『タス通信』より
2022年3月31日17時18分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」修理の為のドックは航空母艦の受け入れ準備を整えている】モスクワ、3月31日/タス通信ムルマンスクの
『第35艦船修理工場』の
重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」修理の為の
ドックは、艦の受け入れ準備を整えている。
『タス通信』は2名の防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「ドックへの注水操作は完遂されました。
次の操作は、隔壁を外し、工場での艦のドック入り、隔壁の復活と排水です。
これは4~6週間掛かり、即ち、4月末~5月初頭にはドックでの航空母艦のドックでの修理が始まります」対談者の内の1人は話した。
以前、
『タス通信』は、
航空母艦の
ドック修理は9月まで行なわれると情報筋より伝えられた。
2人目の情報提供者はこの情報を確認し、
航空母艦は9月に
「水上へ戻る」と付け加えた。
『タス通信』は、この情報について
『統合造船業営団』から公式の確認を得ていない。
航空母艦の修理と近代化は、
第35艦船修理工場~
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(
『統合造船業営団』へ加入)の支所で実行されている。
3月19日、
『セヴマシュ』総取締役
ミハイル・ブドニチェンコは、2022年に同社は、
「アドミラル・クズネツォフ」の
ドック修理を行なう
ムルマンスクの
『第35艦船修理工場』の2室の乾ドックの再建及び技術的再装備の枠組みで、
プロジェクト1418潜函(ケーソン)を建設すると述べた。
『セヴマシュ』広報サービスによると、
潜函は再建された
乾ドックの室を外部水域から分離する為に意図されている。
水力工学建造物の全長は77.5メートル、幅13.5メートル、高さ約21メートル。
建造物の耐用期間は、少なくとも35年と計算されている。
ロシア海軍唯一の
「航空母艦」~
ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)は、
シリア作戦(2016年11月~2017年1月)から帰投した翌年の2018年4月23日に近代化改装の契約が締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]近代化改装の全容は明らかにされていませんが、
兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る][ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される][ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]近代化改装を終えた
「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した
『ネフスキー計画設計局』により、
「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな
淡水化装置が設置されます。
「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の
高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装の際に新たな
航空機管制複合体を装備します。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する][近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな航空機管制複合体レジストル-Eを装備する]更には、
ロシア海軍の
新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の
高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]「アドミラル・クズネツォフ」の
機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用の
ボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬から
ボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]「アドミラル・クズネツォフ」は、8基の
ボイラー(KVG-4)を、新たに製造された
ボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】新たな
ボイラーKVG-4の寿命は25年になります。
「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]
「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日に
ムルマンスク北東の
ロスリャコヴォの
第82艦船修理工場の
大型浮きドックPD-50へ入渠しました。

[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]2018年10月30日未明、
大型浮きドックPD-50へ入渠していた
「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]この事故により、
浮きドックPD-50のクレーン1基が
「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。
「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後に
ロスリャコヴォから
ムルマンスクの
第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(
「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。
「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]
2019年12月12日10時16分(モスクワ時間)、近代化改装工事中の
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の第1発電機区画での溶接作業中に火災が発生しました。
[近代化改装工事中の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフで火災が発生した][ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報][ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報(その2)]火災は24時間以内に鎮火されましたが、乗組員の士官2名が死亡し、他に14名が火災発生時の有毒ガスによる中毒で入院しました。
この火災により、
「アドミラル・クズネツォフ」は
第1発電機区画が全焼しましたが、致命的な損傷は受けておらず、修理及び近代化改装作業は続行されています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、2019年12月12日の火災により致命的な損傷は受けておらず、修復及び近代化されて復帰する]『統合造船業営団』総裁
アレクセイ・ラフマノフ氏によると、
「アドミラル・クズネツォフ」の火災による損害額は、3億ルーブル~3億5000万ルーブルになるとの事です。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの2019年12月12日の火災の損害額は3億5000万ルーブルと見積もられた]
従来の
『第35艦船修理工場』の
乾ドックのサイズでは、
「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんでしたが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、
PD-50沈没事故を受け、これが実行に移される事になりました。

[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される][ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]『第35艦船修理工場』の2つの乾ドックを結合し、
「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるサイズに拡大します。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]この
乾ドックは、取りあえずは
「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるように最低限の工事を行ない、その後、2023年までに恒久的な施設として完成させる予定です。
なお、
乾ドック拡張工事の最中、請負業者と発注者
『第35艦船修理工場』との間で金銭トラブルが発生した為、2020年6月下旬に新たな請負業者として
『オルゲネルゴストロイ』商会が選ばれ、工事が再開されました。

[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグはウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代改装を行なっているムルマンスク艦船修理工場を視察した]新たな
乾ドックへの注水は2022年3月下旬に完了しました。
【モリャチョク(水夫)氏の2022年3月26日17時10分のテレグラムの投稿】「非常に興味深い写真。
沈没したPD-50に代わって建設された新たな乾ドックが水で満たされました。
これは、近い内に重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフがそこへ移されるかもしれないという事ですね。
ムルマンスク、3月22日」4月には
「アドミラル・クズネツォフ」が入渠します。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2022年4月に新たな乾ドックへ入渠する]2022年4月末~5月初頭にはドックでの修理が始まり、9月末まで続きます。
以前には、
「アドミラル・クズネツォフ」は2022年に洋上試験を行ない、同年末に近代化改装を終えて復帰する予定でした。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の完了予定時期は2022年末から変更されていない]しかし、以前に
「アドミラル・クズネツォフ」から取り外され、
サンクトペテルブルクの
『キーロフ-エネルゴマシュ』へ送られた蒸気タービンエンジンの修復が予定よりも遅れている為、洋上試験開始時期も遅れる事になり、近代化改装の完了時期も2023年末に延期される事になりました。
[ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2023年に近代化改装を終えてロシア海軍へ復帰する]