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ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦グライヴォロンは黒海で洋上試験を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年9月19日12時53分配信
【黒海艦隊の為に建造された最新小型ロケット艦「グライヴォロン」は工場航行試験実施の為の最初の出航を行なった】

黒海艦隊の為に建造された最新のプロジェクト「ブヤン-M」小型ロケット艦「グライヴォロン」の乗組員は、工場航行試験実施の為の最初の出航を行なった。

計画工場航行試験の実施中、動力装置、操舵装置、補助機械、通信手段、航法システム及び他の艦載機器システム、更には艦の航行性能が点検される。

工場航行試験は、艦の基本要目、全ての艦内装置、機械及び設備が技術的条件に沿っているかどうかを点検する目的で標準乗組員と工場試運転チームが合同で実施し、艦が海軍へ受け入れられる前の重要な段階の1つである。

工場航行試験完了後、造船業者は乗組員と合同で艦載システム、装置、機械を修正し、引き続き次の段階となる計画国家試験を準備する。

以前、小型ロケット艦「グライヴォロン」は第1次電磁処理作業を行ない、非巻き付け消磁スタンドを使用して船体の磁力を減少させた。

小型ロケット艦「グライヴォロン」は、最新の風貌の砲、ミサイル、対水中工作防衛、高射及び電波電子兵装を装備した多目的艦である。




プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の9番艦「グライヴォロン」は、ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2015年4月10日に起工されました。
[ロシア海軍の小型ロケット艦グライヴォロンは2015年4月10日に起工される]

2020年3月下旬までに黒海艦隊から乗組員が集められました。
[ロシア海軍黒海艦隊はブヤン-M級小型ロケット艦グライヴォロンとカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンの乗組員を編成した]

2020年4月に進水しました。

2020年6月10日に造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦グライヴォロンは係留試験を開始した]

「グライヴォロン」は7月31日に造船所の岸壁を離れ、ロシア内陸水路経由でノヴォロシースクへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦グライヴォロンはノヴォロシースクへ向かった]
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8月17日にノヴォロシースクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦グライヴォロンはノヴォロシースクへ到着した]

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その後、ノヴォロシースクで消磁作業が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦グライヴォロンはノヴォロシースクで消磁作業を行なった]

9月19日、「グライヴォロン」黒海で洋上試験の第1段階となる工場航行試験を開始しました。

工場航行試験が終わった後、最終洋上試験となる国家試験が始まり、これが終わればロシア海軍への引き渡しの準備が整います。


「グライヴォロン」は2020年12月末までにロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されます。


現在、黒海艦隊には3隻のプロジェクト21631小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」「オレホヴォ・ズエヴォ」「イングシェチア」~が配備されていますが、最終的には、計6隻(この他に「グライヴォロン」「ナロ・フォミンスク」「スタヴロポリ」の3隻)となります。

ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海、大西洋で長時間飛行を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月18日11時14分配信
【北方艦隊の対潜航空機乗員は、バレンツ海、ノルウェー海。北海、大西洋の中立水域上空の飛行を実施した】

昨日(9月17日)、北方艦隊遠距離対潜航空機Tu-142の2組の乗員は、バレンツ海、ノルウェー海、北海、大西洋の中立水域上空で次なる計画飛行を実施した。

飛行任務は11時間以上に渡って続き、ルートの距離は約10000キロメートルに及んだ。

近隣ゾーンで航空機Tu-142には、北方艦隊独立混成航空連隊戦闘機MiG-31が同行した。

同日、北方艦隊対潜航空機Il-38は、組織的艦隊間連携の枠組みにおいて、バルト海の中立水域上空で計画飛行を実施した。
飛行は約8時間続いた。

飛行中、飛行士は、目標物の無い場所の上空での操縦技量、地上電波工学航法手段を欠いた条件下での乗員の整然とした行動へ取り組んだ。

飛行ルートの各段階で、ロシア航空機には外国の戦闘機が同行した。

飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施された。

飛行任務を遂行した北方艦隊の飛行士は、駐留飛行場へ戻った。



ソ連/ロシア海軍遠距離対潜哨戒機Tu-142は、戦略爆撃機Tu-95の海軍向けヴァージョンであり、1968年6月18日に初飛行し、1972年11月15日に軍備採用されました。
1968年から1994年までに合計で100機生産され、この内の8機はインドへ輸出されました。


現在、ロシア海軍航空隊では、北方艦隊太平洋艦隊に各12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ飛行場太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)に配備されています。

キぺロヴォ飛行場
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カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)
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ロシア海軍航空隊Tu-142は、度々遠方海域へ進出しています。

北方艦隊Tu-142は、2016年6月初頭と2018年3月末に地中海東部へ進出しています。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]
[ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は地中海南東部で潜水艦探知演習を行なった]


2019年8月6日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ、カナダ及びアリューシャン列島沖を飛行しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Tu-142はアリューシャン列島、アラスカ、カナダ沖を飛行した]

2020年3月4日、北方艦隊の2機のTu-142クリミア半島まで進出し、黒海艦隊航空隊と共に演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はクリミア半島上空で空中給油訓練を行なった]


2020年3月8日、北方艦隊の2機のTu-142大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は大西洋上空の長距離飛行を行なった]

2020年3月9日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ周辺を長時間飛行しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はアラスカ周辺を長時間飛行した]

2020年3月11日、北方艦隊の2機のTu-142は再び大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は再び大西洋上空の長距離飛行を行なった]

3月14日、太平洋艦隊の2機のTu-142北極海で長時間飛行を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極海上空で長時間飛行を行なった]

4月29日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、そして北海へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海の上空を飛行した]

5月23日、太平洋艦隊の2機のTu-142太平洋で長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は太平洋上空で長時間飛行を行なった]

これまで北方艦隊太平洋艦隊Tu-142の長時間飛行は、別々の日に実行されていましたが、6月27日には、初めて北方艦隊太平洋艦隊の合計7機のTu-142が同じ日に長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊と太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142MKは、バレンツ海及びノルウェー海、北太平洋の上空で長時間飛行を行なった]

7月3日、北方艦隊の3機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北東大西洋で長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北東大西洋で長時間飛行を行なった]

8月28日には、北方艦隊の4機のTu-142太平洋艦隊の4機のTu-142が長時間飛行を行ないました。

[ロシア海軍航空隊の4艦隊の航空隊は同時飛行訓練を行なった]

9月12日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北海で長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海で長時間飛行を行なった]

9月17日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北海、大西洋で長時間飛行を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月17日21時17分配信
【北方艦隊北極グループはチュクチへ到着した】

本日(9月17日)、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北方艦隊北極グループの艦船は、チュクチ海ヴァンカレム岬地域へ到着した。
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大型対潜艦「セヴェロモルスク」大型揚陸艦「コンドポガ」は投錨地へ入り、チュクチ半島の無防備の海岸で海上揚陸部隊の上陸が可能な場所の調査へ着手した。

大型揚陸艦には、先週にヤクーチア(サハ)チクシ村地域で北極ロシアの島と大陸の領土を防護する為の戦術演習へ参加した北方艦隊海軍歩兵部隊が乗っている。

以前、北方艦隊の部隊は、2018年秋にチュクチ半島で襲撃行動へ取り組んだ。

8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は、様々な危機的状況が発生した場合のロシア連邦の経済活動の安全を保障する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊の部隊は、更に大型揚陸艦、航空宇宙軍、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組み、その中で北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習を実施した。

北極航海中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は約4000海里を航行した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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アルセーニエフ航空機会社プログレスはロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの量産準備を整えている


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年9月17日3時19分配信
【開発者は戦闘ヘリコプター「カトラン」の試験の完了について話した】
モスクワ、9月17日-ロシア通信社ノーボスチ

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海上ヘリコプターKa-52K「カトラン」は全ての試験を経ており、量産の準備は出来ているが、国防省サイドからの確固たる意見は無い。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、国立ヘリコプター製造センター『ミル・カモフ』の設計主任でロシア英雄セルゲイ・ミヘーエフより伝えられた。

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「アルセーニエフ工場は、完全に技術を習得しており、量産開始の為に必要なのはボタンを押す事だけです。
私にとっては少しも疑いは無く、今日において作成された機体と、その更なる近代化型は、無論海軍へ行きます」

対談者は話した。

同時に彼は、Ka-52Kは、現在、新たなフリゲート及びコルベットの納入時の試験へ参加している事を指摘した。

「そこ(新たな艦)でのヘリコプターの着艦プログラムは、必ず実行され、Ka-52Kはそこで動作します。
各々の艦には、その特性、構成、空気動力学、渦が有りますから。
従いまして、ヘリコプターの上空飛行を行なう事が必要であり、これは作業のプロセスです」

設計主任は話した。

彼は、一般的にはヘリコプターの試験は、搭載システムと動力装置のみの変更では無く、機器、兵器が変更される限りにおいて、その運用サイクル全体で行なわれる事を強調した。

以前、ヘリコプターKa-52Kは、2016年11月の航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海中にシリアで使用されたと伝えられた。

戦闘ヘリコプターKa-52Kは、株式会社『カモフ』が開発し、ロシア海軍へ軍備採用された「海上」ヘリコプター(Ka-25、Ka-27、Ka-29、Ka-31)のラインの延長である。
それは、パトロール、沿岸へ上陸する揚陸部隊の火力支援、戦術的縦深を持つ最前線での対上陸防衛の課題の解決の為に意図されている。
現代的な機上機器は、海上での位置が不明な場合のヘリコプターの航法を保障する。



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艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]

Ka-52Kは、元々はロシアフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。

しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]

Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]

「ミストラル」級へ搭載される筈だったKa-52Kは、当面の間は重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]


北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた]


「アドミラル・クズネツォフ」が帰投した後、2機のKa-52K試作機『カモフ』本社へ送られ、調査と分析が行なわれました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランの海洋試験第1段階は完了した]

現在までにKa-52Kは4機の試作機が製造されています。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは4機のプロトタイプが製造された]

2020年7月20日、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で、Ka-52Kの母艦となる2万5千トン級の汎用揚陸ヘリコプター母艦「イワン・ロゴフ」型2隻が起工されました。

[ロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフとミトロファン・モスカレンコはクリミア半島のザリフ造船所で起工された]
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランはロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の艦載機となる]
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ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは白海での試験を終えた

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年9月17日8時52分配信
【複合体「パーンツィリ-M」を持つ最初の「カラクルト」は北方艦隊で試験を実施した】

9月17日・木曜日、プロジェクト22800(コード名「カラクルト」)小型ロケット艦「オジンツォボ」は、白海での試験を成功裏に実施した後、サンクトペテルブルクの造船工場『ペラ』へ戻った。
ロシア海軍の公式代理人イーゴリ・ディガロ1等海佐は報道機関へ伝えた。


彼は、艦が内部水路で艦隊間移動を行なった事を指摘した。

第3のプロジェクト22800小型ロケット艦「オジンツォボ」は、2016年7月29日にレニングラード造船工場『ペラ』において「シクヴァル」の名で起工され、2018年5月5日に進水した。
これは、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ」の海上ヴァージョンを受け取る最初の「カラクルト」である。
これに加え、艦は近代化された76.2mm砲AK-176MA打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」(8基のミサイル)で武装する。

8月初頭、「オジンツォボ」は兵器システムの試験を行なう為、北方艦隊へ到着した事が知られるようになった。

プロジェクト22800小型ロケット艦の排水量は800トン、船体長67メートル、幅11メートル。
速力30ノット、航続距離2500海里、自立航行期間15日。



プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の3番艦「シクヴァル」は、2016年7月29日にサンクトペテルブルク近郊の『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された]
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2018年5月5日に進水しました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800カラクルト級小型ロケット艦の3番艦シクヴァルは進水した]

その後、「シクヴァル」「オジンツォボ」と改名されました。
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「オジンツォボ」は、プロジェクト22800小型ロケット艦で最初に高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
(1番艦と2番艦はAK-630M 6連装30mm機関砲2基)
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2020年2月17日に造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは造船所の岸壁で係留試験を開始した]

2020年5月20日にバルト海で洋上試験を開始しました。
[高射複合体パーンツィリ-Mを装備するカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボはバルト海で洋上試験を開始した]

2020年8月、ロシア内陸水路経由でバルト海から白海及びバレンツ海へ回航され、セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の最新小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとオジンツォボは北方艦隊基地へ到着した]

その後、白海で兵器の試験を行ないました。

試験は9月上旬に完了し、「オジンツォボ」は再びロシア内陸水路経由で『ペラ』造船所へ戻りました。

「オジンツォボ」ロシア海軍への引き渡しは2020年末までに予定されており、先に就役した2隻~「ムィティシ」及び「ソヴィェツク」と同様にバルト艦隊へ配備されます。

バルト艦隊には、計6隻の「カラクルト」小型ロケット艦が配備されます。
[ロシア海軍バルト艦隊へ6隻のカラクルト級小型ロケット艦が配備される]

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31はベーリング海でアメリカ空軍の戦略爆撃機B-1Bランサーを迎撃した

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『タス通信』より
2020年9月17日17時5分配信
【MiG-31はベーリング海で2機のアメリカ合衆国の戦略爆撃機を迎撃した】
モスクワ、9月17日/タス通信

ロシア戦闘機MiG-31は、木曜日にベーリング海上空でアメリカ合衆国の2機の戦略爆撃機B-1Bを迎撃し、彼らがロシア境界線上から離れるまでアメリカ航空機に同行した。
ロシア連邦国家防衛管理センターは報道機関へ伝えた。
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によると、9月17日、ロシアレーダーは、ベーリング海の中立水域上空で国境線へ接近する2個の空中目標を探知した。
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「空中目標を識別し、ロシア連邦国境線を侵犯させない為、太平洋艦隊の対空防衛部隊の当直から戦闘機MiG-31が空中へ上がりました。
ロシア戦闘機の乗員は、空中目標をアメリカ合衆国空軍の2機の戦略爆撃機B-1Bと同定し、ベーリング海エリア上空で彼らに同行しました」
国家防衛管理センター
は発表した。

アメリカ航空機ロシア境界線から離れた後、戦闘機は駐留飛行場へ戻ったとセンターは付け加えた。
国境線の侵犯は無かった。
「ロシア戦闘機の飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って行なわれました」
は強調した。

既に火曜日、太平洋艦隊海上航空隊戦闘機MiG-31東方軍管区戦闘機Su-35Sは、ベーリング海及びオホーツク海エリアの上空の空域でアメリカ合衆国空軍戦略爆撃機B-1B「ランサー」を迎撃している。

この時、アメリカ航空機へ同行した後、ロシア戦闘機は駐留飛行場へ戻った。



[高空迎撃戦闘機MiG-31(ロシア太平洋艦隊)]
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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、約20機のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2019年2月20日に最初の2機がカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは空中戦闘訓練を行なった]

2020年2月8日、次のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊へ高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]


現在の所、太平洋艦隊海軍航空隊では、第317混成航空連隊の下に1個飛行隊が配備されているMiG-31ですが、今後は更なる1個飛行隊が増強される事になるようです。
[カムチャツカに駐留するロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は増強される]

ベーリング海演習(『大洋の盾-2020』)へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年9月16日6時42分配信
【太平洋艦隊の艦は遠海ゾーンでのグループ戦力演習へ参加した後にウラジオストクへ戻ってきた】

本日(9月16日)、ウラジオストクへ、大規模演習『大洋の盾-2020』及び遠海ゾーンのグループ戦力演習へ参加した旗艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」率いる太平洋艦隊艦船支隊が戻ってきた。

主要基地へ入る前、ピョートル大帝湾で、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」、コルベット「グロームキー」は、艦載航空グループと合同で、太平洋艦隊海上航空隊の3機の艦上ヘリコプターKa-27沿岸飛行場へ移動させる訓練を実施した。
海上での部隊の行動中、ヘリコプター乗員は、艦隊の艦で約50回の発艦及び着艦を行なった。

演習の活動部門は、8月24日から9月1日までベーリング海、アナドイル湾、チュクチ半島カムチャツカ半島で行なわれた。
この期間中、海上目標への有翼ミサイル合同射撃を含む50回以上の戦闘訓練が実施された。
太平洋艦隊船員は、史上初めてチュクチ沿岸へ空挺部隊海上揚陸部隊の組み合わせによる上陸を行ない、更に、初めてチュクチ海からコルベット戦術グループによる沿岸の隠蔽目標への砲射撃を実施した。



ロシア太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」は、2020年3月下旬から5月初頭まで日本海及びオホーツク海で戦術演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

コルベット「グロームキー」「ソヴェルシェーンヌイ」は、2020年4月初頭から6月下旬まで遠距離航海を行ない、太平洋へ進出しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は遠距離航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

これらの艦の一部は、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』ウラジオストク(金角湾)の観艦式へ参加しました。




この5隻は、2020年8月15日までに小型対潜艦支援船を伴い、ウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクを出航した]

この艦船部隊は、オホーツク海、カムチャツカ半島およびチュクチ半島沿岸で演習を行ないました。

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8月17日には、カムチャツカ半島アヴァチンスキー湾で、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が、海上目標(海上曳航盾船)及び沿岸目標への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはカムチャツカ沖で砲撃訓練を実施した]

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8月24日にはベーリング海北西部で複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」ヘリコプター発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはベーリング海北西部で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]

8月26日には2隻のコルベットチュクチ沿岸のアナドイル湾で海上目標(海上曳航盾船)への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"と"ソヴェルシェーンヌイ"はベーリング海北部で砲撃訓練を行なった]

8月27日にはナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」原子力水中巡洋艦「オムスク」ベーリング海対艦ミサイルを発射しました。
同日、チュクチ沿岸から地対艦ミサイル「バスチオン」(オーニクス)の発射訓練も行われました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと原子力水中巡洋艦オムスクはベーリング海で対艦ミサイルを発射した]

8月28日には海軍航空隊の訓練飛行が行なわれました。
[ロシア海軍航空隊の4艦隊の航空隊は同時飛行訓練を行なった]

2隻のコルベットベーリング海峡を超えてチュクチ海へ入り、8月29日には同海域で沿岸の地上目標への艦砲射撃訓練を行ないました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"と"ソヴェルシェーンヌイ"はチュクチ海で艦砲射撃訓練を行なった]

8月31日にはチュクチプロヴィデニヤ湾海軍歩兵部隊の上陸演習が行なわれました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵はチュクチで上陸演習を行なった]
これがベーリング海演習のフィナーレになったようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のベーリング海演習は完了した]

演習参加部隊の主力は9月14日に宗谷海峡を西進し、日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年9月15日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

そして9月16日にウラジオストクへ帰投しました。

ウラジオストクへの入港前に艦載ヘリコプターKa-27(第7062航空基地所属)を駐留基地ニコラエフカ飛行場へ移動させました。
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記事中に名前が出てくるロシア海軍の大規模演習『大洋の盾-2020』は、元々は2020年8月3日からバルト海で始まったものであり、当初は、主として7月26日の『ロシア海軍の日』バルト海沿岸で行なわれた観艦式(バルチースク、クロンシュタット、サンクトペテルブルク)へ参加した艦船が参加していました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭水上戦闘艦6隻は北海でミサイル発射訓練を行なった]

その後、ベーリング海での太平洋艦隊の大演習も『大洋の盾-2020』に組み入れられ、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督が複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」に座乗して演習を指揮しました。
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[ロシア海軍の50隻の艦船がベーリング海演習へ参加している]

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月15日15時2分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は北方艦隊へ到着した】

北方艦隊主要基地~セヴェロモルスクへプロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」が到着した。
本日(9月15日)、同艦はバルト海からの艦隊間移動を完了した。

艦の歓迎式典には北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ中将が出席した。
彼は航海を成功裏に完了して母基地へ到着した乗組員を祝福し、更に計画錬成任務への移行と近い将来に行なわれる遠洋ゾーンへの最初の航海の準備へ注意を向けた。

北方艦隊司令官は更に、プロジェクト22350艦は、艦隊水上部隊の能力を根本的に新しい水準へ引き上げる新たなミサイル兵器の最初の搭載艦となる事を指摘した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク造船企業『北方造船所』で建造された。
同艦は2009年に起工され、2014年に進水した。
2018年末に工場航行試験が始まり、それはバルト艦隊及び北方艦隊の担当ゾーンで行なわれた。

海軍の日を前にした2020年7月21日、フリゲート聖アンドレイ旗掲揚式典が開催された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊であり、更には重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、そしてプロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」も加入している北方艦隊ロケット艦師団へ含まれる。

2019年と2020年にフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加した。
試験期間中と最近に艦は艦隊間移動を行ない、25000海里以上を航行した。
合計して艦の乗組員は約半年間海上に居た。

試験期間中にフリゲートは3回のミサイル複合体「カリブル」の射撃、1回の高射ミサイルの射撃、14回の砲射撃及び2回の海上対潜兵器の射撃を行なった。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]

北方海域(バレンツ海白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]

4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]

5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

6月2日には対魚雷兵器「パケート」(324mm魚雷迎撃用魚雷)の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]

6月6日、全ての洋上試験を終えて建造元の『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は全ての洋上試験を完了した]
「アドミラル・カサトノフ」『北方造船所』で検査とメンテナンスを行ない、一度海上へ検査出航した後、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。

2020年7月15日、「アドミラル・カサトノフ」の受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。

ロシア海軍太平洋艦隊司令官は近代化改装されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"を視察した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年9月15日6時15分配信
【太平洋艦隊司令官は近代化されたフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の工場試験の進展を確認した】

太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将株式会社『艦船修理センター・ダーリザヴォード』を訪れ、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の修理及び近代化の進展、更には艦の工場試験実施の今の状態に精通した。

セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、軍備担当艦隊副司令官イーゴリ・コロリョーフ少将、フリゲート艦長アレクサンドル・マトヴェーエフ2等海佐、『ダーリザヴォード』管理部代表者を伴い、艦内を視察し、作業の最終段階における爆発火災安全性の問題と乗組員の居住条件に当別な注意を払った。
フリゲート巡回中、艦内の部屋の内装のコンセプトが承認され、試験の最終段階計画の指示が出された。
太平洋艦隊司令官は、工場航行試験の適時かつ高品質な完了を保証する為、請負業者の作業の監督の必要性に関し、「マルシャル・シャーポシニコフ」艦長へ注意を与えた。

視察の結果、艦隊司令官は、全ての作業は以前に承認されたスケジュールに沿って実行されている事を指摘した。

ウラジオストク株式会社『艦船修理センター・ダーリザヴォード』基盤で、艦は船底外部部品及び船体構造の修理を行ない、新たな機器を取り付けた。
近代化の枠組みにおいて、艦の上部構造物の20パーセント以上が取り外され、設計図面に沿って再び製造された。
電気機械機器が据え付けられた。
主要ケーブル線の一部は交換された。
近代化された艦は、対潜及び対空システムに加え、最新の打撃ミサイル兵器複合体「カリブル-NK」及び「ウラン」、更には最新の砲兵器を兵装として受け取った。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
(つまり、当初は「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、「カリブル」も装備する事になった)

「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

更に、最新の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

2020年7月10日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]


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その後、一旦ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]

「マルシャル・シャーポシニコフ」の再就役は、2020年末に予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"の近代化改装は2020年末に完了する]
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦(フリゲート)マルシャル・シャーポシニコフと原子力水中巡洋艦イルクーツクは極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を使用できる]

近代化改装後の「マルシャル・シャーポシニコフ」は、大型対潜艦からフリゲートへ類別変更されます。
[近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦はフリゲートへ艦種変更される]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で洋上補給を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年9月15日7時45分配信
【地中海で黒海艦隊の艦の暗い時間帯の海上での物資補充演習が行なわれた】

地中海海軍常設グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、暗い時間帯に海上で弾薬と食料の在庫を補充する艦上演習を実施した。

演習計画によると、物資-技術サービス供給所へ寄港する事無く指示された任務を途切れなく遂行する為、フリゲートへ必要な物資を海上で補充する決定が採択された。

演習中、フリゲート「アドミラル・マカロフ」は指定海域へ投錨停泊し、その後、艦の乗組員は、無防備の泊地へ停泊する艦の保護及び防衛を保障した。
更に、弾薬と食料を艦上へ移送する為、黒海艦隊支援船が艦へ接近した。

演習の枠組みで、物資移送の様々な方法へ取り組み、要員は基準を満たし、高い水準の整然とした行動を示した。

海上での物資補充演習は、遠海ゾーン海軍グループの特別任務遂行計画に沿って実施された。



ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」(499、2017年12月27日就役)は、同型艦((11356Rの1番艦)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)と共に2020年2月27日にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

先に地中海東部へ入っていた同型艦(11356Rの2番艦)「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)と合流し、各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]

4月に入ってからも3隻のフリゲートは一緒に行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]


その後、「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」「アドミラル・グリゴロヴィチ」と別れ、4月9日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌4月10日、「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」は母港セヴァストーポリへ到着しました。

しかし、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行・感染拡大に関連し、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は、暫くセヴァストーポリ港内の泊地に留め置かれる事になりました。
「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は3月末に外国港(おそらくはキプロスリマソール港)へ寄港していた為、外国港を出てから14日間は検疫期間として乗組員は陸地へ上陸できず、艦内に留まる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリ港内へ入った]

「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」は艦内の消毒などの措置が行なわれ、4月11日にセヴァストーポリ港埠頭へ入りました。
[地中海東部から戻ってきたロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は検疫措置を終えてセヴァストーポリ埠頭へ係留された]


それから2ヶ月以上経過した2020年6月下旬、「アドミラル・マカロフ」セヴァストーポリを出航し、6月24日にはボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

地中海東部へ到着した「アドミラル・マカロフ」は、6月29日に対空防衛及び対水中破壊工作演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で演習を行なった]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアタルトゥース港で行なわれた観艦式へ参加しました。

[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]

7月28日には地中海東部で対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も地中海東部で行動を続け、9月15日未明には洋上補給を行ないました。
「アドミラル・マカロフ」が洋上補給を受けた船の名前は明らかにされていませんが、「黒海艦隊の支援船」との事ですから、6月10日にボスポラス海峡(とダーダネルス海峡)を南下して地中海へ入り、現在も同海域に居る大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(1975年7月19日就役)でしょう。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月14日16時5分配信
【北方艦隊北極グループは東シベリア海へ入った】

艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北方艦隊北極グループの艦船は、東シベリア海へ入った。
前日、全ての艦船はコテリヌイ島小リャーホフスキー島を隔てるサンニコフ海峡を通過した。
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海域の結氷状況はグループの行動に好都合である。

以前、大型対潜艦「セヴェロモルスク」大型揚陸艦「コンドポガ」は、ラプテフ海沿岸のヤクーチア(サハ)チクシ村地域で北極ロシアの島と大陸の領土を防護する為の戦術演習へ取り組んだ。

艦とヘリコプターの乗組員は、海軍歩兵と共に仮想敵により占領された無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸、その後の橋頭堡の防衛、更には極北及び北極エリアでの襲撃行動の実施の為の連携へ取り組んだ。

演習後、装甲輸送車2連牽引車大型揚陸艦「コンドポガ」へ積載され、艦は東へ進路を取った。

次の北極での無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸演習は、チュクチ海で行なわれる。

北方艦隊北極グループの艦船の9回目の北極航海は、8月5日から続いている。
現在までに北方艦隊将兵は3000海里以上を進み、10回以上の戦術演習及び総合艦上戦闘演習を実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいます。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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今後、北極遠征部隊チュクチ海沿岸で上陸演習を行ないます。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月14日15時2分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は北方艦隊へ向かっている】

2020年7月21日に海軍の戦闘編制へ受け入れられたプロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、北方艦隊主要基地へ向かっている。
現在、艦はノルウェー海を通過している。
そのセヴェロモルスクへの到着は、明日(9月15日)に予定されている。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク造船企業『北方造船所』で建造された。
同艦は2009年に起工され、2014年に進水した。
2018年末に工場航行試験が始まり、それはバルト艦隊及び北方艦隊の担当ゾーンで行なわれた。

海軍の日を前にした2020年7月21日、フリゲート聖アンドレイ旗掲揚式典が開催された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊であり、更には重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、プロジェクト22350フリゲートのトップで、現在は白海新型ミサイル兵器をテストしている「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」も加入している北方艦隊ロケット艦師団へ含まれる。

2019年と2020年にフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」サンクトペテルブルク主要海軍パレードへ参加した。
試験期間中と最近に艦は艦隊間移動を行ない、25000海里以上を航行した。
合計して艦の乗組員は約半年間海上に居た。

試験期間中にフリゲートは3回のミサイル複合体「カリブル」の射撃、1回の高射ミサイルの射撃、14回の砲射撃及び2回の海上対潜兵器の射撃を行なった。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]

北方海域(バレンツ海白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]

4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]

5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

6月2日には対魚雷兵器「パケート」(324mm魚雷迎撃用魚雷)の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]

6月6日、全ての洋上試験を終えて建造元の『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は全ての洋上試験を完了した]
「アドミラル・カサトノフ」『北方造船所』で検査とメンテナンスを行ない、一度海上へ検査出航した後、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。

2020年7月15日、「アドミラル・カサトノフ」の受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。

順調に行けば、「アドミラル・カサトノフ」は9月15日にセヴェロモルスクへ到着します。

ロシア海軍初の戦闘艇の女性乗組員の試験運用は完了した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年9月14日9時14分配信
【黒海艦隊で初めて女性乗組員が形成された】
モスクワ、9月14日-ロシア通信社ノーボスチ

哨戒艇の女性乗組員の形成の為の実験がロシア連邦黒海艦隊で行なわれ、この発意は成功と認められた。
月曜日、黒海艦隊情報供給部長アレクセイ・ルリョフ2等海佐は表明した。
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「黒海艦隊で哨戒艇の女性乗組員を作成する為の実験は、成功裏に完了しました。
実験中、女性軍人は集中的な総合軍事訓練コースを経過し、艇長、機関電気技術者、操舵信号士の専門研修を受けました」

彼は話した。

プロジェクトの初期段階において実験乗組員は、サンクトペテルブルク海軍統合訓練センターで特別コースを経過し、4等艦の乗組員としての訓練コースで再訓練を行なった。

「出航すると、彼女たちは自身で、職務に従事する為の全ての義務を遂行し、動力装置、航法機器、哨戒艇の部品と機構の整備を行ないました。
黒海艦隊の艦船駐留所海域の哨戒演習中、乗組員は、対水中工作防衛、更には艦艇のダメージコントロールの訓練を実施しました」
ルリョフ
は話した。

演習の最終段階で、乗組員は、実地擲弾射撃と標準兵器からの射撃の戦闘訓練の課題を完璧に成功裏に実行した。

「実習の最期で、女性乗組員は、自身での艇の制御へ入り、職責を遂行する為のテストへ成功裏に移行しました。
実験の結果は用意され、更なる決定を下す為、ロシア海軍総司令部へ送信されました」
ルリョフ
は指摘した。



ロシア海軍史上初の戦闘艇の女性乗組員は、2020年3月初頭までに黒海艦隊で編成されました。
[ロシア海軍黒海艦隊のラプトル型哨戒艇の1隻は女性乗組員で構成される]

右から
ユーリヤ・クロチキナ(操舵信号士)
アーンナ・ブリケズ(艇長)
オーリガ・チュロコヴァ(機関士)

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この3名は、元々はプロジェクト03160「ラプトル」型哨戒艇の乗組員として訓練を受けていたのですが、まず手始めに2020年6月から黒海艦隊IC16MII型哨戒艇で勤務する事になりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艇P-834は女性乗組員を受け入れた]

ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はブルネイを去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年9月14日4時50分配信
【太平洋艦隊の艦はブルネイ訪問を完了した】

本日(9月14日)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、4日間に渡ったムアラ港(ブルネイ)への業務寄港を完了し、戦闘艦支隊は水と燃料の在庫を補充した。

太平洋艦隊戦闘艦支隊は、アジア-太平洋地域で任務を遂行する為、8月1日にウラジオストクを去った。
以前、艦はスリランカへの業務寄港を行ない、ベンガル湾で行なわれたロシア-インド2ヶ国海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2020』へ参加した。



2020年8月1日、ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役)と「アドミラル・ヴィノグラードフ」(1989年5月1日就役)は、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)を伴い、東南アジア地域への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
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大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
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大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」
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8月5日に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年8月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

8月31日にスリランカ南部のハンバントタ港へ寄港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはスリランカのハンバントタ港を訪れた]

9月3日にハンバントタ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはスリランカのハンバントタを去った]

太平洋艦隊艦船部隊ハンバントタ港出航直後、パナマ船籍のタンカー「ニューダイアモンド」スリランカ沖で火災事故を起こした為、急遽、同船の救助へ向かいました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋で遭難したタンカーの救助へ向かった]

翌9月4日からベンガル湾インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』を開始しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』が始まった]

インド海軍からは、この4隻が参加しました。

フリゲートF49「サヒャディ」(2012年7月21日就役)
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駆逐艦D55「ランヴィジャイ」(1988年1月15日就役)
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コルベットP30「キルタン」(2017年10月16日就役)
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給油船A57「シャクティ」(2011年10月1日就役)
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この内の「ランヴィジャイ」は、ロシア海軍プロジェクト61(カシン級)の準同型艦であり、ソヴィエト連邦時代にのウクライナで建造されました。

9月5日には各種の実地戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』で合同戦闘訓練が行なわれた]

9月6日、両国の艦船部隊は互いに別れを告げ、合同演習は完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』は終了した]

その後、太平洋艦隊艦船部隊南シナ海へ入り、9月11日にはブルネイムアラ港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はブルネイを訪問した]

水と燃料を補給した後、9月14日にムアラ港を出航しました。

ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海で長時間飛行を行なった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年9月12日21時36分配信
【ロシアのTu-142は中立水域上空で飛行を行なった】
セヴェロモルスク、9月12日-ロシア通信社ノーボスチ

2機の遠距離対潜航空機Tu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北海の中立水域上空で計画飛行を実施した。
北方艦隊広報サービスは発表した。

「2020年9月12日、北方艦隊の2機の遠距離対潜航空機Tu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北海の中立水域上空で計画飛行を実施しました」
声明では、こう述べられた。

飛行は11時間以上に渡って続いた事が指摘された。
飛行ルートの各々の段階で、ロシア航空機には外国の戦闘機が同行した。

飛行は、空域使用に関する国際法規を厳密に順守して実行された事が声明で指摘された。



ソ連/ロシア海軍遠距離対潜哨戒機Tu-142は、戦略爆撃機Tu-95の海軍向けヴァージョンであり、1968年6月18日に初飛行し、1972年11月15日に軍備採用されました。
1968年から1994年までに合計で100機生産され、この内の8機はインドへ輸出されました。


現在、ロシア海軍航空隊では、北方艦隊太平洋艦隊に各12機が在籍しています。
北方艦隊所属機はキぺロヴォ飛行場太平洋艦隊所属機はカーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)に配備されています。

キぺロヴォ飛行場
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カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)
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ロシア海軍航空隊Tu-142は、度々遠方海域へ進出しています。

北方艦隊Tu-142は、2016年6月初頭と2018年3月末に地中海東部へ進出しています。
[ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3はシリア上空で目撃された]
[シリア上空で目撃されたロシア海軍航空隊の長距離哨戒機Tu-142M3は、地中海で警備艦アドミラル・グリゴロヴィチと合同演習を行なっていた]
[ロシア海軍航空隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は地中海南東部で潜水艦探知演習を行なった]


2019年8月6日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ、カナダ及びアリューシャン列島沖を飛行しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Tu-142はアリューシャン列島、アラスカ、カナダ沖を飛行した]

2020年3月4日、北方艦隊の2機のTu-142クリミア半島まで進出し、黒海艦隊航空隊と共に演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はクリミア半島上空で空中給油訓練を行なった]


2020年3月8日、北方艦隊の2機のTu-142大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は大西洋上空の長距離飛行を行なった]

2020年3月9日、太平洋艦隊の2機のTu-142アラスカ周辺を長時間飛行しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はアラスカ周辺を長時間飛行した]

2020年3月11日、北方艦隊の2機のTu-142は再び大西洋まで進出しました。

[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は再び大西洋上空の長距離飛行を行なった]

3月14日、太平洋艦隊の2機のTu-142北極海で長時間飛行を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極海上空で長時間飛行を行なった]

4月29日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、そして北海へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北海の上空を飛行した]

5月23日、太平洋艦隊の2機のTu-142太平洋で長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3は太平洋上空で長時間飛行を行なった]

これまで北方艦隊太平洋艦隊Tu-142の長時間飛行は、別々の日に実行されていましたが、6月27日には、初めて北方艦隊太平洋艦隊の合計7機のTu-142が同じ日に長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊と太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142MKは、バレンツ海及びノルウェー海、北太平洋の上空で長時間飛行を行なった]

7月3日、北方艦隊の3機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北東大西洋で長時間飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海、ノルウェー海、北東大西洋で長時間飛行を行なった]

8月28日には、北方艦隊の4機のTu-142太平洋艦隊の4機のTu-142が長時間飛行を行ないました。

[ロシア海軍航空隊の4艦隊の航空隊は同時飛行訓練を行なった]

9月12日、北方艦隊の2機のTu-142は、バレンツ海、ノルウェー海、北海で長時間飛行を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月12日12時34分配信
【北方艦隊北極グループはヤクーチア(サハ)で海上揚陸部隊の上陸へ取り組んだ】

本日(9月12日)、同名の集落から遠くないチクシ湾では、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下で、北極ロシアの島と大陸の領土を防護する為の戦術演習が実施された。

演習には、北方艦隊北極グループの部隊が参加した。
演習の主な目的は、仮想敵により占領された無防備の海岸への上陸と、その後の橋頭堡の防衛、更には極北及び北極エリアでの襲撃行動の実施の際の艦隊の部隊の連携への取り組みにあった。

演習は数段階で行なわれた。
大型対潜艦「セヴェロモルスク」と2機のヘリコプターKa-27の火力支援下で海軍歩兵隊員高速艇で海岸へ接近し、海上揚陸部隊の上陸戦闘を行ない、主力の海軍歩兵を乗せた大型揚陸艦「コンドポガ」の進入を保障した。
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沿岸橋頭堡の占領後、大型揚陸艦「コンドポガ」の艦内から「支点」方式で揚陸主力部隊の無防備の海岸への上陸が行なわれた~装甲輸送車BTR-82A、2連牽引車DT-10「ヴィーチャズィ」
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更に海軍歩兵隊員は、沿岸地域で仮想敵の偵察-破壊工作グループを捜索、撃滅する戦術襲撃行動へ取り組んだ。

同様の演習を北方艦隊北極で定期的に実施している。
海上揚陸部隊の上陸及び襲撃行動は、既にノヴァヤ・ゼムリャ及びセベルナヤ・ゼムリャ群島、タイミル半島、チェリュスキン岬、ノヴォシビルスク諸島で取り組まれている。
このヤクーチア(サハ)、チクシ湾における同様の演習は2度目となる。
チクシ湾における北方艦隊軍人の最初の演習は、2018年に行なわれた。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいます。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦はバレンツ海で対潜ミサイルを発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月11日11時26分配信
【北方艦隊の潜水艦は対潜ミサイル射撃を実施した】

北方艦隊潜水艦連合部隊の1隻の多目的原子力潜水艦の乗組員は、バレンツ海の北方艦隊戦闘訓練射爆場での計画対潜任務への取り組みの枠組みにおいて、水中目標への対潜ミサイル射撃を実施した。

海上兵器を用いる戦術演習は、双務形式で実行された。
潜水艦への対抗は、北方艦隊潜水艦部隊の他の連合部隊の多目的巡洋原子力潜水艦により示され、更に、対潜ミサイル兵器の使用も示された。

射撃は、弾頭無しの実弾で行なわれた。
潜水艦の乗組員は、訓練中に攻撃し、整然かつプロフェッショナルとしての活動を行なった。

数日前、バレンツ海北方艦隊原子力潜水艦の乗組員は、対戦方式で水中目標への魚雷射撃へ取り組んだ。



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現在、ロシア北方艦隊に配備されている戦闘任務用の原子力潜水艦は、以下の通りです。
(ただし、これは書類上のものであり、一部の艦はオーバーホールや近代化改装などで長期に渡り基地を離れている)

北方艦隊潜水部隊(司令部ガジエヴォ)
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[第24潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト971原子力巡洋潜水艦:K-317「パンテーラ」、K-461「ヴォルク」K-328「レオパルド」K-154「チグル」K-157「ヴェプリ」K-335「ゲパルド」

[第31潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト955原子力戦略用途水中巡洋艦:K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」
プロジェクト955A原子力戦略用途水中巡洋艦:K-549「クニャージ・ウラジーミル」
プロジェクト667BDRM原子力戦略用途水中巡洋艦:K-51「ヴェルホトゥリエ」K-84「エカテリンブルク」K-114「トゥーラ」K-117「ブリャンスク」K-18「カレリア」K-407「ノヴォモスコフスク」

[第11潜水艦師団](ザオゼルスク)
プロジェクト885原子力水中巡洋艦:K-560「セヴェロドヴィンスク」
プロジェクト949A原子力水中巡洋艦:K-119「ヴォロネジ」K-266「オリョール」K-410「スモレンスク」
プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦:B-138「オブニンスク」
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[第7潜水艦師団](アラグバ)
プロジェクト945A原子力大型潜水艦:B-336「プスコフ」、B-534「ニジニ・ノヴゴロド」
プロジェクト945原子力大型潜水艦:B-276「コストロマ」

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この内、「多目的原子力潜水艦」に該当するのは、プロジェクト971原子力巡洋潜水艦、プロジェクト885原子力水中巡洋艦、プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦、プロジェクト945/945A原子力大型潜水艦になります。

今回、この内の2隻がバレンツ海へ出航し、対潜ミサイル発射訓練を行ないました。

対潜ミサイルの具体的なタイプには触れられていませんが、おそらくはRPK-6「ヴォドパード」(全長8.2m、発射重量2445㎏、最大射程37㎞)でしょう。
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訓練に参加した原子力潜水艦の艦名も明らかにされていませんが、2隻の内の1隻はプロジェクト971原子力巡洋潜水艦です。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月11日11時22分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は地中海で潜水艦捜索演習を実施した】

地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、仮想敵潜水艦を捜索、追尾する艦上対潜班の要員の演習を実施した。

演習は、対潜ヘリコプターKa-27PLを用いて行なわれた。
ヘリコプター乗員は大型対潜艦の甲板から数回の飛行を行ない、指定海域で潜水艦を捜索した。
飛行任務中、飛行士は投下式水中音響ステーションの助力による潜水艦の捜索へ取り組んだ。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、既に1ヶ月以上地中海で行動している。
同艦は、アルジェリア及びキプロスへの業務寄港を行ない、数回の演習を実施した。
今日までに艦は15000海里以上を航行した。

以前、艦の乗組員は、海洋給油船「アカデミック・パシン」と共に海上航行中に液体貨物を移送する演習を行なった。



北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2020年6月13日にセヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]

しかし、バレンツ海ノルウェー海を通過した「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北海からバルト海へは入らず、更に南下してラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは英仏海峡を通過した]

その後、バルト海へ入り、7月26日にクロンシュタットで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後も母港セヴェロモルスクへの帰路には就かず、そのまま地中海への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ行く]

8月6日にはビスケー湾潜水艦捜索演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月6日22時0分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はビスケー湾で潜水艦の捜索へ取り組んだ】

8月7日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ入った]
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8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」アルジェリアの首都アルジェを訪問しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを訪れた]

8月13日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを去った]

8月16日には地中海(中部)で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で対潜戦闘訓練を行なった]

その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海東部へ到着し、8月28日にはキプロス南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは補給の為にキプロスのリマソール港を訪れた]
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9月1日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソール港を去った]

その後、北方艦隊最新給油船「アカデミック・パシン」(2020年1月21日就役)が「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、9月9日には洋上補給を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部(キプロス南方沖)で最新給油船アカデミック・パシンから洋上補給を受けた]
『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】

9月11日には潜水艦捜索演習を行ないました。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」:2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは戦略指揮-参謀演習『カフカス-2020』への参加を準備する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
【親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は海上での錬成任務の要素へ成功裏に移行した】

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」は、計画修理完了後に黒海エリアで錬成任務の要素「単艦での航行及び戦闘実施」へ成功裏に移行した。

錬成任務の要素への取り組みは、海上戦闘訓練射爆場で行なわれた。

現在、巡洋艦は、物資と食料の在庫補充の為、黒海艦隊主要基地へ戻っており、その後、戦略指揮-参謀演習『カフカス-2020』への参加準備を続ける。

錬成任務の要素の遂行の枠組みで、乗組員は複合艦上戦闘演習を実施し、海上での乗組員の整然とした活動を行なった。

実地行動中、巡洋艦の乗組員は、高射砲射撃の実行を伴う対空防衛へ取り組み、ダメージコントロール、更には無防備の泊地へ停泊中の艦の全方位防衛及び防護の訓練を実施した。

海上で乗組員は、艦の主要ミサイル複合体の仮想使用の為の行動方式へ取り組んだ。

これに加え、巡洋艦の要員は、黒海エリアでヘリコプターKa-27PLの艦上への受け入れ演習を実施し、艦の全ての航空複合システムの性能通りの動作を点検した。



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プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦の1番艦「スラヴァ」は、1976年11月5日にウクライナニコラエフ市『61コムーナ記念造船工場』で起工され、1979年7月27日に進水し、1982年12月13日にソ連海軍へ納入されました。

進水する「スラヴァ」(1979年7月27日)
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1982年秋に洋上試験を行なう「スラヴァ」
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1983年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に海軍へ就役しました。

就役後は黒海艦隊へ編入され、何度も地中海へ派遣されました。

1983年9月に地中海で行動中の「スラヴァ」
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1989年12月初頭にマルタ島で行なわれたソ連アメリカの首脳のマルタ会談にも同行しました。
[ソ連海軍ロケット巡洋艦スラヴァが見た東西冷戦終結(1989年)]

1991年3月21日から建造元の『61コムーナ記念造船工場』で大規模なオーバーホールを開始しました。

しかし、オーバーホール中にソヴィエト連邦は解体され、ウクライナは独立した為、ニコラエフ市のドックに居た「スラヴァ」は宙に浮く事になりました。

ソ連邦解体後の財政難により「スラヴァ」のオーバーホールの資金は捻出できず、おまけにロシアウクライナ黒海艦隊帰属・分割問題により、「スラヴァ」ロシアウクライナの所有権争いに巻き込まれました。
(ウクライナは、自国のドックに居る「スラヴァ」の所有権を主張した)

1995年6月22日、「スラヴァ」は、除籍されるプロジェクト1123対潜巡洋艦の名前を受け継ぎ、「モスクワ」と改名されました。
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1998年5月13日、除籍される親衛警備艦「クラースヌイ・カフカース」の親衛旗を受け継ぎ、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」となりました。
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この間、「スラヴァ」改め「モスクワ」のオーバーホールが資金不足により進まない事に業を煮やしたモスクワ市は、2000万ドルを寄付しました。

「モスクワ」のオーバーホールは1999年8月に完了し、黒海艦隊旗艦として復帰しました。
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オーバーホール期間中に「モスクワ」対艦ミサイルは、「バザーリト」から「ヴルカーン」へ換装されました。

2003年4月~5月にはインド洋への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その2・黒海艦隊の親衛ロケット巡洋艦モスクワ]

2004年9月には地中海イタリア海軍との合同演習『IONIEKS-2004』へ参加しました。

2007年12月初頭から2008年2月初頭まで行なわれた北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征に参加しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]
[スラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」、大西洋上で戦闘訓練(2008年1月21日)]

2008年8月上旬のロシア・グルジア戦争(南オセチア紛争)の際、黒海東部へ派遣されました。
[南オセチア紛争(2008年8月)]

2009年1月末にイタリアメッシナ港を訪問しました。
[巡洋艦「モスクワ」は、シチリア島を訪問する]

2010年5月には北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に極東へ派遣され、戦略演習『ヴォストーク-2010』へ参加しました。
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2013年初頭には衛星通信複合体「ツェンタヴル-NM-1」が装備されました。

2013年1月下旬に黒海地中海で行なわれたロシア海軍3艦隊合同演習へ演習総旗艦として参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

2013年7月から9月まで大西洋カリブ海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍大西洋・カリブ海遠征(2013年7月-9月)]

2014年9月から2015年1月まで太平洋への遠距離航海を行ないました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。


2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日、2017年7月30日、2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていましたが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

結局、セヴァストーポリ『第13艦船修理工場』「モスクワ」の修理を行なう事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはセヴァストーポリで修理を行なう]


2019年6月5日、「モスクワ」セヴァストーポリを出航し、黒海へ出ました。


[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは3年ぶりに出航した]

2019年7月28日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
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その後、セヴァストーポリで機関の修理を行ないました。

2019年12月4日、他の黒海艦隊所属艦と共に、緊急出航などの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは緊急出航訓練を行なった]

「モスクワ」は2020年4月22日からセヴァストーポリ北方乾ドックでの修理を開始しました。
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7月3日に乾ドックを出ました。


その後は艦船係留埠頭へ戻り、最終的なメンテナンス作業が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2020年8月に最終メンテナンスを終える]

2020年7月26日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
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今回のオーバーホールにより「モスクワ」の寿命は20年延長され、2040年代初頭まで現役に留まる事が可能となります。
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[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2040年代初頭まで現役に留まる]

現役復帰した「モスクワ」は、9月2日に乗組員の慣熟訓練の為、黒海へ出航しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは黒海で演習を行なう為に出航した]

9月8日には、現役復帰後の初めてのヘリコプター発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは現役復帰後の初のヘリコプター発着訓練を行なった]

その後、海上で各種戦闘訓練などを行ない、9月11日にセヴァストーポリへ帰投しました。

今後、「モスクワ」は、ロシア南部で9月21日から26日まで実施されるロシア連邦軍戦略指揮-参謀演習『カフカス-2020』へ参加します。
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なお、『カフカス-2020』には中国人民解放軍も参加します。
『タス通信』より
2020年9月10日11時35分配信
【中国はロシアで演習『カフカス-2020』へ参加する】

ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はブルネイを訪問した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年9月11日6時45分配信
【太平洋艦隊戦闘艦支隊はブルネイへ到着した】

本日(9月11日)、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」で構成される太平洋艦隊戦闘艦支隊は、業務寄港の為にムアラ港(ブルネイ)へ到着した。
停泊期間中にロシア船員は水と燃料の在庫補充を計画している。

太平洋艦隊の艦船の訪問は9月14日まで続く。

太平洋艦隊戦闘艦支隊は8月1日にウラジオストクを去った。
艦は2ヶ月以上に渡りアジア-太平洋地域で任務を遂行する。
以前、彼らはスリランカへの業務寄港を行ない、ベンガル湾で行なわれたロシア-インド2ヶ国海軍演習『インドラ・ネイヴィー-2020』へ参加した。



2020年8月1日、ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役)と「アドミラル・ヴィノグラードフ」(1989年5月1日就役)は、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)を伴い、東南アジア地域への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
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大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」
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大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」
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8月5日に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2020年8月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

8月31日にスリランカ南部のハンバントタ港へ寄港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはスリランカのハンバントタ港を訪れた]

9月3日にハンバントタ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツとアドミラル・ヴィノグラードフはスリランカのハンバントタを去った]

太平洋艦隊艦船部隊ハンバントタ港出航直後、パナマ船籍のタンカー「ニューダイアモンド」スリランカ沖で火災事故を起こした為、急遽、同船の救助へ向かいました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はインド洋で遭難したタンカーの救助へ向かった]

翌9月4日からベンガル湾インド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』を開始しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』が始まった]

インド海軍からは、この4隻が参加しました。

フリゲートF49「サヒャディ」(2012年7月21日就役)
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駆逐艦D55「ランヴィジャイ」(1988年1月15日就役)
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コルベットP30「キルタン」(2017年10月16日就役)
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給油船A57「シャクティ」(2011年10月1日就役)
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この内の「ランヴィジャイ」は、ロシア海軍プロジェクト61(カシン級)の準同型艦であり、ソヴィエト連邦時代にのウクライナで建造されました。

9月5日には各種の実地戦闘訓練が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』で合同戦闘訓練が行なわれた]

9月6日、両国の艦船部隊は互いに別れを告げ、合同演習は完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊とインド海軍の合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』は終了した]

その後、太平洋艦隊艦船部隊南シナ海へ入り、9月11日にはブルネイムアラ港へ入港しました。
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ブルネイは、太平洋戦争末期の1944年10月下旬のレイテ沖海戦の際、日本海軍主力部隊(第一遊撃部隊、栗田艦隊)が出撃した場所としても知られています。
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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部(キプロス南方沖)で最新給油船アカデミック・パシンから洋上補給を受けた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日15時10分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と給油船「アカデミック・パシン」の乗組員は地中海で演習を行なった】

地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、最新の中型海洋給油船「アカデミック・パシン」と海上航行中に液体貨物を移送する演習を行なった。
演習は、この数時間に渡った。
この時、大型対潜艦の電気機械戦闘班と甲板チームは、真水と燃料の在庫補充を行なった。

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、既に1ヶ月以上地中海で行動している。
同艦は、アルジェリア及びキプロスへの業務寄港を行ない、航海任務遂行海域で外国潜水艦を捜索する為の数回の演習を実施し、約14000海里を航行した。

最新の中型海洋給油船「アカデミック・パシン」は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と数日前に合流した。
給油船の乗組員にとって、この航海は、その歴史上、遠海ゾーンへの最初のものとなる。
同船は2020年初頭に北方艦隊へ加わった。

今後、大型対潜艦給油船の乗組員は、対潜艦旅団参謀長スタニスラフ・ヴァリク1等海佐の将旗の下で支隊を構成し、地中海で行動する。



北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2020年6月13日にセヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]

しかし、バレンツ海ノルウェー海を通過した「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北海からバルト海へは入らず、更に南下してラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは英仏海峡を通過した]

その後、バルト海へ入り、7月26日にクロンシュタットで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後も母港セヴェロモルスクへの帰路には就かず、そのまま地中海への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ行く]

8月6日にはビスケー湾潜水艦捜索演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月6日22時0分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はビスケー湾で潜水艦の捜索へ取り組んだ】

8月7日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ入った]
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8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」アルジェリアの首都アルジェを訪問しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを訪れた]

8月13日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを去った]

8月16日には地中海(中部)で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で対潜戦闘訓練を行なった]

その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海東部へ到着し、8月28日にはキプロス南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは補給の為にキプロスのリマソール港を訪れた]
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9月1日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソール港を去った]

その後、北方艦隊最新給油船「アカデミック・パシン」(2020年1月21日就役)が「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、9月9日には洋上補給を行ないました。

『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】

「アカデミック・パシン」は、9月9日の時点でキプロス島の南方沖に居たので、この付近で洋上補給を行なったようです。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」:2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海へ進入した北大西洋条約機構海軍連合部隊の艦を追跡している

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『タス通信』より
2020年9月8日20時19分配信
【ロシア連邦北方艦隊はバレンツ海でアメリカ合衆国の駆逐艦が率いる北大西洋条約機構の艦を追尾する】
モスクワ、9月8日/タス通信

北方艦隊の部隊は、バレンツ海へ入ったアメリカ合衆国駆逐艦「ロス」率いる北大西洋条約機構戦闘艦を追尾している。
火曜日、ロシア連邦国立防衛管理センターは報道機関へ伝えた。

「北方艦隊の戦力及び手段は、2020年9月7日にバレンツ海へ入ったアメリカ合衆国海軍の誘導ロケット駆逐艦ロス率いる北大西洋条約機構連合海軍部隊の戦闘艦支隊の行動の追跡へ着手しました」
国立センター
は話した。

月曜日、グレートブリテン海軍は、この地域での自由航行提携への同盟国の支持を示す目的で北大西洋条約機構諸国が北極圏における海上作戦を実施していると発表した。
作戦には、グレートブリテン海軍23型フリゲート「サザーランド」、「タイド」級給油船「タイドスプリン」が関わり、デンマーク哨戒航空機の支援下でアメリカ合衆国海軍の「アーレイ・バーク」型駆逐艦とノルウェー海軍「フリチョフ・ナンセン」型フリゲート「トール・ヘイエルダール」が一緒に行動している。

ブリテン海軍が伝えたように、今の作戦は、5月のブリテン-アメリカ演習の継続である。

アメリカ合衆国海軍誘導ロケット兵器搭載駆逐艦「ドナルド・クック」、「ポーター」、「ルーズベルト」グレートブリテン海軍誘導ロケット兵器搭載フリゲート「ケント」で構成される北大西洋条約機構連合海軍部隊戦闘艦支隊は、5月4日から9日までバレンツ海に居た。
その行動は、アメリカ合衆国海軍汎用補給輸送艦「サプライ」、「ヴァージニア」型原子力潜水艦、ノルウェー海軍ディーゼルエレクトリック潜水艦「ウラ」と2機の哨戒航空機P-3Cオライオンにより保障された。

ロシア海軍の第5世代潜水艦ハスキーとカリーナの開発作業は進められている

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年9月9日3時8分配信
【『統合造船業営団』は新たな潜水艦プロジェクト「カリーナ」及び「ハスキー」の開発について話した】
モスクワ、9月9日-ロシア通信社ノーボスチ

最新の第5世代潜水艦原子力艦「ハスキー」ディーゼル艦「カリーナ」のプロジェクト実現は、独占的に『統合造船業営団』としての主導の下で進められている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、同営団のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

以前、開発のスタートは、プロジェクト設計者である中央設計局『マラヒート』及び海洋工学中央設計局『ルビーン』により繰り返し表明された。

「誰も、これらのプロジェクトを断念しておりません。
私共は、創意を発揮できる枠組みにおいて、開発を継続しております。
一部の作業には国防省から(費用が)支払われており、一部の作業は、現在、率先して継続されております」
ラフマノフ
は話した。

彼は、これは海軍と業界の双方にとって心配事のあるテーマであり、従って、今日において次世代潜水艦を考えないわけには行かない事を強調した。

「比較的少ない費用とエンジニアの労力で解決できる問題が有ります。
ですが、我々の純利益の支出に基づく可能性も同様に制限されてしまいます。
我々は、第5世代将来潜水艦に関する決定が近い内に採択される事を非常に望んでおります」
ラフマノフ
は話した。

最新プロジェクトに関する公式情報は機密扱いである。

非公式情報筋によると、「ハスキー」は2つのヴァージョンで開発されている。
1つ目は、対潜ミサイル「カリブル」を装備し、潜在敵の潜水艦の破壊の為に意図されている。
2つ目は、航空母艦とロケット巡洋艦を撃破する為、対艦有翼ミサイル「ツィルコン」での武装が望まれている。

「カリーナ」の設計完了は2015年に計画されていた。
予備設計では、有翼ミサイル複合体「カリブル」の配置と、2つのヴァージョンのエンジン~非大気依存発電装置リチウムイオンバッテリーの使用の能力が提供されていた。



現在、ロシア海軍次世代(第5世代)潜水艦は2つのタイプの開発が進められています。

第5世代原子力潜水艦「ハスキー」(ライカ)
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」
[ロシア第5世代通常動力潜水艦プロジェクト「カリーナ」]

ロシア海軍バルト艦隊の最新小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは白海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した後に母港バルチースクへの帰路に就いた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2020年9月8日14時27分配信
【小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は内陸水路でバルト海へ戻る】

計画ミサイル射撃を成功裏に実施した小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」は、艦隊間移動を行なっている。

現在、バルト艦隊小型ロケット艦は、白海・バルト海運河、ラドガ湖を通過して内陸水路を進んでおり、近日中にはネヴァ川へ入る。
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その後、艦は物資補充の為にクロンシュタット港へ入る。

8月下旬、「ゼリョヌイ・ドル」乗組員は、チジャ射爆場へ配置された沿岸目標への海上配置有翼ミサイル「カリブル」の射撃を行なう為、北方艦隊海上射爆場へ出航した。
客観的手段による観測の結果、高精度有翼ミサイルは、沿岸標的を成功裏に撃破した。

恒久駐留地であるバルチースク市バルチースク海軍基地へ到着後、小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」乗組員は総計で3000海里以上を航行した事になる。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の4番艦「ゼリョヌイ・ドル」は、ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で2012年8月29日に起工され、2015年4月2日に進水し、2015年12月12日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[巡航ミサイル"カリブル"を装備する最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

2016年8月19日にはシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]


2016年10月にはバルト海へ回航され、10月末にバルト艦隊へ転属しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドル&セルプホフ近影]

その後はバルト海で行動していましたが、2020年8月、ロシア内陸水路経由でバルト海から白海及びバレンツ海へ回航され、セヴェロモルスクへ到着しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の最新小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとオジンツォボは北方艦隊基地へ到着した]

8月29日、「ゼリョヌイ・ドル」は、白海からチジャ射爆場有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の最新小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルは白海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

その後、「ゼリョヌイ・ドル」は、再びロシア内陸水路経由で母港バルチースクへの帰路に就きました。

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日11時32分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海のチクシ湾の投錨停泊地へ入った】

本日(9月9日)、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北極グループの艦船は、遠距離航海の今次段階を完了し、ラプテフ海チクシ湾の投錨停泊地へ入った。
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近い内に、大型対潜艦「セヴェロモルスク」大型揚陸艦「コンドポガ」は、給油船「セルゲイ・オシポフ」からの物資補充を行なう。

更に北方艦隊船員は、チクシ湾海域の無防備の海岸で海上揚陸部隊の上陸が可能な場所を調査する。

8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は、様々な危機的状況が発生した場合のロシア連邦の経済活動の安全を保障する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊の部隊は、更に大型揚陸艦、航空宇宙軍、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組み、その中で北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習を実施した。

北方艦隊軍人と共にロシア地理学協会の代表、複合北極探検隊が乗っている砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」が同行し、北極グループはヴィリキツキー海峡の危険な結氷部分を超えた。
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北極航海中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は2800海里以上を航行した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいます。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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ロシア海軍北方艦隊の多目的原子力潜水艦はバレンツ海で魚雷を発射した

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年9月8日11時7分配信
【ロシアの原子力潜水艦はバレンツ海で魚雷射撃を実施した】
モスクワ、9月8日、インタファクス

ロシア多目的原子力潜水艦は、バレンツ海の演習で仮想敵潜水艦への魚雷射撃を実施した。
北方艦隊広報サービスは火曜日に発表した。

「北方艦隊の潜水艦連合部隊の1隻の多目的原子力潜水艦は、バレンツ海の北方艦隊戦闘訓練射爆場で、対潜任務へ取り組みました。
潜水艦乗員は、水中位置の仮想敵潜水艦を探知し、攻撃を実行しました。
演習中に潜水艦乗員は、実弾による魚雷射撃を実施しました」

声明では、こう述べられた。

敵の役割は、北方艦隊の他の多目的原子力潜水艦が演じた事が指摘された。

「与えられた戦闘演習任務を海上で遂行した後、双方の潜水艦は、コラ半島の恒久駐留所へ到着しました」
艦隊は伝えた。



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現在、ロシア北方艦隊に配備されている戦闘任務用の原子力潜水艦は、以下の通りです。
(ただし、これは書類上のものであり、一部の艦はオーバーホールや近代化改装などで長期に渡り基地を離れている)

北方艦隊潜水部隊(司令部ガジエヴォ)
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[第24潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト971原子力巡洋潜水艦:K-317「パンテーラ」、K-461「ヴォルク」K-328「レオパルド」K-154「チグル」K-157「ヴェプリ」K-335「ゲパルド」

[第31潜水艦師団](ガジエヴォ)
プロジェクト955原子力戦略用途水中巡洋艦:K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」
プロジェクト955A原子力戦略用途水中巡洋艦:K-549「クニャージ・ウラジーミル」
プロジェクト667BDRM原子力戦略用途水中巡洋艦:K-51「ヴェルホトゥリエ」K-84「エカテリンブルク」K-114「トゥーラ」K-117「ブリャンスク」K-18「カレリア」K-407「ノヴォモスコフスク」

[第11潜水艦師団](ザオゼルスク)
プロジェクト885原子力水中巡洋艦:K-560「セヴェロドヴィンスク」
プロジェクト949A原子力水中巡洋艦:K-119「ヴォロネジ」K-266「オリョール」K-410「スモレンスク」
プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦:B-138「オブニンスク」
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[第7潜水艦師団](アラグバ)
プロジェクト945A原子力大型潜水艦:B-336「プスコフ」、B-534「ニジニ・ノヴゴロド」
プロジェクト945原子力大型潜水艦:B-276「コストロマ」

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この内、「多目的原子力潜水艦」に該当するのは、プロジェクト971原子力巡洋潜水艦、プロジェクト885原子力水中巡洋艦、プロジェクト671RTMK原子力大型潜水艦、プロジェクト945/945A原子力大型潜水艦になります。

今回、この内の2隻がバレンツ海へ出航し、魚雷発射訓練を行ないました。

ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年9月8日10時4分配信
【新たなロシアの原子力潜水艦「カザン」は白海で試験を実施した】
モスクワ、9月8日、インタファクス

新たなロシア多目的原子力潜水艦「カザン」は、白海で航行試験を実施した。
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火曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「白海への出航時に原子力潜水艦カザン乗組員は、水上及び水中位置での航行を行ない、錬成戦闘訓練任務の要素へ取り組み、更には艦の一連の技術的数値、例えば水中航行時の騒音などを測定しました」
声明では、こう述べられた。

潜水艦の出航は、水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」白海海軍基地支援船により保障された事が指摘された。
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「与えられた任務を遂行した後、艦船は恒久駐留所~セヴェロドヴィンスクへ到着しました」
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艦隊
は伝えた。

「カザン」は、プロジェクト885M「ヤーセン-M」のトップ艦である。
現在、潜水艦海軍への導入を前にした試験を行なっている。

プロジェクト885M「ヤーセン-M」多目的原子力潜水艦は、有翼ミサイル「オーニクス」或いは「カリブル」を装備する。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられます。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭までに始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、試験が順調に進めば2020年12月末になります。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]


当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月7日19時40分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海へ入った】

本日(9月7日)、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北極グループの艦船は、ヴィリキツキー海峡の結氷部分を超えてラプテフ海へ入った。
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支隊の砕氷保障は、北方艦隊軍人と共にロシア地理学協会の代表、複合北極探検隊が乗っている砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」により行なわれた。

北極グループの移動ルート上の結氷状況に関するデータは、前日に12時間の高緯度飛行を行なった北方艦隊対潜航空機Tu-142乗員から旗艦~大型対潜艦「セヴェロモルスク」へ転送された。
飛行士の任務の1つは結氷偵察であった。

現在、北極グループの艦船は、ラプテフ海西部の航行を続けている。
9回目の北極航海が始まってから、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は2500海里以上を航行し、海上とタイミル半島で数回の戦術演習を実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいます。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。

ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは現役復帰後の初のヘリコプター発着訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年9月8日7時40分配信
【黒海艦隊の親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」はヘリコプターKa-27PLを艦上へ受け入れる演習を実施した】

黒海艦隊ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」乗組員は、黒海エリアでヘリコプターKa-27PLを艦上へ受け入れる演習を実施した。

演習は艦隊戦力の戦闘訓練計画に沿って実施された。

前日、巡洋艦「単艦での航行及び戦闘実施」の任務の要素へ移行する為に出航した。

黒海艦隊海上航空・対空防衛部隊独立混成航空連隊の一員であるヘリコプターKa-27PL乗員は、艦の乗組員と連携して親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」の甲板へ実際の着艦及び発艦を行なった。

更に、演習中に艦の全ての航空複合システムの整然とした動作が点検され、ヘリコプターの飛行を保障する艦内班の行動へ取り組んだ。

巡洋艦の乗組員にとって、艦上へのヘリコプターの組織的な受け入れの課題への取り組みは、艦の計画修理実行に関連する長期の休止の後の戦闘訓練の重要な段階となる。

演習は成功裏に実施され、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」乗組員は、黒海海上射爆場で錬成任務の要素への取り組みを続ける。



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プロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦の1番艦「スラヴァ」は、1976年11月5日にウクライナニコラエフ市『61コムーナ記念造船工場』で起工され、1979年7月27日に進水し、1982年12月13日にソ連海軍へ納入されました。

進水する「スラヴァ」(1979年7月27日)
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1982年秋に洋上試験を行なう「スラヴァ」
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1983年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に海軍へ就役しました。

就役後は黒海艦隊へ編入され、何度も地中海へ派遣されました。

1983年9月に地中海で行動中の「スラヴァ」
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1989年12月初頭にマルタ島で行なわれたソ連アメリカの首脳のマルタ会談にも同行しました。
[ソ連海軍ロケット巡洋艦スラヴァが見た東西冷戦終結(1989年)]

1991年3月21日から建造元の『61コムーナ記念造船工場』で大規模なオーバーホールを開始しました。

しかし、オーバーホール中にソヴィエト連邦は解体され、ウクライナは独立した為、ニコラエフ市のドックに居た「スラヴァ」は宙に浮く事になりました。

ソ連邦解体後の財政難により「スラヴァ」のオーバーホールの資金は捻出できず、おまけにロシアウクライナ黒海艦隊帰属・分割問題により、「スラヴァ」ロシアウクライナの所有権争いに巻き込まれました。
(ウクライナは、自国のドックに居る「スラヴァ」の所有権を主張した)

1995年6月22日、「スラヴァ」は、除籍されるプロジェクト1123対潜巡洋艦の名前を受け継ぎ、「モスクワ」と改名されました。
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1998年5月13日、除籍される親衛警備艦「クラースヌイ・カフカース」の親衛旗を受け継ぎ、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」となりました。
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この間、「スラヴァ」改め「モスクワ」のオーバーホールが資金不足により進まない事に業を煮やしたモスクワ市は、2000万ドルを寄付しました。

「モスクワ」のオーバーホールは1999年8月に完了し、黒海艦隊旗艦として復帰しました。
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オーバーホール期間中に「モスクワ」対艦ミサイルは、「バザーリト」から「ヴルカーン」へ換装されました。

2003年4月~5月にはインド洋への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その2・黒海艦隊の親衛ロケット巡洋艦モスクワ]

2004年9月には地中海イタリア海軍との合同演習『IONIEKS-2004』へ参加しました。

2007年12月初頭から2008年2月初頭まで行なわれた北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征に参加しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]
[スラヴァ級ミサイル巡洋艦「モスクワ」、大西洋上で戦闘訓練(2008年1月21日)]

2008年8月上旬のロシア・グルジア戦争(南オセチア紛争)の際、黒海東部へ派遣されました。
[南オセチア紛争(2008年8月)]

2009年1月末にイタリアメッシナ港を訪問しました。
[巡洋艦「モスクワ」は、シチリア島を訪問する]

2010年5月には北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に極東へ派遣され、戦略演習『ヴォストーク-2010』へ参加しました。
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2013年初頭には衛星通信複合体「ツェンタヴル-NM-1」が装備されました。

2013年1月下旬に黒海地中海で行なわれたロシア海軍3艦隊合同演習へ演習総旗艦として参加しました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

2013年7月から9月まで大西洋カリブ海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍大西洋・カリブ海遠征(2013年7月-9月)]

2014年9月から2015年1月まで太平洋への遠距離航海を行ないました。
[ロケット巡洋艦モスクワ遠距離航海(2014年9月-2015年1月)]

2015年5月には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年6月には、エジプト海軍との合同演習『友情の橋-2015』へ参加しました。
[合同演習『友情の橋-2015』を終えたロシア海軍とエジプト海軍の艦船はアレクサンドリアへ戻った]

2015年6月下旬から8月初頭まで大西洋へ進出し、アンゴラ赤道ギニアを訪問しています。
[ロシア黒海艦隊大西洋遠征(2015年6月-)]

2015年9月24日にセヴァストーポリを出航して地中海東部(シリア沖)へ向かい、2016年1月9日に帰港しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはシリアからセヴァストーポリへ帰港した]

2016年5月21日から7月16日までセヴァストーポリ第13艦船修理工場浮きドックへ入渠しました。


2016年7月22日、視察のためにセヴァストーポリを訪れたロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将によりナヒーモフ勲章が授与されました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはナヒーモフ勲章を授与された]


2016年7月31日、2017年7月30日、2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。


「モスクワ」は、2018年から近代化改装の開始が予定されていましたが、実行には移されませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2018年からセヴァストーポリで近代化改装を行なう]

結局、セヴァストーポリ『第13艦船修理工場』「モスクワ」の修理を行なう事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦モスクワはセヴァストーポリで修理を行なう]


2019年6月5日、「モスクワ」セヴァストーポリを出航し、黒海へ出ました。


[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは3年ぶりに出航した]

2019年7月28日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
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その後、セヴァストーポリで機関の修理を行ないました。

2019年12月4日、他の黒海艦隊所属艦と共に、緊急出航などの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは緊急出航訓練を行なった]

「モスクワ」は2020年4月22日からセヴァストーポリ北方乾ドックでの修理を開始しました。
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7月3日に乾ドックを出ました。


その後は艦船係留埠頭へ戻り、最終的なメンテナンス作業が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2020年8月に最終メンテナンスを終える]

2020年7月26日の「ロシア海軍の日」には、セヴァストーポリの観艦式へ参加しました。
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今回のオーバーホールにより「モスクワ」の寿命は20年延長され、2040年代初頭まで現役に留まる事が可能となります。
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[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは2040年代初頭まで現役に留まる]

現役復帰した「モスクワ」は、9月2日に乗組員の慣熟訓練の為、黒海へ出航しました。

[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは黒海で演習を行なう為に出航した]

9月8日には、現役復帰後の初めてのヘリコプター発着訓練を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月6日15時40分配信
【北方艦隊遠距離対潜航空隊の航空機は北極で氷上偵察を行なった】

北方艦隊対潜航空機Tu-142の乗員2組は、北極の高緯度の飛行を実施した。
飛行士の任務の1つは、タイミル半島沿岸近くのカラ海東部で行動する北方艦隊北極グループの艦船の移動ルート上の結氷偵察であった。

長時間飛行中、Tu-142乗員はルート上の目印の無い場所の上空通過へ取り組み、ロシア北極圏の海上の結氷状況の実際の状態を監視し、他の与えられた任務を遂行した。

飛行任務遂行後、飛行士は無事に駐留飛行場へ戻った。

結氷状況に関して得た情報は、北方艦隊北極グループの旗艦~艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の航海本部が配置されている大型対潜艦「セヴェロモルスク」へ転送された。

近い内に、艦と支援船:大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、困難な結氷条件下での航行と、カラ海ラプテフ海を結ぶヴィリキツキー海峡の突破へ着手する。
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通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。

[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいます。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
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