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ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは初めての砲撃試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年6月18日16時58分配信
【黒海艦隊の最新哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は初めての砲射撃を実施した】

黒海艦隊最新哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、戦闘訓練計画の枠組みで初めての砲射撃を実施する為、セヴァストーポリから海上射爆場へ出航した。

海へ出ている間に同艦の乗組員は、標準モード、更には最大回転及び仰角で模擬海上、沿岸、そして空中目標への砲射撃を実施した。

砲射撃の実施後、「ワシーリー・ブイコフ」は、小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」と合同で任務遂行を続ける。
戦術グループを構成する艦の乗組員は、海上戦闘の実施、更には全種類の海上移動時の防衛へ取り組む。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク『北方計画設計局』が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2014年2月26日に起工されました。

[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]

2014年7月25日には2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」が起工されています。

2016年2月18日には3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

2016年5月8日、4番艦「セルゲイ・コトフ」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

2016年11月25日、5番艦「ヴィクトール・ヴェリキー」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第5の新型哨戒艦ヴィクトール・ヴェリキーは起工された]

2018年1月13日、6番艦「ニコライ・シピャーギン」が起工されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト22160哨戒艦ニコライ・シピャーギンは起工された]



1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は2017年7月23日にゼレノドリスク造船所の造船台から出渠し、同年10月には内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。
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「ワシーリー・ブイコフ」乗組員の編成は、2018年1月中旬までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はプロジェクト22160哨戒艦の1番艦ワシーリー・ブイコフの乗組員の編成を完了した]

編成された乗組員団は、サンクトペテルブルク海軍合同訓練センターで研修を行なった後、3月28日にノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク基地へ到着し、洋上試験の準備を始めた]

それから約1ヶ月半後の2018年5月8日、「ワシーリー・ブイコフ」は洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上試験を開始した]

それから1ヶ月以上経った6月18日、「ワシーリー・ブイコフ」は初めての砲撃試験を実施しました。

6月1日に就役したばかりのプロジェクト21631小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」も一緒に出航し、「ワシーリー・ブイコフ」と行動を共にしているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは出航準備を始めた]

「ワシーリー・ブイコフ」は、2018年にロシア海軍へ引き渡される予定です。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工されています。
[ロシア海軍は2022年までに6隻のプロジェクト22160哨戒艦を受領する]

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年就役予定

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2018年就役予定

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年就役予定

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2020年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2021年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2022年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月18日7時3分配信
【太平洋艦隊海上航空隊のヘリコプターKa-29乗員は沿海地方で任務への取り組みへ着手した】

太平洋艦隊海上航空隊ニコラエフカ飛行場で、ヘリコプターKa-29の標準乗員は、意図された任務への取り組みへ着手した。

2組の輸送戦闘ヘリコプター乗員は、機体によるフライトを行なった。
沿海地方航空射爆場で、飛行士は戦術任務を果たし、地上目標への兵器使用へ取り組んだ。

昨年末、太平洋艦隊海上航空隊は、公開株式会社『クメルタウ航空機製造事業』で計画中間修理を実施した6機の更新された艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29を受領した。

乗員の訓練の枠組みにおいて、今後さらに、太平洋艦隊の艦の乗組員との合同訓練が計画されており、更に演習期間中、高い移動性及び効果的な揚陸の為、Ka-29海軍歩兵部隊は艦隊の揚陸射爆場で連携する。

[参照]
艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29
は、ヘリコプターKa-27の更なる発展型である。
1980年代にN.I.カモフ試作設計局により開発され、艦へ駐留して火力支援を行ない、様々な貨物を運ぶ為に意図されている。



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カモフ対潜ヘリコプターKa-27の派生型である戦闘輸送ヘリコプターKa-29は、プロトタイプKa-252TBが1976年7月28日に初飛行した後、1984年から1991年までに『クメルタウ工場』で59機が生産されました。
海軍への軍備採用(制式採用)は1987年8月8日です。

ソ連邦時代には、プロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)へ搭載されていましたが、1990年代以降に1174が退役した為、搭載艦が無くなり、殆どが予備役として保管されました。
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現在、ロシア海軍が保有するKa-29は28機であり、2015年頃までは極一部の機体だけが稼働状態に在りましたが、2016年から修復が開始されました。
[ロシア海軍航空隊へ戦闘輸送ヘリコプターKa-29が復活する]

2016年12月、太平洋艦隊向けのKa-29の修理が完了し、沿海地方へ送られました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29が修復された]
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

2017年11月上旬にも太平洋艦隊Ka-29が再配備されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年11月9日8時20分配信
【太平洋艦隊海軍航空隊へ6機の更新されたヘリコプターKa-29が補充された】

2017年11月下旬、バルト艦隊にもKa-29が再配備されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月21日13時20分配信
【バルト艦隊海軍航空隊は更新されたヘリコプターKa-29を受領した】


沿海地方ニコラエフカ飛行場へ配備された太平洋艦隊Ka-29は、本格的な飛行訓練を開始しました。
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今後は、太平洋艦隊水上艦への着艦や海軍歩兵部隊の上陸支援などの訓練も行われます。

ロシア海軍の為に新たな8000トン級大型揚陸艦が開発される

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『タス通信』より
2018年6月18日9時8分配信
【情報筋:ロシアは約8000トンの新たな揚陸艦を作成する】
モスクワ、6月18日/タス通信

『北方計画設計局』は、ロシア連邦海軍の為、根本的に新しい大型揚陸艦プロジェクトを作成する。
『タス通信』ロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「『北方計画設計局』は、ロシア海軍の為の新たな大型揚陸艦プロジェクトの作成を委託されています。
草案設計の作業が行なわれます」
対談者は話したが、作業の時期については明らかにしなかった。

彼は、この話は、存在するプロジェクトは如何なる発展型にも非ず、排水量約8000トンの大型揚陸艦のゼロからの作成である事を強調した。
他の設計局は、この作業に参加していない。

『統合造船業営団』は、この情報にコメントしなかった。

[計画設計局]について
『北方計画設計局』
は、ロシアの大手の計画設計局の1つであり、1946年に設立された。
それは、プロジェクト11356警備艦、最新のプロジェクト22350フリゲート、モジュール哨戒艦プロジェクト22160を含め、様々なクラスの水上艦を作成している。
更に『北方計画設計局』は、将来駆逐艦プロジェクト「リデル」の作業を行なっている。

ソヴィエト及びロシア時代の事実上全ての揚陸艦プロジェクトは、現代のロシアにおいて、航空艦及び揚陸艦のテーマに従事する唯一の設計局である『ネヴァ川計画設計局』により開発された。
最近のロシア史上での初めての作成となる大型揚陸艦「イワン・グレン」(プロジェクト11711)は、1998年に開始されたが、ロシア連邦海軍の要求による度重なる艦の戦術-技術的課題の変更により遅延した。

「イワン・グレン」は約6000トンの排水量を有し、その前のプロジェクト11711(コード名「タピル」)大型揚陸艦は4300トンである。
ロシア連邦海軍において、このクラスの艦で最も数の多いプロジェクト775は4400トンである。



【『北方計画設計局』公式サイト】

現在、ロシア海軍には、2タイプの大型揚陸艦が合計19隻在籍しています。
その内訳は、1960年代後半から1970年代半ばに建造されたプロジェクト1171(アリゲーター級)が4隻、1970年代後半から1990年代初頭に就役したプロジェクト775/775M(ロプーチャ級)が15隻です。
[ロシア海軍は19隻の大型揚陸艦を有する]

そして現在、プロジェクト1171の拡大発展型に位置づけられるプロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」型2隻が建造中です。
[プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」型]

将来的には、より大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦「セヴァストーポリ」型の建造が計画されています。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]


今回の記事に登場する『北方計画設計局』が設計する8000トン級大型揚陸艦は、上記の新型艦とは違うものとなるようです。
(「セヴァストーポリ」型は約24000トン)

『北方計画設計局』は、ソ連時代から巡洋艦、駆逐艦、フリゲート級の水上戦闘艦の設計を専門としており、揚陸艦の設計の経験は殆ど有りませんが、2000年代には輸出用としてプロジェクト21810中型揚陸艦を設計しました。
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[プロジェクト21810中型揚陸艦]
満載排水量:1600トン
全長:97メートル
幅:11メートル
速力:16ノット
航続距離:14ノットで2500海里
自立航行期間:30日
乗組員:47名
積載能力:海軍歩兵隊員200名、戦車5両
兵装:110mmロケット砲×2基
AK-630M 30mmガトリング砲×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
高射ミサイル複合体「イグラ」8連装発射機×1基


これはインド海軍向けなどを念頭に輸出用として設計されましたが、何処からも発注が無かった為、ペーパープランに終わりました。


以前、新世代汎用揚陸艦の設計が『北方計画設計局』へ移管されたという話がありましたが、これは、今回の8000トン級大型揚陸艦の事だったようです。
[ロシア海軍の新世代汎用ヘリコプター揚陸艦セヴァストーポリ型の設計は『北方計画設計局』が担当する]

この8000トン級大型揚陸艦は、全くゼロからの設計となり、以前のタイプの発展型では無いとの事ですから、或いは、全通甲板の揚陸艦「セヴァストーポリ」型の縮小版~になるかもしれません。

ロシア海軍北方艦隊の大演習はバレンツ海で続けられている

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『タス通信』より
2018年6月18日5時58分配信
【北方艦隊グループは仮想敵の攻撃を撃退する演習を始めた】
ムルマンスク、6月18日/タス通信

北方艦隊艦、潜水艦航空隊は、集合航海の枠組みで仮想敵の攻撃を撃退する演習を開始した。
月曜日、北方艦隊広報サービスは発表した。

「演習中、北方艦隊将兵は、多種戦力グループの戦術戦闘行動の実施へ取り組みます」
広報サービスは話し、演習は特別な防衛の性質を持つことを指摘した。
その主な目的は、艦の乗組員、沿岸部隊及び航空隊が指示された任務を遂行する為の実際の準備態勢のチェックにある。

機動演習には、36隻の戦闘艦、潜水艦、支援船、20機の飛行装置、150基以上の兵器、沿岸ロケット砲及び陸上部隊、海軍歩兵、対空防衛部隊の軍用車両及び特殊車両が関わる。
乗組員は70回以上の戦闘訓練を実行する。
この内の19回は、海上、空中、沿岸目標への戦闘射撃である。

射撃へ関与するロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、小型ロケット艦「アイスベルク」、「ラッスヴェート」、小型対潜艦「スネシュノゴルスク」原子力潜水艦及びディーゼルエレクトリック潜水艦、大型揚陸艦「コンドポガ」、「ゲオルギー・ポべドノーセッツ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、既に機雷敷設と、海上揚陸部隊の移送及び無防備の海岸への上陸の課題へ取り組んだ。

集合航海において、補助艦隊及び物資-技術サービス供給部隊は、戦闘艦への海上での物資補充及び技術的準備状態の回復へ取り組む重要な役割を担う。
それは同時に、バレンツ海の射爆場でミサイル及び砲射撃の実施の為、標的を設置する。



ロシア北方艦隊の大演習は2018年6月13日から始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった]

演習は、第14対潜艦旅団(セヴェロモルスク基地)に所属する大型対潜艦1隻と、第7水域防護艦旅団第270親衛小型対潜艦大隊(オレニヤ湾)に所属する小型対潜艦3隻の対潜戦闘訓練から始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊の対潜艦はバレンツ海で対潜演習を行なった]

その後も演習は続けられているようです。

ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-14とR-18は日本海で超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月18日7時50分配信
【太平洋艦隊のロケット艇は日本海で有翼ミサイル「モスキート」の海上目標へのグループ射撃を実施した】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦の集合航海の完了部分として、ロケット艇R-18R-14で構成される打撃艇グループは、仮想敵艦グループを破壊する演習を行ない、その中で水上目標へ有翼ミサイル「モスキート」により2度の打撃を与えた。

有翼ミサイルは、120km離れた海上標的~大型盾船へ成功裏に命中した。
射撃の結果は、観測複合体・無人飛行装置「オルラン」による視認を含む客観的な観測により確認された。

6月7日から18日まで、50隻の戦闘艦、艇、潜水艦、補助船日本海及びオホーツク海エリアで行動し、集合航海の枠組みで複数の艦船グループの試験戦術演習が実施され、その中で70回の戦闘訓練が行なわれた。
特に、機雷掃海艦は、艦隊の主要基地から出航する部隊を先導する為の掃海、更には、仮想敵が敷設した機雷源への対処へ取り組んだ。

捜索打撃艦グループは仮想敵潜水艦の捜索及び撃破の演習を行ない、太平洋艦隊小型ロケット艦及びロケット艇は、演習中に海上遭遇戦闘の実施へ取り組んだ。

クレルカ岬の海上揚陸射爆場では、無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸が行なわれた。
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ニコライ・ヴィルコフ」、「ペレスヴェート」は、揚陸艇と共に「支点」場所へ行き、「敵」部隊から束縛されない海岸へ揚陸部隊を上陸させた。
上陸は、東方軍管区航空・防空軍航空機、更には太平洋艦隊海上航空隊ヘリコプターの支援を受けた。
更に大型揚陸艦は、艦載一斉射撃火力反応システムを使用する非視認の沿岸目標を制圧する砲射撃を実施した。

集合航海演習には、沿海地方の連合部隊と共に、ロシア北東軍集団の2つの戦術艦グループが参加した。



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ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

6月8日には小型対潜艦4隻、小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻による演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった]

6月9日には、大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻が沿海地方クレルカ岬で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻は沿海地方で上陸演習を行なった]

その後、日曜日(6月10日)とロシア連邦の祝日である6月12日の「ロシアの日」(1990年6月12日に当時のソヴィエト連邦内の「ロシア共和国」が国家主権宣言を採択した事を記念して制定された祝日)の為に演習は一時中断し、6月13日から再開されました。
【「ロシアの日」とは何か?】

6月13日の演習には、6月9日の上陸演習へ参加した大型揚陸艦3隻、6月8日の演習へ参加した小型ロケット艦2隻が再び参加し、大型揚陸艦は沿岸目標へ、小型ロケット艦は空中目標への砲撃訓練を行ないました。
この他、小型対潜艦2隻~MPK-82MPK-107が海上目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は日本海で砲撃訓練を行なった]

6月14日にも、前日とほぼ同じ艦~大型揚陸艦3隻、小型ロケット艦2隻が演習へ参加し、大型揚陸艦は対空目標へ、小型ロケット艦は海上目標への砲撃訓練を行ないました。
この他、ロケット艇R-11(1991年9月1日就役)も小型ロケット艦2隻と共に海上への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は引き続き日本海で砲撃訓練を行なった]

更に2隻のロケット艇のグループも演習を行ないました。
(おそらくはR-297R-298)
[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-297とR-298はオホーツク海で演習を行なう]

6月16日午前、演習開始前にカムチャツカ半島から日本海へ移動していた小型対潜艦MPK-82(375)とMPK-107(332)は宗谷海峡を東へ通過し、オホーツク海へ入りました。
同日午後には、ウラジオストクに駐留する小型対潜艦「ウスチ・イリムスク」(362)とMPK-221(354)が宗谷海峡を東へ通過し、オホーツク海へ入っています。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2018年6月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


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そして6月18日、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第165水上艦旅団第2親衛ロケット艇大隊に所属するロケット艇R-14R-18は、日本海超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[超音速対艦ミサイル「モスキート」]

ロケット艇R-14(1991年12月28日就役)
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ロケット艇R-18(1992年8月24日就役)
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太平洋艦隊の大演習は、これで終了のようです。

ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはシリア沖へ行く

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年6月17日15時11分配信
【カスピ小艦隊の2隻のロケットコルベットは地中海へ入った】
イスタンブール、6月17日、インタファクス

有翼ミサイル「カリブル」を装備するカスピ小艦隊コルベット「ヴェリキー・ウスチュグ」「グラード・スヴィヤージスク」は、日曜日に黒海海峡を通過して地中海水域へ入った。
イスタンブールのモニタリングサイトはボスポラス海峡を通過する写真を公表した。

報道によると、小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」「グラード・スヴィヤージスク」は、おそらくは地中海ロシア海軍物資-技術サービス供給所が置かれているシリアタルトゥース港へ向かっている。

双方の艦は、8基の長距離有翼ミサイル「カリブル」を収めた垂直発射装置複合体3R-14UKSKで武装している。

伝えられているように、2015年10月7日、ロシアシリアでの軍事作戦中、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」「ヴェリキー・ウスチュグ」、更には小型ロケット艦「ウグリチ」警備艦「ダゲスタン」は、カスピ海エリアからシリアISIL(ロシア連邦では非合法のテロリスト組織)の目標へミサイルによる打撃を与えた。
26基の海上配置有翼ミサイル「カリブル」が、約1500km離れた所にある11の地上目標へ発射された。

2015年10月20日、カスピ小艦隊は、シリアISILの施設へ2度目のミサイル打撃を与えた。
作戦には10月7日と同じ艦が参加した。
4隻の艦は、指向性弾頭を持つ18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射し、7個の目標を撃破した。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2018年6月17日22時47分配信
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
【カスピ小艦隊の小型ロケット艦はセヴァストーポリから地中海への計画移動を行なう】

カスピ小艦隊小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」「グラード・スヴィヤージスク」は、セヴァストーポリから地中海への計画移動を行なう。

現在、艦の乗組員は黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通過を完了し、地中海へ入っている。

本日が終わる頃にはロシア艦は遠海ゾーンの海軍常設連合部隊へ加わり、指示された任務の遂行へ着手する計画である。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の1番艦「グラード・スヴィヤージスク」は、ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2010年8月27日に起工され、2013年3月9日に進水し、2014年7月27日に就役、カスピ小艦隊へ編入されました。

「ブヤン-M」3番艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は2011年8月27日に起工され、2014年5月21日に進水し、2014年12月19日に就役、カスピ小艦隊へ編入されました。

2015年10月7日、カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ海南方からシリアテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にもカスピ海南方からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後は、カスピ海で各種の演習を行なったり、カスピ海沿岸諸国(イランカザフスタン)を訪問しました。

「グラード・スヴィヤージスク」は、2017年10月12日にカスピ海有翼ミサイル「カリブル」の対艦型と対地型を発射しています。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年10月12日17時33分配信
【「グラード・スヴィヤージスク」は演習で「カリブル」を発射した】

2018年2月には、2隻揃って演習を行なっています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月13日9時42分配信
【ロシア連邦海軍のロケット艦はカスピ海での演習中に「敵」艦と飛行装置を破壊した】


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2018年6月4日、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ小艦隊基地マハチカラを出航し、内陸水路経由で黒海への移動を開始しました。

6月13日、クリミア半島黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはカスピ海から黒海へ移動した]


2隻の小型ロケット艦は、その数日後にセヴァストーポリを出航したらしく、6月17日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。

今後、2隻の小型ロケット艦シリア沖へ行くようです。


現在、地中海東部には、以下のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」(カスピ小艦隊):2018年6月17日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」(カスピ小艦隊):2018年6月17日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年6月15日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「トゥルビニスト」(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇P-433(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型海洋給油船「レナ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋曳船MB-304(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ貨物を運ぶ

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『インタファクス』より
2018年6月15日21時50分配信
【ロシア連邦海軍の大型揚陸艦は地中海へ入った】
モスクワ、6月15日、インタファクス-ロシア

ロシア海軍大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、金曜日に黒海海峡を通過して地中海水域へ入った。
現地の情報ポータルサイトはボスポラス海峡を通過する写真を公表した。

イスタンブールのサイトは、黒海艦隊戦闘艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、地中海ロシア海軍物資-技術サービス供給所が置かれているシリアタルトゥース港へ向かっていると確信している。

これは、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」シリアへの今年4度目の航海となる事は注目される。

6月10日、最上甲板に大量の大型コンテナが視認できるロシア乾燥貨物船「ピジマ」、更には、ロシア連邦国防省がチャーターしてノヴォロシースクから出航した貨物船「スパルタ」黒海海峡を通過してタルトゥースへ向かった。

この他、6月9日には、最上甲板に緑色に塗装された貨物車「ウラル」を積んだ輸送船「アレクサンドル・トカチェンコ」黒海海峡を通過してシリアへ行った。

伝えられているように、5月には黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」及び「ニコライ・フィリチェンコフ」シリアへの2度の航海を行なった。

海外メディアによれば、ロシア海軍大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアフマイミーン飛行場ロシア航空群タルトゥース海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に就いています。
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当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。

「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊及びバルト艦隊からも大型揚陸艦が交代で派遣されています。

黒海艦隊大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(1975年12月30日就役)は「シリア・エクスプレス」の常連であり、2017年には、計7回の「シリア・エクスプレス」に従事していた事が確認されています。
(ロシア海軍当局からの公式発表は無いが、ボスポラス海峡を南下すればシリアへ向かい、北上すれば黒海沿岸ロシア海軍基地へ戻っている)

・1月18日にボスポラス海峡を南下、1月27日に北上
・2月19日にボスポラス海峡を南下、3月5日に北上
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月24日に北上
・4月6日にボスポラス海峡を南下、4月17日に北上
・5月1日にボスポラス海峡を南下、5月11日に北上
・5月20日にボスポラス海峡を南下、6月2日に北上
・7月20日にボスポラス海峡を南下、8月初頭に北上


2017年8月初頭にセヴァストーポリへ戻った後はオーバーホールが行なわれ、2018年2月に修理を終えて復帰した後は黒海の演習へ参加していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフとオルスクはクリミア半島で上陸訓練を行なった]

2018年4月13日、大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」は、ほぼ9ヶ月ぶりにボスポラス海峡を南下、シリアタルトゥース港へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアへ向かった]

タルトゥース港で貨物を降ろした後、4月21日にはダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフはシリアから戻ってくる]

5月1日にボスポラス海峡を南下してシリアへ行き、5月11日に同海峡を北上しました。

5月23日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過し、今年3度目となる「シリア・エクスプレス」へと向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ニコライ・フィリチェンコフと対水中工作艇P-433はシリアのタルトゥースへ向かった]

そして6月15日、今年4度目となる「シリア・エクスプレス」へと向かいました。

この他、ロシア海軍がチャーターした貨物船3隻も6月9日~10日にダーダネルス、ボスポラス海峡を通過してシリアへ向かいました。

乾燥貨物船「ピジマ」(1990年12月10日就航、シンガポールで建造)
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貨物船「スパルタ」(2000年11月21日就航、トルコで建造)
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輸送船「アレクサンドル・トカチェンコ」(1989年12月1日就航、イタリアで建造)
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現在、地中海東部には、以下のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年6月15日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「トゥルビニスト」(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「エクヴァトル」(黒海艦隊):2018年2月6日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇P-433(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型海洋給油船「レナ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋曳船MB-304(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-82(バルト艦隊):2018年4月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍の練習艦ペレコプは2018年8月上旬にウラジオストクを抜錨して北極海へ向かう

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『タス通信』より
2018年6月14日17時47分配信
【練習艦「ペレコプ」は8月に北極へ向かう】
モスクワ、6月14日/タス通信

ロシア海軍練習艦「ペレコプ」は、8月にウラジオストクから北海航路へと向かう。
ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は発表した。

「航海は、その距離、緯度、海域の独自性においてユニークなものとなっております。
練習艦ペレコプの乗組員及び生徒は、初めて北海航路へ行き、特別な実地経験を得ます。
艦は、北極緯度を航海する為の物資及び機器部分に関する必要な準備を周到に行っており、S.O.マカロフ記念太平洋艦隊海軍兵学校の生徒も航海前の準備に特に注目しています。
航海は、艦がウラジオストクから出る8月上旬に始まります」
彼は話した。

総司令官は課題を設定し、練習艦の次の段階であるウラジオストクからムルマンスク、そしてクロンシュタットへの航海の準備に特別な注意を払った。

軍艦「ペレコプ」セヴァストーポリからウラジオストクへの2ヶ月間の航海を完了した200名以上の海軍兵学校(ピョートル大帝兵学校)生徒は、ウラジオストクからサンクトペテルブルクへ戻る。

4月1日に始まった遠距離航海は、セヴァストーポリウラジオストク北海航路ムルマンスククロンシュタットのルートを通過する。



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プロジェクト877練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。



今年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)、更には北極海まで行く事になります。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北極海及び極東への遠洋実習航海を準備する]
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2018年3月1日、「ペレコプ」サンクトペテルブルク海軍兵学校の生徒を乗せてクロンシュタット港を抜錨し、遠洋実習航海へと出発しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは士官候補生の遠洋実習航海へ出発した]

3月5日には北海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは北海へ入った]

「ペレコプ」ヨーロッパ大陸沿いに南下し、3月9日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは英仏海峡を通過した]

その後、更にヨーロッパ大陸に沿って南下し、3月12日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプは地中海へ入った]
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「ペレコプ」地中海を東進して3月17日にはボスポラス海峡を北上し、黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。

ここでクロンシュタット港から乗っていた生徒は艦を降り、新たにサンクトペテルブルク海軍兵学校から200名以上の生徒が3月26日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍兵学校の生徒はセヴァストーポリからウラジオストクまでの遠洋実習航海へ参加する]

4月1日、「ペレコプ」セヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはセヴァストーポリを抜錨し、ウラジオストクへ向かった]

翌4月2日にはボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはボスポラス海峡とダーダネルス海峡を通過してエーゲ海へ入る]

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4月7日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

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4月11日には海賊出没海域であるアデン湾へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアデン湾へ入った]

4月12日にはアデン湾を抜けてアラビア海へ入りました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはアラビア海へ入った]

「ペレコプ」は、2018年4月18日から22日までスリランカコロンボ港を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを訪れる]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボへ入港した]
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはスリランカのコロンボを去り、インドネシアのジャカルタへ向かった]

4月29日から5月1日までインドネシアタンジュンプリオク港(ジャカルタ)を訪問しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはインドネシアのタンジュンプリオク港へ到着した]

その後、5月4日から9日までインドネシア近海で実施された多国籍海軍演習『KOMODO-2018』へ参加しました。
【多国籍海軍演習『KOMODO-2018』公式サイト】



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演習が終わった後、「ペレコプ」パプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ向かいました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーへ行く]

5月16日、「ペレコプ」ポートモレスビーへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはパプアニューギニアの首都ポートモレスビーを訪れた]


5月19日にポートモレスビーを出航した後の動向は公表されていませんが、おそらくは中部太平洋を北上してウラジオストクへ向かったようです。
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そして6月3日、「ペレコプ」ウラジオストクへ入港しました。
[遠洋実習航海中のロシア海軍の練習艦ペレコプはウラジオストクへ入港した]

無論、「ペレコプ」にとっては、就役後初のウラジオストク寄港となります。

今後、「ペレコプ」は、8月上旬にウラジオストクを出航してカムチャツカ方面へ向かい、ベーリング海峡を通過して北極海へ入ります。

ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は錬成訓練を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2018年6月15日4時25分配信
【太平洋艦隊の最新コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は第1錬成任務へ移行する】

K-1任務は単艦訓練プログラムの重要なパートであり、その戦闘及び基地条件下での戦闘及び航海の日常の組織的な準備への取り組みが予定されている。

教習に関する重要な伝達行動の為、艦隊の統制士官グループと共に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将が到着して艦を視察し、沿海地方多種戦力小艦隊司令官、水上艦連合部隊司令官、コルベット艦長の報告を聞いた。

受け取った課題の初日の結果を、乗組員は確かめ、記録し、自身の職責と責務を良く理解し、乗員は演習中、艦の戦闘と航海、投錨及び係留の準備に関し、巧みに行動した。

近日中にコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員は、K-1の枠組みにおいて、艦の停泊条件下での組織的な対空防衛及びダメージコントロール、組織的な対水中工作防衛、更には化学、生物、放射線の感染条件下での要員の行動へ取り組む。
閲兵の隊列を完成させる課題を受け取る。

[参照]
コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」
は、プロジェクト20380コルベットシリーズの4隻目であり、2017年に太平洋艦隊へ加わった。
艦は、近海ゾーンでの行動、敵の水上艦及び潜水艦との戦闘実施、更には、海洋揚陸作戦中の海洋揚陸部隊の砲撃支援の為に意図されている。



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[プロジェクト20380/20385コルベット]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]

しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]

その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省アムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]

その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊プロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]

2015年5月22日に進水式典が開催されました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

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進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方ボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]
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ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。
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2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。
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2017年1月初頭から係留試験が行われました。

2017年1月30日、「ソヴェルシェーンヌイ」は、航行試験を行なう為、初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を開始した]

3月16日に初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は100mm砲の射撃試験を行なった]

その後も日本海航行試験は続けられました。
6月19日までに、対艦ミサイル「ウラン」の発射試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は対艦ミサイルの発射試験を行なった]

6月20日には100mm単装砲対艦ミサイル標的を撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海での洋上試験中に対艦ミサイルを撃墜した]

6月28日には艦のソナーの試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海でソナーの試験を行なった]

6月30日までに100mm単装砲及び30mmガトリング砲の射撃試験、太平洋艦隊航空隊航空機を対象にしたレーダーなどの動作点検などが行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海で洋上試験を続けている]

7月3日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は日本海で艦載ヘリコプターの着艦試験を行なった]

「ソヴェルシェーンヌイ」国家受領試験の海上段階を全て完了し、ボリショイ・カーメニに在る『アムール造船工場』の出張所)で艦の点検と塗装作業が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を完了した]

7月18日にはウラジオストクへ入港し、就役式典会場となる金角湾第33埠頭へ接岸しました。
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2017年7月20日、「ソヴェルシェーンヌイ」ロシア海軍へ納入され、海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


就役したばかりの「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加しました。
[最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はウラジオストクで2017年7月30日の『ロシア海軍の日』の観艦式へ参加する]

2017年8月1日から12日までウラジオストクで開催された国際海軍競技会『海洋杯-2017』へ参加し、中国海軍コルベット「黄石」と「対決」しました。
[国際海軍競技会『海洋杯-2017』でロシア海軍の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と『対決』する中国海軍のコルベット(軽型護衛艦)はウラジオストクへ来る]

その後も「ソヴェルシェーンヌイ」ウラジオストクに留まっており、乗組員の訓練を行なっているようです。
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今回の記事で触れられているK-1(第1錬成任務)とは、基地内に停泊した状態での乗組員の各種訓練です。
このK-1を終了した後、海上へ出て各種訓練を行なうK-2(第2錬成任務)を行ないます。

「ソヴェルシェーンヌイ」は就役してからほぼ1年が経過していますが、おそらくは、今後就役する同型艦「グロームキー」の乗員予定者(2017年10月末までに乗員団の編成を完了)として本艦の乗組員が多数引き抜かれ、その代わりに新人が入ってきた為、改めて錬成訓練を行なう事になったのでしょう。
[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"は2018年末にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

ロシア海軍のブヤン-M小型ロケット艦グラード・スヴィヤージスクとヴェリキー・ウスチュグはカスピ海から黒海へ移動した

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の1番艦「グラード・スヴィヤージスク」は、ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2010年8月27日に起工され、2013年3月9日に進水し、2014年7月27日に就役、カスピ小艦隊へ編入されました。
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「ブヤン-M」3番艦「ヴェリキー・ウスチュグ」は2011年8月27日に起工され、2014年5月21日に進水し、2014年12月19日に就役、カスピ小艦隊へ編入されました。
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2015年10月7日、カスピ小艦隊警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ海南方からシリアテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にもカスピ海南方からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後は、カスピ海で各種の演習を行なったり、カスピ海沿岸諸国(イランカザフスタン)を訪問しました。

「グラード・スヴィヤージスク」は、2017年10月12日にカスピ海有翼ミサイル「カリブル」の対艦型と対地型を発射しています。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年10月12日17時33分配信
【「グラード・スヴィヤージスク」は演習で「カリブル」を発射した】

2018年2月には、2隻揃って演習を行なっています。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年2月13日9時42分配信
【ロシア連邦海軍のロケット艦はカスピ海での演習中に「敵」艦と飛行装置を破壊した】


2018年6月4日、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」「ヴェリキー・ウスチュグ」は、カスピ小艦隊基地マハチカラを出航し、内陸水路経由で黒海への移動を開始しました。
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小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」(2018年6月4日)
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小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」(2018年6月4日)
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6月13日、クリミア半島黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」(2018年6月14日)
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小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」(2018年6月14日)
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セヴァストーポリには、6月1日に就役した同型艦(「ブヤン-M」6番艦)「ヴイシニー・ヴォロチョーク」が停泊しており、乗組員の慣熟訓練を行なっています。
[プロジェクト21631小型ロケット艦の6番艦ヴイシニー・ヴォロチョークはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」(2018年6月14日)
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「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は、今後地中海東部へ行く事になりますが、「グラード・スヴィヤージスク」「ヴェリキー・ウスチュグ」も同様でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは地中海東部へ行く]


[プロジェクト21631ブヤン-M小型ロケット艦]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、現在までに11隻が起工され、この内の6隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で建造されています。
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[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備/2018年6月に黒海艦隊へ転属

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月18日納入/2014年12月19日就役
カスピ小艦隊へ配備/2018年6月に黒海艦隊へ転属

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備/2016年10月にバルト艦隊へ転属

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2018年5月25日納入/2018年6月1日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2020年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号640「グラード」Град
2017年4月24日起工/2020年就役予定

建造番号641「ナロ・フォミンスク」Наро-Фоминск
2018年2月23日起工/2021年就役予定


プロジェクト21631は12番艦までの建造が計画されています。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]

今後、プロジェクト21631は電子機器や対空兵装を更新する近代化が計画されています。
[ロシア海軍のプロジェクト21631ブヤン-M小型ロケット艦は電子機器と対空兵器を更新する近代化が計画されている]

ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦キルディンはシリア沖へ行く

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年6月14日13時11分配信
【黒海艦隊の中型偵察艦「キルディン」はシリア沖で当直に就く】
モスクワ、6月14日、インタファクス-AVN

ロシア海軍総司令部は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊偵察艦の計画ローテーションを実行した。
木曜日、『インタファクス-AVN』は消息筋より伝えられた。

「中型偵察艦エクヴァトルは、黒海海峡ゾーンを黒海へと通過しました。
地中海戦隊では、黒海艦隊の中型偵察艦キルディンが、それ(エクヴァトル)と交代しました」
彼は説明した。

対談者は、「エクヴァトル」の戦闘勤務は2月6日に始まり、126日間に渡って続けられた事を想い起こした。

以前、『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されているプロジェクト18280偵察艦「イワン・フルス」の工場航行試験は、5月にバルト海で再開されたと報じられた。
同艦は、2017年4月に黒海海峡ゾーンを出た後、他の船と衝突して沈没した中型偵察艦「リマン」の補填として黒海艦隊への加入が計画されている。

黒海艦隊への「イワン・フルス」の到着は、地中海の海軍部隊への偵察艦の常時の存在の保障を可能にすると考えられている。



ロシア海軍は、交代で1隻の偵察艦地中海に常駐させています。
主に派遣されているのは、黒海艦隊所属の艦です。

黒海艦隊プロジェクト861M中型偵察艦「エクヴァトル」は、元々は水路調査船として建造され、1968年10月31日に就役しましたが、1976年には偵察艦へ改造されました。
2013年には電子機器の近代化を実施しました。
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「エクヴァトル」は2018年2月6日に地中海へ入り、以後、6月半ばまで同海域で行動していました。

その「エクヴァトル」と交代する為、黒海艦隊中型偵察艦「キルディン」地中海へ行くことになりました。

「キルディン」「エクヴァトル」の同型艦であり、こちらも元々は水路調査船として建造され、1970年5月23日に就役したのですが、同年中に偵察艦へ改造されました。

今年(2018年)に就役予定のプロジェクト18280中型偵察艦「イワン・フルス」は、2017年4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは工場航行試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]


現在、地中海東部には、以下のロシア海軍艦船が滞在しています。
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

フリゲート「アドミラル・エッセン」(黒海艦隊):2018年3月13日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
警備艦「スメトリーヴイ」(黒海艦隊):2018年4月21日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」(黒海艦隊):2017年9月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊):2018年5月22日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋掃海艦「トゥルビニスト」(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型偵察艦「キルディン」(黒海艦隊):2018年6月14日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
対水中工作艇P-433(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
中型海洋給油船「レナ」(バルト艦隊):2018年5月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊):2018年5月23日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
海洋曳船MB-304(黒海艦隊):2018年5月12日にボスポラス海峡を南下、地中海入り
工作船PM-138(黒海艦隊):2018年3月8日にボスポラス海峡を南下、地中海入り

ロシア海軍北方艦隊の対潜艦はバレンツ海で対潜演習を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月13日17時9分配信
【北方艦隊の対潜艦はバレンツ海で仮想敵潜水艦の捜索及び撃破の問題へ取り組んだ】

北方艦隊対潜艦の乗組員は、本日(6月13日)の大規模集合航海開始の枠組みにおいて、バレンツ海の戦闘訓練射爆場で仮想敵潜水艦の捜索の問題へ取り組んだ。

大型対潜艦「セヴェロモルスク」小型対潜艦「スネシュノゴルスク」、そして小型対潜艦「ブレスト」「ナリヤン・マル」は、2つの捜索打撃艦グループを形成した。
その課題は、戦術動作及び捜索方法への取り組み、更には、敵潜水艦の仮想撃破であった。
双方のグループは対潜任務の様々な段階の演習を、北方艦隊航空・防空連合部隊の航空機、更には、仮想敵潜水艦を演じるコラ多種戦力小艦隊潜水艦と協同で実施した。

本日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」小型対潜艦「スネシュノゴルスク」の乗組員は、対潜ヘリコプターKa-27PLと協同で潜水艦捜索の為の合同機動へ取り組んだ。

集合航海の開始及び艦の出航期間中、艦長と乗組員は、北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ大将に見送られた。
彼は、軍事船員が与えられた任務を成功裏に遂行する事を望み、更には、海上航行及び戦闘訓練の実地遂行の安全規則の義務に従うように指示した。



ロシア北方艦隊の大演習は2018年6月13日から始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった]

演習第1日目は、第14対潜艦旅団(セヴェロモルスク基地)に所属する大型対潜艦1隻と、第7水域防護艦旅団第270親衛小型対潜艦大隊(オレニヤ湾)に所属する小型対潜艦3隻の対潜戦闘訓練から始まりました。
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大型対潜艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)
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小型対潜艦「スネシュノゴルスク」(1994年11月17日就役)
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小型対潜艦「ブレスト」(1988年11月9日就役)
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小型対潜艦「ナリヤン・マル」(1990年12月29日就役)

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「敵潜水艦」の役は、ポリャールヌイ基地に駐留する第161潜水艦旅団に所属するプロジェクト877潜水艦が務めました。
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ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンのマニラを去り、フィリピン海軍と合同演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月14日6時32分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はマニラへの非公式訪問を完了し、フリピン海軍の艦と訓練を実施した】

本日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、6月9日に到着したマニラ(フィリピン)への非公式訪問プログラムを完了した。

訪問期間中、艦船支隊指揮官オレグ・コロリョーフ1等海佐は、フィリピン海軍司令官及びフィリピン沿岸警備隊司令官との会合を行なった。

フィリピン共和国、パラオ共和国、ミクロネシア連邦ロシア連邦特命全権大使イーゴリ・ホヴァエフ戦闘艦支隊指揮官と艦長は、フィリピンの国民的英雄ホセ・リサールの記念碑へ献花した。

マニラロシア戦闘艦を、フィリピンロシア連邦大使館員、共和国海軍及び沿岸警備隊の将兵が訪れた。

フォート・ボニファシオ海軍歩兵軍団司令部では、ロシア及びフィリピン船員間のサッカー及びバレーボールの親善試合が開催され、戦闘艦支隊の船員の為に、市内の歴史的名所、リサール公園及び国立博物館の見学旅行が用意された。

マニラから出た後、ロシア戦闘艦は、フィリピン海軍の艦と戦術機動及び通信の合同訓練を実施した。



大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)と「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)、そして中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年10月1日就役)から成る太平洋艦隊艦船支隊は、2018年5月7日にウラジオストクを出航し、アジア-太平洋地域への遠距離航海へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

太平洋艦隊艦船支隊は、ロシア連邦の祝日である5月9日の『勝利の日』(対独戦勝記念日)日本海で迎えました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツは日本海で対独戦勝記念日を祝った]

同日(5月9日)に対馬海峡を通過し、東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツは対馬海峡を通過して東シナ海へ入った]

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その後、太平洋艦隊艦船支隊フィリピン海へ入り、艦載ヘリコプターKa-27PLを使用した演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツはフィリピン海で演習を行なった]

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太平洋艦隊艦船支隊は5月22日にカンボジアシアヌークビル(コンポン・ソム)を訪れました。
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5月26日にシアヌークビル(コンポン・ソム)を出航し、カンボジア海軍と合同演習を行なった後、同国を去りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はコンポン・ソム港(シアヌークビル)を抜錨し、カンボジア海軍と合同演習を行なった]

翌5月27日、隣国タイサッタヒープ港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイのサッタヒープを訪れた]

5月28日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」サッタヒープで一般公開されました。
[タイを訪問中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは一般公開された]

5月31日に太平洋艦隊艦船支隊サッタヒープ港を去りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイのサッタヒープ港を去った]

6月3日、隣国ベトナムカムラン港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港を訪れた]

6月6日にカムラン港を出航し、ベトナム海軍と合同演習を行なった後、同国を去りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港を去り、ベトナム海軍と合同演習を行なった]

ベトナムを去った艦船支隊は東へ向かい、6月9日にフィリピンマニラ港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンのマニラを訪れた]

艦船支隊は6月14日にマニラを出航し、フィリピン海軍と合同演習を行なった後、同国から去りました。

ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は引き続き日本海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月14日4時21分配信
【太平洋艦隊の戦術艦グループは日本海で仮想敵の航空機及び艦船への対処行動へ取り組んだ】

日本海及びオホーツク海エリアでは、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦の集合航海が続けられている。

本日、大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」、「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスヴェート」で構成される揚陸艦グループは、敵の空中攻撃手段から艦船支隊の組織的集団防衛の課題への取り組みへ着手した。
演習の枠組みで大型揚陸艦は、太平洋艦隊海上航空隊対潜航空機Tu-142と協同で、敵との空中戦闘戦術を改善し、模擬空中目標への砲射撃を実施した。

小型ロケット艦「イネイ」、「ラズリーフ」ロケット艇R-11で構成される戦術艦グループは、午前に戦闘訓練実施の許可を得て、その後、海上目標~曳航盾船への砲射撃を実施した。

2隻のロケット艇で構成されるもう1つの戦術打撃グループは、ほぼ同じ時間に艦のダメージコントロール及び海上での救助訓練を行ない、その後、艇の乗組員は、演習中、電波電子戦闘手段を使用し、仮想敵艦グループへミサイル打撃を与える為の整然とした行動へ取り組んだ。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



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ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

6月8日には小型対潜艦4隻、小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻による演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった]

6月9日には、大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻が沿海地方クレルカ岬で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻は沿海地方で上陸演習を行なった]

その後、日曜日(6月10日)とロシア連邦の祝日である6月12日の「ロシアの日」(1990年6月12日に当時のソヴィエト連邦内の「ロシア共和国」が国家主権宣言を採択した事を記念して制定された祝日)の為に演習は一時中断し、6月13日から再開されました。
【「ロシアの日」とは何か?】

6月13日の演習には、6月9日の上陸演習へ参加した大型揚陸艦3隻、6月8日の演習へ参加した小型ロケット艦2隻が再び参加し、大型揚陸艦は沿岸目標へ、小型ロケット艦は空中目標への砲撃訓練を行ないました。
この他、小型対潜艦2隻~MPK-82MPK-107が海上目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は日本海で砲撃訓練を行なった]

6月14日にも、前日とほぼ同じ艦~大型揚陸艦3隻、小型ロケット艦2隻が演習へ参加し、大型揚陸艦は対空目標へ、小型ロケット艦は海上目標への砲撃訓練を行ないました。

この他、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第165水上艦旅団第2親衛ロケット艇大隊に所属するロケット艇R-11(1991年9月1日就役)も小型ロケット艦2隻と共に海上への砲撃訓練を行ないました。

更に2隻のロケット艇のグループも演習を行なっていますが、名前は公表されていません。
この2隻は、今回の演習開始前にオホーツク海へ入ったロケット艇R-297、R-298かもしれません。
[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-297とR-298はオホーツク海で演習を行なう]

ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇は6月15日に日本海で超音速対艦ミサイルを発射する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
【太平洋艦隊の艇は日本海でミサイル射撃を実施する】
モスクワ、6月13日、インタファクス-AVN

太平洋艦隊の2隻のロケット艇は、金曜日に日本海有翼ミサイル射撃を実施する。
ロシア連邦国防省は発表した。

国防省サイトは、6月15日に同艦隊のロケット艇「日本海で海上目標への有翼ミサイルの戦闘射撃を実施する」と伝えた。

「乗組員は、艇の主要打撃兵器~超音速対艦有翼ミサイル・モスキートを使用してミサイル射撃を実施します」
国防省
は伝えた。

射撃は、太平洋艦隊部隊の集合航海中にロケット艇R-11R-18により実施される。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。

超音速有翼ミサイル3M80ミサイル複合体「モスキート」は、およそマッハ3.7の飛翔速度を有しており、射程距離は120km、弾道重量は約300kgである。



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ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

6月8日には小型対潜艦4隻、小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻による演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった]

6月9日には、大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻が沿海地方クレルカ岬で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻は沿海地方で上陸演習を行なった]

その後、日曜日(6月10日)とロシア連邦の祝日である6月12日の「ロシアの日」(1990年6月12日に当時のソヴィエト連邦内の「ロシア共和国」が国家主権宣言を採択した事を記念して制定された祝日)の為に演習は一時中断し、6月13日から再開されました。
【「ロシアの日」とは何か?】


6月13日の演習には、6月9日の上陸演習へ参加した大型揚陸艦3隻、6月8日の演習へ参加した小型ロケット艦2隻が再び参加し、大型揚陸艦は沿岸目標へ、小型ロケット艦は空中目標への砲撃訓練を行ないました。
この他、小型対潜艦2隻~MPK-82MPK-107が海上目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は日本海で砲撃訓練を行なった]


今後も演習は続き、6月15日にはロケット艇R-11(1991年9月1日就役)とR-18(1992年8月24日就役)が日本海超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射します。
[超音速対艦ミサイル「モスキート」]

ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月13日13時11分配信
【北方艦隊の様々な部隊は、この10年で最も大規模な集合航海任務の遂行へ着手した】

36隻の戦闘艦、潜水艦、支援船、20機の飛行装置、150基以上の兵器、沿岸ロケット砲及び陸上部隊、海軍歩兵、対空防衛部隊の軍用車両及び特殊車両は、本日にバレンツ海で始まったこの10年間で最も大規模な北方艦隊の集合航海へ関与する。

これには、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、原子力潜水艦及びディーゼルエレクトリック潜水艦、大型揚陸艦「コンドポガ」、「ゲオルギー・ポべドノーセッツ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」と他の艦が参加する。

戦術行動中、砲、ミサイル、水雷兵器を使用する19回の実地射撃が実施される。
7回の戦闘訓練では、海軍総司令官の表彰が推薦される。
新たな風貌の海上兵器の試験が計画されている。

集合航海は、様々なエピソードで構成され、その中で北方艦隊将兵は北方艦隊の担当ゾーンにおける軍部隊の全ての分野の防衛行動へ取り組む:仮想敵の空中攻撃手段の大規模な攻撃の撃退、対潜防衛の保障、仮想敵の艦船グループ及び海上揚陸支隊への攻撃。

演習は、来週末まで続けられる。
バレンツ海射爆場は、戦闘訓練期間中には民間船舶航行及び航空機の飛行が禁止される。



北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2018年3月末以降、度々バレンツ海で演習を行なっており、最近では、6月10日に長距離対艦ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で長距離対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]

駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」は、2018年5月下旬から何度かバレンツ海へ出航しています。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフは地上目標へ130mm連装砲を発射した]

北方艦隊大型揚陸艦は、最近では、6月5日に上陸演習を行なっています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月5日13時11分配信
【北方艦隊の揚陸艦は海上揚陸部隊の上陸戦闘演習を実施した】

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、最近では6月8日にバレンツ海艦載ヘリコプターの発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月8日16時40分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」はバレンツ海でヘリコプターとの連携へ取り組んだ】


そして2018年6月13日、これらの艦を含めた計36隻の各種艦船(潜水艦を含む)が参加する大演習がバレンツ海で始まりました。


今回の演習では「新たな風貌の海上兵器の試験が計画されている」との事ですから、現在、北方艦隊基地セヴェロモルスクに居る最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」も演習へ参加するかもしれません。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンは2018年6月末にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年6月12日17時17分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は2018年6月末までにロシア海軍へ加わる】

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、今年の6月末までにロシア海軍へ加わる。

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、公開株式会社『ネヴァ川計画設計局』により開発されたプロジェクト11711のトップ艦であり、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。

プロジェクト11711は、1960年代から70年代に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で14隻から成るシリーズが建造されたプロジェクト1171の最新の発展型である。
プロジェクト11711大型揚陸艦のトップは「イワン・グレン」と命名された。

大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家受領試験は2017年11月に始まった。
その第1段階の分析後、必要に応じてシリーズのトップ艦の試験は2018年4月初頭まで継続された。
現時点で、艦の国家試験の海上部分は完了している。
艦の出航及び基地間移動中、航行性能の良好さと全ての居住保障システムの正常な動作が示された。
試験の結果、その戦術-技術的特性は、技術設計上の仕様に完全に沿っている事が確認された。

大型揚陸艦「イワン・グレン」プロジェクト11711のトップ艦であり、公開株式会社『ネヴァ川計画設計局』により開発された。
それは、ロシア連邦国防省の発注の下、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。
工場は、同プロジェクトの最初の生産艦の建造を続けており、大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月に起工され、2018年5月25日に進水した。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
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2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。

[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家受領試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]


2018年4月3日、「イワン・グレン」国家受領試験を再開する為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは洋上試験再開の為にバルト海へ出航した]

5月4日までに試験は完了し、カリーニングラード造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]

その後は造船所で検査が行なわれ、6月2日に完了しました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ引き渡す前の検査を完了した]

「イワン・グレン」ロシア海軍への納入と聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典(正式な就役式典)の開催は、2018年6月末になるようです。


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2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2018年5月25日に進水していますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

その後は、より大型の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造へ移行します。
[新世代汎用揚陸艦セヴァストーポリ型]

ロシア海軍太平洋艦隊の艦船は日本海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
【太平洋艦隊の艦船は日本海で海上、空中、沿岸目標への複合砲射撃を実施した】

本日、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海の枠組みにおいて、複合砲射撃を行なう艦船グループの一連の戦術演習が日本海で実施された。

大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」、「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスヴェート」で構成される揚陸支隊は、戦闘訓練射爆場において、起伏のある場所で隠蔽された非視認の沿岸目標を制圧する砲射撃を実施し、仮想敵の防御火点及び戦闘車両を模した標的を破壊した。
指示された任務を果たす為、艦は更に、艦載一斉射撃火力反応システムを使用した。

隣接する戦闘訓練射爆場では、小型対潜艦MPK-107、MPK-82で構成される捜索打撃艦グループが、標準装備艦載砲による海上曳航盾への射撃を実施した。

小型ロケット艦「イネイ」、「ラズリーフ」で構成される他の戦術艦グループは、対空防衛演習中、模擬空中目標を撃破する為、艦載汎用砲を使用した。
更に小型ロケット艦の乗組員は、損傷して航行不能となった艦へ援助を与える訓練を実施した。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



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ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

6月8日には小型対潜艦4隻、小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻による演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった]

6月9日には、大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻が沿海地方クレルカ岬で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻は沿海地方で上陸演習を行なった]

その後、日曜日(6月10日)とロシア連邦の祝日である6月12日の「ロシアの日」(1990年6月12日に当時のソヴィエト連邦内の「ロシア共和国」が国家主権宣言を採択した事を記念して制定された祝日)の為に演習は一時中断し、6月13日から再開されました。
【「ロシアの日」とは何か?】


6月13日の演習には、6月9日の上陸演習へ参加した大型揚陸艦3隻、6月8日の演習へ参加した小型ロケット艦2隻が再び参加し、大型揚陸艦は沿岸目標へ、小型ロケット艦は空中目標への砲撃訓練を行ないました。

この他、小型対潜艦2隻~MPK-82MPK-107が海上目標への砲撃訓練を行ないました。

この小型対潜艦2隻は、ペトロパブロフスク・カムチャツキーに駐留する第114水域防護艦旅団第117水域防護艦大隊(小型対潜艦2隻、海洋掃海艦2隻、基地掃海艇1隻)に所属しています。

MPK-82(1992年2月11日就役)
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MPK-107(1991年3月14日就役)
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6月2日、この小型対潜艦2隻は、小型ロケット艦2隻と共に、ペトロパブロフスク・カムチャツキーを出航し、ウラジオストクへ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月2日4時5分配信
【ロシア北東軍集団艦艇支隊はカムチャツカからウラジオストクへの基地間移動を行なう】

6月5日午後に宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2018年6月6日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

その後、ウラジオストクへ到着し、今回への演習へ参加しています。

ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)に常駐する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年6月12日8時46分配信
【クリル諸島のマトゥア島は輸送航空機及びローテーション要員の受け入れを準備している-太平洋艦隊本部】
モスクワ、6月12日、インタファクス-AVN

要員の計画ローテーション及び物資の運搬が、近い内にマトゥア島(クリル諸島)で行なわれる。
火曜日、太平洋艦隊本部は発表した。

「要員の計画ローテーション及び物資の運搬の為の準備が、クリル諸島のマトゥア島の飛行場で行なわれています」
『インタファクス-AVN』
が受け取ったプレスリリースでは、こう述べられている。

飛行場施設の運用と防護は太平洋艦隊の部隊により保障されている。

「当直の交代は空中空間からの恒常的な統制の下で行なわれ、軽軍用航空機及びヘリコプターの給油及び整備の受け入れが準備されています」
声明では、こう述べられた。

更に、計画任務を遂行する為、カムチャツカ艦隊補助船支隊サルベージ船KIL-168が来る。
「それは、島へ将兵、食料、燃料-潤滑油を送り届けます」
太平洋艦隊
本部は通知した。

2016年、ロシア軍は、マトゥア島に艦船駐留所の作成を計画していると発表した。
更に2016年秋、ロシアクリル諸島へ新たな沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」を配置した事が公式に伝えられた。
増強された複合体「バスチオン」の大隊がイトゥルプ島(択捉島)で、複合体「バル」の大隊がクナシル島(国後島)で戦闘当直に就いていると太平洋艦隊機関紙『戦闘当直』は報じた。

クリル列島には、機関銃-砲兵師団が配置されている。
2017年5月、東方軍管区広報サービスは、師団が、無人機を含む新たな風貌の兵器及び軍用車両を受け取ると発表した。
将兵の為、クリル諸島にはインフラストラクチュアが展開していると伝えられている。



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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]


2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。

以後、マトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]

2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾旧日本海軍零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]

2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]


2017年にはマトゥア島の第2次調査が実施される事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう]

2017年5月30日、第2次マトゥア島調査隊を乗せた太平洋艦隊艦船支隊ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊はウラジオストクから出航した]

6月7日、太平洋艦隊艦船支隊マトゥア島へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)調査部隊は現地に到着した]

更に、最新鋭の潜水艦救助船「イーゴリ・ベロウソフ」(2015年12月25日就役)が派遣され、マトゥア島沖の海底で発見された潜水艦(1944年6月1日に撃沈されたアメリカ海軍潜水艦「へリング」)の調査が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフはクリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)沖で沈没した潜水艦を調査する]

マトゥア島の第2次調査は9月初頭に完了し、9月7日には現地の設備や人員を収容する為の艦船部隊がマトゥア島へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2017年度のクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を完了した]


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現在、マトゥア島飛行場軽輸送機ヘリコプターの発着が可能であり、太平洋艦隊により運用されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の飛行場を運用する]

「軽輸送機」は、太平洋艦隊航空隊の保有機の場合、具体的にはAn-26を指しています。
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ロシア海軍北方艦隊の特殊用途原子力潜水艦ポドモスコヴィエ(モスクワ州)は原子力救助潜水艦となる

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『イズベスチヤ』より
2018年6月7日0時1分配信
【水中救急車の援助】

海軍は世界に同じものが無い原子力救助潜水艦を受け取る。

ロシア海軍は、他の水中装置の乗組員を大深度で救助できる潜水艦を軍備採用した。
このような操作は、水面下の氷を含め、最大限の隠密性で行なわれる。
現在、このような水中機器を所有している同じ国は無い。
専門家の意見では、新たなシステムは、海上での救助時間を著しく削減する。

『イズベスチヤ』国防省が話したように、海軍の為に潜水艦「ポドモスコヴィエ」(モスクワ州)が近代化された。
それは特別な上部構造物が設置されており、深海装置AS-40「べステル」が結合する。
現在、新たな救助システムの試験が行なわれている。

原子力潜水艦BS-64「ポドモスコヴィエ」は、当初はプロジェクト667BDRM(NATO呼称-デルタIV)として建造された。
今、それは、特殊用途深海装置を搭載するプロジェクト09787(デルタIVストレッチ)へと改造された。
2016年末、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』は、艦の近代化作業を完了した。

装置AS-40「べステル」の船体はチタン合金で出来ている。
最大水中排水量は50トン。作業潜航深度720メートル、最大で790メートル。
装置は速力0.5ノットで下降しながらの深海作業が可能である。
蓄電バッテリーは外部に有る。
その出力は、最大深度まで4~5分で潜航する。

「べステル」の乗組員は6名で構成されている。
3名はバチスカーフに直接乗り組み、それを制御する。
残りは、「ポドモスコヴィエ」装置の潜航を支援する。
バチスカーフの制御の正確性を高める為、テレビカメラと特殊コントロールパネルが存在し、高感度ジョイスティックを装備する。

「べステル」ドッキングシステムを装備している。
圧力低下動作の為の特殊室は大きな吸引力を持ち、遭難した潜水艦へドッキングする際の密閉性を確保する。
それは、大深度での「乾燥」と、遭難した潜水艦で困難に耐えている乗組員の充分な避難を可能にする。
これは最も安全性を考慮に入れた救助を可能にする。
バチスカーフは同時に22名を受け入れる事ができる。

現在、潜水艦「ポドモスコヴィエ」は、救助装置の輸送実験を行なっている。
それが成功と認められた場合、特殊建造物と、他の潜水艦は、それを装備できると退役潜水艦乗りのウラジーミル・アシクは考えている。

「このような共生潜水艦と救助装置は、1970年代に考案されました」
専門家は話した。
「各潜水艦は特殊構造を有し、救助装置は不可欠であることが必要条件でした。
このような解決法は、駐留場所から遠いところで行動する潜水艦が理由でした。
事故が起こった場合、救助機器を通常の艦で送り届けるのならば、3昼夜以上は掛かります。
極めて早急に救助装置が必要ならば、海軍基地の近くの飛行場から航空機で送り届けます。
より遠ければ、基地から自動車輸送で運ばれます。
そして、それが潜水艦に据え付けられて事故海域へ到着し、操作が可能になります」


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ソヴィエト連邦は、深海からの潜水艦乗組員の避難の為、救助潜水艦プロジェクト940「レノク」を作成した。
このような装置は全部で2隻建造された:1隻は北方艦隊へ、2隻目は太平洋艦隊へ。
潜水複合体は、300メートルまでの深度で作業できた。
これらは、遭難した潜水艦の引き揚げと曳航が同時に可能であった。
救助要員は、トロール船と衝突後に沈没した潜水艦S-178乗組員の為に一度だけ出動した。
それは1981年10月に発生した。



プロジェクト667BDRM(デルタIV級)戦略用途ロケット水中巡洋艦K-64は1982年12月18日に起工され、1984年3月3日に進水し、1986年12月23日にソ連海軍へ納入されました。

翌1987年2月24日に赤旗北方艦隊第3潜水艦小艦隊・第13潜水艦師団へ編入され、正式に就役しました。

1988年10月に弾道ミサイルの発射訓練を行なった後、同年11月から戦闘勤務(戦略核パトロール)に就きました。

その後、1995年まで戦闘勤務に就いていましたが、1999年からは第2カテゴリー予備役となり、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」へ回航され、特務原潜(小型原潜母艦)プロジェクト09787への改造工事が始まりました。
これに伴い、K-64BS-64と改称されました。

2002年以降、弾道ミサイル区画が撤去されました。
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2008年に「ポドモスコヴィエ」(モスクワ州)と命名されました。

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その後の動向は明らかにされませんでしたが、改造工事は進められ、2015年8月11日に造船台を出渠し、翌12日に進水しました。
[ロシア海軍の小型原潜母艦BS-64ポドモスコヴィエは造船台を出た]
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2016年10月22日、工場航行試験の為にセヴェロドヴィンスクを出航しました。
[ロシア海軍の小型原潜母艦BS-64ポドモスコヴィエは航行試験を開始した]


11月12日に一旦セヴェロドヴィンスクへ戻りました。

その後も航行試験は続けられ、12月23日までに最終試験である国家受領試験が終了しました。
[ロシア海軍北方艦隊の特務原潜ポドモスコヴィエ(モスクワ州)は国家試験を終えた]

2016年12月26日、「ポドモスコヴィエ」ロシア海軍へ引き渡され、ほぼ20年ぶりに現役へ復帰しました。
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[改造を終えた特務原潜ポドモスコヴィエ(モスクワ州)はロシア海軍へ引き渡された]

その後の動向は一切明らかにされていませんが、深海救助潜水艇の搭載試験を行なっているようです。

「ポドモスコヴィエ」は、深海救助潜水艇を搭載する原子力救助潜水艦として運用される事になるようです。


記事中でも触れられていますが、かつてのソヴィエト海軍には、2隻のプロジェクト940「レノク」特殊用途大型潜水艦(インディア級)が在籍しており、2隻のバチスカーフを搭載する救助潜水艦として運用されていました。
(1976年8月11日に就役したBS-486太平洋艦隊、1979年9月1日に就役したBS-257北方艦隊へ配備)

特殊用途大型潜水艦BS-486
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特殊用途大型潜水艦BS-257
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しかし、ソ連邦解体後の財政難で維持できず、2隻とも1990年代に除籍されました。
(BS-486は1995年2月13日、BS-257は1996年7月31日に除籍)
[インディア級救難潜水艦BS-257]

除籍後、ポリャールヌイ第10艦船修理工場に係留されるBS-257(2002年5月)
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それから20年以上を経て、ロシア海軍救助潜水艦が復活する事になるようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2018年秋に超音速対艦ミサイル"オーニクス"の試験を行なう

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年6月7日17時6分配信
【コルベット「グレミャーシチー」は年末までに対艦ミサイル「オーニクス」の試験を行なう】

2018年の夏と秋、プロジェクト20385コルベットのトップ「グレミャーシチー」において、対艦ミサイル「オーニクス」の試験が行なわれる。
作業実施の合意文書は、『科学生産合同・機械製造』と『北方造船所』により6月4日に署名された。


これは、国家発注サイトの文書で述べられている。
造船企業へ割り当てられた発注には、こう書かれている。
「係留試験、工場航行試験、国家試験の段階では規格に沿った試験が実施される:試験の結果による操作文書の供給及び修正の仕上げ、複合体3M55の検査及び解決に基づくO1文書の授与」

公開データによると、インデックス3M55は、対艦ミサイル「オーニクス」に対応している。
契約の履行当事者が公表した複合体の完全な正式名称は、3M55-20385である。
プロジェクト20385コルベットのトップ「グレミャーシチー」は、昨年6月に進水した。
2018年1月、艦は係留試験へ着手し、5ヶ月間で完了する。
現在、「グレミャーシチー」は、乗組員の居住の準備を進めている。
「コルベットはシステム及び機構を始動させ、船室及び調理室の建設は完了しています」
『Mil.Press FlotProm』
は造船企業より伝えられた。

『科学生産合同・機械製造』『北方造船所』の間の「合意文書の添付No.1」では、複合体「オーニクス」の点検は、係留試験段階の8月15日まで続けられると記されている。
コルベットの航行試験では、8月16日から9月30日の期間に対艦複合体が点検される。
その上で国家試験及び発注者への受け入れは10月に実施されなければならない。

「グレミャーシチー」ミサイル「オーニクス」は、垂直発射装置3S14へ配置される。
これは汎用であり、その発射孔は、同時にミサイル「カリブル」(3K14)の使用が可能である。
艦の発注主への引き渡しまでに、「グレミャーシチー」からの「カリブル」発射試験が計画されているのかどうかは知られていない。
『北方造船所』広報サービスは、この質問について、それは海軍に責任がある事だとして回答を拒否した。

プロジェクト20385は、ミサイル複合体「ウラン」を装備する20380コルベットの発展ラインである。
「グレミャーシチー」に加え、『北方造船所』では、この系列の「プロヴォールヌイ」が建造されている。
続くシリーズは「ジェルズキー」型コルベット(20386)となり、排水量が増加し、モジュール兵装を有する。



[プロジェクト20380/20385コルベット]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]
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プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]

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プロジェクト20385プロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

20380対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃ミサイル複合体「カリブル」を装備します。
[ロシア海軍は2018年1月~3月に46基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

当初、プロジェクト20385には、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]

この為、設計を変更してロシア『コロムナ工場』ディーゼルエンジン「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

2016年4月末、『コロムナ工場』ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった]


2016年5月19日までにディーゼルエンジンの設置作業は完了しました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]


2017年6月30日、「グレミャーシチー」の進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは進水した]



2018年1月から造船所の岸壁で係留試験が始まり、乗組員の艦内への居住の為の準備が進められています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"乗組員は艦内への居住を準備する]


今後、「グレミャーシチー」は洋上試験を実施する事になりますが、2018年8月~9月には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の試験も予定されているようです。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

「グレミャーシチー」ロシア海軍への引き渡しは2018年末に予定されています。
[プロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2018年にロシア海軍へ引き渡される]

就役後、「グレミャーシチー」太平洋艦隊へ配備されます。


プロジェクト20385の2番艦「プロヴォールヌイ」は2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2019年に予定されており、こちらも太平洋艦隊へ配備されます。

太平洋艦隊は、最終的に合計8隻のプロジェクト20380/20385コルベットの受領を計画しており、この内の半分(4隻)はプロジェクト20385になるようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊は8隻のプロジェクト20380/20385コルベットを受領する]

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で長距離対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月10日11時24分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で仮想敵を撃破した】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、戦闘訓練射爆場で実地ミサイル射撃を行なう為、バレンツ海へ出航した。

巡洋艦は、大型水上目標を模した標的へ有翼ミサイル「ヴルカーン」を命中させた。

射撃実施海域は、船舶航行及び航空機の飛行の為に閉鎖された。

短期間の出航中にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、更に、様々な高度及び方向からの仮想敵の空中攻撃手段の撃退へ取り組み、通信及びダメージコントロール演習を実施する。

海上での任務遂行を完了した後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、北方艦隊主要基地-セヴェロモルスクへ戻る。

[参照]
「マルシャル・ウスチーノフ」
プロジェクト1164ロケット巡洋艦である。
艦は1978年10月5日にニコラエフ造船工場で起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に北方艦隊へ加わった。

その全長は186メートル、幅20.8メートル、最大速力32ノット、乗組員約500名。
主要兵装は、16基の超音速対艦有翼ミサイルの発射装置であり、艦は更に、高射ミサイル複合体、砲、対潜兵器を装備する。

ロシア海軍には、このようなロケット巡洋艦が3隻在籍している:黒海艦隊「モスクワ」太平洋艦隊「ワリャーグ」、そして北方艦隊「マルシャル・ウスチーノフ」



北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦の2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月にセヴェロドヴィンスク市艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されて近代化改装が始まり、2016年12月末に工事と洋上試験を終えて艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]


復帰後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

6月16日、「マルシャル・ウスチーノフ」バレンツ海で演習を行ない、高射ミサイル複合体「オサー-MA」を対空目標へ発射し、更に沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘及び沿岸砲撃訓練を行なった]

「マルシャル・ウスチーノフ」クロンシュタットで開催される『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、7月初頭にセヴェロモルスクを抜錨してバルト海へ向かい、フィンランド湾東部海域で他の参加艦と共に観艦式の為の合同訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]
[2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式の合同訓練がフィンランド湾東部で実施された]

7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


クロンシュタットの観艦式へ参加した北方艦隊艦船部隊は7月31日に出航し、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


12月1日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月1日16時14分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、乗組員の海軍技量向上の為にバレンツ海へ出航した】

12月4日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33が敵役を務める対空・対艦戦闘訓練を行ない、高射ミサイル複合体「フォルト」、「オサー-MA」を空中標的へ発射し、130mm連装砲を空中標的と海上標的へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月4日23時55分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海でミサイル及び砲射撃を実施した】

12月26日には、北方艦隊対潜哨戒機Il-38が敵役を務め、バレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日15時59分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で航空隊との連携へ取り組んだ】


2018年3月29日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

北方艦隊の他の水上艦も出航し、4月2日までバレンツ海で各種演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を終えた]

4月5日、「マルシャル・ウスチーノフ」は再びバレンツ海へ出航し、対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

翌4月6日には掃海艇2隻の支援の下に機雷源を通過する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で機雷源通過訓練を行なった]

4月10日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K「敵機」に見立てて対空防衛訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]


その後、セヴェロモルスク基地へ戻っていましたが、5月16日、演習の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を行なう]

翌5月17日、バレンツ海で海上標的へ長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対艦ミサイルを発射した]

そして6月10日、バレンツ海へ出航し、再び対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。


対艦ミサイル「ヴルカーン」は、「バザーリト」の改良型であり、最大射程が700kmに延長されています。
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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン ]

「マルシャル・ウスチーノフ」は、就役時には「バザーリト」を装備していましたが、1994年から1997年12月17日までサンクトペテルブルク『北方造船所』でオーバーホールを行なった際、「ヴルカーン」へ換装されています。

サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれたロシア海軍創設300周年記念観艦式に参加する「マルシャル・ウスチーノフ」(1996年7月末)
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ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンのマニラを訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月9日8時17分配信
【太平洋艦隊艦船支隊はフィリピンへ到着した】

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、非公式訪問の為にマニラ(フィリピン)へ到着した。

本日(6月9日)、訪問計画に沿って艦船支隊指揮官オレグ・コロリョーフ1等海佐は、フィリピン海軍司令部の代表との会合を行ない、その後、同国の一般情報伝達手段の為の記者会見へ参加した。

同日午後、フィリピン共和国、パラオ共和国、ミクロネシア連邦ロシア連邦特命全権大使イーゴリ・ホヴァエフ戦闘艦支隊指揮官と艦長は、フィリピンの国民的英雄ホセ・リサールの記念碑へ献花した。
その後、マニラ港大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」ロシア連邦大使の歓迎式典が開催される。

本日には、フィリピン沿岸警備隊及び海軍の将兵がロシアの戦闘艦を訪れる。

ロシア艦船のフィリピン訪問は6月14日まで続く。



大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)と「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)、そして中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年10月1日就役)から成る太平洋艦隊艦船支隊は、2018年5月7日にウラジオストクを出航し、アジア-太平洋地域への遠距離航海へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した]

太平洋艦隊艦船支隊は、ロシア連邦の祝日である5月9日の『勝利の日』(対独戦勝記念日)日本海で迎えました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツは日本海で対独戦勝記念日を祝った]

同日(5月9日)に対馬海峡を通過し、東シナ海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツは対馬海峡を通過して東シナ海へ入った]

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その後、太平洋艦隊艦船支隊フィリピン海へ入り、艦載ヘリコプターKa-27PLを使用した演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフとアドミラル・トリブツはフィリピン海で演習を行なった]

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太平洋艦隊艦船支隊は5月22日にカンボジアシアヌークビル(コンポン・ソム)を訪れました。
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5月26日にシアヌークビル(コンポン・ソム)を出航し、カンボジア海軍と合同演習を行なった後、同国を去りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はコンポン・ソム港(シアヌークビル)を抜錨し、カンボジア海軍と合同演習を行なった]

翌5月27日、隣国タイサッタヒープ港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイのサッタヒープを訪れた]

5月28日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」サッタヒープで一般公開されました。
[タイを訪問中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは一般公開された]

5月31日に太平洋艦隊艦船支隊サッタヒープ港を去りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はタイのサッタヒープ港を去った]

6月3日、隣国ベトナムカムラン港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港を訪れた]

6月6日にカムラン港を出航し、ベトナム海軍と合同演習を行なった後、同国を後にしました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はベトナムのカムラン港を去り、ベトナム海軍と合同演習を行なった]

ベトナムを去った艦船支隊は東へ向かい、6月9日にフィリピンマニラ港へ入港しました。
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻は沿海地方で上陸演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月9日7時55分配信
【航空隊の支援を受けた太平洋艦隊の揚陸艦と揚陸艇は、演習中に沿海地方で海上揚陸部隊を上陸させた】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海の枠組みにおいて、クレルカ岬の海上揚陸射爆場では、揚陸支隊が無防備の海岸へ海上揚陸部隊を上陸させる戦術演習が実施された。

大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ニコライ・ヴィルコフ」、「ペレスヴェート」は、揚陸艇「イワン・カルツォフ」、D-57、D-70と共に、ウラジオストク地域で艦内に海軍歩兵隊員、戦闘車両を受け入れ、揚陸支隊を構成して海上揚陸射爆場への移動を行なった。

仮想敵の沿岸の防御トーチカを制圧した後、揚陸艦は海岸及び「支点」場所へ送り込まれ、「敵」部隊から束縛されない無防備の海岸へ揚陸部隊を上陸させた。
揚陸部隊の上陸は、東方軍管区航空・防空軍襲撃機Su-25及び戦闘機Su-35、更には太平洋艦隊海上航空隊ヘリコプターMi-8の支援を受けた。

演習中、大型揚陸艦及び揚陸艇の乗組員は、艦の沿岸への航海の安全を保障する水路調査チーム、艦隊の補助船海軍歩兵及び航空隊との連携へ取り組んだ。

この演習エピソードには、10隻の戦闘艦艇、5隻の支援船、10機以下の航空機及びヘリコプター、更に150名の海軍歩兵部隊将兵と約30両の車両が参加した。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

6月8日には小型対潜艦4隻、小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻による演習が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった]

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6月9日には、太平洋艦隊第100揚陸艦旅団に所属する大型揚陸艦3隻と揚陸艇3隻が沿海地方クレルカ岬で上陸演習を行ないました。

大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)
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大型揚陸艦「ペレスヴェート」(1991年4月10日就役)
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大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」(1974年7月30日就役)
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揚陸艇「イワン・カルツォフ」(2015年6月11日就役)
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揚陸艇D-57(2007年11月30日就役)
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揚陸艇D-70(1981年7月30日就役)

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3隻の大型揚陸艦は、6月6日にも同じ場所で上陸訓練を行なっていますが、これは、今回の演習のリハーサルだったようです。
[カムチャツカに駐留するロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはクリミア半島の発着艦訓練施設ニートカで訓練飛行を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年6月8日20時14分配信
【北方艦隊の第100艦上戦闘機航空連隊のMiG-29K飛行士はクリミアの練習用トレーナーで訓練を行なう】

本日(6月8日)、北方艦隊航空・防空連合部隊第100艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29Kの乗員は、クリミア共和国ノヴォフェドロフカ集落地上試験訓練航空複合体で実地訓練を行なう為、南方の飛行場への基地移動を開始した。
現在、そこでは、北方艦隊戦闘機飛行士が航空機Su-33の操縦技量を磨いている。

やって来る航空連隊のパイロットの為、集中訓練スケジュールの予定が立てられている。
訓練は、数ヶ月間に渡って続けられる。

航空母艦の甲板からの離艦及び着艦の錬成訓練は、経験豊富な飛行士が数名の若いパイロットと共に実施する。

第100艦上戦闘機航空連隊は3年前に再編され、ロシア海軍艦上戦闘機航空隊の次の一歩となる第4+世代の新たな航空機MiG-29Kを装備している。
連隊の飛行士は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」率いる北方艦隊航空艦グループ地中海への遠距離航海へ参加した。



[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
[艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(旧ブログ)]
[RSKミグMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機(RSKミグ公式サイト)]

ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機は、当初、Su-27KUB(1999年初飛行)とMiG-29K/KUB(2007年初飛行)の2機種から選ぶ事になっていました。
[ロシア海軍は、2016年以降に新しい艦上戦闘機を採用する]

艦上戦闘機Su-27KUB(Su-33UB)
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その後、2009年2月にはMiG-29K/KUBに絞られる事になりました。
[ロシア海軍、MiG-29KUBを導入]

艦上戦闘機MiG-29K/KUB24機の購入契約が締結されたのは、それから3年後の2012年2月29日でした。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

ロシア海軍向けのMiG-29KUB量産1号機は2013年10月下旬に初飛行しました。
[ロシア海軍の為の艦上戦闘機MiG-29KUB量産1号機は飛行試験を開始した]

2013年11月下旬、当初の計画通りに2機のMiG-29K(単座型)と2機のMiG-29KUB(複座型)ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]

2014年12月2日までに8機のMiG-29Kと2機のMiG-29KUBが、当初の計画通りにロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍へ10機の艦上戦闘機MiG-29K/KUBが引き渡された]

2015年12月末までに10機のMiG-29Kが引き渡され、契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

MiG-29Kは、現用の艦上戦闘機Su-33と共に重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」で運用されます。
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]

2016年3月20日、第100独立艦上戦闘機航空連隊としての本格的な飛行訓練が始まりました。
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板を模した艦上戦闘機発着艦訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行ないました。
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2016年8月8日に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

母艦となる「アドミラル・クズネツォフ」には、MiG-29K/MiG-29KUBを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この遠征において「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも4機のMiG-29K(機体番号41、46、47、49)と3機のMiG-29KUB(機体番号50、52、53)が搭載されていました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

2016年11月13日には1機のMiG-29K「アドミラル・クズネツォフ」への着艦時に墜落しました。
機体は海中に没しましたが、パイロットは無事に救助されました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月15日からシリア領内のテロ組織への空爆を開始し、MiG-29K/MiG-29KUBも参加しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]

「アドミラル・クズネツォフ」の帰投後、空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けました。
[シリア軍事作戦へ参加したロシア海軍北方艦隊の空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けた]

『ロシア大統領府』公式サイトより
2017年2月23日16時30分配信
【北方艦隊将兵との会合】
この動画で6:00辺りから登場する士官(キリール・エフゲニエヴィチ・レヴャキン大尉)は、MiG-29Kパイロット(第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行中隊長)です。
レヴャキン大尉は2016年8月に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦し、この前のシリア遠征では17回のフライト(発着艦)を行ないました。


現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBの大半は、艦上戦闘機Su-33と共にセヴェロモルスク-3飛行場へ駐留しています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは空中戦闘訓練を行なった]
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2018年4月10日には、Su-33と共にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空防衛訓練で「敵機役」を務めています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]



そして2018年6月8日、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、発着艦訓練を行なう為、クリミア半島サキ飛行場艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ向かいました。
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既に第279艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機Su-33サキ飛行場へ到着しており、MiG-29K/KUBと共に、今後数ヶ月間、同地で訓練を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで訓練飛行を行なう]


MiG-29K/KUBSu-33「母艦」アドミラル・クズネツォフは2018年4月末に近代化改装の契約が締結され、艦隊へ復帰するのは2021年になるので、それまでは艦上機訓練施設「ニートカ」で訓練を行なう事になります。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

ロシア海軍北方艦隊はT-80BVM戦車の慣熟訓練を始めた

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『タス通信』より
2018年6月8日19時22分配信
【北方艦隊は新たな戦車T-80BVMへの習熟に着手した】
ムルマンスク、6月8日/タス通信

ムルマンスク州ペチェンガ町に駐屯している北方艦隊軍団自動車化射撃旅団戦車部隊の要員は、戦車T-80BVMへの習熟に着手した。
金曜日に同艦隊広報サービスは発表した。

「軍備として持ち込まれた戦車T-80BVMは、北方艦隊軍団の自動車化射撃旅団の戦車部隊の戦闘能力を著しく強化します」
広報サービスは伝えた。

戦車兵は、起伏に富んだ場所で障害を突破する操縦技量を完成させる。
習熟では、いわゆる側面射撃に注意が払われる。
この時、乗員は標的フィールドに沿って前進し、戦車は様々な目標を撃破しなければならない。
このような訓練の実行は、照準手~目標までの距離を確定させるのに必要な操作者、そして機関士~戦闘車両を一定の速度で運転する操縦者といった全ての乗員の整然とした行動の為には重要なものである。

T-80BVMは、戦車T-80BVを近代化したものである。
車両は、多重チャンネル照準器を装備している。
戦車には口径125mmの砲、ガスタービンエンジン、兵装の安定装置、機関-運転士の観測機器が設置されている。



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ペチェンガ赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第200独立自動車化射撃旅団は、元々はロシア陸軍に所属していたのですが、2012年12月1日付でロシア北方艦隊へ移管されました。

第200独立自動車化射撃旅団は、以下の部隊で構成されています。

ヤロスラヴリ赤旗・スヴォーロフ勲章及びボフダン・フメリニツキー勲章授与・第583独立親衛自動車化射撃大隊
第658独立自動車化射撃大隊
第664独立自動車化射撃大隊
フォクシャン-グダニスク赤旗・スヴォーロフ勲章授与・第60独立親衛戦車大隊
コブリンスク赤旗・ボフダン・フメリニツキー勲章授与・第416独立自走砲大隊
第471独立自走曲射砲大隊
第382独立反応砲大隊
第274独立親衛工兵大隊
第871独立対戦車砲大隊
第226独立高射ミサイル砲大隊
第293独立電波電子戦闘中隊
第185連絡郵便通信所


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T-80BVMは、T-80BV(1985年軍備採用)を近代化改修したT-80シリーズの最新型です。

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T-80BVMの試験は今年の初期に完了しました。
『タス通信』より
2018年1月31日9時20分配信
【T-80BVM戦車の試験は2018年初期の完了が計画されている】

T-80BVMは、T-72B3(T-72の最新の近代化改修型)と同等の能力を有します。
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T-80BVMは、2018年5月末から北方艦隊ペチェンガ赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第200独立自動車化射撃旅団への配備が始まりました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2018年5月30日13時15分配信
【T-80BVM戦車は北方艦隊の戦車大隊のT-72を代替する】

ロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦2隻とロケット艇2隻は日本海で演習を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月8日5時48分配信
【太平洋艦隊の小型ロケット艦及びロケット艇は演習中に海上遭遇戦闘の実施へ取り組んだ】

本日、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海の枠組みにおいて、小型ロケット艦及びロケット艇戦術打撃グループは、日本海の戦闘訓練射爆場の1つで海上遭遇戦闘の実施へ取り組んだ。

ロシア北東軍集団連合部隊小型ロケット艦「イネイ」「ラズリーフ」と、沿海地方ロケット艇R-14、R-29は、砲撃対戦実施の訓練、更には、仮想敵艦グループへミサイル打撃を与え、電波電子戦闘手段の複合使用の演習を行なった。

同時に本日、海上を移動する打撃グループは、空中からの攻撃を撃退した。
この演習エピソードの為の戦術環境は、東方軍管区航空・防空軍戦闘機Su-35により作られた。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

プロジェクト1234小型ロケット艦「イネイ」「ラズリーフ」は、ペトロパブロフスク・カムチャツキーに駐留している第114水域防護艦旅団第66小型ロケット艦大隊に所属しています。

小型ロケット艦「イネイ」(1988年2月19日就役)
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小型ロケット艦「ラズリーフ」(1992年2月11日就役)

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2隻の小型ロケット艦は、6月2日にペトロパブロフスク・カムチャツキーを出航し、ウラジオストクへ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月2日4時5分配信
【ロシア北東軍集団艦艇支隊はカムチャツカからウラジオストクへの基地間移動を行なう】

6月5日午後に宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2018年6月6日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


プロジェクト12411Mロケット艇R-14、R-29は、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留している第165水上艦旅団第2親衛ロケット艇大隊に所属しています。

ロケット艇R-14(1991年12月28日就役)
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ロケット艇R-29(2003年9月24日就役)

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6月8日、2隻の小型ロケット艦と2隻のロケット艇日本海で海上戦闘戦闘訓練を行ない、更には、ロシア航空宇宙軍戦闘機Su-35(おそらくは沿海地方ツェントラーリナヤ・ウグロヴァーヤ基地に駐留している第22戦闘機航空連隊所属)を「敵役」に見立てた対空戦闘訓練を行ないました。
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ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻は日本海で対潜演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月8日5時19分配信
【太平洋艦隊の対潜艦は演習で仮想敵潜水艦への攻撃を行なった】

本日、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海の枠組みにおいて、日本海捜索-打撃艦グループによる仮想敵潜水艦の捜索及び破壊の演習が行なわれた。

小型対潜艦「ウスチ・イリムスク」、「コレーツ」、MPK-221、「メチェーリ」は、艦隊海上航空隊の3機の遠距離対潜航空機Tu-142の支援下で、太平洋艦隊ディーゼル潜水艦が役割を演じる仮想敵潜水艦の捜索を指定海域で行なった。

潜水艦の探知後、その座標が確認され、2個捜索-打撃艦グループの艦は、複数の発射元から魚雷及び対潜深海爆弾の射撃を実施した。

次に、水上艦の攻撃を受けた潜水艦は、攻撃から回避する機動を行なった。

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海は、日本海及びオホーツク海エリアで6月7日から実施されている。
その様々な段階へ、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊及び東方軍管区航空・防空軍航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



ロシア太平洋艦隊の大規模演習は、2018年6月7日から始まりました。
[日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する]

今回の「主役」であるプロジェクト1124M小型対潜艦「ウスチ・イリムスク」、「コレーツ」、MPK-221、「メチェーリ」は、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留している第165水上艦旅団第11水域防護艦大隊に所属しています。

小型対潜艦「ウスチ・イリムスク」(1991年12月30日就役)
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小型対潜艦「コレーツ」(1990年2月28日就役)
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小型対潜艦MPK-221(1988年2月19日就役)
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小型対潜艦「メチェーリ」(1991年3月14日就役)

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4隻の小型対潜艦の演習の「敵役」を務めたのは、こちらもウリス湾に駐留している第19潜水艦旅団所属のプロジェクト877潜水艦です。
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更には、ソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ飛行場に駐留する3機の遠距離対潜哨戒機Tu-142も、4隻の小型対潜艦「助っ人」として演習へ参加しました。
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日本海及びオホーツク海で実施されるロシア太平洋艦隊の演習には約50隻の艦船が参加する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2018年6月7日3時39分配信
【約50隻の艦船が太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海へ参加する】

日本海及びオホーツク海エリアで、ロシア北東軍集団の戦術艦グループ、更には艦隊の海上航空隊も参加する太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の集合航海の枠組みにおける計画戦闘訓練活動が始まった。

集合航海期間に一連の試験戦術演習が実施され、その中で艦艇グループの実地連携への取り組みが計画されている。

部隊は海上で対潜演習を実行し、組織的対空防衛、揚陸支隊の保護と防衛、対機雷活動を、より充実したものにする。

艦は海上、空中、沿岸目標への砲射撃を実施し、対舟艇兵器を使用し、海上標的への有翼ミサイル発射を行なう。

本日、太平洋艦隊水域防護連合部隊機雷掃海グループは掃海を行ない、艦隊の主要基地及び駐留地点から出航する部隊の先導、更には海上への展開を保障した。

演習の様々な段階には、50隻以下の艦隊の水上艦、艇、潜水艦、補助船、更には太平洋艦隊海上航空隊の15機以下の航空機及びヘリコプターの関与が計画されている。



今回の太平洋艦隊広報部発表では、演習に参加する艦の名前は明らかにされていませんが、「ロシア北東軍集団の戦術艦グループ」は、カムチャツカ半島に駐留する小型対潜艦MPK-82、MPK-107、小型ロケット艦「イネイ」、「ラズリーフ」の計4隻から成る部隊を指しています。
小型対潜艦第114水域防護艦旅団第117水域防護艦大隊(小型対潜艦2隻、海洋掃海艦2隻、基地掃海艇1隻)、小型ロケット艦は同旅団の第66小型ロケット艦大隊(小型ロケット艦4隻)に所属しています。

小型対潜艦MPK-82(1992年2月11日就役)
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小型対潜艦MPK-107(1991年3月14日就役)
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小型ロケット艦「イネイ」(1988年2月19日就役)
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小型ロケット艦「ラズリーフ」(1992年2月11日就役)
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この4隻は、6月2日にペトロパブロフスク・カムチャツキーを出航し、ウラジオストクへ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2018年6月2日4時5分配信
【ロシア北東軍集団艦艇支隊はカムチャツカからウラジオストクへの基地間移動を行なう】

6月5日午後に宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2018年6月6日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

そして6月7日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加しているようです。


今回の演習では、まず初めに、演習参加部隊が艦隊主要基地(ウラジオストク)を出航する際、「水域防護連合部隊の機雷掃海グループ」が周辺海域の掃海を行ないました。

この「機雷掃海グループ」は、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留してい第165水上艦旅団第11水域防護艦大隊(小型対潜艦4隻、基地掃海艇3隻)所属の基地掃海艇でしょう。
同大隊には、3隻の基地掃海艇(BT-100、BT-114、BT-232)が所属しています。

ウラジオストク以外では、ソヴィエツカヤ・ガヴァニ第38独立水域防護艦大隊(小型対潜艦2隻、基地掃海艇3隻)が駐留しており、こちらにも3隻の基地掃海艇(BT-256、BT-215、BT-245)が所属しています。


この他、6月3日に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入ったロケット艇2隻(R-297、R-298)も、今回の演習へ参加するようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-297とR-298はオホーツク海で演習を行なう]

「集合航海」演習日本海及びオホーツク海で実施されるとの事ですから、演習実施部隊の一部は日本海からオホーツク海へ移動する事になるようです。

2018年6月末までに2機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍航空隊へ引き渡される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2018年6月6日1時25分配信
【6月にロシア海軍海上航空隊へ2機の多目的航空機Su-30SMが加わる】

今年6月、ロシア連邦国防省及び海軍総司令部襲撃航空機連合部隊の再装備活動の枠組みにおいて、海軍航空隊へ2機の多目的多機能航空機Su-30SMが引き渡される。
引き渡し式典は、『イルクーツク航空工場』の飛行場で開催される。

航空機は、バルト艦隊海上航空隊への加入が計画されている。
国家防衛発注の主要履行者である公共株式会社『イルクト・コーポレーション』は、高機動多目的戦闘機Su-30SMの生産を行なっている。
航空機『試作設計局スホーイ』により開発され、公共株式会社『イルクト・コーポレーション』の支所『イルクーツク航空工場』で生産されている。

多機能航空機Su-30SMは超機動性を有し、フェーズドアレイアンテナ方式の電波位置測定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前方水平尾翼(カナード翼)を装備する。
航空機は、現代的かつ最先端の「空対空」及び「空対地(空対艦)」クラスの高精度兵器を使用できる。
更に、航空機は、将来の多機能超機動単座戦闘機の飛行士の訓練の為に使用できる。

Su-30SM戦闘機Su-30MKIファミリーの系列の延長である。
戦闘機は、電波位置特定システム、無線通信、国籍識別、射出座席と一連の支援システムを海軍航空隊の必要条件に適合させている。



「科学生産法人『イルクト』」公式サイトより。
【多目的戦闘機Su-30SM】
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多用途複座戦闘機Su-30SMは、インド空軍向けのSu-30MKIロシア軍向けに改正した機体であり、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊への導入が進められています。
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ロシア海軍航空隊の為のSu-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

現在までに、ロシア海軍航空隊では、黒海艦隊へ12機、バルト艦隊へ6機、北方艦隊へ2機が配備されています。

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2016年12月12日までに合計12機のSu-30SM黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]


2016年12月初頭にはバルト艦隊航空隊へSu-30SMの最初の1機が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2016年12月28日には北方艦隊へ2機のSu-30SMが配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2017年には、計5機のSu-30SMバルト艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は3機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]


そして2018年6月末までに2機のSu-30SMロシア海軍航空隊へ引き渡され、バルト艦隊へ配備されます。
これでバルト艦隊Su-30SMは合計8機になります。

今年(2018年)は、バルト艦隊へ重点的にSu-30SMが配備されるようです。


今後もSu-30SMの導入は継続し、最終的には50機程度の調達が計画されています。
[多用途複座戦闘機Su-30SMはロシア海軍基地航空隊の主力となる]