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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは太平洋で長距離対艦ミサイルグラニート""を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年9月16日2時27分配信
【太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦「オムスク」は有翼ミサイルで太平洋の標的を撃破した】

戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊有翼ミサイル原子力水中巡洋艦「オムスク」は、演習目的で太平洋において水上標的への有翼ミサイル発射を行なった。

対艦有翼ミサイル「グラニート」は、約350km離れた仮想敵水上艦を模した標的船を成功裏に撃破した。

射撃実施海域の閉鎖は、太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊及びロシア北東軍集団戦闘艦及び補助船、更には艦隊海上航空隊対潜航空機戦闘機MiG-31により保障された。

以前、太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と、ロケット艇R-14R-18から成るロケット艇打撃グループは、この海域で有翼ミサイル複合体「ヴルカーン」有翼ミサイル「モスキート」の発射を成功裏に実施し、それぞれ約500kmと130km離れた目標を撃破した。

部隊の行動の統制は、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」により行なわれた。
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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【K-186「オムスク」 プロジェクト949A】

プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦K-186は、1989年7月13日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1993年5月8日に進水、1993年12月10日にロシア海軍へ納入され、同年12月15日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

この間、1992年7月3日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「オムスク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1994年1月21日に赤旗北方艦隊に編入され、ザーパドナヤ・リッツァ基地へ配備されました。
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1994年9月14日付で赤旗太平洋艦隊へ転属し、同年8月18日から9月10日にザーパドナヤ・リッツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動しました。

2007年~2008年にボリショイ・カーメニ市極東工場『ズヴェズダー』でオーバーホールを行ないました。

2008年7月25日の『ロシア海軍の日』にはウラジオストクの観艦式へ参加しました。
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2010年7月~8月には戦略演習「ヴォストーク-2010」へ参加しました。

2012年12月末に遠距離航海から帰投しました。
[オスカーII級原潜オムスクはヴィリュチンスク基地へ戻った]


2014年9月には戦略演習「ヴォストーク-2014」へ参加しました。

2015年に再び極東工場『ズヴェズダー』へ回航され、修理及び近代化改装工事が始まりました。


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2019年5月に日本海で航行試験を行なった後、6月29日に太平洋艦隊へ引き渡され、現役に復帰しました。
[近代化改装を終えた原子力水中巡洋艦オムスクはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]
「オムスク」の近代化改装の具体的な内容には触れられていませんが、おそらくは艦の寿命延長や核燃料の交換、一部の機器の更新などでしょう。

現役に復帰した「オムスク」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクの観艦式へ参加した後、8月9日にカムチャツカ半島の母港ヴィリュチンスクへ帰投しました。
[近代化改装を終えたロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクはカムチャツカ半島の基地へ戻った]


沿海地方に駐留するロシア太平洋艦隊水上戦闘艦は、オホーツク海へ移動して8月末から演習を行なっており、9月14日にはナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」ロケット艇R-14、R-18が、太平洋側へ移動して対艦ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとロケット艇2隻は太平洋で対艦ミサイルを発射した]

そして9月16日、同じ海域で「オムスク」対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2019年12月に出航する

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年9月9日17時56分配信
【情報筋:巡洋艦「モスクワ」は2019年末までに海へ出る】

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(プロジェクト1164、コード名「アトラント」)は、主動力装置修理の次の段階を完了した後、2019年12月に海へ出る事が計画されている。
『Mil.Press FlotProm 』は、2名の(造船)分野の情報提供者より伝えられた。


艦は、航行状態復旧の為の修理を『第13艦船修理工場』で行なっている。

現時点で、4基のガスタービン発電機と2基の減速装置が修復され、給油装置、航行用ガスタービンエンジンのガス排気装置を含むガスタービン動力装置の修理が行なわれている。

黒海艦隊広報サービスは『Mil.Press FlotProm 』へ、全ての修理復旧活動は計画通りに行なわれていると話した。
艦が海へ出る時期については言わなかった。
海軍の代理人は、艦の乗組員は計画に沿って戦闘訓練を続けている事を指摘した。
工場の専門家は、第5戦闘部門(計3個大隊)の乗組員と共に艦の技術的準備状態を復旧している。
情報提供者は特派員へ、海への出航は2019年~2020年の境目に計画されていると通知した。


2018年10月、『Mil.Press FlotProm 』記者は、第13艦船修理工場「モスクワ」の航行準備状態の回復作業を開始した事を明らかにした。
修理は、6ヶ月から8ヶ月の期間での完了が計画されている。

6月5日、主動力装置の航行試験を行なう為、艦は2016年末以来初めて出航した。

2019年1月に『Mil.Press FlotProm 』が(造船)分野の消息筋より伝えられたように、黒海艦隊旗艦の近代化の決定は、2020年代まで延期された。
『北方計画設計局』は、技術プロジェクト作成作業の為の資金供給を未だ受けていない。
近代化はセヴェロドヴィンスク『ズヴェズドーチカ』で行なわれる。

[『Mil.Press FlotProm 』参照]
「モスクワ」
は、プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦のトップである。
1983年に「スラヴァ」の名前で運用へ入った。
1996年、後援者としてモスクワ市庁が現れ、それに改名された。
現在、艦では約40名のモスクワ市民及びモスクワ州住民が勤務している。

プロジェクト「アトラント」巡洋艦の排水量は11380トン、全長186メートル、最大幅20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員は510名。
巡洋艦の主な打撃兵装は、ミサイルP-1000「ヴルカーン」の16基の発射装置である。
これに加え、砲、対空防衛ミサイル手段、高射ミサイル複合体「オサー-M」、魚雷発射管及び深海爆撃の為の反応装置を装備する。

2015年後半、巡洋艦は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊を率い、その対空防衛手段でシリアロシア航空基地フマイミーンをカバーした。

最後の戦闘勤務は2016年1月に完了した。



黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(1983年1月30日就役)は、2015年までは何度も長期航海を行なっていました。
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船は2015年に総計50万海里以上を航行した]

2015年1月1日の時点では、太平洋遠征(ニューギニア沖まで進出)から戻る途中であり、オマーンで新年を迎えました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。
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2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日、2017年7月30日、2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていましたが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

ただし、「モスクワ」の近代化改装自体は断念されていません。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念される?]
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は断念されていない]

結局、まずセヴァストーポリ『第13艦船修理工場』「モスクワ」の修理を行なう事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはセヴァストーポリで修理を行なう]

その後、セヴェロドヴィンスクへ移動して近代化改装を行なう事も考慮されているようですが、未だ最終決定は下されていません。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの今後に関する最終決定は下されていない]
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワの近代化改装は2020年代初頭に延期される]


2019年6月5日、「モスクワ」セヴァストーポリを出航し、黒海へ出ました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは3年ぶりに出航した]

2019年7月28日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
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「モスクワ」セヴァストーポリで機関の修理を行ない、完了後の2019年12月には再び出航するようです。

ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日16時22分配信
【練習艦「ペレコプ」はアルハンゲリスクへ到着した】

艦内にロシア海軍研修学校生徒を乗せて北方海上航路の航行を行なっているバルト艦隊練習艦「ペレコプ」は、アルハンゲリスク市へ到着した。
艦は、沿海首都の海上河川船着場へ係留された。

歓迎式典には、白海海軍基地司令官及び将兵、アルハンゲリスク州指導部、海軍生徒、幼年学校生徒、全連邦軍事スポーツ少年団員、アルハンゲリスク住民が参加した。
地元の歌と踊りのアンサンブル『ディヴォヴァニエ』のアーチストは、有名な北方民族民謡『海のように、海は青く』を演奏し、ゲストへ伝統的なパンと塩が贈られた。


「沿海の大地~ここは、海軍発祥の地のみならず、人材育成の場でもあります。
最初の船員であるピョートル大帝陛下、将来の提督ラーザレフ、ナヒーモフ、コルニロフ、クズネツォフは、白海沿岸のこの場所で勤務しました」
白海海軍基地
司令官コンスタンチン・カバンツォフ少将は、ゲストに向かって強調した。
「今日、名誉ある白海の船員は、勇敢な伝統の先覚者であり、与えられた戦闘演習任務を成功裏に果たし、我が国の安全の強化へ重みのある貢献を為しております。
海軍の遠方勤務中、貴方達が、一度ならず、何度も我々の大地へ来るであろう事を確信します」


白海沿岸は、正当なロシア海軍発祥の地と見られている。
17~18世紀の境目には、ここに初の国立造船所が開設された。
今日、ここには原子力潜水艦建造センターが有る。
北の大地では、115年前に伝説的なソヴィエト連邦海軍元帥ニコライ・ゲラシモヴィチ・クズネツォフが生まれた。
サンクトペテルブルク及びウラジオストクからの多くの他の海軍学校生徒は、近日中にアルハンゲリスクの博物館及び名所への見学旅行の時間を得る。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年9月10日15時27分配信
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」はアルハンゲリスク港を去った】

バルト艦隊練習艦「ペレコプ」は、アルハンゲリスク港を去り、北方海上航路上で艦隊間移動を続ける。

7500海里に渡る北方艦隊から太平洋艦隊への移動の枠組みで、「ペレコプ」は、チクシ港、ぺヴェク港、ベーリング島への寄港を行ない、9月30日には艦のペトロパヴロフスク・カムチャツキー港への寄港が計画されている。
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最も困難な結氷状況と認められるカラ海を通過する艦の移動を保障する為、生粋の浅いプロジェクト10580原子力砕氷船「ヴァイガチ」が関わる。
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練習艦には、100名以上のS.O.マカロフ提督記念太平洋海軍高等学校及び海軍軍事科学研修センター『ソヴィエト連邦海軍元帥N.G.クズネツォフ記念海軍アカデミー』(サンクトペテルブルク)の生徒が乗っており、海上実習を行なう。

航海中、生徒は、航海士学科の実習様々な条件及び困難な航海環境下での艦の制御の技量の向上、更には士官及び航海士当直義務の代役を務める事になる。

この他、将来の海軍士官は艦に備え付けられている最新の練習シミュレーター「レゲリ」で一連の訓練を行なう。
研修完了後、艦上の生徒は、特別かつ様々な海上学科のテストへ移行する。

艦での研修の為、特殊クラス及び訓練シミュレーターが作成された。
「ペレコプ」は天文学甲板、艦のダメージコントロール区画、6本オール漕ぎボートを有する。
同時に300名までの将来の航海士、機関士、操縦士が海上実習を行なえる。

艦の移動時に、ロシア連邦の大規模港を訪れ、2、3回の海軍学校の生徒の交代を行なう。
2018年には、1000名以上が艦上で実地訓練を行なった。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。

「ペレコプ」は9月30日にカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はボリシェヴィク島で上陸演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月14日17時0分配信
【北方艦隊の海軍歩兵は北極で仮想破壊工作員を一掃した】

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」及び「コンドポガ」に乗って北方艦隊北極グループの一員として任務を遂行している海軍歩兵及び空挺軍部隊は、北極の島の無防備の海岸への上陸と、仮想敵の破壊工作偵察グループを撃滅する演習を実施した。

演習は、コラ多種戦力小艦隊司令官オレグ・ゴルべフ中将の指揮下で、セヴェルナヤ・ゼムリャ列島ボリシェヴィク島地域において行なわれた。
それには、戦闘艦の乗組員及び北方艦隊北極グループ戦闘車両BTR-82Aの要員が参加した。
総計で3隻の戦闘艦、2機のヘリコプターKa-27、10両の装甲車、2隻のと500名以上の人員が関わった。

最初に島の海岸へ入ったのは、水中破壊工作員へ対処する為のコラ小艦隊支隊の戦闘泳者であった。
彼らは、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」汎用口径砲塔から敵の強化火力トーチカへの砲打撃を与える為の目標指示を行なった。

その後、海岸への砲撃準備の為、海軍歩兵グループ高速艇で送り込まれ、更にはヘリコプターKa-27から空挺部隊が降り立った。
海軍歩兵部隊の要員は、海岸で橋頭堡を確保し、基幹部隊が乗る大型揚陸艦の進入を保障した。

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」及び「コンドポガ」は、歴史上初めてボリシェヴィク島海岸への進入及び重点方式による戦闘車両の陸揚げへ取り組んだ。
艦の中甲板から進入後、BTR-82A乗員は、仮想敵の追撃、包囲、撃滅の為の機動戦実施戦術へ取り組んだ。

演習中、海軍歩兵及び空挺軍部隊の要員は、更に射撃兵器及び擲弾筒からの射撃を実施した。

ボリシェヴィク島での戦闘演習任務遂行を完了した戦闘車両揚陸艦へ積載され、北方艦隊北極グループカラ海ウエジネニヤ島へ進路を取った。
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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった]

翌9月14日、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊空挺軍部隊は、ボリシェヴィク島で上陸演習を行ないました。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとロケット艇2隻は太平洋で対艦ミサイルを発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月14日4時40分配信
【太平洋艦隊の艦艇は演習中に太平洋上の目標へ有翼ミサイル打撃を与えた】

本日の太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の試験戦術演習中、太平洋海域で海上目標への有翼ミサイル射撃が実施された。

太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、約500km離れた標的船への有翼ミサイル複合体「ヴルカーン」の発射を実施した。
客観的観測データによると、指定時間にミサイルは目標を撃破した。

更に、ロケット艇R-14R-18から成るロケット艇打撃グループは、仮想敵水上艦を模した海上曳航盾へ、2基の有翼ミサイル「モスキート」によるミサイル打撃を与えた。
ミサイル発射は最大距離で実施された。
130km以上離れた標的の撃破が確認された。

戦闘訓練海域の安全保障は、太平洋艦隊の20隻以上の戦闘艦及び補助船太平洋艦隊海上航空隊航空機Tu-142、Il-38、MiG-31により行なわれた。



2019年8月15日午前5時頃、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、ウダロイI級駆逐艦宗谷海峡を通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
スラバ級ミサイル巡洋艦(011):ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊旗艦)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(715):戦隊水雷艦「ブイストルイ」
ウダロイI級駆逐艦(564):大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」


8月24日~25日、ウダロイI級駆逐艦、ステレグシチー級フリゲート、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇、タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
ウダロイI級駆逐艦(548):大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
ステレグシチー級フリゲート2隻:コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333)、「グロームキー」(335)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻:大型ロケット艇R-14(924)、R-18(937)
タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇:大型ロケット艇R-79(995)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」


これらの艦船は、8月27日にオホーツク海で演習を行ないました。
"[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にはカムチャツカ半島の軍港(おそらくペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭、先にオホーツク海へ入っていたナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と、後から入った大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、オホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

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9月3日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。

9月4日、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、引き続き太平洋側で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

9月5日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、カムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。
同日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」駆逐艦「ブイストルイ」は、カムチャツカ沿岸への対地砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった]

9月7日夜~9月8日未明、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、アヴァチンスキー湾に停泊中、水中工作部隊の襲撃を撃退する訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦2隻とコルベット2隻はカムチャツカ沖で水中工作部隊の撃退訓練を行なった]

9月14日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」ロケット艇R-14、R-18は、太平洋側へ移動して対艦ミサイルを発射しました。
(「ワリャーグ」超音速長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」R-14R-18超音速中距離対艦ミサイル「モスキート」を発射)

ロケット艇R-14(1991年12月28日就役)
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ロケット艇R-18(1992年8月24日就役)
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ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月13日14時30分配信
【巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はエジプト訪問を完了した】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、エジプトの港湾都市アレクサンドリアへの業務寄港を完了した。
本日(9月13日)朝、艦は地中海へ出航し、支援船:中型海洋給油船「ヴャジマ」及び救助曳船SB-406との会合地点へ向かった。

乗組員の訪問は3日間続いた。
北方艦隊将兵は数回の沿岸上陸を行ない、市内の歴史的名所を見学した:有名なアレクサンドリアの大灯台の残骸に建設されたカーイト・ベイの要塞ローマの円形劇場モンタザ宮殿
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エジプトの船員とサッカーの親善試合を行ない、食料の在庫を補充した。

高位のゲスト、ロシア大使館員、ホスト国の代表団がロシア艦を訪れた。

近い内に巡洋艦支援船と合流し、公海での燃料の在庫補充へ取り組む。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、8月22日に地中海エリアへ入った。
8月23日~26日に北方艦隊将兵は、アルジェリア人民民主共和国の首都アルジェ港への業務寄港を行なった。

艦は、サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加する為、7月3日にセヴェロモルスクから出航した。
パレードの後、乗組員は海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加した。

基地から出航して以来、巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は11500海里以上を進んだ。



ロシア北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船SB-406は、2019年7月3日にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

これらの艦船は、7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後は北海ノルウェー海で演習を行なっていたようですが、8月12日、「マルシャル・ウスチーノフ」救助曳船SB-406は他の北方艦隊艦船と別れ、南下して遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは遠洋航海を開始した]

この2隻に中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は北海を南下し、8月15日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過する]

8月17日にラマンシュ海峡を通り抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過してビスケー湾へ入った]

8月22日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月26日にアルジェリアの首都アルジェ港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを訪れた]
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8月29日にアルジェ港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを去った]

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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は地中海中央部へ移動して投錨停泊し、9月4日には中型海洋給油船「ヴャジマ」からディーゼル燃料(軽油)真水の補給を受け、ダメージコントロールなどの艦内演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海中部で演習を行なった]

9月9日、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、キプロスリマソール港へ入港しました。
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翌9月10日、「マルシャル・ウスチーノフ」エジプトアレクサンドリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を訪れた]

9月13日、「マルシャル・ウスチーノフ」アレクサンドリア港を出航しました。

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月13日14時45分配信
【北方艦隊将兵は北極で船の臨検へ取り組んだ】

北方艦隊対テロ活動グループ及びロシア連邦保安庁境界線局の協力者は、北極エリア西方において、艦隊の北極グループの一員として行動している大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の艦上で、ロシアの法律に違反している疑いのある船の臨検活動へ取り組んだ。

ソルネチナヤ湾海域(ラプテフ海)ボリシェヴィク島地域で、境界線局及び北方艦隊の将兵から成る臨検グループは、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」から高速艇で、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ貨物を送り届ける民間船「S.クズネツォフ」へ乗り込んだ。

臨検活動中、ディーゼル船の勤務、貨物、居住船室、船の文書と乗組員の文書が点検された。
一連の現行法違反が判明し、情報は規定の順序を経て然るべき機関での検討の為に転送された。

境界線警備隊北方艦隊将兵の連携により、北極での臨検作戦時の行動における手続きを行なう初めての経験を得た。

北方艦隊北極グループの8度目の航海は、8月5日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市から出航して始まった。
セヴェロモルスクからの移動中に支隊の艦船は2500海里以上を移動した。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。

ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は更に改良される

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『タス通信』より
2019年9月13日18時7分配信
【対艦ミサイル「オーニクス」は新たな特性を得る】
モスクワ、9月13日/タス通信

科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)は、超音速対艦有翼ミサイル「オーニクス」の改良を計画している。
金曜日に『タス通信』科学生産合同『機械製造』より伝えられた。

「はい、私共は、この対艦ミサイル複合体の有効性を高める為、ミサイル"オーニクス"の飛行特性の向上を提案しております」
科学生産合同『機械製造』
は、然るべき質問に答え、こう話した。
同社の代理人は、具体的な特性は如何なるものになるのかという話については明らかにしなかった。

今日において、ミサイルの最大攻撃距離は300km、最大飛翔速度は、高空でマッハ2.5である。
弾頭部分の重量は250kgに達する。
複合体は、水上艦潜水艦の兵装である。

ミサイル「オーニクス」を有する対艦ミサイル複合体P-800の開発は1982年に始まり、ミサイルは、20年経った2002年に軍備採用された。

金曜日、科学生産合同『機械製造』は設立75周年を迎える。




【株式会社「軍事産業団体・科学生産合同『機械製造』」】

[新世代超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)]

汎用対艦有翼ミサイル「オーニクス」の開発は1981年6月5日に正式決定され、1982年3月10日には科学生産合同『機械製造』による予備設計案が採用されました。

潜水艦による水中発射試験を行なう為、プロジェクト670M原子力潜水艦K-452が1986年6月25日から1992年7月10日までプロジェクト06704改造を実施しました。
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K-452(1992年6月3日からB-452)は、1992年から1998年まで「オーニクス」ミサイルの発射試験に従事しました。

水上艦による水上発射試験の為にプロジェクト1234小型ロケット艦「ナカト」が改造され、1996年から発射試験が行なわれました。
[「オーニクス(ヤホント)」試験艦「ナカト」]
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「ナカト」による「オーニクス」の発射試験は、1990年代末に資金難で中断された後2000年代初頭に再開され、「オーニクス」は2002年9月23日付でロシア海軍へ軍備採用されました。
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一方、「オーニクス」搭載艦として、プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦プロジェクト22350フリゲートの建造も始まりましたが、財政難などにより工事は遅延し、就役は大幅に遅れました。
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]
[プロジェクト22350フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ」型)]

ロシア海軍原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、就役前の2013年11月上旬に初めて「オーニクス」を発射しています。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

「オーニクス」は、近代化改装されるプロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦にも搭載されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)の1隻目は2021年以降に復帰する]


「オーニクス」は、対地/対艦ミサイル「カリブル」と共用の汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKから発射されます。
[汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSK]

「オーニクス」の地上発射型である「バスチオン」は、ロシア海軍の各艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)へ配備されています。


「バスチオン」は、2016年11月15日にシリア領内テロ組織を攻撃しています。
現在の所、これが「オーニクス」系列ミサイルの唯一の実戦での使用例です。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

軍備採用から10年以上経過した2016年初頭までに、科学生産合同『機械製造』「オーニクス」のソフトウェア面での改良を行ないました。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

そして今回、科学生産合同『機械製造』は、「オーニクス」の更なる改良を行なうと発表しました。
改良の具体的な内容には触れられていませんが、飛行特性の向上との事ですから、おそらくは射程距離や飛翔速度の向上でしょう。


科学生産合同『機械製造』は、ソヴィエト連邦時代には2種類の超音速対艦ミサイルを開発しています。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

現在は、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発を進めています。
極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」

ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は造船台を出た



『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月12日11時12分配信
【太平洋艦隊の為のコルベットはコムソモリスク・ナ・アムーレ造船工場の造船台を出た】
ハバロフスク、9月12日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊の為に建造されているプロジェクト20380多目的警備艦「アルダル・ツィジェンジャポフ」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)の造船台を出た。
(ハバロフスク)地方政府は木曜日に発表した。

「コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』の造船台からのプロジェクト20380多目的警備艦アルダル・ツィジェンジャポフの出渠式典が開催されました。
コルベットは(浮き)ドックへ設置され、その後に艤装作業及び試験が始まります」

声明では、こう述べられた。

会合には、ハバロフスク地方の指導者、ロシア国防省、海軍及び『統合造船業営団』の代表、『アムール造船工場』の専門技術者が参加した事が指摘された。

「アルダル・ツィジェンジャポフ」は、『アムール造船工場』で建造されるコルベットシリーズの3番艦である。
その起工は2015年に行なわれ、ロシア連邦太平洋艦隊への引き渡しは2020年に計画されている。
最初の2隻のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」「グロームキー」は既に太平洋艦隊の一員として在る。
第4の「リェーズキー」は2021年に海軍へ増強される。



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現在、ロシア極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの建造が進められています。

1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、2017年7月20日に就役しました。
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[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2隻目の「グロームキー」(2012年4月20日起工、2017年7月28日進水)は、2018年12月25日に就役しました。
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[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2015年7月22日に起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]

2019年9月12日に造船台を出渠(進水)しました。
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なお、『アムール造船工場』では、コルベットの進水式典の際、シャンパンを割る女性として、同社職員から「コルベットの花嫁」が選ばれていますが、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「花嫁」は、今年3月に選定されています。


「コルベットの花嫁」アンナ・スビヤコワ
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「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」の就役は2020年に予定されています。

4隻目の「リェーズキー」は、2016年7月1日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]
就役は2021年に予定されています。
[最新コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は2020年、"リェーズキー"は2021年にロシア海軍へ就役する]


この他、サンクトペテルブルク『北方造船所』で建造されている20380の兵装強化型20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」(2012年2月1日起工、2017年6月30日進水)も太平洋艦隊向けであり、2019年12月の就役が予定されています。
[プロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは2019年末までにロシア海軍へ引き渡される]
「グレミャーシチー」は、就役前の2019年9月には極東へ回航されます。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2019年9月に北極海経由で極東へ回航される]

2013年7月25日に起工された20385の2番艦「プロヴォールヌイ」も、就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイはキプロスのリマソール港を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年9月11日9時48分配信
【黒海艦隊の警備艦「プイトリーヴイ」はリマソール港への業務訪問を完了した】

黒海艦隊警備艦「プイトリーヴイ」は、キプロス共和国リマソール港への業務寄港を完了し、遠海ゾーンのロシア海軍常設連合部隊の一員として任務遂行を続ける。

艦は、必要な物品の在庫を補充し、乗組員は沿岸へ降りる機会を得て、市内の歴史的名所への観光旅行を行なった。

ロシアフリゲートの外国港への寄港は、地中海での艦の滞在計画及び物資補充スケジュールに沿って実施された。

警備艦「プイトリーヴイ」は、2019年7月からロシア海軍常設連合部隊の一員として与えられた任務を遂行している。



今や、ロシア海軍で唯一現役に在るプロジェクト1135M(クリヴァクII級)警備艦「プイトリーヴイ」(1982年2月9日就役)は、長期オーバーホール完了後の2015年5月以降、度々地中海で行動しています。


2018年には、地中海東部へ3回派遣されています。

1回目は、2018年3月14日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、4月2日にダーダネルス、ボスポラス海峡を北上して黒海へ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部へ行く]
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部を去った]

2回目は、4月21日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイとスメトリーヴイは地中海東部(シリア沖)へ行く]

2018年6月初頭にセヴァストーポリへ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と警備艦プイトリーヴイは地中海を去った]

3回目は、2018年8月下旬にセヴァストーポリを出航し、8月24日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。

2018年9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も地中海東部に留まっていましたが、10月9日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海を去った]

10月10日に母港セヴァストーポリへ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイはセヴァストーポリへ帰投した]


2019年1月には、黒海へ入ったアメリカ海軍の軍艦の監視任務へ就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは黒海でアメリカ海軍のドック型揚陸艦フォート・マクヘンリーを監視する]
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは黒海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]

その後も黒海で行動し、最近では、7月中旬の黒海艦隊演習へ参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年7月13日9時10分配信
【黒海艦隊の艦は演習実施後に駐留地点へ戻る】

他の演習参加艦はセヴァストーポリへ帰投しましたが、「プイトリーヴイ」は戻らずに黒海を南下し、7月13日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦プイトリーヴイは地中海東部(シリア沖)へ行く]

それから現在まで地中海東部で行動しており、9月上旬にはキプロスリマソール港へ寄港し、9月11日に出航しました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」2019年4月末から地中海東部に滞在
警備艦「プイトリーヴイ」2019年7月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「コヴロヴェツ」2019年7月上旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「キルディン」:2019年6月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」2019年6月末から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2019年6月末から地中海東部に滞在
対水中工作艇「スヴォーロヴェツ」2019年5月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2019年7月下旬から地中海東部に滞在

[カスピ小艦隊]
小型ロケット艦「ヴェリキー・ウスチュグ」
2019年6月中旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ウグリーチ」2019年7月中旬から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」
2019年9月上旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2019年9月上旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-406:2019年9月上旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される

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『タス通信』より
2019年9月11日9時38分配信
【情報筋:ロシアの最初の2隻のヘリコプター母艦はクリミアの造船所で2020年春に起工される】
モスクワ、9月11日/タス通信

ロシアの最初の2隻の汎用揚陸艦は、クリミア造船工場『ザリフ』で2020年5月に起工される。
水曜日、『タス通信』は、2名の造船分野の情報提供者より伝えられた。

「ロシア史上初の排水量15000トンの2隻の汎用揚陸艦は、ケルチの造船工場『ザリフ』で2020年の起工が計画されております」
対談者の1人は話した。
彼は、トップ艦の海軍への引き渡しは、今の国家軍備プログラムの完了までに計画されていると付け加えた。
それは2027年末までとなる。

他の情報提供者は明らかにした。
「双方の艦の起工は、2020年5月に行なわれます」
彼は、各艦の排水量は15000トンである事を確認した。
彼によると、は、様々なクラスの10機以上のヘリコプターを搭載でき、更には、揚陸艇の為の大型ドック室を得る。

対談者は更に伝えた。
「新たな艦の技術設計開発は最終段階に在り、それが完了した後、数ヶ月以内には汎用揚陸艦の建造契約へ署名します」

『タス通信』は、情報提供者より提供された情報を公式に確認していない。

[汎用揚陸艦]
以前、造船分野の他の情報提供者は、国防省によるロシア初の汎用揚陸艦の戦術-技術的課題の形成の完了は、2019年末よりも遅くはならないと『タス通信』へ伝えた。
彼によると、汎用揚陸艦のトップの建造及び発注者への引き渡しは、2027年までの国家軍備プログラムの枠内で計画されており、生産艦は2030年初頭になる。

ケルチ工場『ザリフ』は、全長300メートル、幅50メートルまでのを建造する為の造船場所を有しており、排水量15万トン以上のを建造できる。

ヘリコプター母艦とも呼ばれる汎用揚陸艦は、様々な用途の重ヘリコプターの大規模グループの搭載(「ミストラル」は16機、アメリカ「ワスプ」型は30機以上)、更には数百名から1000名の海軍歩兵隊員の移送が可能である。
この他、汎用揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、装甲車両の移送を保障する及び他の水上手段の為のドックを有する。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

[汎用揚陸ヘリコプター母艦「ラヴィーナ」]
満載排水量:24000トン
全長:200メートル
幅:33メートル
吃水:5メートル
速力:22ノット
航続距離:5000海里
自立行動期間:60日
乗員:320名
積載能力:海軍歩兵隊員500名、各種戦闘車両50両
搭載機:ヘリコプター×16機(Ka-29、Ka-52K、Ka-27)
搭載艇:揚陸艇×6隻
兵装:AK-176MA 76mm単装砲×1基
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」×2基
高射砲複合体「パラシ」×3基
AK-630M2「ドゥエト」30mm機関砲×2基


この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、ロシア海軍向けとなる汎用ヘリコプター揚陸艦が設計され、実際に建造されることになります。
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは4機のプロトタイプが製造された]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ロシア国防省(ロシア海軍)は、クリミア半島セヴァストーポリ市の要望に応え、汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦に「セヴァストーポリ」の名前を付ける事を決定しています。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦はセヴァストーポリと命名される]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、最近になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で建造する案が浮上してきました。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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新世代汎用揚陸艦の排水量も、以前には25000~30000トンクラスになると言われていましたが、それよりも小さい15000トン程度になるようです。
ヘリコプターの搭載機数は10機程度になるようです。
(つまり、上記の「ラヴィーナ」の小型版)

ソ連邦時代に2隻が建造され、黒海艦隊へ配備された対潜巡洋艦(ヘリコプター巡洋艦)「モスクワ」型(プロジェクト1123)の満載排水量が15280トンでしたから、大体「モスクワ」型と同クラスの艦になるようです。
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新世代汎用揚陸艦の1番艦(セヴァストーポリ)は、2027年末までにロシア海軍へ引き渡される予定との事です。


なお、ロシア統合造船業営団総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、この情報を否定しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月11日12時3分配信
【『統合造船業営団』はクリミアでのヘリコプター母艦建造計画の報道へ反論した】
ラフマノフ氏は
「そのような話は未だ何も有りませんし、未だプロジェクトは有りません。
何処で建造するのかは、国が決める事です」
と言っています。

つまり、現段階においては「そういう提案も有る」といった程度のものでしょう。

ロシア海軍の為の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は2020年に完了する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月11日16時2分配信
【対潜複合体「オトヴェート」の国家試験は2020年に完了する】
サンクトペテルブルク、9月10日-ロシア通信社ノーボスチ

潜水艦撃破の為に意図されている将来対潜ミサイル複合体「オトヴェート」の国家試験は2020年に完了する。
ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは、防衛企業~コンツェルン『ギドロプリボル』及び国立研究センター『エレクトロプリボル』訪問後に報道陣へ伝えた。

「『ギドロプリボル』は、今年に将来対潜複合体オトヴェートの試験量産へ着手します。
この複合体の国家試験の完了は来年に計画されています」

彼は言った。

彼によると、複合体「オトヴェート」は、コルベット、フリゲート重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」を含む巡洋艦クラスの新造及び近代化される水上艦へ装備される。

「複合体は、潜在敵の潜水艦の破壊の為に意図されております。
弾頭部分はミサイルから分離した後、潜水艦が居ると推定される海域へ降り、自動モードで進入し、それを撃破します」
クリヴォルチコ
は話した。

コンツェルン『ギドロプリボル』は、海上で戦闘を行なう兵器を開発及び量産するロシア国防省の為の一連の国家契約を履行している。
この将来魚雷及び機雷兵器、更には様々な用途のロボット水中装置を開発している。



現在、ロシア海軍新世代水上戦闘艦の為の新たな対潜兵器として、対潜・対魚雷複合体「パケート-NK」が配備されています。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷複合体パケート]
「パケート-NK」(324mm短魚雷)は、プロジェクト20380/20385コルベットプロジェクト22350フリゲートに装備されており、今後は、近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」、建造が始まったプロジェクト20386コルベッ、将来に建造される原子力駆逐艦「リデル」にも装備されます。

今回、ロシア国防次官アレクセイ・クリヴォルチコ氏は、新型対潜兵器「オトヴェート」の存在を初めて明らかにしました。

クリヴォルチコ氏の発言を見る限り、「オトヴェート」は、弾頭部分に魚雷を装備する対潜ミサイルのようです。

おそらくは、ソ連邦時代に開発された対潜ミサイル「ラストルブ」「ヴォドパード」の後継でしょう。

対潜ミサイル「ラストルブ」


対潜ミサイル「ヴォドパード」

ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された



『タス通信』より
2019年9月11日18時16分配信
【新たな「カリブル」搭載小型ロケット艦「タイフーン」はタタールスタンで起工された】
ゼレノドリスク/タタールスタン、9月11日/タス通信

プロジェクト22800小型ロケット艦「タイフーン」の起工式典は、水曜日にA.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場で開催された。

「この艦は、コーポレーション『アク・バルス』が海軍の為に建造するシリーズの5隻目となります。
同プロジェクト艦は、無条件にユニークなものです。
今日、ロシア海軍は積極的な発展段階に在ります。
小型ロケット艦、哨戒艦、対機雷艦のシリーズ建造の任務が有り、大排水量の艦の建造が行なわれています。
大排水量及び小排水量のクラスの艦の存在は、水上戦力が自己完結性を有する事を可能にします」

式典でロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は話した。

プロジェクト22800「カラクルト」シリーズの5番艦は「タイフーン」と命名された。
当初、それは、2015年にレニングラード造船工場『ペラ』で起工された同プロジェクト小型ロケット艦の最初の生産艦に付けられていた。
しかし、その後、同艦は「ソヴィェツク」と改名された。

プロジェクト22800小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
「カラクルト」は、兵装として打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」を有する。

ゼレノドリスク工場(造船コーポレーション『アク・バルス』へ加入)は、5隻の「カラクルト」の建造契約を有している。
これらの内の3隻は、ケルチ工場『ザリフ』の生産設備で建造されている。
「カラクルト」の建造は、更に、『ペラ』及びアムール造船工場でも行なわれている。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦です。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、現在までに14隻が起工されています。

最初の2隻:「ウラガーン」「タイフーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「ウラガーン」は2017年7月29日、「タイフーン」は2017年11月24日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭小型ロケット艦カラクルト級2番艦タイフーン進水(2017年11月24日)]

「ウラガーン」改め「ムィティシ」は2018年12月17日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[プロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦1番艦ウラガーン改めムィティシはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
[ムィティシ市はロシア海軍最新鋭小型ロケット艦ムィティシを後援する]

「タイフーン」改め「ソヴィェツク」は、2019年5月20日に航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ソヴィェツク(タイフーン)、航行試験開始(2019年5月20日)]
ロシア海軍への引き渡しは2019年12月に予定されています。

2016年5月10日、クリミア半島フェオドシヤ造船工場『モーリェ』(海洋)「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]

2016年7月29日、『ペラ』造船所「シクヴァル」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]

2016年12月24日、『ペラ』造船所「ブーリャ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
「ブーリャ」は2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

2017年3月17日、フェオドシヤ造船工場「オホーツク」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦オホーツクが起工された]

2017年12月19日、フェオドシヤ造船工場「ヴィフリ」が起工されました。
[クリミアのフェオドシヤ造船所でロシア海軍の新世代小型ロケット艦ヴィフリ(旋風)が起工された]

これで『ペラ』造船所及びフェオドシヤ造船工場契約分7隻は全て起工されました。


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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「ツィクロン」Циклон(工場番号801):2016年起工
「アスコルド」Аскольд(工場番号802):2016年起工
「アムール」Амур(工場番号803):2017年7月30日起工


2019年2月26日、今度は『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」Туча(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

そして2019年9月11日、5隻目の「カラクルト」(工場番号805)となる「タイフーン」が起工されました。
この名前は、元々は『ペラ』造船所で建造された2隻目の「カラクルト」に付けられていたのですが、同艦が改名した為、今度は『ゼレノドリスク造船工場』建造艦へ付けられる事になりました。

これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻も全て起工されました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2021年までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す]


今後、6隻の「カラクルト」級小型ロケット艦極東の造船所で建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦6隻の建造契約は2019年に締結される]

その最初の2隻~「ルジェフ」及び「ウドムリャ」は2019年7月1日に起工されました。
[コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所でロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ルジェフとウドムリャが起工された]

沿海地方のロシア太平洋艦隊海軍歩兵旅団はT-80BV戦車を受け取った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月10日5時4分配信
【太平洋艦隊の沿海地方海軍歩兵連合部隊は戦車T-80BVを軍備受領した】

海軍沿岸部隊の現代的な軍用車両への再軍備計画に沿って、太平洋艦隊沿海地方海軍歩兵連合部隊戦車T-80BVを軍備受領した。

車両はウラジオストクまで鉄道で輸送され、プラットフォームから出され、ボックス車で恒久駐屯場所へ送り届けられた。

戦闘車の乗員は既に、然るべき理論的及び実地訓練を研修センターで行なっており、指定射爆場で速やかに新たな車両の慣らし運転へ着手する。

2018年には、カムチャツカに駐屯する海軍歩兵連合部隊戦車T-80BVの部隊が登場した。
この車両の運用期間中に一連の演習へ参加し、数回の戦闘射撃を実施し、その高い効果性を示した。



沿海地方には、ロシア太平洋艦隊第155独立海軍歩兵旅団が駐留しています。

[第155独立海軍歩兵旅団]
・第390海軍歩兵連隊
・第59独立ウスリースク・コサック空挺強襲大隊
・第59独立海軍歩兵大隊
・第84独立戦車大隊
・浮揚戦車大隊
・第263独立親衛偵察大隊
・第1484独立通信大隊
・本部・砲兵偵察大隊
・対空防衛大隊
・第287独立自走砲大隊
・揚陸工兵中隊
・警備中隊


元々は第55モジル赤旗海軍歩兵師団(1968年12月1日編成)という師団規模の部隊でしたが、2009年12月1日付で海軍歩兵旅団に改編され、現在に至っています。


記事中で触れられていますが、カムチャツカに駐留する第40独立海軍歩兵旅団は、2017年12月からT-80BV戦車の配備が始まっています。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年12月6日5時47分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊海軍歩兵連合部隊は新たな戦車T-80BVを受領した】

そして2019年9月、沿海地方第155独立海軍歩兵旅団でもT-80BV戦車の配備が始まりました。

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を訪れた

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年9月10日15時0分配信
【ロシアの巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はアレクサンドリアへ到着した】
モスクワ、8月10日、インタファクス

ロシアロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、地中海での遠距離航海計画の枠組みにおいてアレクサンドリアへの寄港を行なった。
火曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「北方艦隊将兵の訪問は3日間続きます。
この間に、艦をエジプト・アラブ共和国のロシア連邦特命全権大使と、ロシア大使館員と、その家族が訪れます」

声明では、こう述べられた。

港への滞在中、ロシア艦は見学の為に開放される。
この他、ロシア船員エジプトの同僚とのスポーツ試合へ参加する。

「航海指揮官~北方艦隊ロケット艦師団参謀長アンドレイ・サロシン1等海佐と巡洋艦の艦長ウラジーミル・クジミン1等海佐は、アレクサンドリア港管理部及びエジプト海軍への表敬訪問を行ないます」
北方艦隊
は伝えた。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」率いる北方艦隊戦闘艦船支隊は、8月22日に地中海エリアへ入った。
北方艦隊将兵はアルジェを訪問し、防衛へ指向される一連の演習を実施した。

「マルシャル・ウスチーノフ」プロジェクト1164巡洋艦である。
打撃グループ及び大型艦を撃破し、対潜捜索打撃グループの戦闘安定性を保障し、更には、世界の大洋における離れた海域で連合部隊及び船団の集団対空防衛任務を遂行する為に意図されている。



ロシア北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船SB-406は、2019年7月3日にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

これらの艦船は、7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後は北海ノルウェー海で演習を行なっていたようですが、8月12日、「マルシャル・ウスチーノフ」救助曳船SB-406は他の北方艦隊艦船と別れ、南下して遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは遠洋航海を開始した]

この2隻に中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は北海を南下し、8月15日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過する]

8月17日にラマンシュ海峡を通り抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過してビスケー湾へ入った]

8月22日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月26日にアルジェリアの首都アルジェ港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを訪れた]
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8月29日にアルジェ港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを去った]

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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は地中海中央部へ移動して投錨停泊し、9月4日には中型海洋給油船「ヴャジマ」からディーゼル燃料(軽油)真水の補給を受け、ダメージコントロールなどの艦内演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海中部で演習を行なった]

9月9日、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、キプロスリマソール港へ入港しました。
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翌9月10日、「マルシャル・ウスチーノフ」エジプトアレクサンドリア港へ入港しました。

特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月9日20時38分配信
【特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」の(ロシア)海軍への引き渡し時期が伝えられた】
セヴェロドヴィンスク、9月9日-ロシア通信社ノーボスチ

特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」は2020年6月に試験の為に出航し、同年9月に海軍へ引き渡される。
『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは報道陣へ伝えた。

「艦の試験は既に始まっており、現在、潜水艦の艤装及び係留試験が行なわれております。
国防省が承認した作業スケジュールにより更なる仕上げが行なわれ、その作業は、全ての段階がスケジュールに厳密に沿って進められます」

彼は話した。

『セヴマシュ』のトップは、「ベルゴロド」の出航は2020年6月15日に計画されている事を明らかにした。

「契約に沿って、同年9月には受領証書への署名が行なわれます」
彼は付け加えた。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原潜へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]

「ベルゴロド」の乗組員チームは2018年秋までに編成されたようです。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの乗組員は既に編成されている]

「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」の搭載母艦としての役割も果たします。
[大洋多目的システム「ポセイドン」]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを搭載する]

2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。

[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」『セヴマシュ』の岸壁で艤装と係留試験が行なわれ、2020年6月15日から洋上試験が始まります。
この時、「ポセイドン」の洋上試験も行なうようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドン及び搭載潜水艦の洋上試験は2020年末頃までに完了する]

「ベルゴロド」ロシア海軍への引き渡しは、2020年9月末に予定されています。

ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する


『タス通信』より
2019年9月10日2時51分配信
【(ロシア)国防省は、巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」が何時(ロシア)海軍へ引き渡されるのかについて話した】
セヴェロドヴィンスク/アルハンゲリスク州、9月9日/タス通信

『セヴマシュ』における重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化を伴う修理の進捗状況は50パーセントであり、2022年末に艦は海軍へ引き渡される。
月曜日、ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは報道陣へ伝えた。

「これは、(ロシア)海軍で最も強力な艦となります。
我々の作業中の検査では、艦の準備状態は、現在50パーセントの水準です」

彼は話した。

クリヴォルチコは、国防省が厳密な資金供給を保障している事を指摘した。
「今年の作業には、295億ルーブルが拠出されます」
「我々と『セヴマシュ』社が合意したように、艦の受領は2022年末を予定しております。
この期限が疑いを引き起こす事は有りません」
国防次官
は強調した。

「アドミラル・ナヒーモフ」が、どのような兵器を装備するのかという質問に答え、彼は話した。
「疑いの余地なく、これは、遠距離高精度兵器で武装する最新の巡洋艦となります。
艦の防護は、対空防衛複合体フォルト-M及びパーンツィリ-Mと、強力な対潜兵器パケート-NK及びオトヴェートにより保障されます」

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巡洋艦は1983年5月17日に起工された。
当初の名前は「カリーニン」であり、1986年4月25日に進水し、1988年12月30日に北方艦隊へ加入した。
1992年4月22日に「アドミラル・ナヒーモフ」と改名された。

1999年から『セヴマシュ』で修理されている。
実際の修理及び高度な近代化の作業は2013年に始まった。
作業が完了した後、巡洋艦は、有翼ミサイル「カリブル-NK」「オーニクス」、そして将来的には「ツィルコン」を兵装として受け取る。



プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]
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2014年10月24日からは『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しています。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]

既にタービンエンジンの修理も始まっています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

2015年8月末までに「アドミラル・ナヒーモフ」の古い各種機器の撤去、解体作業は完了し、続いて艦の清掃や洗浄などが行なわれました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

「アドミラル・ナヒーモフ」の船体の清掃などと並行して行なわれていた船体構造の点検では特に問題点は見つからず、ショットピーニングなどの作業が終わった後、新たな各種機器の設置作業へ取り掛かります。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは船体構造の点検を終えた]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)は既に発注されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]

新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」も装備されます。
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは近代化される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフに搭載される]

2017年から大型機器の設置が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

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上記のように、「アドミラル・ナヒーモフ」『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠して改装作業を行なっていますが、貯水池から出て再進水するのは2021年になります。

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末2021年末、2022年と何度も延期され、2023年という話も出てきました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022~2023年に完了する]

今回、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』を視察したロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコ氏は、「アドミラル・ナヒーモフ」の工事進捗度は2019年9月9日の時点で50パーセントであり、2022年末に工事を終えてロシア海軍へ復帰すると発言しました。


近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」も近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は2020年に始まる]

近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を再開した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年9月9日8時35分配信
【近代化された小型ロケット艦「スメルチ」は、工場航行試験の次の段階へと入った】

近代化された太平洋艦隊小型ロケット艦「スメルチ」は、工場航行試験の次の段階を実施する為に出航した。

海上において、この数日間、業界の代表と船員は、「スメルチ」の機動性及び速度の試験を行ない、
全ての集合体、システム、ユニット、航法装置と電波工学装置の動作を点検し、更に艦の兵装の試験を行なう。

艦の近代化を伴う修理は、カムチャツカ株式会社『北東修理センター』の基盤、更にはウラジオストク艦船修理センター『ダーリザヴォード』で実施された。
艦の近代化の作業は2017年に始まった。
この期間に艦はミサイル複合体「マラヒート」から対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」へ再武装した。
艦は修復され、各システム及び機構は、より新しいものと交換された。



プロジェクト12341小型ロケット艦「スメルチ」は、1981年11月16日に『ウラジオストク造船工場』で起工され、1984年11月16日に進水し、1984年12月30日に海軍へ納入され、翌1985年3月4日に就役しました。

当初はソヴィエツカヤ・ガヴァ二へ配備されていましたが、その後、ペトロパブロフスク・カムチャツキーへ配置替えとなり、現在に至っています。
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2017年からペトロパブロフスク・カムチャツキー『北東修理センター』で近代化改装工事が始まりました。
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「スメルチ」は、近代化改装により対艦ミサイルを、「マラヒート」3連装発射筒2基(ミサイル計6基)から「ウラン」4連装発射筒4基(ミサイル計16基)へ換装しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

2019年6月7日、「スメルチ」は洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を開始した]

7月8日にはアヴァンチンスキー湾AK-176 76mm砲AK-630M 30mmガトリング砲の試射を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは砲撃試験を行なった]

その後、カムチャツカ半島を離れてオホーツク海を南西へ進み、7月15日には宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海へ入った]
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7月18日午前、「スメルチ」ウラジオストクへ到着しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはウラジオストクへ到着した]

「スメルチ」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。


この間(ウラジオストク到着から観艦式前日のリハーサルへ参加するまで)、「スメルチ」ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で、艦尾のAK-176 76mm単装砲を、最新の76mm単装砲AK-176MAへ換装しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは新型76mm砲AK-176MAを装備した]
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[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
この新型76mm砲は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦プロジェクト22160哨戒艦にも装備されています。

8月14日、「スメルチ」ピョートル大帝湾で、自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはピョートル大帝湾で高射ミサイルの発射試験を行なった]

その後、「スメルチ」ウラジオストクへ戻り、兵装などの試験を洋上で行なう為、9月9日に出航しました。

「スメルチ」は2019年12月末までに太平洋艦隊へ復帰します。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦2隻とコルベット2隻はカムチャツカ沖で水中工作部隊の撃退訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月8日8時42分配信
【太平洋艦隊の艦はアヴァチンスキー湾で無防備の泊地へ停泊中の防護の問題へ取り組んだ】

カムチャツカ沿岸で一連の計画戦術演習を行なっている太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の艦の乗組員は、無防備の泊地へ停泊中の防護及び防衛の実地課題へ取り組んだ。

訓練はアヴァチンスキー湾で行なわれ、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」が関わった。

夜間に、戦闘泳者の襲撃の脅威下での水中工作部隊・手段への当直活動への取り組みが始まり、固定式及び手動の対水中工作擲弾を使用する予防擲弾射撃が行なわれた。
更に、仮想戦闘泳者を撃滅する為、手榴弾が使用された。



2019年8月15日午前5時頃、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、ウダロイI級駆逐艦宗谷海峡を通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
スラバ級ミサイル巡洋艦(011):ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊旗艦)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(715):戦隊水雷艦「ブイストルイ」
ウダロイI級駆逐艦(564):大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」


8月24日~25日、ウダロイI級駆逐艦、ステレグシチー級フリゲート、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇、タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
ウダロイI級駆逐艦(548):大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
ステレグシチー級フリゲート2隻:コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333)、「グロームキー」(335)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻:大型ロケット艇R-14(924)、R-18(937)
タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇:大型ロケット艇R-79(995)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」


これらの艦船は、8月27日にオホーツク海で演習を行ないました。
"[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にはカムチャツカ半島の軍港(おそらくペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭、先にオホーツク海へ入っていたナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と、後から入った大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、オホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

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9月3日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。

9月4日、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、引き続き太平洋側で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

9月5日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、カムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。
同日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」駆逐艦「ブイストルイ」は、カムチャツカ沿岸への対地砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった]

9月7日夜~9月8日未明、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、アヴァチンスキー湾に停泊中、水中工作部隊の襲撃を撃退する訓練を行ないました。

ロシア海軍バルト艦隊の艦船は2019年12月に実施されるインド海軍との合同演習『インドラ-2019』へ参加する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月6日16時31分配信
【バルト艦隊の艦は初めて演習『インドラ-2019』へ参加する】
カリーニングラード、9月6日-ロシア通信社ノーボスチ

バルト艦隊戦闘艦支隊は、初めてロシア-インド演習『インドラ-2019』へ参加する。
バルト艦隊の代理人ローマン・マルトフ1等海佐は報道陣へ伝えた。

彼は、バルト艦隊を代表し、バルト艦隊戦闘訓練管理部長ワレーリー・ホルン1等海佐が、インドデリーで行なわれる演習『インドラ-2019』の計画代表者会議へ参加する事を指摘した。
参加者により演習の組織及び実施計画が討議され、会議の議定書へ署名される。

「ロシア国防省の国際行動計画に沿って、今年に演習『インドラ-2019』の海上部門へ参加し、バルト艦隊戦闘艦支隊が初めて参加します。
ロシア-インド演習『インドラ-2019』の海上部門は、2019年12月10日から19日までインド洋海域で実施されます」
マルトフ
は話した。

バルト艦隊の代理人は、演習の海上部門のプログラムの詳細は、今年11月に行なわれる最終の計画代表者会議中に仕上げられると付け加えた。



ロシア海軍インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2018』は、2018年12月11日から16日までベンガル湾で実施され、太平洋艦隊の艦船が参加しました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠征(2018年10月-2019年1月)]

『インドラ・ネイヴィー-2016』は2016年12月16日から21日までベンガル湾で実施され、太平洋艦隊の艦船が参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]

『インドラ・ネイヴィー-2015』は2015年12月7日から12日までベンガル湾で実施され、太平洋艦隊の艦船が参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

これまでにインド海軍との合同演習『インドラ』へ参加したのは、全て太平洋艦隊の艦船でしたが、2019年12月に実施される『インドラ-2019』には、初めてバルト艦隊の艦船が参加する事になりました。

インド洋へ派遣されるバルト艦隊の艦船は未だ明らかにされていませんが、可能性が高いのは、これまでにもアデン湾インド洋へ何度も行った事が有る警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」でしょうか。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ地中海・アデン湾遠征(2018年4月-10月)]
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2016年6月-12月)]
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイ遠距離航海(2014年8月-2015年2月)]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した




『タス通信』より
2019年9月7日15時54分配信
【最新掃海艦「イワン・アントノフ」は黒海艦隊へ到着した】
セヴァストーポリ、9月7日/タス通信

最新の対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」セヴァストーポリへ到着した。
『タス通信』特派員は報告した。

「同艦にとって、これは初めてのセヴァストーポリ市(黒海艦隊の基礎基地)への寄港です。
艦は1月に艦隊へ受け入れられました。
これまでに同艦は、サンクトペテルブルクに滞在し、バルト艦隊で戦闘訓練活動を行ない、海軍パレード(主要海軍パレード)の準備を行ない、それに参加しました」
『タス通信』
黒海艦隊広報サービスより説明された。

艦隊司令官と乗組員の家族は、セヴァストーポリで船員を出迎えた。
式典では軍楽隊が演奏した。

サンクトペテルブルクからは、更に、パレードへ参加した哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」が到着した。
双方の艦にとって、この移動は、建造及び就役以来最も長期のものとなった。
艦隊副司令官セルゲイ・リピリン中将は、「ワシーリー・ブイコフ」及び「イワン・アントノフ」艦長から、任務を成功裏に遂行したとの報告を受けた。

「今日、我々は艦隊間移動を行ない、任務を遂行して恒久駐屯所へ到着し、そして任務の遂行を続ける2隻の艦の乗組員を迎えました。
これまでに艦の乗組員は、幾つかの海域と大西洋へ行き、遠距離勤務に役立つ経験を得ました」
リピリン
は話した。

[艦について]
「イワン・アントノフ」
は、『中部ネヴァ川造船工場』で建造されたプロジェクト12700掃海艦の最初の生産艦である。
このタイプの艦は、一体ガラス繊維強化プラスチック製の船体を有しており、その質量は金属製よりも小さく、更に、勤務期間はより長くなっている。

プロジェクト12700艦の排水量は約900トン、全長は60メートル以上、幅10メートル、速力16.5ノット、乗組員44名。
機雷へ対処する為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作及び自動無人水中装置を使用できる。



プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の3番艦の船体形成作業は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2016年6月27日に始まりました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

2017年1月25日、3番艦は「イワン・アントノフ」と命名され、起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦イワン・アントノフはサンクトペテルブルクで起工された]

2018年4月25日、「イワン・アントノフ」は進水しました。

[ロシア海軍のアレクサンドリト級掃海艦3番艦イワン・アントノフは進水した]
「イワン・アントノフ」は、本来ならばプロジェクト12700の3番艦だったのですが、先に起工された本来の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」が進水を前にして火災事故を起こし、非金属複合材料(ガラス繊維強化プラスチック)製の船体が著しく損傷した為に工事の大幅な遅延を招き、その結果、「イワン・アントノフ」の方が先に進水し、以後、実質的にプロジェクト12700の2番艦となりました。

進水後、造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2018年7月18日の「イワン・アントノフ」
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2018年8月11日の「イワン・アントノフ」
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当初、「イワン・アントノフ」は、2018年9月末までにロシアの内陸水路経由でサンクトペテルブルクから黒海へ回航される予定だったのですが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型掃海艦イワン・アントノフは2018年9月に黒海へ回航される]

「イワン・アントノフ」は9月18日に造船所の岸壁を離れて出航し、ラドガ湖での航行試験を開始しました。
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ラドガ湖で試験中の「イワン・アントノフ」
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ラドガ湖での試験は10月初頭に完了し、10月8日には造船所の岸壁へ戻りました。
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11月1日に造船所の岸壁を離れ、今度はバルト海へ出航しました。


11月6日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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11月11日にバルチースクを出航し、バルト海での航行試験を開始しました。
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11月14日にバルチースクへ帰港しました。
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その後も洋上試験は続けられ、2018年12月29日に完了しました。

2019年1月26日、「イワン・アントノフ」は、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

「イワン・アントノフ」(601)とプロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」
(507)
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7月28日の『ロシア海軍の日』には、サンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


就役後もバルト海に留まっていた「イワン・アントノフ」でしたが、2019年8月中旬に黒海艦隊基地への移動を開始しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦イワン・アントノフは黒海艦隊基地へ回航される]

バルト海を出た「イワン・アントノフ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、9月5日にはダーダネルス海峡及びボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の新世代掃海艦イワン・アントノフはダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して黒海へ入った]

黒海へ入った「イワン・アントノフ」は、9月7日にセヴァストーポリへ到着しました。
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同時に、バルト海への遠距離航海を行なっていた黒海艦隊最新哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」(368)もセヴァストーポリへ帰投しました。
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[哨戒艦ワシーリー・ブイコフのバルト海遠征(2019年6月-9月)]

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月6日14時14分配信
【北方艦隊艦船支隊は北極航海を続ける】

本日(9月6日)、北極で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊艦船支隊は、エニセイ湾からカラ海へ入った。
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大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、給油支援船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「パミール」は、ディクソン港で指定基準まで物資を補充した後、北極航海計画に沿って北方海上航路のルートに近い海域を北東方面へ向かって移動を続ける。

前日の9月5日、タイミル半島北方艦隊北極支隊の一員として行動していたディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、ディクソン港からバレンツ海へ進路を取った。
砕氷船は、ノリリスク市で重要な産業施設を防衛する兵種間演習へ参加した北方艦隊の車両と人員を恒久駐留所へ送り届ける。

エニセイ湾から出た大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」乗組員は、境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」と共に、カラ海の指定海域及びタイミル沿岸における生物資源利用をモニタリング及び監視する一連の任務を遂行した。
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この課題を解決する為、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」から艦載ヘリコプターKa-27が空中へ上がり、計画ルートの上空飛行を行なった。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊艦・支援船支隊の今次北極航海は、8月5日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった。

遠距離航海の主な目的は、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の種類の海上経済活動の安全保障に在る。
航海任務の1つとして、更に、北極での北方艦隊船員の捜索救助の保障と、高緯度で遭難した船の援助への習熟が在る。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みます。

ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月5日15時8分配信
【北方艦隊の砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」はバレンツ海へ進路を取った】

本日(9月5日)、タイミル半島北方艦隊北極支隊の一員として行動していたディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、ディクソン港からバレンツ海へ進路を取った。
砕氷船は、ノリリスク市で重要な産業施設を防衛する兵種間演習へ参加した北方艦隊の車両と人員を恒久駐留所へ送り届ける。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、給油支援船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「パミール」は、ディクソン港で指定基準まで物資を補充した後、北極航海計画に沿って北方海上航路のルートに近い海域を北東方面へ向かって移動を続ける。

近い内に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦載ヘリコプターKa-27は、北方艦隊艦・支援船支隊の移動ルート上の結氷偵察を行なう。

北方艦隊の水上部隊の8度目の北極航海は、8月5日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった。
セヴェロモルスクからの移動中に支隊の艦船は1800海里以上を移動した。

タイミルへの滞在中、北方艦隊将兵は、北方艦隊部隊、空挺軍部隊、中央軍管区航空部隊、航空宇宙軍遠距離航空隊司令部、更には内務省、非常事態省、連邦執行庁の部隊も参加した重要な産業施設を防衛する兵種間戦術演習任務を成功裏に遂行した。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みます。

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月3日17時57分配信
【北方艦隊艦船支隊はドゥディンカ港から出航し、カラ海へ向かった】

本日(9月3日)、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」で構成される北方艦隊艦船支隊ドゥディンカ港から出航し、カラ海へ向かった。

タイミルへの滞在中、戦闘艦支隊北極の重要な産業施設を防衛する兵種間戦術演習へ参加した。
演習は北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将の統制の下で行なわれ、北方艦隊部隊、空挺軍部隊、中央軍管区航空部隊、航空宇宙軍遠距離航空隊司令部、更には内務省、非常事態省、連邦執行庁の部隊も参加した。

北方艦隊将兵はタイミルへ3週間滞在した。
北方艦隊艦・支援船支隊は8月14日にドゥディンカ港へ到着した。
双方の大型揚陸艦の乗組員がエニセイ川を移動するのは今回で3度目となり、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は初めてである。

タイミルへの滞在中、北方艦隊将兵は、兵種間演習のみならず、組織的な大規模文化プログラムへ参加し、地元チームとバレーボール、サッカー、ホッケーのスポーツ競技会を開催した。
ドゥディンカ市アイスアリーナ『タイミル』では、戦闘艦支隊の選抜チームとドゥディンカ市庁代表チームが初めてアイスホッケーの親善試合を行なった。
北方艦隊の艦は、訪問客の為に開放された。
そこでは、現代的な兵器が展示された。
ドゥディンカで艦を2017年の訪問よりも1000名多い11000名の地元住民が訪れた。
70名のタイミルの児童が全連邦軍事スポーツ少年団へ参加した。

北方艦隊の水上部隊の8度目の北極航海は、8月5日に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクから出航して始まった。
これまでに支隊の艦船は1500海里以上を移動した。
オレグ・ゴルべフ中将が指揮するグループは、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、給油船「セルゲイ・オシポフ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」で構成される。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。

ロシア海軍黒海艦隊の新世代掃海艦イワン・アントノフはダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通過して黒海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年9月5日16時23分配信
【黒海艦隊の最新海洋掃海艦「イワン・アントノフ」は黒海海峡・ダーダネルス及びボスポラスを通行する】

黒海艦隊最新のプロジェクト12700海洋掃海艦「イワン・アントノフは、黒海海峡・ダーダネルス及びボスポラスへ入り、基礎駐留地点-セヴァストーポリ英雄市へ戻る。

以前、艦の乗組員はクロンシュタットから出航し、その最初の艦隊間移動を行ない、北海、ラマンシュ海峡、大西洋及び地中海を通航した。

海上移動中に乗組員は、対空防衛、無防備の泊地に停泊中の艦の対潜防衛及び対水中工作防衛の様々な複合艦上演習へ取り組み、更に一連の規範行動を行ない、艦のダメージコントロール演習を実施した。

艦のセヴァストーポリ到着は9月7日に予定されている。

[参照]
プロジェクト12700海洋掃海艦
の最初の生産艦「イワン・アントノフ」は、『中部ネヴァ川造船工場』で建造され、2018年に進水し、2019年1月に黒海艦隊へ受け入れられた。
新世代対機雷防衛艦は、最新の機器、水中音響ステーション、様々なタイプの海洋機雷を破壊する為の遠隔操作及び自動水中装置を装備する。



プロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦の3番艦の船体形成作業は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2016年6月27日に始まりました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト12700掃海艦の建造が始まった]

2017年1月25日、3番艦は「イワン・アントノフ」と命名され、起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦イワン・アントノフはサンクトペテルブルクで起工された]

2018年4月25日、「イワン・アントノフ」は進水しました。

[ロシア海軍のアレクサンドリト級掃海艦3番艦イワン・アントノフは進水した]
「イワン・アントノフ」は、本来ならばプロジェクト12700の3番艦だったのですが、先に起工された本来の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」が進水を前にして火災事故を起こし、非金属複合材料(ガラス繊維強化プラスチック)製の船体が著しく損傷した為に工事の大幅な遅延を招き、その結果、「イワン・アントノフ」の方が先に進水し、以後、実質的にプロジェクト12700の2番艦となりました。

進水後、造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2018年7月18日の「イワン・アントノフ」
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2018年8月11日の「イワン・アントノフ」
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当初、「イワン・アントノフ」は、2018年9月末までにロシアの内陸水路経由でサンクトペテルブルクから黒海へ回航される予定だったのですが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型掃海艦イワン・アントノフは2018年9月に黒海へ回航される]

「イワン・アントノフ」は9月18日に造船所の岸壁を離れて出航し、ラドガ湖での航行試験を開始しました。
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ラドガ湖で試験中の「イワン・アントノフ」
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ラドガ湖での試験は10月初頭に完了し、10月8日には造船所の岸壁へ戻りました。
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11月1日に造船所の岸壁を離れ、今度はバルト海へ出航しました。


11月6日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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11月11日にバルチースクを出航し、バルト海での航行試験を開始しました。
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11月14日にバルチースクへ帰港しました。
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その後も洋上試験は続けられ、2018年12月29日に完了しました。

2019年1月26日、「イワン・アントノフ」は、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

「イワン・アントノフ」(601)とプロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」
(507)
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7月28日の『ロシア海軍の日』には、サンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


就役後もバルト海に留まっていた「イワン・アントノフ」でしたが、2019年8月中旬に黒海艦隊基地への移動を開始しました。
[ロシア海軍の新世代掃海艦イワン・アントノフは黒海艦隊基地へ回航される]

バルト海を出た「イワン・アントノフ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、9月5日にはダーダネルス海峡及びボスポラス海峡へ入りました。

黒海へ入った「イワン・アントノフ」は、9月7日にセヴァストーポリへ到着します。

「イワン・アントノフ」は、黒海艦隊クリミア海軍基地へ編入されます。
[ロシア海軍黒海艦隊のクリミア海軍基地は再編された]

クリミア海軍基地の指揮下には、第41ロケット艇旅団、第68水域保護艦旅団、第197揚陸艦旅団が在りますが、「イワン・アントノフ」は、第68水域保護艦旅団第418掃海艦大隊へ所属する事になるでしょう。

ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月5日9時37分配信
【カムチャツカ沿岸において太平洋艦隊の2個戦術グループは、艦載砲で海上および沿岸目標を撃破した】

カムチャツカ沿岸における太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の計画戦術演習中、2個戦術グループは実地砲射撃を行なった。

戦闘訓練射爆場で、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」で構成される捜索打撃艦グループと、更には、艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」戦隊水雷艦「ブイストルイ」が加入する打撃艦グループは、水上目標を模した海上曳航盾船へ順番に砲撃を行なった。

更に「ワリャーグ」「ブイストルイ」は、沿岸射爆場の標的場への複合砲射撃を実施した。
砲撃は、130mm砲装置AK-130から、可視及び土地の起伏で隠れた目標~仮想敵の永久トーチカ及び戦闘車両、更には工兵及び対揚陸強化堡塁へ行なわれた。

第2の戦術艦グループは、更に沿岸目標制圧訓練を実施した。

この他に、艦は、安全及び隠密機動の為の妨害設置を行なった。

戦闘訓練実施中の客観的監視は、無人飛行装置「オルラン-10」が参加して行なった。



2019年8月15日午前5時頃、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、ウダロイI級駆逐艦宗谷海峡を通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
スラバ級ミサイル巡洋艦(011):ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊旗艦)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(715):戦隊水雷艦「ブイストルイ」
ウダロイI級駆逐艦(564):大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」


8月24日~25日、ウダロイI級駆逐艦、ステレグシチー級フリゲート、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇、タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
ウダロイI級駆逐艦(548):大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
ステレグシチー級フリゲート2隻:コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333)、「グロームキー」(335)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻:大型ロケット艇R-14(924)、R-18(937)
タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇:大型ロケット艇R-79(995)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」


これらの艦船は、8月27日にオホーツク海で演習を行ないました。
"[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にはカムチャツカ半島の軍港(おそらくペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭、先にオホーツク海へ入っていたナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と、後から入った大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、オホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

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9月3日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。

9月4日、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、引き続き太平洋側で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

9月5日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、カムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。

同日、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」駆逐艦「ブイストルイ」は、カムチャツカ沿岸への対地砲撃訓練を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海中部で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月4日18時41分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は地中海中央部で一連の演習を実施した】

本日(9月4日)、地中海で遠距離航海任務を遂行しているロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、給油船「ヴャジマ」からのディーゼル燃料及び真水の計画在庫補充を行なった。

北方艦隊の艦船は、地中海中央部中立水域投錨停泊地で組織的に行動している。
給油船からの物資補充は、液体貨物移送の際の安全施策を順守して行なわれた。

巡洋艦は更に、火災発生時のダメージコントロール演習を実施した。
事故対処グループの要員は、固定式及び移動式の消火手段の使用へ取り組んだ。

停泊中の艦では、更に、敵の水中工作部隊及び手段への対処を意図した訓練が行なわれた。

以前、ロケット巡洋艦の乗組員は、投錨停泊地点へ移動する際、一連の対空及び対潜防衛の艦上演習を実施した。

更に艦の乗組員は、地中海エリアにおいて海上で仮想遭難した船を援助する救助要員の技量を向上させた。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、8月22日に地中海エリアへ入った。
8月23日~26日に北方艦隊将兵は、アルジェリア人民民主共和国の首都アルジェ港への業務寄港を行なった。

艦は、サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加する為、7月3日にセヴェロモルスクから出航した。
パレードの後、乗組員は海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加した。

基地から出航して以来、巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は10000海里以上を進んだ。



ロシア北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船SB-406は、2019年7月3日にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

これらの艦船は、7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後は北海ノルウェー海で演習を行なっていたようですが、8月12日、「マルシャル・ウスチーノフ」救助曳船SB-406は他の北方艦隊艦船と別れ、南下して遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは遠洋航海を開始した]

この2隻に中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は北海を南下し、8月15日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過する]

8月17日にラマンシュ海峡を通り抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過してビスケー湾へ入った]

8月22日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月26日にアルジェリアの首都アルジェ港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを訪れた]
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8月29日にアルジェ港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを去った]

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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は地中海中央部へ移動して投錨停泊し、9月4日には中型海洋給油船「ヴャジマ」からディーゼル燃料(軽油)真水の補給を受け、ダメージコントロールなどの艦内演習を行ないました。

ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月4日7時12分配信
【太平洋艦隊の戦術艦グループは太平洋海域で対潜任務へ取り組んだ】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の一連の計画演習の枠組みで、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」「グロームキー」が加入する戦術艦グループは、太平洋で対潜任務への取り組みを続ける。
このような艦の構成での仮想敵潜水艦に対する行動は初めてとなる。
コルベットと共に、戦闘訓練射爆場では、海上航空隊対潜航空機Il-38ヘリコプターKa-27が作業を行なった。
部隊の活動の統制は、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」により行なわれた。
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前日、コルベットに加えて大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が入った捜索打撃艦グループは、仮想敵原子力潜水艦の合同捜索、分類を行ない、それを対潜兵器で攻撃した。
戦闘訓練中に魚雷反応深海爆弾が実地使用され、コルベット「グロームキー」複合体「パケート」の射撃を実施した。

更にコルベットの乗組員は、組織的通信、合同戦術操艦へ取り組み、海上での捜索救助訓練を実施した。



2019年8月15日午前5時頃、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、ウダロイI級駆逐艦宗谷海峡を通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
スラバ級ミサイル巡洋艦(011):ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(太平洋艦隊旗艦)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦(715):戦隊水雷艦「ブイストルイ」
ウダロイI級駆逐艦(564):大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」


8月24日~25日、ウダロイI級駆逐艦、ステレグシチー級フリゲート、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇、タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇、マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年8月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
ウダロイI級駆逐艦(548):大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
ステレグシチー級フリゲート2隻:コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333)、「グロームキー」(335)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻:大型ロケット艇R-14(924)、R-18(937)
タランタルII級ミサイル護衛哨戒艇:大型ロケット艇R-79(995)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」


これらの艦船は、8月27日にオホーツク海で演習を行ないました。
"[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にはカムチャツカ半島の軍港(おそらくペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭、先にオホーツク海へ入っていたナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と、後から入った大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、オホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

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9月3日、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。

9月4日、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」は、引き続き太平洋側で対潜戦闘訓練を行ないました。

ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2021年末までにロシア海軍へ復帰する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年9月4日8時24分配信
【ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は修理の後、2021年に海軍へ復帰する-『統合造船業営団』トップ】
ウラジオストク(ルースキー島)、9月4日、インタファクス

『統合造船業営団』は、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を期限内に修復するつもりである。
『インタファクス』は、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「未だ如何なる延期も有りませんし、我々の計画は生きてます。
他の決定が採択されるとすれば、それは確定してからです。
何も変更は無く、2021年のままです」
ラフマノフ
は、「アドミラル・クズネツォフ」の修理完了時期に関する質問に答え、こう話した。

以前、ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、ロシア海軍航空母艦を近代化の後、2021年の受領を見込んでいると『インタファクス』へ述べた。
「スケジュールは、チェックして承認しておりますのでね。
航空母艦については、全てスケジュール通りに行なわれておりますよ」

彼は、6月25日にフォーラム『アルミヤ-2019』で話した。
「ええ、当然ですよ」
エフメノフ
は、海軍は、航空母艦を修理の後、2021年の受領を見込んでいるのかという質問に答え、こう話した。

以前、ラフマノフは、巡洋艦の使い古された主要動力システムは近代化されると述べた。
5月、『統合造船業営団』のトップは、「アドミラル・クズネツォフ」は新たな対空防衛システムと通信システムを得ると話した。
海軍の代理人は、近代化中に艦は対空防衛複合体「パーンツィリ」の海上版、新たなボイラー、ポンプ、新たな航空システムを得ると述べた。

航空母艦の技術的準備状態の回復及び近代化の為の艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』との国家契約を、軍は2018年4月に締結した。

「アドミラル・クズネツォフ」は2017年2月に地中海航海からセヴェロモルスクへ戻った。
海軍の歴史上初めて、艦上戦闘機Su-33及びMiG-29KRシリアで戦闘動作を行なった。
公式データによると、「アドミラル・クズネツォフ」は、航海中に2機の艦上戦闘機を失った。
事故は着艦へのアプローチの際に発生し、飛行士は脱出した。
メディアは、シリア沿岸への航海でロシア航空母艦が濃い煙を出していた事を指摘した。

2018年10月30日未明、第82艦船修理工場(ロスリャコヴォ村、ムルマンスク)に在る世界最大級の浮きドックの1つであるPD-50から「アドミラル・クズネツォフ」が出渠した。
事故の結果、浮きドッククレーンの1つが航空母艦の甲板へ落下した。

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、1982年に黒海造船工場の造船台で起工された。
艦は50機以上の飛行装置を搭載できる。
その兵装構成には、対艦有翼ミサイル「グラニート」高射ミサイル複合体「クリノーク」高射ミサイル砲複合体「カシターン」、自動艦載機関砲、更には対潜兵器システムが在る。



ロシア海軍唯一の「航空母艦」ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]


近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』により、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

「アドミラル・クズネツォフ」機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬からボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造されたボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。


「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

10月30日の浮きドック事故で「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]

「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により機関の能力もアップするようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな能力を得る]


2019年3月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない]

3~4ヶ月遅れるかもしれない理由は、「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるドックの確保に関する問題です。
[ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない]

現在の『第35艦船修理工場』の乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、これが実行に移される事になりました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事の準備は進められている]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の主要部分は、2020年中には完了できる見込みです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装工事の主要部分は2020年中に完了する]

2019年6月10日、ロシア海軍総司令部及びロシア造船業界の代表は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の問題に関する(非公開の)会議をムルマンスクで開催し、この場で、『第35艦船修理工場』の乾ドック拡張後、「アドミラル・クズネツォフ」をそこへ入渠させる事が正式に決定したようです。
[ロシア海軍総司令部と造船業界は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装に関する問題を討議する]
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]

『第35艦船修理工場』の乾ドック拡張工事は、2019年7月以降に始まりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事は既に始まっている]

この工事には少なくとも1年は掛かるので、工事完了は最短でも2020年7月になるでしょう。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事には1年掛かる]
ただし、この時期まで「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事が中断されるわけでは無く(現に、今現在も中断されていない)、水上に浮いたままでも出来る工事は進められます。

「アドミラル・クズネツォフ」『第35艦船修理工場』の新たな乾ドックへ入渠できるのは、早くても2020年7月になるでしょう。
乾ドックで水面下部分の工事を行ない、更に、他の全ての作業が完了するのは早くても2021年前半になるでしょうし、それから洋上試験を行ない、同年末までにロシア海軍へ引き渡すのは、かなりギリギリのスケジュールでしょう。

ロシア海軍バルト艦隊の対機雷防衛艦アレクサンドル・オブホフはメンテナンスを行なった

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年9月3日14時3分配信
【掃海艦「アレクサンドル・オブホフ」はメンテナンスを行なった】
モスクワ、9月3日、インタファクス

プロジェクト12700掃海艦のトップ「アレクサンドル・オブホフ」『中部ネヴァ川造船工場』でメンテナンスを行なった。
『インタファクス』は同社広報サービスより伝えられた。

「艦の年次技術点検と、主動力、ディーゼル発電機、推進器複合体、マニピュレータ-クレーン、特殊機器の整備を行ないました」
広報サービスは伝えた。

彼らによると、艦は同社へ8月8日に到着し、その後、バルト艦隊司令部との合意による作業が行なわれ、9月3日に進水した。

軍艦「アレクサンドル・オブホフ」は、プロジェクト12700のトップ艦であり、ロシア連邦海軍の発注の下、『中部ネヴァ川造船工場』で建造された。
プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。

プロジェクト12700艦は、世界最大級の真空注入方式による一体ガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを持つ。
その排水量は890トン、全長62メートル、乗組員44名。
この艦は、最新の海洋機雷へ対処する為に意図されており、それを海域の水上や、海底で探知できる。
この為に、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、無人対機雷艇、更には遠隔操作及び自動無人水中装置を含む最新の機器装置を装備する。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700対機雷防衛艦は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で建造されています。
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プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日にサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役しました。
[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

2017年5月15日にバルチースク基地へ到着しました。


その後、バルト艦隊の様々な演習へ参加しました。

2017年、2018年、2019年の「ロシア海軍の日」(毎年の最終日曜日)にはサンクトペテルブルクの観艦式へ参加しました。

2017年7月30日
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2018年7月29日
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2019年7月28日
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2019年7月末の観艦式へ参加した後、建造元の『中部ネヴァ川造船工場』へ戻り、メンテナンスを行ないました。

8月10日
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8月17日
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8月31日
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そして9月3日に再進水しました。