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ロシア海軍太平洋艦隊の戦術演習へ20機以上の航空機とヘリコプターが参加する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月30日6時10分配信
【遠海ゾーンの太平洋艦隊の一連の戦術演習に20機以上の飛行装置が参加する】

戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊海上航空隊の20機以上の航空機ヘリコプターは、太平洋艦隊の遠海ゾーンでの一連の戦術演習の枠組みでの任務遂行へ参加する。

特に、沿海地方カムチャツカ飛行場から行動する対潜航空隊航空機Tu-142Il-38は、潜水艦の捜索、分類、更には、電波位置測定装置及び水中音響装置を使用した追跡に関する独力もしくはグループでの戦術動作を改善する。
加えて、対潜航空機は、戦術艦グループの組織的な対空防衛演習の為の戦術環境を保障し、対潜打撃艦グループと同一の計画の下で行動する。

潜水艦捜索の為の同様の任務は、対潜ヘリコプターKa-27PLにより行なわれ、演習期間中に航空艦へ駐留して移動する。
同じくヘリコプターは、部隊が行動する海域の氷の偵察を行なう。



ロシア太平洋艦隊は、3月25日から日本海及びオホーツク海で戦術演習を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]
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演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「イリム」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」


3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した]
カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。

3月29日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」は、カムチャツカに駐留する対潜哨戒機Il-38の協力の下に潜水艦の捜索と対空防衛の演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・パンテレーエフは対潜・対空戦闘演習を行なった]

宗谷海峡の東方海域(オホーツク海西部)には未だ流氷が残っており、演習参加部隊は、太平洋艦隊砕氷船「サドコ」「イワン・スサーニン」、そして民間の『ロスモルポルト』社砕氷船「カピタン・フレブニコフ」に先導されて流氷海域を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の砕氷船は宗谷海峡の結氷海域を通過する艦船部隊を先導した]


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今回の戦術演習には、太平洋艦隊海上航空隊航空機ヘリコプターも参加します。

艦上ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留)
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対潜哨戒機Il-38(第317独立混成航空連隊所属、カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に駐留)
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対潜哨戒機Tu-142(第7062航空基地所属、ハバロフスク地方カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)に駐留)
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ロシア海軍太平洋艦隊の砕氷船は宗谷海峡の結氷海域を通過する艦船部隊を先導した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月30日6時2分配信
【砕氷船グループはラペルザ海峡エリアの氷原を通過する太平洋艦隊の艦支隊の先導を行なった】

太平洋艦隊の艦は、遠海ゾーンのグループ戦力の一連の計画戦術演習の枠組みにおける実地任務の遂行を続けている。

演習のエピソードの1つは、ラペルザ海峡エリアの氷原を通過する太平洋艦隊艦支隊の先導であった。

戦闘艦及び船の航法及び氷上の安全は、太平洋艦隊砕氷船「サドコ」及び「イワン・スサーニン」、更に砕氷船「カピタン・フレブニコフ」により保障された。

砕氷船は、艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、駆逐艦「ブイストルイ」、2隻の大型対潜艦、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」、補助艦隊の数隻の船で構成される2個艦船支隊の先導を、1日以上かけて行なった。

航海にとって最も困難なエリアの通行時、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」艦載航空グループは積極的に働いた。
艦上ヘリコプターKa-27の飛行士は数回の飛行を行ない、艦船支隊の通行ルートの氷を偵察した。

遠海ゾーンでのグループ戦力の演習は続けられる。
合計して15隻の戦闘艦艇、12隻の支援船、約20機の航空機及びヘリコプターが海上での任務への取り組みへ参加する。



2020年3月24日、ウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しました。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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これらの艦船は、3月25日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]
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演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「イリム」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」


3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した]
カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。

3月29日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」は、潜水艦の捜索と対空防衛の演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・パンテレーエフは対潜・対空戦闘演習を行なった]

なお、宗谷海峡の東方海域(オホーツク海西部)には未だ流氷が残っており、演習参加部隊は、太平洋艦隊砕氷船「サドコ」「イワン・スサーニン」、そして民間の『ロスモルポルト』社砕氷船「カピタン・フレブニコフ」に先導されて流氷海域を通過しました。

プロジェクト97AP砕氷船「サドコ」(1968年11月6日就役)
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プロジェクト97P砕氷船「イワン・スサーニン」(1973年12月30日就役)
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砕氷船「カピタン・フレブニコフ」(1981年就航)
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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・パンテレーエフは対潜・対空戦闘演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年3月29日8時33分配信
【太平洋艦隊の艦支隊は遠海ゾーンで対潜及び対空防衛の演習を実施した】

日本海エリアで艦は、仮想敵潜水艦の捜索及び追跡へ取り組んだ。
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」の乗組員は、艦上ヘリコプターKa-27PLと協同で捜索活動を行なった。
飛行士は航行中の航空艦の甲板で発艦と着艦を実施し、投下型水中音響ステーションを使用して潜水艦の捜索を行なった。

更に艦支隊は、仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する使命へ関わり、その中で乗組員は、集団防衛を組織化する為の行動に磨きをかけた。
この演習エピソードの為の戦術環境は、太平洋艦隊海上航空隊の2機の対潜航空機Il-38により作られた。



2020年3月24日、ウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しました。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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これらの艦船は、3月25日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]
20-0325b.jpg
演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「ヴィシェラ」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」


3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した]
カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。

3月29日、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」は、潜水艦の捜索と対空防衛の演習を行ないました。

カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-382機が対空防衛演習の際の「相手役」を務めたようです。

ロシア海軍太平洋艦隊カムチャツカ方面部隊の小型対潜艦4隻と小型ロケット艦4隻は演習を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年3月28日8時0分配信
【太平洋艦隊の3個戦術艦グループは遠海ゾーンでの任務へ取り組む】

ロシア北東軍集団水域保護連合部隊の艦は、太平洋エリアでの任務遂行へ着手した。
彼らは、遠海ゾーンにおける一連の戦術グループ演習へ参加する為、カムチャツカの駐留所から出航した。

艦の基地からの出航と海上展開の安全は、2隻の海洋掃海艦で構成される機雷掃海艦グループにより保障された。

小型対潜艦MPK-82、MPK-107、「ウスチ・イリムスク」、「ホルムスク」で構成される対潜打撃艦グループは、太平洋艦隊海上航空隊対潜航空機Il-38と連携し、指定海域で仮想敵潜水艦を捜索、追尾する演習を実施した。

小型ロケット艦「イネイ」、「モローズ」、「ラズリーフ」「スメルチ」で構成されるもう1つの打撃艦グループは、ミサイルの実際の発射は無しで仮想敵艦支隊へ組織的な打撃を与え、砲撃戦闘実施の戦術、更には海上移動中に敵の空中攻撃手段を撃退する為の集団防衛へ取り組んだ。

戦術艦グループは、演習計画下で海上行動を続ける。



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2020年3月24日、ウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しました。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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これらの艦船は、3月25日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった]

演習部隊主力は3月26日に宗谷海峡を東進し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年3月27日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

スラバ級ミサイル巡洋艦:ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011)
ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦:駆逐艦「ブイストルイ」(715)
ウダロイI級駆逐艦2隻:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564)、「アドミラル・パンテレーエフ」(548)
グリシャV級小型フリゲート2隻:小型対潜艦「メチェーリ」(323)、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)
タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇6隻:ロケット艇R-14(924)、R-24(946)、R-297(954)、R-20(921)、R-18(937)、R-19(978)
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦:複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
アルタイ改級補給艦2隻:中型海洋給油船「イリム」、「イジョラ」
オホーツク級航洋曳船:海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」
アムール級工作艦:水上修理所PM-59
オビ級病院船:病院船「イルティシュ」


3月28日、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団麾下の第117水域防護艦大隊所属の小型対潜艦MPK-82(375)、MPK-107(332)、「ウスチ・イリムスク」(362)、「ホルムスク」(369)と、第66小型ロケット艦大隊所属の小型ロケット艦「イネイ」(418)、「モローズ」(409)、「ラズリーフ」(450)、「スメルチ」(423)も演習へ参加する為に出航しました。

カムチャツカ方面部隊の出航に先立ち、第117水域防護艦大隊所属の海洋掃海艦MT-264、MT-265ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港周辺で機雷源の掃海訓練を行ないました。

ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"は北海からバルチースクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2020年3月26日17時31分配信
【バルト艦隊の艦船は遠距離航海任務を遂行した後に基地へ戻った】

コルベット「ステレグーシチー」給油船「コラ」は、北海エリアで任務を遂行した後に艦隊主要基地へ戻った。

バルチースクでの艦船の歓迎式典には、バルト艦隊副司令官セルゲイ・エリセーエフ中将、艦隊水上艦連合部隊の代表、バルト艦隊船員の家族と親類が参加した。

26日間続いた航海中、艦は5000海里以上を航行した。
コルベットの乗組員は、数十回の艦上演習及び訓練へ取り組んだ。
コルベットの戦闘班は、対艦ミサイルの電子発射を行ない、仮想敵空中攻撃手段を撃退した。
艦上ヘリコプターKa-27と連携して仮想敵潜水艦の捜索、探知、破壊の課題へ取り組んだ。
加えて艦の乗組員は、停止中及び航行中に燃料及び水の在庫を補充する活動を行なった。

コルベット給油船に乗る海軍歩兵部隊は、様々な対テロシナリオと、銃器からの海上標的への射撃へ取り組んだ。

航海から戻った艦の機器は好調であり、必要な物資を補充した後に意図された任務を遂行する準備が整う。
遠距離航海で顕著な働きを見せた将兵には、艦隊司令部から賞状と高価な贈答品が授与された。

航海の主な任務は、バルト艦隊の担当ゾーンにおける常時の海軍の存在の保障と、聖アンドレイ旗のデモンストレーションにあった。



プロジェクト20380コルベットの1番艦「ステレグーシチー」(550、2008年2月27日就役)は、就役以来ずっとバルト海に居ましたが、2017年6月に同型艦「ボイキー」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北海での戦闘演習を終えてバルト海へ戻った]

2020年3月初頭、同型艦「ソーブラジテルヌイ」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北東大西洋で演習を行なった]

その後も北海に滞在して演習を行なっていました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北海で演習を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]

中型海洋給油船「レナ」(1966年12月28日就役)も北海へ進出し、バルト艦隊の水上艦へ洋上補給を行ないました。
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「ステレグーシチー」英仏海峡付近まで進出しました。
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その後、「ステレグーシチー」「ソーブラジテルヌイ」と別れ、「レナ」と共に帰路へ就きました。
2隻は3月26日にバルチースクへ帰投しました。

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年3月27日9時3分配信
【地中海エリアで実施された演習へ黒海艦隊の3隻のフリゲート乗組員が参加した】

地中海海軍常設艦船グループから黒海艦隊の艦の乗組員は、地中海エリアで仮想敵艦船支隊を撃破する演習を実施した。

黒海艦隊の3隻のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・マカロフ」、「アドミラル・エッセン」で構成される打撃艦グループは、高射ミサイル複合体及び砲複合体から海上目標及び空中目標へのミサイル及び砲射撃を実施した。

演習計画下で仮想敵艦支隊は、黒海艦隊艦支隊へミサイル攻撃を行なった。

演習中にフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・マカロフ」、「アドミラル・エッセン」の対空防衛戦闘班は、仮想敵の有翼ミサイル高射ミサイル複合体「シチーリ-1」で破壊した。
空中目標は、電子発射により仮想破壊された。

黒海艦隊打撃艦グループは演習の枠組みで、「敵」へミサイル複合体「カリブル-NK」を仮想使用し、海上目標へ砲射撃を行なう海上戦闘へ入った。

演習の最終段階で黒海艦隊の艦の乗組員は、打撃艦グループを構成して合同航行及び戦闘機動の要素へ取り組み、特に、通信、海上移動中の艦支隊の対潜及び対空防護の演習を行なった。

演習は、地中海海軍常設艦船グループ戦力の戦闘訓練計画に沿って行なわれた。



ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)は、2019年12月20日頃にセヴァストーポリを出航し、翌12月21日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部へ派遣される]

2020年1月14日には地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

その後も地中海東部で行動し、1月30日にキプロスリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はキプロスのリマソールを訪れた]

2月6日には、対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)及び哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」(2019年6月11日就役)と共に地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

その後も地中海東部に留まっており、3月20日には各種戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で演習を行なった]


ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)と3番艦「アドミラル・マカロフ」(499、2017年12月27日就役)は、2020年2月27日にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月25日にヘリコプターの発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部でヘリコプターの発着訓練を行なった]

そして3月27日、3隻のフリゲートは合流し、各種戦闘訓練を行ないました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2020年2月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年2月末から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」:2020年3月下旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2020年2月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2020年1月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-562020年3月下旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
工作船PM-82
2019年11月上旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは日本海で砲撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月27日3時22分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」は日本海で空中、海上、沿岸目標への砲射撃を実施した】

日本海における戦闘訓練計画の枠組みで、太平洋艦隊大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」は、様々な目標への複合砲射撃を実施した。

単艦での組織的対空防衛演習中、大型揚陸艦は、57mm砲装置AK-725から模擬空中標的への砲射撃を実施した。
更に艦内班は、携帯式高射ミサイル複合体「ストレラ-2」により実地技量を改善した。

更に、隣接する射爆場で艦は、海上浮遊機雷模型への砲射撃実施を伴う対機雷任務へ取り組んだ。

少し後に艦は、沿岸の目視及び観測目標への砲射撃を実施した。
ジェルトゥヒナ島の射爆場には、仮想敵部隊の車両及び人員を模した標的が配置された。
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更に大型揚陸艦は、無防備の泊地へ停泊中の安全を保障する演習を行ない、実地対水中破壊工作擲弾射撃を実施した。



2020年3月24日、ウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しました。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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これらの艦船は、3月25日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった]

翌3月27日、第100揚陸艦旅団(フォキノ駐留)所属の大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」(1982年9月28日就役)は、ピョートル大帝湾で各種目標への砲撃訓練を行ないました。
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近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリの航行試験は完了し、2020年4月にロシア海軍北方艦隊へ復帰する

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『タス通信』より
2020年3月26日19時50分配信
【原子力潜水艦「ヴェプリ」は修理後の試験を完了し、4月に北方艦隊へ復帰する】
タス通信、3月26日

プロジェクト971原子力潜水艦「ヴェプリ」の試験後の修理は完了した。
木曜日、ロシア海軍の公式代理人イーゴリ・ディガロは報道機関へ伝えた。

「ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、プロジェクト971原子力潜水艦の艦船修理工場ネルパで修理を行なった後の海上段階試験が完了したとの報告を受けました。
潜水艦が北方艦隊潜水艦部隊へ復帰するのは、4月になります」
ディガロ
は話した。

バレンツ海の射爆場での試験中、潜水艦の全てのシステム及び艦内機器が点検された。

「潜水艦では、艦内システム及び機構の技術的準備状態回復の為の大量の作業が行なわれました」
海軍
の代理人は付け加えた。

プロジェクト971原子力潜水艦は、サンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』により開発された。
「ヴェプリ」『セヴマシュ』で建造され、ロシア海軍へ1995年に引き渡された。
近代化の後、同プロジェクト潜水艦は、打撃ミサイル複合体「カリブル-PL」を武装として得る。



プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-157は、1990年6月16日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されました。
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1992年6月3日には「原子力巡洋潜水艦」に類別変更されました。
1993年4月6日に「ヴェプリ」(猪)と命名されました。
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1994年12月10日に進水しました。

1995年6月29日から航行試験が始まり、同年11月3日に終了しました。

1995年11月25日に受領証書への署名が行なわれ、11月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1995年12月10日にはヤーゲリナヤ湾ガジエヴォ基地へ到着し、12月29日には北方艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。
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1998年9月11日、ガジエヴォ基地に停泊中の「ヴェプリ」で殺人事件が発生し、8名の水兵が殺害されました。
犯人の水兵も射殺されました。

2003年7月5日~11日には、ノルウェー海フランス海軍との合同演習へ参加しました。

2004年9月には北東大西洋フランス海軍との合同演習へ参加しました。
同年9月21日から29日までフランスブレスト港を訪問しました。
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2012年には予備役となり、2013年11月20日には寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。

2014年に艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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当初、「ヴェプリ」の近代化改装は2017年末までに完了する予定でしたが、実現しませんでした。
[近代化改装される原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2017年末にロシア海軍へ復帰する]
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2020年3月19日(ロシア海軍潜水艦船員の日)、「ヴェプリ」は航行試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦ヴェプリは航行試験を開始した]

航行試験は3月26日に完了しました。

「ヴェプリ」は、2020年4月に北方艦隊へ復帰します。
[近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2020年4月にロシア海軍へ復帰する]

ロシア海軍太平洋艦隊の艦は日本海でヘリコプター発着訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月26日2時27分配信
【太平洋艦隊演習の枠組みで航空艦グループは駐留する艦上ヘリコプターKa-27を受け入れる課題へ取り組んだ】

太平洋艦隊の艦は、遠海ゾーンのグループ戦力の計画戦術演習の枠組みにおいて、日本海エリアで実地課題へ取り組んだ。

艦隊旗艦・親衛ナヒーモフ勲章ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・パンテレーエフ」で構成される太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊艦支隊は、ウラジオストク沿岸において、海上航空隊と合同で駐留する艦上ヘリコプターを受け入れ、停止時と航行時にローター機の艦上での発艦及び着艦を保障する演習を実施した。

艦支隊は3機の艦上ヘリコプターKa-27PL及びKa-27PSの飛行を保障した。
合計して飛行士は航空艦の甲板で10回以上の発艦及び着艦を行なった。

太平洋艦隊グループ戦力の一連の戦術演習は、日本海及びオホーツク海エリアで実施される。
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合計して15隻の戦闘艦艇、12隻の支援船、約20機の航空機及びヘリコプターが海上での任務への取り組みへ参加する。



2020年3月24日、ウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しました。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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これらの艦船は、3月25日から始まった太平洋艦隊の演習へ参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

まず初めに、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

翌3月26日、演習参加艦でヘリコプター搭載能力を有する艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」~は、艦載ヘリコプターKa-27PL(対潜型)Ka-27PS(捜索救助型)(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留している)を受け入れ、発着艦訓練を行ないました。
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ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部でヘリコプターの発着訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日9時45分配信
【地中海で黒海艦隊艦上航空隊のヘリコプター乗員はフリゲートからの発艦及び着艦へ取り組んだ】

地中海エリアでヘリコプターKa-27乗員は、遠方作戦ゾーンの艦船支隊の一員として任務を遂行しているフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の甲板からの計画実地飛行を行なった。

飛行任務に沿って、黒海艦隊海上航空隊ヘリコプターフリゲートの乗組員と連携して海上移動中の艦の甲板から、航行中、投錨停泊中、様々な時間帯の発艦及び着艦の課題へ取り組んだ。

同時に、艦の全ての航空複合システムの整然とした動作を点検する目的で、ヘリコプターの飛行を保障する艦内班の訓練が実施された。

訓練中、ヘリコプター乗員は、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の甲板から10回の発艦及び着艦を行なった。



ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート~1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、これまでに何度も地中海へ派遣されています。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2019年4月下旬から8月末まで地中海大西洋で行動しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"はセヴァストーポリへ帰投した]

地中海から戻ってきた後は、黒海での演習へ参加していました。

2020年2月27日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、同型艦「アドミラル・マカロフ」と共にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

以後、地中海東部に滞在している「アドミラル・グリゴロヴィチ」の動向は明らかにされていませんが、3月25日には艦載ヘリコプターの発着訓練を行ないました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2020年2月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年2月末から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」:2020年3月下旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2020年2月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2020年1月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-562020年3月下旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
工作船PM-82
2019年11月上旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはインドネシアを去り、南極へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日3時28分配信
【太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」はインドネシアへの非公式訪問を完了した】

太平洋艦隊水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、3月18日に到着したインドネシアへの非公式訪問のを完了した。

ジャカルタ北方のタンジュン・プリオク港で乗組員は水と燃料を完全な基準まで補充し、南極沿岸への遠距離航海を続ける。

3月3日から行なわれている水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」の航海はロシア地理学協会の支援下で行なわれ、南極発見200周年及びイワン・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられる。
航海は3ヶ月以上続く。



プロジェクト862水路調査船の16番船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、ポーランドグダニスク造船所で建造され、1983年7月29日に就役しました。
就役後は、太平洋艦隊へ配備され、現在に至っております。
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この数年間はウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれ、2020年2月中旬に艦隊へ復帰しました。


現役復帰後の「マルシャル・ゲロヴァーニ」の最初の任務は、南極遠征となり、2020年3月3日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南極調査航海へ出発した]

「マルシャル・ゲロヴァーニ」は3月18日にインドネシアジャカルタへ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはインドネシアを訪問した]

3月25日にジャカルタを出航し、南極へ向かいました。


バルト艦隊大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は昨年12月3日に南極へ向けて出航し、今年1月末から2月末まで南極べリングスハウゼン基地に滞在して各種調査を行ないました。
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[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]

「アドミラル・ウラジーミルスキー」は2月末に一旦南極を離れ、ウルグアイモンテビデオへ寄港した後、3月16日に南極沖へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]
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今後、「マルシャル・ゲロヴァーニ」も合流します。
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記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。
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この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)
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ロシア海軍の新型極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験のペースは加速する

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『タス通信』より
2020年3月25日9時3分配信
【情報筋:ロシアはミサイル「ツィルコン」の試験を加速させる】
モスクワ、3月25日/タス通信

ロシア連邦は、海上搭載艦からの極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験発射の実施のテンポを早める:潜水艦からの射撃は、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」艦上からの発射と並行して2020年に始まる。
『タス通信』防衛産業企業体の2名の情報提供者より伝えられた。

「製品の国家試験の枠組みにおいて、海上搭載艦からの極超音速ミサイルの射撃実施のテンポは高められます。
ヤーセン型潜水艦からの射撃は、今年にアドミラル・ゴルシコフからの一連の発射継続と並行して始まります」

対談者の1人は話した。

他の情報提供者は、この情報を確認し「水中搭載艦からの最初のミサイルの試験は、潜水艦セヴェロドヴィンスク(プロジェクト885、コード名「ヤーセン」)により実施されなければなりません」と指摘した。
彼は付け加えた。
「セヴェロドヴィンスクからのツィルコンの最初の射撃は、水上位置から実施されます」
対談者は、新たな試験実施の正確な日時は言わなかった。

メディアによるとミサイル「ツィルコン」を開発している科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ロケット兵器』へ加入)は、『タス通信』へ、情報提供者より提示された情報へのコメントを拒否した。

初めて「ツィルコン」が艦で使用されたのは、今年1月初頭(他のデータによると2019年12月)だった:「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海から距離500キロメートル以上の沿岸標的へのミサイル射撃を実施した。
年末までにフリゲートから更に3、4回の「ツィルコン」射撃実施が予定されている。

3月20日に新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』が報じたように、北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将は、北方艦隊潜水艦が近い将来に極超音速ミサイルの試験射撃を実施すると述べた。

[ツィルコン]
2011~2020年の国家軍備プログラムの枠組みで極超音速ミサイルを有する艦載複合体「ツィルコン」の作成計画は、2011年2月、国防次官の職務に従事していたウラジーミル・ポポフキンにより表明された。
ミサイルの飛翔試験は、メディアによると2015年に始まった。
『タス通信』の情報提供者が指摘するように、2018年末には海上標的に対する10回以上のミサイルの発射試験が完了した。

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2019年2月の連邦教書演説において、ミサイル「ツィルコン」は、およそマッハ9の速度を発揮し、距離1000km以上の水上目標や地上目標を撃破できると述べた。

ミサイル「ツィルコン」及び有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の発射の為、汎用艦載射撃複合体(UKSK)3S-14が使用される。
この発射装置は、特に、プロジェクト22350フリゲート、プロジェクト20385コルベット潜水艦の為のヴァージョンはプロジェクト885「ヤーセン」多目的潜水艦が装備する。



極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれていた「ツィルコン」ですが、海上での発射試験は、北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、2020年春に実施されるようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年春に2回目の極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]
2020年中に、更に数回(3、4回)の「ツィルコン」発射試験が「アドミラル・ゴルシコフ」により行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう]

以前には、その後にプロジェクト885原子力水中巡洋艦の1番艦「セヴェロドヴィンスク」(2014年6月17日就役)からの「ツィルコン」発射試験が行なわれる予定でしたが、「アドミラル・ゴルシコフ」の発射試験と並行して行なわれる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦は極超音速ミサイルの発射試験を行なう]

「ツィルコン」の海上での発射試験は2022年末までには完了し、2023年にはロシア海軍の軍備として採用されます。
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2023年にロシア海軍へ制式採用される]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍太平洋艦隊は日本海とオホーツク海で演習を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時22分配信
【太平洋艦隊の約30隻の戦闘艦と船は戦術演習の枠組みで任務を遂行する為に海上へ出た】

太平洋艦隊の艦は、遠海ゾーンにおける計画グループ戦術演習の枠組みで実地の課題を解決する為に海上へ出た。

統合部隊司令部指揮下の一連の演習中、戦闘訓練射爆場で将兵は、その使命の為の実地技量を仕上げ、戦術グループの一員として行動する艦隊の部隊の準備態勢が評価される。

演習シナリオの下で、日本海及びオホーツク海エリアにおいて一連の戦闘訓練の実施が計画されている。

合計して15隻の戦闘艦艇、12隻の支援船、約20機の航空機及びヘリコプターが海上での任務への取り組みへ参加する。



この太平洋艦隊広報部発表では、演習へ参加する艦の名前は一切出ていませんが、3月24日にウラジオストクから太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」を筆頭に数隻の艦船が出航しています。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
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大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
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複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」
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病院船「イルティシュ」

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この他にも10数隻の艦船が参加するようです。

まず初めに、第11水域保護艦大隊所属の基地掃海艦BT-100、BT-114、BT-232ピョートル大帝湾機雷源の掃海訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月25日4時38分配信
【太平洋艦隊の掃海艦は、演習中に艦隊の部隊展開ルート上の機雷源の突破へ取り組んだ】

ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年3月25日16時36分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」はバレンツ海で試験を続ける】

本日(3月24日)、プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、試験プログラムを続ける為、バレンツ海北方艦隊戦闘訓練射爆場へと出航した。

海上での出航中に艦の乗組員は、水中音響複合体(ソナー)及び対潜兵器による潜水艦の探知と追跡の一連の任務への取り組みを計画している。

試験プログラムの今段階は、バレンツ海で計画戦闘訓練任務を遂行している北方艦隊潜水艦により保障される。

北方艦隊戦闘訓練射爆場で新たなフリゲートは、更に様々な種類の操艦へ取り組み、システム及び機構の点検を続ける。

以前、バレンツ海エリアでフリゲートは、射撃及び魚雷射撃を実施し、試験プログラムの他の一連の要素へ取り組んだ。
白海では、フリゲートミサイル兵器複合体の試験が行なわれた。
艦の乗組員は、アルハンゲリスク州戦闘射爆場「チジャ」へ設置された沿岸標的への有翼ミサイル「カリブル」の射撃を実施し、白海に位置する海上標的への有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の射撃を実施した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の試験は白海で(2019年)11月20日に始まり、幾つかの段階が実施された。

全ての複合国家航行試験の完了後、艦の受領証書へ署名され、ロシア海軍へ受け入れられる。
フリゲートは、北方艦隊水上艦連合部隊の1つに編入される。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」『北方計画設計局』により設計され、サンクトペテルブルク造船工場『北方造船所』で建造された。

(2019年)10月に艦は、航行試験及び国家試験を完了する為にバルト海から白海への艦隊間移動を行なった。
12月初頭にフリゲートの乗組員はセヴェロドヴィンスクからセヴェロモルスクへの基地間移動を行なった。

プロジェクト22350フリゲートは、水上、空中、水中の敵への効果的な対処、更には1500キロメートル以上離れた地上及び沿岸の施設へ打撃を与える事が可能な多機能戦闘艦である。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

『北方造船所』は、2016年1月13日の時点で「アドミラル・カサトノフ」の完成度は81パーセントと発表しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・フロータ・カサトノフ"は81パーセント完成している]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。

その後も艤装工事は進められ、2018年2月初頭の時点では完成度98パーセントでした。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート2番艦アドミラル・フロータ・カサトノフは98パーセント完成している]


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないます。
北方艦隊潜水艦「相手役」を務めます。

全ての試験を終えた後、「アドミラル・カサトノフ」ロシア海軍への引き渡しの準備を始めます。

ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-56は地中海東部へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年3月24日8時40分配信
【黒海艦隊の水上修理所PM-56は地中海への移動を行なう】

戦力の計画ローテーションに沿って、黒海艦隊水上修理所PM-56は、この地域(地中海)の海軍常設連合部隊の一員として任務を遂行する為、セヴァストーポリから地中海への移動を行なっている。

現在、支援船は、黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通行を行なっている。

グループの補助船の一員としての滞在期間に、水上修理所の乗組員は、地中海で任務を遂行するロシア海軍の艦船の技術的準備状態の維持を保障する。

遠海ゾーンで黒海艦隊水上修理所は、計画ローテーションに基づいてバルト艦隊の同型船PM-82と交代する。



ロシア海軍水上修理所(工作船)は、交代で地中海東部へ派遣され、約半年のローテーションでシリアタルトゥースへ駐留し、同海域で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっています。
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この数年間は、黒海艦隊PM-56(1973年11月23日就役)とPM-138(1969年10月31日就役)、そしてバルト艦隊PM-82(1978年9月30日就役)が交互に派遣されています。

PM-56は、2014年9月初頭~2015年1月下旬、2016年9月~2017年2月初頭に地中海東部へ派遣されました。

2017年10月下旬から2018年3月下旬まで地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-56はセヴァストーポリへ戻る]

2019年1月から7月中旬まで地中海東部に派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-56はシリアから戻ってくる]

2019年11月初頭からはバルト艦隊PM-82地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はキプロスのリマソール港へ寄港した]

PM-82と交代する為にPM-56地中海東部へ派遣される事になり、2020年3月24日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過しました。
(つまり、3月22日頃にセヴァストーポリを出航している)

タルトゥース港では2019年10月中旬から艦船修理施設が稼働しており、工作船は専ら海上へ出てロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっているようです。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍艦船修理所は2019年10月15日に操業を開始する]


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2020年2月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年2月末から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「オルスク」:2020年3月下旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2020年2月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2020年1月中旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
工作船PM-82
2019年11月上旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍黒海艦隊はブヤン-M級小型ロケット艦グライヴォロンとカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンの乗組員を編成した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年3月23日8時20分配信
【黒海艦隊は新たな小型ロケット艦「グライヴォロン」及び「ツィクロン」の乗組員の形成を完了した】

黒海艦隊は、造船工場で建造中の小型ロケット艦「グライヴォロン」及び「ツィクロン」の為の乗組員の形成を完了した。

乗組員は、軍事専門登録に沿って黒海艦隊の士官及び契約軍人で揃えられている。

新たな艦の構成乗組員として選ばれた将兵は、サンクトペテルブルクロシア海軍統合訓練センターでの再訓練の為に向かった。
乗組員には、総合艦上訓練及び機器装置、艦載機器及び兵器を研究する目的で企業での実習が待ち受けており、更なる操作が控えている。

研修後、将兵は新たな艦へ習熟し、海軍へ受け入れる準備の為に造船工場へ向かう。

小型ロケット艦「グライヴォロン」は、「ブヤン-M」艦シリーズの8隻目の生産艦である。
黒海艦隊では、既に同プロジェクト艦:「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「オレホヴォ・ズエヴォ」、「イングシェチア」が任務を遂行している。

小型ロケット艦「ツィクロン」は、「カラクルト」シリーズを代表する。
艦は、黒海艦隊における同プロジェクトの1隻目であり、同型艦はバルト艦隊にしか加わっていない。



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プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の9番艦「グライヴォロン」は、ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2015年4月10日に起工されました。
[ロシア海軍の小型ロケット艦グライヴォロンは2015年4月10日に起工される]

2020年3月下旬までに黒海艦隊から乗組員が集められました。

「グライヴォロン」は、2020年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。


ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』が受注した5隻のプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の1隻目となる「ツィクロン」は、2016年に起工されました。

ただ実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
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[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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こちらも、2020年3月下旬までに黒海艦隊から乗組員が集められました。

「ツィクロン」も、2020年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所は2022年10月までに5隻のカラクルト級小型ロケット艦をロシア海軍へ引き渡す]


「ブヤン-M」「カラクルト」も、主兵装は打撃有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」であり、このミサイルの8セルの垂直発射機を搭載しています。
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元々は小型砲艦(プロジェクト21630「ブヤン」)を拡大して有翼ミサイルを搭載した「ブヤン-M」に対し、「カラクルト」は、ソ連時代に建造されたプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継艦として2000年代初頭に計画されたプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇の拡大発展型であり、こちらの方が正当な後継となります。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月22日21時11分配信
【海軍の最新対機雷防衛艦「ヤーコフ・バリャーエフ」乗組員はサンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの研修を完了した】

最新のプロジェクト12700対機雷防衛艦シリーズ「ヤーコフ・バリャーエフ」乗組員は、サンクトペテルブルクロシア海軍統合訓練センターでのサイクル訓練を完全に終え、既にバルト艦隊へ加入している同型の対機雷防衛艦で更なる訓練を行なう。

プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計画に沿ってサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)でロシア海軍の為に建造されている。
艦は、世界最大級のガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを持つ。

対機雷防衛艦「ヤーコフ・バリャーエフ」の起工式典は、2017年12月26日に開催された。
艦は、ソヴィエト連邦英雄ソヴィエト-日本戦争へ参加したヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフに敬意を表して命名された。
この艦は、プロジェクト12700「アレクサンドリト」ラインの5隻目となり、『中部ネヴァ川造船工場』で起工された。
シリーズのトップ艦「アレクサンドル・オブホフ」は2016年にロシア連邦海軍へ引き渡された。

プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、ロシア連邦海軍の為に中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)が開発した。
この艦は新世代機雷掃海艦に属しており、海洋機雷との戦いの為に意図されている。
対機雷防衛艦は、危険ゾーンへ入らずに海域の水上で、海域の底で、それを探知できる。
機雷への対処の為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作自動無人水中装置を使用できる。

このような艦の建造に当たり、『中部ネヴァ川造船工場』は、世界の造船所に同類が無い最新のロシア技術を使用している。
同プロジェクト艦は、世界最大級の真空注入方式による一体ガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを持つ。
船体の質量は金属製よりも小さく、その強度は著しく増大している。
このような船体は、全く腐食する事は無く、その就役期間は、通常の運用を順守すれば事実上無制限である。
高い強度と小さな質量に加えて、複合材料船体の長所は、その「非磁気性」にあり、機雷捜索の際の艦の大いなる生存性を保障する。

ロシア海軍総司令部の計画に沿って、新世代対機雷防衛艦は、近い将来にロシア海軍機雷掃海戦力の基礎となり、任務遂行の効率性は大幅に向上する。

「ロシア海軍総司令部の計画に沿って、新世代対機雷防衛艦は、ロシア海軍の機雷掃海戦力のポテンシャルの効果性を大幅に向上させます。
数十隻のプロジェクト12700対機雷防衛艦の建造を計画しております。
その特性は、世界に同じものが有りません」

以前にロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は指摘した。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]

艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。
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「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。


「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
同旅団の配下には、掃海艦3隻を有する第117水域防護艦大隊が有りますので、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同大隊に配属されるようです。

2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]

サンクトペテルブルクロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は完了し、今後は、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないます。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は、2020年末にロシア海軍への就役が予定されています。


プロジェクト12700対機雷防衛艦は、現在までに7隻が起工され、3隻がロシア海軍へ引き渡されています。

1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]

2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工され、2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。
[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]
この為、「ゲオルギー・クルバトフ」の進水と就役は延期される事になり、後続艦が先に就役する事になりました。
「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復は進み、2020年春には進水できる見込みです。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]

4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水し、2019年12月28日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]


6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工されました。
[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。

ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2020年3月21日19時0分配信
【バルト艦隊の艦は北海で広範囲の任務へ取り組んだ】

遠距離航海任務を遂行しているコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「ミンスク」、「カリーニングラード」で構成されるバルト艦隊艦支隊は、北海南部で仮想敵潜水艦を捜索、探知、破壊する任務へ取り組んだ。

特に、コルベット「ボイキー」乗組員は、仮想敵潜水艦の捜索、探知、接触の維持と追跡、更には対潜兵器複合体を用いた対抗活動の計画演習を実施した。

北海中部では、コルベット「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」で構成される打撃艦グループが更に、仮想敵艦グループへの仮想ミサイル打撃を実施し、これに加え、コルベットの戦闘班は、様々な高度及び方向からの仮想敵空中攻撃手段の攻撃の、艦の対空防衛手段の仮想射撃実施による撃退へ取り組んだ。

艦の乗組員は、艦上目標指示システムの助力による海上目標への電子ミサイル発射の任務へ取り組んだ。
ミサイル射撃は、飛翔距離が増大した対艦有翼ミサイル複合体「ウラン」近代化型を使用したものとして実施された。

演習中、双方の支隊の艦は、中型海洋給油船「コラ」から定期的に燃料と水の在庫を補充していた。
給油は縦列方式での航行中と投錨停泊時に行なわれた。
艦隊海軍歩兵の対水中工作部隊は更に、無防備の泊地への停泊中及び海峡ゾーンの通行中、仮想テロリストの攻撃を撃退した。

北海エリアにおける艦の計画航海の主な任務は、バルト艦隊の艦による常時の海軍の存在の保障と、その担当ゾーンにおける聖アンドレイ旗のデモンストレーションにある。

現在、世界の大洋の様々な海域には、バルト艦隊の10隻の戦闘艦及び支援船が居る。



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プロジェクト20380コルベットの3番艦「ボイキー」(532)は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水し、2013年5月16日に就役、バルト艦隊へ編入されました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]

就役以来バルト海でのみ行動していた「ボイキー」でしたが、2016年6月、同型艦「ストイーキー」(545、2014年7月27日就役)と共に初めて北海へ進出しました。
(2016年6月中旬にバルチースクを出航し、7月5日に帰港)

[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北海から戻ってきた]

2016年10月には同型艦「ソーブラジテルヌイ」(531、2011年10月14日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
(2016年10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]

「ボイキー」「ソーブラジテルヌイ」は、2017年4月にも北大西洋へ進出しました。
(2017年4月7日バルチースクを出航し、5月1日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻はバルチースクへ帰投した]

2017年6月には同型艦「ステレグーシチー」(550、2008年2月27日就役)と共に北海へ進出しています。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北海での戦闘演習を終えてバルト海へ戻った]

2017年7月下旬にはバルト海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』第1段階へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2017』第1段階はバルト海で実施された]

2017年10月14日から2018年1月14日まで、同型艦「ソーブラジテルヌイ」と共に地中海、アデン湾への遠距離航海を行ないました。
ただし「ボイキー」地中海東部までしか進出しませんでした。


[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベットは地中海・アデン湾遠征を終えて帰投した]


2018年6月中旬、同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋へ進出し、7月上旬に帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北大西洋遠征を終えた]

2018年8月初頭にはバルト海北方艦隊及び黒海艦隊の艦と合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2019年1月下旬にはバルト海へ入ったアメリカ合衆国海軍駆逐艦を追尾しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ボイキー"は、バルト海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦グレーヴリーとポーターを監視する]

2019年6月9日から21日までバルト海で実施されたNATO海軍演習『バルトップス-2019』を監視しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の軍艦はバルト海のNATO海軍演習『バルトップス-2019』を監視する]

2019年6月25日、同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋への航海へ出発し、7月8日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北海での演習を終えてバルチースクへ帰投した]

2019年7月28日の『ロシア海軍の日』にはカリーニングラード州バルチースクで行なわれた観艦式へ参加しました。


2019年8月にはバルト海で行なわれたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

2019年8月末には同型艦「ステレグーシチー」、「ストイーキー」と共にバルト海の演習へ参加しました。


2019年9月末には同型艦が4隻揃ってバルト海の演習へ参加しました。


2020年3月初頭にもバルト海で演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"はバルト海で対潜戦闘訓練を行なった]


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大型揚陸艦「ミンスク」(127、1983年5月30日就役)は、2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、黒海沿岸からシリアタルトゥース港へ各種貨物を輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しました。
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1回目は2013年8月に出航し、2014年5月15日に帰投しました。

2回目は2015年11月に出航し、2016年9月9日に帰投しました。


3回目は2017年10月4日に出航し、4月29日に帰投しました。
[シリアへの輸送任務に従事したロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクは母港バルチースクへ帰投した]

その後はバルト海で行動していました。

「ミンスク」も、2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。


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大型揚陸艦「カリーニングラード」(102、1984年12月9日就役)も、2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目は2012年12月27日に出航し、2013年8月8日に帰投しました。
[大型揚陸艦カリーニングラードはバルチースク基地へ戻った]

2回目は2013年12月24日に出航し、2014年12月2日に帰投しました。


その後、オーバーホールが行なわれました。


この時、57mm砲対地攻撃用ロケット砲の射撃を一括して管制する汎用射撃管制システムMR-123-02/3「バギラ」が搭載されました。
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その後はバルト海で行動していました。


2020年3月下旬、「ボイキー」、「ミンスク」、「カリーニングラード」の3隻は北海へ進出し、対潜演習を行ないました。

北海には、バルト艦隊コルベット「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」が2020年3月上旬から進出しています。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北海で演習を行なった]

更に北海には、バルト艦隊中型海洋給油船「レナ」(1966年12月28日就役)が滞在し、バルト艦隊の水上艦へ洋上補給を行なっています。
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なお、2020年2月下旬から3月中旬までバルト艦隊コルベット「ストイーキー」大型揚陸艦「コロリョーフ」北海へ進出しています。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]

改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年3月21日5時32分配信
【2隻のプロジェクト11711揚陸艦は海軍へ2023~2024年に引き渡される】
モスクワ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

第2のプロジェクト11711大型揚陸艦のペア~「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」は、海軍へ2023~2024年に引き渡さなければならない。
『ロシア通信社ノーボスチ』沿バルト造船工場『ヤンターリ』広報サービスより伝えられた。

「これらの艦は、2020年4月に起工され、その海軍への御引き渡しは、契約により2023~2024年に定められております」
広報サービスは伝えた。

プロジェクト11711~これは、1960年代から70年代に『ヤンターリ』で14隻から成るシリーズが建造されたプロジェクト1171の最新発展型である。
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2019年4月から沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、2隻の近代化プロジェクト11711大型揚陸艦「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」の建造を進めている。
既に海軍へはトップ艦「イワン・グレン」が引き渡され、最初の生産艦「ピョートル・モルグノフ」は、2020年4月に海軍へ補充されなければならない。
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プロジェクト11711大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、車両及び機材の移送の為に意図されており、300名の海軍歩兵隊員、30両の装甲輸送車或いは13両の戦車を積載し、上陸させる事が出来る。
艦は輸送揚陸ヘリコプターKa-29を装備する。

以前、艦を開発した『ネヴァ川計画設計局』の副総取締役アレクセイ・ユフニンは、第2のプロジェクト11711大型揚陸艦のペアは、最初(の2隻)と比べてヘリコプター発着場が増大し、新たなヘリコプター格納庫構成となっており、ローター機を1機ずつではなく、並べて配置できると『ロシア通信社ノーボスチ』へ話した。

この艦は、揚陸船倉、艦首及び艦尾の上陸装置、甲板間タラップ、全ての一般的な艦上設備を保持している。
兵装は変更されないままである:艦首の6銃身30㎜機関砲2連式機関砲



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プロジェクト11711大型揚陸艦は、カリーニングラード市沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造されています。

1番艦「イワン・グレン」(2004年12月24日起工/2012年5月18日進水)は2018年6月20日に就役し、10月22日には配備先の北方艦隊基地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
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2番艦「ピョートル・モルグノフ」(2015年6月11日起工/2018年5月25日進水)は、2019年12月中旬から洋上試験を開始し、2020年5月末の就役が予定されています。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]


以前にはプロジェクト11711の建造は2隻で終了する予定でしたが、一転して2隻が追加建造される事になりました。
[ロシア海軍の為に2隻のプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)が追加建造される]

2019年4月23日、「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを搭載し、上部構造物も前期建造艦2隻とは違うものになります。
更には、排水量も約8000トンに増加するようです(11711の最初の2隻は6600トン)。
[改イワン・グレン型揚陸艦カイマンはサンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で初めて公開される]

「ウラジーミル・アンドレーエフ」は2023年、「ワシーリー・トルシン」は2024年に就役予定です。

この2隻は太平洋艦隊への配備が予定されています。
『イズベスチヤ』より
2019年6月5日0時1分配信
【クリルまでの平穏:新たな揚陸艦は極東の境界線を強化する】

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年春に2回目の極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年3月20日3時9分配信
【情報筋は今年の「ツィルコン」の最初の試験が何時行われるのか伝えた】
モスクワ、3月20日-ロシア通信社ノーボスチ

今年最初の海上配置極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験発射は、今春にフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」艦上から行なわれる。
『ロシア通信社ノーボスチ』は木曜日に「防衛筋」の情報提供者より伝えられた。

最初の「ツィルコン」の試験発射は、この前の12月に、やはり「アドミラル・ゴルシコフ」艦上から行なわれた。
これはプロジェクト22350フリゲートシリーズのトップ艦である。

「今年春、2回目にして今年最初のツィルコンの試験発射がアドミラル・ゴルシコフ艦上で計画されています。
試験は継続されます」

対談者は話した。

極超音速ミサイル「ツィルコン」はマッハ9(音の速さの9倍)の速度と、1000キロメートル以上の飛翔距離を有する。
将来的に、このミサイルは、ロシア海軍水上艦や、潜水艦の兵装となる。



極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれていた「ツィルコン」ですが、海上での発射試験は、北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、2020年春に実施されるようです。

2020年中に、更に数回(3、4回)の「ツィルコン」発射試験が「アドミラル・ゴルシコフ」により行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう]

その後、プロジェクト885原子力水中巡洋艦の1番艦「セヴェロドヴィンスク」(2014年6月17日就役)からの「ツィルコン」発射試験が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦は極超音速ミサイルの発射試験を行なう]

「ツィルコン」の海上での発射試験は2022年末までには完了し、2023年にはロシア海軍の軍備として採用されます。
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2023年にロシア海軍へ制式採用される]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年3月20日10時7分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」乗組員は地中海で演習を実施した】

地中海海軍常設連合部隊の一員としての任務を遂行している黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」乗組員は、海上移動時の複合演習を実施した。

戦闘訓練計画に沿って、フリゲート乗組員は、単艦での仮想敵水上艦との戦闘実施及び組織的対空防衛の戦術を改善した。

演習の枠組みで、乗組員は電波電子戦闘複合体による妨害設置の行動様式へ取り組み、その中で仮想敵のミサイル打撃を撃退し、そしてフリゲートに駐留する艦上ヘリコプターKa-27PL乗員は計画訓練を実施し、潜水艦の組織的な捜索と追尾の課題へ取り組んだ。

フリゲート乗組員は、地中海で任務遂行を続ける。



ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」(2016年6月7日就役)は、2019年12月20日頃にセヴァストーポリを出航し、翌12月21日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部へ派遣される]

2020年1月14日には地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

その後も地中海東部で行動し、1月30日にキプロスリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はキプロスのリマソールを訪れた]

2月6日には、対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)及び哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」(2019年6月11日就役)と共に地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

その後も地中海東部に留まっており、3月20日には各種戦闘訓練を実施しました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」
2019年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2019年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2020年2月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年2月末から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2020年2月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2020年1月中旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
工作船PM-82
2019年11月上旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はピョートル大帝湾で演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月20日7時4分配信
【太平洋艦隊のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」と「グロームキー」は海上で仮想敵へミサイル打撃を与える事へ取り組んだ】

太平洋艦隊コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」「グロームキー」は、海上での錬成任務K-2(海上における単艦での意図された行動)への取り組みの最中に、仮想敵水上目標へ組織的なミサイル打撃を与える為の実地技量を改善した。

前日、ピョートル大帝湾コルベット乗組員は、各々の地区の射爆場で行動し、有翼ミサイル複合体「ウラン」の実地発射を除く戦闘訓練実施の全ての方式へ取り組んだ。
艦の行動は、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」により保障された。
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その後、コルベット「グロームキー」は、艦上へ対潜ヘリコプターKa-27PLを受け入れ、その後にヘリコプターは艦の甲板で5回の発艦及び着艦を行なった。



ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」(333)は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレアムール造船工場で起工され、2015年5月22日に進水し、2017年7月20日に就役しました。

[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2隻目となる「グロームキー」(335)は、2012年4月20日に起工され、2017年7月28日に進水し、2018年12月25日に就役しました。

[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


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2隻のコルベットは就役後もウラジオストクに留まり、主に日本海オホーツク海で行動しています。

2019年8月末、2隻のコルベットは他の太平洋艦隊の艦船と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入り、演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にカムチャツカ半島の軍港(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭には他の艦と共にオホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

9月3日と4日には太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

9月5日にはカムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった]

9月7日夜~9月8日未明には、アヴァチンスキー湾に停泊中、水中工作部隊の襲撃を撃退する訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦2隻とコルベット2隻はカムチャツカ沖で水中工作部隊の撃退訓練を行なった]

その後オホーツク海に留まり、10月中旬に実施されたロシア連邦軍戦略部隊演習『グロム-2019』において、オホーツク海から弾道ミサイルを発射した戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」のサポートに回りました。。
[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

「ソヴェルシェーンヌイ」「グロームキー」は、他の艦船と共に10月末にウラジオストクへ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]


2020年3月7日、2隻のコルベットウラジオストク付近で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はウラジオストク沖で潜水艦捜索訓練を行なった]

3月19日と20日にもピョートル大帝湾で演習を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦は極超音速ミサイルの発射試験を行なう

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『タス通信』より
2020年3月20日配信
【北方艦隊の潜水艦は極超音速ミサイルの射撃を行なう】
モスクワ、3月20日/タス通信

北方艦隊潜水艦は近い将来に極超音速ミサイルの試験射撃を行なう。
新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将は述べた。
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「近い将来に我々の潜水艦は、極超音速兵器の試験を始めます。
この課題は、既に我々に与えられております」

司令官は話した。

3月11日に『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられたように、プロジェクト885原子力潜水艦(コード名「ヤーセン」)「セヴェロドヴィンスク」(北方艦隊へ加入)は、水中位置からの極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験を計画している。
以前、他の情報提供者は『タス通信』へ、このミサイルの試験は、近代化プロジェクト885M潜水艦(コード名「ヤーセン」)「カザン」で計画されていたと述べた。
3月の時点で同艦は、今年末までに北方艦隊への引き渡しが計画されている。

初めて「ツィルコン」が艦で使用されたのは今年1月初頭だった。
プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海から距離500キロメートル以上の沿岸標的へのミサイル射撃を実施した。

[ツィルコン]
2011~2020年の国家軍備プログラムの枠組みで極超音速ミサイルを有する艦載複合体「ツィルコン」の作成計画は、2011年2月、国防次官の職務に従事していたウラジーミル・ポポフキンにより表明された。
ミサイルの飛翔試験は、メディアによると2015年に始まった。
『タス通信』の情報提供者が指摘するように、2018年末には海上標的に対する10回以上のミサイルの発射試験が完了した。

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2019年2月の連邦教書演説において、ミサイル「ツィルコン」は、およそマッハ9の速度を発揮し、距離1000km以上の水上目標や地上目標を撃破できると述べた。

ミサイル「ツィルコン」及び有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の発射の為、汎用艦載射撃複合体(UKSK)3S-14が使用される。
この発射装置は、特に、プロジェクト22350フリゲート、プロジェクト20385コルベット潜水艦の為のヴァージョンはプロジェクト885「ヤーセン」多目的潜水艦が装備する。



極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれていた「ツィルコン」ですが、海上での発射試験は、北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

2020年中に、更に数回(3、4回)の「ツィルコン」発射試験が「アドミラル・ゴルシコフ」により行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう]

その後、プロジェクト885原子力水中巡洋艦の1番艦「セヴェロドヴィンスク」(2014年6月17日就役)からの「ツィルコン」発射試験が行なわれます。
具体的な時期は明らかにされていませんが、「アドミラル・ゴルシコフ」が3、4回の発射試験を行なった後になりますから、おそらくは2020年秋以降でしょう。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]

そして今回、北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将は、同艦隊の潜水艦が「近い将来」に「極超音速兵器」の試験を行なう事を明らかにしました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは『潜水艦船員の日』を迎えた]
モイセーエフ提督は、固有名詞こそ一切出していませんが、今年中に「セヴェロドヴィンスク」から「ツィルコン」の発射試験を行なうという事でしょう。


「ツィルコン」の海上での発射試験は2022年末までには完了し、2023年にはロシア海軍の軍備として採用されます。
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2023年にロシア海軍へ制式採用される]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは『潜水艦船員の日』を迎えた


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年3月19日13時9分配信
【今日(3月19日)、最も強力な多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」乗組員は潜水艦船員の日を迎えた】

今日(3月19日)、最も強力なプロジェクト885多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」の乗組員は潜水艦船員の日を迎えた。

この艦は第4世代原子力艦の1隻目であり、これに先行する以前には手が届かなかった能力が両立している。
これは新たなタイプの有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」魚雷魚雷ロケットを同時に搭載しており、あらゆる敵を撃破できる~水上、水中、1000キロメートル以上の沿岸。

昨年に「セヴェロドヴィンスク」は150日間海上に在り、大規模演習『グロム』の枠組みで沿岸目標へのミサイル射撃を実施した。
世界の大洋の様々な海域での水中巡洋艦の戦闘勤務は、合計で4回であった。
艦長ローマン・サナタルチュク1等海佐の下で乗組員は、基地における専門的な訓練を改善し、戦闘訓練任務を遂行する為の出航を準備している。

近い将来、「セヴェロドヴィンスク」潜水艦乗りは、新たな海洋兵器の試験へ着手し、このクラスの水中巡洋艦の戦闘ポテンシャルを更に高める。




[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

ソ連邦解体から2年後の1993年12月21日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水したプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は、2013年12月30日、受領-引渡証書への署名(ロシア連邦海軍への納入)が行なわれました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクはロシア海軍へ納入された]

2014年6月17日、ロシア海軍旗初掲揚式典が開催され、北方艦隊潜水艦部隊・第11対空母原潜師団へ編入され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは最新の原子炉セキュリティシステムを有する]

その後も白海で各種試験が実施され、2014年9月、常駐基地となるザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かいました。
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[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは駐留基地ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ向かった]

11月10日、ザーパドナヤ・リツァ浮上救助室の動作試験が行なわれました。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクは救助カプセルの動作試験を行なった]

2015年5月9日の大祖国戦争勝利70周年記念日には、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク沖の観艦式へ参加しました。


2015年6月6日、新型機器を搭載する「技術的作業」の為にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」へ回航されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクはセヴェロドヴィンスク市へ到着した]

その後の動向は明らかにされていませんでしたが、「技術的作業」を終えてザオゼルスクへ戻り、慣熟訓練を続けていたようです。
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[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクは戦闘演習の為に出航する]

慣熟訓練を終えた「セヴェロドヴィンスク」は、2016年4月初頭に北方艦隊の演習へ参加し、最新鋭魚雷「フィジーク」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]
[新型誘導魚雷フィジークはロシア海軍へ制式採用された]

2016年4月下旬、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍最新鋭原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2017年3月にはムルマンスク近郊のロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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2017年8月18日、再びバレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2018年12月4日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)ロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

2019年3月、「セヴェロドヴィンスク」は、初めて基地の埠頭に停泊したまま有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは基地に停泊したまま巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2019年10月にはロシア連邦軍の戦略演習『グロム-2019』へ参加し、有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。

[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

「セヴェロドヴィンスク」は2019年には計150日間海上に滞在し、「世界の大洋の様々な海域」で計4回の戦闘勤務を行ないました。
具体的に、何処の海域で行動していたのかは明らかにされていませんが、最近、アメリカなどが大西洋ロシア潜水艦の行動が活発になっていると言っているので、「セヴェロドヴィンスク」大西洋へ進出していたようです。

「セヴェロドヴィンスク」は、今年(2020年)に新開発の極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう]

今回の記事でも触れられていますが、3月19日はロシア海軍『潜水艦船員の日』です。
1906年3月19日、皇帝ニコライ2世の命令により、ロシア海軍の艦船の分類に潜水艦が含まれました。


原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、汎用有翼ミサイル「カリブル」超音速対艦ミサイル「オーニクス」を搭載しています。
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艦中央部のミサイル発射機(4連装8基)に最大で32基の「カリブル」「オーニクス」を搭載出来ます。
(この他、「カリブル」魚雷発射管からも発射できるので、更に搭載数を増やす事も可能)


「セヴェロドヴィンスク」は、現在までに有翼ミサイルを少なくとも計12回発射しています。

2012年11月7日:潜航状態で「カリブル」対艦攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で「カリブル」地上攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]

2013年6月:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年6月:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
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2013年11月6日:潜航状態で超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

2014年9月初頭:潜航状態で有翼ミサイル(オーニクス?)を発射。
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはミサイルを発射した]

2016年4月末:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。


2017年8月18日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2018年12月4日:浮上状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。
[ロシア海軍北方艦隊の最新原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクはバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

2019年3月頃(?):基地に停泊した状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。

2019年10月17日:潜航状態で「カリブル」対地攻撃型を発射。

近代化改装されたロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦ヴェプリは航行試験を開始した

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『タス通信』より
2020年3月19日20時53分配信
【北方艦隊の原子力潜水艦「ヴェプリ」は修理後の試験を開始した】
タス通信、3月19日

北方艦隊プロジェクト971原子力潜水艦「ヴェプリ」は、修理及び近代化後の工場航行試験を行なう。
『タス通信』は木曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「原子力潜水艦ヴェプリの修理と近代化は完了しました。
潜水艦は、工場航行試験を開始しました」

対談者は話した。

彼によると、潜水艦の引き渡し時期は、試験の結果に依る。
何故ならば、近代化の過程で「御客様の御要望により、多くの新たなシステムが関わりましたので」

以前、海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、潜水艦乗りの日を迎えるに当たっての『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、「ヴェプリ」は4月に艦隊へ復帰すると述べた。

原子力潜水艦「ヴェプリ」は、艦船修理工場『ネルパ』(『統合造船業営団』へ加入している艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)で行なわれた。
『ズヴェズドーチカ』は、情報提供者からの情報について『タス通信』へコメントしなかった。

プロジェクト971原子力潜水艦は、サンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』により開発された。
「ヴェプリ」『セヴマシュ』で建造され、ロシア海軍へ1995年に引き渡された。
近代化の後、同プロジェクト潜水艦は、打撃ミサイル複合体「カリブル-PL」を武装として得る。



プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-157は、1990年6月16日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されました。
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1992年6月3日には「原子力巡洋潜水艦」に類別変更されました。
1993年4月6日に「ヴェプリ」(猪)と命名されました。
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1994年12月10日に進水しました。

1995年6月29日から航行試験が始まり、同年11月3日に終了しました。

1995年11月25日に受領証書への署名が行なわれ、11月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1995年12月10日にはヤーゲリナヤ湾ガジエヴォ基地へ到着し、12月29日には北方艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。
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1998年9月11日、ガジエヴォ基地に停泊中の「ヴェプリ」で殺人事件が発生し、8名の水兵が殺害されました。
犯人の水兵も射殺されました。

2003年7月5日~11日には、ノルウェー海フランス海軍との合同演習へ参加しました。

2004年9月には北東大西洋フランス海軍との合同演習へ参加しました。
同年9月21日から29日までフランスブレスト港を訪問しました。
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2012年には予備役となり、2013年11月20日には寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。

2014年に艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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当初、「ヴェプリ」の近代化改装は2017年末までに完了する予定でしたが、実現しませんでした。
[近代化改装される原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2017年末にロシア海軍へ復帰する]
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そして2020年3月19日(ロシア海軍潜水艦船員の日)、「ヴェプリ」は航行試験を開始しました。


「ヴェプリ」ロシア海軍への明確な引き渡し時期は未だ決まっていないようですが、現在の所、2020年4月末頃が見込まれています。
[近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2020年4月にロシア海軍へ復帰する]

ロシア海軍北方艦隊の原潜基地のインフラ更新は進められている

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年3月16日16時0分配信
【ロシアは新たな潜水艦の為の北極の基地を近代化する】
モスクワ、3月16日、インタファクス

北方艦隊は、ザオゼルスク原子力潜水艦基地の近代化、ガジエヴォ基地のインフラストラクチュアの更新を進めている。
北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフは述べた。
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「新たな原子力潜水艦及びロシア原子力水中艦隊の揺り籠~ザオゼルスクの駐留システムの再構築は進められております。
プロジェクト"ヤーセン"水中巡洋艦及び既に駐留しているセヴェロドヴィンスクの為のインフラストラクチュアは準備されています」
モイセーエフ
は潜水艦船員の日の会合において話した。
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「ガジエヴォでは、現代及び将来プロジェクトの艦の駐留を保障する為の新たな埠頭と沿岸インフラストラクチュアの建設が完了しました」
提督は話した。
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司令官によると、艦隊は、駐留システムの開発と並行して新たな潜水艦へ習熟している。
「私共は、これらを成功裏に引き続き使用し、近代化します。
新たな埠頭と貯蔵所、根本的に新たな海洋兵器を受け入れ、再装填し、整備する為のシステムを建設しています」
モイセーエフ
は話した。

北方艦隊潜水部隊は、ロシア海軍で最も強力な原子力潜水艦統合部隊と見られている。
それは、ロシア軍の最適化実施の枠組みで10年前に形成された。
そこには、軍事的な伝統と60年の原子力潜水艦運用の歴史を持つ連合部隊が加わっている。



現在、ロシア北方艦隊原潜基地ガジエヴォザオゼルスクには、以下の艦が駐留しています。
(ただし、これは書類上のものであり、一部の艦はオーバーホールや近代化改装などで長期に渡り基地を離れている)

[第24潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト971原子力巡洋潜水艦:K-317「パンテーラ」、K-461「ヴォルク」K-328「レオパルド」K-154「チグル」K-157「ヴェプリ」K-335「ゲパルド」

[第31潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト955原子力戦略用途水中巡洋艦:K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」
プロジェクト667BDRM原子力戦略用途水中巡洋艦:K-51「ヴェルホトゥリエ」K-84「エカテリンブルク」K-114「トゥーラ」K-117「ブリャンスク」K-18「カレリア」K-407「ノヴォモスコフスク」

[第11潜水艦師団](ザオゼルスク)
プロジェクト885原子力水中巡洋艦:K-560「セヴェロドヴィンスク」
プロジェクト949A原子力水中巡洋艦:K-119「ヴォロネジ」K-266「オリョール」K-410「スモレンスク」
プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦:B-138「オブニンスク」


ロシア北方艦隊には、2タイプの第4世代原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦が配備されています。

「ボレイ」級ガジエヴォ基地に、「ヤーセン」級ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)基地に駐留しています。
この為、基地のインフラの再構築が進められています。

ガジエヴォ基地のインフラ整備は、ほぼ完了しているようです。
[ロシア海軍北方艦隊原潜基地ガジエヴォに最新原潜駐留インフラが建設された]

これに続き、ザオゼルスク基地のインフラ整備も進められています。

なお、今年(2020年)には、北方艦隊へ新たな「ボレイ」級1隻及び「ヤーセン」級1隻が加わります。
[2020年に4隻の原子力潜水艦がロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年3月19日12時35分配信
【建造中の大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は試験中に最初の砲射撃を実施する】
カリーニングラード、3月19日、インタファクス

建造中の大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、工場・国家合同試験を継続する為、再び出航した。
『インタファクス』株式会社『沿バルト造船工場ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。

「大型揚陸艦の乗組員と試験実施チームの次の出航は、数日間に及びます。
今回は、艦の兵器複合体を点検します。
最初の砲射撃が控えております。
更に、他の試験の課題へ取り組みます」
ミハイロフ
は話した。

彼によると、現時点で工場航行試験は50パーセント以上が実行されている。
これは4月中旬まで続き、その後、国家試験が始まる。
工場は、5月末までに大型揚陸艦を発注者へ引き渡す。

伝えられているように、「ピョートル・モルグノフ」の建造は2016年2月に始まり、海軍への引き渡しは2018年に計画されていた。
しかし、大型揚陸艦の進水は2018年5月になった。
その建造は、プロジェクト11711のトップ艦「イワン・グレン」の設計上で最初に犯した過失と、その後にその「車輪」を取り除く作業を考慮し、緊迫した状況で行なわれている。

大型揚陸艦のトップ「イワン・グレン」は2004年12月に起工され、2018年6月に海軍へ引き渡された。
以前、『ヤンターリ』は5隻から成るプロジェクト11711艦のシリーズの建造を計画していた。
その後、ロシア海軍は、より大きな排水量の艦の為に、同類の大型揚陸艦を断念する決定を下した。

しかし、2019年4月に『ヤンターリ』で、同時に2隻の改プロジェクト1171大型揚陸艦「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工された。
これらの艦は、寸法と、更には上部構造物の1つが少し大きくなっている。
最初の艦は2023年、2隻目は2024年に引き渡されなければならない。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、ソヴィエト及びロシア海軍で10数隻が活発な姿を見せていたプロジェクト1171大型揚陸艦の発展型である。
その上部構造物の大部分は著しく変化している。

大型揚陸艦は300名の揚陸隊員、13両の戦車或いは36両の主要タイプの装甲車、更には牽引砲を輸送できる。
航行距離は3500海里、速力16ノット。
無防備の海岸へ上陸する為にポンツーン装置を有し、それが結合して艦から海岸への橋が形成される。
揚陸部隊の上陸は、等級4までの波の下で可能である。

排水量5000トン、全長120メートル、吃水3.6メートル。
エンジン出力5200馬力、乗組員100名。
兵装は、1分間に10000発の発射速度の30mm自動砲装置AK-630M-2「ドゥエト」、電波位置測定管理システムを有する2基のAK-630装置である。
大型揚陸艦の甲板には、2機のヘリコプターの駐留が提供される。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]

ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニはインドネシアを訪問した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年3月18日13時39分配信
【太平洋艦隊の水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は非公式訪問の為にインドネシアへ到着した】

本日(3月18日)、太平洋艦隊水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は非公式訪問の為にインドネシアへ到着した。

船は、太平洋艦隊大洋調査探検部長アレクサンドル・ヴィノグラードフ2等海佐の総指揮の下、3月3日から南極沿岸への遠距離航海任務を遂行している。
航海はロシア地理学協会の支援下で行なわれ、南極発見200周年及びイワン・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられる。
航海は3ヶ月以上続く。

インドネシアジャカルタ北方のタンジュン・プリオク港で、乗組員は水と燃料を完全な基準まで補充し、太平洋艦隊将兵の為に、休養と文化プログラムが提供される。

訪問完了は3月21日に予定されている。



プロジェクト862水路調査船の16番船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、ポーランドグダニスク造船所で建造され、1983年7月29日に就役しました。
就役後は、太平洋艦隊へ配備され、現在に至っております。
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この数年間はウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれ、2020年2月中旬に艦隊へ復帰しました。


現役復帰後の「マルシャル・ゲロヴァーニ」の最初の任務は、南極遠征となり、2020年3月3日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南極調査航海へ出発した]

「マルシャル・ゲロヴァーニ」は3月18日にインドネシアジャカルタへ寄港しました。


バルト艦隊大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は昨年12月3日に南極へ向けて出航し、今年1月末から2月末まで南極べリングスハウゼン基地に滞在して各種調査を行ないました。
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[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]

「アドミラル・ウラジーミルスキー」は2月末に一旦南極を離れ、ウルグアイモンテビデオへ寄港した後、3月16日に南極沖へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]
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今後、「マルシャル・ゲロヴァーニ」も合流します。
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記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。
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この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)
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ロシア海軍のワシーリー・ブイコフ型哨戒艦は地対空ミサイルと連携する

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『イズベスチヤ』より
2020年3月19日0時1分配信
【陸からの歓待:コルベットは敵に沿岸対空防衛を向ける】

ロシア艦「見えない対空防衛」を得る。
コルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」は、敵の航空機あるいはヘリコプターミサイルシステムS-350「ヴィーチャジ」及びS-400「トリウムフ」を向ける事を学習した。
攻撃の瞬間までレーダーを含まない為、打撃を与える際に配置された対空防衛複合体は隠蔽される。 
このように、その乗員が照準に捉われた事に気が付くまでに、空中物体は破壊される。
専門家は、新たな戦術は、高射装置の効率性と生存性を向上させる事を指摘した。

[野外への拡張]
プロジェクト22160コルベット「ワシーリー・ブイコフ」
は、複数の高射複合体を単一の火力回路へ統合できる。
自動管理システムは、目標を個別に識別し、配置に就いたS-350S-400の間に配分する。
今後は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦も同様の能力を得ると国防省の情報提供者は『イズベスチヤ』へ話した。

新たな戦術により、コルベットは海上および沿岸エリアにおける電波位置測定フィールドの面積を迅速に成長させる事が出来ると元ロシア空軍高射ミサイル部隊司令官アレクサンドル・ゴリコフは指摘した。

「艦は、対空防衛班が敵を事前に探知し、脅威の度合を決め、それを的確に迎え撃つのに役立ちます」
専門家は『イズベスチヤ』へ話した。
「これは、陸上高射システムの動作の効率性のみならず、生存性も向上します。
コルベットは、局地的な艦の対空防衛エリアの作成にも有益です。
この場合、戦隊或いは海上支隊の艦上に在る全ての複合体は、単一の自動管理システムにより制御され、目標を的確に配分し、攻撃手段の選択が可能となります」


初めての海上対空防衛は、第2次世界大戦中に同様の原則下で組織された。
当時、電波位置測定ステーションを持つ各艦が前進し、敵の攻撃に備える中核グループに時間を与えた事を軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは指摘した。

「1982年のフォークランド諸島の戦いの際、グレートブリテン艦隊は、このような2個艦グループを割り当てました」
彼は述べた。
「しかしこの時、損失を免れる事は出来ませんでした。
ピケット駆逐艦シェフィールドは、アルゼンチン航空隊により撃沈されました」


[見えない為の戦術]
今、航空機、ヘリコプター、そしてミサイルに対する戦闘の戦術は、調整できる。
まずコルベット電波位置測定ステーション飛行装置を探知し、更には所在場所、高度、速度、コースを明確化する。
更に自動管理システムは、空中船の主要数値が記載されている電子データベースにより情報物体の価値を決め、それは的確な目標の特定を可能にする。

その後、受信した全ての情報はS-350S-400に転送される。
データの交換は、リアルタイムモードで行なわれる:現代的な電子機器は、大量の情報の即座の処理を可能にする。

対空防衛システムには、最後の瞬間に目標を「照らす」レーダーが含まれる。
これにより、潜在敵の航空機及びヘリコプターの飛行士は、対抗戦術~例えば対レーダーミサイルの使用~を選択する余地が無い。

[海上偵察者]
「ステルス」
技術を用いて造られたコルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」の可能性は、優れた偵察者となる。
角ばった構造の上部構造物と、特殊電波透視複合材料による最上甲板の保護のお陰により、コルベットは見えなくなる。
高速で比較的コンパクトな全長94メートル、排水量1800トンの艦は、2ヶ月間沿岸から離れる事が可能である。

コルベットは、電波位置測定ステーションの助力により目標を探知する。
艦は更に、無人飛行機と1機のヘリコプターKa-27、Ka-29、或いはKa-52K「カトラン」が駐留でき、この為に独立した格納庫が作られている。
ドローンは、半径100キロメートルで隠密裏に監視を行なう事が出来、偵察能力は著しく拡張される。
しかも敵は、小さい無人飛行装置の探知が非常に困難である。

コルベットの対空兵装は、最も強くはない。
この為、砲装置AK-176MA携帯高射ミサイル複合体「イグラ-S」、そして電波電子装置の使用が予定されている。

当初、コルベットは、領海保護の勤務へ就き、密輸の防止、更には事故の被害者の捜索と救助の為に開発された。
しかし結果的に、海軍は汎用艦を受け取った。

コルベットプロジェクト「ワシーリー・ブイコフ」は、敵の海上部隊に強力な打撃を与える事が出来る。
その主な特徴はモジュールシステムであり、様々な兵器、特に追加のミサイル「カリブル-NK」を必要に応じて設置する事が可能である。

戦時にコルベットは、交通線、海軍基地、沿岸海域の保護を担当する。
同時に、その特性とミサイル兵器は、故国の沿岸から1000海里離れた場所での戦闘行動の実施を可能にする。

対空防衛には、現在、最も注意が払われている。
特に、海軍の為に建造される2隻のプロジェクト20380コルベット「ストローギー」「リェチーヴイ」は、ユニークな電波位置測定複合体「ザスローン」を装備する。
これは、水上、地上、海上、空中の目標を半径75キロメートルで探知できる。
バルト海及び黒海の地理の下で、新たな電波位置測定複合体は、NATO諸国ヨーロッパの複数の軍事基地を同時に監視する事が可能となる。



プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、2隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年就役予定

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2020年9月進水予定/2021年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2021年4月進水予定/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2022年4月進水予定/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]


プロジェクト22160哨戒艦は、遠方海域にも派遣されています。

1番艦「ワシーリー・ブイコフ」は、2019年6月上旬からから9月上旬までバルト海への遠距離航海を行ないました。
[哨戒艦ワシーリー・ブイコフのバルト海遠征(2019年6月-9月)]

同年10月中旬から12月中旬まで地中海への航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ワシーリー・ブイコフは地中海からノヴォロシースクへ帰投した]

2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、2020年1月下旬から地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]


その名の通り海上パトロールを主な任務とするプロジェクト22160哨戒艦ですが、陸上(沿岸近く)の地対空ミサイル部隊と連携する能力も付与されています。
これにより、戦時中に海軍基地やその周辺へ配備された地対空ミサイル部隊を効果的に運用する事が出来るようになります。

遠距離高射ミサイル複合体S-400「トリウムフ」(2007年4月軍備採用)


中距離高射ミサイル複合体S-350「ヴィーチャジ」(2020年2月軍備採用)


22160哨戒艦黒海艦隊以外への配備予定が無い為か、22800「カラクルト」小型ロケット艦(バルト艦隊、太平洋艦隊、北方艦隊へ配備予定)にも同様の能力が付与されます。
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ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンはクロンシュタットでオーバーホールを行なう

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『タス通信』より
2020年3月18日配信
【サンクトペテルブルクで揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」が2021年に修復される】
サンクトペテルブルク、3月18日/タス通信

『クロンシュタット海洋工場』大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」の修理完了を2021年に計画している。
『タス通信』は同社広報サービスより伝えられた。

「私共は、今年に修理及びメンテナンスの為、約140隻の艦船の受け入れを計画しております。
その中でも、大規模修理の為に到着した大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは、現在ドックに在ります。
修理には、今年と来年を見込んでおります」

広報サービスの代表は指摘した。

大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」は、グダニスク造船所(ポーランド)で建造され、1985年に進水し、1986年1月14日に艦はソヴィエト社会主義共和国連邦海軍旗を掲げ、BDK-60の名を受けてバルト艦隊へ加入した。
1986年、ソヴィエト連邦英雄を2回受賞したアレクサンドル・オシポヴィチ・シャバリン少将に敬意を表し「アレクサンドル・シャバリン」と命名された。
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『クロンシュタット工場』『統合造船業営団』へ加入しており、1858年に創業した。
毎年100隻以上の艦船の修理を行なっている。
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最も知られているプロジェクトの1つは、2016年の巡洋艦「アヴローラ」の修理である。



プロジェクト775大型揚陸艦BDK-60ポーランド『グダニスク造船所』で建造され、1985年6月11日に進水し、同年12月31日にソ連海軍へ納入されました。
翌1986年1月14日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

1986年11月12日、「アレクサンドル・シャバリン」と命名されました。

就役後、1980年代末に2回アンゴラ人民共和国への遠距離航海を行なった以外はバルト海で行動していました。
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2012年12月17日にバルチースクを出航して地中海東部へ向かい、2013年1月のロシア海軍3艦隊合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

ノヴォロシースクで貨物を積み込む「アレクサンドル・シャバリン」(2013年8月)


ノヴォロシースクの埠頭を離れる「アレクサンドル・シャバリン」(2013年10月)


その後は黒海沿岸ノヴォロシースクシリアタルトゥースを往復する物資輸送任務に就き、2014年1月14日に帰投しました。

[バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは地中海から母港バルチースクへ帰ってきた]

2014年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」




2015年に再び地中海東部へ派遣され、2015年5月中旬に中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』(第1段階)へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月上旬に地中海東部エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加した後にバルチースクへ戻りました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」


2016年7月にバルチースクを出航して地中海東部へ向かい、2016年8月末から同年12月末まで黒海沿岸シリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)へ6回従事した後、2017年1月29日に帰投しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンは地中海東部から帰投した]

2018年7月末のロシア海軍の日の観艦式へ参加する「アレクサンドル・シャバリン」


2019年8月上旬にバルト海で行なわれたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

2019年12月に『クロンシュタット海洋工場』へ回航され、2020年3月にドックへ入り、本格的なオーバーホールが始まりました。
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「アレクサンドル・シャバリン」のオーバーホールは2021年末までに完了します。

現在、ロシア海軍には、ソヴィエト時代に建造された大型揚陸艦(プロジェクト1171プロジェクト775)が計19隻在籍しており、既に艦齢は30年を超える艦が大半ですが、この「アレクサンドル・シャバリン」のようにオーバーホールが行なわれ、維持されています。
[ロシア海軍は19隻の大型揚陸艦を有する]