『タス通信』より
2018年4月13日22時49分配信
【情報筋:ロシア連邦の艦船は攻撃の危険故にタルトゥースから出たわけでは無い】モスクワ、4月13日/タス通信ロシア連邦海軍の艦船は
タルトゥースに常時居るわけでは無く、決してメディアが書き立てたように攻撃が予想されるが故に同港から出たわけでは無い。
金曜日、軍事外交筋は伝えた。
「シリアのタルトゥースにある物資・技術サービス供給所は、我が海軍の地中海作戦連合部隊が、物資の補充及び小規模の修理作業の為に使用しております。
この目的の為、ロシアの軍用艦は常にタルトゥースへの寄港を行なっているのです。
ですが、その後は、いつも意図された任務を遂行する為に海上へ戻っておりますよ」彼は話した。
情報提供者は更に、
ロシア海軍の艦及び潜水艦は、
地中海東部で
アメリカ合衆国及び
北大西洋条約機構の
打撃艦及び
潜水艦を追跡していると述べた。
「現時点でロシア海軍作戦連合部隊の戦闘艦及び潜水艦は、地中海東部で、アメリカ合衆国及びNATO加盟国の海軍の打撃艦及び潜水艦の追跡を絶え間なく近距離で行なっていますよ」彼は話した。
情報提供者は、
地中海東部の水中、水上及び空中状況に関する完全な情報の収集は、
海軍作戦連合部隊の主な任務の1つである事を指摘した。
「シリアのタルトゥースの近海ゾーンへの全ての外国海軍艦船の接近及び機動作戦のケースならば、尚更の事ですよ」彼は話した。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年4月13日22時59分配信
【ロシア情報筋は、ロシア連邦海軍の艦船がタルトゥースを去ったのはシリアへのアメリカ合衆国の攻撃を恐れたためだという報道に反論した】『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年4月13日22時58分配信
【情報筋:海軍は物資補充及び修理の為にタルトゥース基地を使用している】タイトルは異なっていますが、内容は上記の
タス通信の記事と同じです。
(つまり、この
「モスクワの軍事外交筋」は、
ロシアの主要メディア全てに同じ話をしている)
シリアの
タルトゥース港には、1971年から
ロシア海軍の
第720物資-技術サービス供給所が置かれています。
これは、
地中海東部で行動する
ロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、
技術サービスの供給~艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。
「技術サービスの供給」の為、
タルトゥースには
ロシア海軍の
工作船1隻が交代で常駐しています。
2017年12月下旬には、
タルトゥース港に関する協定が
ロシア連邦議会で批准されました。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]ロシア海軍は2013年初頭から
地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、
地中海の
ロシア海軍艦船を統一指揮する為、
「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
現在、
地中海東部には、以下の艦船を含め、約15隻の
ロシア海軍艦船が滞在しています。
当然、これらの艦船は
ロシア海軍地中海作戦連合部隊の指揮下で行動しています。
フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(黒海艦隊):2017年12月2日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から
地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から
地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」(黒海艦隊):2018年2月21日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年4月13日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
大型揚陸艦「ミンスク」(バルト艦隊):2018年4月5日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
対水中工作艇「キネリ」(黒海艦隊):2018年3月30日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊):2018年1月29日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
救助曳船SB-729(黒海艦隊):2018年2月21日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日に
ボスポラス海峡を南下、
地中海入り
2隻の
潜水艦~
「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年10月26日就役)と
「コルピノ」(2016年11月24日)~は、元々は就役後の完熟訓練を終えて配備先の
黒海艦隊基地へ向かう為、2017年8月初頭に出航したのですが、同年8月末に
地中海へ入った後、現在まで同海域(
地中海東部)に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]この間、計5回に渡り
シリアの
テロ組織へ
巡航ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]フリゲート「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)は、2018年3月中旬から
地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった]2017年12月初頭に出航して
地中海東部に滞在していた
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、2018年3月13日頃に
スエズ運河を通過して
紅海へ行きましたが、その後、また
地中海東部へ戻りました。
【Yoruk Isik氏の2018年3月14日0時53分のツイート】2018年4月13日には、
黒海艦隊の
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」が
ボスポラス海峡を南下して
地中海へ入りました。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年4月13日23時55分配信
【ロシア海軍の大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は地中海へ入った】現在、
地中海に居る
「ニコライ・フィリチェンコフ」と
「ミンスク」を含め、
ロシア海軍の
大型揚陸艦や
輸送船は、定期的に
黒海沿岸の
ロシアの港(
セヴァストーポリか
ノヴォロシースク)から
シリアの
タルトゥース港へ様々な貨物を運んでいます。
「ニコライ・フィリチェンコフ」は、これから
タルトゥースへ向かいますが、
「ミンスク」は既に
タルトゥースへの荷揚げを終えて帰路に就いています。
ロシア海軍は、4月11日以降、
地中海東部で射撃演習を実施しています。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年4月11日13時6分配信
【ロシア海軍は地中海で艦船グループの演習を始めた】具体的な演習の実施期間は、4月11日~12日、4月17日~19日、4月25日~26日です。
演習実施時間は、それぞれモスクワ時間で10時から18時までとなっております。
(日本時間だと16時から24時まで)
これに先立ち、
タルトゥース港に居た
ロシア海軍の艦船が一斉に出航しました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部(シリア沖)で演習を行なう為にシリアのタルトゥースを抜錨した]特に
西側メディアは、これを
「アメリカやNATOのシリア攻撃から逃れるため」と報じていますが(というか、それ以外の報道は殆ど無い)、それは見当違いでしょう。
上記のように、
ロシア海軍の艦船は、補給やメンテナンス・修理の為に
タルトゥースを利用していますが、この他に、乗組員の休養という目的も有ります。
現在、
地中海東部に滞在している
ロシア海軍の艦船には、長期間に渡り海上に居る艦も少なくありません。
例えば2隻の
潜水艦は、昨年8月下旬に出航して以来、現在まで海上で行動しています。
無論、
潜水艦に乗っているのは生身の人間ですから、ずっと海上に居たのでは、身体が持ちません。
特に、狭い
通常動力潜水艦ならば、猶更です。
従いまして、時々は
タルトゥースへ寄港して乗員を休養させる必要が有ります。
これは他の艦も同様です。
「演習」の前に
タルトゥース港から一斉に出航したという事は、逆に言えば、演習を行なう前に
タルトゥース港へ寄港して補給や乗員の休養、艦のメンテナンスなどを行なっていたという事です。
ロシア海軍地中海作戦連合部隊は、4月11日から
シリア近海で
「演習」を行なっているとの事ですが、その具体的な内容は明らかにされていません。
今回の
「軍事外交筋」の話から見ると、
「演習」の具体的な内容は、
地中海東部(シリア沖)へやって来る
アメリカ海軍などの軍艦の追跡のようです。