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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはノルウェー海での戦闘訓練を終えてバレンツ海へ入った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月30日11時15分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はバレンツ海へ入った】

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、ノルウェー海で戦闘演習任務の遂行を完了し、バレンツ海への移動を行なった。
近日中に艦は恒久駐留所~セヴェロモルスク市へ戻る。

先週末、戦闘艦・支援船支隊の航海の他の参加船~救助曳船「アルタイ」中型海洋給油船「アカデミック・パシン」が基地へ到着した。
この4ヶ月間、彼らは大西洋地中海大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と一緒に任務を遂行した。

[参照]
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
の遠距離航海は、セヴェロモルスクから出航した6月28日に始まった。
艦の乗組員はクロンシュタット主要海軍パレードへ参加し、その完了後、大西洋で戦闘訓練の各々のエピソードへ取り組んだ。

8月18日から9月23日まで北方艦隊将兵は、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行した。
この間、彼らはアルジェリア、シリア、キプロスを訪問し、更に海上移動中に艦支隊の様々な種類の一連の防衛演習へ参加した。

10月に北方艦隊将兵は、大西洋ギニア湾アフリカ沿岸で民間船舶航行の安全を保障した。
彼らは何隻かの民間船を検査し、パナマコンテナ船「ルチア」の先導の安全を保障し、海賊ウクライナ、ロシア、ルーマニアの市民から成る乗組員を捕える試みを阻止した。

基地から出航して以来、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は28000海里以上を航行し、5ヶ所の外国港を訪れた。



ロシア北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」(1982年1月10日就役/2010年12月7日再就役)は、2021年6月中旬にバレンツ海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはバレンツ海で対空戦闘訓練を実施した]

その後、北方艦隊最新鋭大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」(2020年12月23日就役)と共にバレンツ海へ出航し、各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは海軍歩兵部隊の乗船訓練を実施し、バレンツ海へ出航した]


2021年6月28日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を含む北方艦隊艦船部隊は、『ロシア海軍の日』(7月の最終日曜日)にクロンシュタット泊地で行なわれる観艦式(主要海軍パレード)へ参加する為、セヴェロモルスクを出航し、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の水上艦はバルト海へ向かった]

7月11日にクロンシュタットへ到着しました。
[2021年7月25日のクロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する北方艦隊の大型水上艦は現地へ到着した]

7月25日の『ロシア海軍の日』クロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。




観艦式が終わった後、北方艦隊の艦はクロンシュタットを去り、バルト海を出て北東大西洋へ入りました。

8月4日から北方艦隊指揮-参謀訓練が始まり、クロンシュタット『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加し、基地へ戻る途中の北方艦隊の水上艦も北東大西洋で演習へ参加しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加した北方艦隊の水上艦は北東大西洋で演習を開始した]

主要海軍パレード及び指揮-参謀訓練へ参加した北方艦隊の水上艦~ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、フリゲート「アドミラル・カサトノフ」は、8月11日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットとサンクトペテルブルクの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加した北方艦隊の水上艦は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

しかし、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」支援船(救助曳船「アルタイ」給油船「アカデミック・パシン」)はセヴェロモルスクへ戻らず、グレートブリテン島北東のマレー湾に投錨停泊しました。
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『MarineTraffic.com』より
【アカデミック・パシン】

8月11日、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」支援船マレー湾を去り、遠距離航海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはグレートブリテン島北東沖から去り、遠距離航海へ出発した]

8月12日には、同じく主要海軍パレードへ参加した後にバルト海から出た太平洋艦隊プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」(2020年12月29日就役)及び黒海艦隊プロジェクト12700対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」(2019年12月28日就役)が合流し、8月13日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"と黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは英仏海峡へ入った]
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8月18日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
「グレミャーシチー」「ウラジーミル・イェメリヤノフ」については触れられていませんが、おそらくは一緒に地中海へ入ったようです。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

8月23日にアルジェリアアルジェ港を訪問しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェ港を訪れた]

8月25日にアルジェ港を出港し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフはアルジェ港を去り、地中海東部へ向かった]

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その後は地中海東部で行動し、9月中旬にキプロスリマソール港へ物資補充の為に寄港し、9月16日に出航しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月16日8時50分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はキプロスで備蓄を補充した】

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更にシリアタルトゥース港へ寄港した後、地中海を西進し、9月23日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月23日15時8分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋へ入った】

9月25日には大西洋上で潜水艦の捜索訓練を行いました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月25日12時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋上で潜水艦の捜索へ取り組んだ】

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その後、大西洋中部に位置する島国カーボベルデへ寄港し、10月1日に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月1日20時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はカーボベルデへの業務寄港を完了した】

なお、2014年3月のウクライナ危機の際に日本でも有名になったナタリヤ・ポクロンスカヤは、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」が出航した後の2021年10月13日にカーボベルデロシア連邦特命全権大使に任命されています。


カーボベルデは、2016年11月にロシアと艦船寄港簡略化協定を締結しています。
つまり、ロシア海軍の艦船は何時でも自由にカーボベルデへ寄港できます。
[ロシア海軍艦船のカーボベルデへの寄港手続きは簡略化される]

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」支隊は大西洋を南下し、10月5日にはアフリカ沖で捜索救助演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月5日22時15分配信
【北方艦隊将兵はアフリカ沿岸で救助演習を実施した】

10月6日にギニア湾へ入り、同海域のパトロールを開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月6日18時45分配信
【北方艦隊将兵はギニア湾で船舶航行の安全を保障する】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月11日19時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はアフリカ沿岸で船舶航行の安全保障を開始した】

10月13日には海賊に乗っ取られた船を解放する訓練を行ないました。
給油船「アカデミック・パシン」が乗っ取られた船を演じました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月13日11時30分配信
【北方艦隊将兵はギニア湾で海賊に乗っ取られた船を解放する演習を実施した】
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10月19日に赤道ギニアマラボ港へ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月19日19時55分配信
【北方艦隊艦船支隊はマラボ港~赤道ギニア首都への業務寄港を行なった】

そして10月26日にギニア湾海賊に乗っ取られたパナマ船籍のコンテナ船を解放しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ、ギニア湾で海賊に乗っ取られたコンテナ船を解放(2021年10月26日)]

11月1日にギニア湾を去りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月1日16時45分配信
【北方艦隊艦船支隊はギニア湾での対海賊任務を完了した】

その後、再びカーボベルデへ寄港し、11月8日に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日22時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊艦船支隊はプライア港への業務寄港を完了した】

11月12日には大西洋上で対空戦闘訓練を行いました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月12日19時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は大西洋で仮想敵の攻撃を撃退した】

11月16日にはビスケー湾を通過しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月16日19時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は遠距離航海の最終段階へ着手した】

11月17日には英仏海峡(ラ・マンシュ海峡)へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月17日23時30分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」はラ・マンシュ海峡へ入った】

11月19日に北海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月19日15時45分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」率いる北方艦隊の艦・支援船支隊は北海へ入った】

その後、ノルウェー海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月22日23時10分配信
【大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は嵐の条件下でノルウェー海の通行を行なった】

「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」に同行していた救助曳船「アルタイ」は、一足先に11月26日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月26日21時0分配信
【救助曳船「アルタイ」は大西洋の遠距離航海からセヴェロモルスクへ戻ってきた】

11月28日、給油船「アカデミック・パシン」ムルマンスクへ帰投しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月28日21時30分配信
【給油船「アカデミック・パシン」乗組員は大西洋の遠距離航海からムルマンスクへ到着した】

一方、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」ノルウェー海で戦闘訓練を行なっており、その完了後、11月30日にバレンツ海へ入りました。

数日後にはセヴェロモルスクへ帰投します。
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ロシア海軍の地対艦ミサイル"バル"(ウラン)は射程距離を300km以上に延長する

『イズベスチヤ』より
2021年11月30日0時0分配信
【「バル」の指向:ミサイルは黒海とバレンツ海のコントロールを得る】

新たな長距離弾は北極とクリミアの安全を保障する
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見えない超遠距離対艦ミサイル北極クリミアをカバーする。
延長された飛翔距離を持つミサイルで武装する最初の複合体「バル」は、北方艦隊黒海艦隊沿岸旅団へ受け入れられる。
これは、世界で最も効果的な対艦システムの1つである。
その主砲はミサイルKh-35ファミリーであり、その打撃の撃退は事実上不可能である。
以前、Kh-35の射撃距離は200キロメートルを超えなかった。
ミサイルの新たなモデルは、数百キロメートル離れた目標の撃破を可能にする。
更新された弾のお陰により、「バル」の能力は急激に増加する。
沿岸複合体は、NATO艦の訪問が最近より頻繁になった黒海バレンツ海の大部分を効果的にコントロールできると専門家は指摘した。

[屋台骨の防衛]
軍当局
の情報提供者が『イズベスチヤ』へ話したように、黒海では、飛翔距離が増加したKh-35ミサイルを持つ近代化された複合体「バル」が、クリミアに配置されている沿岸ロケット旅団へ初めて受け入れられる。
新型は更に、北方艦隊の連合部隊の1つでも軍備として採用される。
これと同時に、新たな弾を持つ沿岸ミサイル複合体は、艦のみならず地上目標を撃破できる:このような物体への正確な打撃は新たな照準システムにより保障される。
ミサイルは非常に低い高度を飛翔するので、潜在敵のレーダーにとっては事実上見えない。
加えてこれは、アクティブ電波電子対策の条件下でも動作できる。

情報提供者によると、現在、飛翔距離が延長されたミサイルKh-35を持つ沿岸ミサイル複合体「バル」の試験が行なわれている。
今年の発射は、既に黒海艦隊北方艦隊で実施されている。
更新されたKh-35の飛翔距離は300キロメートルを大幅に超えた。
新たな弾の正確な戦術-技術的特性は知られていない。
現在、このファミリーのミサイルは120~260キロメートルの飛翔距離が可能である事が知られている。

軍基地の防衛の為の沿岸ミサイル複合体の活動は、現在、海軍により積極的に取り組まれている。
軍当局は11月29日、アメリカ合衆国ロケット駆逐艦「アーレイ・バーク」の海域への進入を背景にして黒海艦隊沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」が参加する演習を実施したと発表した。
演習は成功と認められた事を国防省は指摘した。

沿岸ミサイル複合体大隊は沿岸防衛の屋台骨と考えられており、新たな遠距離ミサイルの登場は、その信頼性と有効性に影響を及ぼすと軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「今、黒海地域の状況は緊迫しており、クリミアの優先順位の強化はとても論理的に思えます」
彼は考える。
「先日、アメリカ合衆国の駆逐艦アーレイ・バークが海域へ入りました。
その前には、指揮艦マウント・ホイットニーと駆逐艦ポーターが居ました。
これらの訪問は、ロシア国境の近くでのアメリカ合衆国とNATO諸国の空中無人機と偵察航空機の行動の活発化を伴いました。
バレンツ海では、北大西洋同盟の積極的な活動は著しく低いのですが、北方には信頼できるカバーを必要とするロシアの原子力水中ロケット艦が駐留しています」


遠距離ミサイルの登場により、いわゆる制限ゾーンが拡大し、敵にとってはより飽和かつ危険になると専門家は指摘した。

「このようなゾーンへ敵艦は入らない方が良いでしょう、何故ならば、破壊される可能性が高いですからね」
ドミトリー・ボルテンコフ
は説明した。
「我々の沿岸からもっと遠いミサイルの発射は、打撃兵装を持つ艦が境界線から離れなければならない原因となります」

[同時に「バスチオン」と]
Kh-35Uミサイル
は、初のロシアの統一弾であり、その使用は様々なタイプの搭載手段から可能である。
以前は、航空機、ヘリコプター、打撃艦、沿岸複合体の為に別々のタイプのミサイルが作成されていた。
このような種類の兵器を別々に作成するのは、金の掛かる道楽である。
コストを最適化する為、地上設置、航空搭載機、そして必要に応じて戦闘艦潜水艦からも使用できる統一ミサイルの作成が決定した。

ミサイルは最大限共通化される。
この弾の搭載手段は、幾つかのコルベット級の水上艦シリーズ、ロケット艇、航空機Su-24、Su-30、MiG-29KR/KUBR、Su-35S及び対潜航空機Tu-142、更にはKa-27、Ka-28、Ka-52Kヘリコプターである。
これは、第5世代将来戦闘機Su-57の機上兵装構成として試験が行なわれている事が知られている。
加えて、この弾はプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦でも使用が可能である。

「バル」は2008年に海軍沿岸部隊で軍備採用された。
沿岸ロケット旅団は海岸、ロシア海軍の海軍基地、戦略的に重要な意義を有する群島及び海峡を保護する。

複合体は高機動性であり、軍事行動開始の脅威が発生した場合、沿岸地域へ迅速に展開し、擬装される。
事前の打撃で隠蔽されたミサイルの破壊は殆ど不可能である。
隠蔽された発射装置は攻撃の直前に移動する~戦闘の展開には10分以上掛からない。

沿岸ミサイル複合体の戦闘使用戦術は常に改善されている。
沿岸ミサイルは、沿岸ミサイル複合体の単一情報回路へ組み合わされる航空機、ヘリコプター、艦、潜水艦、無人飛行装置での目標発見により助力を得る。

『イズベスチヤ』は、「バスチオン」「バル」戦闘艦無人機との綿密な連絡により動作した今年の一連の演習について報じている。
操縦中のドローンは、仮想敵艦集団を発見し、沿岸へ座標を送り、ミサイル打撃の精度を保障した。

更に海軍は、定められた戦略的方向での強力な沿岸防衛の作成へ取り組んでいる。
最近、数百から数千キロメートルの距離に渡る沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」の迅速な再配置の可能性が点検された。
その段階の1つで、バルト海ロケットムルマンスク及びアルハンゲリスク州へ機動的に移送され、北方艦隊の部隊と共に仮想敵の打撃を撃退した。
この時、同時にバルト海から太平洋艦隊への沿岸ミサイル複合体の強化の可能性も点検された。



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対艦ミサイル「ウラン」は、元々は空対艦ミサイルKh-35(Х-35)として試作設計局『ズヴェズダー』の手により1977年に開発がスタートしました。
1984年、艦載型「ウラン」の開発が決定されました。

「ウラン」は、先ず初めに黒海艦隊ロケット艇R-44で試験が行なわれました。
[新兵器試験用ミサイル艇R-44]
最初の発射試験は1985年11月5日に行なわれましたが不成功に終わり、1987年1月29日に初めて発射試験に成功しました。

「ウラン」は、1980年代後半に建造された旧東ドイツ海軍ロケット艇「ザスニッツ」にも搭載されました。
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しかし東ドイツ西ドイツに併合された後、「ザスニッツ」「ウラン」は撤去されました。

ソ連邦解体は資金不足で開発は停滞し、1992年から1997年には4度の発射試験しか実施できませんでした。

そこでロシア海軍へ採用される具体的な見込みの無い「ウラン」インドが目をつけ、1994年にはインドへの供給契約が締結され、1996年から引き渡しが開始されました。

ロシア海軍の方も2003年7月から国家受領試験が開始され、2004年秋にロシア海軍へ制式採用されました。

ロシア海軍では、プロジェクト11661警備艦「タタールスタン」、プロジェクト11540警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、そしてプロジェクト20380コルベット、近代化された小型ロケット艦「スメルチ」に搭載されています。



沿岸ミサイル複合体(地対艦ミサイル)「バル」は、亜音速艦対艦ミサイル「ウラン」/空対艦ミサイルKh-35の地上発射ヴァージョンであり、2008年にロシア海軍へ制式採用されました。

現在では、ロシア海軍の全ての方面艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊、カスピ小艦隊)へ配備されています。

[黒海艦隊]
第11独立沿岸ロケット旅団(ウタシュ)
第15独立沿岸ロケット旅団(セヴァストーポリ)

[太平洋艦隊]
第72独立沿岸ロケット旅団(スモリャニノヴォ)
第520独立沿岸ロケット砲旅団(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー、クナシル島)

[バルト艦隊]
第25独立沿岸ロケット旅団(ドンスコエ)

[北方艦隊]
第536独立沿岸ロケット旅団(セヴェロモルスク)

[カスピ小艦隊]
第51独立沿岸ロケット大隊(カスピースク)
第847独立沿岸ロケット大隊(カスピースク)


「バル」(Kh-35ウラン)の射程距離は、初期型で120km、改良型のKh-35Uで260kmになりますが、最近、更なる射程延長型(射程300㎞以上)が開発され、先ずは黒海艦隊北方艦隊へ配備されるとの事です。

ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはウラジオストクへ到着した


『タス通信』より
2021年11月30日10時58分配信
【コルベット「グレミャーシチー」と2隻のプロジェクト「ワルシャワンカ」潜水艦はウラジオストクへ到着した】
ウラジオストク、11月30日/タス通信

コルベット「グレミャーシチー」、プロジェクト636.3潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」で構成される太平洋艦隊艦支隊は、初めて太平洋艦隊主要基地ウラジオストクへ到着した。
火曜日に艦隊広報サービスは発表した。

「太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将は、沿海地方多種戦力小艦隊第33埠頭での会合中、祖国の港へ到着した支隊の船員を祝福しました。
艦隊司令官に加え、家族と親類、更には工場製造者、沿海地方及びウラジオストク政庁の代表が乗組員を歓迎しました。
支隊は今年8月に始まったバルト艦隊から太平洋艦隊への艦隊間移動を完了しました。
祖国の駐留所でコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフは物資の備蓄補充と艦隊間移動完了後の計画技術的整備を行ないます」

広報サービスは伝えた。

コルベット潜水艦有翼ミサイル複合体「カリブル-NK」並びに「カリブル-PL」の搭載が可能である。
太平洋艦隊にとって、これは高精度有翼ミサイル兵器「カリブル」を搭載できる初のディーゼルエレクトリック潜水艦である。

潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は201911月年に、「ヴォルホフ」は2020年10月に太平洋艦隊の一員として受け入れられ、コルベット「グレミャーシチー」は2020年12月に聖アンドレイ旗を掲揚した。
艦隊間移動中に船員は大西洋、インド洋、更にはバルト海、北海、地中海、紅海、アラビア海、南シナ海及び日本海を越えた。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の1隻目となるB-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2017年7月28日に起工され、2019年3月28日に進水し、同年11月25日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後はバルト海で訓練を行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で潜航訓練を行なった]
[バルト艦隊の救助船SS-750は潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの救助訓練を行なった]

2隻目のB-603「ヴォルホフ」は、2017年7月28日に起工され、2019年12月26日に進水し、2020年10月24日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後、2隻の潜水艦バルト海で各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で乗組員の慣熟訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ヴォルホフはバルト海で潜航訓練を行なった]

2021年4月1日には、2隻の潜水艦が敵味方に分かれて対戦する戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で『対決』した]

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は2021年4月28日に魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で魚雷を発射した]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』には2隻ともクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


そして2021年8月下旬頃に恒久駐留所、即ち太平洋艦隊ディーゼル潜水艦が駐留するウラジオストク南部ウリス湾へ向かう事になりました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海からウラジオストクへ向かう]

2021年8月下旬、2隻の潜水艦デンマーク沖を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはデンマーク沖を通過してウラジオストクへ向かった]


プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工され、2017年6月30日に進水、2020年12月29日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まり、2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


2021年8月中旬頃にバルト海から出て、地中海へ向かう北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、8月13日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"と黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは英仏海峡へ入った]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2021年11月にウラジオストクへ到着する]

その後、同じくウラジオストクへ回航する潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」及び「ヴォルホフ」と合流して地中海へ入りました。

9月23日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月23日9時59分配信
【太平洋艦隊支隊は地中海から紅海へ向かった】

その後、アデン湾を通過して10月7日にインド洋へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月7日10時1分配信
【情報筋:太平洋艦隊支隊はインド洋を横断した】

10月16日にスリランカコロンボへ寄港後、10月19日にはスリランカ南部へ到達し、太平洋艦隊の担当海域へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月19日8時35分配信
【太平洋艦隊の新たな潜水艦とコルベットはスリランカを迂回した】

10月30日にはミャンマーティラワ港へ寄港しました。

なお、太平洋艦隊の担当海域へ入った後、ウラジオストクから出迎えに来た給油船及び救助曳船と合流、11月16日にフィリピンマニラ港へ寄港しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはフィリピンのマニラへ寄港した]

その後、マニラを出航し、11月23日に沖縄本島宮古島の間を通過し、11月27日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年11月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月29日夜にウラジオストクへ到着しました。
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翌11月30日にウラジオストク港内の金角湾埠頭で歓迎式典が開催されました。


ソヴィエト時代には、ヨーロッパ方面から南方(インド洋)経由での極東への新造艦の回航は頻繁に行われていましたが、ソヴィエト解体後の1992年後半にバルト海から極東へ回航され、1992年12月28日にウラジオストクへ到着した大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」を最後に途絶えてしまいました。
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(ソヴィエト解体後に太平洋艦隊へ配備された新造艦は、極東造船所で建造された艦か、ヨーロッパ方面から北極海経由で回航された艦)

今回の3隻は、実に29年ぶりの南方(インド洋)経由での極東回航となりました。

ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年11月29日13時45分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は極超音速ミサイル「ツィルコン」の次の試験射撃を実施した】

北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」乗組員は、極超音速ミサイル兵器のサイクル試験完了の枠組みでミサイル「ツィルコン」の次の射撃を実施した。

射撃は、白海エリアから400キロメートル以上離れた位置に在る海上標的に対して行なわれた。
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客観的観測データによると、極超音速ミサイルの飛翔は指定数値に沿っていた。
フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」艦上からの射撃は成功と認められ、目標は撃破された。

射撃支援と海域の閉鎖には、北方艦隊水上艦海上航空隊が参加した。

以前の海上標的への試験射撃は、このフリゲートの乗組員により2週間前に成功裏に実施された。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも「アドミラル・ゴルシコフ」白海から「ツィルコン」を発射しました。

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。
水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

そして未確認情報ですが、2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった]
おそらくは水上発射型でしょう。


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦アゾフはゲオルギー海軍旗を授与された


『タス通信』より
2021年11月28日18時17分配信
【黒海艦隊の艦は現代史上初めて艦尾ゲオルギー旗を受け取った】
セヴァストーポリ、11月28日/タス通信

黒海艦隊大型揚陸艦「アゾフ」は、19世紀の同名の艦の偉業を記念して現代史上初めて艦尾ゲオルギー海軍旗を受け取ったロシア海軍の最初の艦となった。
『タス通信』特派員はリポートした。

大型揚陸艦「アゾフ」は、「ロシア連邦海軍旗に関する」ロシア連邦大統領令に従い、1826年に建造され、ミハイル・ペトロヴィチ・ラーザレフ1等海佐~その後の黒海艦隊司令官及びセヴァストーポリ軍知事~が艦長を務めた戦列艦「アゾフ」乗組員の抜きん出た功績を記念して旗を受け取った。
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1827年のナヴァリノの戦いで同艦はトルコ-エジプト戦隊の5隻の艦との戦闘へ加わり、これらを破壊した。
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「今日において我が国と海軍は、英雄的な過去の伝統へ敬意を表し続けています。
ロシア海軍の抜きん出た偉業を記念し、大型揚陸艦アゾフはゲオルギー海軍旗を授与されました」
ロシア海軍
副総司令官ヴィクトール・アスタポフは旗の掲揚式典で話した。
彼は、将来の提督であり、1854~1855年のセヴァストーポリ防衛の英雄であるウラジーミル・コルニコフパーヴェル・ナヒーモフ「アゾフ」で勤務していた事を指摘した。
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黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフは、「アゾフ」への旗の掲揚は、ソヴィエト時代に中断された海軍の伝統の復活である事を指摘した。
艦隊によると、帝国令では、艦隊は常にゲオルギー旗を授与されたものの1隻に敬意を表して命名された艦をその構成に含んでいなければならないと命じた~「アゾフ」或いはブリッグ「メルクーリイ」
7月にロシア連邦大統領は、「アゾフ」「メルクーリイ」に敬意を表して命名された艦へのゲオルギー旗授与に関する法令を発した。



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プロジェクト775大型揚陸艦バッチIIIの1番艦(シリーズ通算26番艦)BDK-54ポーランドグダニスク造船所で1988年11月22日に起工され、1989年5月19日に進水し、1990年10月12日に就役し、黒海艦隊へ配備されました。

1998年11月23日、退役する黒海艦隊大型対潜艦の名前を受け継いで「アゾフ」と命名されました。

2001年にはグルジア領内からのロシア軍車両の撤収作戦へ参加しました。

2005年にはギリシャを訪問しました。

2008年に黒海国際合同演習『ブラックシーフォー』へ参加しました。

2009年4月にも黒海国際合同演習『ブラックシーフォー』へ参加しました。
[ロシア黒海艦隊揚陸艦「アゾフ」は、黒海沿岸諸国の合同演習に参加する]
同年にはバルト海へ派遣され、戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。

2012年12月末に地中海へ向かい、翌2013年1月下旬の3艦隊(黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊)合同演習へ参加しました。
[黒海艦隊の大型揚陸艦は地中海東部へ向かった]
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

2013年4月23日、イタリアメッシーナへ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2013年4月23日15時27分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「アゾフ」はイタリアのメッシーナ港へ到着した】

2013年5月初頭にはイスラエルを訪問しました。
[ロシア海軍の軍艦は歴史上初めてイスラエルを訪れる]
[ロシア軍艦は歴史上初めてイスラエルを訪問した]

2013年9月にはバルト海へ派遣され、ロシア-ベラルーシ合同戦略演習『ザーパド-2013』へ参加しました。

以後は黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に度々従事しました。
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この件に関してはロシア海軍当局からの公式発表は有りませんが、黒海からシリアへ行くとなると必ずボスポラス海峡(イスタンブール沖)を通過しなければならないので、同海峡の南下が目撃されればシリアへ行き、北上が目撃されればシリアから黒海へ戻るというわけです。

2014年
・1月18日にボスポラス海峡を南下、2月1日に北上
・2月10日にボスポラス海峡を南下、2月下旬に北上

2015年
・2月25日にボスポラス海峡を南下、3月7日に北上
・3月17日にボスポラス海峡を南下、5月12日に北上
・5月20日にボスポラス海峡を南下、5月30日に北上
・8月8日にボスポラス海峡を南下、8月19日に北上
・8月26日にボスポラス海峡を南下、9月上旬に北上
・9月14日にボスポラス海峡を南下、9月22日に北上
・10月6日にボスポラス海峡を南下、10月中旬に北上

2016年
・1月22日にボスポラス海峡を南下、2月1日に北上
・2月9日にボスポラス海峡を南下、2月19日に北上
・6月19日にボスポラス海峡を南下、6月29日に北上
・7月6日にボスポラス海峡を南下、7月14日に北上
・8月8日にボスポラス海峡を南下、8月15日に北上

2017年
・5月19日にボスポラス海峡を南下、6月7日に北上
・9月19日にボスポラス海峡を南下、9月28日に北上
・10月8日にボスポラス海峡を南下、10月中旬に北上

2018年
・1月17日にボスポラス海峡を南下、2月3日に同海峡を北上。
・2月22日にボスポラス海峡を南下、3月12日に同海峡を北上。
・3月15日にボスポラス海峡を南下、3月25日に同海峡を北上。
5月2日にボスポラス海峡を南下、5月11日に同海峡を北上。
・5月19日にボスポラス海峡を南下、5月29日に同海峡を北上。
・8月6日にボスポラス海峡を南下、9月12日に同海峡を北上。


2019年
・2月6日にボスポラス海峡を南下、2月20日に北上
2月28日にボスポラス海峡を南下、3月10日に北上
6月13日にボスポラス海峡を南下、6月23日に北上
・8月12日にボスポラス海峡を南下、8月25日に北上
・9月10日にボスポラス海峡を南下、9月25日に北上
・10月27日にボスポラス海峡を南下、11月14日に北上
11月23日にボスポラス海峡を南下、12月7日に北上
・12月13日にボスポラス海峡を南下、12月下旬に北上
・12月27日にボスポラス海峡を南下、翌年1月12日に北上

2020年
・1月18日にボスポラス海峡を南下、1月29日に北上
・6月3日にボスポラス海峡を南下、6月13日に北上
・6月23日にボスポラス海峡を南下、7月上旬に北上
・11月24日にボスポラス海峡を南下、12月4日に北上


2021年には『シリア・エクスプレス』には参加せず、黒海内で行動しています。


2021年11月28日、「アゾフ」ロシア帝国海軍の伝統であるゲオルギー海軍旗を授与されました。
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ゲオルギー海軍旗は、ナポレオン戦争中のドイツ・フランス戦役 (1813-1814年)における1813年8月末のクリムの戦いでの勝利を記念し、1819年6月17日付の皇帝アレクサンドル1世の勅令で制定された旗であり、著しい戦功を挙げたものと認められた艦へ授与されます。
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ロシア帝国海軍では2隻の艦~戦列艦「アゾフ」(1827年12月29日授与)とブリッグ「メルクーリイ」(1929年8月9日授与)へ授与されています。

この2隻が退役した後も「アゾフ」「メルクーリイ」の名を受け継ぐ艦は、ゲオルギー旗も一緒に受け継ぐ事になっていたのですが、1917年のロシア革命ロシア帝国が消滅してソヴィエト連邦が成立すると、この伝統も途絶えました。

そのソヴィエト連邦も崩壊してから約30年後、近年のロシア帝国時代の伝統復活の一環として、「アゾフ」ゲオルギー海軍旗が復活しました。
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ゲオルギー海軍旗「アゾフ」「メルクーリイ」の名を持つ艦が受け継ぐ事になっているので、建造中のコルベット「メルクーリイ」も就役後にゲオルギー海軍旗が授与されるかもしれません。
[ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された]

ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった

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『タス通信』より
2021年11月27日9時1分配信
【情報筋:ロシア海軍の為の極超音速ミサイル「ツィルコン」の生産が開始された】
モスクワ、11月27日/タス通信

レウトフ科学生産合同『機械製造』は、ロシア海軍の為の最新の極超音速ミサイル「ツィルコン」の量産契約の履行へ着手した。
タス通信は軍当局に近い情報提供者より伝えられた。

「ツィルコンの量産は既に科学生産合同『機械製造』で進められておりますが、この製品の水上搭載艦からの国家試験は続けられます」
彼は話した。

科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)は、この情報についてタス通信へコメントしなかった。

11月3日、ソチでの防衛が主題の会議中、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、このミサイルは2022年からロシア海軍へ軍備として受け入れられると述べた。

11月18日、国防省は、北方艦隊フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」白海の水上目標へのミサイル「ツィルコン」の試験発射に成功したと発表した。
これに先立ち『タス通信』は、「ツィルコン」の国家試験は11月に始まり、12月まで続くと情報筋より伝えられた。
合計で海上目標及び沿岸目標への5回の発射の実施が計画されている。
更に、10月4日に初めて実施された原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」からの2度の「ツィルコン」発射が、水上搭載艦からのミサイルの国家試験への道を開いたと伝えられた。

2021年8月24日、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』の最中に、ロシア連邦国防省への「ツィルコン」供給契約が締結された。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。
水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

そして未確認情報ですが、2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
おそらくは水上発射型でしょう。


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは黒海で新型高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mの試験射撃を行なった

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『タス通信』より
2021年11月26日23時7分配信
【ロケット艇「シューヤ」はアメリカ合衆国海軍の駆逐艦の活動を前にして黒海で射撃を実施した】
セヴァストーポリ、11月26日/タス通信

黒海艦隊ロケット艇「シューヤ」は、黒海へのアメリカ駆逐艦の進入を前にした演習中、海上目標及び空中目標の撃破へ取り組んだ。
金曜日に艦隊広報サービスは発表した。

「戦闘演習任務の遂行中、要員は海上射爆場で複合準備を行ない、その後、標準装備のAK-176砲及び高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを使用した艦の砲兵器及びミサイル兵器から海上目標と空中目標へのテスト射撃を行ないました」
黒海艦隊
がリリースした声明では、こう述べられている。

軍事船員は更に、対機雷防護任務と無防備の泊地へ停泊中のの防衛といった海上訓練の要素へ取り組んだ事が指摘された。

木曜日、アメリカ合衆国海軍第6艦隊は、その声明でアメリカロケット駆逐艦「アーレイ・バーク」(DDG-51)「定期パトロールの一環として」黒海へ入ったと述べた。
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アメリカ合衆国海軍によると「NATO(北大西洋条約機構)の同盟国及びパートナーは、安全と安定を保障し、更には効率性と合同運用を高める目的でパートナーの能力を向上させる為、この海域で定期的に行動しています」

ロシア連邦国家防衛管理センターが報道機関へ伝えたように、ロシア軍黒海へ入ったアメリカ駆逐艦の追跡を開始した。
国防省の評価では、この海域でのアメリカ戦闘艦の作戦は地域の不安定要因となり、彼らの目的の1つはウクライナ領の軍事的開発にある。



[「コールチク」CIWS試験艇R-71]
プロジェクト12417ロケット艇R-71は、1981年8月12日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『中部ネヴァ川造船工場』で起工され、1983年9月14日に進水しました。
1983年10月には内陸水路経由でケルチへ回航され、最終艤装が行なわれました。
1985年8月23日に海軍旗初掲揚式典を開催し、ソヴィエト連邦海軍へ就役、黒海艦隊第41ロケット艇旅団へ編入されました。
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R-71は、元々はプロジェクト1241T(対空戦闘訓練の為の標的として対艦ミサイル「テルミート」を発射する訓練支援艇)として建造されていましたが、建造途中で新開発の高射ミサイル-砲複合体「コールチク」の試験艇に改造され、12417として完成しました。
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就役後は黒海「コールチク」の洋上試験に従事しました。
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1989年から1992年に掛けてオーバーホールが行なわれ、この時に「コールチク」の試作型を生産型へ換装しました。
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その後、2000年代初頭までに「コールチク」は撤去されました。
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以後、R-71は当初の用途である訓練支援艇として活動しました。
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2014年9月に「シューヤ」と命名され、同年10月に『第13艦船修理工場』で定期修理が行なわれました。
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出渠後は黒海艦隊の演習へ度々参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミアで上陸演習を行なう]

2017年2月から2018年末頃まで第13艦船修理工場で修理が行なわれました。
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この修理時に新開発の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を搭載する予定でしたが、この時は見送られました。
[ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる]

修理後は黒海で行動していました。
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2020年3月から修理が開始され、ようやく「パーンツィリ-M」が搭載される事になり、作業は2021年2月に完了しました。
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[ロシア海軍の新たな高射複合体パーンツィリ-Mは超低高度目標へ対処する]

2021年春から「パーンツィリ-M」の洋上試験を開始しました。
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今回の演習も、「パーンツィリ-M」の試験射撃の一環でしょう。

ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した


『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年11月26日13時24分配信
【掃海艦「アナトーリー・シレモフ」は『中部ネヴァ川造船工場』で進水した】
サンクトペテルブルク、11月26日/インテルファクス北西

株式会社『中部ネヴァ川造船工場』プロジェクト12700対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」が進水した。

「これらの艦(プロジェクト12700)は独特なものであり、世界の大洋の様々な海域で日常や戦闘の任務を遂行中、高い効果性を示しました」
ロシア海軍
総司令部造船管理部長イリヤ・シガポフは式典で言った。

「プロジェクトのユニークさは、その船体の一体複合材料にあります。
当然ながら、全てのメカニズムは低磁性です。
そして、実質的には磁気機雷にとって、それは見えません。
そのユニークさは戦闘任務により確認されています」
シガポフ
は指摘した。

掃海艦の舷側でシャンパンのボトルを割ったのは、シレモフ中将の娘アナスタシア・タトゥロワであった。

対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」は2019年7月に進水した。
これは、海軍の発注下で工場が建造しているプロジェクト12700ラインの7番艦となる。
艦は、海軍造船管理総局の様々な部署で勤務し、更には『統合造船業営団』の国家防衛発注局長を務めたアナトーリー・シレモフに敬意を表して命名された。
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プロジェクト12700中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
これらの艦は新世代機雷掃海艦に属しており、新たな対機雷防衛艦は危険地帯へ入る事無く、海上や海底で機雷を探知できる。
機雷へ対処する為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作の自動水中無人機を使用できる。

シリーズのトップ艦「アレクサンドル・オブホフ」は2016年に海軍へ引き渡された。
2018年、同社は第2のプロジェクト12700艦(最初の生産艦)を発注者へ引き渡した~海洋掃海艦「イワン・アントノフ」
今、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」に加え、更なる2隻の艦~「ゲオルギー・クルバトフ」「ヤーコフ・バリャーエフ」が引き渡されている。

プロジェクト12700対機雷防衛艦の排水量は890トン、全長-62メートル、幅-10メートル、最大速力-16ノット、乗組員-44名。



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サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で建造されているロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


プロジェクト12700の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、2019年7月12日に起工されました。
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[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]

2021年11月26日に進水しました。
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アナトーリー・シレモフは、2022年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。

ロシア海軍北方艦隊と太平洋艦隊の長距離対艦ミサイル(グラニート/ヴルカーン)発射訓練(2021年9月)

現在、ロシア海軍には、長距離対艦ミサイル「ヴルカーン」及び「グラニート」を搭載する水上艦原子力潜水艦が計10隻ほど在籍しています。

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「ヴルカーン」搭載艦
プロジェクト1164ロケット巡洋艦3隻:「モスクワ」(黒海艦隊)、「マルシャル・ウスチーノフ」(北方艦隊)、「ワリャーグ」(太平洋艦隊)

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「グラニート」搭載艦
プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦:「ピョートル・ヴェリキー」(北方艦隊)
プロジェクト949A原子力水中巡洋艦:「ヴォロネジ」、「スモレンスク」、「オリョール」(北方艦隊)、「トヴェリ」、「オムスク」、「トムスク」(太平洋艦隊)


毎年少なくとも1度は「グラニート」搭載艦と「ヴルカーン」搭載艦の何れかが実弾発射訓練を行なっています。

2021年には、9月中旬に北方艦隊、9月末に太平洋艦隊「グラニート」「ヴルカーン」の実弾発射訓練が行なわれました。

まず、9月中旬にバレンツ海で実施された北方艦隊の大規模演習中の9月12日、原子力水中巡洋艦「オリョール」「グラニート」を距離100キロメートル以上の海上目標へ発射しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月12日10時0分配信
【原子力水中巡洋艦「オリョール」はバレンツ海でミサイル射撃を実施した】

3日後の9月15日にはナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」「グラニート」を、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」「ヴルカーン」を海上目標へ発射しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月15日11時56分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦はバレンツ海で仮想敵揚陸支隊を破壊した】

一方、太平洋艦隊は9月下旬にオホーツク海で演習を行ない、9月29日にカムチャツカ沖でナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」「ヴルカーン」を、原子力水中巡洋艦「オムスク」「グラニート」を距離450キロメートル以上の海上目標へ発射しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年9月29日5時30分配信
【ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と原子力水中巡洋艦「オムスク」はカムチャツカ沖の演習の枠組みにおいて水上標的を有翼ミサイルで成功裏に撃破した】


これらの長距離対艦ミサイルの誘導がどのように行なわれているのかは明らかにされていませんが、おそらくは航空機による中間誘導か、或いは最近導入が進められている衛星監視システム「リアナ」が使われているものと思われます。
[「レゲンダ」を継ぐもの]
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカでの発着艦訓練を終えたロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはセヴェロモルスク-3へ戻った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月24日17時45分配信
【北方艦隊の戦闘機飛行士はクリミアでの訓練後にコラ半島へ戻った】

クリミアサキ飛行場航空母艦の甲板での飛行プログラム下で訓練を行なった北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、コラ半島の恒久駐留飛行場セヴェロモルスク-3へ戻った。
本日(11月24日)、8名の戦闘機MiG-29K及びMiG-29KUB乗員はムルマンスク州への移動飛行を完了した。

クリミアからの基地移動は、この数日間、南方軍管区及び西方軍管区の軍飛行場を経由して行われた。
飛行は、移動ルート上の好ましくない気象条件下で行なわれた。

北方艦隊の艦上飛行士の訓練は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)で10月9日から11月15日まで行なわれた。
北方艦隊将兵は13回の飛行勤務へ取り組み、1000回以上の訓練をトレーナーで実施し、約100時間空中に在った。

トレーナーでの飛行には、若い飛行士と経験豊富な飛行士の双方が参加した。
数目のパイロットが甲板への着艦の準備が完了した。
北方艦隊戦闘機航空連隊の司令と副司令は飛行を指導し、インストラクターとして若い飛行士を訓練する権利を確認した。

以前の8月~9月、クリミアトレーナー「ニートカ」航空母艦へ着艦する為の訓練コースは、北方艦隊艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33で行なわれた。



[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
[艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB(旧ブログ)]
[RSKミグMiG-29K/MiG-29KUB艦上戦闘機(RSKミグ公式サイト)]

ロシア海軍重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦上戦闘機は、当初、Su-27KUB(1999年初飛行)とMiG-29K/KUB(2007年初飛行)の2機種から選ぶ事になっていました。
[ロシア海軍は、2016年以降に新しい艦上戦闘機を採用する]

艦上戦闘機Su-27KUB(Su-33UB)
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その後、2009年2月にはMiG-29K/KUBに絞られる事になりました。
[ロシア海軍、MiG-29KUBを導入]

艦上戦闘機MiG-29K/KUB24機の購入契約が締結されたのは、それから3年後の2012年2月29日でした。
[ロシア国防省は艦上戦闘機MiG-29K/KUBの購入契約を締結した]

ロシア海軍向けのMiG-29KUB量産1号機は2013年10月下旬に初飛行しました。
[ロシア海軍の為の艦上戦闘機MiG-29KUB量産1号機は飛行試験を開始した]

2013年11月下旬、当初の計画通りに2機のMiG-29K(単座型)と2機のMiG-29KUB(複座型)ロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]

2014年12月2日までに8機のMiG-29Kと2機のMiG-29KUBが、当初の計画通りにロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍へ10機の艦上戦闘機MiG-29K/KUBが引き渡された]

2015年12月末までに10機のMiG-29Kが引き渡され、契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

MiG-29Kは、現用の艦上戦闘機Su-33と共に重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」で運用されます。
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]

2016年3月20日、第100独立艦上戦闘機航空連隊としての本格的な飛行訓練が始まりました。
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板を模した艦上戦闘機発着艦訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行ないました。
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2016年8月8日に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

母艦となる「アドミラル・クズネツォフ」には、MiG-29K/MiG-29KUBを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]


重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とするロシア海軍空母機動部隊は、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

この遠征において「アドミラル・クズネツォフ」には、少なくとも4機のMiG-29K(機体番号41、46、47、49)と3機のMiG-29KUB(機体番号50、52、53)が搭載されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]

2016年11月13日には1機のMiG-29K「アドミラル・クズネツォフ」への着艦時に墜落しました。
機体は海中に没しましたが、パイロットは無事に救助されました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月15日からシリア領内のテロ組織への空爆を開始し、MiG-29K/MiG-29KUBも参加しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]

「アドミラル・クズネツォフ」の帰投後、空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けました。
[シリア軍事作戦へ参加したロシア海軍北方艦隊の空母部隊の将兵はクレムリンで表彰を受けた]

『ロシア大統領府』公式サイトより
2017年2月23日16時30分配信
【北方艦隊将兵との会合】
この動画で6:00辺りから登場する士官(キリール・エフゲニエヴィチ・レヴャキン大尉)は、MiG-29Kパイロット(第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行中隊長)です。
レヴャキン大尉は2016年8月に初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦し、この前のシリア遠征では17回のフライト(発着艦)を行ないました。


現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、艦上戦闘機Su-33と共にセヴェロモルスク-3飛行場へ駐留しています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは空中戦闘訓練を行なった]
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2018年4月10日には、Su-33と共にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」の対空防衛訓練で「敵機役」を務めています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはバレンツ海で艦上戦闘機Su-33及びMiG-29Kを相手に対空戦闘訓練を行なった]

2018年6月8日、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、発着艦訓練を行なう為、クリミア半島サキ飛行場艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはクリミア半島の発着艦訓練施設ニートカで訓練飛行を行なう]
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2018年7月29日の「ロシア海軍の日」には、クロンシュタット及びサンクトペテルブルクで行なわれた主要海軍パレードへ参加しました。
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第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、ムルマンスク州セヴェロモルスク-3飛行場に駐留し、訓練飛行を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは悪天候下で飛行訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはコラ半島及びバレンツ海で戦闘飛行訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは戦闘飛行訓練を行なった]

2019年9月25日、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBは、再びクリミア半島艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカで訓練を行なう]

10月11日からニートカでの着艦訓練を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカで着艦訓練を行なった]

10月29日までに訓練は完了し、その後、セヴェロモルスク-3飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカでの訓練を完了した]

その後はコラ半島バレンツ海で訓練飛行を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは夜間飛行訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBは空中戦闘訓練を行なった]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはコラ半島とバレンツ海上空で戦闘訓練を行なった]


今後、MiG-29K/MiG-29KUBは、新たなヘルメット装着式情報表示システムを装備します。
[ロシア海軍の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは新たなヘルメット装着式目標指定システムを得る]


MiG-29K/KUB「母艦」アドミラル・クズネツォフは、2018年4月末から近代化改装工事が行なわれています。
2019年12月12日には火災事故が発生しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]


北方艦隊は、2021年1月16日から北極圏ノヴァヤ・ゼムリャ諸島に分遣隊を派遣し、1ヶ月交代でロガチョフ飛行場へ駐留する事になりました。
先ず初めにヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊高空迎撃戦闘機MiG-31BMが派遣されました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ配備された]
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それから約1ヶ月後の2月8日、ロガチョフ飛行場MiG-31BMは交代しました。

[北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ派遣されたロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは交代した]

そして3月12日、今度はMiG-31BMでは無く、第100艦上戦闘機航空連隊MiG-29Kロガチョフ飛行場へ派遣されました。
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一方、セヴェロモルスク-3飛行場の本隊は飛行訓練を続けました。


2021年10月上旬から11月中旬までクリミア半島サキ飛行場艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)へ派遣され、発着艦訓練を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練(2021年10月上旬~11月中旬)]

11月24日にセヴェロモルスク-3飛行場へ戻りました。

クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカの着艦拘束装置は2022年に修理される

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『タス通信』より
2021年10月18日16時29分配信
【情報筋:クリミアの地上「航空母艦」の航空拘束装置は2022年に修理される】
モスクワ、10月18日/タス通信

航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の甲板のコピーであるクリミアサキ地上試験訓練複合体(航空機)ニートカ航空拘束装置は2022年に修理される。
『タス通信』は月曜日にクリミアの治安機関に近い情報提供者より伝えられた。

「サキの複合体ニートカの航空拘束装置の修理は2022年に計画されております。
これは『プロレタリア工場』(『統合造船業営団』へ加入)の専門家により実行されます」

彼は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

対談者によると、契約締結と設計文書の準備作業の完了は11月末に計画されている。
作業実行後、サキ複合体ニートカ制動機械の寿命は10~15年延長される。
これまでは艦上航空隊航空機の受け入れの為の複合体の準備の際、制動機械のリソースは、その都度の解決策で延ばされて来た。

現在、サキ複合体ニートカは、北方艦隊海上航空隊第100独立艦上戦闘機航空連隊航空機MiG-29K/KUBの飛行士の訓練の為に使用されている。
最近、北方艦隊第279独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士も同様の訓練を行なった。

以前に北方艦隊広報サービスは、航空機Su-33及びSu-25UTGを装備する第279独立艦上戦闘機航空連隊サキ複合体ニートカでの訓練を完了したと発表した。
それによると、1ヶ月以上に渡り、5名の若いパイロットを含む艦上航空隊の7名の飛行士が航空母艦の甲板へ着艦する為の訓練を受けた。
彼ら全員が戦闘機Su-33で艦のトランポリン台から発進し、自身で地上トレーナー航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて着艦を行なった。

[複合体ニートカについて]
複合体「ニートカ」
は、艦上航空隊航空機の発艦及び着艦へ取り組む為に意図されている。
その訓練の為、サキエイスクの2つの複合体の使用が予定されている。
1つ目については近代化が必要である事が知られており、2つ目は、その始動が何度も延期されている。

サキ複合体は、トランポリン台航空機拘束装置を持つ艦の甲板の形の鋼鉄の飛行スペースを備える集合飛行場である。
飛行スペースの寸法は、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板に等しい。



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ソヴィエト連邦時代(1980年代初頭)、ウクライナには航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]


ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]

しかし、2013年にはロシア「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]

その一方、ロシアは、クラスノダール地方エイスク市に新たな「ニートカ」の建設を開始しました。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]
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その後、2014年3月18日にロシアウラジーミル・プーチン大統領クリミア自治共和国ロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、クリミア半島サキに在る「ニートカ」は再びロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]
[クリミア半島のニートカは2015年2月末から本格的に稼働を再開する]

これにより、クリミア旧ニートカは主に現用のロシア海軍艦上戦闘機隊の訓練に使われ、エイスク新ニートカは主にロシア海軍航空隊の新型航空機の各種試験と訓練に使われる事になりました。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]

2014年9月初頭、ロシア海軍Su-33艦上戦闘機は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

以後、クリミア「ニートカ」ではSu-33艦上戦闘機の訓練が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]


一方、エイスク新ニートカでは、主に新型機の試験や訓練が行なわれています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[エイスク飛行場にロシア海軍航空隊の新型シミュレーターが設置された]
[クラスノダール地方エイスクのロシア海軍の新ニートカは2022年に完成する]


2019年には、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBが10月、Su-33が2月と11月にクリミア「ニートカ」で訓練を行なっています。

[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカでの訓練を完了した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで『発着艦』訓練を行なう]

クリミア「ニートカ」は修理が必要な状態に在ります。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカは修理及び近代化される]

クリミア「ニートカ」の修理及び近代化の為の契約は、2021年5月下旬に署名されました。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカの修理及び近代化の契約が締結された]

2021年8月12日から艦上戦闘機Su-33の発着艦訓練が「ニートカ」で始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33のパイロットはクリミア半島の訓練複合体ニートカでの訓練を開始した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練完了(2021年9月末)]

Su-33部隊の訓練完了後、続いて艦上戦闘機MiG-29Kの発着艦訓練が行なわれ、2021年11月中旬に完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練(2021年10月上旬~11月中旬)]

艦上戦闘機部隊の訓練完了後、2022年から「ニートカ」着艦拘束装置が修理される事になりました。
これにより、寿命が10~15年延長されます。

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修理を行なうのは、ニートカ着艦拘束装置を製造したサンクトペテルブルク『プロレタリア工場』です。
【公開株式会社『プロレタリア工場』公式サイト】

『プロレタリア工場』は、ロシア海軍インド海軍向けに着艦拘束装置を製造しています。
[ロシアは着艦拘束装置の製造を再開した]

インド海軍向けのフリゲート"ツシル"(元ロシア海軍黒海艦隊向けフリゲート"アドミラル・ブタコフ")進水(2021年11月8日)

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日17時21分配信
【『ヤンターリ』でインドの為の2隻のプロジェクト11356フリゲートの1隻目が進水した】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』でインド海軍の発注により造船所が建造している2隻のプロジェクト11356フリゲートの1隻目~「ツシル」が進水した。
11月8日・月曜日、同社広報サービスは発表した。


式典には、インド駐ロシア大使ヴェンカテシュ・ヴァルマと妻、『ロソボロネクスポルト』『統合造船業営団』の代表が参加した。

「工場『ヤンターリ』は、海外の御客様との協力に関して豊富な経験を持っており、インドはその中でも特別な地位を占めております。
私共は、『ヤンターリ』でプロジェクト11356フリゲートの建造の継続を決定したインドの御客様の御決定を高く評価しております。
この受注は工場にとって最も重要な1つであり、私共は全ての正当な責任を果たしております」
造船所
の総取締役イリヤ・サマリンは言った。

フリゲート「ツシル」の進水は2人の洗礼母により祝福された:インド側は、ダトラ・ヴィディア・ヴァルマ夫人が艦の命名式を行い、その前でココナッツを割った。
ロシアの伝統により、フリゲートの舷側でシャンパンのボトルは、工場『ヤンターリ』の工業技術者ナタリア・パラマルチュクにより割られた。
その後「タシル」は、更なる進水の為に浮きドックへ移された。

プロジェクト11356フリゲートは、ロシア連邦国防省の発注により「アドミラル・ブタコフ」という名で2013年に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工されたが、その後、ウクライナ製ガスタービン装置の供給が途絶えたが故に建造は中断した。
2016年、ロシアインドは、インド海軍の為に同プロジェクトの2隻の艦を完成させる政府間合意へ署名した。
第2のフリゲート「タマラ」は船台での建造段階を完了しており、2022年初頭の進水が計画されている。
契約条件下で、顧客への2隻の艦の引き渡しは2023年に実行されなければならない。



ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート(インド海軍向けの「タルワー」級フリゲートロシア向けヴァージョン)は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。

1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2010年12月18日起工/2014年3月14日進水)は2016年3月11日に就役し、2016年6月9日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

2番艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月7日進水)は2016年6月7日に就役し、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

3番艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工/2015年9月2日進水)は2017年12月27日に就役し、2018年10月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]


4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。

6番艦「アドミラル・コルニロフ」も2013年12月頃に起工されました。

しかし、この3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。

この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]

2018年11月20日、ロシアインドは、インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート4隻を含む兵器輸出契約へ署名しました。
[ロシア海軍向けだった3隻のプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦はインドへ売却された]

これにより、4番艦「アドミラル・ブタコフ」と5番艦「アドミラル・イストミン」インドへ売却される事になり、建造工事が再開されました。
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そして「アドミラル・ブタコフ」改め「ツシル」は2021年11月8日に進水しました。
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「アドミラル・イストミン」改め「タマラ」は2022年初頭の進水が予定されています。

2隻のフリゲートインド海軍への引き渡しは2023年に予定されています。

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノとフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリでオーバーホールを行なう

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『タス通信』より
2021年10月6日21時30分配信
【潜水艦「コルピノ」は2月1日までの修理へ入った】
セヴァストーポリ、10月6日/タス通信

プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦B-271「コルピノ」は来年2月1日までに『セヴァストーポリ海洋工場』(『統合造船業営団』へ加入)の乾ドックでの計画修理を完了し、艦隊へ復帰する。
『タス通信』は同社の総取締役代行オレグ・ネステレツより伝えられた。

「潜水艦コルピノは、現在、『セヴモルザヴォード』乾ドックでの計画修理に在ります。
艦の修理は、来年2月1日までの完了を計画しております」
ネステレツ
は水曜日にセヴァストーポリで開催された国際海上ビジネスフォーラムの最中に話した。

潜水艦「コルピノ」『アドミラルティ造船所』で建造された。
2016年11月に黒海艦隊へ引き渡された。
有翼ミサイル「カリブル-PL」で武装する。
2017年9月、潜水艦は水中位置から有翼ミサイル「カリブル」テロリストグループ『イスラム国』(ロシア連邦では非合法)の施設へ何度も打撃を与えた。

[アドミラル・マカロフ]
黒海艦隊
プロジェクト11356R多目的フリゲート「アドミラル・マカロフ」は計画修理の為に『セヴモルザヴォード』乾ドックへ入るとネステレツは伝えた。

「10月末~11月初頭に黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は計画修理の為に『セヴモルザヴォード』乾ドックへ入ります」
ネステレツ
は話した。

彼によると、フリゲートの計画修理は年末まで続く。

同社の指導者は、乾ドックへの艦の存在は、発注者にとっては浮きドックよりもほぼ2分の1安価である事を指摘した。
同社は、長さ150メートル、幅25メートルまでの艦船の全ての修理作業を実施できる2個の乾ドックを有している。

プロジェクト11356R/M遠海ゾーン多目的フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された。
2017年12月に黒海艦隊へ含まれた。
2018年10月に恒久駐留所セヴァストーポリへ到着した。
有翼ミサイル「カリブル-NK」で武装する。



プロジェクト06363通常動力潜水艦の6番艦B-271「コルピノ」は、2014年10月30日に起工され、2016年5月31日に進水し、2016年11月24日に就役しました。

[黒海艦隊の為の第6のプロジェクト06363潜水艦コルピノはロシア海軍へ就役した]

「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、就役後もバルト海で慣熟訓練を行ない、2017年7月30日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

2017年8月中旬、先に就役した同型艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年10月26日就役)と共に黒海艦隊基地へ向けて出航し、8月16日には北海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海艦隊基地へ向かった]

2017年8月28日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]

2017年9月1日には地中海東部に展開する他のロシア海軍艦船と共に各種の演習を行ないました
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海で演習を行なう]

2017年9月14日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共にシリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ初めて計7基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

2017年10月5日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共にシリア政府軍の攻勢を支援する為、再びデリゾールISIL施設へ計10基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2017年11月3日、「コルピノ」は、シリアアブ・カマルへ計6基の「カリブル」を発射しました。
(同時にロシア航空宇宙軍爆撃機Tu-22M3が空爆)

『タス通信』より
2017年11月3日17時17分配信
【ロシア軍のTu-22M3と潜水艦「コルピノ」はシリアの『イスラム国』戦闘員へ打撃を与えた】

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「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、合計29基の「カリブル」を発射していますが、無論、2隻合わせても、これだけの「カリブル」を一度に搭載する事は出来ないので、1回発射する度にシリアタルトゥースへ寄港してミサイルを補充していたようです。

「ヴェリキー・ノヴゴロド」「コルピノ」は、その後も地中海東部に滞在し続ける事になり、2018年3月~4月には、予備の乗組員チームと交代しました。
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「コルピノ」は2019年4月30日に地中海を去り、ダーダネルス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノは地中海を去った]


2019年5月3日、「コルピノ」ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノはノヴォロシースクへ到着した]

2019年10月9日、「コルピノ」は沿岸目標及び水上目標へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノは黒海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2020年1月9日に黒海で実施された北方艦隊黒海艦隊の合同演習へ参加しました。
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは黒海でロシア海軍北方艦隊及び黒海艦隊の合同演習を視察した]

「コルピノ」は、2020年9月21日~26日にロシア南部で実施された戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加し、9月24日に沿岸目標へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノは戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2020年10月26日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共に黒海へ出航し、各種演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で演習を行なった]

2021年3月10日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共に演習を行なう為、黒海へ出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で演習を行なう]
演習は3月18日に終わりました。

その後、「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共に再び出航し、3月29日に魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で魚雷を発射した]

2021年6月末に出航し、6月30日には黒海で潜航訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノは黒海で潜航訓練を実施した]

10月初頭に『セヴァストーポリ海洋工場』の乾ドックへ入渠し、オーバーホールが始まりました。
完了は2022年2月1日までに予定されています。


プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラード『ヤンターリ』造船所で起工され、2015年9月2日に進水し、2017年12月27日にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[プロジェクト11356Rフリゲート3番艦アドミラル・マカロフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まって慣熟訓練を行ない、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。


観艦式が終わった後、北方艦隊及びバルト艦隊の参加艦と共にバルト海で合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2018年8月18日、「アドミラル・マカロフ」黒海艦隊基地セヴァストーポリへの移動を開始しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かった]

2018年8月末までに地中海東部へ到着し、同海域で9月1日から8日まで実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

その後も地中海東部に留まっていましたが、10月4日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去り、黒海へ向かった]

翌10月5日、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。

[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
セヴァストーポリ到着後、「アドミラル・マカロフ」の舷側番号は「499」に変更されました。
(就役時は「799」)


11月5日にセヴァストーポリを出航し、11月6日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ入る]

11月16日、同型艦「アドミラル・エッセン」と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

11月20日には「アドミラル・エッセン」と共に対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も「アドミラル・マカロフ」地中海東部に留まっており、12月28日にキプロスリマソール港へ入港しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]

12月29日にリマソール港を去りました。


「アドミラル・マカロフ」は、2019年の新年を洋上(地中海東部)で迎えました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で2019年の新年を迎える]

2019年1月中旬、「アドミラル・マカロフ」は、シリアタルトゥース港で乗組員の錬成訓練を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で乗組員の慣熟訓練を始めた]

2月1日には、対空防衛訓練を実施しました。
(おそらくはタルトゥース港に停泊した状態で)
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]

その後、「アドミラル・マカロフ」タルトゥースを出航し、2月11日に再びキプロスリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は再びキプロスのリマソール港へ寄港した]

2月13日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソール港を去った]

「アドミラル・マカロフ」は、その後も地中海東部に滞在していましたが、3月4日にダーダネルス海峡へ入り、母港セヴァストーポリへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌3月5日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリへ帰投した]

2019年7月にはクリミア半島固定式地対艦ミサイル「ウチョス」と共に演習を行ないました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と地対艦ミサイル"ウチョス"は演習を行なった]

2019年8月末の黒海艦隊演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の演習は完了した]

9月23日にセヴァストーポリを出航し、ギリシャへ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャへ向かった]

翌9月24日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過し、9月27日にギリシャコルフ島(ケルキラ島)へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャのコルフ島(ケルキラ島)を訪れた]
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ギリシャコルフ島(ケルキラ島)は、歴史上ロシア海軍とは深く関わっており、1799年、ロシア海軍フョードル・ウシャコーフ提督は、コルフ島フランスから解放しています。
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これを記念して毎年9月下旬~10月初頭にロシア海軍の艦がコルフ島(ケルキラ)を訪れ、記念行事(イオニア諸島のロシア週間)が開催されています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"乗組員は第17回『イオニア諸島のロシア週間』へ参加した]

10月2日、「アドミラル・マカロフ」コルフ島(ケルキラ)を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はギリシャのコルフ島(ケルキラ島)を去り、シリアへ向かった]

10月3日、地中海東部で演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で演習を行なった]

10月14日までにシリアタルトゥース港へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はシリアのタルトゥースへ入港した]

2019年11月初頭に地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宇宙軍の演習へ参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍は地中海東部で合同演習を実施した]

11月7日にはヘリコプターの発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部でヘリコプターの発着訓練を行なった]

その後、プロジェクト22160哨戒艦の1番艦「ワシーリー・ブイコフ」(2018年12月20日就役)及びプロジェクト22870救助曳船SB-739(2017年3月7日就役)と共にアルジェリアへ向かい、11月下旬にアルジェリア海軍と合同演習を行ないました。

[ロシア海軍黒海艦隊は地中海西部でアルジェリア海軍と合同演習を行なった]

合同演習が終わった後、再び地中海東部へ向かい、11月28日にはキプロスリマソールへ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"はキプロスのリマソールを訪れた]

2019年12月16日から19日まで地中海東部(タルトゥース沖)で実施されたシリア海軍との合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊はシリア海軍と地中海東部(シリア沖)で合同演習を開始した]
[シリア沖でのロシア海軍地中海作戦連合部隊とシリア海軍の合同演習は完了した]

「アドミラル・マカロフ」は12月23日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部を去り、セヴァストーポリへの帰路に就いた]

12月26日には同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」黒海で対潜戦闘演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2019年12月26日12時34分配信
【黒海艦隊は対潜演習を実施した】

12月27日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部から母港セヴァストーポリへ帰投した]


2020年2月27日、同型艦(11356Rの1番艦)「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)と共にセヴァストーポリを出航し、地中海へ向かいました。
2月28日にはボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

先に地中海東部へ入っていた同型艦(11356Rの2番艦)「アドミラル・エッセン」(490、2016年6月7日就役)と合流し、各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]

4月に入ってからも3隻のフリゲートは一緒に行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]


その後、「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」「アドミラル・グリゴロヴィチ」と別れ、4月9日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌4月10日、「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」は母港セヴァストーポリへ到着しました。

しかし、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行・感染拡大に関連し、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は、暫くセヴァストーポリ港内の泊地に留め置かれる事になりました。
「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は3月末に外国港(おそらくはキプロスリマソール港)へ寄港していた為、外国港を出てから14日間は検疫期間として乗組員は陸地へ上陸できず、艦内に留まる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリ港内へ入った]

「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・エッセン」は艦内の消毒などの措置が行なわれ、4月11日にセヴァストーポリ港埠頭へ入りました。
[地中海東部から戻ってきたロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は検疫措置を終えてセヴァストーポリ埠頭へ係留された]

それから2ヶ月以上経過した2020年6月下旬、「アドミラル・マカロフ」セヴァストーポリを出航し、6月24日にはボスポラス海峡へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海へ向かった]

地中海東部へ到着した「アドミラル・マカロフ」は、6月29日に対空防衛及び対水中破壊工作演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で演習を行なった]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』には、シリアタルトゥース港で行なわれた観艦式へ参加しました。

[シリアのタルトゥース港で『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]

7月28日には地中海東部で対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も地中海東部で行動を続け、9月15日未明には洋上補給を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で洋上補給を行なった]

9月30日には対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海で対空戦闘訓練を行なった]

10月19日に地中海を離れ、その後、母港セヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

2020年11月17日~23日に黒海東部(ノヴォロシースク付近)で実施されたエジプト海軍との合同演習『友情の橋-2020』へ参加しました。
[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2020』は完了した]


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2021年1月27日にセヴァストーポリを出航し、1月29日に黒海で演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海で演習を行なった]

2021年3月23日には同型艦「アドミラル・エッセン」と共に黒海で海上戦闘演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・マカロフ"と"アドミラル・エッセン"は黒海で海上戦闘演習を行なった]

4月14日に黒海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は黒海で砲撃訓練を行なう]

4月20日に黒海で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の水上艦は南方軍管区の襲撃機Su-25UTGと合同演習を行なった]

4月22日にクリミア半島沿岸で行なわれた黒海艦隊南方軍管区の上陸演習へ参加しました。

[クリミア半島沿岸でロシア海軍黒海艦隊とロシア南方軍管区の上陸演習が行なわれた]

翌4月23日にセヴァストーポリへ帰投しました。


5月初頭にセヴァストーポリを出航し、5月2日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート アドミラル・マカロフは地中海東部へ向かった]

6月下旬には地中海東部ロシア航空宇宙軍との合同演習へ参加しました。
[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同防空演習が実施された]

8月13日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後セヴァストーポリへ帰投しました。
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11月上旬に『セヴァストーポリ海洋工場』の乾ドックへ入渠し、オーバーホールが始まりました。
完了は2021年12月末に予定されています。

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練完了(2021年9月末)


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月22日20時30分配信
【北方艦隊の艦上飛行士はクリミアの航空トレーナーでの訓練を完了する】

クリミア北方艦隊艦上戦闘機航空連隊Su-33の飛行士が重航空巡洋艦の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)で飛行訓練プログラムの最終段階へ着手した。

経験豊富なインストラクター、パーヴェル・ポドグゾフ大佐(伝説的な飛行士・ロシア英雄チムール・アパキージェの教え子の1人)の指導下で、数名の若い飛行士は自身で地上トレーナーの航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて着艦する訓練を行なった。

クリミアでの北方艦隊艦上戦闘機飛行士の訓練は数週間続いた。
10月前半に彼らは北極圏コラ飛行場へ戻る。

地上トレーナーでの訓練中、若い飛行士と、航空艦への着艦技量を回復する為に経験豊富な飛行士が練習した。
彼らは艦のトランポリン台から発進し、滑走路の限られたセクションでケーブルへフックを引っ掛けて着陸する訓練の完全なサイクルを行なった。

クリミア地上トレーナーでの戦闘機Su-33の艦上飛行士の訓練プロセスの完了後、彼らは独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29Kの同僚と交代する。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月30日18時30分配信
【北方艦隊の艦上飛行士はクリミアの航空トレーナーでの訓練を完了した】

クリミア北方艦隊艦上戦闘機航空連隊Su-33の飛行士は、重航空巡洋艦の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)での飛行訓練プログラムを完了した。

経験豊富なインストラクター、パーヴェル・ポドグゾフ大佐(伝説的な飛行士・ロシア英雄チムール・アパキージェの教え子の1人)と連隊司令ヴャチェスラフ・ルニン大佐の指導下で、訓練飛行プログラムは完全に実行された。

北方艦隊将兵は、練習訓練航空機Su-25UTG戦闘機Su-33で飛行した。

訓練は1ヶ月以上続いた。
この間、航空母艦の甲板へ着艦する為の訓練を、5名の若いパイロットを含む艦上航空隊の7名の飛行士が受けた。
彼ら全員が戦闘機Su-33で艦のトランポリン台から発進し、自身で地上トレーナー航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて着艦を行なった。

現在、艦上戦闘機航空連隊の飛行要員と技術要員は、クリミアからムルマンスク州の恒久勤務場所への移動を準備している。
サキ訓練トレーナーは、MiG-29K独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士と交代する。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月4日13時0分配信
【クリミアで訓練を行なった北方艦隊の艦上戦闘機乗員はムルマンスク州へ戻った】

クリミア地上工学技術航空複合体(ニートカ)で飛行訓練プログラムを受けた北方艦隊戦闘機航空連隊のパイロットは、ムルマンスク州の恒久駐留飛行場セヴェロモルスク-3へ到着した。

経験豊富なインストラクター、パーヴェル・ポドグゾフ大佐(伝説的な飛行士・ロシア英雄チムール・アパキージェの教え子の1人)と連隊司令ヴャチェスラフ・ルニン大佐の指導下で、若い飛行士と経験豊富な飛行士は航空母艦の甲板を模した地上トレーナーで発着艦の訓練を行なった。

北方艦隊将兵は、練習訓練航空機Su-25UTG戦闘機Su-33で飛行した。

訓練は1ヶ月以上続いた。
この間、航空母艦の甲板へ着艦する為の訓練を、5名の若いパイロットを含む艦上航空隊の7名の飛行士が受けた。
彼ら全員が戦闘機Su-33で艦のトランポリン台から発進し、自身で地上トレーナー航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて着艦を行なった。

ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練(2021年10月上旬~11月中旬)


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月8日16時15分配信
【北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは地上航空複合体での訓練の為にクリミアへ飛行した】

北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、地上工学技術航空複合体(ニートカ)での訓練中に飛行技量を向上させる為、ムルマンスク州からクリミアへの基地移動を完了した。

セヴェロモルスク-3飛行場からサキ飛行場への飛行は、飛行ルート上の好ましくない気象条件に関連し、数日間掛かった。
合計して数機の戦闘機MiG-29K練習戦闘機MiG-29KUB、更には飛行要員と技術要員がクリミアへ移動した。

上級中尉から中佐までの軍階級の戦闘機飛行士は、彼らの司令官ウラジーミル・コクリン大佐の指導下で来週から訓練を開始する。

以前(9月)、北方艦隊艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33の飛行士は、トレーナー「ニートカ」での航空母艦の甲板から飛行する為の訓練プログラムを実施した。
彼らの訓練は1ヶ月以上続いた。
この間、航空母艦の甲板へ着艦する為の訓練を、5名の若いパイロットを含む艦上航空隊の7名の飛行士が受けた。
彼ら全員が戦闘機Su-33で艦のトランポリン台から発進し、自身で地上トレーナー航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて着艦を行なった。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月12日16時00分配信
【北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは地上航空複合体ニートカでの訓練へ着手した】

先週末に北極圏コラからクリミアへ到着した北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、サキ飛行場での訓練へ着手した。
そこには、重航空巡洋艦の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)が位置している。

若い飛行士と経験豊富な飛行士は、戦闘機MiG-29K練習戦闘機MiG-29KUBで2回の飛行勤務を実施した。

飛行士はトランポリン台から発進し、超低高度で滑走路を通過し、脚を出して接触する技量を仕上げる。
これらの操縦術の要素は、航空拘束装置のケーブルを持つトレーナーの「甲板」への着地に先立つものである。

クリミアでの北方艦隊艦上戦闘機の訓練は約1ヶ月間続く。
飛行訓練プログラム完了後、彼らはムルマンスク州飛行場へ戻る。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月6日18時30分配信
【北方艦隊の艦上飛行士はクリミアの地上航空トレーナで10回の飛行勤務へ取り組んだ】

北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、クリミアサキ飛行場における航空母艦の甲板からの飛行プログラム下での訓練を続けている。
そこには、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)が位置している。

北方艦隊将兵は10月9日からクリミアでの訓練を開始し、11月1日までに10回の飛行勤務へ取り組んだ。
彼らは70時間以上空中に滞在し、700回以上の訓練をトレーナー「ニートカ」で実施した:甲板上空の通過、脚を出しての接触、航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛ける。

休暇中に艦上飛行士の訓練飛行は中止された。
訓練プログラムは来週も続く。

艦上戦闘機MiG-29Kでの訓練は11月半ばまで続く。

トレーナーでの飛行には、若い飛行士と、専門飛行技量を回復、維持する為に経験豊富な飛行士の双方が参加している。
訓練飛行は、戦闘機MiG-29K練習戦闘機MiG-29KUBで実施されている。

以前の8月~9月、クリミアトレーナー「ニートカ」航空母艦へ着艦する為の訓練コースは、北方艦隊艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33で行なわれた。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月13日15時00分配信
【北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kは地上航空複合体ニートカでの訓練を完了する】

北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)が位置するクリミアサキ飛行場における航空母艦の甲板からの飛行プログラム下での訓練の最終段階へ着手した。

北方艦隊将兵は10月9日からクリミアでの訓練を開始し、11月1日までに10回の飛行勤務へ取り組んだ。
今週に彼らは更に2回の飛行勤務へ取り組んだ。
戦闘機飛行士は来週初めに最終訓練飛行を行ない、その後に北極圏コラの飛行場へ基地移動する。

現在、北方艦隊の艦上飛行士は、85時間以上空中に滞在し、約1000回の訓練をトレーナー「ニートカ」で実施した:甲板上空の通過、脚を出しての接触、航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛ける。

トレーナーでの飛行には、若い飛行士と、専門飛行技量を回復、維持する為に経験豊富な飛行士の双方が参加している。
訓練飛行は、戦闘機MiG-29K練習戦闘機MiG-29KUBで実施されている。

以前の8月~9月、クリミアトレーナー「ニートカ」航空母艦へ着艦する為の訓練コースは、北方艦隊艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33で行なわれた。
今週、彼らはコラ半島沿岸のルンボフスキー射爆場で地上及び海上標的への爆撃へ取り組んだ。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月16日19時45分配信
【北方艦隊のMiG-29K艦上飛行士はクリミアの地上航空複合体ニートカでの訓練を完了した】

北方艦隊独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の飛行甲板を模した地上工学技術航空複合体(ニートカ)が位置するクリミアサキ飛行場における航空母艦の甲板からの飛行プログラム下での訓練を完了した。

10月9日から11月15日まで北方艦隊将兵は13回の飛行勤務へ取り組み、約100時間空中に在った。
パイロットは1000回以上の訓練をトレーナー「ニートカ」で実施した:甲板上空の通過、脚を出しての接触、航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛ける。

トレーナーでの飛行には、若い飛行士と経験豊富な飛行士の双方が参加した。
数目のパイロットが甲板への着艦の準備が完了した。
北方艦隊戦闘機航空連隊の司令と副司令は飛行を指導し、インストラクターとして若い飛行士を訓練する権利を確認した。

訓練飛行は、戦闘機MiG-29K練習戦闘機MiG-29KUBで実施された。

以前(8月~9月)、クリミアトレーナー「ニートカ」航空母艦へ着艦する為の訓練コースは、北方艦隊艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33で行なわれた。

北方艦隊飛行士コラ半島への帰還は週末に計画されている。

ロシア海軍とASEAN諸国海軍の初の合同演習は2021年12月1日~3日にインドネシア沖で実施される

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『タス通信』より
2021年11月23日15時59分配信
【初のロシア-ASEAN海軍演習は12月1日~3日に行なわれる】
バンコク、11月23日/タス通信

史上初のロシア東南アジア諸国連合(ASEAN)海軍演習は今年12月1日~3日にインドネシアで行なわれる。
火曜日に『タス通信』特派員はASEANロシア連邦常駐代表アレクサンドル・イワノフより伝えられた。

対談者によると「ロシア-ASEAN海軍演習は12月1日~3日に北スマトラ海域のインドネシア領海で行なわます」
「ロシア側からは大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフが参加します」
イワノフ
は明らかにした。

彼が説明したように、演習は「海上商業活動と船舶航行の安全を保障する為のロシア海軍とASEAN加盟国海軍との連携」の仕上げへ指向される。
「演習は、2つの段階に分けられます~仮想及び海上」
イワノフ
は付け加えた。
演習の開始は、インドネシア国防相プラボヴォ・スビアントにより行なわれる予定である。

10月28日、ビデオ会議モードで第4回ロシア-ASEANサミットが開催された。
会議は、今年に祝われるロシア連邦連合の関係樹立30周年に合わせて開催された。
サミットに続いて、戦略的パートナーシップの更なる発展へと指向される一連の文書が採択された。
指導者は、ロシア連邦ASEANの史上初の海軍演習を実施する決定を承認した。

ウラジオストクでロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグのオーバーホールが始まった

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月23日10時38分配信
【太平洋艦隊旗艦は計画修理へ入った】

太平洋艦隊旗艦~親衛ナヒーモフ勲章ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は『ダーリザヴォード』乾ドックで計画技術的整備へ入った。
同社広報サービスは艦上での作業がどのくらい続くのかを明らかにしなかった。


9月及び10月に太平洋艦隊旗艦は数回の出航を行ない、及びミサイル射撃実施を含む一連の演習を実施した。

以前の2021年6月、「ワリャーグ」太平洋中央部太平洋艦隊の多種戦力作戦演習へ参加した。

「ワリャーグ」は第3のプロジェクト1164(コード名「アトラント」)ロケット巡洋艦である。
艦はニコラエフ61コムーナ記念造船工場で建造された。
1979年に起工され、1983年に進水し、1989年10月16日に就役した。
当初の名前は「チェルヴォナ・ウクライナ」であった。
1996年に「ワリャーグ」に改名された。
2002年から太平洋艦隊旗艦である。

プロジェクト1164ロケット巡洋艦の排水量は11380トン、船体長186メートル、幅20.8メートル。
艦は34ノットまでの速力を発揮できる。
乗組員540名。
巡洋艦の主要打撃兵装は16基のミサイルP-1000「ヴルカーン」発射装置である。
これに加え、それは砲、対空防衛ミサイル手段、高射ミサイル複合体「オサー-M」、魚雷発射管及び深海爆撃を行なう為の噴射推進装置を装備する。



プロジェクト1164ロケット巡洋艦の3番艦「チェルヴォナ・ウクライナ」は、1979年7月31日にウクライナ共和国ニコラエフ市『61コムーナ記念造船工場』で起工され、1982年7月27日に進水し、1989年12月25日に海軍へ納入され、1990年1月7日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
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1990年9月27日にセヴァストーポリを出航し、同年11月5日にペトロパヴロフスク-カムチャツキーへ到着しました。
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ロケット巡洋艦「チェルヴォナ・ウクライナ」太平洋艦隊・カムチャツカ小艦隊・第173ロケット艦旅団へ編入され、カムチャツカ方面で行動していました。
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しかし、ソ連邦解体後、財政難により太平洋艦隊大型水上艦は次々と退役し、1990年代半ばには巡洋艦クラスで稼働状態に在るのはカムチャツカに居る「チェルヴォナ・ウクライナ」のみとなってしまいました。
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[オホーツク海のミサイル巡洋艦チェルヴォナ・ウクライナ(1995年8月)]

1996年2月9日、「チェルヴォナ・ウクライナ」は、建造中止となったプロジェクト11436親衛重航空巡洋艦「ワリャーグ」(現在の中国海軍航空母艦「遼寧」)の親衛称号と艦名を受け継ぎ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」となり、カムチャツカから沿海地方へ配置換えされました。

1996年7月28日にウラジオストクで開催されたロシア海軍記念日観艦式が、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」の初の御披露目となりました。

1997年には日露戦争で沈んだ巡洋艦「ワリャーグ」慰霊祭のため韓国仁川沖へ行きました。

1998年にはウラジオストクで小修理が行なわれました。

1999年10月には駆逐艦「ブールヌイ」と共に中国上海を訪問しました。
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2002年10月10日から15日まで日本横須賀を公式訪問し、日本海上自衛隊創設50周年国際観艦式に参加しました。
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2004年2月~3月には韓国仁川中国上海を訪問しました。
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2005年秋にはインドヴィシャカ―パトナムを訪れ、インド海軍との合同演習『インドラ-2005』へ参加しました。

2006年春から2008年1月初頭までウラジオストク艦船修理工場ガスタービンエンジンの交換を含むオーバーホールが行なわれました。
[ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」、長期修理後の洋上テスト開始]
[ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」の洋上テストは続く]
[スラヴァ級ミサイル巡洋艦「ワリャーグ」復帰(2008年1月17日~2月11日)]

2009年1月上旬には大韓民国釜山港を訪問しました。
[釜山港の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(2008年10月9日)]

2009年10月27日から12月2日まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[巡洋艦「ワリャーグ」支隊、ウラジオストク帰港]
[巡洋艦「ワリャーグ」支隊、ウラジオストク帰港(ロシア国防省発表)]

2010年5月~6月、ウラジーミル・カサトノフ中将の指揮下で太平洋への遠距離航海を行ない、アメリカサンフランシスコを訪問しました。


2011年9月20日から12月2日まで太平洋への遠距離航海を行ない、日本舞鶴グアム島カナダバンクーバーを訪問しました。

[親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、ウラジオストク帰港(2011年12月2日)]

2012年4月下旬に中国海軍との合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2013年2月中旬以降、ウラジオストク艦船修理センター「ダーリザヴォード」で定期修理が行なわれました。
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2013年8月末から2014年1月25日まで地中海への遠距離航海を行ないました。
[ロケット巡洋艦ワリャーグ地中海遠征(2013年8月-2014年1月)]

2014年5月下旬に中国海軍との合同演習『海洋協同-2014』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

2014年7月中旬にインド海軍との合同演習『インドラ-2014』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習「インドラ-2014」2日目]

2014年9月19日~25日にロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2014』へ参加しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦略演習ヴォストーク-2014で有翼ミサイルを発射した]

2014年10月23日から12月15日まで南太平洋への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年前半はウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』乾ドックへ入渠していました。
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2015年8月下旬に中国海軍との合同演習『海洋協同-2015』第2段階へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]

2015年12月29日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、「ワリャーグ」ナヒーモフ勲章が授与されると発表しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]

2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]

2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]

その後はウラジオストクで整備が行なわれ、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]

2017年4月1日から6月14日まで東南アジアへの遠洋航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは東南アジア遠洋航海から帰投した]

帰港後、6月末から7月初頭に掛けてオホーツク海で演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊主力水上部隊は対空戦闘演習を行なった]

2017年9月下旬、日本海及びオホーツク海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』(第2段階)へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

合同演習が終わった後もオホーツク海に滞在し、10月9日には原子力水中巡洋艦「トムスク」と共に海上目標への有翼ミサイル発射訓練を行ないました。
(「ワリャーグ」対艦ミサイル「ヴルカーン」「トムスク」対艦ミサイル「グラニート」を発射)


2018年2月27日、ウラジオストクナヒーモフ勲章の授与式が行なわれました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与された]

2018年4月下旬には日本海対艦ミサイル対空ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは日本海で対艦ミサイル"ヴルカーン"を発射した]
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは日本海で艦対空ミサイル"フォルト"を発射した]

2018年8月下旬の太平洋艦隊オホーツク海演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の40隻以上の艦船は日本海及びオホーツク海で演習を行なう]

2018年9月11日~17日までロシア極東部で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊の大型水上艦はオホーツク海で揚陸艦部隊を護衛した]

2018年10月1日から2019年1月24日まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
この間、10月上旬には日本函館へ寄港し、12月中旬にはインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2018』へ参加しました。
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[東南アジア遠征を終えたロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はウラジオストクへ帰投した]

2019年5月初頭に黄海で行なわれたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2019』へ参加した太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはウラジオストクへ帰投した]

2019年8月中旬から9月中旬までオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとロケット艇2隻は太平洋で対艦ミサイルを発射した]

2019年10月1日から12月23日まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した]

2020年3月下旬から5月初頭まで日本海及びオホーツク海で行なわれた戦術演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』ウラジオストク(金角湾)の観艦式へ参加しました。


2020年8月中旬にウラジオストクを出航し、9月中旬までオホーツク海ベーリング海で演習を行ないました。
[ロシア海軍演習『大洋の盾-2020』(2020年8月)]

9月16日にウラジオストクへ帰投しました。
[ベーリング海演習(『大洋の盾-2020』)へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

「ワリャーグ」は10月16日にピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で対空射撃及び機雷掃討訓練を行なった]

10月28日~29日には大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」と共に日本海で各種演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは日本海で演習を行なった]

2020年11月1日から12月30日まで大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」と共に東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊東南アジア遠征(2020年11月-12月)]


2021年3月4日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」及び大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と共にピョートル大帝湾へ出航して対潜戦闘訓練を行ない、RBU-6000対潜ロケットを発射しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

3月30日にピョートル大帝湾へ出航し、130mm砲による地上目標への艦砲射撃訓練と、30mm機関砲による機雷掃討訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で艦砲射撃訓練を行なった]

翌3月31日、ピョートル大帝湾で対空防衛演習を実施し、「オサー-MA」、130mm砲AK-130、30mm機関砲AK-630によりミサイル標的を撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で対空防衛演習を実施した]

4月22日にはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"、"グロームキー"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年5月1日に遠距離航海へ出発し、その後、太平洋中央部太平洋艦隊の大規模演習へ参加し、7月8日に帰投しました。
[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

9月1日に大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」及び「アドミラル・トリブツ」と共に出航し、翌2日にピョートル大帝湾で対空防衛演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年9月2日10時56分配信
【ピョートル大帝湾で太平洋艦隊旗艦~ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が参加する対空防衛演習が実施された】

9月19日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年9月22日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

9月29日にはカムチャツカ沖で対艦ミサイル「ヴルカーン」を水上標的へ発射しました。
この時、原子力水中巡洋艦「オムスク」も同時に対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年9月29日5時30分配信
【ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と原子力水中巡洋艦「オムスク」はカムチャツカ沖の演習の枠組みにおいて水上標的を有翼ミサイルで成功裏に撃破した】

9月29日に宗谷海峡を西進して日本海へ入り、その後、ウラジオストクへ帰投しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年10月1日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

10月7日から日本海で戦闘演習を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月7日6時30分配信
【太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」はミサイル射撃を実施する為に日本海へ出航した】

10月11日には大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と共に日本海対空ミサイル発射訓練を行ない、小型ロケット艦「ラズリーフ」が発射したミサイル標的「マラヒート」を撃墜しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月11日15時30分配信
【太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は日本海でミサイル射撃を実施した】

10月24日には基地でダメージコントロール訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月24日8時45分配信
【太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」乗組員は艦のダメージコントロール任務へ取り組んだ】

そして2021年11月下旬からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが始まりました。
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原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される

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『タス通信』より
2021年11月23日9時9分配信
【情報筋:潜水艦からのミサイル「ツィルコン」試験は2024年に原子力潜水艦「ペルミ」で再開される】
モスクワ、11月23日/タス通信

2度の試験発射成功後の水中搭載艦からの極超音速ミサイル「ツィルコン」の飛翔設計試験は、設計が変更されたプロジェクト885M(「ヤーセン-M」)原子力潜水艦「ペルミ」で2024年に再開される。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「水中搭載艦による飛翔設計試験の再開は、2024年よりも以前には計画されておりません。
それは、幾らか設計が変更され、前任者と異なるプロジェクト885M潜水艦ペルミで行なわれます。
潜水艦が2024年にツィルコン発射の準備が出来ない場合、その再開は2025年前半になります」

彼は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前に『タス通信』は、プロジェクト885M原子力潜水艦の中でミサイル「ツィルコン」の最初の標準水中搭載艦となるのは設計が変更された潜水艦「ペルミ」~このシリーズの潜水艦ファミリーの5隻目~になると伝えた。
潜水艦海軍への引き渡しは2025年に計画されている。

現在、生産合同『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)は、6隻のプロジェクト885M原子力潜水艦の建造を進めている。
プロジェクト885及び885M潜水艦のトップ~「セヴェロドヴィンスク」「カザン」ロシア連邦海軍に在籍しており、プロジェクト885M潜水艦の最初の生産艦「ノヴォシビルスク」は試験が行なわれている。
それは今年末までの海軍への引き渡しが計画されている。

10月4日、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、白海エリアの水上及び水中位置からミサイル「ツィルコン」の試験発射を初めて実施した。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

「ツィルコン」の量産開始は、早ければ2022年になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産は2022年に始まる]
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2022年からロシア海軍への引き渡しが始まる]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。

水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍黒海艦隊とアルジェリア海軍は地中海西部で合同演習を行なった

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月15日14時32分配信
【ロシア海軍とアルジェリア海軍の合同演習は地中海で始まった】

地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員であるフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」、救助曳船SB-742は、アルジェリア海軍の艦との国際演習へ参加する。

11月15日・月曜日にロシア連邦国防省広報サービスが伝えたように、アルジェリアからはヘリコプターを持つフリゲート「ハラド」、練習艦「リャ・スマム」、救助曳船「エリ・ムンジド」、哨戒航空機及び捜索救助ヘリコプターが参加する。

演習の海上段階は11月16日~17日に地中海南西部アルジェリア海軍の戦闘訓練射爆場で実施される、

海上へ出たロシアアルジェリアの船員は、海上での非合法活動:海賊行為、貨物の違法輸送、テロ活動、大量破壊兵器の拡散を阻止する為の連携へ取り組む。

演習期間中、国際艦船連合部隊の単一本部が形成される。
当事者が合意した議定書に沿って、統合部隊の司令官はアルジェリア海軍中央海域司令官カイド・ノルディン少将、部隊の参謀長は黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地司令官ヴィクトール・コチェマゾフ少将になる。
本部はアルジェリア海軍の旗艦に配置される。

「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、黒海艦隊の為にカリーニングラード州造船所『ヤンターリ』で建造された最初のプロジェクト11356フリゲートである。
2016年から勤務に就いている。
排水量 4000トン、速力-30ノット、自立航行期間 30日。
兵装構成には、口径100mmのA-190砲装置高射ミサイル及び高射砲複合体魚雷及び対潜攻撃手段、更には高精度有翼ミサイル「カリブル」が含まれる。

「ドミトリー・ロガチョフ」は、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』で建造されたプロジェクト22160の最初の生産艦である。
モジュールコルベットは2019年6月に黒海艦隊へ加わった。
新たな76.2mm砲装置高射ミサイル複合体機関銃で武装する。



ロシア黒海艦隊哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は10月26日にボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は10月28日にボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】

その後、救助曳船SB-742(プロジェクト22870、2019年12月20日就役)が合流し、アルジェリアへ向かいました。

3隻は11月13日にアルジェ港へ到着しました。


海上での演習は11月16日~17日に実施されました。

ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アファナシー・イワンニコフ起工(2021年9月9日)

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月9日13時2分配信
【サンクトペテルブルクで第9の「アレクサンドリト」が起工された】

9月9日・木曜日、『中部ネヴァ川造船工場』でプロジェクト12700対機雷防衛艦「アファナシー・イワンニコフ」が起工された。
これはロシア海軍の為に意図されているこのタイプの第9の掃海艦である。


同社広報サービスが説明したように、式典行事にはロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将『中部ネヴァ川造船工場』総取締役ウラジーミル・セレドホ、『統合造船業営団』副総取締役アンドレイ・ブザコフ、更には地元の立法及び執行当局の代表が参加した。
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新たな艦は、大祖国戦争中に北方艦隊ペチェンガ海軍基地水域保護旅団掃海旅団第6大隊掃海艇「T-115」を指揮したソヴィエト連邦英雄アファナシー・イワノヴィチ・イワンニコフ海尉艦長に敬意を表して命名された。
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プロジェクト12700艦は、主として海軍基地海域での機雷の捜索及び破壊の為に意図されている。
それは、水中音響ステーション(ソナー)、遠隔操作の自動水中無人機を艦上へ配置する。
同時に「アレクサンドリト」は、従来の掃海兵装も使用できる。

このタイプの掃海艦の長所は、機雷捜索の際、より大きな生存性を提供する鋼鉄船体と比べてより高い強度の船体であると考えられている。

艦の排水量は890トン、全長-61メートル、幅-10メートル、速力-16.5ノット、乗組員-40名以上。
艦は様々なサイドスラスターの効果的な複合体の使用による高い操縦性を有する。

ロシア海軍の一員として5隻のプロジェクト12700掃海艦が勤務へ就いている。
このタイプの第6の艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2021年春に進水した。
『中部ネヴァ川造船工場』では、更なる2隻の「アレクサンドリト」「アナトーリー・シレモフ」「レフ・チェルナヴィン」の建造が続いている。



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サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で建造されているロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700の1番艦「アレクサンドル・オブホフ」は、2011年9月22日に起工され、2014年6月27日に進水し、2016年12月9日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
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[新世代掃海艦プロジェクト12700の1番艦アレクサンドル・オブホフはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]


2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されましたが、2016年6月7日夜に火災が発生し、同艦の進水と就役は延期される事になりました。

[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]


「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復中、同艦よりも後に起工された艦が先に就役、進水しました。

3番艦「イワン・アントノフ」は2017年1月25日に起工され、2018年4月25日に進水し、2019年1月26日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
(就役順では2番艦)
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[新世代掃海艦イワン・アントノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭対機雷防衛艦イワン・アントノフはセヴァストーポリへ到着した]

4番艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」は2017年4月20日に起工され、2019年5月30日に進水、2019年12月28日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
(就役順では3番艦)
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[最新鋭非金属複合材料対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
就役後もバルト海に留まって各種試験に従事し、2021年9月6日に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着しました。


5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は2017年12月26日に起工され、2020年1月29日に進水、2020年12月26日に就役し、太平洋艦隊へ配備されました。
(就役順では4番艦)
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[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊に編入された]
[ロシア海軍太平洋艦隊の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ半島へ到着した]

本来の2番艦である「ゲオルギー・クルバトフ」は2020年9月30日にようやく進水し、2021年8月20日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
(就役順では5番艦)
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[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはロシア海軍へ就役した]


6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月25日に起工され、2021年4月28日に進水しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは進水した]
就役は2021年末に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦アナトーリー・シレモフは、2019年7月12日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]
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進水は2021年11月26日に予定されています。

8番艦「レフ・チェルナヴィン」は2020年7月24日に起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦レフ・チェルナヴィンはサンクトペテルブルクで起工された]

そして2021年10月9日に9番艦「アファナシー・イワンニコフ」が起工されました。


現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
最終的には、30隻以上の建造が計画されています。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは日本海でアメリカ駆逐艦の領海侵犯を阻止した(2021年10月15日)


『タス通信』より
2021年10月15日22時35分配信
【ロシア連邦海軍の艦は日本海でアメリカ合衆国駆逐艦のロシア国境侵犯の試みを阻止した】
モスクワ、10月15日/タス通信

アメリカ合衆国海軍駆逐艦「チャーフィー」は金曜日にロシア国境へ接近し、その横断を試みた。
ロシア国防省は報道機関へ伝えた。

「本日・10月15日、現地時間17時頃、数日前から日本海エリアで行動していたアメリカ合衆国海軍の駆逐艦チャーフィー(DDG-90)はロシア連邦領海へ接近し、国境の横断を試みました」
軍当局
は言った。

国防省が説明したように、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は、ロシア-中国演習『海洋協同-2021』の枠組みにおける砲射撃が故に船舶航行が閉鎖されている海域に居る外国艦へ、そのような行動は容認できないと警告した。

「警告を受けた後、駆逐艦チャーフィーは、進路を変更して閉鎖海域を去る代わりに、進路と速度の変更は不可能である事を意味するヘリコプター甲板からの発艦準備を示す着色旗を掲げ、ピョートル大帝湾のロシア連邦国境を侵犯する行動を取りました」
軍当局
は話した。
国際海洋規則に沿って、「アドミラル・トリブツ」ロシア領海から侵入者を押し出す進路を取った。

「誘導ロケット兵器駆逐艦チャフィーは、国境侵犯を許さないロシア艦の乗組員の決定を確信し、進路を変え、17時50分に大型対潜艦アドミラル・トリブツまで60メートル未満で止まり、進路を引き返しました」
防衛当局
は伝えた。
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」日本海エリアでの任務遂行を継続すると付け加えた。

[駆逐艦について]
誘導ロケット兵器駆逐艦「チャフィー」
は2002年に進水した。
艦は「アーレイ・バーク」級駆逐艦に属している。
最大で32ノットの速力の発揮が可能であり、乗組員は380名。
主要兵装~トマホーク或いは対空防衛ミサイル対空防衛「スタンダード」ミサイル3の為の96基のイージスシステムの発射コンテナ。

艦には様々な砲兵装と6門の魚雷発射管が存在する。
駆逐艦の航空グループは、ヘリコプター格納庫に配置された2機のSH-60ヘリコプターから成る。

[境界線を越える試み]

6月23日、ロシア国防省は、ブリテン駆逐艦「ディフェンダー」クリミアフィオレント岬海域のロシア連邦領海へ侵入したと発表した。
ロシア軍境界線警備隊は、駆逐艦の移動コース上への警告射撃を開始し、その後、それはロシア連邦の領海の境界より去った。
国防省は、ブリテン艦の乗組員の行動は、海洋法規に関する国際連合の協定の重大な違反であると言った。

6月30日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、毎年恒例の直通ラインで、駆逐艦に関する状況は「ブリテンのみならず、アメリカによっても行われた」という複合的な挑発であると言った。
ロシア指導者は、黒海ロシア領海への「ディフェンダー」侵入は偵察目的を追求したものであると付け加えた。

ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された

『タス通信』より
2021年10月15日8時20分配信
【情報筋:ロシア連邦海軍総司令部はステルスコルベット「リェチーヴイ」と「メルクーリイ」を改名した】
モスクワ、10月15日/タス通信

ロシア海軍総司令部は建造中の2隻のプロジェクト20380及び20386コルベットの改名を決定した。
『タス通信』造船分野の情報提供者より伝えられた。

それによると、プロジェクト20380コルベット「リェチーヴイ」「メルクーリイ」へ改名され、そしてプロジェクト20386ステルスコルベット「メルクーリイ」は、その起工時の名前「ジェルズキー」に戻された。
このような改名の目的は不明である。

『タス通信』は、この件についての公式な情報を有していない。

以前の2021年3月、『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)でプロジェクト20386コルベットのトップ「メルクーリイ」の水中への技術的進水が行われたと伝えられた。
2016年10月28日、コルベット「ジェルズキー」の名の下で起工式典が行なわれた。
2019年4月23日、国家元首隣席の下、工場では既に「メルクーリイ」となったコルベットの船体ブロックが接合された。

「リェチーヴイ」サンクトペテルブルクで建造される第5のプロジェクト20380コルベットである。
現時点では、それは試験が行なわれている。
それは2015年2月20日に『北方造船所』で起工され、2020年3月12日に進水した。
以前の4隻のコルベット「ソーブラジテルヌイ」、「ステレグーシチー」、「ストイーキー」、「ボイキー」バルト艦隊で勤務に就いている。

近海ゾーン多目的コルベット(警備艦)・プロジェクト20380/20386の建造には「ステルス」技術が使用されている。
最新の解決策がコルベットの物理的フィールドを低減する為に使用されている。
特に、電波吸収性を持つ高品質材料のガラス繊維強化プラスチックの使用、更に船体及び上部構造物の建造方式により、電波位置測定(レーダー)の視認性の大幅な低減に成功した。



サンクトペテルブルク『北方造船所』で建造されるプロジェクト20380コルベットとしては5番艦となる「リェチーヴイ」は、2015年2月20日に起工されました。

[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]

2020年3月12日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"はサンクトペテルブルクで進水した]


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2021年10月5日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月5日9時35分配信
【コルベット「リェチーヴイ」の係留試験が始まった】


プロジェクト20380/20385コルベットの更なる改良発展型であるプロジェクト20386コルベットの1番艦「ジェルズキー」Дерзкий(建造番号1009)は、2016年10月28日にサンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。
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[ロシア海軍の新世代コルベット"ジェルズキ―"は起工された]


その後、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。
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[ロシア海軍のプロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキーはメルクーリイに改名される]

2019年4月23日、「ジェルズキー」改め「メルクーリイ」の船体は接合されました。


2020年3月末、「メルクーリイ」の船体は造船台から進水しました。
ただし、これは正規の進水では無く、他の艦を建造する為に造船台を空ける為のようです。
[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"の船体は進水した]
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2021年7月にはサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で製造されたガラス繊維強化プラスチック製の上部構造物が『北方造船所』へ到着しました。
[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"の上部構造物は北方造船所へ到着した]


2021年10月中旬、「リェチーヴイ」「メルクーリイ」は改名されました。

20380「リェチーヴイ」「メルクーリイ」と改名され、20386「メルクーリイ」の方は、元の名前「ジェルズキー」に戻されました。

改名の理由は不明ですが、建造が遅延している20386よりも、先に就役の見込みがある20380の方に「メルクーリイ」の名を使うのでしょうか。

ロシア海軍北方艦隊第10次北極遠征部隊の航跡(2021年8月10日~10月14日)

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ロシア北方艦隊は、2012年以降、毎年北極圏への遠距離航海を行なっています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。


2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]

2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2020年8月5日~10月20日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が9度目の北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2019年8月-10月)]


そして、通算10度目となる北極圏への遠距離航海は2021年8月10日に始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した]

指揮官は、2018年2019年2020年北極遠征と同様、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


8月16日、大型対潜艦「セヴェロモルスク」は、フランツ・ヨシフ諸島南方でロシア境界線警備隊プロジェクト22100境界線上警備艦「ポリャールナヤ・ズヴェズダー」(2016年12月15日就役)と合同演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはフランツ・ヨシフ諸島沖で境界線上警備艦ポリャールナヤ・ズヴェズダーと合同演習を行なった]

境界線警備隊との演習終了後にフランツ・ヨシフ諸島沖を離れ、ノルウェー海北東で演習を行なっているNATO海軍部隊を監視しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海北東でNATO海軍部隊の行動を監視している]

その後、北極遠征部隊は東進し、9月初頭には北極海で運用される石油採掘プラットフォーム「プリラズロムナヤ」テロリストから防衛する為の演習を実施しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月6日12時15分配信
【バレンツ海で北方艦隊の艦・支援船支隊はロシア経済活動の安全を保障する演習を実施した】

その後、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセツ」が合流した北極遠征部隊エニセイ川を南下し、9月7日にドゥディンカ港へ到着しました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月7日16時0分配信
【北方艦隊北極グループはドゥディンカへ到着した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月7日22時0分配信
【ドゥディンカで北方艦隊船員は歓迎された】

北極遠征部隊の旗艦・大型対潜艦「セヴェロモルスク」ドゥディンカで一般公開されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月8日20時0分配信
【大型対潜艦「セヴェロモルスク」はタイミル住民が訪れる為に開放された】

9月9日にはテロリストに占拠されたドゥディンカ港を解放するという想定下の演習が実施されました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月9日22時30分配信
【北方艦隊将兵は北極の海上港の解放へ取り組んだ】

9月12日には北方艦隊チーム地元チームホッケーの試合が行なわれました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月12日16時0分配信
【北方艦隊将兵はタイミルのチームとホッケー競技を行なった】

9月13日には北方艦隊合唱団によるコンサートが開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月13日16時51分配信
【北方艦隊の歌と踊りのアンサンブルはドゥディンカ住民の為のコンサートを開催した】

一方、ドゥディンカ港では停泊する艦船を水中工作員から防衛する演習が行なわれました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月13日18時25分配信
【北方艦隊北極グループの戦闘泳者はエニセイ川で対水中工作演習を行なった】

ドゥディンカで一般公開された大型対潜艦「セヴェロモルスク」には地元住民3000名以上が訪れました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月14日11時0分配信
【3000名以上のタイミル沿岸住民がドゥディンカの大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上へ到着した】

9月15日にドゥディンカ港を出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月15日14時23分配信
【北方艦隊艦支隊はドゥディンカ港から出た】

9月18日にはラプテフ海へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月18日22時10分配信
【北方艦隊の艦・支援船支隊はラプテフ海へ入った】

9月21日にノヴォシビルスク諸島へ到着し、コテリヌイ島沖に投錨停泊しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月21日14時30分配信
【北方艦隊北極グループはノヴォシビルスク群島へ到着した】

9月25日~27日にはコテリヌイ島への上陸演習を行ないました。
同時に、コテリヌイ島に駐留する地対艦ミサイル部隊(バスチオン)高射部隊(パーンツィリ-S1)の迎撃演習も行なわれました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月25日14時45分配信
【北方艦隊北極グループはラプテフ海エリアの島嶼を保護する為の特殊戦術絵集を実施した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月27日12時15分配信
【北方艦隊北極グループはヤクーチア沿岸で演習を実施した】

9月29日にはサハ共和国(ヤクーチア)チクシ村海軍歩兵部隊の上陸演習を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月29日12時50分配信
【北方艦隊北極グループはヤクーチアへ海上揚陸部隊を上陸させた】

その後、北極遠征部隊北極海を西進し、支援船2隻(「セルゲイ・オシポフ」「パミール」)は10月14日に帰投しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月14日15時29分配信
【北方艦隊水上部隊の10回目の北極航海は完了した】

ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"の係留試験が始まった

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月19日11時1分配信
【ウラジオストクでコルベット「リェーズキー」の係留試験が始まった】

ウラジオストクの『アムール造船工場』試運転基盤でプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」の係留試験が始まった。
これは造船所が太平洋艦隊の為に建造するこのタイプの4隻目の艦である。


『統合造船業営団』広報サービスが伝えたように、艦の全てのシステムと機器は試験実施の準備が整っており、係留証明書を閉じる為のスケジュールが作られている。

『統合造船業営団』によると、コルベットの全てのメカニズムは所定の場所へ設置され、居住保障システム及び制御システムが据え付けられた。
主配電盤への全ての電力が受け入れられている。

試験及び試運転作業を実施する為、試験部門の専門家と契約組織の代表が参加し、機械・電気設備、パイプ加工、船台作業場の従業員から成る試運転チームが形成された。

「リェーズキー」は、太平洋艦隊の為に『アムール造船工場』が建造する第4のプロジェクト20380コルベットである。
それは2016年に起工された。
当初、艦の引き渡しは2020年秋に予定されていたが、その後、就役時期は2021年に延期された。

7月初頭、「リェーズキー」造船台から出渠し、建造業者が塔-マスト複合体の設置を行ない、機器の据え付けを完了する為に艤装岸壁へ置かれた。

同月、同社総取締役ウラジーミル・クラコーフは、2022年の『勝利の日』の前に艦の海軍への引き渡しを計画していると主張した。
10月にコルベットウラジオストクの同社試運転基盤へ向かった。

プロジェクト20380コルベットの全長は100メートル以上、排水量-2220トン。
それは距離4000海里までの航海を行なう事が出来る。
兵装-対艦ミサイル複合体「ウラン」、高射ミサイル複合体「リドゥート」、魚雷、有力な電波位置測定機器び電波電子機器、100mm砲装置A-190、大口径機関砲、擲弾発射機

[『Mil.Press FlotProm』参照]
『KonturFocus』
の情報参照システムによると、2019年末に『アムール造船工場』の差引勘定は609億ルーブルに達した。
同社の収益は20パーセント増加して137億ルーブルとなった。
同時に、企業の純損失は21億ルーブルに達した。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの4隻目「リェーズキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』で2016年7月1日に起工されました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]

5年後の2021年7月1日に造船台から出渠しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"は造船台を出た]

『アムール造船工場』では、コルベットの出渠(進水)式典でシャンパンを割る役目を担う「コルベットの花嫁」を同社の女性職員から選定していますが、「リェーズキー」「花嫁」には、工場コルベット試運転チームの一員であるクセニア・ザヴゴロドネワが選ばれました。
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輸送浮きドックへ載せられた「リェーズキー」は、最終艤装と試験の為、10月6日にウラジオストクへ出発しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日9時20分配信
【コルベット「リェーズキー」は試験の為にウラジオストクへ向かった】

10月下旬にウラジオストクへ到着し、同月末にドックから出渠しました。
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2021年11月上旬、ウラジオストク『アムール造船工場』艤装岸壁で「リェーズキー」の係留試験が始まりました。

係留試験が順調に進めば、今度は洋上試験が行なわれ、それが終わればロシア海軍へ引き渡されます。

「リェーズキー」は2022年5月の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"は2022年5月9日に就役する]

ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)

ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

『海洋協同-2016』:2016年9月中旬に南シナ海で実施
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

『海洋協同-2017』
第1段階:2017年7月下旬にバルト海で実施
第2段階:2017年9月下旬に日本海及びオホーツク海で実施

[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

『海洋協同-2019』:2019年4月末~5月初頭に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

日本では全くといって良いほど注目されていませんが、2015年7月26日に承認された新たな『ロシア連邦海洋ドクトリン』においては、中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]


2020年には世界的な新型コロナウイルス流行の為、合同演習『海洋協同』は実施されませんでした。

翌2021年、2年ぶりに合同演習『海洋協同-2021』が実施される事になりました。

中国海軍の演習参加艦船は10月11日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年10月13日発表
【中国海軍艦艇の動向について】

『海洋協同-2021』の主な参加艦船は以下の通りです。
ロシア:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「グロームキー」、基地掃海艦2隻、潜水艦「ウスチ・ボリシェレツク」、ロケット艇、救助曳船
中国:駆逐艦「昆明」、「南昌」、フリゲート「浜州」、「柳州」、ディーゼル潜水艦、複合補給艦、救助船


合同演習『海洋協同-2021』日本海で10月14日から始まり、まず最初に機雷掃討訓練や海上目標への砲撃訓練、更にはロシア東方軍管区戦闘機Su-30SM太平洋艦隊ヘリコプターを仮想敵にした対空戦闘訓練が行われました。


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
2021年10月15日8時0分配信
【ロシア海軍と中国海軍の艦は演習『海洋協同-2021』中に日本海で機雷の脅威へ対処する任務へ取り組んだ】

この他に合同操艦や通信訓練、そして最終段階では潜水艦の捜索及び阻止訓練などが行われ、合同演習は10月17日に完了しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月18日6時15分配信
【日本海でロシア-中国合同海軍演習『海洋協同-2021』は完了した】

何時ものパターンであれば、合同演習が終わった後にロシア海軍中国海軍の艦は別れ、今回のケースなら中国海軍の艦が母港への帰路に就くのですが、今回は演習完了後もロシア海軍中国海軍の艦の合同活動は続き、10月18日には一緒に津軽海峡を東進して太平洋へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年10月18日公表
【中国及びロシア海軍艦艇の動向について】

ロシア海軍中国海軍の艦は、西太平洋で合同パトロールを行ないました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年10月23日10時0分配信
【ロシア海軍と中国海軍の戦闘艦は初めて太平洋で合同パトロールを実施した】

10月22日、『海洋協同-2021』へ参加したロシア海軍中国海軍の艦は大隅海峡を西進して東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年10月23日公表
【中国及びロシア海軍艦艇の動向について】

その後、『海洋協同-2021』へ参加したロシア海軍中国海軍の艦は別れ、ロシア海軍の演習参加艦は10月23日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年10月25日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

ロシア海軍の演習参加艦は10月26日にウラジオストクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日
【太平洋艦隊艦支隊はロシア-中国演習『海洋協同-2021』完了後に駐留所へ戻った】

カラクルト級小型ロケット艦アスコリド進水(2021年9月21日)


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月21日15時54分配信
【工場『ザリフ』で「カリブル」を持つ小型ロケット艦「アスコリド」が進水した】

9月21日・火曜日、ケルチのB.E.ブトマ記念造船工場(『ザリフ』)では、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の主催下でプロジェクト22800(コード名「カラクルト」)小型ロケット艦「アスコリド」の進水式典が行われた。
海軍公式代理人イーゴリ・ディガロ1等海佐が伝えたように、式典には更に、クリミア共和国閣僚会議の代表ユーリー・ゴツァニョク、ケルチ市幹部、海軍総司令部の人事管理部長が参加した。

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ニコライ・エフメノフは、ロシア海軍の水上構成への価値ある補充となる艦の建造に関する造船所の高品質の作業に感謝した。

「海軍の為の大洋ゾーン艦の製造増加に伴い、造船所で建造中の高精度兵器と現代的な電波技術手段を有するプロジェクト22800小型ロケット艦シリーズは、海軍での必要性を増しています。
艦は良好な航海性能と機動性を有しています。
これらは、グループや戦闘艦支隊の一員として行動し、すべての面においてその有効性を示しております」

海軍総司令官は指摘した。

「アスコリド」は、ケルチの企業が建造する第2のプロジェクト22800艦である。
最初の「ツィクロン」は2020年7月に進水し、今はノヴォロシースクで複合試験が行われている。
第3の「アムール」工場の船台での建造段階に在り、受注品の船体作業は完了し、機器の取り付けが進められている。

小型ロケット艦「カラクルト」中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
小型ロケット艦の全長は60メートル、幅10メートル、吃水4メートル。
最大速力30ノット、航続距離2500海里、自立航行期間15日。

「カラクルト」の兵装は、近代化された76.2mm砲AK-176MA、2基の高射砲AK-630M打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」である。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルク『ペラ』造船所で4隻、クリミア半島フェオドシヤ造船所で3隻、ケルチ『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で4隻)


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア半島ケルチの造船工場『ザリフ』は生産設備を近代化する]
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「ツィクロン」(工場番号801):2016年7月26日起工
「アスコリド」(工場番号802):2016年11月18日起工
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工

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2019年2月26日には『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻は全て起工されました。

その1隻目となる「ツィクロン」は2020年7月24日に進水しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンはケルチで進水した]

進水後に最終艤装が行なわれ、その後にノヴォロシースク海軍基地へ回航され、洋上試験の準備が進められています。
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そして2021年9月21日、2隻目の「アスコリド」が進水しました。


「アスコリド」ロシア海軍への引き渡しは2022年になるようです。

ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグ、弾道ミサイル"ブラヴァー"発射(2021年10月21日)


『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月21日9時58分配信
【ロケット艦「クニャージ・オレグ」は試験で「ミサイル」ブラヴァー」発射に成功した】

国家実験の枠組みの中でプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略用途水中ロケット巡洋艦「クニャージ・オレグ」は、白海からカムチャツカのクラ射爆場への大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の射撃を成功裏に実施した。
10月21日・木曜日、ロシア国防省広報サービスは発表した。


軍当局は、ミサイルの発射は水中位置から実施された事を明らかにした。
客観的観測によると、ミサイルの戦闘ブロックは成功裏に指定地域へ着弾した。

「クニャージ・オレグ」は、近代化プロジェクト955Aロケット艦の最初の生産艦である。
潜水艦は2014年7月に『セヴマシュ』で起工され、2020年7月に進水した。

2021年3月、防衛産業企業体の情報筋は、ロケット艦「クニャージ・オレグ」『海軍の日』までに導入されると主張したが、その後、潜水艦の引き渡しは秋に延期された。

10月上旬、原子力潜水艦「クニャージ・オレグ」からの「ブラヴァー」発射は11月に計画されているという情報が出てきた。

プロジェクト955A巡洋艦のトップ「クニャージ・ウラジーミル」は2020年6月12日に就役したことが想い起される。
『セヴマシュ』では、更なる3隻の同型ロケット艦の建造が続けられている:「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、「インペラートル・アレクサンドルIII」、「クニャージ・ポジャールスキー」

各々のプロジェクト955/955A潜水艦は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」で武装する。
更に、原子力艦533mm魚雷発射管を装備する。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの5番艦「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工されました。
(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては2番艦)
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]

2016年11月中旬までに強度船体(耐圧殻)の水密試験が完了しました。
(「ボレイ」級は複殻式船体)
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]

2020年7月16日に『セヴマシュ』造船台から出渠し、進水しました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは進水した]

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進水後は『セヴマシュ』の岸壁で艤装工事が行なわれ、2021年5月30日に白海へ出航し、洋上試験を開始しました。
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[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは洋上試験を開始した]

6月17日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後も「クニャージ・オレグ」の洋上試験は続き、2021年10月21日に弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験が行なわれました。

「クニャージ・オレグ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年末に予定されています。
[2021年にロシア海軍へ3隻の原子力潜水艦が就役する]
[最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年に6回の洋上試験を行ない、2021年末にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した


『タス通信』より
2021年11月18日18時54分配信
【極超音速ミサイル「ツィルコン」は白海の海上標的を直接に撃破した】
モスクワ、11月18日/タス通信

北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」から発射された極超音速ミサイル「ツィルコン」は、白海海上標的を直接に撃破した。
木曜日にロシア国防省は報道機関へ伝えた。

「客観的観測データによると、極超音速ミサイルの飛翔は指定数値に完全に沿っておりました。
目標は直接に撃破されました」
軍当局
は指摘した。

国防省が説明したように、射撃は白海エリアに在る海上標的の位置へ実施された。

「射撃の支援と海域閉鎖には北方艦隊の水上艦と海上航空隊が参加しました」
軍当局
は強調した。

以前に『タス通信』が情報筋より伝えられたように、「ツィルコン」の国家試験は11月に始まり、12月まで続く。
合計で海上目標及び沿岸目標への5回の発射の実施が計画されている。

2021年8月24日、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』の最中に、ロシア連邦国防省への「ツィルコン」供給契約が締結された。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、2021年中に少なくとも2回の「ツィルコン」発射試験を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年中に極超音速ミサイル"ツィルコン"を少なくとも2回発射する]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日、今度は潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

「ツィルコン」の量産開始は、早ければ2022年になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産は2022年に始まる]
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2022年からロシア海軍への引き渡しが始まる]

「ツィルコン」を最初に搭載するのは、プロジェクト22350フリゲート3番艦「アドミラル・ゴロフコ」(2022年就役予定)になるようです。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコはロシア海軍で最初の極超音速ミサイル"ツィルコン"搭載艦となる]

22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、以前に「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な改装が行なわれましたが、「アドミラル・ゴロフコ」は、最初から「ツィルコン」の運用(発射)を考慮した仕様になっているという事でしょう。

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはフィリピンのマニラへ寄港した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月16日12時5分配信
【コルベット「グレミャーシチー」、潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と「ヴォルホフ」は物資の備蓄を補充する為にマニラ港へ寄港した】

コルベット「グレミャーシチー」、プロジェクト636.3潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」で構成される太平洋艦隊艦・潜水艦支隊は、資材と食料の備蓄を補充する為にマニラ港(フィリピン共和国)への業務寄港を行なった。

艦支隊バルト艦隊から太平洋艦隊の恒久駐屯場所への艦隊間移動を行なっている。

フィリピンの港は、太平洋艦隊船員ロシア支隊のルート上で物資の備蓄を補充する為の最後の外国港となる。

今年10月後半以降、艦支隊移動の運用管理は太平洋艦隊により行なわれている。

船員は既にバルト海、北海、地中海、紅海、アラビア海、大西洋、インド洋を後にしている。

コルベット「グレミャーシチー」、潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」「ヴォルホフ」は艦隊間移動計画に沿って恒久駐留場所へ係留される。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の1隻目となるB-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2017年7月28日に起工され、2019年3月28日に進水し、同年11月25日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後はバルト海で訓練を行なっています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で潜航訓練を行なった]
[バルト艦隊の救助船SS-750は潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの救助訓練を行なった]

2隻目のB-603「ヴォルホフ」は、2017年7月28日に起工され、2019年12月26日に進水し、2020年10月24日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦ヴォルホフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後、2隻の潜水艦バルト海で各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で乗組員の慣熟訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ヴォルホフはバルト海で潜航訓練を行なった]

4月1日には、2隻の潜水艦が敵味方に分かれて対戦する戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で『対決』した]

「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は4月28日に魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で魚雷を発射した]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』には2隻ともクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


そして8月下旬頃に恒久駐留所、即ち太平洋艦隊ディーゼル潜水艦が駐留するウラジオストク南部ウリス湾へ向かう事になりました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海からウラジオストクへ向かう]

8月下旬、2隻の潜水艦デンマーク沖を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはデンマーク沖を通過してウラジオストクへ向かった]


プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工され、2017年6月30日に進水、2020年12月29日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まり、2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


2021年8月中旬頃にバルト海から出て、地中海へ向かう北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、8月13日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"と黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは英仏海峡へ入った]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2021年11月にウラジオストクへ到着する]

その後、同じくウラジオストクへ回航する潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」及び「ヴォルホフ」と合流して地中海へ入り、スエズ運河を通過して紅海、アデン湾、アラビア海、インド洋へ進みました。

3隻は10月16日にスリランカコロンボ、10月30日にミャンマーティラワ港へ寄港しました。

そして11月16日にフィリピンマニラ港へ寄港しました。


今後、この3隻はウラジオストクへ向かいます。

ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)


『タス通信』より
2021年10月4日19時58分配信
【潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は水中位置からミサイル「ツィルコン」発射を実施した】
モスクワ、10月4日/タス通信

原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、深度40メートルの白海からバレンツ海の仮想目標への極超音速有翼ミサイル「ツィルコン」の2度目の発射を成功裏に実施した。
ロシア国防省は月曜日に発表した。

「2度目の極超音速有翼ミサイル"ツィルコン"試験は、原子力水中ロケット巡洋艦セヴェロドヴィンスク乗組員により深度40メートルの白海からバレンツ海エリアの仮想会場目標へ実施されました。
客観的観測データによると、水中から射出され、仮想目標へ命中するミサイルの飛翔は指定数値に完全に沿っておりました」
軍当局
は話した。

月曜日朝、軍当局ロシア海軍潜水艦からの極超音速ミサイルの試験に成功したと発表した。
潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、水上位置から「ツィルコン」を発射した。
それまでにミサイルは、水上搭載艦~プロジェクト22350フリゲート 「アドミラル・ゴルシコフ」で試験が行われた。

以前、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、およそマッハ9の速度と1000km以上の距離で目標を撃破できる極超音速ミサイル「ツィルコン」は近い内に戦闘当直へ置かれると述べた。

8月24日、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』の最中に、ロシア連邦国防省への「ツィルコン」供給契約が締結された。
『タス通信』科学生産合同『機械製造』総取締役・設計主任、アレクサンドル・レオーノフが伝えたように、この契約は2025年までに履行される。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、2021年中に少なくとも2回の「ツィルコン」発射試験を行ないます。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年中に極超音速ミサイル"ツィルコン"を少なくとも2回発射する]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を発射しました。


翌10月4日、今度は潜航状態で発射しました。

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

「ツィルコン」の量産開始は、早ければ2022年になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産は2022年に始まる]
[極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2022年からロシア海軍への引き渡しが始まる]

「ツィルコン」を最初に搭載するのは、プロジェクト22350フリゲート3番艦「アドミラル・ゴロフコ」(2022年就役予定)になるようです。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコはロシア海軍で最初の極超音速ミサイル"ツィルコン"搭載艦となる]

22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、以前に「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な改装が行なわれましたが、「アドミラル・ゴロフコ」は、最初から「ツィルコン」の運用(発射)を考慮した仕様になっているという事でしょう。

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]