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ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役23周年を迎えた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年4月18日15時19分配信
【北方艦隊司令官は艦の記念日に巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員を祝福した】

本日(4月18日)、北方艦隊旗艦重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」へ初めて海軍旗が掲揚された日から23年が過ぎた。
艦の年1回の祭日の機会に、国旗勲章海軍旗、艦首旗、満艦飾が掲げられた。
式典が開催され、乗組員の隊列が形成された。

祭日に旗艦の乗組員を祝福する為、ロシア英雄・北方艦隊司令官アレクサンドル・モイセーエフ大将が到着した。
彼は、正に巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」ロシア海軍で最も強力な艦であり、国全体が誇りに思っている事を指摘した。
巡洋艦は、ナヒーモフ勲章を授与された現代史上初の戦闘艦となった。
今後数ヶ月間で、それは海上での戦闘演習任務の遂行が待ち受けている。

昨年に重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、主要複合体ミサイル射撃を成功裏に実施した。
艦隊司令官は、今年も同様に巡洋艦が練習射撃の実施中、高い戦闘準備態勢を立証する事を確信していると表明した。

冬季訓練期間の終わりに、アルテム・ポノマリョフ2等海佐の指揮下の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は、完全な基礎訓練サイクルを経て、海上で任務を遂行する為の組織化へ取り組んだ。



プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦(キーロフ型)4番艦「ユーリー・アンドロポフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『オルジョニキーゼ記念造船工場』(現『バルト工場』)で1986年4月に起工され、1989年4月に進水しました。
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ソヴィエト連邦解体後の1992年5月27日、「ピョートル・ヴェリキー」と改名されました。
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就役前の1996年11月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航されました。

就役前の「ピョートル・ヴェリキー」(183)
手前の「090」は同型艦「アドミラル・ウシャコーフ」
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[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]

ロシア海軍へ納入されたのは、起工から約12年後の1998年3月であり、同年4月18日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役、北方艦隊へ編入されました。
当初は太平洋艦隊へ配備される予定でしたが、この当時のロシア海軍には「ピョートル・ヴェリキー」を極東まで回航する財政的余裕が無い為、北方艦隊へ編入されました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」就役10周年]

就役直後の「ピョートル・ヴェリキー」(099)
「090」は同型艦「アドミラル・ウシャコーフ」、「080」は「アドミラル・ナヒーモフ」
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「ピョートル・ヴェリキー」を始めとするキーロフ型ステルス艦であり、装甲防御が施されています。
[ステルス軍艦・キーロフ級]
[装甲巡洋艦・キーロフ級]

就役直後は資金不足で外洋への航海を実施する事が出来ず、2004年3月下旬には、本艦を巡る「核爆発騒動」が起こりました。
[ピョートル・ヴェリキー「核爆発」騒動]

2004年10月、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共に北東大西洋へ進出しました。
[大西洋上のクズネツォフ・その2(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その3(機動部隊)]

2005年にも大西洋で行動しました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その1]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その2]

「ピョートル・ヴェリキー」は、2008年9月から2009年3月までカリブ海、南アフリカ、インドへの長期遠距離航海を実施しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

この時、インド沿岸での演習を終えてアデン湾へ航行している途中の「ピョートル・ヴェリキー」は、2009年2月12日、ソコトラ島沖でソマリア海賊を発見、拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]

2010年3月30日、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為に出航し、遥々極東沿海地方までやって来ました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【セヴェロモルスクから沿海地方まで】2010年3月30日-5月20日
【沿海地方からセヴェロモルスクまで】2010年6月26日-9月12日

2010年5月16日午後11時頃、「ピョートル・ヴェリキー」対馬海峡を北上し、日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年5月17日発表)】

沿海地方フォキノ基地へ入港する「ピョートル・ヴェリキー」
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フォキノ基地に停泊する「ピョートル・ヴェリキー」(奥)
手前の艦は同型艦「アドミラル・ラーザレフ」
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「ピョートル・ヴェリキー」は、2010年7月初頭から実地戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【実地戦略演習「ヴォストーク-2010」纏め】

2010年7月24日正午頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を南下、沿海地方を去りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年7月26日発表)】

2012年5月初頭から6月下旬まで浮きドックへ入渠しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]

2012年9月には北極圏への遠距離航海を実施しました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

この時、北極圏弾道ミサイル迎撃訓練を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシアの対弾道ミサイル防衛の一翼を担う]
「ピョートル・ヴェリキー」は、現在のロシア海軍において弾道ミサイル迎撃能力を持つ唯一の水上戦闘艦です。

2012年7月28日に「ピョートル・ヴェリキー」へのナヒーモフ勲章の授与が発表され、翌2013年1月10日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンよりナヒーモフ勲章を授与されました。
[プーチン大統領は北方艦隊基地を訪問する]


2013年4月、バレンツ海で各種の演習を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で演習を行なう]
[北方艦隊の戦闘艦はバレンツ海で展示演習を実施した]
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜演習を実施した]

2013年9月にも北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月22日から2014年5月18日まで地中海への遠距離航海を行ない、この時にシリアから搬出された化学兵器輸送船の護衛に参加しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキー地中海遠征(2013年10月-2014年5月)]

2014年12月にはグリーンランド沖へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはグリーンランド沖で潜水艦と「決闘」する為に出航した]

2015年9月初頭から12月初頭まで、定期修理を行なう為、ロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは浮きドックで修理を行なう]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは浮きドックへ入った]

2016年5月にはバレンツ海で演習を行ないました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2016年10月から2017年2月まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする北方艦隊航空艦グループシリア沖への遠征に参加しました。
「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機は初めてシリア国内のテロ組織への空爆を行ないましたが、「ピョートル・ヴェリキー」「アドミラル・クズネツォフ」のエスコート役に徹しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2017年7月30日の「ロシア海軍の日」にはクロンシュタットの観艦式に参加しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]


2017年9月には北方艦隊の演習へ参加し、対艦ミサイル「グラニート」を発射しています。

[ロシア海軍北方艦隊の水上艦と原子力潜水艦はバレンツ海で超音速対艦ミサイルを発射した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはバレンツ海の演習で対艦ミサイルを撃墜した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと原子力水中巡洋艦オリョールはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なった]

2018年4月18日、「ピョートル・ヴェリキー」は海軍旗初掲揚(正式な海軍への就役)20周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは20歳になった]

3日後の4月21日、セヴェロモルスク基地に停泊している「ピョートル・ヴェリキー」で就役20周年記念式典が開催されました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーで就役20周年記念式典が開催された]

2018年11月~12月にバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜ミサイルを発射した]


2019年4月6日、「ピョートル・ヴェリキー」は、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)と共に、各種演習を行なう為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海へ出航した]

4月8日、「ピョートル・ヴェリキー」は、130mm連装砲AK-130の砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で砲撃訓練を実施した]

4月10日、「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」は、ノルウェー海へ移動し、ロシア航空宇宙軍の戦闘機部隊と合同で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海で演習を実施する]

4月11日にはノルウェー海南部へ移動し、北方艦隊所属の対潜哨戒機Tu-142、迎撃戦闘機MiG-31BM、そしてロシア航空宇宙軍超音速爆撃機Tu-22M3空中給油機Il-78も参加する演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海南部で演習を実施した]

4月15日にはノルウェー海北部へ移動し、対潜戦闘訓練などを実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはノルウェー海北部で対潜演習を実施した]

2019年4月18日、バレンツ海で演習を行なっている最中に就役21周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役21周年を迎えた]

4月29日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは洋上演習を終えて母港へ帰投した]

2019年10月には、新型給油船「アカデミック・パシン」の洋上試験に参加し、同船から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバレンツ海で重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーへの洋上補給を行なった]

2020年4月18日に就役22周年を迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは就役22周年を迎えた]

2020年7月7日、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」と共にバレンツ海へ出航し、演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で演習を開始した]

翌7月8日、「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」は、130mm連装砲による沿岸目標への艦砲射撃訓練を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは艦砲射撃訓練を行なった]

7月9日、「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」は、バレンツ海対艦ミサイルを発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは、ロシア航空宇宙軍の超音速爆撃機Tu-22M3と共にバレンツ海で対艦ミサイルを発射した]

7月10日、「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」は、バレンツ海で対空防衛訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対空防衛訓練を行なった]

7月11日には対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海での演習を完了した]

その後も「ピョートル・ヴェリキー」「マルシャル・ウスチーノフ」バレンツ海へ留まり、7月13日には北方艦隊所属の原子力潜水艦を相手に対潜演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で対潜演習を行なった]

2021年4月18日に就役23周年を迎えました。


プロジェクト1144/11442重原子力ロケット巡洋艦(「キーロフ」型)は、1981年から1998年に掛けて合計4隻がソ連/ロシア海軍へ就役しましたが、現在、稼働状態に在るのは4番艦「ピョートル・ヴェリキー」のみです。

1番艦「アドミラル・ウシャコーフ」(旧名「キーロフ」、1981年4月12日就役)は、ソ連邦解体後に予備役となり、セヴェロモルスク基地に係留されていましたが、1999年にセヴェロドヴィンスクへ回航され、2004年3月30日に除籍されました。
現在もセヴェロドヴィンスク艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』の岸壁に係留されていますが、2021年以降に解体が予定されています。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦キーロフは就役34周年を迎えた]
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2番艦「アドミラル・ラーザレフ」(旧名「フルンゼ」、1984年12月7日就役)は、「キーロフ」型で唯一太平洋艦隊へ配備されましたが、こちらもソ連邦解体後に予備役となり、沿海地方フォキノ基地で係留保管されていましたが、2021年8月以降に解体される事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフの解体作業は2021年8月に始まる]
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3番艦「アドミラル・ナヒーモフ」(旧名「カリーニン」、1989年4月21日就役)は、ソ連邦解体後も稼働状態に置かれていましたが、1999年にはオーバーホールの為にセヴェロドヴィンスクへ回航され、2013年から大規模な近代化改装工事が始まりました。
改装工事は2023年末までの完了が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]
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4番艦「ピョートル・ヴェリキー」は、2020年代に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる]
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ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルは地中海遠征から帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年4月17日18時13分配信
【北方艦隊の給油船「ヴャジマ」と曳船「ニコライ・チケル」は遠距離航海から戻ってきた】

本日(4月17日)、ムルマンスク港の埠頭へ北方艦隊支援船支隊に所属する中型海洋給油船「ヴャジマ」が到着した。
この2ヶ月半、乗組員は地中海最新フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の遠距離航海を保障した。
遠距離航海中の水上攻撃の可能性からの給油船の保護は、スプートニク駐屯地北方艦隊海軍歩兵グループにより行なわれた。

ムルマンスクの補助艦隊埠頭で、給油船北方艦隊副司令官(物資-技術サービス供給担当)ドミトリー・ウクライネツ少将と北方艦隊物資-技術サービス本部の代表、更には軍楽隊と中型海洋給油船「ヴャジマ」乗組員の家族に出迎えられた。
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歓迎式典中にドミトリー・ウクライネツ少将は、遠距離航海において指示された任務を全て成功裏に遂行した乗組員を祝福した。
彼は、船が80日以上海上に在り、約13000海里を進んだことを指摘した。
船員は、ロシア艦へ31回の燃料、水、他の貨物の移送を地中海及び大西洋で行ない、総量は4000トン以上となった。

艦隊の伝統に沿って、ドミトリー・ウクライネツ少将は給油船の船長コンスタンチン・ノヴィコフ子豚の丸焼きを手渡し、国家表彰を含め、顕著な働きを見せた船員を奨励し、表彰を推薦した。
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前日、地中海フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」率いる艦船支隊の捜索救助保障任務を遂行した救助曳船「ニコライ・チケル」セヴェロモルスクへ戻った。
曳船は3ヶ月半以上の長期航海を続けた。



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1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」(2020年7月21日就役)は、2020年12月30日にセヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]
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1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

1月15日にバルト艦隊中型海洋給油船「コラ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

1月18日にアルジェリアアルジェ港へ寄港しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた]
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1月20日にアルジェ港を出航し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアを去った]

1月22日から地中海中部(マルタ海峡付近)で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中部で演習を開始した]

1月26日、「ニコライ・チケル」地中海東部キプロス島南部のリマソール港を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を訪れた]

1月27日、「アドミラル・カサトノフ」地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

1月28日、「ニコライ・チケル」リマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]
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その後、「ニコライ・チケル」「アドミラル・カサトノフ」は合流し、2月3日にはギリシャピレウス港を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャのピレウス港を訪れた]

2月5日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

そして、地中海東部で行動中の「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」へ、北方艦隊プロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流する事になり、2月初頭にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマは地中海東部でフリゲート"アドミラル・カサトノフ"と合流する]

『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

一方、「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月16日にエジプトアレクサンドリア港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を訪問した]

最近は世界的なコロナウイルス流行の為、外国港を訪れても乗組員の市内旅行は行なわれていませんでしたが、今回のアレクサンドリア訪問では、久しぶりに市内旅行が実施されました。

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月18日午後にアレクサンドリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を去った]

その後、「アドミラル・カサトノフ」エーゲ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエーゲ海に居る]
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一方、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」は、3月2日にキプロス島南部のリマソール港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港へ寄港した]

同じ3月2日、「アドミラル・カサトノフ」は、マルマリス近郊のトルコ海軍基地アクザス・カラーガチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコ海軍基地を訪れた]
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「アドミラル・カサトノフ」は3月4日にアクサズ・カラーガチから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコのアクサズ海軍基地を去った]

翌3月5日、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」リマソール港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]

3月8日、今度は「アドミラル・カサトノフ」リマソール港へ寄港し、3月10日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はキプロスのリマソール港へ寄港した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」は西へ向かい、3月17日にはクレタ島南東海域で行動していました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖に居る]

3月22日に給油船「ヴャジマ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖で洋上給油を受けた]

3月24日に再びギリシャピレウス港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は再びギリシャのピレウス港を訪れた]

「アドミラル・カサトノフ」は3月26日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

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その後、「アドミラル・カサトノフ」と随伴船は地中海を東進し、3月29日に「ヴャジマ」から洋上給油を受け、3月30日には地中海中央部(アルジェリア東方沖付近)で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中央部で潜水艦捜索演習を行なった]

4月1日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海を去った]

その後、ビスケー湾を通過し、4月5日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過する]

しかし、海峡を通過中に嵐に遭遇した為、セーヌ湾で数日間停泊しました。
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その後、再び移動を開始し、4月8日にパ・ド・カレーを通過しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過した]

4月10日にはノルウェー海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なう]

4月16日に救助曳船「ニコライ・チケル」セヴェロモルスクへ帰投し、翌4月17日には中型海洋給油船「ヴャジマ」ムルマンスクへ帰投しました。

ロシア海軍カスピ小艦隊の15隻の艦艇は演習参加の為に黒海へ入った


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年4月17日10時55分配信
【カスピ小艦隊艦艇支隊はクリミア大橋の下を通過した】

カスピ小艦隊艦艇支隊は、ケルチ海峡クリミア大橋の下を通過し、黒海へ入った。

冬季訓練期間の成績査定検査への合格の枠組みで、3隻の砲艇と8隻の揚陸艇、更に支援船を含むカスピ小艦隊の15隻の艦艇は、カスピ海から黒海への艦隊間移動を行なっている。

前日に支隊黒海艦隊の運用管轄下に入り、テムリュク港で燃料と食料の備蓄を補充した。

ケルチ海峡から出た後、カスピ小艦隊の艦艇は、冬季訓練期間の成績査定検査実施計画に沿って指定海域へ移動する。
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長さ100キロメートル以上のヴォルゴ・ドン運河のルート上で戦闘艦艇は13の水門を越え、更にはヴォルゴグラード、カラチ・ナ・ドヌ、ヴォルゴドンスク、セミカラコルスクを通過した。

成績査定検査への合格の計画に沿って、カスピ小艦隊の艇の乗組員は、黒海艦隊部隊と協同でテスト海上演習へ参加する。

南方軍管区司令官アレクサンドル・ドヴォルニコフ上級大将の指示により、黒海艦隊カスピ小艦隊海軍歩兵部隊及び沿岸部隊は、海上および空中の上陸(降下)部隊を撃退する為の準備状態の点検へ関わる。

冬季訓練期間の南方軍管区の成績査定検査は、承認された2021年の軍の訓練計画の下で行なわれ、軍管区の部隊の戦闘及び運用準備の水準の向上、演習実施の形態と方法の改善、担当境界線の状況の変化を考慮した訓練への従事へ指向される。



今回、演習の為に黒海へ移動したカスピ小艦隊の8隻の揚陸艇は、同小艦隊に所属する揚陸艇全てです。

プロジェクト1176揚陸艇D-185(2000年12月30日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-156(1999年12月29日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-131(2002年12月30日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-172(2005年12月27日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-56(2008年12月30日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-178(2013年5月29日就役)
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プロジェクト11770揚陸艇D-179(2013年5月29日就役)
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プロジェクト21820揚陸艇「アタマン・プラトフ」(2010年12月21日就役)
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3隻の砲艇は、プロジェクト1204です。

AK-223(1969年6月22日就役)
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AK-201(1972年6月30日就役)
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AK-209(1972年9月29日就役)
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これに支援船を加えた15隻が黒海へ移動し、ロシア南方軍管区の演習へ参加します。

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31はカムチャツカ半島沖でアメリカ空軍の戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を実施した


『タス通信』より
2021年4月16日14時35分配信
【MiG-31は太平洋上空でアメリカ合衆国の偵察航空機へ同行した】
モスクワ、4月16日/タス通信

strong>ロシアの戦闘機MiG-31は、カムチャツカ南東沖沿いの太平洋エリア上空でアメリカ合衆国空軍戦略偵察航空機RC-135へ同行した。
金曜日にロシア国防省は報道機関へ伝えた。

軍当局によると、ロシアの空域監視手段は、太平洋上の空域でロシア連邦の国境線へ接近する空中目標を探知した。

「これを同定し、同行する為、カムチャツカ地方の飛行場から戦闘機MiG-31が上がりました。
戦闘機の乗員は、空中目標をアメリカ合衆国空軍の戦略偵察航空機RC-135と識別しました」
国防省
は話し、偵察機カムチャツカ南東沖沿いに動いていた事を指摘した。
「ロシア連邦の国境線の侵犯を許す事は有りませんでした」
軍当局は強調した。

国防省が話したように、外国の軍用航空機ロシア連邦の国境線から離れた後、ロシア戦闘機は無事に駐留飛行場へ戻った。
「ロシア戦闘機の飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施されました」
国防省
は付け加えた。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、30機程度のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2019年2月20日に最初の2機がカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは空中戦闘訓練を行なった]

2020年2月8日、次のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊へ高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]

2020年12月1日、数機のMiG-31BMチュクチ半島アナドイル空港へ展開し、戦闘当直任務、つまりスクランブル待機に就きました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはチュクチ半島で戦闘当直に就いた]

2020年12月11日にベーリング海上空でアメリカ空軍戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を行なったのも、おそらくはアナドイル派遣隊でしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31はベーリング海でアメリカ空軍の戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を行なった]

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2021年4月10日には太平洋上空でアメリカ空軍戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を実施しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は太平洋でアメリカ空軍の戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を実施した]

そして4月16日にもカムチャツカ半島沖へ接近してきたアメリカ空軍RC-135に対するスクランブル発進を実施しました。


現在の所、太平洋艦隊海軍航空隊では、第317混成航空連隊の下に1個飛行隊が配備されているMiG-31ですが、今後は更なる1個飛行隊が増強される事になるようです。
[カムチャツカに駐留するロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は増強される]

ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフは黒海へ入った

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年4月18日0時10分配信
【更に2隻の大型揚陸艦が黒海へ入った】
イスタンブール、4月18日、インタファクス

更に2隻のロシア海軍大型揚陸艦「カリーニングラード」「コロリョーフ」が土曜日にボスポラス海峡を通行して黒海エリアへ入った。
イスタンブールのサイトは伝え、海峡を通行する写真を公表した。

戦闘艦バルト艦隊に所属しており、セヴァストーポリへ向かっている。

土曜日にはロシア北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」「コンドポガ」黒海へ入っている。
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土曜日に黒海艦隊は、15隻のカスピ小艦隊の艦艇が演習の為に黒海へ移動したと発表した。
「カスピ小艦隊艦艇支隊は、ケルチ海峡のクリミア大橋を通過して黒海へ入りました」
艦隊
の声明では、こう述べられた。
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軍は、前日に支隊黒海艦隊の運用管轄下に入り、テムリュク港で燃料と食料の備蓄を補充したと発表した。

「成績査定検査への合格の計画に沿って、カスピ小艦隊の艇の乗組員は、黒海艦隊の部隊と協同でテスト海上演習へ参加します」
艦隊
の声明では、こう述べられた。

土曜日に南方軍管区は、50機以上の航空機黒海エリア上空の演習へ関わると発表した。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に従事しています。
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「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊バルト艦隊の艦が派遣される事も有ります。


プロジェクト775大型揚陸艦の19番艦BDK-58は、ポーランドグダニスク造船所で建造され、1984年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
1999年4月30日に「カリーニングラード」と命名されました。

2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目は2012年12月27日に出航し、2013年8月8日に帰投しました。
[大型揚陸艦カリーニングラードはバルチースク基地へ戻った]

2回目は2013年12月24日に出航し、2014年12月2日に帰投しました。


その後、オーバーホールが行なわれました。


この時、57mm砲対地攻撃用ロケット砲の射撃を一括して管制する汎用射撃管制システムMR-123-02/3「バギラ」が搭載されました。
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その後はバルト海で行動していました。

2020年3月下旬にコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「ミンスク」と共に北海へ進出しました。


プロジェクト775大型揚陸艦の28番艦(最終艦)BDK-61ポーランドグダニスク造船所で1990年2月10日に起工され、1990年11月16日に進水し、1991年7月10日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
2000年8月30日に「コロリョーフ」と命名されました。

これまで「コロリョーフ」は2回地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目:2015年5月20日にバルチースクを出航、2016年1月23日に帰投。
計10回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフは地中海任務(シリア・エクスプレス)を終えて母港バルチースクへ戻った]

2回目:2016年11月頃に出航、2017年5月7日に帰投。
計5回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリア沖から母港バルチースクへ帰投した]

2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。

2020年2月下旬から3月中旬までコルベット「ストイーキー」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]


2021年3月下旬、この2隻の大型揚陸艦に加え、同型の揚陸艦「ミンスク」コルベット「ボイキー」の計4隻はバルト海を出て北海へ進出し、更にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]

その後、「カリーニングラード」「コロリョーフ」は3月26日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

4月初頭にシリアタルトゥースへ到着しました。
[ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る]

そして4月17日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。


なお、この2隻に先立ち、北方艦隊大型揚陸艦「コンドポガ」(027)と「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)も、ボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦コンドポガとアレクサンドル・オトラコフスキーは黒海へ入った]

ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦コンドポガとアレクサンドル・オトラコフスキーは黒海へ入った

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年4月17日13時17分配信
【北方艦隊の2隻の大型揚陸艦は黒海へ入った】
イスタンブール、4月17日、インタファクス

北方艦隊の2隻の大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」「コンドポガ」は、土曜日に黒海エリアへ入った。
イスタンブールのサイトは伝え、海峡を通行する写真を公表した。

戦闘艦セヴァストーポリへ向かっている事は確実である。

手元の情報によれば、現在、地中海には、バルト艦隊の2隻の大型揚陸艦「カリーニングラード」「コロリョーフ」が居る。
3月末、これらはジブラルタル海峡を通過した。
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土曜日に黒海艦隊は、15隻のカスピ小艦隊の艦艇が演習の為に黒海へ移動したと発表した。
「カスピ小艦隊艦艇支隊は、ケルチ海峡のクリミア大橋を通過して黒海へ入りました」
艦隊
の声明では、こう述べられた。
21-0418e.jpg
21-0418f.jpg
軍は、前日に支隊黒海艦隊の運用管轄下に入り、テムリュク港で燃料と食料の備蓄を補充したと発表した。

「成績査定検査への合格の計画に沿って、カスピ小艦隊の艇の乗組員は、黒海艦隊の部隊と協同でテスト海上演習へ参加します」
艦隊
の声明では、こう述べられた。

土曜日に南方軍管区は、50機以上の航空機黒海エリア上空の演習へ関わると発表した。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に従事しています。
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「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは主に黒海艦隊所属艦ですが、この他に北方艦隊バルト艦隊の艦が派遣される事も有ります。


プロジェクト775大型揚陸艦の7番艦BDK-182は、ポーランドグダニスク造船所で1976年4月4日に起工され、1976年7月17日に進水し、1976年12月30日にソ連海軍へ納入され、翌1977年2月23日に海軍旗掲揚式典を開催して正式に就役し、北方艦隊へ編入されました。
1999年2月9日に「コンドポガ」と命名されました。

プロジェクト775の11番艦BDK-55は、ポーランドグダニスク造船所で1977年8月に起工され、1977年12月3日に進水、1978年7月30日に就役し、北方艦隊へ編入されました。
2001年5月9日に「アレクサンドル・オトラコフスキー」と命名されました。

この2隻はプロジェクト775の第1グループ(1974年~1979年に計12隻就役)に属しており、当初は「中型揚陸艦」に分類されていましたが、1977年には「大型揚陸艦」へ艦種変更されました。


「コンドポガ」(027)は、2012年7月から8月まで地中海東部への遠距離航海を行ないました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)は、2017年10月から12月まで地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に参加しました。
[シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を行なったロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーは母港セヴェロモルスクへ帰投した]

この数年間は、2隻とも北方艦隊北極遠征部隊「常連」でした。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
[ロシア北方艦隊第7次北極圏遠征(2018年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊の第6次北極海遠征(2017年8月-10月)]

「コンドポガ」「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、2021年3月下旬頃に母港セヴェロモルスクを出航し、4月初頭にシリアタルトゥースへ到着しました。
[ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る]

4月17日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。


なお、今回の記事では地中海に居ると書かれているバルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」(102)と「コロリョーフ」(130)も、北方艦隊の2隻の大型揚陸艦に続き、ボスポラス海峡を北上して黒海へ入っています。
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ロシア海軍北方艦隊へ4隻のラーダ級潜水艦が配備される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年4月14日15時55分配信
【情報筋:北方艦隊は少なくとも4隻のディーゼル潜水艦を受け取る】
モスクワ、4月14日/ロシア通信社ノーボスチ

ロシア北方艦隊は2027年までに少なくとも4隻のディーゼルエレクトリック潜水艦を受け取る。
水曜日に防衛産業企業体の情報提供者は『ロシア通信社ノーボスチ』へ話した。

前日、幾つかのメディアは、北方艦隊の部隊へのディーゼル潜水艦の供給問題に疑念が生じたと報じた。

「北方艦隊は、戦闘編制への通常動力潜水艦の装備プログラムの枠組みにおいて、2027年までに少なくとも4隻のディーゼルエレクトリック潜水艦を受けとります」
対談者は話した。

彼によると、現在、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されているプロジェクト677、コード名「ラーダ」潜水艦が計画されている。

現在、ロシアは2つのタイプのディーゼルエレクトリック潜水艦を建造している~プロジェクト636.3「ワルシャワンカ」プロジェクト677「ラーダ」
「ワルシャワンカ」は、ソヴィエトプロジェクト877「パルトゥース」をベースに作成された。
黒海艦隊は、既にこのような6隻の艦を受け取っており、2024年には6隻から成る潜水艦シリーズが太平洋艦隊へ供給されなければならない。

極東の為の最初の2隻の潜水艦は既に艦隊へ加わっており、3隻目は進水し、4隻目は船台に在り、もう2隻は2021年末までに起工される。

加えて、2010年に海軍へ引き渡されたプロジェクト677潜水艦「サンクトペテルブルク」が試験運用に在る。
同プロジェクトの2隻の潜水艦「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」は様々な建造段階に在る。
海軍への引き渡しは2022年に計画されており、同時にこのような潜水艦の4隻目と5隻目が起工される。



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[プロジェクト677ラーダ潜水艦 ]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]

ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は、『アドミラルティ造船所』で1997年12月26日に起工され、2004年10月28日に進水し、2010年4月22日に納入され、同年5月8日に就役しました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

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2005年7月28日に起工された2番艦「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。

[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、2013年10月に北方艦隊へ転属しました。
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[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海で巡航ミサイルを発射した]

「サンクトペテルブルク」は近代化改装を行なう為、2020年4月下旬にクロンシュタットへ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはクロンシュタットへ到着した]

2番艦「クロンシュタット」は2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]


「クロンシュタット」は、2019年7月28日にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
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その後、また『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、これらの潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は遅れている事が明らかにされました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「クロンシュタット」「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

この2隻は、打撃有翼ミサイル「カリブル」を標準武装として搭載し、電動機も1番艦「サンクトペテルブルク」とは違うものになります。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは巡航ミサイル"カリブル"を標準装備する]


その後、新たな「ラーダ」は発注されていませんでしたが、2018年11月末、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将は、「ラーダ」級潜水艦は合計12隻が建造されると発言しました。
[ロシア海軍の為に12隻のラーダ級通常動力潜水艦が建造される]

2019年6月27日、軍事技術展示会『アルミヤ-2019』の会場において、プロジェクト677「ラーダ」2隻(4番艦と5番艦)の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この新規契約分2隻は2022年までに起工され、ロシア海軍への引き渡しは2025年と2027年に予定されています。
[2022年にロシア海軍のラーダ級潜水艦2隻が起工される]

2020年8月25日、軍事技術展示会『アルミヤ-2020』の会場において、プロジェクト677潜水艦1隻(6番艦)の建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト06363潜水艦1隻とラーダ級潜水艦1隻の建造契約が締結された]


現在の所、6隻の建造が計画されているプロジェクト677潜水艦ですが、この内の4隻は北方艦隊へ配備されるようです。
おそらくは、「サンクトペテルブルク」、「クロンシュタット」、「ヴェリーキエ・ルーキ」と、今後起工される4番艦でしょう。

新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフは2028年にロシア海軍へ就役する

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『イズベスチヤ』より
2021年4月13日20時13分配信
【汎用揚陸:ロシアのヘリコプター母艦は2028年に海軍へ増強される】

最新艦には、更に様々なクラスの無人機が駐留する。

プロジェクト23900の1隻目の汎用揚陸艦「イワン・ロゴフ」の建造は2028年に完了する。
同プロジェクトが他の同様のクラスと異なるのは、無人機管制所の統合である。
これは、ロシアヘリコプター母艦が、沿岸或いは他の艦から射出されたドローンを管制できる事を意味する。
更に、超遠距離通信システム、自動管理システム、他の標準兵装を装備する。

[主要コース]
計画では、プロジェクト23900のトップ艦「イワン・ロゴフ」の作業は2028年に完了しなければならない。
軍当局の情報提供者によると、この時期には更に航空グループの形成も規定されている。
その構成には、戦闘ヘリコプター及び輸送ヘリコプター、更には、水上及び水中ドローンを含む個々の無人機ラインが加わる。

プロジェクト23900汎用揚陸艦と他の同クラスの艦の差異は、無人飛行装置管制所の統合である。
これは、ヘリコプター母艦が、沿岸或いは他の艦から射出された無人機を管制できる事を意味する。

汎用揚陸艦シリーズのトップ「イワン・ロゴフ」は、昨年7月20日に起工された。
起工板はウラジーミル・プーチン大統領により設置された。
この時に国家元首は、最新艦は先進的な兵装システム、管理システム、遠距離通信システムを装備する事を指摘した。
彼は、このような汎用揚陸艦は、ロシア海軍の戦闘ポテンシャルを著しく強化し、その戦略的能力を高める事を強調した。

「プロジェクト23900艦は、大きくて多機能です。
排水量約4万トン、本質的に、これは軽航空母艦です」

軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
「これは、新たなレベルの能力を引き出す艦隊の有力な更新です。
ヘリコプター母艦は、世界のあらゆる地域において戦力投射及び揚陸作戦や、平和維持任務の遂行を可能にします。
艦は艇とヘリコプターで海軍歩兵を上陸させ、野営地を建設し、ヘリコプターの支援を受ける事が出来ます。
これは、我々にとって、かなり重要なプロジェクトです」


現在、アメリカ合衆国は、ロボット化の方向へ艦隊を開発しており、ロシアも同じコースを進んでいると軍事専門家ワジム・コジュリン『イズベスチヤ』へ伝えた。

「アメリカ人は、将来的には艦隊の全てがロボット技術に結ばれると予測しており、それは、打撃、偵察、水中及び空中の脅威の探知に初めて使用されました」
彼は説明した。
「既に、マイクロソフトにより作られた軍事クラウドストレージが存在し、多くの実験が行なわれています。
ですが、新たなシステムがどう見えるのかは未だ完全な確信が有りません。
経験は、彼らが正しい道を進んでいる事を示しています。
同様の道をロシアも進んでおります。
ロボット化システムは、対機雷、対潜防護、偵察、電波電子戦闘を保障しなければなりません。
将来的には、プロジェクト23900艦の建造は新たな技術の出現となり、その中で近代化が準備されます」


以前に『イズベスチヤ』は、プロジェクト23900艦の能力はヘリコプター及び海軍歩兵の輸送に限定されないと伝えた。
これらは、海上、地上、航空グループの戦闘指揮の為に必要な全ての機器が設置される。
ヘリコプター母艦は、超遠距離通信システム、自動指揮システムと他の司令部用の設備を備える。
汎用揚陸艦の艦内には、コンピュータ端末と作業場を有する特殊司令室が据え付けられる。

[ヘリコプターは単一ではない]
このようなサイズの汎用揚陸艦は、有人機及び無人機から成る多様な航空グループを搭載できる。
それは15~20機の海上ヘリコプターが中核となる予定である。

このような艦の為、火力支援ヘリコプターKa-52K「カトラン」が特別に開発された。
陸上ヴァージョンと比べ、それは胴体とエンジンの腐食防止処理が改善されている。
ローターとブレードは、内部格納庫への収納を保障する為に折り畳み型で作られている。
ローリング条件での甲板への着艦に耐える為、シャーシは補強された。

複座の戦闘機材は、無誘導兵器及び射程10kmの対戦車ミサイル「ヴィーフリ-1」の大量の弾数を使用できる。
将来的には、既に陸上で試験されているより強力な誘導弾を装備する。

2017年にKa-52Kエジプトへ供給された。
同国は2隻の「ミストラル」型汎用揚陸艦の複合航空グループの為、46機の「カトラン」を発注した。

海軍歩兵を沿岸へ移動させる為、航空グループの一員として輸送戦闘ヘリコプターKa-29が使用される。
各々は、完全装備の16名の将兵を輸送できる。

新たな汎用揚陸艦には更に、遠距離電波位置測定探知ヘリコプターKa-31Rも駐留できる。
それは艦から数百キロメートル離れた空中及び地上目標を探知し、遅滞なくその接近を警告できる。

既にロシア海軍フリゲートは、小型偵察無人機「オルラン-10」を艦上から射出し、その後に帰還させる実験を成功裏に行なっている。
その助力により、艦は偵察を行なうのみならず、地上目標への砲撃を修正する。
同様の装置は、新たな汎用揚陸艦でも使用できる。
甲板での発艦と着艦が可能なヘリコプター型小型艦上無人飛行装置は既に軍備採用されている。

この数十年間、ロシアには汎用揚陸艦が1隻も無かった。
ヘリコプター母艦自体は、ソヴィエト社会主義共和国連邦時代にプロジェクト1123「コンドル」対潜巡洋艦「モスクワ」「レニングラード」が軍備として在ったが、1990年代に除籍され、インドで解体された。
ヘリコプターは、プロジェクト1143重航空巡洋艦「ミンスク」、「キエフ」、「ノヴォロシースク」、「バクー」、そして更には「アドミラル・クズネツォフ」へ配置できた。
しかし、最後を除くすべてはソヴィエト連邦崩壊後に海軍から除籍された。

ポスト・ソヴィエト時代には、ヘリコプター母艦の建造問題さえ提起されなかった。
それは、当時の軍事ドクトリンでは想定されていなかった遠く離れた沿岸での行動の為に必要であると考えられていた。
その後、世界の様々な地域での軍事紛争の経験は、海軍歩兵、車両、ヘリコプターを艦内に受け入れる事が出来る艦が無くては、現代世界ではやって行けない事を示した。

ヘリコプター母艦海軍へ受け入れる試みは、この10年間で初めて行なわれた。
2011年、国防省フランスへ4隻の「ミストラル」型艦を発注した。
パリ-モスクワ間の合意条件下で、フランスが2隻のヘリコプター母艦の製造を約束した。
更なる2隻の艦がロシアの工場で建造されなければならなかった。
このタイプの最初の2隻の汎用揚陸艦の為の乗組員の募集は2013年秋に始まった。
チームが揃った後、彼らはサンクトペテルブルクで最初の訓練を行ない、その後、ヘリコプター母艦の設備の知識を得る為にフランスへ向かった。

400名から成る乗組員グループは、練習艦「スモールヌイ」に乗って2014年6月にサンナゼールへ到着した。
同年9月と10月には、建造されたヘリコプター母艦の1隻がロシア人チームを乗せて10日間海上へ出た。
しかし2015年、我々の乗組員は海上で「ミストラル」をマスターしていた時、フランス大統領フランソワ・オランドは、ロシアへ科された制裁を動機に艦の引き渡しを拒否した。
2016年にパリエジプトヘリコプター母艦を売却し、現在は「アンワル・アッ=サーダート」「ガマール・アブドゥル=ナーセル」の名で勤務に就いている。
その後にエジプト政府は、「ミストラル」の為のロシア製兵器と機器の購入、更にはヘリコプターKa-52Kの一団の供給に関するモスクワとの交渉を発議した。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]

この概念設計案「ラヴィーナ」をベースにして、実際にロシア海軍向けとして建造される汎用ヘリコプター揚陸艦が設計されました。
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]
[ロシア海軍の為の将来汎用ヘリコプター母艦プリボイ級の設計作業は進められている]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランはロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の艦載機となる]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、2019年になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』(造船コーポレーション『アク・バルス』傘下)で建造する案が浮上してきました。
【造船工場『ザリフ』公式サイト】
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[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島で起工される?]
[ロシア海軍の為の新たな汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年にケルチ(ザリフ造船所)で起工され、2025年と2026年に就役する]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月上旬(5月9日まで)にクリミア半島で起工される]

造船工場『ザリフ』も、ロシア海軍新世代汎用揚陸艦を建造する用意がある事を認めました。
[クリミア半島ケルチのザリフ造船所はロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)を建造する準備を整えている]

2隻の汎用揚陸艦の建造費は、ほぼ1000億ルーブルになるようです。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造費は1000億ルーブルになる]
因みに1000億ルーブルは、プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)フリゲート4隻分に相当します。

当初、2隻の汎用揚陸艦の起工は、2020年5月9日の大祖国戦争勝利75周年記念日に予定されており、起工に先立つ建造契約の締結は、2020年4月末までに行なわれる予定でした。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は大祖国戦争勝利75周年記念日の2020年5月9日に起工される]
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約は2020年4月末までに締結される]

しかし、最近の新型コロナウイルス流行の影響により艦の起工は延期され、これに伴い建造契約の締結も先送りされ、5月22日までに締結されました。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約が締結された]
[クリミア半島のザリフ造船所はロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸艦の建造準備を進めている]

2隻の汎用揚陸艦の起工は6月29日に予定されていましたが、またも延期となりました。
[ロシア海軍のプロジェクト23900(セヴァストーポリ型)汎用揚陸艦の起工は延期された]

その後、起工日は7月16日に決まりましたが、これも延期され、2020年7月20日に起工式典が開催されました。

[ロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフとミトロファン・モスカレンコはクリミア半島のザリフ造船所で起工された]

造船コーポレーション『アク・バルス』傘下のゼレノドリスク設計局が設計したプロジェクト23900汎用揚陸艦は、フランス「ミストラル」級の影響を大きく受けているようです。
[プロジェクト23900汎用揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の開発・建造元『アク・バルス』のトップは語る]
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2隻の汎用揚陸艦の艦名は、以前には「セヴァストーポリ」「ウラジオストク」が有力視されていましたが、結局、旧ソ連時代のプロジェクト1174大型揚陸艦の1番艦と3番艦の名前を受け継いだ「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」となりました。

プロジェクト1174大型揚陸艦「イワン・ロゴフ」(1978年6月15日就役、1995年8月4日除籍)
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プロジェクト1174大型揚陸艦「ミトロファン・モスカレンコ」(1990年9月23日就役、2006年12月18日除籍)
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プロジェクト23900汎用揚陸艦は、指揮艦としての能力も付与されます。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は指揮艦として使用される]
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の為の指揮システムが開発される]
この場合は、例えば、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の旗艦としての使用などが考慮されているようです。

以前には、プロジェクト23900汎用揚陸艦は満載排水量25000トン、ヘリコプター20機搭載、海軍歩兵900名を積載すると言われ、その後、設計変更されて満載排水量は30000トンに拡大し、ヘリコプター16機搭載、海軍歩兵1000名積載、そして艦上無人攻撃機も搭載する事になりました。
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[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は艦上無人攻撃機を搭載する]
[ロシア海軍航空隊は対潜任務に無人機を使用する]

しかし2020年12月末、ロシア連邦国防次官(防衛産業担当)アレクセイ・クリヴォルチコ氏は、プロジェクト23900汎用揚陸艦の(満載)排水量は40000トンになると述べました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は40000トンになる]

2020年7月の起工から7ヶ月後の2021年2月、「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」の船体の形成が始まりました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の船体の形成が始まった]

1番艦「イワン・ロゴフ」ロシア海軍への引き渡しは2028年に予定されています。

ロシア海軍黒海艦隊は黒海で砲撃訓練を行なう

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『タス通信』より
2021年4月14日17時54分配信
【黒海艦隊艦支隊は砲射撃を実施する為に海上へ出航した】
セヴァストーポリ、4月14日/タス通信

黒海艦隊艦支隊は、冬季訓練期間のテスト点検の枠組みにおいて砲射撃を実施する為に海上へ出航した。
水曜日に黒海艦隊情報供給部は報道機関へ伝えた。

フリゲート"アドミラル・マカロフ"小型ロケット艦グライヴォロンヴイシニー・ヴォロチョーク、エアクッションロケット艦サムーム、掃海艦イワン・ゴルベツ、そして大型揚陸艦は駐留所から出航し、艦隊の掃海部隊の支援下での仮想機雷源の突破訓練を行ないました」
声明では、こう述べられた。

「海上で艦の乗組員は、単独並びに合同で水上目標と空中目標へのテスト砲射撃を実施します」と説明された。

更に、射撃には、黒海艦隊対空防衛・海上航空隊航空機ヘリコプターが関わる事が指摘された。

ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルを視察した

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『タス通信』より
2021年4月13日21時6分配信
【海軍総司令官:潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」は北極の氷において優秀さを見せた】
セヴェロモルスク、4月13日/タス通信

ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、戦略水中ロケット艦「クニャージ・ウラジーミル」は、北極で3隻の原子力潜水艦が一度に1.5メートルの氷を割って浮上した際、その優秀さを見せたとロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグへ報告した。

エフメノフは、「クニャージ・ウラジーミル」「その用途を完全に正当化し、浮上の際に如何なる損傷も無かった」と報告した。

ショイグは、ガジエヴォ駐屯地(ムルマンスク州)原子力潜水艦の駐留所の軍用及び社会インフラストラクチュアの視察中、総司令官から報告を受けた。

2021年3月の北極探検の枠組みにおいて、フランツ・ヨシフ諸島ゼムリャ・アレクサンドル島海域で3隻の原子力潜水艦が同時に浮上した。
この内の2隻はプロジェクト667BDRM(コード名「デリフィン」)潜水艦であった。
3隻目は、最新のプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」である。
3隻の原子力潜水艦には、合計で48基の潜水艦発射弾道ミサイルが在る。

『セヴマシュ』で2021年7月30日に起工された戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、改善プロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)の下で建造され、ロシア海軍の為に作成された第4世代原子力潜水艦に属している。
最初の3隻の「ボレイ」(水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」)と「クニャージ・ウラジーミル」は、低騒音、より完全な操艦システムと深度保持システム、更には兵器制御が異なる。
潜水艦は(2020年)6月12日にロシア海軍へ受け入れられた。



[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]
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プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]


2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]

2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]

2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]


「クニャージ・ウラジーミル」北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。
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「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。

「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]

2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]

その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。

11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]

洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]


「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]

造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]

まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]

試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」セヴェロドヴィンスクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した]

5月28日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
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[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ納入された]
ただし、これだけでは正式にロシア海軍へ就役したとは見なされません。

正式なロシア海軍への就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、ロシア連邦の祝日『ロシアの日』の6月12日に開催されました。

[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した]

6月29日、「クニャージ・ウラジーミル」セヴェロドヴィンスクから出航し、母港となるガジエヴォ基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ向かった]
[ロシア海軍北方艦隊の原潜基地のインフラ更新は進められている]
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7月3日にガジエヴォ基地へ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

2021年3月26日、他のプロジェクト667BDRM戦略原潜2隻と同時に北極の氷上へ浮上しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上へ浮上した]

ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグはウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代改装を行なっているムルマンスク艦船修理工場を視察した

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『タス通信』より
2021年4月13日22時26分配信
【ショイグは「アドミラル・クズネツォフ」を修理するドックの再建の促進を要求した】
ムルマンスク、4月13日/タス通信

ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入しているグループ企業)によりプロジェクトが実行されているムルマンスクに位置する『第35艦船修理工場』の乾ドックの再建と技術的再装備の作業のテンポと質の向上を要求した。

ショイグは、プロジェクトの実行中、新たな方向の作業が開かれる際には労力と手段を増大させる明確なスケジュールが必要になる事を指摘した。
彼は特に、施設で作業する為の人員と設備の数を増加させる必要が有ると指摘した。

国防相は、現在、ここで約400名と数十基の機材が関わっているとの報告を受けた。
ショイグの評価では、これらの労力は、24時間モードで行なう必要が有るこのような大規模作業の然るべきテンポの保障には不十分である。
更に国防相が指摘したように、スケジュールよりも遅れている場合には。

この時、ショイグは、最初の請負業者が杜撰で作業が低品質だった為、それを変更したという『統合造船業営団』幹部の説明を受け入れなかった。
「そのような説明は全て受け入れられませんね。
ドックは必要ですし、航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの修理と近代化は必要なのですよ」
ショイグ
は話した。

[ドック再建プロジェクト]
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
により実行されているプロジェクトでは、既存の2室の乾ドックを1室に変換し、ドック施設の面積と深さの著しい増大が提示される。
ドックの再建は、ドック作業実施の部分における『第35艦船修理工場』の能力の大幅な拡大を可能にする。

ドック再建の完了後、『ズヴェズドーチカ』ムルマンスク支所は、ロシア北極圏で最大のドック建造物となり、原子力砕氷船、更にはロケット巡洋艦航空巡洋艦といった大排水量の艦船のドック作業実行の為の受け入れが可能となる。

『第35艦船修理工場』の乾ドック再建の実行は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の工場修理と近代化の作業を適時に完了させる重要な要素である。



ロシア海軍唯一の「航空母艦」ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)は、シリア作戦(2016年11月~2017年1月)から帰投した翌年の2018年4月23日に近代化改装の契約が締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]


近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』により、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

「アドミラル・クズネツォフ」機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬からボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造されたボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。


「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]

「アドミラル・クズネツォフ」から取り外された蒸気タービンエンジンは、サンクトペテルブルク『キーロフ-エネルゴマシュ』などへ送られ、修復されます。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの蒸気タービンエンジン修復は2020年に完了する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により機関の能力もアップするようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな能力を得る]


従来の『第35艦船修理工場』乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんでしたが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、PD-50沈没事故を受け、これが実行に移される事になりました。
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[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]

『第35艦船修理工場』乾ドック拡張工事は、2019年7月以降に始まりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為のムルマンスク艦船修理工場の乾ドック結合・拡張工事は既に始まっている]

「アドミラル・クズネツォフ」が、この乾ドックへ入渠するのは2021年夏に予定されています。

この乾ドックは、取りあえずは「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるように最低限の工事を行ない、その後、2023年までに恒久的な施設として完成させる予定です。

なお、乾ドック拡張工事の最中、請負業者と発注者『第35艦船修理工場』との間で金銭トラブルが発生した為、2020年6月下旬に新たな請負業者として『オルゲネルゴストロイ』商会が選ばれ、工事が再開されました。
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2019年12月12日10時16分(モスクワ時間)、近代化改装工事中の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の第1発電機区画での溶接作業中に火災が発生しました。
[近代化改装工事中の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフで火災が発生した]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報(その2)]
火災は24時間以内に鎮火されましたが、乗組員の士官2名が死亡し、他に14名が火災発生時の有毒ガスによる中毒で入院しました。

この火災により、「アドミラル・クズネツォフ」第1発電機区画が全焼しましたが、致命的な損傷は受けておらず、修理及び近代化改装作業は続行されています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、2019年12月12日の火災により致命的な損傷は受けておらず、修復及び近代化されて復帰する]

『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏によると、「アドミラル・クズネツォフ」の火災による損害額は、3億ルーブル~3億5000万ルーブルになるとの事です。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの2019年12月12日の火災の損害額は3億5000万ルーブルと見積もられた]

近代化改装後の「アドミラル・クズネツォフ」の洋上試験は2022年に行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、2022年秋に洋上試験を開始する]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの洋上試験は2022年に行なわれる]

現在の所、「アドミラル・クズネツォフ」が近代化改装を終えて復帰するのは、2022年末に予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2022年末に完了する]
[ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2022年末にロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了予定時期は2022年末から変更されていない]

ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは船体の点検の為にサンクトペテルブルクへ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年4月12日17時15分配信
【後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」はフィンランド湾の指定海域での工場航行試験の次の段階を成功裏に行なった】

『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されたプロジェクト23120後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、フィンランド湾の指定海域での工場航行試験の次の段階を成功裏に行なった。
試験中、クレーン設備、曳航装置、通信及び航法手段、更には動力装置の動作が点検された。
結氷状況での試験後、そして航行試験の次の段階を前に、船は『北方造船所』で船体の船底外部システムの計画短期ドック検査を行なう。

以前、工場航行試験の第2段階中、後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、フィンランド湾の指定海域で同等の排水量の船の4時間にわたる曳航試験を成功裏にやり遂げた。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、海軍の為に建造される新たな艦船の試験の問題を討議する会議で報告を受けた。

バルト海での後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」の航行試験は約1ヶ月続く。
船では、乗組員と共に100名以上の試運転チームが作業する。
その課題は、外海条件の下での主動力装置、他のシステム及びメカニズムの点検、クレーン及びウィンチの動作試験である。
計画では、4月に試運転チームと船の乗組員は、国家試験へ移行しなければならない。

「フセヴォロド・ボブロフ」は、『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されたプロジェクト23120の2番船である。
トップ船「エリブルス」は、2018年に北方艦隊統合戦略司令部補助艦隊支援サービス船支隊へ加わった
2019年に「エリブルス」は、フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」率いるロシア艦船の一員として175日間の世界一周航海を行なった

トップ船の運用結果によりプロジェクト23120は仕上げられた。
特に、通信及び航法システムが改善された。

プロジェクト23120船は、貨物輸送、曳航、水路調査、遭難した艦の援助の為に意図されている。
クレーン設備動態位置決定システムのお陰により、船は無設備の埠頭の岸壁及び外海で積載操作を行なえる。
自動化クラスA1は、当直無しでの勤務を保障する。
砕氷クラスArc4の船体は、厚さ0.6mの氷の突破が考慮されている。

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船は、有名なサッカー及びアイスホッケー選手、功労あるスポーツの達人、ソヴィエト社会主義共和国連邦の功労あるコーチ、オリンピックのチャンピオン、オリンピック競技の歴史上、他の種類のスポーツを含め(サッカーとアイスホッケーの)双方で我が国の選抜チームの主将を務めた唯一のスポーツマンのフセヴォロド・ミハイロヴィチ・ボブロフ(1922年12月1日~1979年7月1日)に敬意を表して命名された。




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プロジェクト23120多機能後方支援船の2番船MB-75は、2013年12月19日にサンクトペテルブルク『北方造船所』で起工されました。
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2015年2月5日に「フセヴォロド・ボブロフ」と改名されました。

2016年11月14日に進水しました。
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その後、岸壁で艤装作業が進められました。
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「フセヴォロド・ボブロフ」の洋上試験は、2020年12月初頭にバルト海で開始される予定でしたが、延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験の準備を進めている]

2021年3月20日、「フセヴォロド・ボブロフ」は洋上試験の最初の段階となる工場航行試験を開始する為にサンクトペテルブルクから出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験を開始した]

3月31日に補給の為、一旦クロンシュタットへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験の第1段階を終えた]

補給を終えた「フセヴォロド・ボブロフ」は4月4日に工場航行試験を再開し、同等の排水量(つまり9500トン前後)の船の曳航試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験を再開した]

4月中旬に洋上試験を一旦終え、船体外部の点検の為にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻りました。

工場航行試験は1ヶ月間続き、その後に最終洋上試験となる国家試験が始まります。

「フセヴォロド・ボブロフ」は、2021年前半、つまり2021年6月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは2021年前半にロシア海軍へ就役する]
就役後は黒海艦隊へ配備されます。


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プロジェクト23120の1番船「エリブルス」は2018年4月9日に就役しました。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

2019年2月~7月にはフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と共に世界一周航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]

プロジェクト23120の3番船「カピタン・シェフチェンコ」は2014年7月24日に起工されており、太平洋艦隊への配備が予定されています。
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ロシア海軍北方艦隊の最新大型揚陸艦イワン・グレンは修理を行なう

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年4月13日10時58分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は修理が行なわれる】

プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、第10艦船修理工場で修理を行なう。
『Sudostroenie.info』が同社広報サービスを運用して明らかにしたように、第15作業場の専門技術者は、既に自動電源切り替え装置の1つの問題点洗い出しの作業を行なっている。


現在、第4作業所の労働者は、消火システムと排水システムを接続するフランジの漏れの除去に従事している。
この作業は4月末まで完了しなければならない。

「イワン・グレン」プロジェクト11711大型揚陸艦のトップであり、2018年6月20日に北方艦隊へ補充された。
大型揚陸艦の建造は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工されてから約14年間続いた。

プロジェクト11711大型揚陸艦の排水量は5000トン、船体長120メートル、幅16.5メートル。
速力18ノット。
乗組員100名。
艦は13両の戦車或いは36両の歩兵戦闘車、更には300名の揚陸隊員を積載できる。

大型揚陸艦の兵装は、2基の30mm6銃身自動砲AK-630と1基の2連装AK-630M-2である。
甲板には捜索救助ヘリコプターKa-27PS或いは輸送戦闘ヘリコプターKa-29が駐留する。



プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期され、2016年5月末開始予定も延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月28日に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
[フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した]

フィンランド湾での航行試験は2016年8月31日に完了し、「イワン・グレン」バルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンはフィンランド湾での洋上試験を終えた]

しかし、その後に艦の消磁システムの不具合が発覚し、航行試験は中断されました。

「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡される筈でしたが、またも翌年(2017年)に延期される事になりました。

「イワン・グレン」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で不具合の改修が進められていました。
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2017年6月3日にカリーニングラードからバルチースクへ移動し、6月上旬に洋上試験を再開しました。

[ロシア海軍の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバルト海での洋上試験を再開する]

その後、7月30日の「ロシア海軍の日」観艦式へ参加するため、クロンシュタットへ移動しました。

7月30日、クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

その後、洋上試験を再開し、10月21日にはバルト海AK-630M 30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月21日11時14分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で砲複合体の試験を行なった】

10月27日にも30mmガトリング砲の射撃試験を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年10月27日14時29分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」乗組員は海上で砲射撃を実施した】

11月14日までに工場航行試験は終わりました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年11月14日20時53分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」は工場航行試験を完了した】

その後、国家試験が始まり、12月9日までに軍用車両の積載及び下船試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月9日11時6分配信
【大型揚陸艦「イワン・グレン」の国家試験の枠組みで車両積載試験が実施された】

12月22日までにバルト海30mm機関砲(AK-630M 30mmガトリング砲30mm2連ガトリング砲「ドゥエト」)の射撃試験が行われました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2017年12月22日14時0分配信
【試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」はバルト海で砲射撃を実施した】


「イワン・グレン」は2017年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、艦の後進の制御に問題が有る事が判明した為、またもや引き渡しが延期されました。
[最新大型揚陸艦イワン・グレンのロシア海軍への引き渡しは2018年春以降になる]

2018年4月3日、「イワン・グレン」国家試験を再開する為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは洋上試験再開の為にバルト海へ出航した]

5月4日までに試験は完了し、カリーニングラード造船所へ戻ってきました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの洋上試験は完了した]

その後は造船所で検査が行なわれ、6月2日に完了しました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ引き渡す前の検査を完了した]

そして2018年6月20日、「イワン・グレン」ロシア海軍へ納入され、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催されました。

[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
2018年10月22日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
「イワン・グレン」北方艦隊第121揚陸艦旅団へ編入されました。

その後の動向は明らかにされていませんが、2021年4月からポリャールヌイ『第10艦船修理工場』で修理が始まりました。


2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月11日に起工され、2018年5月25日に進水、2020年12月23日にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊第121揚陸艦旅団へ編入されました。

[プロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]
2021年1月30日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]


以前にはプロジェクト11711の建造は「イワン・グレン」「ピョートル・モルグノフ」の2隻で終了する予定でしたが、その後、一転して2隻が追加建造される事になりました。
[ロシア海軍の為に2隻のプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)が追加建造される]

そして2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」の2隻が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]

「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」太平洋艦隊へ配備されます。
『イズベスチヤ』より
2019年6月5日0時1分配信
【太平洋からクリルへ:新たな「揚陸艦」は極東の境界を強化する】

ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る


『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年4月12日23時50分配信
【地中海へ5隻目のロシア連邦海軍の大型揚陸艦が入った】
イスタンブール、4月12日、インタファクス

黒海艦隊大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」は月曜日にボスポラス海峡を通行し、地中海エリアへ入った。
地元の情報ポータルサイトは発表し、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。

以前に『ツイッター』で公表されたOSINT-1によるヨーロッパ衛星「コペルニクス」の画像から判断すると、これは、現在地中海に滞在する5隻目のロシア大型揚陸艦である。

4月8日の画像によると、シリアタルトゥース港ロシア海軍基地海域には、バルト艦隊の2隻の大型揚陸艦北方艦隊の2隻の大型揚陸艦が居る。

海外メディアによれば、ロシア海軍大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアフマイミーン飛行場ロシア航空群、タルトゥース海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける『シリア・エクスプレス』と呼ばれる作戦へ参加している。



ロシア海軍大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に従事しています。
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当初は大型揚陸艦のみが『シリア・エクスプレス』へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。

「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦です。


黒海艦隊大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(1987年就役)は、2020年には計7回の『シリア・エクスプレス』へ従事しました。

・3月2日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。

[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクはボスポラス海峡を通過してシリアへ向かった]

・4月20日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]

・5月17日にボスポラス海峡を南下、5月29日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]

・6月1日にボスポラス海峡を南下、6月12日に北上。

2020年2020年9月21日から26日までロシア南部黒海、カスピ海で実施されたロシア南方軍管区戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加する]

・11月4日にボスポラス海峡を南下、11月13日に北上。

・12月4日にボスポラス海峡を南下、12月15日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』へ従事した後に黒海へ戻った]

・12月22日にボスポラス海峡を南下、12月29日に北上。
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2021年2月19日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは地中海東部で『シリア・エクスプレス』に従事する]
3月5日にボスポラス海峡を北上し、黒海へ戻りました。

そして4月12日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
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記事中で触れられていますが、現在、地中海東部には、「ノヴォチェルカッスク」以外にも4隻の大型揚陸艦が居ます。

2021年3月26日にはバルト艦隊大型揚陸艦「カリーニングラード」(102)と「コロリョーフ」(130)がジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
4月初頭にはシリアタルトゥースへ到着しました。

更に、北方艦隊大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)と「コンドポガ」(027)も、4月初頭にシリアタルトゥースへ到着しました。
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この2隻は、最近の北方艦隊北極遠征部隊「常連」です。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
[ロシア北方艦隊第7次北極圏遠征(2018年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊の第6次北極海遠征(2017年8月-10月)]

「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、2017年10月から12月まで地中海東部で行動しています。
[シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を行なったロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーは母港セヴェロモルスクへ帰投した]

「コンドポガ」は、2012年7月から8月まで地中海東部への遠距離航海を行ないました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]


現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」
2020年12月下旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」2021年3月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」2021年3月中旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」2021年3月初頭から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」2021年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2021年3月上旬から地中海東部に滞在
海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2021年3月下旬より地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2021年4月初頭から地中海東部に滞在

[バルト艦隊]
大型揚陸艦「カリーニングラード」
:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「コロリョーフ」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在

[北方艦隊]
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」
:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「コンドポガ」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在

ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月にロシア海軍へ就役する?

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『インタファクス』より
2021年4月12日11時29分配信
【原子力潜水艦「カザン」のロシア連邦海軍への加入は5月に計画されている】
モスクワ、4月12日、インタファクス-ロシア

多目的原子力潜水艦「カザン」は、近い内に検査出航を行なう予定であり、その後、ロシア連邦海軍への加入が計画されている。
『インタファクス』は月曜日に業界の情報提供者より伝えられた。

「潜水艦の御引き渡しは5月に計画されております」
情報提供者の1人は話した。

他の対談者は、ロシア連邦海軍への加入を前に、潜水艦は海上への検査出航を行なうと話した。

3月4日、『統合造船業営団』は、「カザン」は全ての試験を行なっており、海軍への引き渡しの準備の用意が出来ていると伝えた。

「2020年2月28日、プロジェクト"ヤーセン-M"潜水艦のトップ"カザン"は、全種類の国家試験を完了しました。
現時点で『セヴマシュ』は問題点を除去する全ての作業を完了し、原子力潜水艦を海軍へ御引き渡しする準備を整えております。
受領証書への署名と艦への聖アンドレイ旗掲揚の時期に関する決定は、海軍総司令部が下さなければなりません」
『統合造船業営団』
広報サービスは伝えた。

「潜水艦は2年半航行試験に在り、私共は、通常は機械部品の最初の修理を行なう最初のサービス間隔へ近付いています。
今日において、更なる長期間の試験を必要とするような問題は見当たりません」

2月4日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフ『インタファクス』のインタビュー受け、こう話した。

インタビューにおいてラフマノフは、原子力潜水艦「カザン」は、メカニズムの仕上げ及び修正の最終段階に在ると言った。

3月19日、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、ロシア海軍は2021年に3隻の原子力潜水艦を戦闘編制へ受け入れると述べた。

「年末までにロシア海軍は、『セヴマシュ』社で建造されているプロジェクト"ボレイ-A"戦略用途ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグ、プロジェクト"ヤーセン"原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスクを受け入れます」
エフメノフ
は話した。

「今年は更に、2隻の戦略用途ロケット水中巡洋艦~クニャージ・ポチョムキンと、番号潜水艦として新たな兵器システム及び機材の試験任務の遂行を続ける前世代の艦から名前を移されるドミトリー・ドンスコイが起工されます」
エフメノフ
は話した。

[「カザン」の試験]
「カザン」
は、2017年に進水した新たなプロジェクト「ヤーセン-M」潜水艦のトップである。
試験完了時期は一度ならず延期された。

ロシア連邦国防省によると、「カザン」は、標準乗組員と受入-試運転チームを乗せて2020年11月21日に出航した。

2020年11月、「カザン」白海エリアから対艦ミサイル「オーニクス」(科学生産合同『機械製造』、コーポレーション『戦術ミサイル兵器』)の試験発射を実施した。
それまでに「カザン」白海から1000キロメートル以上離れたアルハンゲリスク州チジャ射爆場への有翼ミサイル「カリブル」(コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』)の射撃を実施した。

プロジェクト885M「ヤーセン-M」多目的原子力潜水艦は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」の搭載艦である。
極超音速ミサイル「ツィルコン」(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』により試験が行なわれている新たなロシア極超音速ミサイル)での武装が計画されていると伝えられた。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]

建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月~6月にロシア海軍へ就役する]

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今後、「カザン」は最終点検の為、もう1度海上へ出なければなりませんが、それは白海が解氷した後になります。
その後、「カザン」の引き渡しの準備が行なわれます。

その後、「カザン」の就役は2021年7月25日になるという話も出てきました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年7月25日にロシア海軍へ就役する]

しかし今回、またもや2021年5月就役という話が出てきました。

今回の「匿名希望の情報提供者」によると、「カザン」の最終点検の為の出航は、早ければ4月中にも行なわれるようです。
その後に「カザン」の引き渡しの最終準備が行なわれるので、順調なら5月中に就役できるという事のようです。

ロシアのルビーン海洋技術中央設計局は潜航哨戒艦ストラーシュ(守護者)を設計した

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『タス通信』より
2021年4月12日16時26分配信
【中央設計局『ルビーン』はロシア初の潜航哨戒艦「ストラーシュ」を開発した】
モスクワ、4月12日/タス通信

中央設計局『ルビーン』(『統合造船業営団』へ加入)は、外国の発注者の為に意図されているロシアで初めての潜航哨戒艦を開発した。
『タス通信』中央設計局の広報サービスより伝えられた。

「『ルビーン』は、潜水艦と水上哨戒艦の長所を組み合わせた潜航哨戒艦の最初のモデルを提示します」
同社は話した。
プロジェクトは「ストラーシュ」(守護者)の名を受け、BOSS(Border and Offshore Submersible Sentry)の名で世界市場へ出される事を中央設計局は指摘した。

「世界市場における哨戒艦の価格は比較的安価であり、予算が少ない国でも受け入れられます。
密漁及び他の経済的犯罪を防ぐ事で運用は元が取れます。
このタイプの艦は多機能であり、保護の為、更には救助船や研究船としても使用できます」

広報サービスは通知した。

同社が指摘したように、『ルビーン』の艦を選択する際、機器は、水上艦及び航空機の為のシステムを含め、量産され、商業的な裏付けの在る既存のモデルへ出来る限り合わせる。

水中位置では、艦へ2つの利点を同時に与える:隠密裏に侵入者の監視を行ない、哨戒を中止せずに悪天候条件から逃れる可能性を。
「潜航艦は、模範的な潜水艦としても使用できます~偵察や他の任務の為に。
潜航哨戒艦は、同様の水上艦よりも、陸棚の調査能力が高くなります。
これは更に、将来の模範的な潜水艦の購入の為の乗組員とインフラストラクチュアを準備する為の安価な練習手段としても使えます」

広報サービスは付け加えた。

中央設計局『ルビーン』は、原子力潜水艦及び通常動力潜水艦の作成における世界的なリーダーの1つであり、ロシア最大の海洋技術設計局である。

ロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Il-38とIl-38Nはカムチャツカ沖で対潜戦闘と機雷敷設の訓練を実施した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍管区(艦隊)広報サービス発表
2021年4月12日5時30分配信
【初めて同時に太平洋艦隊の5機の航空機Il-38が仮想敵潜水艦グループの捜索を実施し、機雷の設置を行ない、対潜爆撃を行なった】

ロシア北東軍集団混成航空連隊の5機の対潜航空機Il-38及びIl-38Nから成る戦術グループは、冬季訓練期間の最終点検の枠組みにおいて、機上対潜複合体を使用する仮想敵潜水艦の捜索、探知、追跡の複合活動へ取り組んだ。

航空機支隊の乗員は、離陸、戦闘隊形、アヴァチャ湾における低高度及び極低高度での密集隊形での操縦術へ取り組んだ。

指定海域で航空機は特殊模擬水中目標を探知し、空中から深海爆弾で攻撃した。
乗員は、約50発の実用練習爆弾を使用した。

更に航空機Il-38は、仮想敵の艦が展開し、潜水艦が行動する可能性の有るルート上への空中からの機雷源の設置の課題を解決した。



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太平洋艦隊対潜哨戒機Il-38は、沿海地方ニコラエフカ飛行場カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に配備されています。

エリゾヴォ飛行場
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エリゾヴォには太平洋艦隊海上航空隊第317独立混成航空連隊が配備されており、Il-38と、近代化改修されたIl-38Nが駐留しています。

2021年4月12日には、3機のIl-38と2機のIl-38Nカムチャツカ半島沖で対潜戦闘及び機雷敷設訓練を行ないました。

ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海東部を去る

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年4月10日17時0分配信
【バルト艦隊の艦船は大西洋へ進路を取った】

コルベット「ストイーキー」、給油船「コラ」、海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」、水上修理所PM-82で構成され、遠距離航海任務を遂行しているバルト艦隊艦船支隊は、4月8日にタルトゥース港から地中海へ出航した。

現在、バルト艦隊艦船支隊は、複雑な気象条件故に地中海の湾の1つに滞在しており、バルト艦隊艦・支援船支隊は、天候の回復を待っている。
その後に支隊は移動を続ける。

バルト艦隊の艦船は、約4ヶ月間遠距離航海任務を遂行している。
この間にコルベット「ストイーキー」給油船「コラ」は国際演習へ参加する為にインド洋へ到着した。
インド洋コルベット「ストイーキー」は様々な方向性の数十回の演習へ取り組んだ。
イラン・イスラム共和国オマーン・スルタンの港へ業務寄港の為に到着した。
艦の将兵は対空及び対潜防衛演習を、対テログループは対海賊演習を実施した。
紅海に居る時、艦船支隊は初めてポートスーダンへの業務寄港を行なった。

コルベット「ストイーキー」、中型海洋給油船「コラ」、海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」で構成されるバルト艦隊艦船支隊は、計画遠距離航海任務を遂行する為、2020年12月16日に恒久駐留所バルチースク市から出航した。



バルト艦隊プロジェクト20380コルベットの4番艦「ストイーキー」(2014年7月27日就役)は、2020年12月16日に地中海・インド洋への遠距離航海へ出発しました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海とインド洋への遠距離航海へ出発した]
「ストイーキー」地中海、そしてインド洋へ行くのは、今回が初めてです。
(これまでは北海までしか行かなかった)

「ストイーキー」に随伴するのは、この2隻です。

中型海洋給油船「コラ」(1967年10月19日就役)
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『Marine Traffic』より
【給油船「コラ」】

海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」(1978年3月20日就役)
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12月24日にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過する]

ラ・マンシュ海峡を通過した後、12月28日に大西洋上で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は大西洋上で対潜演習を行なった]
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12月29日、「ストイーキー」と随伴船はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

「ストイーキー」と随伴船は地中海中部で2021年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の4隻の艦船は地中海で2021年の新年を迎える]

その後、地中海東部へ向かい、2021年1月9日にロシア海軍物資供給所が在るシリアタルトゥース港へ到着しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はシリアのタルトゥース港へ寄港した]

なお、「コラ」は別行動を取り、2021年1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った北方艦隊フリゲート「アドミラル・カサトノフ」救助曳船「ニコライ・チケル」への洋上給油を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

一方、「ストイーキー」は1月22日に地中海東部で模擬射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海東部で模擬射撃演習を行なった]

その後、「コラ」「ストイーキー」と合流し、1月26日にキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はキプロスのリマソール港を訪れた]
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1月29日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はキプロスのリマソール港を去った]

その後、南下してスエズ運河へ入り、2月1日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]

2月6日にはアデン湾東部に到達し、アデン湾から紅海へ行く民間船の護衛を開始しました。。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾で商船を護衛する]

その後、イラン沖へ向かい、2月15日からイラン海軍との合同演習を開始しました。
[ロシア海軍とイラン海軍の合同演習がアラビア海で実施される]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアラビア海でイラン海軍との合同演習へ参加する]

2月16日には海賊に乗っ取られた船を解放する訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍と合同で海賊対処演習を行なった]

これでイラン海軍との合同演習は完了し、バルト艦隊艦船支隊イラン沖を離れ、オマーンサラーラ港へ向かいました。

[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍との合同演習を完了し、オマーンへ向かった]

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2月20日にサラーラ港へ入港し、物資(燃料、水、食料)を補充した後、2月23日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はオマーンのサラーラ港への訪問を終えた]

2月25日にアデン湾東方海域へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を西進する商船を護衛する]

2月26日、バルト艦隊艦船支隊は、アデン湾を西進するサンクトペテルブルク有限会社『トランスフロート』に所属する貨物船「エセニヤ」(IMO: 9194036、1999年10月18日竣工)の護送を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を通過するロシアの貨物船を護送する]

『Marine Traffic』より
【「エセニヤ」】

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紅海へ入るまで貨物船「エセニヤ」に同行した後、3月2日からアデン湾を東進する商船2隻の護送を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を東進する商船を護送する]

3月12日に再びオマーンサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は再びオマーンのサラーラ港を訪れた]

3月15日にサラーラ港を出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はオマーンを去った]

その後、スーダンポートスーダンへ寄港し、3月19日に出航しました。
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[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はスーダンを訪れた]

3月23日、「ストイーキー」と共に紅海を北上していた給油船「コラ」の船尾にバルバドス貨物船「アーク・ロイヤル」(IMO:9219446) が接触しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラはスエズ湾でバルバドスの貨物船と接触した]
ただし損傷は極めて軽微であり、乗組員に負傷者は無く、燃料も流出していません。

『Marine Traffic』より
【貨物船「アーク・ロイヤル」】

そして、「ストイーキー」「コラ」スエズ運河へ入ろうとしていた矢先の3月23日、運河を通行中の大型貨物船が座礁し、運河が塞がってしまいました。


この為、「ストイーキー」「コラ」も足止めを喰らう事になりました。

座礁した大型貨物船は3月29日に離礁に成功し、スエズ運河の航行は再開されました。


これを受けて「ストイーキー」「コラ」スエズ運河を通過し、3月31日には地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と中型海洋給油船コラはスエズ湾を通過して地中海へ入った]

4月2日、「ストイーキー」は再びキプロスリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は再びキプロスのリマソール港を訪れた]

リマソール港を出航後、シリアタルトゥース港へ行き、地中海東部に留まっていた海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」、更には2020年12月下旬からタルトゥース港に居た水上修理所(工作船)PM-82と合流し、4月8日に同港から出航しました。

今後、「ストイーキー」と3隻の随伴船地中海を西へ進み、大西洋へ出ます。


なお、地中海東部には、既にPM-82と交代する黒海艦隊工作船PM-138が到着しています。
(4月1日にボスポラス海峡を南下)
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ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年4月10日19時0分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」はノルウェー海で対潜任務へ取り組む】

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」率いる北方艦隊艦・支援船支隊は、ノルウェー海へ入った。
今後数日間、軍事船員は道すがら艦内水中音響機器の助力による潜水艦の捜索、更には漁業海域でのロシア漁師の安全の保障へ取り組む。

ロシア最新フリゲートの最初の遠距離航海は、完了に近付いている。
乗組員には、更にバレンツ海での一連の戦闘訓練任務への取り組みが待ち受けており、その後に艦は北方艦隊主要基地セヴェロモルスクへ到着する。

ロシア最新フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の最初の遠距離航海は、昨年12月30日から続いている。
2ヶ月以上に渡り艦は地中海で行動し、アルジェリア、ギリシャ、エジプト、キプロス、シリア、トルコの港を訪れ、単独で、そしてロシア海軍の他の艦や航空機と協同で一連の演習を実施した。

フリゲートと共に、救助曳船ニコライ・チケル」中型海洋給油船「ヴャジマ」が行動している。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月21日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]

数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]

バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]

この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

11月7日、バレンツ海白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]

バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」白海有翼ミサイル「カリブル」チジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。


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2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]
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1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

1月15日にバルト艦隊中型海洋給油船「コラ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

1月18日にアルジェリアアルジェ港へ寄港しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた]
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1月20日にアルジェ港を出航し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアを去った]

1月22日から地中海中部(マルタ海峡付近)で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中部で演習を開始した]

1月26日、「ニコライ・チケル」地中海東部キプロス島南部のリマソール港を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を訪れた]

1月27日、「アドミラル・カサトノフ」地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

1月28日、「ニコライ・チケル」リマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]
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その後、「ニコライ・チケル」「アドミラル・カサトノフ」は合流し、2月3日にはギリシャピレウス港を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャのピレウス港を訪れた]

2月5日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

そして、地中海東部で行動中の「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」へ、北方艦隊プロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流する事になり、2月初頭にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマは地中海東部でフリゲート"アドミラル・カサトノフ"と合流する]

『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

一方、「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月16日にエジプトアレクサンドリア港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を訪問した]

最近は世界的なコロナウイルス流行の為、外国港を訪れても乗組員の市内旅行は行なわれていませんでしたが、今回のアレクサンドリア訪問では、久しぶりに市内旅行が実施されました。

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月18日午後にアレクサンドリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を去った]

その後、「アドミラル・カサトノフ」エーゲ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエーゲ海に居る]
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一方、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」は、3月2日にキプロス島南部のリマソール港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港へ寄港した]

同じ3月2日、「アドミラル・カサトノフ」は、マルマリス近郊のトルコ海軍基地アクザス・カラーガチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコ海軍基地を訪れた]
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「アドミラル・カサトノフ」は3月4日にアクサズ・カラーガチから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコのアクサズ海軍基地を去った]

翌3月5日、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」リマソール港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]

3月8日、今度は「アドミラル・カサトノフ」リマソール港へ寄港し、3月10日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はキプロスのリマソール港へ寄港した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」は西へ向かい、3月17日にはクレタ島南東海域で行動していました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖に居る]

3月22日に給油船「ヴャジマ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖で洋上給油を受けた]

3月24日に再びギリシャピレウス港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は再びギリシャのピレウス港を訪れた]

「アドミラル・カサトノフ」は3月26日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

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その後、「アドミラル・カサトノフ」と随伴船は地中海を東進し、3月29日に「ヴャジマ」から洋上給油を受け、3月30日には地中海中央部(アルジェリア東方沖付近)で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中央部で潜水艦捜索演習を行なった]

4月1日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海を去った]

その後、ビスケー湾を通過し、4月5日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過する]

しかし、海峡を通過中に嵐に遭遇した為、セーヌ湾で数日間停泊しました。
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その後、再び移動を開始し、4月8日にパ・ド・カレーを通過しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過した]

4月10日にはノルウェー海へ入りました。

今後、「アドミラル・カサトノフ」は各種訓練を行ないながら母港セヴェロモルスクへ戻ります。

ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は太平洋でアメリカ空軍の戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を実施した


『タス通信』より
2021年4月10日14時34分配信
【戦闘機MiG-31は太平洋でアメリカの偵察航空機に同行した】
モスクワ、4月10日/タス通信

ロシア戦闘機MiG-31は、太平洋の中立水域上空でアメリカ合衆国空軍戦略偵察航空機RC-135ロシア連邦の境界線へ接近した事に関連し、空へ上がった。
土曜日にロシア連邦国家防衛管理センターは発表した。

「2021年4月10日、ロシアの空域監視手段は、太平洋の中立水域上空でロシア連邦の国境線へ接近する空中目標を探知しました。
空中目標の特定とロシア連邦の国境線への侵入を防ぐ為、東部軍管区の対空防衛当直部隊の戦闘機MiG-31が空へ上がりました」

声明では、こう述べられた。

ロシア戦闘機の乗員は、空中目標をアメリカ合衆国空軍戦略偵察航空機RC-135と識別し、太平洋エリア上空でそれに同行した。

「外国の軍用航空機がロシア連邦の国境線から離れた後、ロシア戦闘機は無事に駐留飛行場へ戻りました」
ロシア連邦国家防衛管理センター
は指摘した。

ロシア戦闘機の飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施された事が強調された。
「ロシア連邦の国境線の侵犯を許す事は有りませんでした」
声明では、こう述べられた。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、30機程度のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2019年2月20日に最初の2機がカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは空中戦闘訓練を行なった]

2020年2月8日、次のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊へ高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]

2020年12月1日、数機のMiG-31BMチュクチ半島アナドイル空港へ展開し、戦闘当直任務、つまりスクランブル待機に就きました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはチュクチ半島で戦闘当直に就いた]

2020年12月11日にベーリング海上空でアメリカ空軍戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を行なったのも、おそらくはアナドイル派遣隊でしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31はベーリング海でアメリカ空軍の戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を行なった]

2021年4月10日には太平洋上空でアメリカ空軍戦略偵察機RC-135に対するスクランブル発進を実施しました。
今回の発表では東方軍管区MiG-31としか述べられていませんが、おそらくはエリゾヴォに駐留する海軍航空隊MiG-31でしょう。
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現在の所、太平洋艦隊海軍航空隊では、第317混成航空連隊の下に1個飛行隊が配備されているMiG-31ですが、今後は更なる1個飛行隊が増強される事になるようです。
[カムチャツカに駐留するロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31は増強される]

ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵部隊はカムチャツカで上陸演習を行なった


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年4月9日5時1分配信
【カムチャツカで太平洋艦隊の海軍歩兵連合部隊は複合空中-海上揚陸部隊の上陸を行なった】

カムチャツカでは、冬季訓練期間の最終点検の枠組みでロシア北東軍集団海軍歩兵連合部隊の双務大隊戦術演習の最終段階が実施された。
演習中に海軍歩兵は、複合海上・空中揚陸部隊の上陸を伴う仮想敵の対揚陸防衛の突破の課題へ取り組んだ。

噴射推進砲で強化された海軍歩兵大隊の上陸は、指定されない無防備の海岸への海上揚陸部隊の空中強襲梯団として、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスヴェート」、「オスリャービャ」から行なわれた。

主力部隊の進入までの沿岸帯の地雷除去、占拠、場所の保持は、ヘリコプターKa-29、Mi-8AMTsh、高速艇の戦闘戦術グループの支援を受けた戦闘泳者により保障された。
演習の特殊性は、沿岸での行動への取り組みと同時に、海軍歩兵旅団降下強襲大隊が初めて4機の航空機An-12及びAn-26から落下傘方式で降下を行なった事に在った。
航空機は4度の発信を行ない、未知の着陸場所へ600名の空挺隊員が着地した。
成功裏に着地した後、部隊の海軍歩兵は指定防衛線を占拠、保持する為の戦術行動へ取り組んだ。

合計で約1400名の将兵と、250両以上の戦闘車両及び特殊工兵支援車両を含む特殊車両が様々な段階で演習へ関わった。



現在、ロシア太平洋艦隊には、4隻の大型揚陸艦が在籍しています。
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[第100揚陸艦旅団](フォキノ)
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
(1982年9月28日就役)
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大型揚陸艦「ペレスヴェート」(1991年4月10日就役)
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大型揚陸艦「オスリャービャ」(1981年12月19日就役)
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大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」(1974年7月30日就役)
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2020年6月上旬、4隻の大型揚陸艦は、沿海地方から遠く離れたチュクチ自治管区プロヴィデニヤ湾まで海軍歩兵部隊の兵員と車両を輸送し、上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻はチュクチで上陸演習を行なった]
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演習には、沿海地方に駐留する第155独立海軍歩兵旅団及びカムチャツカに駐留する第40独立海軍歩兵旅団から約1000名の将兵と300両の各種車両(T-80BV戦車を含む)が参加しました。
[沿海地方のロシア太平洋艦隊海軍歩兵旅団はT-80BV戦車を受け取った]

その後も海軍歩兵部隊大型揚陸艦プロヴィデニヤ湾地域に留まり、演習を続けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦と海軍歩兵部隊はチュクチで演習を続けている]

2020年8月のベーリング海でのロシア海軍演習『大洋の盾-2020』にも参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵はチュクチで上陸演習を行なった]

演習が終わった後も引き続き洋上に留まり、11月12日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻は5ヶ月間の航海を終えてウラジオストクへ帰投した]


2021年4月初頭、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」、「ペレスヴェート」、「オスリャービャ」の3隻はカムチャツカへ移動し、クラスノダール-ハバロフスク2度赤旗授与・第40独立海軍歩兵旅団の上陸演習へ参加しました。

更に、輸送機からの空挺降下も同時に行なわれました。

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33とMiG-29Kは北極圏へ派遣される

『イズベスチヤ』より
2021年4月9日0時1分配信
【翼の下の北方:艦上戦闘機パイロットは新たな勤務場所を見つけた】

巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理中、その2個航空連隊は、北極圏の対空防衛保障を手助けする。
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航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を母艦とする第100及び第279独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、新たな勤務場所を見つけた。
今、彼らは北極圏の対空防衛と北方海上航路上空の空域を保障している。
この為、定期的にノヴァヤ・ゼムリャ及び他の北極の飛行場へ移動している。
艦自身の修理後の復帰は、来年末よりも前にはならない。
配置換えにより、パイロットは必要な水準の準備態勢の維持が可能になると専門家は考えている。

[エリートの中のエリート]
わが国唯一の航空巡洋艦の修理中、その艦上戦闘機Su-33MiG-29K/KUBの一部は、ローテーションによりノヴァヤ・ゼムリャ及び他の北極地域で戦闘勤務へ就き、北方艦隊の機動予備となる。
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これは、この地域のより良いカバーのみならず、2個艦上航空連隊のユニークなパイロットの準備態勢の水準の維持を可能にすると国防省の情報提供者は『イズベスチヤ』へ話した。

3月に防衛当局は、第100独立艦上航空連隊艦上戦闘機MiG-29Kグループが、歴史上初めてノヴァヤ・ゼムリャ諸島ロガチョフ飛行場で試験戦闘当直へ入ったと発表した。
これにより、北方海上航路上空の監視空域は著しく増加する。

艦上戦闘機は、2017年からドック修理に在る「アドミラル・クズネツォフ」から未だ飛行できない。
2月に『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、2019年に発生した巡洋艦の火災は、大きな損害を与えなかったと述べた。
彼によれば、国防省との契約で規定されているように、2022年の作業完了の為に「スケジュールの維持に努力する」

昨年12月、ノヴァヤ・ゼムリャ及びチュクチで初めて北方艦隊及び太平洋艦隊戦闘機MiG-31BMの戦闘勤務がスタートした。
これらの迎撃機は、アレクサンドル島の新たな飛行場でも見られた。
乗組員は時々ローテーションする。
ロガチョフ飛行場では毎月交代する。

「クリミアの射爆場は、極度の北極条件における実際の戦闘勤務経験に代わるものではありません」
軍事専門家ウラジスラフ・シュルイギン『イズベスチヤ』へ話した。
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「巡洋艦の長期修理の為、その航空ループを、ほぼ新たに復活させる必要が有る時、我々には既にに前例が有ります。
現在、艦への着艦を許可されたパイロットは、殆ど残っていません。
ですが、北極での飛行は、更に非常に困難です」


しかし、理由は、準備態勢ただ1つに限定されない。
艦上飛行士は、エリートの中のエリートである。
経験豊富なパイロットを有する現代的な戦闘機の2個連隊は、より多くの不安が在る北極で、本当に助けになる。
この方向の重要性は、今年初めに北方艦隊が完全に軍管区となった事により強調されると専門家は指摘した。

[艦上機隊員]
現在、北方艦隊の2個独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士のみが「クズネツォフ」甲板での発艦と着艦を準備している。
双方ともムルマンスク近郊のセヴェロモルスク-3飛行場に駐屯している。
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第279独立艦上戦闘機航空連隊は、この中で最古である。
それは、約15機の艦上戦闘機Su-33航空母艦での行動に適合したSu-27の特殊変更型~で武装する。
2015年12月1日、最新のMiG-29K2座練習戦闘機MiG-29KUBを装備する新たに形成された第100独立艦上戦闘機航空連隊が補充された。

Su-33と比べ、第100航空連隊多目的戦闘機の兵装リストは、遥かに広範囲である。
「空対空」武器に加え、それは誘導爆弾と、地上及び海上目標を攻撃する為の有翼ミサイルを使用できる。
その統合照準は、通常爆弾の高度の「積み重ね」と、偵察・管理・通信複合体「ストリリェーツ」からの外部照準を可能にする。

第279独立艦上戦闘機航空連隊Su-33の大部分は近代化が行なわれ、現在ではSVP-24「ゲフェスト」を装備している。
それは、戦闘機を、空中のみならず、地上物体への効果的な攻撃を可能にする機体へと変えた。
通常無誘導爆弾を、彼らは誘導爆弾にも劣らない精度で使用する。
2016~2017年のシリア沿岸への航海中、艦上機隊員は全てのタイプの航空機を実際の戦闘条件下で試運転した。

ロガチョフの基地に加え、このような航空機に適した年間発着場は、フランツ・ヨシフ諸島アレクサンドル島に建設された。
飛行場を有する他の支点基地は、北方海上航路のルートに沿って準備される。

[地上航空母艦]
「アドミラル・クズネツォフ」
ムルマンスク州に駐留している。
長い冬と極地の夜は、艦載飛行士、特に初心者の訓練をいつも困難にしている。
年間通しての訓練の為、より好ましい気候場所に地上複合体が作成された。
毎年、海上航空隊航空機及びヘリコプターの乗員は、南方の艦上航空隊科学試験トレーナー(ニートカ)クラスノダール地方クリミア~へ向かっている。
そこでは、制動ケーブル、発進トランポリン台、航法機器を備えた航空巡洋艦の甲板が完全に再現されている。

ニートカ射爆場は、クリミアサキ飛行場に1970年代に建設された。
ソヴィエト社会主義共和国連邦の崩壊後、ロシアは、艦上機隊員の訓練に使用する為、毎年ウクライナへ支払う必要が有った。
この為、黒海沿岸のエイスク地域に同様のトレーナーを作成する決定が採択された。
2013年、新たな第859海上航空隊要員戦闘順応・再訓練センターで、最初の発艦及び着艦訓練が始まった
クリミアの射爆場は活動を一時停止した。

現在、エイスク第859センターは、海軍の全てのタイプの航空機及びヘリコプターの主な訓練場所となっている。
その建設と拡張は続けられており、更に数年掛かる。

クリミアロシアへ復帰した後、サキの射爆場は保管され、修復された。
艦上機の訓練は、再びそこへ移された。
2014年、艦上戦闘機航空連隊の飛行士の航空機Su-33MiG-29K/KUBの訓練が再開された。

北極の島でのSu-33MiG-29Kの当直の開始は、これら南方の「地上航空母艦」での計画戦闘訓練の終了を意味しない。

ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年4月8日17時30分配信
【フリゲート「アドミラル・カサトノフ」はパ・ド・カレーを通過した】

フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」率いる北方艦隊艦・支援船支隊は、パ・ド・カレーラ・マンシュ海峡で最も狭い部分~を通過した。
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支隊は、天候の回復が観測される北海へ向けて移動している。
以前、航路上の嵐が故に、フリゲート支援船セーヌ湾の国際水域での停泊を行なった。

北方艦隊艦・支援船支隊は、3日前にラ・マンシュ海峡の通行へ着手した。

ロシア最新フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」の最初の遠距離航海は、昨年12月30日から続いている。
2ヶ月以上に渡り艦は地中海で行動し、アルジェリア、ギリシャ、エジプト、キプロス、シリア、トルコの港を訪れ、単独で、そしてロシア海軍の他の艦や航空機と協同で一連の演習を実施した。

フリゲートの遠距離航海は、救助曳船ニコライ・チケル」中型海洋給油船「ヴャジマ」により保障されている。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月15日にロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]

正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。

[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルクネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]

9月15日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]

10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]

「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]

数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]

バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]

この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

11月7日、バレンツ海白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]

バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]

翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」白海有翼ミサイル「カリブル」チジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。


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2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」セヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]

出航後、バレンツ海救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]
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1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

1月15日にバルト艦隊中型海洋給油船「コラ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]

1月18日にアルジェリアアルジェ港へ寄港しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた]
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1月20日にアルジェ港を出航し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアを去った]

1月22日から地中海中部(マルタ海峡付近)で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中部で演習を開始した]

1月26日、「ニコライ・チケル」地中海東部キプロス島南部のリマソール港を訪れました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を訪れた]

1月27日、「アドミラル・カサトノフ」地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

1月28日、「ニコライ・チケル」リマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]
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その後、「ニコライ・チケル」「アドミラル・カサトノフ」は合流し、2月3日にはギリシャピレウス港を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャのピレウス港を訪れた]

2月5日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

そして、地中海東部で行動中の「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」へ、北方艦隊プロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流する事になり、2月初頭にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマは地中海東部でフリゲート"アドミラル・カサトノフ"と合流する]

『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】

一方、「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月16日にエジプトアレクサンドリア港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を訪問した]

最近は世界的なコロナウイルス流行の為、外国港を訪れても乗組員の市内旅行は行なわれていませんでしたが、今回のアレクサンドリア訪問では、久しぶりに市内旅行が実施されました。

「アドミラル・カサトノフ」「ニコライ・チケル」は、2月18日午後にアレクサンドリア港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を去った]

その後、「アドミラル・カサトノフ」エーゲ海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエーゲ海に居る]
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一方、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」は、3月2日にキプロス島南部のリマソール港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港へ寄港した]

同じ3月2日、「アドミラル・カサトノフ」は、マルマリス近郊のトルコ海軍基地アクザス・カラーガチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコ海軍基地を訪れた]
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「アドミラル・カサトノフ」は3月4日にアクサズ・カラーガチから出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はトルコのアクサズ海軍基地を去った]

翌3月5日、「ヴャジマ」「ニコライ・チケル」リマソール港から出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマと救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]

3月8日、今度は「アドミラル・カサトノフ」リマソール港へ寄港し、3月10日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はキプロスのリマソール港へ寄港した]

その後、「アドミラル・カサトノフ」は西へ向かい、3月17日にはクレタ島南東海域で行動していました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖に居る]

3月22日に給油船「ヴャジマ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はクレタ島沖で洋上給油を受けた]

3月24日に再びギリシャピレウス港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は再びギリシャのピレウス港を訪れた]

「アドミラル・カサトノフ」は3月26日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]

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その後、「アドミラル・カサトノフ」と随伴船は地中海を東進し、3月29日に「ヴャジマ」から洋上給油を受け、3月30日には地中海中央部(アルジェリア東方沖付近)で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中央部で潜水艦捜索演習を行なった]

4月1日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海を去った]

その後、ビスケー湾を通過し、4月5日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は英仏海峡を通過する]

しかし、海峡を通過中に嵐に遭遇した為、セーヌ湾で数日間停泊しました。

その後、再び移動を開始し、4月8日にパ・ド・カレーを通過しました。

今後、「アドミラル・カサトノフ」は母港セヴェロモルスクへ戻ります。

プロジェクト11351境界線警備艦オリョールはロシア海軍へ移管される?

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『MASHNEWS』より
2021年4月7日11時50分配信
【情報筋:警備艦「オリョール」は海軍への移管が計画されている】

ロシア連邦保安庁の境界線沿岸保護局に留まっている2隻の1等警備艦プロジェクト11351の内の1隻は、ロシア海軍への移管が計画されている。
『MASHNEWS』は海軍に精通した情報提供者より伝えられた。


対談者によれば、今年、軍艦「オリョール」の技術的状態の検査の為、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー国防省委員会が訪れた。

「オリョールの最後の戦闘勤務は2018年12月でした。
その後、艦は第2カテゴリー予備役へ編入されました。
2019年春、警備艦は再び出航し、7月にはロシア連邦海軍の日のパレードラインに加わりました。
2019年11月、最終的に予備役へ編入する決定が下されました」


対談者は、プロジェクト11351を代替し、同様の特性を有する新たな1等境界線警備艦が受け入れられると説明した。

「境界線局は、予備役編入の時点で既に34歳の艦を更に保持する事は適切ではないと考えています。
境界線局の為に、新たなプロジェクト22100オケアーン警備艦シリーズが起工されていますので」

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艦が国防省へ移管された場合、海軍指導部は、その使用の可能性についての2つの選択肢を検討している。

「オリョールの外部検査は満足すべき状態でしたが、艦は2014年以来ドック入りしておりません。
これに関連し、ドックへ置く事のみが、その更なる運命を完全に明確出来るでしょう。
今、2つの選択肢が検討されています。
第1に、黒海艦隊への移動。
第2に、太平洋艦隊の艦の近代化及び修理の為の『ドナー』としての使用」


太平洋艦隊及び黒海艦隊の広報サービスは、「オリョール」の将来についての情報にすぐにコメントできなかった。

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[プロジェクトの歴史」
プロジェクト11351「ネレイ」
は、1970年代にソヴィエト社会主義共和国連邦国家保安委員会(KGB)の境界線海上部門の為に北方計画設計局が開発した。
それは、十分に成功した「警備艦」プロジェクト1135及び1135Mを発展させたものであり、兵装の変更及びヘリコプターの存在が異なっている。

合計9隻の同プロジェクト艦が起工された。
これらはケルチ造船工場『ザリフ』で建造された。
最初の7隻は国家保安委員会境界線部隊海上部門(その後、ロシア連邦境界線部隊ロシア連邦保安庁境界線局)へ加入し、第1境界線警備艦師団(カムチャツカ)及び第15独立境界線警備艦旅団(ナホトカ)で勤務に就いた。

更なる2隻はソヴィエト社会主義共和国連邦崩壊の時点で完成しておらず、ウクライナ海軍へと去り、「フリゲート」に分類された。
「キーロフ」U130「ヘトマン・サハイダチヌイ」と改名され、1993年に完成した(今もなおウクライナ海軍の旗艦である)
最後の「へトマン・ヴィシュネヴィエツキー」は船台で解体された。

[『MASHNEWS』参照]
排水量(満載)-3642トン
全長-122.98メートル
幅-14.2メートル
吃水-4.8メートル
最大速力-32ノット
航続距離-3600海里
自立行動期間-30日
兵装:1基の砲装置AK-100、2基の砲装置AK-630、1基の高射ミサイル複合体「オサー-MA2」発射装置、2基の533mm魚雷発射管、2基の噴射推進爆雷、1機のヘリコプターKa-27PS
乗組員-193名(士官22名)



[クリヴァクIII型フリゲート「オリョール」]
プロジェクト11351境界線警備艦の3番艦「ユーリー・アンドロポフ」は、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で1983年9月26日に起工され、1985年11月2日に進水しました。
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進水後の1986年3月7日に「第27回共産党大会記念」と改名され、1986年11月1日に国家保安委員会(KGB)へ引き渡されました。

1987年2月10日から3月25日に掛けて極東への移動航海を行ない、沿海地方ナホトカ港へ配備されました。
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1991年12月1日に「オリョール」と改名され、その後、カムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ配置替えとなりました。

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その後もカムチャツカ方面で行動していましたが、2019年11月に予備役となりました。


予備役に編入された「オリョール」ですが、最近、ロシア海軍への移管が検討されているようです。

仮に移管が実現した場合、同系列のプロジェクト1135警備艦「ラードヌイ」(861)、プロジェクト1135M警備艦「プイトリーヴイ」(868)が尚も現役に留まっている黒海艦隊へ移動するかもしれません。
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ロシア海軍の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極圏用の新型航法システムを装備する

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『タス通信』より
2021年4月8日9時3分配信
【戦闘機MiG-31BMは北極圏での作業の為の最新航法システムを受け取った】
モスクワ、4月8日/タス通信

迎撃戦闘機MiG-31BMは、北極地域における任務を成功裏に果たす事を可能にする最新航法システムを受け取った。
『タス通信』は、国営法人『ロステック』『統合航空機製造営団』広報サービスより伝えられた。

「MiG-31BMの作業遂行過程において、新たな衛星航法システムが設置されました。
これは、北極圏を含む地球上のあらゆる地点における航空機の航法の問題の解決を可能にします」

営団は話した。

北極での航法システムの動作には多くの特徴がある。
この地域は、先ず第一に有人宇宙船が北方緯度の頂点の上空を通過した事が一度も無かったが故に、不正確で複雑なままである。
第二に、北極地域では電離層の活動が多く感じられ、電子機器に数多くの問題を引き起こしている。
これにより、同期化の間違いや、その後の位置計算の間違いを引き起こす可能性が有る。

ロシア連邦国防省によると、航空機MiG-31BMは、定期的に北極ロシア上空で練習訓練飛行を行なっている。
2021年1月、北方艦隊遠距離行動迎撃戦闘機MiG-31BMの乗員は、ノヴァヤゼムリャ諸島で試験戦闘当直へ入った。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、30機程度のMiG-31が配備されています。


ムルマンスク州モンチェゴルスク飛行場には、北方艦隊ヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊所属のMiG-31が駐留しています。

こちらのMiG-31も、2015年12月にロシア航空宇宙軍(空軍)から移管された機体です。
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現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。



太平洋艦隊所属のMiG-31MiG-31BMへ改修される事になり、2020年12月末までに合計4機が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊のカムチャツカの飛行場へ4機目の近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]

一方、北方艦隊の20機のMiG-31は、2019年末までにMiG-31BMにアップグレードされました。

これらのMiG-31BMには、北極圏で行動する為の新型航法システムが装備されています。

ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはバレンツ海でノルウェー空軍の電子戦機ファルコン 20に対するスクランブル発進を行なった

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『タス通信』より
2021年4月7日22時4分配信
【MiG-31はバレンツ海でノルウェー空軍の偵察航空機に同行した】
モスクワ、4月7日/タス通信

ロシア戦闘機MiG-31は、バレンツ海エリアでノルウェー空軍電波技術偵察・電波電子戦闘航空機ファルコン-20へ同行した。
水曜日にロシア連邦国家防衛管理センターは発表した。

「2021年4月7日、ロシアの空域監視手段は、ノルウェー領域上空からロシア連邦の国境線へ接近する空中目標を探知しました。
空中目標を特定し、ロシア連邦国境線への侵入を防ぐ為、北方艦隊の対空防衛当直部隊の一員である戦闘機MiG-31が空へ上がりました。
ロシア戦闘機の乗員は、空中目標をノルウェー空軍の電波技術偵察・電波電子戦闘航空機ファルコン-20と識別し、バレンツ海上空で同行しました」

声明では、こう述べられた。

外国の軍用航空機ロシア連邦の国境線から離れた後、戦闘機は無事に駐留飛行場へ戻った。

ロシア連邦国家防衛管理センターは、ロシア戦闘機の飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施された事を強調した。
「ロシア連邦の国境線の侵犯を許す事は有りませんでした」
声明では、こう説明された。



第45航空・防空軍は、北方艦隊の指揮下で北極圏の防空を担当する為、元々の北方艦隊海軍航空隊に、ロシア航空宇宙軍(空軍)から移管した航空部隊及び防空部隊を加えて2015年12月に編成されました。

この時、モンチェゴルスク飛行場に駐留し、高空迎撃戦闘機MiG-31を有するヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊も移管されました。
(MiG-31の他に前線爆撃機Su-24M、戦術偵察機Su-24MRを保有)
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第98親衛混成航空連隊の20機のMiG-31は、2019年末までにMiG-31BMにアップグレードされました。

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モンチェゴルスク飛行場に駐留している北方艦隊MiG-31BMですが、2021年1月16日から北極圏ノヴァヤ・ゼムリャに分遣隊を派遣し、ロガチョフ飛行場へ駐留する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ配備された]
[北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ派遣されたロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは交代した]


3月26日には2機のMiG-31が初めて北極点上空を飛行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上へ浮上した]

3月29日、北方艦隊MiG-31BMフランツ・ヨシフ諸島アレクサンドル島ナグルスカヤ飛行場から離陸し、北極点を通過してモンチェゴルスク飛行場へ戻りました。
飛行中、2度の空中給油を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極上空の飛行中に2度の空中給油を行なった]

4月7日、北方艦隊MiG-31BMは、バレンツ海上空を飛行するノルウェー空軍電子戦機ファルコン 20へのスクランブル発進を実施しました。

近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で艦砲射撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2021年4月8日9時0分配信
【太平洋艦隊の近代化フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は沿岸目標への砲射撃を実施した】

錬成任務K-2の海上要素への取り組みの枠組みにおいて、太平洋艦隊近代化フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、沿岸目標への一連の砲射撃を実施した。

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沿岸射爆場が配置されたジェルトゥヒナ島地域で、艦は視認沿岸目標と、起伏のある場所で隠蔽された非視認目標を制圧する砲射撃を実施した。
射撃は、仮想敵の防御火点及び戦闘車両群を模した標的に対し、新たな汎用100mm砲A-190により行なわれた。

この演習の特色は、起伏のある場所で隠蔽された目標への艦載砲の誘導、砲撃の修正、戦闘訓練の客観的観測の為の無人飛行装置「オルラン-10」の使用に在った。




プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
(つまり、当初は「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、「カリブル」も装備する事になった)

「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

更に、最新の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

2020年7月10日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]


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その後、一旦ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]

9月15日、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将「マルシャル・シャーポシニコフ」を視察しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊司令官は近代化改装されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"を視察した]

10月19日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は工場航行試験の第2段階を実行する為にウラジオストクを抜錨し、日本海へ出航しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は洋上試験の第2段階実施の為に日本海へ出航した]

その後、ウラジオストクへ帰投し、11月6日には艦船修理工場『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最終洋上試験の準備の為にドックへ入った]


兵装の試験を行なう為、12月15日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は兵装試験を行なう為、日本海へ出航した]

12月24日、A-190-01 100mm単装砲対艦ミサイル「ウラン」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海でA-190-01 100mm砲と対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]

12月28日に再び対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で再び対艦ミサイル"ウラン"を発射した]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021年1月から港内に停泊した状態で乗組員の各種訓練~第1錬成任務K-1を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はウラジオストク港内で乗組員の錬成訓練を行なった]

2021年3月には海上での乗組員の各種訓練~第2錬成任務K-2へ移行し、3月4日には他の太平洋艦隊の水上艦と共にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

4月4日にはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年4月6日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、初めて有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を地上目標へ発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
ミサイル日本海から発射され、距離1000km以上離れたタタール海峡西岸のシュルク岬(ソヴィエツカヤ・ガヴァニの北方)の標的へ命中しました。
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翌4月7日、今度は水上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で対艦ミサイル"カリブル"を発射した]

4月8日には無人機を使用して地上目標への艦砲射撃訓練を行ないました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」が正式に太平洋艦隊へ復帰するのは2021年5月になります。
[近代化改装された大型対潜艦改めフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は2021年5月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

近代化改装後の「マルシャル・シャーポシニコフ」は、大型対潜艦からフリゲートへ類別変更されます。
[近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦はフリゲートへ艦種変更される]

ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年に延期される

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『タス通信』より
2021年4月7日9時5分配信
【ロシア海軍への原子力巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の引き渡しは2023年に延期される】
モスクワ、4月7日/タス通信

工場『セヴマシュ』で修理と近代化が行なわれているプロジェクト11442M(コード名「オルラン」)重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」ロシア連邦海軍への引き渡しは、2023年に可能となる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「納入業者の問題が故に、海軍への巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの引き渡しは、最良の場合でも2023年に延期されます」
彼は説明した。

『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)広報サービスは、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

2020年8月、フォーラム『アルミヤ-2020』において『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは、水上における巡洋艦の作業はスケジュール通りに進んでいると『タス通信』へ伝えた。
彼によると、「アドミラル・ナヒーモフ」は2022年に海軍へ引き渡さなければならない。
試験へ入るのは2021年に想定されている。

更新及び海軍への引き渡し後、巡洋艦は国内海軍で最も強力な水上艦となる事が予測される。
その寸法は、広範囲のリスト上の電波電子機器、攻撃及び防衛手段の配置を可能にする。

「アドミラル・ナヒーモフ」は1999年から修理に在る。
実際の作業は2013年から行なわれている。
近代化の主な結果は、巡洋艦の打撃力の顕著な強化である。
それは特に、8基の有翼ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」の為の汎用艦載射撃複合体を10基搭載する。
将来的には、艦は極超音速ミサイル「ツィルコン」を得る。



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プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」(1989年4月21日就役、旧名「カリーニン」)は、1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず(核燃料が撤去された程度)、岸壁に係留されていました。
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近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]
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2014年10月24日に『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しました。
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[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]

近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]

タービンエンジンはメーカー(サンクトペテルブルク『キーロフ・エネルゴマシュ』工場)へ送られ、修復されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]

「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)も発注されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]

「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]

「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]

2017年から大型機器の設置が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

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近代化される「アドミラル・ナヒーモフ」には、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト-M」高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、そして超音速対艦ミサイル「オーニクス」及び打撃有翼ミサイル「カリブル」を発射できる汎用ミサイル垂直発射機3S-14対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」対潜ミサイル複合体「オトヴェート」などが装備されます。

2020年3月末から、以前にメーカー修理へ出したタービンエンジンの取り付けが始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは修復されたタービンエンジンを設置する]
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2020年8月18日、「アドミラル・ナヒーモフ」『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)から再進水し、同社の艤装岸壁へ移動しました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは屋外ドックから再進水した]

その後、兵装の取り付け作業が始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフへの兵装の取り付けが始まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」は、2021年中に係留試験を行ない、更には航行試験を開始する予定です。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは試験の準備を進めている]

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末2021年末、2022年と何度も延期され、2023年という話も出てきました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022~2023年に完了する]

現在の所、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の完了は2022年末に予定されています。

[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年末に完了する]
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2022年末に近代化改装を終えてロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2022年末に復帰する]

しかし今回、「防衛企業の匿名の情報提供者」は、機器の納入業者の問題により、「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の完了は2023年に延期されると述べました。
ただ、現時点においては、非公式筋の情報ですが・・・

近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]

「アドミラル・ナヒーモフ」に続いて同型艦「ピョートル・ヴェリキー」も近代化改装が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーの近代化改装は限定的なものとなる]

ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはオーバーホールを完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年4月7日9時0分配信
【黒海艦隊の警備艦「ラードヌイ」は計画修理作業完了後に海へ出た】

黒海艦隊警備艦「ラードヌイ」は、艦船修理企業における計画修理作業完了後、セヴァストーポリから海上戦闘訓練射爆場へ出航した。

海上で乗組員は、艦の全ての戦闘部門の機器とメカニズムの複合点検を行ない、様々なモードの動作での艦の主動力装置及び機動性の試験を行ない、ダメージコントロール訓練を行なう。

駐留所へ戻った後、警備艦「ラードヌイ」は、錬成任務への移行及び黒海艦隊の常設準備部隊への導入の為の乗組員の準備を続ける。



プロジェクト1135警備艦(NATOコード名「クリヴァクI」)「ラードヌイ」は、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』で1979年5月25日に起工され、1980年5月7日に進水、1980年12月29日にソ連海軍へ納入され、1981年2月25日に海軍旗初掲揚式典(就役式典)が開催され、黒海艦隊へ編入されました。
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現在、ロシア海軍に在籍する唯一のプロジェクト1135です。

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就役後は、度々地中海へ派遣されています。

2009年10月、バルト海で実施される演習へ参加する為に同海域へ向かう途中、大西洋上で消息を絶った貨物船「アークティック・シー」の捜索を命じられ、カーボベルデ沖でハイジャックされていた同船を救出しました。

[ロシア海軍フリゲート、貨物船「アークティック・シー」ハイジャック犯を拘束]
[ロシア警備艦「ラドヌイ」はセヴァストーポリへ戻る]

2011年12月から2012年1月中旬まで重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ参加しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]
[フリゲート「ラードヌイ」はセヴァストーポリへ帰港した]

2013年から2014年までセヴァストーポリの艦船修理工場でオーバーホールが実施され、2014年12月下旬、修理後の試験航海を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のクリヴァクI級フリゲート"ラードヌイ"は修理後の最初の航海を終えた]

2015年2月初頭から5月下旬まで地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはクリミアへ帰ってきた]
この間、2015年5月下旬には中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』(第1段階)へ参加しています。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

2015年9月下旬から10月初頭まで地中海東部へ派遣され、同海域での演習に参加しました。
[ロシア海軍は地中海で演習を実施した]

2016年2月上旬には黒海艦隊の抜き打ち演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『抜き打ち演習』を実施する]

2016年5月5日、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイは地中海東部へ向かった]

2016年6月初頭まで地中海東部に滞在し、6月10日にセヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはシリア沖からセヴァストーポリへ戻った]

その後は海上へ出る事は無く、セヴァストーポリでオーバーホールが行なわれていました。
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「ラードヌイ」のオーバーホールは2020年5月中旬の完了が予定されていましたが、結局、完了しませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイは2020年5月に復帰する]
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そして2021年4月7日、今度こそオーバーホールを完了した「ラードヌイ」は海上へ出航し、修理後の点検を行ないました。

近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で対艦ミサイル"カリブル"を発射した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年4月7日3時0分配信
【フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は水上目標への有翼ミサイル複合体「カリブル」の射撃を成功裏に実施した】

太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、日本海エリアで水上目標への有翼ミサイル「カリブル」の射撃を成功裏に実施した。

有翼ミサイルは、100キロメートル離れた標的~水上艦を模した特殊海上盾へ成功裏に命中した。

ミサイル射撃は太平洋艦隊の艦船、更には海上航空隊航空機ヘリコプターにより保障され、船舶航行にとって危険な海域と空域は閉鎖された。

前日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1000キロメートル以上離れた沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射を実行した。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
(つまり、当初は「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、「カリブル」も装備する事になった)

「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

更に、最新の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

2020年7月10日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]


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その後、一旦ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]

9月15日、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将「マルシャル・シャーポシニコフ」を視察しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊司令官は近代化改装されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"を視察した]

10月19日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は工場航行試験の第2段階を実行する為にウラジオストクを抜錨し、日本海へ出航しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は洋上試験の第2段階実施の為に日本海へ出航した]

その後、ウラジオストクへ帰投し、11月6日には艦船修理工場『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最終洋上試験の準備の為にドックへ入った]


兵装の試験を行なう為、12月15日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は兵装試験を行なう為、日本海へ出航した]

12月24日、A-190-01 100mm単装砲対艦ミサイル「ウラン」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海でA-190-01 100mm砲と対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]

12月28日に再び対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で再び対艦ミサイル"ウラン"を発射した]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021年1月から港内に停泊した状態で乗組員の各種訓練~第1錬成任務K-1を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はウラジオストク港内で乗組員の錬成訓練を行なった]

2021年3月には海上での乗組員の各種訓練~第2錬成任務K-2へ移行し、3月4日には他の太平洋艦隊の水上艦と共にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

4月4日にはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年4月6日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、初めて有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を地上目標へ発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
ミサイル日本海から発射され、距離1000km以上離れたタタール海峡西岸のシュルク岬(ソヴィエツカヤ・ガヴァニの北方)の標的へ命中しました。
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翌4月7日、今度は水上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を発射しました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」が正式に太平洋艦隊へ復帰するのは2021年5月になります。
[近代化改装された大型対潜艦改めフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は2021年5月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

近代化改装後の「マルシャル・シャーポシニコフ」は、大型対潜艦からフリゲートへ類別変更されます。
[近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦はフリゲートへ艦種変更される]