『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表2020年9月15日6時15分配信
【太平洋艦隊司令官は近代化されたフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の工場試験の進展を確認した】太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は
株式会社『艦船修理センター・ダーリザヴォード』を訪れ、
フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の修理及び近代化の進展、更には艦の工場試験実施の今の状態に精通した。
セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、軍備担当艦隊副司令官
イーゴリ・コロリョーフ少将、
フリゲート艦長
アレクサンドル・マトヴェーエフ2等海佐
、『ダーリザヴォード』管理部代表者を伴い、艦内を視察し、作業の最終段階における爆発火災安全性の問題と乗組員の居住条件に当別な注意を払った。
フリゲート巡回中、艦内の部屋の内装のコンセプトが承認され、試験の最終段階計画の指示が出された。
太平洋艦隊司令官は、工場航行試験の適時かつ高品質な完了を保証する為、請負業者の作業の監督の必要性に関し、
「マルシャル・シャーポシニコフ」艦長へ注意を与えた。
視察の結果、艦隊司令官は、全ての作業は以前に承認されたスケジュールに沿って実行されている事を指摘した。
ウラジオストクの
株式会社『艦船修理センター・ダーリザヴォード』基盤で、艦は船底外部部品及び船体構造の修理を行ない、新たな機器を取り付けた。
近代化の枠組みにおいて、艦の上部構造物の20パーセント以上が取り外され、設計図面に沿って再び製造された。
電気機械機器が据え付けられた。
主要ケーブル線の一部は交換された。
近代化された艦は、対潜及び対空システムに加え、最新の
打撃ミサイル兵器複合体「カリブル-NK」及び
「ウラン」、更には最新の
砲兵器を兵装として受け取った。
プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦
「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日に
カリーニングラードの
沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日に
ソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に
太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。

1987年10月1日から12月26日まで
太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、
モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。
1988年7月14日から1989年2月13日まで
ペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。

1990年には
エチオピアから
ソ連民間人を避難させ、この間に
アブダビと
アデンへ寄港しました。

1990年8月14日から18日まで
朝鮮共和国の
ウォンサン(元山)港を訪問しました。
1990年12月15日から1991年8月30日まで
ペルシャ湾で行動し、この間に
アブダビと
アデンへ寄港しました。

1992年11月から1994年4月まで
ウラジオストクの
艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。
2003年4月16日に
ウラジオストクを出航し、5月に
インド洋で
黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、
インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]2003年10月には
ハワイの
真珠湾を訪問しました。

2004年8月30日から9月30日まで
日本の
呉を訪問し、9月4日には
日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。
2005年8月には
中国の
青島港を訪問しました。
2006年3月には
グアム島を訪問しています。

2008年9月15日から17日まで
日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]2009年3月に修理を完了し、
艦隊へ復帰しました。
「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡り
アデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]アデン湾到着後の
「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なう
ロシア海軍海賊対処部隊幹部と
アメリカ及び
シンガポール海軍の
アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)

2010年5月6日、
ソマリア海賊に乗っ取られた
ロシアの
タンカー「モスクワ大学」を解放しました。
【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】この時の
ロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、
第44対潜艦旅団司令官
イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとした
ソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。


しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。


結果的に、
「モスクワ大学」を襲撃した
ソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。
2012年4月下旬に
黄海で実施された
ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目の
アデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]2014年3月中旬から7月初頭まで
インド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目の
アデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]2014年10月から12月まで
オーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]2015年3月下旬から4月上旬まで
日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう][ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]2015年6月下旬から7月初頭に
オホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した][ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]2015年10月26日に
宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
2016年春から
ウラジオストクの
艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。


2基の
「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒、
AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。
ガスタービンエンジンは
『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により
対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、
「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、
有翼ミサイル「カリブル」用の
垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】(つまり、当初は
「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、
「カリブル」も装備する事になった)
「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)は
「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、
3S-14発射機は
100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。

2018年2月16日、
「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。
[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]その後、
『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]その後、
『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。
「マルシャル・シャーポシニコフ」は
AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりに
ロシア海軍の新世代水上艦にも装備されている
A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]更に、最新の
高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]2020年7月10日、
「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]
その後、一旦
ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]「マルシャル・シャーポシニコフ」の再就役は、2020年末に予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"の近代化改装は2020年末に完了する][近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦(フリゲート)マルシャル・シャーポシニコフと原子力水中巡洋艦イルクーツクは極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を使用できる]近代化改装後の
「マルシャル・シャーポシニコフ」は、
大型対潜艦から
フリゲートへ類別変更されます。
[近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦はフリゲートへ艦種変更される]