ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2020年3月下旬にロシア海軍へ就役する

『タス通信』より
2020年2月10日22時26分配信
【『統合造船業営団』はおよそ1ヶ月半後にロシア海軍への潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」の引き渡しを計画している】
モスクワ、2月10日/タス通信
プロジェクト「ボレイ-A」潜水艦のトップ「クニャージ・ウラジーミル」のロシア海軍への引き渡しは、およそ1ヶ月半後になる。
月曜日に『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは述べた。
「全ての最終部分は行なわれ、試験は完了しております。
僕が思いますに、更に1ヶ月半が必要ですね」
彼は、全官庁会議の控室でロケット艦の海軍への引き渡し時期に関する『タス通信』の質問に答え、こう話した。
「クニャージ・ウラジーミル」は、更新されたプロジェクト955A(2017年11月に進水)として建造された最初の戦略水中巡洋艦である。
国防省によると、それは、低騒音、より良い操艦システム及び深度保持システム、更には改善された兵装管理システムを有する。
全ての「ボレイ」は艦内に16基のミサイル「ブラヴァー」を搭載し、更に潜水艦は口径533mmの魚雷発射管を装備する。
以前、「クニャージ・ウラジーミル」の海軍への引き渡しは、2019年末までに計画されていた。
[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]
プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(プロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]
2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
「クニャージ・ウラジーミル」は北方艦隊への配備が予定されており、既に乗組員も編成されています。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。

「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]
2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]
その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。
11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]
洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2020年1月末にロシア海軍へ就役する]
2020年2月10日、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の総裁アレクセイ・ラフマノフ氏は、「クニャージ・ウラジーミル」は「およそ1ヶ月半後」にロシア海軍へ引き渡せるだろうと発言しました。
つまり、2020年3月下旬頃という事です。
3月19日はロシア海軍の潜水艦乗員の日なので、或いは、この日に就役させるつもりなのかもしれません。