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ロシア海軍黒海艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海で洋上試験を開始した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月30日11時9分配信
【黒海でミサイル「カリブル」搭載艦「イングシェチア」の試験が始まった】
モスクワ、9月30日-ロシア通信社ノーボスチ

最新の小型ロケット艦「イングシェチア」は、黒海で試験へ着手した。
月曜日、黒海艦隊情報供給部長アレクセイ・ルリョフ2等海佐は発表した。

「最新の小型ロケット艦イングシェチアの乗組員はノヴォロシースクから出航し、工場航行試験の実施へ着手しました。
艦の乗組員にとって、これは、建造及び進水後の初の自力航行となります」

彼は話した。

ルリョフは、試験中に「イングシェチア」乗組員は、動力装置、操舵装置、補助機械、通信装置、航法システム及び他のシステム、艦載機器及び兵器の信頼性を点検すると説明した。

黒海艦隊の為に建造される小型ロケット艦「イングシェチア」は、近代化された「ブヤン-M」シリーズの8番艦である。
同プロジェクト艦は増大した排水量を有し、海上および沿岸目標の撃破の為に意図されている長距離最新高精度ミサイル兵器汎用ミサイル複合体「カリブル」を装備する。
プロジェクト「ブヤン-M」の用途は、国家経済ゾーンの保護及び防護である。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の8番艦「イングシェチア」は、ゼレノドリスク『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年8月29日に起工されました。
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それから約5年経った2019年6月11日に進水しました。


[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは進水した]

2019年8月中旬、ロシア内陸水路経由でゼレノドリスクから黒海沿岸へ回航されました。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海へ回航された]
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9月30日、「イングシェチア」ノヴォロシースク海軍基地から出航し、黒海で洋上試験を開始しました。

「イングシェチア」は、2019年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されており、引き渡し後は黒海艦隊へ編入されます。
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ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はセヴェロモルスクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月29日16時26分配信
【北方艦隊の戦闘艦・支援船支隊は北極航海任務を完遂し、セヴェロモルスクへ到着した】

本日(9月29日)、北方艦隊主要基地-セヴェロモルスクでは、北氷洋海域において遠距離航海任務を遂行した北方艦隊戦闘艦・支援船支隊の歓迎式典が開催された。

北方艦隊司令官でロシア英雄アレクサンドル・モイセーエフ中将は、指示された任務を成功裏に完遂したとの報告を受けた。

艦隊司令官は、北極航海へ参加し、遠距離航海を成功裏に完了して故郷へ戻った北方艦隊将兵を祝福した。
彼は指摘した。
「大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフが基地へ帰ってきた事により、北方艦隊の北極への習熟の今次段階は完了しました」

アレクサンドル・モイセーエフ中将は述べた。
「支隊は北極の北方海上航路のコース上のノヴァヤ・ゼムリャ諸島、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島、フランツ・ヨシフ諸島、そして更にはタイミル半島で活動しました」

北方艦隊司令官は強調した。
「航海の全期間において、海上および地上で10回以上の大規模な演習が実施され、戦闘艦支隊の要員は、タイミルの重要な産業施設を防衛する兵種間戦術演習と、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島及びフランツ・ヨシフ諸島地域で島嶼ゾーンを防衛する演習へ参加しました」

彼は更に、北方艦隊将兵が重要な任務を遂行した事を指摘した。
「実施された遠距離航海は、ロシアの北極への習熟の次なる一歩となり、北方艦隊統合戦略司令部の安全保障の能力の良き検証となりました」
アレクサンドル・モイセーエフ
中将は表明した。

北方艦隊の艦及び支援船の北極航海は8月5日に始まり、約2ヶ月間続いた。
これは、コラ多種戦力小艦隊司令官オレグ・ゴルべフ中将の将旗の下で実施された。

支隊の一員として、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、給油船「セルゲイ・オシポフ」が行動した。
航海の個々の段階で、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」支隊の一員として任務を遂行した。

航海中、5600海里以上を走破した。
北方艦隊艦船支隊は、境界線警備隊員と連携して北方海上航路のコース上の安全保障へ取り組み、200回以上の艦上演習を実施した。

航海のキーとなる段階の1つは、北方艦隊戦闘艦エニセイ川の移動、タイミルでの兵種間戦術演習の実施、ボリシェヴィク島への支隊の上陸、カラ海ヴィゼ島ウエジネニヤ島の調査、フランツ・ヨシフ諸島地域で実施された一連の演習となった。

ヴィリキツキー海峡の航行は、困難な航海環境の下で行なわれた。
結氷海域では、支隊の艦船へ国営法人『ロスアトム』砕氷船「ヴァイガチ」が同行した。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった]

翌9月14日、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊空挺軍部隊は、ボリシェヴィク島で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はボリシェヴィク島で上陸演習を行なった]

9月17日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦載ヘリコプターKa-27PSは、ヴィゼ島ウエジネニヤ島の調査を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月17日9時2分配信
【北方艦隊北極グループはカラ海の島嶼の調査を行なった】
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9月19日、北極遠征部隊フランツ・ヨシフ諸島付近で対空戦闘訓練を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島海域で対空戦闘訓練を実施した]

9月21日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北極横断中の帆船「パンゲア」を発見しましたが、無線による問いかけに応答しなかった為、同船の臨検を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で帆船パンゲアを臨検した]

その後も北極遠征部隊フランツ・ヨシフ諸島付近に留まりました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島で行動している]

9月25日にはフランツ・ヨシフ諸島アレクサンドラ島でホッケーの試合を開催しました。
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9月29日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
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ロシア海軍北方艦隊の第43ロケット艦師団の新たな指揮官が任命された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月28日17時39分配信
【北方艦隊司令官は海軍最大の師団司令官へ任命された地中海艦船支隊指揮官を祝福した】

北方艦隊司令官でロシア英雄アレクサンドル・モイセーエフ中将は、ロケット艦師団司令官へ任命されたアンドレイ・サロシン1等海佐を祝福した。
現在、アンドレイ・サロシン1等海佐は、地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊戦闘艦・支援船支隊の指揮官を務めている。
連合部隊の司令官の職務へ任命されるまで、彼は、北方艦隊ロケット艦師団の参謀長だった。

第43ロケット艦師団は、ロシア海軍で最も強力かつ大きな連合部隊である。
その構成には、核動力装置を有する唯一の水上戦闘艦である重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、有翼ミサイル「カリブル」を装備する1等フリゲートのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」、更には戦隊水雷艦「アドミラル・ウシャコーフ」が加わっている。
修理及び近代化を終えた後の重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」も、連合部隊の戦闘編制へ補充される。

アンドレイ・サロシン1等海佐は、主に北方艦隊第43ロケット艦師団で士官の昇進段階を経た。
カリーニングラード海軍高等学校卒業後、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」砲塔指揮官に任命され、ミサイル-砲戦闘部門指揮官までの過程を経た。
その後、戦隊水雷艦「アドミラル・ウシャコーフ」艦長先任補佐官となり、N.G.クズネツォフ記念海軍アカデミー卒業後、重航空巡洋艦の艦長先任補佐官、そして汎用ヘリコプター揚陸艦「ウラジオストク」(「ミストラル」型)艦長へ任命された。
2015年にロケット艦師団参謀長となった。

2016~2017年、アンドレイ・サロシン1等海佐は、シリア・アラブ共和国国際テロリストに対処する戦闘任務を遂行する地中海航空艦グループの本部の責任者となった。
今年9月、ロシア連邦大統領令により、北方艦隊第43ロケット艦司令官の職務へ任命された。

「軍における貢献」勲章、ウシャコーフ勲章、更には当局表彰を受けている。

結婚し、息子と娘が居る。

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"乗組員は第17回『イオニア諸島のロシア週間』へ参加した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年9月29日9時0分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」乗組員はギリシャのコルフ島の行事『ロシア週間』へ参加した】

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・マカロフ」乗組員は、ギリシャコルフ島ケルキラ港第17回公共フォーラム行事『イオニア諸島のロシア週間』へ参加した。

フォーラムのプログラムに沿って、ロシア船員洗礼者ヨハネ教会での礼拝へ参加し、その後、黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフ中将は儀礼衛兵中隊と軍楽隊を伴い、ギリシャ初代大統領イオアニス・カポディストリアスの記念碑への献花式典へ参加し、ロシア船員は神聖と正義の戦士フョードル・ウシャコーフの記念碑までのケルキラ市街を行進し、栄光の提督へ軍の栄誉を与え、ヴィド島「彼等の父への信仰の為に死んだギリシャ人とロシア人」記念碑へ献花した。

港へのフリゲートの停泊中、ギリシャ共和国ロシア連邦特命全権大使アンドレイ・マスロフが訪れ、公式会合の後に黒海艦隊の最新艦を視察し、船員が地中海ロシア海軍グループの一員としての任務を成功裏に遂行する事を望んだ。

業務寄港の枠組みで、艦の乗組員の為にコルフ島の観光旅行が用意され、フリゲートケルキラ住民の訪問の為に開放される。

フリゲート「アドミラル・マカロフ」コルフ島訪問は10月2日まで続く。

黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフ中将の将旗の下で行なわれたセヴァストーポリからケルキラまでの移動は、その結果として、列島は解放され、ギリシャ初の民主主義国家であるイオニア七島連邦国が作られた1798~1800年のフョードル・ウシャコーフ提督指揮下の地中海遠征のルートを通った。
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プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]

2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]

翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)


11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]

11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も「アドミラル・マカロフ」地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスリマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]

12月29日にリマソール港を去りました。

「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]

2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、シリアタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた]

2月1日には、対空防衛訓練を実施しました。
(おそらくはタルトゥース港に停泊した状態で)
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]

シリアタルトゥース港には、ロシア海軍の物資補給所が置かれています。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]

その後、「アドミラル・マカロフ」タルトゥースを出航し、2月11日に再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は再びキプロスのリマソール港へ寄港した]

2月13日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソール港を去った]

「アドミラル・マカロフ」は、その後も地中海東部に滞在していましたが、3月4日にダーダネルス海峡へ入り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌3月5日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリへ帰投した]

2019年7月にはクリミア半島固定式地対艦ミサイル「ウチョス」と共に演習を行ないました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と地対艦ミサイル"ウチョス"は演習を行なった]

2019年8月末の黒海艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の演習は完了した]

「アドミラル・マカロフ」は9月23日にセヴァストーポリを出航し、ギリシャへ向かいました。


[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャへ向かった]

翌9月24日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過し、9月27日にギリシャコルフ島(ケルキラ島)へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャのコルフ島(ケルキラ島)を訪れた]
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ギリシャコルフ島(ケルキラ島)は、歴史上ロシア海軍とは深く関わっており、1799年、ロシア海軍フョードル・ウシャコーフ提督は、コルフ島フランスから解放しています。
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これを記念して毎年9月下旬~10月初頭にロシア海軍の艦がコルフ島(ケルキラ)を訪れ、記念行事(イオニア諸島のロシア週間)が開催されています。

2017年9月末に開催された第16回『イオニア諸島のロシア週間』

ロシア海軍の最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは洋上試験を開始した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年9月27日9時10分配信
【掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の工場航行試験が始まった】

ロシア海軍の為に意図されている最新のプロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」)対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は工場航行試験へ着手した。
ロシア連邦国防省広報サービスが発表したように、掃海艦の工場航行試験と、その後の国家試験は、バルト海エリアで実施される。


海軍への艦の引き渡しは2019年末までに計画されていると軍当局の代理人は付け加えた。

掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」『中部ネヴァ川造船工場』で2017年4月20日に起工された。
この時点では、同艦は、トップの「アレクサンドル・オブホフ」、「ゲオルギー・クルバトフ」、「イワン・アントノフ」に続くプロジェクト12700の4番艦とされていた。
その後、建造中の掃海艦「ゲオルギー・クルバトフ」で火災が発生し、その結果として艦の引き渡しが延期された為、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、実質的にロシア海軍への引き渡しが計画されている第3の「アレクサンドリト」となった。

2017年春、『中部ネヴァ川造船工場』幹部は、掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2018年末に就役すると言った。
2019年5月21日、黒海艦隊の代理人は、掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」が2020年初頭に引き渡されるという以前に登場した情報を確認した。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
複合材料のプロジェクト12700掃海艦の排水量は約890トン、速力は16.5ノット、開発者は中央海洋設計局『アルマーズ』である。
基本的な用途は、海軍基地海域での機雷の捜索と破壊である。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置するが、従来の掃海兵装も使用できる。
「アレクサンドリト」無人艇を装備する。

2018年4月、ロシア海軍の為に、「アレクサンドリト」シリーズ8隻に代わって10隻が承認された。
その最後の掃海艦の引き渡しは、8年を経た後の2027年である。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700対機雷防衛艦の4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2017年4月20日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフはサンクトペテルブルクで起工された]

2019年4月2日に屋内造船台より出渠しました。

[ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは屋内造船台から出渠した]

2019年5月下旬までに黒海艦隊の将兵で乗組員が編成され、サンクトペテルブルクで研修を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年5月20日13時1分配信
【黒海艦隊は掃海艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」の乗組員を形成する】

2019年5月30日、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は進水しました。

[ロシア海軍の新世代掃海艦ウラジーミル・イェメリヤノフは進水した]

その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められ、8月31日に係留試験が始まりました。
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[ロシア海軍の最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは造船所の岸壁で係留試験を開始した]

9月27日に洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
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「ウラジーミル・イェメリヤノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されています。
就役後は黒海艦隊へ編入されます。


プロジェクト12700対機雷防衛艦は、現在までに6隻が起工され、2隻がロシア海軍へ引き渡されています。

1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続の3番艦が先に就役しました。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]


5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]

6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはトルコのアクサズ海軍基地を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月27日14時3分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はトルコのアクサズ・カラーガチ港への寄港を完了した】

北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、地中海トルコ海軍主要基地アクサズ・カラーガチ港への業務寄港を完了した。
本日、艦は港を去り、計画遠距離航海任務の遂行を続ける。

3日間続いた寄港時に航海指揮官及び巡洋艦の艦長は、トルコ海軍の代表との一連の表敬会合を行なった。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」には、ロシア外交団の代表と、その家族、更にはトルコ海軍士官が見学の為に訪れた。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員は、トルコ軍事船員とのサッカー、バレーボール、バスケットボールの親善試合へ参加した。
更に北方艦隊将兵は、バス旅行及び沿岸での休養の為に上陸した。

支援船を伴うロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、8月22日に地中海エリアへ入った。
北方艦隊将兵は一連の演習を実施し、アルジェリア、エジプト、トルコを訪れ、支援船は更にキプロスギリシャへの業務寄港を行なった。
更に数回の地中海諸国への業務寄港が計画されている。

艦は、サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加する為、7月3日にセヴェロモルスクから出航した。
パレードの後、巡洋艦の乗組員は、ロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加した。

基地から出航して以来、艦は13000海里以上を進んだ。



ロシア北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船SB-406は、2019年7月3日にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

これらの艦船は、7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後は北海ノルウェー海で演習を行なっていたようですが、8月12日、「マルシャル・ウスチーノフ」救助曳船SB-406は他の北方艦隊艦船と別れ、南下して遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは遠洋航海を開始した]

この2隻に中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は北海を南下し、8月15日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過する]

8月17日にラマンシュ海峡を通り抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過してビスケー湾へ入った]

8月22日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月26日にアルジェリアの首都アルジェ港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを訪れた]
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8月29日にアルジェ港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを去った]

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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は地中海中央部へ移動して投錨停泊し、9月4日には中型海洋給油船「ヴャジマ」からディーゼル燃料(軽油)真水の補給を受け、ダメージコントロールなどの艦内演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海中部で演習を行なった]

9月9日、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、キプロスリマソール港へ入港しました。
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翌9月10日、「マルシャル・ウスチーノフ」エジプトアレクサンドリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を訪れた]

9月13日、「マルシャル・ウスチーノフ」アレクサンドリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を去った]

その後、地中海東部を北上し、9月24日にはマルマリス近郊のトルコ海軍基地アクサズを訪問しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはトルコのアクサズ海軍基地を訪れた]

一方、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、9月26日にギリシャピレウスを訪問しました。
[ロシア海軍北方艦隊の給油船と救助曳船はギリシャのピレウスを訪問した]

そして9月27日、「マルシャル・ウスチーノフ」トルコ海軍基地アクサズから出航しました。

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャのコルフ島(ケルキラ島)を訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年9月27日11時52分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」はギリシャのコルフ島へ到着した】

本日、黒海艦隊フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、ギリシャコルフ島ケルキラ港へ到着した。

国際軍事協力計画の枠組みにおいて、艦の乗組員は、1799年に島を外国による占領から解放したロシア船員の指揮官である高名なフョードル・ウシャコーフ提督の記念日の枠組みで、第17回公共フォーラム行事『イオニア諸島のロシア週間』へ参加する。

黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフ中将の将旗の下で行なわれたセヴァストーポリからケルキラまでの移動は、その結果として、列島は解放され、ギリシャ初の民主主義国家であるイオニア七島連邦国が作られた1798~1800年のフョードル・ウシャコーフ提督指揮下の地中海遠征のルートを通った。
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業務寄港プログラムに沿って、ロシア船員は島の民間及び軍当局への表敬訪問を行ない、『イオニア諸島のロシア週間』へ参加する。

寄港期間中、ケルキラ住民及びゲストの為の黒海艦隊軍楽隊の演奏会が計画されている。

フリゲート「アドミラル・マカロフ」コルフ島訪問は、10月2日まで続く。



プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]

2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]

翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)


11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]

11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も「アドミラル・マカロフ」地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスリマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]

12月29日にリマソール港を去りました。

「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]

2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、シリアタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた]

2月1日には、対空防衛訓練を実施しました。
(おそらくはタルトゥース港に停泊した状態で)
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]

シリアタルトゥース港には、ロシア海軍の物資補給所が置かれています。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]

その後、「アドミラル・マカロフ」タルトゥースを出航し、2月11日に再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は再びキプロスのリマソール港へ寄港した]

2月13日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソール港を去った]

「アドミラル・マカロフ」は、その後も地中海東部に滞在していましたが、3月4日にダーダネルス海峡へ入り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌3月5日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリへ帰投した]

2019年7月にはクリミア半島固定式地対艦ミサイル「ウチョス」と共に演習を行ないました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と地対艦ミサイル"ウチョス"は演習を行なった]

2019年8月末の黒海艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の演習は完了した]

「アドミラル・マカロフ」は9月23日にセヴァストーポリを出航し、ギリシャへ向かいました。


[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャへ向かった]

翌9月24日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過し、9月27日にギリシャコルフ島(ケルキラ島)へ到着しました。
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ギリシャコルフ島(ケルキラ島)は、歴史上ロシア海軍とは深く関わっており、1799年、ロシア海軍フョードル・ウシャコーフ提督は、コルフ島フランスから解放しています。
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これを記念して毎年9月下旬~10月初頭にロシア海軍の艦がコルフ島(ケルキラ)を訪れ、記念行事(イオニア諸島のロシア週間)が開催されています。

シリアのタルトゥース港のロシア海軍艦船修理所は2019年10月15日に操業を開始する

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『タス通信』より
2019年9月27日2時57分配信
【タルトゥースのロシア連邦海軍基地の艦船修理所は10月15日から稼働する】
タルトゥース、9月26日/タス通信

シリアロシア海軍駐留所の艦船修理所は10月15日に作業を開始する。
遠海ゾーン作戦司令部副司令官(電気工学サービス担当)エフゲニー・グシンは報道陣へ伝えた。

「艦船修理所は2100平方メートルを占めます。
これは、タルトゥースに居る艦船の保証修理、技術サービス、定期作業を実行する為に意図されております。
現在、設備の設置が行なわれており、10月15日には機能し始めます」
グシン
は話した。

彼によると、艦船修理複合体の主な任務は、艦載機器システム及び機構の損傷や故障を手際よく取り除く事に在る。

グシンは、艦船修理所は、現時点でタルトゥースに滞在している水上修理所(工作船)よりも生産性が10倍に上がる事を強調した。



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現在、シリアタルトゥースには、ロシア海軍第720物資-技術供給所が置かれています。
元々は、ソ連邦海軍時代の1971年に設立されたものです。

これは、地中海東部で行動するロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。

艦船の整備や簡単な修理の為、タルトゥースにはロシア海軍工作船1隻が交代で常駐しています。

工作船PM-56
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PM-138
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ロシア海軍は2013年初頭から地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、地中海ロシア海軍艦船を統一指揮する為、「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

2015年10月には、タルトゥース港内の浚渫作業が行なわれました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥース港の浚渫作業を行なった]

2016年10月、ロシア国防省は、タルトゥースへ恒常的な海軍基地を作成する意向を示しました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースへ恒常的な基地を作る]

2016年12月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥースの海軍基地の拡張に関するシリアロシアの協定に関する法令へ署名しました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地は拡張される]

2017年1月20日までに、ロシアシリアは、タルトゥースの海軍基地に関する新たな協定へ署名しました。
新たな協定により、ロシア海軍は今後49年間タルトゥースを自由に使用できるようになります。
[ロシアとシリアはタルトゥースのロシア海軍基地に関する新たな協定を締結した]

協定は2017年12月にロシア連邦議会で批准され、正式に発効しました。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]


上記のように、これまでは地中海東部で行動するロシア海軍の艦船の整備や簡単な修理を行なう為、タルトゥース工作船を交代で常駐させていたのですが、同海域におけるロシア海軍の活動が活発になった今となっては、これだけでは何かと不便になってきた事も有り、タルトゥースに新たな艦船修理施設が開設される事になりました。
[シリアのタルトゥース港にロシア海軍の艦船修理施設が開設される]

このタルトゥース艦船修理所は、2019年10月15日から稼働を開始します。

ロシア海軍北方艦隊の給油船と救助曳船はギリシャのピレウスを訪問した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月26日9時55分配信
【北方艦隊の支援船はギリシャのピレウス港へ寄港した】

地中海ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の遠距離航海を支援している中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、ギリシャ共和国ピレウス港への業務寄港を行なった。
北方艦隊船員の訪問の主な目的は、聖アンドレイ旗のデモンストレーションと国際協力の保持、沿岸での乗組員の短期の休養である。

船は3日間港へ滞在する。
上陸した乗組員はアテネへ旅行し、20世紀にギリシャ首都近郊となったピレウスの名所を見学する。
物資の補充は計画していない。
以前、船は、キプロスリマソール港及びエジプトアレクサンドリア港で水、燃料、食料を補充した。

ピレウスへの業務寄港完了後、北方艦隊支援船地中海東部での活動を続ける。

8月22日、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と共にジブラルタル海峡を通過して地中海エリアへ入った。
これらは、主要海軍パレードへ参加する為、7月3日にセヴェロモルスクから出航した巡洋艦の遠距離航海を保障している。
この期間中に支援船の乗組員は、戦闘艦と共に海軍演習『大洋の盾-2019』の任務を成功裏に遂行し、大西洋及び地中海で一連の他の演習を行なった。

航海中に船は約14000海里を進んだ。

近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海で射撃試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月26日8時17分配信
【小型ロケット艦「スメルチ」は日本海で高射ミサイル複合体及び砲兵装の試験を行なった】

近代化された太平洋艦隊小型ロケット艦「スメルチ」は工場航行試験の最終段階に在り、海上目標並びに空中目標への一連のミサイル及び砲射撃を実施する為、日本海へ出航した。

演習中に艦は仮想敵空中攻撃手段からの攻撃を撃退する為、2基の新たな自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射を実施した。
ミサイルは成功裏に投下式落下傘標的を撃破した。
更なる高射ミサイルの射撃が仮想敵水上艦を模した目標へ行なわれた。

加えて、小型ロケット艦「スメルチ」は、新たなAK-176MA砲及び30mm6銃身自動砲AK-630の空中目標及び海上目標への複合砲射撃を実施した。

今年、株式会社『北東修理センター』の基盤では、小型ロケット艦「スメルチ」の近代化を伴う修理が完了した。
その最中に小型ロケット艦は、ミサイル複合体「マラヒート」から対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」へ再武装した。
艦の砲兵装は、より最新のものと交換された。



プロジェクト12341小型ロケット艦「スメルチ」は、1981年11月16日に『ウラジオストク造船工場』で起工され、1984年11月16日に進水し、1984年12月30日に海軍へ納入され、翌1985年3月4日に就役しました。

当初はソヴィエツカヤ・ガヴァ二へ配備されていましたが、その後、ペトロパブロフスク・カムチャツキーへ配置替えとなり、現在に至っています。
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2017年からペトロパブロフスク・カムチャツキー『北東修理センター』で近代化改装工事が始まりました。
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「スメルチ」は、近代化改装により対艦ミサイルを、「マラヒート」3連装発射筒2基(ミサイル計6基)から「ウラン」4連装発射筒4基(ミサイル計16基)へ換装しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

2019年6月7日、「スメルチ」は洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を開始した]

7月8日にはアヴァンチンスキー湾AK-176 76mm砲AK-630M 30mmガトリング砲の試射を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは砲撃試験を行なった]

その後、カムチャツカ半島を離れてオホーツク海を南西へ進み、7月15日には宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海へ入った]
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7月18日午前、「スメルチ」ウラジオストクへ到着しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはウラジオストクへ到着した]

「スメルチ」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。


この間(ウラジオストク到着から観艦式前日のリハーサルへ参加するまで)、「スメルチ」ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で、艦尾のAK-176 76mm単装砲を、最新の76mm単装砲AK-176MAへ換装しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは新型76mm砲AK-176MAを装備した]
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[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
この新型76mm砲は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦プロジェクト22160哨戒艦にも装備されています。

8月14日、「スメルチ」ピョートル大帝湾で、自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはピョートル大帝湾で高射ミサイルの発射試験を行なった]

その後、「スメルチ」ウラジオストクへ戻り、兵装などの試験を洋上で行なう為、9月9日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を再開した]

9月18日には30mm機関砲AK-630の射撃試験を行ないました。
AK-630は近代化改装前から装備している兵装ですが、何らかのアップグレードが行なわれたようです。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは30mm機関砲の射撃試験を行なった]

9月24日には対艦ミサイル「ウラン」(Kh-35)の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]

9月26日には再び各種兵装試験を行ないました。

「スメルチ」は、2019年12月末までに太平洋艦隊へ復帰します。

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカで訓練を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年9月25日23時37分配信
【北方艦隊の独立艦上航空連隊の飛行士はクリミアのトレーナー『ニートカ』でのフライトへ着手した】

北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の構成員は、地上試験訓練複合体『ニートカ』での発艦及び着艦技術へ習熟する為、航空機MiG-29Kクリミア共和国への基地移動を行なった。

戦闘機飛行士は、ムルマンスク州からクリミア共和国まで総距離2500km以上の移動飛行を行なった。

近い内に、乗員には、理論的訓練の為のテストへの移行及び訓練複合体での直接のフライト実施への着手が控えている。

訓練プログラムでは、航空母艦へ着艦する飛行士の完全なサイクルの訓練が提供される。
戦闘機飛行士トレーナーでの訓練には、約1ヶ月掛かる。

航空隊地上試験訓練複合体(ニートカ)は、航空母艦甲板を模した特別な地上練習-訓練複合体であり、航空母艦からの航空機の発着艦技術への習熟の為に意図されている。
複合体は、艦の飛行甲板と同様のトランポリン台航空機拘束装置を装備した特別な鋼鉄の飛行場である。
飛行場の大きさは、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」飛行甲板の大きさに等しい。



[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
[艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(旧ブログ)]
[RSKミグMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機(RSKミグ公式サイト)]

ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機は、当初、Su-27KUB(1999年初飛行)とMiG-29K/KUB(2007年初飛行)の2機種から選ぶ事になっていました。
[ロシア海軍は、2016年以降に新しい艦上戦闘機を採用する]

艦上戦闘機Su-27KUB(Su-33UB)
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その後、2009年2月にはMiG-29K/KUBに絞られる事になりました。
[ロシア海軍、MiG-29KUBを導入]

艦上戦闘機MiG-29K/KUB24機の購入契約が締結されたのは、それから3年後の2012年2月29日でした。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

ロシア海軍向けのMiG-29KUB量産1号機は2013年10月下旬に初飛行しました。
[ロシア海軍の為の艦上戦闘機MiG-29KUB量産1号機は飛行試験を開始した]

2013年11月下旬、当初の計画通りに2機のMiG-29K(単座型)と2機のMiG-29KUB(複座型)ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]

2014年12月2日までに8機のMiG-29Kと2機のMiG-29KUBが、当初の計画通りにロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍へ10機の艦上戦闘機MiG-29K/KUBが引き渡された]

2015年12月末までに10機のMiG-29Kが引き渡され、契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

MiG-29Kは、現用の艦上戦闘機Su-33と共に重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」で運用されます。
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]

2016年3月20日、第100独立艦上戦闘機航空連隊としての本格的な飛行訓練が始まりました。
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板を模した艦上戦闘機発着艦訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行ないました。
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2016年8月8日に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

母艦となる「アドミラル・クズネツォフ」には、MiG-29K/MiG-29KUBを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この遠征において「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも4機のMiG-29K(機体番号41、46、47、49)と3機のMiG-29KUB(機体番号50、52、53)が搭載されていました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

2016年11月13日には1機のMiG-29K「アドミラル・クズネツォフ」への着艦時に墜落しました。
機体は海中に没しましたが、パイロットは無事に救助されました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月15日からシリア領内のテロ組織への空爆を開始し、MiG-29K/MiG-29KUBも参加しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]

「アドミラル・クズネツォフ」の帰投後、空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けました。
[シリア軍事作戦へ参加したロシア海軍北方艦隊の空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けた]

『ロシア大統領府』公式サイトより
2017年2月23日16時30分配信
【北方艦隊将兵との会合】
この動画で6:00辺りから登場する士官(キリール・エフゲニエヴィチ・レヴャキン大尉)は、MiG-29Kパイロット(第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行中隊長)です。
レヴャキン大尉は2016年8月に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦し、この前のシリア遠征では17回のフライト(発着艦)を行ないました。


現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBの大半は、艦上戦闘機Su-33と共にセヴェロモルスク-3飛行場へ駐留しています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは空中戦闘訓練を行なった]
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2018年4月10日には、Su-33と共にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空防衛訓練で「敵機役」を務めています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]

2018年6月8日、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、発着艦訓練を行なう為、クリミア半島サキ飛行場艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはクリミア半島の発着艦訓練施設ニートカで訓練飛行を行なう]
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2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、クロンシュタット及びサンクトペテルブルクで行なわれた主要海軍パレードへ参加しました。
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第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、ムルマンスク州セヴェロモルスク-3飛行場に駐留し、訓練飛行を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは悪天候下で飛行訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはコラ半島及びバレンツ海で戦闘飛行訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは戦闘飛行訓練を行なった]

2019年9月25日、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、再びクリミア半島艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ向かいました。


MiG-29K/KUB「母艦」アドミラル・クズネツォフは、2018年4月末から近代化改装工事を行なっており、艦隊へ復帰するのは早くても2021年になります。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島で行動している

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月24日16時30分配信
【北方艦隊北極グループはフランツ・ヨシフ諸島の島嶼間の新たなルートを切り開いた】

北方艦隊北極グループの艦及び支援船は、フランツ・ヨシフ諸島の島嶼間の新たなルートを進んだ。

コラ多種戦力小艦隊司令官オレグ・ゴルべフ中将と航海グループ本部が乗る大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる支隊は、列島の最南端ノルトブルク島から北西のアレクサンドラ島への内部海峡を進んだ。
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艦はグケラ島、スコット・ケルト島、アルトゥル島、ゲオルグ島を通り過ぎ、氷河の観測を行なった。
現在、グループは、軍事基地『北極クローバー』が配置され、北方艦隊戦術グループの軍人が勤務に就いているアレクサンドラ島海域で行動している。

以前、北方艦隊北極グループの艦は、仮想敵空中攻撃手段への反撃へ取り組み、高射ミサイル複合体「キンジャール」、砲装置AK-100、AK-725、更には小口径速射高射砲からの射撃を実施した。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった]

翌9月14日、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊空挺軍部隊は、ボリシェヴィク島で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はボリシェヴィク島で上陸演習を行なった]

9月17日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦載ヘリコプターKa-27PSは、ヴィゼ島ウエジネニヤ島の調査を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月17日9時2分配信
【北方艦隊北極グループはカラ海の島嶼の調査を行なった】
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9月19日、北極遠征部隊フランツ・ヨシフ諸島付近で対空戦闘訓練を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島海域で対空戦闘訓練を実施した]

9月21日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北極横断中の帆船「パンゲア」を発見しましたが、無線による問いかけに応答しなかった為、同船の臨検を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で帆船パンゲアを臨検した]

ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは敵潜水艦への魚雷攻撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年9月24日7時0分配信
【太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦「オムスク」は演習中に仮想敵潜水艦への魚雷攻撃を行なった】

艦隊の戦闘訓練計画に沿って、有翼ロケット原子力水中巡洋艦「オムスク」は、太平洋艦隊の深海射爆場で、双方が兵器を使用する仮想敵潜水艦への攻撃の課題へ取り組んだ。

潜水艦「オムスク」乗組員には、仮想敵潜水艦の探知及び破壊の任務が与えられた。
「敵」の役割は、対潜任務へ取り組む目的で戦略用途ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」が演じた。
双方の潜水艦は、複合擬装活動を行ないながら演習実施海域へ入った。
有翼ロケット原子力水中巡洋艦「オムスク」は、「敵」潜水艦を探知し、攻撃の為の好都合な位置で統一実地魚雷射撃を実施した。
次に、「アレクサンドル・ネフスキー」乗組員は、水中音響妨害を使用して魚雷攻撃から逃れる為の活動を行なった。

出航時に潜水艦の乗組員は、更に、仮想敵潜水艦を捜索し、隠密裏に追尾する課題へ取り組み、戦闘機動の要素を実行し、妨害及び囮目標を設置して追撃から離脱する技量を向上させた。



ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【K-186「オムスク」 プロジェクト949A】

プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦K-186は、1989年7月13日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1993年5月8日に進水、1993年12月10日にロシア海軍へ納入され、同年12月15日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

この間、1992年7月3日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「オムスク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1994年1月21日に赤旗北方艦隊に編入され、ザーパドナヤ・リッツァ基地へ配備されました。
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1994年9月14日付で赤旗太平洋艦隊へ転属し、同年8月18日から9月10日にザーパドナヤ・リッツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動しました。

2007年~2008年にボリショイ・カーメニ市極東工場『ズヴェズダー』でオーバーホールを行ないました。

2008年7月25日の『ロシア海軍の日』にはウラジオストクの観艦式へ参加しました。
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2010年7月~8月には戦略演習「ヴォストーク-2010」へ参加しました。

2012年12月末に遠距離航海から帰投しました。
[オスカーII級原潜オムスクはヴィリュチンスク基地へ戻った]


2014年9月には戦略演習「ヴォストーク-2014」へ参加しました。

2015年に再び極東工場『ズヴェズダー』へ回航され、修理及び近代化改装工事が始まりました。


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2019年5月に日本海で航行試験を行なった後、6月29日に太平洋艦隊へ引き渡され、現役に復帰しました。
[近代化改装を終えた原子力水中巡洋艦オムスクはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]
「オムスク」の近代化改装の具体的な内容には触れられていませんが、おそらくは艦の寿命延長や核燃料の交換、一部の機器の更新などでしょう。

現役に復帰した「オムスク」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクの観艦式へ参加した後、8月9日にカムチャツカ半島の母港ヴィリュチンスクへ帰投しました。
[近代化改装を終えたロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクはカムチャツカ半島の基地へ戻った]

2019年9月初頭から実施されたロシア太平洋艦隊オホーツク海演習の一環として、「オムスク」は9月16日に対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは太平洋で長距離対艦ミサイルグラニート""を発射した]


そして9月25日、太平洋艦隊プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」(2013年12月23日就役)を「敵役」として魚雷攻撃訓練を行ないました。
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ロシア海軍の為の超音速打撃ミサイル"オーニクス-M"の開発は進められている

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『タス通信』より
2019年9月25日9時35分配信
【情報筋:ロシアは射程800kmの有翼ミサイル「オーニクス-M」を開発している】
モスクワ、9月25日/タス通信

科学生産合同『機械製造』は、最大射程距離800kmで海上及び地上目標への攻撃精度が増大した海上配置有翼ミサイル「オーニクス-M」を開発している。
ミサイルの飛翔試験は数ヶ月以内に始まる。
『タス通信』は、ロシア連邦防衛産業企業体の2名の情報提供者より伝えられた。

「現用兵器である有翼ミサイル"オーニクス"をベースに、新たなヴァージョン-オーニクス-Mが開発されます。
これは800kmの最大攻撃距離を得ます」

対談者の1人は話した。

情報提供者は説明した。
「ミサイルは改善された制御システムを装備し、海上や地上の目標を、より正確に攻撃できます」
更に、電波電子戦闘手段の影響からのミサイルの防護は向上していると対談者は付け加えた。

他の防衛分野の情報提供者は、「オーニクス」最新ヴァージョンの飛行-設計試験は、9月上旬にバレンツ海エリアの北方艦隊海上射爆場で開始される筈だったと『タス通信』へ話した。
この試験の安全保障の為、民間船舶航行及び民間機の飛行は、数か所の海域で禁止された。
「しかし、製品の試験モデルに追加の点検が必要だったが故に、発射は実行されませんでした」
「オーニクス-Mの飛翔試験は、1~2ヶ月以内に始まる予定です」

対談者は話した。

情報提供者によると、現用兵器である「オーニクス」、近代化されるミサイルは、通常弾頭並びに核弾頭の搭載が可能である。
「オーニクス-M」の最大速度及び重量-寸法特性は、ベースヴァージョンのミサイルのままである。
「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』は、情報提供者から提示された情報にコメントしなかった。

[有翼の「オーニクス」]
以前、科学生産合同『機械製造』は、「オーニクス」の改良を計画していると述べたが、具体的な特性は如何なるものになるのかという話については明らかにしなかった。
「はい、私共は、この対艦ミサイル複合体の有効性を高める為、ミサイル"オーニクス"の飛行特性の向上を提案しております」
9月13日に同社の代理人は『タス通信』へ話した。

製造者のデータによると、「オーニクス」と輸出ヴァージョン(ミサイル「ヤーホント」)の射程距離は、今日において300kmである。
ミサイルの最大飛翔速度は、高空でマッハ2.5であり、弾頭部分の重量は250kgである。

ミサイル「オーニクス」を有する対艦ミサイル複合体P-800の開発は1982年に始まり、2002年に軍備採用された。
複合体水上艦及び潜水艦の兵装であり、例えば、このミサイルは、プロジェクト885多目的潜水艦のトップ「セヴェロドヴィンスク」に搭載されている。

「オーニクス」をベースにしてロシア-インドミサイル「ブラモス」が作成された。
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MAKS-2019において、合同会社『ブラモス』インド側のトップ、クマール・ミシュラは、有翼ミサイル「ブラモス」の射程距離は800kmまで延長できると『タス通信』へ伝えた。
この時、彼は、このような技術的可能性は存在する事を指摘した。




【株式会社「軍事産業団体・科学生産合同『機械製造』」】

[新世代超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)]

汎用対艦有翼ミサイル「オーニクス」(輸出名「ヤーホント」)の開発は1981年6月5日に正式決定され、1982年3月10日には科学生産合同『機械製造』による予備設計案が採用されました。

潜水艦による水中発射試験を行なう為、プロジェクト670M原子力潜水艦K-452が1986年6月25日から1992年7月10日までプロジェクト06704改造を実施しました。
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K-452(1992年6月3日からB-452)は、1992年から1998年まで「オーニクス」ミサイルの発射試験に従事しました。

水上艦による水上発射試験の為にプロジェクト1234小型ロケット艦「ナカト」が改造され、1996年から発射試験が行なわれました。
[「オーニクス(ヤホント)」試験艦「ナカト」]
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「ナカト」による「オーニクス」の発射試験は、1990年代末に資金難で中断された後2000年代初頭に再開され、「オーニクス」は2002年9月23日付でロシア海軍へ軍備採用されました。
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一方、「オーニクス」搭載艦として、プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦プロジェクト22350フリゲートの建造も始まりましたが、財政難などにより工事は遅延し、就役は大幅に遅れました。
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]
[プロジェクト22350フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ」型)]

ロシア海軍原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、就役前の2013年11月上旬に初めて「オーニクス」を発射しています。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

「オーニクス」は、近代化改装されるプロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦にも搭載されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)の1隻目は2021年以降に復帰する]

「オーニクス」は、対地/対艦ミサイル「カリブル」と共用の汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKから発射されます。
[汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSK]

「オーニクス」の地上発射型である「バスチオン」は、ロシア海軍の各艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)へ配備されています。


「バスチオン」は、2016年11月15日にシリア領内テロ組織を攻撃しています。
現在の所、これが「オーニクス」系列ミサイルの唯一の実戦での使用例です。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]


軍備採用から10年以上経過した2016年初頭までに、科学生産合同『機械製造』「オーニクス」のソフトウェア面での改良を行ないました。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

科学生産合同『機械製造』は、「オーニクス」の更なる改良を計画しています。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は更に改良される]

今回の記事で初めて名前が出た「オーニクス-M」が、その更なる改良型になるようです。

「オーニクス-M」は、ミサイルのサイズや最大速度は、元の「オーニクス」と同一ですが、最大射程距離が800kmに延伸され、攻撃精度も向上します。

元の「オーニクス」の射程距離が300kmですから、2.6倍に増大する事になります。

一見すると無理があるようですが、元々、「オーニクス」(ヤーホント)の射程距離300kmというのは、技術的理由ではなく、政治的理由(ミサイル技術管理レジームにより、最大射程300kmを超えるミサイルは外国へ輸出できない)により決められたものです。

輸出を考慮せず、自国(ロシア海軍)だけで使うのならば、射程を300kmに抑える必要は無いわけです。


科学生産合同『機械製造』は、ソヴィエト連邦時代には2種類の超音速対艦ミサイルを開発しています。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

現在は、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発を進めています。
極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」

ロシア海軍の練習艦ペレコプはぺヴェク港を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2019年9月23日17時30分配信
【バルト艦隊の練習艦「ペレコプ」はぺヴェク港から出航した】

バルト艦隊練習艦「ペレコプ」はぺヴェク港を去り、北方海上航路で艦隊間移動を続ける。
次の寄港地は、ベーリング島ニコリスコエ港である。
太平洋へ出る前の艦には、ユーラシア北アメリカを隔てるベーリング海峡が待ち受けている。

チュクチの港で艦の乗組員とロシア海軍学校生徒は、航海に関する問題の点から次のロシア北極港の特徴についての知識を得る事が出来、更には、彼らの為に市内の名所及び郷土博物館への小旅行が組織されたぺヴェク市自体に上陸した。

以前、練習艦は、バレンツ海、カラ海、ラプテフ海を越え、現在は東シベリア海に居る。

7500海里に渡る移動の枠組みで、「ペレコプ」チクシ港及びぺヴェク港への寄港を行ない、まもなく9月29日にはベーリング島へ入り、9月30日には艦のペトロパヴロフスク・カムチャツキー港への寄港が計画されている。

練習艦には、100名以上のS.O.マカロフ提督記念太平洋海軍高等学校及び海軍軍事科学研修センター『ソヴィエト連邦海軍元帥N.G.クズネツォフ記念海軍アカデミー』(サンクトペテルブルク)の生徒が乗っており、海上実習を行なう。

航海中、生徒は、航海士学科の実習様々な条件及び困難な航海環境下での艦の制御の技量の向上、更には士官及び航海士当直義務の代役を務める事になる。

艦での研修の為、特殊クラス及び訓練シミュレーターが作成された。
「ペレコプ」は天文学甲板、艦のダメージコントロール区画、6本オール漕ぎボートを有する。
同時に300名までの将来の航海士、機関士、操縦士が海上実習を行なえる。
艦の移動時に、ロシア連邦の大規模港を訪れ、2、3回の海軍学校の生徒の交代を行なう。
2018年には、1000名以上が艦上で実地訓練を行なった。

練習艦「ペレコプ」北極海を通過するのは、2018年以来2度目となる。
昨年に練習艦は、ウラジオストクからセヴェロモルスク北方海上航路北極横断移動を行なった。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった]

9月16日にヴィリキツキー海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはヴィリキツキー海峡へ入った]

9月18日にはチクシ湾へ投錨停泊しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾へ投錨停泊した]

9月20日にチクシ湾を去りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾を去り、ぺヴェクへ向かった]

9月22日にぺヴェク港を訪れました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはぺヴェク港を訪れた]
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9月23日にぺヴェク港を去りました。

なお、ぺヴェクには、最近、海上原子力発電所「アカデミック・ロモノソフ」が到着しています。
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今後、「ペレコプ」北極海をさらに東へ進み、9月30日にはカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはトルコのアクサズ海軍基地を訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月24日13時28分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」はトルコのアクサズ・カラーガチ港への業務寄港を行なった】

地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、トルコ海軍基地アクサズ・カラーガチ港への業務寄港を行なった。

ロシア船員の慣習的な訪問は3日間続く。
この間に航海指揮官及び巡洋艦の艦長は、受け入れ国の代表との一連の表敬会合を行なう。
艦にはトルコロシア大使館員と、その家族、トルコ海軍士官が訪れる。

沿岸に滞在するロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」乗組員の為に、文化プログラムが用意される。
北方艦隊将兵は、バス旅行、市内の名所見学、トルコ軍事船員とのサッカー、バレーボール、バスケットボールの親善試合を行なう為に上陸する。

支援船を伴うロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、8月22日に地中海エリアへ入った。
北方艦隊将兵は、アルジェリア及びエジプトを訪れ、一連の演習を実施した。
更に数回の地中海諸国への業務寄港が計画されている。

艦は、サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加する為、7月3日にセヴェロモルスクから出航した。
パレードの後、乗組員は海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加した。

基地から出航して以来、艦は13000海里以上を進んだ。



ロシア北方艦隊ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船SB-406は、2019年7月3日にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

これらの艦船は、7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後は北海ノルウェー海で演習を行なっていたようですが、8月12日、「マルシャル・ウスチーノフ」救助曳船SB-406は他の北方艦隊艦船と別れ、南下して遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは遠洋航海を開始した]

この2隻に中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は北海を南下し、8月15日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過する]

8月17日にラマンシュ海峡を通り抜けてビスケー湾へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは英仏海峡を通過してビスケー湾へ入った]

8月22日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月26日にアルジェリアの首都アルジェ港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを訪れた]
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8月29日にアルジェ港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはアルジェリアを去った]

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その後、「マルシャル・ウスチーノフ」と随伴船は地中海中央部へ移動して投錨停泊し、9月4日には中型海洋給油船「ヴャジマ」からディーゼル燃料(軽油)真水の補給を受け、ダメージコントロールなどの艦内演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海中部で演習を行なった]

9月9日、中型海洋給油船「ヴャジマ」救助曳船SB-406は、キプロスリマソール港へ入港しました。
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翌9月10日、「マルシャル・ウスチーノフ」エジプトアレクサンドリア港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を訪れた]

9月13日、「マルシャル・ウスチーノフ」アレクサンドリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはエジプトのアレクサンドリア港を去った]

その後、地中海東部を北上し、9月24日にはマルマリス近郊のトルコ海軍基地アクサズを訪問しました。
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近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地方情報供給部(ウラジオストク市)発表
2019年9月24日5時0分配信
【小型ロケット艦「スメルチ」は日本海エリアで初めて対艦有翼ミサイル「ウラン」の発射を実行した】

近代化された太平洋艦隊小型ロケット艦「スメルチ」は、日本海エリアにおける工場航行試験段階中、初めて対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」の海上目標への発射を実行した。

有翼ミサイルKh-35は、指定時間に戦闘艦から50km以上離れた浮遊水上標的を成功裏に撃破した。

戦闘訓練支援の為、太平洋艦隊の10隻の戦闘艦及び補助船、更には海上航空隊航空機が参加した。

以前、小型ロケット艦は、新たな76mm汎用自動艦載砲AK-176MAと近代化された30mm6銃身自動艦載砲装置AK-630の射撃を実施した。

艦の近代化を伴う修理は、カムチャツカ株式会社『北東修理センター』の基盤、更にはウラジオストク艦船修理センター『ダーリザヴォード』で実施された。
この期間に艦は、ミサイル複合体「マラヒート」から対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」へ再武装し、新たな砲を装備した。



プロジェクト12341小型ロケット艦「スメルチ」は、1981年11月16日に『ウラジオストク造船工場』で起工され、1984年11月16日に進水し、1984年12月30日に海軍へ納入され、翌1985年3月4日に就役しました。

当初はソヴィエツカヤ・ガヴァ二へ配備されていましたが、その後、ペトロパブロフスク・カムチャツキーへ配置替えとなり、現在に至っています。
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2017年からペトロパブロフスク・カムチャツキー『北東修理センター』で近代化改装工事が始まりました。
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「スメルチ」は、近代化改装により対艦ミサイルを、「マラヒート」3連装発射筒2基(ミサイル計6基)から「ウラン」4連装発射筒4基(ミサイル計16基)へ換装しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

2019年6月7日、「スメルチ」は洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を開始した]

7月8日にはアヴァンチンスキー湾AK-176 76mm砲AK-630M 30mmガトリング砲の試射を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは砲撃試験を行なった]

その後、カムチャツカ半島を離れてオホーツク海を南西へ進み、7月15日には宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海へ入った]
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7月18日午前、「スメルチ」ウラジオストクへ到着しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはウラジオストクへ到着した]

「スメルチ」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。


この間(ウラジオストク到着から観艦式前日のリハーサルへ参加するまで)、「スメルチ」ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で、艦尾のAK-176 76mm単装砲を、最新の76mm単装砲AK-176MAへ換装しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは新型76mm砲AK-176MAを装備した]
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[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
この新型76mm砲は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦プロジェクト22160哨戒艦にも装備されています。

8月14日、「スメルチ」ピョートル大帝湾で、自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはピョートル大帝湾で高射ミサイルの発射試験を行なった]

その後、「スメルチ」ウラジオストクへ戻り、兵装などの試験を洋上で行なう為、9月9日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を再開した]

9月18日には30mm機関砲AK-630の射撃試験を行ないました。
AK-630は近代化改装前から装備している兵装ですが、何らかのアップグレードが行なわれたようです。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは30mm機関砲の射撃試験を行なった]

9月24日には対艦ミサイル「ウラン」(Kh-35)の発射試験を行ないました。
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「スメルチ」は、2019年12月末までに太平洋艦隊へ復帰します。

ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事は順調に進んでいる

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2019年9月24日12時12分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」ドック入りの為の『第35艦船修理工場』のドックの近代化は38パーセント遂行されている-ラフマノフ】
カリーニングラード、9月24日、インタファクス

『統合造船業営団』はスケジュールに沿って重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」のドック入りへ着手する。
『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフカリーニングラードで報道陣へ伝えた。

「予算に沿ったクズネツォフのドック入りは、完全に国防省と合意したスケジュール通りです。
具体的な日時については言えませんが。
今日において、全てはスケジュール通りに行なわれております。
『第35艦船修理工場』での作業は展開しております。
(ドックの近代化の)技術的進捗は38パーセントです。
施設では、約15両の車両が働いており、水力工学建設集団が従事しております」
ラフマノフ
は話した。

このスケジュールを挫折させるような如何なる心配も、今日において『統合造船業営団』には存在しないと営団のトップは付け加えた。

伝えられているように、『統合造船業営団』は、北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」及び1等艦を入渠させる為の乾ドックの建設を開始した。

2018年10月30日未明、世界最大級の浮きドックの1つであるムルマンスク『第82艦船修理工場』PD-50から「アドミラル・クズネツォフ」が出渠した。
事故の結果、浮きドッククレーンの1つが重航空巡洋艦の甲板へ落下した。



ロシア海軍唯一の「航空母艦」ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)の近代化改装の契約は、2018年4月23日に締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]


近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』により、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

「アドミラル・クズネツォフ」機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬からボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造されたボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。


「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

10月30日の浮きドック事故で「アドミラル・クズネツォフ」が受けた損傷は計52ヶ所に及び、その修復費用は約7000万ルーブルと見積もられています。
[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧には約7000万ルーブルの費用が掛かる]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には約600億ルーブルが計上されているので、7000万ルーブルは、その1パーセントにも満たない数字です。

更に、損傷を受けた部分は、元々近代化改装工事の過程で交換する予定だった箇所なので、損傷を受けようが受けまいが、どのみち近代化改装予算の範囲内で交換する事になります。
従いまして、今回の事故の損傷復旧の為、新たに7000万ルーブルを出費する必要は無いわけです。

[浮きドックPD-50の沈没事故による航空母艦アドミラル・クズネツォフの損傷復旧の為の追加支出の必要は無い]

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]

「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
その完了は2020年に予定されています。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により機関の能力もアップするようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな能力を得る]


2019年3月、『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の完了と海軍への引き渡しが、2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれないと発言しました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了は2021年末よりも3~4ヶ月遅れるかもしれない]

3~4ヶ月遅れるかもしれない理由は、「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるドックの確保に関する問題です。
[ロシアは事故で沈没した大型浮きドックPD-50に代わる新たな浮きドックの外国への発注は計画していない]

現在の『第35艦船修理工場』乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、これが実行に移される事になりました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事の準備は進められている]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の主要部分は、2020年中には完了できる見込みです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装工事の主要部分は2020年中に完了する]

2019年6月10日、ロシア海軍総司令部及びロシア造船業界の代表は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装工事の問題に関する(非公開の)会議をムルマンスクで開催し、この場で、『第35艦船修理工場』乾ドック拡張後、「アドミラル・クズネツォフ」をそこへ入渠させる事が正式に決定したようです。
[ロシア海軍総司令部と造船業界は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装に関する問題を討議する]
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]

『第35艦船修理工場』乾ドック拡張工事は、2019年7月以降に始まりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事は既に始まっている]

乾ドック拡張工事の進捗度は、2019年9月下旬の時点で38パーセントです。

乾ドック拡張工事には少なくとも1年は掛かるので、工事完了は最短でも2020年7月になるでしょう。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事には1年掛かる]
ただし、この時期まで「アドミラル・クズネツォフ」の改装工事が中断されるわけでは無く(現に、今現在も中断されていない)、水上に浮いたままでも出来る工事は進められます。

「アドミラル・クズネツォフ」『第35艦船修理工場』の新たな乾ドックへ入渠できるのは、早くても2020年7月になるでしょう。
乾ドックで水面下部分の工事を行ない、更に、他の全ての作業が完了するのは早くても2021年前半になるでしょうし、それから洋上試験を行ない、同年末までにロシア海軍へ引き渡すのは、かなりギリギリのスケジュールでしょう。
[ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2021年末までにロシア海軍へ復帰する]

ただ、何れにせよ、一部で噂されているような「入渠するドックが無いので廃艦」などという事態になる可能性は無いでしょうが。

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャへ向かった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年9月23日12時47分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」はセヴァストーポリから地中海へ出発した】

本日、黒海艦隊フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、連合部隊司令官の将旗の下でセヴァストーポリから出航し、黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスへ進路を取った。

遠距離航海中にロシア船員ギリシャコルフ(ケルキラ)島ヴィド島を訪れ、1799年に島を外国による占領から解放したロシア船員の指揮官である高名なフョードル・ウシャコーフ提督の記念日の枠組みで、公共フォーラム行事『イオニア諸島のロシア週間』へ参加する。

遠距離航海中の艦には、ロシア海軍の主要イコン『聖使徒アンドレイ・ペルヴォズヴァーンヌィイ』が在り、コルフ島及びシリアロシア海軍地中海艦船グループの駐留所タルトゥース港へ持参する。

フリゲート「アドミラル・マカロフ」地中海への航海は、黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフ中将の指揮下で行なわれる。



プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]

2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]

翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)


11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]

11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も「アドミラル・マカロフ」地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスリマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]

12月29日にリマソール港を去りました。

「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]

2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、シリアタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた]

2月1日には、対空防衛訓練を実施しました。
(おそらくはタルトゥース港に停泊した状態で)
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]

シリアタルトゥース港には、ロシア海軍の物資補給所が置かれています。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]

その後、「アドミラル・マカロフ」タルトゥースを出航し、2月11日に再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は再びキプロスのリマソール港へ寄港した]

2月13日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソール港を去った]

「アドミラル・マカロフ」は、その後も地中海東部に滞在していましたが、3月4日にダーダネルス海峡へ入り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌3月5日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリへ帰投した]

2019年7月にはクリミア半島固定式地対艦ミサイル「ウチョス」と共に演習を行ないました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と地対艦ミサイル"ウチョス"は演習を行なった]

2019年8月末の黒海艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の演習は完了した]

9月23日にセヴァストーポリを出航し、ギリシャへ向かいました。


ギリシャコルフ島(ケルキラ島)は、歴史上ロシア海軍とは深く関わっており、1799年、ロシア海軍フョードル・ウシャコーフ提督は、コルフ島フランスから解放しています。
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これを記念して毎年9月下旬~10月初頭にロシア海軍の艦がコルフ島(ケルキラ)を訪れ、記念行事(イオニア諸島のロシア週間)が開催されています。

記事中に登場する主要イコン『聖使徒アンドレイ・ペルヴォズヴァーンヌィイ』とは、ロシア海軍旗である聖アンドレイ旗の由来となった聖人アンドレイ(アンドレイ・ペルヴォズヴァーンヌィイ)イエスの4番目の弟子(使徒)~の遺骸の一部です。
2015年9月22日にロシア海軍警備艦「スメトリーヴイ」ギリシャを訪問した際にギリシャ側から譲渡されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦スメトリーヴイはギリシャのパトラを訪問した]

ロシア海軍の練習艦ペレコプはぺヴェク港を訪れた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2019年9月22日19時17分配信
【艦内に生徒を乗せた練習艦「ペレコプ」はぺヴェク港への寄港を行なった】

北方海上航路のルート上を行く練習艦「ペレコプ」は、本日(9月22日)、ぺヴェクへの寄港を行なった。
艦上には、海軍研修学校の生徒が乗っており、海上実習プログラムを遂行している。
練習艦「ペレコプ」の航海は、海上実習中の海軍専門学校及び海軍兵学校の生徒の実地訓練の効率を高める海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の指示に沿い、ロシア海軍総司令部が計画している。

以前、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、海軍軍事科学研修センター指導部より、セヴェロモルスクからウラジオストクまでの北方海上航路の特殊な航海を行なっている練習艦「ペレコプ」艦上での海軍研修学校生徒の実習に関する報告を受けた。

特に総司令官は、艦上での生徒の北方海上航路の様々な海域における航海士当直への組織的従事、更には練習艦「ペレコプ」の機器装置の動作の問題についての報告を受けた。

ニコライ・エフメノフ大将は、9月18日から20日までの練習艦「ペレコプ」チクシ港への寄港において、生徒と艦の乗組員が一連の行事全体へ参加した事を高く評価した。
チクシ港では、地元住民による艦の歓迎式典が行なわれた。
練習艦「ペレコプ」ブルンスキー湾チクシ港地方自治体のトップ、イーゴリ・クドリャショフが訪れ、海軍総司令部、海軍軍事科学研修センターとの更なる広範囲の協力への希望を表明し、ロシア海軍の戦闘艦及び船舶が、更に多くチクシを訪れる事を願った。

練習艦「ペレコプ」で実習を行なっている生徒は、チクシ人工造形芸術博物館、北極文化博物館『ゴルノスタイ』を訪れ、更には、北極チームとのバレーボールのスポーツ競技会、軍事スポーツ競技会『スネシュヌイ・バルス-2019』へ参加した。
生徒及び艦の乗組員の為に、チクシ港のアマチュア芸術家集団によるコンサートが開催された。

チクシ訪問は9月20日に完了し、練習艦「ペレコプ」は承認されたルート上の航海を続ける。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった]

9月16日にヴィリキツキー海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはヴィリキツキー海峡へ入った]

9月18日にはチクシ湾へ投錨停泊しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾へ投錨停泊した]

9月20日にチクシ湾を去りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾を去り、ぺヴェクへ向かった]

9月22日にぺヴェク港を訪れました。
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今後、「ペレコプ」北極海をさらに東へ進み、9月30日にはカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

ロシア海軍の打撃巡航ミサイル"カリブル"はシリアでの実戦使用経験を基に改良された


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月22日9時8分配信
【有翼ミサイル「カリブル」はシリアでの試験の後に近代化された】
モスクワ、9月22日-ロシア通信社ノーボスチ

有翼ミサイル「カリブル」は、シリアでの試験の後に近代化が行なわれ、飛翔任務の起動時間の短縮を可能にした。
セルゲイ・ショイグ国防相は話した。

「高精度兵器の使用について御話しいたしますと、例えば、以前には有翼ミサイル"カリブル"の飛翔任務を起動させ、目標へ向かう為には、かなりの時間を要しました。
今日において、カリブルの飛翔任務の起動時間は縮小され、一際短時間となりました。
そして、目標指示転送時間を短縮する作業が常に進行中です」

彼は、シリアでの兵器使用と、その近代化についての話を新聞『モスクワ共産青年同盟』において述べた。

ロシアは、シリアテロリスト有翼ミサイル「カリブル」による打撃を何度も与えた。

このような打撃が最初に与えられたのは2015年10月7日であり、この時には、ロシア連邦海軍カスピ小艦隊の艦~ロケット警備艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」が、カスピ海エリアからミサイル「カリブル-NK」の26回の発射を行なった。



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エカテリンブルク市『L.V.リュリエフ記念試験設計局ノヴァトール』により設計された有翼ミサイル「カリブル」(対地/対艦/対潜用)は、輸出用有翼ミサイル「クラブ」シリーズのロシア海軍向けヴァージョンです。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

最大射程距離は、対地攻撃型3M-14で2500km、対艦攻撃型3M-54で375km、対潜型(水上艦発射用)91RTE2で40km、対潜型(潜水艦発射用)91RE1で50kmになります。
飛翔速度は亜音速ですが、対艦攻撃型3M-54のみは目標の手前20km位で弾頭が分離して超音速に加速します。

元々は、ソ連海軍時代に配備された原子力潜水艦搭載用対地有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)(1984年軍備採用、1990年代前半に退役)をベースに開発されました。
(まず初めに「グラナート」を輸出用に改正した「クラブ」が開発され、その後、ロシア海軍向けに改正した「カリブル」が開発された)
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現在、ロシア海軍では、以下の艦に装備されています。

プロジェクト22350フリゲート
プロジェクト11356フリゲート
プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦
プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦
プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦「オブニンスク」
プロジェクト677「ラーダ」潜水艦
プロジェクト06363潜水艦


今後も「カリブル」搭載艦は増加します。
[2020年末にはロシア海軍の約半数近くの軍艦が巡航ミサイル"カリブル"を装備しているだろう]


「カリブル」は、2015年10月初頭以降、シリア領内テロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)『アル=ヌスラ戦線』に対し、何度か実戦で使用されています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2015年10月7日カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射(計26基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

・2015年11月20日カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」カスピ海南方からシリアへ発射(計18基)。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2015年12月8日黒海艦隊潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」地中海東部からシリアへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2016年8月19日黒海艦隊小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」地中海東部からシリアへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]

・2016年11月15日黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海東部からシリアへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

・2017年5月31日黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」地中海東部からシリアパルミラへ発射(計4基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2017年6月23日黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、潜水艦「クラスノダール」地中海東部からシリアハマーへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2017年9月5日黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」地中海東部からシリアデリゾールへ発射(計6基)。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

・2017年9月14日黒海艦隊潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」地中海東部からシリアへ発射(計7基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

・2017年9月22日黒海艦隊潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」地中海東部からシリアイドリブへ発射(計3基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2017年10月5日黒海艦隊潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」地中海東部からシリアへ発射(計10基)。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

・2017年10月31日黒海艦隊潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」地中海東部からシリアデリゾールへ発射(計3基)。

『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】

・2017年11月3日黒海艦隊潜水艦「コルピノ」地中海東部からシリアアブ・カマルへ発射(計6基)。
(同時にロシア航空宇宙軍爆撃機Tu-22M3が空爆)

『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】


「カリブル」は、2016年前半(1月~6月)には計47基がロシア海軍へ納入されています。
[ロシア海軍は2016年前半に47基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

2016年7月~9月の3ヶ月間には、「カリブル」超音速対艦ミサイル「オーニクス」を合わせて100基以上がロシア海軍へ納入されました。
[ロシア海軍は2016年7月-9月に100基以上の巡航ミサイル"カリブル"及び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領した]

2017年4月~6月の3ヶ月間には計60基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2017年4月~6月に60基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

2018年1月~3月の3ヶ月間には、計46基の「カリブル」ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は2018年1月~3月に46基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

2018年4月~6月の3ヶ月間には、計49基の「カリブル」が引き渡されました。
[ロシア海軍は2018年4月~6月に49基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

2019年1月~3月の3ヶ月間には、計48基の「カリブル」が引き渡されました。
[2019年1月~3月にロシア海軍は48基の巡航ミサイル"カリブル"を受領した]

最近では、3ヶ月間に約50基(1ヶ月間で18基程度)のペースで生産されているようです。

「カリブル」シリアでの実戦使用の経験を基に、更なる改良が行なわれました。
具体的には、ミサイルの起動時間が短縮されたようです。


既に「カリブル」の更なる改良型である「カリブル-M」の開発も始まっています。
[ロシア海軍の為の新型対地巡航ミサイル"カリブル-M"の開発は始まっている]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で帆船パンゲアを臨検した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月21日12時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は北極でブラジル船籍のヨットを発見した】

北方艦隊北極グループの構成員は、ロシア連邦保安庁境界線局検査-監視グループと共に、北極西方海域大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」で、フランツ・ヨシフ諸島ノヴァヤゼムリャ諸島の間のバレンツ海及びカラ海の境界線の監視-検査活動へ取り組んだ。

将兵は、ベーリング海峡からスピッツベルゲン諸島まで北氷洋の海上移動を行なっているヨット「パンゲア」を臨検した。

船は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の機器装置により発見されたが、電波通信による問いかけへの応答は無く、北方艦隊北極グループ指揮官は、臨検作戦を実施する決断を下した。

ヨットの乗組員の文書が点検され、北方海上航路の通行を果たした各乗員にロシア連邦の法律違反は見つからなかった。
帆船ブラジル船籍である。
その乗組員は、ロシア、ドイツ、ポーランド、アメリカ合衆国、フランス、スウェーデン、南アフリカ共和国の民間人で構成されており、合計で男性8名と女性2名である。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった]

翌9月14日、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊空挺軍部隊は、ボリシェヴィク島で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はボリシェヴィク島で上陸演習を行なった]

9月17日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦載ヘリコプターKa-27PSは、ヴィゼ島ウエジネニヤ島の調査を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月17日9時2分配信
【北方艦隊北極グループはカラ海の島嶼の調査を行なった】
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9月19日、北極遠征部隊フランツ・ヨシフ諸島付近で対空戦闘訓練を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島海域で対空戦闘訓練を実施した]

9月21日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北極横断中の帆船「パンゲア」を発見しましたが、無線による問いかけに応答しなかった為、同船の臨検を実施しました。

ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年9月21日18時54分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は海上で砲射撃を実施した】

最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、工場航行試験の今次段階中にバルト海で複合砲射撃を実施した。

バルト艦隊海上射爆場で、艦の乗組員は業界の代表と共に、130mm砲装置A-192M及び30mm高射ミサイル-砲複合体「パラシ」からの射撃を実施した。
艦載砲の射撃は、海上盾及び空中目標へ実施された。

前日、艦の乗組員は、対空防衛複合体電波工学兵装及び電波位置測定ステーション(レーダー)の試験を実施した。
この為に、バルト艦隊海上航空隊ヘリコプターKa-27及び航空機Su-30SM、Su-27、Su-24は、仮想敵の空中攻撃をシミュレートした。

バルト海海上射爆場では、恒久的にロシア海軍及び外国の為の新たな機器の試験が行なわれている。
この活動の支援には、バルト艦隊艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が関わっている。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

『北方造船所』は、2016年1月13日の時点で「アドミラル・カサトノフ」の完成度は81パーセントと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・フロータ・カサトノフ"は81パーセント完成している]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。

その後も艤装工事は進められ、2018年2月初頭の時点では完成度98パーセントでした。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート2番艦アドミラル・フロータ・カサトノフは98パーセント完成している]


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、A-192M130mm単装速射砲及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは2019年10月初頭から国家試験を開始する

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『タス通信』より
2019年9月20日19時11分配信
【潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」の国家試験の為の出航は10月初頭に計画されている】
モスクワ、9月20日/タス通信

太平洋艦隊の為に意図されているプロジェクト636.3潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、10月初頭に国家試験へ入る。
株式会社『アドミラルティ造船所』が同社のサイトで金曜日に公開した声明では、こう述べられている。

「潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは、8月16日に工場航行試験へ出発し、9月17日に工場へ戻りました。
近い内に、10月初頭に計画されている国家試験の準備が始まります」

声明では、こう述べられている。

広報サービスが説明したように、潜水艦の全てのシステム及び機構は、申請された戦術-技術特性に沿って正常に動作した。
工場航行試験プログラムには、速力、機動性、潜航試験、更には磁力場の測定及び他の作業が含まれる。

ディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト636.3は第3世代に属し、ディーゼルエレクトリック潜水艦プロジェクト636の発展型である。
潜水艦は高い水準の音響隠密性を有する。
潜水艦の水中速力は20ノット、自立航行期間45日、乗組員50名以上、水中排水量は約4000トン。

プロジェクト636.3の更なる特徴は、水上目標(対艦ミサイル3M-54及び3M-541)及び地上目標(有翼ミサイル3M-14)への射撃の為の高精度打撃ミサイル兵器複合体「カリブル」、更には更新された電波電子兵装を装備している事に在る。



[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]
ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦は、現在、黒海艦隊向けの6隻が2014年~2016年に就役しています。
全てサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されています。
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プロジェクト06363は、プロジェクト877(キロ級)の輸出型プロジェクト636を更に改良したタイプであり、今後建造される第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級の開発設計作業の成果も一部取り入れられています。

プロジェクト06363潜水艦は、有翼ミサイル「カリブル」を標準装備しています。
(533mm魚雷発射管から発射する)

黒海艦隊06363は、既にシリア有翼ミサイル「カリブル」を実戦使用しています。
[ロシア海軍はシリアのテロ組織へ100発の巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
そして太平洋艦隊向けにも6隻の06363潜水艦『アドミラルティ造船所』で建造される事になり、建造契約は2016年9月7日に締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]

2017年7月28日に最初の2隻~「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」が同時に起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはサンクトペテルブルクで起工された]

B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年3月28日に進水しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはサンクトペテルブルクで進水した]

その後、『アドミラルティ造船所』で艤装が行なわれ、8月16日に最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは洋上試験を開始した]


8月19日には最初の潜航試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で潜航試験を行なった]

その後も航行試験は続けられ、9月17日に『アドミラルティ造船所』へ戻りました。

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年10月初頭から、次の洋上試験(国家試験)を開始します。

国家試験完了後、ロシア海軍への引き渡しが準備されます。

現在の所、「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

この他、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦の一部も近代化改装が行なわれています。
[近代化改装を終えた潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレはロシア海軍太平洋艦隊へ再就役した]

ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島海域で対空戦闘訓練を実施した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月19日19時0分配信
【北方艦隊北極グループはフランツ・ヨシフ諸島付近で仮想敵の攻撃を撃退した】

北方艦隊北極グループ戦闘艦は、バレンツ海北方のフランツ・ヨシフ諸島海域で戦闘射撃演習を実施した。
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大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の乗組員は、高射ミサイル複合体「キンジャール」、砲装置AK-100及びAK-725、更には速射小口径高射砲複合体AK-630の助力を得て、様々な高度及び方向からの仮想敵空中攻撃手段の撃退へ取り組んだ。

仮想敵の高精度兵器へ対抗する目的で、艦は電波電子戦闘複合体からのパッシブおよびアクティブ妨害の設置へ取り組んだ。

演習は、風浪階級4の波と強い突発的な嵐の暴風条件下で実施された。

実地高射射撃を行なった後、艦は、仮想「敵」水上グループとの海上戦闘を始め、それを砲火で撃破した。
更に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の乗組員は、仮想敵潜水艦への反応深海爆弾射撃を実施した。



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ロシア北方艦隊の8度目の北極圏への遠距離航海は、2019年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極遠征へ出発した]
参加艦船は、2018年の北極遠征とほぼ同じです。
(指揮官も同じ)

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(626)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
救助曳船「パミール」
中型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


8月6日にバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はバレンツ海で演習を行なう]

8月7日、北極遠征部隊ノヴァヤゼムリャ付近へ到達し、対テロ演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はノヴァヤゼムリャで対テロ演習を行なう]

8月8日には、北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」をテロリストから防衛する為の演習を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は石油採掘プラットフォーム防衛演習を行なった]

8月9日、北極遠征部隊カラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月12日、北極遠征部隊ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はディクソンへ到着した]

8月13日、北極遠征部隊ディクソン港を抜錨し、エニセイ川の南下を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川を南下する]
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翌8月14日、北極遠征部隊ドゥディンカ港へ到着しました。


[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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8月17日、2隻の大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)及び北極圏旅団(第80独立自動車化射撃兵旅団)の将兵は、ドゥディンカ付近で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はエニセイ川沿岸のドゥディンカで上陸演習を行なった]

演習には、北極遠征部隊の他に、空挺軍部隊航空部隊も参加したようです。

その後、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊は、ドゥディンカの東方に位置するノリリスク市(ニッケル、コバルト、銅を産出)へ派遣され、同地で8月26日に実施された工業施設防衛演習へ参加しました。
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演習の総指揮官は、北方艦隊(北方統合戦略コマンド)司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が務めました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日15時21分配信
【北方艦隊は北極で大規模産業施設を防衛する演習を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年8月26日16時30分配信
【北方艦隊の爆撃航空隊はタイミルで仮想敵グループを撃破した】

8月29日には、クラスノヤルスク地方知事アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・ウスス氏がドゥディンカに滞在する遠征部隊旗艦の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフをクラスノヤルスク地方知事が訪れた]

8月30日、ノリリスクの演習へ参加した海軍歩兵部隊空挺軍部隊ドゥディンカへ戻り、2隻の大型揚陸艦へ乗艦しました。
[ロシア海軍歩兵部隊と空挺軍部隊はドゥディンカで北方艦隊の大型揚陸艦へ乗艦した]

8月31日、ドゥディンカ港で地元アーチストによるコンサートが開催されました。
[ドゥディンカ港でロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊の為のコンサートが行なわれた]

9月3日、北極遠征部隊ドゥディンカ港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

北極遠征部隊は9月5日にディクソン港へ到着し、ここで砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は遠征部隊と別れ、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の砕氷船イリヤー・ムーロメツはバレンツ海へ向かった]

その他の艦船は、引き続き北極海を東へ進みました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊は北極海を東へ進む]
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9月9日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月9日13時16分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】
北極遠征部隊は、『アトムフロート』(ロスアトム)原子力砕氷船「ヴァイガチ」に先導されて結氷海域を航行しました。

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9月13日にはボリシェヴィク島付近でロシア連邦保安庁所属の境界線警備隊と合同で不審船の臨検訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はラプテフ海で不審船の臨検訓練を行なった]

翌9月14日、大型揚陸艦に乗ってきた海軍歩兵部隊空挺軍部隊は、ボリシェヴィク島で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はボリシェヴィク島で上陸演習を行なった]

9月17日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」艦載ヘリコプターKa-27PSは、ヴィゼ島ウエジネニヤ島の調査を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月17日9時2分配信
【北方艦隊北極グループはカラ海の島嶼の調査を行なった】
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9月19日、北極遠征部隊フランツ・ヨシフ諸島付近で対空戦闘訓練を行ないました。

ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾を去り、ぺヴェクへ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年9月19日15時15分配信
【練習艦「ペレコプ」はチクシ湾泊地を去った】

バルト艦隊練習艦「ペレコプ」チクシ港を去り、北方海上航路上で北方艦隊から太平洋艦隊への艦隊間移動を続ける。
次の寄港地はぺヴェク港となる。

9月18日に艦の乗組員とロシア海軍学校生徒はチクシへ滞在し、軍人は航法及び北極港の水路状況についての知識を得る事ができ、更には集落の名所を訪れた。

以前、カラ海で艦は原子力砕氷船「ヴァイガチ」と合流し、ヴィリキツキー海峡を越え、ラプテフ海へ入り、チクシ港泊地へ停泊した。
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更に、ベーリング海峡までの遠距離移動ルート上の結氷状況に関する好調な水文気象予報は、艦の自立行動を可能にする。

7500海里に渡る移動の枠組みで、練習艦「ペレコプ」は、ぺヴェク港ベーリング島の独特な沿岸へ到着し、9月30日には艦のペトロパヴロフスク・カムチャツキー港への寄港が計画されている。
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練習艦には、100名以上のS.O.マカロフ提督記念太平洋海軍高等学校及び海軍軍事科学研修センター『ソヴィエト連邦海軍元帥N.G.クズネツォフ記念海軍アカデミー』(サンクトペテルブルク)の生徒が乗っており、海上実習を行なう。

航海中、生徒は、航海士学科の実習様々な条件及び困難な航海環境下での艦の制御の技量の向上、更には士官及び航海士当直義務の代役を務める事になる。

艦での研修の為、特殊クラス及び訓練シミュレーターが作成された。
「ペレコプ」は天文学甲板、艦のダメージコントロール区画、6本オール漕ぎボートを有する。
同時に300名までの将来の航海士、機関士、操縦士が海上実習を行なえる。
艦の移動時に、ロシア連邦の大規模港を訪れ、2、3回の海軍学校の生徒の交代を行なう。
2018年には、1000名以上が艦上で実地訓練を行なった。

練習艦「ペレコプ」北極海を通過するのは、2018年以来2度目となる。
昨年に練習艦は、ウラジオストクからセヴェロモルスク北方海上航路北極横断移動を行なった。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった]

9月16日にヴィリキツキー海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはヴィリキツキー海峡へ入った]

9月18日にはチクシ湾へ投錨停泊しました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾へ投錨停泊した]

9月19日にチクシ湾を去り、ぺヴェク港へ向かいました。

今後、「ペレコプ」北極海をさらに東へ進み、9月30日にはカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

ロシア海軍の練習艦ペレコプはチクシ湾へ投錨停泊した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月にチ18時29分配信
【練習艦「ペレコプ」はラプテフ海のチクシ湾へ投錨した】

海軍学校の生徒を乗せ、北方海上航路上で北極横断移動を行なっている練習艦「ペレコプ」は、ラプテフ海チクシ湾サハ沿岸へ入り、投錨した。
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明日(8月19日)、艦は東方ルートを進み、ノヴォシビルスク諸島を通り過ぎる。
更に練習艦「ペレコプ」は、東シベリア海チュクチ海を通過してベーリング海峡へ入り、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへの寄港を行なう。
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艦の移動ルート上の結氷状況に関する好都合な水文気象予報により、同艦は砕氷船を同行せずに行動できる。

練習艦「ペレコプ」の航海は、8月23日にクロンシュタットから出航して始まった。
艦は、バルト海、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、セヴェロモルスクアルハンゲリスクへの寄港を行ない、ノヴァヤゼムリャ列島を迂回し、その最北地点~ジェラニエ岬を通り過ぎた。
ラプテフ海まで、「ペレコプ」原子力砕氷船「ヴァイガチ」に同行されてヴィリキツキー海峡を通過した。
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これまでの航海で、艦は4000海里以上を進んだ。

練習艦「ペレコプ」北極海で行動するのは、2年連続になる。
2018年8月~9月、同艦はウラジオストクからセヴェロモルスク北方海上航路北極横断移動を行なった。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった]

9月16日にヴィリキツキー海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはヴィリキツキー海峡へ入った]

9月18日にはチクシ湾へ投錨停泊しました。

今後、「ペレコプ」北極海をさらに東へ進み、9月30日にはカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは30mm機関砲の射撃試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2019年9月18日6時11分配信
【近代化された太平洋艦隊の小型ロケット艦「スメルチ」は日本海で砲射撃を実施した】

近代化された太平洋艦隊小型ロケット艦「スメルチ」は、工場航行試験段階中にピョートル大帝湾海域で海上及び空中目標への砲射撃を実施した。

戦闘訓練射爆場で、船員と業界の代表は、小型ロケット艦の修理中に設置された近代化された30mm6銃身自動艦載砲装置AK-630の信頼性を点検した。
この目的で、模擬空中目標への数回の実地射撃が行なわれた。
更に速射砲は、浮遊海洋機雷の模型を破壊する為にも使用された。

現在、乗組員は、新たな76mm汎用自動艦載砲AK-176MAからの最初の射撃実施の準備を行なっている。
それは、デジタル制御システムと新たな光学電子ステーションを装備する。
高密度の火力は、装甲物体でさえ砲撃で破壊できる。

艦の近代化を伴う修理は、カムチャツカ株式会社『北東修理センター』の基盤、更にはウラジオストク艦船修理センター『ダーリザヴォード』で実施された。
この期間に艦は、ミサイル複合体「マラヒート」から対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」へ再武装し、新たな砲を装備した。



プロジェクト12341小型ロケット艦「スメルチ」は、1981年11月16日に『ウラジオストク造船工場』で起工され、1984年11月16日に進水し、1984年12月30日に海軍へ納入され、翌1985年3月4日に就役しました。

当初はソヴィエツカヤ・ガヴァ二へ配備されていましたが、その後、ペトロパブロフスク・カムチャツキーへ配置替えとなり、現在に至っています。
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2017年からペトロパブロフスク・カムチャツキー『北東修理センター』で近代化改装工事が始まりました。
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「スメルチ」は、近代化改装により対艦ミサイルを、「マラヒート」3連装発射筒2基(ミサイル計6基)から「ウラン」4連装発射筒4基(ミサイル計16基)へ換装しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフと小型ロケット艦スメルチは近代化改装される]
[ロシア海軍のプロジェクト12341小型ロケット艦(ナヌチュカ級)の近代化改装は始まっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊は2019年に2隻の巡航ミサイル"カリブル"搭載艦を受け取る]

2019年6月7日、「スメルチ」は洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を開始した]

7月8日にはアヴァンチンスキー湾AK-176 76mm砲AK-630M 30mmガトリング砲の試射を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは砲撃試験を行なった]

その後、カムチャツカ半島を離れてオホーツク海を南西へ進み、7月15日には宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは日本海へ入った]
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7月18日午前、「スメルチ」ウラジオストクへ到着しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはウラジオストクへ到着した]

「スメルチ」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。


この間(ウラジオストク到着から観艦式前日のリハーサルへ参加するまで)、「スメルチ」ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で、艦尾のAK-176 76mm単装砲を、最新の76mm単装砲AK-176MAへ換装しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは新型76mm砲AK-176MAを装備した]
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[ロシア海軍の為の新たな76mm砲AK-176MAの試験は完了した]
この新型76mm砲は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦プロジェクト22160哨戒艦にも装備されています。

8月14日、「スメルチ」ピョートル大帝湾で、自衛高射ミサイル複合体「オサー-MA」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチはピョートル大帝湾で高射ミサイルの発射試験を行なった]

その後、「スメルチ」ウラジオストクへ戻り、兵装などの試験を洋上で行なう為、9月9日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊の小型ロケット艦スメルチは洋上試験を再開した]

9月18日には30mm機関砲AK-630の射撃試験を行ないました。
AK-630は近代化改装前から装備している兵装ですが、何らかのアップグレードが行なわれたようです。


「スメルチ」は、2019年12月末までに太平洋艦隊へ復帰します。

ロシア海軍の練習艦ペレコプはヴィリキツキー海峡へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年9月16日16時52分配信
【北極横断移動を行なっている練習艦「ペレコプ」はヴィリキツキー海峡の通行へ着手した】

北方海上航路のルート上で北極横断移動を行なっている練習艦「ペレコプ」は、ヴィリキツキー海峡の通行へ着手した。
前日、カラ海で艦は、先週に大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊北極グループの艦船を先導した原子力砕氷船「ヴァイガチ」と合流した。
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ヴィリキツキー海峡の通行を完了した練習艦「ペレコプ」は、本日の終わりにはラプテフ海へ入る。
ベーリング海峡までの遠距離移動ルート上の結氷状況に関する好調な水文気象予報は、艦の自立行動を可能にする。

海軍学校生徒を乗せた練習艦「ペレコプ」の練習航海は、8月から続いている。
艦は、バルト海、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、セヴェロモルスクアルハンゲリスクへの寄港を行ない、ノヴァヤゼムリャ列島を迂回し、その最北地点~ジェラニエ岬を通り過ぎた。
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これまでの航海で、艦は約4000海里を進んだ。

練習艦「ペレコプ」北極海で行動するのは、2年連続になる。
昨年のこの期間に、同艦はウラジオストクからセヴェロモルスク北方海上航路北極横断移動を行なった。



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プロジェクト887練習艦の2番艦「ペレコプ」は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月24日に起工され、1976年12月11日に進水し、1977年9月30日にソ連海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

「ペレコプ」(310)は、2013年8月から2016年11月までブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ないました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

復帰後、2017年には地中海、黒海(セヴァストーポリ)までの遠洋実習航海を行ない、同年8月にギリシャピレウス、9月にはポルトガルリスボンを訪れました。


2018年の「ペレコプ」の遠洋実習航海は、これまでの地中海黒海(セヴァストーポリ)だけではなく、極東方面(ウラジオストク)まで行き、更には北極海を横断しました。
(2018年3月1日出航、同年11月14日帰港)
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[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]


2019年7月5日、「ペレコプ」クロンシュタット港を抜錨し、2019年度の遠洋実習航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは遠洋実習航海へ出発した]

7月7日、「ペレコプ」バルチースク基地へ入港しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルチースク基地へ入港した]
ここで「クズネツォフ記念海軍アカデミー」カリーニングラード分校の生徒110名を乗せ、物資を補給した後、7月10日にバルチースク基地を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバルト海を去る]

7月10日には大ベルト海峡へ入り、カテガット海峡、スカゲラク海峡を通過して7月13日に北海へ出ました。
これらの海峡を通過する際には、海軍兵学校の生徒が練習艦の乗組員に代わって当直に立ちました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北海へ入った]

その後、「ペレコプ」北海、ラマンシュ海峡(英仏海峡)、ビスケー湾を通過し、7月17日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ペレコプ」地中海を横断して7月25日に黒海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは黒海へ入った]

7月26日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

その後、「ペレコプ」は、セヴァストーポリの海軍兵学校生徒を乗せて出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはクロンシュタットへ行く]

8月初頭に北アフリカスペイン領セウタへ寄港し、8月9日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは北アフリカのスペイン領セウタを訪れた]

8月12日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年8月12日17時45分配信
【練習艦「ペレコプ」は大西洋へ入った】

その後、「ペレコプ」ビスケー湾ラマンシュ海峡を通過し、8月14日には北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプは再び北海へ入った]

北海からバルト海へ入り、一旦クロンシュタット港へ戻った「ペレコプ」は、8月23日に出航し、今度はバレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦ペレコプはバレンツ海へ向かった]

8月26日には大ベルト海峡へ入りました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ行く]

その後、「ペレコプ」は、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過し、9月1日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の練習艦ペレコプは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

9月初頭にセヴェロモルスクを出航した後、9月8日にアルハンゲリスク港へ入港、9月10日に出航し、北極海横断航海へ向かいました。
[ロシア海軍の練習艦ペレコプはアルハンゲリスクを訪れた後に北極海へ向かった]

9月16日にヴィリキツキー海峡へ入りました。

「ペレコプ」は9月30日にカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着する予定です。

ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年9月15日18時25分配信
【開発者はユニークなロシアの新型コルベット「メルクーリイ」について話した】
モスクワ、9月15日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト20386艦の副設計主任アレクサンドル・ダドゥイキンは、テレビ局『ズヴェズダー』の放送で、最新のロシアコルベット「メルクーリイ」の鍵となる特徴を明らかにした。

彼によると、コルベットは、その前任者と比べて造船要素の特性が改善されている点で異なっており、遠海や大洋ゾーンにおける課題の解決が可能となった。

「我々は、電流による電動機で経済航行速度を保障できます。
他の速度、20~30ノットは、タービンエンジンの漸進運転により達成されます」

彼は指摘した。

これに加え、変更は、コルベットの幾つかの特徴的な構造にも及んでいる。

「このような排水量は、我々の海軍の艦では初めてです。
ちなみに、世界には、これと同じようなものは確実に無いでしょう。
ヘリコプターは、上部甲板の下の格納庫へ収納、保管されます」
ダドゥイキン
は言った。

彼によると、これにより、「メルクーリイ」は変換区画へのモジュール兵装の積載が可能となる。

プロジェクト20386コルベットの主要打撃兵器は、ミサイル複合体「ウラン」になる。
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更に「メルクーリイ」には、ダドゥイキンによれば、艦首水中アンテナ及び曳航アンテナステーションで構成される水中監視システムが提供される。

艦は更に、魚雷・対魚雷複合体を装備する。

更に、プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」のように、「メルクーリイ」は、可変ピッチ静音スクリューを受け取る。
ダドゥイキンによれば、これは、艦の低騒音性の向上を可能にする。

プロジェクト20386コルベット「メルクーリイ」は、モジュール原理兵装を実現し、無人機の駐留が可能な新世代艦である。
トップ艦は2016年に起工された。

ロシア軍は、「メルクーリイ」を2022年に受け取る。



[プロジェクト20386コルベット]
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]

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プロジェクト20380/20385コルベットの更なる改良発展型であるプロジェクト20386の1番艦「ジェルズキー」Дерзкий(建造番号1009)は、2016年10月28日にサンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
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[ロシア海軍の新世代コルベット"ジェルズキ―"は起工された]


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プロジェクト20386の満載排水量は3400トンになり、以前のプロジェクト20380/20385よりも1000トン以上増加しています。

航続距離も20380/20385より延びて5000海里となり、速力も30ノットに増加、乗員は80名に減少しています。

機関はガスタービン電気推進システムが採用されます。
[ロシア海軍の新世代コルベット・プロジェクト20386はガスタービン電気推進システムを装備する]

プロジェクト20386は、10隻以上の建造が計画されています。
[ロシア海軍は新世代コルベット・プロジェクト20386を10隻以上建造する]

この内、1番艦「ジェルズキー」を含む3隻は2025年までの就役が予定されています。
[2025年までに3隻のプロジェクト20386(ジェルズキー型)コルベットがロシア海軍へ就役する]

「ジェルズキー」の名で起工されたプロジェクト20386コルベット1番艦ですが、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。
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[ロシア海軍のプロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキーはメルクーリイに改名される]

2019年4月23日、「ジェルズキー」改め「メルクーリイ」の船体は接合されました。


「メルクーリイ」は、2022年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキー改めメルクーリイは2022年末にロシア海軍へ引き渡される]