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ロシア海軍黒海艦隊の救助深海装置(バチスカーフ)AS-28の近代化改装は完了した

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『タス通信』より
2020年10月17日20時38分配信
【深度1000メートルで動作する救助装置AS-28の近代化は完了した】
モスクワ、10月17日/タス通信

サンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』は、黒海艦隊の為の救助深海装置AS-28「プリズ」の修理及び近代化を完了した。
土曜日に(ロシア)国防省は発表した。

「サンクトペテルブルクの『カノネルスキー艦船修理工場』は、深度1000メートルまでの海底に横たわる事故潜水艦へ援助を与え、潜水艦乗員を救助する為に意図されている救助深海装置AS-28の修理及び近代化を完了しました」
声明では、こう述べられた。

軍当局によると、修理及び近代化中にAS-28の一連の艇内システムは更新された。
救助深海装置の乗組員及び『カノネルスキー艦船修理工場』の職員は、バルト海エリアで全ての試験段階を実行した。



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プロジェクト1855「プリズ」救助深海装置AS-28は、1982年1月にゴーリキー(現ニジニ・ノヴゴロド)の造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で起工され、1985年12月10日に進水しました。

1986年1月28日には洋上試験の為に黒海へ到着し、同年7月に国家試験を完了し、8月12日にソ連海軍へ引き渡されました。

1987年6月10日にウラジオストクへ到着し、太平洋艦隊へ編入されました。

1992年6月6日には、新機材の試験の為に再び黒海へ移送され、8月に太平洋艦隊へ復帰しました。

その後はカムチャツカ半島に配備されていましたが、2005年8月4日に潜航した際、漁網と海底ケーブルが引っ掛かって浮上出来なくなりました。

ロシア太平洋艦隊サルベージ船KIL-168などを遭難現場へ派遣し、AS-28に絡まった漁網やケーブルを取り除こうとしましたが失敗しました。

同時にロシアは外国にも支援を求め(日本海上自衛隊も救助船を派遣した)、イギリス無人潜水艇「スコーピオン」がマニピュレーターで絡まったケーブルを切断し、8月7日に浮上しました。
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2006年7月から2007年12月に掛けて造船工場『クラースノエ・ソルモヴォ』で近代化改装が行なわれ、試験の後、2008年4月下旬に太平洋艦隊へ復帰しました。
[小型潜水艇AS-28、現役復帰]
この改装により、AS-28プロジェクト18551へアップグレードされました。


2009年11月6日にタタール海峡で墜落した太平洋艦隊遠距離対潜哨戒機Tu-142M3の捜索活動へ参加しました。
[Tu-142墜落事故]

2015年6月、救助船「サヤヌイ」に載せられてウラジオストクを出航し、地中海へ向かい、同海域で活動した後、9月にセヴァストーポリへ到着しました。
2015年10月下旬から12月下旬にも「サヤヌイ」と共に地中海東部で行動しました。
[セヴァストーポリ海洋工場はロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船サヤヌイのオーバーホールを行なう]

その後、AS-28黒海艦隊へ転属し、母船はロシア海軍最古参の救助船「コムーナ」となりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦救助船コムーナは黒海で救助演習を行なう]

2019年12月にサンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』へ移送されて第2次近代化改装工事が行なわれ、2020年10月中旬に完了しました。
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[ロシア海軍は深海捜索救助装置(バチスカーフ)の近代化を進めている]

ロシア海軍北方艦隊のヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部で救助曳船アルタイと合流した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月17日17時36分配信
【北方艦隊艦船支隊は地中海で形成された】

北方艦隊対潜艦旅団参謀長スタニスラフ・ヴァリク1等海佐指揮下の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、中型海洋給油船「アカデミック・パシン」、救助曳船「アルタイ」で構成される支隊は、地中海で指示された遠距離航海任務の遂行へ着手した。
北方艦隊将兵は合同操艦へ取り組み、一連の演習を実施し、同地域の複数の国の港への業務寄港を行なう。

大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は8月初頭から地中海で行動している。
同艦はアルジェリア、キプロス、シリアへの業務寄港を行ない、任務遂行の枠組みで対空防衛及び潜水艦捜索の演習を数回実施し、更には黒海艦隊の艦及び北方艦隊遠距離対潜航空隊との合同演習へ取り組んだ。
航海中、艦は19000海里以上を進んだ。

中型海洋給油船「アカデミック・パシン」は、初めての遠距離航海を行なっている。
同船は2020年初頭に北方艦隊へ受け入れられ、9月に地中海へ到着した。

救助曳船「アルタイ」は、前日にスエズ運河を通過して紅海から地中海へ入った。
船は北方艦隊独立救助船支隊へ加わっており、遠距離航海時を含め、海上での艦隊の捜索救助の保障の為に意図されている。
救助曳船「アルタイ」は、北極、大西洋、地中海への北方艦隊の艦船の航海へ何度も参加している。



北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2020年6月13日にセヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバルト海へ向かった]

しかし、バレンツ海ノルウェー海を通過した「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北海からバルト海へは入らず、更に南下してラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは英仏海峡を通過した]


その後、バルト海へ入り、7月26日にクロンシュタットで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後も母港セヴェロモルスクへの帰路には就かず、そのまま地中海への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ行く]

8月6日にはビスケー湾潜水艦捜索演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年8月6日22時0分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はビスケー湾で潜水艦の捜索へ取り組んだ】

8月7日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海へ入った]
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8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」アルジェリアの首都アルジェを訪問しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを訪れた]

8月13日にアルジェを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェリアを去った]

8月16日には地中海(中部)で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海で対潜戦闘訓練を行なった]

その後、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」地中海東部へ到着し、8月28日にはキプロス南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは補給の為にキプロスのリマソール港を訪れた]
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9月1日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはキプロスのリマソール港を去った]

その後、北方艦隊最新給油船「アカデミック・パシン」(2020年1月21日就役)が「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、9月9日には洋上補給を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部(キプロス南方沖)で最新給油船アカデミック・パシンから洋上補給を受けた]
『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】

9月11日には潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]
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その後も地中海東部に滞在しており、9月30日にも潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは再び地中海東部で潜水艦捜索演習を行なった]

10月17日には救助曳船「アルタイ」と合流しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイは地中海東部へ入った]


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「イングシェチア」2020年10月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在
救助曳船「アルタイ」2020年10月中旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイは地中海東部へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月16日20時15分配信
【北方艦隊の救助曳船「アルタイ」は地中海へ入った】

遠距離航海任務を遂行している北方艦隊救助曳船「アルタイ」は、スエズ運河の通行を完了し、地中海へ入った。

船は、8月から地中海で行動している大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」との会合へ向かっている。

この数週間、救助曳船「アルタイ」紅海で与えられた任務を遂行していた。
海賊及びテロリストの攻撃の可能性からの船の保護及び防衛の為、その船上には北方艦隊海軍歩兵グループが乗っている。

[参照]
救助曳船「アルタイ」
は、北方艦隊独立救助船支隊へ加わっており、遠距離航海時を含め、海上での艦隊の捜索救助の保障の為に意図されている。
救助曳船「アルタイ」は、北極、大西洋、地中海への北方艦隊の艦船の航海へ何度も参加している。



プロジェクト1452救助曳船の4番船「カラバフ」は、レニングラードアドミラルティ造船所で1985年2月14日に起工され、1987年4月18日に進水し、同年10月21日に就役し、北方艦隊へ編入されました。
1992年に「アルタイ」と改名されました。

記事中でも触れられているように、北方艦隊の艦船の遠距離航海に何度も同行しており、2012年9月には北方艦隊北極遠征へ参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2012年12月~2013年6月の大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海へ同行しました。
[北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスク支隊は帰路に就く]

2013年12月~2014年5月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征に同行しました。
[長期航海を終えたロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは母国に迎え入れられた]

2015年5月末から1ヶ月半以上に渡りムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホールが行なわれました。

2016年6月には黒海へ回航される潜水艦「スタールイ・オスコル」へ同行しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは2016年7月初頭に黒海艦隊基地へ到着する]

2017年初頭には大型対潜艦「セヴェロモルスク」の遠距離航海へ同行しました。
[ロシア海軍北方艦隊の救助曳船アルタイと給油船ドゥブナは母港へ戻った]

2019年8月下旬から9月末まで北極フランツ・ヨシフ諸島の調査を行ないました。


2020年10月中旬まで紅海で行動し、10月16日に地中海東部へ入りました。

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海で外科手術の訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年10月16日10時45分配信
【黒海艦隊の潜水艦「ノヴォロシースク」の医療スタッフは艦内で外科手術の練習を行なった】

地中海常設海軍グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊潜水艦「ノヴォロシースク」の艦内で、仮想負傷した乗組員の組織的外科手術の計画特別練習が行なわれた。

負傷者の役割として最新のロボットシミュレーターが使用され、医療スタッフは、心臓-肺の蘇生、様々なステップの重度の出血と火傷の最初の措置の技量に実地で習熟する事を可能にする。

練習計画によると、潜水艦の区画の1つで火災が発生した。
火災の結果、乗組員の1人は、様々な重度の火傷と、燃焼物による中毒を負った。

「負傷者」へ最初の措置が施され、続いて手術室が配置されている潜水艦のキャビンへ移送された。
艦の閉ざされた空間という条件下で外科医は仮想外科手術を行なった。

練習の最期に潜水艦乗組員は、特殊器具により潜水艦の船体から負傷者を避難させ、更なる治療を行なう為、沿岸の常設病院へ移送する行動へ取り組んだ。

海上での組織的手術練習は、遠海ゾーンの海軍グループの特殊任務遂行計画に沿って行なわれた。

以前の2019年初頭、海で水中位置に居た黒海艦隊潜水艦「クラスノダール」で、初めて緊急外科手術が成功裏に行なわれた。
潜水艦内で軍医は、乗組員の1人の虫垂炎を除去する緊急の外科手術を行なった。

海上の移動状況から算出して、病気の症状は悪化し、速やかに病院へ送り届ける事は不可能であった為、艦隊司令部は、潜水艦で手術を行なう決定を下した。
手術は4時間続いた。
艦が駐留所へ入った後、病状が回復した患者は医療施設へ送り届けられた。

黒海艦隊潜水艦部隊の現代史において、海で水中位置に在る潜水艦の艦内での外科手術は、初めて行なわれた。



黒海艦隊向けプロジェクト06363潜水艦の1番艦B-261「ノヴォロシースク」は、2010年8月20日にサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で起工され、2013年11月28日に進水し、2014年8月22日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはロシア海軍へ就役した]

2015年9月28日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクはセヴァストーポリへ到着した]

その後は黒海内で行動し、2017年10月6日には有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーは黒海で巡航ミサイル"カリブル"発射訓練を行なった]

その後も黒海で行動していた「ノヴォロシースク」ですが、2019年12月4日にボスポラス海峡を通過し、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクは地中海へ入る]

以後、地中海東部に留まり、2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアタルトゥース港の観艦式へ参加しました。

[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]

その後も地中海東部に滞在しており、10月16日には艦内での外科手術訓練が行なわれました。

地中海東部に居る潜水艦の艦内での外科手術(虫垂炎)は、2019年4月初頭に同型艦「クラスノダール」で実際に行なわれています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールで緊急手術が行なわれた]


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「イングシェチア」2020年10月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍カスピ小艦隊はアプシェロン半島沖で軍事演習を始めた


『タス通信』より
2020年10月16日17時5分配信
【カスピ海で軍事演習が始まった】
マハチカラ、10月16日/タス通信

ロシアの6隻の艦、7機の航空機と400名以上の軍人が参加する軍事演習はカスピ海で始まった。
ロシア国防省は金曜日に報道機関へ伝えた。

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「演習は、カスピ海中央部アプシェロン半島の北方で実施されます。
海上演習には合計で6隻の艦、7機の航空機と400名以上の軍人が関わります」
軍当局
は指摘した。

演習には、有翼ミサイル「カリブル」を搭載する4隻~ロケット艦「ダゲスタン」「タタールスタン」小型ロケット艦「ウグリーチ」「ヴェリキー・ウスチュグ」が関わる。
彼らは、海上で空中及び海上目標への砲及びミサイルのテスト射撃を実施し、南方軍管区航空隊と合同でグループを構成して行動する。

演習の主な課題は、有利な作戦体制、海上経済活動施設の保護と防衛、更には仮想非合法武装組織の撃滅を保障する為の部隊の展開である。

国防省が強調したように、演習は監視点検活動の枠組みで行なわれ、
「カスピ海諸国の経済活動に如何なる脅威を与える事も、制限を課す事も有りません」

ロシア海軍は深海捜索救助装置(バチスカーフ)の近代化を進めている

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア海軍情報供給グループ発表
2020年10月16日9時30分配信
【「捜索救助保障コンセプト」実現の枠組みで海軍は自律救助深海装置の修理及び近代化プログラムを実行する】

「捜索救助保障コンセプト」実現の枠組みで海軍総司令部は、ロシア海軍の捜索・緊急救助作業艦隊の軍備として在る自律水中捜索救助深海装置「プリズ」型及び「べステル」の修理、近代化及び保守整備プログラムを実行している。

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現在、サンクトペテルブルク『カノネルスキー艦船修理工場』、黒海艦隊の捜索・緊急救助作業サービスの為の救助深海装置「AS-28」(「プリズ」型)の修理と近代化を完了する。
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装置は一連の試験を経て、近日中にはセヴァストーポリへの配送を開始する。

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2021年に『カノネルスキー工場』北方艦隊自律救助深海水中装置「AS-36」の近代化と修理を完了する。
現在、工場の作業所の1つでは、装置の一連のシステムの更新の為の活発な作業は進められており、その特性の効率性は大幅に高められ、遭難した潜水艦へ援助を与える能力は拡張される。

自律深海水中捜索救助装置は、高度な近代化と修理が行なわれた。
これは、新たな位置測定システム、水中音響捜索システム、テレビ監視システム、更には、捜索救助作業実施の効率を大幅に向上させる生命保障システムの更新についての話である。
救助深海装置の乗組員は特殊訓練を経ており、その操作の為の実地経験を有している。



現在、ロシア海軍には6隻の深海救助装置(バチスカーフ)が在籍しています。
ソ連海軍時代の1980年代後半に建造された4隻のプロジェクト1855「プリズ」は、2008年~2016年に近代化改装が行なわれ、プロジェクト18551にアップグレードされました。

[北方艦隊]
・AS-36(プロジェクト18270)
:1996年就役/2021年に近代化改装完了予定
母船:救助船「ミハイル・ルドニツキー」(プロジェクト05360、1978年12月就役)

・AS-34(プロジェクト18551):1989年11月30日就役/2016年4月に近代化改装完了
母船:救助船「ゲオルギー・チトフ」(プロジェクト05361、1982年12月就役)

[太平洋艦隊]
・AS-40(プロジェクト18271)
2016年2月1日就役
母船:救助船「イーゴリ・べロウソフ」(プロジェクト21300S、2015年12月就役)

・AS-30(プロジェクト18551):1988年11月12日就役/2013年8月に近代化改装完了
母船:救助船「アラゲズ」(プロジェクト537、1989年1月就役)

[黒海艦隊]
・AS-28(プロジェクト18551)
:1986年8月12日就役/2008年3月に近代化改装完了
母船:救助船「コムーナ」(1915年7月就役)

[バルト艦隊]
・AS-26(プロジェクト18551)
:1987年11月25日就役/2010年9月に近代化改装完了
母船:救助船SS-750(プロジェクト141S、1990年6月就役)


現在は、北方艦隊プロジェクト18270深海捜索救助装置AS-36の近代化改装が進められており、2021年末までの完了が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する]

更には、プロジェクト1855「プリズ」の中で一番最初に近代化改装されたAS-28が、2019年12月から『カノネルスキー艦船修理工場』でオーバーホールを行なっています。

ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で対空射撃及び機雷掃討訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年10月16日8時45分配信
【親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は日本海で複合戦闘訓練を実施した】

検査出航の枠組みで、太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、ピョートル大帝湾で複合砲射撃を実施した。

仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する為に巡洋艦は砲射撃を実施し、その中で130mm砲装置AK-130及び30mm6銃身自動艦載砲装置AK-630の砲火により落下傘標的を撃破した。

この演習エピソードの実施は、東方軍管区航空・防空軍の航空隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMにより保障された。

更に艦は、船舶航行にとって危険な海洋浮遊機雷の模型を破壊する為、砲装置AK-630を使用した。

本日、巡洋艦乗組員は、仮想敵水上艦へのミサイル攻撃演習を実施したコルベット「グロームキー」を支援し、その中で有翼ミサイルを実際に発射する事無くミサイル打撃を与える為の全ての行動手順へ取り組んだ。



ロシア太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)は、2020年3月下旬から5月初頭まで日本海及びオホーツク海で戦術演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』ウラジオストク(金角湾)の観艦式へ参加しました。



2020年8月中旬にウラジオストクを出航し、9月中旬までオホーツク海ベーリング海で演習を行ないました。
[ロシア海軍演習『大洋の盾-2020』(2020年8月)]

この間、8月27日にはベーリング海対艦ミサイルを発射しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと原子力水中巡洋艦オムスクはベーリング海で対艦ミサイルを発射した]

9月16日にウラジオストクへ帰投しました。
[ベーリング海演習(『大洋の盾-2020』)へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

10月1日にピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

10月16日にもピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月15日19時0分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は兵器及び機器設備の点検の為にバレンツ海へ出航した】

1ヶ月前に北方艦隊へ到着したプロジェクト22350フリゲートの最初の生産艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、兵器及び機器設備の点検の為にバレンツ海へ出航した。

出航中、フリゲート乗組員は、航空・防空軍の航空隊との連携へ取り組み、航行中の艦の対空防衛及びダメージコントロールの演習を行ない、更に錬成任務の各要素を遂行する。

乗組員による砲及びミサイル兵器システム、更にはフリゲートの電波工学兵装の点検実施が計画されている。

9月29日、白海エリアで「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、アルハンゲリスク州の射爆場へ配置された地上目標への有翼ミサイル「カリブル」の射撃を実施した。

[参照]
フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」
は、サンクトペテルブルク造船企業『北方造船所』で建造された。
同艦は2009年に起工され、2014年に進水した。
2018年末に工場航行試験が始まり、それはバルト艦隊及び北方艦隊の担当ゾーンで行なわれた。
試験期間中にフリゲートは3回のミサイル複合体「カリブル」の射撃、1回の高射ミサイルの射撃、14回の砲射撃及び2回の海上対潜兵器の射撃を行なった。

海軍の日を前にした2020年7月21日、フリゲート聖アンドレイ旗掲揚式典が開催された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊であり、更には重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、そしてプロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」も加入している北方艦隊ロケット艦師団へ含まれる。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]

起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。

[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]

2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。


2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]


フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)

2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

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その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。

「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。

その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]

6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。
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[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。
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[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。
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そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]

その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]

バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]

その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]

その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]

11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]

その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]

11月29日、白海「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]

12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月8日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]

12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]

試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]

しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]

「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]

1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]

2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]

2月11日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]

2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]

射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]

北方海域(バレンツ海白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]

4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。
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[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]

5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

6月2日には対魚雷兵器「パケート」(324mm魚雷迎撃用魚雷)の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]

6月6日、全ての洋上試験を終えて建造元の『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は全ての洋上試験を完了した]
「アドミラル・カサトノフ」『北方造船所』で検査とメンテナンスを行ない、一度海上へ検査出航した後、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。

2020年7月15日、「アドミラル・カサトノフ」の受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。

ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"は艦載ヘリコプターの夜間発着艦訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年10月15日3時33分配信
【太平洋艦隊海上航空隊の4機のヘリコプターは日本海でコルベット「グロームキー」への夜間の発艦及び着艦へ取り組んだ】

太平洋艦隊海上航空隊の捜索救助及び対潜ヴァージョンの艦上ヘリコプターKa-27乗員は、航空艦の甲板での発艦及び着艦の夜間訓練を実施した。

4機のヘリコプターは、ニコラエフカ飛行場から戦闘訓練射爆場海域への移動飛行を行ない、プロジェクト20380コルベット「グロームキー」の艦内班と合同で、順番に停止中及び航行中の戦闘艦の甲板での暗い時間帯の発艦及び着艦の技量を向上させた。

訓練中、艦の全ての航空複合システムの動作の整然さが点検された。

太平洋艦隊海上航空隊ヘリコプター乗員は、合計してコルベットで約20回の発艦及び着艦を行なった。

暗い時間帯の艦からの飛行は、ヘリコプター乗員の飛行訓練において、最も困難な要素の1つである。



ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの2隻目となる「グロームキー」(335)は、2012年4月20日に起工され、2017年7月28日に進水し、2018年12月25日に就役しました。

[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2019年8月末、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」を含む太平洋艦隊の艦船と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入り、演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

8月29日にカムチャツカ半島の軍港(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

9月初頭には他の艦と共にオホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

9月3日と4日には太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

9月5日にはカムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった]

9月7日夜~9月8日未明には、アヴァチンスキー湾に停泊中、水中工作部隊の襲撃を撃退する訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦2隻とコルベット2隻はカムチャツカ沖で水中工作部隊の撃退訓練を行なった]

その後オホーツク海に留まり、10月中旬に実施されたロシア連邦軍戦略部隊演習『グロム-2019』において、オホーツク海から弾道ミサイルを発射した戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」のサポートに回りました。。
[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

2019年10月末にウラジオストクへ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]


2020年3月7日、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共にウラジオストク付近で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はウラジオストク沖で潜水艦捜索訓練を行なった]

3月19日と20日にもピョートル大帝湾で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はピョートル大帝湾で演習を行なった]

2020年4月初頭から6月下旬まで同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共に遠距離航海を行ない、太平洋へ進出しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は遠距離航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』にはウラジオストク(金角湾)の観艦式へ参加しました。


2020年8月後半にベーリング海で行なわれた海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、チュクチ海まで進出しました。
[ベーリング海演習(『大洋の盾-2020』)へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

10月15日に対潜ヘリコプターKa-27PL及び捜索救助ヘリコプターKa-27PS(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留)の夜間発着艦訓練を行ないました。
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ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ウスチ・ボリシェレツクは修理を終えて復帰した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年10月15日10時43分配信
【潜水艦「ウスチ・ボリシェレツク」は修理後に艦隊へ復帰した】

艦船修理センター『ダーリザヴォード』は、ディーゼルエレクトリック潜水艦「ウスチ・ボリシェレツク」の修理とメンテナンスを完了した。
10月15日・木曜日に同社広報サービスが発表したように、複合作業は期限を中断する事無く実行され、潜水艦は太平洋艦隊へ復帰した。


第8及び第19船体ドック作業所、更に第6機械組み立て作業所、第1パイプライン作業所、第7木工作業所の職員は、潜水艦の計画ドック作業を実施した。
特に、潜航-浮上機構、付属品及びスクリューが修復され、ディーゼルエレクトリック潜水艦の船体の洗浄及び塗装が行なわれ、更に、特殊コーティングが復元された。

『ダーリザヴォード』広報サービスは、最も困難な段階の作業の1つである潜水艦のチタン製フェアリングの復元が第19特殊作業所で実施された事を指摘した:チタンの継ぎ目の溶接は、金属独自の特殊性が故に特別な技術により行なわれ、このような作業の準備には数日掛かる。

「ウスチ・ボリシェレツク」は、プロジェクト877、コード名「パルトゥス」ディーゼルエレクトリック潜水艦である。
それはコムソモリスク・ナ・アムーレレーニン共産党青年団記念工場で建造され、1991年に就役した。

プロジェクト877潜水艦は、多目的原子力潜水艦が、その寸法により操艦の自由を奪われ、充分な隠密行動が出来ない近海ゾーン及び浅い海域で敵の潜水艦及び水上艦と戦う為に意図されている。
世界で最も静粛な潜水艦の1つと見られている。

プロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦の水上排水量は2300トン(水中-3950トン)、船体長76.2メートル、幅9.9メートル。
17ノットの水中速力を発揮する。
作業潜航深度240メートル、限界深度300メートル。
自立航行期間45日、乗組員52名。

6門の533mm魚雷発射管を装備する「パルトゥス」は、18本の魚雷あるいは24個の機雷で武装する。



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プロジェクト877大型潜水艦B-494は、1990年5月5日にコムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で起工され、同年10月4日に進水、同年12月30日にソ連海軍へ納入されました。

1991年3月14日に正式に太平洋艦隊へ加入し、マガダンナガエヴァ湾に駐留する第420独立潜水艦大隊へ編入されました。
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1993年12月にはカムチャツカ半島べチェヴィンスカヤ湾に駐留する第182独立潜水艦旅団へ転属しました。
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1996年にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーイリイチョーフ湾へ移動しました。
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2003年2月12日、カムチャツカ半島ウスチ・ボリシェレツク行政区と後援協定を締結し、同年11月23日に「ウスチ・ボリシェレツク」と命名されました。
同年中にクラシェニーンニコフ湾(ヴィリュチンスク)へ移動しました。
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2012年1月26日、ウラジオストク南部のウリス湾に駐留する第19独立潜水艦旅団へ転属しました。
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2019年6月17日にはピョートル大帝湾対潜艦部隊の演習の相手役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対潜艦はピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]
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2020年春頃からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で修理とメンテナンスが行なわれ、10月15日までに復帰しました。
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ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは地中海東部へ派遣される

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年10月14日13時49分配信
【黒海艦隊の小型ロケット艦「イングシェチア」は黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスを通行した】

黒海艦隊小型ロケット艦「イングシェチア」黒海海峡ボスポラス及びダーダネルスの通行を完了した。

艦はセヴァストーポリから地中海への計画移動を行ない、そこで遠海ゾーンのロシア連邦海軍常設グループへ加わる。

海上移動時に小型ロケット艦「イングシェチア」乗組員は、黒海艦隊戦闘訓練射爆場で複合艦上戦闘訓練演習を行なった。

以前、地中海海軍グループの艦構成へ、フリゲート「アドミラル・エッセン」が補充された。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の8番艦「イングシェチア」は、ゼレノドリスク『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2014年8月29日に起工されました。
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それから約5年経った2019年6月11日に進水しました。


[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは進水した]

2019年8月中旬、ロシア内陸水路経由でゼレノドリスクから黒海沿岸へ回航されました。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海へ回航された]
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9月30日、「イングシェチア」ノヴォロシースク海軍基地から出航し、黒海で洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦8番艦イングシェチアは黒海で洋上試験を開始した]

10月25日にはセヴァストーポリへ到着しました。
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その後、同港を出港し、10月28日には黒海艦隊多用途複座戦闘機Su-30SMを「敵役」に見立てた対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海艦隊の戦闘機Su-30SMと対空戦闘訓練を実施した]

11月12日には有翼ミサイル「カリブル」及び100mm砲の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で巡航ミサイル及び砲の発射試験を行なった]

12月3日にも砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で砲撃試験を行なった]

「イングシェチア」の洋上試験は12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海での洋上試験を完了した]

2019年12月28日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催して正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。

[最新鋭小型ロケット艦イングシェチアはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後、黒海で乗組員の慣熟訓練を行ないました。

2020年4月28日には、黒海艦隊ロケット艇2隻と共に対艦ミサイルの仮想発射訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2020年4月28日9時38分配信
【黒海艦隊は仮想敵への組み合わせミサイル攻撃演習を実施した】

2020年05月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利75周年記念日には、黒海沿岸のヤルタで記念行事へ参加しました。


2020年5月26日には黒海で防空演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦イングシェチアは黒海で多用途複座戦闘機Su-30SMと『対決』した]

2020年10月中旬にセヴァストーポリを出航し、10月14日までにボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
今後、「イングシェチア」地中海東部へ向かいます。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2020年9月末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年10月から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対艦ミサイル"グラニート"を発射した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月13日20時35分配信
【水中巡洋艦「オリョール」乗組員はバレンツ海で水上目標へのミサイル射撃を実施した】

2020年10月13日、夏季訓練期間中の計画戦闘訓練任務への取り組みの枠組みで、北方艦隊原子力ロケット水中巡洋艦「オリョール」乗組員は、バレンツ海艦隊戦闘訓練射爆場の水上目標への対艦有翼ミサイル「グラニート」の射撃を実施した。

射撃は、仮想敵の大型水上艦を模した標的のポジションへ水中位置から行なわれた。
目標は、ミサイル射撃地点から120キロメートル以上の距離に在った。

ミサイル射撃実施海域は、事前に民間船舶航行及び航空機の飛行の為に閉鎖された。
海域の閉鎖は、コラ多種戦力小艦隊の艦により保障された。

ミサイル射撃が成功裏に実施された後、標的の撃破は北方艦隊航空・防空軍独立混成航空連隊対潜航空機Il-38乗員によりチェックされた。

艦隊司令部の評価によると、原子力水中巡洋艦「オリョール」乗組員は、与えられた任務を成功裏にやり遂げ、高い専門技量と海軍技量を示した。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村『第82艦船修理工場』大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

2017年4月6日、近代化改装工事を終えた「オリョール」艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』を去り、駐留基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した]


4月11日に駐留基地ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)へ到着しました。
[寿命延長近代化改装を終えたロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは駐留基地へ戻った]
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2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、9月19日には有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]

9月21日には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]


2018年、「オリョール」は、『ロシア海軍の日』(7月29日)にサンクトペテルブルク及びクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する事になりました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは7月29日にクロンシュタットで行なわれる『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、「オリョール」は他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去りました。

2018年8月1日、「オリョール」は他の艦隊から観艦式へ参加した艦と共にバルト海で演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
その後、母港ザオゼルスクへ帰投しました。

2019年7月28日の『ロシア海軍の日』には北方艦隊基地セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「オリョール」は2020年の『ロシア海軍の日』(7月26日)のクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月上旬にザオゼルスクを出航し、7月12日にフィンランド湾へ到着しました。


事前のリハーサルを行なった後、7月26日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後、クロンシュタットを去り、8月13日に母港ザオゼルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはクロンシュタットの観艦式へ参加した後に母港へ帰投した]

長距離対艦ミサイル「グラニート」による対艦攻撃(特に空母への)が主任務の「オリョール」ですが、10月9日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

10月13日にはバレンツ海長距離対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。

ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦リャザンは対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年10月13日11時15分配信
【太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦は演習中に仮想敵潜水艦を破壊した】

戦闘訓練計画に沿って、太平洋艦隊の2隻の原子力潜水艦太平洋で戦術演習を実施し、その中で対潜任務を果たした。

特に、戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」が戦闘訓練射爆場で行動し、仮想敵潜水艦の捜索と破壊へ取り組んだ。
「リャザン」に対抗したのは、太平洋艦隊潜水部隊原子力水中巡洋艦の内の1隻の乗組員であった。

戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」は隠密裏に演習実施ゾーンへ進入し、「敵」潜水艦の探知後、対潜兵器で仮想攻撃した。
この時、乗組員は、実際の魚雷斉射を除く水中の敵を攻撃する際の全ての手順を仕上げた。
更に、反撃から離脱し、水中巡洋艦は斉射後の機動を成功裏に実行した。



ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト667BDR、K-44「リャザン」】

プロジェクト667BDR(デルタIII級)ロケット水中巡洋艦K-44は1980年1月31日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工され、1982年1月19日に進水、1982年9月17日に海軍へ納入、9月18日に海軍旗初掲揚式典が開催され、ソ連海軍へ就役しました。

1982年11月24日、赤旗北方艦隊に編入されました。
翌1983年から1987年まで毎年「自立戦闘任務」(戦略パトロール)を実施し、1987年からはセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。

1990年7月28日から1993年12月31日までセヴェロドヴィンスク「ズヴェズドーチカ」工場で定期修理と近代化が実施されました。

1992年7月3日、「戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

1995年6月7日には弾道ミサイルを使ってドイツブレーメン大学が開発した観測機器を打ち上げました。

1995年12月3日、結氷下の北極圏で浮上した際に損傷し、第10艦船修理工場で修理されました。

1998年1月にリャザン州と後援協定を締結し、同年1月10日に「リャザン」と命名されました。

2005年から2007年まで「ズヴェズドーチカ」で定期整備が行なわれました。
[戦略原潜「リャザン」(デルタIII型)は定期整備を終える]
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」は、定期修理後のテストを終えた]

2008年8月1日、バレンツ海から弾道ミサイルを発射しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、弾道ミサイル試射]

2008年8月末に北方艦隊原潜基地を出航し、9月30日にカムチャツカへ到着しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、太平洋艦隊へ回航]

そして「リャザン」北方艦隊から太平洋艦隊へ転属しました。

2009年10月7日、オホーツク海から弾道ミサイルを発射しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]

2011年、修理のために沿海地方ボリショイ・カーメニ「ズヴェズダー」工場へ回航されました。
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2015年4月末に「ズヴェズダー」工場
ドックでの修理作業が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のデルタIII級戦略原潜リャザンのドック修理が始まった]

当初、「リャザン」は2015年末までには修理を終えて復帰する予定だったのですが、2015年12月末になっても修理は終わらず、結局、復帰は1年延びる事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略原潜リャザンは2016年末までにオーバーホールを終えて復帰する]

2017年2月15日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
[ロシア海軍の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンは近代化改装を終えて太平洋艦隊へ復帰し、カムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ戻った]
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2019年10月15日~17日のロシア連邦軍の戦略部隊の演習『グロム-2019』へ参加し、弾道ミサイルを発射しました。

[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーで行なわれた観艦式へ参加しました。
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そして10月13日に対潜戦闘訓練を行ないました。

「リャザン」の相手役を務めた原子力潜水艦の艦名は公表されていませんが、「原子力水中巡洋艦」と記されているので、おそらくは太平洋艦隊所属のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(「トヴェリ」「オムスク」「トムスク」)の内の1隻でしょう。

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島のアレクサンドラ島へ到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
【北方艦隊北極グループはアレクサンドラ島へ到着した】

北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北方艦隊北極グループは、バレンツ海フランツ・ヨシフ諸島アレクサンドラ島へ到着した。
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艦船はセミョン・デジニョフ湾の投錨地へ入り、無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸の準備へ着手した。

アレクサンドラ島までのグループの艦船のルートは、カラ海及びバレンツ海の北部を通行した。
北方艦隊将兵は、セヴェルナヤ・ゼムリャ群島の北方とフランツ・ヨシフ諸島の一部を迂回し、結氷海域の端を通行し。幾つかの北極の島嶼を調査した。

デジニョフ湾で艦は、バレンツ海で最も深い海峡~ケムブリジ海峡を通行した。
昨年、北方艦隊の水路調査隊は、そこがバレンツ海で最も深い事を記録した。

水路調査グループは、北方艦隊及びロシア地理学協会の複合北極探検隊の参加者が乗る砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」と共にケムブリジ海峡へ留まる。
この数日間、彼らは水文気象学及び海洋学の研究及び測定を行なう。

8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は7000海里以上を航行し、ロシア連邦の経済活動をの安全を保障し、危機的状況が発生した場合に解決する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊部隊は、更に、北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習の実施中、空挺軍、航空中軍航空隊、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組んだ。

ベーリング海エリアにおいて北方艦隊北極グループは、チュクチ半島太平洋沿岸で海上揚陸部隊の上陸を2度行なった。
北極での危機的状況を解決し、襲撃行動を行なう演習を、北方艦隊将兵プロヴィデニヤ湾クレスタ湾エグヴェキトノ居住地で実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った]

この付近で上陸演習を行なう予定でしたが、天候が悪化した為、ヴァンカレム岬沖から離脱し、更に東へ行く事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海を東へ進む]

北極遠征部隊は9月20日にベーリング海峡を通過してベーリング海へ入り、翌9月21日にプロヴィデニヤ湾で上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海沿岸で上陸演習を行なった]

9月23日にはクレスタ湾へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾へ到着した]

翌9月24日、エグヴェキトノ付近で上陸演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾で上陸演習を行なった]

北極遠征部隊ベーリング海を離れ、9月26日にはチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海を去り、チュクチ海へ入った]

9月29日には東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

10月3日にはノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島沖へ到着した]

10月5日にコテリヌイ島沖を去り、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島を去った]
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10月7日にセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島沖へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ到着した]

10月9日、北極遠征部隊セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島北方を迂回してカラ海へ入りました。
これまでカラ海ラプテフ海の移動には、ヴィリキツキー海峡を通過していましたが、今回初めて北方ルートが使用されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島北方を迂回してカラ海へ入った]
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10月12日にフランツ・ヨシフ諸島アレクサンドラ島へ到着しました。

なお、アレクサンドラ島には北方艦隊航空軍の飛行場が有ります。


2017年3月末には、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンドミトリー・メドベージェフ首相(当時)がアレクサンドラ島を視察しています。

ロシア海軍北方艦隊の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29はコラ半島で戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月11日14時30分配信
【北方艦隊の強襲ヘリコプターKa-29乗員は射爆場で海上目標と沿岸目標を撃破した】

強襲ヘリコプターKa-29乗員は、夏季訓練期間のテスト戦闘訓練活動実施の枠組みにおいて、白海コラ半島沿岸に位置するルムボフカ射爆場北方艦隊海軍歩兵の支援任務へ取り組んだ。
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ヘリコプターは、仮想敵の及び装甲車両を模した標的への無誘導航空ロケット弾の射撃を実施した。
彼らは、数回の捕捉で16発のロケットにより目標を撃破し、更に地上の攻撃からの回避機動へ取り組んだ。

射撃実施後、乗員は北方艦隊航空・防空軍独立艦載ヘリコプター連隊の駐留飛行場へ戻った。

ヘリコプターKa-29は、カモフ設計局輸送-戦闘ヘリコプターである。
それは同軸配置型ローターを有し、艦からの海軍歩兵部隊の上陸、貨物の移送、外部懸架装置への軍用装備、更には海軍歩兵の火力支援、敵の要員、車両、沿岸防御施設の撃破の為に意図されている。
医療後送、人員の移送、母船及び補給船から戦闘艦への貨物移送の為にも使用できる。

輸送ヴァージョンのヘリコプターは、個人用兵器を持つ16名の揚陸隊員、或いは担架の4名を含む10名の負傷者、或いは輸送用キャビンに2000kgの貨物、或いは外部懸架装置へ4000kgの貨物を載せる事が出来る。

ヘリコプターKa-29は、4銃身内蔵可動機関銃、航空機銃、無誘導航空ロケット弾で武装する。
爆弾を搭載できる。




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カモフ対潜ヘリコプターKa-27の派生型である戦闘輸送ヘリコプターKa-29は、プロトタイプKa-252TBが1976年7月28日に初飛行した後、1984年から1991年までに『クメルタウ工場』で59機が生産されました。
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海軍への軍備採用(制式採用)は1987年8月8日です。

Ka-29試作2号機
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ソ連邦時代には、プロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)へ搭載されていましたが、1990年代以降に1174が退役した為、搭載艦が無くなり、殆どが予備役として保管されました。
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現在、ロシア海軍が保有するKa-29は28機であり、2015年頃までは極一部の機体だけが稼働状態に在りましたが、2016年から修復が開始されました。
[ロシア海軍航空隊へ戦闘輸送ヘリコプターKa-29が復活する]

2016年12月、太平洋艦隊向けのKa-29の修理が完了し、沿海地方へ送られました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29が修復された]
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

2017年11月下旬からバルト艦隊にもKa-29が再配備されました。
なお、2018年4月13日に同艦隊のKa-29が墜落事故を起こしています。
[ロシア海軍バルト艦隊の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29はバルト海に墜落した]

北方艦隊へ再配備されたKa-29の内の数機は、ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」シリア作戦(2016年11月~2017年1月)へ参加しました。
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[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27とKa-29の近代化改修には重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験が生かされる]

北方艦隊Ka-29は、セヴェロモルスク-1飛行場に駐留するキルケネス赤旗・第830独立艦上対潜ヘリコプター連隊(2個混成飛行中隊で構成)へ配備されています。。
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セヴェロドヴィンスク造船所セヴマシュはロシア海軍の新世代原子力潜水艦建造の為の新技術の導入の準備を進めている

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『タス通信』より
2020年10月9日19時11分配信
【『セヴマシュ』は新たな原子力潜水艦建造技術を導入する】
タス通信、10月9日

『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)は、原子力潜水艦建造のブロック-モジュール技術の導入を準備している。
同社広報サービスは通知した。

「この技術は、機器で満たされた大型ブロックから艦を組み立てる方法です」
同社の声明では、こう述べられており、ブロック-モジュール技術の使用は、原子力潜水艦の建造の労働力及び期間の削減を可能にする。

現在、生産現場では、第3世代原子力潜水艦の建造期間中に導入されたモジュール-ユニット方式が使用されている。
用意されたが、未だ試験を経ていない将来の原子力潜水艦のブロックセクションは、この方式によると、船体溶接製造所から造船台へ受け入れられ、更に、これらからブロックが形成され、その後で水圧試験段階を経過する。
その完了後、セクションは再び切断される。
この技術は、艦の建造期間を引き延ばす、
ブロック-モジュール技術の使用は、造船台での期間を短縮するのみならず、造船台から専門作業所へ大量の作業を移す事による費用の削減も計画されている。

「2016年、『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコの指導下で、創意に富んだ新たな原子力潜水艦建造技術の研究が始まりました」
プロジェクトの指導者アレクサンドル・スピリドノフは指摘した。
作成された作業グループには、水中艦の設計者も参加した。
『統合造船業営団』の公開プロジェクトの枠組みでブロック-モジュール方式は作成され、この技術を用いた新世代潜水艦の建造へと移行する。

生産現場では、新たな艦の建造方式を導入する為、新たなインフラストラクチュアが作成され、生産設備は近代化される。
更に、機器及びサービスを供給する新たなロジスティックが構築される。
ブロック-モジュール方式導入プロジェクトは、現在、開発段階に在り、系列部門で討議されている。
『セヴマシュ』は、将来、この技術を水中造船で使用する最初の企業となるだろう。



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現在、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』は、ロシア海軍第4世代原子力潜水艦2タイプを建造しています。

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[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

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[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

これらの原潜は、第3世代原子力潜水艦(プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦、プロジェクト949/949A原子力水中巡洋艦、プロジェクト971原子力巡洋潜水艦、プロジェクト945/945A原子力大型潜水艦)の建造の際に導入された方式(つまり1980年代に導入された方式)により建造されています。

しかし、現行の建造方法は時間が掛かり過ぎるので、新たなブロック-モジュール建造方式の準備が進められています。

ブロック-モジュール建造方式は、今後建造されるモジュール構造(基本形の攻撃原潜にミサイル区画を挿入すればミサイル原潜となる)の第5世代原子力潜水艦「ハスキー」(ライカ)で使用される事になるようです。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島北方を迂回してカラ海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊)広報サービス発表
2002年10月9日17時28分配信
【北方艦隊北極グループは最北ルートでカラ海へ入った】

北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北方艦隊北極グループの艦船は、北極航海の最終段階へ着手した。
彼らは、セヴェルナヤ・ゼムリャ群島を周回し、最北ルートでカラ海へ入った。
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この出来事は、初めてであった。
以前には、カラ海ラプテフ海の間の北方艦隊の全ての艦船の移動は、ボリス・ヴィリキツキー海峡を通過して行なわれていた。

グループの航海ルート上で捜索救助ヘリコプターKa-27は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」北極グループの旗艦の甲板上から数回の偵察飛行を実施した。
北方艦隊将兵は更に、無防備の海岸への海上揚陸部隊の上陸が可能な幾つかの群島を調査し、シュミット島の上空飛行を行ない、セヴェルナヤ・ゼムリャ群島の最北地点~コムソモーレツ島北極岬への着陸を行なった。

現在、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、救助曳船「パミール」、砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」で構成される北極グループは、結氷海域の端に沿ってロシア最北の群島~フランツ・ヨシフ諸島への移動を続けている。
艦船は公海を縦列隊形で進んでいる。
移動ルートの結氷状況は良好である。

8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は7000海里以上を航行し、ロシア連邦の経済活動をの安全を保障し、危機的状況が発生した場合に解決する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊部隊は、更に、北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習の実施中、空挺軍、航空中軍航空隊、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組んだ。

ベーリング海エリアにおいて北方艦隊北極グループは、チュクチ半島太平洋沿岸で海上揚陸部隊の上陸を2度行なった。
北極での危機的状況を解決し、襲撃行動を行なう演習を、北方艦隊将兵プロヴィデニヤ湾クレスタ湾エグヴェキトノ居住地で実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った]

この付近で上陸演習を行なう予定でしたが、天候が悪化した為、ヴァンカレム岬沖から離脱し、更に東へ行く事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海を東へ進む]

北極遠征部隊は9月20日にベーリング海峡を通過してベーリング海へ入り、翌9月21日にプロヴィデニヤ湾で上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海沿岸で上陸演習を行なった]

9月23日にはクレスタ湾へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾へ到着した]

翌9月24日、エグヴェキトノ付近で上陸演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾で上陸演習を行なった]

北極遠征部隊ベーリング海を離れ、9月26日にはチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海を去り、チュクチ海へ入った]

9月29日には東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

10月3日にはノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島沖へ到着した]

10月5日にコテリヌイ島沖を去り、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島を去った]
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10月7日にセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島沖へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ到着した]

10月9日、北極遠征部隊セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島北方を迂回してカラ海へ入りました。
これまでカラ海ラプテフ海の移動には、ヴィリキツキー海峡を通過していましたが、今回初めて北方ルートが使用されました。

ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月9日13時1分配信
【北方艦隊の潜水艦乗員はバレンツ海で対潜任務へ取り組んだ】

北方艦隊原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」乗組員は、バレンツ海戦闘訓練射爆場で対潜任務へ取り組んだ。
潜水艦乗員は、近海ゾーンで仮想敵潜水艦を捜索し、破壊する戦術演習を実施した。
北方艦隊潜水艦連合部隊のもう1隻の原子力潜水艦が彼らに対抗した。

演習中、原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」の戦闘班はアクティブ捜索モードで水中音響兵装を使用した水中機動、乗組員の戦闘組織化、敵潜水艦の探知及び攻撃行動の方式へ取り組んだ。
演習は、実弾魚雷を実際に使用する事無く行なわれた。

以前、水中巡洋艦「オリョール」乗組員は、コラ多種戦力小艦隊掃海艦と協同で対機雷訓練任務へ取り組み、海上で水上及び水中位置での潜水艦の錬成戦闘訓練任務を遂行した。

バレンツ海で全ての与えられた戦闘訓練任務をやり遂げた後、原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」コラ半島の基地へ戻った。



プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工されました。
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1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
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1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村『第82艦船修理工場』大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
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2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]

同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』ドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]
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2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。

[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。

「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]
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2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]

2017年4月6日、近代化改装工事を終えた「オリョール」艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』を去り、駐留基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した]


4月11日に駐留基地ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)へ到着しました。
[寿命延長近代化改装を終えたロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは駐留基地へ戻った]
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2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、9月19日には有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]

9月21日には重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]


2018年、「オリョール」は、『ロシア海軍の日』(7月29日)にサンクトペテルブルク及びクロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する事になりました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは7月29日にクロンシュタットで行なわれる『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する]

2018年7月15日、『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する他の北方艦隊所属艦と共にフィンランド湾へ到着しました。
[7月29日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する北方艦隊の艦はフィンランド湾へ入る]

2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、「オリョール」は他の北方艦隊所属艦と共にクロンシュタットを去りました。

2018年8月1日、「オリョール」は他の艦隊から観艦式へ参加した艦と共にバルト海で演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
その後、母港ザオゼルスクへ帰投しました。

2019年7月28日の『ロシア海軍の日』には北方艦隊基地セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「オリョール」は2020年の『ロシア海軍の日』(7月26日)のクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、7月上旬にザオゼルスクを出航し、7月12日にフィンランド湾へ到着しました。

事前のリハーサルを行なった後、7月26日の『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後、クロンシュタットを去り、8月13日に母港ザオゼルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはクロンシュタットの観艦式へ参加した後に母港へ帰投した]

長距離対艦ミサイル「グラニート」による対艦攻撃(特に空母への)が主任務の「オリョール」ですが、10月9日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行ないました。
北方艦隊原子力潜水艦の1隻(艦名非公表)が相手役を務めました。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年末までに更に3回の極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なう

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『タス通信』より
2020年10月9日9時9分配信
【ロシアはミサイル「ツィルコン」の試験で航空母艦の撃破へ取り組む】
モスクワ、10月9日/タス通信

北方艦隊プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は年末までに、航空母艦を模した海上標的の撃破を含め、更に3回の最新極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験発射を実行する。
『タス通信』防衛産業企業体の2名の情報提供者より伝えられた。

「進行中のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"による極超音速ミサイル"ツィルコン"飛翔試験の枠組みにおいて、今年末までに更に3回の射撃が実行されます。
次の発射は、10月末~11月初頭に行なわれます」

対談者は話した。

他の情報提供者は、この情報を確認し、こう指摘した。
「実行される3回の発射全てにおいては、特に、仮想敵の航空母艦或いは戦略施設を模した海上或いは地上の標的を実際に破壊します」

メディアによればミサイル「ツィルコン」を開発している科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ロケット兵器』へ加入)は、『タス通信』へ、情報提供者より提示された情報へのコメントを拒否した。

以前、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンロシア連邦軍参謀本部総長ワレーリー・ゲラシモフより報告されたように、10月6日、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」から距離450kmでミサイル「ツィルコン」の射撃が実行された。

艦は白海からミサイルを発射し、弾薬はバレンツ海の海上標的を撃破した。
試験中の「ツィルコン」の最大速度は音速の8倍に達し、最大飛翔高度は28kmだった。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれていた「ツィルコン」ですが、海上での発射試験は、北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

2020年末までに、更に3回の「ツィルコン」発射試験が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう]

「ツィルコン」の海上での発射試験は2021年末までには完了し、2022年にはロシア海軍の軍備として採用されます。
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021-2022年にロシア海軍へ制式採用される]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフへの兵装の取り付けが始まる]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのタルトゥース港へ到着した



『タス通信』より
2020年10月8日9時4分配信
【フリゲート「アドミラル・エッセン」はシリアのタルトゥースのロシア海軍駐留所への寄港を行なった】
タルトゥース/シリア、10月8日/タス通信

ロシアフリゲート「アドミラル・エッセン」は、遠距離効果の枠組みでシリアタルトゥースロシア海軍駐留所への寄港を行なった。

「この地域でロシアの旗の存在のデモンストレーションを行ない、海上輸送の安全の監視を行なうのは、今回が初めてでは有りません。
彼等(シリアの船員)は落ち着き払っており、ここを通り過ぎる時には、いつも歓迎されます。
彼らは、ロシアの戦闘艦への注目の兆しを見せております」
フリゲート
艦長アレクサンドル・スミルノフは報道陣へ話した。

約1300海里のフリゲート「アドミラル・エッセン」の航海には、1週間弱掛かった。
この間に同艦は黒海を通過し、ボスポラス海峡を通って地中海へ渡った。
以前に黒海艦隊広報サービスが発表したように、艦はロシア海軍常設連合部隊の一員として加わり、2020年6月から特別任務を遂行していた黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・マカロフ」と交代する。

現在、タルトゥースにはロシア海軍の艦船の物資-技術サービス供給所が在り、1977年から操業を開始した。
タルトゥース補給所は、地中海におけるロシア海軍の唯一の拠点である。

「アドミラル・エッセン」は、プロジェクト11356R/Mフリゲート(更に11357とも呼ばれる)の新たなシリーズを代表する。
これは、遠海ゾーンの多目的フリゲート(警備艦)である。
これは、敵の水上艦船、潜水艦、地上施設を破壊し、巡視、哨戒、海上交通線の保護の為に意図されている。

フリゲートは、8基のミサイル複合体「カリブル-NK」を搭載する。
同プロジェクト艦は、高射ミサイル複合体「シチーリ-1」高射砲複合体AK-630M、口径100mmの汎用砲A-190魚雷発射管反応爆撃装置RBU-6000で武装する。
フリゲートは、対潜ヘリコプター(Ka-27或いはKa-31)の為の発着場と格納庫を有する。



ロシア黒海艦隊プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)は、2019年12月20日頃にセヴァストーポリを出航し、翌12月21日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部へ派遣される]

2020年1月14日には地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

その後も地中海東部で行動し、1月30日にキプロスリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はキプロスのリマソールを訪れた]

2月6日には、対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)及び哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」(2019年6月11日就役)と共に地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

その後も地中海東部に留まっており、3月20日には各種戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で演習を行なった]

2020年2月末に地中海東部へ入った同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)及び「アドミラル・マカロフ」(499、2017年12月27日就役)と合流し、各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]

4月に入ってからも3隻のフリゲートは一緒に行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]


その後、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・グリゴロヴィチ」と別れ、4月9日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌4月10日、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は母港セヴァストーポリへ到着しました。

しかし、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行・感染拡大に関連し、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は、暫くセヴァストーポリ港内の泊地に留め置かれる事になりました。
「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は3月末に外国港(おそらくはキプロスリマソール港)へ寄港していた為、外国港を出てから14日間は検疫期間として乗組員は陸地へ上陸できず、艦内に留まる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリ港内へ入った]

「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は艦内の消毒などの措置が行なわれ、4月11日にセヴァストーポリ港埠頭へ入りました。
[地中海東部から戻ってきたロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は検疫措置を終えてセヴァストーポリ埠頭へ係留された]


それから5ヶ月以上経った9月末、「アドミラル・エッセン」は再び地中海東部へ派遣される事になり、9月29日にボスポラス海峡を南下しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ派遣される]

その後、地中海東部へ入り、10月8日にはシリアタルトゥース港へ到着しました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」
2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」2020年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」2020年9月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「キネリ」:2019年10月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」2020年8月中旬から地中海東部に滞在
水路調査船「ドヌズラフ」:2020年9月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2020年8月末から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
2020年8月下旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「アカデミック・パシン」2020年9月初頭から地中海東部に滞在

ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は日本海での洋上試験の第1段階を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年10月8日9時0分配信
【太平洋艦隊の為の最新コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は工場航行試験の第1段階を完了した】

『アムール造船工場』太平洋艦隊の為に建造した最新のプロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、日本海での航行試験の第1段階を完了した.

この10日間、工場試運転チームの代表は、艦の乗組員及び太平洋艦隊の専門技術者と共に、コルベットの操縦性及び速力が申告された戦術-技術的特性に沿っているかどうかを評価し、艦のシステム及びメカニズム、航法手段及び電波工学手段の動作を監視した。

海上戦闘訓練射爆場での艦の行動は、太平洋艦隊海軍航空隊対潜航空機Il-38及びヘリコプターKa-27PLにより保障された。

最初の自力出航の後、コルベットウラジオストク『アムール造船工場』試運転基盤へ戻り、そこで試験の次の段階の準備を始める。
今月中に専門技術者には、艦載航空複合体及びコルベットの兵器の動作の点検が待ち受けている。

今年12月にコルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」太平洋艦隊への加入が計画されている。



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現在、ロシア極東方面コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』では、太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの建造が進められています。

1隻目の「ソヴェルシェーンヌイ」(333、2006年6月30日起工、2015年5月22日進水)は、2017年7月20日に就役しました。
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[コムソモリスク・ナ・アムーレで建造された最初の新世代コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2隻目の「グロームキー」(335、2012年4月20日起工、2017年7月28日進水)は、2018年12月25日に就役しました。
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[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


3隻目の「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2015年7月22日に起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はコムソモリスク・ナ・アムーレで起工された]

2019年9月12日に造船台を出渠(進水)しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は造船台を出た]


なお、『アムール造船工場』では、コルベットの進水式典の際、シャンパンを割る女性として、同社職員から「コルベットの花嫁」が選ばれていますが、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「花嫁」は、2019年3月に選定されています。


「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」の乗組員は、2020年初頭からサンクトペテルブルク海軍訓練センター新型コルベットを操作する為の訓練を受け、2020年5月13日に『アムール造船工場』へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"の乗組員はコムソモリスク・ナ・アムーレに到着した]

2020年6月3日、浮きドックへ載せられた「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、コムソモリスク・ナ・アムーレからウラジオストクへ向かいました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はウラジオストクへ向かった]

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6月16日にウラジオストクへ到着しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はウラジオストクへ到着した]

6月19日に浮きドックから出渠し、ウラジオストク『アムール造船工場』艤装岸壁へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は輸送浮きドックを出た]

その後、ウラジオストクの艤装岸壁で最終艤装と係留試験が行なわれ、8月初頭に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はウラジオストクでの係留試験を完了し、日本海での洋上試験の準備を始めた]
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9月30日、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、日本海で洋上試験を開始しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は日本海で洋上試験を開始した]

洋上試験の第1段階を終えた「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、10月8日にウラジオストクへ帰投しました。

今後は兵装などの試験が行なわれます。

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(339)の就役は2020年12月に予定されています。


4隻目の「リェーズキー」は、2016年7月1日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]
就役は2021年に予定されています。
[最新コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は2020年、"リェーズキー"は2021年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月7日23時41分配信
【北方艦隊北極グループはセヴェルナヤ・ゼムリャ群島の氷上偵察を行なった】

本日(10月7日)、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下のラプテフ海で行動している北方艦隊北極グループは、セヴェルナヤ・ゼムリャ群島海域の氷上偵察任務の解決へ着手した。

氷上偵察は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」に駐留する艦載ヘリコプターKa-27の助力により行なわれた。
現在、発艦はボリシェヴィキ島の東方海域から行われている。
ヘリコプター乗員には、流氷の群れや氷山が存在する10月革命島及びコムソモーレツ島の海域の調査が控えている。
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衛生から受信した情報、更には氷上偵察飛行中の情報を綿密に検討した後、北方艦隊戦闘艦・支援船支隊の司令部は、今時期にセヴェルナヤ・ゼムリャ群島北方を通るカラ海ルートでの移動の可能性を評価する。

以前は、北方艦隊の艦船はカラ海からラプテフ海への移動を行ない、タイミル半島セヴェルナヤ・ゼムリャ群島を隔てるヴィリキツキー海峡を通過して南方ルートを逆方向へ進んだ。

[参照]
8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は約7000海里を航行し、ロシア連邦の経済活動をの安全を保障し、危機的状況が発生した場合に解決する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊部隊は、更に、北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習の実施中、空挺軍、航空中軍航空隊、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組んだ。

ベーリング海エリアにおいて北方艦隊北極グループは、チュクチ半島太平洋沿岸で海上揚陸部隊の上陸を2度行なった。
北極での危機的状況を解決し、襲撃行動を行なう演習を、北方艦隊将兵プロヴィデニヤ湾クレスタ湾エグヴェキトノ居住地で実施した。

東シベリア海の移動中、北方艦隊の部隊は、北方海上航路海域で、救助曳船「パミール」及び砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」が関与する一連の救助へ指向される演習を実施した。
北方艦隊船員は、航行不能の船へ援助を与え、更に海上での人員救助行動へ取り組んだ。

ラプテフ海への滞在中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」大型揚陸艦「コンドポガ」海上揚陸部隊の上陸が可能な場所の調査を続け、海軍歩兵隊員は、自動小銃からの海上目標への射撃実施を伴う仮想敵の小型高速艇の攻撃の撃退へ取り組んだ。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った]

この付近で上陸演習を行なう予定でしたが、天候が悪化した為、ヴァンカレム岬沖から離脱し、更に東へ行く事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海を東へ進む]

北極遠征部隊は9月20日にベーリング海峡を通過してベーリング海へ入り、翌9月21日にプロヴィデニヤ湾で上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海沿岸で上陸演習を行なった]

9月23日にはクレスタ湾へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾へ到着した]

翌9月24日、エグヴェキトノ付近で上陸演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾で上陸演習を行なった]

北極遠征部隊ベーリング海を離れ、9月26日にはチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海を去り、チュクチ海へ入った]

9月29日には東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

10月3日にはノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島沖へ到着した]

10月5日にコテリヌイ島沖を去り、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島を去った]
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そして10月7日にセヴェルナヤ・ゼムリャ諸島沖へ到着しました。

ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月7日23時35分配信
【原子力潜水艦「カザン」は白海で試験の次の段階を実施した】

原子力潜水艦「カザン」乗組員は、白海における試験の次の段階を完了し、セヴェロドヴィンスクへ到着した。

水上及び水中位置での航行試験の保障に加え、潜水艦乗員は、第2特別錬成戦闘訓練任務の要素へ取り組んだ。

海上への原子力潜水艦「カザン」の出航は、2週間以上に渡り続いた。

北方艦隊海上射爆場における新たな原子力潜水艦の航行試験は、重原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」及びディーゼル船「ダヴィド・パサーイェフ」により保障された。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられます。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭までに始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。


「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、試験が順調に進めば2020年12月末になります。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]


当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった


『タス通信』より
2020年10月7日16時3分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は白海から極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射を実施した】
モスクワ、10月7日/タス通信

北方艦隊フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、火曜日に白海から極超音速ミサイル「ツィルコン」を距離450kmの海上標的へ発射し、ミサイルは音の8倍の速度に達し、目標へ成功裏に命中した。
ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、ビデオ通信会議でロシア連邦軍参謀本部総長ワレーリー・ゲラシモフ上級大将より報告された。

「昨日(10月6日)7時15分、白海エリアからフリゲート"アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ"は、飛翔試験の枠組みで、初めて極超音速ミサイル"ツィルコン"の白海に配置された海上目標への射撃を実施しました」
ゲラシモフ
は話した。

将軍は付け加えた。
「遂行された発射任務において、射撃は成功と認識され、ミサイルの目標への直接の命中が記録されました」
「ミサイルの飛翔距離は450kmになり、最高高度は28km、飛翔時間は4分半でした。
マッハ8以上の極超音速が達成されました」

参謀本部総長は説明した。

極超音速ミサイル「ツィルコン」の飛翔試験は続けられる事をゲラシモフは付け加えた。

彼は、複合体「ツィルコン」の国家試験完了後、潜水艦及び水上艦への装備が計画されている事を強調した。

[極超音速ミサイル「ツィルコン」]
2011~2020年の国家軍備プログラムの枠組みで極超音速ミサイルを有する艦載複合体「ツィルコン」の作成計画は、2011年2月、国防次官の職務に従事していたウラジーミル・ポポフキンにより表明された。
ミサイルの飛翔試験は、メディアによると2015年に始まった。

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2019年2月の連邦教書演説において、ミサイル「ツィルコン」は、およそマッハ9の速度を発揮し、距離1000km以上の水上目標や地上目標を撃破できると述べた。

ミサイル「ツィルコン」及び有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の発射の為、汎用艦載射撃複合体(UKSK)3S-14が使用される。
この発射装置は、特に、プロジェクト22350フリゲートプロジェクト20385コルベットが装備する。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」に関しては、ミサイルの名前以外の確たる情報は出ていませんが、射程距離は400~500km程度、飛翔速度はマッハ6以上になるようです。

「ツィルコン」の発射試験は2015年秋頃から始まっています。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

「ツィルコン」の試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれていますが、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

これまでに「ツィルコン」は、ネノクサ村ミサイル発射試験場から10回以上の発射試験が行なわれています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

これまでに地上からの発射試験のみが行なわれていた「ツィルコン」ですが、海上での発射試験は、北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。
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2020年中に、更に数回(3、4回)の「ツィルコン」発射試験が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を数回行なう]

「ツィルコン」の海上での発射試験は2021年末までには完了し、2022年にはロシア海軍の軍備として採用されます。
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021-2022年にロシア海軍へ制式採用される]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフへの兵装の取り付けが始まる]

同様に大規模な近代化改装が行なわれる4隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でドイツ海軍航空隊のP-3Cとスウェーデン空軍のS102Bに対するスクランブル発進を行なった

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『タス通信』より
2020年10月5日22時35分配信
【ロシアのSu-27はバルト海でスウェーデン海軍とドイツ連邦共和国海軍の2機の偵察航空機を迎撃した】
モスクワ、10月5日/タス通信

ロシアバルト艦隊対空防衛部隊当直部隊戦闘機Su-27は、バルト海上空でドイツ海軍基地哨戒航空機スウェーデン海軍偵察航空機を迎撃した。
月曜日、国立防衛管理センター(ロシア連邦国防省へ含まれる)は発表した。

「2020年10月5日、ロシアの空域監視手段は、バルト海中立水域上空で、ロシア連邦の国境線へ接近する2つの空中目標を探知しました。
空中目標を特定し、ロシア連邦の国境線の侵犯を防ぐ為、バルト艦隊の対空防衛部隊当直部隊の戦闘機Su-27が空へ上がりました。
ロシア戦闘機の乗員は、空中目標をドイツ海軍航空隊の基地哨戒航空機P-3Cオライオン及びスウェーデン海軍の偵察航空機ガルフストリームと同定し、バルト海エリア上空で同行しました」

センターは伝え、ロシア連邦の国境線の侵犯は許さなかった事を強調した。

国立防衛管理センターは、ロシア戦闘機の全ての飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施された事を強調した。
ロシア国境線から外国の軍用航空機が方向転換した後、Su-27は無事に駐留飛行場へ戻った。




バルト艦隊海軍航空隊戦闘機爆撃機は、ロシア連邦の飛び地カリーニングラード州へ配備されています。
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カリーニングラード州チカロフスク飛行場に駐留する第689親衛戦闘機航空連隊は、18機程度の戦闘機Su-27及びSu-27UBを保有しています。
ロシア海軍戦闘機Su-27を保有しているのは、バルト艦隊航空隊のみです。
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第689親衛戦闘機航空連隊は1939年9月5日に創設され、大祖国戦争に参戦し、1953年秋に海軍航空隊へ移管されたものの、1978年には空軍へ戻り、1986年には防空軍へ移管され、1994年12月には再び海軍へ移管され、現在に至っています。
現在の装備機Su-27は1990年に導入されました。
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駐留している場所が場所なだけに、外国機と接触する機会も少なくありません。
例えば2019年1月24日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するスウェーデン空軍航空機を探知し、スクランブル発進しています。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はスウェーデンの偵察機に対するスクランブル発進を行なった]

2019年8月13日には、カリーニングラードを視察してモスクワへ戻るセルゲイ・ショイグ国防相を乗せた旅客機を護衛中、NATO軍戦闘機が接近してきたので、これを追い払いました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はNATOの戦闘機を追い払った]

2020年4月24日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するベルギー空軍戦闘機F-16を探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でベルギー空軍の戦闘機F-16に対するスクランブル発進を行なった]

2020年6月15日にはバルト海ロシア側防空識別圏へ接近するアメリカ空軍戦略爆撃機B-52Hを探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でアメリカ空軍の戦略爆撃機B-52Hに対するスクランブル発進を行なった]

そして2020年10月5日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するドイツ海軍航空隊対潜哨戒機P-3C(第3海軍航空団「グラーフ・ツェッペリン」所属)とスウェーデン空軍電波電子偵察機S102Bコルペンを探知し、スクランブル発進しました。

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は高度2万メートルで空中戦闘訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2020年10月6日3時26分配信
【太平洋艦隊海上航空隊の戦闘機MiG-31は成層圏で空中戦を行なった】

戦闘訓練計画に沿って、カムチャツカ太平洋艦隊戦闘機航空隊の訓練が実施され、その中で、成層圏ロシアへの仮想領空侵犯機を迎撃する任務へ取り組んだ。
訓練は、対空防衛の戦闘当直へ就く為に必要な戦闘機飛行士の操縦技量の向上段階の1つとなった。

特殊訓練において、ロシア北東軍集団独立混成航空連隊MiG-31「侵犯機」の役割を演じ、高度約2万メートルで超音速に達した後、ロシア領空への侵入を模した。

目標を迎撃する為、もう1機の高空迎撃機MiG-31が離陸した。
任務をより複雑にする為、乗員は地上対空防衛手段の関わり無しで敵の捜索を行なうという任務が与えられた。
「敵」を探知し、目標を照準に捉えた後、飛行士は「空対空」クラスの長距離ミサイルの電子発射を実施した。
客観的観測によると、目標は成功裏に撃破された。

飛行勤務中、太平洋艦隊海上航空隊航空機MiG-31は計4回の成層圏飛行を実施した。



[高空迎撃戦闘機MiG-31(ロシア太平洋艦隊)]
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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、約20機のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2019年2月20日に最初の2機がカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは空中戦闘訓練を行なった]

2020年2月8日、次のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊へ高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]


現在の所、太平洋艦隊海軍航空隊では、第317混成航空連隊の下に1個飛行隊が配備されているMiG-31ですが、今後は更なる1個飛行隊が増強される事になるようです。
[カムチャツカに駐留するロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は増強される]

ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島を去った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年10月5日14時23分配信
【北方艦隊北極グループはセヴェルナヤ・ゼムリャ群島へ向かった】

北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北氷洋で行動している北方艦隊北極グループは、ラプテフ海コテリヌイ島海域での任務遂行を完了した。
オレグ・ゴルべフ中将は、軍事基地「北のクローバー」への出張を行ない、沿岸ミサイル複合体「バスチオン」中隊の調整に従事する戦術グループ、更にはテンプ飛行場の航空司令部の要員の戦闘訓練を視察した。

ラプテフ海への滞在中、大型対潜艦「セヴェロモルスク」大型揚陸艦「コンドポガ」はダメージコントロール演習を実施し、海軍歩兵隊員は、自動小銃からの海上目標への射撃実施を伴う仮想敵の小型高速艇の攻撃の撃退へ取り組んだ。
ヘリコプターKa-27乗員は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」の甲板から空中偵察飛行を行なった。

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本日(10月5日)、北極グループは、カラ海ゴロミャンニ島へ進路を取った。
支隊セヴェルナヤ・ゼムリャ群島を北から周回し、氷上偵察を行ない、今時期に同様の方法で艦船が通行する可能性の評価を計画している。
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[参照]
8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は約6500海里を航行し、ロシア連邦の経済活動をの安全を保障し、危機的状況が発生した場合に解決する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊部隊は、更に、北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習の実施中、空挺軍、航空中軍航空隊、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組んだ。

ベーリング海エリアにおいて北方艦隊北極グループは、チュクチ半島太平洋沿岸で海上揚陸部隊の上陸を2度行なった。
北極での危機的状況を解決し、襲撃行動を行なう演習を、北方艦隊将兵プロヴィデニヤ湾クレスタ湾エグヴェキトノ居住地で実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った]

この付近で上陸演習を行なう予定でしたが、天候が悪化した為、ヴァンカレム岬沖から離脱し、更に東へ行く事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海を東へ進む]

北極遠征部隊は9月20日にベーリング海峡を通過してベーリング海へ入り、翌9月21日にプロヴィデニヤ湾で上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海沿岸で上陸演習を行なった]

9月23日にはクレスタ湾へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾へ到着した]

翌9月24日、エグヴェキトノ付近で上陸演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾で上陸演習を行なった]

北極遠征部隊ベーリング海を離れ、9月26日にはチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海を去り、チュクチ海へ入った]

9月29日には東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

10月3日にはノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島沖へ到着した]

10月5日にコテリヌイ島沖を去り、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島へ向かいました。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型曳船アンドレイ・ステパノフはペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2020年10月5日3時0分配信
【最新曳船「アンドレイ・ステパノフ」は北方海上航路からカムチャツカの恒久駐屯場所へ到着した】

太平洋艦隊海洋曳船「アンドレイ・ステパノフ」は、黒海から北方海上航路経由で太平洋艦隊への移動を完了した。
船はペトロパヴロフスク・カムチャツキーイリイチェヴァ湾の埠頭へ係留された。
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「アンドレイ・ステパノフ」は曳航により恒久駐留場所まで13000海里を進んだ。

以前にカムチャツカで形成された乗組員は既に訓練を完了し、船の材料部分に習熟し、工場試運転チームと共に船の工場航行試験へ参加した。
セヴァストーポリで実施された検査出航中、曳船から艦上航空隊ヘリコプターの飛行が行なわれた。

乗組員は、そのユニット及びメカニズムを始動させる為、船の錆止め油の拭き落としを始めた。
近い内に強力な汎用曳船は、ロシア北東軍集団支援船支隊へ補充される。

プロジェクト23470曳船は、遠洋ゾーンでの護衛作戦実施、(座礁した)艦船の引き離し、水上物体及び沿岸施設の火災の消火、石油流出事故の結果の清算、貨物の移送、砕氷、更には救助活動及び特殊活動の為に意図されている。

最新船は約3200トンの排水量を有し、自立行動期間は30日以上、航続距離は3000海里以上である。

曳船の全長は62メートル、幅10メートル、最大速力16ノット、乗組員34名。
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プロジェクト23470海洋曳船の2番船「アンドレイ・ステパノフ」は、ロシア内陸部『ヤロスラヴリ造船工場』で2015年7月23日に起工されました。


2017年6月29日に進水しました。
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2020年3月12日から黒海で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2020年3月12日10時15分配信
【海洋曳船「アンドレイ・ステパノフ」は黒海エリアで工場航行試験を行なう】


5月25日からは最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2020年5月25日17時9分配信
【新たな曳船「アンドレイ・ステパノフ」は国家試験へ着手した】

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国家試験を完了した「アンドレイ・ステパノフ」は、配備先であるカムチャツカ半島へ、北方海上航路、つまり北極海経由で回航される事になり、6月19日にセヴァストーポリを出航しました。
なお、出航前に引渡-受入文書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型曳船アンドレイ・ステパノフは北極海経由でカムチャツカへ向かう]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型曳船アンドレイ・ステパノフは北極海を通過した]
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北極海を横断した「アンドレイ・ステパノフ」は、10月5日までにペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ到着しました。

正式な就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)は、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー到着後に開催されます。


プロジェクト23470海洋曳船は、現在までに『ヤロスラヴリ造船工場』で3隻が起工されています。
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1番船「セルゲイ・バルク」は、2014年10月30日に起工され、2016年12月27日に進水、2020年2月21日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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[新型海洋曳船セルゲイ・バルクはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
2020年6月下旬から8月中旬まで地中海へ進出しました。
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3番船「カピタン・ナイデン」は2016年に起工され、2019年11月28日に進水し、現在艤装中です。
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ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島沖へ到着した

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『タス通信』より
2020年10月3日19時46分配信
【北方艦隊の艦は北方海上航路海域での演習後にノヴォシビルスク諸島へ到着した】
ムルマンスク、10月3日/タス通信

北方艦隊の艦は、北方海上航路海域で一連の海上救助演習を行なった後、ラプテフ海ノヴォシビルスク群島へ到着した。
土曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「本日(10月3日)、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将指揮下の北氷洋で行動している北方艦隊北極グループは、ラプテフ海のノヴォシビルスク群島へ到着しました。
東シベリア海の移動中、北方艦隊の部隊は、北方海上航路海域で、救助曳船パミール及び砕氷船イリヤー・ムーロメツが関与する一連の救助へ指向される演習を実施しました。
北方艦隊船員は、航行不能の船へ援助を与え、更に海上での人員救助行動へ取り組みました」

声明では、こう述べられた。

艦隊は、北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、支援船コテリヌイ島海域のスタハノフ北極湾の投錨停泊地へ入った事を明らかにした。
近い内に北方艦隊船員は、この海域で、コテリヌイ島沿岸で海上揚陸部隊の上陸及びその後の襲撃行動実施の為に使用できる場所の調査作業を続ける。

8月5日に始まった遠距離航海中、北方艦隊北極グループの艦船は6000海里以上を航行し、ロシア連邦の経済活動をの安全を保障し、危機的状況が発生した場合に解決する為の一連の演習を実施した。
グループの艦によりタイミル半島へ運ばれた北方艦隊部隊は、更に、北極の重要な産業施設を防衛する戦術演習の実施中、空挺軍、航空中軍航空隊、西方軍管区及び中央軍管区との兵種間連携へ取り組んだ。

ベーリング海エリアにおいて北方艦隊北極グループは、チュクチ半島太平洋沿岸で海上揚陸部隊の上陸を2度行なった。
北極での危機的状況を解決し、襲撃行動を行なう演習を、北方艦隊将兵プロヴィデニヤ湾クレスタ湾エグヴェキトノ居住地で実施した。



2012年以来通算9度目となるロシア北方艦隊北極圏への遠距離航海は、2020年8月5日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は9回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年と2019年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)
大型揚陸艦「コンドポガ」(027)
海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」(811)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-143
砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」


北極遠征部隊は、8月8日にカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海へ入った]

8月10日にタイミル半島ディクソン港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はディクソン港へ到着した]
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その後、北極遠征部隊エニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はエニセイ川を南下してドゥディンカ港へ向かった]

8月15日にドゥディンカ港へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港へ到着した]
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北極遠征部隊は、8月18日にドゥディンカ周辺で上陸戦闘演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカで上陸戦闘演習を行なった]

その後、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「コンドポガ」の3隻はドゥディンカで地元住民へ公開されました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊の軍艦はドゥディンカで公開された]

9月3日にドゥディンカから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はドゥディンカ港を去った]

9月4日にはディクソンへ到着し、その後、カラ海へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は北極海を東へ進む]


翌9月5日、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」北極遠征部隊本隊と別れ、セヴェロモルスクへの帰路に就きました。
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「ウラジーミル・グマネンコ」は9月8日に母港ポリャールヌイへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月8日18時42分配信
【海洋掃海艦「ウラジーミル・グマネンコ」は北極からポリャールヌイへ到着した】

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は9月9日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年9月9日17時23分配信
【大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」は北極航海を完了した】

それ以外の艦船は、ベーリング海へ向かいました。
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9月6日には、キぺロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142北極遠征部隊のルート上の偵察飛行を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北極遠征部隊のルート上を偵察した]

9月7日、北極遠征部隊ヴィリキツキー海峡を通過してラプテフ海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はラプテフ海へ入った]

9月9日にはチクシ湾へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾へ入った]

9月12日にチクシ湾の沿岸で上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチクシ湾で上陸演習を行なった]

9月14日にはサンニコフ海峡を通過してシベリア海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

北極遠征部隊は9月17日にチュクチ海ヴァンカレム岬沖へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海へ入った]

この付近で上陸演習を行なう予定でしたが、天候が悪化した為、ヴァンカレム岬沖から離脱し、更に東へ行く事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はチュクチ海を東へ進む]

北極遠征部隊は9月20日にベーリング海峡を通過してベーリング海へ入り、翌9月21日にプロヴィデニヤ湾で上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海沿岸で上陸演習を行なった]

9月23日にはクレスタ湾へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾へ到着した]

翌9月24日、エグヴェキトノ付近で上陸演習を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海のクレスタ湾で上陸演習を行なった]

北極遠征部隊ベーリング海を離れ、9月26日にはチュクチ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊はベーリング海を去り、チュクチ海へ入った]

9月29日には東シベリア海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の第9次北極遠征部隊は東シベリア海へ入った]

10月3日にはノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
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ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験の準備を進めている

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2020年10月2日19時4分配信
【後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は推進複合体と操舵装置の試験を行なった】

『北方造船所』においてロシア国防省の発注下で建造されている後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、推進複合体と操舵装置の試験を行ない、更には生活及び勤務場所の準備を完了した。

12月初頭にバルト海での実施が計画されている航行試験の為、乗組員は10月末~11月初頭には船へ到着しなければならない。

「フセヴォロド・ボブロフ」は、『北方造船所』で建造される第2のプロジェクト23120後方支援船である。
トップ船「エリブルス」は、2018年に北方艦隊統合戦略司令部の補助艦隊の支援サービス船支隊の一員として受け入れられた。
2019年、同船はロシア艦船支隊の一員として175日間の世界一周航海を成功裏に行なった。

後方支援船は、貨物の移送、曳航、水路調査の実施、遭難した艦への援助の為に意図されている。
砕氷クラスArc4の船体は、厚さ0.6mの氷の突破が考慮されている。



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プロジェクト23120多機能後方支援船の2番船MB-75は、2013年12月19日にサンクトペテルブルク『北方造船所』で起工されました。
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2015年2月5日に「フセヴォロド・ボブロフ」と改名されました。

2016年11月14日に進水しました。
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その後、岸壁で艤装作業が進められました。
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「フセヴォロド・ボブロフ」は、2020年12月初頭にバルト海で洋上試験を開始します。


プロジェクト23120の1番船「エリブルス」は2018年4月9日に就役しました。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

2019年2月~7月にはフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と共に世界一周航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]