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ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはバルト海で対空戦闘訓練を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年1月19日17時0分配信
【警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は海上で高射ミサイル射撃を実施した】

計画出航の枠組みでバルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」乗組員は、空中目標へのミサイル射撃を実施した。

バルト艦隊の海上射爆場で警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」乗組員は、仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する為の複合活動を実施した。

艦の電波位置測定探知手段は、2つの空中目標グループを捕捉、追跡した。
仮想敵の役割は、艦隊海上航空隊前線爆撃機Su-24M対潜ヘリコプターKa-27が演じ、高速及び低空飛行の空中目標を模した。
射撃は、模擬空中目標へ実施された。

艦は電波電子戦闘手段を活性化させ、アクティブ及びパッシブ妨害を設定した。
攻撃境界線へ進入した時、警備艦の乗組員は、艦載高射ミサイル砲複合体「コールチク」からの実地ミサイル射撃を実行し、その最中に仮想敵航空隊は成功裏に破壊された。



バルト艦隊プロジェクト11540警備艦2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」(賢公ヤロスラフ)(2009年7月24日就役)は、2019年7月24日に就役10周年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは就役10周年を迎えた]

これまでに何度もインド洋へ行った事のある「ヤロスラフ・ムードルイ」ですが、初めてインド海軍との合同演習(『インドラ-2019』)へ参加する事になり、2019年10月1日にバルチースクを出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインドへ向かった]

「ヤロスラフ・ムードルイ」随伴船は、10月5日に北海へ入りました。
[インド洋へ向かうロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは北海へ入った]

10月7日までにラ・マンシュ海峡(英仏海峡)の通過を完了し、ビスケー湾へ出ました。
[インド洋へ向かうロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは英仏海峡を通過した]

10月11日までにジブラルタル海峡の通過を完了し、地中海へ入りました。
[インド洋へ向かうロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは地中海へ入った]

10月13日に地中海西部海域で給油船からの洋上補給を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2019年10月13日13時54分配信
【バルト艦隊の警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は地中海で物資を補充した】

10月21日にキプロスリマソール港へ入港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキプロスのリマソール港へ入港した]

10月25日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはキプロスを去った]

10月28日にシリアタルトゥース港へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはシリアを訪れた]

11月初頭には地中海東部の演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍は地中海東部で合同演習を実施した]

11月5日にギリシャピレウス港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはギリシャのピレウス港を訪れた]

11月8日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはギリシャを去った]

その後、地中海東部で演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは地中海で演習を行なった]

11月16日に再びシリアタルトゥース港へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはシリアのタルトゥース港へ入港した]

その後、再びキプロスリマソール港を訪れ、11月25日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは再びキプロスのリマソール港を訪れた]

「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船は、11月27日までにスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはスエズ運河を通過して紅海へ入った]

12月2日には紅海からアデン湾を通過してアラビア海へ向かう3隻の民間船の護衛を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で民間船団を護衛する]

12月5日に民間船の護衛を完了し(つまりアラビア海へ到達した)、インドへ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾を通過する民間船団の護衛を完了した]

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12月10日にインド東岸マルマガオ(パナジ)へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインドへ到着した]

12月10日から15日までマルマガオへ滞在した後、「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船は、12月16日からインド海軍との合同演習『インドラ-2019』を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインド海軍との合同演習『インドラ-2019』を開始した]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインド海軍との合同演習『インドラ-2019』で砲撃訓練を行なった]

合同演習は12月19日に完了し、「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船は、イランチャーバハール港へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインド海軍との合同演習を終えてイランへ向かった]

12月27日にチャーバハール港へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインド洋北部でイラン海軍及び中国海軍と合同演習を行なう]

翌12月28日、「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船インド洋北部へ出航し、イラン海軍及び中国海軍の艦との合同演習『海上安全の帯-2019』を開始しました。
[ロシア・イラン・中国海軍合同演習はインド洋北部で始まった]

合同演習は12月30日に完了し、「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船イランを去りました。

2020年1月4日~7日にオマーンサラーラ港へ寄港し、物資を補充しました。

1月9日、「ヤロスラフ・ムードルイ」アデン湾を西方向(紅海)へ通過するロシア民間船団の護送を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾を通過する民間船団を護送する]

アデン湾民間船団を護送した後、「ヤロスラフ・ムードルイ」と2隻の支援船は、日本海上自衛隊護衛艦「はるさめ」(1997年3月24日就役)と合同演習を行なう為に合流しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは2020年1月下旬にアデン湾で日本海上自衛隊との合同演習へ参加する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアラビア海で日本海上自衛隊の護衛艦はるさめと合同演習を行なう]
無論、「ヤロスラフ・ムードルイ」日本との合同演習へ参加するのは、今回が初めてとなります。

1月21日、「ヤロスラフ・ムードルイ」「はるさめ」は、海賊に乗っ取られたという想定下の船(給油船「エリニヤ」)を解放する演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で日本海上自衛隊の護衛艦はるさめと対海賊合同演習を行なった]
同日夕方までにバルト艦隊日本海上自衛隊の合同演習は完了しました。
[ロシア海軍バルト艦隊と日本海上自衛隊の合同演習は完了した]

日本との合同演習を行なっていた1月21日、「ヤロスラフ・ムードルイ」に随伴する海洋曳船「ヴィクトール・コネツキー」は、アデン湾で故障したニュージーランドヨットを助けました。
[ロシア海軍バルト艦隊艦船支隊はアデン湾でニュージーランドのヨットを助けた]

1月26日、「ヤロスラフ・ムードルイ」は再びオマーンサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはオマーンのサラーラ港を訪れた]
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1月29日にサラーラ港を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはオマーンのサラーラ港を去った]

2月10日、「ヤロスラフ・ムードルイ」は三度オマーンサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは再びオマーンのサラーラ港を訪れた]

2月18日にサラーラ港を出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはオマーンを去り、アデン湾へ向かった]

2月26日には給油船「エリニヤ」から水と燃料を補給しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはアデン湾で海賊対処任務を続ける]
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その後、インド洋を東へ進み、3月4日にはスリランカコロンボ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはスリランカのコロンボを訪れた]
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3月6日にコロンボ港を出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはスリランカを去った]

その後の動向は明らかにされていませんでしたが、3月30日には南アフリカ共和国ケープタウン港へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは南アフリカ共和国のケープタウンへ入った]

ケープタウン港を去った後、アフリカ大陸の西側(つまり大西洋)を北上し、5月4日に母港バルチースクへ帰投しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは母港バルチースクへ帰投した]

その後はメンテナンスが行なわれていたようですが、2020年12月4日にバルト海へ出航し、各種洋上訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはバルト海で演習を行なった]

2021年1月18日にもバルト海へ出航し、高射ミサイル砲複合体「コールチク」の実弾射撃を行ないました。

セヴェロドヴィンスク造船所セヴマシュはブロック-モジュール建造方式の導入によりロシア海軍の新世代原子力潜水艦の建造期間を18ヶ月短縮できる

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『タス通信』より
2021年1月19日16時5分配信
【『セヴマシュ』は原子力潜水艦の建造期間を短縮する】
モスクワ、1月19日/タス通信

生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ、『統合造船業営団』へ加入)は、新たなブロック-モジュール方式を用いる事により原子力潜水艦の建造期間を短縮する。
火曜日に同社広報サービスは発表した。

「『セヴマシュ』で定着するブロック-モジュール方式は、造船台での原子力潜水艦の建造期間の18ヶ月の短縮を可能にします。
原子力潜水艦の作成における新たな技術の使用は、更に、高度な準備状態の大型ブロック-モジュールから潜水艦の船体を組み立てる事により、作業の質を高め、労働量の減少を可能にします」

広報サービスは伝えた。

同社が伝えたように、新たな方式は、総取締役ミハイル・ブドニチェンコの監督下で。中央設計局『マラヒート』及び『ルビーン』、更に造船・造修技術センターと合同で同社の専門家が開発した。

『セヴマシュ』の特殊プロジェクト及び兵器計画設計局の総技術チーフ、アレクサンドル・スピリドノフは、同社が更に「デジタルモデル、新たな非破壊検査方法、『正確な形状』で艦の構造を製造する技術に基づく先進自動制御設計システムの導入」を計画していると述べた。
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これに加え、『セヴマシュ』の課題には、潜水艦の主船体の水圧試験の過程の変更が含まれる~造船台から専門セクションへの試験の移管、更には、原子力潜水艦の技術モジュールと、機器、システム、ケーブル線で満たされた機能モジュールの並行製造の組織化。

『セヴマシュ』は、ロシア最大の造船企業の1つである。


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現在、セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』は、ロシア海軍第4世代原子力潜水艦2タイプを建造しています。

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[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

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[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]

これらの原潜は、第3世代原子力潜水艦(プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦、プロジェクト949/949A原子力水中巡洋艦、プロジェクト971原子力巡洋潜水艦、プロジェクト945/945A原子力大型潜水艦)の建造の際に導入された方式(つまり1980年代に導入された方式)により建造されています。

しかし、現行の建造方法は時間が掛かり過ぎるので、新たなブロック-モジュール建造方式の準備が進められています。
[セヴェロドヴィンスク造船所セヴマシュはロシア海軍の新世代原子力潜水艦建造の為の新技術の導入の準備を進めている]

ブロック-モジュール建造方式は、今後建造されるモジュール構造(基本形の攻撃原潜にミサイル区画を挿入すればミサイル原潜となる)の第5世代原子力潜水艦「ハスキー」(ライカ)で使用される事になるようです。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークはシリアのタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年1月19日10時22分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」及び小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」の乗組員は地中海で錬成任務へ移行した】

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」及び小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」の乗組員は、用途上の任務を遂行する為の艦の乗組員の認可システムの毎年の初めの段階である錬成任務K-1へ移行した。

活動は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の戦闘訓練計画に沿って実施された。

錬成任務への移行中、船員は、物資-技術サービス供給所へ停泊した艦の戦闘及び航海の為の艦の準備、対空防衛、ダメージコントロールの様々な艦上演習を実施した。

更にフリゲート及び小型ロケット艦の要員は、港へ停泊している艦の対水中工作防衛行動の実施手順へ取り組み、艦へ武器と弾薬を受け入れ、艦の兵器及びメカニズムを整備する為の基準を満たした。

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2020年12月から、小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は2020年11月から、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として指示された任務を遂行している。



プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の6番艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」(609、2018年6月1日就役)は、2020年11月下旬にセヴァストーポリを出航、11月24日にボスポラス海峡を南下し、地中海東部へ向かいました。
「ヴイシニー・ヴォロチョーク」地中海東部へ行くのは2回目です。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ヴイシニー・ヴォロチョークは地中海東部へ行く]

2020年12月24日にシリアタルトゥース港で実施されたロシア海軍シリア海軍の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とシリア海軍はタルトゥース港で合同演習を実施した]


プロジェクト11356Rフリゲート1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、2020年12月下旬にセヴァストーポリを出航、12月24日にボスポラス海峡を南下し、地中海東部へ向かいました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海東部へ行くのは、これで通算9回目となります。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部(シリア沖)へ行く]

2021年1月11日に地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]


この2隻は、2021年1月19日から港内へ停泊した状態での乗組員の各種訓練(錬成任務K-1)を開始しました。

今回の黒海艦隊広報部発表では、具体的な場所には触れられておらず、「物資-技術サービス供給所」としか述べられていませんが、地中海沿岸のロシア海軍「物資-技術サービス供給所」は、シリアタルトゥース港しか有りません。
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現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」
2020年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」2020年11月末から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年1月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2021年1月中旬から地中海東部に滞在
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海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」2020年12月初頭から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
コルベット「ストイーキー」
2021年1月初頭から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「コラ」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
工作船PM-822020年12月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは北方艦隊基地への移動を準備する

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月18日16時20分配信
【大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は検査出航を行なった】

プロジェクト11711大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、北方艦隊の恒久駐屯場所への移動に先立つ準備の枠組みにおいて、カリーニングラードからバルト海エリアへシステム及びメカニズムの点検の為の検査出航を行なった。

検査出航中に全艦内システム、電波工学機器、通信機器の機能が点検される。
更に、当直士官及び戦闘部門の航海士要員は、艦隊間移動ルート上の水上航海の特徴を知った。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]

海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]

洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]

結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を続ける]

バルト艦隊海上航空隊の協力により「ピョートル・モルグノフ」レーダー(電波位置測定ステーション)などの動作試験が行なわれ、5月29日には兵装の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を実施した]

工場航行試験は6月初頭の完了が予定されていましたが、7月中旬にずれ込みました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは2020年6月上旬に工場航行試験を完了する]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは工場航行試験の最終段階を開始した]

工場航行試験の完了後、「ピョートル・モルグノフ」は最終洋上試験となる国家試験を始める予定でしたが、その前に『ロシア海軍の日』(毎年7月の最終日曜日、2020年は7月26日)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加する事になりました。
[最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはクロンシュタットで2020年7月26日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する]



『ロシア海軍の日』観艦式が終わった後、「ピョートル・モルグノフ」は洋上試験を再開しました。

しかし、9月29日に洋上試験を終えてカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻ってきた「ピョートル・モルグノフ」コロナウイルスの検査を行なった結果、41名が陽性反応を示しました。
この為、陽性患者は入院し、残る乗組員も艦内に隔離される事になりました。
当然の事ながら洋上試験は中断する事になりました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフ乗組員はコロナウイルスに感染した]

それから1ヶ月以上経った11月3日、「ピョートル・モルグノフ」は洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

11月7日には30mm機関砲AK-630Mによる機雷掃討を行ないました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海の洋上試験で機雷を掃討した]

11月13日までに洋上試験は全て完了しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは洋上試験を完了した]

2020年12月23日にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊第121揚陸艦旅団へ編入されました。

[プロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

北方艦隊基地への「ピョートル・モルグノフ」の移動は、2021年1月末に予定されています。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2021年1月19日7時52分配信
【カムチャツカでコルベット「プロヴォールヌイ」乗組員が形成される】

ロシア北東軍集団水域防護艦連合部隊では、サンクトペテルブルク市企業『北方造船所』で建造されているコルベット「プロヴォールヌイ」の乗組員が形成される。

軍事船員は海軍統合センターで訓練を行ない、新たなプロジェクト艦の建造原理と基礎専門分野での基本的な操作を学ぶ。
理論的訓練コースを修了後、乗組員はプロジェクト20385の同型艦で実習を行なう。
練習の終了後、艦を制御し、工場製造者から新たな艦を受け取る為の卒業試験に合格する。

軍事産業の代表と共に、艦の複合航行実験試験が行なわれ、錬成任務へ移行し、その後に太平洋艦隊での更なる運用の為、艦は国へ納入される。

プロジェクト20385コルベットは、海洋ゾーンのパトロール、水上艦及び潜水艦との戦闘の為、艦船支隊、駐留所の対空防衛を保障する為、更には海上揚陸部隊の上陸及び行動の砲撃支援の為に意図されている。
プロジェクトの開発者は中央海洋設計局『アルマーズ』である。
排水量-2200トン、全長-104メートル、幅-13メートル。
速力-27ノット。
航続距離-3500海里。
自立航行期間-15日。
乗組員-99名。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。


1番艦「グレミャーシチー」は、2020年12月29日に就役しました。
[プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


今後、太平洋艦隊向けとして、更に4隻のプロジェクト20385コルベットが建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の4隻のプロジェクト20385コルベットと2隻のプロジェクト20380コルベットの建造契約が締結された]

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月18日17時30分配信
【北方艦隊のフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」はアルジェリアへの業務寄港を行なった】

本日(1月18日)、北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、その初めての遠距離航海の枠組みで港湾都市アルジェ北アフリカの国と同名の首都~への業務寄港を行なった。
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ロシア船員の訪問は1月20日まで続く。
この間に艦の乗組員は真水と食料の在庫を補充し、要員は航行当直から解放される。

フリゲートの乗組員にとって、これはこの航海における最初の外国港への訪問である。
今後、同艦は地中海地域の国の港へ数回の業務寄港を行なう。

ロシア艦によるアルジェリア及び他国への訪問は、国際海軍協力を維持する目的で行なわれる。
フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の遠距離航海の主な任務の1つは、聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、この地域でのロシア連邦の海軍の存在を確保する事に在る。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の遠距離航海は2020年12月30日から続いている。
これまでに艦は4000海里以上を走破した。

[参照]
「アドミラル・フロータ・カサトノフ」
は、遠海ゾーン及び大洋ゾーンの為の誘導ミサイル兵器を持つロシアプロジェクト22350多目的フリゲートである。
サンクトペテルブルク造船企業『北方造船所』で建造された。

海軍の日を前にした2020年7月21日、フリゲート聖アンドレイ旗掲揚式典が開催された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊である北方艦隊ロケット艦師団へ入った。
現在、同プロジェクトのフリゲート2隻が行動している。

プロジェクト22350フリゲートは、130mm砲装置A-192高射ミサイル複合体対艦ミサイル「オーニクス」或いは「カリブル」の為の発射装置で武装する。
対潜兵器複合体を有し、艦上へ対潜ヘリコプターKa-27を搭載する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月15日にロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]

数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]

バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]

この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

11月7日、バレンツ海白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]

バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」白海有翼ミサイル「カリブル」チジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。


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2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]
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1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

1月15日にバルト艦隊中型海洋給油船「コラ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

1月18日にアルジェリアアルジェ港へ寄港しました。

ネヴァ川計画設計局はプロジェクト"ヴァラーン"汎用海上艦(軽空母)を開発する

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『タス通信』より
2021年1月19日0時50分配信
【『ネヴァ川計画設計局』はプロジェクト「ヴァラーン」(オオトカゲ)汎用海上艦を提示した】
モスクワ、1月18日/タス通信

『ネヴァ川計画設計局』(『統合造船業営団』へ加入)は、2つの新たな汎用艦プロジェクト、具体的には汎用海上艦「ヴァラーン」及び新たな汎用揚陸艦を開発している。
これは、『タス通信』へ配布された同社の90周年記念日へ捧げられる計画設計局の資料で述べられている。

汎用海上艦「ヴァラーン」は、高度の自動化とロボット工学複合体が使用可能である事を特徴とする航空機搭載複合体である。
その艦上には、24機の多目的航空機、6機のヘリコプターと20機までの無人飛行措置を配置できる。

艦の排水量は約45000トン、全長-約250メートル、幅-65メートル、構造吃水線における吃水-9メートル。
「ヴァラーン」は26ノットまでの速力を発揮できる。

将来汎用揚陸艦の排水量は約30000トンである。
艦の全長は約220メートルに達し、幅-42メートル、構造吃水線における吃水-7メートル。
新たな汎用揚陸艦は、約24ノットの速力を発揮できる。
艦の甲板には、ヘリコプターの為の7つの着艦スペースが配置される。

『ネヴァ川計画設計局』は、汎用艦の最大の国内開発者の1つであり、ロシアで唯一の航空母艦及びトレーナー複合体の設計者である。
同社は1月18日に創立90周年を迎える。



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【『ネヴァ川計画設計局』公式サイト】
1931年1月18日に創立された『ネヴァ川計画設計局』は、第2次世界大戦前から大戦後に掛けて、プロジェクト1「レニングラード」型嚮導駆逐艦、プロジェクト7「グネフヌイ」型駆逐艦、プロジェクト26「キーロフ」型巡洋艦、プロジェクト68K「チャパエフ」型巡洋艦、プロジェクト68bis「スヴェルドロフ」型巡洋艦といった水上戦闘艦を設計しました。

プロジェクト1「レニングラード」型嚮導駆逐艦
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プロジェクト7「グネフヌイ」型駆逐艦
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プロジェクト26「キーロフ」型巡洋艦
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プロジェクト68K「チャパエフ」型巡洋艦
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プロジェクト68bis「スヴェルドロフ」型巡洋艦
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1960年代に「ヘリコプター空母」プロジェクト1123「モスクワ」型対潜巡洋艦を設計してからは、旧ソ連の一連の「航空母艦」プロジェクト1143「キエフ」型重航空巡洋艦、プロジェクト11435「アドミラル・クズネツォフ」型重航空巡洋艦、プロジェクト11437「ウリヤノフスク」型重原子力航空巡洋艦を手掛けました。
(プロジェクト11437ソ連邦解体により建造中止)

プロジェクト1123「モスクワ」型対潜巡洋艦
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プロジェクト1143「キエフ」型重航空巡洋艦
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プロジェクト11435「アドミラル・クズネツォフ」型重航空巡洋艦
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プロジェクト11437「ウリヤノフスク」型重原子力航空巡洋艦
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空母を手掛ける一方、プロジェクト1171大型揚陸艦プロジェクト1174「イワン・ロゴフ」型大型揚陸艦といった揚陸艦の設計も手掛けました。

プロジェクト1171大型揚陸艦
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プロジェクト1174「イワン・ロゴフ」型大型揚陸艦
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ソ連邦解体後には、インド海軍向けのプロジェクト11430航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」ロシア海軍プロジェクト11711「イワン・グレン」型大型揚陸艦を設計しました。

プロジェクト11430航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」
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プロジェクト11711「イワン・グレン」型大型揚陸艦
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そして今は、ロシア海軍将来航空母艦の設計に従事しています。

この他、汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)も設計していましたが、ロシア海軍は、『ネヴァ川計画設計局』が設計した艦では無く、『ゼレノドリスク計画設計局』が設計したプロジェクト23900「イワン・ロゴフ」型汎用ヘリコプター揚陸母艦を採用し、2020年7月20日に2隻が起工されました。
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そして創立90周年を迎えた2021年1月18日、『ネヴァ川計画設計局』は、プロジェクト「ヴァラーン」(オオトカゲ)汎用海上艦の設計案を公表しました。

「ヴァラーン」は45000トンの「軽空母」ですが、公表された画像を見る限り、艦首にスキージャンプ台は無く、カタパルトらしきものが2つと、着艦フックが見受けられます。

近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは試験の準備を進めている

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『タス通信』より
2021年1月18日16時32分配信
【原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は試験を準備する】
モスクワ、1月18日/タス通信

更新後に国内海軍で最も強力な水上艦となる巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は試験を準備している。
月曜日に造船企業体『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)広報サービスは発表した。

「施設には標準電力が提供され、『セヴマシュ』の労働者と専門技術者には全ての建造文書の閉鎖が控えております。
その後、設計者が開発した方法により、艦は埠頭で係留試験を行ないます」

声明では、こう述べられた。

係留試験の後、巡洋艦は海上で航行試験を行なう。
「それには軍の乗組員と、当社の試運転チームが関わります。
今、専門家は研修と資格審査を受けています」
『セヴマシュ』
は伝えた。

現在、巡洋艦には艦載機器が据え付けられ、標準電力の供給が準備されている。
「『セヴマシュ』の専門家は、昨年に機器と機械の据え付けを行ないました。
今、艦ではケーブルの敷設が進められています」

声明では、こう指摘された。

「今、何を行なうのかは完全に明確です。
無論、このような物体の修理と試験は少なからず困難ですが、それは克服されます。
大事なのは、全員~軍人と建造業者が、絶大な打撃力を持つ巡洋艦を我が国がとても必要としているという事を理解していることです」

広報サービスは、プロジェクト1144M艦の引き渡し責任者ウラジーミル・パヴロフの談話を引用した。

[最も強力な水上艦]
『セヴマシュ』
は、更新され、ロシア海軍へ引き渡された後、「アドミラル・ナヒーモフ」は国内海軍で最も強力な水上艦となる事を想い起こした。
その寸法は、広範囲のリストの電波電子機器、攻撃及び防衛手段の配置を可能にする。

以前、株式会社『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは、プロジェクト11442M(コード名「オルラン」)重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の水上での艤装はスケジュール通りに進められており、艦への兵装の据え付けが始まったと述べた。
彼によると、艦は2022年に海軍へ引き渡さなけばならない。
「アドミラル・ナヒーモフ」は2021年に試験へ入る事が計画されている。

巡洋艦は1999年から修理に置かれている。
実際の作業は2013年から行なわれている。
近代化の主な結果は、巡洋艦の打撃力の顕著な強化である。
それは特に、8基の有翼ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」の為の汎用艦載射撃複合体を10基搭載する。
将来的には、艦は極超音速ミサイル「ツィルコン」を得る。



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プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず(核燃料が撤去された程度)、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]
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2014年10月24日に『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しました。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

タービンエンジンはメーカー(サンクトペテルブルク『キーロフ・エネルゴマシュ』工場)へ送られ、修復されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)も発注されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]

2017年から大型機器の設置が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

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近代化される「アドミラル・ナヒーモフ」には、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト-M」高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、そして超音速対艦ミサイル「オーニクス」及び打撃有翼ミサイル「カリブル」を発射できる汎用ミサイル垂直発射機3S-14対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」対潜ミサイル複合体「オトヴェート」などが装備されます。

2020年3月末から、以前にメーカー修理へ出したタービンエンジンの取り付けが始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは修復されたタービンエンジンを設置する]
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2020年8月18日、「アドミラル・ナヒーモフ」『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)から再進水し、同社の艤装岸壁へ移動しました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは屋外ドックから再進水した]

その後、兵装の取り付け作業が始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフへの兵装の取り付けが始まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」は、2021年中に係留試験を行ない、更には航行試験を開始する予定です。

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末2021年末、2022年と何度も延期され、2023年という話も出てきました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022~2023年に完了する]

現在の所、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の完了は2022年末に予定されています。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2022年末に近代化改装を終えてロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2022年末に復帰する]

近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」も近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる]

ロシア海軍の為に35000馬力のガスタービンエンジンが開発される


『タス通信』より
2021年1月17日17時27分配信
【『統合エンジン製造営団』は出力35000馬力までの2つの海洋エンジンプロジェクトを検討している】
モスクワ、1月17日/タス通信

『統合エンジン製造営団』(『ロステック』へ加入)は、出力35000馬力までの海洋エンジンを作成する2つの試験設計プロジェクトを検討している。
『統合エンジン製造営団』総取締役アレクサドル・アルチュホフは述べた。

「今日において、我々には、6000馬力から27000馬力まで3つの有益なニーズが有ります。
その上、35000馬力までの2つの試験設計プロジェクトについて討議しております」
アルチュホフ
は、テレビ局『ズヴェズダー』の番組『軍への納入品』のインタビューを受け、こう話した。

『統合エンジン製造営団』トップによると、この海洋ラインの最初のエンジンは、2020年12月にフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」へ納められた。

ウクライナへの供給の依存を避ける為、ロシア海軍総司令部は2000年代初頭に「ガスタービンエンジン及び海軍の水上艦のユニットの作成と使用に関するコンセプト」を承認し、全体の供給機能をルイビンスク科学生産合同『サトゥルン』へ委ねた。
ロシア海軍の最新戦闘艦、特にプロジェクト22350フリゲートプロジェクト11356フリゲートは、以前、ニコラエフ『ゾーリャ機械設計』の動力装置を装備していた。



ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)

【科学生産合同「サトゥルン」公式サイト】
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【『科学製造合同アヴローラ』公式サイト】
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【国営企業ガスタービン製造科学工業複合体「ゾーリャ機械設計」公式サイト】
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なお、ロシアカルーガ市に在る非公開株式会社「科学製造国内企業トゥルボコン」は、公式サイトを持っていません。
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ソヴィエト連邦時代、ガスタービン搭載艦は、ニコラーエフ市61コムーナ造船所カリーニングラード州ヤンターリ造船所ゼレノドリスクゴーリキー造船所などで建造されていました。
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特に、ウクライナ61コムーナ造船所では大型のガスタービン推進艦が建造されていました。
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プロジェクト61大型対潜艦/警備艦(1962-1973年に15隻建造、他にレニングラードで5隻建造)
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プロジェクト1134B大型対潜艦(1971-1979年に7隻建造)
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プロジェクト1164ロケット巡洋艦(1982-1989年に3隻建造、1隻未完成)
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ですから、ニコラーエフ市ガスタービンエンジンの最終組立工場が在った方が輸送などの面で都合が良かったわけです。
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しかし、1991年末のソ連邦解体後、ガスタービン機関の部品を製造する会社と最終組立を行なう会社が別々の国に分かれてしまう事になり、何かと不都合が生じました。

そこで1993年、旧ソ連ガスタービン製造に関わっていた「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、「ゾーリャ機械設計」が集まり、合同企業「トゥルボルス」が設立されました。
【非公開株式会社『トゥルボルス』公式サイト】

ロシア海軍新世代水上艦の為のガスタービン(M90FR)も、ロシアウクライナの企業の共同開発でした。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化しました。

2014年3月末まで「ゾーリャ機械設計」社ロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]

ウクライナロシアガスタービンエンジン生産に関する「分業体制」が瓦解した為、ロシア海軍ガスタービン装備艦の建造は停滞しました。
[ロシア海軍の新型フリゲートの建造は停滞する]

プロジェクト22350フリゲートは1番艦と2番艦、プロジェクト11356Rフリゲートは1番艦~3番艦のガスタービンは供給されましたが、ウクライナは、それ以降のエンジンの引き渡しを拒否しました。
(代金はウクライナへ支払っていた)
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

この為、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になり、ルイビンスク『サトゥルン』社ガスタービンエンジンの最終組立施設を作る事になりました。
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]
[ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する]

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ルイビンスク『サトゥルン』社におけるガスタービンエンジン生産の為の各種試験は2017年12月末までに完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2017年12月31日17時40分配信
【科学生産合同サトゥルンは3つのガスタービンエンジンの試験設計作業を完了した】

2018年1月初頭、『サトゥルン』社ガスタービンエンジンの生産が始まりました。
[ルイビンスクのサトゥルン社はロシア海軍の為のガスタービンエンジンの生産を開始する]

ガスタービンエンジン「M90FR」(出力27500馬力)
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ガスタービンエンジン「M70FRU-R」(出力14000馬力)
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特に、ガスタービンエンジン「M90FR」は、プロジェクト22350フリゲートの増速用エンジンなどに使われています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]


そして今は、出力35000馬力のガスタービンエンジンの開発が検討されています。

ロシア海軍航空隊のエイスク飛行場に新人パイロットが到着した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年1月16日19時0分配信
【エイスクの海軍海上航空隊要員戦闘順応・再訓練センターの生徒は軍人宣誓を行なった】

本日(1月16日)、100名以上の練習大隊の生徒は、エイスク(クラスノダール地方)海軍海上航空隊要員戦闘順応・再訓練センターで軍人宣誓式を行なった。

若い軍人を前にセンター司令官セルゲイ・ボドナルク大佐、エイスク飛行士・海上航空隊高等軍事航空学校の退役軍人評議会の代表ボリス・ルイバルコ大佐、連隊の長司祭イーゴリ神父は、激励の辞を述べた。
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祖国への忠誠を誓った軍人は、一連の航空対潜専門の訓練へ着手する。
訓練サイクルは今年4月まで続く。
訓練プログラムは、海軍海上航空隊連合部隊の為の若い航空専門家の準備計画に沿って開発された。
4月に試験委員会は、独立大隊の生徒が取得した知識と技量の水準を詳細に評価し、その後、更なる勤務を続ける為にロシア海軍海上航空隊部門へ送られる。

[参照]
海軍海上航空隊要員戦闘順応・再訓練センター
は、追加専門教育プログラムの下での軍事専門職の理論的訓練と艦隊の海上航空隊の専門家の実地再訓練、海軍の将来兵器モデル及び軍事機材の試験を保障し、若い軍事専門職を訓練し、国の中堅軍人と外国の技術要員の訓練を組織し、提供する為に意図されている。

現在、センターは教育活動を行なう軍事組織であり、8個の主要部門と22個の支援部門が含まれている。
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ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ配備された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月16日12時20分配信
【北方艦隊の迎撃戦闘機MiG-31BM乗員はノヴァヤ・ゼムリャ諸島で試験戦闘当直に就いた】

北方艦隊独立混成航空連隊迎撃戦闘機MiG-31BM乗員は、ノヴァヤ・ゼムリャ諸島ロシア連邦空域の国境線の防護の為の試験戦闘当直に就いた。

戦闘当直へ就く為の式典は、ロガチョフ飛行場で開催された。

ノヴァヤ・ゼムリャ諸島において迎撃戦闘機MiG-31BMが試験戦闘当直へ就く事は、北極における北方艦隊戦闘機航空隊の使用地域の大幅な拡大と、北方海上航路エリア上空の空域監視ゾーンの著しい増大を可能にする。

2020年に迎撃戦闘機MiG-31BMは、ノヴァヤ・ゼムリャロガチョフ飛行場で一連の演習任務を遂行した。

数年前、北極ロシア空域の防護の為、高射ミサイルシステムS-400「トリウムフ」で武装する北方艦隊第45航空・防空軍対空防衛連合部隊高射ミサイル連隊ノヴァヤ・ゼムリャで戦闘当直に就いた。
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[参照]
航空機MiG-31BM
は、遠距離活動超音速迎撃戦闘機の最新ヴァージョンである。
それは、1日のあらゆる時間帯、あらゆる気象条件下において、超低空、低空、中空、高高度で空中目標を探知、破壊する為に意図されている。



第45航空・防空軍は、北方艦隊の指揮下で北極圏の防空を担当する為、元々の北方艦隊海軍航空隊に、ロシア航空宇宙軍(空軍)から移管した航空部隊及び防空部隊を加えて2015年12月に編成されました。

この時、モンチェゴルスク飛行場に駐留し、高空迎撃戦闘機MiG-31を有するヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊も移管されました。
(MiG-31の他に前線爆撃機Su-24M、戦術偵察機Su-24MRを保有)
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第98親衛混成航空連隊の20機のMiG-31は、2019年末までにMiG-31BMにアップグレードされました。

モンチェゴルスク飛行場に駐留している北方艦隊MiG-31BMですが、2021年1月16日から北極圏ノヴァヤ・ゼムリャに分遣隊を派遣し、ロガチョフ飛行場へ駐留する事になりました。
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記事中で触れられていますが、ノヴァヤ・ゼムリャには、第33高射ミサイル連隊が2015年12月9日から駐留しています。
当初は高射ミサイル複合体S-300PMを装備していましたが、2019年末までにS-400「トリウムフ」へ機種改変しています。
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ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年1月15日17時45分配信
【バルト艦隊の給油船「コラ」は地中海で艦船支隊へ燃料の在庫を補充した】

バルト艦隊給油船「コラ」は、地中海で遠距離航海任務を遂行している北方艦隊フリゲート「アドミラル・カサトノフ」救助曳船「ニコライ・チケル」へ燃料の在庫を補充した。

給油船からフリゲート及び救助曳船への液体貨物移送活動の枠組みにおいて、環境安全措置に特別な注意が払われた。

艦船の乗組員はダメージコントロール演習を行なった。
緊急事態班は、固定式及び携帯式の消火手段の使用へ取り組んだ。

艦船の乗組員の一員として含まれる対テロ部隊は、海上での物資補充の際の無防備の泊地への停泊の安全を保障した。

給油船「コラ」は、海洋曳船「ヤーコフ・グレべリスキー」と共にコルベット「ストイーキー」が率いるバルト艦隊艦船支隊へ加わっており、現在は地中海海軍常設連合部隊の一員として任務を遂行している。



『Marine Traffic』より
【給油船「コラ」】

プロジェクト160中型海洋給油船「コラ」(1967年10月19日就役)は、2020年12月16日、コルベット「ストイーキー」海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」と共に地中海・インド洋への遠距離航海へ出発しました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海とインド洋への遠距離航海へ出発した]

12月29日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

地中海中部で2021年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の4隻の艦船は地中海で2021年の新年を迎える]

その後、地中海東部へ向かい、2021年1月9日にロシア海軍物資供給所が在るシリアタルトゥース港へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はシリアのタルトゥース港へ寄港した]

但し、「コラ」は別行動を取っているらしく、2021年1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った北方艦隊フリゲート「アドミラル・カサトノフ」救助曳船「ニコライ・チケル」への洋上給油を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

ロシア海軍黒海艦隊の哨戒艦ドミトリー・ロガチョフは地中海東部へ向かった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年1月15日16時0分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡を地中海へ向けて通行する】

黒海艦隊哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、地中海へ向かって黒海海峡・ボスポラス及びダーダネルスの通行を開始した。

艦の乗組員は黒海から地中海への移動を行ない、ロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行する。

哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、黒海艦隊部隊の行動計画に沿って海軍グループへ補充される。



プロジェクト22160哨戒艦の2番艦「ドミトリー・ロガチョフ」は、タタールスタン共和国ゼレノドリスク造船所で2014年7月25日に起工され、2017年に進水し、2019年6月11日に就役しました。

[新型哨戒艦ドミトリー・ロガチョフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後は暫く黒海内で行動していましたが、2020年1月25日にボスポラス海峡、ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。


2020年2月6日には地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

2020年6月24日にボスポラス海峡を北上し、その後、母港ノヴォロシースクへ帰投しました。
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2020年11月下旬に黒海東部で行なわれたエジプト海軍との合同演習『友情の橋-2020』へ参加しました。

[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2020』は完了した]

そして2021年1月15日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ向かいました。

第3の原子力水中無人機ポセイドン搭載特殊用途原子力潜水艦ウリヤノフスクは2027年までにロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2021年1月15日9時2分配信
【情報筋:第3の超核魚雷「ポセイドン」搭載艦は2027年までに海軍へ引き渡される】
モスクワ、1月15日/タス通信

第3の原子力無人水中装置「ポセイドン」搭載艦となる特殊用途原子力潜水艦「ウリヤノフスク」ロシアで建造されており、潜水艦2027年までの国家軍備プログラムの枠組みで攻撃手段と共にロシア連邦海軍へ引き渡される。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

「特殊用途原子力潜水艦ウリヤノフスク(プロジェクト09853)は、現行の2027年までの国家軍備プログラムの枠組みにおいて、この時までに国家試験を完了する水中装置と共に海軍へ引き渡されます。
最初の2隻の超核魚雷搭載艦とウリヤノフスクの違いは、初めて攻撃手段と共に単一の複合体として引き渡される事です」

彼は話した。

対談者によると、現在、艦の船体の建造は完了し、近い内に工場『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で水圧試験が始まる。
「特殊用途原子力潜水艦ウリヤノフスクは、セヴマシュ造船所で2017年に起工されました。
これは、プロジェクト09851潜水艦ハバロフスクの弟です。
基本的な寸法は同じですが、より現代的なシステム及びメカニズムを採用する点でハバロフスクと異なります」

彼は付け加えた。

『タス通信』は、この原子力潜水艦の建造について生産合同『セヴマシュ』から公式なコメントを得られなかった。

当初、プロジェクト885M「ヤーセン-M」多目的潜水艦の6番目の船体が「ウリヤノフスク」の名を受けるものと予測されていた。

[潜水艦シリーズ]
2020年11月5日、防衛産業企業体の情報提供者は『タス通信』へ、「最後の審判」兵器超水中核魚雷「ポセイドン」の第2の搭載艦・プロジェクト09851原子力潜水艦「ハバロフスク」は2021年前半に工場『セヴマシュ』の船台を出ると伝えた。
最初の「ポセイドン」搭載艦プロジェクト09852潜水艦「ベルゴロド」は2019年4月23日に進水した。
同艦は2021年に海軍への引き渡しが予定されている。

2018年3月、情報提供者は『タス通信』へ、「ポセイドン」システム2027年までの国家軍備プログラムに含まれており、プログラムの有効期間末までに海軍の戦闘編制へ導入されなければならないと伝えた。

核動力を有するロシア無人水中装置に関しては、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが2018年3月の連邦教書演説で初めて話した。
彼は、このような無人機は、敵のインフラ施設、航空母艦グループなどの破壊が可能な通常弾頭あるいは核弾頭を装備できる事を指摘した。
国防省によると、装置「ポセイドン」搭載潜水艦と共に、いわゆる大洋多目的システムに含まれる。
無人機は高速力と無制限の航行距離を得て、作業潜航深度は1キロメートル以上になる。



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現在、セヴェロドヴィンスク『生産合同・北方機械製造事業』(セヴマシュ)では、原子力水中無人機(大洋多目的システム)「ポセイドン」搭載母艦となる特殊用途原子力潜水艦が建造されています。


1隻目の「ベルゴロド」は、元々はプロジェクト949A原子力水中巡洋艦として1992年7月24日に起工されたのですが、その後、工事は凍結され、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として2012年12月20日に改めて「起工」され、2019年4月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

2隻目のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦「ハバロフスク」は、2014年7月27日に起工され、2018年5月下旬には船体の水圧試験(強度試験)が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト09851特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクの船体の水圧試験が始まった]

進水は2021年前半に予定されています。
[ロシア海軍の原子力水中無人機ポセイドン搭載特殊用途原子力潜水艦ハバロフスクは2021年春~夏に進水する]


これまで「ポセイドン」搭載原潜は、「ベルゴロド」「ハバロフスク」の2隻のみだと思われていましたが、今回、3隻目の「ポセイドン」搭載原潜が建造中である事が明らかにされました。

この原潜「ウリヤノフスク」と命名され、2017年に起工されているとの事です。

これに該当するのは、2017年7月28日に起工されたプロジェクト885M(ヤーセン-M)原子力水中巡洋艦の7番艦「ウリヤノフスク」しか有りません。

[ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された]

つまり、当初は「ヤーセン-M」原子力水中巡洋艦として起工されたが、その後、設計変更されて「ポセイドン」を搭載するプロジェクト09853特殊用途原子力潜水艦として建造が続けられているという事のようです。

ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイは2020年代後半まで現役に留まる

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『タス通信』より
2021年1月14日22時27分配信
【「ドミトリー・ドンスコイ」は早ければ5年後に海軍から除籍されるかもしれない】
モスクワ、1月14日/タス通信

プロジェクト941(コード名「アクラ」)戦略用途水中ロケット巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」ロシア海軍から除籍されるのは、5年後よりも前にはならないだろう。
『タス通信』ロシア北部の軍機関の情報提供者より伝えられた。

「2021年には巡洋艦の戦闘訓練活動が計画されています。
ロケット艦の退役、この問題は、早くとも5年後になりますね」

対談者は話した。

以前、『セヴマシュ』のトップ、ミハイル・ブドニチェンコは、雑誌『工場』のインタビューに対し、2020年に署名された契約により、更なる2隻のプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略ロケット艦を建造し、その内の1隻は「ドミトリー・ドンスコイ」の名を受けると述べた。
『タス通信』の情報提供者によると、このような潜水艦の建造サイクルは、発注時から7~8年掛かる。

最近まで、「ドミトリー・ドンスコイ」は、世界最大の潜水艦と見られていた。
今、このようなものとして、特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」超核魚雷「ポセイドン」搭載艦の試験が行なわれている。

「ドミトリー・ドンスコイ」は1980年9月に進水し、1981年12月にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍へ加わった。
当初のロケット艦の基本兵装は、20基の大陸間弾道ミサイル複合体D-19であった。
2002年に巡洋艦プロジェクト941UMの下での近代化を完了し、その後、大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の試験の為に使用された。



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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、現役に留まっているのは1隻のみであり、既に3隻が解体されています。

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プロジェクト941巡洋原子力潜水艦の1番艦TK-208は、セヴェロドヴィンスクセヴマシュ造船所で1976年6月30日に起工されました。
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1980年9月27日に進水し、1981年6月から8月まで工場航行試験を行ない、1981年11月から12月末まで国家試験を行ないました。
1981年12月27日には、初めて弾道ミサイルR-39の発射に成功しました。

1977年7月25日付でプロジェクト941「重戦略用途ロケット水中巡洋艦」に類別変更されました。

1981年12月29日に受領証書へ署名されてソ連海軍へ納入されましたが、翌1982年10月までは弾道ミサイルR-39(SS-N-20)の発射試験に従事し、総計で18回の発射に成功しました。
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R-39の戦力化の目途が立った事を受け、1982年12月14日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役し、北方艦隊第18潜水艦師団へ編入されました。
同年12月21日に母港となるザーパドナヤ・リツァニェールピチャ基地へ到着しました。
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その後は戦闘勤務(戦略核パトロール任務)や弾道ミサイルR-39の発射試験に従事しました。

1988年9月20日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ到着し、新型弾道ミサイル「バルク」を搭載するプロジェクト941U改装が行なわれる事になり、翌1989年1月20日には予備役に編入されました。

しかし、1991年12月のソ連邦解体により資金供給は止まり、TK-208の工事はストップしました。

1992年6月3日付で「重戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

その後、弾道ミサイル「バルク」の開発は中止され、新たにモスクワ熱技術研究所が開発する「ブラヴァー」を搭載する事になった為、今度はプロジェクト941UM改装を受ける事になりました。
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2000年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。

2002年6月26日に再進水し、6月30日から係留試験を開始し、翌2003年に洋上試験を行ないました。
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洋上試験は2004年12月初頭に完了し、ロシア海軍へ再就役しました。
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2005年から2010年まで潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事しました。
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その後、「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれ、今度は、海洋で試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
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2013年には、戦略原潜「アレクサンドル・ネフスキー」、多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の海洋試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新型原潜の海洋試験のモニタリングの為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]


暫く動きの無かった「ドミトリー·ドンスコイ」ですが、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
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[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した]

2017年7月中旬、「ドミトリー・ドンスコイ」は、クロンシュタット『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはバルト海へ向かった]


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、2017年7月25日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットへ到着する]

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2017年7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
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[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の他に、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、主要海軍パレード終了後の翌7月31日にクロンシュタットを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットを去った]

北方艦隊艦船部隊は、8月7日までに北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船は北海へ入った]

その後、北方艦隊艦船部隊バレンツ海で演習を行なった後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

「ドミトリー·ドンスコイ」は、暫くの間セヴェロモルスクに留まっていましたが、9月初頭に出航し、9月4日に母港セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ帰港しました。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

2017年9月には北方艦隊の演習へ参加しました。
[タイフーン級戦略原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年12月15日には就役35周年記念式典が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月15日10時4分配信
【世界最大の潜水艦は35周年を迎えた】

他の同型艦は全て退役しましたが、「ドミトリー・ドンスコイ」のみは現役に留まっています。
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[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍で現役に留まり続ける]

2018年~2019年にはオーバーホールを行ない(2018年初頭から6月までロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠)、2019年6月20日から白海で航行試験を行ない、深度200メートルまで潜航しました。
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一方、2021年に起工予定のプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の内の1隻が「ドミトリー・ドンスコイ」と命名される事になりました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイとクニャージ・ポチョムキンは2021年に起工される]

そうなると、今の「ドミトリー・ドンスコイ」は一体どうなるのかという疑問が生じますが(通常は退役する事になる)、現在の所は退役の話は全く出ておらず、仮に退役するとしても、それは5年以上先の話(つまり2020年代後半)になるようです。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月14日14時15分配信
【北方艦隊のフリゲート「アドミラル・カサトノフ」は地中海へ入った】

本日(1月14日)、新たなフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」救助曳船「ニコライ・チケル」で構成された北方艦隊艦船支隊は、ジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った。
以前、ビスケー湾フリゲートの乗組員は、潜水艦の捜索へ取り組み、仮想敵空中攻撃手段から艦船支隊を防衛する演習を実施した。

地中海フリゲートは一連の軍事外交任務を遂行し、更には(他の艦隊の)ロシア艦との連携へ取り組む。
地中海地域諸国の港への一連の業務寄港が計画されている。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の初めての遠距離航海は昨年末に始まった。
新たな年を乗組員はノルウェー海で迎えた。

長期航海開始に先立ち、船員はロシア製コロナウイルス伝染病薬「スプートニク-V」の予防接種を受けた。

この2週間で艦は約3500海里を走破した。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月15日にロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]

数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]

バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]

この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

11月7日、バレンツ海白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]

バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」白海有翼ミサイル「カリブル」チジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。


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2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]
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1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

ロシア海軍太平洋艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦サマーラは2023年に近代化改装を完了する

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『タス通信』より
2021年1月14日16時26分配信
【「シチューカ」シリーズ潜水艦「サマーラ」は2023年に修理及び近代化を完了する】
モスクワ、1月14日/タス通信

太平洋艦隊プロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)原子力潜水艦の修理及び近代化は2023年に完了する。
『タス通信』は木曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』におけるサマーラの修理及び近代化は、2023年の完了が計画されています」
彼は話し、その後、兵装として有翼ミサイル「カリブル-PL」を受け取る更新された潜水艦の試験が開始されなければならない事を指摘した。

『タス通信』への他の情報提供者によると、2020年8月の時点で、潜水艦は修理及び近代化の最初の段階を行なっていた。
作業は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)の専門家により実行された。
『ズヴェズドーチカ』広報サービスは、この情報についてコメントしなかった。

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当初、原子力潜水艦「ブラーツク」「サマーラ」は、カムチャツカヴィリュチンスクに位置する『北東修理センター』での修理が計画されていたが、2013年3月にロシア国防相セルゲイ・ショイグ上級大将が同社を訪問した後潜水艦の近代化を別の実行者へ移管する決定が採択された。
このような決定の原因は、2008年の開始が予定されていた修理作業時期の遅延によるものであった。
当初のスケジュールによれば、原子力潜水艦「ブラーツク」の航行試験は2012年12月の開始が計画されていた。

修理及び高度な近代化を完了した後の原子力潜水艦「ブラーツク」は、インド海軍へリースの為に引き渡される第3の原子力潜水艦となる事が知られている。
以前に情報提供者が『タス通信』へ説明したように、ロシア-インド製ミサイル「ブラーモス」の為に改造される「ブラーツク」の引き渡しは、2026年の第1四半期(1月~3月)に計画されている。



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プロジェクト971原子力巡洋潜水艦K-295は、1993年11月7日にコムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で起工され、1994年7月15日に進水し、1995年7月17日にロシア海軍へ納入され、同年7月29日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
1995年12月29日に「ドラコン」と命名されました。

1998年9月18日にはプロジェクト627A原子力潜水艦K-133から親衛称号と親衛海軍旗を引き継ぎ、親衛原子力巡洋潜水艦となりました。
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1999年8月30日に「サマーラ」と改名されました。

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2010年春にはロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2010』へ参加し、同年10月~11月には同型艦「ネルパ」(インド海軍へリース)の洋上試験をサポートしました。

2013年には修理待ちで非稼働状態となりました。


その後、「サマーラ」は、同型艦「ブラーツク」と共にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』で近代化改装を行なう事になりました。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻はセヴェロドヴィンスクで修理される]
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻はセヴェロドヴィンスクで近代化される]

2014年8月下旬、ネーデルラントドック型輸送船に載せられ、北極海経由でセヴェロドヴィンスクへ向かいました。
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻は近代化改装の為に北極海経由でセヴェロドヴィンスクへ送られる]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]



2隻は2014年9月25日に『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

しかし、他の作業が優先された為に「サマーラ」(と「ブラーツク」)の近代化改装工事は後回しにされ、『ズヴェズドーチカ』の岸壁に係留されたままとなりました。
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先延ばしされていた近代化改装工事は、2020年8月に始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦ブラーツクとサマーラの近代化改装は2020年秋に始まる]

「サマーラ」は、2023年に近代化改装を終えてロシア海軍へ、即ち太平洋艦隊へ復帰する予定です。
[ロシア海軍太平洋艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦サマーラの近代化改装は2023年に完了する]


一方、「ブラーツク」は、2026年3月までに近代化改装を終え、インド海軍へリースされる事になるようです。

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インド海軍には、2012年4月からプロジェクト971原子力巡洋潜水艦の最終艦「ネルパ」がリースされていますが、同艦のリースが終わった後、代わりに「ブラーツク」がリースされるようです。
[原潜ネルパはインド海軍へ就役した]
[原潜チャクラ(ネルパ)は10億ドルで10年間リースされる]
[原子力潜水艦チャクラ(ネルパ)はコンポーネントを交換する]


ロシア太平洋艦隊971原潜は、K-419「クズバス」沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場『ズヴェズダー』で近代化改装を行ない、2016年3月に復帰しました。

[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

この他、艦船修理工場『ズヴェズダー』では、K-331「マガダン」の近代化改装が行なわれており、2022年末までの完了が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦マガダンの近代化改装は2022年に完了する]

ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンの洋上試験は完了し、ロシア海軍への引き渡しを準備している

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『タス通信』より
2021年1月13日0時9分配信
【潜水艦「カザン」は試験を完了し、海軍への引き渡しを準備している】
モスクワ、1月13日/タス通信

プロジェクト885M(「ヤーセン-M」)原子力潜水艦「カザン」の試験は完了した。
雑誌『工場』のインタビューに対し、同社の総取締役ミハイル・ブドニチェンコは話した。

「原子力潜水艦シリーズのトップ~カザンは、試験サイクルを完了し、海軍への御引き渡しを準備しております」
ブドニチェンコ
は話した。

彼は、12月に艦は白海ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」を成功裏に発射したと説明した。

以前、『セヴマシュ』社(『統合造船業営団』へ加入)は、原子力潜水艦「カザン」を2021年にロシア連邦海軍へ引き渡すと発表した。

「カザン」は2017年3月31日に進水した。
その海軍への引き渡し時期は一度ならず延期された。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]

建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年前半にロシア海軍へ就役する]

早ければ、引き渡しは2021年の第1四半期、つまり3月末までになるようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2021年第1四半期に延期された]


当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイとクニャージ・ポチョムキンは2021年に起工される

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『タス通信』より
2021年1月13日23時37分配信
【新たなプロジェクト「ボレイ-A」潜水艦は「ドミトリー・ドンスコイ」と「クニャージ・ポチョムキン」の名を受ける】
モスクワ、1月13日/タス通信

『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)は「ドミトリー・ドンスコイ」及び「クニャージ・ポチョムキン」と命名される2隻の新たなプロジェクト「ボレイ-A」戦略原子力水中巡洋艦を建造する。
雑誌『工場』のインタビューに対し、同社の総取締役ミハイル・ブドニチェンコは話した。

「『セヴマシュ』は、更なる2隻のプロジェクト"ボレイ-A"原子力水中巡洋艦を建造します。
艦は、ドミトリー・ドンスコイ及びクニャージ・ポチョムキンの名を受けます。
その建造契約は2020年に締結されました」
ブドニチェンコ
は話した。

彼は、現在、造船所において4隻のプロジェクト「ボレイ-A」原子力水中巡洋艦が様々な準備段階に在ると説明した。
原子力艦の内の1隻~「クニャージ・オレグ」は、2020年7月に造船台から出た。
現在、同艦は『セヴマシュ』の岸壁の1つで艤装及び工場試験を行なっている。
船台では、更にプロジェクト「ヤーセンM」潜水艦「ヴォロネジ」及び「ウラジオストク」が建造されている。

「ウラジオストク及びヴォロネジ~これらの艦は極超音速兵器を持ち、水中艦隊を更に発展させます。
今日において『セヴマシュ』では、同プロジェクトの8隻の原子力水中巡洋艦が建造されています」
ブドニチェンコ
は説明した。

彼は、潜水艦「ハバロフスク」の建造は続けられており、原子力水中巡洋艦「ベルゴロド」は試験を行なっており、最新のドック複合体の作成作業が進められている事を想い起こした。

[他の艦の建造]
巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの修理及び近代化の重要な範囲の作業が展開されております。
近代化の後、同艦はロシア海軍の旗艦となります。
軍事技術協力の為の契約として航空母艦ヴィクラマーディティヤ(インド海軍)の保守整備を行ない、更には艦の駐留場所における第4世代原子力潜水艦の保守整備を行なっております」

彼は指摘した。

ブドニチェンコは、『セヴマシュ』の受注リストには、民間の受注が有ると付け加えた:耐氷固定プラットフォーム「A」の基礎支点の為の構造物を製造する為の安定した作業が進められている。
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プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、この内の4隻が就役しています。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、最近では、2019年8月24日に弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラ及びユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイルを発射した]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

太平洋艦隊の2隻も就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、「アレクサンドル・ネフスキー」は「長期任務」遂行後の2020年9月24日に母港へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦アレクサンドル・ネフスキーは長期洋上任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投した]

「ウラジーミル・モノマーフ」は2020年12月12日に弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフはオホーツク海から弾道ミサイル"ブラヴァー"4基を一斉発射した]


4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水ました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは進水した]
就役は2021年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2021年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2022年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2023年頃に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

955「ボレイ」955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)
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当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、「ボレイ-B」は、費用対効果の面で満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]

その後、「ボレイ-B」の代わりに「ボレイ-A」を追加建造するという話が出てきました。
[ロシア海軍の為にボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦2隻が追加建造される]
[ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦ボレイ級シリーズは10隻に増加する]

その後更に、「ボレイ-A」追加建造に代わる新たな構想として、有翼ミサイル搭載型の「ボレイ-K」が出てきました。
[ロシア海軍の為に2隻の巡航ミサイル原子力潜水艦ボレイ-Kが建造される?]

話は二転三転し、結局、「ボレイ-A」を2隻追加建造する事になりました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年に締結される]

「ボレイ-A」2隻の建造契約は、2020年8月にモスクワ州愛国者公園で開催される軍事機器展示会『アルミヤ-2020』の会場で締結されました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年8月に締結される]

この2隻(9番艦と10番艦)は、2021年に起工されます。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻は2021年に起工される]

2021年起工予定の2隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」、「クニャージ・ポチョムキン」と命名される事になりました。

現在、ロシア海軍には、プロジェクト941UM重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(1982年12月14日就役)が在籍していますが、新たな「ドミトリー・ドンスコイ」が起工されるので、TK-208は退役するか、或いは改名される事になるでしょう。
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[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍で現役に留まり続ける]

そして、「クニャージ・ポチョムキン」(ポチョムキン公)は、20世紀初頭に就役したロシア帝国海軍戦隊装甲艦(戦艦)「クニャージ・ポチョムキン・タヴリーチェスキー」以来、実に百数十年ぶりの命名となります。
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ロシア海軍北方艦隊の小型ロケット艦アイスベルクは戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月11日18時13分配信
【北方艦隊の小型ロケット艦「アイスベルク」は戦闘演習任務へ取り組む為にバレンツ海へ出航した】

本日(1月11日)、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊小型ロケット艦「アイスベルク」は、戦闘訓練活動の枠組みにおける海上、空中、沿岸目標への砲射撃の為、バレンツ海へ出航した。

海上で艦の砲複合体AK-176及びAK-630班は、低高度の仮想敵空中攻撃手段の攻撃の撃退へ取り組む。
更に小型ロケット艦の乗組員は、海上目標への一連の射撃を行ない、仮想敵水上艦へ接近する際の砲撃船をシミュレートする。

海上目標と空中目標の破壊に加え、ミサイル-砲戦闘班は、沿岸の開かれた位置の標的への砲撃、更には海上機雷と小サイズの水上目標の破壊へ取り組む。

基地へ戻るまでに小型ロケット艦「アイスベルク」の乗組員には、艦の対水中工作防衛の一連の要素への取り組みが待ち受けており、視界が制限され、船舶航行が集中している条件下での操艦の訓練を行なう。

[参照]
プロジェクト1234.1小型ロケット艦「アイスベルク」
は、水上艦との戦闘の為に意図されている。
兵装として6基の有翼対艦ミサイル「マラヒート」、砲装置AK-176及びAK-630、高射ミサイル複合体「オサー-MA」、更には電波電子兵装複合体を持つ。



プロジェクト1234.1小型ロケット艦「アイスベルク」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の沿海造船工場(現アルマーズ造船所)で1976年11月11日に起工され、1979年4月20日に進水し、1979年9月30日に海軍へ納入され、同年12月1日に就役し、北方艦隊へ編入されました。
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1989年9月20日から1990年11月14日までロスリャコヴォ第82艦船修理工場でオーバーホールを行ないました。
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その後も北方艦隊の演習へ度々参加しており、2019年には就役40周年、2020年には就役41周年を迎えました。

現在はポリャールヌイ基地に駐留しています。
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ロシア海軍に在籍するプロジェクト1234.1小型ロケット艦の中で最古参の「アイスベルク」ですが、当面の間は現役に留まるようです。
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ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で機雷敷設演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年1月12日14時15分配信
【黒海艦隊の最新哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」乗組員は初めて機雷源を設置する演習を実施した】

黒海艦隊の最新のプロジェクト22160哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」乗組員は、初めて機雷源を設置する演習を海上射爆場で実施した。

戦闘訓練計画に沿って艦の乗組員は、黒海エリアのクラスノダール地方沿岸付近の仮想敵部隊の行動可能ルート上への練習用海上機雷の設置を行なった。
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哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」乗組員は、仮想機雷敷設水路に関する規定基準を満たし、その後、海洋掃海艦「ゼレズニャコフ」乗組員は、様々な方法での掃海を実施して機雷源を突破する為の行動へ取り組んだ。
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哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、国家試験を完了した後、2020年11月末に黒海艦隊へ加わった。

[参照]
プロジェクト22160艦
は、ロシア海軍で初めて海上兵器のモジュール概念を実現した。
艦は、海上経済ゾーンの防護及び保護の為に意図されている。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380/20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】
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プロジェクト22160哨戒艦の3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、2016年2月18日に起工されました。

[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト22160哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは2016年2月18日に起工される]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]

その後、クリミア半島ケルチ市に在る『ゼレノドリスク造船所』の下請け会社造船工場『ザリフ』へ回航され、ここで建造が進められました。
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2019年2月21日に造船工場『ザリフ』で進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは進水した]

2019年8月初頭までに「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員の編成が完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンの乗組員の編成は完了した]

2020年4月21日、「パーヴェル・デルジャーヴィン」ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験を行なう為にノヴォロシースクへ到着した]
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2020年5月15日、サンクトペテルブルクでの訓練を終えた「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員がノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィン乗組員はノヴォロシースクへ到着した]

その後、「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、黒海での洋上試験の準備を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンはノヴォロシースクで消磁作業を行なった]

2020年7月23日、「パーヴェル・デルジャーヴィン」黒海で洋上試験を開始しました。


[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で洋上試験を開始した]

8月末には76mm砲などの各種兵器の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で兵器の射撃試験を行なった]

10月19日には艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海でヘリコプター着艦試験を行なった]

11月6日には黒海艦隊海上航空隊多用途複座戦闘機Su-30SMの協力を得て、対空防衛システム~対空用レーダーなどの動作点検を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で対空レーダーの動作点検を行なった]

「パーヴェル・デルジャーヴィン」の洋上試験は2020年11月中旬までに完了し、11月27日にロシア海軍への正式な就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)がノヴォロシースクで開催されました。

[新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、ノヴォロシースク海軍基地第184水域保護旅団第181小型対潜艦大隊へ編入されました。

就役後、「パーヴェル・デルジャーヴィン」は乗組員の慣熟訓練を開始し、基地内での基礎訓練を終えた後、12月下旬には海上での訓練へ移行しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは乗組員の慣熟訓練を行なった]

2021年1月12日には、機雷敷設演習を行ないました。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年11月27日就役

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
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[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年1月11日17時34分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海で対空防衛の訓練を実施した】

地中海ロシア海軍常設グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、対空防衛の訓練を実施した。
訓練計画に沿って、航空機から海上の艦へ発射された有翼ミサイル打撃を撃退するエピソードへ取り組んだ。

演習中、艦の戦闘情報所は模擬目標を探知、分類し、対空防衛班は攻撃距離へ進入する仮想空中目標を電子発射により破壊した。

対空防衛訓練に加え、フリゲートの乗組員は、海上で行動する艦の日常の組織化、更には組織的通信及び様々な航海環境での操艦の要素へ取り組んだ。

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2020年12月から地中海ロシア海軍常設グループの一員として、与えられた任務を遂行している。



プロジェクト11356Rフリゲート1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)は、これまでに何度も地中海へ派遣されています。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2019年までに計7回地中海への航海を行ないました。
(2016年9月下旬~10月上旬2016年11月初頭~12月下旬2017年2月末~3月末2017年4月初頭~7月中旬2017年12月初頭~2018年5月末2018年8月下旬~10月末2019年4月下旬~8月下旬)

2020年2月27日には同型艦「アドミラル・マカロフ」と共にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は3月25日にヘリコプターの発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部でヘリコプターの発着訓練を行なった]

3月下旬からは他の同型艦2隻(「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)と共に各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]

5月1日には地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

5月20日、プロジェクト22870救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」(2014年12月28日就役)と共にスエズ運河へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールは地中海を去り、スエズ運河へ入った]
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インド洋へ入る前に対テロ演習を行ないました。
[インド洋へ向かうロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールは対テロ演習を行なった]
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6月3日、スリランカコロンボ港の泊地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールはスリランカのコロンボ港へ入った]

スリランカを去った後、西へ向かい、6月20日にはスエズ運河を通過して地中海東部へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と救助曳船プロフェッソル・ニコライ・ムールはインド洋から地中海へ戻ってきた]

6月26日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海を去り、その後、母港セヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海を去り、セヴァストーポリへの帰路に就いた]

その後は黒海で行動していましたが、2020年12月24日にボスポラス海峡を南下し、地中海東部へ向かいました。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」地中海東部へ行くのは、これで通算9回目となります。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部(シリア沖)へ行く]

そして新年(2021年)を地中海東部で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊の10隻以上の艦船が地中海に滞在している]

2021年1月11日に地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」
2020年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」2020年11月末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2021年1月中旬から地中海東部に滞在
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海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」2020年12月初頭から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
コルベット「ストイーキー」
2021年1月初頭から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「コラ」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
工作船PM-822020年12月下旬から地中海東部に滞在

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年1月11日12時36分配信
【北方艦隊のフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は大西洋での任務遂行を続ける】

本日(1月11日)、北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、その最初の遠距離航海の枠組みにおいて、ビスケー湾の移動を完了し、大西洋を南へ向かって進み続ける。

北方艦隊フリゲート支隊の一員として遠距離航海任務を遂行しており、そこには更に大洋救助曳船「ニコライ・チケル」が加わっている。
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移動ルート上でフリゲート及び救助曳船の乗組員は、自身の海上技量を向上させた。
バレンツ海、ノルウェー海、北海で船員は、海上移動中の支隊の艦の様々な種類の防衛の為の一連の艦上演習を行なった。

ビスケー湾フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」乗組員は、潜水艦を捜索する演習を実施した。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の遠距離航海は2020年12月30日から続いている。
この間に艦は2800海里以上を進んだ。
新たな年をフリゲート乗組員はノルウェー海で迎え、そしてクリスマス復活祭ラ・マンシュ海峡を通行した。

昨年(2020年)にロシア海軍へ加入したフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」乗組員にとって、これは初めての遠距離航海である。
これに先立ち、長期の緊迫した訓練が有り、その中で要員は、駐留場所及びバレンツ海北方艦隊戦闘訓練射爆場で完全なサイクルの訓練を行なった。

遠距離航海の準備の枠組みでフリゲート乗組員は、バレンツ海において、数回の有翼ミサイル「カリブル」射撃を含む複合戦闘演習を行なった。

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、誘導ミサイル兵装を有するロシア遠海・大洋ゾーン多目的フリゲート・プロジェクト22350である。
サンクトペテルブルク造船企業『北方造船所』で建造された。

『海軍の日』に先立つ2020年7月21日、フリゲート聖アンドレイ旗が厳かに掲揚された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊であり、現在は同プロジェクトのフリゲート2隻が活動している北方艦隊ロケット艦師団へ含まれた。

フリゲートの兵装は、130㎜砲装置A-192高射ミサイル複合体対艦ミサイル「オーニクス」或いは「カリブル」の為の発射装置である。
対潜複合体を有し、艦上には対潜ヘリコプターKa-27を搭載する。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月15日にロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]

数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]

バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]

この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

11月7日、バレンツ海白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]

バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」白海有翼ミサイル「カリブル」チジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。


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2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
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ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフの乗組員が編成された

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年1月11日3時30分配信
【カムチャツカで新たな対機雷防衛艦の乗組員が形成された】

北東軍集団水域防護艦連合部隊で、最新の対機雷防衛艦「ピョートル・イリイチョーフ」の乗組員が形成された。
近い内に艦の要員は、サンクトペテルブルク海軍総合研修センターで研修を行なう。

軍事船員は、新プロジェクト艦の根本的な構造を学習し、基礎的な専門操作をマスターする。
研修の過程で乗組員は、艦のユニット及びメカニズムから成る訓練基盤の全面的な使用が計画されており、戦闘指揮班は全ての必要な行動へ取り組む。

掃海艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、プロジェクト12700シリーズの6番艦であり、太平洋艦隊の為の2隻目の艦である。
これと同様に太平洋艦隊の為に建造された艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、既に国家試験を完了し、2020年末に艦隊へ加わった。

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新たな掃海艦は、1945年8月18日のシュムシュ島強襲の際に死亡したソヴィエト連邦英雄太平洋艦隊赤軍水兵ピョートル・イワノヴィチ・イリイチョーフに敬意を表して命名された。


[参照]
掃海艦「ピョートル・イリイチョーフ」
は、一体ガラス繊維強化プラスチック製船体というユニークさを有し、あらゆる種類の海洋機雷への対処の為に意図されている。
それは、艦自身に設置されている最新の水中音響ステーション、遠隔操作自動水中装置を装備する。
艦は、対機雷活動自動制御システムを有する。

[基本的な戦術-技術的特性]
排水量-890トン
全長-62メートル
幅-10メートル
最大速力-16ノット
乗組員-44名




ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700の6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2018年7月25日に起工されました。
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[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

その乗組員団は、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。

今後、「ピョートル・イリイチョーフ」乗組員は、サンクトペテルブルク海軍総合研修センターで訓練を行ないます。

ロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦チグルのオーバーホールは2022年に完了する

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『タス通信』より
2021年1月11日16時49分配信
【「野獣」師団の潜水艦「チグル」は2022年に艦隊へ復帰する】
モスクワ、1月11日/タス通信

プロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)多目的原子力潜水艦「チグル」は修理と技術的準備状態の回復を完了した後、2022年に北方艦隊の戦闘編制へ復帰する。
『タス通信』は月曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「原子力潜水艦チグルの機器構成の修理作業は2022年の完了が計画されており、その後、潜水艦は艦隊の戦闘編制へ復帰します」
対談者は説明した。

原子力潜水艦「チグル」は、艦船修理工場『ネルパ』(『統合造船業営団』へ加わっている艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)へ2019年に到着した。
手元のデータによると、他の一連のプロジェクト971潜水艦を手本にした近代化は、未だ見込まれていない。

『ズヴェズドーチカ』と、その傘下企業は、太平洋艦隊からの2隻を含む計5隻のプロジェクト971原子力潜水艦の修理と近代化を行なっている。

『ズヴェズドーチカ』は、修理完了時期に関する情報について『タス通信』へコメントしなかった。

現在、北方艦隊潜水部隊第24潜水艦師団(「野獣」の名が付いた潜水艦)の戦闘編制には、プロジェクト971原子力潜水艦「パンテーラ」「ヴェプリ」「ゲパルト」が在る。
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以前、原子力潜水艦「レオパルド」は2021年に、「ヴォルク」は2023年に復帰すると伝えられた。
従って、2023年には「野獣」は、殆ど完全に集合する。
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プロジェクト971原子力大型潜水艦K-154は、1989年9月10日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されました。

1991年4月1日に乗組員の編成が完了し、同年7月25日に「チグル」(タイガー)と命名されました。

1992年6月3日付で「原子力巡洋潜水艦」に分類変更されました。

1993年6月10日に『セヴマシュ』の造船台を出渠し、6月26日に進水しました。

1993年9月7日に原子炉が始動され、10月~11月に工場航行試験を実施し、11月18日~12月28日に国家試験を実施しました。
この間、11月19日に魚雷発射試験、11月24日にミサイル発射試験を行ないました。

1993年12月29日に受領-納入証書へ署名され、ロシア海軍へ納入されました。

1994年1月5日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1994年1月14日にヤーゲリナヤ湾の駐留基地ガジエヴォへ到着し、1月21日に北方艦隊第3潜水艦小艦隊第24潜水艦師団「野獣師団」へ編入されました。
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1995年4月24日から7月9日まで原子力巡洋潜水艦K-461「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1996年4月から6月まで原子力巡洋潜水艦「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1997年4月、戦闘訓練中にタービンエンジンが故障し、補助ディーゼルを使って基地へ戻りました。

1998年10月、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ回航され、2002年12月まで修理が行なわれました。
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2002年12月、北方艦隊第12潜水戦隊第24潜水艦師団へ復帰しました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2003年3月から2004年1月までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。
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2004年には北極海で新型機器の試験を兼ねた航海を行ないました。

その後も毎年バレンツ海などで行動し、2010年9月には親衛原子力巡洋潜水艦K-335「ゲパルト」と共に有翼ミサイルを発射しました。

2011年には北方艦隊潜水艦部隊第24潜水艦師団所属となりました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2011年4月~6月には親衛原子力巡洋潜水艦「ゲパルト」と共に戦闘勤務へ就きました。

2011年末までに水中音響複合体(ソナー)の修理の為、スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の傘下)へ回航されました。
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2013年1月下旬までに復帰しました。
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2019年末までに再び艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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「チグル」のオーバーホールは2022年末までに完了するようです。


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『ネルパ』の親会社である『ズヴェズドーチカ』は、「レオパルド」「ヴォルク」「ブラーツク」「サマーラ」プロジェクト971Mへの近代化改装を行なっています。
この改装により、有翼ミサイル「カリブル」の運用能力が付与されます。

ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はシリアのタルトゥース港へ寄港した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2021年1月9日15時30分配信
【バルト艦隊艦船支隊はシリアのタルトゥース港へ入った】

計画遠距離航海中のコルベット「ストイーキー」、中型海洋給油船「コラ」、海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、シリア・アラブ共和国タルトゥース港への業務寄港を行なった。

業務寄港中にバルト艦隊支隊の乗組員は、艦船の計画点検を実行し、燃料、水、食料の在庫を完全に補充する。
タルトゥースでは、長期海上移動後の乗組員の休養が用意される。

近い内にコルベット「ストイーキー」支援船は、地中海海軍常設作戦連合部隊の一員として一連の演習任務へ取り組む。
その後、バルト艦隊艦船支隊は遠距離航海計画に沿って任務の遂行を続ける。

コルベット「ストイーキー」、中型海洋給油船「コラ」、海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、艦隊主要基地バルチースク市から12月16日に出航した。
2020年12月29日、艦船はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った。

バルト艦隊艦船支隊の遠距離航海の主な任務は、大西洋、地中海、インド洋の様々な海域における海軍の存在の確保と聖アンドレイ旗のデモンストレーションに在る。



バルト艦隊プロジェクト20380コルベットの4番艦「ストイーキー」(2014年7月27日就役)は、2020年12月16日に地中海・インド洋への遠距離航海へ出発しました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海とインド洋への遠距離航海へ出発した]
「ストイーキー」地中海、そしてインド洋へ行くのは、今回が初めてです。
(これまでは北海までしか行かなかった)

「ストイーキー」に随伴するのは、この2隻です。

中型海洋給油船「コラ」(1967年10月19日就役)
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海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」(1978年3月20日就役)
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12月24日にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過する]

ラ・マンシュ海峡を通過した後、12月28日に大西洋上で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は大西洋上で対潜演習を行なった]
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12月29日、「ストイーキー」と随伴船はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ストイーキー」と随伴船は地中海中部で2021年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の4隻の艦船は地中海で2021年の新年を迎える]

その後、地中海東部へ向かい、2021年1月9日にロシア海軍物資供給所が在るシリアタルトゥース港へ到着しました。
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「ストイーキー」と随伴船は、暫くの間は地中海東部に留まるようです。


現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」
2020年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」2020年11月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」2020年12月初頭から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
コルベット「ストイーキー」
:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「コラ」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」:2021年1月初頭から地中海東部に滞在
工作船PM-822020年12月下旬から地中海東部に滞在

ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年前半にロシア海軍へ就役する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年1月8日10時15分配信
【原子力潜水艦「カザン」のロシア連邦海軍への加入は2021年前半に計画されている】
モスクワ、1月8日、インタファクス

多目的原子力潜水艦「カザン」は、2021年前半にロシア連邦海軍へ加わる事が予定されている。
『インタファクス』は情報筋より伝えられた。

「潜水艦の海軍への引き渡しは、今年前半に計画されています」
彼は話した。

「カザン」は、プロジェクト「ヤーセン-M」潜水艦のトップである。
潜水艦は2017年に進水した。
試験の完了時期は一度ならず延期された。

ロシア連邦国防省によると、2020年11月21日、標準乗組員と受領-引渡チームを乗せた「カザン」は、国家試験の次なる段階へ出発した。

潜水艦の試験は2020年末までに完了しなければならないと12月9日に北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフは述べた。

11月に「カザン」は、白海エリアから対艦有翼ミサイル「オーニクス」の試験発射を実施した。
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それまでに「カザン」は、白海から1000キロメートル以上離れたアルハンゲリスク州チジャ射爆場の目標へ有翼ミサイル「カリブル」の射撃を実施した。

多目的原子力潜水艦プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」を搭載する。

兵装として極超音速ミサイル「ツィルコン」(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』により試験が行なわれた新たなロシア極超音速ミサイル)も計画されていると伝えられた。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]

建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。

早ければ、引き渡しは2021年の第1四半期、つまり3月末までになるようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2021年第1四半期に延期された]


当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊のプロジェクト971M原子力巡洋潜水艦レオパルドの近代化改装は2021年後半に完了する

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『タス通信』より
2021年1月6日16時54分配信
【情報筋:潜水艦「レオパルド」は2021年後半に海軍の戦闘編制へ復帰する】
モスクワ、1月6日/タス通信

プロジェクト971多目的原子力潜水艦「レオパルド」は、修理と近代化を完了し、全ての試験を行なった後、2021年後半に北方艦隊の戦闘編制へ復帰する。
『タス通信』は水曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「12月25日に原子力潜水艦は艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の造船台から出渠しました。
同社埠頭での作業を完了した後、同艦は試験へ入り、それは最大で6ヶ月は続くでしょう。
その後、2021年後半には潜水艦を海軍へ御引き渡しします」

彼は話した。

『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)広報サービスは、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

2020年12月26日、国防省は、潜水艦「レオパルド」が修理及び近代化の完了後にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の造船台から出渠した事を発表した。


現在、北方艦隊潜水部隊第24潜水艦師団には、プロジェクト971原子力潜水艦「パンテーラ」「ヴェプリ」「ゲパルト」が在る。
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同プロジェクトの潜水艦1隻は太平洋艦隊の戦闘編制に在る。
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同プロジェクト潜水艦は静粛性の増加が特徴である。

現在、『ズヴェズドーチカ』と、その傘下企業は、太平洋艦隊からの2隻を含む計5隻のプロジェクト971原子力潜水艦の近代化を行なっている。



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プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-328は、1988年10月26日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で起工されました。
1991年1月24日には「レオパルド」と命名され、1992年6月3日には「原子力巡洋潜水艦」に類別変更され、6月28日に進水しました。

1992年10月15日から30日まで工場航行試験が行なわれ、12月15日には国家受領試験が完了し、同年12月30日に海軍へ納入されました。
1993年1月15日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

就役後の1993年1月29日にガジエヴォ基地へ到着し、2月5日には第24潜水艦師団「野獣師団」へ編入されました。
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その後はバレンツ海北極海で哨戒任務に就きました。

1997年と、2006年~2007年にセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。

2007年には有翼ミサイル3M-10(グラナート)を発射しました。
この時点でグラナートは、ロシアアメリカ核軍縮合意(海軍では弾道ミサイル潜水艦以外の核兵器は全て撤去)によりロシア海軍原潜から撤去されていたのですが、にも関わらずこのミサイルを発射したのは、おそらくは、このミサイルをベースにして開発された輸出用の巡航ミサイル「クラブ」(後にロシア海軍でも「カリブル」として採用)の試験に関連しての事でしょうか。
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2011年7月にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航され、近代化改装が始まりました。
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近代化改装の完了は、当初は2015年末の予定でしたが、その後、2018年末に延期されました。
しかし2018年末にも改装は完了しませんでした。
[アクラ級原潜レオパルドは2015年に近代化改装を終えて復帰する]
[近代化改装されるプロジェクト971M原子力巡洋潜水艦レオパルドは2018年にロシア海軍へ復帰する]

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その後、「レオパルド」に関する情報は途絶えましたが、2020年12月25日に再進水しました。

[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のプロジェクト971M原子力巡洋潜水艦レオパルドは再進水した]

進水後、「レオパルド」は岸壁で艤装を行ない、その後に洋上試験を行ないます。
「レオパルド」ロシア海軍への復帰は2021年後半になります。

近代化改装により、「レオパルド」プロジェクト971Mにアップグレードされ、有翼ミサイル「カリブル」の運用能力が付与されます。


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『ズヴェズドーチカ』は、「レオパルド」の他に、「ヴォルク」「ブラーツク」「サマーラ」プロジェクト971Mへの近代化改装を行ないます。

この他、『ズヴェズドーチカ』傘下の艦船修理工場『ネルパ』(スネシュノゴルスク)は、「チグル」の近代化改装を行ないます。
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ロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦ヴォルクの近代化改装は2023年に完了する

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『タス通信』より
2021年1月5日16時14分配信
【情報筋:「カリブル」を持つ潜水艦「ヴォルク」は2023年に海軍の戦闘編制へ復帰する】
モスクワ、1月5日/タス通信

北方艦隊プロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)原子力潜水艦「ヴォルク」の修理と近代化は2023年に完了する。
『タス通信』造船分野の情報提供者より伝えられた。

「原子力潜水艦ヴォルクは、近代化の後、有翼ミサイル"カリブル-PL"の使用に関連する新たな打撃能力を得て、2023年に海軍の戦闘編制へ復帰します」
彼は指摘した。

対談者によると、原子力潜水艦の艦内の攻撃手段の弾数は以前と同様のまま~40基のミサイル及び魚雷~であるが、最大飛翔距離2500kmの有翼ミサイル「カリブル-PL」を勘定に入れて拡張される。
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)は、この情報にコメントしなかった。

原子力潜水艦「ヴォルク」は、2014年に修理及び近代化の為に『ズヴェズドーチカ』へ来た。
当初、海軍の戦闘編制への復帰は2017年に予定されていた。

第3世代多目的潜水艦プロジェクト971は、サンクトペテルブルク海洋機械製造局『マラヒート』により開発された。
北方艦隊潜水部隊第24潜水艦師団には、6隻の原子力潜水艦「レオパルド」「ヴェプリ」「チグル」、「パンテーラ」、「ゲパルト」「ヴォルク」が加入している。
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2020年12月26日、国防省は、潜水艦「レオパルド」が修理及び近代化の完了後にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の造船台から出渠した事を発表した。


現在、『ズヴェズドーチカ』と、その傘下企業は、太平洋艦隊からの2隻を含む計5隻のプロジェクト971原子力潜水艦の近代化を行なっている。



ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【K-461「ヴォルク」、プロジェクト971】
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プロジェクト971多目的原子力潜水艦K-461は、1987年11月14日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
当初は「原子力大型潜水艦」に分類されていました。
1991年6月11日に進水し、同年6月24日に「ヴォルク」と命名され、同年12月29日にソ連海軍へ納入されました。
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1992年1月27日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

1992年2月2日にガジエヴォ基地へ到着し、2月11日には北方艦隊第24潜水艦師団へ編入されました。

1992年6月3日、「原子力巡洋潜水艦」へ分類変更されました。

1995年12月から1996年2月まで、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共に地中海で行動しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第1次地中海遠征(1995年12月-1996年3月)]

2002年春には輸出用の有翼ミサイル「クラブ-S」の発射試験を実施しました。
[対艦(対地)巡航ミサイル「クラブ」]

2005年5月から2006年12月に掛けて「セヴマシュ」造船所で定期修理が行なわれました。

有翼ミサイル「カリブル」の運用能力を付与するなどのプロジェクト971Mへの近代化を行なう為、2014年8月14日に「ズヴェズドーチカ」へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊のアクラ級原潜ヴォルクはセヴェロドヴィンスクで近代化改装を行なう]

現在の所、「ヴォルク」の近代化改装の完了は2023年末までに予定されています。


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『ズヴェズドーチカ』は、「ヴォルク」の他に、「ヴォルク」「ブラーツク」「サマーラ」プロジェクト971Mへの近代化改装を行ないます。

この他、『ズヴェズドーチカ』傘下の艦船修理工場『ネルパ』(スネシュノゴルスク)は、「チグル」の近代化改装を行ないます。
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ロシア海軍は砕氷船の建造を続ける

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年1月3日12時0分配信
【ロシア海軍は砕氷クラス艦の装備を継続する】

北極ゾーンの積極的な開発、北方海上航路の機能面の安全保障を考慮し、ロシア海軍自身の砕氷艦及び砕氷クラスの支援船の装備を含む軍事造船の重要なセグメントは、2021年及び近い将来の開発の優先事項である。

ロシア海軍総司令部は、北方艦隊の新たな砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」の初年の運用経験を分析した。
この経験は、砕氷船の設計で設定された特性の有効性を完全に証明した。
2020年9月~10月、砕氷船は、北方海上航路の殆ど全てのルートにおいて、与えられた課題を成功裏に果たした。
砕氷クラスを有する多機能後方支援船「エリブルス」の乗組員は、任務を効率的に遂行した。
この船は、北極グループの包括的な支援の問題を高クオリティで解決する能力を証明した。

現在、企業『アドミラルティ造船所』では、北極ゾーン汎用哨戒艦「イワン・パパーニン」の建造が進められており、そしてサンクトペテルブルク造船商会『アルマーズ』プロジェクト21180M砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」を建造しており、2022年に海軍へ加入する。
これらの艦の設計と建造には、国内の革新的な解決策が数多く導入されている。




プロジェクト21180ディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年11月30日にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ配備されました。
[新型砕氷船イリヤー・ムーロメツ、ロシア海軍へ就役(2017年11月30日)]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは北方艦隊基地へ到着した]

海軍向けの砕氷船は、ソヴィエト連邦時代の1960年代(1960年~1970年)にプロジェクト97砕氷船が8隻建造されて以来、ほぼ50年ぶりとなります。

「イリヤー・ムーロメツ」は、2018年以降、毎年北方艦隊北極遠征へ同行しています。
[ロシア北方艦隊第7次北極圏遠征(2018年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]

2018年12月12日にはプロジェクト21180を小型化したプロジェクト21180M砕氷船の1番船「エヴパチー・コロヴラト」が起工され、2020年11月20日に進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトは造船台を出た]
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「エヴパチー・コロヴラト」は2022年の就役が予定されており、就役後は太平洋艦隊へ配備されます。

これとは別に、砕氷船としての機能も併せ持つプロジェクト23500哨戒艦の1番艦「イワン・パパーニン」が2017年4月19日に起工され、2019年10月25日に進水し、現在艤装中です。
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[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦イワン・パパ―ニンはサンクトペテルブルクで進水した]

2番艦「ニコライ・ズーボフ」は2019年11月27日に起工されています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト23550砕氷哨戒艦ニコライ・ズーボフはサンクトペテルブルクで起工された]

「イワン・パパ―ニン」は2023年、「ニコライ・ズーボフ」は2024年の就役が予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[2隻のプロジェクト23550(イワン・パパーニン型)砕氷哨戒艦は2023~2024年にロシア海軍へ引き渡される]

この他、砕氷能力を有するプロジェクト23120多機能後方支援船の1番船「エリブルス」が2018年4月9日に就役し、北方艦隊へ配備されています。
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[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]