、現用の艦上戦闘機Su-33と共に重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」で運用されます。
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]

2016年3月20日、第100独立艦上戦闘機航空連隊としての本格的な飛行訓練が始まりました。
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行ないました。
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2016年8月8日に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

母艦となる「アドミラル・クズネツォフ」には、MiG-29K/MiG-29KUBを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この遠征において「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも4機のMiG-29K(機体番号41、46、47、49)と3機のMiG-29KUB(機体番号50、52、53)が搭載されていました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

2016年11月13日には1機のMiG-29K「アドミラル・クズネツォフ」への着艦時に墜落しました。
機体は海中に没しましたが、パイロットは無事に救助されました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月15日からシリア領内のテロ組織への空爆を開始し、MiG-29K/MiG-29KUBも参加しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]

「アドミラル・クズネツォフ」の帰投後、空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けました。
[シリア軍事作戦へ参加したロシア海軍北方艦隊の空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けた]

『ロシア大統領府』公式サイトより
2017年2月23日16時30分配信
【北方艦隊将兵との会合】
この動画で6:00辺りから登場する士官(キリール・エフゲニエヴィチ・レヴャキン大尉)は、MiG-29Kパイロット(第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行中隊長)です。
レヴャキン大尉は2016年8月に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦し、この前のシリア遠征では17回のフライト(発着艦)を行ないました。


そして現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBの大半は、Su-33と共にセヴェロモルスク-3飛行場へ駐留しています。
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今回の北方艦隊広報部発表を見る限り、艦上戦闘機MiG-29Kは24時間の戦闘当直任務(つまりスクランブル待機)に就いてるようです。

艦上戦闘機Su-33は、2015年8月1日から戦闘当直任務に就いています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はコラ半島の防空任務に就いた]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年3月21日17時21分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」の艦上航空隊のヘリコプターKa-27PLは地中海で計画飛行を実施した】

ヘリコプターKa-27PL乗員は、遠海ゾーンのロシア海軍常設グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」の甲板から練習飛行を行なった。
飛行士は、このタイプの海上航空隊ヘリコプター自身の一連の任務へ取り組んだ。

航空隊の作業中にフリゲートは、ヘリコプターの飛行を支援する艦の航空複合体の艦内班の訓練を行なった。



プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水し、2016年6月7日に就役しました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

2016年10月下旬に黒海へ回航され予定でしたが、バルチースク基地でスクリューと推進軸を損傷してしまった為、修理が必要となり、回航は延期されることになりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器を修理する]

「アドミラル・エッセン」は建造元の『ヤンターリ』へ回航され、浮きドックで修理が行なわれました。
修理は2016年12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器の修理を終えた]

その後はバルト海で修理後の航行試験が行われていたようですが、2017年3月7日には、バルト艦隊親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は、本来の配備場所である黒海艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは黒海艦隊基地へ向かった]

2017年5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

その後、「アドミラル・エッセン」地中海を東へ進み、5月15日には地中海東部に位置するキプロス島南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]

2017年5月31日、潜水艦「クラスノダール」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアパルミラ(タドムル)ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も、同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部へ留まりました。
[巡航ミサイル"カリブル"を搭載するロシア海軍黒海艦隊の2隻のフリゲートと1隻の潜水艦は地中海東部に留まる]

6月23日には同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「アドミラル・エッセン」は、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

それから4日後の7月9日にセヴァストーポリを抜錨し、再び地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・エッセン"は再びシリア沖へ向かった]

7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。


その後も地中海東部へ留まり、9月4日にシリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

「アドミラル・エッセン」は9月22日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリア沖からセヴァストーポリへ帰投した]


その後は黒海に留まり、2018年2月下旬には警備艦「プイトリーヴイ」(プロジェクト1135M)、「スメトリーヴイ」(プロジェクト61)と共に演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年2月19日14時41分配信
フリゲート「アドミラル・エッセン」、警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は演習を実施する為に黒海へ出た】

2018年3月13日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ向かった]

そして3月21日に艦載ヘリコプターの飛行訓練を行ないました。


現在、地中海東部には、以下の艦船を含めた約15隻のロシア海軍艦船が滞在しています。

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年3月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「アゾフ」(黒海艦隊):2018年3月15日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年3月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは対艦ミサイルの模擬発射訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2018年3月22日16時29分配信
【バルト艦隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はバルト海で射撃演習を実施した】

バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」の乗組員は、海上での計画演習中、仮想敵の艦へミサイル複合体「ウラン」からの電子発射を行なった。

艦のバルト海への出航は、第2錬成任務K-2への取り組みの枠組みにおいて行われた。
海上戦闘実施中、ミサイル-砲戦闘班の専門家はミサイル兵器を使用し、仮想敵の艦船グループへ主要打撃複合体からの電子発射を行なった。

以前、「ヤロスラフ・ムードルイ」乗組員は、数キロメートル離れた所に在る海上盾船への砲撃を成功裏に行なった。
船員は更に、電波電子妨害の発信は取り組み、移動中の艦のダメージコントロール演習を実施し、狭い場所を通過し、視界の制限された条件で航行し、一連の対水中工作活動を行なった。

艦の海上での錬成任務への移行時、10回以上の戦闘訓練が行なわれた。



プロジェクト11540警備艦の2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は、カリーニングラード造船所で1988年5月27日に起工され、1990年に進水しましたが、1991年12月のソ連邦解体以降は財政難により建造工事は中断されました。
[ネウストラシムイ級2番艦ヤロスラフ・ムードルイ]

2000年代半ばから工事は再開され、2009年6月19日にロシア海軍へ引き渡されました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された]

2009年7月24日、バルト艦隊へ編入されました。
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入]

2011年末から2012年初頭に掛けて重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の地中海遠征へ参加しました。
[アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]

2012年4月からロシア皇帝家(ロマノフ家)の後援を受ける事になりました。
[ロマノフ家は警備艦ヤロスラフ・ムードルイを後援する]

2012年6月末には国際海軍演習FRUKUS(France、Russia、United Kingdom、United States)へ参加しました。
[バルト艦隊フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」は、国際海軍演習「FRUKUS-2012」に参加する]

2012年7月初頭から9月末まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

2012年12月17日から2013年7月5日まで地中海への遠距離航海を実施しました。
[バルト艦隊艦船は地中海へ向かった]
[バルト艦隊艦船部隊は地中海から戻ってきた]

この間の2013年1月下旬には、地中海東部及び黒海で実施されたロシア海軍3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習に参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬) ]

2014年8月9日から2015年2月21日まで、地中海、アデン湾、インド洋、東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

帰港後はガスタービンエンジンの修理が行なわれました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ヤロスラフ・ムードルイはガスタービンエンジン修理後の係留試験を行なった]

2016年4月に復帰しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはコルベット"ボイキー"と共に砲撃訓練を行なった]

2016年6月1日から12月19日まで地中海、アデン湾、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2016年6月-12月)]

2017年5月初頭からクロンシュタット海洋工場でオーバーホールが行なわれました。
[バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは『ロシア海軍の日』の観艦式へ参加する為にクロンシュタットでメンテナンスを行なう]

2018年3月20日、「ヤロスラフ・ムードルイ」は戦闘訓練の為に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは海上訓練を行なった]

そして3月22日には対艦ミサイル「ウラン」の発射訓練を行ないました。
ただ、「電子発射」とあるので、実際にミサイルを発射したわけではありません。

ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で上陸演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月22日5時20分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦は沿岸の困難な目標を砲で撃破する演習を行なった】

本日(3月22日)、戦闘訓練計画に従い、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦は、艦砲を用いて仮想敵の地上目標を破壊する演習を実施した。

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、艦隊の海洋揚陸射爆場の1つで火力支援艦支隊の一員として行動し、砲射撃を実施し、仮想敵の永久強化砲台及び車両を模したものを含め、見えない沿岸目標を破壊した。

更に艦は、無保護の泊地に停泊中の組織的対水中工作防衛の課題へ取り組み、実際に擲弾の警告射撃を行なった。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年3月22日8時40分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦は沿海地方で砲射撃を実施し、揚陸部隊の上陸へ取り組んだ】

本日(3月22日)、太平洋艦隊の戦闘訓練計画に従い、大型揚陸艦「オスリャービャ」は指示された任務の下で砲射撃を実施した。
以前、大型揚陸艦の乗組員は一連の訓練を行ない、海上で戦闘訓練を実施する許可を得た。

大型揚陸艦「オスリャービャ」は、第2錬成任務(K-2)へ取り組み、仮想敵の航空隊水上艦が抵抗している条件下で単艦での海洋揚陸部隊の上陸演習へ参加した。

海上を移動した艦は、海上曳航盾への射撃を行ない、その後、危険な機雷を一掃し、海洋機雷の模型を砲撃で破壊した。

更に、海軍航空隊対潜航空機Il-38Nと連携し、大型揚陸艦は仮想敵の空中攻撃手段を撃退し、高射砲を効果的に使用し、パラシュートで投下された標的を撃破した。

更に船員は、沿岸への航行と、無防備の海岸への車両と人員の上陸へ取り組んだ。



太平洋艦隊の約20隻の艦船は、2018年3月20日からピョートル大帝湾で演習を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、演習1日目には機雷敷設訓練を行ない、大型揚陸艦「オスリャービャ」は砲撃訓練を行ないました。

演習2日目の3月21日には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の対空防衛訓練、潜水艦2隻による『決闘』(対決)方式の演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海の対空防衛演習で実弾射撃を行なった]


演習3日目の3月22日は沿海地方での上陸訓練が行なわれ(おそらくはクレルカ岬)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」などによる砲撃支援の後、大型揚陸艦「オスリャービャ」海軍歩兵部隊を上陸させました。
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2隻のプロジェクト23550(イワン・パパーニン型)砕氷哨戒艦は2023~2024年にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月21日13時48分配信
【『アドミラルティ造船所』は警備艦の引き渡し時期を延期すると発表した】
クビンカ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト23550警備艦の引き渡しは、資金供給の問題に関連して2023~2024年に延期される。
水曜日、『アドミラルティ造船所』総取締役アレクセイ・ブザコフは報道陣へ語った。

「2018~2027年の国家軍備プログラムにおけるプロジェクト23550哨戒艦の引き渡し時期は、残念ですが、資金供給に関連し、2023~2024年に延期される事になりました」
彼は話した。

彼は、目下の所、『アドミラルティ造船所』の全てのプロジェクトはスケジュール通りに進められており、2018年には、如何なる艦の進水も同社は計画していない事を指摘した。

2016年、ロシア連邦国防省『アドミラルティ造船所』へ2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦を発注した。
同プロジェクトの艦は、曳船、砕氷船、そして哨戒艦の特質を併せ持っている。

プロジェクト23550「イワン・パパーニン」型多機能砕氷哨戒艦『アルマーズ』設計局により設計されており、厚さ1.5メートルまでの結氷を突破できる。
それは約8500トンの排水量を有しており、全長は約110メートル、幅は約20メートル、速力は約16ノット。
艦は、自身で、そして戦闘艦グループの一員として北極圏で効率良く任務を遂行でき、更には北極交通路の護送機能を果たせる。

艦の兵装は、自動砲AK-176MA、ヘリコプター及び無人飛行装置の駐留の為のヘリコプター発着場ヘリコプター格納庫、2隻の「ラプトル」型高速戦闘艇である。



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ロシア海軍は、北極圏向けとして2隻のプロジェクト23550砕氷哨戒艦の建造を計画しています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦建造の為のプレートカットは2016年秋に始まる]

プロジェクト23550砕氷哨戒艦は、砕氷船、哨戒艦、曳船などの機能を併せ持った多機能水上艦であり、満載排水量は8500トンと、かつてのプロジェクト956駆逐艦(ソブレメンヌイ級)プロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)に匹敵します。
(ただ、全長は9561155よりも短く、幅は広いので、かなりファットな艦になりますが)

プロジェクト23550砕氷哨戒艦2隻の建造契約は、2016年5月にサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』ロシア国防省(ロシア海軍)との間で締結されました。
[ロシア海軍の為の砕氷哨戒艦プロジェクト23550の建造契約が締結された]

プロジェクト23550AK-176MA 76mm単装砲を装備します。
[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]

プロジェクト23550は軽武装の艦ですが、ヘリコプター無人機を搭載し、更には高速哨戒艇プロジェクト03160「ラプトル」を2隻搭載できます。
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「イワン・パパ―ニン」と命名されたプロジェクト23550の1番艦は、2017年4月19日に起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンはサンクトペテルブルクで起工された]


当初、「イワン・パパ―ニン」は2020年に、今後起工される2番艦「ニコライ・ズーボフ」は2021年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[プロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンは2020年にロシア海軍へ引き渡される]


しかし、「資金供給の問題」の為、「イワン・パパ―ニン」の引き渡しは2023年、「ニコライ・ズーボフ」は2024年に延期される事になりました。

つまり、このクラスの艦(プロジェクト23550)の建造は後回しにされたという事でしょう。

第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2019年に進水し、2020年にロシア海軍へ引き渡される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月21日13時45分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「クロンシュタット」の(ロシア)海軍への引き渡しは2020年になる-『アドミラルティ造船所』】
クビンカ(モスクワ州)、3月21日、インタファクス-AVN

ディーゼルエレクトリック潜水艦「クロンシュタット」は2019年に進水し、2002年に海軍へ引き渡す。
『アドミラルティ造船所』総取締役アレクセイ・ブザコフは報道陣へ伝えた。

「協業は、今年の内に行なえる可能性は無いと申し上げます。
協業がやり遂げたのならば、別の解決法が有るでしょう」

彼は質問に答え、こう話した。

アレクセイ・ブザコフによると、潜水艦は2020年に海軍へ引き渡される。
「締結された契約では、(20)20年です。
実際に受け入れられるかどうかは、供給と協業に依るでしょう」

彼は話した。

以前、『アドミラルティ造船所』は、プロジェクト677(ラーダ)潜水艦「クロンシュタット」を2018年に進水させる予定だった。

プロジェクト677ディーゼルエレクトリック潜水艦は、敵の潜水艦、水上艦、船、沿岸施設の破壊、更には機雷源の敷設、偵察-破壊工作グループの上陸と受け入れの為に意図されている。
プロジェクト「ラーダ」潜水艦の排水量は1800トン、騒音レベルは非常に低い。
それは21ノットの速力の発揮が可能であり、深度350メートルまで潜航できる。
の乗組員は36名から成り、の兵装は、魚雷、ロケット魚雷、対空防衛複合体「イグラ-1M」である。



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[プロジェクト677ラーダ潜水艦 ]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]

ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。


2012年2月初頭、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、「ラーダ」級潜水艦「サンクトペテルブルク」に対する不満を述べています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】

「ラーダ」級に関する箇所を抜粋。

インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・

ヴィソツキー:
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクトペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置には、欠陥が有るのですよ。

僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。

インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?

ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・



その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

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2005年7月28日に起工された2番艦「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。

[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、2013年10月に北方艦隊の基地へ回航されました。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海で巡航ミサイルを発射した]

2番艦「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは、2020年に予定されています。
[第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2020年にロシア海軍へ引き渡される]

それに先立つ「クロンシュタット」の進水は、以前は2018年に予定されていましたが、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2018年に進水する]

今回、『アドミラルティ造船所』総取締役アレクセイ・ブザコフ氏は「協業」云々と言っていますが、これは、要するに『アドミラルティ造船所』の下請け企業の事を指しています。
おそらくは、下請け企業からの機器の納入が遅れている為、今年中に「クロンシュタット」を進水させられる見込みは無いという事でしょう。


3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、早くても2021年になります。

「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」は就役後、北方艦隊への配備が予定されています。
[ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦ラーダ級は北方艦隊へ配備される]

今後、「ラーダ」級潜水艦は、少なくとも2隻が追加建造されます。
[ロシア海軍の為の第4世代通常動力潜水艦ラーダ級の4番艦と5番艦が建造される]

ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は、もうじき締結される

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年3月21日13時58分配信
【巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」近代化の契約締結は、もうじきになるだろう】
クビンカ(モスクワ州)、3月21日、インタファクス-AVN

航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」近代化の契約は、近いうちに締結される。
『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。
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「もうじきです」
アレクセイ・ラフマノフ
は質問に答え、こう話した。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月20日就役)は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて6度目となる地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


シリア沖への遠距離航海から1年後、2018年2月23日の「祖国防衛者の日」クレムリン宮殿で開催された国家表彰授与式において、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、「アドミラル・クズネツォフ」ウシャコーフ勲章を授与しました。

『タス通信』より
2018年2月23日14時24分配信
【プーチンは祖国防衛者の日に国家表彰を授与した】

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[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

今後、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長する近代化改装が行なわれます。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になります。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(セヴェロドヴィンスク)
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『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)
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近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

「アドミラル・クズネツォフ」の8基のボイラーの内、4基が新品に交換されるのは確実であり、ムルマンスク『第35艦船修理工場』には、2017年8月下旬に同艦の為の新造のボイラーが届けられています。
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近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まる]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2018年に始まり、3年間に渡る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

以前には500億ルーブルと伝えられた「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装費用は、「ほぼ半分」(250億ルーブル程度)に減らされる事になるようです。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の予算は500億ルーブルよりも減らされる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]

ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、以前、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は2018年4月までに締結されると述べています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は2018年4月までに締結される]

今回(2018年3月21日)、アレクセイ・ラフマノフ氏は記者会見で質問に答え、「もうじき」と答えました。

ロシア海軍の新世代航空母艦はセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)とサンクトペテルブルク北方造船所が協同で建造する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月21日16時18分配信
【『セヴマシュ』と『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)は新たなロシアの航空母艦を建造できる】
モスクワ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

新たなロシア航空母艦を建造できる企業は1つでは無く、『セヴマシュ』『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)の協業となる。
水曜日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは報道陣へ伝えた。

「『セヴマシュ』は、これ(航空母艦の建造)を行なえる事が示されています。
2019年には、我々は『北方造船所』近代化の第1段階を完了します。
言うまでもなく、航空母艦は1つの企業だけで建造されるものでは有りませんが、協業が形成されるのならば、『北方造船所』の生産力を用いる事も含め、モジュール方式で建造されます」
ラフマノフ
は、新たな航空母艦を建造できる企業は何処かという質問に答え、こう話した。



[ロシア新世代航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
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ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの設計開発作業は2007年に始まりました。

現在の所、将来航空母艦は、5万トンから8万5千トンまでの3種類のヴァリエーション(軽空母、中空母、重空母)が検討されています。

重航空母艦(排水量80000-85000t、搭載機70機)
中航空母艦(排水量55000-65000t、搭載機50-55機)
軽航空母艦(排水量50000t)

建造費は重空母で3000億ルーブル、軽空母で1000億ルーブルと見積もられています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]
[ロシア将来空母の作成には約10年掛かり、費用は1000-3000億ルーブルになる]


将来航空母艦艦載機は、2019年以降に配備予定のロシア第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型が想定されており、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア海軍将来正規空母は第5世代重戦闘機Su-57の艦上機型を搭載し、カタパルトとスキージャンプを並行装備する]
[ロシア航空機製造業界は第5世代重戦闘機Su-57の艦上戦闘機型を開発する用意がある]
[ロシア海軍航空隊の為の有人/無人航空機が開発される]

将来航空母艦には、艦載機発進の為のカタパルトが装備されます。
[ロシア海軍の為の将来正規空母はカタパルトを装備する]

将来航空母艦の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来航空母艦アイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来航空母艦の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていますが、ロシア海軍の要求により、ほぼ原子力推進に確定しております。
[ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる]
[ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する]

将来航空母艦は、2016年6月16日にサンクトペテルブルク『バルト工場』で進水した新型原子力砕氷船「アルクチカ」(2019年就航予定)と同型の原子炉RITM-200を搭載するようです。
[ロシア海軍将来原子力空母は原子炉RITM-200を搭載するかもしれない]
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将来航空母艦の最終設計案は2020年以降に固められます。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]
[新型原子力空母の建造はロシア海軍の将来計画に含まれている]

将来航空母艦の建造は2023年~2028年の開始が計画されています。
[ロシア海軍の新世代空母の建造は2023年~2028年に開始される]
[ロシア海軍の為の新世代空母の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開始される]


ただ、2017年7月以降、ロシア海軍新世代VSTOL艦上戦闘機(ヤコブレフ)を開発するという話が出てきており、最初に建造されるのは、(Su-57艦上戦闘機型を搭載する大型正規空母では無く)VSTOL軽空母になるかもしれません。
[ロシア海軍の将来空母はVSTOL空母になるかもしれない]
[ロシア海軍の為の新たなVSTOL艦上戦闘機が開発される]

以前に将来空母概念設計(シトルム)を作成した『クルイロフ国立科学センター』は、今度は軽空母(30000~40000トン)の概念設計案を作成します。
[クルイロフ国立科学センターは軽空母の概念設計案を作成する]


新世代航空母艦を建造する造船所について、以前、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』の他に、サンクトペテルブルク市『バルト工場』を挙げていました。
[ロシアの2つの造船所はロシア海軍の為の将来正規空母を建造できる]
[サンクトペテルブルクの造船所はロシア海軍の将来原子力空母の建造に参加できる]

『セヴマシュ』
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『バルト工場』
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しかし今回、ラフマノフ氏は、新世代航空母艦の建造は『セヴマシュ』と、サンクトペテルブルク『北方造船所』の協業になると明言しています。

『北方造船所』
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『バルト工場』原子力水上艦船の建造経験が豊富であり(原子力砕氷船、重原子力ロケット巡洋艦、原子力偵察艦を建造)、かつてロシア海軍フランスへ発注した「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦2隻の船体の半分を建造した経験もあり、新世代航空母艦を建造する造船所の有力候補でした。
しかし『バルト工場』には、ロシア北極圏で運用される原子力砕氷船の建造という重要な仕事が有ります。
(現在は新世代原子力砕氷船「アルクチカ」型を建造中)

原子力砕氷船『バルト工場』以外の造船所で建造する事は出来ないので、同社は原子力砕氷船の建造に専念させる事になったようです。

今回の記事でも触れられていますが、『北方造船所』は近代化を進めており、全長250メートル、幅70メートルの乾ドックが2ヶ所建設され、その完成は2019年末に予定されています。
[サンクトペテルブルク市の北方造船所は2019年末以降にロシア海軍の為の汎用揚陸艦プリボイ級と新世代駆逐艦リデル級を建造できる]
新ドック完成後、『北方造船所』は、「セヴァストーポリ」型汎用ヘリコプター母艦原子力駆逐艦「リデル」級の建造に着手します。

新ドックが完成すれば、ロシア海軍新世代航空母艦を丸ごと1隻建造する事は出来なくとも、船体の一部を建造する事は可能になるでしょう。

ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる

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『イズベスチヤ』より
2018年3月21日0時1分配信
【「シューヤ」は海の「パーンツィリ」を受け入れる】

高射複合体の艦載ヴァージョンの試験はロケット艇で行なわれる。

大型ロケット艇「シューヤ」は、新たな高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」の為の「洗礼親」となる。
黒海艦隊へ加わっている艦艇には、高射ミサイル-砲複合体の最初の実験用見本が設置される。
それは、海上、地上、空中目標へのミサイル発射及び砲射撃を含む完全なサイクル試験を実施する。
地上用の「パーンツィリ-S」と比べ、海上版は目標の探知距離及び射撃距離が増加している。
専門家の意見では、最新兵器のお陰でロシア艦艇は、空中を移動する全て~有翼ミサイル、航空機、ヘリコプター、無人機、航空爆弾からの信頼できる防護を得る。
複合体は、敵艦及び無人艇にも動作できる。

『イズベスチヤ』へ海軍総司令部が話したように、プロジェクト12417ロケット艇「シューヤ」(R-71、舷側番号962)への高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」設置の作業は、既にクリミアの造船企業の1つで始まっている。
戦闘モジュール複合体、電波位置特定ステーションと他の機器は、以前に前世代の海上高射ミサイル-砲複合体「コールチク」の構成体が取り付けられていた支台及び基礎へ据え付けられる。
この複合体(コールチク)は15年以上前に廃止され、「シューヤ」からは以前に取り外されていた。
「パーンツィリ-M」の配置は2018年に完了する予定であり、その後、艇は黒海で試験を開始する。

「パーンツィリ-M」は、昨年にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロン(IMDS)で初めて展示された。
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開発者は、海上の同類は過去にシリアで経験を積んだ地上用の「パーンツィリ-S1」に全ての項目で「根本的に」優ると語った。
電波位置特定ステーションの新たな複合体は、75kmまでの距離の目標を「視認する」。
新たな複合体は、艦の半径40km(「パーンツィリ-S1」では20km)及び高度15kmに突破不能の円形の作成を可能にする。
高射ミサイル-砲複合体は、秒速1000km(時速3600km)で飛翔する目標4個へ同時に射撃できる。

「パーンツィリ-Mは、海上でロシア艦が直面する可能性のある全ての現代の脅威へ最も完全に対処します」
軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ
は指摘した。
「これは、超音速及び亜音速の対艦ミサイルからの効果的な防護です。
それは、通常の航空機及びヘリコプターと、海上および空中の無人機へ簡単に対処します」


新たな高射ミサイル-砲複合体は、最新のプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦にとって、様々な用途及びランクの空中物体からの信頼できるカバーとなる事ができる。
国防省次官ユーリー・ボリソフは、同プロジェクシリーズの3隻の艦が、海の「パーンツィリ」を得ると述べた。
高射複合体は、将来コルベット、フリゲート、駆逐艦、そして当然ながら、ヘリコプター母艦、巡洋艦、砕氷船を含め、より大きなトン数の艦を防護できる。

ロケット艇「シューヤ」は、1983年に中部ネヴァ川造船工場で建造された。
その排水量は495トンである。
艇は42ノット(時速78km)の速力を発揮でき、港へ寄港せずに1600海里を20ノットの速力で航行できる。
その兵装は、2.5トンの対艦ミサイル「テルミート」の2連装発射装置2基である。
艇は、41名から成る乗組員に制御される。
1985年、艦艇は黒海艦隊の一員として勤務に就いた。
それは、カランチノイ湾(セヴァストーポリ)に駐留する第41ロケット艇旅団へ加入した。
近年、R-71は、艦の対空防衛部門の訓練の為に常時使われている。
それは、射撃演習の際の標的として使用する為、論理的にも古くなっているミサイル「テルミート」の発射を行なっている。



ロシア黒海艦隊大型ロケット艇R-71「シューヤ」(1985年8月23日就役)は、記事中で触れられているように、就役当初は高射ミサイル-砲複合体「コールチク」の海上試験に従事していました。
[「コールチク」CIWS試験艇R-71]

試験終了後、「コールチク」は撤去され、以後は黒海艦隊の水上艦の対空防衛演習の際、標的として対艦ミサイル「テルミート」を発射するのが任務となりました。

2017年初頭からはセヴァストーポリ第13艦船修理工場へ入り、修理中です。
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高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」は、高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-S1」(SA-22グレイハウンド)の艦載ヴァージョンです。



「パーンツィリ-M」の生産は始まっており、間もなくロシア海軍への引き渡しが始まります。
[新型高射複合体パーンツィリ-MEの量産が始まる]
[ロシア海軍は最初の新型高射複合体パーンツィリ-MEを受領する]


「パーンツィリ-M」は、未だ海上での試験は行われておらず、この為、過去に前世代の高射ミサイル-砲複合体「コールチク」の海上試験を行ない、現在はドック入りしているロケット艇R-71「シューヤ」「パーンツィリ-M」試験艇に選ばれたようです。