ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは東南アジアへの遠距離航海からウラジオストクへ帰投した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2021年6月21日4時23分配信
【大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と海洋曳船「カラル」で構成される太平洋艦隊艦船支隊は遠距離航海からウラジオストクへ戻った】
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と海洋曳船「カラル」で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、アジア-太平洋地域で遠距離航海任務を遂行した後にウラジオストクへ戻った。
1ヶ月半の航海で艦と船は約2500海里を走破し、水と燃料の備蓄を補充する為にシンガポールへの2度の寄港を行なった。

ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役/2016年7月再就役)と海洋曳船「カラル」(1990年2月5日就役)は、2021年4月末にウラジオストクを出航し、4月30日に対馬海峡を南下しました。

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年5月1日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
5月11日にシンガポールのチャンギ港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはシンガポールを訪れた]

5月14日にチャンギ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはシンガポールのチャンギ港を去った]
その後の動向は明らかにされていませんでしたが、6月5日に再びシンガポールのチャンギ港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは再びシンガポールを訪れた]
6月8日にチャンギ港を出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツはシンガポールを去った]
殆ど詳細が明らかにされていない「アドミラル・トリブツ」の今回の遠距離航海の目的ですが、2012年からインドへリースされていたロシアの原子力潜水艦「チャクラ」(「ネルパ」)がロシア沿海地方へ向かうので、そのエスコートの為のようです。

[インドがリースした原子力巡洋潜水艦ネルパはロシアへ返却される]
[インドがリースした原子力巡洋潜水艦チャクラ(ネルパ)は2020年春に爆発事故を起こした為にロシアへ返却される]
「チャクラ」は2021年5月27日にインド東部のヴィシャーカパトナムを出航し、6月3日にマラッカ海峡へ入っています。

つまり、「アドミラル・トリブツ」と「カラル」は、5月11日にシンガポールを出航した後、インドへ向かい、原潜「チャクラ」を出迎え、同艦をエスコートしてマラッカ海峡へ入り、再びシンガポールで水と燃料を補給したという事でしょう。
その後、「アドミラル・トリブツ」は6月16日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年6月18日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
6月21日にウラジオストクへ帰投しました。