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近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"の洋上試験は延期される

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月29日10時0分配信
【フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の試験は延期される】

大型対潜艦からフリゲートへ近代化される最初のプロジェクト1155となる「マルシャル・シャーポシニコフ」の試験出航は、近代化の特殊性が故に延期される。
『Mil.Press FlotProm』は業界の消息筋より伝えられた。


対談者によると、「マルシャル・シャーポシニコフ」の出航は6月に計画されていたが、その作業量の故に延期された。
試験開始の正確な時期は未だ不明である。

現在、乗組員と工場員は主動力装置の試験を行なっている。
航行用エンジンは点検を成功裏に終え、今、増速用(エンジン)のテストが進められている。
一連の他のシステムの作業も滞りなく進められている。

5月に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、今年後半に係留試験が始まると発表した。
彼は、『ダーリザヴォード』の艦を定期的に訪れている事を強調した。
以前、太平洋艦隊は、フリゲートが年末までに艦隊へ引き渡されると発表した。

近代化される艦はミサイル複合体を受け取り、ミサイル「カリブル-NK」及び「オーニクス」、そして将来的には極超音速ミサイル「ツィルコン」を使用できるようになる。
今、太平洋艦隊司令官によると、それは対潜艦としての能力と高精度有翼ミサイルの搭載が組み合わせられる。

大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は1983年にカリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で起工され、1985年1月に進水した。
艦は1985年2月15日に海軍へ加入した。
2015年から『ダーリザヴォード』(ウラジオストク)で大規模修理と近代化が行なわれている。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]
「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)は、「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に設置されるようです。
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この他、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も装備されます。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】

3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の有った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められています。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されます。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2020年後半(つまり7月以降)に工場岸壁での係留試験を開始し、それが終わった後に航行試験を行ないます。
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は2020年後半に係留試験と洋上試験を行なう]

「マルシャル・シャーポシニコフ」の再就役は、2020年末に予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"の近代化改装は2020年末に完了する]
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦(フリゲート)マルシャル・シャーポシニコフと原子力水中巡洋艦イルクーツクは極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を使用できる]

近代化改装後の「マルシャル・シャーポシニコフ」は、大型対潜艦からフリゲートへ類別変更されます。
[近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦はフリゲートへ艦種変更される]
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ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはビスケー湾を通過する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年5月31日0時0分配信
【ロシア海軍の大洋調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はビスケー湾の通行に着手する】

将来、主要海軍パレードへ参加するロシア海軍大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、本日・5月31日、ビスケー湾の通行へ着手する。
船上からロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将及びロシア地理学協会センターへ宛てられた報告によると、大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」の全ての設備は正常モードで動作しており、乗組員は健常であり、南極発見200周年及びイワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられ、2019年12月から始まった世界一周探検の第6段階の計画の下で任務を遂行している。

「大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは、敬意をもって与えられた任務を遂行しております。
船の乗組員がロシア地理学協会と協同で行なった全ての海洋学研究調査作業、水路調査は綿密に分析され、世界の大洋研究における我が国の業績の歴史への価値ある貢献となります。
船は、7月末の主要海軍パレードへの参加艦船の中に見る事が出来るでしょう」
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将
は指摘した。

以前、同船には世界一周探検の第6段階の最終任務が与えられた。
その中で大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」アフリカを周回し、クロンシュタットへ到着する。
それは6月上旬になる。

4月30日、大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」セーシェル諸島の泊地で物資を補充し、承認された計画に沿って探検を続けた。
第6段階中に遠征参加者は、移動ルート上の海洋学及び水路学の研究を行ない、特に、ルート上の深度を測定した。



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プロジェクト852大洋研究調査船の3番船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、ポーランドグダニスク造船所で1973年12月1日に起工され、1974年4月4日に進水、1975年5月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

1990年から1994年までポーランドでオーバーホールを行ない、その後、バルト艦隊へ転属し、クロンシュタットへ回航されました。

2014年8月18日には北極海遠征に出発し、北極海を横断して10月下旬にはウラジオストクへ入港しました。

その後、太平洋を横断してパナマ運河を通過し、カリブ海へ行き、大西洋を横断して2015年1月17日にクロンシュタットへ帰投しました。


2015年11月6日には南極遠征へ出発し、2016年4月に帰投しました。
この間、アルジェ(アルジェリア)、スエズ(エジプト)、ジッダ(サウジアラビア)、ヴィクトリア(セーシェル諸島)、マダガスカル、マプト(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ)、マラボ(赤道ギニア)、ルアンダ(アンゴラ)、リスボン(ポルトガル)を訪問しました。

南極遠征


帰港



なお、この「アドミラル・ウラジーミルスキー」の南極遠征に関し、全く根も葉もないデマを流布している者達が居ます。

2016年3月21日
【古代プラズマ兵器「ガブリエルの箱舟」ついに発見される!? 現在プーチンが南極に輸送中!】

2016年3月24日
【ガブリエルの箱舟】

2017年3月20日
【ロシア海軍が南極に運んだ究極のプラズマ兵器「ガブリエルのアーク」】

無論言うまでもなく、これらのページに書いてある事は全てデタラメです。
少し・・・頭冷やそうか・・・

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2017年12月にはインド洋の調査航海へ出発しました。


なお、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には、2018年3月の時点で17名の女性乗組員が居ました。
(同船は乗組員170名+研究要員80名)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月8日3時1分配信
【(ロシア)海軍総司令官は国際女性デーに艦隊の女性(将兵)への祝辞を述べた】

2018年6月8日に帰投しました。


2018年7月初頭からクロンシュタットでオーバーホール及び近代化改装が始まりました。
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オーバーホール完了後、2019年11月に洋上試験を行ない、バルト艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはオーバーホール後の航行試験を開始した]


2019年12月3日にクロンシュタットを出航し、南極調査航海へ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年に南極へ行く]
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極調査航海へ出発した]


2019年12月12日にはポルトガルリスボンへ寄港し、大西洋中部で2020年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイと大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは洋上で新年を迎える]
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2020年1月11日から15日までブラジルリオデジャネイロを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月15日1時2分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はリオデジャネイロ港への業務寄港を完了した】

2020年1月19日から21日までウルグアイモンテビデオを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月19日22時15分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへ入った】

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その後、北方艦隊プロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」(2015年5月23日就役)と合流し、1月27日に南極べリングスハウゼン基地へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した]
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「アドミラル・ウラジーミルスキー」べリングスハウゼン基地周辺で1ヶ月間に渡り海洋調査を行ない、2月28日に同基地を去り、ウルグアイモンテビデオへ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]

3月5日にモンテビデオへ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月5日23時0分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を行なった】

現在、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には20名の女性が乗っています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月7日7時0分配信
【ロシア海軍総司令官は世界一周探検中の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」船上の女性を祝福した】

3月10日にモンテビデオを出航し、再び南極へ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月10日17時56分配信
【大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を滞りなく完了し、再び南極へ進路を取った】

3月16日に再び南極へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]

4月9日には、2020年3月3日にウラジオストクから南極へ向かった太平洋艦隊水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」デュルヴィル海で合流しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月9日16時27分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極で合流した】

デュルヴィル海「マルシャル・ゲロヴァーニ」南磁極の測定を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南磁極を調査した]
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その後、「アドミラル・ウラジーミルスキー」南極を離れてインド洋へ向かい、4月25日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはセーシェル諸島へ到着した]
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何時ものパターンなら、ここで各種物資(燃料、水、食料)を補充し、乗組員は上陸する所ですが、今回は全世界的なコロナウイルス流行の為、物資の補充のみを行ない、乗組員の上陸は取り止めとなりました。

4月30日にセーシェル諸島を去り、5月15日には喜望峰沖を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは喜望峰沖を通過した]
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5月24日に赤道を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは大西洋上で赤道を越えた]
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5月31日にはビスケー湾へ入りました。
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「アドミラル・ウラジーミルスキー」は6月上旬にクロンシュタットへ帰投します。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年6月8日にクロンシュタットへ到着する]

その後、7月26日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(観艦式)へ参加します。


記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。
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この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)
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近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2020年6月末にロシア海軍北方艦隊へ復帰する

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『タス通信』より
2020年5月30日15時21分配信
【原子力潜水艦「ヴェプリ」は近代化の後、6月末に海軍へ引き渡される】
タス通信、6月30日

北方艦隊プロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)原子力潜水艦「ヴェプリ」は修理及び近代化の後の試験を完了し、海軍への引き渡しは6月下旬に予定されている。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「原子力潜水艦ヴェプリは試験プログラムを完全に終了しました。
潜水艦は数時間前に、問題点を除去する為、以前に修理が行なわれた工場ネルパへ戻りました。
この作業は約1ヶ月間続き、短期間のドック入りの後、6月下旬には海軍へ引き渡されます」

対談者は話した。

艦船修理工場『ネルパ』を支所に持つ艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』広報サービスは、『タス通信』が情報提供者より提示された情報にコメントしなかった。

以前、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、「ヴェプリ」は4月に海軍へ復帰すると述べた。

プロジェクト971原子力潜水艦は、サンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』により開発された。
「ヴェプリ」『セヴマシュ』で建造され、ロシア海軍へ1995年に引き渡された。
近代化の後、同プロジェクト潜水艦は、打撃ミサイル複合体「カリブル-PL」を武装として得る。



プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-157は、1990年6月16日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されました。
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1992年6月3日には「原子力巡洋潜水艦」に類別変更されました。
1993年4月6日に「ヴェプリ」(猪)と命名されました。
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1994年12月10日に進水しました。

1995年6月29日から航行試験が始まり、同年11月3日に終了しました。

1995年11月25日に受領証書への署名が行なわれ、11月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1995年12月10日にはヤーゲリナヤ湾ガジエヴォ基地へ到着し、12月29日には北方艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。
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1998年9月11日、ガジエヴォ基地に停泊中の「ヴェプリ」で殺人事件が発生し、8名の水兵が殺害されました。
犯人の水兵も射殺されました。

2003年7月5日~11日には、ノルウェー海フランス海軍との合同演習へ参加しました。

2004年9月には北東大西洋フランス海軍との合同演習へ参加しました。
同年9月21日から29日までフランスブレスト港を訪問しました。
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2012年には予備役となり、2013年11月20日には寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。

2014年に艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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当初、「ヴェプリ」の近代化改装は2017年末までに完了する予定でしたが、実現しませんでした。
[近代化改装される原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2017年末にロシア海軍へ復帰する]
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2020年3月19日(ロシア海軍潜水艦船員の日)、「ヴェプリ」は航行試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦ヴェプリは航行試験を開始した]

航行試験は3月26日に完了しました。
[近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリの航行試験は完了し、2020年4月にロシア海軍北方艦隊へ復帰する]

しかし、航行試験中に何らかの不具合が発覚したらしく、それを修正する必要が生じた為、ロシア海軍への引き渡しは2020年6月になりました。
[近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2020年6月にロシア海軍北方艦隊へ復帰する]

ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2020年5月29日15時55分配信
【大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」乗組員は試験最終段階の枠組みで海上での砲射撃を実施した】

工場航行試験の最終段階実施の枠組みで、最新の大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」の乗組員は、業界の代表と共にバルト艦隊の海上射爆場で空中及び海上目標への砲射撃を実施した。

試験段階に先行してバルト艦隊海上航空隊航空機ヘリコプターは、艦の電波工学兵装、電波位置測定ステーション及び対空防衛兵器の点検の為、大型揚陸艦の上空飛行を行ない、様々な速度、高度、距離での仮想敵の空中攻撃手段の活動を模した。
これには、ヘリコプターKa-27、航空機Su-30SM、Su-27、Su-24が関わった。

ロシア海軍及び外国海軍の為の新たな機材の試験は、バルト海の海上射爆場で恒常的に行なわれている。
これらの活動の支援には、バルト艦隊艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が関わっている。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]

海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]

洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]

結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を続ける]

バルト艦隊海上航空隊の協力により「ピョートル・モルグノフ」レーダー(電波位置測定ステーション)などの動作試験が行なわれ、5月29日には兵装の射撃試験が行なわれました。

射撃試験を行なったのは、AK-630M2「ドゥエト」AK-630Mです。
[AK-630M1-2「ファイアスワーム」30mmCIWS]
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工場航行試験は6月初頭の完了が予定されており、その後、次の段階である国家試験が始まります。

国家試験が終わった後に「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍へ引き渡される事になりますが、その具体的な時期は、現段階では未定のようです。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海への出航準備を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月29日12時30分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は出航準備を完了した】

北方艦隊旗艦重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は、次週に計画されている出航の準備を完了した。

北方艦隊ロケット艦師団司令官の指揮下で海上での戦闘演習任務を遂行する乗組員の準備態勢が点検された。

巡洋艦の全ての要員は、各自の専門分野のテストに合格し、様々な導入下での戦闘監視所での訓練、艦のダメージコントロール演習、戦闘及び航行の為の艦の準備、更には狭い場所の航行演習へ参加した。

これに加え、艦の救助道具の検分が行なわれた。
各乗組員は水上での人員救助手段を点検し、更には水中救助服の着用テストへ参加した。
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計画出航を前に、巡洋艦は砲弾及びミサイル弾薬の補充を行なった。

バレンツ海で艦は一連の単独航行任務へ取り組み、兵器複合体、電波工学兵装、水中音響兵装及び電波電子戦闘装置の点検を行なう。



プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦(キーロフ型)4番艦「ユーリー・アンドロポフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『オルジョニキーゼ記念造船工場』(現『バルト工場』)で1986年4月に起工され、1989年4月に進水しました。
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ソヴィエト連邦解体後の1992年5月27日、「ピョートル・ヴェリキー」と改名されました。
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就役前の1996年11月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航されました。

就役前の「ピョートル・ヴェリキー」(183)
手前の「090」は同型艦「アドミラル・ウシャコーフ」
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[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]

ロシア海軍へ納入されたのは、起工から約12年後の1998年3月であり、同年4月18日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役、北方艦隊へ編入されました。
当初は太平洋艦隊へ配備される予定でしたが、この当時のロシア海軍には「ピョートル・ヴェリキー」を極東まで回航する財政的余裕が無い為、北方艦隊へ編入されました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」就役10周年]

就役直後の「ピョートル・ヴェリキー」(099)
「090」は同型艦「アドミラル・ウシャコーフ」、「080」は「アドミラル・ナヒーモフ」
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「ピョートル・ヴェリキー」を始めとするキーロフ型ステルス艦であり、装甲防御が施されています。
[ステルス軍艦・キーロフ級]
[装甲巡洋艦・キーロフ級]

就役直後は資金不足で外洋への航海を実施する事が出来ず、2004年3月下旬には、本艦を巡る「核爆発騒動」が起こりました。
[ピョートル・ヴェリキー「核爆発」騒動]

2004年10月、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共に北東大西洋へ進出しました。
[大西洋上のクズネツォフ・その2(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その3(機動部隊)]

2005年にも大西洋で行動しました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その1]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その2]

「ピョートル・ヴェリキー」は、2008年9月から2009年3月までカリブ海、南アフリカ、インドへの長期遠距離航海を実施しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

この時、インド沿岸での演習を終えてアデン湾へ航行している途中の「ピョートル・ヴェリキー」は、2009年2月12日、ソコトラ島沖でソマリア海賊を発見、拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]

2010年3月30日、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為に出航し、遥々極東沿海地方までやって来ました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【セヴェロモルスクから沿海地方まで】2010年3月30日-5月20日
【沿海地方からセヴェロモルスクまで】2010年6月26日-9月12日

2010年5月16日午後11時頃、「ピョートル・ヴェリキー」対馬海峡を北上し、日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年5月17日発表)】

沿海地方フォキノ基地へ入港する「ピョートル・ヴェリキー」
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フォキノ基地に停泊する「ピョートル・ヴェリキー」(奥)
手前の艦は同型艦「アドミラル・ラーザレフ」
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「ピョートル・ヴェリキー」は、2010年7月初頭から実地戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【実地戦略演習「ヴォストーク-2010」纏め】

2010年7月24日正午頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を南下、沿海地方を去りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年7月26日発表)】

2012年5月初頭から6月下旬まで浮きドックへ入渠しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]

2012年9月には北極圏への遠距離航海を実施しました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

この時、北極圏弾道ミサイル迎撃訓練を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシアの対弾道ミサイル防衛の一翼を担う]
「ピョートル・ヴェリキー」は、現在のロシア海軍において弾道ミサイル迎撃能力を持つ唯一の水上戦闘艦です。

2012年7月28日に「ピョートル・ヴェリキー」へのナヒーモフ勲章の授与が発表され、翌2013年1月10日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンよりナヒーモフ勲章を授与されました。
[プーチン大統領は北方艦隊基地を訪問する]


2013年4月、バレンツ海で各種の演習を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で演習を行なう]
[北方艦隊の戦闘艦はバレンツ海で展示演習を実施した]
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜演習を実施した]

2013年9月にも北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月22日から2014年5月18日まで地中海への遠距離航海を行ない、この時にシリアから搬出された化学兵器輸送船の護衛に参加しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキー地中海遠征(2013年10月-2014年5月)]

2014年12月にはグリーンランド沖へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはグリーンランド沖で潜水艦と「決闘」する為に出航した]

2015年9月初頭から12月初頭まで、定期修理を行なう為、ロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは浮きドックで修理を行なう]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは浮きドックへ入った]

2016年5月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2016年10月から2017年2月まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空艦グループシリア沖への遠征に参加しました。
「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機は初めてシリア国内のテロ組織への空爆を行ないましたが、「ピョートル・ヴェリキー」「アドミラル・クズネツォフ」のエスコート役に徹しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式に参加しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、対艦ミサイル「グラニート」を発射しています。

[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海の演習で対艦ミサイルを撃墜した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

2018年4月18日、「ピョートル・ヴェリキー」は海軍旗初掲揚(正式な海軍への就役)20周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは20歳になった]

3日後の4月21日、セヴェロモルスク基地に停泊している「ピョートル・ヴェリキー」で就役20周年記念式典が開催されました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーで就役20周年記念式典が開催された]

2018年11月~12月にバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜ミサイルを発射した]


2019年4月6日、「ピョートル・ヴェリキー」は、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)と共に、各種演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海へ出航した]

4月8日、「ピョートル・ヴェリキー」は、130mm連装砲AK-130の砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で砲撃訓練を実施した]

4月10日、「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」は、ノルウェー海へ移動し、ロシア航空宇宙軍の戦闘機部隊と合同で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海で演習を実施する]

4月11日にはノルウェー海南部へ移動し、北方艦隊所属の対潜哨戒機Tu-142、迎撃戦闘機MiG-31BM、そしてロシア航空宇宙軍超音速爆撃機Tu-22M3空中給油機Il-78も参加する演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海南部で演習を実施した]

4月15日にはノルウェー海北部へ移動し、対潜戦闘訓練などを実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海北部で対潜演習を実施した]

2019年4月18日、バレンツ海で演習を行なっている最中に就役21周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役21周年を迎えた]

4月29日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上演習を終えて母港へ帰投した]

2019年10月には、新型給油船「アカデミック・パシン」の洋上試験に参加し、同船から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバレンツ海で重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーへの洋上補給を行なった]

2020年4月18日に就役22周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役22周年を迎えた]



「ピョートル・ヴェリキー」は、2020年以降に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる]

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルは2020年7月に地中海東部へ戻る

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月28日17時0分配信
【潜水艦「スタールイ・オスコル」は7月に地中海へ戻ってくる】

黒海艦隊のプロジェクト636.3(コード名「ワルシャワンカ」)潜水艦「スタールイ・オスコル」は、7月にシリア沖での戦闘勤務へ復帰する。
5月28日・木曜日、『タス通信』は軍事外交筋より伝えられた。


「クロンシュタット海洋工場での最初の計画修理の完了は、6月10日に計画されています。
1ヶ月後、同艦は地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊へ復帰します」

対談者は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「スタールイ・オスコル」は、修理の為、2020年1月にクロンシュタット海洋工場へ到着した事が想い起こされる。

「スタールイ・オスコル」は、黒海艦隊の為に『アドミラルティ造船所』で建造されたプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦6隻から成るシリーズの3隻目である。
2015年7月に艦隊へ補充された。

[Mil.Press Flot参照]
プロジェクト636.3潜水艦
は、敵の潜水艦及び水上艦との戦闘の為、更には海軍基地、海上および沿岸交通線の防衛の為に開発された。

潜水艦の全長は73メートル、幅10メートル、水上排水量2350トン。
作業潜航深度240メートル(限界深度300メートル)。
水中速力20ノット、自立航行期間45日、航続距離7500海里。
乗組員52名。
潜水艦の兵装は、6門の魚雷発射管、機雷打撃ミサイル複合体「カリブル」である。



プロジェクト06363潜水艦の3番艦B-262「スタールイ・オスコル」は、2012年8月17日に起工され、2014年8月28日に進水し、2015年7月3日にロシア連邦海軍へ就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはロシア海軍へ就役した]


その後、2015年7月27日の「ロシア海軍の日」にはバルチースクの観艦式へ参加しました。
[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

2015年10月16日、深海試験や兵装試験-有翼ミサイル「カリブル」を含む-の為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。

[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]

2016年5月6日、バレンツ海有翼ミサイル「カリブル」対地型を沿岸目標へ発射しました。
(前日の5月5日には、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射)
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

北方海域(バレンツ海)における「スタールイ・オスコル」の試験は2016年5月末までに全て完了しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海での試験を全て終えた]

「スタールイ・オスコル」ポリャールヌイを出航し、2016年6月初頭に英仏海峡を浮上航行中、ブリテン海軍フリゲートに視認されました。
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その後、大西洋を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは2016年7月初頭に黒海艦隊基地へ到着する]

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2016年6月29日午前にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは黒海へ入った]

2016年7月1日夕方、「スタールイ・オスコル」ノヴォロシースク基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦スタールイ・オスコルはノヴォロシースク海軍基地へ到着した]


以後は2019年4月下旬まで黒海で行動していましたが、4月25日、「スタールイ・オスコル」ボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはオーバーホールの為にロシア北西部へ向かう]

地中海東部で行動した後、オーバーホールの為にロシア北西部クロンシュタットへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはクロンシュタットでオーバーホールを行なう]

『クロンシュタット海洋工場』での「スタールイ・オスコル」のオーバーホールは2020年6月10日に完了し、1ヶ月後(7月)には地中海東部へ戻ります。

ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験の準備を進めている

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年5月29日12時10分配信
【黒海艦隊の最新哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」は試験実施の為の出航を準備している】

黒海艦隊最新哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員は、工場試験実施の為の出航を前に、ノヴォロシースク海軍基地の駐留所エリアで物理的フィールドの測定を行なう。

艦は、ノヴォロシースク海軍基地支援船支隊泊地曳船の支援により、物理的フィールド測定スタンドへ置かれた。

スタンドへの設置前に哨戒艦の乗組員及び工場試験チームは、この2週間医療的監視下に在り、現行の対伝染病制限に沿って、必須の体温測定手順が行なわれた。

来たる工場航行試験実施の為の艦の出航では、動力装置、操舵装置、補助機械、通信手段、航法及び他のシステム、艦の機器及び兵器の動作、更には艦の航行性能が点検される。

工場航行試験は、標準乗組員が新造艦の基礎数値、全ての艦の設備、機械及び機器が技術的条件に沿っている事を点検する為に行なわれ、艦が海軍へ受け入れられる前の重要な段階の1つである。

[参照]
哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」
は、第3のプロジェクト22160シリーズ艦である。
今年4月、艦は、複合工場・国家試験を実施する為にノヴォロシースクへ到着した。
哨戒艦のトップ「ワシーリー・ブイコフ」と次の「ドミトリー・ロガチョフ」は、既に黒海艦隊の一員として与えられた任務を成功裏に遂行している。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】
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プロジェクト22160哨戒艦の3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、2016年2月18日に起工されました。

[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト22160哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは2016年2月18日に起工される]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

その後、クリミア半島ケルチ市に在る『ゼレノドリスク造船所』の子会社造船工場『ザリフ』へ回航され、ここで建造が進められました。
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2019年2月21日に造船工場『ザリフ』で進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは進水した]

2019年8月初頭までに「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員の編成が完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンの乗組員の編成は完了した]

2020年4月21日、「パーヴェル・デルジャーヴィン」ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験を行なう為にノヴォロシースクへ到着した]
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2020年5月15日、サンクトペテルブルクでの訓練を終えた「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員がノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィン乗組員はノヴォロシースクへ到着した]

今後、「パーヴェル・デルジャーヴィン」黒海で洋上試験を行ないます。

「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、2020年末までの就役が予定されており、就役後は黒海艦隊へ配備されます。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、2隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年就役予定

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
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[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

インド洋へ向かうロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールは対テロ演習を行なった

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年5月29日11時10分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」及び救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」の乗組員はインド洋への移動時に艦上演習を実施した】

インド洋への航路を辿っている黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」及び救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」の乗組員は、対空防衛及び仮想工作員の攻撃を撃退する演習を実施した。

以前、黒海艦隊フリゲート救助曳船の乗組員は、ロシア連邦旗のデモンストレーションの為にインド洋へ向けてスエズ運河を通過した。

演習の枠組みでフリゲートの対空防衛班は、仮想敵航空機の接近のガイダンスを受け取った。
目標は「敵」と識別され、ミサイル手はそのコースを追尾し、自衛複合体「シチーリ-1」の電子ミサイル発射により破壊した。

更に、演習計画の下で救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」へ、小型船で国籍不明の武装グループが攻撃を試みた。

仮想敵の高速艇の役割は、フリゲートの標準搭載艇と乗組員の船員が演じた。

演習中、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の水上状況監視所は、高速で救助船へのコースを進んでいる小型目標を発見した。
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」の要員へ、船内の安全対策を取るように警告した後、フリゲート曳船へ向かって戦闘方向転換を行なった。

「敵」艇フリゲートの警告に応答せず、自動小銃により曳船へ発砲した。
フリゲートに乗っている対テログループは、「敵」に対して標準兵器を使用し、艇の航行を停止させた。
自発的な降伏後、捕獲グループは仮想工作員を無力化し、近隣の外国の境界線警備艦へ引き渡した。

演習は、艦船支隊を潜在的な脅威から保護及び防衛する乗組員の活動への取り組みの枠組みで実施された。



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プロジェクト11356Rフリゲート1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、同型艦「アドミラル・マカロフ」と共に2020年2月27日にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月25日にヘリコプターの発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部でヘリコプターの発着訓練を行なった]

3月下旬からは他の同型艦2隻(「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)と共に各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]

5月1日には地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

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プロジェクト22870救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」(2014年12月28日就役)は、2020年1月16日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入り、地中海東部に滞在していました。

2020年5月20日、この2隻はスエズ運河へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールは地中海を去り、スエズ運河へ入った]
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今後、この2隻はインド洋へ向かいます。

クリミア半島のザリフ造船所はロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸艦の建造準備を進めている


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月29日9時50分配信
【情報筋:ロシア製汎用揚陸艦の為の機器の納入業者との作業が始まった】

造船工場『ザリフ』とゼレノドリスク計画設計局は、将来汎用揚陸艦へ供給される船舶設備の製造業者との連絡を晩春から始めた。
2名の業界の消息筋は『Mil.Press FlotProm』へ話した。


プロジェクトは、23900のコードを受け取る予定である。
2隻の汎用揚陸艦は、4~5月の起工が計画されていたが、コロナウイルス流行に関連する制限が故に、その時期は延期された。
起工は、『海軍の日』に合わせられるかもしれないと対談者の1人は付け加えた。

以前、2隻の艦の供給契約へ署名された事が知られるようになった。
その費用は約1000億ルーブルになる。
公式には、この情報は未だ確認されていない。

ケルチ造船工場『ザリフ』は、企業の大規模な技術的再装備の後にのみ、ヘリコプター母艦或いは大洋ゾーン大型戦闘艦を建造できる。
ロシア造船業界の2名の高位の情報提供者は『Mil.Press FlotProm』記者の質問に対し、こう考えている。

何れにせよ、『ザリフ』は高度な近代化を必要としていると対談者の1人は見なしている。
これまでの所、その専門は、小型の哨戒艦及び小型ロケット艦、更には補助艦隊の船である。
より大規模なサンクトペテルブルク『北方造船所』の近代化が予定通りに完了しなかった事を考慮すれば、『ザリフ』の大規模な再装備は短期間では実行不可能であると彼は締め括った。

2014年から2018年に掛けて、企業はロシア連邦からの「材料」の供給、更には電力に客観的な問題を抱えていた。
しかし、クリミア橋の建設後、これらの問題は解決された。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
将来汎用揚陸艦
の用途は、揚陸部隊及び車両の海上輸送と上陸:敵の対抗防衛施設の破壊、沿岸部で行動する部隊の輸送である。
排水量は、フランス「ミストラル」以上の約25000トン。
全長200メートル以上、幅47メートル、揚陸部隊1000名。
艦は75両までの車両に加え、6隻の艇をドック室に収容できる。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]

この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、ロシア海軍向けとなる汎用ヘリコプター揚陸艦が設計され、実際に建造されることになります。
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは4機のプロトタイプが製造された]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、2019年になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で建造する案が浮上してきました。
【造船工場『ザリフ』公式サイト】
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[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島で起工される?]
[ロシア海軍の為の新たな汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年にケルチ(ザリフ造船所)で起工され、2025年と2026年に就役する]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月上旬(5月9日まで)にクリミア半島で起工される]

造船工場『ザリフ』も、ロシア海軍新世代汎用揚陸艦を建造する用意がある事を認めました。
[クリミア半島ケルチのザリフ造船所はロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)を建造する準備を整えている]

2隻の汎用揚陸艦の建造費は、ほぼ1000億ルーブルになるようです。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造費は1000億ルーブルになる]
因みに1000億ルーブルは、プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)フリゲート4隻分に相当します。

当初、2隻の汎用揚陸艦の起工は、2020年5月9日の大祖国戦争勝利75周年記念日に予定されており、起工に先立つ建造契約の締結は、2020年4月末までに行なわれる予定でした。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は大祖国戦争勝利75周年記念日の2020年5月9日に起工される]
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約は2020年4月末までに締結される]

しかし、最近の新型コロナウイルス流行の影響により艦の起工は延期され、これに伴い建造契約の締結も先送りされ、5月22日までに締結されました。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約が締結された]

2隻の汎用揚陸艦の具体的な起工時期は未だ決まっていないようですが、最近では、『ロシア海軍の日』(7月の最終日曜日、今年は7月26日)が有力視されているようです。


2隻の汎用揚陸艦の艦名は、以前にはロシア向け「ミストラル」型に命名されていた「セヴァストーポリ」「ウラジオストク」になるようです。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)はセヴァストーポリ、ウラジオストクと命名される]

以前、セヴァストーポリ市の要望に応え、汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦は「セヴァストーポリ」と命名されると報じられているので、2番艦が「ウラジオストク」になるようです。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦はセヴァストーポリと命名される]

ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ納入された

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『タス通信』より
2020年5月28日20時54分配信
【潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」の受領証書は5月28日に署名された】
モスクワ、5月28日/タス通信

戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は5月28日にロシア海軍へ納入される。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「本日(5月28日)、クニャージ・ウラジーミルの受領証書へ署名され、巡洋艦はロシア海軍へ納入されました」
対談者は話したが、(海軍)旗掲揚式典が何時行なわれるのかは明確にしなかった。

以前、北方艦隊は、巡洋艦白海での検査試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ到着したと伝えた。
ミサイル及び水中射撃を含む「クニャージ・ウラジーミル」の試験の主な部分は2019年末に実施された。

「クニャージ・ウラジーミル」は、改プロジェクト955A「コード名「ボレイ-A」第4世代原子力潜水艦のトップ艦である。
プロジェクト955及び955A潜水艦海洋工学中央設計局『ルビーン』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
各艦は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。
国防省によると、改プロジェクト潜水艦は、低騒音、より良い操艦システム、深度維持システム、そして更には改善された兵器管制システムを有する。


『タス通信』より
2020年5月28日23時23分配信
【潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」はロシア連邦海軍へ納入された】
モスクワ、5月28日/タス通信

戦略用途水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」ロシア連邦海軍へ納入された。
木曜日、『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「本日・5月28日、『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で、戦略用途水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルの受領証書への署名が行なわれました」
広報サービスは話した。

この文書には、海軍総司令部の艦の国家受領委員会の代表アレクセイ・ポテシキン『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコ海洋工学中央設計局『ルビーン』設計主任セルゲイ・スハーノフ潜水艦の艦長ウラジスラフ・ドルジンが署名した。

「原子力潜水艦クニャージ・ウラジーミルの建造は、私共が最高の造船の伝統を開発し続けている事の証であり、その土台は、卓越した作業と、科学者、設計者、造船業者の高い責任感です。
この艦は、戦略ロケット艦のラインの新たな作品です。
クニャージ・ウラジーミルは、より現代的な特性を有しております。
今後、艦への聖アンドレイ旗掲揚式典が行なわれ、海軍へ移管されます」

広報サービスはブドニチェンコの談話を引用した。

次に、原子力水中巡洋艦の艦長ドルジン1等海佐は、航行試験の実施中に乗組員は艦を完全に研究してマスターし、与えられた任務を遂行する準備を整えている事を指摘した。
「海軍へ加入する公式の日付は、艦への最初の聖アンドレイ旗掲揚式典が開催される時です」
彼は話した。

以前、北方艦隊は、巡洋艦白海での検査試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ到着したと伝えた。
ミサイル及び水中射撃を含む「クニャージ・ウラジーミル」の試験の主な部分は2019年末に実施された。

[ボレイ-A]
「クニャージ・ウラジーミル」
は、改プロジェクト955A「コード名「ボレイ-A」第4世代原子力潜水艦のトップ艦である。
プロジェクト955及び955A潜水艦海洋工学中央設計局『ルビーン』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
各艦は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。

国防省によると、改プロジェクト潜水艦は、低騒音、より良い操艦システム、深度維持システム、そして更には改善された兵器管制システムを有する。



[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]


2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]

2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]

2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]


「クニャージ・ウラジーミル」北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。
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「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。

「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]

2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]

その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。

11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]

洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]

造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]

まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]

試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」セヴェロドヴィンスクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した]

5月28日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
ただし、これだけでは正式にロシア海軍へ就役したとは見なされません。

正式なロシア海軍への就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、6月中旬に開催される予定です。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルは2020年6月末にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を続ける

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2020年5月27日18時45分配信
【バルト艦隊は大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」の工場航行試験を保障する】

バルト艦隊戦闘艦、補助艦隊の船、海上航空隊及び沿岸部隊は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」の工場航行試験を保障する。

艦隊主要基地~バルチースクでの試験中、艦の揚陸セクションで、大型揚陸艦の傾斜プラットフォームを介して、バルト艦隊海軍歩兵連合部隊及び第11軍団の要員、様々な種類の装甲車両(戦車、装甲輸送車など)の乗船及び下船を行なった。

海上での試験中、戦闘艦及び船は、バルト艦隊の戦闘訓練エリアでの大型揚陸艦の乗組員の砲射撃を保障する。
海上航空隊航空機及びヘリコプターは、艦の電波工学手段の上空飛行を行なう。

プロジェクト11711艦は、13両までの重車両(戦車)、或いは36両までの歩兵戦闘車装甲輸送車、更には揚陸強襲部隊の要員を艦内に受け入れる事が可能である。
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[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]

海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]

洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]

結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

工場航行試験は6月初頭の完了が予定されており、その後、次の段階である国家試験が始まります。

国家試験が終わった後に「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍へ引き渡される事になりますが、その具体的な時期は、現段階では未定のようです。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海でヘリコプターの着艦試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2020年5月26日13時15分配信
【バルト艦隊の飛行士は最新コルベット「グレミャーシチー」の甲板で試験着艦を行なった】

最新のプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」の国家試験実施の枠組みで、バルト艦隊海上航空隊の飛行士は、艦の甲板への着艦を行なった。

試験中に飛行士は航空複合体バルト艦隊海上航空隊艦載ヘリコプターの動作を点検し、コルベットの上空飛行を行ない、様々な気象条件下の昼間及び夜間にそこへ着艦した。
試験には、艦隊海上航空隊ヘリコプター連隊艦載ヘリコプターKa-27が関わった。
週末までにヘリコプター乗員は、航行中、投錨、停止中のコルベットの甲板で10回以上の発艦及び着艦を行なう。

以前、艦の乗組員は、白海の沿岸及び海上目標への有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の射撃を実施した。

バレンツ海では砲装置A-190AK-630の模擬空中目標への射撃を実施し、更に新たな風貌の海洋兵器を使用した水中及び水上目標への魚雷射撃へ取り組んだ。

コルベット「グレミャーシチー」は、プロジェクト20385のトップ艦である。
これは、以前のプロジェクト20380コルベットの改善ヴァージョンである。
新たな艦は、打撃能力、更には対空防衛システムが強化されている点で前任者と異なる。

ロシア海軍及び外国海軍の為の新たな機材の試験は、バルト海の海上射爆場で恒常的に行なわれている。
これらの活動の支援には、バルト艦隊艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が常に関わっている。



プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。

[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]

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プロジェクト20385プロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

20380対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃巡航ミサイル「カリブル」を装備します。

当初、プロジェクト20385には、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]

この為、設計を変更してロシア『コロムナ工場』ディーゼルエンジン「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

2016年4月末、『コロムナ工場』ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった]

2016年5月19日までにディーゼルエンジンの設置作業は完了しました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]

2017年6月30日、「グレミャーシチー」の進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは進水した]

2018年1月から造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"乗組員は艦内への居住を準備する]

「グレミャーシチー」の洋上試験(工場航行試験)開始は、当初の予定(2019年3月)より遅れ、2019年4月21日になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を開始した]



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5月初頭に一旦クロンシュタットへ戻っていた「グレミャーシチー」は、5月6日に出航し、2回目の洋上試験をフィンランド湾で開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2回目の洋上試験を開始した]

洋上試験中の5月8日、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時クロンシュタットへ戻りました。

5月9日の戦勝記念日をクロンシュタット軍港で祝いました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験中に大祖国戦争勝利74周年を祝った]

祝賀行事を終えた後、「グレミャーシチー」は、フィンランド湾で洋上試験を続けました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はフィンランド湾で航行試験を続ける]

「グレミャーシチー」の洋上試験(工場航行試験)の第1段階は2019年6月下旬までに完了しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験の第1段階を終えた]

「グレミャーシチー」は、7月28日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


そして8月20日に洋上試験(工場航行試験)を再開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を再開した]

「グレミャーシチー」の洋上試験はバルト海で続けられ、10月4日にはヘリコプターの発着試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海でヘリコプターの発着試験を行なう]

その後、「グレミャーシチー」は工場航行試験を完了してカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ移動しました。

11月初頭にカリーニングラードを出航し、11月13日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着した]
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12月6日、「グレミャーシチー」は、最終洋上試験~国家試験を行なう為に白海へ出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で試験を行なう]

12月9日、「グレミャーシチー」は、白海汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で対艦ミサイル"カリブル"と"オーニクス"を発射した]

12月11日、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月15日までに「グレミャーシチー」白海での試験を完了し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海での試験を完了した]

セヴェロモルスク到着後、「グレミャーシチー」は12月27日にバレンツ海へ出航し、砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で砲撃試験を行なった]

「グレミャーシチー」ロシア海軍への引き渡しは、2019年12月末に予定されていましたが、洋上試験を全て終える事が出来なかった為、2020年に延期されました。
[近代化されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"と新造コルベット"グレミャーシチー"及び"ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は2020年にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

2020年1月12日、「グレミャーシチー」は洋上試験を再開する為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で洋上試験を再開した]

1月14日には魚雷の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で魚雷を発射した]

1月中旬までにバレンツ海での試験は全て完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海での洋上試験を完了した]

3月11日、「グレミャーシチー」セヴェロモルスク基地から出航し、バルト海へ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はセヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]
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5月19日、「グレミャーシチー」バルト海で最終洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

5月26日には艦載ヘリコプターの着艦試験を行ないました。

現在の所、「グレミャーシチー」ロシア海軍への引き渡しは、2020年6月末頃に予定されています。
就役後は、太平洋艦隊へ配備されます。

ロシア海軍北方艦隊のバレンツ海対潜演習は完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月26日11時35分配信
【北方艦隊の艦はバレンツ海での対潜演習を完了する】

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」コラ多種戦力小艦隊水域防護旅団小型対潜艦は、バレンツ海での対潜演習を完了する。

艦の演習は数日間続いた。
近海ゾーンでの仮想敵潜水艦の為、軍事船員は対潜航空隊との連携へ取り組んだ。
バレンツ海の演習の様々な段階で、沿岸飛行場から行動する対潜航空機Tu-142、Il-38、そしてヘリコプターKa-27PLの乗員が任務を遂行した。

捜索打撃艦グループに対抗したのは、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊潜水艦連合部隊の数隻の潜水艦であった。
実施された演習の結果は、北方艦隊司令部で討議、分析される。

本日(5月26日)、対潜部隊は演習の終了段階へ取り組み、コラ半島の恒久駐留所へ戻る。



ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」が参加する北方艦隊の対潜演習は、2020年5月22日からバレンツ海で始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で対潜演習を行なう]

この他、第270親衛小型対潜艦大隊所属の小型ロケット艦「スネシュノゴルスク」「ユンガ」も演習へ参加しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月22日19時37分配信
【北方艦隊の捜索打撃艦グループはバレンツ海で潜水艦の捜索演習を開始した】
「マルシャル・ウスチーノフ」「セヴェロモルスク」「スネシュノゴルスク」「ユンガ」がペアになり、それぞれ捜索打撃艦グループとして行動します。

「敵役」を務めたのは、ポリャールヌイ基地に駐留する第161赤旗ウシャコーフ勲章授与潜水艦旅団通常動力潜水艦です。
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セヴェロモルスク-1飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38キぺロヴォ飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142も演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の対潜演習はバレンツ海で続く]

対潜演習は5月26日に終了し、参加艦は基地へ戻りました。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはヘリコプターの発着訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年5月26日5時45分配信
【太平洋艦隊海上航空隊のヘリコプターKa-27乗員は大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」で発艦と着艦へ取り組んだ】

本日(5月26日)、戦闘訓練計画に沿って、ウラジオストク沖のピョートル大帝湾で、沿海地方太平洋艦隊海上航空隊の駐屯基地のヘリコプターKa-27乗員は、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」の甲板での組織的な発艦及び着艦、更には艦へ駐留する為のヘリコプターの受け入れへ取り組んだ。

実地訓練には、2機のヘリコプターKa-27捜索救助ヴァージョン対潜ヴァージョンが参加した。
日中に飛行士は大型対潜艦乗組員と連携し、移動中及び停止中の戦闘艦の甲板で15回の発艦及び着艦を行なった。
更に、ヘリコプターKa-27PS乗員は、マネキンを実際に水上から上げる海上に浮かぶ人員の捜索救助の練習任務へ取り組んだ。

訓練中、ヘリコプターは艦で燃料給油を行なった。



プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、1980年4月19日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のA.A.ジダーノフ記念造船工場(現「北方造船所」)で起工され、1983年3月26日に進水し、1986年2月15日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
[ウダロイ型6番艦「アドミラル・トリブツ」]

2009年6月29日から11月16日まで初のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
[ロシア海軍第4次ソマリア遠征]

2011年12月10日から2012年5月3日まで2度目のソマリア海賊対処任務の為、アデン湾へ派遣されました。
アデン湾から帰港途中に中国海軍との合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装が始まりました。

ガスタービンエンジンクロンシュタット海洋工場で修理されました。
[ロシア海軍艦艇のガスタービンエンジンの修理はクロンシュタットで行なわれる]

「アドミラル・トリブツ」の近代化改装は電子機器の交換がメインであり、新たに汎用射撃管制システム「バギラ-M」、戦闘情報管理システム「シグマ」、航海レーダーMR-231、MR-231-3が搭載されました。

汎用射撃管制システム「バギラ-M」
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【戦闘情報管理システム「シグマ-E」】

【航海レーダーMR-231】

【航海レーダーMR-231-3】

これに伴い、ディーゼル発電機も、従来の200kw×1基から300kw×2基に換装されました。


近代化改装を終えた「アドミラル・トリブツ」は、改装後の試験を兼ねて出航し、2016年6月20日に他の艦艇と共に宗谷海峡を東へ通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦艇、宗谷海峡通過(2016年6月20日)]

2016年7月に艦隊へ復帰しました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

2016年9月4日にウラジオストクを出航して中国へ向かい、中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加し、10月5日に帰港しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

2016年10月15日にウラジオストクを出航し、インド洋へ向かいました。
12月14日から21日までインドを訪れ、インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2016』(2016年12月)]
インドからの帰路にフィリピン、韓国、日本を訪問し、2017年1月25日にウラジオストクへ帰港しました。

2017年2月上旬に日本海で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは戦闘機Su-35Sと対空戦闘訓練を行なった]
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2017年6月15日には沿海地方ニコラエフカ基地に駐留する艦上対潜ヘリコプターKa-27PL及び艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]

2017年9月下旬には、日本海オホーツク海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

2017年9月24日には他の合同演習参加艦船と共にラペルーズ海峡を東へ通過し、オホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

合同演習終了後もオホーツク海・カムチャツカ方面に留まり、10月28日にラペルーズ海峡を西へ通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2017年10月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

2018年1月と2月にピョートル大帝湾で演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で演習を行なった]

2018年3月下旬の太平洋艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは対空戦闘訓練を行ない、短距離艦対空ミサイルを発射した]


2018年5月7日から7月12日まで東南アジアへの遠距離航海を行ない、日本にも寄港しました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠洋航海(2018年5月-7月)]

2018年8月下旬の太平洋艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の40隻以上の艦船は日本海及びオホーツク海で演習を行なう]

2018年9月11日から17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の掃海艦艇は太平洋及びオホーツク海で掃海演習を行なった]

2019年3月下旬に日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは日本海で5日間に渡る演習を行なった]

2019年4月1日から6月15日まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊の東南アジア遠征(2019年4月-6月)]
この間、2019年4月29日~5月4日に黄海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

2019年8月末からオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]

2020年3月末~4月末の太平洋艦隊オホーツク海演習へ参加し、5月5日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

2020年5月26日、「アドミラル・トリブツ」は、対潜ヘリコプターKa-27PL及び捜索救助ヘリコプターKa-27PS(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留)の発着艦訓練を行ないました。
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特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年秋に原子力無人水中機ポセイドンの最初の発射試験を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年5月26日5時5分配信
【情報筋は「ポセイドン」の初めての発射が何時行われるのか話した】
モスクワ、5月26日-ロシア通信社ノーボスチ

無人水中装置「ポセイドン」の最初の発射は今秋に計画されている。
『ロシア通信社ノーボスチ』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

発射は、彼によると、この無人機の最初の試験搭載艦である原子力潜水艦「ベルゴロド」から行なわれる。

「組み立てられた形状のポセイドンは未だ無く、各ユニット及び設備の試験は行われています」
対談者は付け加えた。

『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコが発言したように、「ベルゴロド」は9月に海軍への引き渡しが計画されている。

多目的原子力潜水艦「ベルゴロド」プロジェクト949A「アンテイ」(「クルスク」の同類)に属し、「ポセイドン」システムの為に特別にプロジェクト09852へ改造された。
潜水艦は、2019年4月にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で進水した。

『ロシア通信社ノーボスチ』への防衛企業体の情報提供者によると、「ポセイドン」の最初の標準搭載艦となるプロジェクト09851原子力潜水艦「ハバロフスク」は、数ヶ月以内の進水が計画されており、試験は少なくとも2年間続く。

この潜水艦の戦術-技術的特性は、公式には明らかにされていない。
しかし、情報筋から公開されているデータによると、その排水量は約1万トンとなり、速力は30~32ノット、潜航深度500メートル、自立航行期間は120日、乗組員は少なくとも100名である。

「ポセイドン」の開発は、大統領ウラジーミル・プーチンが2018年の連邦教書演説において初めて表明した。
彼によると、このような無人機は通常弾頭または核弾頭を装備でき、航空母艦グループ、沿岸防御施設及びインフラストラクチュアを含む広範囲の目標の撃破が可能である。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年5月26日3時3分配信
【情報筋は最初の「ポセイドン」搭載艦の試験について話した】
モスクワ、5月26日-ロシア通信社ノーボスチ

無人水中装置「ポセイドン」の最初の試験搭載艦であるプロジェクト09852原子力潜水艦「ベルゴロド」の試験は、1年半続く。
『ロシア通信社ノーボスチ』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「試験が成功した場合、潜水艦は海軍への引き渡しの準備を行ないます」
対談者は付け加えた。

多目的原子力潜水艦「ベルゴロド」プロジェクト949A「アンテイ」(「クルスク」の同類)に属し、「ポセイドン」システムの為に特別にプロジェクト09852へ改造された。
潜水艦は、2019年4月にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で進水した。

『ロシア通信社ノーボスチ』への防衛企業体の情報提供者によると、「ポセイドン」の最初の標準搭載艦となるプロジェクト09851原子力潜水艦「ハバロフスク」は、数ヶ月以内のの進水が計画されており、試験は少なくとも2年間続く。

プロジェクト09851原子力潜水艦「ハバロフスク」の戦術-技術的特性は、公式には明らかにされていない。
しかし、情報筋から公開されているデータによると、その排水量は約1万トンとなり、速力は30~32ノット、潜航深度500メートル、自立航行期間は120日、乗組員は少なくとも100名である。

「ポセイドン」の開発は、大統領ウラジーミル・プーチンが2018年の連邦教書演説において初めて表明した。
彼によると、このような無人機は通常弾頭または核弾頭を装備でき、航空母艦グループ、沿岸防御施設及びインフラストラクチュアを含む広範囲の目標の撃破が可能である。



[大洋多目的システム「ポセイドン」]

2018年3月1日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は教書演説を行ない、この中で、ロシアが開発中の各種新兵器に言及しました。
『タス通信』より
2018年3月1日18時25分配信
【プーチンが話したロシアの超兵器はどのようなものか】

この演説の中でプーチン大統領は、ロシア海軍「無人水中装置」について話しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月1日13時36分配信
【プーチンは水中システムの為の新たな原子力推進について話した】


プーチン大統領教書演説の後、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将「無人水中装置」について記者団へ説明しました。
[ロシア海軍の為の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)の開発は進められている]

コロリョーフ提督は、この原子力推進「無人水中装置」「大洋多目的システム」と呼んでおり、原子力潜水艦に搭載され、敵の領域付近で使用されると述べています。

この「大洋多目的システム」は、以前から開発が噂されている大洋多目的システム「スタトゥース6」の事でしょう。

これは、2015年11月10日のプーチン大統領ロシア連邦軍首脳の会議について報じたニュース映像の中で「偶然」映った図面に描かれていたのが発端でした。
(動画の1:45から大洋多目的システム「スタトゥース6」の説明図が映っています)
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2015年11月12日20時17分配信
【知られざるプロジェクト「スタトゥース6」】


大洋多目的システムは、敵の海軍基地や、航空母艦グループなどを撃破する為の兵器です。
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その後、ロシア国防省は、この「原子力無人水中装置」などの公式に名前が付いていない新兵器の愛称を公募しました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2018年3月23日4時27分配信
【ロシアは新たな国産兵器の為の名前を公表した】

その結果、原子力無人水中装置「ポセイドン」と命名されました。

その他の候補には「アヴローラ」、「プリボイ」などが有りました。


大洋多目的システム(原子力無人水中装置)「ポセイドン」『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、同プログラムの末までにロシア海軍へ制式採用されます。
「ポセイドン」の搭載艦は、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造される原子力潜水艦になります。
[大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは『2018-2027年の国家軍備プログラム』において開発され、ロシア海軍へ採用される]

「ポセイドン」は2メガトンの核弾頭を搭載できるようです。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンは2メガトンの核弾頭を搭載する]

大洋多目的システム「ポセイドン」の動力には、液体金属(鉛ビスマス合金)冷却原子炉が使用される可能性も有ります。
[ロスアトムはロシア軍(海軍)の為の新たな液体金属冷却原子炉を開発する]



「ポセイドン」の動力となる原子力機関の海上での試験は2018年後半に始まりました。
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの試験は進められている]
[ロシア海軍の大洋多目的システム(原子力推進水中無人機)ポセイドンの水中試験は始まっている]

具体的な試験実施場所は明らかにされていませんが、おそらくは白海沿岸のネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場でしょう。
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この他、試験潜水艦「サロフ」(2008年8月7日就役)と救助曳船「ズヴェズドーチカ」(2010年7月24日就役)も試験に従事しているようです。
[ロシア海軍の試験潜水艦サロフは水中ロボットの試験に従事する]

試験潜水艦「サロフ」
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救助曳船「ズヴェズドーチカ」
(曳航しているのは「ポセイドン」の試験台)
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「ポセイドン」の水中速力は時速200キロメートル(約110ノット)以上になり、ソヴィエト連邦時代に開発された超高速ロケット魚雷「シクヴァル」と同様のスーパーキャビテーション技術が使われるようです。
[ロシア海軍のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの水中速力は110ノット以上となる]

ロシア海軍は、「ポセイドン」北方艦隊太平洋艦隊へ配備します。
[ロシア海軍は合計32基のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを太平洋艦隊と北方艦隊へ配備する]

2019年2月2日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、「ポセイドン」の試験の最も重要な段階が完了したと述べました。
それ以上具体的な事には言及していませんが、おそらくは、動力となる原子力推進装置に関する試験でしょう。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの試験の重要な段階が完了した]

「ポセイドン」は完全自立制御システムを有する一種の水中ロボットであり、敵の対潜防御線や機雷源なども回避できるとの事です。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンは自立して敵の防護システムを回避できる]


「ポセイドン」の動力となる原子力推進装置の水中試験において、その所定性能~事実上無制限の航続距離と時速200キロメートル(110ノット)以上の最大速力は確認されました。
[ロシア海軍の為のスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンの原子力推進装置の所定性能が確認された]

2019年4月23日、「ポセイドン」システムを搭載可能なプロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(2012年12月20日再起工)がセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で進水しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはスーパーキャビテーション原子力水中無人機ポセイドンを搭載する]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」からの最初の「ポセイドン」発射試験は2020年秋の実施が予定されています。

「ポセイドン」システムは、2021年にロシア海軍へ軍備採用(制式採用)されるようです。
[スーパーキャビテーション原子力水中無人機システム"ポセイドン"は2021年にロシア海軍へ制式採用される]


「ベルゴロド」以外にも、「ポセイドン」システムを搭載可能なプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」(2014年7月27日起工)が『セヴマシュ』で建造されています。
[原子力水中無人機システム"ポセイドン"を搭載する特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクは2020年6月末以降に進水する]

ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で多用途複座戦闘機Su-30SMと『対決』した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年5月26日8時30分配信
【小型ロケット艦「イングシェチア」乗組員は黒海エリアで対空防衛演習を実施した】

黒海艦隊小型ロケット艦「イングシェチア」乗組員は、黒海エリアで対空防衛演習を実施した。

演習は、黒海艦隊海洋襲撃機航空連隊に所属する多目的戦闘機Su-30SMのペアの提供により行なわれた。

演習計画下で仮想敵の役割を演じる航空機は、艦へミサイル打撃を与えなければならず、小型ロケット艦の乗組員は、空中からの脅威を撃退し、破壊しなければならなかった。

活動中に小型ロケット艦「イングシェチア」の対空防衛戦闘班は、空中の脅威を探知し、乗組員は電波電子戦闘手段を使用してパッシブ妨害を設定したが、Su-30SM乗員は、艦へ航空打撃を与える試みを続けた。

照準手段のデータを利用して艦のミサイル-砲戦闘班は、目標のコースを追跡し、ミサイル及び砲兵装を用いる事により、敵航空機を仮想破壊した。

演習は、艦隊戦力の戦闘訓練計画に沿って黒海エリアで実施された。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の8番艦「イングシェチア」は、ゼレノドリスク『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年8月29日に起工されました。
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それから約5年経った2019年6月11日に進水しました。


[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは進水した]

2019年8月中旬、ロシア内陸水路経由でゼレノドリスクから黒海沿岸へ回航されました。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海へ回航された]
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9月30日、「イングシェチア」ノヴォロシースク海軍基地から出航し、黒海で洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海で洋上試験を開始した]

10月25日にはセヴァストーポリへ到着しました。
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その後、同港を出港し、10月28日には黒海艦隊多用途複座戦闘機Su-30SMを「敵役」に見立てた対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海艦隊の戦闘機Su-30SMと対空戦闘訓練を実施した]

11月12日には有翼ミサイル「カリブル」及び100mm砲の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で巡航ミサイル及び砲の発射試験を行なった]

12月3日にも砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で砲撃試験を行なった]

「イングシェチア」の洋上試験は12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海での洋上試験を完了した]

2019年12月28日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催して正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。

[最新鋭小型ロケット艦イングシェチアはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後は、黒海で乗組員の慣熟訓練を行なっています。

2020年4月28日には、黒海艦隊ロケット艇2隻と共に対艦ミサイルの仮想発射訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年4月28日9時38分配信
【黒海艦隊は仮想敵への組み合わせミサイル攻撃演習を実施した】

2020年05月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利75周年記念日には、黒海沿岸のヤルタで記念行事へ参加しました。



多用途複座戦闘機Su-30SMは、2014年7月から黒海艦隊海上航空隊第43独立海洋襲撃機航空連隊への配備が始まり、2016年12月には1個飛行隊(12機)が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]

2020年5月26日、「イングシェチア」黒海で防空演習を行ない、2機のSu-30SM「敵役」を務めました。

ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月25日12時46分配信
【修理後に大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」の航行試験は再開された】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された第2のプロジェクト11711大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、工場航行試験の最終段階の為にバルト海へ出航した。
5月25日・月曜日に同社広報サービスが伝えたように、大型揚陸艦の造船所への帰還は6月初頭に予定されている。


『ヤンターリ』の代理人は、艦が3月末に試験を一時中断し、修理作業を行なう為に造船所へ戻ったと説明した。

「試験中、艦の水圧システムの一部の箇所が故障しました。
今や全ての問題点は除去され、大型揚陸艦は海上に居ます」
プロジェクト11711
主任アンドレイ・パルフェノフは指摘した。

工場航行試験の最終段階で、艦は砲射撃を実施する。
「ピョートル・モルグノフ」は6月初頭に国家試験への移行が計画されており、それが完了すると発注者へ引き渡されると工場『ヤンターリ』広報サービスは付け加えた。

「ピョートル・モルグノフ」は2015年に『ヤンターリ』で起工され、2018年5月25日に進水した。
工場航行試験は再三に渡った延期の後、2019年12月中旬にスタートした。

2020年3月後半、艦の工場航行試験が再開された事が知られるようになった。

3月末、メディアへ、大型揚陸艦は工場航行試験の今次段階の後に一連の追加作業が必要であるとの情報が出てきた。
その後、『統合造船業営団』広報サービスは、艦は4月後半に再び試験へ出ると伝えた。

[『Mil.Press FlotProm』参照]
プロジェクト11711艦
の排水量は5000トン、船体長120メートル、幅16.5メートル。
速力18ノット。乗組員100名。
艦は13両の戦車或いは36両の装甲歩兵車両、更には300名までの揚陸隊員を収容できる。

大型揚陸艦の武装は、2基の6銃身30mm自動砲AK-630と1基の2連6銃身30mm自動砲AK-630-M2である。
甲板には、捜索救助ヘリコプターKa-27PS或いは輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]

海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]

洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]

結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。

工場航行試験は6月初頭の完了が予定されており、その後、次の段階である国家試験が始まります。

国家試験が終わった後に「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍へ引き渡される事になりますが、その具体的な時期は、現段階では未定のようです。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍とシリア海軍はタルトゥース港で合同演習を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年5月25日5時2分配信
【ロシア軍とシリア軍はタルトゥース港で合同演習を実施した】
タルトゥース(シリア)、5月25日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア及びシリアの将兵は、ロシア連邦の海軍基地が位置するタルトゥース港を破壊工作団から防護する合同演習を実施した。
ルトゥース駐留所司令ヴャチェスラフ・ロジオノフロシアの報道陣へ伝えた。

「シリア・アラブ共和国海軍とロシア連邦海軍の合同戦術演習が行なわれ、合同戦術演習中にタルトゥース駐留所の普遍的な防衛の問題へ取り組みました。
計画された演習の全ての目標は達成され、シリア・アラブ共和国海軍とロシア海軍は、タルトゥース海洋駐留所を保護し、防衛する準備を整えております」
ロジオノフ
は話した。

演習の筋書きの下、4名の水中破壊工作員は、自家製爆発装置を備えた敷設物の水底への設置を試みた。
彼らが居る可能性の有る場所へ、ロシア対水中工作艇「ラプトル」が到着した。
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ロシア軍シリア軍は、2名の破壊工作員を倒し、あとの2名は姿を消す事を試みた。
艇から地中海の水中へロシアの戦闘泳者が飛び込んだ。
破壊工作員は検挙され、ロシアの軍警察が待つ海岸へ連行された。

水中破壊工作員は、高速艇で海軍基地への侵入を試みる容疑者グループと一緒に行動した。
彼らは、離脱に成功しなかった。
「ラプトル」に支援されたもう1隻の艇「キネリ」がやって来て、容疑者を纏めて海岸まで連行した。

2隻の艇の為の水路は、最新のロシア製機雷掃海艦の1隻である「イワン・アントノフ」により清掃された。
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その乗組員は、複数の水中浮遊機雷を探知し、破壊した~いくつかは積載爆薬で、他は照準砲撃で。

「我々には艇で行動する破壊チームが有り、普段は手漕ぎボートで行なわれます。
新たな艦には、これに沿って舟艇一式を装備し、古い艦にはボートは有りません。
これは最も重要な経験であり、機雷の爆破の成功は、チームの取り組みに依存し、同時に多くの微妙な差異があります~海上の波、構成要員の訓練、まず初めに要員の訓練であります」
掃海艦
のエンジニア、ダニール・レメゾフは話した。

演習へは更に、シリア海軍掃海艇及びロケット艇が参加した。



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現在、シリアタルトゥースには、ロシア海軍第720物資-技術供給所が置かれています。
元々は、ソ連邦海軍時代の1971年に設立されたものです。

これは、地中海東部で行動するロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。

ロシア海軍は2013年初頭から地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、地中海ロシア海軍艦船を統一指揮する為、「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]

2015年10月には、タルトゥース港内の浚渫作業が行なわれました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥース港の浚渫作業を行なった]

2016年10月、ロシア国防省は、タルトゥースへ恒常的な海軍基地を作成する意向を示しました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースへ恒常的な基地を作る]

2016年12月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥースの海軍基地の拡張に関するシリアロシアの協定に関する法令へ署名しました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地は拡張される]

2017年1月20日までに、ロシアシリアは、タルトゥースの海軍基地に関する新たな協定へ署名しました。
新たな協定により、ロシア海軍は今後49年間タルトゥースを自由に使用できるようになります。
[ロシアとシリアはタルトゥースのロシア海軍基地に関する新たな協定を締結した]

協定は2017年12月にロシア連邦議会で批准され、正式に発効しました。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]

2019年にはタルトゥースへ新たな艦船修理施設が開設される事になり、2019年10月15日から稼働を開始しました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍艦船修理所は2019年10月15日に操業を開始する]


2019年12月には、タルトゥースロシア海軍シリア海軍との合同演習が行なわれました。

[シリア沖でのロシア海軍地中海作戦連合部隊とシリア海軍の合同演習は完了した]

そして2020年5月25日、再びタルトゥースロシア海軍シリア海軍との合同演習が行なわれました。

ロシア海軍からは、対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」対水中工作艇「キネリ」が参加しました。

シリア海軍からは、ロケット艇掃海艇が参加したとの事ですから、おそらくはオーサ級ミサイル艇(プロジェクト205)エフゲーニャ級泊地掃海艇(プロジェクト1258)でしょう。
『Oryx Blog - ジャパン』より
2017年1月13日配信
【フォトレポート:シリア・アラブ海軍】


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」2019年3月中旬から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」2020年4月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」2020年5月下旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年5月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」:2020年5月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「カデート」2020年5月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-362020年5月下旬から地中海東部に滞在
工作船PM-562020年3月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは大西洋上で赤道を越えた

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月25日8時49分配信
【クロンシュタットへのルート上で大洋調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は赤道を越えた】

ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は赤道を越え、大西洋上の承認された進路を進む。
ロシア連邦国防省広報サービスは、船がクロンシュタットへ戻るのは6月上旬に予定されている事を確認した。


ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、アドミラルティ地区での会議において、2019年12月から南極発見200周年及びイワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン提督生誕250周年記念日へと捧げられる世界一周探検を行なってきた大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」の歓迎式典の準備を管理組織長へ命じた。

「特に重要なのは、大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーのユニークな航海が、大勝利75周年に行なわれた事です。
今、世界一周探検は完了段階が進行中です」
ニコライ・エフメノフ大将
は強調した。

以前、南極デュルヴィル海で乗組員と水路学者は一連の海洋学調査を行ない、南磁極点の場所を特定した。
更に、太平洋艦隊水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」との会合を行なった。

5月中旬に「アドミラル・ウラジーミルスキー」喜望峰の真横を通過し、アフリカ南端を迂回した。

探検中に得られたデータは、全ての海と大洋の海上航海地図の情報を明確化する為に使用される。
航海の他の目的の中には、遠海ゾーンでの困難な気象条件下での水文気象状況の研究と分析、船の航路上での危険な気象現象の発生の絶え間ない監視の実施がある。

「アドミラル・ウラジーミルスキー」プロジェクト852大洋研究調査船であり、建造された6隻の船から成るシリーズの中で唯一現役に留まっている。
水流観測、化学水文学分野の研究、海洋生物学観測、海洋気象学、光量測定、波動観測、高層気象学観測の為に意図されている。



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プロジェクト852大洋研究調査船の3番船「アドミラル・ウラジーミルスキー」は、ポーランドグダニスク造船所で1973年12月1日に起工され、1974年4月4日に進水、1975年5月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

1990年から1994年までポーランドでオーバーホールを行ない、その後、バルト艦隊へ転属し、クロンシュタットへ回航されました。

2014年8月18日には北極海遠征に出発し、北極海を横断して10月下旬にはウラジオストクへ入港しました。

その後、太平洋を横断してパナマ運河を通過し、カリブ海へ行き、大西洋を横断して2015年1月17日にクロンシュタットへ帰投しました。


2015年11月6日には南極遠征へ出発し、2016年4月に帰投しました。
この間、アルジェ(アルジェリア)、スエズ(エジプト)、ジッダ(サウジアラビア)、ヴィクトリア(セーシェル諸島)、マダガスカル、マプト(モザンビーク)、ケープタウン(南アフリカ)、マラボ(赤道ギニア)、ルアンダ(アンゴラ)、リスボン(ポルトガル)を訪問しました。

南極遠征


帰港



なお、この「アドミラル・ウラジーミルスキー」の南極遠征に関し、全く根も葉もないデマを流布している者達が居ます。

2016年3月21日
【古代プラズマ兵器「ガブリエルの箱舟」ついに発見される!? 現在プーチンが南極に輸送中!】

2016年3月24日
【ガブリエルの箱舟】

2017年3月20日
【ロシア海軍が南極に運んだ究極のプラズマ兵器「ガブリエルのアーク」】

無論言うまでもなく、これらのページに書いてある事は全てデタラメです。
少し・・・頭冷やそうか・・・

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2017年12月にはインド洋の調査航海へ出発しました。


なお、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には、2018年3月の時点で17名の女性乗組員が居ました。
(同船は乗組員170名+研究要員80名)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2019年3月8日3時1分配信
【(ロシア)海軍総司令官は国際女性デーに艦隊の女性(将兵)への祝辞を述べた】

2018年6月8日に帰投しました。


2018年7月初頭からクロンシュタットでオーバーホール及び近代化改装が始まりました。
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オーバーホール完了後、2019年11月に洋上試験を行ない、バルト艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはオーバーホール後の航行試験を開始した]


2019年12月3日にクロンシュタットを出航し、南極調査航海へ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年に南極へ行く]
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極調査航海へ出発した]


2019年12月12日にはポルトガルリスボンへ寄港し、大西洋中部で2020年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイと大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは洋上で新年を迎える]
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2020年1月11日から15日までブラジルリオデジャネイロを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月15日1時2分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はリオデジャネイロ港への業務寄港を完了した】

2020年1月19日から21日までウルグアイモンテビデオを訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年1月19日22時15分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへ入った】

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その後、北方艦隊プロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」(2015年5月23日就役)と合流し、1月27日に南極べリングスハウゼン基地へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した]
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「アドミラル・ウラジーミルスキー」べリングスハウゼン基地周辺で1ヶ月間に渡り海洋調査を行ない、2月28日に同基地を去り、ウルグアイモンテビデオへ向かいました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極を去り、ウルグアイへ向かった]

3月5日にモンテビデオへ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月5日23時0分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を行なった】

現在、「アドミラル・ウラジーミルスキー」には20名の女性が乗っています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月7日7時0分配信
【ロシア海軍総司令官は世界一周探検中の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」船上の女性を祝福した】

3月10日にモンテビデオを出航し、再び南極へ向かいました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年3月10日17時56分配信
【大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」はモンテビデオへの業務寄港を滞りなく完了し、再び南極へ進路を取った】

3月16日に再び南極へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは再び南極へ到着した]

4月9日には、2020年3月3日にウラジオストクから南極へ向かった太平洋艦隊水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」デュルヴィル海で合流しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年4月9日16時27分配信
【ロシア海軍の大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は南極で合流した】

デュルヴィル海「マルシャル・ゲロヴァーニ」南磁極の測定を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水路調査船マルシャル・ゲロヴァーニは南磁極を調査した]
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その後、「アドミラル・ウラジーミルスキー」南極を離れてインド洋へ向かい、4月25日にセーシェル諸島へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーはセーシェル諸島へ到着した]
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何時ものパターンなら、ここで各種物資(燃料、水、食料)を補充し、乗組員は上陸する所ですが、今回は全世界的なコロナウイルス流行の為、物資の補充のみを行ない、乗組員の上陸は取り止めとなりました。

4月30日にセーシェル諸島を去り、5月15日には喜望峰沖を通過しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは喜望峰沖を通過した]
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5月24日に赤道を通過しました。
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今後、「アドミラル・ウラジーミルスキー」大西洋を北上し、6月上旬にクロンシュタットへ帰投します。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは2020年6月8日にクロンシュタットへ到着する]



記事中にロシア海軍の探検家提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルン(イワン・フョードロヴィチ・クルゼンシュテールン)の名前が出てきますが、同氏は1770年11月19日生まれですから、生誕250周年は2020年11月19日になります。
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この航海は南極発見200周年を記念するものでもありますが、ロシアでは、海軍軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・べリングスハウゼン(ファッデイ・ファッデーイヴィチ・べリンスガウゼン)が1820年1月28日に南極大陸を最初に発見したとされています。
(この他にも2名の候補が居る)
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ロシア海軍北方艦隊の対潜演習はバレンツ海で続く

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月24日19時43分配信
【北方艦隊の航空機Il-38乗員は、バレンツ海において艦と協同で潜水艦の捜索へ取り組んだ】

対潜航空機Il-38乗員は、バレンツ海で実施されている対潜演習において、北方艦隊捜索打撃艦グループとの連携へ取り組んだ。

飛行士と軍事船員は、仮想敵潜水艦捜索の枠組みで情報交換を行なった。
更に彼らは、水上艦部隊による海域での敵潜水艦の捜索及び探知の戦術へ取り組んだ。

この3日間、バレンツ海では、コラ多種戦力小艦隊水域防護旅団小型対潜艦と、大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」で構成される2個捜索打撃艦グループが戦闘演習任務を遂行している。
艦の乗組員は、仮想敵潜水艦を捜索する技量を向上させる。
北方艦隊潜水艦部隊コラ小艦隊の乗組員が、彼らに対抗する。

演習の各段階で、艦は更に、艦隊航空・防空軍遠距離対潜航空隊ヴォログダ州飛行場で活動する航空機Tu-142対潜飛行中隊~との連携へ取り組む。



ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」大型対潜艦「セヴェロモルスク」が参加する北方艦隊の対潜演習は、2020年5月22日からバレンツ海で始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で対潜演習を行なう]

この他、小型ロケット艦「スネシュノゴルスク」「ユンガ」も演習へ参加します。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月22日19時37分配信
【北方艦隊の捜索打撃艦グループはバレンツ海で潜水艦の捜索演習を開始した】
「マルシャル・ウスチーノフ」「セヴェロモルスク」「スネシュノゴルスク」「ユンガ」がペアになり、それぞれ捜索打撃艦グループとして行動します。

「敵役」を務めるのは、北方艦隊通常動力潜水艦のようです。

セヴェロモルスク-1飛行場に駐留する対潜哨戒機Il-38も演習へ参加します。
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今後は、キぺロヴォ飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142も演習へ参加します。
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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後の試験の為にバレンツ海へ出航した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月24日19時37分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は技術的準備状態回復後に海へ出た】

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、今期計画修理の後の機械、機構、艦上無線電波システム及び兵装の性能通りの動作を点検する為、バレンツ海へ出航した。
この数週間、艦はムルマンスク艦船修理工場で修理及びドック入りしていた。

艦のバレンツ海への出航は数日間続く。
この間に大型対潜艦の乗組員は、航行速力を含む技術的数値の必要な測定を行ない、艦の組織化及び兵器制御、更には艦のダメージコントロール、機器装置の様々な導入へ取り組む一連の演習を実施する。

基地へ戻ると大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の乗組員は、6月1日から始まるロシア連邦軍の夏季訓練期間の準備へ着手する。
夏季の間、艦には様々な海上舞台での地位連の重要な任務の遂行が待ち受けている。

プロジェクト1155大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、セヴェロモルスクに駐留する北方艦隊コラ多種戦力小艦隊対潜艦旅団の一員として加入している。
艦は、大西洋、インド洋、地中海、更には北極海への遠距離航海へ常に参加している。
艦隊の北極グループへ加わっている。
『海軍の日』へ捧げられる初のクロンシュタット主要海軍パレードへ参加した。
国際海軍演習、新たな風貌の兵器及び海軍機器、更には航空機の試験へ一度ならず参加した。

艦は、現代的な対潜水雷、ミサイル兵器、砲、対空防衛及び電波電子戦闘システム、電波工学及び水中音響兵装を装備する。
2機の対潜及び捜索救助装備のヘリコプターKa-27の搭載が可能である。



プロジェクト1155大型対潜艦の2番艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で1977年11月4日に起工、1980年5月16日に進水し、1981年12月26日に受領-引渡証書へ署名され、1982年1月10日に海軍旗初掲揚式典が開催されました。
[ウダロイ級2番艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ]

ソ連邦解体後、約10年間放置され、2000年代初頭から修理と近代化改装が始まりました。
[大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」近況]

2010年1月下旬から航海試験を開始し、同年12月7日に北方艦隊へ復帰しました。
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」、航海試験開始]

2011年8月、攻撃ヘリコプターKa-52の着艦試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]

2012年2月初頭からは乗員が契約軍人(志願兵)のみとなりました。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]

2012年5月から7月までアデン湾海賊対処任務に就きました。
(2012年4月6日出港・9月12日帰港)
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]

2013年5月から9月まで地中海、大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
(2013年5月11日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフは長期航海を終えて基地へ戻った]

2014年4月から翌2015年1月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
(2014年4月15日出港・2015年1月5日帰港)
[ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ地中海遠征(2014年4月-2015年1月)]

2015年3月から7月末までムルマンスク第35艦船修理工場ガスタービン機関を含むオーバーホールが行なわれ、8月初頭には修理後の点検の為の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはオーバーホール後に復帰した]

2015年10月23日から2016年4月4日まで地中海、インド洋への遠距離航海を実施しました。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2015年10月-2016年4月)]

2016年8月30日から10月7日まで北極圏遠征を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

2016年10月15日には、ロシア海軍機動部隊の一員として地中海東部へ向かいましたが、本隊よりも一足早く12月13日には帰港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはセヴェロモルスク基地へ帰投した]

2017年7月初頭、7月30日にクロンシュタットで行なわれる「ロシア海軍の日」観艦式へ参加する為にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]

7月30日には他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]


観艦式が終わった後も母港へは戻らず、大西洋を南下して地中海へ入り、更には紅海、アデン湾へ進出し、2017年9月1日から海賊対処任務に就きました。
[大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」アデン湾遠征(2017年8月-)]

海賊対処任務を終えた「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、10月17日にスエズ運河へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年10月17日11時0分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はスエズ運河へ入った】

10月21日にエジプトアレクサンドリア港訪問を終えて出航し、地中海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年10月21日17時42分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はエジプトのアレクサンドリア港への業務寄港を完了し、地中海へ出た】

11月3日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月3日10時16分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出た】

翌11月4日、ポルトガルリスボン港を訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月4日17時15分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はリスボン港へ寄港した】

11月27日、バレンツ海で砲撃演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月27日15時0分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海で砲射撃を実施した】

遠距離航海を終えた「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、11月28日にセヴェロモルスク基地へ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月28日14時53分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は遠距離航海を完了した】

帰投から約1ヶ月後の12月26日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月26日17時18分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海で対潜演習を実施した】


2018年1月23日にはヘリコプターの発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年1月23日17時25分配信
【北方艦隊の艦上航空隊は大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の発着場でヘリコプターの着艦へ取り組んだ】

3月21日にはヘリコプターの夜間の発着訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2018年3月21日18時6分配信
【北方艦隊の艦上ヘリコプター乗員はコラ湾で夜間着艦へ取り組んだ】


2018年3月23日、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」と一緒にバレンツ海へ出航し、対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクとヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった]

2018年3月末から4月初頭まで2隻とも北方艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を終えた]

2018年4月17日にも2隻揃ってバレンツ海へ出航し、対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクとヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なう]

7月19日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」バレンツ海へ出航し、ヘリコプターの発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海でヘリコプターの発着訓練を行なった]

その後、バレンツ海で対空戦闘訓練を行ない、7月23日には対潜演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対潜演習を実施した]

2018年8月8日から10月11日まで北極海への遠距離航海を行ないました。
この間、北極海を横断してベーリング海、更にはオホーツク海まで進出しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月) ]

2019年7月13日、対潜戦闘訓練を行なう為、北方艦隊基地セヴェロモルスクを抜錨し、バレンツ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは対潜演習を行なう為にバレンツ海へ出航した]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、バレンツ海で対潜戦闘訓練、Su-24前線爆撃機を「敵役」とした対空戦闘訓練、そして機雷掃討訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年7月16日15時58分配信
【北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海の対潜演習へ参加した】

7月21日には、北方艦隊原子力潜水艦が「敵役」を務める対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対潜演習を実施した]

2019年8月5日から9月30日まで北極海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2019年11月末にはバレンツ海で演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年11月25日16時25分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と大型揚陸艦「コンドポガ」はバレンツ海で連携へ取り組んだ】

2019年12月3日から2020年2月13日まで、大西洋、バルト海、地中海、黒海への遠距離航海を行ないました。
[ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ遠距離航海(2019年12月-2020年2月)]

帰投後、ムルマンスク『第35艦船修理工場』でオーバーホールが行なわれました。
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2020年5月24日、オーバーホールを完了した「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、修理後の試験も兼ねてバレンツ海へ出航しました。

ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリン、対破壊工作艇カデート、救助曳船SB-36は地中海東部へ向かった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年5月24日10時0分配信
【黒海艦隊の海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」、救助曳船SB-36と対破壊工作艇「カデート」はボスポラス及びダーダネルス海峡を通過する】

黒海艦隊海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」、救助曳船SB-36対破壊工作艇「カデート」は、黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通行を行なう。

艦船支隊は、遠海ゾーンのロシア連邦海軍常設グループの一員として加わる艦船の計画ローテーションに基づいてセヴァストーポリから地中海への計画移動を行なう。

海上移動を行なっている乗組員は、黒海艦隊戦闘訓練射爆場で複合艦上戦闘演習を実施した。

計画では、本日の日中が終わる頃には、艦船支隊は遠海ゾーンの海軍常設連合部隊の一員として加わる。



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プロジェクト02668「アガート」海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、元々はベトナム海軍向けのプロジェクト266MEとして1994年にサンクトペテルブルクで起工されましたが、ベトナムがキャンセルした為に工事は中断しました。

その後、新世代掃海艦の為の機器のテスト用として建造が再開される事になり、2006年5月26日に進水しました。
[新型掃海艦プロジェクト02668「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」]

2007年7月25日からフィンランド湾で洋上試験を開始しました。
[新型掃海艇「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」洋上テスト開始 ]

洋上試験は2008年も続けられました。
[新型掃海艇「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」近影(2008年2月23日) ]
[新型掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリン近影(2008年6月12日) ]

2008年7月29日に内陸水路経由で黒海沿岸ノヴォロシースクへ回航されました。
[ノヴォロシースクの掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」]

2009年1月17日にノヴォロシースクで海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍新掃海艦「ヴィツェ-アドミラル・ザハリン」就役 ]

以後、ノヴォロシースク海軍基地をベースに黒海で活動しています。
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2017年4月5日には黒海東岸トルコ海軍との合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とトルコ海軍は黒海で合同演習を行なった]

就役以来、黒海から出た事の無かった「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」でしたが、2018年1月21日にボスポラス海峡を南下して初めて地中海へ入り、2月24日までにシリア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンはシリア沖へ到着した]

シリア沖でパトロールを行なっていた「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、2018年5月29日に地中海を去り、その後、ノヴォロシースク基地へ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンは地中海を去り、母港ノヴォロシースクへの帰路に就いた]

その後、ケルチ海峡クリミア大橋の警備任務に就いていました。
[クリミア大橋を警護していたロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンはケルチ港へ入った]

2019年4月6日、「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、黒海地中海を結ぶボスポラス海峡へ入り、その後、シリア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンはシリア沖へ行く]

シリア沖で行動していた「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、2019年7月22日にダーダネルス海峡へ入り、母港ノヴォロシースクへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリンは地中海を去った]


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プロジェクト714海洋曳船MB-36フィンランドラウマ造船所で1981年12月15日に起工され、1982年4月23日に進水し、1982年10月31日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

1998年7月9日付で海洋救助曳船に変更され、これに伴いSB-36と改称されました。

2004年9月には地中海へ派遣され、イタリア海軍との合同演習『イオネクス-2004』へ参加しました。

2006年2月にも地中海へ派遣され、NATOの対テロ活動『アクティブ・エンデバー』作戦へ参加しました。

2008年1月にも地中海へ派遣されています。

2010年8月にはアデン湾で海賊対処任務に従事し、同年8月2日にはタンカー「ダフナ」(2010年5月26日就航)へ接近する2隻の海賊ボートへ警告銃撃を行ない(アデン湾へ派遣される曳船には海軍歩兵隊員が乗る)、これを撃退しました。
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2015年8月~12月には地中海東部へ派遣されました。

2016年10月にセヴァストーポリからバルチースクへ回航された小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」「セルプホフ」へ同行しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドル&セルプホフ近影]


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プロジェクト21980「グラチョノク」対破壊工作艇の2番艇P-191「カデート」は、『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2010年5月7日に起工され、2011年7月に進水し、2012年5月15日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

就役後はノヴォロシースク海軍基地へ配備されました。


2020年5月24日、この3隻はボスポラス海峡へ入りました。

「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は、2020年1月から地中海東部に滞在している対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」と交代するようです。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

SB-36は、外洋航行できない「カデート」シリアタルトゥース港まで曳航します。

「カデート」は、2019年10月からタルトゥース港の警備任務に就いている同型艇P-424「キネリ」(2015年3月16日就役)と交代するようです。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」2019年3月中旬から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2020年1月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」2020年4月末から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2020年1月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年5月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」:2020年5月中旬から地中海東部に滞在
対破壊工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-562020年3月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で対潜演習を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月22日19時43分配信
【巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と大型対潜艦「セヴェロモルスク」はバレンツ海で対潜演習を行なう】

本日(5月22日)、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、計画戦闘訓練任務へ取り組む為にバレンツ海へ出航した。

北方艦隊海上射爆場で、巡洋艦大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、仮想敵潜水艦を捜索、追尾、破壊する演習を行なう。

演習の様々な段階で、水中音響ブイを設置して空中から潜水艦の捜索を行なう対潜航空隊ヘリコプターKa-27PL、航空機Il-38及びTu-142と連携する。

対潜演習は、双務形式で行なわれる。
敵役を北方艦隊多目的潜水艦が演じる。

ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」が有している現代的な対潜兵器(ロケット魚雷、深海爆弾)水中音響兵装(艦首水面下の水中音響複合体曳航式水中音響ステーション)は、自立して、そして捜索打撃艦グループの一員として潜水艦の捜索及び追尾を行なう事を可能にする。

対潜任務の最も効果的な解決策は、水上グループ対潜航空隊が連携して水中状況に関する情報の交換を行なう事により得られ、敵潜水艦の捜索海域の大幅な増大を可能にする。



プロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦の2番艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月にセヴェロドヴィンスク市艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航されて近代化改装が始まり、2016年12月末に工事と洋上試験を終えて艦隊へ復帰しました。
[ロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装を終えて北方艦隊へ復帰した]

2017年7月末の『ロシア海軍の日』クロンシュタットでの観艦式へ参加した後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

2018年7月末の『ロシア海軍の日』クロンシュタットでの観艦式へ参加した後、母港へ戻らずに30年ぶりの遠距離航海へ出発し、地中海で行動した後、2018年11月23日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは地中海遠征を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2019年4月には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1998年4月18日就役)と共にバレンツ海ノルウェー海で演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上演習を終えて母港へ帰投した]

2019年7月末に『ロシア海軍の日』クロンシュタットでの観艦式へ参加した後、母港へ戻らずに遠距離航海へ出発し、地中海、大西洋、黒海で行動した後、2020年2月8日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[巡洋艦マルシャル・ウスチーノフ遠距離航海(2019年8月-2020年2月)]

2020年5月5日から数日間バレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは射撃演習の為にバレンツ海へ出航した]


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プロジェクト1155「フレガート」(ウダロイ型)大型対潜艦の9番艦「セヴェロモルスク」(1988年1月24日就役)は、2016年春から夏に掛けてムルマンスク第35艦船修理工場のドックへ入渠し、オーバーホールとソナーのアップグレードが行なわれました。
[ロシア海軍は対潜艦のソナーのオーバーホールを実施する]

2016年10月15日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空打撃艦グループの一員としてセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

航空打撃艦グループは2017年1月6日以降にシリア沖を離れて母港への帰路に就きましたが、「セヴェロモルスク」は同行せず、そのままインド洋への遠距離航海へと向かいました。
[大型対潜艦「セヴェロモルスク」インド洋遠征(2016年10月-2017年6月)]

2017年8月上旬から10月初頭まで北極海遠征を行ないました。
[ロシア北方艦隊の第6次北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年7月初頭にセヴェロモルスクを出航し、7月29日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

主要海軍パレードが終わった後、そのまま遠距離航海へ出発し、地中海、アデン湾、アラビア海まで進出し、2019年5月に帰投しました。
途中までは「マルシャル・ウスチーノフ」も同行していました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクの遠距離航海(2018年7月-2019年5月)]

この遠距離航海中の2018年11月10日には、アデン湾日本海上自衛隊護衛艦「いかづち」と合同演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはアデン湾で日本海上自衛隊の護衛艦と合同演習を行なった]

2019年6月23日には「マルシャル・ウスチーノフ」と共にバレンツ海へ出航し、対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で対空戦闘訓練を行なった]

2019年7月3日、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、原子力水中ロケット巡洋艦「スモレンスク」、救助曳船SB-406と共にセヴェロモルスクを出航し、7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月中旬にクロンシュタットへ到着しました。
[2019年7月28日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊艦船はクロンシュタットへ到着した]

2019年7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】



主要海軍パレードが終わった後、これらの艦船はクロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日までに北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦スモレンスクと支援船2隻はバルト海を去った]

その後、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と共にノルウェー海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"と大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海で演習を実施した]

8月19日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式及びバルト海演習『大洋の盾-2019』へ参加した北方艦隊の艦船は母港へ帰投した]

その後はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホールが行なわれていたようです。
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2020年5月16日、対潜演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはバレンツ海で対潜演習を行なう]


5月22日、「マルシャル・ウスチーノフ」「セヴェロモルスク」バレンツ海で対潜演習を開始しました。

北方艦隊原子力潜水艦「敵役」を務め、艦載ヘリコプターKa-27PLは無論の事、海軍航空隊対潜哨戒機Il-38Tu-142も演習へ参加します。

ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は太平洋上空で長時間飛行を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年5月23日9時21分配信
【太平洋艦隊の遠距離対潜航空機Tu-142M3は太平洋上空で12時間の計画飛行を実施した】

本日(5月23日)、太平洋艦隊海上航空隊の2機の遠距離対潜航空機Tu-142M3は、太平洋の中立水域上空で計画飛行を実施した。
飛行は、約12時間に渡って続けられた。
この時、航空機は距離9000キロメートルのルートを進んだ。

航空機の乗員は、水面上の飛行技量を磨いた。

飛行は、対潜航空機乗員の戦闘訓練プログラムの枠組みで実施され、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施された。



ソ連/ロシア海軍遠距離対潜哨戒機Tu-142は、戦略爆撃機Tu-95の海軍向けヴァージョンであり、1968年6月18日に初飛行し、1972年11月15日に軍備採用されました。
1968年から1994年までに合計で100機生産され、この内の8機はインドへ輸出されました。

現在、ロシア海軍航空隊では、北方艦隊太平洋艦隊に各12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ飛行場太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)に配備されています。

キぺロヴォ飛行場
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カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)
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ロシア海軍航空隊Tu-142は、度々遠方海域へ進出しています。

北方艦隊Tu-142は、2016年6月初頭と2018年3月末に地中海東部へ進出しています。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]
[ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は地中海南東部で潜水艦探知演習を行なった]


2019年8月6日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ、カナダ及びアリューシャン列島沖を飛行しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Tu-142はアリューシャン列島、アラスカ、カナダ沖を飛行した]

2020年3月4日、北方艦隊の2機のTu-142クリミア半島まで進出し、黒海艦隊航空隊と共に演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はクリミア半島上空で空中給油訓練を行なった]


2020年3月8日、北方艦隊の2機のTu-142大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は大西洋上空の長距離飛行を行なった]

2020年3月9日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ周辺を長時間飛行しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はアラスカ周辺を長時間飛行した]

2020年3月11日、北方艦隊の2機のTu-142は再び大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は再び大西洋上空の長距離飛行を行なった]

3月14日、太平洋艦隊の2機のTu-142北極海で長時間飛行を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極海上空で長時間飛行を行なった]

4月29日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、そして北海へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海の上空を飛行した]

5月23日、太平洋艦隊の2機のTu-142太平洋で長時間飛行を行ないました。

ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは進水した


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月22日16時19分配信
【『北方造船所』で第3のプロジェクト22350フリゲートが進水した】

5月22日・金曜日、『北方造船所』でプロジェクト22350フリゲートの2隻目の生産艦(総計で3隻目)「アドミラル・ゴロフコ」が進水した。
この情報は、『Mil.Press FlotProm』が同社広報サービスより確認した。


コロナウイルス感染COVID-19の蔓延に対する制限に関連し、行事は閉鎖モードで報道関係者の参加無しに行なわれた。

進水には、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将『統合造船業営団』総裁顧問(軍事造船)ヴィクトール・チルコフ『北方造船所』総取締役イーゴリ・ポノマリョフ『北方計画設計局』総取締役アンドレイ・ジャチコフが参加した。

『北方造船所』広報サービスが明らかにしたように、4月末~5月初頭にフリゲートは流線形フェアリング、塔マスト構造セクション、駆動軸及び砲の据え付けを行ない、船体水中部分の塗装を完了する。
2020年~2021年初頭には、艦の主用機器の供給が完了する。
工場の代理人によると、フリゲートの係留試験は2021年6月に開始され、全ての乗組員は2ヶ月間で入る。
フリゲートは2022年初頭に航行試験を行ない、同年秋に海軍への引き渡しが計画されている。

以前、2012年2月に起工された「アドミラル・ゴロフコ」は、ロシア製ガスタービン装置を装備する最初のプロジェクト22350艦になると伝えられた。
フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」「アドミラル・カサトノフ」には、増速用エンジンとしてウクライナの企業『ゾーリャ機械設計』が製造したガスタービン装置が使われている。

プロジェクト22350フリゲートの満載排水量は5400トン、全長135メートル、幅16メートル。
艦は29ノットの速力を発揮する。
自立航行期間30日。
航続距離4500海里。
乗組員170名+海軍歩兵隊員20名。

22350フリゲートの主要打撃力は、高精度遠距離有翼ミサイル「カリブル」である。
この他、艦は130mm砲A-192高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」対潜兵器複合体「パケート」ミサイル砲システム「パラシ」を装備する。
艦上にはヘリコプターKa-27PLが駐留する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」と共にサンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年2月1日に起工されました。


起工から2年後の2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係が悪化した為、ガスタービンエンジン(M90FR)の供給が途絶える事になりました。

元々、ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア及びウクライナの企業が関わっており、エンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ウクライナでの最終組み立てが出来なくなった為、その為の設備をロシア国内に建設し、完全にロシア国内だけでガスタービンエンジンを生産できる体制を構築する必要が生じ、この体制作りに数年を要しました。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]

ようやくガスタービンエンジン完全国産の目途が立ち、「アドミラル・ゴロフコ」用のガスタービン造船所へ供給されました。
これにより、建造が遅延していた「アドミラル・ゴロフコ」も進水する目途が立ちました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年7月1日までに進水する]

以前には2020年4月末~5月初頭の進水が予定されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響の為、5月22日に延期されました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年4月末~5月初頭に進水する]
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年5月22日に進水する]
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現在の所、「アドミラル・ゴロフコ」ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦は2021年末と2022年末にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍の最新海洋調査船ヤンターリはカリーニングラードでメンテナンスを行なう

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月22日10時38分配信
【この5年間で初めての海洋学調査船「ヤンターリ」の修理が始まる】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、海洋学調査研究船「ヤンターリ」の技術的準備状態回復作業を開始する。
造船所広報サービスが指摘したように、これは、船が2015年5月にロシア連邦国防省へ引き渡されてから初めてのメンテナンスとなる。


「ヤンターリ」は、4月初頭に工場へ来た。
修理は、7年間の保証義務の枠組みで行なわれる。
特に、6月末までに一連の配管系及び船体の作業の実施が計画されている。

「技術的な船の状態は良好であり、この5年間、御客様から苦情は受けておりません。
ですが、与えられた任務を遂行する為の常時の準備状態を維持する為、適時にメンテナンスを行なう必要が有ります。
我々は、今、それに従事しております」

工場の艦船修理管理部は指摘した。

「ヤンターリ」は、プロジェクト22010のトップ船であり、沿バルト造船工場『ヤンターリ』ロシア連邦国防省深海調査総局の発注下で建造した。

公開情報源によると、船は2つのタイプの自律深海装置プロジェクト16810「ルイシ」プロジェクト16811「コンスル」を使用出来る。
複数の情報源によると、この船には更に深海有人装置「ミール」を搭載できる。

自律深海装置「ルイシ」「コンスル」は、それぞれ深度6000メートルと6270メートルまで潜航できる。
その用途は、海底に所在する物体のビデオ撮影と分類、マニピュレーター装置の助力による水中技術的作業の実行、水中の物体及び建造物の調査、最大で200kgまでの様々な物体の海底への運搬或いは水面への浮上である。

プロジェクト22010海洋学調査船の排水量は5200トン、船体長108.1メートル、幅17.2メートル。

現在、工場『ヤンターリ』では、2016年6月に起工されたプロジェクト22010の2番船「アルマーズ」が建造されている。



プロジェクト22010海洋学調査船「ヤンターリ」は、2010年7月8日にカリーニングラード造船所『ヤンターリ』で起工され、2012年12月4日に進水し、2015年5月23日にロシア海軍へ就役しました。

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[プロジェクト22010海洋学調査船]
満載排水量:5786トン
全長:107.8メートル
幅:17.2メートル
機関:950馬力のアジマス推進ポッド2基
速力:15ノット
航続距離:8000海里
搭載艇:プロジェクト16810深海潜水艇AS-37、プロジェクト16811深海潜水艇AS-39
乗員:60名


AS-37(16810)(下)とAS-39(16811)(上)
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就役後、大西洋へ進出して深海試験を含む各種試験を行ない、2015年10月28日に北方艦隊基地へ到着しました。

[ロシア海軍の最新海洋調査船ヤンターリは大西洋での試験を終えて北方艦隊基地へ到着した]

2016年10月には地中海東部へ進出し、その後、2016年11月中旬及び12月初頭にシリア沖で事故により海中へ沈んだ艦上戦闘機MiG-29K及びSu-33の捜索を行ない、機密性の高い機上機器を回収しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年12月)の原因は着艦拘束装置のケーブルとは関係が無い]

2017年9月29日にはボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、10月8日には同海峡を南下して再び地中海へ入っています。

2017年12月から2018年1月まで、南大西洋で消息を絶ったアルゼンチン海軍潜水艦「サンフアン」(2017年11月15日に交信途絶)の捜索へ参加しました。
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その後も北方艦隊基地へは戻らず、2018年5月初頭にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍の最新海洋調査船ヤンターリは地中海へ入った]
2018年6月9日にセヴェロモルスクへ帰投しました。

2019年11月にはカリブ海へ行き、トリニダード・トバゴを訪問し、12月にはパナマ運河を通過して太平洋へ入りました。

その後、南アメリカ大陸西岸沖を南下し、2020年1月末にはバルト艦隊大洋研究調査船「アドミラル・ウラジーミルスキー」と共に南極へ到着しました。
[ロシア海軍の大洋研究調査船アドミラル・ウラジーミルスキーは南極大陸へ到着した]

2020年4月初頭、建造元の『ヤンターリ』造船所へ到着し、5月下旬から船のメンテナンスが始まりました。

ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年5月21日20時40分配信
【戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は白海での試験を完了した】

戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、海上での検査出航活動を完了し、セヴェロドヴィンスクへ到着した。

巡洋艦は5月12日から白海で行動した。
その検査試験は、当初は水上で、その後、水中位置で実施された。
戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」の捜索救助保障は、白海海軍基地曳船及び救助船「ミハイル・ルドニツキー」により行なわれた。

海軍の戦闘編制への艦の受け入れは、検査出航の結果を評価した後に計画されている。
戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」ミサイル及び水中射撃を含む試験の主な部分は2019年末に実施され、北方艦隊白海海軍基地の部隊により保障された。

戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、改善されたプロジェクト955A「ボレイ-A」~第4世代原子力潜水艦~のトップ艦である。
以前のプロジェクト955巡洋艦と比べ、それは船体の輪郭、低騒音、改良された制御システムが異なっている。
艦は大陸間弾道ミサイル複合体「ブラヴァー」と最新の魚雷兵器で武装する。



[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]


2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]

2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]

2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]


「クニャージ・ウラジーミル」北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。
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「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。

「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]

2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]

その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。

11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]

洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]

造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]

まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]

試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」セヴェロドヴィンスクへ戻りました。

5月25日には受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されます。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルは2020年5月25日にロシア海軍へ納入される]

そして正式なロシア海軍への就役式典~聖アンドレイ旗初掲揚式典は、6月中旬に開催される予定です。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルは2020年6月末にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約が締結された

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『タス通信』より
2020年5月22日9時6分配信
【情報筋:国防省は2隻のヘリコプター母艦の契約へ署名した】
モスクワ、5月22日/タス通信

国防省ケルチ造船工場『ザリフ』と、総額約100億ルーブルになる最初の2隻のロシア製汎用揚陸艦の建造契約へ署名した。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「契約は署名され、その総額は、およそ100億ルーブルになります。
艦の起工は、数週間以内に行なわれなければなりません」

対談者は話した。

『タス通信』は、情報提供者から提示された情報を公式に確認していない。
工場『ザリフ』広報サービスは、同社がロシア海軍の為のヘリコプター母艦を建造する技術的準備を整えていると『タス通信』へ伝えたが、艦の取引額と起工時期に関する情報は持っていないと述べた。

『タス通信』が以前に造船分野情報提供者より伝えられたように、国内海軍の新たなクラスの艦の排水量は満載排水量は25000トン、最大長は約220メートルになる。
1隻のロシア製汎用揚陸艦は20機以上の重ヘリコプターを搭載し、900名の海軍歩兵を移送でき、揚陸艇の為のドック室を得る。

ヘリコプター母艦とも呼ばれる汎用揚陸艦は、様々な用途の重ヘリコプターグループの搭載、数百名から1000名の海軍歩兵の移送が可能であり、装甲車両を運ぶの為のドックを装備する。
ロシア連邦及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、このクラスの艦を建造していない。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
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この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、ロシア海軍向けとなる汎用ヘリコプター揚陸艦が設計され、実際に建造されることになります。
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは4機のプロトタイプが製造された]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

「ロシア版ミストラル」の建造は『2018-2027年の国家軍備プログラム』の枠組みで開始される予定です。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を開始する準備を整えている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、2019年になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で建造する案が浮上してきました。
【造船工場『ザリフ』公式サイト】
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[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島で起工される?]
[ロシア海軍の為の新たな汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年にケルチ(ザリフ造船所)で起工され、2025年と2026年に就役する]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月上旬(5月9日まで)にクリミア半島で起工される]

造船工場『ザリフ』も、ロシア海軍新世代汎用揚陸艦を建造する用意がある事を認めました。
[クリミア半島ケルチのザリフ造船所はロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)を建造する準備を整えている]

2隻の汎用揚陸艦の建造費は、ほぼ1000億ルーブルになるようです。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造費は1000億ルーブルになる]
因みに1000億ルーブルは、プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)フリゲート4隻分に相当します。

当初、2隻の汎用揚陸艦の起工は、2020年5月9日の大祖国戦争勝利75周年記念日に予定されており、起工に先立つ建造契約の締結は、2020年4月末までに行なわれる予定でした。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は大祖国戦争勝利75周年記念日の2020年5月9日に起工される]
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約は2020年4月末までに締結される]

しかし、最近の新型コロナウイルス流行の影響により艦の起工は延期され、これに伴い建造契約の締結も先送りされ、5月22日までに締結されました。

2隻の汎用揚陸艦の起工は、早くても2020年5月末~6月上旬になるようです。


2隻の汎用揚陸艦の艦名は、以前にはロシア向け「ミストラル」型に命名されていた「セヴァストーポリ」「ウラジオストク」になるようです。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)はセヴァストーポリ、ウラジオストクと命名される]

以前、セヴァストーポリ市の要望に応え、汎用ヘリコプター揚陸艦の1番艦は「セヴァストーポリ」と命名されると報じられているので、2番艦が「ウラジオストク」になるようです。
[ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の1番艦はセヴァストーポリと命名される]

ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2020年5月21日14時0分配信
【最新フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は国家試験の最終段階を実施する為に出航した】

最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、国家試験の最終段階を実施する為にバルチースクから出航した。

バルト艦隊海上射爆場で艦の乗組員は、業界の代表と共にフリゲートの兵器の性能通りの動作を点検し、プロジェクト20380コルベット「ストイーキー」及び「ステレグーシチー」と協同で一連の対潜任務を遂行する。
海上で乗組員は、対潜兵器及び対魚雷防護手段を用いて仮想敵潜水艦に対する戦術艦グループの戦闘行動実施へ実地で取り組む。

バルト海の海上射爆場では、恒常的にロシア海軍の為の新たな機材の試験が行なわれている。
これらの活動の支援には、バルト艦隊艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が常に関わっている。

[参照]
「アドミラル・カサトノフ」
は、ロシアの第2のプロジェクト22350フリゲートである。
同プロジェクトのトップ艦~ロシア海軍で最も現代的な艦の1つである「アドミラル・ゴルシコフ」は、2018年7月に北方艦隊へ加入した。

プロジェクト22350艦ステルス技術を用いて作成されており、遠洋ジーンで敵の水上艦及び潜水艦に対する戦闘行動の実施、自身で、そして艦船連合部隊の一員として空中攻撃手段の攻撃を撃退する為に意図されている。

フリゲートは、130mm砲装置A-192高射ミサイル複合体「リドゥート」、16基の対艦ミサイル「オーニクス」及び「カリブル-NK」の為の発射装置で武装する。
対潜兵器として複合体「パケート-NK」を使用する。
艦上へ対潜ヘリコプターKa-27を搭載する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]

北方海域(バレンツ海白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]

4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]

5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
バルト艦隊コルベット「ストイーキー」(545)「ステレグーシチー」(550)が洋上試験に協力します。
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この2隻と組んで模擬対潜戦闘を行なうとの事ですから、バルト艦隊潜水艦(おそらくは「ドミトロフ」)も「相手役」として参加するようです。

試験が終わった後に建造元の『北方造船所』へ戻り、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。

「アドミラル・カサトノフ」ロシア海軍への引き渡しは、早くても2020年6月になるようです。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2020年5月末~6月初頭にロシア海軍へ就役する]

高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボはバルト海で洋上試験を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2020年5月20日14時9分配信
【小型ロケット艦「オジンツォボ」は試験を実施する為にバルト海へ出航した】

バルト艦隊の為に造船工場『ペラ』で建造された最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「オジンツォボ」は、工場航行試験を実施する為にバルト海へ出た。

その実施中、工場試験実施チームの代表は、艦の乗組員と共に機動性及び速力の試験を行ない、全ての集合体、システム、ユニット、航法及び無線電波装置の動作を点検する。

その後、工場航行試験の次の段階で、乗組員は様々な艦の兵器システムから海上および空中標的への複合射撃を実施する。

工場試験及び国家試験の完了後、小型ロケット艦バルト艦隊へ加入し、バルチースク海軍基地小型ロケット艦・ロケット艇連合部隊の一員として用途に沿った任務の遂行を始める。

バルト海の海上射爆場では、定期的にロシア海軍及び外国海軍の為の新たな機材の試験が行なわれている。
これらの活動の支援には、バルト艦隊艦、支援船、救助部隊、海上航空隊が常に関わっている。

[参照]
小型ロケット艦「オジンツォボ」
は、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-」の海上ヴァージョンを装備する最初のプロジェクト22800艦である。

プロジェクト22800小型ロケット艦は、支隊及び戦闘艦グループの一員として、そして更には単独で海上ゾーンでの任務を遂行する為に意図されている。
それは、高精度兵器(複合体「カリブル」)高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、最新の制御複合体、電波工学兵装、電波通信、航法、電波電子戦闘、対水中工作兵装、携帯式高射ミサイル複合体を装備する。
現在、バルト艦隊には、2隻のプロジェクト22800艦小型ロケット艦「ムィティシ」小型ロケット艦「ソヴィェツク」が加わっている。

プロジェクト22800小型ロケット艦の主要兵装は、、8基のミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」の為の汎用艦載射撃複合体3S14である。



プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の3番艦「シクヴァル」は、2016年7月29日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]

「シクヴァル」は2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]

その後、「シクヴァル」「オジンツォボ」と改名されました。
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今回の記事でも触れられていますが、「オジンツォボ」は、プロジェクト22800小型ロケット艦で最初に高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
(1番艦と2番艦はAK-630M 6連装30mm機関砲2基)
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当初、「オジンツォボ」は、2019年9月末に造船所の岸壁で係留試験を開始し、2019年12月から洋上試験を開始する予定でした。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは2019年9月末に係留試験を開始する]
[高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦シクヴァル改めオジンツォボは洋上試験の準備を進めている]

しかし、試験は予定よりも遅れ、結局、係留試験の開始は2020年2月17日にずれ込みました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは造船所の岸壁で係留試験を開始した]

洋上試験(工場航行試験)の開始も2020年4月に予定されていましたが、5月20日にずれ込みました。


「オジンツォボ」ロシア海軍への引き渡しは2020年末までに予定されており、先に就役した2隻~「ムィティシ」及び「ソヴィェツク」と同様にバルト艦隊へ配備されます。

バルト艦隊には、計6隻の「カラクルト」小型ロケット艦が配備されます。
[ロシア海軍バルト艦隊へ6隻のカラクルト級小型ロケット艦が配備される]