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ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は太平洋西部で捜索救助演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月30日14時36分配信
【北方艦隊の艦・支援船支隊は太平洋西部で捜索-救助支援演習を実施した】

本日(5月30日)、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」率いる北方艦隊艦・支援船支隊は、太平洋西部で捜索-救助支援演習を実施した。

演習には、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」、多機能物資-技術サービス支援船「エリブルス」、中型海洋給油船「カーマ」、救助曳船「ニコライ・チケル」の乗組員が関わった。
組織的捜索-救助活動の主な役目は、救助曳船「ニコライ・チケル」の乗組員と、フリゲート艦上の捜索救助ヘリコプターKa-27が務めた。

演習計画により、北方艦隊部隊の前には、海域で仮想遭難した船に援助を与える課題が有った。

遭難船の座標を明確化する為、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」の艦上から捜索救助ヘリコプターKa-27が飛行を行なった。
仮想事故現場へ到着したヘリコプター乗員は、捜索救助作戦本部が置かれている支隊旗艦へ座標を転送した。

ヘリコプター乗員は更に、遭難した人員を水面から引き上げる課題へ取り組んだ。
同様の課題は、指定海域へ到着した救助曳船「ニコライ・チケル」の乗組員も遂行した。
高速モーターボートBL-80が水上へ発進し、短時間で曳船へ仮想被災者を送り届けた。

北方艦隊艦船支隊は、2月26日にセヴェロモルスクから遠距離航海へ出発した。
距離航海開始以来、支隊の艦船は21800海里以上を航行した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」にとって、これは、その歴史上初めての航海となる。
航海中にフリゲートジブチ港及びコロンボ港への業務寄港を行ない、更には中国人民解放軍海軍70周年へ捧げられる記念行事へ参加した。




2019年2月26日、ロシア北方艦隊1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)(2018年7月28日就役)は、多機能後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]
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3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった]

4月1日にはインド洋(随伴船の位置から推察すると、正確にはアラビア海ソコトラ島東方海域)で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はアラビア海で対空戦闘訓練を行なった]
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4月3日、「アドミラル・ゴルシコフ」スリランカコロンボ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを訪れた]

4月6日、「アドミラル・ゴルシコフ」コロンボ港を出航し、中国青島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを去り、中国へ向かった]

4月11日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマラッカ海峡へ入った]
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4月13日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南シナ海へ入った]

4月16日にはフィリピン海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィリピン海へ入った]
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4月20日に黄海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は黄海へ入った]

4月21日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国の青島港へ到着した]

4月23日には中国人民海軍創設70周年記念国際観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国への公式訪問を続けている]

4月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島を出航し、ウラジオストクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国を去り、ウラジオストクへ向かった]

4月28日に対馬海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は対馬海峡へ入った]

5月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はウラジオストクへ到着した]

5月7日、「アドミラル・ゴルシコフ」ウラジオストク金角湾第33埠頭を離れ、ウラジオストク西岸のアムール湾へ移動しました。
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5月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利74周年記念行事へ参加した後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は5月10日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中部太平洋へ向かった]
(ただし、給油船「カーマ」はそれよりも前に出航し、5月8日に津軽海峡を通過して太平洋へ入っている)

5月11日に津軽海峡を通過して太平洋へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年5月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は太平洋を東進し、5月15日にはハワイ諸島付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ沖へ到達した]
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その後も「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はハワイ諸島周辺海域に留まり、5月24日にはハワイ諸島南東海域で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ南東沖で対潜演習を行なった]

5月30日には、太平洋西部で捜索救助演習を実施しました。
ただし、今回の演習の「主役」は救助曳船「ニコライ・チケル」でしたが。
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ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリの浮きドックへ入った

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月31日11時41分配信
【潜水艦「アルローサ」はドックへ移動した】

5月末、プロジェクト877V(コード名「パルトゥス」)ディーゼルエレクトリック潜水艦「アルローサ」は、第13艦船修理工場のドックへ移動した。
『Mil.Press FlotProm』は、2014年夏からディーゼルエレクトリック潜水艦を修理していた同社の情報提供者より伝えられた。


艦隊の情報提供者は、この情報を確認し、ドック入渠は秋まで続くと説明した。

修理を完了した後、ディーゼルエレクトリック潜水艦は、バルト艦隊へ回航して勤務を続ける為に試験が必要である。

『Mil.Press FlotProm』の対談者によると、これは今年末までに実行されなければならない。
このような概要のクリミアの企業は、全てに先駆けて第13艦船修理工場が、その艦船修理複合体を復旧していると彼は付け加えた。

「第13艦船修理工場は、黒海艦隊の艦船の整備サービス及び修理プログラムを実現する為の発注が割り当てられている唯一の履行者です。
アルローサは、このタイプのディーゼルエレクトリック潜水艦の修理プロジェクトの試験版です」

情報提供者は要約した。

バルト海「アルローサ」バルト艦隊の戦闘訓練任務へ従事し、更には『アドミラルティ造船所』及び沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造される受注品の試験及び就役を支援する。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
ディーゼルエレクトリック潜水艦「アルローサ」
は、1988年5月17日にニジニノヴゴロド造船所『クラースノエ・ソルモヴォ』で起工された。
1989年9月10日に進水し、1990年12月30日に就役した。
2004年1月、1997年から潜水艦を後援している同名の株式会社に敬意を表し、「アルローサ」の名を受けた。

水上排水量-2300トン、水中排水量-3950トン、全長-76.2メートル、船体最大幅-9.9メートル、中間吃水-6.2メートル。
水上速力-10ノット、水中速力-17ノット。
作業潜航深度-240メートル、限界潜航深度-300メートル。
自立航行期間-45日。乗組員-52名。

兵装-6門の533mm魚雷発射管、18基の魚雷あるいは24基の機雷。

「アルローサ」は、最近にプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」潜水艦が引き渡されるまで、長期に渡り、黒海艦隊で唯一の戦闘可能な潜水艦であった。
「アルローサ」と他のプロジェクト877潜水艦の主な相違点の1つは駆動複合体に有り、古典的なスクリュー推進器に代わりウォータージェットノズルが提供されている。



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ロシア黒海艦隊潜水艦B-871「アルローサ」(1990年12月1日就役)は、2014年6月からセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」は、2016年4月18日までに『第13艦船修理工場』の浮きドックへ入渠しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは浮きドックへ入った]

その後、浮きドックを出渠し、『第13艦船修理工場』の岸壁に係留されています。

「アルローサ」の近代化改装作業の完了時期は何度も延期され、2017年末の完了予定も実現しませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する]

2014年から2016年に掛け、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦6隻が就役した為、黒海艦隊にとっては、「アルローサ」の復帰を急ぐ必要性は無くなっています。
[プロジェクト06363潜水艦]

今や黒海艦隊では持て余されている「アルローサ」ですが、今度はバルト艦隊へ転属させるという話が出てきました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはバルト艦隊へ転属する]

『第13艦船修理工場』の岸壁に係留されていた「アルローサ」でしたが、2019年5月末に同社の浮きドックへ入りました。

「アルローサ」の近代化改装作業の完了は2019年に予定されており、その後、バルト海へ回航されます。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサの近代化改装は2019年に完了する]


現在、ロシア海軍に在籍するプロジェクト877潜水艦は計14隻です。

[北方艦隊]
B-808「ヤロスラヴリ」(1988年就役)
B-800「カルーガ」(1989年就役)
B-459「ウラジカフカース」(1990年就役)
B-471「マグ二トゴルスク」(1990年就役)
B-177「リぺツク」(1991年就役)

[太平洋艦隊]
B-394「ヌルラト」(1988年就役)
B-464「ウスチ・カムチャツスク」(1990年就役)
B-494「ウスチ・ボリシェレツク」(1990年就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年就役)
B-190「クラスノカメンスク」(1992年就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年就役)

[バルト艦隊]
B-227「ヴィボルグ」(1983年就役)
B-806「ドミトロフ」(1986年就役)

[黒海艦隊]
B-871「アルローサ」(1990年就役)


これらの潜水艦の大半は、順次寿命延長改修工事が行なわれ、暫くの間は現役に留まります。

この他、2014年からは改良型のプロジェクト06363潜水艦が6隻就役しています。
[黒海艦隊]
B-261「ノヴォロシースク」(2014年就役)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年就役)
B-262「スタールイ・オスコル」(2015年就役)
B-265「クラスノダール」(2015年就役)
B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年就役)
B-271「コルピノ」(2016年就役)


今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造され、2019年~2021年に就役する予定です。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]

近代化改装される大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは2021-2022年にロシア海軍へ復帰する

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『タス通信』より
2019年5月30日21時17分配信
【対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は2021-2022年にロシア連邦海軍へ復帰する】
サンクトペテルブルク、5月30日/タス通信

近代化が行なわれているプロジェクト1155大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021-2022年に海軍へ復帰する。
ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、報道陣へ予測を示した。

「プロジェクト1155大型対潜艦~これは非常に良好な航海性能の艦であり、当時は良好な兵装でしたが、今日においては近代化が必要です。
近代化は既に始まっており、それは完璧に進行しております。
試験プロジェクトである太平洋艦隊のシャーポシニコフは、2020年以降を目指しており、2021~2022年には完全に近代化され、海軍の戦闘編制へ再び加入します」
トリャピチニコフ
は話した。

彼によると、今、艦は最新兵器複合体への再装備を行なっている。
「僕が思いますに、これは、何時も、バランスの取れた良好なプラットフォームである事が示されてきました。
新たな兵装構成により、この艦は、今後も用途上の任務を遂行するでしょう」
トリャピチニコフ
は述べた。

更に、他のプロジェクト1155艦も今後に近代化を始めるのかという記者の質問に答え、彼は、当初、海軍の指導部は、「マルシャル・シャーポシニコフ」の作業の結果を分析するつもりだった事を指摘した。
「当初は、シャーポシニコフの様子を見るつもりでしたが、現在、北方艦隊及び太平洋艦隊に在籍する全ての艦を徐々に近代化する事になりました」
トリャピチニコフ
は話した。

大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1980年代半ばに建造された。
2013年には太平洋艦隊艦船支隊の一員としてアデン湾での対海賊当直に就き、2014年には4ヶ月以上に渡り太平洋及びインド洋で勤務に就いた。
現段階では、修理及び近代化が行なわれている。

プロジェクト1155艦の排水量は7000トンを超えており、最大速力は32ノットに達し、航行距離は5000海里である。
1980年代、このような艦は合計で10隻以上建造された。



太平洋艦隊に所属するプロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」(1986年2月2日就役)は、2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されています。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されます。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]
「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)は、「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に設置されるようです。

この他、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も装備されるようです。
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ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
2基の3S-14モジュールとの事ですから、計16基の発射機が設置されるようです。

2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]
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その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]
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「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2019年中に航行試験を開始する予定です。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」の再就役は、2021年末~2022年初頭になるようです。


そして今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、現在、北方艦隊及び太平洋艦隊に在籍する全てのプロジェクト1155大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」と同様の近代化改装を行なうと発言しました。

現在、ロシア海軍には、プロジェクト1155大型対潜艦8隻と、改型のプロジェクト11551大型対潜艦1隻が在籍しています。

[北方艦隊]
「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」(626):1982年2月9日就役
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「セヴェロモルスク」(619):1987年12月30日就役
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「アドミラル・レフチェンコ」(605):1989年5月1日就役
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「アドミラル・ハルラモフ」(678):1990年4月1日就役、予備役
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「アドミラル・チャバネンコ」(650、プロジェクト11551):1999年1月28日就役
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[太平洋艦隊]
「アドミラル・トリブツ」(564):1986年2月15日就役
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「マルシャル・シャーポシニコフ」(543):1986年2月15日就役
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「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572):1989年5月1日就役
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「アドミラル・パンテレーエフ」(548):1992年5月1日就役

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太平洋艦隊「アドミラル・トリブツ」は、2014年から2016年7月まで限定的な近代化改装(電子機器類の交換のみ)を行ないました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

北方艦隊「アドミラル・チャバネンコ」も2014年から近代化改装を行なってますが、完了は2023年頃になるようです。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]

他の艦も2020年代に近代化改装が行なわれるようです。

ロシア海軍の新型コルベット・プロジェクト20386はプロジェクト11356フリゲートを代替する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月30日13時52分配信
【プロジェクト20386コルベットはプロジェクト11356フリゲートに完全に代わるものとなる】

ロシア海軍の一員となるプロジェクト20386コルベットは、プロジェクト11356フリゲートを完全なボリュームで代替できる。
5月30日・木曜日、海軍造船・兵装・運用管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフは、プロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」進水式典において『Mil.Press FlotProm 』へ話した。


多目的コルベット・プロジェクト20386は、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
これは、近海及び遠海ゾーンにおける戦闘行動、海上交通線及び海上経済活動施設の保護の為に意図されている。

艦の排水量は3400トン(全長109メートル)、兵装は100mm砲A-190-01、2基の30mm砲AK-630M高射ミサイル複合体「リドゥート」、2基の対潜複合体「パケート-NK」発射装置高精度有翼ミサイル「カリブル-NK」(或いは対艦ミサイル「ウラン」)である。
更に、コルベットには、ヘリコプターKa-27或いはKa-29が駐留できる。

プロジェクト20386のトップ艦は、2016年9月28日に『北方造船所』で起工された。
当初は「ジェルズキー」と命名されていたが、2019年に軍はコルベットを、ロシアブリッグに敬意を表して「メルクーリイ」への改名を決定した。
それは2021年春の進水が計画されている。

現在、ロシア海軍では、3隻のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」が勤務に就いている。
同プロジェクトの第2の3隻の艦の建造は、ウクライナの企業『ゾーリャ機械設計』からのガスタービン動力装置の供給が中断した後、凍結された。

プロジェクト11356フリゲートの排水量は4000トン、速力30ノット、自立航行期間30日。
兵装の構成には、口径100mmのA-190砲高射ミサイル及び高射複合体、魚雷、対潜攻撃手段、更には高精度長距離有翼ミサイル「カリブル-NK」が含まれる。
艦には、艦上ヘリコプターKa-27或いはKa-31が駐留する。



[プロジェクト20386コルベット]
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]

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プロジェクト20380/20385コルベットの更なる改良発展型であるプロジェクト20386の1番艦「ジェルズキー」Дерзкий(建造番号1009)は、2016年10月28日にサンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
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[ロシア海軍の新世代コルベット"ジェルズキ―"は起工された]


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プロジェクト20386の満載排水量は3400トンになり、以前のプロジェクト20380/20385よりも1000トン以上増加しています。

航続距離も20380/20385より延びて5000海里となり、速力も30ノットに増加、乗員は80名に減少しています。

機関はガスタービン電気推進システムが採用されます。
[ロシア海軍の新世代コルベット・プロジェクト20386はガスタービン電気推進システムを装備する]

プロジェクト20386は、10隻以上の建造が計画されています。
[ロシア海軍は新世代コルベット・プロジェクト20386を10隻以上建造する]

この内、1番艦「ジェルズキー」を含む3隻は2025年までの就役が予定されています。
[2025年までに3隻のプロジェクト20386(ジェルズキー型)コルベットがロシア海軍へ就役する]

「ジェルズキー」ロシア海軍への引き渡しは、2021年末~2022年初頭に予定されています。
[プロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキーは2021年末~2022年初頭にロシア海軍へ就役する]


「ジェルズキー」の名で起工されたプロジェクト20386コルベット1番艦ですが、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。
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[ロシア海軍のプロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキーはメルクーリイに改名される]

2019年4月23日、「ジェルズキー」改め「メルクーリイ」の船体は接合されました。


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プロジェクト20380コルベットの拡大発展型として計画された20386ですが、最近では、ロシア海軍向けの調達が3隻で終了したプロジェクト11356フリゲートに代わるものと見なされているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト11356Rフリゲートは3隻で終了する]
[ロシア海軍向けだった3隻のプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦3隻はインドへ売却された]

ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは進水した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月30日12時33分配信
【第3の「アレクサンドリト」型掃海艦は進水した】

5月30日・木曜日、12時3分、『中部ネヴァ川造船工場』で、ロシア海軍の為の次の掃海艦の進水式典が始まった。
『Mil.Press FlotProm』記者は現地より報告した。
「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、第3のプロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト)対機雷防衛艦である。


式典には、労働者、設計者、業界企業及び海軍の代表が出席した。

造船、兵装及び運用管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフは、海軍総司令官に代わって造船所の従業員を祝福した。
「工場は素晴らしいリズムに達しておりますが、我々は、それでも不足であると考えております。
1年に2隻の艦を納入する事が必要であります。
そして近い将来には3隻を」
彼は付け加えた。
彼によると、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、2019年末までには海軍へ補充されなければならない。

『中部ネヴァ川造船工場』総取締役ウラジーミル・セレドホは、艦の進水が起工後2年を経て実施された事を指摘した。
掃海艦は、工場を強く印象付ける事に成功した『中部ネヴァ川造船工場』の指導者に敬意を表して命名された。
「我々は、以前の工場の作業全てを越えるリズムへ入りました」
ウラジーミル・セレドホ
は話した。

「これは、もはや掃海艦に非ず、対機雷防衛艦です」
中央海洋設計局『アルマーズ』
の指導者アレクサンドル・シリャフテンコは強調した。
「それは、完全に他の能力を持っています」
彼は、プロジェクト12700の9隻の生産艦は、一連の改正と完全に新たな性質を得る事を明らかにした。

「ウラジーミル・イェメリヤノフ」艦長には、マクシム・スミルノフ3等海佐が任命された。
その副長アレクサンドル・ピリプチュク大尉は、50名の乗組員は完全に形成され、5月20日から海軍第907訓練センターで研修を行なっていると『Mil.Press FlotProm』へ話した。
特に、船員は国内製の無人艇に習熟する。
研修は7月20日に完了する。

掃海艦の係留試験は6月に計画されている。
8月には最初の出航を行なわなければならない。

掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工された。
その時点で、同艦は、トップの「アレクサンドル・オブホフ」、「ゲオルギー・クルバトフ」、「イワン・アントノフ」の後のプロジェクト12700の4番艦と見なされていた。
その後、建造中の掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」の艦上で火災が発生し、その結果、艦の引き渡し時期は延期された事により、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、実質的にはロシア海軍へ引き渡される第3の「アレクサンドリト」となった。

2017年春、『中部ネヴァ川造船工場』指導者は、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」が2018年末に就役する事を承認した。
2019年5月21日、黒海艦隊の代理人は、以前に登場した掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」
黒海艦隊への引き渡し時期は延期され、2020年初頭になったことを確認した。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
複合材料のプロジェクト12700掃海艦の排水量は約890トン、速力は16.5ノット、開発者は中央海洋設計局『アルマーズ』である。
基本的な用途は、海軍基地海域での機雷の捜索と破壊である。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置するが、従来の掃海兵装も使用できる。
「アレクサンドリト」無人艇を装備する。

2018年4月、ロシア海軍の為に、「アレクサンドリト」シリーズ8隻に代わって10隻が承認された。
その最後の掃海艦の引き渡しは、8年を経た後の2027年である。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦が建造されていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなります。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2017年4月20日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフはサンクトペテルブルクで起工された]

2019年4月2日に屋内造船台より出渠しました。

[ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは屋内造船台から出渠した]

2019年5月下旬までに黒海艦隊の将兵で乗組員が編成され、サンクトペテルブルクで研修を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月20日13時1分配信
【黒海艦隊は掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の乗組員を形成する】

2019年5月30日、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は進水しました。
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「ウラジーミル・イェメリヤノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末~2020年前半に予定されています。
就役後は黒海艦隊へ編入されます。


プロジェクト12700掃海艦は、現在までに6隻が起工され、2隻がロシア海軍へ引き渡されています。

1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続の3番艦が先に就役しました。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]

6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

2019年に起工される7番艦は、2017年5月に死去した元ロシア海軍中将アナトーリー・シレモフ氏の名前が付けられるようです。

ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年5月29日16時40分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は次の段階の試験の為にバルト海へ出航した】

ロシア海軍の為に企業『北方造船所』(サンクトペテルブルク)で建造されている最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は、バルチースクで物資を補充した後、バルト艦隊射爆場で実施される工場航行試験の次の段階の為に出航した。

艦の乗組員と工場の試験実施チームは、様々なモードでの主動力装置の機能と航行速力を点検する。
更に、艦の投錨機器、一連の居住保障システムの試験を行なう。

以前、工場航行試験の最初の段階中、発電システム、フェイルセーフシステム、電波工学兵装、通信、換気及び空調装置の自動動作が点検され、更には艦の速力、機動性、安定性が示された。

艦の乗組員は、以前に海軍統合研修センターで、最新の研修プログラムによる複合訓練を行なっている。

プロジェクト22350フリゲート遠海ゾーン艦であり、高精度兵器を搭載する。
それは、単独で、そしてロシア海軍の様々なグループの一員としての効果的な活動が可能である。

この艦は5000トンの排水量を有し、全長135メートル、幅16メートル、約30ノットの速力を発揮でき、自立航行期間は30日、乗組員は約200名である。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

『北方造船所』は、2016年1月13日の時点で「アドミラル・カサトノフ」の完成度は81パーセントと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・フロータ・カサトノフ"は81パーセント完成している]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。

その後も艤装工事は進められ、2018年2月初頭の時点では完成度98パーセントでした。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート2番艦アドミラル・フロータ・カサトノフは98パーセント完成している]


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

バレンツ海でロシア海軍北方艦隊の大演習が始まった

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『タス通信』より
2019年5月29日19時57分配信
【北方艦隊の大規模演習がバレンツ海で始まった】
モスクワ、5月29日/タス通信

15隻の艦が関わり、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生が参加する北方艦隊の多種戦力演習はバレンツ海で始まった。
水曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「演習実施中、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生は、北方艦隊の多種部隊の海上での組織的統制を示す実地活動、更には、海上への打撃部隊の展開の為に適用される対機雷保障、対潜及び対空防衛の基礎的要素へ参加します」
艦隊は伝えた。

演習自体は5つのエピソードで構成される:仮想敵工作員の攻撃の撃退、打撃戦力展開の為の水域防護、艦船グループと対潜航空隊による合同での潜水艦捜索及び破壊、敵の空中攻撃手段を撃退する海上での組織的対空防衛、海上での遭難者の救助。

演習には、北方艦隊の15隻の水上艦、潜水艦、支援船、更には航空・防空軍航空機及びヘリコプターが関わる。
展開段階では、基地掃海艦「エリニヤ」及び「コロムナ」が、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、小型ロケット艦「アイスベルク」で構成される艦船支隊の駐留所から海上への出航を保障し、対機雷保護を行なう。

次のエピソードでは、潜水艦の捜索及び仮想破壊が提示される。
「小型対潜艦ユンガとブレストで構成される捜索打撃艦グループは、対潜航空機Il-38及びヘリコプターKa-27PL乗員と連携し、対潜兵器を使用して仮想敵潜水艦の捜索と破壊を行ないます」
艦隊は説明した。

対空防衛のエピソードで、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、小型ロケット艦「アイスベルク」、小型対潜艦「ユンガ」、「ブレスト」の乗組員は、爆撃機Su-24が設置を保障する標的へのミサイル及び砲射撃を実施する。
最終段階では、海洋曳船「セクスタン」及び潜水夫艇VM-2027で構成され、捜索救助ヘリコプターKa-27PSも参加する救助支隊の要員が海上での仮想遭難者の救助へ取り組む。



ロシア連邦軍の高級士官の教育を行なうロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーの聴講生は、現在、ロシア北方艦隊司令部が置かれているセヴェロモルスクで実地研修を行なっています。

研修には、北方艦隊の艦の演習の見学も含まれており、まず初めに、5月26日に実施されたロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空戦闘訓練を地上で見学しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった]

5月29日からは北方艦隊の15隻の艦船、更には航空隊が参加する演習が始まり、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーの聴講生もロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」に同乗して海上での実地研修を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で演習を行なう]

2019年6月末の兵器展示会『アルミヤ-2019』でロシア海軍の為の新世代艦(空母、揚陸艦、駆逐艦)の概要が示される

『タス通信』より
2019年5月29日18時6分配信
【ロシア連邦海軍の為の将来航空母艦及び揚陸艦プロジェクトが『アルミヤ-2019』で示される】
サンクトペテルブルク、5月29日/タス通信

クルイロフ国立科学センターは、フォーラム『アルミヤ-2019』において、排水量7万トンの通常動力航空母艦、揚陸艦及び駆逐艦「リデル」の展示を計画している。
同センターの副総取締役ワレリー・ポリャコフ『タス通信』へ話した。

「『アルミヤ-2019』において、3つのモデルを公開します~最も効果的な発艦方式で(航空機射出の)パワーが増加した7万トンの通常動力航空母艦、排水量が25000~27000トンの揚陸艦、駆逐艦リデル」
ポリャコフ
は話した。

彼は更に、プロジェクト「リデル」駆逐艦は、近代化の後、巡洋艦作成の為に適応できる事を確認した。

フォーラム『アルミヤ-2019』は、6月25日から30日までモスクワ州『愛国者』大会-展示センターで開催され、ロシアの他の地域でも展示活動が行なわれる。
事前の見積もりによると、ロシア連邦領内の1500以上の企業および機関の参加が見込まれており、2700以上の製品及び機器のモデルが展示される。



【『クルイロフ国立科学センター』公式サイト】


『クルイロフ国立科学センター』は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する機関であり、艦船設計局とは違います。

『クルイロフ国立科学センター』には実験用の風洞や大型水槽などが有り、ここで模型を使って様々な艦船の形状の実験を行ない、今後建造されるロシア海軍の新型艦の大まかな外形を決定して艦船設計局へ提示し、設計局は、これを基にして実際に建造される艦の設計を行ないます。
いわば、『中央航空流体力学研究所』(ツアギ)の海上版とでもいうべき機関です。

『クルイロフ国立科学センター』は実験結果を基にして次世代艦の大まかな形状を決め、概念設計案として仕上げます。
この概念設計案をベースにして艦船設計局が艦を設計します。
最近では、ロシア海軍次世代水上艦航空母艦駆逐艦汎用ヘリコプター揚陸艦概念設計案3タイプをを作成しています。

多目的重空母「シトルム」
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駆逐艦「シクヴァル」
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汎用揚陸艦「ラヴィーナ」
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2019年6月25日から30日までモスクワ州『愛国者』公園で開催される兵器展示会『アルミヤ-2019』において、これらの新世代艦の最新モデルが提示されるとの事です。

ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で演習を行なう

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年5月27日15時56分配信
【北方艦隊の15隻の艦がバレンツ海演習へ関わる】
モスクワ、5月27日、インタファクス

<ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の15隻の艦がバレンツ海の演習へ参加する。
ロシア連邦国防省は発表した。

「バレンツ海で実施される海軍演習では、ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフ率いる北方艦隊グループが展開し、艦隊の打撃部隊が展開する戦術行動へ取り組みます」
国防省は伝えた。

同省によると、演習は5月29日に実施される。

「演習には、原子力潜水艦を含む艦隊の15隻以上の艦船、第45航空・防空軍の航空機Su-30SM、Su-33、Il-18、ヘリコプターKa-27PSが参加します」
軍当局は指摘した。

演習中に艦は空中及び海上目標への砲及び魚雷射撃を実施し、仮想敵潜水艦の捜索、海上で遭難した水上艦の乗組員へ援助を与える行動へ取り組む。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月28日11時41分配信
【ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生は北方艦隊での実地訓練を開始した】

本日、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生は、北方艦隊での年次実地訓練を開始した。

将軍、提督、士官はロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生の研修を行ない、北方艦隊統合戦略司令部の戦闘能力、更には、戦闘用途に沿った/strong>潜水艦、水上艦、航空隊、対空防衛連合部隊を制御及び支援する組織的連携システムについて知る。

ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生の年次実地訓練は、北方艦隊司令部における会合から始まり、北方艦隊本部の組織構造、役割、構成、課題の解決、艦隊の統合部隊、連合部隊、軍の能力、更には北極への軍事インフラの展開に関する講義が行なわれた。

研修計画では、聴講生が北方艦隊本部のロシア連邦防衛管理センターの定期的な活動について知識を得る事が提示される。

ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊の艦、北方艦隊潜水艦部隊、ロケット艦連合部隊、北方艦隊第45航空・防空軍の基地の軍事部門、更には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」艦内での実地訓練へ参加する。

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北方艦隊への滞在時、更に記念複合体「潜水艦K-21」、北方艦隊軍事航空博物館への聴講生の訪問、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生のチーム間及びコラ多種戦力小艦隊チームとのバレーボール親善試合の開催が計画されている。

実地訓練計画では、更にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」でのアカデミー聴講生の出航が提示される。
実地訓練の海上部門中、参謀本部軍事アカデミー聴講生は、艦隊の展開戦力、水上艦の合同操艦、航空機との連携、潜水艦の捜索、艦隊の対空防衛保障、海上での遭難者を救助する捜索救助部隊捜索救助要員の活動について知る。
更には、兵器の実地使用~ミサイル、砲、高射ミサイル射撃を伴う一連の戦闘訓練が実施される。

ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミー聴講生の実地訓練は、今後数日間北方艦隊の基地で実施される。



ロシア連邦軍の高級士官の教育を行なうロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーの聴講生は、現在、ロシア北方艦隊司令部が置かれているセヴェロモルスクで実地研修を行なっています。

研修には、北方艦隊の艦の演習の見学も含まれており、まず初めに、5月26日に実施されたロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空戦闘訓練を地上で見学しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった]

今後、北方艦隊の15隻の艦船、更には航空隊が参加する演習が実施され、ロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーの聴講生もロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」に同乗して海上での実地研修を行ないます。

ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)はラドガ湖での最初の航行試験を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年5月28日0時30分配信
【プロジェクト22800小型ロケット艦「ソヴィェツク」はラドガ湖水域における工場航行試験の第1段階を成功裏に完了した】

プロジェクト22800小型ロケット艦の最初の生産艦「ソヴィェツク」は、ラドガ湖水域における工場航行試験の第1段階を成功裏に完了した。
乗組員及び試験実施チームは、艦の航行性能及び一連の居住保障システムの機能の点検が提示されていた第1段階試験プログラムを完全に実行した。

小型ロケット艦は、近海ゾーンにおける戦闘活動の実施と、平時および有事に自身で、もしくは協同での任務遂行への参加の為に意図されている。

[プロジェクト22800小型ロケット艦の技術的特性]
全長:約67メートル
幅:約11メートル
基準排水量:約800トン
最大航行速度:30ノット
航続距離:2500海里
兵装:ミサイル複合体「カリブルーNK」AK-176MA砲1基、AK-630M砲2基


艦は最新の制御複合体、電波工学兵装、無線通信機器、航法機器、電波電子戦闘及び対電波電子戦闘兵装、対水中工作兵装、携帯式高射ミサイル複合体を装備する。



プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の2番艦「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で1番艦「ウラガーン」(後にムィティシと改名)と共に起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。

[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]

その後、「タイフーン」「ソヴィェツク」と改名されました。

「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、当初は2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、サンクトペテルブルク工場『ズヴェズダー』が製造するディーゼルエンジンM-507D-1-01の納入が遅延した事により、実現しませんでした。
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ディーゼルエンジンM-507D-1-01
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航行試験の開始時期も再三に渡り延期され、最近では、2019年5月16日に出航する予定となっておりましたが、これも遅れ、5月20日に延期されました。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月16日17時1分配信
【「カリブル」を持つ第2の「カラクルト」は5月20日に試験へ出発する】

2019年5月20日、「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、最初の航行試験を行なう為、『ペラ』造船所の岸壁を離れ、ラドガ湖へ出航しました。


[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)]

そして5月28日までに「ソヴィェツク」ラドガ湖での最初の試験を終えました。
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今後も「ソヴィェツク」ラドガ湖及びバルト海で航行試験を続行します。

「ソヴィェツク」は2019年末までにロシア海軍へ引き渡され、1番艦「ムィティシ」(2018年12月17日就役)と同様にバルト艦隊へ編入されます。
[カラクルト級小型ロケット艦2番艦タイフーン改めソヴィェツクは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の高空迎撃戦闘機MiG-31はアラスカ沖でロシア航空宇宙軍の戦略ロケット爆撃機Tu-95MSを護衛した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年5月27日7時2分配信
【太平洋艦隊の戦闘機はロシア航空宇宙軍の戦略ロケット機Tu-95MSを護衛した】

太平洋艦隊海上航空隊戦闘機飛行士は、5月22日にロシア連邦航空宇宙軍ロケット機Tu-95MSを護衛し、太平洋艦隊の担当ゾーンでの活動を保障した。

以前に伝えたように、ロシア連邦航空宇宙軍戦略ロケット機Tu-95MSは、チュクチ海、ベーリング海、オホーツク海、更にはアラスカ沿岸西方、アリューシャン列島沿岸北方及び太平洋海域に沿って、中立水域上空での計画飛行を行なった。
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Tu-95MSへ随伴し、飛行の安全を保障する為、エリゾヴォ飛行場(カムチャツカ地方)から太平洋艦隊海上航空隊高空迎撃戦闘機MiG-31のペアが上がった。
指定地点で戦闘機飛行士は戦略ロケット機と合流し、Tu-95MS乗員と目視及び無線での接触を行ない、更には、太平洋艦隊の担当ゾーン全ての飛行へ同行した。
飛行実施の安全保障の為、MiG-31ロケット機の飛行ルート上の電波位置測定偵察を実施した。

全ての飛行は、空域使用の国際法規に厳密に沿って実施された。



[高空迎撃戦闘機MiG-31(ロシア太平洋艦隊)]
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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31(第865独立戦闘機航空連隊)が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。
(第865独立戦闘機航空連隊は1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)

現在は、約30機のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2019年2月20日に最初の2機がカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
今年中には更に数機のMiG-31MiG-31BMへの改修を終えてエリゾヴォへ到着します。


2019年5月22日、ロシア航空宇宙軍の2機の戦略爆撃機Tu-95MSアラスカ及びアリューシャン列島沖を飛行し、アメリカ空軍戦闘機F-22がスクランブル発進しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年5月22日14時0分配信
【ロシア航空宇宙軍の2機の戦略ロケット機Tu-95MSは、アラスカ沿岸西方及びアリューシャン列島沿岸北方に沿って計画飛行を実施した】
この時、太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31Tu-95MSを護衛していたとの事です。

ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38Nは北極圏を監視する

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『イズベスチヤ』より
2019年5月27日0時1分配信
【海洋の偵察機:Il-38Nは北極で戦闘当直に就く】

対潜航空機は国際貿易ルートの監視を始めた。
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北海航路は、今、太平洋艦隊及び北方艦隊対潜航空機の監視下に在り、Il-38N「ノヴェッラ」が毎日のパトロールに就いている。
航空機は、この重要な輸送脈の近くで行動する潜水艦の行動を監視する:ロシアは、将来的にはヨーロッパ-アジア間の貨物の半分を運送できる貿易ルート上空の監視を保障する。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ話したように、対潜航空機を戦闘当直へ置く決定は、今年の初めに採択された。
Il-38N「ノヴェッラ」は、北方艦隊航空基地太平洋艦隊の2個混成連隊に在る。

春の演習で、カムチャツカ混成航空連隊は、北極地域の巡視を行なった。
対潜航空機グループは、北氷洋海域の飛行を行なった。
パイロットは、空中目標、水上艦及び潜水艦の捜索及び分類の任務を遂行した。
その追尾と同行には、電波位置測定手段及び水中音響手段が使用された。
任務は、最大限の困難さだった:飛行は、地上の電波工学航法手段を使わずに実施された。

有力な光学-電子複合体及び電波偵察複合体を持つIl-38北極での戦闘当直へ置くのは、完全に論理的である:航空機ロシアにとって重要な地域で緊急の情報を収集し、へ供給する。
第4航空・防空軍司令官でロシア英雄ワレリー・ゴルベンコ中将は『イズベスチヤ』へ語った。
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「戦闘当直は様々な方法で行なわれており、1機のIl-38は他機と交代できますし、それは空中へ一日中存在し、少なくとも1機の偵察航空機が常に存在します」
専門家は話した。
「定期的な飛行を組織化できれば、例えば、空中へ一日の内数時間上がり、或いは航空機が定められた区域のルート上の船の偵察へ就く事が出来るでしょう。
これは有益な戦術です」


Il-38は、ロシアの基礎的な対潜航空機である。
その用途は、水上及び水中事情の監視である。
このタイプの航空機は、結氷状況の監視の為に使用できる。

現在、近代化されたIl-38N「ノヴェッラ」は、最新の技術的解決策のお陰により、海洋及び大洋ゾーンのパトロールを行なう航空機の効率性が数倍に増加している。
最新機器は、同時に数十個の空中目標を90kmまで、水上艦船を320kmまでの距離での追尾を可能にする。
Il-38N「ノヴェッラ」は、潜水艦の追跡、機雷源の設置、更には北氷洋及び排他的経済監視水域での捜索救助活動へ関わる事が出来る。



『イリューシン』公式サイトより
【Il-38対潜航空機】

旅客機Il-18をベースに開発された対潜哨戒機Il-38は、1961年9月27日に初飛行し、1967年から1972年までに65機が生産されました。

現用のIl-38は、Il-38N仕様への近代化改修を受けます。

Nは「ノヴェッラ」Новелла(短編小説、新規追加条項)の略です。
Il-38の上部に追加されたのが「ノヴェッラ-P-38」複合体です。
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北方艦隊は、2012年3月にIl-38N(15号機)を受領していますが、これはプロトタイプのようです。
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア北方艦隊は近代化された対潜哨戒機Il-38Nの飛行訓練を開始した]

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2014年7月15日、Il-38N「量産機」(機体番号19)ロシア海軍へ引き渡されました。
[近代化された対潜哨戒機Il-38Nは7月15日にロシア海軍へ引き渡される]
[近代化された対潜哨戒機Il-38N量産1号機はロシア海軍へ引き渡された]

その後、27号機、24号機、23号機が改修を終えてロシア海軍航空隊へ引き渡されています。

2015年3月30日には太平洋艦隊航空隊が初めてIl-38Nを受領しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2015年6月30日、5機目となる「フョードル・ゾロトゥヒン」号(機体番号78、RF-75338)モスクワ近郊のジュコーフスキー飛行場ロシア海軍航空隊へ引き渡され、7月20日にカムチャツカ半島航空基地(エリゾヴォ)へ到着しました。
[ロシア海軍航空隊は5機目の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカへ配備される]
[ロシア海軍航空隊の近代化改修された対潜哨戒機Il-38N『フョードル・ゾロトゥヒン』号はカムチャツカのエリゾヴォ基地へ到着した]


Il-38Nの第1バッチ近代化改修機の5機は、以下の航空基地へ配備されています。
(黒っぽい4発機がIL-38N)

・19号機「ラジー・パンコフスキー」(RF-75355):エイスク(クラスノダール地方)
・27号機「ヤコフ・クテポフ」(RF-75320):エイスク(クラスノダール地方)
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・23号機(RF-75322):ニコラエフカ(沿海地方)
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・24号機(RF-75341):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)
・78号機「フョードル・ゾロトゥヒン」(RF-75338):エリゾヴォ(カムチャツカ半島)

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Il-38Nの第1バッチ近代化改修(2012年契約締結)は5機で終了しましたが、これに続く第2バッチの近代化改修の為の契約も2015年5月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為の対潜哨戒機Il-38近代化改修の第2バッチの契約が締結された]

2016年12月29日、第2バッチの第1陣2機がイリューシン社からロシア海軍へ引き渡されました。
22号機「ヴィクトール・ポタポフ」11号機「ミハイル・ヴェロビツキー」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊は2機の近代化された対潜哨戒機Il-38Nを受領した]

2025年までに計30機のIl-38Il-38N仕様へ近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊は2025年までに30機の近代化改修された対潜哨戒機Il-38Nを受け取る]

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月26日12時37分配信
【北方艦隊の艦はバレンツ海の演習で仮想敵の空中攻撃の撃退へ取り組んだ】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、小型対潜艦「ユンガ」、「ブレスト」は、戦闘訓練活動計画の枠組みにおいて、バレンツ海で対空防衛演習を実施した。

筋書きの下で、艦隊の多種戦力グループは、様々な高度及び方向からの仮想敵の空中攻撃手段からの攻撃を受けた。
艦の戦闘班は、前線爆撃機Su-24が設置した落下傘標的への仮想ミサイル及び砲射撃を実施した。

艦の乗組員は更に、船舶航行が集中している想定下での合同操艦の要素へ取り組み、無防備の泊地における艦の対水中工作防護訓練を実施した。

仮想敵の空中攻撃手段から北方艦隊戦闘艦を防護する乗組員の行動は、北方艦隊の戦闘能力を示すロシア連邦軍参謀本部軍事アカデミーの聴講生の実地授業である訓練の枠組みで実行された。



ロシア北方艦隊プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦の2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月にセヴェロドヴィンスク市艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されて近代化改装が始まり、2016年12月末に工事と洋上試験を終えて艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]


復帰後、「マルシャル・ウスチーノフ」セヴェロモルスク基地で停泊訓練を行ない、2017年5月12日、洋上での慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

5月16日にはバレンツ海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

単艦での海上訓練を一通り行なった「マルシャル・ウスチーノフ」は、その次の段階~他の艦船海軍航空隊との連携活動の訓練~へ進むため、5月20日から実施された北方艦隊の戦闘演習へ参加する事になりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

北方艦隊の戦闘演習は5月22日まで続けられ、この中で「マルシャル・ウスチーノフ」AK-130 130mm連装砲AK-630 30mmガトリング砲の実弾射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で砲撃訓練を行なった]

5月25日、「マルシャル・ウスチーノフ」を含む北方艦隊の10隻の艦船は、再び演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海でのロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

6月16日、「マルシャル・ウスチーノフ」バレンツ海で演習を行ない、高射ミサイル複合体「オサー-MA」を対空目標へ発射し、更に沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空戦闘及び沿岸砲撃訓練を行なった]

「マルシャル・ウスチーノフ」クロンシュタットで開催される『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、7月初頭にセヴェロモルスクを抜錨してバルト海へ向かい、フィンランド湾東部海域で他の参加艦と共に観艦式の為の合同訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]
[2017年7月30日の『ロシア海軍の日』観艦式の合同訓練がフィンランド湾東部で実施された]

7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]
北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


クロンシュタットの観艦式へ参加した北方艦隊艦船部隊は7月31日に出航し、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


12月1日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月1日16時14分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、乗組員の海軍技量向上の為にバレンツ海へ出航した】

12月4日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33が敵役を務める対空・対艦戦闘訓練を行ない、高射ミサイル複合体「フォルト」、「オサー-MA」を空中標的へ発射し、130mm連装砲を空中標的と海上標的へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月4日23時55分配信
【ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海でミサイル及び砲射撃を実施した】

12月26日には、北方艦隊対潜哨戒機Il-38が敵役を務め、バレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日15時59分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で航空隊との連携へ取り組んだ】


2018年3月29日、「マルシャル・ウスチーノフ」は戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは演習の為にバレンツ海へ出航した]

北方艦隊の他の水上艦も出航し、4月2日までバレンツ海で各種演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を終えた]

4月5日、「マルシャル・ウスチーノフ」は再びバレンツ海へ出航し、対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

翌4月6日には掃海艇2隻の支援の下に機雷源を通過する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で機雷源通過訓練を行なった]

4月10日には、北方艦隊艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K「敵機」に見立てて対空防衛訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]

その後、セヴェロモルスク基地へ戻っていましたが、5月16日、演習の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を行なう]

翌5月17日、バレンツ海で海上標的へ長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対艦ミサイルを発射した]

6月10日、バレンツ海へ出航し、再び対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で長距離対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]

その後、6月13日から始まった北方艦隊の大演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大演習がバレンツ海で始まった]
[ロシア海軍北方艦隊の大演習はバレンツ海で続けられている]

6月22日、小型ロケット艦から発射されたミサイル標的高射ミサイル複合体「フォルト」により撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海で高射ミサイルを発射した]

同日(6月22日)、長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]

2018年7月4日、『ロシア海軍の日』(7月29日)にクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、セヴェロモルスク基地を出航しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去り、8月1日から他の艦隊の観艦式参加艦と共にバルト海で演習を開始しました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

演習終了後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」バルト海から北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ向かった]

8月8日にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、8月9日から大西洋北部で演習を開始しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは北大西洋で演習を開始した]

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8月11日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月15日にアルジェリアの首都アルジェへ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェを訪れた]

8月19日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェリアを去った]

8月23日には地中海中部で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海中部で演習を行なった]

9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も2隻は地中海東部に滞在していましたが、大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と別れ、9月21日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で海賊対処任務に就く]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」と別れた後もロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」地中海東部に滞在しており、10月17日には対艦ミサイルの迎撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海東部で対艦ミサイル迎撃訓練を行なった]

10月23日にはキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはキプロスのリマソールを訪れた]

その後、地中海東部を離れて西へ向かい、11月9日には北アフリカスペイン領セウタへ寄港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはスペインのセウタを訪れた]

11月12日にセウタから出航し、ジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはスペインのセウタを去り、大西洋へ出た]

その後、イベリア半島沿いに北上し、ビスケー湾へ入った後、11月16日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入った]

11月20日にはノルウェー海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海へ入った]

2018年11月23日、母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
「マルシャル・ウスチーノフ」にとっては、1989年以来、ほぼ30年ぶりの地中海への航海となりました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海遠征を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]


そして2019年3月13日、戦闘演習を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
まず初めに、基地周辺(コラ湾)機雷が敷設されているという想定下で、基地掃海艦の先導の下でバレンツ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で戦闘演習を行なう]

3月15日には沿岸目標への砲撃訓練を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月15日18時11分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はバレンツ海で砲射撃を実施した】

3月22日には救助曳船及び給水補給船との合同訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を実施した]

4月6日から29日まで重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1998年4月18日就役)と共にバレンツ海ノルウェー海で演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上演習を終えて母港へ帰投した]


そして5月26日、「マルシャル・ウスチーノフ」は、プロジェクト1124M小型対潜艦「ユンガ」(1990年2月28日就役)及び「ブレスト」(1988年11月9日就役)と共にバレンツ海へ出航し、対空戦闘訓練を実施しました。

小型対潜艦「ユンガ」
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小型対潜艦「ブレスト」
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ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はフィンランド湾で航行試験を続ける

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年5月26日11時46分配信
【バルト艦隊の最新コルベット「グレミャーシチー」は工場試験の次の段階を実施する為にフィンランド湾へ出航した】

最新のプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」は、工場航行試験の次の段階を実施する為にフィンランド湾へ出航した。

バルト艦隊の海上射爆場で、艦の乗組員は、業界の代表と共に海上での艦のシステム及び機構の動作性能を点検する。
工場航行試験中、一連の艦内居住保障システム、航法複合体、通信システムを含む艦の電波工学兵装、救助手段、フェイルセーフシステム、換気、空調システムが点検される。
動力装置、操舵装置、補助機器、投錨装置の動作が点検される。
様々なモードでの航行速度、制御性及び操縦性が点検され、艦の振動試験が実施される。

工場航行試験は、あらゆる艦の建造課程を完了する為の重要な段階の1つであり、航行条件下においてシステム及び機構が、承認された仕様書、概略図、技術的説明書、操作指示書に沿っているかどうかを点検する目的で実施される。

バルト海の海上射爆場では、ロシア海軍及び外国の為の新たな機材の試験が定期的に実施されている。
この活動の支援には、バルト艦隊の艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が常に関わっている。



プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]

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プロジェクト20385プロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

20380対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃巡航ミサイル「カリブル」を装備します。

当初、プロジェクト20385には、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]

この為、設計を変更してロシア『コロムナ工場』ディーゼルエンジン「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

2016年4月末、『コロムナ工場』ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった]

2016年5月19日までにディーゼルエンジンの設置作業は完了しました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]

2017年6月30日、「グレミャーシチー」の進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは進水した]

2018年1月から造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"乗組員は艦内への居住を準備する]

「グレミャーシチー」の洋上試験開始は、当初の予定(2019年3月)より遅れ、2019年4月21日になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を開始した]



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5月初頭に一旦クロンシュタットへ戻っていた「グレミャーシチー」は、5月6日に出航し、2回目の洋上試験をフィンランド湾で開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2回目の洋上試験を開始した]

洋上試験中の5月8日、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時クロンシュタットへ戻りました。

5月9日の戦勝記念日をクロンシュタット軍港で祝いました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験中に大祖国戦争勝利74周年を祝った]

祝賀行事を終えた後、「グレミャーシチー」は、フィンランド湾で洋上試験を続けます。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

「グレミャーシチー」は、2019年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されており、引き渡し後は太平洋艦隊へ配備されます。
[プロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事の準備は進められている

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月24日17時3分配信
【『第35艦船修理工場』は「アドミラル・クズネツォフ」の為の乾ドックを作成する作業の準備を始めた】

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の専門家は、『第35艦船修理工場』の乾ドック結合の為の技術的文書の準備を続けている。
そこでは、2020年にプロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のドック修理が始まる。
『Mil.Press FlotProm』は『ズヴェズドーチカ』より伝えられた。


然るべき作業は今年には始まるが、詳細な情報は知られていない。

新たな施設は、沈没した浮きドックPD-50と同様のタイプの水上艦及び潜水艦のドック入りを可能にすると業界の情報提供者は話した。
彼は、ドック結合プロジェクトは2010年代初頭には準備されていたが、この時には資金供給は具現化されなかったと付け加えた。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」ロシア海軍への引き渡しは2021年に計画されているが、それは3~4ヶ月遅れる可能性が有る。
2019年3月19日、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフは発言した。


[『Mil.Press FlotProm』参照]
2019年10月30日、『第82艦船修理工場』浮きドックPD-50(『ロスネフチ』が所有)から「アドミラル・クズネツォフ」が出渠する際、異常事態が発生し、その結果、ドックは沈んだ。
そのクレーンの1つが巡洋艦の甲板へ落下した。
艦は事故後、『第35艦船修理工場』の領域へ曳航された。

この時、『統合造船業営団』は、浮きドックの事故は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理及び近代化の完了時期には影響を及ぼさない事を認めた。

その後、事故の結果、巡洋艦は52ヶ所に損傷を受けた事が判明した。
『統合造船業営団』は、その除去には約7000万ルーブルの費用が掛かると評価した。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(プロジェクト11435)の全長は306メートル、最大幅72メートル、満載排水量59000トン。
1990年に竣工した艦の修理及び近代化の契約は、2018年4月に署名された。
それは『第35艦船修理工場』が実行する。
作業には600億ルーブルの費用が掛かる。
それは2020年末の完了が見込まれており、その後、7ヶ月間に及ぶ試験が行なわれ、艦は2021年には海軍へ復帰する。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
現在、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長するなどの近代化改装が行なわれています。

近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換されます。

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

2018年7月下旬から「アドミラル・クズネツォフ」ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

「アドミラル・クズネツォフ」は、まず始めに蒸気タービン機関の修復を行ないます。
(8基のボイラーは全て交換し、タービンエンジンはリビルド)
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、ボイラー交換工事の準備を行なっています。
(9月2日の時点で飛行甲板上に新品のボイラーが確認できる)
【Capt(N)氏のツイート(2018年9月3日21時38分)】

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造された高圧ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]


2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業は第35艦船修理工場の岸壁で続けられますが、現段階での作業は艦内で実施されるものが殆どであり、飛行甲板上に「障害物」が横たわっていても関係無いようです。
[浮きドックPD-50の沈没事故は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの修理作業を妨げない]

一方、「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

10月30日の浮きドック事故で「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]

「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]


2019年3月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない]

3~4ヶ月遅れるかもしれない理由は、沈没した浮きドックPD-50に代わる「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるドックの確保に関する問題です。
[ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない]

現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、同社の2つの乾ドックを結合し、「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、これが実行に移される事になりました。
現在、その為の準備が進められています。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

ドックの拡張工事完了後、「アドミラル・クズネツォフ」はドックへ入ります。
ただ、それは早くても2020年になり、これに伴い、「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事の完了も遅れる事になりますが。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2020年にドックへ入る]


結合・拡張された『第35艦船修理工場』の新たな乾ドックは、「アドミラル・クズネツォフ」以外にも、北方艦隊大型水上艦原子力潜水艦などの整備や修理に使われる事になるでしょう。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ南東沖で対潜演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月24日20時4分配信
【北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は太平洋中央部で対潜任務へ取り組んだ】

遠距離航海任務を遂行している北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、本日(5月24日)、潜水艦捜索演習を実施した。

演習は、太平洋中央部ハワイ諸島南東で実施された。

演習中、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」乗組員は、艦内水中音響兵装により、更には艦上航空機対潜ヘリコプターKa-27を使用する潜水艦を捜索する複合活動へ取り組んだ。

フライトを実施するヘリコプター乗員は、投下型水中音響ステーションを用いる捜索活動を行なった。

演習の各段階で、艦の水雷-魚雷戦闘班は、潜水艦を仮想強制浮上させ、更には全ての対潜兵器複合体を仮想使用する戦闘訓練を行なった。

フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」率いる北方艦隊艦・支援船支隊には、今後数日間、一連の練習射撃を実施する対空防衛任務への取り組み、仮想遭難した船へ援助を与える演習の実施が控えている。

北方艦隊艦船支隊は、2月26日にセヴェロモルスクから遠距離航海へ出発した。
フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に加え、支隊には多機能物資-技術サービス支援船「エリブルス」、中型海洋給油船「カーマ」、救助曳船「ニコライ・チケル」が加わっている。
遠距離航海開始以来、支隊の艦船は20200海里以上を航行した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」にとって、これは、その歴史上初めての航海となる。
航海中にフリゲートジブチ港及びコロンボ港への業務寄港を行ない、更には中国人民解放軍海軍70周年へ捧げられる記念行事へ参加した。




2019年2月26日、ロシア北方艦隊1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)(2018年7月28日就役)は、多機能後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]

プロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」は、2018年4月9日に就役した最新鋭の多用途支援船です。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】

プロジェクトR-5757救助海洋曳船の1番船「ニコライ・チケル」(SB-131)は、1989年4月12日に就役した世界最大級のタグボートです。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]
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3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった]

4月1日にはインド洋(随伴船の位置から推察すると、正確にはアラビア海ソコトラ島東方海域)で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はアラビア海で対空戦闘訓練を行なった]
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4月3日、「アドミラル・ゴルシコフ」スリランカコロンボ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを訪れた]

4月6日、「アドミラル・ゴルシコフ」コロンボ港を出航し、中国青島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを去り、中国へ向かった]

4月11日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマラッカ海峡へ入った]
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4月13日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南シナ海へ入った]

4月16日にはフィリピン海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィリピン海へ入った]
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4月20日に黄海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は黄海へ入った]

4月21日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国の青島港へ到着した]

4月23日には中国人民海軍創設70周年記念国際観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国への公式訪問を続けている]

4月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島を出航し、ウラジオストクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国を去り、ウラジオストクへ向かった]

4月28日に対馬海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は対馬海峡へ入った]

5月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はウラジオストクへ到着した]

5月7日、「アドミラル・ゴルシコフ」ウラジオストク金角湾第33埠頭を離れ、ウラジオストク西岸のアムール湾へ移動しました。
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5月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利74周年記念行事へ参加した後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は5月10日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中部太平洋へ向かった]
(ただし、給油船「カーマ」はそれよりも前に出航し、5月8日に津軽海峡を通過して太平洋へ入っている)

5月11日に津軽海峡を通過して太平洋へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年5月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は太平洋を東進し、5月15日にはハワイ諸島付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ沖へ到達した]
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その後も「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はハワイ諸島周辺海域に留まり、5月24日にはハワイ諸島南東海域で対潜演習を実施しました。

今後数日間、「アドミラル・ゴルシコフ」は同海域に留まり、対空防衛演習や救助演習を実施します。

2023年までに6隻のプロジェクト22160哨戒艦がロシア海軍へ就役する


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月23日11時19分配信
【ロシア海軍は2023年までに5隻のプロジェクト22160艦を受け取る】

ロシア海軍は2023年までの毎年に1隻のプロジェクト22160哨戒艦を受け取る。
哨戒艦を建造している造船所~『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』の2018年度の年次会計報告書には、こう記されている。
文書では更に、昨年の艦への資金供給は完全な量で遂行されたと記されている。


「2014年10月9日からの当社の5隻のプロジェクト22160艦の建造契約。
ドミトリー・ロガチョフ(工場番号162)
パーヴェル・デルジャーヴィン(163)
セルゲイ・コトフ(164)
ヴィクトール・ヴェリキー(165)
ニコライ・シピャーギン(166)」


4月には「ドミトリー・ロガチョフ」は国家試験の準備を整えた。
受注番号163及び164の船体は形成されている。
「パーヴェル・デルジャーヴィン」は既に船体の塗装及び絶縁作業を実行している。
送り届けられた設備の積載及び配管システムの取り付けが行なわれている。
「セルゲイ・コトフ」は緩衝材の充填と船体の全てのブロックの設備の土台を設置している。
ゼレノドリスク造船所「ヴィクトール・ヴェリキー」のブロックセクションを製造している。
「ニコライ・シピャーギン」建造の為、造船所は設備供給の前払い契約を締結する。

工場の計画では、2023年までに毎年1隻の艦が納入される。

プロジェクト22160艦は、対海賊機能及び遠海ゾーンの哨戒の為にロシア海軍の大型水上艦を巻き込まない事を可能にすると海軍の情報提供者は話した。
彼は、このタイプの最初の生産艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、トップ艦「ワシーリー・ブイコフ」と比較して幾つかの改良点を有すると付け加えた。
従って、その試験時期は増大する。

「ロガチョフ」の試験は2018年12月に始まった。
それは『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で2014年夏に起工され、2017年に進水した。
2018年12月初頭、艦はセヴァストーポリへ到着し海軍への引き渡しは同年末に計画されていたが、それは2019年に延期された。

[Mil.Press FlotProm参照]
プロジェクト22160哨戒艦(コルベット)
『北方計画設計局』により開発された。
艦は、海上経済ゾーンの防護及び保護の為に意図されており、更には、捜索-救助機能を遂行し、船団へ同行し、海賊へ対処できる。

コルベットの排水量は1300トン、30ノットまでの速力を発揮する。
航続距離6000海里、自立行動期間60日。
それは、乗組員80名までの快適な環境の保障を考慮して設計されている。
艦上にはヘリコプターKa-27PSが駐留できる。
コルベットは標準兵装として、新たな76.2mm砲、高射ミサイル複合体及び高射機関砲を装備する。

プロジェクト22160のトップ艦「ワシーリー・ブイコフ」は、2018年12月20日に黒海艦隊へ補充された。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国ゼレノドリスク造船所です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

ただし実際には、ゼレノドリスク造船所が担当するのは起工から船体の完成までであり、その後は黒海沿岸のケルチ市『ザリフ造船所』まで運ばれ、ここで艤装が行われます。
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プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、この内の1隻が就役しています。

プロジェクト22160哨戒艦は、元々はドイツ製MTUディーゼルエンジンを搭載する予定でしたが、2014年春以降のヨーロッパ諸国の対ロシア経済制裁によりエンジンを輸入できなくなった為、ロシア製ディーゼルへ変更する事になり、建造の遅延を招きました。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年就役予定

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年就役予定

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍黒海艦隊の対水中工作艇スヴォーロヴェツはシリアのタルトゥースへ行く

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月25日11時37分配信
【黒海艦隊の対水中工作艇「スヴォーロヴェツ」は地中海の海軍グループへ補充される】

対水中工作艇「スヴォーロヴェツ」は、黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通行を開始した。

タルトゥース(シリア)へ到着した後、の乗組員は地中海海軍グループへ加わり、無防備の泊地に停泊する艦を防護する任務の遂行を開始し、更には、ロシア連邦海軍連合部隊の駐留所の安全を保障する為に使用される。

の乗組員にとって、これは遠海ゾーンで指示された任務を遂行する為の初めての出航となる。

[参照]
対水中工作艇「グラチョノク」
は、駐留所海域及び近隣海域へ接近する破壊工作部隊及び手段への対処の為に意図されている。



プロジェクト21980「グラチョノク」対水中工作艇の3番艇P-349「スヴォーロヴェツ」は、ゼレノドリスク市『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2011年5月6日に起工され、2012年6月16日に進水し、2012年11月14日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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黒海艦隊所属の6隻の「グラチョノク」対水中工作艇は、交代でシリアタルトゥース港へ派遣され、同港の警備任務に就いています。
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2018年には、P-424「キネリ」(2014年10月9日就役)、P-433(2017年9月16日就役)、P-355「ユナルメーツ・クルイマ」(2014年10月9日就役)、P-191「コデート」(2012年5月15日就役)がシリアへ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の対水中工作艇P-433はシリアへ到着した]

「コデート」は12月27日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻っています。

それから5ヶ月後、今度はP-349「スヴォーロヴェツ」シリアへ派遣される事になりました。
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なお、今回の黒海艦隊広報部発表では触れられていませんが、「スヴォーロヴェツ」には救助曳船SB-739が同行しています。
【Yoruk Isik氏のツイート(2019年5月24日18:27)】


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」2019年4月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2019年4月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」2019年3月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」2019年4月上旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2018年12月末から地中海東部に滞在
サルベージ船KIL-1582019年4月末から地中海東部に滞在
工作船PM-56:2019年1月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは130mm連装砲と30mm機関砲による対空射撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年5月23日6時0分配信
【太平洋艦隊の戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」は日本海で空中目標への砲射撃を実施した】

本日、太平洋艦隊の戦闘訓練計画に沿って、戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」は、ピョートル大帝湾で仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する課題を解決した。

射爆場において艦の乗組員を支援したのは、太平洋艦隊海上航空隊対潜航空機Tu-142Il-38であり、模擬空中攻撃に対し、単艦での組織的対空防衛へ取り組んだ。
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演習中に駆逐艦は、投下された落下傘標的を130mm砲装置AK-130及び30mm6連装艦載自動砲装置AK-630の砲撃で成功裏に撃破した。
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これに先立ち、基地掃海艦BT-114は、駆逐艦の掃海先導を行なう事により、艦の駐留所からの安全な出航と海上への展開を保障した。
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プロジェクト956「サルイチ」戦隊水雷艦(駆逐艦)の11番艦「ブイストルイ」Быстрыйは、レニングラード(現サンクトペテルブルク)『ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で1985年10月29日に起工され、1987年11月28日に進水し、1989年9月30日に受領-引渡証書へ署名され、1989年10月28日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式にソ連海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入され、1990年11月3日にウラジオストクへ到着しました。

以後、1990年代末~2000年代初頭に予備役へ編入された以外は稼働状態に維持されており、現在では、太平洋艦隊で唯一稼働状態に在るプロジェクト956駆逐艦となっています。

「ブイストルイ」は、2015年8月下旬に日本海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加しました。
2016年1月26日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

その後、2016年6月20日に宗谷海峡を東進し、7月10日に同海峡を西進しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡通過(2016年6月20日)]
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇は宗谷海峡を西進した]

2016年8月にウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォート』でオーバーホールを行ないました。
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2016年10月15日にウラジオストクを出航してインドネシアへ行き、その後、11月21日までにウラジオストクへ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイはウラジオストクへ帰投した]

2017年2月末から3月1日まで日本海で各種戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは海上戦闘訓練を実施した]

2017年3月9日にも日本海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で砲撃訓練を行なった]

2017年3月18日には親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]

2017年3月28日にも「ワリャーグ」と一緒に出航し、各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]

2017年6月25日には他の太平洋艦隊の水上艦と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入り、、7月3日に対空防衛演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊主力水上部隊は対空戦闘演習を行なった]

2017年7月4日には超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイとロケット艇2隻は超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]

2017年7月5日に再び宗谷海峡を通過して日本海へ入り、その後、ウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水上艦16隻はラ・ペルーズ海峡を通過して日本海へ入った]

その後の動向は明らかにされていませんが、ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォート』でオーバーホールが行なわれていたようです。
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2018年6月4日、「ブイストルイ」は出航し、ウラジオストク南方のジェルトゥヒナ島で地上砲撃訓練を実施しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは地上目標へ130mm連装砲を発射した]

2018年6月19日、「ブイストルイ」は、基地掃海艦の支援下でウラジオストクを出航し、対空防衛などの演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは日本海で演習を行なった]

2018年6月21日には、対空、対水上、対地砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは日本海で砲撃演習を行なった]

2018年7月後半にはコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(2018年7月20日就役)と共に演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は駆逐艦ブイストルイと日本海で演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は駆逐艦ブイストルイと日本海で対潜演習を実施した]

2018年8月下旬にはオホーツク海の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の40隻以上の艦船は日本海及びオホーツク海で演習を行なう]

2018年9月1日にはオホーツク海対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦艇とクナシル島(国後島)の地対艦ミサイル部隊はオホーツク海で対艦ミサイルを発射した]

2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイと2隻のロケット艇はオホーツク海で超音速対艦ミサイル"モスキート"を発射した]
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はオホーツク海で揚陸艦部隊を護衛した]

2018年10月1日から6日までフィリピン海軍ドック型揚陸艦「タルラック」ウラジオストクを訪問した際、ホストシップを務めました。
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2019年4月18日、「ブイストルイ」ピョートル大帝湾で演習を行ない、130mm連装砲AK-130による地上砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の駆逐艦ブイストルイは130mm連装砲による艦砲射撃訓練を行なった]

そして5月23日にはピョートル大帝湾で対空防衛訓練を行ない、130mm連装砲AK-13030mm6連装機関砲AK-630による実弾射撃を実施しました。


ソ連/ロシア海軍へ就役した計17隻のプロジェクト956駆逐艦の内、実質的に現役に在るのは3隻のみです。
(太平洋艦隊「ブイストルイ」北方艦隊「アドミラル・ウシャコーフ」バルト艦隊「ナストーイチヴイ」)

北方艦隊「アドミラル・ウシャコーフ」(1994年4月17日就役)は、今年春にムルマンスク『第35艦船修理工場』の岸壁へ回航されており、今後オーバーホールを行なうようです。
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バルト艦隊「ナストーイチヴイ」(1993年3月27日就役)は、今年からバルチースク『第33艦船修理工場』で、エンジンの交換を含む大規模なオーバーホールが始まります。
[ロシア海軍バルト艦隊旗艦・駆逐艦ナストーイチヴイはオーバーホールを行なう]
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タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2021年までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月21日18時37分配信
【ゼレノドリスク工場は「カラクルト」の納入時期を改めた】

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』は、5隻のプロジェクト22800(コード名「カラクルト」)小型ロケット艦の海軍への引き渡しを2021年に計画している。
同社の2018年度の年次会計報告書には、こう記されている。


「プロジェクト22800小型ロケット艦の建造を行なう2016年8月5日からの契約1620187304231412209015638号。
工場番号801-ツィクロン
工場番号802-アスコルド(註:ムッソンとして起工)
工場番号803-アムール(註:パッサートとして起工)
工場番号804-トゥーチャ
工場番号805-メルクーリイ(註:スメルチとして起工され、メルクーリイへ改名されたが、伝説のブリッグの名はプロジェクト20386コルベットに付けられた事に留意すべきである)」

報告書には、こう記されている。

文書によると、受注品801は今年(2019年)に、受注品802及び803は2020年、受注品804及び805は2021年に発注者へ引き渡される。

2018年のゼレノドリスク造船所の年次融資業務は完全な量で遂行された。

最初の3隻の「ゼレノドリスク」シリーズ艦の為の更新される兵装の供給に関する合意は締結されて前払いされており、更なる2隻の為のものは2019年4月に締結され、その過程にある。
「ツィクロン」及び「アスコルド」の船体は形成され、「アムール」の船体は造船台で作成され、同時に水上構造物の作業が行なわれている。

『Mil.Press FlotProm』の2名の業界の情報提供者によると、契約上の受注品802及び803の納入時期は2019年だったが、M507エンジンの製造ペースが緩慢であるが故に、艦の海軍への引き渡し時期は延期された。
造船所の消息筋は、この情報を認めた。

『Mil.Press FlotProm』の記者は、然るべき問題に関する同社への問い合わせについてゼレノドリスク工場から公式なコメントを得られなかった。

高回転ディーゼル海軍への供給スケジュールは、2021年~2022年には安定するものと見られる。
2018年10月、海軍造船管理副部長ミハイル・クラスノぺーエフ1等海佐は語った。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
プロジェクト22800小型ロケット艦
は、ミサイル複合体「カリブル」を搭載する。
小型ロケット艦は2500海里までの距離を航行し、15日間の海上への滞在が可能である。
ロシア海軍の為の建造の必要性は、ウクライナとの軍事技術協力の中断により引き起こされたプロジェクト11356フリゲートの建造停滞によって理由付けられる。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。
今回の記事では、建造が停滞したプロジェクト11356フリゲートに代わるものと書かれてますが、それは、あくまでも黒海艦隊向けのみの話です。
[ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト11356Rフリゲートは3隻で終了する]

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに11隻が起工されています。

最初の2隻:「ウラガーン」「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]

「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]

「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年5月20日に航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)]
ロシア海軍への引き渡しは2019年12月に予定されています。

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]

2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]

これで『ペラ』造船所及びフェオドシヤ造船工場契約分7隻は全て起工されました。


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」Аскольд(工場番号802):2016年起工
「アムール」Амур(工場番号803):2017年7月30日起工


2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」Туча(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

今後、5隻目の「カラクルト」(工場番号805)も起工されます。


『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、以前に同類のプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦12隻を起工しており、この内7隻が就役しています。
[プロジェクト21631ブヤン-M小型ロケット艦]


今後、6隻の「カラクルト」級小型ロケット艦極東の造船所で建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する

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ロシア連邦軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』より
2019年5月20日配信
【太平洋艦隊は「カリブル」で武装する】
ロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将へのインタビュー記事。

この中でアヴァキャンツ提督は、近代化改装中の大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」についても話しています。
その部分の抜粋。

アヴァキャンツフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の乗組員の形成は完了しており、その過程で大型対潜艦の船体は、根本的に新しいプロジェクトにより作成されます。
高度な近代化の後、同艦は、高精度有翼ミサイルの搭載を含め、様々な能力が組み合わされます。
ですが近代化が及ぶのは、兵装だけでは有りません。
ケーブル線の一部、通信、航法を含む艦内システム及び機構の大部分は交換され、艦内室のインテリアは変更されます。
新たな乗組員を集める際、我々はその全てを考慮に入れ、必要な修復を行なっております。
数ヶ月後には艦は『ダーリザヴォード』を去り、航行試験へ出発するでしょう。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されています。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されます。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]
「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)は、「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に設置されるようです。

この他、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も装備されるようです。
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ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
2基の3S-14モジュールとの事ですから、計16基の発射機が設置されるようです。


2018年2月16日、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2019年に航行試験を開始し、2020年中に復帰する予定です。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは2020年に近代化改装を終えて復帰する]


今回、太平洋艦隊司令官アヴァキャンツ提督は、近代化改装される「マルシャル・シャーポシニコフ」「フリゲート」と呼んでいますが、要するに、これまでの「大型対潜艦」とは違うと言いたいのでしょう。

最新鋭掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは2020年にロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2019年5月21日5時12分配信
【黒海艦隊は最新対機雷艦の受領は2020年に予定されている事を確認した】
セヴァストーポリ、5月21日/タス通信

黒海艦隊は、最新のプロジェクト12700機雷掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の受領を、国家試験実施後の2020年に予定している。
『タス通信』黒海艦隊より伝えられた。

「艦隊への掃海艦の引き渡しは、その準備状態と国家試験の終了から、2020年になるものと思われます」
艦隊は伝えた。

以前、艦の建造を行なっている『中部ネヴァ川造船工場』の総取締役ウラジーミル・セレドホは、掃海艦の軍への引き渡しは2020年に計画されていると述べた。

掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の起工式典は、2017年春に開催された。
それは、社会主義労働英雄で『中部ネヴァ川造船工場』の指導者だったウラジーミル・アレクサンドロヴィチ・イェメリヤノフに敬意を表して命名された。
艦は、『中部ネヴァ川造船工場』で起工されたプロジェクト12700「アレクサンドリト」ラインの4番目である。

プロジェクト12700「アレクサンドリト」対機雷防衛艦は890トンの排水量を有し、全長は62メートル、幅10メートル。
乗組員は44名を数える。
機雷への対処の為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作及び自動無人水中装置を使用できる。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦が建造されていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなります。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2017年4月20日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフはサンクトペテルブルクで起工された]

2019年4月2日に屋内造船台より出渠しました。

[ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは屋内造船台から出渠した]

2019年5月下旬までに黒海艦隊の将兵で乗組員が編成され、サンクトペテルブルクで研修を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月20日13時1分配信
【黒海艦隊は掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の乗組員を形成する】

「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2019年5月30日に進水し、ロシア海軍への引き渡しは2020年前半に予定されています。
就役後は黒海艦隊へ編入されます。


プロジェクト12700掃海艦は、現在までに6隻が起工され、2隻がロシア海軍へ引き渡されています。

1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続の3番艦が先に就役しました。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]

6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

2019年に起工される7番艦は、2017年5月に死去した元ロシア海軍中将アナトーリー・シレモフ氏の名前が付けられるようです。

ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)

今の所、ロシア海軍からも造船所からも公式発表は有りませんが、2019年5月20日、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の2番艦「ソヴィェツク」(タイフーン)は、最初の航行試験を行なう為、『ペラ』造船所の岸壁を離れ、ラドガ湖へ出航しました。







小型ロケット艦「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で1番艦「ウラガーン」と共に起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]

「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。

[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]

その後、「タイフーン」「ソヴィェツク」と改名されました。

「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、当初は2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、サンクトペテルブルク工場『ズヴェズダー』が製造するディーゼルエンジンM-507D-1-01の納入が遅延した事により、実現しませんでした。
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ディーゼルエンジンM-507D-1-01
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航行試験の開始時期も再三に渡り延期され、最近では、2019年5月16日に出航する予定となっておりましたが、これも遅れ、5月20日に延期されました。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年5月16日17時1分配信
【「カリブル」を持つ第2の「カラクルト」は5月20日に試験へ出発する】

そして5月20日、「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、最初の航行試験へ出発しました。
(ただし、舷側の艦名プレートは「タイフーン」のままですが)
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「ソヴィェツク」は、まず初めにラドガ湖で試験を行ない、その後、バルト海へ移動して試験を続行します。
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「ソヴィェツク」は2019年末までにロシア海軍へ引き渡され、1番艦「ムィティシ」(2018年12月17日就役)と同様にバルト艦隊へ編入されます。
[カラクルト級小型ロケット艦2番艦タイフーン改めソヴィェツクは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍太平洋艦隊は2019年初頭にカムチャツカ半島へ新型地対艦ミサイルを配備した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年5月20日8時49分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊旅団は2019年に約20基の「バル」及び「バスチオン」を受け取った】
ハバロフスク、5月20日-ロシア通信社ノーボスチ

約20基の沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」は、今年初めにカムチャツカ独立沿岸ロケット旅団へ、前世代のミサイル複合体に代わり兵装として受け入れられた。
月曜日に刊行されたロシア軍機関紙『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツは述べた。
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「今年初め、カムチャツカの独立沿岸ロケット旅団で、新たな機材による増強が行なわれました。
1ヶ月間で我々は、1個大隊一式の沿岸ミサイル複合体バスチオン及びバルを受け取りました。
その数は、およそ20基であり、これにより我々は、退役した前世代の沿岸ミサイル複合体を新たな機材へ換えました」
アヴァキャンツ
はインタビューを受け、こう話した。

彼によると、機材は海上から半島へ届けられた。
既に、仮想敵艦船支隊へミサイルの電子発射を行なう最初の演習が実施されている。

沿岸ミサイル複合体「バル」は、領海及び海峡の監視、沿岸ゾーンのインフラ保護、更には敵の揚陸作戦を防ぐ為に意図されている。
ミサイルの射程距離は260キロメートルまでである。
複合体の完全な一斉射撃には32基のミサイルが含まれる。

移動沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、300キロメートル離れた全てのクラス及びタイプの水上艦船、単独目標、揚陸艦、航空母艦、打撃グループの撃破が可能であり、敵の揚陸から600キロメートルに渡る沿岸のカバーを保障する。




沿岸ミサイル複合体(地対艦ミサイル)「バル」は、亜音速艦対艦ミサイル「ウラン」/空対艦ミサイルKh-35の地上発射ヴァージョンです。
ロシア海軍の全ての方面艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊、カスピ小艦隊)へ配備されています。


2014年末、沿海地方スモリャニノヴォに駐留する太平洋艦隊第72沿岸ロケット旅団「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で新型地対艦ミサイルの発射訓練を行なった]

2016年11月には、クリル諸島(千島列島)南部のクナシル島(国後島)「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した]

2019年2月末、ロシア太平洋艦隊原潜基地があるカムチャツカ半島ペトロパブロフスク・カムチャツキー市へ1個大隊分(10基)の沿岸ミサイル複合体「バル」が到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はカムチャツカ半島へ地対艦ミサイル"バル"を配備した]



沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

これまでに黒海艦隊北方艦隊バルト艦隊、そして太平洋艦隊へ配備されています。

黒海艦隊「バスチオン」部隊はシリアにも派遣されています。
[シリアへ派遣されたロシア海軍黒海艦隊の地対艦ミサイル"バスチオン"の代わりとなる同型のミサイルがクリミア半島へ到着した]

2016年11月15日には、シリア領内テロリスト施設を攻撃しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]


太平洋艦隊への「バスチオン」配備は2016年から始まり、同年3月初頭、沿海地方スモリャニノヴォに駐留する第72沿岸ロケット旅団へ配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"が配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"を初めて発射した]

2016年11月下旬には、クリル諸島南部のイトゥルプ島(択捉島)「バスチオン」が配備されました。
配備された部隊は、第520独立沿岸ロケット-砲旅団所属の第574独立沿岸ロケット砲大隊です。
[ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した]

2017年2月、ロシア太平洋艦隊原潜基地と、更には第520独立沿岸ロケット-砲旅団司令部が在るカムチャツカ半島にも「バスチオン」の配備が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はカムチャツカ半島へ超音速対艦ミサイル"バスチオン"を配備した]

2019年3月、新たな「バスチオン」カムチャツカ半島へ到着しました。
[カムチャツカ半島へロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊の新たな超音速対艦ミサイル"バスチオン"が到着した]


現在の太平洋艦隊地対艦ミサイルの配備状況は以下の通りです。
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[第72沿岸ロケット旅団]
スモリャニノヴォ:「バスチオン」、「バル」

[第520独立沿岸ロケット-砲旅団]
ペトロパブロフスク・カムチャツキー:「バスチオン」、「バル」
イトゥルプ島:「バスチオン」
クナシル島:「バル」

ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る

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『タス通信』より
2019年5月20日6時46分配信
【太平洋艦隊は2019年に2隻の水上艦と1隻の「カリブル」搭載潜水艦を受け取る】
モスクワ、5月20日/タス通信

太平洋艦隊は、2019年に初めて有翼ミサイル複合体「カリブル」で武装する2隻の水上艦と1隻の潜水艦を受け取る。
月曜日に刊行された新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツは述べた。
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「今年、我々は更に、初めて最新の有翼ミサイル複合体"カリブル"を有する2隻の戦闘艦の受領を予定しております。
艦隊の戦闘編制には、更に、新世代の"最新コルベット"グレミャーシチーが加入しなければなりません。
それは既に工場航行試験を行なっています。
艦が搭載するのは、有翼ミサイル"カリブル-NK"のみならず、プロジェクト20380コルベットと同様に最新の対空防衛複合体リドゥートで武装し、重要な対潜兵装を持ちます」
アヴァキャンツ
は話した。

彼は更に艦隊が必要とする為、魚雷兵装に加え、海上および地上目標へ打撃を与える事が出来る有翼ミサイルファミリー「カリブル-PL」を受け取る6隻のプロジェクト636.3ディーゼル潜水艦の建造を目指している事を指摘した。
「これらの潜水艦の1隻目を、我々は今年に受領する予定です」
司令官は指摘した。

彼によると、2019年に太平洋艦隊は、10隻以上の新たな水上戦闘艦、潜水艦及び補助艦隊の乗組員の形成を計画している。
「特に、新規建造シリーズの中には、太平洋艦隊の為に特別に建造されるコルベット"アルダル・ツィジェンジャポフ"、最新の海洋掃海艦、対水中工作艇、救助曳船、泊地潜水夫艇、ディーゼル潜水艦及び原子力潜水艦の乗組員の充足が控えております」
アヴァキャンツ
は付け加えた。

更に2019年末までに、ロシア北東軍集団水域防護旅団の艦艇構成には、小型ロケット艦「スメルチ」が増強される。
「これは、まず初めに主要打撃ミサイル複合体について高度な近代化を受けております。
対艦ミサイル"ウラン"のコンテナを配置する為、その場所に有ったミサイル"マラヒート"発射装置は取り外されています。
今後、小型ロケット艦は、このミサイルを16基搭載します」

提督は話した。

ミサイル複合体「カリブル」は、ロシア海軍の軍備として供給されている。
公表されたデータによると、この複合体を構成する有翼ミサイル3M-14の最大射撃距離は、亜音速飛翔で約2000kmに達する、
水上艦の為には複合体のヴァージョン「カリブル-NK」が、潜水艦の為には「カリブル-PL」が開発されている。
「カリブル」は特に、ロシアプロジェクト22350フリゲートプロジェクト21631「ブヤン-M」コルベットプロジェクト885「ヤーセン」型多目的原子力潜水艦通常動力潜水艦プロジェクト877及び636.3、その他の艦の武装となっている。

「カリブル」の武装は、最大重量500kgに達する弾頭部のみである。
このミサイルは、ロシア戦闘艦及び潜水艦が、シリアのテロリストの施設を攻撃する為に使用した。



プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工され、2017年6月30日に進水し、2019年4月21日からバルト海で洋上試験を行なっています。

[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]
「グレミャーシチー」は2019年12月末までにロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ配備されます。


太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の1番艦B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2017年7月28日にサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で起工され、2019年3月28日に進水しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはサンクトペテルブルクで進水した]
「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」も2019年12月末までにロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ配備されます。


この他、対艦ミサイル「ウラン」へ換装するなどの近代化改装が行なわれている太平洋艦隊所属のプロジェクト1234.1小型ロケット艦「スメルチ」(1984年3月4日就役)も、2019年中に復帰します。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは遠距離航海を終えて母港へ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月18日11時54分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」は遠距離航海任務を遂行し、北方艦隊主要基地へ到着した】

本日(5月18日)、北方艦隊主要基地では、8ヶ月以上続いた遠距離航海任務を遂行した大型対潜艦「セヴェロモルスク」との会合が行なわれた。
埠頭で艦の乗組員は、北方艦隊司令部及びコラ多種戦力小艦隊司令部、閉鎖行政区域セヴェロモルスク市庁の代表、乗組員の家族及び親類に出迎えられた。

北方艦隊参謀長ウラジーミル・グリシェチキン中将は、指示された任務を滞りなく遂行したとの報告を受けた。

北方艦隊参謀長は、遠距離航海を完了して祖国へ戻った北方艦隊将兵を前にして、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の名で祝福した。
彼は指摘した。
「大型対潜艦セヴェロモルスの遠距離航海は、任務を果たした規模、その継続期間においてユニークなものでした」

ウラジーミル・グリシェチキン中将は述べた。
「総計で256日間続いた遠距離航海は2段階から成り、北方艦隊の艦は42300海里以上を航行し、一連の軍事-外交任務を遂行し、アルジェ港、ヴィクトリア港、ペンバ港、アンツィラナナ港、ジブチ港、カラチ港、リマソール港へ到着し、アデン湾で対海賊へ指向されるロシア-日本海軍国際演習へ、インド洋で対海賊活動のロシア-パキスタン国際演習『アラビアン・モンスーン-2018』へ参加しました」

大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海は、昨年7月5日に始まった。
この間に艦は大西洋及びインド洋で行動した。
クロンシュタット泊地主要海軍パレードと、地中海ロシア海軍グループの兵種間演習、更には一連の国際演習へ参加した。



北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(「619」、1988年1月24日就役)とロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(「055」、1986年11月5日就役、2016年12月末に近代化改装完了)は、『ロシア海軍の日』(7月29日)にクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、2018年7月4日にセヴェロモルスク基地を出航しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去り、8月1日から他の艦隊の観艦式参加艦と共にバルト海で演習を開始しました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

演習終了後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」バルト海から北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ向かった]

8月8日にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、8月9日から大西洋北部で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは北大西洋で演習を開始した]

8月11日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月15日にアルジェリアの首都アルジェへ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェを訪れた]

8月19日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェリアを去った]

8月23日には地中海中部で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海中部で演習を行なった]

9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]


その後も2隻は地中海東部に滞在していましたが、大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と別れ、9月21日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で海賊対処任務に就く]
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10月1日にアデン湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは海賊対処任務の為にアデン湾へ入った]

10月5日にセーシェル諸島ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセーシェル諸島のヴィクトリア港へ寄港した]

10月9日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセーシェル諸島を去った]

10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」モザンビークペンバ港(ポルト・アメリア)へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはモザンビークを訪れた]

10月17日にペンバ港(ポルト・アメリア)を出航し、次の訪問地マダガスカルへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはモザンビークを去り、マダガスカルへ向かった]

10月21日、マダガスカル島アンツィラナナ港(ディエゴ・スアレス)へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはマダガスカルのアンツィラナナを訪れた]

10月24日にアンツィラナナ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはマダガスカルを去った]

10月29日、「セヴェロモルスク」は再びセーシェル諸島ヴィクトリア港へ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年10月29日13時52分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」はセーシェルへの業務寄港を行なった】

11月3日にヴィクトリア港を去り、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは2度目のセーシェル訪問を終え、アデン湾へ向かった]

11月10日にはアデン湾日本海上自衛隊護衛艦「いかづち」(2001年3月14日就役)と合同演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で日本海上自衛隊の護衛艦と合同演習を行なった]

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11月12日にジブチへ寄港し、11月14日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブチを訪れた]

11月19日、海賊対処任務として、紅海からアデン湾を通過してアラビア海へ行くインド貨物船の護衛を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾でインドの貨物船を護衛する]

11月27日にパキスタンカラチ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンのカラチを訪れた]

11月30日にカラチ港を出航し、パキスタン海軍との合同演習『アラビアン・モンスーン-2018』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタン海軍との合同演習『アラビアン・モンスーン-2018』へ参加する]

その後、パキスタンを去り、12月11日に再びジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは再びジブチを訪れた]
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12月13日にジブチを出航し、紅海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブチを去り、紅海へ向かった]
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12月20日にスエズ運河を通過して地中海東部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河へ入った]
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12月22日、キプロス島リマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部へ入り、キプロスのリマソールを訪れた]

12月25日、キプロス国家守備隊海上部隊司令官が「セヴェロモルスク」を訪れました。
[キプロス国家守備隊海上部隊司令官はロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクを訪れた]

12月26日にリマソール港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロスを去った]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、2019年の元旦を地中海で迎えました。
[ロシア海軍の70隻以上の艦船は洋上で新年(2019年)を迎えた]

2019年1月8日、「セヴェロモルスク」ダーダネルス海峡を通過してマルマラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはダーダネルス海峡を通過してマルマラ海へ入った]
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翌1月9日にはボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはボスポラス海峡を通過して黒海へ入った]

1月10日、「セヴェロモルスク」は、クリミア半島黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはクリミア半島のセヴァストーポリへ入港した]
「セヴェロモルスク」は1ヶ月以上セヴァストーポリに滞在し、この間に艦のメンテナンスを行ない、乗組員は交代で休暇を取って帰省しました。

2月18日、メンテナンスを完了した「セヴェロモルスク」は、点検の為に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはメンテナンス後の点検の為に黒海へ出た]

その後、セヴァストーポリへ戻っていましたが、3月13日に同港を抜錨し、地中海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセヴァストーポリを去った]

3月15日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海へ入った]

4月2日には地中海東部潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]

4月10日、「セヴェロモルスク」は再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは再びキプロスのリマソールを訪れた]

4月12日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロスのリマソールを去り、地中海東部での活動を継続する]

その後も地中海東部に留まっていたようですが、4月下旬には西方への移動を開始し、4月29日にはシチリア海峡を通過して地中海西部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海西部へ入った]

5月3日にはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]

5月6日までにビスケー湾を通過しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ入る]

5月7日には投錨停泊して給油船「ヴャージマ」(1982年9月29日就役)から補給を受け、5月8日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ入った]

海峡通過中の5月9日には、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年を祝う行事が艦内で開催されました。

「セヴェロモルスク」英仏海峡を抜け、北海を通過して5月13日にはノルウェー海南部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海へ入った]
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5月16日にはノルウェー海北部で実弾射撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海北部で戦闘訓練を実施した]

5月17日にはバレンツ海艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)の飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった]

そして5月18日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、艦名と同じ名前の北方艦隊基地へ帰投しました。

今回、北方艦隊を代表して「セヴェロモルスク」乗組員を出迎えたウラジーミル・グリシェチキン中将は、2017年12月から同艦隊参謀長を務めています。
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1965年1月1日生まれのグリシェチキン氏は、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将及び北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将の3年後輩であり、1987年にフルンゼ記念海軍兵学校を卒業後、一貫して原子力潜水艦で勤務し、北方艦隊949原子力水中巡洋艦K-525「アルハンゲリスク」副長、太平洋艦隊949A原子力水中巡洋艦「オムスク」、「チェリャビンスク」副長、「トムスク」艦長を歴任した後、太平洋艦隊第10潜水艦師団副司令官、第16潜水戦隊参謀長を務め、2012年4月からは北方艦隊潜水艦部隊参謀長、2016年4月からは北方艦隊潜水艦部隊司令官を務めました。
2018年12月に中将へ昇進しました。


なお、一緒に遠距離航海へ出発し、2018年9月中旬までは行動を共にしていたロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2018年11月23日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海遠征を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年5月18日15時19分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はバレンツ海でヘリコプターKa-27乗員との連携へ取り組んだ】

北方艦隊の艦載航空機の飛行士は、バレンツ海水域での練習-訓練飛行実施中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」乗組員との連携へ取り組んだ。

訓練には、ヘリコプターKa-27PL及びKa-27PSの乗員が関わった。
この一昼夜に渡り飛行士は、停止中の大型対潜艦の甲板からの発艦及び着艦へ取り組んだ。

更に飛行士は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」の電波工学兵装、対空防衛複合体、通信システム及び航空機管制システムを点検する目的で、同艦の周回飛行を行なった。

飛行は、バレンツ海北方艦隊海上射爆場海域上空の設定ルート上で行なわれた。

[参照]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
の遠距離航海は昨年7月5日から続いており、近い内に完了する。

総計で北方艦隊将兵は40000海里以上を航行し、海上で積極的に活動する海賊及びテロリストへの対処に関連した数十回の戦闘訓練を行ない、艦自身は更に、自身の直接の用途である潜水艦の捜索、その分類、そして追跡の訓練を行なった。



北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」(「619」、1988年1月24日就役)とロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(「055」、1986年11月5日就役、2016年12月末に近代化改装完了)は、『ロシア海軍の日』(7月29日)にクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、2018年7月4日にセヴェロモルスク基地を出航しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はセヴェロモルスク基地を出航した]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去り、8月1日から他の艦隊の観艦式参加艦と共にバルト海で演習を開始しました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

演習終了後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」及び大型対潜艦「セヴェロモルスク」バルト海から北海へ入り、ラマンシュ海峡(英仏海峡)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ向かった]

8月8日にラマンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、8月9日から大西洋北部で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは北大西洋で演習を開始した]

8月11日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月15日にアルジェリアの首都アルジェへ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェを訪れた]

8月19日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはアルジェリアを去った]

8月23日には地中海中部で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海中部で演習を行なった]

9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]


その後も2隻は地中海東部に滞在していましたが、大型対潜艦「セヴェロモルスク」ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と別れ、9月21日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で海賊対処任務に就く]
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10月1日にアデン湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは海賊対処任務の為にアデン湾へ入った]

10月5日にセーシェル諸島ヴィクトリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセーシェル諸島のヴィクトリア港へ寄港した]

10月9日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセーシェル諸島を去った]

10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」モザンビークペンバ港(ポルト・アメリア)へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはモザンビークを訪れた]

10月17日にペンバ港(ポルト・アメリア)を出航し、次の訪問地マダガスカルへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはモザンビークを去り、マダガスカルへ向かった]

10月21日、マダガスカル島アンツィラナナ港(ディエゴ・スアレス)へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはマダガスカルのアンツィラナナを訪れた]

10月24日にアンツィラナナ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはマダガスカルを去った]

10月29日、「セヴェロモルスク」は再びセーシェル諸島ヴィクトリア港へ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年10月29日13時52分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」はセーシェルへの業務寄港を行なった】

11月3日にヴィクトリア港を去り、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは2度目のセーシェル訪問を終え、アデン湾へ向かった]

11月10日にはアデン湾日本海上自衛隊護衛艦「いかづち」(2001年3月14日就役)と合同演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で日本海上自衛隊の護衛艦と合同演習を行なった]

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11月12日にジブチへ寄港し、11月14日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブチを訪れた]

11月19日、海賊対処任務として、紅海からアデン湾を通過してアラビア海へ行くインド貨物船の護衛を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾でインドの貨物船を護衛する]

11月27日にパキスタンカラチ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタンのカラチを訪れた]

11月30日にカラチ港を出航し、パキスタン海軍との合同演習『アラビアン・モンスーン-2018』へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはパキスタン海軍との合同演習『アラビアン・モンスーン-2018』へ参加する]

その後、パキスタンを去り、12月11日に再びジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは再びジブチを訪れた]
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12月13日にジブチを出航し、紅海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブチを去り、紅海へ向かった]
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12月20日にスエズ運河を通過して地中海東部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはスエズ運河へ入った]
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12月22日、キプロス島リマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部へ入り、キプロスのリマソールを訪れた]

12月25日、キプロス国家守備隊海上部隊司令官が「セヴェロモルスク」を訪れました。
[キプロス国家守備隊海上部隊司令官はロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクを訪れた]

12月26日にリマソール港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロスを去った]

大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、2019年の元旦を地中海で迎えました。
[ロシア海軍の70隻以上の艦船は洋上で新年(2019年)を迎えた]

2019年1月8日、「セヴェロモルスク」ダーダネルス海峡を通過してマルマラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはダーダネルス海峡を通過してマルマラ海へ入った]
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翌1月9日にはボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはボスポラス海峡を通過して黒海へ入った]

1月10日、「セヴェロモルスク」は、クリミア半島黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはクリミア半島のセヴァストーポリへ入港した]
「セヴェロモルスク」は1ヶ月以上セヴァストーポリに滞在し、この間に艦のメンテナンスを行ない、乗組員は交代で休暇を取って帰省しました。

2月18日、メンテナンスを完了した「セヴェロモルスク」は、点検の為に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはメンテナンス後の点検の為に黒海へ出た]

その後、セヴァストーポリへ戻っていましたが、3月13日に同港を抜錨し、地中海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはセヴァストーポリを去った]

3月15日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海へ入った]

4月2日には地中海東部潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]

4月10日、「セヴェロモルスク」は再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは再びキプロスのリマソールを訪れた]

4月12日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはキプロスのリマソールを去り、地中海東部での活動を継続する]

その後も地中海東部に留まっていたようですが、4月下旬には西方への移動を開始し、4月29日にはシチリア海峡を通過して地中海西部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは地中海西部へ入った]

5月3日にはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入った]

5月6日までにビスケー湾を通過しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ入る]

5月7日には投錨停泊して給油船「ヴャージマ」(1982年9月29日就役)から補給を受け、5月8日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクは英仏海峡へ入った]

海峡通過中の5月9日には、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年を祝う行事が艦内で開催されました。

「セヴェロモルスク」英仏海峡を抜け、北海を通過して5月13日にはノルウェー海南部へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海へ入った]
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5月16日にはノルウェー海北部で実弾射撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海北部で戦闘訓練を実施した]

5月17日にはバレンツ海艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)の飛行訓練を行ないました。


なお、一緒に遠距離航海へ出発し、2018年9月中旬までは行動を共にしていたロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2018年11月23日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海遠征を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]

ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな能力を得る

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テレビ局『ズヴェズダー』より
2019年5月17日12時37分配信
【『統合造船業営団』トップは近代化された後の「アドミラル・クズネツォフ」の新たな能力について話した】

北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、修理及び近代化の後に新たな能力を得る。
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ『ズヴェズダー』へ話した。

「それは、新たなコンポーネント基盤、新たな能力、新たな通信、新たな対空防衛システム、最大速力への到達の観点から更新される動力設備です」
ラフマノフ
は話した。

「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシア海軍で最も大きな艦である。
その全長は306.45メートルである、3つのサッカー場の長さに匹敵する。
最大高64.49メートルは20階建てビルの高さに相当する。
巡洋艦の最大速力は29ノット(時速54キロメートル)である。

艦の基本兵装は、艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K/KUB、更にはヘリコプターKa-27、Ka-29である。
シリアへの航海中「アドミラル・クズネツォフ」は、初めて艦上へヘリコプターKa-52K「カトラン」を配置した。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
現在、「アドミラル・クズネツォフ」は寿命を延長するなどの近代化改装が行なわれています。

近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換されます。

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

以前には「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は2017年から始まる予定でしたが、2018年に延期されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスク艦船修理工場で2018年から始まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装案を作成しています。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。


「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

2018年7月下旬から「アドミラル・クズネツォフ」ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

「アドミラル・クズネツォフ」は、まず始めに蒸気タービン機関の修復を行ないます。
(8基のボイラーは全て交換し、タービンエンジンはリビルド)
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、ボイラー交換工事の準備を行なっています。
(9月2日の時点で飛行甲板上に新品のボイラーが確認できる)
【Capt(N)氏のツイート(2018年9月3日21時38分)】

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造された高圧ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。

「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年秋にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2018年9月中旬にロスリャコヴォの大型浮きドックへ入る]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]


2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業は第35艦船修理工場の岸壁で続けられますが、現段階での作業は艦内で実施されるものが殆どであり、飛行甲板上に「障害物」が横たわっていても関係無いようです。
[浮きドックPD-50の沈没事故は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの修理作業を妨げない]

一方、「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

10月30日の浮きドック事故で「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]

契約では、「アドミラル・クズネツォフ」の修理(近代化改装)作業の完了期限は、2022年第4四半期、つまり、同年10月~12月となっています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2022年末までの完了が予定されている]

「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]


2019年3月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない]

3~4ヶ月遅れるかもしれない理由は、「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるドックの確保に関する問題です。
[ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない]

現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、これが実行に移される事になりました。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

ドックの拡張工事完了後、「アドミラル・クズネツォフ」はドックへ入ります。
ただ、それは早くても2020年になり、これに伴い、「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事の完了も遅れる事になりますが。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2020年にドックへ入る]


そして今回、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、近代化改装後の「アドミラル・クズネツォフ」の新たな能力について話しました。

その大部分は、これまでにも出ている話ですが、今回、ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の動力装置(機関)が「最大速力への到達の観点から更新される」と言いました。


最近、一部で「アドミラル・クズネツォフ」が近代化改装を断念して廃艦になるなどという情報が流布されていますが、これが本当ならば、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏が、今回、このような話などしないわけであり、この点からも、この情報は全くのデマであると言えます。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはピョートル大帝湾で実弾射撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は海上目標への複合砲射撃を実施した】

太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は、ピョートル大帝湾海域で海上における単艦での用途上の行動へ取り組み、演習中に仮想敵空中攻撃手段からの攻撃を成功裏に撃退し、海上目標を砲撃で撃破した。

太平洋艦隊戦闘訓練射爆場大型対潜艦の乗組員は海上移動中の組織的対空防衛演習を実施した。
船員の行動の為の戦術環境は、東方軍管区航空・防空軍多機能戦闘機Su-35Sにより作られた。

更に、海上曳船の支援下で、仮想敵水上目標を模した海上曳航盾への複合砲射撃を実施した。
砲撃は、100mm砲により行なわれた。

海上浮遊機雷の模型を破壊する為に与えられた対機雷任務を遂行中、更に、6銃身自動艦載砲AK-630が使用された。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1991年12月15日就役)は、最近では、2018年10月1日から2019年1月24日まで東南アジアへの遠距離航海へ参加しています。
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[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠征(2018年10月-2019年1月)]

2019年2月27日、「アドミラル・パンテレーエフ」は、同型艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」と共にピョートル大帝湾潜水艦の捜索・探知訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフとアドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]

5月15日、「アドミラル・パンテレーエフ」は海上での各種演習を行なう為、ピョートル大帝湾へ出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはピョートル大帝湾で演習を行なった]

5月17日には、AK-100 100mm単装砲による水上目標への砲撃、そしてAK-630 6銃身30mm機関砲による機雷掃討訓練を実施しました。

ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年5月16日16時24分配信
【プロジェクト「ヤーセン-M」潜水艦の一連の構造上の不具合が明らかになった】
モスクワ、5月16日-ロシア通信社ノーボスチ

多目的原子力潜水艦「カザン」の試験において、改善プロジェクト885M(ヤーセン-M)の一連の構造上の不具合が明らかにされた。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは述べた。

「潜水艦の試験の進行は芳しいものでは有りません。
まず初めに、この潜水艦で初めて使用される制御システムの完成度についての話ですが、一連の構造上の不具合が明らかになった事は秘密でも何でもありません」
ラフマノフ
は話した。

彼によると、『統合造船業営団』「今年末までの試験完了及び戦闘準備モデルの受け入れの為に全力を尽くしております」

「ですが、残りの時間でカザンの仕上げの完了に成功するかどうかの問題は残されたままです」
『統合造船業営団』
のトップは確認した。

多目的原子力潜水艦「カザン」、「ノヴォシビルスク」、「クラスノヤルスク」、「アルハンゲリスク」は、改善プロジェクト「ヤーセン-M」(885M)の下で建造されている。
これらは13800トンの排水量を有し、潜航深度は520メートル、乗組員64名、自立航行期間100日、水中速力31ノット。
兵装として、機雷、533mm魚雷、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」が在る。


『タス通信』より
2019年5月17日17時47分配信
【情報筋:原子力潜水艦「カザン」の海軍への引き渡しは2019年にはならない】
モスクワ、5月17日/タス通信

プロジェクト885M(コード名「ヤーセン-M)多目的原子力潜水艦「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、補助システムの仕上げが不充分であり国防省の要望を満たしていないが故、2019年にはならない。
金曜日、『タス通信』ロシア連邦防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「規定の係留試験、更には工場航行試験の冬季段階(今年1月に完了)の結果、艦の一連の補助ユニット及び設備は、その信頼性を含め、国防省の戦術-技術的課題の要求を満たしておらず、『セヴマシュ』のドックでの仕上げが必要です」
対談者は話した。

情報提供者は、システムの仕上げには少なくとも数ヶ月掛かり、その後「カザン」は、もう一度工場航行試験の枠組みで更に数回出航しなければならず、その後に国家受領試験がある事を指摘した。
「今年末までに全てを実行する事は絶対に不可能です。
『セヴマシュ』を去るのは2020年春になり、カザンの海軍への引き渡しは2021年にずれ込む可能性は否定できないでしょう」

彼は述べた。

対談者は、今年初めに潜水艦は、機器の整備及び問題点の除去の為、『セヴマシュ』に居た事を付け加えた。

『統合造船業営団』は、潜水艦「カザン」の引き渡し時期に関する『タス通信』の情報提供者からの情報にコメントしなかった。

[「カザン」について]
「カザン」
は、改善プロジェクト885M(ヤーセン-M)の最初の多目的原子力潜水艦である。
それは『セヴマシュ』で2009年に起工され、2017年5月31日に進水した。
潜水艦北方艦隊への加入が計画されており、既に「ヤーセン」シリーズのトップ潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は就役している。

3月末、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、潜水艦の2018年の試験プログラムは挫折したが、「それ(カザン)を今年に御引き渡しするだけです」と報道陣へ伝えた。



プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

「カザン」北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できない可能性が出てきました。


「ヤーセン」級シリーズ(原型1隻、改型6隻)は、2023年~2024年までに7隻がロシア海軍へ引き渡される予定です。
[ロシア海軍第4世代多用途原潜ヤーセン級は2023年までに計7隻が就役する]
[ロシア海軍の最新鋭多用途原潜ヤーセン級は北方艦隊と太平洋艦隊へ配備される]