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ロシア海軍北方艦隊は2021年に極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験を7回実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年12月31日4時1分配信
【北方艦隊は2021年に極超音速ミサイル「ツィルコン」及び「キンジャール」を含む70回以上の新兵器の試験を支援した】

2021年に北方艦隊は、新たな風貌の兵器及び先進兵器、戦闘機材及び特殊機材の試験の支援へ特別な注意を払った。
北方艦隊白海海軍基地、ロケット艦師団、航空・防空軍の飛行装置が試験の支援へ直接関わった。

白海バレンツ海での試験を成功裏に実施した後、ロシア海軍最新原子力潜水艦「クニャージ・オレグ」「ノヴォシビルスク」を受け取った。
乗組員は北方艦隊の戦闘訓練射爆場と練習-教材基盤で海軍技量の改善を続け、恒久駐留所への移動を準備する。

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」乗組員は、極超音速有翼ミサイル複合体「ツィルコン」の試験を成功裏に実施し、総計で約10回の発射を行なった。
プロジェクト885原子力潜水艦のトップ「セヴェロドヴィンスク」乗組員は2度の「ツィルコン」射撃へ取り組んだ。



ロシア北方艦隊は、新開発のミサイルなどの洋上試験に従事しています。

2021年には、極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験を合計7回実施しました。

2021年7月19日、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月24日には「ツィルコン」の一斉発射試験、つまり2発以上のミサイルの同時発射に成功しました。
[ロシア海軍は極超音速ミサイル「ツィルコン」の一斉発射試験に成功した]


一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による発射試験は10月3日に初めて実施され、最初は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]


「ツィルコン」以外では、2021年12月21日に就役した戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「クニャージ・オレグ」が10月21日に弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行なっています。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグ、弾道ミサイル"ブラヴァー"発射(2021年10月21日)]


この他、北方艦隊第45航空・防空軍戦闘機MiG-31極超音速ミサイル「キンジャール」の発射試験を行ないました。
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黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」は艦載ヘリコプターによる潜水艦捜索訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2021年12月29日9時30分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」とヘリコプターKa-27PLは仮想敵潜水艦捜索行動へ取り組んだ】

黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」乗組員は、黒海艦隊対空防衛・海上航空隊からの対潜ヘリコプターKa-27PLと共に演習を実施した。

活動中にヘリコプター乗員は、目標の空中偵察実施、更には仮想敵潜水艦の捜索及び追尾の為の行動手順へ取り組む為、艦の甲板からの実地飛行を行なった。
ヘリコプターの甲板への発艦と着艦は、航行中のフリゲートで行なわれた。

次に、フリゲート「アドミラル・エッセン」乗組員は、ヘリコプター飛行中に全ての航空複合システムの整然とした動作を点検し、艦の航空照準行動へ取り組んだ。

演習は、艦隊戦力の戦闘訓練計画に沿って黒海エリアで行なわれた。



プロジェクト11356Rフリゲート2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工され、2014年11月7日に進水し、2016年6月7日に就役しました。

[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]

2016年10月下旬に黒海へ回航される予定でしたが、バルチースク基地でスクリューと推進軸を損傷してしまった為、修理が必要となり、回航は延期されることになりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器を修理する]

「アドミラル・エッセン」は建造元の『ヤンターリ』へ回航され、浮きドックで修理が行なわれました。
修理は2016年12月23日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・エッセンは推進器の修理を終えた]

その後はバルト海で修理後の航行試験が行われていたようですが、2017年3月7日には、バルト艦隊親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]

2017年4月末、「アドミラル・エッセン」は、本来の配備場所である黒海艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは黒海艦隊基地へ向かった]

2017年5月5日にはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

その後、「アドミラル・エッセン」地中海を東へ進み、2017年5月15日には地中海東部に位置するキプロス島南部のリマソール港へ寄港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはキプロスのリマソールへ寄港した]

2017年5月23日から27日までリビア東部沖で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の地中海での演習は終わった]

2017年5月31日、潜水艦「クラスノダール」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアパルミラ(タドムル)ISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

その後も、同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部へ留まりました。
[巡航ミサイル"カリブル"を搭載するロシア海軍黒海艦隊の2隻のフリゲートと1隻の潜水艦は地中海東部に留まる]

2017年6月23日には同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」、潜水艦「クラスノダール」と共に地中海東部からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

「アドミラル・エッセン」は、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

それから4日後の2017年7月9日にセヴァストーポリを抜錨し、再び地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・エッセン"は再びシリア沖へ向かった]

2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。


その後も地中海東部へ留まり、2017年9月4日にシリアデリゾールISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのデリゾールのISIL(イラク・レバントのイスラム国)へ巡航ミサイルを発射した]

「アドミラル・エッセン」は2017年9月22日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリア沖からセヴァストーポリへ帰投した]

その後は黒海に留まり、2018年2月下旬には警備艦「プイトリーヴイ」(プロジェクト1135M)、「スメトリーヴイ」(プロジェクト61)と共に演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2018年2月19日14時41分配信
フリゲート「アドミラル・エッセン」、警備艦「プイトリーヴイ」と「スメトリーヴイ」は演習を実施する為に黒海へ出た】

「アドミラル・エッセン」は2018年3月13日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ向かった]

2018年3月21日に艦載ヘリコプターの飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの飛行訓練を行なった]

その後、地中海東部アメリカイギリスなどの艦船を監視していました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部でアメリカ海軍などの軍艦を追尾している]
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部でイギリスのアスチュート級原潜を追尾した]

2018年4月下旬には、地中海東部で演習を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と警備艦2隻は地中海東部で演習を続けている]

その後も地中海東部へ留まり、2018年5月末には艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を実施した]

2018年6月28日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海を去った]

2018年6月30日に母港へ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部からセヴァストーポリへ帰投した]

2018年8月25日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"と"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ向かった]

2018年9月1日から8日まで地中海東部で実施されたロシア海軍ロシア航空宙軍の大規模演習へ参加しました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍の地中海演習(2018年9月1日~8日)]

2018年11月16日には、プロジェクト11356Rフリゲート3番艦「アドミラル・マカロフ」(「499」2017年12月27日就役)と共に艦載ヘリコプターの訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で艦載ヘリコプターの訓練を行なった]

2018年11月20日には対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海東部で対空防衛演習を行なった]

その後も地中海東部に滞在していましたが、2018年12月25日にダーダネルス海峡へ入り、地中海を去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海を去った]

2018年12月26日、「アドミラル・エッセン」は母港セヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はセヴァストーポリへ帰投した]

2019年2月28日、「アドミラル・エッセン」は母港セヴァストーポリを抜錨し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はセヴァストーポリを抜錨し、地中海へ向かった]

翌2019年3月1日、「アドミラル・エッセン」は、黒海地中海を結ぶボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海へ入る]

2019年4月23日には、地中海東部フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」と共に夜間通信訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の軍艦は地中海東部で夜間の通信訓練を行なった]

その後、「アドミラル・エッセン」地中海を去り、4月30日にはトルコイスタンブールへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は防衛展示会『IDEF'19』へ参加する為にトルコのイスタンブールへ到着した]
同艦がトルコを訪れたのは、これが初めてです。
(イスタンブール沖を通過した事は何度も有りましたが)

「アドミラル・エッセン」は、2019年4月30日から5月3日までトルコで開催された防衛展示会IDEF(International Defense Industry Fair)'19に「出展」されました。
【『IDEF』公式サイト】


『IDEF'19』が終わった5月3日にイスタンブールを出航し、黒海へ入りました。
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翌5月4日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部からセヴァストーポリへ帰投した]

その後は黒海内で行動し、黒海艦隊の演習へ何度も参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワは緊急出航訓練を行なった]

12月11日には黒海沿岸の目標へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。


[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は黒海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

12月20日頃にセヴァストーポリを出航し、翌12月21日にボスポラス海峡ダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部へ派遣される]

2020年1月14日には地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]

その後も地中海東部で行動し、1月30日にキプロスリマソール港を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はキプロスのリマソールを訪れた]

2月6日には、対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」(2019年1月26日就役)及び哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」(2019年6月11日就役)と共に地中海東部機雷源を突破する演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は地中海東部で機雷源突破演習を行なった]

その後も地中海東部に留まっており、3月20日には各種戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で演習を行なった]

2020年2月末に地中海東部へ入った同型艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(494、2016年3月11日就役)及び「アドミラル・マカロフ」(499、2017年12月27日就役)と合流し、各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で戦闘訓練を行なった]

4月に入ってからも3隻のフリゲートは一緒に行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート3隻は地中海東部で対潜戦闘訓練を行なった]


その後、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」「アドミラル・グリゴロヴィチ」と別れ、4月9日にダーダネルス海峡ボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は地中海を去った]

翌4月10日、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は母港セヴァストーポリへ到着しました。

しかし、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行・感染拡大に関連し、「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は、暫くセヴァストーポリ港内の泊地に留め置かれる事になりました。
「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は3月末に外国港(おそらくはキプロスリマソール港)へ寄港していた為、外国港を出てから14日間は検疫期間として乗組員は陸地へ上陸できず、艦内に留まる事になりました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"はセヴァストーポリ港内へ入った]

「アドミラル・エッセン」「アドミラル・マカロフ」は艦内の消毒などの措置が行なわれ、4月11日にセヴァストーポリ港埠頭へ入りました。
[地中海東部から戻ってきたロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"と"アドミラル・マカロフ"は検疫措置を終えてセヴァストーポリ埠頭へ係留された]

その後は黒海で訓練を行なっていました。




2020年9月末、「アドミラル・エッセン」は再び地中海東部へ派遣される事になり、9月29日にボスポラス海峡を南下しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ派遣される]

その後、地中海東部へ入り、10月8日にはシリアタルトゥース港へ到着しました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"はシリアのタルトゥース港へ到着した]

10月31日には対空防衛訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で対空防衛訓練を行なった]

11月11日には艦載ヘリコプターKa-27PLと共に演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部で艦載ヘリコプターと演習を行なった]

12月24日にシリアタルトゥース港で実施されたロシア海軍シリア海軍の合同演習へ参加しました。
[ロシア海軍とシリア海軍はタルトゥース港で合同演習を実施した]

12月27日にダーダネルス海峡へ入り、翌28日にはボスポラス海峡を抜けて黒海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海を去り、黒海へ入った]
その後、母港セヴァストーポリへ帰投しました。

2021年6月中旬、「アドミラル・エッセン」は、ロシア黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」と共にセヴァストーポリを出航し、6月18日にはボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・エッセンは地中海東部へ向かった]

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2021年6月25日、「モスクワ」「アドミラル・エッセン」に加え、以前から地中海東部で行動中の水上艦及び潜水艦と、シリアフマイミーン航空基地へ進出した北方艦隊航空隊対潜哨戒機Tu-142MK及びIl-38、そしてロシア航空宇宙軍超音速爆撃機Tu-22M3極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載する戦闘機MiG-31K戦闘爆撃機Su-34戦闘機Su-35Sが参加するロシア海軍ロシア航空宇宙軍の合同演習が地中海東部で始まりました。

[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍は地中海東部で合同演習を開始した]

なお、演習実施海域となるキプロス島南方海域では、イギリス海軍航空母艦「クイーン・エリザベス」を中核とする機動部隊が行動中でした。

[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は英空母クイーン・エリザベス機動部隊の近くでミサイル発射演習を行なう]

6月28日には対空防衛演習などが実施されました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部で対空防衛演習を実施した]

翌6月29日にも対空防衛演習が実施されましたが、こちらは敵の無人機の攻撃を想定したものだったようです。

[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同防空演習が実施された]

演習完了後の7月5日、地中海を去り、ダーダネルス海峡へ入りました。
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[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・エッセンは地中海を去った]
その後、母港セヴァストーポリへ帰投しました。

8月初頭にセヴァストーポリを出航し、8月7日にボスポラス海峡へ入り、その後、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は地中海東部(シリア沖)へ行く]

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その後、2021年8月17日から20日までトルコイスタンブールで開催される防衛展示会IDEF(International Defense Industry Fair)'21へ参加する為、8月16日に同地へ到着しました。


[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・エッセン"は防衛展示会『IDEF 2021』へ参加する為にトルコのイスタンブールへ到着した]

『IDEF 2021』が終わった後、「アドミラル・エッセン」は再び地中海へ向かいました。

9月22日にキプロスのリマソール港へ寄港しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2021年9月22日8時30分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」はキプロス共和国のリマソール港への業務寄港を行なった】

10月31日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。


11月1日にセヴァストーポリへ帰投しました。
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11月7日にはセヴァストーポリ港付近で対空防衛演習を実施しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年11月7日19時30分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」の対空防衛班はミサイル打撃から駐留所をカバーする演習を実施した】

12月29日には艦上ヘリコプターKa-27PLによる潜水艦捜索訓練を行ないました。

近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年12月29日7時50分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」は2021年末までに復帰できる時間が無い】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」の修理及び近代化の作業を完了した。
同社広報サービスが伝えたように、艦は造船所の領域を去り、バルチースクへ移動し、そこで受入-引渡試験の準備を始める。


受注品の引き渡し責任者アレクサンドル・アンドロソフによると、総計して約30日間に渡る数回の海上への出航が計画されている。
全ての複合体及びメカニズム、特に主動力装置兵装システムの試験の実行が控えてる。

「ネウストラシムイ」艦上では、試運転チームと、修理及び近代化の後に艦を受け入れなければならないバルト艦隊委員会の作業が行なわれている。

「ネウストラシムイ」は2014年から造船工場『ヤンターリ』で修理されている。
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それは2016年の復帰が計画されていたが、問題点の洗い出しにより大量の追加作業が必要となり、警備艦の引き渡しは2017年11月に延期された。
その後、それは2018年~2019年になった。

今年2月、『ヤンターリ』総取締役イリヤ・サマリンは、「ネウストラシムイ」は2021年末までに海軍へ引き渡さなければならないと言った。

「主として艦のメカニズム部分を更新する為の作業が行なわれました。
増速用エンジンが修復され、再び設置されました。
兵装は近代化され、メカニズムは更新されました」
アレクサンドル・アンドロソフ
は説明した。

「ネウストラシムイ」プロジェクト11540「ヤストレブ」警備艦のトップであり、1993年に『ヤンターリ』で建造された。
それは、敵潜水艦の捜索、探知、追尾及び破壊、海上における戦闘艦及び船舶の対艦及び対潜防衛の為、海上及び基地で水中及び水上目標へ打撃を与え、陸軍の戦闘行動の支援、上陸支援、更には、海上揚陸部隊のカバーの為に意図されている。

艦の排水量は3590トン、速力-30ノット、自立行動期間-30日、乗組員-210名。
兵装:砲装置AK-100、ミサイル「キンジャール」、「コールチク」、533mm魚雷、ヘリコプターKa-27



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プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。

就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)
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就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。

2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。

2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。

警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。
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[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート
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そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]

2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。
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[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]

2011年6月にはデンマークコペンハーゲンを訪問しました。

2012年7月から9月に掛けて北方艦隊大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]

「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]


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その後、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。

ガスタービン機関は、サマーラ工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]

当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]

「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。
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2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】

「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]

そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]

しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]

2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。
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バルト海での「ネウストラシムイ」の洋上試験の開始は、2022年1月初頭になるようです。
洋上試験は約1ヶ月掛かり、これが終わればロシア海軍への引き渡しが可能となります。

ロシア海軍への復帰は、早くても2022年2月中でしょう。


プロジェクト11540警備艦は2隻がロシア海軍へ就役しています。

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2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は1991年に起工された後、資金難で工事が中断され、2000年代半ば以降に工事が再開され、2009年6月19日にロシア海軍へ納入、同年7月24日にバルト艦隊へ編入され、正式に就役しました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された ]
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入 ]

2019年7月24日には就役10周年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは就役10周年を迎えた]

2019年10月から2020年5月までインド洋への遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイのインド洋遠征(2019年10月-2020年5月) ]

その後はバルト海で行動しています。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは対水上砲撃訓練を行なった]

3番艦「トゥマン」は1993年に起工されましたが、1998年に工事は中止され、その後も再開される事は無く、2015年には正式に工事中止が決まりました。
[ロシア海軍は警備艦トゥマンと練習艦ボロジノの建造を完全に断念した]
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ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはセーシェル諸島へ向かった


『タス通信』より
2021年12月29日11時4分配信
【ウラジオストクから太平洋艦隊艦船支隊が遠距離航海へ出発した】
ウラジオストク、12月29日/タス通信

太平洋艦隊艦船支隊は遠距離大洋航海任務を遂行する為にウラジオストクから出航した。
この間に艦船はセーシェル諸島共和国を訪問する。

「旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、大型対潜艦アドミラル・トリブツ、大型海洋給油船ボリス・ブトマで構成される太平洋艦隊艦船支隊は、遠距離大洋航海任務を遂行する為にウラジオストクから出航しました」
広報サービスは伝えた。

航海中に艦は、セーシェル諸島を含む一連の外国港へ訪問の為に寄港する。
寄港は、装甲甲板巡洋艦「ワリャーグ」セーシェル諸島ヴィクトリア港訪問105周年に合わせられる。
航海中に国際演習を含め、支隊を構成する戦闘艦は様々な海域での演習の実施を計画している事を広報サービスは明らかにした。



ロシア太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)は、2021年11月下旬からウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールを開始し、12月中旬までに完了しました。
[ウラジオストクでロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグのオーバーホールが始まった]

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役/2016年7月再就役)は、2021年4月末から6月下旬まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは東南アジアへの遠距離航海からウラジオストクへ帰投した]

大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)は、2021年6月に太平洋中央部で実施された太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。
[太平洋中央部(ハワイ諸島海域)の演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の支援船はウラジオストクへ帰投した]


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2021年12月29日、この3隻はセーシェル諸島への遠距離航海へ出発しました。
艦船支隊の指揮官は、以前に黒海艦隊所属のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2016年3月11日就役)の2代目艦長(2016年2月~2018年8月)を務め、今は太平洋艦隊第36水上艦師団参謀長アナトーリー・ヴェリチコ1等海佐です。
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今回の遠距離航海は、ロシア帝国時代の装甲巡洋艦「ワリャーグ」セーシェル諸島訪問105周年を記念して行なわれます。
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『ロシア連邦外務省公式サイト』より
2021年12月24日19時29分配信
【セーシェル首都ヴィクトリアで巡洋艦「ワリャーグ」寄港105周年記念行事が行なわれた】

ロシア・日本戦争中の1904年2月に仁川沖日本海軍と交戦した後に自沈し、その後日本に鹵獲された「ワリャーグ」は、日本海軍練習巡洋艦「宗谷」として海軍兵学校の卒業生の遠洋航海などに従事していましたが(例えば井上成美、小澤治三郎、草鹿仁一、大河内伝七などの海兵37期生は卒業後に「宗谷」で遠洋航海を行ない、この時に鈴木貫太郎が艦長を務め、高野五十六古賀峯一も指導官として乗っていた)、第1次世界大戦が始まると、「宗谷」を始めとする鹵獲艦はロシアへ買い戻され、1916年4月5日にはウラジオストクへ回航されました。
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「ワリャーグ」北氷洋小艦隊(北方艦隊の前身)へ編入され、ムルマンスクへ向かいました。
その途中でセーシェル諸島ヴィクトリア港へ寄港しました。
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2022年にロシア海軍バルト艦隊航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SM2の配備が始まる

『イズベスチヤ』より
2021年12月29日0時0分配信
【航空の効用:カリーニングラードの防衛は海上「スーパースホーイ」で強化される】
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バルト艦隊は航空機Su-30SM2を2022年に受け取る

ロシアバルト艦隊は、新たな戦闘航空機Su-30SM2の最初の乗員と航空班の準備を開始した。
通常モードでの初飛行は来年の開始が予定されている。
専門家によると、Su-30SM2の受け入れにより、カリーニングラードをカバーする航空グループは著しく強化される。
バルト艦隊の航空部門の増強は、この地域におけるNATOの軍事活動の大幅な増加を背景にして行なわれる。

[バルト海の要塞]
飛行要員とエンジニア及び飛行場支援スタッフは、近代化された航空機Su-30SM2への習熟を既に開始していると『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられた。
乗員及び航空班が形成され、このタイプの機体の訓練の合同実施が控えている。
それは来年には完了し、同時に最初の機体の受け取りを予定していると情報提供者は説明した。
新型機は第4親衛海上襲撃機航空連隊へ受け入れられる。

「この連隊は、ロシアで最も知られている海上航空隊の部隊の1つです」
軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「その主な任務は、艦グループや地上グループとの戦闘を行ない、更にはカリーニングラード飛地水域での空中作戦です。
一般的に、海上航空隊は、航空機Su-24、Su-24M、Su-30を、航空宇宙軍のような爆撃機及び爆撃戦闘機では無く、海上襲撃機として分類する歴史が確立しております」


バルト地域諸国が新たな航空機を積極的に購入している条件下では、カリーニングラードをカバーする航空隊も更新が必要であると専門家は見ている。

「今日において、第4襲撃機航空連隊には、基礎的なSu-30SMと、かなり時代遅れのSu-24が有ります」
彼は説明した。
「後者は交代する時期が来ており、Su-30SMはヴァージョン2への近代化が必要です。
この軍部隊は、第689戦闘機航空連隊と共にカリーニングラードを海側及び近隣諸国の国境からの空中打撃から防護します。
この連隊が受け取るSu-30SM2は、現代の脅威への対抗が可能な効果的な戦闘ユニットです」


[現代の必要条件の下で]
航空機
の基礎ヴァージョンSu-30SMは、国防省が受け入れて運用する新たなタイプの戦闘機の中で最も多い。
約130機の機体が航空宇宙軍及び艦隊航空隊の軍備として在る。
2015年には、戦闘能力の向上と輸入代替問題を保障するその高度な近代化ヴァージョンの作成作業が始まった。
Su-30SM2の名を受けた機体の最初の飛行は今年2月に行なわれた。

近代化の枠組みにおける改良により、高精度ミサイルを含む誘導兵器の組み合わせの拡大が可能となった。
この為、SM2では機上電波位置測定ステーションが変更された。

2018年、ロシア連邦大統領の委任を受け、戦闘機Su-30SMSu-35の一本化プログラムがスタートした。
それは、これらの特性と能力を近付け、更には航空機集団の保守整備を簡略化しなければならない。
新たなモデルは、Su-35Sへ設置されているエンジンAL-41F1Sを同様に得る。
これは、現在使用されている動力AL-31FPよりも推力が16パーセント向上している。
そのリソースは2倍大きくなった。

第5世代戦闘機に続き、Su-30SM2多チャンネル統合通信・データ交換・航法・識別システムを受け取った。
これは、機体を現代の自動制御システムへ統合し、Su-57、続いて重無人機との連携を可能にする。

セルゲイ・ショイグ国防相は、2020年末にこのモデルの戦闘機の量産機21機の最初の契約を締結したと話した。
『イズベスチヤ』は既に、現在、軍備として在るSu-30SM2の水準まで近代化する合意へ署名されたと書いている。
改良される航空機の機数は、未だ公式に発表されていない。

黒海地域のように、バルト海は今も緊迫したポイントのままである。
リトアニア、ラトヴィア、エストニアには、航空グループがローテーションで常に派遣されており、ロシア境界線をパトロールしている。
12月26日、国防次官アレクサンドル・フォミンは、今年にバルト海ゾーンでの海上偵察の為、NATO諸国が1200回以上の航空機の飛行と50回を超える戦闘艦の出航を行なったと言った。
昨年、NATO連合海軍部隊司令部は、地域で20回以上の作戦-戦闘訓練活動を行なった。
同時に、ロシアに最も近い中立国~フィンランドとスウェーデンは連合の活動へ積極的に関わっている。

近年、軍当局カリーニングラード地域をカバーする部隊の航空構成及び地上構成を積極的に強化している。
最近まで、第4親衛襲撃機航空隊は、この地域で唯一の航空部隊であったが、2019年には、かつて名を知られていた第689戦闘機航空連隊が復活した。
地上グループは数年前に第11軍団へ統合された。
近年まで、それは独立自動車化銃兵旅団及び連隊が含まれていた。
今年、旅団を基にして第18親衛自動車化銃兵師団が形成された。
これに加え、カリーニングラードの防護には、2018年に作戦-戦術ミサイル複合体「イスカンデル」を受け取った第152親衛ロケット旅団が当たっている。
軍団の砲兵は、第244砲兵旅団により代表される。
昨年、それは122mm砲「グラード」から300mm噴射推進一斉砲撃システム「スメルチ」へ再装備された。
これらの複合体の射撃距離は100キロメートルを超える。






多用途複座戦闘機Su-30SMは、インド空軍などが導入しているSu-30MK系列機をロシア軍向けに改正した機体であり、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊への導入が進められています。


ロシア海軍航空隊の為のSu-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

最終的には50機程度の調達が計画されています。
[多用途複座戦闘機Su-30SMはロシア海軍基地航空隊の主力となる]

現在までに、ロシア海軍航空隊では、黒海艦隊へ12機、バルト艦隊へ8機、北方艦隊へ2機が配備されています。

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2016年12月12日までに合計12機のSu-30SM黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]


2016年12月初頭にはバルト艦隊航空隊へSu-30SMの最初の1機が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2016年12月28日には北方艦隊へ2機のSu-30SMが配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される]

2017年には、計5機のSu-30SMバルト艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊は2機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は3機の多用途複座戦闘機Su-30SMを受領した]

2018年7月2日、2機のSu-30SMバルト艦隊チェルニャホフスク飛行場へ到着しました。

[ロシア海軍バルト艦隊へ2機の多用途複座戦闘機Su-30SMが到着した]
これでバルト艦隊Su-30SMは合計8機になりました。


今後に調達されるのは改良型Su-30SM2となり、更にはロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊の現用のSu-30SMSu-30SM2仕様へアップグレードされます。
[ロシア航空宇宙軍とロシア海軍航空隊の多用途複座戦闘機Su-30SMはアップグレードされる]

アップグレードの主眼は、要するに、Su-30SM第4++戦闘機Su-35Sに準じた仕様へ改良する事です。


より具体的には、Su-35Sと同じエンジン(AL-41F1S、117S)及び同じレーダー(フェーズドアレイレーダー「イルビス」)への換装です。

AL-41F1Sエンジン
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フェーズドアレイレーダー「イルビス」
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ロシア海軍航空隊では、2022年にバルト艦隊Su-30SM2の配備が始まります。

ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの最初の洋上試験は完了した

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『アドミラルティ造船所』公式サイトより
2021年12月28日配信
【株式会社『アドミラルティ造船所』は潜水艦「クロンシュタット」航行試験の第1段階を完了した】

株式会社『アドミラルティ造船所』は、プロジェクト677潜水艦「クロンシュタット」航行試験の第1段階を完了した。

第1段階の枠組みで、潜水艦の速力と機動性は成功裏に点検された。
当社の専門家とロシア連邦海軍の乗組員は潜水艦の水平化と傾斜を行ない、水中音響複合体、航法複合体通信複合体を点検し、水上マスト装置の試験を実施した。
現在、当社は潜水艦の工場航行試験第2段階の準備を始めている。

株式会社『アドミラルティ造船所』は、トップ艦の運用経験の結果に基づいて調整されたプロジェクトの下で潜水艦「クロンシュタット」を建造した。
艦は、艦載技術的手段の制御システム、電子推進システム、航法複合体を近代化した。

プロジェクト677潜水艦第4世代非核潜水艦に属しており、今日において、戦闘有効性、他の戦術-技術的特性の観点で最も現代的かつ先進的な国内製非核潜水艦と認められている。
株式会社『アドミラルティ造船所』は、このクラスの艦の国内唯一の建造工場である。



ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の2番艦B-586「クロンシュタット」は2005年7月28日に起工されました。

しかし、「ラーダ」級の1番艦「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、建造工事は2009年に一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

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「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2番艦以降は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「クロンシュタット」は2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]


2019年7月28日にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
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その後、また『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は遅れている事が明らかにされました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

そして2021年12月17日、ようやく「クロンシュタット」の最初の洋上試験(工場航行試験)がフィンランド湾で始まりました。
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[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの洋上試験が始まった]

最初の工場航行試験(第1段階)は12月28日に完了し、「クロンシュタット」は一旦クロンシュタット港へ戻りました。
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今後、2度目の工場航行試験(第2段階)が行なわれます。

何段階かの工場航行試験が終われば、その次には最終洋上試験となる国家試験が行なわれ、それが終わればロシア海軍への引き渡しの準備が整います。

最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2023年前半にロシア海軍へ引き渡される

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『タス通信』より
2021年12月28日9時8分配信
【情報筋:水中ロケット艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2023年にロシア連邦海軍へ引き渡される】
モスクワ、12月28日/タス通信

12月25日に『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)の船台から出たプロジェクト「ボレイ-A」(コード名「ボレイ-A」)原子力ロケット艦の第2の生産艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、海上での試験プログラム遂行後、2023年前半にロシア連邦海軍へ引き渡される。
『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年初頭に進水し、埠頭で艤装が進められます。
秋には、艦の複合係留及び工場航行試験実行への着手が待ち受けており、その後に国家試験の完全なサイクルを実行します」

対談者は話した。

彼によると、ロケット艦は発注者へ2023年前半に引き渡される。

『タス通信』は、これについて同社(『セヴマシュ』)から公式なコメントを得られなかった。

[ロケット艦について]
「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」
『セヴマシュ』の船台からの出渠式典は12月25日に開催された。
艦は造船所で2014年12月26日に起工された。
ロケット艦第4世代原子力艦・改善プロジェクト955A「ボレイ-A」(設計者~サンクトペテルブルク海洋工学中央設計局『ルビーン』)に属する。
プロジェクトは根本的に新しい技術的解決策が実現され、機器は改善され、物理的フィールドの水準は低下し、安全性は向上し、輸入代替の複合作業が実行された。

以前、『タス通信』は、2022年に更なる1組のプロジェクト「ボレイ-A」戦略ロケット艦の建造契約への署名が予定されていると伝えた。
これらの起工は2023年に『セヴマシュ』で行なわれなければならない。

現在、ロシア海軍には3隻の基礎プロジェクト955「ボレイ」「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」、そして更に2隻の近代化されたプロジェクト955A「ボレイ-A」艦「クニャージ・ウラジーミル」「クニャージ・オレグ」が在る。
更なる5隻の「ボレイ-A」潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、「インペラートル・アレクサンドルIII」「クニャージ・ポジャールスキー」「ドミトリー・ドンスコイ」、「クニャージ・ポチョムキン」が様々な建造段階に在る。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日の起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。


2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2022年秋から洋上試験を行ない、2023年前半にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
就役後は、太平洋艦隊へ配備されます。

ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」は高射ミサイル「リドゥート」で空中標的を撃墜した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年12月27日17時45分配信
【バルト艦隊のコルベットは海上でミサイル射撃を実施した】

バルト艦隊コルベット「ソーブラジテルヌイ」乗組員は、バルト艦隊海上射爆場での高射ミサイルの戦闘発射を伴う戦術演習を実施した。

海上への出航中、コルベット「ソーブラジテルヌイ」乗組員は、仮想敵の対艦ミサイルを模した困難な空中標的によるミサイル打撃を撃退する任務を遂行した。
標的へのコルベット「ソーブラジテルヌイ」乗組員の射撃は、海上配置高射ミサイル複合体「リドゥート」を使用して実施された。
ミサイル標的は、バルチースク海軍基地ロケット艦艇連合部隊小型ロケット艦「パッサート」から射出された。
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コルベットから発射された高射ミサイルは、指定標的へ成功裏に命中した。
射撃は、仮想敵が電波電子対抗手段を使用する困難な妨害環境という条件下で行なわれた。

演習が行なわれたバルト艦隊海上射爆場は、一時的に民間船舶航行にとって危険であると宣言された。
ミサイル発射海域の安全を保障する任務は、艦隊の10隻以上の水上艦支援船により遂行され、活動実施の為の高水準の安全を保障した。

火力投射任務の遂行後、艦の乗組員は一連の艦内演習~電波電子戦闘、ダメージコントロール、対破壊工作防衛など~を実施した。



プロジェクト20380コルベットの2番艦「ソーブラジテルヌイ」は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水しました。


2011年7月11日より洋上試験を開始し、2011年10月14日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]


なお、日本では、20380の2番艦「ソーブラジテルヌイ」以降は「20381」とされていますが、「ソーブラジテルヌイ」以降も「20380」です。

2012年7月29日に親衛海軍旗を授与され、親衛艦となりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2012年7月28日
【海軍記念日にコルベット「ソーブラジテルヌイ」は親衛艦となる】

元々は、第2次大戦中の1943年3月1日、黒海艦隊駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」親衛海軍旗が授与されました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」】
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1966年3月19日に親衛駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」が退役した後、親衛海軍旗と艦名はプロジェクト58ロケット巡洋艦へ受け継がれたのですが、この艦は就役前に「ワリャーグ」と改名された為、今度は「ワリャーグ」が親衛称号艦になってしまいました。
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「ソーブラジテルヌイ」の名は、1963年12月26日に就役し、黒海艦隊へ配属されたプロジェクト61警備艦へ受け継がれました。
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同艦が1992年12月23日に退役してから十数年後、プロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」を襲名したのですが、今度は、こちらも親衛称号を復活させる事になり、2012年3月、ロシア海軍総司令官の指示により、改めて親衛称号が授与されました。

2012年9月2日、火災事故により損傷し、2013年5月中旬に修理を終えて復帰しました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」で火災が発生した]
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」は修理を終えて復帰した]

2013年6月中旬に復帰後初の洋上戦闘訓練を行ないました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で戦闘訓練を行なう]

2013年10月18日から23日までアイルランド南西部のコーク港を非公式訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2013年10月14日13時04分
【バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌ」はアイルランドへの非公式訪問へと向かった】

2014年4月末には他の同型艦2隻と共に対艦ミサイルを発射しました。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]

2014年6月には対空ミサイルを水上目標へ発射しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はリドゥ―ト艦対空ミサイルを海上目標へ命中させた]

2015年1月から3月まで太平洋艦隊向けの同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」(2017年7月20日就役)乗組員の訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]

2015年4月中旬には、他の同型艦3隻と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]

2015年9月中旬にはロシア・ベラルーシ合同演習『連合の盾-2015』へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の3隻の最新コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]

2016年4月初頭から5月末までディーゼルエンジンのオーバーホールを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ソーブラジテルヌイ"はエンジンのオーバーホールを行なう]

2016年10月、同型艦「ボイキー」(2013年5月16日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
(2016年10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]

2017年3月には黒海艦隊フリゲート「アドミラル・エッセン」(2016年6月7日就役)と共に洋上訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]


2017年4月にも「ボイキー」と共に北大西洋へ進出しました。
(2017年4月7日バルチースクを出航し、5月1日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻はバルチースクへ帰投した]
この間、2017年4月14日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。


2017年9月には戦略演習『ザーパド-2017』へ参加しました。



2017年10月14日から2018年1月14日まで「ボイキー」と共に地中海、アデン湾への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベットは地中海・アデン湾遠征を終えて帰投した]

「ソーブラジテルヌイ」は初めてアデン湾まで進出し、ジブチを訪問しました。

2018年4月上旬にはバルト艦隊水上艦部隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はバルト海で対空戦闘演習を行なった]

2018年8月初頭には北方艦隊原子力潜水艦バルト海で演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]

2018年10月22日から11月13日まで同型艦「ストイーキー」(2014年7月27日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ストイーキー"は北大西洋遠征から戻ってきた]

2019年1月下旬には「ボイキー」と共に、バルト海へ入ったアメリカ海軍ミサイル駆逐艦DDG-107「グレーヴリー」(2010年11月20日就役)及びDDG-78「ポーター」(1999年3月20日就役)の監視任務に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ボイキー"は、バルト海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦グレーヴリーとポーターを監視する]

2019年3月2日、親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」は、バシコルトスタン共和国ウファ市と後援協定を締結しました。

[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はウファ市と後援協定を締結した]

2019年8月上旬にバルト海で実施されたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

2019年10月下旬から11月上旬まで同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ストイーキー"は北大西洋遠征から戻ってきた]

2020年3月上旬、同型艦「ステレグーシチー」(2008年2月27日就役)と共に共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北海で演習を行なった]

2020年4月初頭には同型艦「ステレグーシチー」及び「ストイーキー」バルト海で射撃演習を行ないました。


2020年6月にクロンシュタット『クロンシュタット海洋工場』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"は2021年春までクロンシュタットでオーバーホールを行なう]

オーバーホールを2021年2月に完了して復帰した後、バルト海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はバルト海で砲撃訓練を行なった]

2021年6月23日~27日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロン『IMDS-2021』で展示されました。
[2021年6月23日~27日にサンクトペテルブルクで開催される国際海軍サロンIMDS-2021でロシア海軍の最新艦が展示される]

2021年8月22日~28日に開催された国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』では、8月26日~28日にクロンシュタットで展示されました。

2021年9月10日~15日にベラルーシバルト海で実施された戦略演習『ザーパド-2021』へ参加しました。


2021年10月26日には対潜/対魚雷複合体「パケート」による魚雷迎撃訓練を行ないました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2021年10月26日20時23分配信
【コルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で対魚雷防護により「敵」を撃退した】


12月27日にはバルト海高射ミサイル「リドゥート」により空中標的を撃墜しました。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により極超音速ミサイル「ツィルコン」を装備する

『イズベスチヤ』より
2021年2月27日0時1分配信
【アドミラルの更新:海軍はロケットミニ巡洋艦を2023年末に受け取る】

近代化後のプロジェクト1155.1艦「アドミラル・チャバネンコ」は極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載艦となる
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極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載ミニ巡洋艦は2023年末に復帰する。
『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられたように、国防省北方艦隊のユニークな艦「アドミラル・チャバネンコ」の近代化計画に合意している。
1990年代初頭以来、これはロシア海軍を代表する最も強力なものの1つであった。
更新された後、それは汎用有翼ミサイル「カリブル」ミサイルKh-35を装備する。
現在、更新される「チャバネンコ」の主砲~極超音速ミサイル複合体「ツィルコン」は既に高度の準備段階に在る。

[「ツィルコン」の下で行なわれる]
現在、艦の作業は既に始まっていると『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられた。
今、船体の修理は完了する。
(来年)1月には、ムルマンスク州艦船修理工場に居る「チャバネンコ」ムルマンスクへ移動し、その近代化を開始する予定である。
対談者によると、分析が行なわれ、計画は全て実現できる事が示された。
艦の作業は2023年末の完了が予定されている。

近代化された後、当初は大型対潜艦として建造され、勤務に就いていた「チャバネンコ」は、その地位が変わる。
それはフリゲートとなる。
しかし実質的には、大きな寸法(7700トンの排水量)と兵装一式を考慮すれば、それは完全に巡洋艦としての機能を果たせる。
言い換えれば、潜水艦専門の狩人から「チャバネンコ」は幅広い打撃能力を持つ汎用艦へ変身する。
それは、あらゆるタイプの目標~水上、水中、地上、空中へ取り組むことが出来る。

近代化の後、艦は、近い内に試験が完了する極超音速ミサイル「ツィルコン」の標準搭載艦の内の1隻となる。
12月24日、ウラジーミル・プーチン大統領は、前夜に新たなシステムの一斉発射が行なわれたと発表した。

「この我々の最新ミサイルは、海上目標と地上目標の双方に対して機能します。
試験は成功し、申し分ありませんでした。
この国の営みにおける大いなる出来事は、ロシアの安全と防衛能力を高める為の重大な一歩であります」

彼は、国家評議会と科学・教育評議会の合同会議において話した。

極超音速ミサイル「ツィルコン」は、距離500キロメートルまでの目標を数分で撃破が可能である。
これは独特な開発であり、世界には未だ同じものが無い。
今日において、極超音速兵器に対して信頼できる防護手段はを持っている国は1つも無い。

しかも、「ツィルコン」に加え、近代化された艦は印象的な弾を搭載する。
特に、有翼ミサイル「カリブル」Kh-35、更には、数十キロメートル離れた潜水艦の撃破が可能な独特のミサイル魚雷「オトヴェート」
これにより、「チャバネンコ」は、全海軍で最も汎用性が有る艦の内の1隻となる:それは海上、沿岸、空中、水中目標を、同じように効果的に破壊できる。

「近代化されたアドミラル・チャバネンコは、その能力を根本的に変えます」
元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフ提督は『イズベスチヤ』へ話した。
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「我々に大洋ゾーン艦は多くありません。
大型艦は、今建造されておらず、それを開始しても10~15年は掛かります。
何れにせよ、大洋では艦船連合部隊の作成へと動かなければなりません。
これらの大型対潜艦は、寸法が大洋クラスであり、非常に強力な対潜兵装を持っておりました。
近代化の後、その水中目標との戦闘能力は更に大きくなります。
それは新たな探知手段と攻撃手段が設置されます。
しかし今、艦の能力は遥かに広範囲となります:それは水上艦に対して効果的に使用でき、おそらくは同じく更新されるであろう対空防衛手段により空中から防護できます。
僕が思いますに、この設計は、資金の割り当てと期間が設定されていれば近代化の価値が有ります。
その後、艦は少なくとも10年は勤務します。
これは、費用対効果に沿った有利な解決策です。
そして工場は支援を受け、これに必要な資金は遥かに少なくなります」


[海軍で唯一]
プロジェクト1155.1大型対潜艦
は、ロシア海軍で唯一のその代表である。
それは1989年にシリーズのトップ艦として起工された。
この時、このような10隻の大型対潜艦の建造が計画されていた。
しかし、1991年以降、残りは全て放棄され、「アドミラル・チャバネンコ」は未完成のままであり、1990年代末にようやく海軍へ引き渡された。
2014年まで艦は北方艦隊で勤務し、その後、修理の為に(艦隊から)外された。
2009年から2010年、大型対潜艦アフリカの角及びアデン湾海域で行動し、そこで海賊から商船を保護した。

プロジェクト1155.1大型対潜艦「主砲」は、50キロメートルまでの距離で水中目標の撃破が可能な強力な対潜ロケット-魚雷複合体「ヴォドパード」である。
弾は魚雷発射管から水上へ発射される。
その後、ロケットエンジンが始動され、弾頭部分が目標の居る場所まで送り届けられる。
そこでそれは駆動し、通常の魚雷のように潜水艦へと移動する。
これに加え「チャバネンコ」130mm2連装砲装置AK-130、高射ミサイル複合体「キンジャール」、対艦ミサイル「モスキート」で武装している。
最後のものは、近代化中、水上及び地上目標への射撃が可能な現代的な有翼ミサイルに換装される。
艦は2機の対潜ヘリコプターKa-27を搭載できる。

プロジェクト1155.1は、今日までロシアの対潜戦力の基礎を代表してきた1155「ウダロイ」シリーズの発展型として開発された。
合計で12隻の「ウダロイ」が建造され、今日において7隻が海軍に残っている。
「マルシャル・シャーポシニコフ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」太平洋艦隊の一員である。
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」、「アドミラル・レフチェンコ」北方艦隊で勤務に就いている。
近年、これらはプロジェクト1155Mへと近代化される:新たな艦内電子機器と設備、航行用エンジン、冷却装置、閉鎖弁が設置される。
重要なのは、大型対潜艦有翼ミサイル発射装置が据え付けられ、独立した打撃力となる事である。



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プロジェクト11551大型対潜艦の1番艦「アドミラル・チャバネンコ」は、1989年2月28日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1992年12月14日に進水し、1995年から洋上試験を開始しました。
1999年1月28日にロシア海軍へ引き渡され、その後、北方艦隊へ編入されました。
[ウダロイII型駆逐艦「アドミラル・チャバネンコ」]

2007年6月末にアメリカノーフォークを訪問しました。
[アドミラル・チャバネンコ in ノーフォーク(2007年6月)]

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月-2008年2月)]

2008年9月から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にカリブ海への遠距離航海を行ない、ベネズエラキューバを訪問しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

2008年12月5日にはパナマ運河を通過しました。
[大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、パナマへ]
[パナマ運河を通過する大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」(2008年12月5日~6日)]

カリブ海へ行った後に「ピョートル・ヴェリキー」と別れ、2009年1月中旬に沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻って短期間のオーバーホールを行なった後、地中海へ向かい、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と合流し、2009年3月初頭に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

2009年11月から2010年4月までアデン湾で海賊対処任務に従事しました。
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[ロシア海軍第5次ソマリア遠征]

2011年12月~2012年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]

2012年7月には、地中海への遠距離航海へ向かった北方艦隊大型揚陸艦3隻を北大西洋までエスコートしました。
[大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは北東大西洋で訓練を行なう]

2012年9月の北方艦隊北極圏遠征へ参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2014年4月にムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、オーバーホールと近代化改装が始まりました。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは2015年からオーバーホールを始める]
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]

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しかし、『第35艦船修理工場』重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装も行なっており、こちらの方が優先されている為か、「アドミラル・チャバネンコ」の工事は後回しにされました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

2021年5月30日の「アドミラル・チャバネンコ」
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2021年7月以降、「アドミラル・チャバネンコ」スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、ここで工事を続行する事になりました。
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「アドミラル・チャバネンコ」は近代化改装により有翼ミサイル「カリブル」の垂直発射機を装備します。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

これに加え、「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[近代化改装されるフリゲート「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」と16基の打撃ミサイル「カリブル/オーニクス/ツィルコン」を搭載する]

「アドミラル・チャバネンコ」高射ミサイル-砲複合体「コールチク」を装備していましたが、これを「パーンツィリ-M」に換装するようです。
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「アドミラル・チャバネンコ」は2022年10月以降に洋上試験を開始し、2023年末頃に北方艦隊への復帰が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年末に完了する]

ロシア海軍カスピ小艦隊の主力部隊はカスピースク新基地へ移動した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(カスピ小艦隊)広報サービス発表
2021年12月27日7時0分配信
【20隻以上のカスピ小艦隊の艦艇は恒久駐屯所カスピースクへ到着した】

カスピ小艦隊主力部隊移転の枠組みで20隻以上の艦艇が港湾都市カスピースクへ到着した。

カスピ小艦隊の軍備として在る小型ロケット艦及び小型砲艦、更に基地掃海艦は、マハチカラからカスピースク新港へ到着した。
港は、カスピ小艦隊の駐留所インフラ更新計画の枠組みにおいて、小艦隊の部隊及び手段の配置の為に建設された。

船を整備し、海上への出航を準備する為に意図差されている旅団の技術要員と艦の設備も、恒久駐屯所へ到着した。

現時点で将兵は、機器及び兵装の計画整備へ着手し、更に艦の海上への出航を準備する。
これに加え、新年の祭日を前にして、戦闘準備体制を仕上げる為の訓練が行なわれ、更には教材技術基盤が検査される。



カスピ小艦隊は、カスピ海に駐留するロシア海軍の部隊です。
「小艦隊」という名称ですが、他の4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)と同格の方面艦隊として扱われており、黒海艦隊と共にロシア連邦軍南方軍管区の指揮下に入っています。

現在の司令官は、アレクサンドル・ペシコフ少将(1972年10月13日生まれ)です。
(2021年3月15日付のロシア連邦大統領令カスピ小艦隊司令官に任命)
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担当海域が内海のカスピ海なので、所属艦艇は小型ですが、主力艦は21世紀になってから就役した新造艦で占められています。

プロジェクト11661Kロケット艦「ダゲスタン」「タタールスタン」
プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦「グラード・スヴャージスク」「ウグリーチ」「ヴェリキー・ウスチュグ」
プロジェクト21630「ブヤン」小型砲艦「アストラハン」「ヴォルゴドンスク」「マハチカラ」

この他に8隻の揚陸艇が所属していますが、これらもソヴィエト連邦解体後に就役した新しい艦艇で占められています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の15隻の艦艇は演習参加の為に黒海へ入った]


2015年10月7日、カスピ小艦隊ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」の4隻は、カスピ海南方からシリアテロ組織ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計26基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

この4隻は、2015年11月20日にもカスピ海南方からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)の拠点へ合計18基の有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


カスピ小艦隊の主要基地はカスピ海北部のアストラハンであり、この他にカスピースク、マハチカラといった軍港が有りますが、2018年以降、カスピースクへの埠頭の建設工事が始まり、2021年12月下旬に完了しました。
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[ロシア海軍カスピ小艦隊の為の新たな埠頭はカスピースクに建設された]

12月27日までにカスピ小艦隊の主力部隊はカスピースクへ移転しました。

近代化改装されるフリゲート「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」と16基の打撃ミサイル「カリブル/オーニクス/ツィルコン」を搭載する


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月27日3時39分配信
【「アドミラル・チャバネンコ」は32基の有翼ミサイルを装備すると情報筋は話した】
モスクワ、12月27日-ロシア通信社ノーボスチ

艦船修理工場『ネルパ』で作業が進められているフリゲート「アドミラル・チャバネンコ」は、最近復帰したフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」よりも8基多い32基の有翼ミサイルを武装として受け取る。
『ロシア通信社ノーボスチ』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

ロシア連邦は、プロジェクト1155及び1155.1大型対潜艦を基にしたフリゲート作成プログラムを実現する。
既に、24基の有翼ミサイルで武装するフリゲートのトップ「マルシャル・シャーポシニコフ」が就役している。
更に、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」で作業が進められている。

「フリゲート"アドミラル・チャバネンコ"は強化されたミサイル兵装を得ます~シャーポシニコフのような2組のウラン発射装置の代わりに、このよう4組の装置~合計で16基の有翼ミサイルKh-35を。
これに加え、フリゲートは、16基の有翼ミサイル"カリブル"オーニクス或いはツィルコンを垂直発射する汎用発射装置を得ます。
合計してチャバネンコは32基の有翼ミサイルを搭載できます」

対談者は話した。

彼は付け加えた。
「艦は、高射ミサイル複合体「コールチク」に代わり、最新の海上高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを装備します」
「これに加え、フリゲートは新たな電波位置測定ステーションと他の電波電子機器及び電波技術兵装を得ます」

情報提供者は付け加えた。

「近代化される艦の航行試験開始の暫定的な時期は、2022年第4四半期になります」
対談者は説明した。

「アドミラル・チャバネンコ」は、改善プロジェクト1155.1として建造された唯一の大型対潜艦である。
艦は1992年12月に進水し、1999年1月に就役した。
2014年から修理に在る。

極東工場『ダーリザヴォード』で近代化されたプロジェクト1155大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」と同様に、同プロジェクト大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」も近代化を行なう。



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プロジェクト11551大型対潜艦の1番艦「アドミラル・チャバネンコ」は、1989年2月28日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1992年12月14日に進水し、1995年から洋上試験を開始しました。
1999年1月28日にロシア海軍へ引き渡され、その後、北方艦隊へ編入されました。
[ウダロイII型駆逐艦「アドミラル・チャバネンコ」]

2007年6月末にアメリカノーフォークを訪問しました。
[アドミラル・チャバネンコ in ノーフォーク(2007年6月)]

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月-2008年2月)]

2008年9月から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にカリブ海への遠距離航海を行ない、ベネズエラキューバを訪問しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

2008年12月5日にはパナマ運河を通過しました。
[大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、パナマへ]
[パナマ運河を通過する大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」(2008年12月5日~6日)]

カリブ海へ行った後に「ピョートル・ヴェリキー」と別れ、2009年1月中旬に沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻って短期間のオーバーホールを行なった後、地中海へ向かい、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と合流し、2009年3月初頭に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

2009年11月から2010年4月までアデン湾で海賊対処任務に従事しました。
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[ロシア海軍第5次ソマリア遠征]

2011年12月~2012年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]

2012年7月には、地中海への遠距離航海へ向かった北方艦隊大型揚陸艦3隻を北大西洋までエスコートしました。
[大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは北東大西洋で訓練を行なう]

2012年9月の北方艦隊北極圏遠征へ参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2014年4月にムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、オーバーホールと近代化改装が始まりました。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは2015年からオーバーホールを始める]
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]

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しかし、『第35艦船修理工場』重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装も行なっており、こちらの方が優先されている為か、「アドミラル・チャバネンコ」の工事は後回しにされました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

2021年5月30日の「アドミラル・チャバネンコ」
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2021年7月以降、「アドミラル・チャバネンコ」スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、ここで工事を続行する事になりました。
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「アドミラル・チャバネンコ」は近代化改装により有翼ミサイル「カリブル」の垂直発射機を装備します。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

これに加え、「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。

ロシア海軍で16基の対艦ミサイル「ウラン」を装備するのは、今の所は近代化改装された小型ロケット艦「スメルチ」のみです。
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[近代化改装された小型ロケット艦スメルチはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

この他、「アドミラル・チャバネンコ」とほぼ同サイズのインド海軍駆逐艦「デリー」級なども16基の「ウラン」を装備しています。
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「アドミラル・チャバネンコ」は2022年10月以降に洋上試験を開始し、2023年末頃に北方艦隊への復帰が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年末に完了する]

2021年12月17日の火災事故により損傷した最新コルベット「プロヴォールヌイ」は2026年以降にロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2021年12月27日9時3分配信
【情報筋:コルベット「プロヴォールヌイ」は2026年に復旧する】
モスクワ、12月27日/タス通信

サンクトペテルブルク『北方造船所』で建造中の12月17日に発生した火災の後、コルベット「プロヴォールヌイ」が完全に復旧するのは2026年になる。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

「コルベット"プロヴォールヌイ"は、火災の後、少なくとも5年後に完全に復旧できるでしょう」
対談者は話した。

彼は、艦の復旧時期に関する最終結論は、『統合造船業営団』『北方造船所』の代表者委員会の終了後でのみ出せる事を強調した。

「今、専門家が解明しようとしている主な問題の1つは、火災後の艦のケーブル線の状態です。
それが大方良好な場合、5年で適切なスケジュールによるコルベットの修理が可能です。
線が完全に交換される場合、艦は実質的には新たに建造する事になるでしょう」

対談者は指摘した。

彼の見立てでは、『中部ネヴァ川造船工場』での「プロヴォールヌイ」の為の新たな上部構造物の製造には、3年は掛かるだろう。
「上部構造物を受け取り、進水するまでに少なくとも1年は掛かり、更に、艤装と、その後の工場航行試験にも同じ期間が必要となります」
彼は付け加えた。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

[コルベットについて知られている事]
12月23日、『タス通信』は、「プロヴォールヌイ」の火災の後、フリゲート及びコルベットの建造発注の一部は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』(カリーニングラード)『アムール造船工場』(コムソモリスク・ナ・アムーレ)へ転送されるかもしれないと伝えた。
更に、コルベットの乗組員は解散し、建造される他の同様のプロジェクト艦へ振り分けられると伝えた。

サンクトペテルブルクにおいて建造中のコルベットで12月17日に発生した火災では船体は損傷を受けず、艦の上部構造物は撤去される事になる。
『中部ネヴァ川造船工場』と新たな上部構造物を建設する為の交渉が進められている。

「プロヴォールヌイ」は、海軍プロジェクト20385コルベットシリーズの第2の誘導ミサイル兵器コルベットである。
2013年に起工され、海軍への引き渡しは2022年末に計画されていた。
現在、『北方造船所』では更にコルベット「グレミャーシチー」を完成させている。
コルベットの主要兵装は、ミサイル複合体「カリブル」高射ミサイル複合体「リドゥート」である。
『タス通信』の情報筋によると、プロジェクト20385及び20386コルベット海軍における需要は、おおよそ18隻になる。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2019年9月には屋内造船台から出渠し、屋外で工事が進められました。
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルク海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】



2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
[サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した]

火災は12月18日午前9時ころに鎮火されましたが、この火災により、「プロヴォールヌイ」多層複合材料製の上部構造物は完全に焼失してしまいました。

火災による損害額などの算定は、これから評価が始まるところであり、最終的にどのような判定が下されるのかは現時点においては不明です。
[2021年12月17日の火災事故によるコルベット"プロヴォールヌイ"の損害の評価が始まる]

ただ、船体には重大な損傷は無かったので、建造工事は再開されます。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット"プロヴォールヌイ"は上部構造物を作り直して建造を再開する]

焼失した多層複合材料製の上部構造物は、サンクトペテルブルク『ネヴァ川造船工場』で新たに製造される事になります。
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一方、既に編成されている「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは、同艦の完成が予定よりも大幅に遅れるので、一旦解散する事になりました。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは一旦解散する]

「プロヴォールヌイ」が火災の損傷を完全に復旧し、ロシア海軍へ引き渡されるのは、2026年以降になるようです。

既に極東『アムール造船工場』では、2021年8月23日にプロジェクト20385コルベットの3番艦「ブーイヌイ」が起工されていますが、こちらの方が先に就役する事になりそうです。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクとコロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年12月26日20時30分配信
【バルト艦隊の艦は遠距離航海から戻ってきた】

バルト艦隊大型揚陸艦「ミンスク」「コロリョーフ」は、遠距離海洋航海任務を遂行した後にバルチースク軍港へ戻ってきた。

大型揚陸艦の乗組員は1ヶ月半の航海に在り、聖アンドレイ旗を持って地中海、黒海、北海、更に大西洋を通過した。
艦は10000海里以上を走破し、シリア・アラブ共和国タルトゥース港への寄港を行なった。
艦の遠距離航海は、ロシア海軍の戦闘訓練計画に沿って実施された。
艦の航海の主な任務の1つは、聖アンドレイ旗のデモンストレーションであった。
艦の乗組員は数十回の戦闘演習を行ない、その中には対空防衛、様々な艦内演習、海上目標と空中目標への砲射撃が有った。

艦の帰還へ捧げられる会合には、艦隊司令部バルチースク市庁の代表、更にはバルト艦隊船員の家族と親類が参加した。
バルト艦隊司令官ヴィクトール・リーナ中将は、艦隊軍事評議会のメンバーに代わり、遠距離航海で指示された任務を滞りなく遂行した艦の司令部と乗組員を祝福し、戦闘演習の新たな成功を祈った。

式典では、遠距離航海で顕著な働きを見せた軍人へ艦隊司令部から価値ある贈り物が渡された。
遠距離航海から戻った大型揚陸艦は技術的な修理を行ない、必要な物資を補充した後、用途上の任務を遂行する準備が整う。



プロジェクト775大型揚陸艦第2グループの6番艦(775シリーズ通算18番艦)BDK-43は、ポーランドグダニスク造船所で建造され、1983年5月30日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

2000年9月16日に「ミンスク」と命名されました。

2004年にはイギリスプリマス港を訪問しました。

2005年4月には『追憶の航海』(大祖国戦争時代の退役将兵を乗せ、当時戦場だった場所を巡る航海)へ参加しました。

2009年9月にバルト海ベラルーシで実施された戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]

2011年夏にはバルト海NATO国際海軍演習『バルトップス-2011』へ参加しました。

2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、黒海沿岸からシリアタルトゥース港へ各種貨物を輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しました。
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1回目は2013年8月に出航し、2014年5月15日に帰投しました。

2回目は2015年11月に出航し、2016年9月9日に帰投しました。


3回目は2017年10月4日に出航し、4月29日に帰投しました。
[シリアへの輸送任務に従事したロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクは母港バルチースクへ帰投した]

その後はバルト海で行動していました。

2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

2020年3月下旬にはコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「カリーニングラード」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]

2021年2月中旬にバルチースクを出航し、バルト海を出て北海へ進出し、3月20日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]

その後、バルト海へ戻り、3月30日には砲撃訓練などを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦ミンスクはバルト海で砲撃訓練を行なった]

4月3日に母港バルチースクへ帰投しました。
[英本土付近へ進出したロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦ミンスクはバルチースクへ帰投した]

9月末にはバルト海機雷敷設訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年9月27日15時15分配信
【バルト艦隊の艦は海上射爆場で機雷の敷設を行なった】


プロジェクト775大型揚陸艦の28番艦(最終艦)BDK-61ポーランドグダニスク造船所で1990年2月10日に起工され、1990年11月16日に進水し、1991年7月10日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。

1992年3月23日から1994年9月19日まで、バルト三国ポーランドからのロシア軍部隊の撤収に従事しました。

1995年にオランダで行なわれた第2次世界大戦勝利50周年記念国際観艦式へ参加しました。

2000年8月30日に「コロリョーフ」と命名されました。

2004年7月には10トンの密輸砂糖が艦内で発見されるという不祥事が起こりました。

2015年以降地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目:2015年5月20日にバルチースクを出航、2016年1月23日に帰投。
計10回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフは地中海任務(シリア・エクスプレス)を終えて母港バルチースクへ戻った]

2回目:2016年11月頃に出航、2017年5月7日に帰投。
計5回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリア沖から母港バルチースクへ帰投した]

2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。

2020年2月下旬から3月中旬までコルベット「ストイーキー」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]

2021年3月下旬にバルト海を出て北海へ進出し、更にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]

3月26日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
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[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

4月初頭にシリアタルトゥースへ到着しました。
[ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る]

4月17日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフは黒海へ入った]

セヴァストーポリに停泊する「コロリョーフ」(130)
(2021年5月1日)
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2021年7月11日にボスポラス海峡を南下し、黒海を去りました。
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その後、一旦バルチースクへ帰投し、9月末にはバルト海機雷敷設訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年9月27日15時15分配信
【バルト艦隊の艦は海上射爆場で機雷の敷設を行なった】


「ミンスク」「コロリョーフ」は2021年11月前半に再びバルチースクを出航し、地中海西部へ進出し、同海域で行動した後、2021年12月中旬に地中海を去り、12月26日にバルチースクへ帰投しました。
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今回のバルト艦隊広報部発表では、航海期間は1ヶ月半で地中海、黒海、北海、更に大西洋まで行ったと言っていますが、これは、「コロリョーフ」「ミンスク」の行動が一緒くたになっているようです。

「コロリョーフ」は、上述のように2021年前半に地中海、黒海まで進出していますが、この時に一緒に行動していたのは「ミンスク」では無く「カリーニングラード」でした。

ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦トゥーラとノヴォモスコフスクの乗組員はトゥーラ州からの新年の贈り物を受け取った

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年12月25日17時15分配信
【トゥーラ州知事の主導により北方艦隊の潜水艦「トゥーラ」と「ノヴォモスコフスク」の乗組員は、新年の食卓への新たな贈り物を渡された】

新年の祭日を前にして、北方艦隊潜水部隊の主要基地ガジエヴォでは、同名のトゥーラ州に因んで命名された戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」「ノヴォモスコフスク」の乗組員への新年の贈り物の贈答式典が開催された。

潜水艦の乗組員は、新鮮な果物と伝統的なトゥーラの甘味~プリャーニクパスチラのセットを贈られた。
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潜水艦の司令部は、トゥーラ州知事アレクセイ・デュミンからの祝辞を送られた。
そこは、特に、こう述べられた。
「この待ちに待った祭日は、伝統的に、将来の計画、新たな始まり、より良い信頼に関わるものであります。
私は、2022年も貴方達の意思、不屈さ、勇気が、いつものようにロシアの軍事力の強化に確実に役立つ事を確信しております。
新年が貴方達の家族に平和と調和をもたらし、家が温かさと快適さでみたされますように」


地域のトップは、潜水艦船員の強固な健康、幸運、平穏、全ての努力の成功を祈った。

贈答式典は、北方艦隊原子力潜水艦連合部隊の軍事都市領域で開催された。

ロシア海軍の多くのが、これらの地域の住民と船員の間の友好関係と、若者の軍事愛国教育の強化を目的として、ロシアの都市と(行政)主体に因んで命名されている。
船員の家族は、へ名前が付けられている都市や共和国で休暇を過ごす機会を得る。
これらの都市の住民は、これらの及び潜水艦の乗組員になって契約による勤務へ向かう事が度々ある。

北方艦隊の数十隻の潜水艦は、ロシアの都市や共和国の名を有している:それは、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、小型対潜艦「スネシュノゴルスク」、ディーゼル潜水艦「ウラジカフカス」、「カルーガ」、原子力潜水艦「オリョール」、「カレリア」、「トゥーラ」、「ノヴォモスコフスク」、「ヴェルホトゥリエ」、「エカテリンブルク」、「プスコフ」、「ニジニ・ノヴゴロド」などである。
艦へ名前が付けられてから、都市や地域の代表団と贈り物を交換する伝統は、各艦の乗組員に存在する。

トゥーラ州潜水艦「トゥーラ」及び「ノヴォモスコフスク」乗組員の間には、長年にわたる強固な後援関係が確立されている。



プロジェクト667BDRM(デルタIV)戦略用途ロケット水中巡洋艦の4番艦K-114は、1984年2月22日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工され、1987年1月22日に進水し、同年10月30日にソ連海軍へ納入されました。
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1987年11月5日に海軍旗掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

1987年12月にオレニヤ基地へ到着しました。
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1989年5月30日から8月25日まで、第1乗員団(ファーストチーム)による戦闘勤務(長期航海)を実施しました。
続いて1989年11月3日から1990年1月18日まで第2乗員団(セカンドチーム)による戦闘勤務を実施しました。

1992年6月3日に「戦略用途原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。

1993年にはガジエヴォ基地へ移動しました。
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1995年4月18日にトゥーラ州と後援協定を締結しました。
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1997年8月21日、「トゥーラ」と命名されました。

2000年までに134856海里を航行し(この内の77245海里は潜航状態)、7回の戦闘勤務と17回の戦闘当直を実施し、水中から12回の弾道ミサイル発射を実施しました。

2000年6月に第1次近代化改装の為、セヴェロドヴィンスク『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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2004年5月6日に再進水しました。

2004年9月8日から係留試験を開始し、2005年7月から航行試験を開始、2005年9月12日までに完了しました。

2005年12月7日にはガジエヴォ基地へ移動し、2006年1月12日にロシア海軍へ引き渡されました。

2007年12月17日に弾道ミサイル「シネーワ」バレンツ海からカムチャツカ半島へ向けて発射しました。
[デルタIV型戦略原潜「トゥーラ」、弾道ミサイルの発射テストを実施]

2007年12月25日、再び「シネーワ」を発射しました。
[デルタIV型戦略原潜K-114「トゥーラ」、再びミサイル発射]

2010年3月4日にバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。

2010年8月6日にもバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。

2011年9月29日には「シネーワ」の改良型である「ライネル」を発射しました。
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]

2014年11月5日に「シネーワ」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜トゥーラはシネーワ弾道ミサイルを発射した]

2014年12月15日、第2次近代化改装(寿命延長工事)を行なう為、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。


2017年2月27日には『ズヴェズドーチカ』の船台を出渠しました。
[近代化改装中の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラは2017年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]

2017年11月5日に就役30周年を迎えました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年11月5日12時30分配信
【ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」30周年】

その後、2017年12月には工場航行試験が始まりました。

航行試験の完了後、12月28日に復帰しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラの近代化改装は完了した]

2019年8月24日に弾道ミサイル「シネーワ」チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラ及びユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイルを発射した]

2021年3月26日、「クニャージ・ウラジーミル」など2隻と同時に北極の氷上へ浮上しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上へ浮上した]


プロジェクト667BDRM(デルタIV)戦略用途ロケット水中巡洋艦の7番艦(最終艦)K-407は、1987年6月14日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工され、1990年2月28日に進水し、同年11月27日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

12月29日にオレニヤ基地へ到着しました。

1991年8月6日にはR-29RM弾道ミサイル16基の一斉発射試験を行ないました。

1992年6月3日に「戦略用途原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。

1993年7月にガジエヴォ基地へ移動しました。

1996年5月4日にトゥーラ州ノヴォモスコフスク市と後援協定を締結しました。
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1997年7月19日に「ノヴォモスコフスク」と命名されました。

1998年7月7日には弾道ミサイルドイツ人工衛星を打ち上げました。

2000年12月7日にバレンツ海から弾道ミサイルを発射しました。

2001年2月16日にバレンツ海から弾道ミサイルを発射しました。

2003年1月~7月までセヴェロドヴィンスクでオーバーホールを行ないました。

2004年2月17日に弾道ミサイルの発射訓練を行ないましたが、この時は失敗しました。
[667BDRM(デルタIV)型戦略原潜の近況]
発射失敗から1ヶ月後の同年3月17日、2基の弾道ミサイルの発射に成功しました。

2008年10月11日には、バレンツ海から太平洋上へ弾道ミサイル「シネーワ」を発射し、最大飛翔距離11,547kmを記録しました。
[デルタIV型原潜、弾道ミサイル「シネーワ」を「最大射程」で発射]

2008年11月にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航され、修理及び近代化が開始されました。
[デルタIV型略原潜「ノヴォモスコフスク」は、2010年に再就役する]
[デルタIV型戦略原潜「ノヴォモスコフスク」は2011年に復帰する]

近代化を終えた後、2012年7月27日にロシア海軍へ引き渡されました。
[デルタIV級戦略原潜ノヴォモスコフスクは近代化改装後の航海試験を終えた]
[デルタIV級戦略原潜ノヴォモスコフスクはロシア海軍へ復帰した]

8月13日、常駐基地ガジエヴォへ到着しました。
[デルタIV級戦略原潜ノヴォモスコフスクは常駐基地へ戻った]

その後の動向は全く公表されませんでしたが、2016年10月12日、バレンツ海からカムチャツカ半島クラ射爆場弾道ミサイル「シネーワ」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜ノヴォモスコフスクはカムチャツカへ向けて弾道ミサイルを発射した]


2021年12月25日、「トゥーラ」「ノヴォモスコフスク」の乗組員は、後援を受けているトゥーラ州から新年の贈り物~お菓子の詰め合わせを贈られました。
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ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2022年に洋上試験を完了する

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『タス通信』より
2021年12月25日19時55分配信
【特殊用途潜水艦「ベルゴロド」の国家試験は2022年に完了する】
モスクワ、12月25日/タス通信

原子力無人機「ポセイドン」搭載艦~特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」は、来年に国家試験を完了する。
『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは報道機関へ伝えた。

「原子力潜水艦ベルゴロドの国家試験が始まり、来年には完了します」
ブドニチェンコ
は話した。

最初の原子力水中無人機「ポセイドン」搭載艦~プロジェクト09852潜水艦「ベルゴロド」は、2019年4月23日に進水した。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原潜へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]

「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」(深海原子力無人機)の搭載母艦としての役割も果たします。

[大洋多目的システム「ポセイドン」]

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更には「原子力深海ステーション」、即ち深海調査用の小型特務原子力潜水艦も搭載できます。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは深海調査用小型原子力潜水艦を搭載する]

2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。

[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」は、2020年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、コロナウイルス流行による遅延(『セヴマシュ』でも感染者が出た)などの理由により、2020年中に洋上試験を開始する事すら実現できず、引き渡しは2021年に延期される事になりました
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]

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2021年6月25日、「ベルゴロド」白海へ出航し、最初の洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験を開始した]

「ベルゴロド」は7月24日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

「ベルゴロド」ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されていましたが、同年中に洋上試験を完了させる事が出来なかった為、2022年に延期されました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの洋上試験は2021年9月に完了する]

以前には北方艦隊へ配備されると見られていた「ベルゴロド」ですが、最近では、太平洋で勤務に就く、つまり太平洋艦隊への配備も検討されているようです。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは太平洋艦隊へ配備される?]

ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た


『タス通信』より
2021年12月25日18時7分配信
【原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は『セヴマシュ』の船台から出渠した】
モスクワ、12月25日/タス通信

プロジェクト「ボレイ-A」ロケット艦の第2の生産艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)の船台から出渠した。
『タス通信』株式会社・生産合同『セヴマシュ』広報サービスより伝えられた。

「本日・12月25日、『セヴマシュ』でプロジェクト"ボレイ-A"ロケット艦の第2の生産艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフの船台からの出渠式典が行なわれました」
広報サービスは指摘した。

行事には、海軍総司令部、政府組織、産業界の代表が参加した。

「海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、造船所の次の生産上の勝利を祝福し、プロジェクト"ボレイ-A"艦は既にその信頼性を示し、国境を保護している事を強調しました。
建造の参加者は更に、アルハンゲリスク州知事アレクサンドル・ツィブリスキー、株式会社『統合造船業営団』軍事造船担当副総取締役ウラジーミル・コロリョーフ、株式会社『海洋工学中央設計局ルビーン』総取締役イーゴリ・ヴィリニトにより祝福されました」

広報サービスは伝えた。

『セヴマシュ』は、艦の船台からの出渠は、同社総取締役ミハイル・ブドニチェンコにより開始されたと伝えた。
原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、船台から分速3メートルで動き始めた。
原子力艦の艦長ヴィクトール・アルテモフ1等海佐は、艦の舷側で象徴的なシャンパンのボトルを割った。

ブドニチェンコは、重要な行事へ参加した企業の造船業者、海洋工学中央設計局『ルビーン』の設計者、軍の代表と契約組織の代表を祝福し、今年は同社にとっては単調では無かったことを強調した。
「私共は、祭日も休日も無く試運転プログラムを実行しました。
ちょうど4日前、『セヴマシュ』で大いなる出来事~海軍への2隻同時の原子力潜水艦の御引き渡しが有りました。
これは、国内の原子力造船においては50年間無かったことです。
原子力潜水艦クニャージ・オレグとノヴォシビルスクの戦闘勤務は、ウラジーミル・プーチン大統領により開始されました
そして今日、我々はもう1つの重要な行事を行なっております。
プロジェクト"ボレイ-A"の第2の生産艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは、新たな建造段階~大いなるサイクル試験の開始へ近付きました。
我が社の岸壁で、そして海上で原子力潜水艦は全てのモードで点検されます」

広報サービスはブドニチェンコの談話を引用した。

[ゲネラリーシムス・スヴォーロフ]
『セヴマシュ』
は、原子力水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」第4世代原子力艦・改善プロジェクト955A「ボレイ-A」(設計者~サンクトペテルブルク海洋工学中央設計局『ルビーン』)に属すると説明した。

「プロジェクトは、根本的に新しい技術的解決策が実現され、機器は改善され、物理的フィールドの水準は低下し、安全性は向上し、輸入代替の複合作業が実行されました。
原子力潜水艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2014年12月26日に『セヴマシュ』で起工されました」

声明では、こう述べられた。

プロジェクト「ボレイ-A」トップ艦「クニャージ・ウラジーミル」株式会社・生産合同『セヴマシュ』で建造され、2020年6月12日に引き渡された。
ロケット艦の最初の生産艦「クニャージ・オレグ」は2021年12月21日に海軍へ引き渡された。

今年、『セヴマシュ』は3隻の原子力潜水艦「カザン」「クニャージ・オレグ」、「ノヴォシビルスク」海軍へ引き渡し、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」を船台から出渠させ、更なる2隻の原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」「クニャージ・ポチョムキン」が造船台で起工された。


『タス通信』より
2021年12月25日19時26分配信
【海軍総司令官は潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」が太平洋艦隊を強化すると言った】
モスクワ、12月25日/タス通信

プロジェクト「ボレイ-A」ロケット艦の第2の生産艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、太平洋艦隊原子力潜水艦グループを強化する。
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ『セヴマシュ』での巡洋艦の船台からの出渠式典で言った。

「これは我々の戦略的論拠です。
原子力水中巡洋艦は、我々の国を防護しております。
僕は、来年に我々がクニャージファミリーとゲネラリーシムス・スヴォーロフを受け入れる事を願っております。
この水中巡洋艦は太平洋艦隊の原子力潜水艦グループへ補充され、それを強化します」
『セヴマシュ』(『統合造船業営団』
へ加入)広報サービスはエフメノフの談話を引用した。

総司令官は強調した。
「1991年以来、国はロケット水中巡洋艦については、それほど多くの戦闘艦を受け入れておりません」

「来年に我々は、かなり多くの艦の受け入れを計画しております。
僕が思うに、『セヴマシュ』は失望させる事は無いでしょう」

彼は付け加えた。

原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、土曜日に『セヴマシュ』の船台から出渠した。
行事には、海軍総司令部、政府組織、産業界の代表が参加した。

原子力水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」第4世代原子力艦・改善プロジェクト955A「ボレイ-A」(設計者~サンクトペテルブルク海洋工学中央設計局『ルビーン』)に属する。
潜水艦は2014年12月26日に起工された。
プロジェクト「ボレイ-A」トップ艦「クニャージ・ウラジーミル」株式会社・生産合同『セヴマシュ』で建造され、2020年6月12日に引き渡された。
ロケット艦の最初の生産艦「クニャージ・オレグ」は2021年12月21日に海軍へ引き渡された。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日の起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。


2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2022年に洋上試験を行ない、同年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
就役後は、太平洋艦隊へ配備されます。

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年末に完了する


テレビ局『ズヴェズダー』より
2021年12月24日11時36分配信
【北極の条件下で:ムルマンスクにおける大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」の近代化はどう行なわれているのか?】

大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」は新たな高精度兵器を受け取り、フリゲートとなる。
北方艦隊の主要打撃ユニットの1つは、大規模なドック修理を完了する。
2年後には、それは北極グループのポテンシャルを遥かに強化する~エレーナ・シヴォネンは更新される艦を訪れた。

極夜には、額の電灯が工場労働者の助力を行なう。
これは、何処を繕う必要が有るのかを確認できる唯一のものである。
最後の仕上げの1つは、キングストンボックスの組み立てである。
これは、海水を受け入れる為の特殊装置である。
残りの船体は100パーセント準備が整っている。

「事実上の新調です。
艦の船体の状態は良好であり、より良くなります。
船体で問題の有った全ての要因は修復いたしました」
艦船修理工場『ネルパ』
の技師アレクサンドル・ネステロフはコメントした。

検討する問題の要因の中には、船体の変形が有った。
通常、それは海上で3年経てば発生する。
艦は、常時の係留と曳航により、その以前の光沢を失い、へこみを得る。
例え目には見えなくても、船体の壁の厚さを測定すれば、厚さの寸法は明白である。

「海水は最も分かりやすく艦の船体を侵食し、何処かに物理的な機械的変形が有り、何処かがへこみます。
これらは全て洗い出され、修復しております」
ミハイル・ヴァレヴァヒン
職長は指摘した。

修理される大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」は更新される。
それは1999年から海軍の戦闘編制に在る。
それは北の海上境界線を保護し、アデン湾で勤務に就き、カリブ海を訪れ、数千海里を走破した。
2014年に艦の修理が始まったが、完全なる近代化が決定された。
「更新された」兵器が追加され、その後、大型対潜艦からフリゲートへ再分類される。

「修理の後、艦が新しくなるのは無論の事、乗組員は遥かに居心地が良くなり、新しい材料部分は常に事故なく運用されます。
要員は、それを大事に扱うのみならず、それを維持できます」
大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」
艦長アンドレイ・マリシェフは話した。

ドック修理は大規模な近代化の段階の1つでしかない。
しかし、これは、その重要性を減ずるものでは無い。
このようにして艦は出て行く。
同じ舷側番号650で、今日も更新されていく。

艦での作業は2交代で組織され、塗装作業は3交代モードで行なわれた。
これは、順番に船体の水上と水中部分を行なわなければならず、それは4000平方メートル以上の巨大な量であった。

そして巨大な量の材料~9トンにもなる塗料は、温度モードを遵守し、船体底部の4層と上部の2層に割り当てられた。
これは、極北の冬という条件下では全く容易では無かった。

「使用温度がマイナス10度までならば、マイナス15度では、もはやそれを使う事は割り当てる事は出来ません。
全ての塗料は2成分であり、全てエポキシ樹脂が基になっておりますので、温度に合わせる事は望ましくありません」

塗装-被覆主任オリガ・スポグレワは話した。

進水後、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」は、近代化を完了する為、次の艦船修理工場へ自力で行く。
計画では、艦は2年後に復帰し、北方艦隊の能力を著しく強化しなければならない。



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プロジェクト11551大型対潜艦の1番艦「アドミラル・チャバネンコ」は、1989年2月28日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1992年12月14日に進水し、1995年から洋上試験を開始しました。
1999年1月28日にロシア海軍へ引き渡され、その後、北方艦隊へ編入されました。
[ウダロイII型駆逐艦「アドミラル・チャバネンコ」]

2007年6月末にアメリカノーフォークを訪問しました。
[アドミラル・チャバネンコ in ノーフォーク(2007年6月)]

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月-2008年2月)]

2008年9月から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にカリブ海への遠距離航海を行ない、ベネズエラキューバを訪問しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

2008年12月5日にはパナマ運河を通過しました。
[大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、パナマへ]
[パナマ運河を通過する大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」(2008年12月5日~6日)]

カリブ海へ行った後に「ピョートル・ヴェリキー」と別れ、2009年1月中旬に沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻って短期間のオーバーホールを行なった後、地中海へ向かい、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と合流し、2009年3月初頭に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

2009年11月から2010年4月までアデン湾で海賊対処任務に従事しました。
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[ロシア海軍第5次ソマリア遠征]

2011年12月~2012年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]

2012年7月には、地中海への遠距離航海へ向かった北方艦隊大型揚陸艦3隻を北大西洋までエスコートしました。
[大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは北東大西洋で訓練を行なう]

2012年9月の北方艦隊北極圏遠征へ参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2014年4月にムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、オーバーホールと近代化改装が始まりました。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは2015年からオーバーホールを始める]
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]

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しかし、『第35艦船修理工場』重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装も行なっており、こちらの方が優先されている為か、「アドミラル・チャバネンコ」の工事は後回しにされました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
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2021年7月以降、「アドミラル・チャバネンコ」スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、ここで工事を続行する事になりました。
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「アドミラル・チャバネンコ」は近代化改装により有翼ミサイル「カリブル」の垂直発射機などを装備します。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

現在の所、「アドミラル・チャバネンコ」の近代化改装の完了は2023年末頃に予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]

ロシア海軍黒海艦隊の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフと多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは地中海へ入った

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月25日10時51分配信
【2隻の新たな艦が黒海艦隊を強化する為にバルト海から移動を行なっている】
モスクワ、12月25日、インテルファクス

バルト海から黒海艦隊への移動を行なっている2隻の新たなロシア艦地中海へ入った。
土曜日に艦隊広報サービスは発表した。

「対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフと後方支援船フセヴォロド・ボブロフで構成される黒海艦隊艦船支隊は、ジブラルタル海峡の通行を行ない、地中海エリアへ入りました」
声明では、こう述べられた。

軍によると、艦はバルト艦隊から黒海艦隊への計画艦隊間移動を行なっている。

「乗組員にとって、これは初めての艦隊間移動であり、その中で彼等には5000海里以上の航海と一連の艦上演習の実施が待ち受けています」
黒海艦隊
は伝えた。

対機雷防衛艦「ゲオルギー・クルバトフ」後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は、2021年8月にロシア連邦海軍へ受け入れられた。

地中海には、ロシア戦隊が常時行動している。
それは、約15隻の艦と支援船で構成される。

ロシア黒海艦隊は、近年、長距離有翼ミサイル「カリブル」(コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』)を装備する6隻のディーゼルエレクトリック潜水艦、一連のフリゲート小型ロケット艦を受け入れている。

最近、黒海艦隊へ修理後の旗艦ロケット巡洋艦「モスクワ」が復帰した。

ロシア連邦海軍総参謀長ヴィクトール・クラフチェンコ予備役大将は、ロシア黒海艦隊は毎年5~6隻の現代的な艦を受け入れていると以前に『インテルファクス』へ話した。
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「黒海における戦闘艦の数ではトルコが優勢であり、ロシアの質とトルコ(の数)は、おおよそ肩を並べております」
提督は話した。



プロジェクト12700「アレクサンドリト」対機雷防衛艦の2番艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、2015年4月24日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフは起工された]


起工から1年以上経った2016年5月下旬までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成は完了しました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフの船体が形成される]

その後、艦内へ各種機器を設置する為、船体周辺に足場が組まれましたが、2016年6月7日夜に火災が発生しました。

[ロシア海軍の為に建造中の新型掃海艦ゲオルギー・クルバトフで火災が発生した]

この火災により焼けた「ゲオルギー・クルバトフ」ガラス繊維強化プラスチック製船体を修復する為、同艦の進水は延期される事になりました。

「ゲオルギー・クルバトフ」の船体の修復は2020年6月に完了し、7月15日には造船台から出ました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフは2020年6月に進水する]
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフは2020年9月に進水する]

2020年9月30日、「ゲオルギー・クルバトフ」はようやく進水しました。

[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはサンクトペテルブルクで進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められ、2021年6月1日からバルト海で洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフは洋上試験を開始した]



洋上試験完了後、2021年8月20日にバルト艦隊基地バルチースク聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
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[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはロシア海軍へ就役した]


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プロジェクト23120多機能後方支援船の2番船MB-75は、2013年12月19日にサンクトペテルブルク『北方造船所』で起工されました。
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2015年2月5日に「フセヴォロド・ボブロフ」と改名されました。

2016年11月14日に進水しました。
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その後、岸壁で艤装作業が進められました。
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「フセヴォロド・ボブロフ」の洋上試験は、2020年12月初頭にバルト海で開始される予定でしたが、延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験の準備を進めている]

2021年3月20日、「フセヴォロド・ボブロフ」は洋上試験の最初の段階となる工場航行試験を開始する為にサンクトペテルブルクから出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験を開始した]

3月31日に補給の為、一旦クロンシュタットへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験の第1段階を終えた]

補給を終えた「フセヴォロド・ボブロフ」は4月4日に工場航行試験を再開し、同等の排水量(つまり9500トン前後)の船の曳航試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはフィンランド湾で洋上試験を再開した]

4月中旬に洋上試験を一旦終え、船体外部の点検の為にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは船体の点検の為にサンクトペテルブルクへ戻った]

5月17日にサンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を再開しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは洋上試験を再開した]

その後、工場航行試験が完了し、最終洋上試験となる国家試験が始まりました。

国家試験は8月2日までに完了しました。
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[最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは2021年8月中旬にロシア海軍へ就役する]

8月6日には国家試験の受領証書への署名が行なわれました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年8月6日17時31分配信
【後方支援船「フセヴォロド・ボブロフ」は海軍へ納入された】

2021年8月21日、クロンシュタット港ロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

[最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフはロシア海軍へ就役した]


この2隻は就役後もバルト海に留まっていましたが、2021年12月に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭多機能後方支援船フセヴォロド・ボブロフは黒海艦隊基地セヴァストーポリへ向かう]

2隻の艦船は12月中旬にバルチースクを出航し、北海、英仏海峡、ビスケー湾を通過し、12月25日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
今後、2隻はセヴァストーポリへ向かいます。

プロジェクト23120多機能後方支援船が黒海艦隊へ配備されるのは今回が初めてになりますが、プロジェクト12700「アレクサンドリト」対機雷防衛艦は、これまでに2隻~「イワン・アントノフ」(460)と「ウラジーミル・イェメリヤノフ」(466)が配備されています。
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2023年にロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻が起工される

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『タス通信』より
2021年12月25日9時3分配信
【『セヴマシュ』は2隻の「ボレイ」級ロケット艦の建造を2023年に開始する】
モスクワ、12月25日/タス通信

2隻のプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略用途ロケット水中巡洋艦『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で2023年に起工される。
『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「来年(2022年)には、更にもう1組のプロジェクト"ボレイ-A"戦略ロケット艦の建造契約への署名が予定されています。
これらの起工は、セヴマシュで2023年に行なわれなければなりません」

対談者は話した。

彼は、原子力艦が現行の2027年までの国家軍備プログラムの枠組みで建造される事を指摘した。
これらは、「ボレイ」級潜水艦としては11隻目と12隻目となる。
このように、プロジェクト955「ボレイ」(3隻の原子力潜水艦)と955A「ボレイ-A」(9隻の原子力潜水艦)の総数は12隻に増加する。

現在、ロシア海軍には3隻の基礎プロジェクト955「ボレイ」「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」、そして更に2隻の近代化されたプロジェクト955A「ボレイ-A」艦「クニャージ・ウラジーミル」、「クニャージ・オレグ」が在る。
更なる5隻の「ボレイ-A」潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、「インペラートル・アレクサンドルIII」、「クニャージ・ポジャールスキー」、「ドミトリー・ドンスコイ」、「クニャージ・ポチョムキン」が様々な建造段階に在る。



プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計10隻が起工され、この内の5隻が就役しています。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。

[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、最近では、2019年8月24日に弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラ及びユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイルを発射した]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

太平洋艦隊の2隻も就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、「アレクサンドル・ネフスキー」は「長期任務」遂行後の2020年9月24日に母港へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦アレクサンドル・ネフスキーは長期洋上任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投した]
2021年9月21日にも「長期任務」を遂行した後、母港へ戻っています。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年9月21日15時55分配信
【カムチャツカで水中ロケット艦「アレクサンドル・ネフスキー」の船員は出迎えられた】

「ウラジーミル・モノマーフ」は「長期任務」遂行後の2021年7月16日に母港へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフは長期航海を終えてカムチャツカ半島の基地へ帰投した]


4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。

[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水、2021年12月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2022年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2023年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

955「ボレイ」955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)
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当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、「ボレイ-B」は、費用対効果の面で満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]

その後、「ボレイ-B」の代わりに「ボレイ-A」を追加建造するという話が出てきました。
[ロシア海軍の為にボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦2隻が追加建造される]
[ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦ボレイ級シリーズは10隻に増加する]

その後更に、「ボレイ-A」追加建造に代わる新たな構想として、有翼ミサイル搭載型の「ボレイ-K」が出てきました。
[ロシア海軍の為に2隻の巡航ミサイル原子力潜水艦ボレイ-Kが建造される?]

話は二転三転し、結局、「ボレイ-A」を2隻追加建造する事になりました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年に締結される]

「ボレイ-A」2隻の建造契約は、2020年8月にモスクワ州愛国者公園で開催される軍事機器展示会『アルミヤ-2020』の会場で締結されました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年8月に締結される]

9番艦「ドミトリー・ドンスコイ」と10番艦「クニャージ・ポチョムキン」は2021年8月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]
この2隻は2026年と2027年の就役が予定されています。


そして2022年に「ボレイ-A」2隻~「ボレイ」シリーズ11番艦と12番艦の建造契約が締結され、翌2023年末までに起工される事になりました。

ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦ピョートル・モルグノフ、ゲオルギー・ポベドノーセツ、オレネゴルスキー・ゴルニャクはバレンツ海で戦闘訓練を実施した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年12月24日14時30分配信
【北方艦隊揚陸支隊はバレンツ海で仮想敵の空中攻撃の撃退へ取り組んだ】

北方艦隊コラ多種戦力小艦隊大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」、「ゲオルギー・ポベドノーセツ」、「オレネゴルスキー・ゴルニャク」は、バレンツ海への合同出航の課題へ取り組んだ。

この数日、乗組員は、砲兵装、電波工学兵装、機雷兵装の実際の使用を伴う複合戦闘訓練を実施した。

最終段階で船員は、揚陸支隊の艦への仮想敵空中攻撃手段の攻撃を撃退する演習の枠組みで、模擬空中目標への高射砲射撃を行なった。

射撃は、バレンツ海北方艦隊戦闘訓練海上射爆場で実施され、安全保障の目的で民間航空機の飛行の為に事前に閉鎖された。

全ての与えられた任務を遂行した後、艦は恒久駐留所~セヴェロモルスク市へ戻る。



プロジェクト775中型揚陸艦の第1グループの5番艦SDK-91ポーランドグダニスク造船所で建造され、1976年6月30日に就役しました。
1977年に775大型揚陸艦に再分類された為、BDK-91に改称されました。

1989年にはアンゴラを訪問しました。
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1990年に大西洋上で行動中のBDK-91
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2000年5月7日付で「オレネゴルスキー・ゴルニャク」と命名されました。

現在、ロシア海軍で現役に留まっている最古参の775大型揚陸艦です。

就役後は北方艦隊で行動しており、2013年秋には重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」などと共に北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この間、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材を陸揚し、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年末から2014年7月初頭まで地中海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の大型揚陸艦2隻は地中海から帰ってきた]
この間、『シリア・エクスプレス』(黒海沿岸からシリアへの貨物輸送任務)へ2回従事しました。
(2014年3月下旬~4月初頭、5月中旬~5月末)

2014年末には修理の為にムルマンスク『第35艦船修理工場』へ入りました。

2016年7月には近代化改装の為、バルチースク『第33艦船修理工場』へ回航されました。

2019年5月末から係留試験が始まり、その後、バルト海で洋上試験を行ない、2019年末に復帰しました。

その後も暫くバルト海に留まっており、2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式へ参加しました。
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その後、セヴェロモルスクへ戻りました。


プロジェクト775大型揚陸艦の第2グループの8番艦(通算20番艦)BDK-45ポーランドグダニスク造船所で建造され、1985年3月5日に就役しました。

1999年のBDK-45
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2002年7月27日付で「ゲオルギー・ポベドノーセツ」と命名されました。

2009年9月にバルト海で実施された戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]

2013年末から2014年7月初頭まで地中海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の大型揚陸艦2隻は地中海から帰ってきた]
この間、『シリア・エクスプレス』(黒海沿岸からシリアへの貨物輸送任務)へ5回従事しました。
(2013年12月下旬~2014年1月初頭、1月下旬~2月初頭、2月上旬~2月下旬、4月中旬~4月下旬、5月中旬~5月下旬)
セヴァストーポリに停泊する「ゲオルギー・ポベドノーセツ」(2014年3月14日)
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2014年秋には大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」を中核とする部隊の北極圏航海へ参加しました。
(2014年9月6日出港、10月9日帰港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2015年前半にムルマンスク『第35艦船修理工場』で修理が行なわれました。

2015年の北極圏への遠距離航海と演習へ参加しました。
(8月16日出港、10月10日帰港)
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施されました。


2016年4月から2017年8月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
この間、『シリア・エクスプレス』(黒海沿岸からシリアへの貨物輸送任務)へ12回従事しました。
(2016年5月中旬~5月末、6月中旬~6月下旬、7月初頭~7月中旬、7月下旬~7月末、8月上旬~8月中旬、9月初頭~9月中旬、9月下旬~10月初頭、10月上旬~10月中旬、10月末~11月上旬、11月中旬~11月下旬、12月初頭~12月中旬、2017年2月初頭~2月中旬)
2016年6月24日にセヴァストーポリへ入港する「ゲオルギー・ポベドノーセツ」
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2017年8月10日~10月4日に行なわれた北極圏への遠距離航海に参加しました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2021年8月初頭にノヴァヤゼムリャ沖で行なわれた北方艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはノヴァヤゼムリャ沖で砲撃訓練を実施した]

2021年8月~10月に行なわれた北極圏への遠距離航海に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊第10次北極遠征部隊の航跡(2021年8月10日~10月14日)]


プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦「ピョートル・モルグノフ」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2015年6月11日に起工され、2018年5月25日に進水し、2020年12月23日にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊第121揚陸艦旅団へ編入されました。

[プロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

「ピョートル・モルグノフ」は2021年1月下旬に北方艦隊基地への移動を開始し、2021年1月30日にセヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは北方艦隊基地への移動を準備する]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]


その後は乗組員の錬成訓練を行なっていました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは乗組員の訓練を行なっている]

2021年6月下旬にペチェンガ湾で海軍歩兵部隊の車両と人員を乗船させ、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは海軍歩兵部隊の乗船訓練を実施し、バレンツ海へ出航した]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』クロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。
[2021年7月25日のクロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する北方艦隊の大型水上艦は現地へ到着した]


観艦式が終わった後にバルト海を去り、8月初頭に大西洋上で行なわれた北方艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北東大西洋で北方艦隊艦船部隊と合同演習を行なった]

8月10日に英仏海峡を通過し、その後、セヴェロモルスクへ帰投しました。
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2021年12月下旬、北方艦隊の新旧3隻の大型揚陸艦バレンツ海で戦闘訓練を行ないました。

ロシア海軍は極超音速ミサイル「ツィルコン」の一斉発射試験に成功した


『タス通信』より
2021年12月24日23時1分配信
【プーチンは「ツィルコン」の発射に成功した事を発表した】
モスクワ、12月24日/タス通信

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、本日(12月24日)朝に極超音速システム「ツィルコン」の一斉発射が行なわれたと発表した。
試験は、国家元首が指摘したように「成功し、申し分なかった」

「本日未明、正確には朝、極超音速システム"ツィルコン"の一斉発射が行なわれました。
この我々のミサイルは、海上目標と地上目標の双方に対して機能します。
試験は成功し、申し分ありませんでした。
この国の営みにおける大いなる出来事は、ロシアの安全と防衛能力を高める為の重大な一歩であります」

彼は、国家評議会科学・教育評議会の合同会議において話した。

プーチンは、産業・貿易相デニス・マントゥロフに向かい、発言の許しを乞うた。
「この製品の為に働いたスタッフの皆様へ最上の御挨拶、御祝いを御伝えします。
この結果を全ての皆様に感謝し、全ての開発者、設計者、技術者、労働者に御挨拶申し上げます。
この作業に関わった皆様に、心より感謝を申し上げます」


マントゥロフは答え、大統領へ、そのような評価を感謝し、発射はモスクワ時間5時30分に行なわれた事を付け加えた。
「閣下の御言葉は、皆様にお伝えします」
長官はプーチンに保証した。

「僕は君に今電話します。
君は職場に居ますか?
僕は今電話します」

国家元首は彼に話した。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年には「ツィルコン」の発射試験は7回程度の実施が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2021年に7回の発射試験を行なう]

フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。


翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも「アドミラル・ゴルシコフ」白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

そして12月24日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、産業貿易相デニス・マントゥロフ氏や安全保障会議副議長ドミトリー・メドベージェフ氏などが参加するリモート会議の席上で、同日朝(モスクワ時間5時30分)に「ツィルコン」の一斉発射試験、つまり2発以上のミサイルの同時発射に成功したと発表しました。

プーチン大統領は、それ以上具体的な事は明らかにしませんでしたが、この発射試験も「アドミラル・ゴルシコフ」白海から実施した事は間違いないでしょう。
何処へ向けて発射したのかも明言されていませんが、順当に行って海上目標でしょう。


北方艦隊では、既に「ツィルコン」の保管倉庫の建設が始まっています。
[ロシア海軍北方艦隊で極超音速ミサイル"ツィルコン"の保管倉庫の建設が始まった]

「ツィルコン」の発射試験は2021年末の完了が予定されています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の発射試験は2021年末に完了する]

ただし、これは水上発射型に関する話であり、水中発射型の試験は未だ終わらないようです。
水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、2021年10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった]
おそらくは水上発射型でしょう。

水中発射型「ツィルコン」ロシア海軍への供給は、2025年以降になるようです。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"潜水艦発射型のロシア海軍への供給は2025年に始まる]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年になる?]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

基本的には大型水上艦及び原子力潜水艦に搭載される「ツィルコン」ですが、より小型の艦へ搭載する為の小型ヴァージョンも開発されます。
[ロシア海軍の小型艦の為に極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"軽量化型が開発される]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは黒海でヘリコプター発着試験を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年12月24日9時0分配信
【黒海艦隊の最新哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は国家試験中に初めて艦上ヘリコプターを受け入れた】

黒海艦隊の為に建造された最新哨戒艦「セルゲイ・コトフ」の乗組員は、艦隊海上航空隊艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの初めての受け入れへ取り組んだ。

ヘリコプターの艦上への受け入れの練習でヘリコプター乗員は、ヘリコプターの飛行を保障する艦の全ての航空システムと艦内班の整然とした動作の点検を行なった。
艦上航空機の配置の為、同プロジェクト哨戒艦には、ヘリコプター発着場、格納庫、そして更に航空機用燃料の備蓄を保管する為の容器が提供されている。

艦への着艦は、海上航空隊の要員の最も困難な種類の訓練である。
艦の乗組員と飛行要員との間の連携への取り組みは、船員及び飛行士の専門訓練要素で重要なものの1つである。

以前、国家試験中に乗組員は工場試運転チームと合同で砲装置AK-176大口径艦載機関銃、対破壊工作擲弾複合体PD-65からの射撃を成功裏に実施した。

国家試験は今年末までの完了が計画されており、その後、ロシア連邦海軍総司令官の命令書への署名後、哨戒艦「セルゲイ・コトフ」黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地の一員として加わる。

[参照]
哨戒艦「セルゲイ・コトフ」
は、ロシアで4隻目のプロジェクト22160シリーズ艦である。
哨戒艦のトップ「ワシーリー・ブイコフ」と、それに続く「ドミトリー・ロガチョフ」「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、現在、黒海艦隊の一員として成功裏に任務を遂行している。

同プロジェクト艦は、海上兵器モジュールコンテナを現実化している。
艦は、ロシア連邦の海上経済ゾーンの防護と保護の為に意図されている。



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プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。

現在建造中のプロジェクト20380コルベット及びプロジェクト20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。

設計はサンクトペテルブルク「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】

建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゼレノドリスク造船所』です。
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【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

基本的には軽武装の22160哨戒艦ですが、対艦ミサイル高射ミサイルなどの汎用戦闘モジュールコンテナを装備して武装を強化する事も出来ます。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう]


プロジェクト22160哨戒艦の4番艦「セルゲイ・コトフ」は、2016年5月8日に起工されました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは起工された]

その後、『ゼレノドリスク造船所』と同系列でクリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』へ回航され、ここで建造が進められました。
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当初、「セルゲイ・コトフ」の進水は2020年9月に予定されていましたが、2021年1月29日にずれ込みました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは2020年9月に進水する]

[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフはクリミア半島で進水した]

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その後、ノヴォロシースク海軍基地へ回航され、10月29日に洋上試験を開始しました。

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月29日8時33分配信
【最新哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は航行試験へ出発した】

12月8日、初めて76mm砲などの艦載兵器の射撃試験を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフは黒海での洋上試験中に艦載兵器の射撃試験を行なった]

12月中旬にセヴァストーポリへ移動しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフはセヴァストーポリへ移動した]

12月24日には初めて艦載ヘリコプターの発着試験を行ないました。

現在の所、「セルゲイ・コトフ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年12月末に予定されています。


プロジェクト22160哨戒艦は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。

「ワシーリー・ブイコフ」Василий Быков(工場番号161)
2014年2月26日起工/2017年進水/2018年12月20日就役

「ドミトリー・ロガチョフ」Дмитрий Рогачёв(工場番号162)
2014年7月25日起工/2017年進水/2019年6月11日就役

「パーヴェル・デルジャーヴィン」Павел Державин(工場番号163)
2016年2月18日起工/2019年2月21日進水/2020年11月27日就役

「セルゲイ・コトフ」Сергей Котов(工場番号164)
2016年5月8日起工/2021年1月29日進水/2021年12月末就役予定

「ヴィクトール・ヴェリキー」Виктор Великий(工場番号165)
2016年11月25日起工/2022年就役予定

「ニコライ・シピャーギン」Николай Сипягин(工場番号166)
2018年1月13日起工/2023年就役予定


プロジェクト22160哨戒艦は6隻全てが黒海艦隊へ配備され、ノヴォロシースクに駐留します。
[ロシア海軍黒海艦隊のノヴォロシースク海軍基地の拡張工事は殆ど完了している]

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは2022年末に近代化改装を終えて復帰する

『イズベスチヤ』より
2021年12月23日0時0分配信
【「オトヴェート」の準備は整っている:最大の艦の内の1隻は8年ぶりに復帰する】

国防省が北方艦隊へ大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」を導入する理由
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大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は2022年末までに艦隊へ加入しなければならない。
艦が2014年から持っていた修理は終わりに近付いている。
大型対潜艦プロジェクト1155に属しており、潜水艦との戦闘において海軍で最も効果的なものの1つと見なされている。
今年12月初頭、大型対潜艦は動力装置を点検する為、7年ぶりに海上へ出航した。
艦では、更なる修復作業と近代化が続けられている。
これらは来年末までに完了しなけれあならず、その後、「アドミラル・レフチェンコ」海軍への復帰が予定される。
専門家は、艦の復帰は、北方艦隊潜水艦との戦闘の能力を向上させる事を指摘した。

[信頼できる船員]
『イズベスチヤ』
ロシア軍当局の情報提供者が話したように、現在、プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の作業完了プランが承認されている。
文書によると、艦は2022年末までに艦隊へ加わらなければならない。
情報提供者によると、大型対潜艦ガスタービン航行エンジンは修理され、冷却装置と閉鎖弁は交換された。
更に、艦の艦上電子機器と対火災機器は部分的に近代化された。

近代化は、北方艦隊で最大かつ最も活発なものの1つである戦闘艦の勤務期間の長期の延長を可能にすると『イズベスチヤ』の情報提供者は指摘した。
更に対談者によれば、ロシア最新の対潜複合体「オトヴェート」の艦への設置の問題が検討されている。
今年12月、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、日本海において、このミサイルで水中目標を成功裏に撃破した。

この新たなシステムは、兵器の新たな開発と製造を担当する国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが2019年に初めて発表した。
この時に彼は、新たなミサイルは2021年の軍備採用が計画されていると話した。

「アドミラル・レフチェンコ」は、長い間修理を待っていた。
それは2014年からセヴェロモルスク港へ停泊していた。
その前には、北方艦隊航空母艦グループの一員として地中海への遠距離航海を行なった。
この間、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」と共にシリア沿岸で行動した。

プロジェクト1155大型対潜艦は、少なくとも35年間は現役に在るが、更に引き続き勤務すると元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフ提督は考えている。
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「今、海軍には大洋で行動しなければならない大型艦が充分ではありません」
彼は『イズベスチヤ』へ話した。
「これらの大型対潜艦は、良好な航行性能を有しており、祖国の沿岸から長期間離れる事を可能にします。
これらの艦の近代化では、対潜兵器及び潜水艦の捜索手段の更新に特別な注意を払わなければなりません。
作業により、オトヴェートを含む最新の対潜ミサイルの使用が提供されなければなりません」


更新された大型対潜艦は、北方艦隊の潜水艦との戦闘の能力を大幅に向上させると軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「今、北方艦隊には4隻の大型対潜艦は在ります~セヴェロモルスク、アドミラル・チャバネンコ、アドミラル・レフチェンコ、ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
専門家は想い起こした。
「近年において、海上へ行けるのは、この内の2隻のみです。レフチェンコのみならず、チャバネンコも長期間修理されています。
このような艦は、北方艦隊でも特に重要性を持つ対潜作戦の為に必要です。
必要ならば、戦闘展開海域へ移動する際に我々の原子力潜水艦をカバーしますので」


[平和の鳩]
プロジェクト1155「フレガート」
は、合計して1977年から1991年に12隻が建造された(もう1隻は改善プロジェクト1155.1)。
今、海軍には、このような艦が7隻含まれている。
これらは全て太平洋艦隊北方艦隊に加わっている:その排水量は巡洋艦に劣るものの、アメリカロシアフリゲートを上回る。

「アドミラル・レフチェンコ」は、同プロジェクトの6番艦である。
それはレニングラードで1982年に起工され、6年後に艦隊へ受け入れられた。

同プロジェクト艦は、当初、非常に狭いが重要な専門性を受け取った~艦グループの一員として、そして単独での原子力潜水艦狩り。
これらは当初、強力な打撃ポテンシャルと高度な対空防衛手段を持っておらず、その為に艦隊では冗談で「平和の鳩」と呼ばれていた。

同プロジェクト大型対潜艦は、これまで海軍の対潜戦力の基礎を成しており、それ故に、その保持が計画されている。
太平洋では、初めてプロジェクト1155Mへ改良された「マルシャル・シャーポシニコフ」が修理後に復帰した。
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更新後、それは有翼ミサイルの為の発射装置を得てフリゲートに改称された。
「アドミラル・レフチェンコ」は、未だ打撃兵装無しで留まる。
艦が先ず初めに果たさなければならない戦闘任務は変わっていない~それは潜在敵の潜水艦との戦闘である。

対潜艦の兵器庫には、主砲である2基の100mm砲装置が有る。
潜水艦を探知する為、強力な水面下円形展望水中音響ステーション「ポリノム」が設置されている。
これは、海軍で最も大きな艦~航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力艦「オルラン」も同様である。

各々の大型対潜艦には、射撃距離90キロメートルの8基の対潜ミサイル複合体「ラストルブ-2」が在る。
潜水艦を撃破する為、更に2基の533mm魚雷発射管噴射推進爆撃装置が使用される。
格納庫には、敵潜水艦との戦闘の為に特別に適応した2機のヘリコプターKa-27PLが駐留する。

これらに加え、大型対潜艦の兵器庫には、新たな対潜ミサイル「オトヴェート」が出現するかもしれない。
その弾頭には、コンパクトな誘導対潜魚雷が在る。
弾の行動原理は単純である:ミサイル複合体は、必要な地点へ誘導魚雷を送り届け、それは水中へ入り、目標を撃破する。
新たなミサイル魚雷は、50キロメートルの距離で目標を撃破する事が知られている。

大型対潜艦の空中防衛は、射程12キロメートルの2基の高射ミサイル複合体「キンジャール」と4基の6銃身速射砲AK-630により保障される。

長年に渡り、同プロジェクト大型対潜艦は、ロシア海軍の水上戦力の中核を成し、主要な「ワークホース」と見られてきた。
これらは、ロシア領海外での対海賊作戦を含む人道的ミッションへ一度ならず参加した。
その大半は、有名な「マルシャル・シャーポシニコフ」であった。
同艦は、アデン湾ソマリア海賊に乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の乗組員を失う事無く解放した。
この作戦は、全世界のメディアで積極的に取り上げられ、その後、艦は船員の間で「海賊の脅威」の異名を受けた。



プロジェクト1155大型対潜艦の6番艦「ハバロフスク」は、1982年1月27日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で起工されました。
1982年5月24日に「アドミラル・レフチェンコ」と改名されました。
1985年2月21日に進水し、1988年9月30日に就役しました。
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1989年5月1日に北方艦隊へ編入されました。

1990年5月16日から12月15日まで地中海への遠距離航海を行ない、シリアタルトゥース港を訪れ、アメリカ海軍航空母艦「サラトガ」を追跡しました。
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1993年8月~9月にも地中海への航海を行ない、フランストゥーロンを公式訪問しました。

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1996年にはグレートブリテンおよびアメリカとの合同演習へ参加し、同年11月には、バルト海から北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動する就役前の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」をエスコートしました。
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]

1999年10月から2001年7月まで建造元の『北方造船所』でオーバーホールを行ないました。

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]

2008年12月~2009年3月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征にも同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

しかし途中で「アドミラル・クズネツォフ」と別れ、アデン湾へ向かいました。
[駆逐艦「アドミラル・レフチェンコ」、ソマリア沖へ]

その後は重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と合流し、同艦と行動を共にしました。
[北方艦隊のピョートル・ヴェリキーとアドミラル・レフチェンコは地中海で任務を遂行する]

2013年12月~2014年5月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征にも同行しましたが、途中で別行動となりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-2014年5月)]

「アドミラル・レフチェンコ」セヴァストーポリを訪れた後、2014年7月初頭に帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは長期航海を終えて母港へ戻った]

2014年9月~10月まで北極圏遠征を行ないました。

2015年3月の北方艦隊の抜き打ち演習へ参加した後は外洋へ出る事も無くなり、事実上予備役となりました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で救助演習を行なう]

その後、「アドミラル・レフチェンコ」はオーバーホールを行ない、艦隊へ復帰する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはオーバーホールを行なう]

太平洋艦隊の同型艦「マルシャル・シャーポシニコフ」と同様に有翼ミサイル垂直発射機を設置するなどの大規模な近代化改装も検討されたようですが、結局は部分的な近代化に留まるようです。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは、マルシャル・シャーポシニコフと同様の近代化改装を行なう]

ただし、最新の対潜ミサイル「オトヴェート」は搭載するかもしれません。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]
[ロシア海軍の最新対潜ミサイル複合体オトヴェート(91R1対潜ミサイル)の射程距離は2倍に延伸される]

「アドミラル・レフチェンコ」は、2022年末の復帰が予定されています。

今後のロシア海軍向けの新型フリゲートとコルベットの発注の一部はサンクトペテルブルクの『北方造船所』以外の造船所へ分配されるかもしれない

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『タス通信』より
2021年12月23日13時3分配信
【情報筋:「プロヴォールヌイ」の火災の後、艦の建造発注は分配される】
モスクワ、12月23日/タス通信

12月17日にサンクトペテルブルク『北方造船所』で発生したコルベット「プロヴォールヌイ」の火災の後、フリゲート及びコルベットの建造発注の一部は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』『アムール造船工場』へ転送されるかもしれない。
『タス通信』軍当局に近い情報提供者より伝えられた。

「リスクを分散させる為、現在、2023年に2隻のフリゲート或いはコルベットの建造発注の一部を、必要な生産力を有し、2022年末には造船台を入れ換えるカリーニングラードの『ヤンターリ』へ移転する問題が検討されています」
対談者は話した。

彼は、コルベット1隻の発注は、来年5月にプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」を引き渡す公開株式会社『アムール造船工場』(コムソモリスク・ナ・アムーレ)へ転送できる事を指摘した。
ここでは、プロジェクト20380コルベット「グローズヌイ」「ブラーヴイ」、そして更にプロジェクト20385コルベット「ブーイヌイ」が建造されている。

対談者は、『北方造船所』で約8年に渡って建造中であり、来年末に太平洋艦隊へ引き渡さなければならなかったコルベット「プロヴォールヌイ」の火災の後、発注を分配する必要性が生じたと説明した。
彼によると、プロジェクト20385及び20386コルベット海軍における需要は、おおよそ18隻になる。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

サンクトペテルブルク『北方造船所』において建造中のコルベット「プロヴォールヌイ」で発生した火災で、船体は損傷を受けず、艦の上部構造物は撤去される事になる。
新たな上部構造物を建設する為の交渉が進められている。

「プロヴォールヌイ」は、海軍プロジェクト20385コルベットシリーズの第2の誘導ミサイル兵器コルベットである。
コルベット海軍への引き渡しは2022年末に計画されていた。
現在、『北方造船所』では更にコルベット「「グレミャーシチー」を完成させている。
コルベットの主要兵装は、ミサイル複合体「カリブル」高射ミサイル複合体「リドゥート」である。
工場『北方造船所』は、軍事及び民間造船に従事しており、『統合造船業営団』へ加入している。



現在、サンクトペテルブルク『北方造船所』では、ロシア海軍向けの6隻のフリゲートと4隻のコルベットが建造中です。

[プロジェクト22350フリゲート]
「アドミラル・ゴロフコ」:2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2022年就役予定
「アドミラル・イサコフ」:2013年11月14日起工/2023年就役予定
「アドミラル・アメリコ」:2019年4月23日起工/2024年就役予定
「アドミラル・チチャーゴフ」:2019年4月23日起工/2025年就役予定
「アドミラル・ユマシェフ」:2020年7月20日起工/2025年就役予定
「アドミラル・スピリドノフ」:2020年7月20日起工/2026年就役予定

[プロジェクト20385コルベット]
「プロヴォールヌイ」:2013年7月25日起工/就役日未定

[プロジェクト20380コルベット]
「メルクーリイ」:2015年2月20日起工/2020年3月12日/2022年就役予定
「ストローギー」:2015年2月20日起工/2023年以降就役予定

[プロジェクト20386コルベット]
「ジェルズキー」:2016年10月28日起工/2022年以降就役予定

2021年12月17日、建造中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生し、多層複合材料製の上部構造物が完全に焼失してしまいました。
船体には目立った損傷は無く、今後は上部構造物を新たに作り直して建造は再開されます。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット"プロヴォールヌイ"は上部構造物を作り直して建造を再開する]


しかし今回の火災により、ロシア海軍向けに建造される新世代水上戦闘艦(フリゲートコルベット)の大半が『北方造船所』に集中している事が問題視されるようになりました。

そこで、万が一の場合のリスクの分散を考慮し、今後新たに建造するフリゲートコルベットの発注を、『北方造船所』以外の造船所にも分配する事が検討されています。

候補に挙がっているのは、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』です。
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『ヤンターリ』では、現在、ロシア海軍向けに建造中の戦闘艦は、2019年4月23日に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」の2隻くらいのものであり、この他に元々はロシア海軍向けだったが、その後インドへ売却されたプロジェクト11356フリゲート2隻が建造中です。

この他、ロシア極東コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』にもコルベット1隻の発注が検討されています。
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『アムール造船工場』太平洋艦隊向けのコルベットを建造しており、現在はプロジェクト20380コルベット2隻、プロジェクト20385コルベット1隻が建造中です。

2020年12月15日に締結された契約に基づき、今後更にプロジェクト20385コルベット3隻が同工場で建造されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の4隻のプロジェクト20385コルベットと2隻のプロジェクト20380コルベットの建造契約が締結された]


今回の記事によると、2023年には新たなフリゲート2隻とコルベット2隻の起工が計画されているようですが、具体的に、どのタイプを建造するのかは明らかにされていません。

しかし、以前の情報によると、プロジェクト22350Mフリゲートの1番艦は2023年に起工されます。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の1番艦は2023年に起工される]

更に、今回の記事の「匿名希望の情報提供者」は、今の所1番艦しか起工されていないプロジェクト20386コルベットにも言及しています。

7000トン級のプロジェクト22350Mフリゲートは、ソヴィエト連邦時代にほぼ同サイズのプロジェクト1155大型対潜艦を建造した『ヤンターリ』でも建造は可能ですし、プロジェクト20386コルベット『アムール造船工場』(以前には1万トン級の原子力潜水艦を建造していた)で建造する事も充分に可能でしょう。

2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは一旦解散する

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『タス通信』より
2021年12月23日9時3分配信
【情報筋:コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員は解散し、建造中の他の艦へ転任する】
モスクワ、12月23日/タス通信

12月17日の『北方造船所』での火災中に損傷したプロジェクト20385多目的コルベット「プロヴォールヌイ」の乗組員は、他の建造中の艦へ振り分けられる。
『タス通信』軍当局に近い情報提供者より伝えられた。

「この艦へ習熟する為の第114水域保護旅団の船員から成るコルベット"プロヴォールヌイ"チームは解散し、同様のプロジェクトの他の艦での勤務へと送られます」
対談者は話した。

彼は、コルベットの火災の前、乗組員は2ヶ月間この艦での勤務の為の準備を行なっていた事を指摘した。
艦は、ロシア北東統合司令部の部隊の一員として加わり、カムチャツカへ配置されなければならなかった。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

サンクトペテルブルクにおいて建造中のコルベット「プロヴォールヌイ」の火災で、船体は損傷を受けず、艦の上部構造物は撤去される事になる。
新たな上部構造物を建設する為の交渉が進められている。

「プロヴォールヌイ」は、海軍プロジェクト20385コルベットシリーズの第2の誘導ミサイル兵器コルベットである。
コルベット海軍への引き渡しは2022年末に計画されていた。
現在、『北方造船所』では更にコルベット「「グレミャーシチー」を完成させている。
コルベットの主要兵装は、ミサイル複合体「カリブル」高射ミサイル複合体「リドゥート」である。
工場『北方造船所』は、軍事及び民間造船に従事しており、『統合造船業営団』へ加入している。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2019年9月には屋内造船台から出渠し、屋外で工事が進められました。
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルク海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】



2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
[サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した]

火災は12月18日午前9時ころに鎮火されましたが、この火災により、「プロヴォールヌイ」多層複合材料製の上部構造物は完全に焼失してしまいました。

火災による損害額などの算定は、これから評価が始まるところであり、最終的にどのような判定が下されるのかは現時点においては不明です。
[2021年12月17日の火災事故によるコルベット"プロヴォールヌイ"の損害の評価が始まる]

ただ、船体には重大な損傷は無かったので、建造工事は再開されます。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット"プロヴォールヌイ"は上部構造物を作り直して建造を再開する]

焼失した多層複合材料製の上部構造物は、サンクトペテルブルク『ネヴァ川造船工場』で新たに製造される事になります。
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一方、既に編成されている「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは、同艦の完成が予定よりも大幅に遅れるので、一旦解散する事になります。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャとアドミラル・ネヴェリスコイはオホーツク海で機雷掃討訓練を行なった

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月23日3時35分配信
【太平洋艦隊の艦はオホーツク海で砲射撃を伴う演習を実施した】
ウラジオストク、12月23日、インテルファクス-極東

太平洋艦隊大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」「オスリャービャ」は、オホーツク海エリアで砲射撃と対空及び対破壊工作防衛訓練を実施した。
太平洋艦隊広報サービスは発表した。

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「演習中、乗組員は、海上浮遊機雷の模型への57mm砲装置AK-725からの砲射撃実施を伴う対機雷任務へ取り組みました」
声明では、こう述べられた。

仮想「敵」の空爆を撃退する為、艦の携帯高射ミサイル複合体「ストレラ-2」班は、実際にミサイル発射を行なう事無く空中攻撃の撃退訓練を実施した。

演習は、戦闘訓練計画の枠組みで行なわれた。

更に大型揚陸艦は、無防備の泊地へ停泊する艦の安全を保障する演習を行ない、実際の対破壊工作擲弾射撃を実施した。



プロジェクト775大型揚陸艦の第2グループの2番艦(775シリーズ通算14番艦)BDK-101ポーランドグダニスク造船所で建造され、1981年12月19日にソ連海軍へ納入されました。
その後、太平洋艦隊へ配備されました。

1985~1986年にはインド洋で戦闘勤務に就きました。

1986年にはイエメンアデン港からのソ連民間人の避難作戦へ参加しました。

1990~1991年には再びインド洋で戦闘勤務に就きました。

1994年6月9日/6月10日のBDK-101
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1996年、1997年、1999年にはカムチャツカ半島への貨物輸送を行ないました。

2006年1月24日に「オスリャービャ」と命名されました。

2015年からウラジオストク『ダーリザヴォード』で近代化改装が行なわれ、2017年3月初頭までに完了しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャの近代化改装は完了した]

2017年7月5日には宗谷海峡を西進しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の水上艦16隻はラ・ペルーズ海峡を通過して日本海へ入った]

「オスリャービャ」は、2017年7月5日にサハリンコルサコフ港へ寄港しています。

2017年12月20日に母港フォキノへ帰港する「オスリャービャ」


2018年3月初頭、「オスリャービャ」日本海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャは日本海で砲撃訓練を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは日本海で戦闘演習を行なった]

2018年3月下旬にピョートル大帝湾で実施された太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船はピョートル大帝湾で演習を行なった]

2018年4月下旬の太平洋艦隊の演習にも参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは日本海で艦対空ミサイル"フォルト"を発射した]

2018年7月5日にウラジオストク近郊で座礁しました。
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2019年3月14日、「オスリャービャ」は久しぶりに出航し、各種砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャは日本海で砲撃訓練を行なった]

2019年4月29日~5月4日に黄海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

2020年6月上旬から11月中旬までチュクチ半島(ベーリング海)へ派遣され、演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻は5ヶ月間の航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2021年4月初頭にカムチャツカ半島へ派遣され、揚陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵部隊はカムチャツカで上陸演習を行なった]

2021年6月初頭には沿海地方で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャとペレスヴェートは日本海沿岸で戦闘訓練を行なった]

2021年6月中旬にはナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の生徒を乗せて海上実習を行ないました。
[ナヒーモフ海軍学校ウラジオストク分校の生徒はロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦オスリャービャで海上実習を行なう]

2021年11月28日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年11月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「オスリャービャ」超音速地対艦「バスチオン」クリル諸島中部のマトゥア島へ輸送していたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"を配備した]


プロジェクト775大型揚陸艦の第2グループの4番艦(775シリーズ通算16番艦)BDK-98ポーランドグダニスク造船所で建造され、1982年9月28日にソ連海軍へ納入されました。

1983年7月1日にバルチースクを出航し、1984年1月31日にウラジオストクへ到着し、太平洋艦隊へ配備されました。
この間、イエメン、エチオピア、モザンビーク、セーシェル諸島、ベトナム(カムラン)を訪問しました。

1989年10月4日から11月9日までインド洋で行動し、イエメンエチオピアを訪れました。

1990年1月から7月までエチオピアへ派遣されました。

2004年に上陸演習を行なうBDK-98
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2007年7月初頭にアメリカ海軍駆逐艦「カーチス・ウィルバー」ウラジオストクを訪問した際のホストシップを務めました。
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2011年7月24日付で「アドミラル・ネヴェリスコイ」と命名されました。

2012年8月下旬~9月上旬には『追憶の航海』(第2次大戦に従軍した退役将兵を乗せ、サハリンクリル諸島を巡る)へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊艦船は「追憶の航海」を行なう]

2013年3月から12月まで地中海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~12月)]

2014年5月下旬には東シナ海で実施されたロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

帰港後、ウラジオストクの艦船修理工場で修理が行なわれ、2015年2月に復帰しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイは2015年2月に修理を終えて復帰する]

2015年7月下旬にはハバロフスク地方ワニノ港サハリン島ホルムスク港の間の貨客輸送任務に従事しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイはワニノ-ホルムスク間の貨客輸送を終えた]

2015年9月2日にサハリン南部のコルサコフ港で行なわれた第2次世界大戦終結70周年記念観艦式へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はサハリン南部で第2次世界大戦終結70周年記念観艦式を挙行する]

2016年5月~6月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]

2018年9月にはロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の揚陸艦部隊は演習『ヴォストーク-2018』へ参加する]

2020年6月上旬から11月中旬までチュクチ半島(ベーリング海)へ派遣され、演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻は5ヶ月間の航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2021年4月初頭にカムチャツカ半島へ派遣され、揚陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵部隊はカムチャツカで上陸演習を行なった]

2021年6月中旬にもカムチャツカ半島で揚陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイとペレスヴェートはカムチャツカ沿岸で装甲兵員輸送車BTR-82Aの積載訓練を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦アドミラル・ネヴェリスコイとペレスヴェートはカムチャツカ沿岸で海軍歩兵部隊の上陸訓練を実施した]

2021年11月初頭にオホーツク海へ入り、砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月2日12時45分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦はオホーツク海で砲射撃を実施した】


2021年12月下旬、2隻の揚陸艦オホーツク海で機雷掃討、対空防衛、対水中破壊工作防衛の戦闘訓練を行ないました。

ロシア海軍バルト艦隊は2022年に10回以上の遠距離航海を行なう

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『タス通信』より
2021年12月21日22時時16分配信
【バルト艦隊の艦は2022年に10回以上の遠距離航海を行なう】
モスクワ、12月21日/タス通信

バルト艦隊の艦は、2022年に10回以上の遠距離航海を行なう。
火曜日に艦隊司令官ヴィクトール・リーナ中将は述べた。
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「新たな訓練年度においてバルト艦隊には、地中海、大西洋、インド洋海域への艦船の10回以上の遠距離航海と、更にはバルト艦隊の水上艦船の計画戦闘訓練活動及び国際演習への参加を含む大規模な任務が待っています」
彼はロシア国防省合同会議の結果について報道機関へ伝えた。

彼によると、バルト艦隊の努力は、ロシア海軍の利益の保障へと指向されている。
バルト艦隊船員は、海軍の為に建造或いは修理される艦の試験を支援する国家任務の遂行を続ける。

2021年の結果として、バルト艦隊の軍人は戦闘演習計画を100パーセント遂行した。
艦隊水上部隊の航海は、年初め以来、約3000昼夜に及んだ。
総計して艦と支援船は約20万海里を航行した。
打撃、掃海、揚陸艦の戦術グループの訓練が行なわれた。
何隻かのバルト艦隊の艦は、遠海ゾーンで指示された任務を成功に果たした。

艦隊の艦の乗組員は、2021年にミサイル、砲、魚雷射撃、機雷敷設、深海爆撃、対機雷訓練を含む430回の戦闘訓練を行なった。
艦の乗組員は120以上の錬成任務へ合格し、艦連合部隊戦術グループは、様々な水準の30以上の戦術演習を実施した。
高位の指揮官の指導下での艦連合部隊本部の訓練の際、5回の指揮参謀演習と9回のテスト戦術演習、更にはバルチースク海軍基地レニングラード海軍基地の艦の泊地での2回の集合訓練が実施された。

2021年の結果として、海上航空隊の総飛行時間は6500時間を超え、昨年の数字を大幅に上回った。
戦闘訓練活動の枠組みで、8回の飛行戦術演習が飛行隊と航空連隊で実施された。
全ての飛行戦術演習は「良」と評価された。



2021年1月1日の時点で、バルト艦隊の4隻の艦船が地中海に滞在していました。
[ロシア海軍バルト艦隊の4隻の艦船は地中海で2021年の新年を迎える]

工作船PM-82は2021年12月下旬に地中海東部へ進出し、2021年4月頃まで滞在していました。
[バルト艦隊の工作船PM-82は地中海東部でロシア海軍艦船のメンテナンスに従事する]

コルベット「ボイキー」大型揚陸艦「ミンスク」は、2021年2月中旬にバルチースクを出航して北海で行動し、3月下旬にはグレートブリテン島周辺海域へ進出し、4月初頭に帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]
[英本土付近へ進出したロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦ミンスクはバルチースクへ帰投した]

コルベット「ストイーキー」支援船2隻は、2020年12月中旬にバルチースクを出航し、地中海・インド洋への遠距離航海を行ない、2021年4月末に帰投しました。
この間、2021年2月中旬にはアラビア海イラン海軍との合同演習を行ないました。
[ストイーキーの地中海・インド洋遠征(2020年12月-2021年4月)]

大型揚陸艦「カリーニングラード」「コロリョーフ」は、2021年3月下旬から大西洋、地中海、黒海への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る]
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフは黒海へ入った]
2隻の揚陸艦は4月17日にはボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後暫く同海域に留まっていましたが、7月11日に2隻揃ってボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、その後、バルチースクへ帰投しました。

セヴァストーポリに停泊する「カリーニングラード」(102)と「コロリョーフ」(130)
(2021年5月1日)
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2021年7月11日にボスポラス海峡を南下する「カリーニングラード」(102)と「コロリョーフ」(130)
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小型ロケット艦「ソヴィェツク」は、2021年8月に白海へ進出して有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の小型ロケット艦ソヴィェツクは白海から巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


2022年には、バルト艦隊の艦船は10回以上の遠距離航海~この場合は、バルト海以外の海域への航海~を行ないます。

ロシア海軍の新型艦船はバルト海沿岸の造船所(カリーニングラードサンクトペテルブルク)でも多数建造されており、他に修理中の艦船も有りますが、これらの艦船がバルト海で洋上試験を行なう際の各種支援も、バルト艦隊の主要任務の1つです。


なお、2016年9月17日からバルト艦隊司令官を務めていたアレクサンドル・ノサトフ大将は、2021年10月5日付でロシア海軍総参謀長兼第1副総司令官に任命されました。
後任のバルト艦隊司令官には、それまでロシア連邦軍参謀本部次長だったヴィクトール・リーナ中将(1968年7月19日生まれ、現在53歳)が任命されました。
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月14日9時24分配信
【アドミラルティで新たな海軍総参謀長が紹介された】

ロシア海軍黒海艦隊のノヴォロシースク海軍基地の拡張工事は殆ど完了している

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『タス通信』より
2021年12月21日22時32分配信
【哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は国家試験を完了する】
モスクワ、12月21日/タス通信

プロジェクト22160哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は国家試験を完了する。
火曜日に黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地司令官ヴィクトール・コチェマゾフ少将は述べた。
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「統合部隊の編成には、6隻のディーゼルエレクトリック潜水艦、沿岸ミサイル複合体バルとバスチオン、現代的なプロジェクト22160哨戒艦~トップのワシーリー・ブイコフ、生産艦ドミトリー・ロガチョフパーヴェル・デルジャーヴィン、そして現在、国家試験を完了しているセルゲイ・コトフが加わっています」
彼は軍当局の合同会議中に報道陣へ話した。

コチェマゾフは、ノヴォロシースク海軍基地は、ロシア海軍で最大の作戦-戦術統合部隊である事を想い起こした。
その構成には、水域保護艦連合部隊及び潜水艦部隊、そして更に沿岸ロケット-砲連合部隊、特殊用途の軍部門支援部門が含まれている。

彼によると、基地にはユニークで現代的なインフラが有る。
連邦目標プログラム実現の枠組みにおいて、基地領域で大掛かりな水力工学作業が行なわれた。
既に防波堤防護システムが作成されている。
1400キロメートルに及ぶ東防波堤は運用へ入っており、間もなく850キロメートルに及ぶ西防波堤の建設が完了する。
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現在、ノヴォロシースク基地は5つの埠頭を有しており、これらは100隻以上の排水量15000トンから30000トンの現代的な戦闘艦の受け入れを可能にする。
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連邦目標プログラムの枠組みで、合計して26ヶ所の沿岸インフラの建物と施設が建造され、統合部隊での運用へ入っている。
それには海軍では未だ唯一の高度な練習-訓練複合体「アファリナ」と、更には練習-訓練複合体「ゲフェスト」が含まれる。
今年、要員を収容する為の共同宿舎を持つ潜水艦連合部隊本部の6階建ての建物が運用へ入った。



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黒海東岸ノヴォロシースクでは、2000年代半ばから黒海艦隊の為の海軍基地の拡張工事が始まりました。

2006年2月13日
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2009年6月10日
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2012年9月11日
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1997年5月28日にロシアウクライナが締結した旧ソ連黒海艦隊の分割協定により、黒海艦隊は2017年5月28日までセヴァストーポリ(クリミア)に駐留できる事になっていました。
『ロシア黒海艦隊情報サイト』より
【ロシア連邦及びウクライナによる黒海艦隊の分割パラメータに関する合意(キエフ、1997年5月28日)】

2000年代には、ウクライナは、ロシア黒海艦隊の駐留期間延長など一切認めないという態度を貫いてました。
つまり、「2017年までに出ていけ」という事です。
[ウクライナは、2017年までのロシア海軍基地の撤退を求める]
[ロシア黒海艦隊は、2017年末までにウクライナを去る]
[ロシア黒海艦隊は、2017年5月28日までにウクライナを退去しなければならない]

この為、2003年にロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、セヴァストーポリに代わる黒海艦隊の基地をノヴォロシースクへ建設する法令に署名し、建設工事が始まりました。
当初は、100隻の艦船を収容できる基地を2012年までに建設する計画でした。
[黒海艦隊基地ノヴォロシスクは、2012年までに完成する]

その後、ウクライナには親ロシア派政権が誕生し、2010年4月21日に締結されたハリコフ合意により、黒海艦隊の駐留期間は25年延長されました(2042年までの駐留が可能となった)。

しかし、2014年3月に起こったウクライナ危機によりクリミア半島を巡る状況は大きく変わり、ロシア連邦へ編入されました。
[ロシア-ウクライナ間の黒海艦隊協定は廃止された]
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船の大部分はセヴァストーポリに駐留する]
ロシア黒海艦隊は、セヴァストーポリに駐留できなくなるという可能性を憂慮する必要は無くなりました。

この為、ノヴォロシースク海軍基地の拡張工事を急ぐ必要は無くなり、完了も先延ばしされました。

2014年9月30日
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2017年3月6日
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2018年12月2日
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2020年5月27日
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2021年11月15日
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2021年末、埠頭の建設は完了し、他の施設も、ほぼ出来上がっています。

黒海艦隊向けに建造された6隻のプロジェクト06363潜水艦で構成される第4独立潜水艦旅団の本部もノヴォロシースクへ置かれています。
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[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦はノヴォロシースクを基地とする]

計6隻の建造が計画されているプロジェクト22160哨戒艦ノヴォロシースクへ配備されています。
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[プロジェクト22160哨戒艦]

この他、海洋掃海艦「ジェレズニャコフ」「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」「ワレンチン・ピクリ」などもノヴォロシースクに駐留しています。

ノヴォロシースク海軍基地の指揮下には、テムリュクに駐留する第382独立海軍歩兵大隊(軍番号45765)ウタシュに駐留する第11独立沿岸ロケット-砲旅団(軍番号00916)(地対艦ミサイル「バスチオン」「バル」を装備)、ノヴォロシースクに駐留する第136特殊用途水中破壊工作戦力・手段対処支隊(軍番号75976)といった沿岸部隊も有ります。
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テムリュク
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ウタシュ
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戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された

本日(2021年12月21日)、プロジェクト955A「ボレイ-A」戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦K-552「クニャージ・オレグ」とプロジェクト885M「ヤーセン-M」原子力水中巡洋艦K-573「ノヴォシビルスク」はロシア連邦海軍へ就役しました。

『タス通信』より
2021年12月21日21時53分配信
【新たな原子力潜水艦「クニャージ・オレグ」と「ノヴォシビルスク」はロシア海軍へ受け入れられた】
モスクワ、12月21日/タス通信

海軍旗は新たな原子力潜水艦「クニャージ・オレグ」「ノヴォシビルスク」へ掲揚された。
式典は、国防省拡大会議中にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが遠距離から開始させた。

(海軍)旗の掲揚式典はセヴェロドヴィンスクで開催された。
プーチンはビデオ通信で視察し、現地ではロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが出席した。

「本日、原子力潜水艦クニャージ・オレグとノヴォシビルスクへ海軍旗が掲げられ、新たなロケット艦は海軍の一員として加わりました」
国家元首は話した。
彼は、2隻の原子力潜水艦を建造した『セヴマシュ』の労働者一同へ感謝した。
プーチンは、潜水艦の兵装を「恐るべき打撃力」と言い、「クニャージ・オレグ」弾道ミサイル「ブラヴァー」を、そして多目的水中巡洋艦「ノヴォシビルスク」有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」を装備し、これらは海上目標に対する効果的な戦闘のみならず、地上施設への高精度の打撃を与える事が可能であることを想い起こした。

国家元首によると、近い内に「クニャージ・オレグ」「ノヴォシビルスク」太平洋艦隊へ補充され「戦闘潜在力を大幅に高め、ロシアの安全を保障し、世界の大洋において我々の国益を確実に保護します」
大統領は、プロジェクト885M955A潜水艦シリーズの建造は終わらないと話した:『セヴマシュ』では、更なる5隻の「ボレイ-A」と6隻の「ヤーセン-M」が建造され、海軍へ引き渡される。

「私共は海軍の更新のテンポを高め、様々なプロジェクトとクラスの現代的な水上艦と水中艦を建造し、同時に沿岸インフラを開発し、無論、軍人の社会的地位の保証を強化し、海軍の専門家の名声を高めます」
プーチン
は付け加えた。

大統領は、水中ロケット艦「ノヴォシビルスク」艦長マキシム・シピルコ1等海佐の例を引用し、その家族は様々な年に海軍で7名が勤務し、全員が士官となった。
国家元首が指摘したように、これは海軍の輝かしい伝統、海軍と祖国への献身と忠誠を維持する実例である。

[新たな潜水艦]
「クニャージ・オレグ」
は、近代化されたプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略用途ロケット水中巡洋艦の最初の生産艦である。
これは2014年7月27日に起工され、2020年7月16日に進水した。
国家試験の枠組みで艦は2021年10月21日に白海からカムチャツカクラ射爆場への弾道ミサイル「ブラヴァー」射撃を成功裏に実施した。
最初の3隻のプロジェクト「ボレイ」ロケット艦プロジェクト955A巡洋艦は、低騒音、より現代的な操縦及び深海懸吊システム、兵器管理システムが異なる。
合計で10隻(3隻の「ボレイ」と7隻の「ボレイ-A」巡洋艦)の建造が計画されている艦の内、5隻が完成し(4隻は既に艦隊の一員である)、更なる5隻が建造されている。
各々は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。

「ノヴォシビルスク」は、プロジェクト885M(コード名「ヤーセン-M」)原子力潜水艦の最初の生産艦である。
これは2013年7月26日に起工され、2019年12月25日に進水した。
現在、『セヴマシュ』では7隻のプロジェクト885M潜水艦が様々な建造段階に在る。
プロジェクト885/885Mの主要打撃兵器は、有翼ミサイル「カリブル-PL」「オーニクス」である。



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ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの5番艦K-552「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工されました。
(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては2番艦)
[ボレイ級戦略原潜5番艦クニャージ・オレグはロシア海軍の日に起工された]

2016年11月中旬までに強度船体(耐圧殻)の水密試験が完了しました。
(「ボレイ」級は複殻式船体)
[ロシア海軍の為の新世代戦略原潜ボレイ級5番艦クニャージ・オレグの船体(耐圧殻)の水密試験は完了した]

2020年7月16日に『セヴマシュ』造船台から出渠し、進水しました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは進水した]

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進水後は『セヴマシュ』の岸壁で艤装工事が行なわれ、2021年5月30日に白海へ出航し、洋上試験を開始しました。
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[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは洋上試験を開始した]

6月17日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後も「クニャージ・オレグ」の洋上試験は続き、2021年10月21日に弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験が行なわれました。

[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグ、弾道ミサイル"ブラヴァー"発射(2021年10月21日)]

2021年12月16日に受領証書へ署名されました。


ロシア海軍第4世代多目的原子力潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦 シリーズの3番艦K-573「ノヴォシビルスク」(改良型プロジェクト885M「ヤーセン-M」としては2隻目)は、2013年7月26日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工されました。
[ヤーセン級多用途原潜3番艦ノヴォシビルスクは起工された]



起工後、まず船体の製造作業が進められ、2014年8月には船体の水圧試験が行なわれました。
[ヤーセン級多用途原潜ノヴォシビルスクの船体の水圧試験が行なわれた]

その後の建造工事の進捗状況は明らかにされていませんでしたが、2019年12月25日に『セヴマシュ』の造船台から出渠し、進水しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはセヴェロドヴィンスクで進水した]


当初、「ノヴォシビルスク」は2020年末にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[ヤーセン-M級原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは2020年にロシア海軍へ引き渡される]

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しかし、2020年中には洋上試験を開始する事すら出来ず、引き渡しは翌年に延期される事になりました。
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]

「ノヴォシビルスク」は2021年6月末に洋上試験を開始する予定でしたが、少し遅れて7月1日にセヴェロドヴィンスクを出航し、白海で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ヤーセン-M級原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは2021年6月末に洋上試験を開始する]
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは白海で洋上試験を開始した]

8月2日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]
その後も洋上試験は続けられました。

2021年12月20日に受領証書へ署名されました。



そして2021年12月21日、「クニャージ・オレグ」「ノヴォシビルスク」は同時にセヴェロドヴィンスク聖アンドレイ旗掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ正式に就役しました。
ウラジーミル・プーチン大統領セルゲイ・ショイグ国防相は、モスクワで行なわれた国防省会議の最中に「リモート参加」しました。

この2隻は太平洋艦隊へ編入され、今後カムチャツカ半島へ回航されます。

ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは沿海地方で海軍歩兵部隊の乗船・下船訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年12月21日7時15分配信
【沿海地方で太平洋艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員は海軍歩兵と共に揚陸部隊の乗船-下船の課題へ取り組んだ】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員は、海軍歩兵部隊と合同で、無装備の海岸での揚陸部隊の乗船と下船の戦術特別演習を実施した。
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大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、ウラジオストク近郊のデサントナヤ湾地域で揚陸部隊を乗船させて移動を行ない、数時間後にクレルカ岬地域の海上揚陸射爆場の無装備の海岸で人員と車両を下船させる課題へ取り組んだ。
乗船と下船は、最短時間の支点方式で行なわれた。
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訓練中、大型揚陸艦の乗組員は、仮想敵による兵器及び電波電子戦闘手段の使用の脅威下で海上操艦の要素を実行した。

訓練には、150名以上の海軍歩兵隊員と30両以上の装輪及び装軌軍用車両が関わった。



プロジェクト1171「タピール」(獏)大型揚陸艦の13番艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1971年9月3日に起工され、1973年11月30日に進水し、1974年6月30日にソ連海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

就役前の「ニコライ・ヴィルコフ」
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1978年5月12日から1979年1月29日まで、初めてインド洋への遠距離航海を行ないました。
その後、1980年代末までに計7回のインド洋への遠距離航海を行ないました。

1984年頃の「ニコライ・ヴィルコフ」
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ウラジオストク艦船修理工場で修理中の「ニコライ・ヴィルコフ」(1990年9月)
左隣に停泊しているのは、同じく修理中のプロジェクト1134A大型対潜艦「ワシーリー・チャパエフ」だが、こちらは修理を完了する事無く1993年6月30日に除籍された。
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1993年末~1994年初頭にもペルシャ湾への遠距離航海を行ない、グレートブリテン、フランス、アメリカ海軍の艦と合同演習を実施しました。
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以後は遠距離航海へ出る事は無く、日本海及びオホーツク海でのみ行動しています。

太平洋艦隊には、計5隻のプロジェクト1171大型揚陸艦が配備されましたが、「ニコライ・ヴィルコフ」以外の4隻は、1994年7月5日付で除籍されました。

「ニコライ・ヴィルコフ」は21世紀に入っても現役に留まり続け、2008年6月30日には就役34周年を迎えました。
[大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」就役34周年]

2018年9月上旬に極東で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』にも参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の揚陸艦部隊は演習『ヴォストーク-2018』へ参加する]

2019年3月1日には沿海地方で上陸戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは上陸戦闘訓練を行なった]

2020年3月2日には、第155独立海軍歩兵旅団の上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは沿海地方で上陸演習を行なった]

2020年6月上旬には、他の太平洋艦隊所属の大型揚陸艦3隻と共に沿海地方から遠く離れたチュクチ自治管区プロヴィデニヤ湾まで海軍歩兵部隊の兵員と車両を輸送し、上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻はチュクチで上陸演習を行なった]
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その後もプロヴィデニヤ湾地域に留まり、演習を続けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦と海軍歩兵部隊はチュクチで演習を続けている]

2020年8月のベーリング海でのロシア海軍演習『大洋の盾-2020』にも参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵はチュクチで上陸演習を行なった]

演習が終わった後も引き続き洋上に留まり、2020年11月12日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻は5ヶ月間の航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2021年11月初頭には大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」と共にオホーツク海へ入り、砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月2日12時45分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦はオホーツク海で砲射撃を実施した】

その後にウラジオストクへ戻り、2021年12月21日には沿海地方海軍歩兵部隊の乗船・下船訓練を行ないました。


既に艦齢は47年の「ニコライ・ヴィルコフ」ですが、後継となる揚陸艦が就役するのは、まだまだ先の話なので、未だ暫くの間は現役に留まり続けるでしょう。
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