ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2021年第1四半期に延期された

『タス通信』より
2020年12月31日19時2分配信
【『セヴマシュ』は海軍へ原子力潜水艦「カザン」を2021年に引き渡す】
モスクワ、12月31日/タス通信
『セヴマシュ』(『統合造船業営団』)はロシア海軍へプロジェクト885M(ヤーセン-M)原子力潜水艦「カザン」を2021年に引き渡す。
木曜日に同社広報サービスは発表した。
「今後の我々には、新たな興味深い課題が待っています。
『セヴマシュ』は、海軍へ原子力潜水艦カザンを引き渡し、他の原子力艦の建造を続け、巡洋艦を修復しなければなりません」
『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコの新年の挨拶が引用された。
彼によると、同社は、パンデミックにも関わらず、2020年の生産プログラムを遂行した。
「私共は、海軍へ原子力潜水艦クニャージ・ウラジーミルを引き渡し、造船台から巡洋艦クニャージ・オレグを出渠させ、2隻のプロジェクト"ヤーセン-M"ロケット艦を起工し、原子力潜水艦カザンの試験を実施し、軍艦アドミラル・ナヒーモフの修理を新たな段階へと導きました」
ブドニチェンコは話した。
プロジェクト885M「ヤーセン-M」原子力潜水艦のトップ「カザン」は2017年3月21日に進水した。
海軍への引き渡し時期は、繰り返し延期された。
以前、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、潜水艦は2020年に海軍への引き渡しを計画していると述べた。
12月9日、新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューを受け、北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフは、同艦は年末までに全ての国家試験を完了すると述べた。
『ロシア通信社ノーボスチ』(ラジオスプートニク)より
2020年12月31日12時32分配信
【原子力潜水艦「カザン」は何時海軍へ引き渡されるのか知られるようになった】
モスクワ、12月31日/ラジオスプートニク
ロシア海軍は、近代化されたプロジェクト885M(ヤーセン-M)原子力潜水艦のトップ「カザン」を2021年第1四半期に受け取る。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、軍事産業企業体の情報提供者の談話を引用して伝えた。
12月中旬、国家試験の今次段階の枠組みで、「カザン」は対艦有翼ミサイル「オーニクス」を白海の海上目標への射撃を成功裏に実施した事が報じられた。
「潜水艦は試験サイクルを完了し、海軍への引き渡しを準備します。
2021年第1四半期には、同艦へ聖アンドレイ旗が掲げられます」
対談者は話した。
ロシア海軍には、未だ1隻のプロジェクト885「ヤーセン」型多目的原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」しか存在していない。
建造されている改善プロジェクト「ヤーセン-M」は「カザン」のみならず、原子力潜水艦「ノヴォシビルスク」、「クラスノヤルスク」、「アルハンゲリスク」が有る。
これらは13800トンの排水量を有し、潜航深度は520メートル、乗組員64名、自立行動期間100日、水中速力31ノット。
原子力潜水艦の兵装には、機雷、533mm魚雷、更には有翼ミサイル「カリブル」と「オーニクス」が在る。
以前、『ラジオスプートニク』は、ブリテン海軍がロシア艦の活発さを懸念していると報じた。
ロシア海軍の第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。

[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。
北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「カザン」は2017年3月31日に進水しました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]
2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]
2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。
[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。
当初、「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]
「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]
しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」のロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]
一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]
翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]
白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。
2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]
「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]
10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]
その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]
その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]
「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]
建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年の第1四半期、つまり3月末までに引き渡すとの事です。
当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州の愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]
この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]
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