『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年6月27日9時37分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の為のドックの近代化には1年掛かる】愛国者公園(モスクワ州)、6月27日-ロシア通信社ノーボスチ航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」のドック入りの為の
『第35艦船修理工場』(ムルマンスク)の近代化は1年間続き、同艦の2021年の引き渡しには影響を及ぼさない。
木曜日に
『統合造船業営団』のトップ、
アレクセイ・ラフマノフは
『ロシア通信社ノーボスチ』へ話した。
航空母艦の引き渡し時期は、最近の事故により遅れるリスクが有る:昨年10月、
『第82艦船修理工場』(ムルマンスク州)の浮きドックは(アドミラル・クズネツォフの)進水時に沈没し、
ロシア連邦海軍唯一の
航空母艦は、甲板に損傷を受けた。
「7月1日、我々は、ドックの近代化工事を開始します。
これはクズネツォフのドック入りを保障する為のものであり、1年掛かります。
我々は、2021年の艦の海軍への引き渡しを成功させなければなりません」
ラフマノフは
フォーラム『アルミヤ-2019』の最中に話した。
前日に
工場『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)と
ロシアの銀行の1つの間で、
造船所第35工場の修復の為の融資契約が締結された。
ラフマノフによると、艦のドック入りと
造船所の近代化は同時に行なわれる。
「艦のユニットに問題点が発覚した場合、それを修復する必要が生じますが、我々は、修理と問題点の除去を同時に行ないます」
『統合造船業営団』のトップは指摘した。
航空母艦の技術的準備状態の回復及び近代化の為の国家契約は、
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』及び
軍当局により昨年4月に締結された。
浮きドックの事故にも関わらず、艦自体の作業の遂行時期は以前のまま保証されている。
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」は、
ソヴィエト社会主義共和国連邦時代の1991年に運用へ入った。
更新後、同艦は更に20年間は
海軍で就役できる。
ロシア航空母艦の全長は306メートル、幅75メートル、艦の排水量は6万トン、最大航行距離は8417海里(15000km以上)。
乗組員は、518名の士官及び210名の准士官を含む1960名。
航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の標準航空団は、
艦上航空機Su-33及びSu-25、更には
ヘリコプターKa-27/Ka-29で構成される。
艦は、新たな航空群を構成する
戦闘機MiG-29K及び
ヘリコプターKa-52Kの試験を実施した。
この他、
「アドミラル・クズネツォフ」には、
対艦有翼ミサイル複合体・打撃ミサイル兵器「グラニート」(12基の甲板下発射装置はトランポリン台に基づいて展開する)、
高射ミサイル複合体「キンジャール」(4モジュール、192基のミサイル)、
「コールチク」(8基のモジュール、256基のミサイルと48000発の機銃弾)が配置されている。
ロシア海軍唯一の
「航空母艦」~
ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]近代化改装の全容は明らかにされていませんが、
兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る][ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される][ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する][ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]近代化改装を終えた
「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した
『ネフスキー計画設計局』により、
「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな
淡水化装置が設置されます。
「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]更には、
ロシア海軍の
新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の
高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]「アドミラル・クズネツォフ」の
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用の
ボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬から
ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]「アドミラル・クズネツォフ」は、8基の
ボイラー(KVG-4)を、新たに製造された
ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】新たな
ボイラーKVG-4の寿命は25年になります。
「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日に
ムルマンスク北東の
ロスリャコヴォの
第82艦船修理工場の
大型浮きドックPD-50へ入渠しました。

[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]2018年10月30日未明、
大型浮きドックPD-50へ入渠していた
「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]この事故により、
浮きドックPD-50のクレーン1基が
「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。
「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後に
ロスリャコヴォから
ムルマンスクの
第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(
「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。
10月30日の浮きドック事故で
「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。
更に、
損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]
「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、
サンクトペテルブルクの
『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により機関の能力もアップするようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな能力を得る]
2019年3月、
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と
海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない]3~4ヶ月遅れるかもしれない理由は、
「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるドックの確保に関する問題です。
[ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない]現在の
『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、
「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、これが実行に移される事になりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事の準備は進められている]「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の主要部分は、2020年中には完了できる見込みです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装工事の主要部分は2020年中に完了する]2019年6月10日、
ロシア海軍総司令部及び
ロシア造船業界の代表は、
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の問題に関する(非公開の)会議を
ムルマンスクで開催し、この場で、
『第35艦船修理工場』の乾ドック拡張後、
「アドミラル・クズネツォフ」をそこへ入渠させる事が正式に決定したようです。
[ロシア海軍総司令部と造船業界は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装に関する問題を討議する][近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]『第35艦船修理工場』の乾ドック拡張工事は2019年7月1日から始まります。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事は2019年7月1日に始まる]この工事には少なくとも1年は掛かるので、工事完了は最短でも2020年7月初頭になるでしょう。
ただし、この時期まで
「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事が中断されるわけでは無く(現に、今現在も中断されていない)、水上に浮いたままでも出来る工事は進められます。
「アドミラル・クズネツォフ」が
『第35艦船修理工場』の新たな乾ドックへ入渠できるのは、早くても2020年7月初頭になるでしょう。
乾ドックで水面下部分の工事を行ない、更に、他の全ての作業が完了するのは早くても2021年前半になるでしょうし、それから洋上試験を行ない、同年末までに
ロシア海軍へ引き渡すのは、かなりギリギリのスケジュールでしょう。