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ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは基地に停泊したまま巡航ミサイル"カリブル"を発射した

『イズベスチヤ』より
2019年3月28日0時1分配信
【埠頭から出航せずに:係留されている潜水艦は「カリブル」発射を実施した】

原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は海軍基地から有翼ミサイルで目標へ一撃を加えた。
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北方艦隊の船員は、公海へ出航せずに係留岸壁から直接の有翼ミサイル「カリブル」発射を成功裏に実施した。
射撃は原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」により実施されたと海軍総司令部は『イズベスチヤ』へ話した。

演習では、不意の遭遇でも、潜水艦は、その前に置かれた戦闘任務を効率的に遂行できる事が示された。
更に、このような訓練は、艦内に有翼ミサイルを有する潜水艦の乗組員全ての義務的戦闘訓練プログラムへ組み入れられる。

以前には、埠頭へ係留されている潜水艦からの発射は不可能であり、このような規定では一連のユニットおよびシステムは動作しなかった。
しかし、射撃の完了が示された今、技術的問題は解決した。

2014年、海軍へ、プロジェクト885「ヤーセン」のトップ艦である多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」が加入した。
今日において、それは、シリーズを唯一代表するものである。
しかし、今後2年で海軍には、更に6隻の多目的艦が増強されなければならない。
「ヤーセン」の構造の特色は、533mm魚雷発射管が中央区画へ配置されている事に有り、それは、広範囲の戦闘任務を果たす為の潜水艦ミサイル及び魚雷兵装の組み合わせの問題を無くすことを可能にする、
この潜水艦は、表面へ浮上せずに潜在敵の水上艦及び潜水艦へ打撃を与え、常設地上目標の撃破、隠密裏の機雷網の設置が可能である。

原子力ロケット艦の主な打撃力は、非常に効果的に地上目標を攻撃する有翼ミサイル「カリブル」、更には、敵の強力な砲火及び電波電子対抗策という条件下で水上海軍グループ及び単艦との戦闘の為に意図されている超音速対艦ミサイル「オーニクス」である。
将来的に潜水艦は、その速度のお陰により、現行のあらゆる対空防衛システムへ打撃を与える事が可能な極超音速ミサイル「ツィルコン」を受け取らなければならない。

このプロジェクトの潜水艦は現代的な戦術-技術的特性を有している。
「ヤーセン」の全長-120メートル、幅-13.5メートル、高さ-9.4メートル、水上速力-16ノット、水中速力-31ノット。
最大潜航深度-600メートル。
潜水艦の乗組員には、90名の水兵及び士官が含まれる。

ソヴィエト連邦は、1960~1970年代の境目に建造された第2世代原子力水中巡洋艦による埠頭からの大陸間弾道ミサイル射撃を「学んだ」
今、同様な状況において、今度は有翼ミサイルの使用がスタートしたと『サンクトペテルブルク潜水艦船員クラブ』指導者のイーゴリ・クルディン1等海佐は考える。
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「埠頭から直接に有翼ミサイルを発射する能力は、潜水艦の戦闘効率を著しく向上させます」
イーゴリ・クルディン
『イズベスチヤ』へ話した。
「艦隊は何時も展開しているわけでは無く、その為、艦が埠頭から離れて進む際、前もって打撃を加えるエリアに照準を定めている必要があります。
潜水艦乗員は、埠頭から出航せずとも、その主要兵器を使用する必要性の為、その能力を持たなければなりません」


このような潜水艦の能力は、地球の熱帯地点では特別に必要となる。
特に、潜水艦シリアタルトゥース市物資-技術サービス基盤に居る場合、あらゆる時間帯に地上部隊への火力支援の可能性を有していなければならないと専門家は指摘した。
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現在、国防省は、海軍潜水艦の構成に特別な注意を払っている。
2019年、北方艦隊には3隻の潜水艦が引き渡される予定である~「クニャージ・ウラジーミル」(プロジェクト955A「ボレイ」)、「カザン」(プロジェクト885「ヤーセン」)、更には1隻のディーゼルエレクトリック潜水艦
近代化されるプロジェクト「ヤーセン」及び「ボレイ」潜水艦は、近い将来の北方艦隊の基礎とならなければならない。




[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

ソ連邦解体から2年後の1993年12月21日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水したプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は、2013年12月30日、受領-引渡証書への署名(ロシア連邦海軍への納入)が行なわれました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクはロシア海軍へ納入された]

2014年6月17日、ロシア海軍旗初掲揚式典が開催され、北方艦隊潜水艦部隊・第11対空母原潜師団へ編入され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは最新の原子炉セキュリティシステムを有する]

その後も白海で各種試験が実施され、2014年9月、常駐基地となるザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かいました。
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[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは駐留基地ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かった]

11月10日、ザーパドナヤ・リツァ浮上救助室の動作試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは救助カプセルの動作試験を行なった]

2015年5月9日の大祖国戦争勝利70周年記念日には、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク沖の観艦式へ参加しました。


2015年6月6日、新型機器を搭載する「技術的作業」の為にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」へ回航されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクはセヴェロドヴィンスク市へ到着した]

その後の動向は明らかにされていませんでしたが、「技術的作業」を終えてザオゼルスクへ戻り、慣熟訓練を続けていたようです。
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[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは戦闘演習の為に出航する]

慣熟訓練を終えた「セヴェロドヴィンスク」は、2016年4月初頭に北方艦隊の演習へ参加し、最新鋭魚雷「フィジーク」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
[新型誘導魚雷フィジークはロシア海軍へ制式採用された]

2016年4月下旬、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍最新鋭原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2017年3月にはムルマンスク近郊のロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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2017年8月18日、再びバレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2018年12月4日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]


そして2019年3月、「セヴェロドヴィンスク」は、初めて基地の埠頭に停泊したまま有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
(ただし、ロシア海軍当局からの公式発表は有りませんが)

何処の基地から発射したのかは明らかにされていませんが、おそらくは常駐基地ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)でしょう。
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記事中でも触れられていますが、基地内からのミサイル発射は、ソヴィエト連邦時代には弾道ミサイル搭載原子力潜水艦で試験が行なわれた事は有ります。
この時には、旧式化した戦略原潜(例えばヤンキー級デルタ級の初期型)の活用法の1つとして考えられました。
(旧式の戦略原潜は外洋に出れば敵潜水艦の餌食になりやすいので)


原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、汎用有翼ミサイル「カリブル」超音速対艦ミサイル「オーニクス」を搭載しています。
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艦中央部のミサイル発射機(4連装8基)に最大で32基の「カリブル」「オーニクス」を搭載出来ます。
(この他、「カリブル」魚雷発射管からも発射できるので、更に搭載数を増やす事も可能)


「セヴェロドヴィンスク」は、現在までに有翼ミサイルを少なくとも計11回発射しています。

2012年11月7日:潜航状態で「カリブル」対艦攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で「カリブル」地上攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]

2013年6月:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年6月:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年11月6日:潜航状態で超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

2014年9月初頭:潜航状態で有翼ミサイル(オーニクス?)を発射。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはミサイルを発射した]

2016年4月末:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。


2017年8月18日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2018年12月4日:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

2019年3月頃(?):基地に停泊した状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはセヴァストーポリへ到着した



『タス通信』より
2019年3月29日21時44分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は初めてセヴァストーポリへ到着した】
セヴァストーポリ、3月29日/タス通信

プロジェクト636.3潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、黒海艦隊へ加入後、初めてセヴァストーポリへ到着した。
これまでに乗組員は地中海で任務を遂行していた。
金曜日、同艦隊広報サービスは報道機関へ伝えた。

「本日、セヴァストーポリで、移動を行なった後に地中海で任務を遂行した大型ディーゼルエレクトリック潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドの歓迎式典が開催されました。
以前、艦は黒海海峡ダーダネルス及びボスポラスを無事に通過しました。
これは、潜水艦が黒海艦隊へ加入した後の初めてのセヴァストーポリ英雄市への到着となります」

声明では、こう述べられた。

潜水艦の出迎えには、潜水艦連合部隊の司令部及び退役将兵、セヴァストーポリ市庁の代表、乗組員の家族が参加した。
式典は、黒海艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将の主催下で開催された。

「潜水艦の艦長セルゲイ・リャヴィシェンコ2等海佐は、与えられた任務は成功裏に遂行したと艦隊司令官へ報告しました。
遠海ゾーンに居た時、潜水艦乗員は地中海の海軍常設連合部隊の一員として任務を遂行し、シリア・アラブ共和国領内のテロリストの施設へ海洋配置有翼ミサイル複合体カリブル-PLによる戦闘射撃を実施しました」

広報サービスは付け加えた。

潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、黒海艦隊の為に『アドミラルティ造船所』で建造されたプロジェクト636.3潜水艦シリーズ6隻の6番目である。
それは、水上艦及び潜水艦との戦闘、機雷網の設置、偵察実施の為に意図されている。
「ヴェリキー・ノヴゴロド」が属する潜水艦シリーズの特徴は、更新された慣性航法複合体、最新世代の戦闘情報管理システム及び現代的なミサイル-魚雷兵装である。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]

プロジェクト06363通常動力潜水艦の5番艦B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2014年10月30日に起工され、2016年3月18日に進水し、2016年10月26日に就役しました。

[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦5番艦ヴェリキー・ノヴゴロドはロシア海軍へ就役した]

「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2016年11月24日に就役した同型艦「コルピノ」と共に就役後もバルト海で慣熟訓練を行ない、2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

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プロジェクト06363潜水艦は、既に4隻が黒海艦隊基地(セヴァストーポリ)へ回航されており、4隻目の「クラスノダール」は2017年8月9日に到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]

2017年8月中旬、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」黒海艦隊基地へ向けて出航し、8月16日には北海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海艦隊基地へ向かった]

8月28日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]

9月1日には地中海東部に展開する他のロシア海軍艦船と共に各種の演習を行ないました
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海で演習を行なう]

9月14日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、シリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ初めて計7基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

9月22日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」シリアイドリブ『アル=ヌスラ戦線』の施設へ計3基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

10月5日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、シリア政府軍の攻勢を支援する為、再びデリゾールのISIL施設へ計10基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

10月31日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、シリアデリゾールへ計3基の「カリブル」を発射しました。

『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】

11月3日、「コルピノ」は、シリアアブ・カマルへ計6基の「カリブル」を発射しました。
(同時にロシア航空宇宙軍爆撃機Tu-22M3が空爆)

『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】

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「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、合計29基の「カリブル」を発射していますが、無論、2隻合わせても、これだけの「カリブル」を一度に搭載する事は出来ないので、1回発射する度にシリアタルトゥースへ寄港してミサイルを補充していたようです。

結局、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、「コルピノ」と共に、その後も地中海東部に滞在し続ける事になり、2018年3月~4月には、予備の乗組員チームと交代しました。

2019年3月27日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」ダーダネルス海峡及びボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドは地中海を去り、黒海へ入った]

そして2019年3月29日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、就役後初めてセヴァストーポリへ到着しました。

ロシア海軍の高射砲複合体パラシは高射ミサイル"ソスナ-R"を追加装備する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月29日9時22分配信
【艦載砲複合体「パラシ」はミサイル「ソスナ-R」を装備する】
モスクワ、3月29日-ロシア通信社ノーボスチ

艦上配置高射砲複合体「パラシ」は、レーザー誘導システムを有する高精度ミサイル「ソスナ-R」を追加装備する。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、このシステムの開発企業である『ヌデリマーン記念トチマシュ設計局』管理取締役ワレーリー・マケーエフは述べた。

「我々が最近に開発した同様のタイプのシステムは、2017年にロシア海軍へ軍備採用された高射砲複合体パラシです。
今日において、我が海軍には、この複合体が10基以上存在します。
将来的に、これは、高射ミサイル"ソスナ-R"を装備します」

彼は話した。

マケーエフは、「パラシ」は既に、輸出用の発注者の為に、レーザー誘導システムを有するこのミサイルが追加装備されている事を指摘した。

複合体3M89「パラシ」は、高精度兵器(対艦ミサイル)からの艦及び恒常施設の防衛の為、空中目標(航空機、ヘリコプター)、更には小型の海上及び地上目標への射撃の為に意図されている。

今日において、この高射砲複合体は、プロジェクト22350フリゲート、「ゲパルト3.9」型コルベット、更にはロケット艇R-60の兵装となっている。



[ロシア海軍の新型高射機関砲「パラシ」]

ロシア海軍の為の新型高射砲複合体3M39「パラシ」は、1994年から開発がスタートし、2005年秋から黒海艦隊ロケット艇R-60で洋上試験が始まりました。
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「パラシ」は、ロシア海軍プロジェクト12411ロケット艇R-60、プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」「アドミラル・カサトノフ」、そしてベトナム海軍「ゲパルト3.9」型フリゲート(プロジェクト11661Kの輸出ヴァージョン)に搭載されています。

ロケット艇R-60
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ロケット艦「ダゲスタン」
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フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」
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「パラシ」は、当初は30mm高射機関砲近接高射ミサイルを組み合わせた複合体になる筈だったのですが、予算の都合などにより30mm機関砲だけになってしまいました。
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ただし、ベトナムへ輸出されたフリゲートが搭載する「パラシ」は、近接高射ミサイルも装備された「フルスペック版」となりました。
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そこで、ロシア海軍の艦に搭載されている「パラシ」も、同様に近接高射ミサイル「ソスナ-R」を追加装備する事になりました。
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ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスと哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海へ進入したNATOのフリゲートを監視する


『タス通信』より
2019年3月29日15時28分配信
【(ロシア)海軍の艦は黒海へ入った北大西洋条約機構のフリゲートを追跡する】
モスクワ、3月29日/タス通信

ロシア海軍の艦は、黒海水域へ入った北大西洋条約機構の3隻のフリゲートグループ~ネーデルラント海軍、カナダ海軍、スペイン海軍~を追跡している。
金曜日、ロシア連邦国防省国家防衛管理センターは報道機関へ伝えた。
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ロシア連邦軍によると「黒海艦隊の部隊及び手段は、黒海水域へ入った北大西洋条約機構の3隻の誘導ロケットフリゲートグループ~ネーデルラント海軍、カナダ海軍、スペイン海軍~の追跡へ向かいました。
北大西洋条約機構の戦闘艦の行動の監視は、ロシア海軍の軍艦イワン・フルス及びワシーリー・ブイコフが行なっています」

当局は話した。

以前、海上スポッターポータル『 Bosphorus Naval News』は、木曜日に黒海へ、ネーデルラントフリゲート「エヴェルトセン」、カナダフリゲート「トロント」、スペインフリゲート「サンタ・マリア」で構成される北大西洋条約機構の作戦艦グループが入ったと伝えた。

「イワン・フルス」は、黒海艦隊の最新のプロジェクト18280偵察艦である(同プロジェクトの2番艦)。
艦隊の通信及び指揮の保障、偵察及び電波電子戦闘の実施、アメリカ対ミサイル防衛システムのコンポーネントの追尾の為に意図されている。

「ワシーリー・ブイコフ」は、黒海艦隊の最新のプロジェクト22160哨戒艦である(同プロジェクトのトップ艦)。
領海、200海里排他的経済水域の保護、攻撃を予防する目的での艦隊の艦船及び基地の防護の為に意図されている。
ミサイル複合体「カリブル」を装備できる。



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アメリカ海軍を含む北大西洋条約機構加盟国海軍の軍艦は、定期的に黒海へ入っています。
ただし、モントルー条約の規定により、黒海沿岸諸国では無い国(無論、今回のネーデルラント、カナダ、スペインも含まれる)の海軍の艦船は、21日しか黒海に滞在できないと定められている為、この規定に抵触しないサイクルで黒海への進入を繰り返しています。


2019年1月6日、アメリカ海軍ドック型揚陸艦「フォート・マクヘンリー 」(1987年8月8日就役)が黒海へ入り、黒海艦隊警備艦「プイトリーヴイ」(1982年2月9日就役)が監視任務に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは黒海でアメリカ海軍のドック型揚陸艦フォート・マクヘンリーを監視する]

「フォート・マクヘンリー 」は1月11日にボスポラス海峡を南下して黒海から去りました。

1月19日夜、アメリカ海軍ミサイル駆逐艦DDG-75「ドナルド・クック」(1998年12月4日就役)がボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。
【合衆国軍艦ドナルド・クック(DDG 75)公式サイト】

「プイトリーヴイ」は、今度は「ドナルド・クック」の監視任務に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは黒海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]
「ドナルド・クック」は1月28日にボスポラス海峡を南下して黒海から去りました。

2月19日、「ドナルド・クック」は再び黒海へ入りました。

その「ドナルド・クック」の監視任務に就いたのは、昨年(2019年)に就役したばかりの黒海艦隊の最新鋭艦2隻~プロジェクト21631小型ロケット艦の7番艦「オレホヴォ・ズエヴォ」(2018年12月10日就役)とプロジェクト18280中型偵察艦の2番艦「イワン・フルス」(2018年6月25日就役)でした。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォと偵察艦イワン・フルスは黒海へ進入したアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]


3月28日には、ネーデルラント海軍フリゲート「エヴェルトセン」、カナダ海軍フリゲート「トロント」、スペイン海軍フリゲート「サンタ・マリア」黒海へ入りました。

そして黒海艦隊は、先月にアメリカ海軍駆逐艦を追跡した偵察艦「イワン・フルス」と、昨年12月20日に就役した最新鋭哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」を監視の為に派遣する事になりました。

哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は、3月27日からノヴォロシースク沖で戦闘訓練を行なっていましたが、そのままNATOフリゲートの監視の為に派遣される事になったようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク沖で射撃訓練を実施した]

偵察艦「イワン・フルス」は、3月20日にセヴァストーポリを出航しています。
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近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のプロジェクト11442M重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの航行試験は2020年に始まる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年3月29日10時52分配信
【プロジェクト11442M原子力ロケット巡洋艦は修理後、2020年に試験へ入る-『セヴマシュ』】
モスクワ、3月29日、インタファクス

2013年5月から『セヴマシュ』で修理及び近代化が行なわれているプロジェクト11442M重原子力ロケット巡洋艦の海上試験は2020年に始まる。
『インタファクス』は、同社のトップ、ミハイル・ブドニチェンコより伝えられた。

「プロジェクト11442M巡洋艦の修理は進んでおります。
その最優先事項の1つは、2020年の貯水池からの艦の出渠と海上試験です」
ミハイル・ブドニチェンコ
は話した。

彼によると、2018年には巡洋艦の船体作業が行なわれ、駆動軸の取り付け準備が進められた。
「主要素であるベアリングの修復及び設置は長期に渡り、回転軸が載せられました。
艦の船体は、取り付けられたシステム及び機構で満たされています。
設備の取り付け作業が始まり、艦首区画への絶縁体の敷設が行なわれています。
プロジェクトは3次元モデルで開発されており、通気システムの取り付けが始まります」
『セヴマシュ』(『統合造船業営団』
へ加入)のトップは話した。

「艦の主要部分の塗装は2019年夏に計画されています。
全ての作業は、承認されたスケジュールに沿って進んでおります」
ミハイル・ブドニチェンコ
は話した。

以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフが発言したように、北方艦隊プロジェクト11442M巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の修理及び近代化の完了は2022年を目標にしている。
「私共は、嫌になるくらいに我々の『パートナー』を驚かせた数々の兵器を、近代化中の巡洋艦へ展開させます」
彼は話した。

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化の結果、完全に新しい戦術-技術的特性を有する事になり、ロシア海軍水上戦力のポテンシャルを大幅に向上させる。
ミサイル複合体及び砲兵装の交換が見込まれている。

巡洋艦は特に、有翼ミサイル「カリブル」で武装する。
艦は、航空宇宙防衛コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』が開発、製造する新たな高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を装備し、その高射弾薬は2倍に増加する。



プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]
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2014年10月24日からは『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しています。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]

既にタービンエンジンの修理も始まっています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

2015年8月末までに「アドミラル・ナヒーモフ」の古い各種機器の撤去、解体作業は完了し、続いて艦の清掃や洗浄などが行なわれました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

「アドミラル・ナヒーモフ」の船体の清掃などと並行して行なわれていた船体構造の点検では特に問題点は見つからず、ショットピーニングなどの作業が終わった後、新たな各種機器の設置作業へ取り掛かります。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは船体構造の点検を終えた]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)は既に発注されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]

新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」も装備されます。
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは近代化される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフに搭載される]

2017年から大型機器の設置が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

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上記のように、「アドミラル・ナヒーモフ」『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠して改装作業を行なっていますが、貯水池から出て再進水するのは2020年になります。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2020年に屋外ドックを出る]

そして2020年中に洋上試験が始まります。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2020年に洋上試験を開始する]

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末2021年末と延期されており、現在では2022年に完了予定となっております。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2021年~2022年に完了する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]

近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」も近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる]

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年3月28日21時54分配信
【最新ロケットフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はジブチへの寄港後にアデン湾へ入った】
ロンドン、3月28日、インタファクス

海上船舶の移動をモニタリングする国際システムAIS(自動船舶識別装置)のデータによると、遠距離航海を行なっている最新ロケットフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」率いる北方艦隊艦船支隊は、ジブチ(アフリカ北東の国)への寄港後、木曜日にアデン湾へ向かった。

北方艦隊艦船支隊の構成には、ロケットフリゲートに加え、多機能物資-技術サービス供給船「エリブルス」、救助曳船「ニコライ・チケル」、中型海洋給油船「カーマ」が含まれている。

以前、ロシア北方艦隊広報サービスは、「アドミラル・ゴルシコフ」は遠距離航海が始まってから既に7000海里以上を航行していると発表した。
3月12日に支隊ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った。
3月21日、艦は紅海へ入った。

ロシア北方艦隊広報サービスは、これは、有翼ミサイル「カリブル」を装備する最新鋭ロシア艦の1隻である「アドミラル・ゴルシコフ」の初めての遠距離航海であると『インタファクス』へ伝えた。
北方艦隊によると、近い内に支隊は世界の大洋の様々な箇所で遠距離航海任務を遂行する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。

2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
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『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
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『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】



2019年2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、「エリブルス」及び「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]
2月初頭の演習は、この遠距離航海の為のリハーサルだったようです。

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]
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3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。


今後の「アドミラル・ゴルシコフ」の行動予定は公表されていませんが、中国へ向かうようです。
「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年4月23日に行なわれる中国人民解放軍海軍創設70周年記念観艦式へ参加するようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国へ行く]

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドは地中海を去り、黒海へ入った


『インタファクス』より
2019年3月27日15時43分配信
【ミサイル「カリブル」を有する潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は黒海へ入った】
モスクワ、3月27日、インタファクス-ロシア

有翼ミサイル「カリブル」を装備するロシア連邦海軍の最新ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、水曜日にボスポラス海峡を通過して黒海エリアへ入った。
イスタンブールのニュースポータルサイトは、海峡を通過する写真を公表して伝えた。

現地サイトは、ロシア黒海艦隊に所属する潜水艦は、初めてセヴァストーポリ基地へ向かう事を指摘した。
バルト海ロシア連邦海軍へ加入した後、同艦は2017年9月に地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の艦と共に任務を遂行した。

ロシア連邦国防省が発表したように、潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、地中海で当直へ就いている間に、イスラム国(ロシア連邦では非合法のテロリスト組織)の目標へ4回のミサイル打撃を与えた~2017年9月14日、9月22日、10月4日、11月3日。
この間に、少なくとも29基の有翼ミサイル「カリブル-PL」が発射された。

『アドミラルティ造船所』で建造され、ロシア海軍へ就役した後、両方の潜水艦は2017年にバルト海から地中海への移動を行なった。

伝えられているように、3月14日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と同型の黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」は、ボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入った。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]

プロジェクト06363通常動力潜水艦の5番艦B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2014年10月30日に起工され、2016年3月18日に進水し、2016年10月26日に就役しました。

[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦5番艦ヴェリキー・ノヴゴロドはロシア海軍へ就役した]

「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2016年11月24日に就役した同型艦「コルピノ」と共に就役後もバルト海で慣熟訓練を行ない、2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

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プロジェクト06363潜水艦は、既に4隻が黒海艦隊基地(セヴァストーポリ)へ回航されており、4隻目の「クラスノダール」は2017年8月9日に到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]

2017年8月中旬、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」黒海艦隊基地へ向けて出航し、8月16日には北海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海艦隊基地へ向かった]

8月28日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]

9月1日には地中海東部に展開する他のロシア海軍艦船と共に各種の演習を行ないました
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海で演習を行なう]

9月14日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、シリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ初めて計7基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

9月22日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」シリアイドリブ『アル=ヌスラ戦線』の施設へ計3基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

10月5日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、シリア政府軍の攻勢を支援する為、再びデリゾールのISIL施設へ計10基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

10月31日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、シリアデリゾールへ計3基の「カリブル」を発射しました。

『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】

11月3日、「コルピノ」は、シリアアブ・カマルへ計6基の「カリブル」を発射しました。
(同時にロシア航空宇宙軍爆撃機Tu-22M3が空爆)

『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】

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「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、合計29基の「カリブル」を発射していますが、無論、2隻合わせても、これだけの「カリブル」を一度に搭載する事は出来ないので、1回発射する度にシリアタルトゥースへ寄港してミサイルを補充していたようです。

結局、「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、その後も地中海東部に滞在し続ける事になり、2018年3月~4月には、予備の乗組員チームと交代しました。


2019年3月14日、黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」ボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは地中海東部へ行く]

そして3月27日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」ダーダネルス海峡及びボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、「クラスノダール」と交代してセヴァストーポリへ向かうようです。

ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはサンクトペテルブルクで進水した



『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月28日10時36分配信
【サンクトペテルブルクで太平洋艦隊の為の最初の「ワルシャワンカ」が進水した】
サンクトペテルブルク、3月28日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊の為の最初のプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」ディーゼルエレクトリック潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルク企業『アドミラルティ造船所』で木曜日に進水した。
『ロシア通信社ノーボスチ』特派員はリポートした。

「本日は、我々の記念すべき出来事~太平洋艦隊の為の最初の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの進水です。
太平洋艦隊の為の潜水艦の建造契約は、2016年9月に署名されました。
2019年には、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーをロシア連邦海軍へ御引き渡し致します」
株式会社『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフ
は、進水式典で話した。

「潜水艦はユニークな性質を有しており、それは、自身により効果的に確認しております。
我々は、全てのシリーズ艦が適時に引き渡される事を確信しております」

次に、ロシア連邦海軍副総司令官代行イーゴリ・ムハメトシン中将は指摘した。

このプロジェクトの潜水艦は第3世代に属しており、(水中)排水量は3950トン、水中速力-20ノット、潜航深度-300メートル、乗組員-52名。
このプロジェクトの潜水艦は、音響隠密性及び遠方目標探知の特性が組み合わされ、統合されている。
それは、最新の慣性航法複合体、現代的な自動情報管理システム、高精度ミサイル兵器、大威力の魚雷兵装を装備する。

潜水艦の兵装には、口径533mmの魚雷(6門の発射管)、機雷打撃ミサイル複合体「カリブル」が在る。
それは、前任者よりも3~4倍の距離で目標を探知でき、敵を探知できる。
これらの潜水艦は静粛性により、北大西洋条約機構(NATO)から「ブラックホール」と呼ばれている。

以前、6隻から成る太平洋艦隊の為のプロジェクト636.3潜水艦シリーズの建造契約は、ロシア連邦国防省『アドミラルティ造船所』の間で2016年9月に署名されたと報じられた。

既に、同プロジェクトの6隻の潜水艦黒海艦隊の為に建造されている。
これらの潜水艦シリーズは、2010年8月から2016年11月まで『アドミラルティ造船所』で建造された。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
現在、ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しています。
全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されています。
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プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される
第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。

プロジェクト06363有翼ミサイル「カリブル」は、既にシリアで実戦使用されています。

黒海艦隊「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年12月30日就役)は、2015年12月8日に地中海東部からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

黒海艦隊「クラスノダール」(2015年11月5日就役)は、2017年5月31日と6月23日に地中海東部からシリアISIL施設有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

黒海艦隊「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年10月26日就役)及び「コルピノ」(2016年11月24日就役)は、2017年9月初頭から地中海東部に滞在し、9月14日、9月22日、10月5日、10月31日、11月3日に有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[地中海東部に滞在しているロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海沿岸のロシア友好国で修理を行なうかもしれない]


[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]

今後は太平洋艦隊向けにも6隻の06363潜水艦『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]

2017年7月28日に最初の2隻~「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」が同時に起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は2019年3月28日に進水しました。

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」は2020年11月にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフは2020年11月にロシア海軍へ引き渡される]
6隻全てが就役するのは2022年以降になります。

この他、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦の一部も近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は通常動力潜水艦を増強する]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク沖で射撃訓練を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年3月27日10時19分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」は海上射爆場で砲射撃を実施した】

黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」乗組員は、海上戦闘訓練射爆場で、海上目標及び浮遊機雷への試験砲射撃を実施した。

更に、艦上戦闘演習の枠組みにおける対水中工作訓練で、船員は、艦上から水中へ擲弾筒及び手榴弾を使用する水中工作員の撃破へ取り組んだ。

哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」乗組員の戦闘訓練の次のエピソードは、戦術艦グループの一員としての行動を含め、意図された任務の遂行となる。



プロジェクト22160哨戒艦の1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、ロシア内陸部に位置するタタールスタン共和国『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年2月26日に起工されました。

[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]


「ワシーリー・ブイコフ」は2017年7月23日にゼレノドリスク造船所の造船台から出渠し、同年10月には内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。
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「ワシーリー・ブイコフ」乗組員の編成は、2018年1月中旬までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はプロジェクト22160哨戒艦の1番艦ワシーリー・ブイコフの乗組員の編成を完了した]

編成された乗組員団は、サンクトペテルブルク海軍合同訓練センターで研修を行なった後、3月28日にノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク基地へ到着し、洋上試験の準備を始めた]

それから約1ヶ月半後の2018年5月8日、「ワシーリー・ブイコフ」は洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上試験を開始した]

それから1ヶ月以上経った6月18日、「ワシーリー・ブイコフ」は初めての砲撃試験を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは初めての砲撃試験を行なった]

2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはノヴォロシースクの観艦式へ参加しました。
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その後、工場航行試験は完了し、2018年10月下旬から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で洋上試験を続けている]

「ワシーリー・ブイコフ」は12月中旬までに国家受領試験を終え、2018年12月20日にノヴォロシースク海軍基地で海軍旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
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就役後、ノヴォロシースク海軍基地で乗組員の慣熟訓練を行ない、2019年1月9日にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはダメージコントロール訓練を行なった]


その後も基地での各種訓練が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上訓練の準備を進めている]

2月25日、「ワシーリー・ブイコフ」は海上での戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上で砲撃訓練を行なった]

3月7日には、砲撃訓練の他に、有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練も行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で戦闘訓練を行なった]

3月8日にはトルコ海軍の艦との合同演習を行ないました。

[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海東岸で合同演習を行なった]

3月20日にはノヴォロシースク海軍基地小型対潜艦「エイスク」(1990年2月28日就役)と共に対空戦闘訓練を行ないました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年3月20日9時23分配信
【ノヴォロシースク海軍基地の艦の乗組員は演習中に対空防衛の問題へ取り組んだ】

3月21日、「ワシーリー・ブイコフ」ノヴォロシースク海軍基地でダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースクでダメージコントロール訓練を実施した]

そして3月27日にはノヴォロシースク沖で実弾射撃演習を行ないました。

ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2019』は2019年4月末に実施される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年3月27日1時0分配信
【ロシア海軍と中国海軍は演習『海洋協同-2019』を4月末に実施する】

ロシア海軍中国人民解放軍海軍は、年次双務海軍演習『海洋協同』を2019年4月末~5月初頭に実施する。
前日、ヤン・チジェンミン少将率いる中国海軍代表団は、ロシア海軍総司令部及びアレクサンドル・シュワノフ少将率いる太平洋艦隊代表団の士官が参加する計画代表者協議会へ出席する為、サンクトペテルブルクへ到着した。

3月25日、両国の代表は、伝統的な沿岸及び海上構成を含む演習のエピソードを準備する協議を始めた。

演習『海洋協同-2019』の枠組みで、ロシア及び中国の軍事船員は、合同操艦、組織的通信、海上及び空中目標へのミサイル及び砲射撃への取り組み、捜索救助支援の問題への取り組みが計画されている。
水上部隊に加え、演習には、中国海軍海上航空隊及び両国のディーゼルエレクトリック潜水艦が関わる。

更に、太平洋艦隊艦船支隊を率いるのは、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」となる事が計画されている。

ロシア連邦及び中華人民共和国の海軍が参加する初めての海軍演習は、2005年8月に黄海で実施された。
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その後、彼らは、『上海協力機構』の後援下で催された大規模軍事演習『平和の使命-2005』へ参加した。
2012年、『上海協力機構』の枠外で、ロシア及び中国が合同で海上の脅威へ対処し、安全保障の強化へ指向される特別年次海軍演習『海洋協同』が実施された。



ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

『海洋協同-2016』:2016年9月中旬に南シナ海で実施
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

『海洋協同-2017』
第1段階:2017年7月下旬にバルト海で実施
第2段階:2017年9月下旬に日本海及びオホーツク海で実施

[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

2015年7月26日に承認された新たな『ロシア連邦海洋ドクトリン』においては、中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]


そして、2019年の『海洋協同-2019』は、同年4月末~5月初頭に実施される事になりました。

演習実施場所は明らかにされていませんが、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」率いる太平洋艦隊艦船支隊が編成されるとの事ですから、ロシア海軍の艦船が中国へ行き、中国沿岸海域で実施される事になるようです。

2019年4月23日に山東省青島沖で中国人民解放軍海軍創設70周年記念国際観艦式が開催されるので、おそらくは、その後に合同演習『海洋協同-2019』を実施する事になるようです。
『人民網日本語版』より
2019年3月1日17時38分配信
【国防部、海軍創設70周年記念日に国際海軍行事】

中国海軍創設70周年記念国際観艦式には、北方艦隊最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)も参加するようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国へ行く]

ロシア海軍黒海艦隊の最新小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは地中海東部(シリア沖)へ行く

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2019年3月26日8時45分配信
【黒海艦隊の小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」はセヴァストーポリから出航し、地中海へ進路を取った】

戦闘訓練計画に沿って、黒海艦隊小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」セヴァストーポリから出航し、黒海海峡へ進路を取った。

艦の乗組員にとって、昨年12月にロシア海軍へ就役して以来、これが初めての指示された任務を遂行する為の遠海ゾーンへの出航となる。

海峡を通過後、艦の乗組員は、遠方作戦ゾーンのロシア海軍常設グループの一員へ加わる。

小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」が到着する地中海では、今年3月初頭から遠方作戦ゾーンで任務を遂行しているフリゲート「アドミラル・エッセン」の乗組員が共に勤務へ就く。

[参照]
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」
は多目的艦であり、現代的な風貌の砲、ミサイル、対水中工作、高射、電波工学兵装を装備する。

それは近代化された「ブヤン-M」シリーズの7隻目であり、黒海艦隊の為に建造された。
同プロジェクト艦は、増加した排水量を有し、海上および沿岸目標の撃破の為に意図されている最新の長距離高精度ミサイル兵器~汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」で武装する。
プロジェクト「ブヤン-M」艦の用途は、国家経済ゾーンの保護と防護である。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の7番艦「オレホヴォ・ズエヴォ」は、ゼレノドリスク『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年5月29日に起工されました。
[ロシア黒海艦隊の為の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォが起工された]

2018年7月18日に進水しました。
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2018年9月に内陸水路経由で黒海沿岸のノヴォロシースクへ回航されました。
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その後、ノヴォロシースク海軍基地で航行試験の準備が進められました。

2018年11月19日までに黒海で洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは黒海で洋上試験を開始した]

洋上試験は2018年12月初頭に完了し、12月6日にノヴォロシースクからセヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは洋上試験を完了した]

2018年12月7日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォはセヴァストーポリへ到着した]

2018年12月10日、「オレホヴォ・ズエヴォ」への海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト21631小型ロケット艦の7番艦オレホヴォ・ズエヴォはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後、基地で乗組員の慣熟訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年12月19日13時16分配信
【黒海艦隊の最新小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」乗組員は海へ出る準備を行なう】

基地での訓練を終えた「オレホヴォ・ズエヴォ」は海上訓練へ移行し、2019年1月21日には黒海艦隊海軍航空隊前線爆撃機Su-24Mと対戦方式の対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは海上で前線爆撃機Su-24Mと『対決』した]

2月6日には一旦セヴァストーポリへ帰港しました。
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2月18日にセヴァストーポリを出航し、海上での戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは黒海で戦闘訓練を行なう]

その後、2月19日に黒海へ入ったアメリカ海軍ミサイル駆逐艦「ドナルド・クック」の監視任務へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォと偵察艦イワン・フルスは黒海へ進入したアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]

ミサイル駆逐艦「ドナルド・クック」ウクライナを訪問した為、「オレホヴォ・ズエヴォ」は監視任務を解かれ、一旦セヴァストーポリへ戻った後、2月26日から海上での戦闘訓練を再開しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォは黒海で対空戦闘訓練を行なった]

乗組員の慣熟訓練を一通り終えた「オレホヴォ・ズエヴォ」セヴァストーポリを抜錨し、初の地中海航海へと出発しました。

なお、「オレホヴォ・ズエヴォ」は3月26日午前にボスポラス海峡を通過しています。
【『Bosphorus Naval News』の2019年3月26日18時20分のツイート】


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」
2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」2019年3月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年3月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」2019年3月下旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2018年12月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2018年10月下旬から地中海東部に滞在
海洋曳船MB-31:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍の為の更なる2隻のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートが2019年に起工される

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年3月25日18時2分配信
【情報筋:『北方造船所』は2019年に2隻のプロジェクト22350フリゲートを起工する】

サンクトペテルブルク造船工場『北方造船所』は、2019年に2隻のプロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートを起工し、然るべき契約の準備作業が行なわれている。
『Mil.Press FlotProm』は、2名の業界の情報提供者より知らされた。


2027年までの国家軍備プログラムの末までに、合計で5隻の「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートが起工されると『統合造船業営団』の高位の対談者は『Mil.Press FlotProm』へ話した。

2隻の新たな艦を建造する契約は年末までの署名が計画されており、今夏の国際海軍サロンあるいはフォーラム『アルミヤ』の最中に確定されるとサンクトペテルブルク造船所の情報提供者は伝えた。
1月、『Mil.Press FlotProm』は、フリゲートの第2シリーズは、16基から24基に増加された有翼ミサイル「カリブル」を受け取る事が望まれていると報じた。
『北方造船所』広報サービスはコメントを差し控えた。

フリゲート及び他の基礎クラスの戦闘艦は大量のシリーズ建造が必要であり、少量の建造では業界の得にならず、海軍の為にも有害である。
クルイロフセンターの軍事造船分野のシステム統合部長ウラジーミル・ペペリャエフ予備役中将は『Mil.Press FlotProm』との対談で話した。
彼によると、加えて、大量のフリゲートシリーズは、駆逐艦より前の大洋ゾーン艦の設計へ移る為に必要である。
「近代化されるプロジェクト22350Mフリゲートを大きくしたようなれっきとした駆逐艦が海軍には必要です」
彼は締めくくった。

プロジェクト22350フリゲートの最初のシリーズの建造で、海軍は8隻の発注を計画していたが、その後、この艦は6隻のみとなった。
しかし、資金不足によりシリーズは4隻に減らされた。

2018年12月末、『北方計画設計局』プロジェクト22350Mフリゲートの草案設計を開始した。
情報提供者によると、設計には2年~2年半、『北方造船所』あるいは『ヤンターリ』での1隻の艦の建造には4~5年掛かる。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督によると、海軍は少なくとも18隻のプロジェクト22350フリゲートと36隻のプロジェクト20380(20385/20386)コルベットを必要とする。

2018年7月、海軍の戦闘編制へ基礎プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」が加わった。
プロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・カサトノフ」は次の段階の航行試験を準備しており、その海軍への引き渡しは今秋に計画されている。
全てのシリーズの完了は2022年に見込まれている。



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ロシア海軍の為の1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク『北方造船所』で4隻が起工され、1番艦は2018年7月28日に就役しました。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)(艦番号454)は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ引き渡されました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
その後、2019年2月末からは遠距離航海を行なっています。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-)]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(海軍元帥カサトノフ)(艦番号431)は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水しました。
2018年12月下旬から洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2回目の洋上試験の準備を始めた]
ロシア海軍への引き渡しは2019年12月に予定されています。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工されました。

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥イサコフ)は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]

3番艦と4番艦は、ガスタービンエンジンの供給が大幅に遅延した為、建造も遅延しています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]

3番艦は2021年末、4番艦は2022年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦は2021年末と2022年末にロシア海軍へ引き渡される]


建造が4番艦でストップしているプロジェクト22350ですが、以前から、更に少なくとも2隻の追加建造が検討されています。
[ロシア海軍は更に2隻のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートを追加発注するかもしれない]

今回の記事に登場する複数の情報提供者の話では、今年(2019年)中に、5番艦と6番艦が起工される事になるようです。
これに先立つ建造契約は、今年夏に締結されるようです。

今回の記事中でも触れられていますが、今後建造されるプロジェクト22350は、有翼ミサイルの搭載数の増加も検討されているようです。
(現行の16基から24基)
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年1月8日21時0分配信
【新たな「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートは「カリブル」の追加が望まれている】

2019年2月下旬、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、連邦教書演説中、近い内に5隻の遠海ゾーン水上艦が起工されると述べました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]
この内の2隻が、追加建造分のプロジェクト22350フリゲートでしょう。


その後は、拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へ移行する事になるようです。
[プロジェクト22350Mフリゲート(超ゴルシコフ型)]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で5日間に渡る演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2019年3月26日5時30分配信
ロシア沿海地方情報供給部(ウラジオストク市)発表
【太平洋艦隊の捜索打撃艦グループは日本海での演習中にミサイル及び砲射撃を実施した】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」及び「アドミラル・ヴィノグラードフ」で構成される捜索打撃艦グループは、日本海ミサイル及び砲射撃を実施した。

5日間に渡る試験戦術演習中、艦隊海上航空隊対潜ヘリコプターKa-27PL及び対潜航空機Il-38、Tu-142との連携により、仮想敵潜水艦を探知し、魚雷及び反応爆弾で攻撃した。

更に艦は、沿岸に位置する困難な標的への100mm砲からの砲射撃を実施した。
砲撃により、隠された地形の仮想敵の半永久トーチカ及び車両を模した目標を制圧した。
更に対潜艦は、海上曳航盾への砲射撃を実施した。

艦の複合体により空中目標を撃破する為の対空防衛演習中、砲と共に自衛高射ミサイル複合体「キンジャール」が使用された。
電波電子妨害設置手段が積極的に使用された。

演習期間中、合計20回の戦闘訓練が実施された。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)と「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)は、2018年5月初頭から7月中旬までアジア-太平洋地域への遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠洋航海(2018年5月-7月)]

その後、2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はオホーツク海で演習を行なった]
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍歩兵部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の掃海艦艇は太平洋及びオホーツク海で掃海演習を行なった]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、2018年12月からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』のドックへ入渠し、整備を行なっていました。
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2019年2月27日には「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・パンテレーエフ」ピョートル大帝湾潜水艦の捜索・探知訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフとアドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]

3月2日には「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・トリブツ」が、海上、空中、沿岸目標への砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年3月2日4時27分配信
【太平洋艦隊の艦は、海上、空中、沿岸目標への射撃を実施した】

3月22日から「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・トリブツ」ピョートル大帝湾で演習を開始し、初日には対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

演習は3月26日まで続けられ、対地、対水上砲撃訓練や対空防衛訓練などが行なわれました。

ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは2019年3月28日に進水する

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『タス通信』より
2019年3月25日15時2分配信
【潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は(2019年)3月28日に進水する】
サンクトペテルブルグ、3月25日/タス通信

太平洋艦隊の為の最初のプロジェクト636.3潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルグで進水する。
月曜日、国防省下の海軍情報・マスコミュニケーション部の代表イーゴリ・ディガロ1等海佐は報道機関へ伝えた。

「アドミラルティで行なわれた水中造船問題の会議の結果、海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、太平洋艦隊の為の最初の新たなプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは、サンクトペテルブルグ企業アドミラルティ造船所で3月28日に進水すると述べました」
声明では、こう述べられた。

海軍総司令官主催の会議では、更に、太平洋艦隊の為に『アドミラルティ造船所』が建造するプロジェクト636.3潜水艦の乗組員の準備の問題が討議された事は注目される。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
現在、ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しています。
全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されています。
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プロジェクト06363は、輸出用のプロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される
第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果がフィードバックされています。

プロジェクト06363潜水艦には有翼ミサイル「カリブル」が装備されます。

プロジェクト06363有翼ミサイル「カリブル」は、既にシリアで実戦使用されています。

黒海艦隊「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年12月30日就役)は、2015年12月8日に地中海東部からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

黒海艦隊「クラスノダール」(2015年11月5日就役)は、2017年5月31日と6月23日に地中海東部からシリアISIL施設有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

黒海艦隊「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年10月26日就役)及び「コルピノ」(2016年11月24日就役)は、2017年9月初頭から地中海東部に滞在し、9月14日、9月22日、10月5日、10月31日、11月3日に有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[地中海東部に滞在しているロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海沿岸のロシア友好国で修理を行なうかもしれない]


[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]

今後は太平洋艦隊向けにも6隻の06363潜水艦『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]

2017年7月28日に最初の2隻~「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」が同時に起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年3月28日の進水が予定されています。

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」は2020年11月にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフは2020年11月にロシア海軍へ引き渡される]
6隻全てが就役するのは2022年になります。

この他、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦の一部も近代化改装が行なわれています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は通常動力潜水艦を増強する]

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月25日12時16分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はジブチへの寄港を行なった】
モスクワ、3月25日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が率いる北方艦隊艦・支援船支隊は、月曜日にジブチへの業務寄港を行なった。
北方艦隊広報サービス部長ワジム・セルガは発表した。

「本日、フリゲート"アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ"(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)率いる北方艦隊の艦・支援船支隊は、紅海の通航を完了し、ジブチ港への業務寄港を行ないました」
セルガ
は伝えた。

彼は、更に、支隊を構成する多機能物資-技術サービス支援船「エリブルス」救助曳船「ニコライ・チケル」ジブチへ寄港したと付け加えた。

「これは、2019年2月26日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して以来、北方艦隊のフリゲートの初めての外国の港への寄港です」
広報サービス部長は説明した。

彼は、寄港が数日間続く事を指摘した。
艦の物資を必要な基準へ補充し、フリゲート及び支援船の乗組員の短期間の休養が計画されている。

遠距離航海が始まって以来、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が率いる北方艦隊艦・支援船支隊は、7000海里以上を航行した。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。

2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
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『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
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『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】



2019年2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、「エリブルス」及び「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]
2月初頭の演習は、この遠距離航海の為のリハーサルだったようです。

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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そして3月25日にジブチへ寄港しました。
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今後の「アドミラル・ゴルシコフ」の行動予定は公表されていませんが、中国へ向かうようです。
「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年4月23日に行なわれる中国人民解放軍海軍創設70周年記念観艦式へ参加するようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国へ行く]

ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクは『シリア・エクスプレス』に従事する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年3月23日9時29分配信
【地中海へロシアの大型揚陸艦「オルスク」が入った】
イスタンブール、3月23日、インタファクス

黒海艦隊大型揚陸艦「オルスク」は、ボスポラス及びダーダネルス海峡を通過して地中海エリアへ入った。
現地の情報ポータルサイトは伝えた。

艦がボスポラス海峡を通過する写真を公表したイスタンブールのサイトは、大型揚陸艦「オルスク」は、地中海ロシア海軍物資-技術サービス供給所が置かれているシリアタルトゥース港へ向かっていると確信している。
艦の吃水線から判断すると、それは大量の荷物を積んでいる。
艦上には、砂漠色に塗装された車両ウラン-4320、更にはカモフラージュ網で覆われた他の軍用貨物が見えるとサイトは通知した。

海峡を通過する際、トルコ沿岸警備艇が同行した。

伝えられているように、3月1日には大型揚陸艦「アゾフ」黒海海峡シリアへ向かけて通った事が確認されている。
これは同艦のシリアへの今年2度目の航海である。

今年初めには、大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」及び黒海艦隊補助部隊貨物船「ドヴィンツィヤ-50」シリアへの航海を行なっている。

海外メディアによれば、ロシア海軍大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアフマイミーン飛行場ロシア航空群タルトゥース海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける「シリア・エクスプレス」と呼ばれる作戦へ参加している。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しています。
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当初は大型揚陸艦のみが「シリア・エクスプレス」へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。

「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦です。


黒海艦隊大型揚陸艦「オルスク」(1968年12月5日就役)は、長期にわたるオーバーホールを終えて2017年12月に復帰し、2018年には計9回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへ行く]

「オルスク」は、2019年3月23日にボスポラス及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
無論、行き先はシリアタルトゥースです。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」
2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「コルピノ」2017年9月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」2019年3月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年3月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2018年12月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2018年10月下旬から地中海東部に滞在
海洋曳船MB-31:2018年12月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭小型ロケット艦ムィティシは対空射撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年3月22日15時59分配信
【バルト艦隊の小型ロケット艦「ムィティシ」乗組員は海上射爆場で仮想敵の航空ミサイル打撃の撃退へ取り組んだ】

戦闘訓練計画に沿って、バルト艦隊小型ロケット艦「ムィティシ」乗組員は、海上射爆場で仮想敵の航空ミサイル打撃の撃退へ取り組んだ。

艦隊偵察手段は、海上に居るバルト艦隊の艦を破壊する目的の仮想敵航空機の発進を確認した。
飛行する仮想敵航空機を模したのは、バルト艦隊海上航空隊戦闘機Su-30SMである。

艦は、電波電子戦闘手段を活性化させた。
模擬空中目標は防衛線へ進入し、小型ロケット艦の乗組員は対空防衛手段が関わる砲撃を行ない、艦載複合体AK-630からの実地射撃を実施した。

射撃実施に先立ち、全ての戦闘部署及び砲射撃指揮兵装は射撃準備を行なった。



[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦]


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の1番艦「ウラガーン」は、2016年7月29日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

2017年7月29日に進水しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の1番艦ウラガーンは進水した]

その後、造船所の岸壁で艤装工事が進められ、2018年5月19日にラドガ湖で工場航行試験を開始しました。
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[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンの航行試験が始まった]
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7月初頭までにラドガ湖で計3回の工場航行試験を実施しました。

[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは3度に渡り航行試験を行なった]

「ウラガーン」は、サンクトペテルブルクで7月29日に行なわれた『ロシア海軍の日』記念観艦式へ参加しました。
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工場航行試験は9月中旬頃までに完了し、一旦造船所へ戻りました。
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9月28日から最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンの国家試験が始まった]

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「ウラガーン」は内陸水路で移動を行ない、10月7日には白海への出口となるベロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海沿岸のベロモルスクへ到着した]

「ウラガーン」白海で、打撃有翼ミサイル複合体「カリブル」対地攻撃型及び対艦攻撃型の試射を含む各種試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海で洋上試験を実施した]

「ウラガーン」は内陸水路経由で11月上旬に『ペラ』造船所へ戻りました。

[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦カラクルト級1番艦ウラガーンは白海での洋上試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

11月15日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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その後、バルチースクをベースにしてバルト海での試験の最終段階が実施されました。
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ロシア海軍への引き渡しを前にして「ウラガーン」「ムィティシ」Мытищиと改名されました。
「ムィティシ」モスクワ近郊の小都市です。

2018年12月17日、小型ロケット艦「ムィティシ」聖アンドレイ旗(海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
「ムィティシ」は、バルト艦隊第36ロケット艇旅団第106小型ロケット艦大隊へ編入されました。

[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

12月23日、「ムィティシ」は就役後の最初の海上戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭小型ロケット艦ムィティシは対空戦闘訓練を行なった]

2019年1月11日には艦内でダメージコントロール訓練を実施しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭小型ロケット艦ムィティシはダメージコントロール訓練を行なった]

2019年2月9日、小型ロケット艦「ムィティシ」は、艦名の元となったモスクワ近郊の小都市ムィティシ市との後援協定を締結しました。
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]

そして3月22日、「ムィティシ」は、AK-630 30mm機関砲を使用する対空戦闘訓練を行ないました。

仮想敵航空機の役は、最近にバルト艦隊航空隊へ配備された多用途複座戦闘機Su-30SMが務めました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ2機の多用途複座戦闘機Su-30SMが到着した]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースクでダメージコントロール訓練を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年3月21日10時39分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」乗組員はダメージコントロール演習を行なった】

黒海艦隊哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」乗組員は、緊急事態班の要員と共に艦内ダメージコントロール演習を行なった。

演習中、哨戒艦のセクションの1つで火災及び黒煙が発生したという筋書きへ取り組んだ。

ダメージコントロールの結果、緊急事態班の要員は、事故発生セクションの気密化、個人防御手段の着用、防御線の作成、セクションの火災の局限化及び消火の規準的行動を実行した。
更に、事故セクションと中央監視所の間の船員の連携へ取り組んだ。

現実の火元での発火を清算する訓練は、ノヴォロシースク海軍基地の敷地内の特殊練習-訓練複合体で実施された。

定期的に実施される艦内ダメージコントロール演習は、黒海艦隊水上艦及び潜水艦の乗組員の戦闘訓練の義務的要素である。



プロジェクト22160哨戒艦の1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、ロシア内陸部に位置するタタールスタン共和国『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年2月26日に起工されました。

[ロシア海軍の新型哨戒艦(モジュール艦)ワシーリー・ブイコフが起工された]


「ワシーリー・ブイコフ」は2017年7月23日にゼレノドリスク造船所の造船台から出渠し、同年10月には内陸水路を通って黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われました。
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「ワシーリー・ブイコフ」乗組員の編成は、2018年1月中旬までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はプロジェクト22160哨戒艦の1番艦ワシーリー・ブイコフの乗組員の編成を完了した]

編成された乗組員団は、サンクトペテルブルク海軍合同訓練センターで研修を行なった後、3月28日にノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはノヴォロシースク基地へ到着し、洋上試験の準備を始めた]

それから約1ヶ月半後の2018年5月8日、「ワシーリー・ブイコフ」は洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上試験を開始した]

それから1ヶ月以上経った6月18日、「ワシーリー・ブイコフ」は初めての砲撃試験を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは初めての砲撃試験を行なった]

2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはノヴォロシースクの観艦式へ参加しました。
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その後、工場航行試験は完了し、2018年10月下旬から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で洋上試験を続けている]

「ワシーリー・ブイコフ」は12月中旬までに国家受領試験を終え、2018年12月20日にノヴォロシースク海軍基地で海軍旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新型哨戒艦ワシーリー・ブイコフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
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就役後、ノヴォロシースク海軍基地で乗組員の慣熟訓練を行ない、2019年1月9日にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフはダメージコントロール訓練を行なった]


その後も基地での各種訓練が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上訓練の準備を進めている]

2月25日、「ワシーリー・ブイコフ」は海上での戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは洋上で砲撃訓練を行なった]

3月7日には、砲撃訓練の他に、有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練も行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海で戦闘訓練を行なった]

3月8日にはトルコ海軍の艦との合同演習を行ないました。

[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海東岸で合同演習を行なった]

3月20日にはノヴォロシースク海軍基地小型対潜艦「エイスク」(1990年2月28日就役)と共に対空戦闘訓練を行ないました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年3月20日9時23分配信
【ノヴォロシースク海軍基地の艦の乗組員は演習中に対空防衛の問題へ取り組んだ】

そして3月21日、「ワシーリー・ブイコフ」ノヴォロシースク海軍基地でダメージコントロール訓練を行ないました。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年3月22日7時59分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦は仮想敵潜水艦を探知し、深海爆弾で破壊した】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」及び「アドミラル・ヴィノグラードフ」で構成される捜索打撃艦グループは、試験戦術演習を行なった。

ピョートル大帝湾大型対潜艦は、対潜兵器及び対魚雷防護手段を使用した仮想敵潜水艦に対する戦術艦グループの戦闘行動実施に実地で取り組んだ。

捜索される「国籍不明」潜水艦の役は、沿海地方連合部隊ディーゼル潜水艦の1隻が務め、艦隊海上航空隊航空機が関わった。
射爆場では、大型水上艦と合同で2機の対潜航空機Il-38及び3機の艦上対潜ヘリコプターKa-27PLが行動した。
仮想敵潜水艦の効果的な捜索及び追尾の為、太平洋艦隊の飛行士は、標準装備の電波位置測定手段及び水中音響探知手段を複合使用した。

潜水艦との接触を確立した後、大型対潜艦は、指定座標へ反応深海爆弾により打撃を与えた。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572、1989年5月1日就役)と「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)は、2018年5月初頭から7月中旬までアジア-太平洋地域への遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠洋航海(2018年5月-7月)]

その後、2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はオホーツク海で演習を行なった]
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍歩兵部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の掃海艦艇は太平洋及びオホーツク海で掃海演習を行なった]

「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、2018年12月からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』のドックへ入渠し、整備を行なっていました。
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2019年2月27日には「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・パンテレーエフ」ピョートル大帝湾潜水艦の捜索・探知訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフとアドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]

3月2日には「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・トリブツ」が、海上、空中、沿岸目標への砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年3月2日4時27分配信
【太平洋艦隊の艦は、海上、空中、沿岸目標への射撃を実施した】


そして3月22日、「アドミラル・ヴィノグラードフ」「アドミラル・トリブツ」は、ピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。

記事中に出てくる「反応深海爆弾」とは、RBU-6000対潜/対魚雷ロケット弾の事です。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷ロケットの生産が再開される]

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月22日14時36分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員はバレンツ海で一連の訓練を実施した】

北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、捜索救助部隊及び物資-技術サービス保障部隊とバレンツ海で演習を実施した。

救助曳船SB-523の乗組員とロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、合同で仮想遭難した艦の曳航活動へ取り組んだ。

その後、海洋給水輸送補給船「マヌイチ」乗組員と合同で、海上移動中の艦へ物品を移送する演習を行なった。

前日、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、北方艦隊戦闘訓練射爆場における潜水艦の捜索及び仮想破壊演習で、艦載対潜ヘリコプターKa-27PL乗員と連携した。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、3月12日からバレンツ海で計画戦闘訓練任務を遂行している。
この間に乗組員は、組織的な航海当直、突然の危機的状況の発生の際の行動、更には、対空、対潜、対水中工作防衛を含む一連の艦上戦闘演習へ取り組んだ。

巡洋艦の砲術班及びミサイル班は、空中目標及び高速水上目標の追尾、破壊の訓練を行なった。
海上、沿岸、空中目標への実地砲射撃が実施された。
北方艦隊航空・防空連合部隊航空機との連携へ取り組んだ。

「マルシャル・ウスチーノフ」は、プロジェクト164ロケット巡洋艦である。
艦は1978年10月5日にニコラーエフ造船工場「アドミラル・フロータ・ロボフ」の名で起工され、1982年2月25日に進水し、1986年11月5日に「マルシャル・ウスチーノフ」の名で北方艦隊へ加入した。

その全長は186メートル、幅-20.8メートル、最大速力-32ノット、乗組員-約500名。
艦の兵装には、有翼ミサイルの16基の発射装置、更には高射ミサイル、砲、対潜兵器が在る。



ロシア北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦の2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月にセヴェロドヴィンスク市艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されて近代化改装が始まり、2016年12月末に工事と洋上試験を終えて艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]


復帰後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

6月16日、「マルシャル・ウスチーノフ」バレンツ海で演習を行ない、高射ミサイル複合体「オサー-MA」を対空目標へ発射し、更に沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘及び沿岸砲撃訓練を行なった]

「マルシャル・ウスチーノフ」クロンシュタットで開催される『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、7月初頭にセヴェロモルスクを抜錨してバルト海へ向かい、フィンランド湾東部海域で他の参加艦と共に観艦式の為の合同訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]
[2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式の合同訓練がフィンランド湾東部で実施された]

7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


クロンシュタットの観艦式へ参加した北方艦隊艦船部隊は7月31日に出航し、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


12月1日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月1日16時14分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、乗組員の海軍技量向上の為にバレンツ海へ出航した】

12月4日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33が敵役を務める対空・対艦戦闘訓練を行ない、高射ミサイル複合体「フォルト」、「オサー-MA」を空中標的へ発射し、130mm連装砲を空中標的と海上標的へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月4日23時55分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海でミサイル及び砲射撃を実施した】

12月26日には、北方艦隊対潜哨戒機Il-38が敵役を務め、バレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日15時59分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で航空隊との連携へ取り組んだ】


2018年3月29日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

北方艦隊の他の水上艦も出航し、4月2日までバレンツ海で各種演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を終えた]

4月5日、「マルシャル・ウスチーノフ」は再びバレンツ海へ出航し、対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

翌4月6日には掃海艇2隻の支援の下に機雷源を通過する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で機雷源通過訓練を行なった]

4月10日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K「敵機」に見立てて対空防衛訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]

その後、セヴェロモルスク基地へ戻っていましたが、5月16日、演習の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を行なう]

翌5月17日、バレンツ海で海上標的へ長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対艦ミサイルを発射した]

6月10日、バレンツ海へ出航し、再び対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で長距離対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]

その後、6月13日から始まった北方艦隊の大演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった]
[ロシア海軍北方艦隊の大演習はバレンツ海で続けられている]

6月22日、小型ロケット艦から発射されたミサイル標的高射ミサイル複合体「フォルト」により撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で高射ミサイルを発射した]

同日(6月22日)、長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]

2018年7月4日、『ロシア海軍の日』(7月29日)にクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、セヴェロモルスク基地を出航しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去り、8月1日から他の艦隊の観艦式参加艦と共にバルト海で演習を開始しました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

演習終了後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」バルト海から北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ向かった]

8月8日にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、8月9日から大西洋北部で演習を開始しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは北大西洋で演習を開始した]

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8月11日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月15日にアルジェリアの首都アルジェへ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェを訪れた]

8月19日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェリアを去った]

8月23日には地中海中部で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海中部で演習を行なった]

9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も2隻は地中海東部に滞在していましたが、大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と別れ、9月21日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で海賊対処任務に就く]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れた後もロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」地中海東部に滞在しており、10月17日には対艦ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海東部で対艦ミサイル迎撃訓練を行なった]

10月23日にはキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはキプロスのリマソールを訪れた]

その後、地中海東部を離れて西へ向かい、11月9日には北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはスペインのセウタを訪れた]

11月12日にセウタから出航し、ジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはスペインのセウタを去り、大西洋へ出た]

その後、イベリア半島沿いに北上し、ビスケー湾へ入った後、11月16日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入った]

11月20日にはノルウェー海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海へ入った]

2018年11月23日、母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
「マルシャル・ウスチーノフ」にとっては、1989年以来、ほぼ30年ぶりの地中海への航海となりました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海遠征を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]


そして2019年3月13日、戦闘演習を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
まず初めに、基地周辺(コラ湾)機雷が敷設されているという想定下で、基地掃海艦の先導の下でバレンツ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で戦闘演習を行なう]

3月15日には沿岸目標への砲撃訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月15日18時11分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で砲射撃を実施した】

3月22日には救助曳船及び給水補給船との合同訓練を行ないました。

2020年以降、毎年2~3隻の原子力潜水艦がロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2019年3月20日19時16分配信
【『統合造船業営団』は2020年から毎年2~3隻の原子力潜水艦を引き渡す】
クビンカ/モスクワ州、3月20日/タス通信

『統合造船業営団』は2020年から、ソヴィエト時代の造船ペースを上回る毎年2~3隻の原子力潜水艦ロシア海軍への引き渡しを始める。
水曜日、営団総裁アレクセイ・ラフマノフ『愛国者』公園での『統合造船業営団』科学-業務代表者会議において述べた。

「『北方機械製造事業』へ来る総発注は、既にソヴィエト時代すら超えております。
来年(2020年)からは、毎年2~3隻の潜水艦を御引き渡し致します」
ラフマノフ
は話し、これは原子力潜水艦についての事であると説明した。

以前、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、今年(2019年)、ロシア海軍へ2隻の原子力潜水艦と1隻のディーゼル潜水艦が補充されると述べた。



現在、セヴェロドヴィンスク造船所『北方機械製造事業』(セヴマシュ)は、ロシア海軍向けの複数のタイプの原子力潜水艦を建造しています。

プロジェクト955A「ボレイ-A」戦略用途原子力水中巡洋艦:「クニャージ・ウラジーミル」(2012年7月30日起工/2017年11月17日進水)、「クニャージ・オレグ」(2014年7月27日起工)、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(2014年12月26日起工)、「インペラートル・アレクサンドルIII」(2015年12月18日起工)、「クニャージ・ポジャールスキー」(2016年12月23日起工)
[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト885M「ヤーセン-M」原子力水中巡洋艦:「カザン」(2009年7月24日起工/2017年3月31日進水)、「ノヴォシビルスク」(2013年7月26日起工)、「クラスノヤルスク」(2014年7月27日起工)、「アルハンゲリスク」(2015年3月19日起工)、「ペルミ」(2016年7月29日起工)、「ウリヤノフスク」(2017年7月28日起工)
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

プロジェクト09852原子力調査潜水艦「ベルゴロド」(2012年12月20日再起工)
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを搭載する]

プロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」(2014年7月27日起工)
[ロシア海軍のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクの船体の水圧試験が始まった]


この内、2019年には、「クニャージ・ウラジーミル」「カザン」ロシア海軍へ引き渡されます。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

そして2020年以降のロシア海軍への原子力潜水艦の引き渡しスケジュールは、おそらく、以下のようになるでしょう。

2020年:「クニャージ・オレグ」(955A)、「ノヴォシビルスク」(885M)、ベルゴロド(09852)
2021年:「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(955A)、「クラスノヤルスク」(885M)
2022年:「インペラートル・アレクサンドルIII」(955A)、「アルハンゲリスク」(885M)、「ハバロフスク」(09851)
2023年:「クニャージ・ポジャールスキー」(955A)、「ペルミ」(885M)、「ウリヤノフスク」(885M)


その後は、プロジェクト955A「ボレイ-A」戦略用途原子力水中巡洋艦が追加発注され、そして第5世代多目的原子力潜水艦「ハスキー」の建造が始まります。
[ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦ボレイ級シリーズは10隻に増加する]
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー」]

ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない

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『タス通信』より
2019年3月20日19時26分配信
【『統合造船業営団』は「アドミラル・クズネツォフ」の修理の為の海外への浮きドックの発注は検討していない】
クビンカ/モスクワ州、3月20日/タス通信

『統合造船業営団』は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理を継続する為、沈没したPD-50に代わる海外からの浮きドックの購入は計画していない。
水曜日、営団総裁アレクセイ・ラフマノフ『愛国者』公園での『統合造船業営団』科学-業務代表者会議において述べた。

「いいえ(検討していません)。我々には有りません」
ラフマノフ
は、海外への浮きドックの発注を検討しているのかという質問に答え、こう話した。

以前、彼は、『統合造船業営団』は、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理を継続するムルマンスク『第35艦船修理工場』ドックの近代化の実行を計画していると述べた。

浮きドックPD-50は、2018年10月30日未明にムルマンスクで、ロシア海軍唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の計画出渠の際に沈没した。
クレーンが落下した結果、艦は飛行甲板に損傷を受けた。
その後、ラフマノフ『タス通信』へ、事故の結果、「クズネツォフ」は計52ヶ所に損傷を受け、その除去には7000万ルーブルの費用が掛かると伝えた。

浮きドックPD-50は、世界で最も大きく、ロシアで最も大きい浮きドックの1つである。
それは、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の発注の下、1980年にスウェーデンで建造された。
ドックの全長は330メートル、幅-67メートル、積載能力-80000トン。



プロジェクト7454大型浮きドックPD-50は、スウェーデンゴタヴェルケン・アレンダル社Gotaverken Arendalで建造され、1980年に竣工し、ムルマンスク近郊のロスリャコヴォ村へ設置されました。

[プロジェクト7454大型浮きドックPD-50]
基準排水量:135460t
満載排水量:215860t
全長:330m
幅:88m
吃水:6.1m
積載能力:80000t
工員:175名


その後、ロスリャコヴォ村『第82艦船修理工場』の主力ドックとして、ソ連/ロシア北方艦隊大型水上艦原子力潜水艦などの修理作業を行なってきました。

特に、ムルマンスク周辺で、プロジェクト1143重航空巡洋艦「キエフ」、プロジェクト11434重航空巡洋艦「バクー/アドミラル・ゴルシコフ」、プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」、プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦(キーロフ、アドミラル・ナヒーモフ、ピョートル・ヴェリキー)といった大型水上艦が入渠できるドックPD-50しか無かった為、これらの艦の修理や整備を一手に引き受けてきました。

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最後にPD-50へ入渠した艦は、近代化改装中の「アドミラル・クズネツォフ」となりました。
2018年9月中旬の事でした。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

そして2018年10月30日未明、「アドミラル・クズネツォフ」の進水作業を行なっている最中、突然に電力が遮断され、バランスを崩して沈没しました。
この事故により、PD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


一方、一方、沈没した大型浮きドックPD-50は、沈没時に受けた損傷が大きいなどの理由により、引き揚げて修理し、復帰させるのは極めて困難である事が判明しました。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2018年11月2日14時19分配信
【沈没したドックPD-50を引き揚げる決定が下された場合、幾つかの困難な技術的課題に直面する事になるだろう-情報筋】


浮きドックPD-50が使えない場合の代替案も幾つか検討されたようですが、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏の最近の発言を見る限り、『第35艦船修理工場』の乾ドックを近代化する事になったようです。
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現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有ります。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
これが実行に移される事になるようです。

第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月20日11時16分配信
【第4の「ボレイ」原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」は(2019年)12月に(ロシア)海軍へ引き渡される】
愛国者公園、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

第4の「ボレイ」級原子力潜水艦は12月に海軍へ引き渡され、同時期に第2の「ヤーセン」の引き渡しも予定している。
『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコ『ロシア通信社ノーボスチ』へ語った。

「第4のボレイ級潜水艦クニャージ・ウラジーミルは、2019年12月に海軍へ御引き渡し致します。
これと同時期に、第2のヤーセン、カザンの御引き渡しも予定しております」
ブドニチェンコ
は話した。

彼によると、(引き渡し)時期を延期する話は出ていない。

現在、国家軍備プログラムに従い、ロシア連邦海軍の為に、このクラスの8隻の潜水艦の建造が計画されている。
この内、3隻が完成し、海軍へ加入している:「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」
「クニャージ・ウラジーミル」は2019年に海軍へ引き渡されなければならない。



[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]


2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]

2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]

そして2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]


「クニャージ・ウラジーミル」北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)を実施しました。
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2019年夏から国家受領試験が始まり、同年秋には弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないます。
[ロシア海軍の為のボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年秋に弾道ミサイル"ブラヴァー"の発射試験を行なう]

「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっているとの事です。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。

「クニャージ・ウラジーミル」ロシア海軍への引き渡しは、2019年12月に予定されています。
[ボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
[2019年にロシア海軍へ4隻の潜水艦と7隻の水上戦闘艦が就役する]

アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2019年3月20日20時15分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は(2019年)12月に(ロシア)海軍へ引き渡される】
クビンカ/モスクワ州、3月20日/タス通信

プロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・カサトノフ」は、今年12月に海軍へ引き渡される。
水曜日、『タス通信』『北方造船所』総取締役イーゴリ・ポノマリョフより伝えられた。

「アドミラル・カサトノフは、今年3月末~4月初頭に工場航行試験の第2段階へ入ります。
海軍への御引き渡しは、今年12月になります」

彼は話した。

ポノマリョフによると、12月に『北方造船所』は更に、コルベット「グレミャーシチー」支援船「フセヴォロド・ボブロフ」海軍への引き渡しを計画している。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(海軍元帥カサトノフ)は、第2のプロジェクト22350艦(最初の生産艦)である。
2018年7月、同タイプのトップ艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)海軍へ加入した。
『北方造船所』は、更に2隻の同シリーズのフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥イサコフ)を建造している。

プロジェクト22350艦は、ロシア連邦海軍最新鋭フリゲートである。
それは4500トンの排水量を有し、29ノットの速力を発揮できる。
兵装の構成には、ミサイル複合体「オーニクス」及び「カリブル」、更には高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」が含まれている。



[プロジェクト22350フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

『北方造船所』は、2016年1月13日の時点で「アドミラル・カサトノフ」の完成度は81パーセントと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・フロータ・カサトノフ"は81パーセント完成している]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」垂直発射機3S-14UKSKを指しています。
[汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSK]

その後も艤装工事は進められ、2018年2月初頭の時点では完成度98パーセントでした。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート2番艦アドミラル・フロータ・カサトノフは98パーセント完成している]


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

次の航行試験は、2019年3月末~4月初頭に始まります。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2回目の洋上試験の準備を始めた]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年にロシア海軍へ引き渡される]


この他、同じく『北方造船所』で建造中のプロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」も、今年12月にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
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[プロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]

更に、同じく『北方造船所』で建造中のプロジェクト23120後方支援船の2番船「フセヴォロド・ボブロフ」(2013年12月19日起工、2016年11月14日進水)も、今年12月にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
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ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国へ行く

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年3月21日14時24分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は中国海軍パレードへ参加する】

(2019年)4月、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、中国人民解放軍海軍の観艦式へ参加する為に中国へ到着する。
海軍の情報筋は『Mil.Press FlotProm』へ話した。
この情報は、ロシア側からも、中国側からも未だ公式の確認は取れていない。


3月21日・木曜日未明、艦はスエズ運河を通過して紅海へ入り、遠距離航海計画に沿って任務を遂行すると『Mil.Press FlotProm』北方艦隊広報サービスより伝えられた。

『マリントラフィック』サイトによると、「ゴルシコフ」に随伴している海洋曳船「ニコライ・チケル」は、現在、紅海の基礎部分に居る。

部門の情報提供者は、「アドミラル・ゴルシコフ」は更に、ロシア戦闘艦購入国を含むアジア諸国の港を訪問すると予測した。
その中には、インド、ベトナム、その他の国がある。


3月20日、ロシア軍当局は、「ゴルシコフ」、「チケル」大型対潜艦「セヴェロモルスク」地中海中央部分で合同訓練を行なったと伝えた。

[Mil.Press FLOT参照]
有翼ミサイル「カリブル」
装備のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」率いる支隊の構成には、後方支援船「エリブルス」、救助曳船「ニコライ・チケル」、中型海洋給油船「カーマ」が加わっている。
3月12日、彼らはジブラルタル海峡を越えて地中海へ入った。
「アドミラル・ゴルシコフ」の初めての遠距離航海は2月26日に始まった。

2018年4月12日、中国人民解放軍海軍は、南シナ海で海軍パレードを行なう。
これには48隻の艦、76機の航空機及びヘリコプター、更には1万人以上の軍事船員が参加する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。

2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
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『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
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『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】



2019年2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、「エリブルス」及び「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]
2月初頭の演習は、この遠距離航海の為のリハーサルだったようです。

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
(ただし、3月21日の時点で「カーマ」のみは未だスエズ運河へ入っていない)
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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今後の「アドミラル・ゴルシコフ」の行動予定は公表されていませんが、中国へ向かうようです。
「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年4月23日に行なわれる中国人民解放軍海軍創設70周年記念観艦式へ参加するようです。
『人民網日本語版』より
2019年3月1日17時38分配信
【国防部、海軍創設70周年記念日に国際海軍行事】

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月21日14時8分配信
【北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は紅海へ入った】

本日、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」、多機能物資-技術サービス支援船「エリブルス」、救助曳船「ニコライ・チケル」で構成される北方艦隊艦・支援船支隊は、スエズ運河経由での地中海から紅海への移動を完了した。

船舶航行が集中する条件下でのフリゲート及び支援船の操艦の安全を保障する基礎的任務による北方艦隊支隊運河通航には数時間を費やした。

航行時にフリゲートは対水中工作防衛の問題へ取り組み、対テロリストへ指向される活動を行なった。

北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して以来、ロシア船員は5900海里以上を航行した。

今後、北方艦隊支隊は、遠距離航海計画に沿って紅海水域で行動する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』で2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。

2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
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『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
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『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】



2019年2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、「エリブルス」及び「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]
2月初頭の演習は、この遠距離航海の為のリハーサルだったようです。

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
(ただし、3月21日の時点で「カーマ」のみは未だスエズ運河へ入っていない)
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今後の「アドミラル・ゴルシコフ」の行動予定は公表されていませんが、中国へ向かうという話も出ています。
ブログ『作るのは我々』より
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は中国へ行く】

「アドミラル・ゴルシコフ」は、今年4月23日に青島で行なわれる中国人民解放軍海軍創設70周年記念観艦式へ参加するとの事です。
『人民網日本語版』より
2019年3月1日17時38分配信
【国防部、海軍創設70周年記念日に国際海軍行事】

ヤーセン-M級原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは2020年にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2019年3月20日21時31分配信
【第2のプロジェクト「ヤーセン-M」多目的原子力潜水艦は2020年に引き渡される】
クビンカ/モスクワ州、3月20日/タス通信

『統合造船業営団』ロシア海軍へ第2の近代化されたプロジェクト885M「ヤーセン-M)原子力潜水艦を2020年に引き渡し、作業はスケジュール通りに進んでいる。
水曜日、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは、『愛国者』公園での『統合造船業営団』科学-業務代表者会議において発表した。

「この先は、全てスケジュール通りに進みます。
今日、トップ艦よりも遥かに良い進み具合です」
ラフマノフ
は質問に答え、2020年には近代化されたプロジェクト885M潜水艦の最初の生産艦を引き渡すと話した。

近代化されたプロジェクト「ヤーセン-M」のトップ艦~原子力潜水艦「カザン」は、現在、試験を行なっており、『統合造船業営団』は2019に海軍へ引き渡すつもりである。
これは、潜水艦の試験時期が延びたが為に、2018年には実現できなかった。

「我々は、昨年の試験プログラムが挫折した事を残念に思っておりますが、我々は、それ(カザン)を今年に御引き渡しするだけです」
ラフマノフ
は記者団へ強調した。

原子力潜水艦「カザン」は、最初の改善されたプロジェクト885M(ヤーセン-M)多目的原子力潜水艦であり、2017年3月31日に進水した。
潜水艦は、既に同シリーズ潜水艦のトップ「セヴェロドヴィンスク」が勤務している北方艦隊へ加入する予定である。



[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦 ]

プロジェクト885原子力水中巡洋艦「ヤーセン」シリーズの3番艦K-573「ノヴォシビルスク」(プロジェクト885M「ヤーセン-M」としては2隻目)は、2013年7月26日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工されました。
[ヤーセン級多用途原潜3番艦ノヴォシビルスクは起工された]



起工後、まず船体の製造作業が進められ、2014年8月には船体の水圧試験が行なわれました。
[ヤーセン級多用途原潜ノヴォシビルスクの船体の水圧試験が行なわれた]

その後の工事進捗状況は公表されていませんが、今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、第2の「ヤーセン-M」、即ち「ノヴォシビルスク」は2020年のロシア海軍への引き渡しが予定されていると明言しました。

ラフマノフ氏は、それ以上の事は言っていませんが、おそらく「ノヴォシビルスク」の進水は今年(2019年)になるでしょう。

ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドン及び搭載潜水艦の洋上試験は2020年末頃までに完了する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月20日11時13分配信
【「ポセイドン」の試験は約2年掛かると情報筋は伝えた】
モスクワ、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

「ポセイドン」システムと最初の搭載艦であるプロジェクト949A潜水艦の完全なサイクル試験には約2年掛かる。
水曜日に『ロシア通信社ノーボスチ』は情報筋より伝えられた。

以前、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは、「ポセイドン」搭載潜水艦が今年春に進水する事を『ロシア通信社ノーボスチ』へ確認した。

「この約2年で、潜水艦及び無人機ポセイドン自体の合同試験が行なわれます」
情報提供者は話した。

彼は、運用潜水艦としてプロジェクト949A「アンテイ」(元「ベルゴロド」)の改造が提示され、現在、工場『セヴマシュ』で艤装が行なわれていると説明した。

将来原子力無人機「ポセイドン」の開発は、昨年(2018年)の連邦教書演説でプーチンが初めて公表した。
大統領によると、この無人機は、通常または核弾頭を装備でき、航空母艦グループ、沿岸防御施設及びインフラストラクチュアを含む広範囲の目標の撃破が可能である。



[大洋多目的システム「ポセイドン」]

2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】

この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】


プーチン大統領教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]

コロリョーフ提督は、この原子力推進「無人水中装置」「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。

この「大洋多目的システム」は、以前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。

これは、2015年11月10日のプーチン大統領ロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】


大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器です。
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その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】

その結果、原子力無人水中装置「ポセイドン」と命名されました。

その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。


大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]

「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]

大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]



「ポセイドン」の動力となる原子力機関の海上での試験は2018年後半に始まりました。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている]
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの水中試験は始まっている]

具体的な試験実施場所は明らかにされていませんが、おそらくはアルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場でしょう。
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「ポセイドン」の水中速力は時速200キロメートル(約110ノット)以上になり、ソヴィエト連邦時代に開発された超高速ロケット魚雷「シクヴァル」と同様のスーパーキャビテーション技術が使われるようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの水中速力は110ノット以上となる]

ロシア海軍は、「ポセイドン」北方艦隊太平洋艦隊へ配備します。
[ロシア海軍は合計32基のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを太平洋艦隊と北方艦隊へ配備する]

2019年2月2日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「ポセイドン」の試験の最も重要な段階が完了したと述べました。
それ以上具体的な事には言及していませんが、おそらくは、動力となる原子力推進装置に関する試験でしょう。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの試験の重要な段階が完了した]

「ポセイドン」は完全自立制御システムを有する一種の水中ロボットであり、敵の対潜防御線や機雷源なども回避できるとの事です。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンは自立して敵の防護システムを回避できる]


「ポセイドン」の動力となる原子力推進装置の水中試験において、その所定性能~事実上無制限の航続距離と時速200キロメートル(110ノット)以上の最大速力は確認されました。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの原子力推進装置の所定性能が確認された]

2019年夏から「ポセイドン」の工場航行試験~本格的な洋上試験が始まります。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの航行試験は2019年夏に始まる]

2019年2月下旬、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「ポセイドン」を搭載可能な原子力潜水艦が今年(2019年)春に進水すると述べました。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドン搭載原潜は2019年春に進水する]

これはプロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(2012年12月20日再起工)を指しています。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを搭載する]


「ベルゴロド」が進水し、洋上試験を実施できるようになれば、同艦自体の航行試験と共に、「ポセイドン」の運用試験も行われるようです。

今回の記事に登場する情報提供者は、試験は「約2年」掛かると言っていますから、だいたい2020年末頃までになるでしょう。

極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2023年にロシア海軍へ制式採用される

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『タス通信』より
2019年3月20日18時27分配信
【ミサイル「ツィルコン」は2023年に(ロシア)海軍へ軍備採用される】
モスクワ、3月20日/タス通信

ロシア最新の極超音速ミサイル「ツィルコン」海軍へ軍備採用され、艦及び潜水艦での戦闘当直へ置かれるのは2023年に計画されている。
『タス通信』は水曜日にロシア連邦防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「標準海上搭載艦におけるツィルコンの国家受領試験の完了は2022年に計画されており、2023年にはミサイルは軍備採用され、戦闘当直へ置かれます」
対談者は話した。

情報提供者は、「ツィルコン」は、プロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲート重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」及び「ピョートル・ヴェリキー」「ヤーセン」型潜水艦、建造が計画されている「リデル」型原子力駆逐艦を含む全ての新型及び近代化される水上艦及び原子力潜水艦への装備が予定されている事を指摘した。

『タス通信』は、情報提供者より提示された情報を公式に確認していない。

以前、『タス通信』が他の情報提供者より伝えられたように、今日までミサイルの一連の試験は沿岸試験台で実施されていたが、2019年には、標準海上搭載艦の1つであるプロジェクト22350「アドミラル・ゴルシコフ」からの初めての射撃が計画されている。
2020年には、プロジェクト885M多目的原子力潜水艦「カザン」ミサイルの試験が始まる。

2月20日にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン連邦教書演説で述べたように、新たなロシア極超音速ミサイル「ツィルコン」は、約マッハ9の速度の発揮が可能であり、その射程は1000km以上となる。
国家元首は、「ツィルコン」は海上の、そして地上の目標の撃破が可能である事を指摘した。
大統領は更に、新たなミサイルは、既に製造あるいは建造されているミサイル兵器複合体「カリブル」を有する及び潜水艦への適応が見込まれている事を指摘した。



極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ5~マッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれている「ツィルコン」ですが、2019年末には北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により初の海上発射試験が行なわれます。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

潜水艦(水中)からの発射試験は、2020年に最新鋭の原子力水中巡洋艦K-561「カザン」(2019年末に就役予定)で行なわれる事になるようです。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2020年に原子力水中巡洋艦カザンで水中からの発射試験を行なう]


「ツィルコン」の海上での発射試験は2022年末までには完了し、2023年にはロシア海軍の軍備として採用されます。


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲート、プロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。


この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]

更に、今後に大規模な近代化改装が行なわれる同型艦の「ピョートル・ヴェリキー」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備するかもしれない]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない

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『タス通信』より
2019年3月19日18時43分配信
【『統合造船業営団』は「アドミラル・クズネツォフ」の修理後の引き渡しが3~4ヶ月遅れる可能性を排除しない】
モスクワ、3月19日/タス通信

修復される航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」海軍への引き渡しは2021年に計画されているが、3~4ヶ月遅れる可能性もある。
火曜日、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは報道機関へ伝えた。

「我々には、3~4ヶ月間の猶予期間が有ります。
ですが、海軍への艦の御引き渡しは2021年に計画されております」
ラフマノフ
は話した。

彼は、航空母艦は、今、ムルマンスク『第35艦船修理工場』で作業を行なっており、この為に工場は乾ドックを近代化すると付け加えた。

2018年4月、造船所ロシア連邦国防省重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理契約へ署名した。
その後、この当時はロシア連邦海軍副総司令官の職責に従事していたヴィクトール・ブルスクは、ロシア唯一の航空母艦の修理作業は2018年5月から始まり、2021年に海軍は更新された艦の受領を望んでいると述べた。

艦は、2018年10月30日未明にムルマンスクで異常事態により沈んだ浮きドックPD-50から進水する際に損傷を受けた。
クレーンが落下した結果、艦は飛行甲板に損傷を受け、現在は第35艦船修理工場に居る。
その後、ラフマノフ『タス通信』へ、事故の結果、「クズネツォフ」は計52ヶ所に損傷を受け、その除去には7000万ルーブルの費用が掛かると伝えた。
彼によると、巡洋艦の修理完了は2020年末に、試験開始は2021年に計画されている。
艦の海軍への引き渡しは、2021年半ばに計画されていると『統合造船業営団』のトップは説明した。

航空巡洋艦は近代化の際に新たな対空防衛システム、特に「パーンツィリ-M」を受け取る。
この他、動力設備も交換され、新たなボイラー、一連の新たなポンプ、そして新たな飛行支援システム:着艦、観測、管理などのシステムが設置される。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
現在、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長するなどの近代化改装が行なわれています。

近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換されます。

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

2018年7月下旬から「アドミラル・クズネツォフ」ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

「アドミラル・クズネツォフ」は、まず始めに蒸気タービン機関の修復を行ないます。
(8基のボイラーは全て交換し、タービンエンジンはリビルド)
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、ボイラー交換工事の準備を行なっています。
(9月2日の時点で飛行甲板上に新品のボイラーが確認できる)
【Capt(N)氏のツイート(2018年9月3日21時38分)】

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造された高圧ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年秋にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年9月中旬にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]


2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業は第35艦船修理工場の岸壁で続けられますが、現段階での作業は艦内で実施されるものが殆どであり、飛行甲板上に「障害物」が横たわっていても関係無いようです。
[浮きドックPD-50の沈没事故は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの修理作業を妨げない]

一方、「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

10月30日の浮きドック事故で「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]

契約では、「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業の完了期限は、2022年第4四半期、つまり、同年10月~12月となっています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2022年末までの完了が予定されている]
ただ、現在の所は、この期限よりも早い2021年末頃までには完了できる見込みのようですが。

「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]

そして2019年3月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。

3~4ヶ月遅れるかもしれない理由をラフマノフ氏は明らかにしていませんが、「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事を行なっている『第35艦船修理工場』の乾ドックを近代化すると言っているので、これに関連するのかもしれません。
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現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有ります。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
これが実行に移される事になるようです。


近代化改装後の「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機MiG-29K/KUB(2013年~2015年に納入)が「主力」となり、同機を完全に運用する為、同艦の航空機運用システムが更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの主力艦戦はMiG-29K/KUBになる]

さらに将来的には、既に開発作業が始まっているヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機が搭載される事になるでしょう。
[ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機]