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ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年7月20日3時5分配信
【原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」は海軍の戦闘編制から除外されると情報筋は伝えた】
モスクワ、7月20日-ロシア通信社ノーボスチ

世界最大の戦略原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」(プロジェクト941UM「アクラ」、NATO分類「タイフーン」弾道ミサイル潜水艦)はロシア海軍の戦闘編制から除外され、解体される。
『ロシア通信社ノーボスチ』は防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

原子力潜水艦「ドミトリー・ドンスコイ」は、1980年にソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の戦闘編制へ加入したプロジェクト941潜水艦のトップである。
同プロジェクト潜水艦は合計6隻が建造された。
2002年、「ブラヴァー」の為に近代化及び改造された潜水艦は、このミサイルの試験の為に軍備採用された。
今日において、世界の潜水艦で最も排水量が大きい~48000トン。

「潜水艦ドミトリー・ドンスコイは、海軍の戦闘編制から除外され、その後に解体されます」
対談者は話した。

彼は、「ドミトリー・ドンスコイ」の名前は既に、昨年に『セヴマシュ』で起工された他の「ボレイ-A」級(プロジェクト955A)戦略原子力潜水艦へ付けられている事を想い起こした。



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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
プロジェクト941重戦略用途原子力水中巡洋艦(タイフーン級)は、1981年~1989年に6隻が就役しましたが、現役に留まっているのは1隻のみであり、既に3隻が解体されています。

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プロジェクト941巡洋原子力潜水艦の1番艦TK-208は、セヴェロドヴィンスクセヴマシュ造船所で1976年6月30日に起工されました。
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1980年9月27日に進水し、1981年6月から8月まで工場航行試験を行ない、1981年11月から12月末まで国家試験を行ないました。
1981年12月27日には、初めて弾道ミサイルR-39の発射に成功しました。

1977年7月25日付でプロジェクト941「重戦略用途ロケット水中巡洋艦」に類別変更されました。

1981年12月29日に受領証書へ署名されてソ連海軍へ納入されましたが、翌1982年10月までは弾道ミサイルR-39(SS-N-20)の発射試験に従事し、総計で18回の発射に成功しました。
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R-39の戦力化の目途が立った事を受け、1982年12月14日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソ連海軍へ就役し、北方艦隊第18潜水艦師団へ編入されました。
同年12月21日に母港となるザーパドナヤ・リツァニェールピチャ基地へ到着しました。
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その後は戦闘勤務(戦略核パトロール任務)や弾道ミサイルR-39の発射試験に従事しました。

1988年9月20日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ到着し、新型弾道ミサイル「バルク」を搭載するプロジェクト941U改装が行なわれる事になり、翌1989年1月20日には予備役に編入されました。

しかし、1991年12月のソ連邦解体により資金供給は止まり、TK-208の工事はストップしました。

1992年6月3日付で「重戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。

その後、弾道ミサイル「バルク」の開発は中止され、新たにモスクワ熱技術研究所が開発する「ブラヴァー」を搭載する事になった為、今度はプロジェクト941UM改装を受ける事になりました。
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2000年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。

2002年6月26日に再進水し、6月30日から係留試験を開始し、翌2003年に洋上試験を行ないました。
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洋上試験は2004年12月初頭に完了し、ロシア海軍へ再就役しました。
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2005年から2010年まで潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験に従事しました。
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その後、「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれ、今度は、海洋で試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
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2013年には、戦略原潜「アレクサンドル・ネフスキー」、多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の海洋試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]

2014年にも、新型原潜の海洋試験のモニタリングの為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]

2015年6月26日から7月16日まで白海へ出航しました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]

2015年9月3日から10日まで、再び白海へ出航しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た]
[ロシア海軍の重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]


暫く動きの無かった「ドミトリー·ドンスコイ」ですが、2017年5月27日にセヴェロモルスクへ到着しました。
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[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動した]

2017年7月中旬、「ドミトリー・ドンスコイ」は、クロンシュタット『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する為、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にバルト海へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはバルト海へ向かった]


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、2017年7月25日にクロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットへ到着する]

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2017年7月30日、サンクトペテルブルククロンシュタットで観艦式(主要海軍パレード)が行なわれました。
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[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]

北方艦隊からは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、重戦略用途原子力水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」の他に、潜水艦「ウラジカフカス」クロンシュタットの観艦式へ参加しました。


「ドミトリー・ドンスコイ」「ピョートル・ヴェリキー」は、主要海軍パレード終了後の翌7月31日にクロンシュタットを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーと重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはクロンシュタットを去った]

北方艦隊艦船部隊は、8月7日までに北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船は北海へ入った]

その後、北方艦隊艦船部隊バレンツ海で演習を行なった後、8月11日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊の艦船はセヴェロモルスクへ帰投した]

「ドミトリー·ドンスコイ」は、暫くの間セヴェロモルスクに留まっていましたが、9月初頭に出航し、9月4日に母港セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ帰港しました。
[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはセヴェロドヴィンスクへ帰港した]

2017年9月には北方艦隊の演習へ参加しました。
[タイフーン級戦略原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍北方艦隊の演習へ参加する]

2017年12月15日には就役35周年記念式典が開催されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年12月15日10時4分配信
【世界最大の潜水艦は35周年を迎えた】

その後も「ドミトリー・ドンスコイ」は現役に留まり続けました。
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[重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍で現役に留まり続ける]

2018年~2019年にはオーバーホールを行ない(2018年初頭から6月までロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠)、2019年6月20日から白海で航行試験を行ない、深度200メートルまで潜航しました。
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2021年6月20日、白海セヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)に駐留する小型対潜艦の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で対潜戦闘訓練へ参加した]

7月15日にも白海海軍基地小型対潜艦2隻の対潜戦闘訓練の相手役を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は白海で小型対潜艦の訓練の敵役を務めた]


一方、2021年8月23日に起工されたプロジェクト955A(ボレイ-A)戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の内の1隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」と命名されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

これに伴い、今の「ドミトリー・ドンスコイ」は、「名無し」のTK-208として2020年代半ば頃まで現役に留まる筈でしたが、それよりも早く退役し、解体される事になるようです。
[ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイは2020年代後半まで現役に留まる]
[ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は2020年代半ばに退役する]

なお、今年(2022年)には、同じく北方艦隊所属のプロジェクト667BDRM戦略用途原子力水中巡洋艦の2番艦「エカテリンブルク」の退役も予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦エカテリンブルクは2022年に退役する]

ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を開始した

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『タス通信』より
2022年7月20日7時33分配信
【水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は初めて海上での試験へ出航した】
モスクワ、7月20日/タス通信

プロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)水中ロケット艦の第2の生産艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、工場試験の為に初めて白海へ出航した。
『タス通信』は造船分野の情報筋より伝えられた。

「原子力潜水艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは、白海の工場航行試験の為に初めて造船所『セヴマシュ』から出航しました。
その中で潜水艦の航行性能と操作性が設計特性に沿っているかどうかが特定されます」

対談者は話したが、この試験が何時まで行なわれるのかは明らかにしなかった。

彼は、多くの様々な工場試験の後、原子力潜水艦には全ての兵器システムを実際に点検する国家試験が控えてる事を指摘した。
「現行の計画下でゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年末までにロシア海軍の戦闘編制へ加入しなければなりません」
対談者は付け加えた。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

6月末、『タス通信』は情報筋より、他の潜水艦プロジェクト885M原子力潜水艦「クラスノヤルスク」『セヴマシュ』から海上での試験の為に初めて出航したと伝えられた。

[潜水艦について]
ロケット艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」
は、第4世代原子力艦・改善プロジェクト955A「ボレイ-A」(設計者~サンクトペテルブルク海洋工学中央設計局『ルビーン』)に属する。
プロジェクトは根本的に新しい技術的解決策が実現され、機器は改善され、物理的フィールドの水準は低下し、安全性は向上し、輸入代替の複合作業が実行された。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」造船工場『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で2014年12月26日に起工され、2021年12月25日に船台から出渠した。
計画によると、水中巡洋艦太平洋艦隊原子力潜水艦グループへ補充され、それを強化する。

プロジェクト955A「ボレイ-A」艦のトップ~「クニャージ・ウラジーミル」は2020年6月12日にロシア連邦海軍へ引き渡された。
ロケット艦の最初の生産艦「クニャージ・オレグ」は2021年12月21日に海軍へ引き渡された。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日の起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」(ゲネラリーシムス)にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。

2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]

2022年1月11日に進水し、造船所の岸壁で艤装工事と洋上試験の準備が進められました。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクの洋上試験の準備を進めている]

2022年7月19日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は洋上試験(工場航行試験)を行なう為にセヴェロドヴィンスクから出航しました。

現在の所、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されています。
[最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年12月末にロシア海軍へ引き渡される]
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。

ヤーセン級原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクと原子力巡洋潜水艦ヴェプリは2022年7月31日のロシア海軍の日にクロンシュタットの観艦式へ参加する

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『タス通信』より
2022年7月20日6時40分配信
【プロジェクト「ヤーセン」原子力潜水艦は初めて主要海軍パレードへ参加する】
モスクワ、7月20日/タス通信

北方艦隊多目的原子力潜水艦K-560「セヴェロドヴィンスク」(プロジェクト885「ヤーセン」)K-157「ヴェプリ」(プロジェクト971「シチューカ-B」)は、サンクトペテルブルクで7月31日に行なわれるロシア連邦海軍の日に因んだパレードへ参加する。
『タス通信』は市の治安機関の情報筋より伝えられた。

「北方艦隊の原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクとヴェプリ、そして更にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"大型揚陸艦イワン・グレンは、今年の主要海軍パレードへ参加します」
対談者は話した。

彼によると、前日にバレンツ海からの艦隊間移動任務を遂行した後、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」大型揚陸艦「イワン・グレン」を伴ってバルト海へ入った。
原子力艦「セヴェロドヴィンスク」「ヴェプリ」フィンランド湾へ入るのは7月23日頃になると見られており、それと同時にクロンシュタット泊地でパレードへの参加準備へ着手する。
原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」主要海軍パレードへ参加するのは初めてであり、潜水艦「ヴェプリ」は、昨年にも参加している。

『タス通信』は、この件について公式のコメントを得ていない。

7月19日、『Ritzaus Bureau』誌は、デンマークの軍艦が、デンマーク領海を通過してバルト海へ向かう原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」をエスコートしたと報じた。

以前、国防省のトップ、セルゲイ・ショイグはオンライン会議において、全ての艦隊及び小艦隊の駐留所、そして更に地中海沿岸のシリアタルトゥースの海軍パレードには200隻の軍用艦が参加すると述べた。
彼によると、7月31日のサンクトペテルブルクのパレードには47隻の戦闘艦艇潜水艦が参加する。
初めてパレードへ女性乗組員の哨戒艇「ラプトル」が参加する。



プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工され、2010年6月15日に進水し、2014年6月17日にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入されました。

2021年2月5日には巡航ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

2021年10月4日には極超音速ミサイル「ツィルコン」の水中発射試験を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

2022年6月20日にはバレンツ海対艦ミサイル「カリブル」を発射しています。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクとスモレンスクはバレンツ海で対艦ミサイルを発射した]


プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-157「ヴェプリ」は1990年6月16日に『セヴマシュ』で起工され、1994年12月10日に進水し、1995年11月30日にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入されました。

2014年から近代化改装が始まり、2020年8月初頭までに完了しました。
[近代化改装された原子力巡洋潜水艦ヴェプリはロシア海軍北方艦隊へ復帰した]

2021年7月25日の『ロシア海軍の日』クロンシュタットで行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[2021年7月25日のクロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加する北方艦隊の3隻の原子力潜水艦は現地へ到着した]

2022年5月12日にはバレンツ海原子力水中巡洋艦「カザン」(2021年5月7日就役)と対戦方式の水中戦闘訓練を行ないました。
『ズヴェズダーテレビ』より
2022年5月12日15時9分配信
【北方艦隊の潜水艦はバレンツ海の「決闘」で対決した】


そして2022年7月31日の『ロシア海軍の日』クロンシュタットで行なわれる観艦式(主要海軍パレード)には、昨年に引き続き「ヴェプリ」と、初めて「セヴェロドヴィンスク」が参加します。

ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはバレンツ海でロシア航空宇宙軍の戦略爆撃機Tu-160をエスコートした


『タス通信』より
【2機のロケット機Tu-160はバレンツ海エリア上空で計画飛行を実施した】
モスクワ、7月19日/タス通信

戦略ロケット機Tu-160バレンツ海エリアの哨戒を実施した。
火曜日にロシア連邦国防省は発表した。

「遠距離航空隊の2機の戦略ロケット機Tu-160は、バレンツ海の中立水域の上空域でで計画飛行を実施しました」
当局は指摘した。

当局によると、戦闘機の護衛は、北方艦隊航空・防空連合部隊航空機MiG-31乗員により提供された。
飛行は7時間以上に及んだ。

遠距離航空隊航空機の乗員は、北極圏、北大西洋、黒海、バルト海、太平洋の中立海域上空での飛行を定期的に行なっている。
ロシア航空宇宙軍航空機の全ての飛行は、空域使用に関する国際法規に厳密に沿って実施されている。



第45航空・防空軍は、北方艦隊の指揮下で北極圏の防空を担当する為、元々の北方艦隊海軍航空隊に、ロシア航空宇宙軍(空軍)から移管した航空部隊及び防空部隊を加えて2015年12月に編成されました。

この時、モンチェゴルスク飛行場に駐留し、高空迎撃戦闘機MiG-31を有するヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊も移管されました。
(MiG-31の他に前線爆撃機Su-24M、戦術偵察機Su-24MRを保有)
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第98親衛混成航空連隊の20機のMiG-31は、2019年末までにMiG-31BMにアップグレードされました。

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モンチェゴルスク飛行場に駐留している北方艦隊MiG-31BMですが、2021年1月16日から北極圏ノヴァヤ・ゼムリャに分遣隊を派遣し、ロガチョフ飛行場へ駐留する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ配備された]
[北極のノヴァヤ・ゼムリャ諸島へ派遣されたロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは交代した]
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3月26日には2機のMiG-31が初めて北極点上空を飛行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上へ浮上した]

3月29日、北方艦隊MiG-31BMフランツ・ヨシフ諸島アレクサンドル島ナグルスカヤ飛行場から離陸し、北極点を通過してモンチェゴルスク飛行場へ戻りました。
飛行中、2度の空中給油を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極上空の飛行中に2度の空中給油を行なった]

4月7日、北方艦隊MiG-31BMは、バレンツ海上空を飛行するノルウェー空軍電子戦機ファルコン 20へのスクランブル発進を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはバレンツ海でノルウェー空軍の電子戦機ファルコン 20に対するスクランブル発進を行なった]

5月11日にはバレンツ海上空を飛行するノルウェー空軍対潜哨戒機P-3Cへのスクランブル発進を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはバレンツ海でノルウェー空軍の対潜哨戒機P-3Cに対するスクランブル発進を実施した]

2022年7月19日にはバレンツ海上空を飛行するロシア航空宇宙軍戦略爆撃機Tu-160をエスコートしました。

ロシア海軍太平洋艦隊の輸送戦闘ヘリコプターKa-29はカムチャツカ半島で実弾射撃訓練を実施した


『Aviation EXplorer』より
【カムチャツカの打撃ヘリコプターKa-29は海上射爆場でロケット発射を実行した】
2022年7月18日、AEX.RU

ロシア北東集団混成航空連隊打撃ヘリコプターKa-29乗員は、射爆場で実際にロケット発射と機関砲射撃を実行する演習を行なった。
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演習の筋書きによると、アヴァチャ湾ハラクティルスキー海岸地域の太平洋艦隊戦闘訓練射爆場で、仮想敵の海上揚陸部隊の上陸が発見された。
敵を捜索し、破壊する為、指定地域へ海上航空隊ヘリコプターKa-29が向かった。
「敵」グループの探知後、飛行士は無誘導航空ロケット機関砲兵器の助力を得て地上目標を破壊した。

飛行及び実地射撃は、戦闘訓練計画に沿って太平洋艦隊海上射爆場海域の上空で実施された。
飛行実施に先立ち、飛行士は、飛行訓練任務を保障する整備技術要員、地上要員、専門家と共に準備状態を点検する綿密な準備を行なった。



カムチャツカ方面に駐留するロシア太平洋艦隊北東軍集団に配備されているヘリコプター(対潜ヘリコプターKa-27PL、捜索救助ヘリコプターKa-27PS、戦闘輸送ヘリコプターKa-29)は、エリゾヴォ飛行場に駐留する第175独立艦上対潜ヘリコプター飛行隊に所属しています。
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この内の戦闘輸送ヘリコプターKa-29は、1990年代以降に一旦予備役として保管されていましたが、2016年から修復が開始されました。
[ロシア海軍航空隊へ戦闘輸送ヘリコプターKa-29が復活する]

2016年末以降、太平洋艦隊へのKa-29の再配備が始まりました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29が修復された]
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]

現在、太平洋艦隊には、12機程度のKa-29が配備されており、その一部はカムチャツカ方面へ配備されています。

[ロシア海軍太平洋艦隊の輸送戦闘ヘリコプターKa-29はカムチャツカ半島で海軍歩兵部隊の火力支援訓練を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の輸送戦闘ヘリコプターKa-29はカムチャツカ半島で海軍歩兵部隊の降下訓練を行なう]

近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2022年7月末から乾ドックでの作業を開始する

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『タス通信』より
2022年7月19日7時31分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」のドック修理は近日中に始まる】
モスクワ、7月19日/タス通信

ムルマンスク『第35艦船修理工場』(『統合造船業営団』へ加入している艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)での航空母艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」のドック修理は近日中に始まる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

「先日、第35工場のドックに居る航空母艦は盤木(艦の船体を設置するドックの底の装置)の上に立ちました。
これは、おそらくは来週からになるであろうドック修理を開始する為の道を開くものです」

彼は話した。

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』は、情報筋からの情報について『タス通信』へコメントしなかった。

以前に『タス通信』は、航空母艦が5月中旬にドックへ入ったと伝えた。
その後、防水扉の復旧と排水に2ヶ月掛かると予想されていた。

更に工場『セヴマシュ』は、航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」ドック修理を行なうムルマンスク『第35艦船修理工場』の技術的再装備の枠組みにおいて、2022年に水密性扉を建設すると発表した。
ロシアで3月19日に祝われた『潜水艦船員の日』の際に同社の総取締役ミハイル・ブドニチェンコ『タス通信』へ伝えた。
水密性扉は一時的な防水扉に代わる。



ロシア海軍唯一の「航空母艦」ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)は、シリア作戦(2016年11月~2017年1月)から帰投した翌年の2018年4月23日に近代化改装の契約が締結され、その直後に工事が開始されました。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の契約は締結された]


近代化改装の全容は明らかにされていませんが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システム、航空機管制複合体、火災探知システムなどは新型に変更される事になるようです。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

近代化改装を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、少なくとも20年間の就航が可能となります。
つまり、2040年頃までは現役に留まるという事です。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは近代化改装後、少なくとも2040年まで現役に留まる]

プロジェクト11435重航空巡洋艦(アドミラル・クズネツォフ)を設計した『ネフスキー計画設計局』により、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな近代化改装案が作成されました。
[ネフスキー計画設計局はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装の為の準備を進めている]
「アドミラル・クズネツォフ」には、新たな淡水化装置が設置されます。

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装により新型の高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が装備されます。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、近代化改装の際に新たな航空機管制複合体を装備します。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな航空機管制複合体を装備する]
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは新たな航空機管制複合体レジストル-Eを装備する]

更には、ロシア海軍新型フリゲート・プロジェクト22350(「アドミラル・ゴルシコフ」型)で初めて採用される最新の高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」の装備も計画されています。
[近代化改装されるウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは最新高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートを装備する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の費用については、これまでに様々な数字が出ていましたが、結局、約600億ルーブルに落ち着いたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代化改装の費用は約600億ルーブルになる]

「アドミラル・クズネツォフ」機関(蒸気タービン)自体は変更されませんが、蒸気発生用のボイラーは8基全てが交換される事になり、2018年7月下旬からボイラーの撤去作業が始まりました。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのボイラーの撤去作業が始まった]

蒸気タービン機関自体も大規模な修復が行なわれます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは蒸気タービンエンジンを修復する]

「アドミラル・クズネツォフ」は、8基のボイラー(KVG-4)を、新たに製造されたボイラーKVG-4と交換します。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年9月4日8時0分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の新たなロシア製ボイラーは25年と見積もられている】
新たなボイラーKVG-4の寿命は25年になります。

「アドミラル・クズネツォフ」の火災探知システムは、予算の都合の為か、半分だけが新型に取り換えられることになるようです。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは火災探知システムの半分を新型に替える]

更には、電力供給体系(ケーブル線)の一部も更新されます。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは電力供給体系を部分的に更新する]


「アドミラル・クズネツォフ」は、2018年9月17日にムルマンスク北東のロスリャコヴォ第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは大型浮きドックPD-50へ入った]

2018年10月30日未明、大型浮きドックPD-50へ入渠していた「アドミラル・クズネツォフ」の出渠作業中、突然に電力供給が止まり、浮きドックは沈没しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを修理中の浮きドックPD-50で事故が発生した]

この事故により、浮きドックPD-50のクレーン1基が「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下し、甲板を損傷しました。
具体的には、飛行甲板に直径5メートル程の穴が開きました。

「アドミラル・クズネツォフ」は、事故後にロスリャコヴォからムルマンスク第35艦船修理工場へ回航され、第24埠頭(「アドミラル・クズネツォフ」がいつも停泊している場所)へ係留されました。

「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板へ落下したクレーンは、12月下旬に撤去されました。
[浮きドックPD-50の沈没事故により航空母艦アドミラル・クズネツォフの飛行甲板へ落下したクレーンは完全に撤去されている]


2019年12月12日10時16分(モスクワ時間)、近代化改装工事中の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の第1発電機区画での溶接作業中に火災が発生しました。
[近代化改装工事中の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフで火災が発生した]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報]
[ロシア海軍の航空母艦アドミラル・クズネツォフ火災事故(2019年12月12日)続報(その2)]
火災は24時間以内に鎮火されましたが、乗組員の士官2名が死亡し、他に14名が火災発生時の有毒ガスによる中毒で入院しました。

この火災により、「アドミラル・クズネツォフ」第1発電機区画が全焼しましたが、致命的な損傷は受けておらず、修理及び近代化改装作業は続行されています。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、2019年12月12日の火災により致命的な損傷は受けておらず、修復及び近代化されて復帰する]

『統合造船業営団』総裁アレクセイ・ラフマノフ氏によると、「アドミラル・クズネツォフ」の火災による損害額は、3億ルーブル~3億5000万ルーブルになるとの事です。
[ロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの2019年12月12日の火災の損害額は3億5000万ルーブルと見積もられた]


従来の『第35艦船修理工場』乾ドックのサイズでは、「アドミラル・クズネツォフ」は入渠できませんでしたが、これを、同艦が入渠できるサイズに拡張する計画は以前から有り、PD-50沈没事故を受け、これが実行に移される事になりました。
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[ムルマンスクの第35艦船修理工場は再構築(ペレストロイカ)される]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]

『第35艦船修理工場』の2つの乾ドックを結合し、「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるサイズに拡大します。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは、ムルマンスク艦船修理工場の乾ドック拡張後にドック入りする]
この乾ドックは、取りあえずは「アドミラル・クズネツォフ」が入渠できるように最低限の工事を行ない、その後、2023年までに恒久的な施設として完成させる予定です。

なお、乾ドック拡張工事の最中、請負業者と発注者『第35艦船修理工場』との間で金銭トラブルが発生した為、2020年6月下旬に新たな請負業者として『オルゲネルゴストロイ』商会が選ばれ、工事が再開されました。
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[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグはウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの近代改装を行なっているムルマンスク艦船修理工場を視察した]

新たな乾ドックへの注水は2022年3月下旬に完了し、「アドミラル・クズネツォフ」の入渠は2022年4月に予定されていましたが、気象条件などの理由により、5月20日にずれ込みました。
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[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2022年4月に新たな乾ドックへ入渠する]

乾ドックは未だ正式の水密性扉が設置されておらず(セヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で建設中、2022年末までに完成予定)、暫定的な防水扉ドックの入り口を塞いで水を抜く作業は2か月ほど掛かり、7月末にはドックでの修理作業(吃水線より下の部分の作業)が始まります。


以前には、「アドミラル・クズネツォフ」は2023年末までに近代化改装を終えて復帰する予定でしたが、2024年に延期される事になりました。
[ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2024年に近代化改装を終えてロシア海軍へ復帰する]

ロシア海軍黒海艦隊の中型偵察艦キルディンと小型海洋給油船ヴィツェ・アドミラル・パロモフはアルジェリアのアルジェ港を訪れた

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『タス通信』より
2022年7月19日6時39分配信
【黒海艦隊の偵察艦「キルディン」はアルジェ港へ寄港した】
モスクワ、7月19日/タス通信

地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として行動している黒海艦隊中型偵察艦「キルディン」小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は3日間の訪問の為にアルジェ港へ寄港した。
『タス通信』は海軍分野の情報筋より伝えられた。

「軍艦キルディンと給油船ヴィツェ・アドミラル・パロモフは、7月17日にアルジェ港へ寄港しました。
これらの訪問は7月19日まで続きます」

対談者は話した。

『タス通信』は、この件についてロシア側からの公式な情報を持っていない。

次に、アルジェリア人民防衛省が日付を明らかにせずに発表したように、「水路調査船キルディンと給油船ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」訪問の目的は、我々の海軍とロシア海軍との間の2国間軍事協力の強化、経験の交換、軍の間の連携の強化に在る。



プロジェクト861水路調査船の13番船「キルディン」ポーランドグダニスク造船所で建造され、1969年12月31日に進水し、1970年5月23日にソヴィエト海軍へ引き渡され、北方艦隊へ編入されました。

その後、プロジェクト861M中型偵察艦に改造され、1977年に黒海艦隊へ転属しました。

1999年3月~6月のNATO軍ユーゴスラビア空爆の際にはアドリア海NATO軍の監視任務に就きました。

2000年2月には地中海東部NATO軍の監視任務に就きました。

2013年に地中海ロシア海軍常設作戦連合部隊が創設されてからは頻繁に地中海へ派遣されるようになりました。

2014年8月3日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
2ヶ月間地中海で行動した後、11月9日に同海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2015年6月20日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
3ヶ月間地中海で行動した後、10月1日に同海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2016年8月21日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
2ヶ月間地中海で行動した後、11月8日に同海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2017年2月5日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
4ヶ月半ほど地中海で行動した後、6月24日に同海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2017年8月2日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、同海域で行動した後に黒海へ戻りました。

2018年6月9日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦キルディンはシリア沖へ行く]
4ヶ月間地中海で行動した後、10月18日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2019年6月6日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
半年間ほど地中海で行動した後、、2020年1月13日に同海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ帰投しました。

2021年10月8日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
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2021年10月下旬にはアラビア海へ進出し、オマーンマスカット港へ寄港した後、11月1日に出航し、アラビア海で行動中のイギリス海軍空母部隊を追跡しました。
『SwissInfo』より
2021年11月7日16時43分配信
【ロシア海軍の偵察艦はオマーン近くのブリテン航空母艦グループを追跡している-メディア】

その後に地中海へ戻りました。


プロジェクト03182小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は、ニジニ・ノヴゴロド造船工場『ヴォルガ』で2016年9月1日に起工され、2018年12月20日に進水、2021年5月29日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式にロシア海軍へ就役、黒海艦隊へ編入されました。
[小型海洋給油船ヴィツェ・アドミラル・パロモフはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]


2021年10月3日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
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以後、現在まで地中海に滞在しています。


2022年7月17日、「キルディン」「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」アルジェリアアルジェ港へ寄港しました。


現在、地中海(主に東部)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」:2021年12月末から地中海に滞在

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海に滞在
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小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」2022年1月下旬から地中海に滞在


対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」2022年1月下旬から地中海に滞在
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中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海に滞在

小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海に滞在

海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2022年1月下旬から地中海に滞在
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対工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海に滞在

[太平洋艦隊]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」
2022年2月初頭から地中海に滞在
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」:2022年2月初頭から地中海に滞在
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」:2022年2月初頭から地中海に滞在

[北方艦隊]
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」
:2022年2月中旬から地中海に滞在
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2022年2月中旬から地中海に滞在
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2022年2月中旬から地中海に滞在
救助曳船SB-406:2022年2月中旬から地中海に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2022年2月中旬から地中海に滞在

[バルト艦隊]
工作船PM-82
:2022年3月末から地中海に滞在
中型偵察艦「ワシーリー・タチシシェフ」:2022年5月末から地中海に滞在

極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」水上発射型は2022年末にロシア海軍へ制式採用される

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『タス通信』より
2022年7月18日9時10分配信
【水上発射型「ツィルコン」は年末までに海軍へ軍備採用されるだろう】
モスクワ、7月18日/タス通信

ロシア海軍水上艦の為の最新極超音速ミサイル「ツィルコン」は、2022年末までに軍備採用されるだろう。
『タス通信』は月曜日にロシア連邦軍当局に近い情報筋より伝えられた。

「製品の国家試験は完了しており、今後5ヶ月以内に水上型ツィルコンは海軍への軍備採用が見込まれています」
彼は話した。

対談者によると、レウトフ科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)は「ツィルコン」の量産を続け、更に並行してミサイルの飛翔距離増大の為の作業も進めている。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。


以前、5月28日に極超音速ミサイル「ツィルコン」の最大距離での発射試験が行なわれ、この作業で水上搭載艦~北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」からの製品の国家試験は完了した。
ロシア連邦国防省は、艦がバレンツ海から距離約1000キロメートルの白海海上標的「ツィルコン」の射撃を実施したと発表した。

[ミサイル「ツィルコン」]
2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、その連邦教書演説中、複合体「ツィルコン」から成るミサイルは、マッハ9(音速の9倍)に等しい速度を発揮でき、1000キロメートル以上の射程を有すると言った。
2021年8月24日、軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』において、ロシア連邦国防省への「ツィルコン」供給契約が締結された。
2021年12月24日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、「ツィルコン」の一斉発射が行なわれたと発表した。
試験は、彼によると「成功し、申し分なかった」
2021年秋、水中搭載艦~原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」からのミサイルの最初の試験が始まった事が発表された。

2022年5月、『タス通信』の情報筋は、更にミサイル「ツィルコン」を持つ沿岸ミサイル複合体の開発が進められていると述べた。
その前任者~超音速ミサイル「オーニクス」を持つ沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、シリアテロリストの地上目標ウクライナ特殊作戦中の目標を成功裏に撃破した。



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極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」(ジルコン、風信子石)は、以前に長距離超音速有翼ミサイル「バザーリト」/「ヴルカーン」「グラニート」、そして超音速ミサイル「オーニクス」を開発した科学生産合同『機械製造』が新たに開発しているミサイルです。

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[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]

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[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

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[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

科学生産合同『機械製造』は、長距離超音速有翼ミサイル「グラニート」の直接の後継となる筈だった「ボリード」(最大射程800km、飛翔速度マッハ4)の開発を1980年代末から開始し、1991年にはエンジンの最初の試験が行われたのですが、1990年代末には開発は中止されました。

「ツィルコン」の開発には、「ボリード」の開発作業の経験もフィードバックされているようです。


「ツィルコン」の発射試験は、2015年秋頃から始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速巡航ミサイル"ツィルコン"の試験が始まった]

初期の「ツィルコン」の発射試験は、アルハンゲリスク州ネノクサ村に在るロシア海軍ミサイル発射試験場で行なわれており、初期には失敗した事も有るようです。
[ロシア海軍の為の巡航ミサイルは試射中にアルハンゲリスク州ネノクサ村の住宅へ落下した]
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「ツィルコン」の発射試験は秘密裡に行なわれ、2016年4月に行なわれた試験では最大速度マッハ8を記録しました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は発射試験で最大速度マッハ8に達した]

「ツィルコン」の試験完了と生産開始は、2018年からスタートする新たな国家軍備プログラム(2018-2027年の国家軍備プログラム)において実現する事になります。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は新たな2018-2027年の国家軍備プログラムにおいて開発を完了し、生産を開始する]

ネノクサ村ミサイル発射試験場からの「ツィルコン」発射試験は、10回以上行なわれました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は10回以上の発射試験を行なった]

2019年2月20日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチン氏は、教書演説において極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発は順調に進んでいると発言しています。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の開発は滞りなく進んでいる]

地上からの発射試験に続き、海上での発射試験が北方艦隊プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」(2018年7月28日就役)により行なわれる事になりました。
[ロシア海軍の新たな極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"は2019年末にフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で洋上発射試験を行なう]

「アドミラル・ゴルシコフ」は2019年11月末に「ミサイル兵器」の試験の為、セヴェロドヴィンスクへ移動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

ただ、この時には発射試験は行わず、2019年12月末にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2020年1月初頭、「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
ミサイルは500キロメートル以上を飛翔し、北ウラルの地上目標へ命中しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」からの2回目の「ツィルコン」発射試験は、当初は2020年春に実施される予定であり、同艦は2020年4月初頭にセヴェロドヴィンスクへ回航され「ツィルコン」の運用(発射)に関する部分的な近代化改装が行なわれました。
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[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

しかし、発射試験はコロナウイルスの影響により何度も延期されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

結局、白海で2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

なお、2021年8月23日には、「ツィルコン」の供給契約が締結されています。
『タス通信』より
2021年8月24日19時37分配信
【国防省は極超音速ミサイル「ツィルコン」供給契約を締結した】

一方、原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」による水中からの発射試験は2021年9月の実施が予定されていましたが、10月にずれ込みました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは2021年9月に極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を開始する]

10月3日、「セヴェロドヴィンスク」は浮上状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

翌10月4日には潜航状態で「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスク、水中から極超音速ミサイル"ツィルコン"発射(2021年10月4日)]

「ツィルコン」の水上試験艦であるフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

「アドミラル・ゴルシコフ」は11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも「アドミラル・ゴルシコフ」白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

そして12月24日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、産業貿易相デニス・マントゥロフ氏や安全保障会議副議長ドミトリー・メドベージェフ氏などが参加するリモート会議の席上で、同日朝(モスクワ時間5時30分)に「ツィルコン」の一斉発射試験、つまり2発以上のミサイルの同時発射に成功したと発表しました。
[ロシア海軍は極超音速ミサイル「ツィルコン」の一斉発射試験に成功した]
プーチン大統領は、それ以上具体的な事は明らかにしませんでしたが、この発射試験も「アドミラル・ゴルシコフ」白海から実施した事は間違いないでしょう。
何処へ向けて発射したのかも明言されていませんが、順当に行って海上目標でしょう。

これで水上発射型「ツィルコン」の国家試験は完了し、国家委員会はロシア海軍「ツィルコン」の軍備採用を勧告しました。
[国家委員会はロシア海軍へ極超音速ミサイル「ツィルコン」水上発射型の制式採用を勧告した]

2022年2月19日に実施されたロシア連邦軍戦略抑止力演習の最中、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア連邦軍戦略抑止力演習でロシア海軍の北方艦隊と黒海艦隊は、弾道ミサイルと巡航ミサイル、極超音速ミサイルを発射した]

2022年5月28日、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」バレンツ海から「約1000km」離れた白海の海上標的へ「ツィルコン」を発射しました。
ただし、約(около)1000kmですから、実際には700km~800km程度でしょう。

[ロシア海軍のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」、距離約1000kmの海上標的へ極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射(2022年5月28日)]

水上発射型「ツィルコン」は2022年末までに軍備採用されます。


北方艦隊では、既に「ツィルコン」の保管倉庫の建設が始まっています。
[ロシア海軍北方艦隊で極超音速ミサイル"ツィルコン"の保管倉庫の建設が始まった]

水中発射型「ツィルコン」の次の発射試験は、「ヤーセン」シリーズの6番艦「ペルミ」(2016年7月29日起工、2025年就役予定)で2024年に行なわれるとの事ですから、2021年10月初頭の「セヴェロドヴィンスク」による水上及び水中からの発射試験の結果を受け、何らかの改正や修正が行なわれるようです。
[原子力潜水艦からの極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験は2024年に再開される]

2021年11月下旬に「ツィルコン」の量産が始まりました。
[ロシア海軍の為の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の量産が始まった]
おそらくは水上発射型でしょう。

水中発射型「ツィルコン」ロシア海軍への供給は、2025年以降になるようです。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"潜水艦発射型のロシア海軍への供給は2025年に始まる]


「ツィルコン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」対地/対艦巡航ミサイル「カリブル」の両方を発射できる汎用垂直発射機3S-14UKSKから発射できます。
(つまり、「カリブル」「オーニクス」と発射機を共有できる)

「ツィルコン」は、ロシア海軍の新世代艦であるプロジェクト22350フリゲート及びプロジェクト22350Mフリゲートプロジェクト885/885M「ヤーセン」原子力水中巡洋艦に装備されます。

この他、現在、大規模な近代化改装が行なわれている重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」にも装備されます。
[近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはロシア海軍の新世代水上艦と同じ兵装を得る]

同様に大規模な近代化改装が行なわれるプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級巡航ミサイル原潜)にも装備されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2022年12月に完了する]

「ツィルコン」は、実質的には「グラニート」の後継という位置付けになるようです。

この他、現在、設計作業が進められており、2020年代から建造が始まるロシア海軍第5世代原子力潜水艦「ハスキー」/「ライカ」級にも装備されます。
[ロシア第5世代多目的原子力潜水艦プロジェクト「ハスキー/ライカ」]

「ツィルコン」は、航空機や偵察衛星などと連動して運用されます。
[ロシア海軍の極超音速ミサイル"ツィルコン"は航空機や偵察衛星と連動する]

クリミア半島の艦上航空隊訓練複合体ニートカでの2022年のロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機隊の訓練は中止された

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『タス通信』より
2022年7月17日17時38分配信
【情報筋:艦上飛行士の為のクリミアの地上「航空母艦」の使用は未だ計画されていない】
モスクワ、7月17日/タス通信

北方艦隊艦上航空隊飛行士の訓練の為のサキ地上「航空母艦」地上試験訓練複合体(ニートカ)の使用は、未だ計画されていない。
『タス通信』クリミアの軍機関に近い情報筋より伝えられた。

「艦上航空隊の飛行士の訓練の為のクリミアの複合体ニートカの使用は、半島および海の上空域が、ウクライナ特殊軍事作戦中に戦闘任務を果たす航空機へ与えられているという事を含めた理由により、今年は未だ計画されておりません」
彼は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

ロシアでは、毎年7月17日に『海軍航空隊の日』を祝っている。

2021年秋、サキ複合体「ニートカ」北方艦隊海上航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊航空機Su-33及びSu-25UTG第100独立艦上戦闘機航空連隊MiG-29K/KUBの飛行士が訓練を実施した。
広報サービスが伝えたように、彼らは航空拘束装置のケーブルへフックを引っ掛けて地上トレーナーへ着陸する飛行を行なった。
この時、航空母艦の甲板へ着艦する為の訓練を、5名の若いパイロットを含む艦上航空隊の7名の飛行士が受けた。

[複合体「ニートカ」と航空母艦]
航空母艦
から飛行する前に、艦上航空隊の飛行士は、現行の規則により、その許可を受けなければならない。
その訓練の為、サキエイスクの2つの複合体ニートカを使用できる。
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複合体「ニートカ」は、艦上航空隊航空機の発艦及び着艦へ取り組む為に意図されている。
サキ複合体は、トランポリン台航空機拘束装置を持つ艦の甲板の形の鋼鉄の飛行スペースを備える集合飛行場である。
飛行スペースの寸法は、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板に等しい。

2017年2月、北方艦隊航空打撃艦グループ地中海からセヴェロモルスクへ戻ってきた。
グループの構成には、特に、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が居た。
ロシア海軍の現代史で初めて「クズネツォフ」艦上航空隊シリア軍事作戦へ関わった。
戦闘作業には、主に第279独立艦上戦闘機航空連隊のパイロットが参加した。

現在、「ソヴィエト連邦海軍元帥クズネツォフ」は、『第35艦船修理工場』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』支所)のドックで修理中である。



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ソヴィエト連邦時代(1980年代初頭)、ウクライナには航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]




ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]

しかし、2013年にはロシア「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]

その一方、ロシアは、クラスノダール地方エイスク市に新たな「ニートカ」の建設を開始しました。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]
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その後、2014年3月18日にロシアウラジーミル・プーチン大統領クリミア自治共和国ロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、クリミア半島サキに在る「ニートカ」は再びロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]
[クリミア半島のニートカは2015年2月末から本格的に稼働を再開する]

これにより、クリミア旧ニートカは主に現用のロシア海軍艦上戦闘機隊の訓練に使われ、エイスク新ニートカは主にロシア海軍航空隊の新型航空機の各種試験と訓練に使われる事になりました。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]

2014年9月初頭、ロシア海軍Su-33艦上戦闘機は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]

以後、クリミア「ニートカ」ではSu-33艦上戦闘機の訓練が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]


一方、エイスク新ニートカでは、主に新型機の試験や訓練が行なわれています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[エイスク飛行場にロシア海軍航空隊の新型シミュレーターが設置された]
[クラスノダール地方エイスクのロシア海軍の新ニートカは2022年に完成する]


2019年には、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBが10月、Su-33が2月と11月にクリミア「ニートカ」で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカでの訓練を完了した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで『発着艦』訓練を行なう]

2020年にはクリミア「ニートカ」での艦上戦闘機隊の訓練は実施されませんでした。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカは修理及び近代化される]

クリミア「ニートカ」の修理及び近代化の為の契約は、2021年5月下旬に署名されました。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカの修理及び近代化の契約が締結された]
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカの着艦拘束装置は2022年に修理される]

2021年8月中旬、第279独立艦上戦闘機航空連隊Su-33サキ飛行場へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33のパイロットはクリミア半島の訓練複合体ニートカでの訓練を開始した]

飛行訓練は9月末に完了し、その後、セヴェロモルスク-3飛行場へ戻りました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練完了(2021年9月末)]

続いて、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29Kサキ飛行場へ進出し、10月上旬から11月中旬まで飛行訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K、クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカで発着艦訓練(2021年10月上旬~11月中旬)]
11月24日にセヴェロモルスク-3飛行場へ戻りました。
[クリミアのサキ飛行場の訓練複合体ニートカでの発着艦訓練を終えたロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29Kはセヴェロモルスク-3へ戻った]

2022年にも第279航空連隊第100航空連隊サキ飛行場「ニートカ」で「発着艦」訓練を行なう予定でした。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機隊は2022年にもクリミア半島の艦上航空隊訓練複合体ニートカで訓練を行なう]

しかし、2022年2月24日にロシア連邦軍ウクライナ特殊軍事作戦が始まり、黒海艦隊多用途複座戦闘機Su-30SM前線爆撃機Su-24Mが駐留するサキ飛行場も前線飛行場として使用される事になった為、サキでの艦上戦闘機隊の訓練は中止されました。
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ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナ空軍と外国との兵器供給会議中のヴィーンヌィツャの将校集会所を破壊した


『ロシア通信社ノーボスチ』より
202年7月15日12時17分配信
【ロシア軍は外国供給者とのウクライナ軍の会議参加者を撃破した】
モスクワ、7月15日-ロシア通信社ノーボスチ

海上発射高精度ミサイル「カリブル」による打撃は、木曜日にヴィーンヌィツャ将校集会所で外国の兵器供給者の代表とのウクライナ空軍司令部の会議の参加者を破壊した。
金曜日にロシア国防省は発表した。
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「7月14日、海上発射高精度ミサイル"カリブル"はヴィーンヌィツャの将校集会所の建物へ打撃を与えました。
打撃の時点で、この施設では、ウクライナ軍への次の一群の航空機、攻撃手段の供給、そして更にウクライナ航空機群の修理の組織化の問題に関するウクライナ空軍司令部と外国の兵器供給者の代表との会議が行なわれていました」
ロシア軍当局
の報告書は述べた。

「打撃の結果、会議の参加者は破壊されました」
ロシア連邦国防省
は強調した。



ロシア連邦軍「ウクライナ特殊軍事作戦」を開始した2022年2月24日、ロシア航空宇宙軍航空機ロシア海軍黒海艦隊巡航ミサイル「カリブル」搭載艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
初日には、少なくとも30基の「カリブル」が発射されたようです。
『WION』より
2022年3月5日4時23分配信
【ロシアのウクライナ攻撃:巡航ミサイル「カリブル」はシリアの戦場でテストされた】

現在、黒海に居る「カリブル」搭載艦は9隻です。
フリゲート「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」
小型ロケット艦「グライヴォロン」、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「イングシェチア」
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「スタールイ・オスコル」、「コルピノ」

(この他、未だ正式に就役していない小型ロケット艦「ツィクロン」)

航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、2月25日深夜~2月26日未明にもウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は夜間にウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同じ2月26日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦により、もう一度大規模な巡航ミサイル攻撃がウクライナに対して行なわれました。
[2022年2月26日にロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」による攻撃を行なった]

3月1日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月20日には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦「ウクライナ特殊軍事作戦」において初めてウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊はウクライナ特殊軍事作戦において初めてカスピ海から巡航ミサイル「カリブル」をウクライナのムィコラーイウ州へ発射した]

同じ3月20日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ北西部のネージン車両修理工場への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からウクライナのネージン修理工場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドネツクルガンスクウクライナ軍施設への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からドネツクとルガンスクのウクライナ軍施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日夕方、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ西部リヴネ市北西のオルツィヴウクライナ軍兵器庫へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からリヴネ近郊のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月24日夜、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ州カルィーニウカ燃料貯蔵所へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ州カルィーニウカのウクライナ軍燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月25日、黒海艦隊小型ロケット艦(「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ジトームィル州ヴェリキー・コロフンツィ地域の弾薬兵器庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


3月27日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ近郊のプレセツクミサイル倉庫「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ近郊のプレセツクのウクライナ軍ミサイル倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月28日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ジトームィル州ウショムールヴェセロフカの大型弾薬庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


4月2日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、クレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてクレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月3日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦及び航空宇宙軍航空機は、オデッサ市石油精製工場燃料貯蔵所巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオデッサの石油精製工場と燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月4日夜、黒海艦隊小型ロケット艦は、オチャコフ市付近のウクライナ軍特殊部隊訓練センター巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオチャコフのウクライナ軍特殊部隊訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナへ7基の巡航ミサイル「カリブル」を一斉発射した]

4月7日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊フリゲート(おそらくは「アドミラル・エッセン」)は、ウクライナ軍の4ヶ所の燃料貯蔵所へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート(アドミラル・エッセン)は黒海からウクライナ軍の燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月10日未明、黒海艦隊フリゲートは、ドニプロペトロウシク州ズヴォネツィキ巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは黒海からドニプロペトロウシク州へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドニプロペトロウシク州ドニプロ市南方の地対空ミサイルS-300が入っていた格納庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊しました。
このS-300は、ヨーロッパの国(おそらくは以前に供給を表明したスロバキア)からウクライナへ供給されたもののようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロ市郊外においてヨーロッパから供給されたS-300地対空ミサイルを巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

4月12日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、スタロコスチャンチニフ飛行場ハウルリフカの弾薬庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月13日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、サドヴォイ及びチュドニフウクライナ軍兵器庫巡航ミサイルを発射しました。
黒海艦隊小型ロケット艦が攻撃したのは、おそらくサドヴォイの方でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の兵器倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月15日には黒海艦隊の艦がキエフ州「カリブル」を発射し、対空ミサイル対艦ミサイルなどを生産しているジュリャンスク機械製造工場の生産設備を破壊しました。

『イズベスチヤ』より
2022年4月15日10時33分配信
【ロシア連邦軍はキエフ郊外の軍施設へ「カリブル」で打撃を与えた】

4月22日には黒海艦隊フリゲートメリオラチヴネ(ドニプロペトロウシク州)へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍大隊を撃破しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月22日11時35分配信
【咆哮と炎:黒海艦隊のフリゲート艦上からミサイル「カリブル」がウクライナの軍事施設へ発射された】

4月27日には黒海艦隊フリゲートザポリージャアルミニウムコンビナートカリブルを発射し、そこに在った外国製兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月27日11時34分配信
【目標へ向かって:ウクライナ特殊作戦中の「カリブル」発射の映像】

4月29日には黒海艦隊潜水艦ファスチフ(キエフ州)クラスノシルカポロンネ(オデッサ州)カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月29日11時51分配信
【黒海艦隊の潜水艦からの「カリブル」発射の公開映像】

5月4日には黒海艦隊潜水艦ウクライナの軍事インフラへ2基の「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月4日12時34分配信
【水面下からの攻撃:ウクライナの軍事インフラへの黒海艦隊潜水艦の「カリブル」発射映像】

5月8日にはリヴィウ州カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月8日20時52分配信
【機会は残さない:どのようにロシア軍はウクライナの軍事インフラ及び西側の兵器を破壊したのか】

5月13日にはクレメンチュグカリブルを発射し、石油精製施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月13日10時55分配信
【ロシア連邦国防省はクレメンチュグのウクライナ石油精製工場の生産力を破壊したと発表した】

5月17日には黒海艦隊フリゲートチェルニーヒウ州スームィ州カリブルを発射し、ウクライナ軍訓練センターを破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月17日12時53分配信
【一斉射撃:ウクライナ軍事インフラへの黒海艦隊フリゲートの「カリブル」発射の映像】

5月21日には黒海艦隊フリゲートジトーミル州の鉄道駅へカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された各種兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月21日13時20分配信
【敵の目標へ:黒海艦隊フリゲートからの「カリブル」発射の映像】

5月23日には黒海艦隊潜水艦ジトーミル州マリン鉄道駅へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍第10山岳強襲旅団の車両を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月23日11時35分配信
【車両の破壊:ロシアの海上発射高精度ミサイル発射の映像】

5月25日には黒海艦隊フリゲートザポリージャへ3基のカリブルを発射し、モトールシーチの生産工場を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月25日14時24分配信
【ウクライナ軍事インフラへの「カリブル」の夜間発射の公開映像】

6月12日には黒海艦隊フリゲートテルノーピリ州へ4基のカリブルを発射し、兵器倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月12日12時55分
【4つの高精度打撃:黒海艦隊のフリゲート艦上からのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月14日にはチェルニゴフ州ウクライナ軍弾薬庫「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月14日11時28分配信
【ロシア国防省はチェルニゴフ近辺のウクライナ軍弾薬庫を「カリブル」で破壊したと発表した】

6月15日には黒海艦隊フリゲートリヴィウ州へ4基のカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された兵器用の弾薬倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月15日14時15分配信
【ウクライナの目標への命中:黒海艦隊フリゲートからのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月19日昼には黒海艦隊フリゲートドニプロペトロウシク州カリブルを発射し、ウクライナ軍指揮所を破壊しました。

同日夜には黒海艦隊フリゲートムィコラーイウ市カリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与されたM777 155mm榴弾砲や戦闘装甲車両を破壊しました。

2022年6月19日15時11分配信
【黒海艦隊のフリゲート乗組員はウクライナ軍の施設へ4基のミサイル「カリブル」を発射した】


6月26日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、チェルニーヒウ州、ジトーミル州、リヴィウ州ウクライナ軍訓練センターを攻撃しました。
公表された動画を見る限り、少なくとも7基の「カリブル」が夜間に発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ軍の訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月8日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦オデッサ州リマン海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機2基を破壊しました。
この「ハープーン」イギリスが供給したものです。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でオデッサ州のウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機を破壊した]

7月11日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ドニプロペトロフスク州ラドゥシュノエ「カリブル」を発射し、アメリカから供給された兵器の弾薬の保管倉庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナでアメリカから供給された兵器の弾薬保管庫を破壊した]

7月13日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ザポリージャ市の高電圧機器工場付近でウクライナ軍第45砲兵旅団多連装ロケット砲を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はザポリージャでウクライナ軍第45砲兵旅団の多連装ロケット砲を破壊した]

7月14日にはウクライナ空軍司令部が在るヴィーンヌィツャの将校集会所へ「カリブル」が発射され、建物は破壊されました。
ロシア国防省の動画を見る限り、「ブヤン-M」小型ロケット艦が3基の「カリブル」を発射しています。
「カリブル」が命中した時、この集会所ではウクライナ空軍司令部の代表と外国の代表団の兵器供給に関する会議が行なわれていました。

近代化改装されたロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは黒海で洋上試験の第2段階を開始した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年7月15日10時51分配信
【「アルローサ」は工場航行試験の第2段階の為に黒海へ出航した】
セヴァストーポリ、7月15日-ロシア通信社ノーボスチ

近代化されたディーゼルエレクトリック潜水艦「アルローサ」は、少なくとも1週間続く工場航行試験第2段階の為に黒海へ出航した。
『ロシア通信社ノーボスチ』は、『黒海艦隊第13艦船修理工場』の広報秘書官セルゲイ・ゴルバチョフより伝えられた。

「アルローサ」の修理と近代化は5月に完了し、潜水艦は係留試験を行なった。
工場の取締役パーヴェル・フローリャは以前に「アルローサ」は新たな戦闘能力と技術的能力を得る事を指摘した。
7月初頭に潜水艦は工場試験の第1段階を実施し、洗い出された問題点を取り除く為にセヴァストーポリへ戻ってきた。

「潜水艦アルローサは、『第13艦船修理工場』での修理と近代化の後の工場試験第2段階の為に海上へ出航しました。
今回の出航は1週間以上続きます。
潜水艦の艦内には、機構の操作に関わる潜水艦船員を援助する艦隊の艦修理工が乗っています」
ゴルバチョフ
は話した。

近代化により潜水艦は、近年に黒海艦隊へ到着した6隻の潜水艦に匹敵するようになったと以前に工場広報サービスは述べた。
2014年から2016年の期間、第4旅団には最新のミサイル兵装を含む装備の新たな潜水艦6隻が次々と加わった:「ノヴォロシースク」、「ロストフ・ナ・ドヌー」、「スタールイ・オスコル」、「クラスノダール」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「コルピノ」

2013年まで長期に渡り黒海艦隊で唯一の稼働潜水艦であったディーゼルエレクトリック潜水艦「アルローサ」は、修理と近代化の為、2014年に『第13艦船修理工場』へ置かれた。



プロジェクト877V潜水艦B-871は、ロシア内陸部のゴーリキー(現ニジニー・ノヴゴロド)のクラースノエ・ソルモヴォ造船所で1988年5月17日に起工され、1989年9月10日に進水し、1990年12月30日に就役し、黒海艦隊へ配備されました。

プロジェクト877Vは、試験的に艦尾にポンプジェットを装備した実験艦です。
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1991年12月から1992年3月まで戦闘勤務を行ないましたが、1992年3月13日に乗組員の一部がウクライナへ忠誠を誓い、機関室を占拠して潜水艦の乗っ取りを試みました。
乗っ取りの試みは阻止されたものの、ソ連邦解体後のロシア・ウクライナ間の黒海艦隊分割・帰属問題も有り、更にはバッテリーの不調も有って1992年から1996年までは殆ど動きませんでした。

ただし、1996年2月10日公開のジャッキー・チェン主演の映画「First Strike」(ファイナル・プロジェクト)には、B-871が「出演」しています。

0:45から登場する潜水艦がB-871です。

1996年5月22日にバッテリーの交換を完了し、ようやく動けるようになりました。
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2004年1月5日に「アルローサ」と命名されました。
「アルローサ」は、ロシア宝石会社です。
【『アルローサ』公式サイト】

2011年6月にスペイン沖で実施された国際海軍演習『ボールド・モナーク-2011』に参加しました。


その後、2011年7月から2012年7月までバルト海沿岸のクロンシュタットで修理され、2012年9月にセヴァストーポリへ戻りました。
[ポンプジェット潜水艦アルローサは黒海へ戻る]
[ポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリへ戻った]

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2014年6月にセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が始まりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」の近代化改装作業の完了時期は何度も延期され、2017年末の完了予定も実現しませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する]

2014年から2016年に掛け、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦6隻が就役した為、黒海艦隊にとっては、「アルローサ」の復帰を急ぐ必要性は無くなりました。

そんな「アルローサ」ですが、今度はバルト艦隊へ転属させるという話が出てきました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはバルト艦隊へ転属する]
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装後にバルト艦隊へ転属するかもしれない]

『第13艦船修理工場』の岸壁に係留されていた「アルローサ」でしたが、2019年5月末に同社の浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリの浮きドックへ入った]
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「アルローサ」の近代化改装作業の完了は2019年に予定されていましたが、またも延期されました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサの近代化改装は2019年に完了する]

「アルローサ」は、2021年6月26日に浮きドックを出渠し、『第13艦船修理工場』の岸壁へ移動しました。
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「アルローサ」の近代化改装作業の完了は、2021年11月に予定されていました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサの近代化改装は2021年に完了する]

しかし結局、「アルローサ」の近代化改装工事の完了は2022年6月になりました。
『タス通信』より
2022年5月6日20時4分配信
【セヴァストーポリで潜水艦「アルローサ」の修理が完了する】

近代化改装により、「アルローサ」には巡航ミサイル「カリブル」の運用能力が付与されました。
『タス通信』より
2022年5月6日9時5分配信
【情報筋:「カリブル」で武装する潜水艦「アルローサ」は黒海に留まる】

2022年6月28日、「アルローサ」は洋上試験を行なう為にセヴァストーポリから出航しました。

[近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備したロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは黒海で洋上試験を開始した]

洋上試験の第1段階を終えた「アルローサ」は、7月8日に一旦セヴァストーポリへ帰投しました。
[近代化改装されたロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは黒海で最初の洋上試験を終えてセヴァストーポリへ帰投した]

7月15日にセヴァストーポリから出航し、洋上試験の第2段階を開始しました。

以前にはバルト艦隊への転属が予定されていた「アルローサ」ですが、結局、黒海艦隊第4独立潜水艦旅団へ留まる事になるようです。
[近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備するポンプジェット潜水艦アルローサはロシア海軍黒海艦隊へ復帰する]

ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスク、トムスク、原子力巡洋潜水艦クズバスは太平洋で3ヶ月間行動した後にカムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ帰投した

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『タス通信』より
2022年7月15日10時1分配信
【カムチャツカへ3隻の原子力潜水艦が戦闘勤務の後に戻ってきた】
タス通信、7月15日

プロジェクト971「シチューカ-B」原子力潜水艦と2隻のプロジェクト949A「アンテイ」原子力水中ロケット巡洋艦は、太平洋で任務を遂行した後にカムチャツカへ戻ってきた。
金曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「カムチャツカの太平洋艦隊潜水部隊の恒久駐留所へ、太平洋で任務を遂行した後の2隻のプロジェクト949Aアンテイ原子力水中ロケット巡洋艦とプロジェクト971シチューカ-B原子力潜水艦が戻ってきました。
潜水艦乗員は3ヶ月に渡り、巡洋潜水艦支隊を構成して太平洋で戦闘任務を遂行しました」

声明では、こう述べられた。

桟橋で乗組員は太平洋艦隊潜水部隊司令部の代表、潜水艦連合部隊本部の士官、ヴィリュチンスク市庁、家族に出迎えられた。
司令官は乗組員より戦闘勤務を完全に遂行し、材料部分は正常であり、乗組員は健常との報告を受けた。

太平洋艦隊潜水部隊司令官ウラジーミル・ドミトロフ中将は、与えられた任務を滞りなく遂行した原子力水中ロケット巡洋艦「オムスク」、「トムスク」、原子力潜水艦「クズバス」の乗組員を祝福し、伝統により子豚の丸焼きを贈った。

全種類の物資-装備を補充した後、水中巡洋艦は意図された任務を今後も遂行する準備が整う。



プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦の9番艦K-186は、1989年7月13日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1993年5月8日に進水、1993年12月10日にロシア海軍へ納入され、同年12月15日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

この間、1992年7月3日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「オムスク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1994年1月21日に赤旗北方艦隊に編入され、ザーパドナヤ・リッツァ基地へ配備されました。
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1994年9月14日付で赤旗太平洋艦隊へ転属し、同年8月18日から9月10日にザーパドナヤ・リッツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動しました。

2007年~2008年にボリショイ・カーメニ市極東工場『ズヴェズダー』でオーバーホールを行ないました。

2008年7月25日の『ロシア海軍の日』にはウラジオストクの観艦式へ参加しました。
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2010年7月~8月には戦略演習「ヴォストーク-2010」へ参加しました。

2012年12月末に遠距離航海から帰投しました。
[オスカーII級原潜オムスクはヴィリュチンスク基地へ戻った]


2014年9月には戦略演習「ヴォストーク-2014」へ参加しました。

2015年に再び極東工場『ズヴェズダー』へ回航され、修理及び近代化改装工事が始まりました。


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2019年5月に日本海で航行試験を行なった後、6月29日に太平洋艦隊へ引き渡され、現役に復帰しました。
[近代化改装を終えた原子力水中巡洋艦オムスクはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]
「オムスク」の近代化改装の具体的な内容には触れられていませんが、おそらくは艦の寿命延長や核燃料の交換、一部の機器の更新などでしょう。

現役に復帰した「オムスク」は、7月28日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクの観艦式へ参加した後、8月9日にカムチャツカ半島の母港ヴィリュチンスクへ帰投しました。
[近代化改装を終えたロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクはカムチャツカ半島の基地へ戻った]

2019年9月初頭から実施されたロシア太平洋艦隊オホーツク海演習の一環として、「オムスク」は9月16日に対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは太平洋で長距離対艦ミサイルグラニート""を発射した]


2019年9月25日、太平洋艦隊プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」(2013年12月23日就役)を「敵役」として魚雷攻撃訓練を行ないました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは敵潜水艦への魚雷攻撃訓練を行なった]

2020年8月13日、「オムスク」は、長期にわたる海上任務を終えてカムチャツカ半島の母港ヴィリュチンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクは洋上任務を終えてカムチャツカへ帰投した]

2021年9月29日にカムチャツカ沖で対艦ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊と太平洋艦隊の長距離対艦ミサイル(グラニート/ヴルカーン)発射訓練(2021年9月)]


プロジェクト949A巡洋潜水艦の11番艦(最終艦)K-150「セヴマシュ」造船所で1991年8月27日に起工されました。

1992年4月28日、原子力水中巡洋艦へ種別変更されました。

1993年4月13日、「トムスク」と命名されました。

1996年7月20日に進水し、1996年12月30日にロシア海軍へ納入されました。

1997年3月17日に赤旗北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。

1998年に太平洋艦隊へ転属し、カムチャツカ半島ヴィリュチンスクへ回航されました。

2008年11月、定期修理を行なう為、沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場「ズヴェズダー」へ到着しました。

2013年9月16日4時30分頃(モスクワ時間)、修理中に火災が発生しました。

[オスカーII級原潜トムスク火災事故]
[オスカーII級原潜トムスク火災事故・続報]

2014年6月12日に進水しました。
[オスカーII級原潜トムスクは進水した]

2014年12月25日に海軍へ引き渡された後、カムチャツカに向かいました。

12月27日に宗谷海峡を東へ通過しました。

『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2014年12月28日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
この「オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦」「トムスク」です。

2014年12月31日にヴィリュチンスク基地へ到着しました。

その後の動向は公表されませんでしたが、2015年12月には長期航海を終えてヴィリュチンスク基地へ戻っています。
おそらくは、オホーツク海のパトロール任務を遂行していたのでしょう。

2016年7月27日、「トムスク」は、任務遂行後にヴィリュチンスク基地へ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクは任務を終えてカムチャツカへ帰港した]
この時の「任務」は、オホーツク海のパトロールと、更には、カムチャツカに駐留する太平洋艦隊航空隊迎撃戦闘機MiG-31超音速有翼ミサイル迎撃訓練の為の「グラニート」発射だったようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦闘機MiG-31は原潜から発射された超音速巡航ミサイルを撃墜した]

2017年7月12日、「トムスク」は、オホーツク海からカムチャツカ半島クラ射爆場地上目標有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクはカムチャツカ半島の地上目標へ巡航ミサイル"グラニート"を発射した]
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2017年10月9日、オホーツク海太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と共に海上目標への有翼ミサイル発射訓練を行ないました。
(「トムスク」対艦ミサイル「グラニート」「ワリャーグ」対艦ミサイル「ヴルカーン」を発射)

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年10月9日3時47分配信
【巡洋艦「ワリャーグ」及び潜水艦「トムスク」は水上標的への有翼ミサイル射撃を実施した】

2018年7月23日、「トムスク」は、オホーツク海で海上目標へ有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦トムスクはオホーツク海で対艦ミサイル"グラニート"を発射した]


プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールと、部分的な近代化改装(プロジェクト971Uへのアップグレード)が始まりました。
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オーバーホール(近代化改装)は2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。

当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、数ヶ月間延びて2016年3月下旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する]

「クズバス」は、「ロシア潜水艦乗員の日」である2016年3月19日に太平洋艦隊へ引き渡されました。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月19日にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

復帰した「クズバス」は、2016年7月31日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。

その後、カムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ向かいました。
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以後の「クズバス」の動向は一切公表されていませんでしたが、2017年9月8日にはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を行なった]

2017年9月15日には戦略用途原子力水中巡洋艦「リャザン」と対決(決闘)方式の戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンと原子力巡洋潜水艦クズバスは『決闘』を行なった]

その後の「クズバス」の動向も全く公表されていませんが、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはペトロパブロフスク-カムチャツキーで行なわれた観艦式へ参加しました。
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『ロシア海軍の日』観艦式終了から数日後、「クズバス」オホーツク海で魚雷攻撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはオホーツク海で魚雷発射訓練を行なった]

2019年11月21日にカムチャツカ沖魚雷発射訓練を行ないました。
「敵役」を務めたのは、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦「オムスク」です。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で原潜への魚雷発射訓練を行なった]

以後、「クズバス」の動向は全く公表されていませんでしたが、2021年8月24日に海上での長期任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは長期任務を終えてカムチャツカの基地へ帰投した]


2022年7月15日、3隻の潜水艦太平洋での3ヶ月間の行動を終えた後に原潜基地ヴィリュチンスクへ帰投しました。
3ヶ月間との事ですから、2022年4月上旬から太平洋で行動していたようです。

おそらくは、2022年6月上旬の太平洋艦隊の太平洋演習にも参加していたでしょう。
[ロシア海軍太平洋艦隊の太平洋演習(2022年6月上旬)]

ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラードで定期修理を完了した

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『タス通信』より
2022年7月15日7時31分配信
【揚陸艦「イワン・グレン」は修理後に海上パレードへ参加する】
モスクワ、7月15日/タス通信

北方艦隊プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、修理後、今年7月31日にサンクトペテルブルク及びクロンシュタットで行なわれる主要海軍パレードへ参加する。
『タス通信』は造船分野の情報筋より伝えられた。

「イワン・グレンは、この3ヶ月間、製造企業~カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で計画修理が行なわれていました。
現在、大型揚陸艦の修理作業は完全に終わっています。
イワン・グレンは、他の艦や潜水艦の中で主要海軍パレードで北方艦隊を代表する準備を行なっています」

対談者は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

現在、海軍の戦闘編制には2隻のプロジェクト11711大型揚陸艦が在る。
更なる2隻の近代化プロジェクト11711艦工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されている。

プロジェクト11711大型揚陸艦の排水量は6000トンを超える。
各艦は、13両の主力戦車或いは36両の装甲兵員輸送車及び歩兵戦闘車、或いは30台の車両、そして更に海軍歩兵大隊を輸送できる。

公式筋、特に『統合造船業営団』トップ、アレクセイ・ラフマノフが語ったように、近代化プロジェクトの大型揚陸艦は、前任者と比較して大きな排水量を有する。
これらは、新たな上部構造物~2つに代えて1つを備え、更には戦闘ヘリコプターの搭載も可能である。

「イワン・グレン」は2018年6月20日に海軍へ受け入れられた。
これは、ロシアの現代史において設計、建造された最初の揚陸艦である。
海軍の要望による多くの改善が故に、その作業は20年以上に渡って行なわれた。



プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、2012年5月18日に進水し、2018年6月20日にロシア海軍へ納入され、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催されました。

[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

2018年10月22日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
「イワン・グレン」北方艦隊第121揚陸艦旅団へ編入されました。

その後の動向は明らかにされていませんが、2021年4月にはポリャールヌイ『第10艦船修理工場』で修理が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新大型揚陸艦イワン・グレンは修理を行なう]

修理を終えた「イワン・グレン」は4月24日にバレンツ海へ出航し、対テロ演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新大型揚陸艦イワン・グレンはバレンツ海で対テロ演習を行なった]

就役時には「イワン・グレン」の舷側番号は「135」でしたが、2021年春に「010」に変更されました。
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2021年5月21日にはコラ湾グリャズナヤ入り江(サフォノヴォ)装甲兵員輸送車の積載訓練を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはコラ湾沿岸で装甲兵員輸送車の積載訓練を行なった]

5月23日にはモトフスキー湾海軍歩兵部隊の上陸演習を行ないました。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはバレンツ海で上陸演習を行なった]

8月15日にはペチェンガ湾自動車化射撃旅団(ペチェンガ赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第200独立自動車化射撃旅団)及び海軍歩兵旅団(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)の車両の積載訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはペチェンガ湾で自動車化射撃部隊と海軍歩兵部隊の車両積載訓練を実施した]

10月25日にはバレンツ海ヘリコプターKa-29の発着艦訓練を行ないました。
『Neftegaz』より
2021年10月26日22時1分配信
【北方艦隊の大型揚陸艦「イワン・グレン」は海上で強襲ヘリコプターの訓練を実施した】


2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として1月26日未明にフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」、大型対潜艦「セヴェロモルスク」などと共にバレンツ海へ出航し、演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を開始した]

その後、一旦帰投していたようですが、2月下旬に再びバレンツ海へ出航し、北方艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で演習を行なう]

3月31日にバレンツ海へ出航し、演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンはバレンツ海で演習を実施した]

その後、4月16日にバルト海へ入り、建造元であるカリーニングラード『ヤンターリ』造船所へ回航され、定期修理を行ないました。
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定期修理は7月上旬に完了し、今後、「イワン・グレン」は7月31日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルククロンシュタットで行なわれる主要海軍パレードへ参加するようです。


「イワン・グレン」は、就役前の2017年7月30日にもクロンシュタット主要海軍パレードへ参加しています。
[2017年7月30日にクロンシュタットとサンクトペテルブルクで挙行される『ロシア海軍の日』観艦式には約40隻の艦船が参加する]



プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦「ピョートル・モルグノフ」は2015年6月11日に起工され、2018年5月25日に進水、2020年12月23日に就役し、「イワン・グレン」と同様に北方艦隊へ配備されました。
2022年2月以降は黒海へ派遣されています。
[黒海でロシア海軍の演習へ参加する北方艦隊とバルト艦隊の6隻の大型揚陸艦はセヴァストーポリへ入港した]
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3番艦からは拡大型となり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」の2隻が起工され、現在建造中です。
[ロシア海軍の改イワン・グレン型大型揚陸艦ワシーリー・トルシンの上部構造物が設置される]

近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を搭載するロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦チグルは2023年末に復帰する

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『タス通信』より
2022年7月15日9時3分配信
【防衛産業企業体の情報筋:潜水艦「チグル」は近代化の後に複合体「カリブル」搭載艦となる】
モスクワ、7月15日/タス通信

プロジェクト971(「シチューカ-B」多目的原子力潜水艦K-154「チグル」は、2023年に近代化を完了した後にミサイル複合体「カリブル-PL」を兵装として受け取る。
『タス通信』防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

「原子力潜水艦チグルは工場『ネルパ』で近代化された後に北方艦隊の戦闘編制へ復帰し、複合体カリブルで武装します」
対談者は話した。
他の情報筋は、修理と近代化の完了は、来年(2023年)末になる事を明らかにした。

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』は、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

以前、原子力潜水艦「チグル」機器構成の修理の完了は今年(2022年)に計画されていると伝えられた。
艦は修理の為、艦船修理工場『ネルパ』(『統合造船業営団』へ加わっている艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)へ2019年に到着した。

『ズヴェズドーチカ』と、その傘下企業は、太平洋艦隊からの2隻を含む計5隻のプロジェクト971原子力潜水艦の修理と近代化を行なっている。

北方艦隊の第24潜水艦師団(「野獣」の名が付いた潜水艦)は、プロジェクト971原子力潜水艦「パンテーラ」「ヴェプリ」「ゲパルト」で編成されている。
報じられているように、原子力潜水艦「レオパルド」は2022年、「ヴォルク」は2023年に編制へ復帰する。
従って、2023年には「野獣」は、殆ど完全に集合する。
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プロジェクト971原子力大型潜水艦K-154は、1989年9月10日にセヴェロドヴィンスク生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されました。

1991年4月1日に乗組員の編成が完了し、同年7月25日に「チグル」(タイガー)と命名されました。

1992年6月3日付で「原子力巡洋潜水艦」に分類変更されました。

1993年6月10日に『セヴマシュ』の造船台を出渠し、6月26日に進水しました。

1993年9月7日に原子炉が始動され、10月~11月に工場航行試験を実施し、11月18日~12月28日に国家試験を実施しました。
この間、11月19日に魚雷発射試験、11月24日にミサイル発射試験を行ないました。

1993年12月29日に受領-納入証書へ署名され、ロシア海軍へ納入されました。

1994年1月5日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1994年1月14日にヤーゲリナヤ湾の駐留基地ガジエヴォへ到着し、1月21日に北方艦隊第3潜水艦小艦隊第24潜水艦師団「野獣師団」へ編入されました。
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1995年4月24日から7月9日まで原子力巡洋潜水艦K-461「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1996年4月から6月まで原子力巡洋潜水艦「ヴォルク」と共に大西洋で戦闘勤務に就きました。

1997年4月、戦闘訓練中にタービンエンジンが故障し、補助ディーゼルを使って基地へ戻りました。

1998年10月、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』へ回航され、2002年12月まで修理が行なわれました。
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2002年12月、北方艦隊第12潜水戦隊第24潜水艦師団へ復帰しました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2003年3月から2004年1月までポリャールヌイ第10艦船修理工場で修理が行なわれました。
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2004年には北極海で新型機器の試験を兼ねた航海を行ないました。

その後も毎年バレンツ海などで行動し、2010年9月には親衛原子力巡洋潜水艦K-335「ゲパルト」と共に有翼ミサイルを発射しました。

2011年には北方艦隊潜水艦部隊第24潜水艦師団所属となりました。
(第24潜水艦師団所属は変わらないが、その上部組織が変更された)

2011年4月~6月には親衛原子力巡洋潜水艦「ゲパルト」と共に戦闘勤務へ就きました。

2011年末までに水中音響複合体(ソナー)の修理の為、スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』(艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の傘下)へ回航されました。
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2013年1月下旬までに復帰しました。
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2019年末までに再び艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、オーバーホールが始まりました。
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「チグル」のオーバーホールは2022年末までの完了が予定されていました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力巡洋潜水艦チグルのオーバーホールは2022年に完了する]

しかし、当初は予定に無かった巡航ミサイル「カリブル」の運用能力を付与する近代化も行なわれる事になり、復帰は2023年末に延期されました。

ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はザポリージャでウクライナ軍第45砲兵旅団の多連装ロケット砲を破壊した


『タス通信』より
2022年7月14日19時0分配信
【ロシア連邦軍はザポリージャの工場で噴射推進一斉射撃火力システムの戦闘車両を破壊した】
モスクワ、7月14日/タス通信

ロシア連邦軍海上発射高精度ミサイル「カリブル」ザポリージャ高電圧機器工場の領域のウクライナ軍第45砲兵旅団噴射推進一斉射撃火力システム(多連装ロケット砲)の戦闘車両を破壊した。

木曜日にロシア連邦国防省公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ中将は発表した。
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「7月13日の日中、海上発射高精度ミサイル"カリブル"は、ザポリージャ市の高電圧機器工場の領域で格納庫に隠されていたウクライナ軍第45砲兵旅団の噴射推進一斉射撃火力システム(多連装ロケット砲)の戦闘車両を破壊しました」
コナシェンコフ
は話した。



ロシア連邦軍「ウクライナ特殊軍事作戦」を開始した2022年2月24日、ロシア航空宇宙軍航空機ロシア海軍黒海艦隊巡航ミサイル「カリブル」搭載艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
初日には、少なくとも30基の「カリブル」が発射されたようです。
『WION』より
2022年3月5日4時23分配信
【ロシアのウクライナ攻撃:巡航ミサイル「カリブル」はシリアの戦場でテストされた】

現在、黒海に居る「カリブル」搭載艦は9隻です。
フリゲート「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」
小型ロケット艦「グライヴォロン」、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「イングシェチア」
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「スタールイ・オスコル」、「コルピノ」

(この他、未だ正式に就役していない小型ロケット艦「ツィクロン」)

航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、2月25日深夜~2月26日未明にもウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は夜間にウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同じ2月26日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦により、もう一度大規模な巡航ミサイル攻撃がウクライナに対して行なわれました。
[2022年2月26日にロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」による攻撃を行なった]

3月1日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月20日には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦「ウクライナ特殊軍事作戦」において初めてウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊はウクライナ特殊軍事作戦において初めてカスピ海から巡航ミサイル「カリブル」をウクライナのムィコラーイウ州へ発射した]

同じ3月20日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ北西部のネージン車両修理工場への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からウクライナのネージン修理工場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドネツクルガンスクウクライナ軍施設への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からドネツクとルガンスクのウクライナ軍施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日夕方、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ西部リヴネ市北西のオルツィヴウクライナ軍兵器庫へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からリヴネ近郊のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月24日夜、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ州カルィーニウカ燃料貯蔵所へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ州カルィーニウカのウクライナ軍燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月25日、黒海艦隊小型ロケット艦(「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ジトームィル州ヴェリキー・コロフンツィ地域の弾薬兵器庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


3月27日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ近郊のプレセツクミサイル倉庫「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ近郊のプレセツクのウクライナ軍ミサイル倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月28日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ジトームィル州ウショムールヴェセロフカの大型弾薬庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


4月2日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、クレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてクレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月3日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦及び航空宇宙軍航空機は、オデッサ市石油精製工場燃料貯蔵所巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオデッサの石油精製工場と燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月4日夜、黒海艦隊小型ロケット艦は、オチャコフ市付近のウクライナ軍特殊部隊訓練センター巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオチャコフのウクライナ軍特殊部隊訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナへ7基の巡航ミサイル「カリブル」を一斉発射した]

4月7日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊フリゲート(おそらくは「アドミラル・エッセン」)は、ウクライナ軍の4ヶ所の燃料貯蔵所へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート(アドミラル・エッセン)は黒海からウクライナ軍の燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月10日未明、黒海艦隊フリゲートは、ドニプロペトロウシク州ズヴォネツィキ巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは黒海からドニプロペトロウシク州へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドニプロペトロウシク州ドニプロ市南方の地対空ミサイルS-300が入っていた格納庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊しました。
このS-300は、ヨーロッパの国(おそらくは以前に供給を表明したスロバキア)からウクライナへ供給されたもののようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロ市郊外においてヨーロッパから供給されたS-300地対空ミサイルを巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

4月12日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、スタロコスチャンチニフ飛行場ハウルリフカの弾薬庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月13日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、サドヴォイ及びチュドニフウクライナ軍兵器庫巡航ミサイルを発射しました。
黒海艦隊小型ロケット艦が攻撃したのは、おそらくサドヴォイの方でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の兵器倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月15日には黒海艦隊の艦がキエフ州「カリブル」を発射し、対空ミサイル対艦ミサイルなどを生産しているジュリャンスク機械製造工場の生産設備を破壊しました。

『イズベスチヤ』より
2022年4月15日10時33分配信
【ロシア連邦軍はキエフ郊外の軍施設へ「カリブル」で打撃を与えた】

4月22日には黒海艦隊フリゲートメリオラチヴネ(ドニプロペトロウシク州)へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍大隊を撃破しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月22日11時35分配信
【咆哮と炎:黒海艦隊のフリゲート艦上からミサイル「カリブル」がウクライナの軍事施設へ発射された】

4月27日には黒海艦隊フリゲートザポリージャアルミニウムコンビナートカリブルを発射し、そこに在った外国製兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月27日11時34分配信
【目標へ向かって:ウクライナ特殊作戦中の「カリブル」発射の映像】

4月29日には黒海艦隊潜水艦ファスチフ(キエフ州)クラスノシルカポロンネ(オデッサ州)カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月29日11時51分配信
【黒海艦隊の潜水艦からの「カリブル」発射の公開映像】

5月4日には黒海艦隊潜水艦ウクライナの軍事インフラへ2基の「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月4日12時34分配信
【水面下からの攻撃:ウクライナの軍事インフラへの黒海艦隊潜水艦の「カリブル」発射映像】

5月8日にはリヴィウ州カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月8日20時52分配信
【機会は残さない:どのようにロシア軍はウクライナの軍事インフラ及び西側の兵器を破壊したのか】

5月13日にはクレメンチュグカリブルを発射し、石油精製施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月13日10時55分配信
【ロシア連邦国防省はクレメンチュグのウクライナ石油精製工場の生産力を破壊したと発表した】

5月17日には黒海艦隊フリゲートチェルニーヒウ州スームィ州カリブルを発射し、ウクライナ軍訓練センターを破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月17日12時53分配信
【一斉射撃:ウクライナ軍事インフラへの黒海艦隊フリゲートの「カリブル」発射の映像】

5月21日には黒海艦隊フリゲートジトーミル州の鉄道駅へカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された各種兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月21日13時20分配信
【敵の目標へ:黒海艦隊フリゲートからの「カリブル」発射の映像】

5月23日には黒海艦隊潜水艦ジトーミル州マリン鉄道駅へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍第10山岳強襲旅団の車両を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月23日11時35分配信
【車両の破壊:ロシアの海上発射高精度ミサイル発射の映像】

5月25日には黒海艦隊フリゲートザポリージャへ3基のカリブルを発射し、モトールシーチの生産工場を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月25日14時24分配信
【ウクライナ軍事インフラへの「カリブル」の夜間発射の公開映像】

6月12日には黒海艦隊フリゲートテルノーピリ州へ4基のカリブルを発射し、兵器倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月12日12時55分
【4つの高精度打撃:黒海艦隊のフリゲート艦上からのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月14日にはチェルニゴフ州ウクライナ軍弾薬庫「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月14日11時28分配信
【ロシア国防省はチェルニゴフ近辺のウクライナ軍弾薬庫を「カリブル」で破壊したと発表した】

6月15日には黒海艦隊フリゲートリヴィウ州へ4基のカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された兵器用の弾薬倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月15日14時15分配信
【ウクライナの目標への命中:黒海艦隊フリゲートからのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月19日昼には黒海艦隊フリゲートドニプロペトロウシク州カリブルを発射し、ウクライナ軍指揮所を破壊しました。

同日夜には黒海艦隊フリゲートムィコラーイウ市カリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与されたM777 155mm榴弾砲や戦闘装甲車両を破壊しました。

2022年6月19日15時11分配信
【黒海艦隊のフリゲート乗組員はウクライナ軍の施設へ4基のミサイル「カリブル」を発射した】


6月26日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、チェルニーヒウ州、ジトーミル州、リヴィウ州ウクライナ軍訓練センターを攻撃しました。
公表された動画を見る限り、少なくとも7基の「カリブル」が夜間に発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ軍の訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月8日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦オデッサ州リマン海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機2基を破壊しました。
この「ハープーン」イギリスが供給したものです。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でオデッサ州のウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機を破壊した]

7月11日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ドニプロペトロフスク州ラドゥシュノエ「カリブル」を発射し、アメリカから供給された兵器の弾薬の保管倉庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナでアメリカから供給された兵器の弾薬保管庫を破壊した]

7月13日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ザポリージャ市の高電圧機器工場付近でウクライナ軍第45砲兵旅団多連装ロケット砲を破壊しました。

カムチャツカ半島のロシア海軍太平洋艦隊原潜基地へ新たな桟橋が設置される

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『タス通信』より
2022年7月14日9時22分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊潜水艦部隊の駐留所へ新たな浮き桟橋が設置される】
タス通信、7月14日

カムチャツカ太平洋艦隊潜水艦部隊の駐留所へ、水中巡洋艦を停泊させる為の新たな浮き桟橋の設置が始まった。
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それは2隻の潜水艦の同時停泊を保障すると艦隊広報サービスは木曜日に発表した。

「クラシェニーンニコフ湾では、『東方造船所』で製造された新たな軽重量級金属浮き桟橋PM-61M1のセクションの組立と設置が行なわれています。
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設置作業は、北東統合軍司令部の海上工兵部門の浮き桟橋部署の要員が最新の水上クレーンSPK-150、泊地曳船及び潜水夫艇を使用して実行しております」

広報サービスは伝えた。

桟橋は、同時に2隻の潜水艦の停泊、沿岸から艦への水と電力の供給、艦と沿岸の通信の保障、そして更に、ラフテレーンクレーン及びクローラークレーンを使用した桟橋の全長に渡る積載及び荷降ろし作業の実行が可能である。
桟橋セクションの全長は36メートルに及び、幅8.2メートル、側面厚さ6メートル、甲板厚さ8メートル、吃水0.4~0.6メートル。
桟橋には6つの水密隔壁が有る。

ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは北極海経由でペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ行く

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『統合造船業営団』公式サイトより
2022年7月13日配信
【対機雷防衛艦「ピョートル・イリイチョーフ」はペトロパヴロフスク・カムチャツキーへの移動を開始した】

『中部ネヴァ川造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されたプロジェクト12700対機雷防衛艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルクから太平洋艦隊の駐留場所~ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへの移動へ着手した。

基地までの移動では北方海上航路を通行し、9月の後半に完了する。
その後、艦は海上への検査出航を行ない、引き渡し文書へ署名し、そして更に艦はロシア連邦海軍へ加わる。

軍艦「ピョートル・イリイチョーフ」は2018年7月に起工された。
これは『中部ネヴァ川造船工場』が建造するプロジェクト12700の6番艦となる。
更なる4隻の艦は、同社で様々な準備段階に在る。

プロジェクト12700は、ロシア連邦海軍の為に中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)が開発した。
これらの艦は新世代機雷掃海艦に属しており、新たな対機雷防衛艦は危険地帯へ入る事無く、海上や海底で機雷を探知できる。
機雷へ対処する為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作の自動水中無人機を使用できる。

『中部ネヴァ川造船工場』におけるこれらの艦の建造には、世界の造船業界に同じものが無い最新のロシア技術が使用されている。
同プロジェクト艦は真空注入により形成される一体繊維強化プラスチックで製造された独特な世界最大の船体を有する。
船体の質量は金属製よりも小さく、その強度は著しく増大している。
このような船体は全く腐食する事は無く、その就役期間は、通常の運用を順守すれば事実上無制限である。

[プロジェクト12700対機雷防衛艦]
排水量-約890トン
全長約-62メートル
幅-約10メートル
最大速力-約16ノット
乗組員-44名




ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型の繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700の6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2018年7月25日に起工されました。
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[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

その乗組員団は、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフの乗組員が編成された]

「ピョートル・イリイチョーフ」乗組員は、2021年1月17日までにサンクトペテルブルク海軍総合研修センターへ到着し、訓練を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年1月17日17時35分配信
【3隻の新たな戦闘艦の乗組員は海軍総合研修センターでの訓練の為にサンクトペテルブルクへ到着した】

「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年1月22日に屋内造船台から出渠しました。
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一方、サンクトペテルブルク海軍総合研修センターでの訓練を終えた「ピョートル・イリイチョーフ」の乗組員は、同型艦「ヤーコフ・バリャーエフ」(2020年12月26日就役)で訓練を行なう為、2021年3月12日にウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフ乗組員は同型艦ヤーコフ・バリャーエフで訓練を行なう]

「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年4月28日に進水しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2021年12月1日からフィンランド湾で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはフィンランド湾で洋上試験を開始した]

その後もフィンランド湾バルト海で洋上試験が続けられていましたが、2022年7月初頭までには一通り完了し、2022年7月11日にサンクトペテルブルクを出航し、配備先であるカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かいました。
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「ピョートル・イリイチョーフ」北極海経由でペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ行きます。

ペトロパヴロフスク・カムチャツキー到着は9月下旬に予定されており、その後に最終洋上試験が行なわれ、それが完了すればロシア海軍へ引き渡され、正式に太平洋艦隊へ編入されます。

なお、先に太平洋艦隊へ配備された同型艦「ヤーコフ・バリャーエフ」も、就役前に北極海経由でカムチャツカ半島へ回航されています。
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[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊に編入された]


プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、5隻が就役しています。

アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備

ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備

イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備

ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備

ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備

ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年末就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水
太平洋艦隊へ配備予定

レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工
太平洋艦隊へ配備予定

アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工
北方艦隊へ配備予定

ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工
北方艦隊へ配備予定


現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]

ロシア海軍北方艦隊の小型対潜艦ユンガとブレストはバレンツ海で対潜演習を実施した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年7月12日19時8分配信
【バレンツ海で北方艦隊の演習が始まった】
モスクワ、7月12日-ロシア通信社ノーボスチ

バレンツ海潜水艦と戦う為の戦術演習が始まった。
北方艦隊広報サービスは発表した。

「北方艦隊の小型対潜艦ユンガとブレストは、捜索打撃艦グループを構成して戦闘訓練計画活動へ取り組む為、バレンツ海へ出航しました。
グループは、仮想低潜水艦を捜索、破壊する試験戦術演習の実行へ着手しました」

リリースではこう述べられた。

演習は数段階で行なわれ、それには更に対潜航空隊対空防衛部隊が参加する。

それに加えて船員は、捜索打撃艦グループの一員としての合同操艦の要素へ取り組み、緊急事態班の要員は、艦の航行中のダメージコントロールの訓練を行なう。

演習が終わると軍艦「ユンガ」「ブレスト」コラ小艦隊の主要基地~ポリャールヌイ市へ戻る。

プロジェクト「アリバトロース」小型対潜艦は、兵装として砲複合体AK-176M高射複合体AK-630M、噴射推進爆撃装置RBU-6000、魚雷、そして更に現代的な水中音響複合体を有する。
このクラスの艦は、水域の保護及び近海ゾーンで潜水艦と戦う為に意図されている。



プロジェクト1124M「アリバトロース」小型対潜艦MPK-203は、『ゼレノドリスク造船工場』で1988年3月26日に起工され、1989年7月19日に進水し、1989年12月28日に海軍へ納入、1990年2月28日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、北方艦隊へ編入されました。
就役前の1990年2月8日に「ユンガ」と命名されました。
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2013年にはムルマンスク『第35艦船修理工場』でオーバーホールが行なわれました。


プロジェクト1124M「アリバトロース」小型対潜艦MPK-194は、『ゼレノドリスク造船工場』で1987年5月11日に起工され、1988年7月30日に進水し、1988年9月27日に海軍へ納入、1988年11月9日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役し、北方艦隊へ編入されました。
1988年7月22日に「ブレストスキー・コムソモーレツ」と命名されましたが、1992年2月15日にはMPK-194へ戻され、2000年7月に「ブレスト」と命名されました。
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就役後はコラ半島原潜基地グレミハに駐留していましたが、同基地の廃止後はポリャールヌイ基地へ移転しました。

2016年にはムルマンスク『第35艦船修理工場』でオーバーホールが行なわれました。


1124シリーズは、原型の1124が1970年~1985年に38隻、改型の1124Mが1982年~1995年に31隻就役しました。

現在、ロシア海軍で現役に留まっているのは、1124が2隻(「ホルムスク」「アレクサンドロヴェツ」)、1124Mが18隻です。

プロジェクト1124(アレクサンドロヴェツ)
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プロジェクト1124M(スーズダレツ)
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[北方艦隊]
・第270親衛小型対潜艦大隊(ポリャールヌイ)
小型対潜艦「ブレスト」、「ユンガ」、「モンチェゴルスク」、「スネシュノゴルスク」

・第43独立水域保護艦大隊(セヴェロドヴィンスク・白海海軍基地)
小型対潜艦「ナリヤン-マル」、「オネガ」

[太平洋艦隊]
・第11水域保護艦大隊(ウラジオストク・ウリス湾)
小型対潜艦MPK-221、「コレーエツ」、「メチェーリ」、「ウスチ-イリムスク」

・第117水域保護艦大隊(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)
小型対潜艦「ホルムスク」、「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」、MPK-107、MPK-82

[黒海艦隊]
・第400対潜艦大隊(セヴァストーポリ)
小型対潜艦「アレクサンドロヴェツ」、「ムーロメツ」、「スーズダレツ」

・第181対潜艦大隊(ノヴォロシースク)
小型対潜艦「ポヴォリノ」、「エイスク」、「カシモフ」


なお、バルト艦隊にはプロジェクト1124/1124Mは1隻も居ませんが、その代わりに旧東ドイツで建造されたプロジェクト1331M小型対潜艦が6隻在籍しています。


これらの小型対潜艦の直接の後継となる新型艦は有りませんが、将来的に小型対潜艦の役割はプロジェクト20380コルベット20385コルベットが受け継ぐ事になるでしょう。

2隻のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦と2隻のヤーセン-M原子力水中巡洋艦がロシア海軍の為に追加建造される

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『タス通信』より
2022年7月13日9時20分配信
【プロジェクト「ボレイ」及び「ヤーセン」の為、更に2隻の原子力潜水艦が建造されるかもしれない】
モスクワ、7月13日/タス通信

「ボレイ」/「ボレイ-A」級及び「ヤーセン」/「ヤーセン-M」級原子力潜水艦シリーズは、各々が2隻の潜水艦を追加して増加するかもしれない。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「10隻のプロジェクト"ボレイ"/"ボレイ-A"ロケット艦と9隻のプロジェクト"ヤーセン"/"ヤーセン-M"打撃原子力潜水艦に加え、各プロジェクトの潜水艦が少なくとも2隻建造されるかもしれません」
対談者は話した。
彼は、これらの内の何隻かの起工が、今年に造船所『セヴマシュ』で行なわれる事を否定しなかった。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前、『タス通信』は情報提供者の談話を引用し、2隻のプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略用途ロケット水中巡洋艦が2023年に『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)で起工されると伝えた。

現在までに造船所『セヴマシュ』は、ロシア海軍へ5隻の「ボレイ」を引き渡している。
更なる5隻のプロジェクト「ボレイ-A」潜水艦が様々な建造段階に在る。
プロジェクト「ヤーセン」/「ヤーセン-M」多目的原子力潜水艦に関しては、海軍へ3隻の潜水艦が引き渡され、更なる6隻が様々な建造段階に在る。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦となるプロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、10隻がセヴェロドヴィンスク市『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工され、この内の5隻が就役しています。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。

[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。

[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。

[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

955「ボレイ」955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)
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5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)K-552「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水、2021年12月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]


6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工され、2022年1月11日に進水しました。
[最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年12月末にロシア海軍へ引き渡される]
就役は2022年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2023年に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了する筈でしたが、2隻が追加建造される事になり、9番艦「ドミトリー・ドンスコイ」と10番艦「クニャージ・ポチョムキン」は2021年8月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]
この2隻は2026年と2027年の就役が予定されています。


ロシア海軍第4世代原子力潜水艦となるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦シリーズは、9隻が『セヴマシュ』で起工され、この内の3隻が就役しています。

プロジェクト885の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水、2013年12月30日に竣工、2014年6月17日に就役し、北方艦隊第11潜水艦師団(対空母師団)へ編入されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]

2番艦K-561「カザン」からは改良型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」となり、2009年7月24日に起工され、2017年3月31日に進水し、2021年5月7日に就役、北方艦隊へ配備されました。
[改セヴェロドヴィンスク型原子力水中巡洋艦カザンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなっています。

3番艦(「ヤーセン-M」としては2隻目)K-573「ノヴォシビルスク」は2013年7月26日に起工され。2019年12月25日に進水、2021年2月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2022年夏以降に太平洋艦隊基地へ回航されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは2022年7月末に巡航ミサイル「カリブル」と「オーニクス」を発射する]

4番艦(「ヤーセン-M」としては3隻目)「クラスノヤルスク」は、2014年7月27日に起工されました。
[多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスク(と戦略原潜ボレイ級5番艦)はロシア海軍の日に起工された]
2022年6月末から洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは白海で洋上試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2022年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

5番艦(「ヤーセン-M」としては4隻目)「アルハンゲリスク」は、2015年3月19日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為のヤーセン級多用途原潜5番艦アルハンゲリスクは起工された]

6番艦(「ヤーセン-M」としては5隻目)「ペルミ」は、2016年7月29日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為の第6のヤーセン級原子力水中巡洋艦ペルミはセヴェロドヴィンスクで起工された]

7番艦(改「ヤーセン」級としては6隻目)「ウリヤノフスク」は、2017年7月28日に起工されました。
[ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

これで「ヤーセン」シリーズの建造は終了する筈でしたが、その後、2隻が追加建造される事になり、2020年7月20日に8番艦(「ヤーセン-M」としては7隻目)「ヴォロネジ」と9番艦(「ヤーセン-M」としては8隻目)「ウラジオストク」が一斉に起工されました。
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[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクはセヴェロドヴィンスクで起工された]
2021年春から船体の形成が始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦ウラジオストクとヴォロネジの船体の形成が始まった]
現在の所、この2隻のロシア海軍への引き渡しは、2027~2028年に予定されおり、「ヴォロネジ」北方艦隊「ウラジオストク」太平洋艦隊へ配備されます。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]


そして最近、更に2隻の「ボレイ-A」と2隻の「ヤーセン-M」の追加建造が検討されているようです。
(未だ正式に決まったわけでは無いようですが・・・)

「ボレイ-A」は1隻230億ルーブル、「ヤーセン-M」は1隻300億ルーブル程度であり、これを2隻ずつ計4隻の総価格は、「イワン・ロゴフ」型汎用揚陸ヘリコプター母艦2隻分とほぼ同じになります。

ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した

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『タス通信』より
2022年7月12日2時23分配信
【練習艦「スモーリヌイ」は練習航海中に北方艦隊主要基地へ到着した】
タス通信、7月11日

遠距離航海士研修航海の次の段階に在るバルト艦隊練習艦「スモーリヌイ」は、北方艦隊主要基地~ムルマンスク州セヴェロモルスク市へ到着した。
月曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「本日(7月11日)、北方艦隊主要基地へバルト艦隊の練習艦スモーリヌイが到着しました。
その艦上には、サンクトペテルブルクの海軍教育学校の生徒が乗っています。
セヴェロモルスクで練習艦は北方艦隊戦闘訓練管理部長パーヴェル・シュリガ少将に出迎えられました。
彼は、ロシア海軍で最も強力な艦隊の主要基地へ到着した生徒と乗組員を祝福し、生徒が艦隊の専門家としての実地経験と必要な知識を身に着ける海上実習の重要性を指摘しました」

声明では、こう述べられた。

広報サービスによると、セヴェロモルスクで生徒は北方艦隊主要基地での船員の勤務についての知識を得て、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を含む幾つかの艦を見学する。
滞在プログラムでは、更に博物館~赤旗潜水艦K-21記念複合体北方艦隊航空軍博物館~への訪問が計画されている。
練習艦には、サンクトペテルブルク海軍軍事研修科学センター『海軍アカデミー』分校、F.F.ウシャコーフ提督記念バルト海軍高等学校の生徒、そして更に士官と教官が乗っている。

「総計20000海里以上の距離の遠距離航海は、ロシア国防省の海軍教育学校生徒の海上実習の枠組みで実施されます。
そのルートは、バルト海、北海、ノルウェー海、バレンツ海を通過します。
航海中に生徒は航海士訓練を行ない、様々な条件や困難な航海状況における艦制御の技量を向上させます。
物資を補充した後、練習艦スモーリヌイは帰路に就きます」

声明では、こう述べられた。

「スモーリヌイ」1等練習艦である。
それはプロジェクト887として建造され、現代的な電波技術機器及び航法機器を装備し、戦闘兵器を有する。
合計して16000名以上の生徒がこの艦で訓練を行なった。
練習艦の満載排水量は7270トン、全長138メートル、幅17.2メートル、高さ17メートル、吃水5.5メートル。



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プロジェクト887練習艦の1番艦「スモーリヌイ」は、ポーランドシュチェチン造船所で1974年4月23日に起工され、1976年1月8日に進水し、1976年6月30日にソヴィエト連邦海軍へ就役しました。

現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。

2010年秋からブルガリアヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ない、完了後、2013年8月30日にクロンシュタットへ戻りました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)

2014年6月にはロシアフランスへ発注し、サンナゼール造船所で艤装中の「ミストラル」級ヘリコプター母艦の乗組員400名を乗せてサンナゼールへ向かいました。
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[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]

しかし、フランスロシアへの「ミストラル」級売却をキャンセルした為(支払った代金はロシアへ返金)、2014年12月末にクロンシュタットへ戻りました。
[ヘリ空母ミストラル級乗員のロシア海軍将兵はクロンシュタットへ到着した]
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗員団は解散した]

2015年7月から士官候補生の練習航海を開始し、アンゴラ共和国ルアンダ赤道ギニアマラボスペインラス・パルマス・デ・グラン・カナリアへ寄港しました。

2016年7月1日から10月3日まで士官候補生の練習航海を行ない、マルタ島ヴァレッタ黒海艦隊基地セヴァストーポリへ寄港しました。

2019年にはクロンシュタット海洋工場でオーバーホールが行なわれました。
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2020年7月7日から10月末まで士官候補生の練習航海を行ない、北方艦隊基地セヴェロモルスク黒海艦隊基地セヴァストーポリへ寄港しました。

2021年6月29日から10月31日まで士官候補生の練習航海を行ない、セヴェロモルスクセヴァストーポリへ寄港しました。
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2022年7月1日、「スモーリヌイ」は士官候補生の練習航海の為、クロンシュタットから出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは練習航海へ出発した]

その後、カリーニングラード州バルチースクへ寄港し、7月5日に同港から出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはバルチースクを出航し、セヴェロモルスクへ向かった]

7月11日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

ロシア海軍の為の新たな対艦弾道ミサイル「ズメエヴィク」が開発される

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『タス通信』より
2022年7月12日9時46分配信
【情報筋:ロシア連邦海軍の為に弾道ミサイル「ズメエヴィク」が開発される】
モスクワ、7月12日/タス通信

ロシアは、海軍の為に新たな「航空母艦キラー」極超音速弾頭を持つ弾道ミサイル「ズメエヴィク」を開発する。
『タス通信』軍当局及び防衛産業企業体に近い2名の情報提供者より伝えられた。

「極超音速弾頭を持つ弾道ミサイル"ズメエヴィク"の開発は、かなりの長期に渡っています。
それは、大きな水上目標、先ず第一に航空母艦の撃破の為に意図されております」

彼ら(情報提供者)の内の1人は話した。

他の情報提供者は、このミサイル海軍沿岸ロケット部隊へ軍備採用されるだろうと述べた。
対談者の1人は、その特性において、「ズメエヴィク」は4000キロメートルの射程距離を有する中国の同類クラスのミサイルDF-21D及びDF-26に似ていると付け加えた。

レウトフ科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)は、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

この企業は、極超音速の製品「ツィルコン」(水上艦及び潜水艦の為の対艦ミサイル)、大陸間弾道ミサイルUR-100N UTTKh及び「サルマート」の為の戦闘装備「アヴァンガールト」超音速ミサイル「オーニクス」(輸出モデル「ヤーホント」)を持つ沿岸ミサイル複合体「バスチオン」を開発、製造している。

3月、科学生産合同『機械製造』副総取締役アナトーリー・スヴィンツォフは、同社にはミサイル「ツィルコン」の航空ヴァージョンに関する大量のやりかけの仕事が有ると述べた。
彼によると、「ツィルコン」は当初、海上ヴァージョンと航空ヴァージョンの双方が開発されていたと付け加えた。
「発注主は最初の段階で、海上ヴァージョンのミサイルの作成に関する作業を活性化させる決定を下しました」
彼は説明した。



ソヴィエト/ロシア海軍は、かつて一度だけ1960年代末に「対艦弾道ミサイル」を開発した事は有りました。
[幻の旧ソ連海軍「対艦弾道ミサイル」]
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プロジェクト667A原子力巡洋潜水艦(ヤンキー級)弾道ミサイルR-27をベースに開発された対艦弾道ミサイルR-27Kは、このミサイルの試験艦に改造されたプロジェクト605巡洋潜水艦K-102で1973年9月11日から1975年8月15日まで何回か発射試験が行なわれましたが、開発は中止されました。
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『V.P.マケーエフ記念国立ロケットセンター』公式サイトより
【ミサイルR-27K】

1970年代には、長射程の超音速対艦ミサイル「グラニート」の開発が進められて実用化の目途も立っており、射程距離は上回るものの、明らかに「グラニート」よりも命中率が悪いR-27Kを実戦配備する意味は無くなりました。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]


それから40年以上が経過し、今再びロシア海軍の為の新たな対艦弾道ミサイル「ズメエヴィク」の開発が水面下で進められている事が明らかにされました。
今度は潜水艦搭載型ではなく、海軍沿岸部隊が運用が想定する地上発射型の中距離弾道ミサイルになるようです。

対艦弾道ミサイル「ズメエヴィク」「極超音速の弾頭」を持つとの事ですから、最近に実戦配備が始まった戦略用途ロケット軍「アヴァンガールト」のようなものでしょうか。


「アヴァンガールト」も開発作業のスタートは1980年代後半、実戦配備は2019年なので、「開発はかなりの長期に渡って」います。

大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは2022年9月下旬にロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2022年7月12日9時4分配信
【情報筋:国防省は9月に「エフゲニー・ゴリグレジャン」を受領できるだろう】
モスクワ、7月12日/タス通信

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)がロシア連邦国防省の為に建造している大洋調査研究船「エフゲニー・ゴリグレジャン」は、9月末に発注者へ引き渡されるだろう。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

「大洋調査研究船の作業(試験)の仕上げには、追加の時間が必要でした。
今の所、船の引き渡しは9月下旬に計画されております」

対談者は話した。
以前には、この行事は6月に計画されていた。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

3月14日、造船所広報サービスは、工場航行試験プログラムの枠組みにおいて、船が初めてバルト海へ出航したと発表した。

プロジェクト02670大洋調査研究船「エフゲニー・ゴリグレジャン」は、2016年3月19日に起工され、2020年12月25日に進水した。
プロジェクト02670中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
船の名は、海洋工学中央設計局『ルビーン』特殊用途原子力潜水艦の設計主任エフゲニー・アレクセーヴィチ・ゴリグレジャンに因んで命名された。
船は、水中技術作業、海洋での環境モニタリング、最下層の調査、海上での捜索救助部隊への援助の為に意図されている。
それは船上への水中救助装置の受け入れが可能である。
船の排水量は4000トン、全長-81メートル、幅-16メートル、自立航行期間-30日、乗組員-32名と探検隊員25名。

船は、ロシア連邦国防省深海研究総局の為に建造された。



プロジェクトB92海上弾薬輸送船「イグラ」は、ポーランドシュチェチン造船社で1982年12月10日に起工され、1983年4月9日に進水し、1983年11月3日に就役し、北方艦隊へ配備されました。
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2008年に海洋曳船MB-305としてバルト艦隊へ転属しました。
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2016年3月19日、大洋調査研究船へ改造される事になり、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』においてプロジェクト02670「エフゲニー・ゴリグレジャン」として再起工されました。
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2020年12月25日に進水しました。


2021年6月4日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
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[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは係留試験を開始した]

「エフゲニー・ゴリグレジャン」の航行試験は2021年11月中旬に始まる予定でしたが、その航行試験を開始する為に『ヤンターリ』からバルチースク海軍基地へ移動したのは2021年1月末でした。
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[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは洋上試験の準備を進めている]

2022年3月11日、「エフゲニー・ゴリグレジャン」バルト海で航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンはバルト海で洋上試験を開始した]

「エフゲニー・ゴリグレジャン」ロシア海軍への引き渡しは2022年7月末に予定されていましたが、9月下旬に延期されたようです。
[大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは2022年7月末にロシア海軍へ就役する]

ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナでアメリカから供給された兵器の弾薬保管庫を破壊した


『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2022年7月11日12時41分配信
【ロシア連邦国防省はウクライナでHIMARSとM777榴弾砲の為の弾薬の倉庫を破壊したと発表した】
モスクワ、7月11日、インテルファクス

海上ミサイル「カリブル」は、アメリカ合衆国から供給された兵器の為の弾薬を保管していたドニプロペトロフスク州の兵器倉庫を破壊した。
ロシア連邦国防省の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフは言った。
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「海上発射長距離高精度ミサイル"カリブル"は、ドニプロペトロフスク州のラドゥシュノエ居住所地域でアメリカ合衆国がウクライナへ供給した一斉射撃噴射推進火力システム(多連装ロケット砲)HIMARS、M777榴弾砲、そして更に自走砲2S7ピオンの為の弾薬の倉庫を破壊しました」
コナシェンコフ
は月曜日のブリーフィングで話した。

「カリブル」は、試作設計局『ノヴァトール』、株式会社・航空宇宙防衛コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』が開発したロシア長距離有翼ミサイルのファミリーである。
このミサイルは、ロシアの最新の艦及び潜水艦が装備している。

2月21日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、ドネツク人民共和国ルガンスク人民共和国の独立を認める法令へ署名した。
2月24日、プーチンウクライナでの特殊軍事作戦の開始を発表した。
これに応じて多くの国がロシアに対し大規模な制裁を課した。
多くの国がウクライナへ武器と装備を供給している。
4月25日、ロシア連邦国家防衛管理センター所長ミハイル・ミジンツェフは、ロシアが承認したドネツク人民共和国ルガンスク人民共和国の領土の重要な部分であるウクライナヘルソン州全部、ハリコフ、ザポリージャ、ニコラエフ州の一部をロシア軍が支配下に置いたと話した。
7月3日、ロシア連邦国防省は、リシチャンシク市ルガンスク人民共和国の領土を支配下に置いたと発表した。



ロシア連邦軍「ウクライナ特殊軍事作戦」を開始した2022年2月24日、ロシア航空宇宙軍航空機ロシア海軍黒海艦隊巡航ミサイル「カリブル」搭載艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
初日には、少なくとも30基の「カリブル」が発射されました。

現在、黒海に居る「カリブル」搭載艦は9隻です。
フリゲート「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」
小型ロケット艦「グライヴォロン」、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「イングシェチア」
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「スタールイ・オスコル」、「コルピノ」

(この他、未だ正式に就役していない小型ロケット艦「ツィクロン」)

航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、2月25日深夜~2月26日未明にもウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は夜間にウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同じ2月26日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦により、もう一度大規模な巡航ミサイル攻撃がウクライナに対して行なわれました。
[2022年2月26日にロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」による攻撃を行なった]

3月1日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月20日には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦「ウクライナ特殊軍事作戦」において初めてウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊はウクライナ特殊軍事作戦において初めてカスピ海から巡航ミサイル「カリブル」をウクライナのムィコラーイウ州へ発射した]

同じ3月20日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ北西部のネージン車両修理工場への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からウクライナのネージン修理工場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドネツクルガンスクウクライナ軍施設への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からドネツクとルガンスクのウクライナ軍施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日夕方、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ西部リヴネ市北西のオルツィヴウクライナ軍兵器庫へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からリヴネ近郊のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月24日夜、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ州カルィーニウカ燃料貯蔵所へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ州カルィーニウカのウクライナ軍燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月25日、黒海艦隊小型ロケット艦(「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ジトームィル州ヴェリキー・コロフンツィ地域の弾薬兵器庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


3月27日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ近郊のプレセツクミサイル倉庫「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ近郊のプレセツクのウクライナ軍ミサイル倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月28日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ジトームィル州ウショムールヴェセロフカの大型弾薬庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


4月2日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、クレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてクレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月3日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦及び航空宇宙軍航空機は、オデッサ市石油精製工場燃料貯蔵所巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオデッサの石油精製工場と燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月4日夜、黒海艦隊小型ロケット艦は、オチャコフ市付近のウクライナ軍特殊部隊訓練センター巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオチャコフのウクライナ軍特殊部隊訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナへ7基の巡航ミサイル「カリブル」を一斉発射した]

4月7日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊フリゲート(おそらくは「アドミラル・エッセン」)は、ウクライナ軍の4ヶ所の燃料貯蔵所へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート(アドミラル・エッセン)は黒海からウクライナ軍の燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月10日未明、黒海艦隊フリゲートは、ドニプロペトロウシク州ズヴォネツィキ巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは黒海からドニプロペトロウシク州へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドニプロペトロウシク州ドニプロ市南方の地対空ミサイルS-300が入っていた格納庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊しました。
このS-300は、ヨーロッパの国(おそらくは以前に供給を表明したスロバキア)からウクライナへ供給されたもののようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロ市郊外においてヨーロッパから供給されたS-300地対空ミサイルを巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

4月12日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、スタロコスチャンチニフ飛行場ハウルリフカの弾薬庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月13日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、サドヴォイ及びチュドニフウクライナ軍兵器庫巡航ミサイルを発射しました。
黒海艦隊小型ロケット艦が攻撃したのは、おそらくサドヴォイの方でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の兵器倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月15日には黒海艦隊の艦がキエフ州「カリブル」を発射し、対空ミサイル対艦ミサイルなどを生産しているジュリャンスク機械製造工場の生産設備を破壊しました。

『イズベスチヤ』より
2022年4月15日10時33分配信
【ロシア連邦軍はキエフ郊外の軍施設へ「カリブル」で打撃を与えた】

4月22日には黒海艦隊フリゲートメリオラチヴネ(ドニプロペトロウシク州)へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍大隊を撃破しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月22日11時35分配信
【咆哮と炎:黒海艦隊のフリゲート艦上からミサイル「カリブル」がウクライナの軍事施設へ発射された】

4月27日には黒海艦隊フリゲートザポリージャアルミニウムコンビナートカリブルを発射し、そこに在った外国製兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月27日11時34分配信
【目標へ向かって:ウクライナ特殊作戦中の「カリブル」発射の映像】

4月29日には黒海艦隊潜水艦ファスチフ(キエフ州)クラスノシルカポロンネ(オデッサ州)カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月29日11時51分配信
【黒海艦隊の潜水艦からの「カリブル」発射の公開映像】

5月4日には黒海艦隊潜水艦ウクライナの軍事インフラへ2基の「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月4日12時34分配信
【水面下からの攻撃:ウクライナの軍事インフラへの黒海艦隊潜水艦の「カリブル」発射映像】

5月8日にはリヴィウ州カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月8日20時52分配信
【機会は残さない:どのようにロシア軍はウクライナの軍事インフラ及び西側の兵器を破壊したのか】

5月13日にはクレメンチュグカリブルを発射し、石油精製施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月13日10時55分配信
【ロシア連邦国防省はクレメンチュグのウクライナ石油精製工場の生産力を破壊したと発表した】

5月17日には黒海艦隊フリゲートチェルニーヒウ州スームィ州カリブルを発射し、ウクライナ軍訓練センターを破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月17日12時53分配信
【一斉射撃:ウクライナ軍事インフラへの黒海艦隊フリゲートの「カリブル」発射の映像】

5月21日には黒海艦隊フリゲートジトーミル州の鉄道駅へカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された各種兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月21日13時20分配信
【敵の目標へ:黒海艦隊フリゲートからの「カリブル」発射の映像】

5月23日には黒海艦隊潜水艦ジトーミル州マリン鉄道駅へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍第10山岳強襲旅団の車両を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月23日11時35分配信
【車両の破壊:ロシアの海上発射高精度ミサイル発射の映像】

5月25日には黒海艦隊フリゲートザポリージャへ3基のカリブルを発射し、モトールシーチの生産工場を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月25日14時24分配信
【ウクライナ軍事インフラへの「カリブル」の夜間発射の公開映像】

6月12日には黒海艦隊フリゲートテルノーピリ州へ4基のカリブルを発射し、兵器倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月12日12時55分
【4つの高精度打撃:黒海艦隊のフリゲート艦上からのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月14日にはチェルニゴフ州ウクライナ軍弾薬庫「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月14日11時28分配信
【ロシア国防省はチェルニゴフ近辺のウクライナ軍弾薬庫を「カリブル」で破壊したと発表した】

6月15日には黒海艦隊フリゲートリヴィウ州へ4基のカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された兵器用の弾薬倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月15日14時15分配信
【ウクライナの目標への命中:黒海艦隊フリゲートからのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月19日昼には黒海艦隊フリゲートドニプロペトロウシク州カリブルを発射し、ウクライナ軍指揮所を破壊しました。

同日夜には黒海艦隊フリゲートムィコラーイウ市カリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与されたM777 155mm榴弾砲や戦闘装甲車両を破壊しました。

2022年6月19日15時11分配信
【黒海艦隊のフリゲート乗組員はウクライナ軍の施設へ4基のミサイル「カリブル」を発射した】


6月26日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、チェルニーヒウ州、ジトーミル州、リヴィウ州ウクライナ軍訓練センターを攻撃しました。
公表された動画を見る限り、少なくとも7基の「カリブル」が夜間に発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ軍の訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月8日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦オデッサ州リマン海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機2基を破壊しました。
この「ハープーン」イギリスが供給したものです。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でオデッサ州のウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機を破壊した]

7月11日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ドニプロペトロフスク州ラドゥシュノエ「カリブル」を発射し、アメリカから供給された兵器の弾薬の保管倉庫を破壊しました。

ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」は対空防衛訓練を実施した

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『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2022年7月11日8時51分配信
【太平洋艦隊のコルベットは仮想敵の航空打撃から駐留所を援護する訓練を実施した】
ウラジオストク、7月11日、インテルファクス

太平洋艦隊コルベット「グロームキー」は、沿海地方の駐留所の1つで対空防衛訓練を実施した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「演習計画の下で仮想敵航空隊は、コルベット"グロームキー"が係留されていた太平洋艦隊の駐留所の1つの近郊の非常に重要な施設への航空打撃を試みました」
声明では、こう述べられた。

コルベットの対空防衛要員は空中目標を探知し、仮想空中攻撃を撃退する為の行動手順へ即座に取り組んだ。
要員は適時に空中からの脅威のコースを追跡し、「敵」航空機が対空防衛手段の有効ゾーンへ入ると、それを仮想破壊した。

「コルベット"グロームキー"乗組員の訓練は、艦隊の戦闘訓練計画に沿って導入され、実行されました。
訓練中、仮想目標は電子方式によりシミュレートされました」

声明では、こう指摘された。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの2隻目となる「グロームキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で2012年4月20日に起工され、2017年7月28日に進水し、2018年12月25日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20380コルベット"グロームキー"はロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後はウラジオストク周辺で乗組員の慣熟訓練を行ないました。


2019年6月21日にはピョートル大帝湾小型対潜艦「コレーツ」、「メチェーリ」と共に対潜演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"グロームキー"と小型対潜艦2隻はピョートル大帝湾で対潜演習を行なった]

2019年6月25日にはA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲による対空砲撃、AK-630M 30mm6銃身機関砲による機雷掃討訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"グロームキー"は日本海で砲撃訓練を行なった]

2019年8月末、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」(2017年7月20日就役)を含む他の太平洋艦隊の艦船と共に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入り、演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はオホーツク海で演習を行なった]

2019年8月29日にカムチャツカ半島の軍港(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊水上艦艇部隊はカムチャツカ半島へ到着した]

2019年9月初頭には他の艦と共にオホーツク海対艦ミサイルの迎撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はオホーツク海の演習で高射ミサイルを発射した]

2019年9月3日と4日には太平洋側(つまりクリル諸島の南側の海域)へ移動して対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対潜戦闘訓練を行なった]

2019年9月5日にはカムチャツカ沖で海上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上戦闘艦はカムチャツカ半島で砲撃訓練を行なった]

2019年9月7日夜~9月8日未明には、アヴァチンスキー湾に停泊中、水中工作部隊の襲撃を撃退する訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦2隻とコルベット2隻はカムチャツカ沖で水中工作部隊の撃退訓練を行なった]

その後オホーツク海に留まり、2019年10月中旬に実施されたロシア連邦軍戦略部隊演習『グロム-2019』において、オホーツク海から弾道ミサイルを発射した戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「リャザン」のサポートに回りました。。
[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

「グロームキー」は、他の艦船と共に2019年10月末にウラジオストクへ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]


2020年3月7日、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共にウラジオストク付近で潜水艦捜索演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はウラジオストク沖で潜水艦捜索訓練を行なった]

2020年3月19日と20日にもピョートル大帝湾で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はピョートル大帝湾で演習を行なった]

2020年4月1日、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共にウラジオストクから遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は遠距離航海へ出発した]

2020年4月3日に対馬海峡を南下して東シナ海へ入った後、太平洋に留まり、演習を行なっていました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は太平洋上で対テロ訓練を行なった]
[ロシア海軍太平洋艦隊の10隻の艦船は洋上で『太平洋艦隊の日』を迎えた]

2020年6月17日には沖縄本島宮古島の間を通過して東シナ海へ入り、その後、対馬海峡を通過して日本海へ入り、6月20日にウラジオストクへ帰投しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は遠距離航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2020年7月26日の『ロシア海軍の日』ウラジオストク(金角湾)の観艦式へ参加しました。


2020年8月15日までに太平洋艦隊所属艦船と共にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクを出航した]

太平洋艦隊艦船部隊は、オホーツク海、カムチャツカ半島およびチュクチ半島沿岸で演習を行ないました。
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2020年8月26日、同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共にチュクチ沿岸のアナドイル湾で海上目標(海上曳航盾船)への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"と"ソヴェルシェーンヌイ"はベーリング海北部で砲撃訓練を行なった]

2隻のコルベットベーリング海峡を超えてチュクチ海へ入り、2020年8月29日には同海域で沿岸の地上目標への艦砲射撃訓練を行ないました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"と"ソヴェルシェーンヌイ"はチュクチ海で艦砲射撃訓練を行なった]

ベーリング海演習は2020年8月31日に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のベーリング海演習は完了した]

2020年9月14日に宗谷海峡を西進して日本海へ入り、9月16日にウラジオストクへ帰投しました。
[ベーリング海演習(『大洋の盾-2020』)へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]


2020年10月中旬にはヘリコプターの夜間発着訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"は艦載ヘリコプターの夜間発着艦訓練を行なった]


2021年3月10日にはプロジェクト12411ロケット艇2隻と共にピョートル大帝湾へ出航し、砲撃訓練を行ないました。
この他、艦上ヘリコプターKa-27の着艦訓練も行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

3月26日にピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"グロームキー"はピョートル大帝湾で対潜戦闘訓練を行なった]

2021年4月22日にピョートル大帝湾で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"、"グロームキー"はピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]

2021年4月24日には日本海で対潜演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"はピョートル大帝湾で対潜演習を実施した]

2021年5月1日に他の太平洋艦隊主力水上艦と共にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート マルシャル・シャーポシニコフ、コルベット ソヴェルシェーンヌイ、グロームキー、大型海洋給油船ボリス・ブトマは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]

2021年5月末にはフィリピン海で同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット ソヴェルシェーンヌイとグロームキーはフィリピン海で砲撃訓練を実施した]

2021年6月に太平洋中央部で行なわれた太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。

[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

2021年7月8日にウラジオストクへ帰投しました。
[太平洋中央部(ハワイ諸島海域)の演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

2021年8月中旬には同型艦「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」と共にピョートル大帝湾で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット3隻はピョートル大帝湾で演習を実施した]

2021年8月31日に日本海で対空ミサイルの発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"と"グロームキー"は日本海で高射ミサイル"リドゥート"を発射した]

2021年10月初頭に日本海で戦闘訓練を行ないました。


2021年10月中旬に日本海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2021』へ参加しました。

[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

2021年12月中旬にフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」新型対潜ミサイルの発射試験を日本海で行なった際、その支援任務に従事しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"のミサイル発射支援任務に従事した大型対潜艦アドミラル・トリブツ、コルベット・グロームキー、ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフはウラジオストクへ帰投した]


2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として日本海オホーツク海で演習を行なう為、2021年2月1日にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船は日本海とオホーツク海で演習を行なう]


2月7日にはオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はラペルザ海峡(宗谷海峡)を通過してオホーツク海へ入った]

2月中旬にオホーツク海で各種戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はオホーツク海で海上戦闘訓練を実施した]
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はオホーツク海で対艦ミサイルを撃墜した]

2月下旬にはペトロパヴロフスク・カムチャツキー港の対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で基地防空訓練を実施した]

3月初頭にはカムチャツカ沖で沿岸への艦砲射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット4隻はカムチャツカ半島沿岸で艦砲射撃演習を実施した]

その後、他の太平洋艦隊の艦船と共に太平洋を南下して津軽海峡を通過、日本海へ入った後、3月14日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はオホーツク海演習を終えた後に津軽海峡を通過してウラジオストクへ帰投した]




2022年5月20日、他の太平洋艦隊の主力水上艦と共にウラジオストクを出航しました。
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5月末に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。

その後はオホーツク海太平洋(日本列島の東方沖)で演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の太平洋演習(2022年6月上旬)]

6月21日に対馬海峡を北上して日本海へ入り、6月23日にウラジオストクへ帰投しました。

[2022年6月上旬の太平洋演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はウラジオストクへ帰投した]


6月30日、同型のコルベット2隻及び大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」と共にウラジオストクで対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット3隻と大型対潜艦はウラジオストクで対空戦闘訓練を実施した]

7月11日には沿海地方太平洋艦隊の基地の1つで対空防衛訓練を行ないました。
何処の基地なのかは明らかにされていませんが、ウラジオストクならば明言されている筈ですから、おそらくは閉鎖行政地域フォキノでしょう。
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ロシア海軍黒海艦隊の多用途複座戦闘機Su-30SMはウクライナ特殊軍事作戦中に超音速対地ミサイルKh-31(クリプトン)を使用した

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『タス通信』より
2022年7月11日9時32分配信
【戦闘機Su-30SMはウクライナの特殊作戦で「クリプトン」ミサイルを使用した】
モスクワ、7月11日/タス通信

ロシア連邦黒海艦隊海上航空隊多目的戦闘機Su-30SMは、ウクライナ軍事作戦中に超音速ミサイルKh-31を使用した。
クリミアの軍機関は『タス通信』へ話した。

「ウクライナの特殊作戦ゾーンで黒海艦隊海上航空隊の航空機Su-30SMは、西側ではクリプトンと呼ばれている誘導ミサイルKh-31を使用しました」
対談者は話した。

彼によると、この航空ミサイルは既にウクライナ軍の様々な目標へ使用され、高い効果性を示している。
「対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31Pの助力により、戦闘機Su-30SMはウクライナの対空防衛高射システムの電波位置測定ステーションや、他のウクライナ軍の地上施設へ打撃を与えました」
対談者は指摘した。

『タス通信』は、この件に関する公式の情報を持っていない。

これまでウクライナにおける航空機Su-30SMからのKh-31の戦闘使用は公式に発表されていない。
ロシア軍当局は、戦闘機Su-35とSu-30SMを使用してウクライナ軍の軍事インフラ施設へ打撃を与える映像は公開している。
戦闘機の兵器庫には「空対地」クラスと「空対空」クラスのミサイルが有ると伝えられているが、動画では対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31PSu-35のみが吊り下げている事が示された。



[戦闘機とミサイル]
Su-30SM
は、ロシアの第4+世代多目的重戦闘機Su-30の最新モデルであり、超機動性を有し、フェーズドアレイアンテナ方式の電波位置測定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前方水平尾翼(カナード翼)を装備する。
Su-30の輸出ヴァージョンは海外で非常に需要が有る。
従って、インドには200機もの航空機Su-30MKIが供給された。
Su-30の派生型は2010年からロシア航空隊へ供給されている。

Su-30SMは、12ヶ所の吊り下げポイントへ広範囲の空対空ミサイル、空対地ミサイル、爆弾を搭載できる。
フェーズドアレイアンテナの電波位置測定器(レーダー)を装備し、15以上の空中目標を同時に追跡し、優先順位を選択し、その内の4つを攻撃する事を可能にする。
この時、目標探知距離は140キロメートルに達する。
Su-30SMの利点には、空中給油や吊り下げタンク無しで3000キロメートルの距離を飛行出来る事が含まれる。

対艦及び対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31ファミリー(NATO分類-AS-17クリプトン)は、コーポレーション『戦術ミサイル兵器』により作成された。

「クリプトン」は、結合ジェットエンジンを装備する世界初の量産ミサイルとなった。
その能力は、ミサイルが速度マッハ2(時速2300キロメートル以上)を維持したままの低高度飛行モード(3~5メートル)の実現を可能にした。
そのお陰により、高機動性と合わせ、敵の電波電子戦闘システムの対抗活動にも関わらず、ミサイルの生存の向上、対空防衛施設の突破と選択した目標の効果的な攻撃が可能となった。

今日において、Kh-31タイプの高速航空誘導ミサイルには4つのヴァージョンが存在する:対レーダーのKh-31PKh-31PD、対艦のKh-31AKh-31AD
Kh-31PDの最新モデルは、高射ミサイル複合体及びシステムの電波位置測定ステーションの撃破の為に意図されている。
ミサイルの発射距離は250キロメートル、弾頭部分の重量は110キログラム。
統合誘導システムを装備し、発射距離の延伸を考慮すれば先制攻撃の可能性が向上する。




多用途複座戦闘機Su-30SMは、インド空軍などが導入しているSu-30MK系列機をロシア軍向けに改正した機体であり、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊への導入が進められています。


ロシア海軍航空隊の為のSu-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

最終的には50機程度の調達が計画されています。
[多用途複座戦闘機Su-30SMはロシア海軍基地航空隊の主力となる]

現在までに、ロシア海軍航空隊では、黒海艦隊へ12機、バルト艦隊へ8機、北方艦隊へ2機が配備されています。

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2016年12月12日までに合計12機のSu-30SM黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]


黒海艦隊Su-30SMは、クトゥーゾフ勲章授与・セヴァストーポリ赤旗・第43独立海上襲撃機航空連隊に所属しており、前線爆撃機Su-24と共にクリミア半島サキ飛行場に駐留しています。
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2022年2月24日以降のウクライナ特殊軍事作戦にも参加しています。


今後に調達されるのは改良型Su-30SM2となり、更にはロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊の現用のSu-30SMSu-30SM2仕様へアップグレードされます。

2021年1月末にはバルト艦隊へ4機のSu-30SM2が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊へ4機の多用途複座戦闘機Su-30SM2が配備された]

ロシア海軍の第4世代多目的原子力潜水艦ヤーセン-Mの建造は進められている

『イズベスチヤ』より
2022年7月10日0時1分配信
【潜水艦の全て:「ヤーセン-M」潜水艦は艦隊の能力をどのように変えるのか】

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新たなプロジェクト艦の装備と、8隻が勤務へ就き始めるのは何時になるのか

7月末に「ヤーセン-M」型原子力潜水艦「ノヴォシビルスク」有翼ミサイルの練習戦闘発射を実施し、太平洋の恒久駐留場所へ向かう。
同プロジェクトの第2の生産潜水艦である「クラスノヤルスク」は7月初頭に初めて航行試験へ出発した。
防衛産業企業体の情報提供者が『イズベスチヤ』へ話したように、双方の潜水艦の作業及び試験スケジュールは既に軍当局と合意しており、これらのユニットと機構は高度の準備状態に在る。
これがロシア海軍の戦闘準備状態と国家の安全保障にとって何を意味するのか、軍事専門家ドミトリー・コルネフは特に『イズベスチヤ』の為に調べた。
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[秘密裏の勤務]
最新の多目的原子力潜水艦「ヤーセン-M」プロジェクトの建造と運用開始はリズミカルなテンポになりつつあり、計画通りに動き始めている。
これらの潜水艦は、1993年に起工されたプロジェクト885「ヤーセン」潜水艦から続くシリーズである。
それ(セヴェロドヴィンスク)は記録的な長期の建造~18年であった。
プロジェクト「ヤーセン」原子力潜水艦には、ソヴィエトの全ての水中造船の成果が組み込まれている:最大限の騒音の低減、革新的な船体設計、独自の水中音響複合体、艦内魚雷発射管、様々な用途のミサイルの為の汎用垂直発射装置。
実際に「セヴェロドヴィンスク」は、その後にプロジェクト885M「ヤーセン-M」シリーズで実現した最先端の解決策へ取り組んだ潜水艦となった。

これは、8隻から成る汎用打撃潜水艦シリーズである。
海軍では、シリーズの最初の艦はトップと呼ばれ、その後に生産モデルが続く~、1隻目、2隻目など。
プロジェクト「ヤーセン-M」のトップ潜水艦K-561「カザン」であり、最初の生産潜水艦K-573「ノヴォシビルスク」である。
「カザン」は3年に渡る試験と修正の後、2021年5月に北方艦隊の戦闘編制へ加わった。
「ノヴォシビルスク」「カザン」に続いて昨年12月に海軍へ受け入れられた。
更新プロジェクトはロシアの協力企業のみで建造されており、近代化されたシステム及び機器を有する。
新たな潜水艦は最初の「ヤーセン」(セヴェロドヴィンスク)よりも数メートル短くなったが、全ての主要な機能は保持されている。

同プロジェクト潜水艦は汎用打撃艦であり、他の潜水艦との戦闘や、水上及び地上の目標の破壊の双方で任務を遂行できる。
水中で「ヤーセン-M」は、水中音響複合体「イルティシュ-アンフォラ」の助力により数十キロメートルの距離で全てを「聞き取る」
それには強力な艦首球形アンテナと幾つかの艦内アンテナが含まれる。
事実、「ヤーセン-M」は前半球のみならず、側面や後半球の周囲の空間も「聞き取る」
騒音の低減を考慮すれば、これは敵を最初に探知し、打撃を与えるという利点をもたらす。

[遠距離打撃]
潜水艦
は、潜水艦水上艦を攻撃できる現代的な誘導魚雷を装備する。
敵の座標を受け取った「ヤーセン-M」は、このような目標へミサイル複合体「カリブル-PL」を使用できる。

原子力艦「ヤーセン」は単に「カリブル」だけでは無く、プロジェクト06363通常動力潜水艦へ配置されている同様のミサイル複合体とは異なる。
「ヤーセン」の発射装置は有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」に加え、今年に試験を完了する更に強力な汎用極超音速ミサイル「ツィルコン」を使用できる。

通常の「カリブル」は少なくとも距離250キロメートルの海上目標と、距離2500キロメートルの地上目標を攻撃できる。

このような兵装により、「ヤーセン」は実質的に戦略任務を遂行できる。
少なくとも1000キロメートルの距離で「ツィルコン」により、予想できない斬首及び不可避の打撃を与える事が出来る。
現代の対空防衛では、この極超音速ミサイルによる攻撃の撃退は事実上不可能である。

8隻の原子力打撃潜水艦シリーズは多くは無く、北方艦隊太平洋艦隊の為に4隻ずつの潜水艦となる。
おそらくは「ヤーセン-M」シリーズに続き、汎用性は劣らず、より予算が掛かるプロジェクト「ハスキー」潜水艦の建造が始まるだろう。
その詳細は未だ無いし、幾つかの比較は、未だ純粋に仮説でしかない。
それはさて置き、太平洋の為の最初の潜水艦K-573「ノヴォシビルスク」は今度の冬までにはカムチャツカへの移動を行ない、最新のプロジェクト「ボレイ」戦略水中ロケット艦と共に勤務へ就く。
その後、準備が整えば更に数隻のプロジェクト885M潜水艦が合流する。
「ヤーセン-M」シリーズ原子力潜水艦の建造は、おおよそ2027年~2028年の完了が見込まれている。
同プロジェクトの次の潜水艦K-571「クラスノヤルスク」は、2022年末までに海軍へ受け入れられなければならない。
この潜水艦は6月末に航行試験の為に海上へ出た。
北方艦隊での作業と越冬を終えた後、「クラスノヤルスク」もまた太平洋へ行く可能性は十分に有る。
これにより、ロシア海軍太平洋潜水艦グループは著しく強化される。
「クラスノヤルスク」に続き、艦隊「アルハンゲリスク」、「ペルミ」、「ウリヤノフスク」、「ヴォロネジ」、「ウラジオストク」を待っている。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦となるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦シリーズは、現在までに9隻がセヴェロドヴィンスク市『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工され、このうち3隻が就役しています。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト885「ヤーセン」】
最初に第4世代原子力潜水艦の構想が出たのは1977年の事でした。

当初は、『マラヒート』、『ルビーン』、『ラズリート』の各潜水艦設計局が、自社設計の原子力潜水艦の後継として別個に第4世代原子力潜水艦を設計していました。

魚雷ロケット原子力潜水艦プロジェクト958「アファリナ」(プロジェクト971シリーズの後継)
(サンクトペテルブルク海洋工学設計局『マラヒート』が設計)
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有翼ミサイル原子力潜水艦プロジェクト881「メルクーリイ」(プロジェクト949シリーズの後継)
(海洋工学中央設計局『ルビーン』が設計)
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魚雷ロケット原子力潜水艦プロジェクト957「ケドル」(プロジェクト945シリーズの後継)
(海洋工学設計局『ラズリート』が設計)
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しかし結局これらのプロジェクトは中止され、『マラヒート』の設計案「アファリナ」をベースにして艦後部に有翼ミサイル発射機を装備したプロジェクト885「ヤーセン」の設計が1985年に始まりました。
従来のソヴィエト/ロシア潜水艦は艦首に魚雷発射管を装備していましたが、「ヤーセン」は艦首に大型の水中音響複合体(ソナー)を搭載した為、魚雷発射管は艦中央部側面に移動しました。
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技術的にはソヴィエト/ロシアの一連の攻撃型原子力潜水艦の系譜に連なる「ヤーセン」ですが、有翼ミサイル発射機を装備した事により、ソヴィエト/ロシアの一連の有翼ミサイル原子力潜水艦の系譜も受け継ぐ事になりました。
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[ソ連/ロシア海軍の潜水艦用原子炉の系譜]


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プロジェクト885の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水、2013年12月30日に竣工、2014年6月17日に就役し、北方艦隊第11潜水艦師団(対空母師団)へ編入されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]

2番艦K-561「カザン」からは改良型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」となり、2009年7月24日に起工され、2017年3月31日に進水し、2021年5月7日に就役、北方艦隊へ配備されました。
[改セヴェロドヴィンスク型原子力水中巡洋艦カザンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなっています。

3番艦(「ヤーセン-M」としては2隻目)K-573「ノヴォシビルスク」は2013年7月26日に起工され。2019年12月25日に進水、2021年2月21日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2022年夏以降に太平洋艦隊基地へ回航されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクは2022年7月末に巡航ミサイル「カリブル」と「オーニクス」を発射する]

4番艦(「ヤーセン-M」としては3隻目)「クラスノヤルスク」は、2014年7月27日に起工されました。
[多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスク(と戦略原潜ボレイ級5番艦)はロシア海軍の日に起工された]
2022年6月末から洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは白海で洋上試験を開始した]
ロシア海軍への引き渡しは2022年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

5番艦(「ヤーセン-M」としては4隻目)「アルハンゲリスク」は、2015年3月19日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為のヤーセン級多用途原潜5番艦アルハンゲリスクは起工された]

6番艦(「ヤーセン-M」としては5隻目)「ペルミ」は、2016年7月29日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為の第6のヤーセン級原子力水中巡洋艦ペルミはセヴェロドヴィンスクで起工された]

7番艦(改「ヤーセン」級としては6隻目)「ウリヤノフスク」は、2017年7月28日に起工されました。
[ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

これで「ヤーセン」シリーズの建造は終了する筈でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

2020年7月20日、8番艦(「ヤーセン-M」としては7隻目)「ヴォロネジ」と9番艦(「ヤーセン-M」としては8隻目)「ウラジオストク」が一斉に起工されました。
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[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクはセヴェロドヴィンスクで起工された]
2021年春から船体の形成が始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦ウラジオストクとヴォロネジの船体の形成が始まった]

現在の所、この2隻のロシア海軍への引き渡しは、2027~2028年に予定されおり、「ヴォロネジ」北方艦隊「ウラジオストク」太平洋艦隊へ配備されます。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]


将来的には、このような配置になります。

北方艦隊(第11潜水艦師団)
「セヴェロドヴィンスク」、「カザン」、「アルハンゲリスク」、「ウリヤノフスク」、「ヴォロネジ」

太平洋艦隊(第10潜水艦師団)
「ノヴォシビルスク」、「クラスノヤルスク」、「ペルミ」、「ウラジオストク」

ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は太平洋演習と東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した

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『PortNews』より
2022年7月8日16時56分配信
【太平洋艦隊艦船支隊は遠海ゾーンで任務を遂行した後にウラジオストクへ戻ってきた】

フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、中型海洋給油船「ペチェンガ」で構成される太平洋艦隊艦船支隊は、遠海ゾーンで任務を遂行した後にウラジオストクへ戻ってきた。
ロシア国防省サイトでは、こう述べられている。

会合で太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊司令官ワレーリー・カザコフ少将は、戻ってきた船員を祝福した。

艦の乗組員は、1ヶ月半に渡り全ての与えられた任務を成功裏に遂行した。
艦は一連の演習へ参加し、その中で最大のものは、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将指揮下の遠海ゾーンの艦隊多種戦力演習であった:それには40隻以上の戦闘艦支援船が参加した。

アジア-太平洋諸国との海軍協力の発展の枠組みにおいて、支隊フィリピンマニラ港ベトナムカムラン港への寄港を行なった。




2022年5月20日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543)とコルベット「グレミャーシチー」(337)は、他のロシア太平洋艦隊の主力水上艦と共にウラジオストクを出航しました。

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5月末に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。


2022年6月3日、ロシア連邦国防省は、6月3日から10日まで太平洋上でロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将指揮下の40隻以上の艦船と20機の航空機が参加する演習が実施されると発表しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年6月3日7時58分配信
【40隻以上の海軍の艦船は太平洋で演習を実施する】

6月1日、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」オホーツク海で対空防衛演習を行ないました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年6月1日10時38分配信
【フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は「敵」爆撃機を無力化した】

6月9日、海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」(DD-103)は、北海道根室半島南東沖で太平洋艦隊水上艦部隊を確認しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月10日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

6月15日、コルベット「グレミャーシチー」太平洋上で対潜演習を実施し、その中で対潜ミサイル「オトヴェート」の模擬発射訓練を行ないました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年6月15日9時25分配信
【コルベット「グレミャーシチー」は仮想敵潜水艦狩りを行なった】

同じ6月15日、太平洋艦隊水上艦部隊北海道襟裳岬沖から千葉県犬吠岬沖へ向かった事が海上自衛隊により確認されました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

翌6月16日、太平洋艦隊水上艦部隊伊豆諸島海域を西進しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月17日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


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その後、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」コルベット「グレミャーシチー」、そして中型海洋給油船「ペチェンガ」は本隊と別れ、フィリピンへ向かいました。
(本隊は6月23日にウラジオストクへ帰投)

6月22日にフィリピンマニラ港へ寄港しました。
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6月23日にマニラ港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はフィリピンのマニラ港訪問を終えて出航した]

6月25日にベトナムカムラン港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はベトナムを訪れた]

6月28日にカムラン港から出航し、南シナ海で戦闘演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は南シナ海で戦闘演習を実施した]

7月1日に与那国島西表島の間の海域を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月2日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月4日には久場島大正島の間の海域を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月5日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月5日に東シナ海機雷掃討訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は東シナ海で機雷掃討訓練を実施した]

7月5日夜に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月8日にウラジオストクへ帰投しました。


「マルシャル・シャーポシニコフ」「グレミャーシチー」は、7月31日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれる観艦式へ参加します。
『インテルファクス・極東ニュース』より
2022年7月4日8時13分配信
【7隻の太平洋艦隊の戦闘艦艇がウラジオストクで海軍の日パレードへ参加する】
ウラジオストク観艦式には、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、小型対潜艦MPK-221、ロケット艇R-261、基地掃海艦BT-110、潜水艦「ウスチ・ボリシェレツク」が参加します。

何時もは太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」も参加するのですが、同艦は現在、地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフと太平洋艦隊の親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、地中海東部で対艦攻撃訓練(2022年6月14日)]

ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でオデッサ州のウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機を破壊した


『タス通信』より
2022年7月8日18時17分配信
【ロシア連邦軍はオデッサ州で2基のハープーン複合体発射機を破壊した】
モスクワ、7月8日/タス通信

ロシア連邦軍は、海上発射高精度兵器によりグレートブリテンから供給された2基のミサイル複合体「ハープーン」発射機オデッサ州で破壊した。
金曜日にロシア連邦国防省公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ中将は発表した。

「海上発射高精度兵器は、グレートブリテンから供給された2基の沿岸ミサイル複合体ハープーン発射機をオデッサ州のリマン居住所地域で破壊しました」
彼は話した。

ウクライナ軍当局のトップ、アレクセイ・レズニコフは6月9日、沿岸防衛ラインが「非常に効果的な複合ハープーン」で強化されたと言った。
6月15日、アメリカ合衆国国防長官ロイド・オースティンは、キエフへ軍事援助を提供する為に西側諸国が作成したコンタクトグループのブリュッセルでの会議の結果を受け、ウクライナへの新たな援助パッケージには、このような複合体の2つのシステムが含まれると言った。

ロシア大統領広報秘書官ドミトリー・ぺスコフは、ロシア連邦軍は、そのような供給を綿密に監視しており、適切な措置を取ると述べた。

[ミサイル「ハープーン」について]
対艦有翼ミサイル「ハープーン」
マクダネル・ダグラス社により開発され、現在はアメリカボーイングコーポレーションで製造されている。
3つのヴァージョンで発射される~空中発射(AGM-84)、艦上発射(RGM-84)、潜水艦発射(UGM-84)

ミサイルは亜音速の飛行速度を有し、225kgの弾頭を搭載できる。
最大飛行距離は、現在は10を超える派生型により120km~280kmである。

軍事専門家の評価では、ミサイル「ハープーン」は、そのクラスでは最も成功した開発の1つである。
それは、NATO諸国、アラブ首長国連邦、パキスタン、ブラジル、サウジアラビア、シンガポール、タイ、イスラエル、チリ、インドを含む世界の約30ヶ国で軍備に在る。



ロシア連邦軍「ウクライナ特殊軍事作戦」を開始した2022年2月24日、ロシア航空宇宙軍航空機ロシア海軍黒海艦隊巡航ミサイル「カリブル」搭載艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
初日には、少なくとも30基の「カリブル」が発射されました。

現在、黒海に居る「カリブル」搭載艦は9隻です。
フリゲート「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」
小型ロケット艦「グライヴォロン」、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「イングシェチア」
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「スタールイ・オスコル」、「コルピノ」

(この他、未だ正式に就役していない小型ロケット艦「ツィクロン」)

航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、2月25日深夜~2月26日未明にもウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は夜間にウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同じ2月26日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦により、もう一度大規模な巡航ミサイル攻撃がウクライナに対して行なわれました。
[2022年2月26日にロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」による攻撃を行なった]

3月1日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月20日には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦「ウクライナ特殊軍事作戦」において初めてウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊はウクライナ特殊軍事作戦において初めてカスピ海から巡航ミサイル「カリブル」をウクライナのムィコラーイウ州へ発射した]

同じ3月20日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ北西部のネージン車両修理工場への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からウクライナのネージン修理工場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドネツクルガンスクウクライナ軍施設への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からドネツクとルガンスクのウクライナ軍施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日夕方、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ西部リヴネ市北西のオルツィヴウクライナ軍兵器庫へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からリヴネ近郊のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月24日夜、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ州カルィーニウカ燃料貯蔵所へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ州カルィーニウカのウクライナ軍燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月25日、黒海艦隊小型ロケット艦(「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ジトームィル州ヴェリキー・コロフンツィ地域の弾薬兵器庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


3月27日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ近郊のプレセツクミサイル倉庫「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ近郊のプレセツクのウクライナ軍ミサイル倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月28日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ジトームィル州ウショムールヴェセロフカの大型弾薬庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


4月2日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、クレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてクレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月3日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦及び航空宇宙軍航空機は、オデッサ市石油精製工場燃料貯蔵所巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオデッサの石油精製工場と燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月4日夜、黒海艦隊小型ロケット艦は、オチャコフ市付近のウクライナ軍特殊部隊訓練センター巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオチャコフのウクライナ軍特殊部隊訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナへ7基の巡航ミサイル「カリブル」を一斉発射した]

4月6日、ロシア航空宇宙軍航空機巡航ミサイル(空中発射の高精度ミサイル)でウクライナ軍の5ヶ所の燃料貯蔵所を攻撃した際、クリミア半島に展開する黒海艦隊「バスチオン」(オーニクス)も攻撃に参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてウクライナ軍燃料貯蔵所へ超音速ミサイル「バスチオン」(オーニクス)を発射した]

4月7日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊フリゲート(おそらくは「アドミラル・エッセン」)は、ウクライナ軍の4ヶ所の燃料貯蔵所へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート(アドミラル・エッセン)は黒海からウクライナ軍の燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月8日にはオデッサ北東のクラスノシルカの訓練センターへ「バスチオン」(オーニクス)を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はオデッサ近郊のウクライナ軍訓練センターへ超音速ミサイル「バスチオン」(オーニクス)を発射した]

4月10日未明、黒海艦隊フリゲートは、ドニプロペトロウシク州ズヴォネツィキ巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは黒海からドニプロペトロウシク州へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドニプロペトロウシク州ドニプロ市南方の地対空ミサイルS-300が入っていた格納庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊しました。
このS-300は、ヨーロッパの国(おそらくは以前に供給を表明したスロバキア)からウクライナへ供給されたもののようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロ市郊外においてヨーロッパから供給されたS-300地対空ミサイルを巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

4月12日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、スタロコスチャンチニフ飛行場ハウルリフカの弾薬庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月13日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、サドヴォイ及びチュドニフウクライナ軍兵器庫巡航ミサイルを発射しました。
黒海艦隊小型ロケット艦が攻撃したのは、おそらくサドヴォイの方でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の兵器倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月15日には黒海艦隊の艦がキエフ州「カリブル」を発射し、対空ミサイル対艦ミサイルなどを生産しているジュリャンスク機械製造工場の生産設備を破壊しました。

『イズベスチヤ』より
2022年4月15日10時33分配信
【ロシア連邦軍はキエフ郊外の軍施設へ「カリブル」で打撃を与えた】

4月22日には黒海艦隊フリゲートメリオラチヴネ(ドニプロペトロウシク州)へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍大隊を撃破しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月22日11時35分配信
【咆哮と炎:黒海艦隊のフリゲート艦上からミサイル「カリブル」がウクライナの軍事施設へ発射された】

4月27日には黒海艦隊フリゲートザポリージャアルミニウムコンビナートカリブルを発射し、そこに在った外国製兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月27日11時34分配信
【目標へ向かって:ウクライナ特殊作戦中の「カリブル」発射の映像】

4月29日には黒海艦隊潜水艦ファスチフ(キエフ州)クラスノシルカポロンネ(オデッサ州)カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月29日11時51分配信
【黒海艦隊の潜水艦からの「カリブル」発射の公開映像】

5月4日には黒海艦隊潜水艦ウクライナの軍事インフラへ2基の「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月4日12時34分配信
【水面下からの攻撃:ウクライナの軍事インフラへの黒海艦隊潜水艦の「カリブル」発射映像】

5月8日にはリヴィウ州カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月8日20時52分配信
【機会は残さない:どのようにロシア軍はウクライナの軍事インフラ及び西側の兵器を破壊したのか】

5月13日にはクレメンチュグカリブルを発射し、石油精製施設を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月13日10時55分配信
【ロシア連邦国防省はクレメンチュグのウクライナ石油精製工場の生産力を破壊したと発表した】

5月17日には黒海艦隊フリゲートチェルニーヒウ州スームィ州カリブルを発射し、ウクライナ軍訓練センターを破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月17日12時53分配信
【一斉射撃:ウクライナ軍事インフラへの黒海艦隊フリゲートの「カリブル」発射の映像】

5月21日には黒海艦隊フリゲートジトーミル州の鉄道駅へカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された各種兵器を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月21日13時20分配信
【敵の目標へ:黒海艦隊フリゲートからの「カリブル」発射の映像】

5月23日には黒海艦隊潜水艦ジトーミル州マリン鉄道駅へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍第10山岳強襲旅団の車両を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月23日11時35分配信
【車両の破壊:ロシアの海上発射高精度ミサイル発射の映像】

5月25日には黒海艦隊フリゲートザポリージャへ3基のカリブルを発射し、モトールシーチの生産工場を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月25日14時24分配信
【ウクライナ軍事インフラへの「カリブル」の夜間発射の公開映像】

6月12日には黒海艦隊フリゲートテルノーピリ州へ4基のカリブルを発射し、兵器倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月12日12時55分
【4つの高精度打撃:黒海艦隊のフリゲート艦上からのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月14日にはチェルニゴフ州ウクライナ軍弾薬庫「カリブル」を発射しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月14日11時28分配信
【ロシア国防省はチェルニゴフ近辺のウクライナ軍弾薬庫を「カリブル」で破壊したと発表した】

6月15日には黒海艦隊フリゲートリヴィウ州へ4基のカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された兵器用の弾薬倉庫を破壊しました。

テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月15日14時15分配信
【ウクライナの目標への命中:黒海艦隊フリゲートからのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月19日昼には黒海艦隊フリゲートドニプロペトロウシク州カリブルを発射し、ウクライナ軍指揮所を破壊しました。

同日夜には黒海艦隊フリゲートムィコラーイウ市カリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与されたM777 155mm榴弾砲や戦闘装甲車両を破壊しました。

2022年6月19日15時11分配信
【黒海艦隊のフリゲート乗組員はウクライナ軍の施設へ4基のミサイル「カリブル」を発射した】


6月26日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、チェルニーヒウ州、ジトーミル州、リヴィウ州ウクライナ軍訓練センターを攻撃しました。
公表された動画を見る限り、少なくとも7基の「カリブル」が夜間に発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ軍の訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月8日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦オデッサ州リマン海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機2基を破壊しました。
この「ハープーン」イギリスが供給したものです。

近代化改装されたロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは黒海で最初の洋上試験を終えてセヴァストーポリへ帰投した


『タス通信』より
2022年7月8日15時53分配信
【黒海艦隊最古の潜水艦「アルローサ」は近代化の後の試験の第1段階を成功裏に終えた】
セヴァストーポリ、7月8日/タス通信

黒海艦隊潜水艦「アルローサ」は、その修理及び近代化の後の航行試験の第1段階を成功裏に実施した後にセヴァストーポリへ戻ってきた。
金曜日に『タス通信』黒海艦隊第13艦船修理工場の広報秘書官セルゲイ・ゴルバチョフより伝えられた。

「潜水艦アルローサは、航行試験の第1段階の実施後に工場の水域へ戻りました」
彼は話し、試験は成功裏に終わったことを確認した。

ゴルバチョフは、現在、洗い出された問題点が取り除かれ、潜水艦は試験の次の段階の準備を控えている事を明らかにした。

「アルローサ」は、ソヴィエト社会主義共和国連邦の崩壊直前にゴーリキー市(現ニジニ・ノヴゴロド)の『クラースノエ・ソルモヴォ』工場で建造され、プロジェクト877実験プロジェクトに属している。
その特徴は、スクリューに代わり、最大限の隠密裏の移動を保障する噴水推進装置が設置された事に在る。
噴水推進装置を持つ潜水艦は、海外からは「ブラックホール」と呼ばれている。

5月初頭に潜水艦の修理は完了すると伝えられ、「アルローサ」は新たな戦闘能力及び技術能力を獲得し、近年に黒海艦隊へ到着した6隻の潜水艦と同等の潜水艦となった。
以前、セヴァストーポリの軍機関の情報提供者は、潜水艦は近代化の後に複合体「カリブル-PL」搭載艦になると『タス通信』へ伝えた。



プロジェクト877V潜水艦B-871は、ロシア内陸部のゴーリキー(現ニジニー・ノヴゴロド)のクラースノエ・ソルモヴォ造船所で1988年5月17日に起工され、1989年9月10日に進水し、1990年12月30日に就役し、黒海艦隊へ配備されました。

プロジェクト877Vは、試験的に艦尾にポンプジェットを装備した実験艦です。
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1991年12月から1992年3月まで戦闘勤務を行ないましたが、1992年3月13日に乗組員の一部がウクライナへ忠誠を誓い、機関室を占拠して潜水艦の乗っ取りを試みました。
乗っ取りの試みは阻止されたものの、ソ連邦解体後のロシア・ウクライナ間の黒海艦隊分割・帰属問題も有り、更にはバッテリーの不調も有って1992年から1996年までは殆ど動きませんでした。

ただし、1996年2月10日公開のジャッキー・チェン主演の映画「First Strike」(ファイナル・プロジェクト)には、B-871が「出演」しています。

0:45から登場する潜水艦がB-871です。

1996年5月22日にバッテリーの交換を完了し、ようやく動けるようになりました。
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2004年1月5日に「アルローサ」と命名されました。
「アルローサ」は、ロシア宝石会社です。
【『アルローサ』公式サイト】

2011年6月にスペイン沖で実施された国際海軍演習『ボールド・モナーク-2011』に参加しました。


その後、2011年7月から2012年7月までバルト海沿岸のクロンシュタットで修理され、2012年9月にセヴァストーポリへ戻りました。
[ポンプジェット潜水艦アルローサは黒海へ戻る]
[ポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリへ戻った]

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2014年6月にセヴァストーポリ第13艦船修理工場(黒海艦隊直営)で修理及び近代化が始まりました。
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[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装を行なう]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサは近代化改装を行なっている]

「アルローサ」の近代化改装作業の完了時期は何度も延期され、2017年末の完了予定も実現しませんでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦アルローサの近代化改装は2017年に完了する]

2014年から2016年に掛け、黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦6隻が就役した為、黒海艦隊にとっては、「アルローサ」の復帰を急ぐ必要性は無くなりました。
[プロジェクト06363潜水艦]

そんな「アルローサ」ですが、今度はバルト艦隊へ転属させるという話が出てきました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはバルト艦隊へ転属する]
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは近代化改装後にバルト艦隊へ転属するかもしれない]

『第13艦船修理工場』の岸壁に係留されていた「アルローサ」でしたが、2019年5月末に同社の浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサはセヴァストーポリの浮きドックへ入った]
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「アルローサ」の近代化改装作業の完了は2019年に予定されていましたが、またも延期されました。
[ロシア海軍のポンプジェット潜水艦アルローサの近代化改装は2019年に完了する]

「アルローサ」は、2021年6月26日に浮きドックを出渠し、『第13艦船修理工場』の岸壁へ移動しました。
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「アルローサ」の近代化改装作業の完了は、2021年11月に予定されていました。
[ロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサの近代化改装は2021年に完了する]

しかし結局、「アルローサ」の近代化改装工事の完了は2022年6月になりました。
『タス通信』より
2022年5月6日20時4分配信
【セヴァストーポリで潜水艦「アルローサ」の修理が完了する】

近代化改装により、「アルローサ」には巡航ミサイル「カリブル」の運用能力が付与されました。
『タス通信』より
2022年5月6日9時5分配信
【情報筋:「カリブル」で武装する潜水艦「アルローサ」は黒海に留まる】

2022年6月28日、「アルローサ」は洋上試験を行なう為にセヴァストーポリから出航しました。

[近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備したロシア海軍黒海艦隊のポンプジェット潜水艦アルローサは黒海で洋上試験を開始した]

洋上試験の第1段階を終えた「アルローサ」は、7月8日に一旦セヴァストーポリへ帰投しました。
今後、洋上試験の第2段階が行なわれます。

以前にはバルト艦隊への転属が予定されていた「アルローサ」ですが、結局、黒海艦隊へ留まる事になるようです。
[近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備するポンプジェット潜水艦アルローサはロシア海軍黒海艦隊へ復帰する]

プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはロシア海軍へ就役した

2022年7月8日、プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦BS-329「ベルゴロド」はロシア連邦海軍へ就役しました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年7月8日13時36分配信
【最初の「ポセイドン」搭載潜水艦は海軍へ引き渡された】
モスクワ、7月8日-ロシア通信社ノーボスチ

潜水艦「ベルゴロド」海軍へ引き渡されたと『セヴマシュ』社(『統合造船業営団』へ加入)は発表した。

以前、この潜水艦は、戦略水中原子力無人機「ポセイドン」の試験搭載艦になると報じられた。

受領証書への署名及び引き渡し式典がセヴェロドヴィンスクの工場で開催された。
それには、国防省、海軍の幹部、アルハンゲリスク州及びセヴェロドヴィンスクの政庁、造船業界の代表者が参加した。

海軍総司令官ニコライ・エフメノフが指摘したように、艦の作成には、既存の技術的予備が使用された高度な科学的成果と最新の建造技術が用いられた。

「潜水艦ベルゴロドは、ロシアが様々な研究を行なう為の新たな機会を開き、世界の大洋の最も離れた海域で多様な科学探検及び救助活動の実行を可能にします。
これは、造船所・株式会社・生産合同『セヴマシュ』、株式会社・海洋工学中央設計局『ルビーン』のエンジニア及び設計技師、海軍の専門家、全ロシアの関連企業の労働者の無私の労働の結晶であります。
潜水艦ベルゴロド建造の為の全般的な課題は完遂されました。
乗組員の航海の成功を祈ります。キール下の7フィートを!」

彼は話した。

多目的原子力潜水艦「ベルゴロド」プロジェクト949A「アンテイ」(「クルスク」の同類)に属していたが、「ポセイドン」システムの為のプロジェクト09852へ特別に改造された。
潜水艦は2019年4月に進水した。
「ポセイドン」標準搭載艦となるのは原子力潜水艦「ハバロフスク」であるが、この潜水艦の全ての特性は秘密にされている。

「ポセイドン」の開発は、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが2018年の連邦強教書演説で初めて言及した。
彼によると、このような無人機は通常あるいは核弾頭を装備でき、航空母艦グループや沿岸要塞及びインフラを含む広範囲の目標を攻撃できる。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原子力潜水艦へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]

「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」(深海原子力無人機)の搭載母艦としての役割も果たします。

[大洋多目的システム「ポセイドン」]

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更には「原子力深海ステーション」、即ち深海調査用の小型特務原子力潜水艦も搭載できます。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは深海調査用小型原子力潜水艦を搭載する]
「ベルゴロド」は元のプロジェクト949Aよりも船体が30メートル延長され、全長は世界最大の潜水艦プロジェクト941(タイフーン級)よりも10メートル以上長い184メートルとなりました。
(941は172メートル)

プロジェクト941重戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦
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2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。

[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」は、2020年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、コロナウイルス流行による遅延(『セヴマシュ』でも感染者が出た)などの理由により、2020年中に洋上試験を開始する事すら実現できず、引き渡しは2021年に延期される事になりました
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]
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2021年6月25日、「ベルゴロド」白海へ出航し、最初の洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験を開始した]

「ベルゴロド」は7月24日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]


「ベルゴロド」ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されていましたが、同年中に洋上試験を完了させる事が出来なかった為、2022年に延期されました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの洋上試験は2021年9月に完了する]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2022年に洋上試験を完了する]

2022年6月下旬、「ベルゴロド」は最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはバレンツ海で最終洋上試験を行なっている]

国家試験を終えた後にセヴェロドヴィンスクへ戻り、2022年7月8日に就役式典が開催され、BS-329「ベルゴロド」ロシア海軍へ引き渡されました。

就役後、「ベルゴロド」は先ず北方艦隊で試験運用を行ない、その後、太平洋艦隊へ配備されます。