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ロシア海軍黒海艦隊の救助曳船SB-742は地中海からノヴォロシースクへ帰投した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年12月21日8時39分配信
【救助曳船SB-742は地中海からノヴォロシースクへ戻った】

黒海艦隊の救助曳船SB-742の乗組員は、地中海で任務を遂行した後にノヴォロシースクへ戻ってきた。
ロシア連邦国防省が伝えたように、海軍基地の埠頭では曳船の歓迎式典が開催され、この時に乗組員は軍当局から表彰を受け、感謝の意を表明された。


地中海ロシア海軍作戦連合部隊の一員としての6ヶ月間の滞在中、SB-742乗組員は2つの国際演習へ参加した:アルジェリア海軍との『合同海軍演習-2021』及びエジプト海軍の艦との『友情の橋-2021』

国防省によると、近い内にSB-742乗組員は、曳船の主要メカニズムの航海後の複合定期作業を行ない、黒海艦隊の戦闘訓練計画に沿った活動の実施を継続する。

プロジェクト22870救助曳船SB-742は、2016年10月27日にアストラハン造船工場(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』支所)で起工され、2019年5月に進水し、同年12月に就役した。
プロジェクト22870シリーズで、同船はアストラハン造船所にとって6隻目の受注となった。
同プロジェクトのトップ船SB-45は2014年に海軍へ引き渡された。

プロジェクト22870救助曳船ニジニ・ノヴゴロド設計局『ヴィンペル』により開発された。
これらは、遭難した艦船へ援助を与え、人員を救助し、曳航、火災の鎮火、更には被害を受けた艦の浮上を支援し、深度60メートルで複雑な水中作業を行なう為に意図されている。
加えてプロジェクト22870船は、海面から石油製品を回収し、捜索作業の実施が可能である。

プロジェクト22870船の全長は57メートル、幅14メートル、排水量1200トン、速力14ノット。



プロジェクト22870救助曳船の6番船SB-742は、『アストラハン造船工場』で2016年10月27日に起工され、2019年5月22日に進水しました。
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2019年秋に内陸水路経由で黒海へ移動し、10月28日にノヴォロシースクへ到着しました。
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2019年12月20日にロシア海軍へ就役し、ノヴォロシースクに駐留する黒海艦隊第314緊急救助船支隊へ編入されました。
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2021年に地中海へ進出し、11月にはフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ及び哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」と合流し、アルジェリア海軍との合同演習へ参加する為にアルジェリアへ向かいました。

3隻は11月13日にアルジェ港へ到着しました。


合同演習は11月16日~17日に実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊とアルジェリア海軍は地中海西部で合同演習を行なった]

その後、3隻はエジプト海軍との合同演習『友情の橋-2021』へ参加する為、エジプトへ向かいました。

12月3日にエジプトアレクサンドリア港へ到着し、4日と5日は基地フェーズとして港内に停泊したロシア海軍エジプト海軍の艦の通信訓練、海上行動の最終打ち合わせなどが行なわれました。
[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2021』はエジプト沖で2021年12月3日~10日に実施される]

そして12月6日に実際に海上で各種訓練を行なう海上フェーズが行なわれ、合同演習は12月10日に終了しました。
[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2021』が地中海で始まった]

SB-742は12月18日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。
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12月21日にノヴォロシースクへ帰投しました。

ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは日本海から地上目標へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月21日9時4分配信
【ロシアの潜水艦は日本海から「カリブル」で標的を成功裏に撃破した】
モスクワ、12月21日-ロシア通信社ノーボスチ

ディーゼルエレクトリック潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」日本海から有翼ミサイル「カリブル」を発射し、距離1000キロメートル以上の沿岸標的を撃破した。
太平洋艦隊広報サービスは発表した。
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「最新のディーゼルエレクトリック潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは、日本海エリアで水中位置から地上目標への有翼ミサイル"カリブル"発射を実施しました。
計算時間内にミサイルはシュルクの戦術空間(ハバロフスク地方)に位置する沿岸目標へ命中しました。
射撃距離は1000キロメートルを超えました」

リリースでは、こう述べられた。

艦隊が説明したように「発射の実行の直前、潜水艦は任務遂行海域へ隠密裏に進入する戦術機動を行ないました」

ミサイル射撃の実施は、太平洋艦隊の艦船、更には海上航空隊航空機無人飛行装置により支援された。

潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」艦支隊の一員としてバルト海からの移動を行ない、11月末に太平洋艦隊主要基地へ到着した。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の1隻目となるB-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2017年7月28日に起工され、2019年3月28日に進水し、同年11月25日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後はバルト海で訓練を行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で潜航訓練を行なった]
[バルト艦隊の救助船SS-750は潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーの救助訓練を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で乗組員の慣熟訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ヴォルホフはバルト海で潜航訓練を行なった]

2021年4月1日には、同型艦「ヴォルホフ」と敵味方に分かれて対戦する戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海で『対決』した]

2021年4月28日に魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーはバルト海で魚雷を発射した]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


そして2021年8月下旬頃に恒久駐留所、即ち太平洋艦隊ディーゼル潜水艦が駐留するウラジオストク南部ウリス湾へ向かう事になりました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはバルト海からウラジオストクへ向かう]

2021年8月下旬、同型艦「ヴォルホフ」と共にデンマーク沖を通過しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはデンマーク沖を通過してウラジオストクへ向かった]

その後、同じくウラジオストクへ回航するコルベット「グレミャーシチー」と合流して地中海へ入りました。

9月23日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月23日9時59分配信
【太平洋艦隊支隊は地中海から紅海へ向かった】

その後、アデン湾を通過して10月7日にインド洋へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月7日10時1分配信
【情報筋:太平洋艦隊支隊はインド洋を横断した】

10月16日にスリランカコロンボへ寄港後、10月19日にはスリランカ南部へ到達し、太平洋艦隊の担当海域へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月19日8時35分配信
【太平洋艦隊の新たな潜水艦とコルベットはスリランカを迂回した】

10月30日にはミャンマーティラワ港へ寄港しました。

なお、太平洋艦隊の担当海域へ入った後、ウラジオストクから出迎えに来た給油船及び救助曳船と合流、11月16日にフィリピンマニラ港へ寄港しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはフィリピンのマニラへ寄港した]

その後、マニラを出航し、11月23日に沖縄本島宮古島の間を通過し、11月27日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年11月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月29日夜にウラジオストクへ到着しました。
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翌11月30日にウラジオストク港内の金角湾埠頭で歓迎式典が開催されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはウラジオストクへ到着した]

12月21日、「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、回航後初めて有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

ミサイル日本海から発射され、距離1000km以上離れたタタール海峡西岸のシュルク岬(ソヴィエツカヤ・ガヴァニの北方)の標的へ命中しました。


2021年4月6日にはフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」が同様に日本海からシュルク岬「カリブル」を発射しています。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

ロシア海軍カスピ小艦隊の為の新たな埠頭はカスピースクに建設された

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月21日5時0分配信
【ダゲスタンでカスピ小艦隊の為の6つの埠頭の建設が完了した-国防省】
モスクワ、12月21日、インテルファクス

ロシア連邦国防省は、カスピ小艦隊戦闘艦の為のカスピースク(ダゲスタン)への6つの埠頭の建設を完了した。
火曜日に軍当局は報道機関へ伝えた。

「ロシア国防省特殊建設複合体の専門家は、ダゲスタン共和国のカスピ小艦隊の新たな駐留所へ艦船を係留する為の6つの埠頭の建設を完了しました」
同省は話した。

国防省は、現在、カスピースクでは、新たな、そして将来のモデルを含む艦艇支援船の停泊と整備の為の新たな水圧施設(埠頭を備えた北と南の保護防波堤)と沿岸インフラの建設が続いてると説明した。

北と南の全長3キロメートルの防波堤は、湾内の70万平方メートル以上を波と沖積土から防護する。
北の防波堤の作業は既に完了している。

軍港を深くする為、建設業者は、その後に軍事都市領域での使用が計画される約200万立方メートルの底砂を運び出した。
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カスピースクへの新たな軍事基地の建設は、2018年にロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグが、水文気象学の視点では利便性が少ないアストラハンからカスピ小艦隊を移転させる決定を下した後で始まった。



カスピ小艦隊は、カスピ海に駐留するロシア海軍の部隊です。
「小艦隊」という名称ですが、他の4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)と同格の方面艦隊として扱われており、黒海艦隊と共にロシア連邦軍南方軍管区の指揮下に入っています。

現在の司令官は、アレクサンドル・ペシコフ少将(1972年10月13日生まれ)です。
(2021年3月15日付のロシア連邦大統領令カスピ小艦隊司令官に任命)
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担当海域が内海のカスピ海なので、所属艦艇は小型ですが、主力艦は21世紀になってから就役した新造艦で占められています。

プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」「タタールスタン」
プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「グラード・スヴャージスク」「ウグリーチ」「ヴェリキー・ウスチュグ」
プロジェクト21630「ブヤン」小型砲艦「アストラハン」「ヴォルゴドンスク」「マハチカラ」

この他に8隻の揚陸艇が所属していますが、これらもソヴィエト連邦解体後に就役した新しい艦艇で占められています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の15隻の艦艇は演習参加の為に黒海へ入った]


2015年10月7日、カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」の4隻は、カスピ海南方からシリアテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にもカスピ海南方からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


カスピ小艦隊の主要基地はカスピ海北部のアストラハンであり、この他にカスピースク、マハチカラといった軍港が有りますが、記事中で触れられているように、2018年以降、カスピースクへの埠頭の建設工事が始まり、2021年12月下旬に完了しました。

2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット"プロヴォールヌイ"は上部構造物を作り直して建造を再開する

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月20日12時54分配信
【コルベット「プロヴォールヌイ」の船体は火災の結果による損傷は無く、上部構造物の交換が控えている-『北方造船所』】
モスクワ、12月20日、インテルファクス

先週金曜日にサンクトペテルブルク工場で燃えたコルベット「プロヴォールヌイ」の船体は、火災後に復旧され、上部構造物を交換して艦は完成する。

「工場サービスは、上部構造物と甲板の間に耐火材が据え付けられていたお陰により、艦の船体には損傷が無い事を事前に確かめました。
上部構造物は撤去される事になります。
機器は上部構造物には有りませんでした。
株式会社『中部ネヴァ川造船工場』と、新たな上部構造物を建設する為の交渉が進んでおります」
『北方造船所』
社は月曜日に発表した。

「損害を評価する為、工場と『統合造船業営団』の代表から委員会が設立され、作業へ着手しました。
火災の原因について御話しする事は時期尚早です。
認可された委員会が調査し、状況を判断し、原因を特定するには数週間が必要です」

声明では、こう述べられた。

太平洋艦隊の為にサンクトペテルブルク造船工場『北方造船所』で建造されているコルベット「プロヴォールヌイ」は、この前の金曜日に炎上した。
火災が最終的に鎮火したのは火曜日だった。

同社は以前、火災の総面積は400平方メートルに及ぶと言った。

土曜日、コルベットの火災に関連して、ロシア連邦刑法216条(建設中或いは他の作業中の安全規則違反、これが重大な損害を引き起こす事を伴うケースにおいて)の第1項を根拠とする犯罪を理由にした刑事事件を起こした事が知られるようになった。

建造中のコルベット「プロヴォールヌイ」に兵装は無いと『インテルファクス』は金曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「艦は建造中であり、兵装も、乗組員も存在しておりません」
情報提供者は話した。

コルベット「プロヴォールヌイ」は第2のプロジェクト20385艦である。
同プロジェクト艦の主な任務は、水上目標と潜水艦の探知と破壊、組織的な揚陸部隊の上陸、沿岸ゾーンの保護、他の艦への動向である。
プロジェクト20385艦の兵装として極超音速ミサイル「ツィルコン」が計画されていると伝えられた。

「艦は2022年末に海軍へ引き渡さなければなりませんでした。この時期は、火災が原因の損傷により変更される事も有り得ます」
金曜日に情報筋は『インテルファクス』へ話した。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2019年9月には屋内造船台から出渠し、屋外で工事が進められました。
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルク海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】


2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
[サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した]

火災は12月18日午前9時ころに鎮火されましたが、この火災により、「プロヴォールヌイ」多層複合材料製の上部構造物は完全に焼失してしまいました。

火災による損害額などの算定は、これから評価が始まるところであり、最終的にどのような判定が下されるのかは現時点においては不明です。
[2021年12月17日の火災事故によるコルベット"プロヴォールヌイ"の損害の評価が始まる]

ただ、船体には重大な損傷は無かったので、建造工事は再開されます。

焼失した多層複合材料製の上部構造物は、サンクトペテルブルク『ネヴァ川造船工場』で新たに製造される事になります。
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2021年12月17日の火災事故によるコルベット"プロヴォールヌイ"の損害の評価が始まる

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年12月20日9時9分配信
【コルベット「プロヴォールヌイ」の火災による損害の評価の為には時間が必要である】

建造中のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」艦上で発生した火災は、艦へ著しい損害を与えた。
『北方造船所』広報サービスが明らかにしたように、火災の面積は400平方メートルに及んだ。


同社によると、コルベットの最上甲板が最も損害を被り、特に艦の上部構造物が酷い被害を受けた。
その他の詳細は明らかにされていない。
火災の原因と被害の最終評価は、既に現場で作業中の『統合造船業営団』特別委員会により行なわれる。

「プロヴォールヌイ」艦上での火災警報を緊急事態省は金曜日・12月17日18時22分に受信した事が想い起こされる。
22時49分、火災は400平方メートルの面積で極限化され、消火は土曜日・12月18日午前9時に完了した。
消火中に2名の消防士が負傷した:彼らは病院で治療を受け、生命は何ら危険に晒されていない。
『北方造船所』の職員の中に負傷者は居ない。

予備情報によると、火災の原因は、安全技術規則の違反である。
ロシア連邦捜査委員会は、然るべき刑事事件を起こした。

「プロヴォールヌイ」は第2のプロジェクト20385コルベットである(コルベットのトップ「グレミャーシチー」は2020年12月に海軍へ加入した)。
「プロヴォールヌイ」は2013年7月に起工され、2019年9月には技術的進水を行なった。
海軍への艦の引き渡しは2022年末に計画されていたが、今や、それはかなり後になる事は明白である。

プロジェクト20385艦の排水量は2200トン、全長-104メートル、幅-13メートル。
速力-27ノット、航続距離-3500海里、自立航行期間-15日、乗組員-99名。

兵装として、ミサイル複合体「カリブル-NK」高射ミサイル複合体「リドゥート」100mm砲装置A-190-01、2基の30mm機関砲AK-630M、そして更に対潜複合体「パケート-NK」を搭載する。
艦上にはヘリコプターKa-27が駐留する。

プロジェクト20385コルベットは、海洋ゾーンのパトロール、及び潜水艦との戦闘の為、艦船支隊、駐留所の対空防衛を保障する為、更には海上揚陸部隊の上陸及び行動の砲撃支援の為に意図されている。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2019年9月には屋内造船台から出渠し、屋外で工事が進められました。
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルク海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】


2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
[サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した]

火災は12月18日午前9時ころに鎮火されましたが、この火災により、「プロヴォールヌイ」多層複合材料製の上部構造物は完全に焼失してしまいました。

残った船体の状態については、これから評価が始まるところであり、最終的にどのような判定が下されるのかは現時点においては不明です。

ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3と対潜哨戒機Il-38Nは訓練飛行を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年12月20日8時45分配信
【太平洋艦隊の航空機Tu-142M3とIl-38Nは海の上空で対潜任務へ取り組んだ】

計画戦闘演習の実施中、2機の対潜航空機Tu-142M3乗員は、タタール海峡海域で用途上の任務へ取り組んだ。

Tu-142M3乗員は、仮想敵を意味する水上艦及び水中艦の捜索、分類、追跡を行なった。
その道すがらに飛行士は、目印の無い場所の上空の指定コースを通行し、地上の電波技術航法手段を欠く条件下で操縦する際の整然とした行動の技量を改善した。

加えて、太平洋海域上空での演習任務には、太平洋艦隊海上航空隊対潜航空機Il-38Nが取り組んだ。

演習訓練飛行の枠組みでの一連のエピソードに、飛行士は大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員と合同で取り組んだ。



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ロシア太平洋艦隊遠距離対潜哨戒機Tu-142カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)に配備されています。

カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)
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太平洋艦隊対潜哨戒機Il-38は、沿海地方ニコラエフカ飛行場カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に配備されています。

エリゾヴォ飛行場
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エリゾヴォには太平洋艦隊海上航空隊第317独立混成航空連隊が配備されており、Il-38と、近代化改修されたIl-38Nが駐留しています。


2021年12月20日、カーメニ・ルチェイ飛行場(モンゴフト)Tu-142M3タタール海峡上空、エリゾヴォ飛行場Il-38N太平洋上で訓練飛行を行ないました。
太平洋上のIl-38Nの訓練飛行には、大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」も協力しました。
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ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは黒海で砲撃試験を行なった

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『タス通信』より
2021年12月20日15時39分配信
【黒海艦隊の最新ロケット艦は黒海で射撃を実施した】
セヴァストーポリ、12月20日/タス通信

黒海艦隊の一員として加わる事が計画されている最新の小型ロケット艦「ツィクロン」は、国家試験中に黒海での砲射撃を成功裏に実施した。
月曜日に拡散された黒海艦隊広報サービス発表では、こう述べられた。

「最新の小型ロケット艦ツィクロンの乗組員は、黒海の海上射爆場で砲射撃を伴う砲複合体の試験を成功裏に実施しました。
砲射撃は、黒海艦隊の戦闘編制へ含まれる前の艦の国家試験の枠組みで行なわれました」

声明では、こう述べられた。

艦の乗組員は製造工場の試運転チームと合同で課題へ取り組んだ。
海上における砲装置からの射撃は標準モード、更には最大の回転角及び仰角で海上、沿岸、そして空中の模擬目標に対して行なわれた。
これに加え、艦砲を使用する条件下で、艦の艦内制御システムの器具と艦載兵装の同調と調整が行なわれた。

「ツィクロン」プロジェクト「カラクルト」艦であり、武装としてミサイル「カリブル」を持つ汎用ミサイル複合体砲装置AK-176MA高射ミサイル複合体「パーンツィリ-M」大口径機関砲装置を有する。
艦の航続距離は2500海里、自立行動期間は15日。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルク『ペラ』造船所で4隻、クリミア半島フェオドシヤ造船所で3隻、ケルチ『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で4隻)


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア半島ケルチの造船工場『ザリフ』は生産設備を近代化する]
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「ツィクロン」(工場番号801):2016年7月26日起工
「アスコリド」(工場番号802):2016年11月18日起工
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工

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2019年2月26日には『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻は全て起工されました。

その1隻目となる「ツィクロン」は、2020年3月末までに黒海艦隊で乗組員が編成されました。
[ロシア海軍黒海艦隊はブヤン-M級小型ロケット艦グライヴォロンとカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンの乗組員を編成した]

「ツィクロン」は2020年7月24日に進水しました。


[ロシア海軍黒海艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンはケルチで進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装が進められました。
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その後、ノヴォロシースク海軍基地へ回航され、各種試験が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦ツィクロンは洋上試験の準備を完了した]


12月上旬にセヴァストーポリへ回航されました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは最終洋上試験の為にセヴァストーポリへ移動した]

その後、本格的な洋上試験が始まり、12月20日には砲撃試験を行ないました。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"は2022年1月に洋上試験を開始する

『イズベスチヤ』より
2021年12月19日20時39分配信
【「激しい」弾丸のように:ロシアの「見えないコルベット」は海上への出航を準備する】

太平洋艦隊の為の新たなプロジェクト20380コルベットの試験は1月に始まる
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ロシア「見えない艦」の作成者は、その「子供」の最初の試験を準備している~国防省の情報提供者が『イズベスチヤ』へ伝えたように、軍当局プロジェクト20380コルベット「リェーズキー」の作業計画で合意した。
このユニークな艦の建造は、今、極東で完了する。
文書によると、1月に「リェーズキー」は海上への出航を行なう。
太平洋地域は今日、特別な注意を必要としており、新たなコルベットは戦略方面での海軍の打撃力を強化すると軍事専門家は考える。

[最初の航海]
『イズベスチヤ』
の対談者によると、現在、コルベットには既に乗組員が居住している。
その艦内では、船員の活動と艦自体の生存性の保障を担うシステムが機能し始めている。
来年1月の海上への出航まで「リェーズキー」は係留試験を行なう~それは艦の主動力装置と制御システムの動作を点検する。

最初の海上への出航の際、工場航行試験も始まる。
その目的は、主要な戦闘特性と艦の技術的手段が、設計上で告知された内容に沿っているのかを研究する事に在る。
計画では特に、航法機器の信頼性が点検され、制御性及び安定性の試験、そして必要ならば艦載機器の整備作業が行なわれる。

『イズベスチヤ』の対談者によると、全ての試験は4月に完了しなければならず、5月には艦の海軍への引き渡しが計画されている。
しかし、期日が変更され、「リェーズキー」艦隊への補充が来年末~新年の直前になる可能性は排除されない。

以前、国防省は、艦の乗組員がサンクトペテルブルク海軍総合訓練センターで2ヶ月の訓練を行なったと伝えた。
研修中に船員は艦の戦闘班としての行動の技量、総合艦内システム、兵器及び電波技術機器の操作の問題を仕上げ、更にはコルベットのダメージコントロールも準備した。

「今、太平洋地域では『軍事船員競争』が行なわれています。
近年、日本、南朝鮮、中国の海軍は、その能力を向上させております。
アメリカ合衆国も、この地域から去るつもりはありません」

ロシア国立研究大学経済高等学院ヨーロッパ・国際複合研究センター所長ワシーリー・カシン『イズベスチヤ』へ話した。
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「太平洋艦隊は、残念ながら長い間更新されておりません、特に大型水上艦は。
同時に艦隊は、大量の課題を解決しなければなりません:我々の境界の保護、大陸間弾道ミサイルを持つ原子力潜水艦のカバー、更には海軍外交に関連する活動への参加。
太平洋で私共は、中国、インド、ASEAN諸国と綿密に連携しております」


新たなコルベットは、太平洋艦隊の打撃能力を著しく向上させると軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは考える。
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「これは適切なバランスが取れており、既に海軍において、その良好さが示されております」
彼は指摘した。
「これらの艦は、遠海ゾーンで行動でき、基地から離れた場所で太平洋艦隊の能力を拡張してます。
これらは何度も遠距離航海を行ないました」


コルベット「リェーズキー」は、太平洋艦隊の為に建造された4隻目のプロジェクト20380艦となる:「ソヴェルシェーンヌイ」「グロームキー」「アルダル・ツィジェンジャポフ」は既に太平洋艦隊の一員として加わっている。
太平洋艦隊は、このような6隻のコルベットの受領を計画している~その一員として更に、建造中の「グローズヌイ」「ブラーヴイ」が加入しなければならない。

[極東の防護]
プロジェクト20380
は、当初、近海ゾーンでの行動、敵艦及び潜水艦との戦闘、船団の保護、哨戒及びゾーンの封鎖、更には海上揚陸部隊の砲撃及び火力支援の為に開発された。
太平洋艦隊の為のコルベットの製造のスタートは、円滑では無かった~トップ艦「ソヴェルシェーンヌイ」の建造には11年掛かった。
シリーズの次の代表~「グロームキー」「アルダル・ツィジェンジャポフ」は、より短期間で製造され、これらは全て太平洋で勤務に就いている。

これらのコルベットは、ステルス技術を使用して製造されている。
その上部構造物多層複合材料から作られており、電波位置測定の有効範囲を著しく低減する。
吃水線下の水中船体は、水中抵抗を低減するように作られており、これは艦をより速くする事を考慮に入れている。
その弾は、ミサイルKh-35を持つ対艦複合体「ウラン」である。
更にこれらは毎分80発の射撃が可能な汎用100mm砲装置A-190で武装する。
空中攻撃からの防護の為、「リェーズキー」遠距離高射複合体「リドゥート」を受け取り、その艦尾にはヘリコプターKa-27の為の格納庫が存在する。

曳航アンテナを持つ水中音響ステーション「ミノタヴル-M」は、敵潜水艦の効率的な探知を可能にする。
複合体「パケート-NK」は、敵の魚雷潜水艦の破壊の為に使用できる。

今、太平洋艦隊は新たな艦を積極的に受け入れている。
この前の11月、バルト海からウラジオストクプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」と2隻のプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」及び「ヴォルホフ」が到着した。
彼らは太平洋艦隊へ到達するまでに30000キロメートル以上を走破した。
基礎プロジェクト20380に比べ、プロジェクト20385コルベット高射ミサイルのセル数が増加し、複合体「ウラン」「カリブル」及び「オーニクス」の為の発射装置と交換され、将来的には極超音速ミサイル「ツィルコン」の使用も可能となる。

以前『イズベスチヤ』は、沿海地方小型ロケット艦「カラクルト」により強化されると書いた。
これらはウラジオストクに駐留する太平洋艦隊第165水域保護旅団の一員として加わる。
時が経てば小型ロケット艦は古いソヴィエト時代のロケット艦及びロケット艇と入れ替わる。
新たな小型ロケット艦は、更新プロジェクトにより建造される~その武装構成には高射複合体「パーンツィリ-M」が加わる。
強力な打撃兵装と対空防衛複合体の「カラクルト」は、ウラジオストクのみならず、サハリンと共にクリル諸島の確実なカバーを可能にする。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの4隻目「リェーズキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』で2016年7月1日に起工されました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]
「リェーズキー」は、「激しい」「強烈な」といった意味の形容詞です。

5年後の2021年7月1日に造船台から出渠しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"は造船台を出た]

『アムール造船工場』では、コルベットの出渠(進水)式典でシャンパンを割る役目を担う「コルベットの花嫁」を同社の女性職員から選定していますが、「リェーズキー」「花嫁」には、工場コルベット試運転チームの一員であるクセニア・ザヴゴロドネワが選ばれました。
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輸送浮きドックへ載せられた「リェーズキー」は、最終艤装と試験の為、10月6日にウラジオストクへ出発しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日9時20分配信
【コルベット「リェーズキー」は試験の為にウラジオストクへ向かった】

10月下旬にウラジオストクへ到着し、同月末にドックから出渠しました。
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2021年11月上旬、ウラジオストク『アムール造船工場』艤装岸壁で「リェーズキー」の係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"の係留試験が始まった]

当初、係留試験は造船所の技術者だけで行なわれていましたが、12月初頭には乗組員が艦内へ居住し、係留試験へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"へ乗組員が居住した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"乗組員は係留試験へ参加する]

「リェーズキー」の最初の洋上試験~工場航行試験は2022年1月に始まり、その後に最終洋上試験となる国家試験が行なわれ、それが終わればロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入されます。

現在の所、「リェーズキー」は2022年5月の就役が予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"は2022年5月9日に就役する]

ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート アドミラル・グリゴロヴィチと哨戒艦ドミトリー・ロガチョフは地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月18日9時45分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」と哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」の艦上飛行隊は地中海で飛行を実施した】

地中海ロシア海軍常設グループの一員として任務を遂行している黒海艦隊フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」の乗組員は、艦隊海上航空隊の一連の合同訓練を実施した。

戦闘訓練計画に沿って、艦に駐留するヘリコプターKa-27PSの飛行士は、海上で潜水艦を捜索し、追尾する一連の計画訓練を実施し、更には艦の外で遭難した人を捜索し、援助した。

これに加え、飛行士は乗組員と協同で、海上での艦の甲板からの発艦及び着艦の課題へ取り組み、ヘリコプターの飛行を支援する艦内班の訓練を行ない、更には全ての航空複合体システムの点検を行なった。



ロシア黒海艦隊哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」(3752019年6月11日就役)は10月26日にボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(4942016年3月11日就役)は10月28日にボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】

その後、救助曳船SB-742(プロジェクト22870、2019年12月20日就役)が合流し、アルジェリアへ向かいました。

3隻は11月13日にアルジェ港へ到着しました。


アルジェリア海軍との合同演習は11月16日~17日に実施されました。
[ロシア海軍黒海艦隊とアルジェリア海軍は地中海西部で合同演習を行なった]

その後、この3隻はエジプト海軍との合同演習『友情の橋-2021』へ参加する為に地中海東部へ向かいました。

この3隻は12月3日にエジプトアレクサンドリア港へ到着し、4日と5日は基地フェーズとして港内に停泊したロシア海軍エジプト海軍の艦の通信訓練、海上行動の最終打ち合わせなどが行なわれました。
[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2021』はエジプト沖で2021年12月3日~10日に実施される]

そして12月6日から実際に海上で各種訓練を行なう海上フェーズが始まり、12月10日に終了しました。
[ロシア海軍とエジプト海軍の合同演習『友情の橋-2021』が地中海で始まった]

エジプト海軍との合同演習が終わった後も3隻は地中海東部に滞在しており、12月18日には「アドミラル・グリゴロヴィチ」「ドミトリー・ロガチョフ」艦載ヘリコプターの飛行訓練を実施しました。


現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」
2021年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日8時55分配信
【小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は地中海へ進路を取った】

海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日9時38分配信
【掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は地中海へ向かった】

大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」2021年12月上旬から地中海東部に滞在
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大型揚陸艦「オルスク」2021年12月中旬から地中海東部に滞在
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中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】

海洋曳船MB-304:2021年12月上旬から地中海東部に滞在
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対水中工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-742:2021年10月末から地中海東部に滞在

ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの洋上試験が始まった

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『アドミラルティ造船所』公式サイトより
2021年12月17日配信
【株式会社『アドミラルティ造船所』は潜水艦「クロンシュタット」の航行試験へ着手した】

株式会社『アドミラルティ造船所』は、プロジェクト677潜水艦「クロンシュタット」の工場航行試験の第1段階へ着手した。

フィンランド湾で行なわれる第1段階の枠組みで、水中艦の速力と機動性が点検される。
当社の専門家は潜水艦の水平化と傾斜を行ない、水中音響複合体、航法複合体と通信複合体を点検し、水上マスト装置の試験を行なう。
潜水艦の工場航行試験の第1段階の完了は、今年12月末に計画されている。

株式会社『アドミラルティ造船所』は、トップ艦の運用経験の結果に基づいて調整されたプロジェクトの下で潜水艦「クロンシュタット」を建造した。
艦は、艦載技術的手段の制御システム電子推進システム、航法複合体を近代化した。

プロジェクト677潜水艦第4世代非核潜水艦に属しており、今日において、戦闘有効性、他の戦術-技術的特性の観点で最も現代的かつ先進的な国内製非核潜水艦と認められている。
株式会社『アドミラルティ造船所』は、このクラスの艦の国内唯一の建造工場である。



ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の2番艦B-586「クロンシュタット」は2005年7月28日に起工されました。

しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、建造工事は2009年に一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

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「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2番艦以降は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「クロンシュタット」は2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]


2019年7月28日にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
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その後、また『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は遅れている事が明らかにされました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「クロンシュタット」とのロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

そして2021年12月17日、ようやく「クロンシュタット」の洋上試験がフィンランド湾で始まりました。
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ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクはクリミア半島で上陸演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月17日12時45分配信
【大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」と黒海艦隊の揚陸強襲部隊は海岸への海上揚陸部隊の上陸へ取り組んだ】

黒海艦隊大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」乗組員とクリミアに駐屯する揚陸強襲部隊は、合同で戦闘車両と連合部隊の人員を艦の中甲板へ積み込む複合課題へ取り組んだ。

合同演習の実施中、部隊は海上移動を行ない、無装備の海岸部分へ上陸した。

これに加えて大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」乗組員は、組織的対空防衛の任務へ取り組み、通信及びダメージコントロール訓練を実施した。

活動はオプーク兵種間射爆場において、冬季訓練期間の艦隊の部隊の戦闘訓練と日常活動計画に沿って実施された。



黒海艦隊大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(1987年就役)は、2020年には計7回の『シリア・エクスプレス』(黒海沿岸のロシア領からシリアへの貨物輸送任務)へ従事しました。

・3月2日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。

[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクはボスポラス海峡を通過してシリアへ向かった]

・4月20日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]

・5月17日にボスポラス海峡を南下、5月29日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]

・6月1日にボスポラス海峡を南下、6月12日に北上。

2020年2020年9月21日から26日までロシア南部黒海、カスピ海で実施されたロシア南方軍管区戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加する]

・11月4日にボスポラス海峡を南下、11月13日に北上。

・12月4日にボスポラス海峡を南下、12月15日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』へ従事した後に黒海へ戻った]

・12月22日にボスポラス海峡を南下、12月29日に北上。
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2021年2月19日にボスポラス海峡を南下し、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは地中海東部で『シリア・エクスプレス』に従事する]

3月5日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻りました。

2021年4月12日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、4月25日に同海峡を北上して黒海へ戻りました。

2021年5月5日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、5月中旬に同海峡を北上して黒海へ戻りました。

以後は『シリア・エクスプレス』に従事する事は無く、黒海で行動していました。

2021年12月17日にクリミア半島東部のオプーク射爆場で上陸演習を行ないました。
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ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクは『シリア・エクスプレス』に従事する

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日23時48分配信
【地中海へロシア連邦海軍の大型揚陸艦「オルスク」が入った】
イスタンブール、12月17日、インテルファクス

ロシア連邦海軍大型揚陸艦「オルスク」は、金曜日にボスポラス海峡を通過して地中海エリアへ入った。
イスタンブールの観察者はソーシャルネットワークで伝え、海峡を通行する写真を公表した。

彼は、大型揚陸艦「オルスク」は、地中海ロシア海軍物資-技術サービス基地が置かれているシリアタルトゥース港へ向かっていると確信している。

12月8日には、黒海艦隊大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」ボスポラスを通過して地中海へ向かっている。
艦の吃水線から判断し、同艦は大量の荷物を積んでいる。
海峡を通行する際、それにはトルコ沿岸警備隊の艇が同行した。

現在、地中海では、10隻以上の戦闘艦及び補助船で構成されるロシア戦隊が恒常的に活動している。

海外メディアによれば、ロシア海軍大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアフマイミーン飛行場ロシア航空群、タルトゥース海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける『シリア・エクスプレス』と呼ばれる作戦へ参加している。



プロジェクト1171大型揚陸艦の6番艦BDK-69は、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で1967年3月7日に起工され、1968年2月29日に進水、1968年12月5日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

ソ連海軍時代には、地中海、大西洋、インド洋へ進出し、活発に行動していました。
1972年6月~7月にはエジプトへ駐留しました。

ソ連邦解体後も2000年代初頭までは稼働状態に在りました。

上陸演習を行なうBDK-69(1997年撮影)
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複合補給艦「べレジナ」と共に(2000年撮影)
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2002年10月20日に「オルスク」と命名されました。

2004年からオーバーホールが始まりましたが、資金の割り当てが不十分だった為に作業は殆ど進まず、事実上予備役となっていました。

2014年8月から本格的な修理工事が始まりました。
[ロシア黒海艦隊のアリゲーター級揚陸艦2隻はセヴァストーポリで修理される]

オーバーホールは2017年10月下旬に完了し、10月27日には艦の点検の為に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年10月27日14時3分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は計画修理後に出航した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2017年11月12日8時0分配信
【大型揚陸艦「オルスク」乗組員は艦の修理後の工場点検を完了した】

オーバーホール後の点検を終え、2017年12月中旬に艦隊へ復帰しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年12月12日13時6分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は修理後に戦闘任務遂行へ着手する】

2018年には計9回の「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸のロシア領からシリアへの貨物輸送任務)に従事しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへ行く]

2019年には計4回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2020年春までに計2回の「シリア・エクスプレス」に従事した後、セヴァストーポリ『第13艦船修理工場』でオーバーホールが行なわれました。

2021年7月初頭には同型艦「サラトフ」と共に黒海艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクとサラトフは黒海で砲撃訓練を実施した]
l[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は黒海上空で対艦攻撃訓練を実施した]

以後、3回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。
・9月6日にボスポラス海峡を南下、9月24日に同海峡を北上
・10月13日にボスポラス海峡を南下、10月26日に同海峡を北上
・11月20日にボスポラス海峡を南下、12月8日に同海峡を北上


そして12月17日、「オルスク」は今年4度目となるシリアへの貨物輸送へ向かいました。


現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」
2021年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】

哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年10月末から地中海東部に滞在
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ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】

小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日8時55分配信
【小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は地中海へ進路を取った】


海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日9時38分配信
【掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は地中海へ向かった】

大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」:2021年12月上旬から地中海東部に滞在
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大型揚陸艦「オルスク」:2021年12月中旬から地中海東部に滞在

中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】

海洋曳船MB-304:2021年12月上旬から地中海東部に滞在
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対水中工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-742:2021年10月末から地中海東部に滞在

サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した




『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年12月17日20時24分配信
【『北方造船所』で建造中の艦が発火した】

12月17日・金曜日の夕方、工場『北方造船所』で建造中の艦で火災が発生した。
『フォンタンカ』の情報によると、これはプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」についての話である。
火災は既に第3難易度が割り当てられている。


火災発生の正確な原因は未だ知られていない。
『フォンタンカ』の情報筋によると、作業実施時の火災安全技術違反が故に艦が燃え上がった可能性が有る。
火は主指揮所の操舵室と塔マスト構造を包んだ。
発火の時点でコルベットの電源は止まっており、状況は、油とラッカーが炎上で複雑化された。
これに加え、艦の上部構造物の3層は樹脂加工されている。

『フォンタンカ』の情報によると、火災は約80平方メートルの領域へ広がった。
緊急事態の結果、4名が負傷し、その内の1名は深刻な状態にある。

「プロヴォールヌイ」は第2のプロジェクト20385コルベットである(コルベットのトップ「グレミャーシチー」は2020年12月に海軍へ加入した)。
「プロヴォールヌイ」は2013年7月に起工された。
今年2月、艦は2021年末までに海軍へ引き渡されるかもしれないと伝えられたが、計画では2022年である。
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プロジェクト20385艦の排水量は2200トン、全長-104メートル、幅-13メートル。
速力-27ノット、航続距離-3500海里、自立航行期間-15日、乗組員-99名。

兵装として、ミサイル複合体「カリブル-NK」高射ミサイル複合体「リドゥート」100mm砲装置A-190-01、2基の30mm機関砲AK-630M、そして更に対潜複合体「パケート-NK」を搭載する。
艦上にはヘリコプターKa-27が駐留する。

プロジェクト20385コルベットは、海洋ゾーンのパトロール、及び潜水艦との戦闘の為、艦船支隊、駐留所の対空防衛を保障する為、更には海上揚陸部隊の上陸及び行動の砲撃支援の為に意図されている。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルクの海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】


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2021年12月17日19時頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月17日19時45分配信/23時28分更新
【サンクトペテルブルクの『北方造船所』で火災が発生した】

『タス通信』より
2021年12月18日3時39分配信
【サンクトペテルブルクでのコルベットの火災について知られている事】

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日22時56分配信
【サンクトペテルブルクで建造中の戦闘艦の火災の原因は家財安全規則違反の可能性が有る-テレビ局】

火災は22時49分に極限化されました。
『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日23時10分配信
【サンクトペテルブルクの『北方造船所』の火災は極限化された】

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日23時25分配信
【サンクトペテルブルクの造船所で燃えている戦闘艦を救い出すチャンスはある-情報筋】

現時点では、「プロヴォールヌイ」の火災事故による正確な損害は未だ算定されていません。
『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月18日0時3分配信
【専門家はコルベット「プロヴォールヌイ」の火災の鎮火後に損害の評価へ着手する-情報筋】

火災は「プロヴォールヌイ」の上部構造物で発生しましたが、同艦を始めとするプロジェクト20380/20385シリーズの上部構造物は、ガラス繊維強化プラスチックの一体成型で作られています。
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類似のケースとして、ガラス繊維強化プラスチック製船体対機雷防衛艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、同じく建造中に火災が発生した為、就役は当初予定よりも大幅に遅れています。
[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはロシア海軍へ就役した]

上述のように「プロヴォールヌイ」ロシア海軍への引き渡しは2022年末に予定されていますが、「ゲオルギー・クルバトフ」の例から見て、おそらくは更に延期される事になるでしょう。

ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の海上試験が始まった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月17日11時2分配信
【北方艦隊は救助装置AS-36の試験を始めた】
ムルマンスク、12月17日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊緊急救助支隊自律有人深海救助装置AS-36の乗組員は、コラ湾で大規模修理後の受領-引渡試験へ着手した。
艦隊広報サービスは伝えた。

「AS-36は、この数年間サンクトペテルブルクのカノネルスキー艦船修理工場で主要システムの近代化を伴う中間修理を行ない、バルト海で一部の試験へ取り組みました」
艦隊は説明した。

修理作業中、救助潜水艇は電波技術兵装、自動システム及びエンジン制御システムを完全に更新した事が指摘された。
設置された新たな航法複合体は、水面上と水中で装置の居る場所の正確な特定を可能にする。
装置の船体は、深度1000メートル以上での試験で受ける最大水圧の条件の実験室で点検された。

「救助装置の試験はコラ湾で、その後バレンツ海で行なわれます。
これまでに水上位置での航行性能は部分的に点検されております。
次は、水中操縦と様々な技術的数値の測定、機器、全てのシステムとメカニズムの動作の点検です」

広報サービスは指摘した。

水中装置AS-36の標準搭載船は救助船「ミハイル・ルドニツキー」になり、その乗組員は、コラ湾での全ての操作と試験作業を支援する。

艦隊が付け加えたように、AS-36の試験は新たな2022年にも継続される。
その最終段階で装置はその作業深度~700メートル以上への潜航を行ない、救助船「ゲオルギー・チトフ」に駐留する他の自律救助装置AS-34が支援する。



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プロジェクト18270「べステル」深海救助装置AS-36は、1989年4月にニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で起工され、1991年春に進水しました。
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1994年8月25日には北方艦隊の基地へ到着し、同年9月20日から11月4日まで白海で工場航行試験と国家受領試験が実施されました。

1994年11月15日にロシア海軍へ納入され、1996年8月9日にセヴェロモスク基地へ到着し、プロジェクト05361救助船「ゲオルギー・チトフ」(1982年12月就役)へ搭載される事になりました。
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しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により満足に稼働できず、2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の際に出動したものの、何の成果も得られませんでした。

その後も北方艦隊に在籍していました。

2014年6月初頭のAS-36


2017年3月20日にはバレンツ海での捜索救助演習へ参加しました。


2017年4月にも捜索救助演習へ参加しました。
この時には、プロジェクト05360救助船「ミハイル・ルドニツキー」(1978年12月就役)を母船としました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月9日13時58分配信
【救助水中装置AS-36はコラ湾で特殊任務へ取り組んだ】

近代化改装の話は2013年から出ていましたが、2017年12月からサンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』で実行に移される事になりました。
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AS-36の近代化改装は2019年末に完了する予定でしたが、結局完了せず、2021年に延期される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊のバチスカーフAS-36の近代化改装は2019年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する]

しかし、海上での試験が開始されたのが2021年12月17日となり、近代化改装の完了時期はまたも延期され、翌2022年となりました。

近代化改装されたAS-36は、太平洋艦隊へ配備されている改良型のプロジェクト18271「べステル-1」と同様の能力を有する事になります。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]

ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は機雷掃海用無人艇を搭載する

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『タス通信』より
2021年12月17日9時14分配信
【情報筋:新たなロシアのヘリコプター母艦は無人艇で武装する】
モスクワ、12月17日/タス通信

株式会社『B.E.ブトマ記念造船工場』(ケルチ市)で建造されているプロジェクト23900汎用ヘリコプター搭載揚陸艦「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」は、ロシアが開発した対機雷無人艇を装備する。
『タス通信』造船分野の情報提供者より伝えられた。

「プロジェクト23900ヘリコプター母艦は、国内で開発された無人艇及び水中ドローンで構成される対機雷複合体での武装が計画されています。
艦上には、一度に2隻の無人艇が配置されます」

対談者は話した。

彼によると、艦内の水中音響ステーションと磁力計の助力を得た無人艇は、自身で海上機雷を探知し、識別する。
これらは、遠隔操作水中装置により破壊される。

「対機雷兵器複合体の所有は、艦隊の対機雷豚の支援無しで汎用揚陸艦が自身で遠海ゾーンでの戦闘任務を果たす事を可能にします」
対談者は強調した。

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現在、プロジェクト12700対機雷防衛艦(コード名「アレクサンドリト」)は、高速艇BL-680を基にした無人艇「スカンダ」と、更には機雷を破壊する為に意図されている無人水中装置を装備している。
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『タス通信』は、この情報について公式に確認していない。

[プロジェクト23900汎用揚陸艦]
以前、プロジェクト23900汎用揚陸艦打撃・偵察無人飛行装置の駐留の為に順応すると報じられた。
ドローンは、海上揚陸部隊への火力支援を効果的に保障し、その上陸地帯の戦術状況を明らかにし、特殊作戦実施の際、目立たない浮遊物を探知し、必要ならば排除する事を可能にする。

汎用揚陸艦は、様々な用途の重ヘリコプターグループの搭載、数百名から1000名の海軍歩兵の移送が可能である。
それは、揚陸部隊の上陸と装甲車両の移送を保障するの為のドックを装備する。
このようなクラスの最初の2隻の国産艦~「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」は、造船工場『ザリフ』で2020年7月20日に起工された。
ロシアヘリコプター母艦は、ゼレノドリスク設計局が開発したプロジェクト23900の下で建造される。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランはロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の艦載機となる]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、2019年になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』(造船コーポレーション『アク・バルス』傘下)で建造する案が浮上してきました。
【造船工場『ザリフ』公式サイト】
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[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島で起工される?]
[ロシア海軍の為の新たな汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年にケルチ(ザリフ造船所)で起工され、2025年と2026年に就役する]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月上旬(5月9日まで)にクリミア半島で起工される]

造船工場『ザリフ』も、ロシア海軍新世代汎用揚陸艦を建造する用意がある事を認めました。
[クリミア半島ケルチのザリフ造船所はロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)を建造する準備を整えている]

2隻の汎用揚陸艦の建造費は、ほぼ1000億ルーブルになるようです。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造費は1000億ルーブルになる]
因みに1000億ルーブルは、プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)フリゲート4隻分に相当します。

当初、2隻の汎用揚陸艦の起工は、2020年5月9日の大祖国戦争勝利75周年記念日に予定されており、起工に先立つ建造契約の締結は、2020年4月末までに行なわれる予定でした。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は大祖国戦争勝利75周年記念日の2020年5月9日に起工される]
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約は2020年4月末までに締結される]

しかし、最近の新型コロナウイルス流行の影響により艦の起工は延期され、これに伴い建造契約の締結も先送りされ、5月22日までに締結されました。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約が締結された]
[クリミア半島のザリフ造船所はロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸艦の建造準備を進めている]

2隻の汎用揚陸艦の起工は6月29日に予定されていましたが、またも延期となりました。
[ロシア海軍のプロジェクト23900(セヴァストーポリ型)汎用揚陸艦の起工は延期された]

その後、起工日は7月16日に決まりましたが、これも延期され、2020年7月20日に起工式典が開催されました。

[ロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフとミトロファン・モスカレンコはクリミア半島のザリフ造船所で起工された]

プロジェクト23900汎用揚陸艦の設計案は、以前からソ連/ロシアの一連の揚陸艦の設計を手掛けていた『ネヴァ川計画設計局』ではなく、造船コーポレーション『アク・バルス』傘下のゼレノドリスク設計局の案が採用されました。

ゼレノドリスク設計局が設計したプロジェクト23900汎用揚陸艦は、フランス「ミストラル」級をタイプシップとしているようです。
[プロジェクト23900汎用揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の開発・建造元『アク・バルス』のトップは語る]
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2隻の汎用揚陸艦の艦名は、以前には「セヴァストーポリ」「ウラジオストク」が有力視されていましたが、結局、旧ソ連時代のプロジェクト1174大型揚陸艦の1番艦と3番艦の名前を受け継いだ「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」となりました。

プロジェクト1174大型揚陸艦「イワン・ロゴフ」(1978年6月15日就役、1995年8月4日除籍)
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プロジェクト1174大型揚陸艦「ミトロファン・モスカレンコ」(1990年9月23日就役、2006年12月18日除籍)
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プロジェクト23900汎用揚陸艦は、指揮艦としての能力も付与されます。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は指揮艦として使用される]
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の為の指揮システムが開発される]
この場合は、例えば、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の旗艦としての使用などが考慮されているようです。

以前には、プロジェクト23900汎用揚陸艦は満載排水量25000トン、ヘリコプター20機搭載、海軍歩兵900名を積載すると言われ、その後、設計変更されて満載排水量は30000トンに拡大し、ヘリコプター16機搭載、海軍歩兵1000名積載、そして艦上無人攻撃機も搭載する事になりました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は艦上無人攻撃機を搭載する]

しかし2020年12月末、ロシア連邦国防次官(防衛産業担当)アレクセイ・クリヴォルチコ氏は、プロジェクト23900汎用揚陸艦の(満載)排水量は40000トンになると述べました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は40000トンになる]

2020年7月の起工から7ヶ月後の2021年2月、「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」の船体の形成が始まりました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の船体の形成が始まった]

1番艦「イワン・ロゴフ」ロシア海軍への引き渡しは2028年に予定されています。
[新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフは2028年にロシア海軍へ就役する]
配備先は太平洋艦隊になるようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ新世代汎用揚陸艦(新イワン・ロゴフ型)が配備される]

一方、2番艦「ミトロファン・モスカレンコ」黒海艦隊へ配備されて同艦隊旗艦となり、セヴァストーポリ港に駐留する事になるようです。
[新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦ミトロファン・モスカレンコはロシア海軍黒海艦隊旗艦となる]

上述のように、プロジェクト23900汎用揚陸艦へ無人機を搭載するという話は以前から出ていましたが、それは無人ヘリコプターになるようです。
[ロシア海軍の為の艦上無人攻撃/偵察機と艦上無人ヘリコプターの開発が進められている]
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は無人攻撃/偵察ヘリコプターを搭載する]

更に、プロジェクト12700対機雷防衛艦が搭載している無人小型掃海艇水中無人装置プロジェクト23900汎用揚陸艦へ搭載され、掃海艦としての機能も付与されます。

ASEAN諸国海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは日本海で対潜演習を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年12月17日7時0分配信
【大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は海上で用途上の演習を実施した】

太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」乗組員は、日本海エリアで仮想敵潜水艦を捜索し、破壊する演習を実施した。

大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は戦闘訓練海上射爆場の1つで、艦隊の偵察手段により探知された仮想敵潜水艦の捜索の為の行動手順へ取り組んだ。

「敵」潜水艦の発見後、大型対潜艦乗組員は、水中物体の追跡を開始した。

艦の戦闘班は、対潜兵器の使用を準備する為の行動手順へ取り組み、噴射推進爆弾魚雷で水中目標を仮想破壊した。

演習は、実際に艦載兵器を使用する事無く太平洋艦隊の戦闘訓練計画に沿って行なわれた。

艦は、インドネシア沖の島嶼海域で行なわれた史上初のロシア南東アジア諸国連合(ASEAN)の合同海軍演習演習『ARNEX-2021』へ参加した後、太平洋艦隊主要基地へ戻る。

ASEAN諸国の海軍演習には、ロシア、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、ミャンマーの艦が参加した。
演習中、艦の乗組員は合同戦術操艦、組織的通信、海上での救助へ取り組んだ。
疑わしい船の臨検実行の行動手順へ取り組まれた。



ロシア太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1992年5月1日就役)は、2021年6月に太平洋中央部で実施された太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

2021年10月には日本海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2021』へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

11月中旬にウラジオストクを出航し、日本海潜水艦の捜索訓練を行ないました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月19日9時38分配信
【大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」は日本海で「敵」潜水艦を探した】

11月18日に対馬海峡を通過して東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年11月19日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

その後、東南アジア諸国連合(ASEAN)との合同演習へ参加する為、インドネシアへ向かいました。
[ロシア海軍とASEAN諸国海軍の初の合同演習は2021年12月1日~3日にインドネシア沖で実施される]

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ロシア海軍ASEAN諸国海軍の初の合同演習は12月1日からスタートし、3日まで続きました。
海上での演習はスマトラ島北部沖で実施されました。


[ロシア海軍とASEAN諸国海軍の初の合同演習がインドネシアで始まった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフはASEAN諸国海軍との合同演習『ARNEX-2021』へ参加する]
[ロシア海軍とASEAN諸国海軍の初の合同演習『ARNEX-2021』は終了した]

演習が終わった後、母港ウラジオストクへの帰路に就き、12月11日には補給の為、フィリピンマニラ港へ寄港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは補給の為にフィリピンのマニラ港へ寄港した]

12月13日にマニラ港から出航し、ウラジオストクへ向かいました。
[ASEAN諸国海軍との合同演習『ARNEX-2021』へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは補給を終えてフィリピンのマニラ港を去った]

12月15日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年12月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

その後、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。

ロシア海軍黒海艦隊の海上航空隊と地対艦ミサイル部隊はクリミア沖で対艦攻撃訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月16日13時30分配信
【黒海艦隊は海上練習目標を破壊する為の海上航空部隊と沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の合同演習を実施した】

黒海艦隊は、戦闘訓練及び日常活動計画に沿って、海上航空隊戦闘機及び爆撃機沿岸対艦ミサイル複合体「バスチオン」による海上練習目標を破壊する為の合同演習を実施した。

演習計画によると、黒海エリアで破壊工作員グループを乗せた仮想敵水上艦が探知された。

仮想敵の役割は、警備艦「ラードヌイ」乗組員が演じた。

目標の複合破壊の任務を遂行する為、空中へ黒海艦隊対空防衛・海上航空隊の当直グループの航空機が上がり、クリミア半島領域に駐留する沿岸対艦ミサイル複合体「バスチオン」班は、その地域の位置までの行進を行ない、ミサイル複合体の使用を準備した。

演習の第1段階で多目的戦闘機Su-30SM前線爆撃機Su-24Mの乗員は、水上目標へミサイル及び爆弾による打撃を与える為の戦闘進路への進入へ取り組んだ。

第2段階で複合体「バスチオン」班は敵艦のコースを追尾し、戦闘状態へ入り、電子発射方式で仮想目標へミサイル打撃を与える為の行動手順へ取り組んだ。

演習には200名以上の将兵、4機の航空機Su-30SM、2機の航空機Su-24M黒海艦隊ロケット-砲連合部隊の構成から沿岸対艦ミサイル複合体「バスチオン」大隊が参加した。




沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。

黒海艦隊では、クラスノダール地方と、そしてクリミア半島に駐留する第15独立沿岸ロケット-砲旅団へ配備されています。
[シリアへ派遣されたロシア海軍黒海艦隊の地対艦ミサイル"バスチオン"の代わりとなる同型のミサイルがクリミア半島へ到着した]

多用途複座戦闘機Su-30SMは、インド空軍などが導入しているSu-30MK系列機をロシア軍向けに改正した機体であり、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊への導入が進められています。

黒海艦隊には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分の12機のSu-30SMが配備されています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]


黒海艦隊Su-30SMは、クトゥーゾフ勲章授与・セヴァストーポリ赤旗・第43独立海上襲撃機航空連隊に所属しており、前線爆撃機Su-24Mと共にクリミア半島サキ飛行場に駐留しています。
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2021年12月16日、「バスチオン」大隊と海上航空隊Su-30SM及びSu-24Mクリミア半島沖で対艦攻撃の模擬訓練を行ないました。

「敵艦」の役は、警備艦「ラードヌイ」(1981年2月25日就役)が務めました。
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ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した


『タス通信』より
2021年12月16日15時1分配信
【「アドミラル・ゴルシコフ」は白海からチジャ射爆場の標的をミサイル「ツィルコン」で成功裏に撃破した】
モスクワ、12月16日/タス通信

北方艦隊フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、白海からアルハンゲリスク州チジャ射爆場の標的を極超音速ミサイル「ツィルコン」で成功裏に激した。
木曜日にロシア連邦国防省は報道機関へ伝えた。
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「北方艦隊のフリゲート"アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ"乗組員は、極超音速ミサイル兵器のサイクル試験完了の枠組みにおいて、次のミサイル"ツィルコン"の射撃を実施しました。
射撃は、白海エリアからアルハンゲリスク州のチジャ射爆場に在る沿岸標的の位置へ行なわれました」
ロシア軍当局
は話した。

国防省が説明したように、客観的観測データによると、極超音速ミサイルの飛翔は指定数値に沿っており、目標は撃破された。

射撃の支援と海域の閉鎖には、北方艦隊水上艦海上航空隊が参加した。

これまで、11月29日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、極超音速ミサイル兵器のサイクル試験完了の枠組みにおいて、白海から400キロメートル以上離れた海上標的への極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験発射を実施した。

以前、『タス通信』が情報筋より伝えられたように、レウトフ科学生産合同『機械製造』は、ロシア海軍の為の最新極超音速ミサイル「ツィルコン」の量産の契約履行へ着手した。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも「アドミラル・ゴルシコフ」白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。


北方艦隊では、既に「ツィルコン」の保管倉庫の建設が始まっています。
[ロシア海軍北方艦隊で極超音速ミサイル"ツィルコン"の保管倉庫の建設が始まった]

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。
水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、2021年10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった]
おそらくは水上発射型でしょう。

水中発射型「ツィルコン」ロシア海軍への供給は、2025年以降になるようです。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"潜水艦発射型のロシア海軍への供給は2025年に始まる]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"のミサイル発射支援任務に従事した大型対潜艦アドミラル・トリブツ、コルベット・グロームキー、ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフはウラジオストクへ帰投した

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月16日2時46分配信
【太平洋艦隊艦支隊はフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の日本海での新たなミサイルの発射実行後に駐留所へ戻った】
ウラジオストク、12月16日、インテルファクス-極東

太平洋艦隊艦支隊は、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海エリアでの最新対潜ミサイル複合体「オトヴェート」ミサイル射撃実施海域の閉鎖任務を遂行した後に駐留所へ戻った。
木曜日に艦隊広報サービスは発表した。

「射撃実施海域は、民間船舶航行の安全を保障する為に閉鎖されました」
声明では、こう述べられた。

合計して海域の閉鎖には、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、コルベット「グロームキー」「ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」を含む10隻以上の太平洋艦隊の艦と支援船が参加した。
伝えられたように、太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、日本海エリアで最新対潜複合体「オトヴェート」の水中目標へのミサイル発射を実施した。
ミサイルの弾頭は成功裏にそれを撃破した。

対潜ミサイル発射の為、更に有翼ミサイル「オーニクス」「カリブル」の使用が可能な汎用発射装置が使用された。

「マルシャル・シャーポシニコフ」太平洋艦隊フリゲートであり、近代化された後にミサイル「カリブル」(試作設計局『ノヴァトール』株式会社『航空宇宙防衛コンツェルン・アルマーズ-アンテイ』により開発されたロシア有翼ミサイルファミリー)の搭載艦となった。



太平洋艦隊プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(564、1986年2月15日就役)は、2014年から2016年までウラジオストクで近代化改装を行ない、2016年7月に復帰しました。
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[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの2隻目となる「グロームキー」(335)は2018年12月25日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

ロシア太平洋艦隊向けの3隻目のプロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(339)は2021年12月25日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20380コルベット"ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊に編入された]


「アドミラル・トリブツ」は2021年4月末から6月下旬まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは東南アジアへの遠距離航海からウラジオストクへ帰投した]

「グロームキー」「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2021年6月の太平洋中央部太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。


[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

「グロームキー」「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2021年8月中旬にピョートル大帝湾で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット3隻はピョートル大帝湾で演習を実施した]

「グロームキー」は2021年8月31日に日本海で対空ミサイルの発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は日本海で高射ミサイル"リドゥート"を発射した]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は2021年9月23日にピョートル大帝湾で対水上砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年9月23日9時24分配信
【太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は演習中に仮想敵艦を破壊した】

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は2021年10月7日から親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」共に日本海で戦闘演習を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月7日6時30分配信
【太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」はミサイル射撃を実施する為に日本海へ出航した】
10月11日には対空ミサイル発射訓練を行ない、小型ロケット艦「ラズリーフ」が発射したミサイル標的「マラヒート」を撃墜しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月11日15時30分配信
【太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」は日本海でミサイル射撃を実施した】

「グロームキー」「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2021年10月中旬に日本海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2021』へ参加しました。

[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、2021年10月29日にピョートル大帝湾で機雷掃討、対水上砲撃訓練を行ないました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年10月29日13時15分配信
【太平洋艦隊のコルベット「ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はピョートル大帝湾で特殊演習を実施した】

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、12月初頭に「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海で洋上演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"とコルベット"ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は日本海で戦闘訓練を行なう]


2021年12月15日に太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海で最新の対潜ミサイル「オトヴェート」(91R1)を発射した際、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、コルベット「グロームキー」と「ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」を含む10隻以上の艦船が周辺海域の封鎖に従事しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で新型対潜ミサイル"オトヴェート"を発射した]

翌12月16日、周辺海域の封鎖に参加した艦船はウラジオストクへ帰投しました。

記念艦となるソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールは博物館へ陸揚げする為に船体を切断する

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『タス通信』より
2021年12月16日6時45分配信
【最初のソヴィエトの原子力潜水艦K-3は永久停泊場所へ送り届ける為に分割される】
モスクワ、12月16日/タス通信

最初のソヴィエト原子力潜水艦K-3「レニンスキー・コムソモーレツ」は、地上のクロンシュタット海軍栄光博物館の永久停泊場所へ送り届けられるが、その為に船体は2つに分割される。
『タス通信』は2名の防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールは博物館化の作業の後、クロンシュタットの地上に作られる海軍栄光博物館へ送り届けられます。
この為に、潜水艦の108メートルの船体を2つに分割する事が予定されています」

対談者は話した。

2021年秋、原子力潜水艦は、浮きドック「スヴィヤガ」で内部水路により北方艦隊からバルト海への艦隊間移動を行なった。
現在、K-3クロンシュタット海洋工場に居る。
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潜水艦の博物館化の設計は、プロジェクト627を開発したサンクトペテルブルク機械製造局『マラヒート』(『統合造船業営団』へ加入)により行なわれた。
停泊場所への輸送まで、潜水艦は暫くの間は『北方造船所』へ戻る予定である。

以前、「フォルトフ島」の観光-レクリエーション作成の為のプロジェクト室長クセニア・ショイグは、海軍栄光博物館の作成は、2023年第1四半期に完了しなければならないと述べた。
その中心的な展示品は、1958年にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建造されたソヴィエト初にして世界で第3の原子力潜水艦K-3「レニンスキー・コムソモーレツ」(プロジェクト627「キート」のトップ艦)となる。



ソヴィエト連邦初の原子力潜水艦であるK-3は、プロジェクト627「キート」巡洋潜水艦(NATOコード名「ノヴェンバー」)の1番艦として、1956年9月24日にモロトフスク(現セヴェロドヴィンスク)第402造船工場(現セヴマシュ)で起工されました。
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1957年10月9日に進水した後に係留試験が始まり、翌1958年6月に終了しました。

1958年7月21日には、ソ連海軍総司令官セルゲイ・ゴルシコフ提督、ソ連造船業相ボリス・ブトマが出席し、ソ連邦海軍旗の初掲揚式典が開催されました。
この時点で、K-3は未だ航海試験も始まっていませんでした。

1958年7月3日、工場航行試験をすっ飛ばして、いきなり国家受領試験が始まりました。
翌7月4日10時3分、初めてK-3原子力機関が始動しました。

1958年8月には潜水航行試験が行なわれました。

1958年11月26日から12月2日まで白海で潜航試験が行なわれ、深度310mまで潜航しました。

1958年12月17日、巡洋潜水艦K-3受領証書への署名が行なわれ、ソ連海軍へ納入されました。

しかし、初めての原子力潜水艦という事も有り、色々と問題点が発覚した為、1958年1月には「試験運用」へ移行しました。
プロジェクト627の2番艦以降は、改良型のプロジェクト627Aとして建造されることになりました。

翌1959年も白海で各種試験に従事し、同年10月下旬に、ようやく白海からバレンツ海北方艦隊基地ザーパドナヤ・リツァ(ザオゼルスク)へ移動しました。
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1959年11月1日から15日まで初の遠距離航海を行ない、グリーンランド付近まで進出しましたが、浮上時に氷に衝突して損傷しました。

帰港後、1959年12月から1960年5月までセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」で修理と近代化改装を行ない、新たな航法複合体が設置されました。

1960年12月から1961年2月まで「セヴマシュ」で係留試験が行なわれました。

1961年5月26日から8月7日まで航海試験が行なわれ、再びザーパドナヤ・リツァ(ザオゼルスク)へ配備されました。

1961年9月17日から31日までカラ海において、北極海での水中航行時の航法複合体の動作試験が行なわれました。
この間、9月20日から24日まで魚雷の実弾射撃を実施しています。

1962年7月4日から21日まで検査航海を行なった後、7月11日から21日まで北極圏航海を行ないました。
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水中航行中に原子炉の冷却循環ポンプが故障し、潜航したまま修理を行なっています。

1962年9月に核燃料棒の不備が発覚し、セヴェロドヴィンスクへ回航されました。

1962年10月9日、「レニンスキー・コムソモール」(レーニン共産党青年団)と命名されました。

1963年2月26日から1965年10月29日まで原子炉の交換と近代化改装が行なわれました。
撤去された核燃料棒はカラ海へ投棄されました。

1965年10月29日から11月7日まで航海試験を行ない、同年11月24日に海軍へ引き渡され、11月29日にはザーパドナヤ・リツァへ戻りました。

1965年12月17日、ソ連の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリン「レニンスキー・コムソモール」を訪れました。

1966年3月23日に白海で氷に衝突して潜望鏡を曲げました。

1966年7月10日から8月29日まで遠距離航海を行ない、大西洋、サルガッソー海、メキシコ湾まで進出し、魚雷発射訓練を行ないました。

1967年3月12日から4月30日までポリャールヌイ第10艦船修理工場で船体のメンテナンスが行なわれました。
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1967年7月10日から9月11日まで遠距離航海を行ない、地中海へ進出しました。
地中海から戻る途中の9月4日、ノルウェイ海で火災事故を起こし(第1区画から出火し、第2区画に延焼)、乗員39名が死亡しました。
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1967年9月14日から11月5日までセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。

1968年7月21日から29日までワルシャワ条約機構諸国海軍北方艦隊バルト艦隊の合同演習へ参加しました。

1968年12月8日からポリャールヌイ第10艦船修理工場でオーバーホールが行なわれ、1971年12月28日に復帰しました。

1972年1月にはグレミハ基地へ移動しました。
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1972年10月29日から11月5日まで演習を行ないました。

1973年5月12日から6月1日まで遠距離航海を行ない、大西洋地中海へ進出しました。

1975年2月に第7区画で火災が発生し乗員2名が重傷を負いました。

1975年4月24日から6月13日までバレンツ海、ノルウェイ海、グリーンランド海で哨戒活動を実施しました。

1976年1月31日から2月21日までグレミハの浮きドックで定期修理が行なわれました。

同年6月1日から27日までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。

1977年7月25日、「大型潜水艦」に再分類されました。

1977年12月29日からポリャールヌイ第10艦船修理工場で定期修理が始まりました。

1978年1月8日、修理中に火災が発生しました。

1978年12月30日に修理を終えて復帰しました。

1982年5月25日から6月25日までバレンツ海、ノルウェイ海、グリーンランド海で哨戒活動を実施しました。

1985年1月から9月末までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。

1985年には、「オケアン-85」、「大西洋-85」、「北方-85」といった大規模演習へ参加しました。

1985年7月2日から27日までノルウェイ海で哨戒活動を実施しました。

1986年4月からポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が始まりました。

しかし修理は完了する事無く、1987年10月17日には海軍の戦闘編制から除外されました(事実上の退役)。

1988年9月9日には練習船となり、グレミハ基地に固定されました。

1989年3月14日、B-3と改称されました。

1991年には北方艦隊の編制表から消されました。

1993年9月30日、正式に海軍から除籍されました。

その後も係留保管されていましたが、2002年11月にポリャールヌイ第10艦船修理工場へ到着しました。

2003年5月30日から7月3日に使用済み核燃料が撤去されました。

2005年10月28日にはスネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、博物館への改装が行なわれる事になりました。
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2007年以降、原子炉区画が撤去され、代わりのダミー区画が製造されました。
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2017年2月に再進水する予定でしたが、半年以上遅れ、2017年9月8日になりました。
[ソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールは記念艦となる]
[記念艦となるソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールは再び進水した]


当初、「レニンスキー・コムソモール」は、ムルマンスクで保存されている原子力砕氷船「レーニン」の隣で展示される予定でした。
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しかしその後、クロンシュタットフォルトフ島で展示される事になりました。


艦船修理工場『ネルパ』は、「レニンスキー・コムソモール」クロンシュタットへの移動の為に準備作業を行ないました。
[記念艦となるソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールはクロンシュタットへ回航される]

2021年8月19日、浮きドックへ載せられた「レニンスキー・コムソモール」『ネルパ』埠頭を離れました。
[記念艦となるソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールはクロンシュタットへ向かう]

8月26日にクロンシュタットへの移動を開始しました。
[記念艦となるソ連/ロシア海軍の最初の原子力潜水艦レニンスキー・コムソモールはクロンシュタットへの移動を開始した]

「レニンスキー・コムソモール」白海ベロモルスクへ行き、そこから内陸水路へ入りました。


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9月13日にスヴィリ川へ入りました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年9月13日14時0分配信
【原子力潜水艦K-3「レニンスキー・コムソモール」を載せた浮きドック「スヴィヤガ」はサンクトペテルブルクの『北方造船所』への曳航中にスヴィリ川へ入った】

9月21日にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ到着しました。
『タス通信』より
2021年9月21日23時1分配信
【ソヴィエト社会主義共和国連邦初の原子力潜水艦K-3はサンクトペテルブルクへ到着した】
ここで浮きドックから出渠した後にクロンシュタットへ向かいました。
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10月1日にクロンシュタットへ到着しました。


今後、「レニンスキー・コムソモール」クロンシュタットフォルトフ島へ建設される海軍栄光博物館で展示する為に陸揚げされますが、その為には一旦船体を切断する必要が有ります。

ロシア海軍の最新対潜ミサイル複合体オトヴェート(91R1対潜ミサイル)の射程距離は2倍に延伸される

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『タス通信』より
2021年12月16日9時8分配信
【情報筋:ロシアは複合体「オトヴェート」の為のミサイルの改善作業を行なっている】
モスクワ、12月16日/タス通信

最新対潜複合体「オトヴェート」誘導有翼ミサイル91R1の行動距離は、改善後には少なくとも2倍になる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「複合体と、そのミサイル91R1を改善する作業は停止しておりません。
今、行動距離を延ばす課題は解決されております。
製品の射撃距離を延ばす可能性について分析し、それは少なくとも2倍に出来る事が示されました。
然るべき技術的解決策は既に有ります」

彼は話した。

彼によると、更新されたミサイルの射撃距離は、数十キロメートルになるだろう。

『タス通信』は、この情報について公式に確認していない。

[ミサイルについて]
12月15日、太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海エリアからミサイル複合体「オトヴェート」の発射を実行し、成功裏に水中目標を撃破した。

2020年11月、防衛産業企業体の情報提供者は、新たなロシア対潜ミサイル複合体「オトヴェート」は、2020年12月~2021年1月にロシア連邦海軍への軍備採用が計画されていると述べた。

2019年9月にロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが述べたように、複合体「オトヴェート」は、この時点で既に国家試験を行なっており、複合体の開発会社であるコンツェルンMPO(海洋水中兵器)『ギドロプリボル』は試験量産を行なっていた。

公開情報によると、「オトヴェート」は、汎用発射装置3S-14(有翼対艦ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」の為にも使用される)から撃ち出される対潜ミサイルで構成されている。
ミサイル「オトヴェート」の頭部には、小型自己誘導対潜魚雷が有る。
目標エリアへ到達すると、ミサイルパラシュート魚雷を水中へ投下し、その後は、自身の水中音響ステーション(ソナー)を使用し、自己で敵潜水艦の捜索を続ける。



現在、ロシア海軍新世代水上戦闘艦の為の新たな対潜兵器として、対潜・対魚雷複合体「パケート-NK」が配備されています。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷複合体パケート-NKは近代化される]
「パケート-NK」(324mm短魚雷)は、プロジェクト20380/20385コルベットプロジェクト22350フリゲートに装備されており、今後は、近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」、建造が始まったプロジェクト20386コルベッ、将来に建造される原子力駆逐艦「リデル」にも装備されます。

この他、ソ連邦時代に開発された対潜ミサイル「ラストルブ」「ヴォドパード」の後継となる新型対潜ミサイル「オトヴェート」が開発されました。
[ロシア海軍の為の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は2020年に完了する]

対潜ミサイル「ラストルブ」


対潜ミサイル「ヴォドパード」


「オトヴェート」は、有翼ミサイル「カリブル」の対潜型91RE1をベースにした対潜ミサイルであり、「カリブル」用の垂直発射機から発射します。
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「オトヴェート」の試験は、2019年からフリゲート「アドミラル・カサトノフ」(2020年7月21日就役)で行なわれました。

「アドミラル・カサトノフ」は、2020年10月28日にバレンツ海新型対潜ミサイルの発射試験を行ないましたが、これが「オトヴェート」の最終試験だったようです。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイルの試験がバレンツ海で行なわれた]
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

2021年12月15日、太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海「オトヴェート」(91R1)を発射しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で新型対潜ミサイル"オトヴェート"を発射した]

現在の所、91R1対潜ミサイルの最大射程は40キロメートル程度ですが、今後は射程距離が2倍、つまり80キロメートル程度に延伸されます。

ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフはセヴァストーポリへ移動した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月15日10時45分配信
【最新哨戒艦「セルゲイ・コトフ」はノヴォロシースクからセヴァストーポリへの海上移動を行なった】

黒海艦隊の為に建造された最新のプロジェクト22160哨戒艦「セルゲイ・コトフ」乗組員は、ノヴォロシースクからセヴァストーポリへの海上移動を行なった。

200海里以上の距離を移動する現実の海上条件での4回目の艦の海上への特殊目的の出航中、乗組員は動力装置と航法機器の信頼性と機能の試験を行ない、更に速度を失った際の制御性と安定性を点検した。

以前、工場航行試験の枠組みで哨戒艦「セルゲイ・コトフ」乗組員は、砲装置AK-176と他の艦の兵器からのテスト射撃を実施し、更に船体の磁力を低減する為の第1次電磁処理を受けた。

航行試験の後、造船業者と乗組員は合同で艦載システム、装置、メカニズムの検査を行ない、国家試験の次の段階を続け、その後、哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は恒久駐留所ノヴォロシースク黒海艦隊の一員として加わる。

[参照]
哨戒艦「セルゲイ・コトフ」
は、ロシアで4隻目のプロジェクト22160シリーズ艦である。
哨戒艦のトップ「ワシーリー・ブイコフ」と、それに続く「ドミトリー・ロガチョフ」「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、現在、黒海艦隊の一員として成功裏に任務を遂行している。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380コルベット及びプロジェクト20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

基本的には軽武装の22160哨戒艦ですが、対艦ミサイル高射ミサイルなどの汎用戦闘モジュールコンテナを装備して武装を強化する事も出来ます。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう]


プロジェクト22160哨戒艦の4番艦「セルゲイ・コトフ」は、2016年5月8日に起工されました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

その後、『ゼレノドリスク造船所』と同系列でクリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』へ回航され、ここで建造が進められました。
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当初、「セルゲイ・コトフ」の進水は2020年9月に予定されていましたが、2021年1月29日にずれ込みました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは2020年9月に進水する]

[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフはクリミア半島で進水した]

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その後、ノヴォロシースク海軍基地へ回航され、10月29日に洋上試験を開始しました。

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月29日8時33分配信
【最新哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は航行試験へ出発した】

12月8日、初めて76mm砲などの艦載兵器の射撃試験を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは黒海での洋上試験中に艦載兵器の射撃試験を行なった]

その後、セヴァストーポリへ移動しました。

現在の所、「セルゲイ・コトフ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年12月末に予定されています。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年11月27日就役

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年1月29日進水/2021年12月末就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊の新ノヴォロシースク基地は60隻以上の艦船を収容できる]

ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で新型対潜ミサイル"オトヴェート"を発射した


『タス通信』より
2021年12月15日15時1分配信
【最新対潜複合体「オトヴェート」ミサイルは日本海で成功裏に目標を撃破した】
モスクワ、12月15日/タス通信

太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、日本海最新対潜複合体「オトヴェート」ミサイルの発射を実施し、成功裏に水中目標を撃破した。
水曜日にロシア連邦国防省は発表した。

「太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は、日本海エリアで最新対潜複合体オトヴェートの水中目標へのミサイル発射を実施しました。
ミサイルの弾頭は成功裏に水中目標を撃破しました」

声明では、こう述べられた。

同省は、艦載対潜ミサイル複合体「オトヴェート」潜水艦の撃破の為に意図されている事を指摘した。
「対潜ミサイル発射の為、更に有翼ミサイル"オーニクス"と"カリブル"の使用が可能な汎用発射装置が使用されます」
ロシア連邦国防省
は指摘した。

[複合体「オトヴェート」]
2020年11月、防衛産業企業体の情報提供者は、新たなロシア対潜ミサイル複合体「オトヴェート」は、2020年12月~2021年1月にロシア連邦海軍への軍備採用が計画されていると述べた。

2019年9月にロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが述べたように、複合体「オトヴェート」は、この時点で既に国家試験を行なっており、複合体の開発会社であるコンツェルンMPO(海洋水中兵器)『ギドロプリボル』は試験量産を行なっていた。

公開情報によると、「オトヴェート」は、汎用発射装置3S-14(有翼対艦ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」の為にも使用される)から撃ち出される対潜ミサイルで構成されている。
ミサイル「オトヴェート」の頭部には、小型自己誘導対潜魚雷が有る。
目標エリアへ到達すると、ミサイルパラシュート魚雷を水中へ投下し、その後は、自身の水中音響ステーション(ソナー)を使用し、自己で敵潜水艦の捜索を続ける。
ミサイル複合体の最大射撃距離は、水上艦の為のヴァージョンで40キロメートルである。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
(つまり、当初は「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、「カリブル」も装備する事になった)

「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

更に、最新の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

2020年7月10日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]


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その後、一旦ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]

9月15日、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将「マルシャル・シャーポシニコフ」を視察しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊司令官は近代化改装されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"を視察した]

10月19日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は工場航行試験の第2段階を実行する為にウラジオストクを抜錨し、日本海へ出航しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は洋上試験の第2段階実施の為に日本海へ出航した]

その後、ウラジオストクへ帰投し、11月6日には艦船修理工場『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最終洋上試験の準備の為にドックへ入った]


兵装の試験を行なう為、12月15日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は兵装試験を行なう為、日本海へ出航した]

12月24日、A-190-01 100mm単装砲対艦ミサイル「ウラン」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海でA-190-01 100mm砲と対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]

12月28日に再び対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で再び対艦ミサイル"ウラン"を発射した]

この時期に「カリブル」の発射試験も行なわれたようですが、失敗しました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021年1月から港内に停泊した状態で乗組員の各種訓練~第1錬成任務K-1を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はウラジオストク港内で乗組員の錬成訓練を行なった]

2021年3月には海上での乗組員の各種訓練~第2錬成任務K-2へ移行し、3月4日には他の太平洋艦隊の水上艦と共にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

4月4日にはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年4月6日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を地上目標へ発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
ミサイル日本海から発射され、距離1000km以上離れたタタール海峡西岸のシュルク岬(ソヴィエツカヤ・ガヴァニの北方)の標的へ命中しました。
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翌4月7日、今度は水上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で対艦ミサイル"カリブル"を発射した]

4月8日には無人機を使用して地上目標への艦砲射撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で艦砲射撃訓練を行なった]


2021年4月27日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、正式に太平洋艦隊へ復帰しました。

[近代化改装された大型対潜艦改めフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

2021年5月初頭に遠距離航海へ出発し、その後、太平洋中央部太平洋艦隊の大規模演習へ参加し、7月8日に帰投しました。


[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

2021年11月中旬にピョートル大帝湾で近代化された通信システム、対空防衛システム、レーダーの洋上試験を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月11日12時0分配信
【太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は艦の新たなシステムの航行試験の為に海上へ出た】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月12日14時30分配信
【太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はピョートル大帝湾で対空防衛訓練を実施した】

2021年12月1日からロシア連邦軍の新年度が始まり、「マルシャル・シャーポシニコフ」は12月6日に洋上演習を行なう為に日本海へ出航しました。
これは、近代化改装により新たに設置された各種機器の試験も兼ねているようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"とコルベット"ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は日本海で戦闘訓練を行なう]

その後、ウラジオストクへ帰投し、12月14日に戦闘訓練の為、再び出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で戦闘訓練を行なう]

翌12月15日、新型対潜ミサイル「オトヴェート」を発射しました。

ロシア海軍黒海艦隊の大型海洋給油船イワン・ブブノフ乗組員は表彰を受けた

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月13日15時0分配信
【黒海艦隊の大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」乗組員は2021年の結果によりロシア海軍で最高となった】

黒海艦隊大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」乗組員は、補助艦隊の船の乗組員の間でコンクール『海の働き者-2021』が行なわれた結果、第1位を占めた。

コンクールの受賞者の祝賀会が士官会館で開催され、黒海艦隊司令官イーゴリ・オシポフ大将、民間人、黒海艦隊支援船支隊の退役将兵が参加した。

給油船の乗組員は、艦隊戦闘艦と共に高い結果の業績を示し、高いプロ意識、責任感と熟練さを持って海上で指示された任務を遂行し、時として困難な気象条件や海の嵐で艦船へ燃料、水、食料の補給を行なった。

これに加え、給油船の乗組員は、約9ヶ月間に渡り地中海海軍常設連合部隊の一員として用途上の任務を遂行した。

「2021年の海軍の艦船の物資-装備供給任務遂行の結果、大型海洋給油船イワン・ブブノフ乗組員は、補助艦隊の最高の乗組員となりました。
困難かつ重要な任務を遂行する際、熱意、勤勉さ、持久力を表した給油船の乗組員へ感謝します」
イーゴリ・オシポフ
大将は指摘した。

給油船の船長ユーリー・トロフィモフは、ロシア国防省の輸送支援部からの祝辞を送られ、支隊の要員は当局表彰と賞状を授与された。

行事の終わりに、黒海艦隊の歌と踊りのアンサンブルによる祝賀コンサートプログラムが上演された。



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プロジェクト1559V大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」は、レニングラードバルト造船工場で建造され、1974年4月20日に進水し、1975年7月19日に就役しました。

フィンランド湾での航行試験完了後、1975年10月1日に地中海へ向かい、シリアタルトゥースへ寄港し、1975年11月7日には対潜巡洋艦「レニングラード」、大型対潜艦「ニコラエフ」、駆逐艦「ナホドチヴイ」の3隻へ同時に洋上給油を行ないました。

1975年12月2日には大西洋へ進出し、その後に地中海へ入り、1976年3月17日にセヴァストーポリへ到着しました。

1983年6月26日から7月27日まで地中海で行動し、地中海戦隊の演習へ参加しました。

1984年2月12日から6月7日に掛けては、キューバへの遠距離航海を行ない、大西洋及びカリブ海へ進出しました。

1985年6月初頭には地中海重航空巡洋艦「キエフ」、ロケット巡洋艦「ヴィツェ・アドミラル・ドロズド」、警備艦「ストーイヌイ」の3隻へ同時に洋上給油を行ないました。
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北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が1995年12月初頭から1996年3月下旬まで初の地中海遠征を行なった際、「イワン・ブブノフ」地中海へ進出してサポートしました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第1次地中海遠征(1995年12月-1996年3月)]

2002年10月13日から11月11日まで地中海で行動し、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「プイトリーヴイ」、大型揚陸艦「ヤーマル」の行動をサポートしました。

2003年4月~7月には親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「プイトリーヴイ」に同行してインド洋への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その2・黒海艦隊の親衛ロケット巡洋艦モスクワ]
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その3・黒海艦隊の警備艦]

2007年12月から2008年2月まで北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征を行なった際、地中海へ進出してサポートしました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]

2008年9月19日から2009年1月23日に掛け、北方艦隊重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に同行して大西洋、カリブ海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]
[給油艦「イワン・ブブノフ」はセヴァストーポリへ帰港した]

2012年4月にセヴァストーポリを出航し、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」に同行してアデン湾への遠距離航海を行ない、海賊対処任務をサポートしました。
[黒海艦隊の給油船イワン・ブブノフはアデン湾へ行く]
[大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコーフはアデン湾海賊対処任務を終えた]

アデン湾から戻った後はセヴァストーポリ浮きドックでオーバーホールが行なわれました。
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ロシア海軍地中海に常時滞在するのに伴い、「イワン・ブブノフ」も度々地中海へ進出するようになりました。

2015年6月2日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、12月5日に同海峡を北上して黒海へ入りました。

2016年11月5日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、2017年5月7日に同海峡を北上して黒海へ入りました。
この間、シリア沖へ遠征した北方艦隊「アドミラル・クズネツォフ」機動部隊のサポートも行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2018年1月29日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、5月23日に同海峡を北上して黒海へ入りました。

2018年6月2日に6月7日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、7月6日に同海峡を北上して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の給油船イワン・ブブノフは地中海東部からセヴァストーポリへ帰投した]

2019年6月29日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、以後、2021年1月初頭まで同海域に滞在していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-138と給油船イワン・ブブノフは地中海東部へ向かった]
2020年1月2日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後セヴァストーポリへ帰投しました。

2020年6月10日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、以後、2021年2月上旬まで同海域に滞在していました。

2021年2月11日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後セヴァストーポリへ帰投しました。
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プロジェクト1559V大型海洋給油船は合計6隻建造されましたが、現在、ロシア海軍で現役に留まっているのは、黒海艦隊「イワン・ブブノフ」北方艦隊「セルゲイ・オシポフ」(1973年就役)、太平洋艦隊「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)の3隻です。

1980年代末には1559Vの後継となる大型海洋給油船「ウラジーミル・ペレグドフ」が起工されましたが、建造途中でソヴィエト連邦が解体されてウクライナに接収され、その後、中国へ売却されました。
[幻のソ連海軍補給艦ウラジーミル・ペレグドフ]

以後現在に至るまで新たな大型海洋給油船は建造されていませんが、2021年5月末には小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」が就役し、黒海艦隊へ編入されました。
[小型海洋給油船ヴィツェ・アドミラル・パロモフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]

「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は、2021年10月上旬から地中海で行動しています。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】

この他、2021年3月末に起工されたプロジェクト23130中型海洋給油船の2番船「ワシーリー・ニキーチン」黒海艦隊への配備が予定されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新たな中型海洋給油船ワシーリー・ニキーチンが起工された]

ロシア海軍北方艦隊で極超音速ミサイル"ツィルコン"の保管倉庫の建設が始まった

『イズベスチヤ』より
2021年12月14日0時0分配信
【保管区域:「ツィルコン」の為の基地の建設が始まった】

極超音速ミサイルの整備と修理の為の最初の施設は何処に現れるのか

極超音速ミサイル「ツィルコン」の為の基地が準備される。
ロシア国防省は既に、世界に同じものが無い弾の保管の為の施設の建設を始めている。
新たな施設は更に、これらの製品の整備と修理の為にも意図されている。
それが配置される正確な場所は明らかにされてないが、『イズベスチヤ』は、まず最初にインフラは北方艦隊の為に建設される事を突き止めた。
専門家は、彼らが国に防衛ドクトリンで重要な役割を果たしているので、新たな弾を最初に受け取る事を指摘した。

[北方から始まる]
『イズベスチヤ』
ロシア軍当局の情報提供者が話したように、ミサイル3M22「ツィルコン」の保管と整備の為の新たな基地は、4艦隊全て~北方艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊~の為に建設される。
施設の建設は既に始まっている。
最初にこのような基地を得るのは北方艦隊である。
彼らは、「ツィルコン」の保管、整備と修理の為の高水準のインフラを有すると情報提供者は付け加えた。

「北方艦隊という選択は、偶然では有りません」
軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフは考える。
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「彼らは、ロシアの防衛ドクトリンで重要な役割を果たしています:潜在的な敵国の領土へ報復打撃を与え、大西洋や他の大洋海域、更には北極で空海水中作戦を行なう責任がありますので」

これに加え、「ツィルコン」の試験はバレンツ海及び白海エリアで実施されており、その発射は北方艦隊の一員として加わっているプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」或いはプロジェクト885「ヤーセン」潜水艦「セヴェロドヴィンスク」の艦上から行なわれている。

軍当局は既に、今年11月末にフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」白海エリアに在る標的への次の「ツィルコン」の射撃を実施したと発表している。
それは極超音速兵器のサイクル試験完了の枠組みで行なわれている。

ミサイルは複雑な技術製品であり、特定の条件下で保管されなければならないとドミトリー・ボルテンコフは説明した。

「これらの為に特別な技術的ミサイル基地が建設されます」
彼は話した。
「それはかなり複雑で、十分に保護された施設です。
このような弾の保管の為の部屋は、特定の温度モードが維持されます。
様々なミサイルの燃料は、ある温度或いは湿度に保たなければなりません。
どう見てもツィルコンは、それを必要としております。
このような基地の建設は、敵の外部からの影響~爆撃及びミサイル攻撃~から保護しなければなりません。
それは、これらの打撃を考慮に入れて設計されます。
火災或いは他の緊急事態の可能性を無視するわけには行きませんので、追加の保護システムを設置する必要が有ります」


このような基地では、ミサイルを受け入れて保管し、状態を検査し、よく整備されて指定時期に艦へ移送されると専門家は指摘した。

[「ヤーセン」と「アドミラル」の為の]
『イズベスチヤ』
は既に、「ツィルコン」「ペルミ」の名を受けたプロジェクト885M「ヤーセン-M」の第5の船体へ最初に標準装備されると書いた。
この潜水艦は2016年に工場で起工されたが、未だ進水していない。

艦隊では「アドミラル」と呼ばれるプロジェクト22350フリゲート「ヤーセン」に加え、将来的には近代化されたプロジェクト949A「アンテイ」原子力潜水艦重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」「ツィルコン」搭載艦の役を指名される。
それは、修理及び再装備の完了後にミサイルを得る事が出来る。

2019年に『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、極超音速ミサイル「ツィルコン」は更に、全ての新たなプロジェクトのロシア艦へ配置できると言った。

「ツィルコン」作成の科学研究作業は2009年に始まった。
海軍戦闘艦の艦上からの新たなミサイルの最初の発射は2020年10月6日に行なわれた。
フリゲートからの発射で、それは450キロメートル離れた水上目標へ命中した。

潜水艦「セヴェロドヴィンスク」からの極超音速ミサイル「ツィルコン」発射の動画は、今年10月に出てきた。
この日、潜水艦は水中と、深度40メートルの水中位置から発射した。
合計して2020年秋にフリゲートは将来弾の3回の射撃に成功した。
2021年に「ツィルコン」フリゲートから1発ずつでは無く、初めて少なくとも2基のミサイルの斉射で使用された。

ロシア海軍の需要の為の3M22の供給契約は、フォーラム『アルミヤ-2021』で署名された。
「ツィルコン」試験は完了し、来年にそれは海軍へ軍備として受け入れられるとロシア大統領ウラジーミル・プーチンは今年11月の防衛が主題の会議で述べた。
大統領によると、ミサイルのテスト中、完全に指示に沿って全ての目標を水中位置及び水上艦から撃破した。
ミサイルはマッハ9の速度を発揮し、1000キロメートル以上離れた潜在敵の艦及び施設を破壊できる。

ロシアの兵器庫は、海上配置のみならず極著音速兵器で補充される。
2019年11月、戦略用途ロケット軍の軍備として、最初のサイロ配置の極超音速グライダー「アヴァンガールト」がロケット連隊へ配置に就いた。

それは音速の27倍の速度のみならず、大陸間射程を有する。
この際に「アヴァンガールト」は方向と高度で飛翔軌道変更機動が出来る。

2017年から空中配置極超音速ミサイル「キンジャール」は試験戦闘当直に在る。

この弾の最初の搭載機となった10機のMiG-31Kから成る最初の飛行隊は、南方軍管区へ配置された。
「キンジャール」は1500キロメートルまでの距離で撃退し難い打撃を与える事が出来る。
複合体は、国の南方及び黒海の演習で何度も使用された。
5月には、シリアで行なわれる演習の為に一時的に再配置された。
「キンジャール」を有する航空機地中海上空で飛行を行なった。

『イズベスチヤ』が書いているように、他のモデルの極超音速ミサイルの開発と試験が行なわれている。
戦略爆撃機の為に、極超音速誘導ミサイル「グレムリン」と呼ばれる弾が用意される。
これはロケット機Tu-95及びTu-160へ装備する為に作成される。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも「アドミラル・ゴルシコフ」白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。
水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、2021年10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった]
おそらくは水上発射型でしょう。

水中発射型「ツィルコン」ロシア海軍への供給は、2025年以降になるようです。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"潜水艦発射型のロシア海軍への供給は2025年に始まる]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルとヴェリキー・ノヴゴロドは基地内訓練を開始した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月14日10時0分配信
【黒海艦隊の潜水艦乗組員は錬成任務L-1への取り組みへ着手した】

黒海艦隊潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」「スタールイ・オスコル」の乗組員は、複合訓練の実施と第1錬成任務L-1の要素の遂行へ着手した。

錬成任務の要素の遂行中、乗組員は海上への出航、弾薬の積載と埠頭の岸壁へ停泊中の組織的な保護と防衛の訓練を行ない、更にはミサイル兵器を使用する為の行動手順、潜水艦の潜航と浮上の制御へ取り組む。

錬成任務への取り組みは、自身で、そして同種並びに多種艦グループの一員として用途上の任務を遂行する為の水中艦の訓練プログラムへ含まれる潜水艦の乗組員の訓練システムの必須の部分である。

活動は、クリミア及びノヴォロシースク海軍基地の駐留所における冬季訓練期間の枠組みで、艦隊潜水艦部隊の戦闘訓練計画に沿って行なわれる。



プロジェクト06363潜水艦の3番艦B-262「スタールイ・オスコル」は、2012年8月17日に起工され、2014年8月28日に進水し、2015年7月3日にロシア連邦海軍へ就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはロシア海軍へ就役した]


その後、2015年7月27日の「ロシア海軍の日」にはバルチースクの観艦式へ参加しました。
[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]

2015年10月16日、深海試験や兵装試験-有翼ミサイル「カリブル」を含む-の為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。

[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]

2016年5月6日、バレンツ海有翼ミサイル「カリブル」対地型を沿岸目標へ発射しました。
(前日の5月5日には、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射)
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

北方海域(バレンツ海)における「スタールイ・オスコル」の試験は2016年5月末までに全て完了しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦スタールイ・オスコルはバレンツ海での試験を全て終えた]

「スタールイ・オスコル」ポリャールヌイを出航し、2016年6月初頭に英仏海峡を浮上航行中、ブリテン海軍フリゲートに視認されました。
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その後、大西洋を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは2016年7月初頭に黒海艦隊基地へ到着する]

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2016年6月29日午前にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは黒海へ入った]

2016年7月1日夕方、「スタールイ・オスコル」ノヴォロシースク基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦スタールイ・オスコルはノヴォロシースク海軍基地へ到着した]


以後は2019年4月下旬まで黒海で行動していましたが、4月25日、「スタールイ・オスコル」ボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはオーバーホールの為にロシア北西部へ向かう]

地中海東部で行動した後、2020年1月31日にオーバーホールの為、ロシア北西部クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはクロンシュタットでオーバーホールを行なう]
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『クロンシュタット海洋工場』での「スタールイ・オスコル」のオーバーホールは2020年7月までに完了し、7月26日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。


その後もバルト海に留まっており、11月1日には潜航訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはバルト海で潜航訓練を行なった]

2020年12月にバルト海を離れ、12月12日頃にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、12月下旬に地中海東部へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはバルト海から黒海への移動を準備する]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはタルトゥースの観艦式へ参加しました。
[シリアのタルトゥース港で5回目の『ロシア海軍の日』観艦式が行なわれた]

2021年9月22日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入り、その後、ノヴォロシースクへ帰投しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年9月22日17時50分配信
【黒海艦隊の潜水艦「スタールイ・オスコル」はダーダネルス及びボスポラス海峡を通行する】

2021年9月28日には同型艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と共に有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年9月28日11時30分配信
【黒海艦隊の潜水艦は仮想敵艦グループへのミサイル打撃を与える演習を実施した】


プロジェクト06363通常動力潜水艦の5番艦B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、2014年10月30日に起工され、2016年3月18日に進水し、2016年10月26日に就役しました。

[黒海艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦5番艦ヴェリキー・ノヴゴロドはロシア海軍へ就役した]

就役後も同型艦「コルピノ」(2016年11月24日就役)と共にバルト海で慣熟訓練を行ない、2017年7月30日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式へ参加しました。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

2017年8月中旬、「コルピノ」と共に黒海艦隊基地へ向けて出航し、8月16日には北海へ入りました。
[ロシア海軍の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海艦隊基地へ向かった]

2017年8月28日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海へ入った]

2017年9月1日には地中海東部に展開する他のロシア海軍艦船と共に各種の演習を行ないました
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは地中海で演習を行なう]

2017年9月14日、同型艦「コルピノ」と共にシリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ初めて計7基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

2017年9月22日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」シリアイドリブ『アル=ヌスラ戦線』の施設へ計3基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはシリアのイドリブの『アル=ヌスラ戦線』へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2017年10月5日、同型艦「コルピノ」と共にシリア政府軍の攻勢を支援する為、再びデリゾールISIL施設へ計10基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノはシリア政府軍の攻勢を支援する為、デリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2017年10月31日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、シリアデリゾールへ計3基の「カリブル」を発射しました。

『タス通信』より
2017年10月31日17時53分配信
【潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」はデリゾールの『イスラム国』戦闘員へ「カリブル」で打撃を与えた】

その後も同型艦「コルピノ」と共に地中海東部に滞在し続ける事になり、2018年3月~4月には、予備の乗組員チームと交代しました。
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2019年3月27日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」地中海東部を離れ、ダーダネルス海峡及びボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドは地中海を去り、黒海へ入った]

2019年3月29日、「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、就役後初めてセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはセヴァストーポリへ到着した]


その後セヴァストーポリを出航し、2019年4月3日には、所属する第4独立潜水艦旅団の本来の母基地であるノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドはノヴォロシースク海軍基地へ到着した]

2020年10月26日、同型艦「コルピノ」と共に黒海へ出航し、各種演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で演習を行なった]

2021年3月10日、同型艦「コルピノ」と共に演習を行なう為、黒海へ出航しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で演習を行なう]
演習は3月18日に終わりました。

その後、同型艦「コルピノ」と共に再び出航し、3月29日には魚雷発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で魚雷を発射した]

2021年6月~7月にセヴァストーポリで修理が行なわれました。
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2021年8月18日に黒海へ出航し、各種訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドは黒海で戦闘訓練を行なう]

2021年9月16日には魚雷発射訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年9月16日9時45分配信
【黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」乗組員は魚雷射撃を実施した】

2021年10月下旬のロシア南方軍管区の大規模演習(約8000名の将兵が参加)へ参加し、有翼ミサイル「カリブル」の模擬発射訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月20日11時45分配信
【黒海艦隊の潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」乗組員は仮想敵艦支隊へミサイル打撃を与えた】


ロシア連邦軍の新年度は12月1日から始まりましたが、それから2週間後の12月14日、「スタールイ・オスコル」「ヴェリキー・ノヴゴロド」は、基地に停泊した状態での乗組員の各種の訓練(錬成任務L-1)を開始しました。

停泊訓練を終えると、今度は海上での各種訓練(錬成任務L-2)を行ないます。


06363の1番艦「ノヴォロシースク」は2021年2月中旬にクロンシュタットへ到着し、2月下旬からサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』でオーバーホールが行なわれています。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクはクロンシュタットへ行く]

06363の2番艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2021年2月までサンクトペテルブルクでオーバーホールを行なった後、3月初頭に地中海へ入り、現在も同海域に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部に居る]

06363の4番艦「クラスノダール」は、2020年7月末からクロンシュタットでオーバーホールを行なった後、2021年9月に地中海へ入り、現在も同海域に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは2021年初頭から1年間地中海東部に滞在する]

06363の6番艦「コルピノ」セヴァストーポリでオーバーホールを行なっており、2022年2月の復帰が予定されています。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦コルピノとフリゲート"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリでオーバーホールを行なう]

ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月14日9時21分配信
【後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」はセヴァストーポリへ向かう】
シンフェローポリ、12月14日-ロシア通信社ノーボスチ

最新後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、バルト海から主要駐留所セヴァストーポリへの艦隊間移動を行ない、黒海艦隊へ加わる。
黒海艦隊情報供給部長アレクセイ・ルリョフ2等海佐は発表した。

今年8月、「フセヴォロド・ボブロフ」海軍へ受け入れられ、そこへ聖アンドレイ旗が掲げられた。

「船は恒久駐留所~セヴァストーポリへの移動を行ない、黒海艦隊の一員として加入します」
ルリョフ
『ロシア通信社ノーボスチ』へ話し、バルト海から黒海への移動は、天候条件に依り、1ヶ月か、それ以上掛かるかもしれない事を指摘した。

以前、バルチースクへ到着した黒海艦隊司令本部の専門家は、の物質部分の点検を行ない、乗組員へ出航及び艦隊間移動の許可を出した。

プロジェクト23120は、サンクトペテルブルク設計局『特殊船舶設計』により開発された。
の全長は約95メートル、幅は約22メートル、吃水は約9メートル、排水量は9500トン、航行距離は約5000海里、自立航行期間は約60日、乗組員は27名。
救助作戦中、は、乗組員を勘定に入れて43名まで受け入れる事が出来る。

プロジェクト23120後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、貨物輸送、曳航、水路調査の実施、遭難したへの援助の為に意図されている。
クレーン設備動態位置決定システムのお陰により、船は無設備の埠頭の岸壁及び外海で積載操作を行なえる。
自動化クラスA1は、当直無しでの勤務を保障する。
砕氷クラスArc4の船体は、厚さ0.6mのの突破が考慮されている。



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プロジェクト23120多機能後方支援船の2番船MB-75は、2013年12月19日にサンクトペテルブルク『北方造船所』で起工されました。
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2015年2月5日に「フセヴォロド・ボブロフ」と改名されました。

2016年11月14日に進水しました。
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その後、岸壁で艤装作業が進められました。
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「フセヴォロド・ボブロフ」の洋上試験は、2020年12月初頭にバルト海で開始される予定でしたが、延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験の準備を進めている]

2021年3月20日、「フセヴォロド・ボブロフ」は洋上試験の最初の段階となる工場航行試験を開始する為にサンクトペテルブルクから出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験を開始した]

3月31日に補給の為、一旦クロンシュタットへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験の第1段階を終えた]

補給を終えた「フセヴォロド・ボブロフ」は4月4日に工場航行試験を再開し、同等の排水量(つまり9500トン前後)の船の曳航試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験を再開した]

4月中旬に洋上試験を一旦終え、船体外部の点検の為にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは船体の点検の為にサンクトペテルブルクへ戻った]

5月17日にサンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を再開しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験を再開した]

その後、工場航行試験が完了し、最終洋上試験となる国家試験が始まりました。

国家試験は8月2日までに完了しました。
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[最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは2021年8月中旬にロシア海軍へ就役する]

8月6日には国家試験の受領証書への署名が行なわれました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年8月6日17時31分配信
【後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は海軍へ納入された】

2021年8月21日、クロンシュタット港ロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

[最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはロシア海軍へ就役した]

その後もバルト海沿岸に留まっていましたが、2021年12月に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航される事になりました。


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プロジェクト23120の1番船「エリブルス」は2018年4月9日に就役しました。
[プロジェクト23120多機能後方支援船エリブルスはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

2019年2月~7月にはフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と共に世界一周航海を行ないました。
[フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"遠距離航海(2019年2月-7月)]

プロジェクト23120の3番船「カピタン・シェフチェンコ」は2014年7月24日に起工されており、太平洋艦隊への配備が予定されています。
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ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で戦闘訓練を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア沿海地域情報供給部(ウラジオストク市)発表
【太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は戦闘練習訓練を行なう為に海へ出た】

太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、ミサイル射撃を行ない仮想敵を破壊する演習を実施する為に海上へ出た。

ピョートル大帝湾の海上射爆場でフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、ミサイル射撃の準備訓練への取り組みを伴う意図の複合訓練を行なう。

仮想敵の役割として「敵艦」を模した海上目標が使用される。

演習の活動段階実施中、艦は、高精度ミサイル兵器射撃実施の手順への取り組みを伴うミサイル攻撃への指向へ取り組む。

ミサイル射撃の実施後、フリゲートは艦隊の常時準備部隊の一員として加わる。

前日、艦は、先だって設置された近代化された機器及びシステムの点検を成功させた後、海上から戻っていた。



プロジェクト1155大型対潜艦の8番艦「マルシャル・シャーポシニコフ」は、1983年5月25日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1984年12月27日に進水し、1985年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1986年2月2日に太平洋艦隊へ編入され、正式に就役しました。
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1987年10月1日から12月26日まで太平洋艦隊基地への移動航海を行ないました。
この間、モザンビーク、ルアンダ、セーシェル諸島、インド、ベトナムを訪問しました。

1988年7月14日から1989年2月13日までペルシャ湾で行動し、41隻の船を護送しました。
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1990年にはエチオピアからソ連民間人を避難させ、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1990年8月14日から18日まで朝鮮共和国ウォンサン(元山)港を訪問しました。

1990年12月15日から1991年8月30日までペルシャ湾で行動し、この間にアブダビアデンへ寄港しました。
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1992年11月から1994年4月までウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールが行なわれました。

2003年4月16日にウラジオストクを出航し、5月にインド洋黒海艦隊の艦船と合同演習を行ない、その後、インドを訪問しました。
[ロシア海軍、インド洋遠征(2003年4~5月):その1・太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦]

2003年10月にはハワイ真珠湾を訪問しました。
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2004年8月30日から9月30日まで日本を訪問し、9月4日には日本海上自衛隊と捜索救助合同演習を行ないました。

2005年8月には中国青島港を訪問しました。

2006年3月にはグアム島を訪問しています。
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2008年9月15日から17日まで日本海で実弾射撃訓練を行ない、帰投した直後に火災事故が発生しました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災発生 ]

2009年3月に修理を完了し、艦隊へ復帰しました。

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、これまでに3度に渡りアデン湾海賊対処任務へ就いており、1度目は2010年2月24日に出港しています。
[大型対潜艦「シャーポシニコフ元帥」支隊はソマリアへ出発した]

アデン湾到着後の「マルシャル・シャーポシニコフ」艦内で打ち合わせを行なうロシア海軍海賊対処部隊幹部とアメリカ及びシンガポール海軍アデン湾派遣部隊指揮官
(2010年4月8日)
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2010年5月6日、ソマリア海賊に乗っ取られたロシアタンカー「モスクワ大学」を解放しました。
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【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】
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『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】

この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]

タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。
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しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。
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結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
「マルシャル・シャーポシニコフ」は2010年6月25日に帰投しました。

2012年4月下旬に黄海で実施されたロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2012』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

2012年11月2日から2013年4月21日まで遠距離航海を行ない、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]

2014年3月中旬から7月初頭までインド洋への遠距離航海を行ない、この間に3度目のアデン湾海賊対処任務を遂行しました。
[ロシア太平洋艦隊インド洋遠征(2014年3月-7月)]
2014年10月から12月までオーストラリア沖への遠距離航海を行ないました。
[オーストラリア沖へ行ったロシア海軍太平洋艦隊の軍艦はウラジオストクへ帰ってきた]

2015年3月下旬から4月上旬まで日本海で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は日本海で演習を行なう]
[ロシア海軍太平洋艦隊は演習を実施した]

2015年6月下旬から7月初頭にオホーツク海で実施された演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はオホーツク海で対潜演習を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の『決闘』演習がオホーツク海で行なわれた]

2015年10月26日に宗谷海峡を東進し、11月16日に同海峡を西進したのを最後に、洋上での活動は見られなくなりました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年10月26日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2015年11月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


2016年春からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で近代化改装工事が始まりました。
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2基の「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒AK-100 100mm単装砲2番砲塔、ガスタービンエンジンなどが撤去されました。

ガスタービンエンジン『クロンシュタット海洋工場』へ送られ、修復されました。
[クロンシュタット海洋工場はロシア海軍の全ての艦艇用ガスタービンエンジンを修理する]

「マルシャル・シャーポシニコフ」は、近代化改装により対艦ミサイル「ウラン」を装備する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

近代化改装開始から1年以上経った2017年8月には、「マルシャル・シャーポシニコフ」の為に、有翼ミサイル「カリブル」用の垂直発射機3S-14も発注された事が明らかになりました。
ブログ『BMPD』より
2017年8月19日配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化で2基の汎用垂直発射装置3S-14モジュールが設置される】
(つまり、当初は「ウラン」対艦ミサイルのみを装備するつもりだったが、その後、「カリブル」も装備する事になった)

「ウラン」4連装発射筒(3R-60U)「ラストルブ」対潜ミサイル4連装発射筒の在った場所に、3S-14発射機100mm単装砲2番砲塔の在った場所に設置されました。
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2018年2月16日、「マルシャル・シャーポシニコフ」で、溶接作業中に木製足場へ引火した事により火災が発生しました。

[ウラジオストクで近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフで火災が発生した]

その後、『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ近影(2018年7月11日)]

2019年11月13日までに乾ドックを出ました。
[近代化改装中のロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート(大型対潜艦)マルシャル・シャーポシニコフはウラジオストクの乾ドックを出た]

その後、『ダーリザヴォード』の岸壁で艤装工事が進められました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」AK-100 100mm砲の1番砲塔も撤去され、代わりにロシア海軍の新世代水上艦にも装備されているA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲が設置されました。

[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は新たな100mm砲を得る]

更に、最新の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ」の装備も検討されています。
(未だ実際に装備はされていませんが )
[近代化されるロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最新高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

2020年7月10日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、最初の洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を開始した]


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その後、一旦ウラジオストクへ戻り、8月13日には再び洋上試験の為に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で洋上試験を続ける]

9月15日、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将「マルシャル・シャーポシニコフ」を視察しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊司令官は近代化改装されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"を視察した]

10月19日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は工場航行試験の第2段階を実行する為にウラジオストクを抜錨し、日本海へ出航しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は洋上試験の第2段階実施の為に日本海へ出航した]

その後、ウラジオストクへ帰投し、11月6日には艦船修理工場『ダーリザヴォード』の乾ドックへ入渠しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は最終洋上試験の準備の為にドックへ入った]


兵装の試験を行なう為、12月15日に出航しました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は兵装試験を行なう為、日本海へ出航した]

12月24日、A-190-01 100mm単装砲対艦ミサイル「ウラン」の発射試験を行ないました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海でA-190-01 100mm砲と対艦ミサイル"ウラン"の発射試験を行なった]

12月28日に再び対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で再び対艦ミサイル"ウラン"を発射した]

この時期に「カリブル」の発射試験も行なわれたようですが、失敗しました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」は、2021年1月から港内に停泊した状態で乗組員の各種訓練~第1錬成任務K-1を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はウラジオストク港内で乗組員の錬成訓練を行なった]

2021年3月には海上での乗組員の各種訓練~第2錬成任務K-2へ移行し、3月4日には他の太平洋艦隊の水上艦と共にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、大型対潜艦アドミラル・トリブツはピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

4月4日にはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年4月6日、「マルシャル・シャーポシニコフ」は、有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を地上目標へ発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
ミサイル日本海から発射され、距離1000km以上離れたタタール海峡西岸のシュルク岬(ソヴィエツカヤ・ガヴァニの北方)の標的へ命中しました。
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翌4月7日、今度は水上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を発射しました。

[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で対艦ミサイル"カリブル"を発射した]

4月8日には無人機を使用して地上目標への艦砲射撃訓練を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はピョートル大帝湾で艦砲射撃訓練を行なった]


2021年4月27日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、正式に太平洋艦隊へ復帰しました。

[近代化改装された大型対潜艦改めフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"はロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

2021年5月初頭に遠距離航海へ出発し、その後、太平洋中央部太平洋艦隊の大規模演習へ参加し、7月8日に帰投しました。


[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

2021年11月中旬にピョートル大帝湾で近代化された通信システム、対空防衛システム、レーダーの洋上試験を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月11日12時0分配信
【太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は艦の新たなシステムの航行試験の為に海上へ出た】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月12日14時30分配信
【太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はピョートル大帝湾で対空防衛訓練を実施した】

2021年12月1日からロシア連邦軍の新年度が始まり、「マルシャル・シャーポシニコフ」は12月6日に洋上演習を行なう為に日本海へ出航しました。
これは、近代化改装により新たに設置された各種機器の試験も兼ねているようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"とコルベット"ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は日本海で戦闘訓練を行なう]

その後、ウラジオストクへ帰投し、12月14日に戦闘訓練の為、再び出航しました。

ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦チェリャビンスクの近代化改装の本格的な作業は2022年に始まる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月14日3時39分配信
【情報筋:潜水艦「チェリャビンスク」は「ツィルコン」搭載艦へ改造される】
モスクワ、12月14日-ロシア通信社ノーボスチ

プロジェクト949A(コード名「アンテイ」)原子力潜水艦「チェリャビンスク」は、有翼ミサイル「オーニクス」「ツィルコン」を搭載するプロジェクト949AMへと改造され、艦の作業は同型潜水艦「イルクーツク」の近代化の完了後に始まる。
『ロシア通信社ノーボスチ』造船分野の情報提供者より伝えられた。

「チェリャビンスクの修理と近代化の主要段階の活動局面の開始時期は、K-132イルクーツクの作業完了の直後~2022年に予定されています。
極東工場『ズヴェズダー』はチェリャビンスクへミサイル"オーニクス"及び"ツィルコン"発射の為の汎用発射装置を装備し、これは戦闘能力を何倍にも高めます」

対談者は指摘した。

情報提供者は付け加えた。
「チェリャビンスクでの作業は、それ以前の開始が計画されておりましたが、資金不足が故に後日へ延期されました」

2019年に極東工場『ズヴェズダー』を訪問した際、ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは、原子力水中ロケット巡洋艦「イルクーツク」は近代化の後に極超音速ミサイル「ツィルコン」が使用できると述べた。
ミサイル複合体の交換が予定される949AMレベルへの「チェリャビンスク」の近代化プランは、以前には公式に発表されていなかった。

「チェリャビンスク」プロジェクト949Aとして1987年に起工され、1990年に進水した。
太平洋艦隊の一員として加わっている。

949「アンテイ」潜水艦海洋工学中央設計局『ルビーン』により開発された。
1985年~1996年にこのクラスの潜水艦11隻が建造された。
潜水艦は24000トン以上の排水量を有し、最大長は155メートルになる。
プロジェクト949A潜水艦の主要兵装は、24基の超音速対艦ミサイル「グラニート」である。
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「ツィルコン」は、ルート全距離で自身のエンジン推力を使用し、大気圏の密度の濃い層で機動する空気力学飛行を継続して行なう事が可能な世界初の極超音速有翼ミサイルである。
サイルの速度はマッハ9に達し(音速の約9倍、時速10000キロメートル以上)、最大距離は1000キロメートルまでとなる。
「ツィルコン」は、水上艦及び潜水艦~将来の、そして建造中の~の武装となる事が求められている。



プロジェクト949A巡洋潜水艦の6番艦K-442は、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で1087年5月21日に起工され、1990年6月16日に進水しました。
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1990年11月26日から国家試験が始まり、その完了後の1990年12月28日にソヴィエト連邦海軍へ納入され、翌12月29日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役しました。

1991年3月14日に北方艦隊第11潜水艦師団へ編入され、ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ駐留しました。
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1991年8月18日にザオゼルスクを出航し、北極海経由で9月12日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスクへ到着しました。
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1991年9月24日付で太平洋艦隊第10潜水艦師団へ転属しました。

1992年4月28日付で「原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。

1993年4月13日付で「チェリャビンスク」と命名されました。

1994年には太平洋南部への遠距離航海を実施しました。

1999年5月から予備役となり、2002年11月にヴィリュチンスクでの修理が完了しました。

修理後、2002年12月から太平洋艦隊の演習へ参加しましたが、2008年にはまた予備役へ編入され、修理待ちとなりました。

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その後、沿海地方ボリショイ・カーメニ艦船修理工場『ズヴェズダー』で近代化改装が実施される事になり、2014年8月末に中国の輸送船で運ばれました。
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[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]
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「チェリャビンスク」は、同型艦「イルクーツク」と同様に主要兵装の長距離対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装(プロジェクト949AM)が行なわれます。
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
この改装により、「チェリャビンスク」有翼ミサイル「カリブル」超音速対艦ミサイル「オーニクス」、そして極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用が可能になります。

しかし、「チェリャビンスク」の本格的な作業開始は、「イルクーツク」の近代化改装作業が終わった後になります。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2023年に完了する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は無人攻撃/偵察ヘリコプターを搭載する

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『タス通信』より
2021年12月14日9時6分配信
【情報筋:ケルチで建造されているヘリコプター母艦には艦上無人機が配置される】
モスクワ、12月14日/タス通信

ケルチ造船工場『ザリフ』で建造されているプロジェクト23900汎用ヘリコプター搭載揚陸艦「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」は、打撃・偵察無人飛行装置の駐留の為に順応する。
『タス通信』造船分野の情報提供者より伝えられた。

「プロジェクト23900汎用揚陸艦は、海上ヘリコプターグループの駐留に加え、一定の数のヘリコプター型打撃・偵察無人機を艦内へ搭載します」
対談者は話した。

彼の評価によると、プロジェクト23900艦への無人システムの駐留は、ヘリコプター母艦の戦闘能力を大幅に増加させる。
「ドローンは、海上揚陸部隊への火力支援を効果的に保障し、その上陸地帯の戦術状況を明らかにし、特殊作戦実施の際、目立たない浮遊物を探知し、必要ならば排除する事を可能にします」
彼は付け加えた。

『タス通信』は、この情報について公式に確認していない。

2021年2月、『タス通信』は、造船工場『ザリフ』が2隻の汎用揚陸艦の船体の形成へ着手したと伝えた。
10月、ヘリコプター母艦「ミトロファン・モスカレンコ」は建造完了後に黒海艦隊旗艦となり、その駐留の為のインフラがセヴァストーポリに用意される事が知られるようになった。

汎用揚陸艦は、様々な用途の重ヘリコプターグループの搭載、数百名から1000名の海軍歩兵の移送が可能である。
それは、揚陸部隊の上陸と装甲車両の移送を保障するの為のドックを装備する。
このようなクラスの最初の2隻の国産艦~「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」は、造船工場『ザリフ』で2020年7月20日に起工された。
ロシアヘリコプター母艦は、ゼレノドリスク設計局が開発したプロジェクト23900の下で建造される。



2011年6月にロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]

フランスロシアへ補償金として約9億5000万ユーロを支払い、2隻の「ミストラル」級に設置されたロシア製機器は全て取り外してロシアへ返却されました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
[ロシア向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器はロシア海軍へ引き渡される]

その後、2隻の「ミストラル」級エジプトへ売却されました。
(1番艦は「ガマール・アブドゥル=ナーセル」、2番艦は「アンワル・アッ=サーダート」と改名)

「ガマール・アブドゥル=ナーセル」(旧「ウラジオストク」):2016年6月2日にエジプト海軍へ引き渡し。
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「アンワル・アッ=サーダート」(旧「セヴァストーポリ」):2016年9月16日にエジプト海軍へ引き渡し。
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一方、ロシアは、以前からロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦(汎用ヘリコプター揚陸艦)の設計を進めており、2015年6月には、汎用ヘリコプター揚陸艦の概念設計案「ラヴィーナ」の詳細が公表されました。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]

汎用ヘリコプター揚陸艦の為に新たな戦闘情報管理システムも開発されます。
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]


搭載機は、元々は「ミストラル」用に開発された艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」などになります。
[艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランはロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の艦載機となる]


この他、ソ連時代に生産された戦闘輸送ヘリコプターKa-29も搭載されるようです。
Ka-29は1990年代以降は予備役として保管されていましたが、2016年から修復が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦上輸送戦闘ヘリコプターKa-29は飛行訓練を行なった]

汎用ヘリコプター揚陸艦の機関は、ディーゼル/ガスタービン複合推進CODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)になるようです。
これはディーゼルが巡航用、ガスタービンが増速用であり、ロシア海軍の新型艦では、プロジェクト22350フリゲートに採用されています。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]


新世代汎用揚陸艦の建造場所としては、以前にはサンクトペテルブルク『北方造船所』などが有力視されていましたが、2019年になって、クリミア半島ケルチ市造船工場『ザリフ』(造船コーポレーション『アク・バルス』傘下)で建造する案が浮上してきました。
【造船工場『ザリフ』公式サイト】
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[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島ケルチ市のザリフ造船所で起工される]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月にクリミア半島で起工される?]
[ロシア海軍の為の新たな汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年にケルチ(ザリフ造船所)で起工され、2025年と2026年に就役する]
[ロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は2020年5月上旬(5月9日まで)にクリミア半島で起工される]

造船工場『ザリフ』も、ロシア海軍新世代汎用揚陸艦を建造する用意がある事を認めました。
[クリミア半島ケルチのザリフ造船所はロシア海軍の為の2万5千トン級汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)を建造する準備を整えている]

2隻の汎用揚陸艦の建造費は、ほぼ1000億ルーブルになるようです。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造費は1000億ルーブルになる]
因みに1000億ルーブルは、プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)フリゲート4隻分に相当します。

当初、2隻の汎用揚陸艦の起工は、2020年5月9日の大祖国戦争勝利75周年記念日に予定されており、起工に先立つ建造契約の締結は、2020年4月末までに行なわれる予定でした。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻は大祖国戦争勝利75周年記念日の2020年5月9日に起工される]
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約は2020年4月末までに締結される]

しかし、最近の新型コロナウイルス流行の影響により艦の起工は延期され、これに伴い建造契約の締結も先送りされ、5月22日までに締結されました。
[ロシア海軍の為の新世代汎用揚陸艦(ヘリコプター母艦)2隻の建造契約が締結された]
[クリミア半島のザリフ造船所はロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸艦の建造準備を進めている]

2隻の汎用揚陸艦の起工は6月29日に予定されていましたが、またも延期となりました。
[ロシア海軍のプロジェクト23900(セヴァストーポリ型)汎用揚陸艦の起工は延期された]

その後、起工日は7月16日に決まりましたが、これも延期され、2020年7月20日に起工式典が開催されました。

[ロシア海軍のプロジェクト23900汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフとミトロファン・モスカレンコはクリミア半島のザリフ造船所で起工された]

プロジェクト23900汎用揚陸艦の設計案は、以前からソ連/ロシアの一連の揚陸艦の設計を手掛けていた『ネヴァ川計画設計局』ではなく、造船コーポレーション『アク・バルス』傘下のゼレノドリスク設計局の案が採用されました。

ゼレノドリスク設計局が設計したプロジェクト23900汎用揚陸艦は、フランス「ミストラル」級をタイプシップとしているようです。
[プロジェクト23900汎用揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の開発・建造元『アク・バルス』のトップは語る]
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2隻の汎用揚陸艦の艦名は、以前には「セヴァストーポリ」「ウラジオストク」が有力視されていましたが、結局、旧ソ連時代のプロジェクト1174大型揚陸艦の1番艦と3番艦の名前を受け継いだ「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」となりました。

プロジェクト1174大型揚陸艦「イワン・ロゴフ」(1978年6月15日就役、1995年8月4日除籍)
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プロジェクト1174大型揚陸艦「ミトロファン・モスカレンコ」(1990年9月23日就役、2006年12月18日除籍)
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プロジェクト23900汎用揚陸艦は、指揮艦としての能力も付与されます。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は指揮艦として使用される]
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の為の指揮システムが開発される]
この場合は、例えば、地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の旗艦としての使用などが考慮されているようです。

以前には、プロジェクト23900汎用揚陸艦は満載排水量25000トン、ヘリコプター20機搭載、海軍歩兵900名を積載すると言われ、その後、設計変更されて満載排水量は30000トンに拡大し、ヘリコプター16機搭載、海軍歩兵1000名積載、そして艦上無人攻撃機も搭載する事になりました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は艦上無人攻撃機を搭載する]

しかし2020年12月末、ロシア連邦国防次官(防衛産業担当)アレクセイ・クリヴォルチコ氏は、プロジェクト23900汎用揚陸艦の(満載)排水量は40000トンになると述べました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型は40000トンになる]

2020年7月の起工から7ヶ月後の2021年2月、「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」の船体の形成が始まりました。
[ロシア海軍の新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフ型の船体の形成が始まった]

1番艦「イワン・ロゴフ」ロシア海軍への引き渡しは2028年に予定されています。
[新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦イワン・ロゴフは2028年にロシア海軍へ就役する]
配備先は太平洋艦隊になるようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ新世代汎用揚陸艦(新イワン・ロゴフ型)が配備される]

一方、2番艦「ミトロファン・モスカレンコ」黒海艦隊へ配備されて同艦隊旗艦となり、セヴァストーポリ港に駐留する事になるようです。
[新世代汎用揚陸ヘリコプター母艦ミトロファン・モスカレンコはロシア海軍黒海艦隊旗艦となる]

上述のように、プロジェクト23900汎用揚陸艦へ無人機を搭載するという話は以前から出ていましたが、今回の「造船業界の匿名希望の情報提供者」によると、それは無人ヘリコプターとの事です。
[ロシア海軍の為の艦上無人攻撃/偵察機と艦上無人ヘリコプターの開発が進められている]