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最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍へ就役する

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『タス通信』より
2022年12月30日22時58分配信
【海軍は2023年に原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」を受け取る】
モスクワ、12月30日/タス通信

ロシア海軍は2023年に、プロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)戦略原子力水中ロケット巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」、4隻の潜水艦と12隻の水上艦を受け入れる課題を遂行する。
金曜日に海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は述べた。

「2023年に海軍は大量の重要な課題へ直面しており、その最優先事項は、弾道ミサイルを持つロケット戦略巡洋艦インペラートル・アレクサンドルIII、4隻の潜水艦、12隻の水上艦と支援船の海軍への受入です」
エフメノフ大将
は、海軍将兵への新年の挨拶で話した。

総司令官は更に、海軍が他の種類の高精度兵器ミサイル複合体の為の作業を続けている事を想い起こした。
来年には、海軍歩兵師団の形成が控えている。

12月21日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ軍当局の最終会議で、ロシアは既存の旅団を基にして海軍沿岸部隊に5個海軍歩兵師団を形成する必要が有ると言った。

原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」は12月29日に進水した。

これは、ロシア戦略原子力潜水艦「ボレイ」ファミリーの第7のロケット艦である。
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが式典へ参加した。

原子力水中ロケット巡洋艦は、16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載できる。
水中ロケット艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の航行試験の開始は来年6月に計画されている。
現行の国家軍備プログラムの枠組みにおいて、更に4隻のプロジェクト「ボレイ-A」潜水艦の建造が計画されている。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの7番艦「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工されました。
(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては4番艦)
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[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]


ロシア帝国海軍最後の戦列艦であり、ロシア革命後にチュニジアへ脱出した先代「インペラートル・アレクサンドルIII」に因んで命名されました。
同名の艦としては3代目となります。
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[ロシア海軍の新造艦に皇帝アレクサンドル3世の名が付けられる]
[ロシア海軍最新戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名される]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦インペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は発注された]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名された]

3代目「インペラートル・アレクサンドルIII」の建造工事は『セヴマシュ』で進められ、2022年12月29日に進水式典が開催されました。

[ロシア海軍の最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)はセヴェロドヴィンスクで進水した]

同日、同型艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)も開催されました。
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[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した]

「インペラートル・アレクサンドルIII」は2023年に6月に洋上試験を開始し、同年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
[新世代戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年末にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ配備される]
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東シナ海で中国海軍との合同演習『海洋協同-2022』へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はウラジオストクへ帰投した

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『KORABEL.RU』より
2022年12月30日12時46分配信
【太平洋艦隊の艦は演習『海洋協同-2022』を終えてウラジオストクへ帰投した】

太平洋艦隊戦闘艦支隊は、ロシア-中国合同演習『海洋協同-2022』の完了後にウラジオストクへ帰投した。

ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「ソヴェルシェーンヌイ」で構成される艦隊艦支隊は、ロシア-中国2ヶ国間海軍演習『海洋協同-2022』の完了後、艦隊主要基地へ到着したと海軍情報供給グループは発表した。

困難な嵐の条件下にも関わらず、支隊の艦の乗組員は戦闘訓練で高い結果を示し、新年の前に祖国の港へ戻ってきた。

演習中にロシア海軍中国海軍の船員は、乗っ取られた船を解放する訓練を行ない、海上での合同捜索救助活動へ取り組み、更に通信訓練を実施した。
両国の艦は、対潜航空隊の支援下で仮想敵潜水艦を捜索し、噴射推進爆雷の一斉射撃を行なった。
水上戦闘艦を模した標的への砲射撃が行なわれ、高射ミサイル及びで空中標的を撃破した。
演習期間中に計10回以上の戦闘訓練が合同で実施された。

合同演習は、12月21日から27日まで東シナ海水域で実施された。
ロシア海軍から演習を代表したのは、太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「ソヴェルシェーンヌイ」である。
中国人民解放軍海軍からは、駆逐艦「済南」、「包頭」、フリゲート「浜州」、「塩城」、複合補給艦、ディーゼル潜水艦が関わった。



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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年、2021年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

なお、それより以前の2005年8月下旬に実施されたロシア-中国合同演習『平和の使命-2005』において、初めてロシア海軍中国海軍の合同訓練が実施されました。
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『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

『海洋協同-2016』:2016年9月中旬に南シナ海で実施
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

『海洋協同-2017』
第1段階:2017年7月下旬にバルト海で実施
第2段階:2017年9月下旬に日本海及びオホーツク海で実施

[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

『海洋協同-2019』:2019年4月末~5月初頭に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

『海洋協同-2021』:2021年10月中旬に日本海で実施
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

2022年9月上旬にロシア極東方面で実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』にもロシア海軍中国海軍が参加し、演習が終わった後には太平洋ベーリング海、アリューシャン列島沖へ進出しました。
[ヴォストーク-2022演習と露中海軍の太平洋合同パトロール(2022年9月)]


そして2022年12月21日~27日に東シナ海合同演習『海洋協同-2022』が実施される事になり、ロシア太平洋艦隊の演習参加部隊は12月19日にウラジオストクを出航しました。
[2022年12月21日-27日に東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が実施される]

ロシア太平洋艦隊から合同演習へ参加したのは、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「ソヴェルシェーンヌイ」です。

演習参加部隊は12月20日夕方に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年12月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

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12月21日には東シナ海の演習実施海域(済州島の南方)で中国海軍の演習参加部隊と合流しました。
[東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が始まる]

中国海軍からは、駆逐艦「済南」、「包頭」、フリゲート「浜州」、「塩城」、複合補給艦、ディーゼル潜水艦が合同演習へ参加しました。

12月22日には合同操艦訓練や通信訓練を行ないました。
[合同演習『海洋協同-2022』へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船部隊は東シナ海で合流し、合同訓練を開始した]


その後も両国艦隊は海上演習を続け、12月27日に合同演習は終了しました。
[東シナ海でのロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』は終了した]

ロシア海軍の演習参加部隊は12月27日夕方~28日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年12月28日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

ロシア海軍の演習参加部隊は12月30日にウラジオストクへ帰投しました。

『V.P.マケーエフ国立ロケットセンター』は2023年からロシア海軍の新たな弾道ミサイルの開発を開始する

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『タス通信』より
2022年12月30日20時5分配信
【「サルマート」の開発者は2023年に海軍の利益の為の新たなプロジェクトの実行を計画している】
モスクワ、12月30日/タス通信

『V.P.マケーエフ国立ロケットセンター』は、来年にロシア海軍の利益の為の将来プロジェクトの実行を計画している。
同社の総取締役ウラジーミル・デグチャリは述べた。

彼は、2022年にミサイル「サルマート」の発射を成功裏に実施した事を想い起こした。
「来たる2023年、我々の努力は、地上配置戦略複合体の作成作業を完了し、海軍の利益及び平和的な宇宙探査の為の新たな将来プロジェクトの実行、その他、国立ロケットセンターのスタッフが直面する緊急の課題の解決へ指向されます」
金曜日に配布された新年の挨拶でデグチャリは述べた。

同社総取締役によると、『V.P.マケーエフ国立ロケットセンター』は高い潜在力を持っている。
「私は、全ての課題が遂行され、我々の共通の計画と企図が疑い無く実現する事を確信しております」
彼は強調した。

大陸間弾道ミサイル「サルマート」『V.P.マケーエフ国立ロケットセンター』により開発され、製造社は工場『クラスマシュ』(両社はロステックへ加入している)である。
大陸間弾道ミサイル「サルマート」の最初の発射は、4月20日にアルハンゲリスク州プレセツク宇宙港から行なわれた。

それは成功裏に実施され、ミサイルの飛行の全段階で設計特性が確認された。
国立ロケットセンターは、ミサイル複合体「スタンツィヤ-2」「シネーワ」「ライネル」の作成者である。



【『アカデミー会員V.P.マケーエフ記念国立ロケットセンター』公式サイト】

『アカデミー会員V.P.マケーエフ記念国立ロケットセンター』は、ソ連/ロシア海軍戦略潜水艦(原子力潜水艦)の為の弾道ミサイルを数多く開発しています。

現在の主力弾道ミサイルは、1986年2月に制式採用された液体燃料弾道ミサイルR-29RM(SS-N-23)シリーズの改良型です。

基本型のR-29RMに続き、1988年3月にR-29RMUが制式採用されました。

2002年にはR-29RMU1が制式採用されました。

1999年からR-29RMU2「シネーワ」の開発が始まり、2007年7月9日に制式採用されました。
[ロシア海軍戦略原潜デルタIV型は「シネーワ」で武装している]

その後、更なる改良型R-29RMU2.1「ライネル」が開発され、2014年4月に制式採用されました。
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]

現在は北方艦隊プロジェクト667BDRM戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦(「デルタIV」)「シネーワ」「ライネル」を搭載しています。

最近では、2022年10月26日のロシア連邦軍戦略核抑止戦力演習戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「トゥーラ」「シネーワ」を発射しています。

[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦トゥーラはロシア連邦軍の戦略核抑止戦力の演習で弾道ミサイル「シネーワ」を発射した]

667BDRMは2030年までに全艦退役する事が決まっており、これに伴い、搭載ミサイル(「シネーワ」「ライネル」)も2030年には退役します。
[ロシア海軍の潜水艦発射弾道ミサイル「シネーワ」と「ライネル」は2030年まで使用される]

R-29シリーズは液体燃料ですが、この他に『マケーエフ』は、1970年代に固体燃料弾道ミサイルR-39(プロジェクト941重戦略原子力水中巡洋艦に搭載)を開発し、1980年代初頭から実戦配備されました。
(2004年までに全て退役)

1990年代にはR-39の発展型であるR-39UTTkh「バルク」を開発しましたが、資金不足により開発は難航し、1998年には中止されてしまいました。
[幻と消えたSLBM「バルク」]


最近では、地上発射の重大陸間弾道ミサイルRS-28「サルマート」を開発していますが、2023年からロシア海軍用の弾道ミサイルの開発を始めます。
[マケーエフ記念国立ロケットセンターはロシア海軍の為の新型SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を開発する?]

それ以上詳しい事は明らかにされていませんが、おそらくは、『ルビーン』設計局が開発を進めている第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」が搭載する新型潜水艦用弾道ミサイルの開発社として『マケーエフ』が選定されたのでしょう。
[ロシア海軍の将来第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦概念設計案「アルクトゥル」]
[中央設計局『ルビーン』はロシア海軍の将来第5世代戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「アルクトゥル」の開発を進めている]

ロシア連邦軍(ロシア海軍とロシア航空宇宙軍)はウクライナ各地へ巡航ミサイルを発射した(2022年12月29日)

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『サンクトペテルブルクビジネス』より
2022年12月29日12時37分配信
【ロシア連邦国防省は、キエフとハリコフでの爆発を背景にミサイルを載せたグリーティングカードを公表した】

ウクライナ警報サービスのデータによると、キエフ、リボフ、ハリコフではミサイル打撃の後に一連の爆発が鳴り響き、全国に空襲警報が発令された。
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ロシア連邦国防省ミサイル打撃についてコメントしなかったが、公式テレグラムチャンネル「カリブルは決して尽きることはない」というキャプション付きのグリーティングカードを掲載した。
以前、ウクライナ国家安全保障・国防会議の秘書官アレクセイ・ダニロフは、ロシア軍は更に数回の大規模攻撃に十分なミサイルを保有していると言った。

キエフでは数回の爆発が鳴り響いたと市長ヴィターリー・クリチコは述べた。
「キエフは停電になるかもしれません。
電話やその他のデバイスを充電しておいて下さい。
水を買い溜めして下さい」

彼は自身のチャンネルへ投稿した。

『タス通信』は目撃者の談話を引用し、爆発はキエフ北西で聞こえた事を明らかにした。
ウクライナ首都の軍政庁は、工業企業及び個人住宅への着弾を発表した。

ハリコフでは、ミサイル打撃の後に地下鉄が停止した。
「ハリコフ州へ4基のミサイルの着弾が記録されました。
ネムシリアンスク及びオスノヴィヤノフスク地区の重要なインフラ施設が攻撃されました」

政庁のトップ、オレグ・シネグボフは述べた。

更に地元メディアは、リヴォフでは公共輸送機関が運航されておらず、市の住民の90パーセントは停電し、オデッサ南東郊外で2回の爆発が報告されたと伝えた。

地方当局は、キエフ、ニコラエフ、チェルニゴフスク、ジトーミル州の対空防衛作業について伝えた。
その後、ウクライナ大統領府顧問は、120基以上のミサイルウクライナへ発射されたと言った。



『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月30日13時13分配信
【ロシア連邦国防省:ウクライナへの大規模打撃により軍用装備の生産は停止し、ウクライナ軍予備部隊の移動を阻止した】

ロシア国防省は、昨日(12月29日)にウクライナの防衛産業企業体の作業を保障する敵の軍事指揮システムとエネルギー施設への大規模な長距離高精度打撃の結果を明らかにした。

「攻撃の目的は達成され、全ての指定施設を撃破しました。
打撃の結果、軍用装備と弾薬の製造及び修理、そして更にウクライナ西部地域からのウクライナ軍予備部隊の移送は停止しました」
ロシア防衛当局
の公式代理人イーゴリ・コナシェンコフは言った。

コナシェンコフは、鉄道輸送の破壊により、ウクライナ過激派へ供給される外国製兵器は後方地域で遮断された事を明らかにした.

更に彼によると、対空防衛要員は1日に3機のウクライナ無人機「ストリージ」を撃墜した。



ロシア連邦軍「ウクライナ特殊軍事作戦」を開始した2022年2月24日、ロシア航空宇宙軍航空機ロシア海軍黒海艦隊巡航ミサイル「カリブル」搭載艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
初日には、少なくとも30基の「カリブル」が発射されたようです。
『WION』より
2022年3月5日4時23分配信
【ロシアのウクライナ攻撃:巡航ミサイル「カリブル」はシリアの戦場でテストされた】

現在、黒海に居る「カリブル」搭載艦は10隻です。
[ロシア海軍黒海艦隊は4隻の巡航ミサイル「カリブル」搭載水上艦を黒海へ展開している]
フリゲート「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」
小型ロケット艦「グライヴォロン」、「ヴイシニー・ヴォロチョーク」、「イングシェチア」
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」、「ヴェリキー・ノヴゴロド」、「スタールイ・オスコル」、「コルピノ」

(この他、未だ正式に就役していない小型ロケット艦「ツィクロン」)
フリゲート小型ロケット艦は8基、潜水艦は4基の「カリブル」を搭載しています。

なお、ロシア国防省の公式発表では「海上発射長距離高精度兵器」という呼称が使われる事が多いのですが、これは「カリブル」を指しています。

2月25日深夜~2月26日未明にも航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は夜間にウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同じ2月26日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦により、もう一度大規模な巡航ミサイル攻撃がウクライナに対して行なわれました。
[2022年2月26日にロシア海軍黒海艦隊はウクライナ特殊軍事作戦で巡航ミサイル「カリブル」による攻撃を行なった]

3月1日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊の艦は、ウクライナに対する大規模な巡航ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月20日には、カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦「ウクライナ特殊軍事作戦」において初めてウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍カスピ小艦隊はウクライナ特殊軍事作戦において初めてカスピ海から巡航ミサイル「カリブル」をウクライナのムィコラーイウ州へ発射した]

同じ3月20日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ北西部のネージン車両修理工場への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からウクライナのネージン修理工場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドネツクルガンスクウクライナ軍施設への大規模なミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からドネツクとルガンスクのウクライナ軍施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月22日夕方、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ウクライナ西部リヴネ市北西のオルツィヴウクライナ軍兵器庫へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からリヴネ近郊のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月24日夜、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ州カルィーニウカ燃料貯蔵所へのミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ州カルィーニウカのウクライナ軍燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月25日、黒海艦隊小型ロケット艦(「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ジトームィル州ヴェリキー・コロフンツィ地域の弾薬兵器庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍兵器庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


3月27日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、キエフ近郊のプレセツクミサイル倉庫「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のブヤン-M小型ロケット艦は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からキエフ近郊のプレセツクのウクライナ軍ミサイル倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3月28日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ジトームィル州ウショムールヴェセロフカの大型弾薬庫へ「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において黒海からジトームィル州のウクライナ軍弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]


4月2日、航空宇宙軍航空機及び黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、クレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてクレメンチュグ石油精製工場の貯蔵庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月3日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦及び航空宇宙軍航空機は、オデッサ市石油精製工場燃料貯蔵所巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオデッサの石油精製工場と燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月4日夜、黒海艦隊小型ロケット艦は、オチャコフ市付近のウクライナ軍特殊部隊訓練センター巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてオチャコフのウクライナ軍特殊部隊訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナへ7基の巡航ミサイル「カリブル」を一斉発射した]

4月7日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊フリゲート(おそらくは「アドミラル・エッセン」)は、ウクライナ軍の4ヶ所の燃料貯蔵所へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート(アドミラル・エッセン)は黒海からウクライナ軍の燃料貯蔵所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月10日未明、黒海艦隊フリゲートは、ドニプロペトロウシク州ズヴォネツィキ巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは黒海からドニプロペトロウシク州へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、ドニプロペトロウシク州ドニプロ市南方の地対空ミサイルS-300が入っていた格納庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊しました。
このS-300は、ヨーロッパの国(おそらくは以前に供給を表明したスロバキア)からウクライナへ供給されたもののようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロ市郊外においてヨーロッパから供給されたS-300地対空ミサイルを巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

4月12日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、スタロコスチャンチニフ飛行場ハウルリフカの弾薬庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の弾薬庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月13日未明、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊小型ロケット艦は、サドヴォイ及びチュドニフウクライナ軍兵器庫巡航ミサイルを発射しました。
黒海艦隊小型ロケット艦が攻撃したのは、おそらくサドヴォイの方でしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦はウクライナ軍の兵器倉庫へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

4月15日には黒海艦隊の艦がキエフ州「カリブル」を発射し、対空ミサイル対艦ミサイルなどを生産しているジュリャンスク機械製造工場の生産設備を破壊しました。
『イズベスチヤ』より
2022年4月15日10時33分配信
【ロシア連邦軍はキエフ郊外の軍施設へ「カリブル」で打撃を与えた】

4月22日には黒海艦隊フリゲートメリオラチヴネ(ドニプロペトロウシク州)へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍大隊を撃破しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月22日11時35分配信
【咆哮と炎:黒海艦隊のフリゲート艦上からミサイル「カリブル」がウクライナの軍事施設へ発射された】

4月27日には黒海艦隊フリゲートザポリージャアルミニウムコンビナートカリブルを発射し、そこに在った外国製兵器を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月27日11時34分配信
【目標へ向かって:ウクライナ特殊作戦中の「カリブル」発射の映像】

4月29日には黒海艦隊潜水艦ファスチフ(キエフ州)クラスノシルカポロンネ(オデッサ州)カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年4月29日11時51分配信
【黒海艦隊の潜水艦からの「カリブル」発射の公開映像】

5月4日には黒海艦隊潜水艦ウクライナの軍事インフラへ2基の「カリブル」を発射しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月4日12時34分配信
【水面下からの攻撃:ウクライナの軍事インフラへの黒海艦隊潜水艦の「カリブル」発射映像】

5月8日にはリヴィウ州カリブルを発射し、鉄道変電施設を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月8日20時52分配信
【機会は残さない:どのようにロシア軍はウクライナの軍事インフラ及び西側の兵器を破壊したのか】

5月13日にはクレメンチュグカリブルを発射し、石油精製施設を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月13日10時55分配信
【ロシア連邦国防省はクレメンチュグのウクライナ石油精製工場の生産力を破壊したと発表した】

5月17日には黒海艦隊フリゲートチェルニーヒウ州スームィ州カリブルを発射し、ウクライナ軍訓練センターを破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月17日12時53分配信
【一斉射撃:ウクライナ軍事インフラへの黒海艦隊フリゲートの「カリブル」発射の映像】

5月21日には黒海艦隊フリゲートジトーミル州の鉄道駅へカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された各種兵器を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月21日13時20分配信
【敵の目標へ:黒海艦隊フリゲートからの「カリブル」発射の映像】

5月23日には黒海艦隊潜水艦ジトーミル州マリン鉄道駅へ4基のカリブルを発射し、ウクライナ軍第10山岳強襲旅団の車両を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月23日11時35分配信
【車両の破壊:ロシアの海上発射高精度ミサイル発射の映像】

5月25日には黒海艦隊フリゲートザポリージャへ3基のカリブルを発射し、モトールシーチの生産工場を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月25日14時24分配信
【ウクライナ軍事インフラへの「カリブル」の夜間発射の公開映像】

6月12日には黒海艦隊フリゲートテルノーピリ州へ4基のカリブルを発射し、兵器倉庫を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月12日12時55分
【4つの高精度打撃:黒海艦隊のフリゲート艦上からのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月14日にはチェルニゴフ州ウクライナ軍弾薬庫「カリブル」を発射しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月14日11時28分配信
【ロシア国防省はチェルニゴフ近辺のウクライナ軍弾薬庫を「カリブル」で破壊したと発表した】

6月15日には黒海艦隊フリゲートリヴィウ州へ4基のカリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与された兵器用の弾薬倉庫を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月15日14時15分配信
【ウクライナの目標への命中:黒海艦隊フリゲートからのミサイル「カリブル」発射の映像】

6月19日昼には黒海艦隊フリゲートドニプロペトロウシク州カリブルを発射し、ウクライナ軍指揮所を破壊しました。
同日夜には黒海艦隊フリゲートムィコラーイウ市カリブルを発射し、ヨーロッパ諸国から供与されたM777 155mm榴弾砲や戦闘装甲車両を破壊しました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年6月19日15時11分配信
【黒海艦隊のフリゲート乗組員はウクライナ軍の施設へ4基のミサイル「カリブル」を発射した】


6月26日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、チェルニーヒウ州、ジトーミル州、リヴィウ州ウクライナ軍訓練センターを攻撃しました。
公表された動画を見る限り、少なくとも7基の「カリブル」が夜間に発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊はウクライナ軍の訓練センターへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月8日、黒海艦隊フリゲートオデッサ州リマン海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機2基を破壊しました。
この「ハープーン」イギリスが供給したものです。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でオデッサ州のウクライナ軍地対艦ミサイル「ハープーン」発射機を破壊した]

7月11日未明、黒海艦隊フリゲートドニプロペトロフスク州ラドゥシュノエ「カリブル」を発射し、アメリカから供給された兵器の弾薬の保管倉庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナでアメリカから供給された兵器の弾薬保管庫を破壊した]

7月13日、黒海艦隊フリゲートザポリージャ市の高電圧機器工場付近でウクライナ軍第45砲兵旅団多連装ロケット砲を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はザポリージャでウクライナ軍第45砲兵旅団の多連装ロケット砲を破壊した]

7月14日にはウクライナ空軍司令部が在るヴィーンヌィツャの将校集会所へ「カリブル」が発射され、建物は破壊されました。
ロシア国防省の動画を見る限り、「ブヤン-M」小型ロケット艦が3基の「カリブル」を発射しています。
「カリブル」が命中した時、この集会所ではウクライナ空軍司令部の代表と外国の代表団の兵器供給に関する会議が行なわれていました。
[ロシア海軍黒海艦隊の巡航ミサイル「カリブル」はウクライナ空軍と外国との兵器供給会議中のヴィーンヌィツャの将校集会所を破壊した]

7月20日にはオデッサ州ダチュノエ長距離海上発射高精度兵器(「カリブル」)を発射し、ウクライナ軍第35海軍歩兵旅団の将兵200名以上を殺傷し、10両以上の車両を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はオデッサ州のウクライナ軍第35海軍歩兵旅団の駐屯地へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月23日には「ブヤン-M」小型ロケット艦オデッサ市「カリブル」を発射しました。
(動画では4基の「カリブル」が発射されている)
[ロシア海軍黒海艦隊はオデッサ市へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

同日、ロシア航空宇宙軍航空機と共にキロヴォグラードカナトヴォ飛行場「カリブル」を発射しました。
(航空宇宙軍Kh-22が5基、カリブルが8基)
[ロシア海軍黒海艦隊はキロヴォグラードのカナトヴォ飛行場へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月24日夜にフメリニツキー州ボグダノフツィ「カリブル」を発射し、多連装ロケット砲HIMARSM777榴弾砲の弾薬の貯蔵基地を破壊しました。
(動画では夜間に少なくとも3基の「カリブル」が発射されている)
[ロシア海軍黒海艦隊はフメリニツキー州のボグダノフツィへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

7月28日、黒海艦隊カリブル搭載艦は、ロシア航空宇宙軍航空機及び戦術弾道ミサイル「イスカンデル」部隊と共にキエフ州リュテズチェルニゴフスク州ゴンチャロフスコエ(両方ともキエフ市の北方)へのミサイル攻撃を行ないました。
(合計で約20基のミサイルを発射、この内「カリブル」は6基)
黒海艦隊が攻撃したのは、ウクライナ軍第30機械化旅団が居たリュテズのようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はキエフ州のウクライナ軍第30機械化旅団の駐留地へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

8月8日、黒海艦隊フリゲートは、チェルカッシィ州ウマニ「カリブル」を発射し、多連装ロケット砲HIMARSM777榴弾砲の弾薬倉庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートは巡航ミサイル「カリブル」でチェルカッシィ州のウマニの弾薬倉庫を破壊した]

8月13日、黒海艦隊カリブル搭載艦は、地上発射高精度ミサイル(「イスカンデル」?)と共にハリコフ州南部のガヴリロフカ駅付近を攻撃しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はハリコフ州南部のガヴリロフカへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

8月21日、黒海艦隊フリゲートオデッサ州マイオルスコエ「カリブル」を発射し、多連装ロケット砲HIMARSの弾薬倉庫と、それを護っていた西側の対空火器(ゲパルト?)を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートはオデッサ州のHIMARS弾薬倉庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

その後、暫く「カリブル」による攻撃は無く、8月末になると西側では、ロシア軍「カリブル」を使い果たしたという見方まで出てきましたが、9月6日、黒海艦隊カリブル搭載艦(動画を見る限りフリゲート)は、ドニプロペトロウシク州カルピウカ「カリブル」を発射し、大型燃料貯蔵庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はドニプロペトロウシク州のカルピウカの大型燃料貯蔵庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

ロシア国防省による公式発表は有りませんが、9月11日夕方にハリコフ州火力発電所「カリブル」による攻撃を受け、ウクライナの一部で大規模な停電が発生しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はハリコフ州の火力発電所へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

9月14日夜、クリヴィー・リフ近郊のカラチュノフスコエ貯水池のダムが「カリブル」による攻撃を受け、この近辺のインフレツィ川の水位が急激に上昇しました。
ウクライナ側は、この地域の川の水位の上昇によりへルソン方面のウクライナ軍部隊の渡河を妨害する為にダムを攻撃したと見ています。
[ロシア海軍黒海艦隊は巡航ミサイル「カリブル」でクリヴィー・リフのダムを破壊した]

それから暫く「カリブル」の攻撃は有りませんでしたが、ロシア黒海へ常時2-3隻の「カリブル」搭載艦を展開させており、ウクライナ軍南方作戦司令部は、10月10日朝の時点で黒海に6隻の「カリブル」搭載艦(水上艦4隻、潜水艦2隻、合計でミサイル40基)が展開していると発表しました。
『Fokus』より
2022年10月10日9時44分配信
【ウクライナを狙う40基の「カリブル」:黒海でミサイル搭載艦の数が増加-南方作戦司令部】

10月10日午前、ウクライナ側(クリヴィー・リフ市当局)によると、クリヴィー・リフへ14基の「カリブル」が発射されました。
つまり、少なくとも2隻の「カリブル」搭載艦ミサイルを発射した事になりますが、ロシア国防省が公表した動画を見る限り、その内の1隻はフリゲートのようです。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリヴィー・リフへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
この他、ロシア軍ウクライナ全土を巡航ミサイル無人機で攻撃しました。

翌10月11日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦は、10基の「カリブル」ウクライナへ発射しました。
同時にカスピ小艦隊「カリブル」搭載艦も10基以上の「カリブル」ウクライナへ発射しました。
(カスピ小艦隊には4隻の「カリブル」搭載艦が居る)
前日と同様、「カリブル」だけではなく、ロシア航空宇宙軍空中発射巡航ミサイル無人機などによる空爆も同時に行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊はウクライナへ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

10月14日、黒海艦隊フリゲートは、ウクライナ西部リヴォフ(リヴィウ)州ブロドゥイへ少なくとも5基の「カリブル」を発射し、同地に在る兵器庫を破壊しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲートはリヴィウ州のブロドゥイの兵器庫を巡航ミサイル「カリブル」で破壊した]

10月17日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ウクライナ領内へ「カリブル」を発射しました。
カスピ小艦隊「カリブル」搭載艦ウクライナ領内へ16基程度の「カリブル」を発射しました。
同時にロシア航空宇宙軍航空機ウクライナ領内へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊はウクライナの軍事指揮施設とエネルギー施設へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

10月18日朝、黒海艦隊「カリブル」搭載艦(動画を見る限り「ブヤン-M」小型ロケット艦)とロシア航空宇宙軍航空機は、ウクライナ各地の軍事指揮施設と発電施設、兵器庫へ巡航ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナの軍事指揮施設と発電施設、兵器庫へ巡航ミサイルを発射した]

10月19日朝、黒海艦隊「カリブル」搭載艦(動画を見る限りフリゲート)とロシア航空宇宙軍航空機は、ウクライナ各地の軍事指揮施設と発電施設へ巡航ミサイルを発射しました。
ロシア国防省は具体的な攻撃場所を明らかにしていませんが、ウクライナ側の報道によると、少なくとも首都キエフには巡航ミサイル(「カリブル」或いは航空機発射のKh-101)が着弾しています。
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナ(キエフ)の軍事指揮施設と発電施設へ巡航ミサイルを発射した]

その後もロシア航空宇宙軍航空機ウクライナ各地への巡航ミサイル攻撃を続けましたが、黒海艦隊「カリブル」搭載艦による攻撃は10月20日と21日には行なわれませんでした。

ロシア海軍は関わっていませんが、10月21日の航空機発射巡航ミサイルによる攻撃では、ハリコフ(ハルキウ)市コムナール工場対艦ミサイル「ネプトゥン」の組立作業を行なっていた作業場も破壊されました。
これらのミサイルコムナール工場で組み立てられた後、ザポリージャ「モトール・シーチ」工場へ送って弾頭を装備する予定でしたが、今回の攻撃で全て破壊されたようです。
『Eadaily.com』より
2022年10月21日9時44分配信
【ハリコフでの爆発-対艦ミサイル「ネプトゥン」の作業場は破壊された】

10月22日、黒海艦隊「カリブル」搭載艦ロシア航空宇宙軍航空機によるウクライナへの巡航ミサイル攻撃が行なわれました。
黒海艦隊は16基の「カリブル」を発射しました(つまり水上艦2隻から)。
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナへ巡航ミサイルを発射した]

その後もロシア航空宇宙軍航空機によるウクライナへの巡航ミサイル攻撃は続けられました。

10月31日朝、黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画では「ブヤン-M」小型ロケット艦)とロシア航空宇宙軍航空機は、キーウ、ハルキウ、ポルタヴァ、ザポリージャ、ヴィーヌンツァ、オデーサ各州へ巡航ミサイル攻撃を行ないました。
(合計で40基以上の巡航ミサイルを発射)
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナ各地へ巡航ミサイルを発射した]

11月15日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画によるとフリゲート)は、ウクライナ全土(チェルニーヒウ州、ザカルパッチャ州ロシアが自国編入を宣言した4州以外の全州)へ合計90基以上の巡航ミサイルを発射しました。
(この内「カリブル」は20基程度、他は空中発射巡航ミサイルKh-101Kh-555)
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナ全土への大規模な巡航ミサイル攻撃を実施した]

11月17日、ロシア航空宇宙軍航空機黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画によると小型ロケット艦)はウクライナ各地へ巡航ミサイルを発射しました。
更に陸軍弾道ミサイル「イスカンデル」(陸上発射長距離高精度兵器)を発射しました。
今回の主要攻撃目標は、ウクライナミサイル製造工場だったようです。
[ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はウクライナの兵器製造施設などを巡航ミサイルで攻撃した]

11月23日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画によるとフリゲート)、そして更に陸軍弾道ミサイル「イスカンデル」は、ウクライナ各地(リヴォフ州、フメリニツキー州、ヴィニーツァ州、キエフ州、ポルタワ州、ドニエプル州、スミイ州、クレメンチュグ市、クリヴォイ・ログ州、オデッサ州、ニコラエフ州)への大規模ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍とロシア陸軍はウクライナへの大規模ミサイル攻撃を実施した(2022年11月23日)]

ロシア国防省は、キエフ市内の被害はウクライナ軍対空ミサイルの落下によるものだと言っていますが、確かに、ウクライナ軍NASAMS(空対空ミサイルAIM-120 AMRAAMの地上発射型)がキエフの住宅地へ落下しています。
【TC Yildiz氏の2022年11月24日9時14分のツイート】


その後、暫くロシア軍による大規模ミサイル攻撃は無く、西側ではまたもロシアミサイルが枯渇したなどと言われていましたが、12月5日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機黒海艦隊「カリブル」搭載艦(国防省の動画ではフリゲート)は、ウクライナのほぼ全域への大規模なミサイル攻撃を実施しました。
(第一波で巡航ミサイル約150基、第二波で約100基)
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍はウクライナへの大規模ミサイル攻撃を実施した(2022年12月5日)]

12月16日、ロシア航空宇宙軍戦略爆撃機黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画では「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ウクライナ各地(ドニエプロペトロフスク州、キロヴォグラード州、ハリコフ市、コロステン市、ジトーミル州、ポルタワ州など)への大規模ミサイル攻撃を行ないました。
[ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍、ウクライナへの大規模ミサイル攻撃を実施(2022年12月16日)]

12月29日、ロシア航空宇宙軍黒海艦隊「カリブル」搭載艦(ロシア国防省の動画では「ブヤン-M」小型ロケット艦)は、ウクライナ全土へ巡航ミサイル120基以上を発射しました。

極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を搭載するロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は2023年1月に地中海へ行く

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『タス通信』より
2022年12月28日14時39分配信
【「ツィルコン」を持つ「アドミラル・ゴルシコフ」は初めて海軍地中海戦隊を率いる】
モスクワ、12月30日/タス通信

極超音速ミサイル「ツィルコン」を持つ北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、来年に初めて地中海ロシア海軍常設作戦グループを率いる。
『タス通信』軍当局に近い情報筋より伝えられた。

「フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"の戦闘当直の為の海上への出航は、2023年1月に計画されております。
艦上に極超音速ミサイル"ツィルコン"を有する同艦は、地中海で戦闘当直任務を果たします」

彼は話し、このような出来事は、ロシア海軍史上初めて起こる事を指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前、ロシア連邦大統領は、ミサイル「ツィルコン」を持つ艦の遠距離航海は2023年1月に始まると発表した。
12月28日、北方艦隊広報サービスは、イーゴリ・クロフマリ1等海佐が指揮するフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は遠距離航海の準備を完了したと発表した。
12月にフリゲートは、『クロンシュタット海洋工場』での計画技術的整備の後に艦隊間移動を行ない、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市へ到着した。

「アドミラル ゴルシコフ」は、プロジェクト22350遠海・大洋ゾーン多目的フリゲートのトップであり、工場『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された。
2018年7月にロシア海軍へ加入した。

その主な打撃兵器は、ミサイル複合体「カリブル-NK」である。
更に艦は、レウトフ科学生産合同『機械製造』(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』へ加入)が開発、製造する最新極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験へ積極的に参加した。
このミサイルは既にロシア連邦海軍への供給が始まっていると報じられた。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

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「アドミラル・ゴルシコフ」北方艦隊第43ロケット艦師団へ編入されました。

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。


2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】
【曳船「ニコライ・チケル」】

2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、この2隻と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]
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3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった]

4月1日にはインド洋(随伴船の位置から推察すると、正確にはアラビア海ソコトラ島東方海域)で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はアラビア海で対空戦闘訓練を行なった]
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4月3日、「アドミラル・ゴルシコフ」スリランカコロンボ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを訪れた]

4月6日、「アドミラル・ゴルシコフ」コロンボ港を出航し、中国青島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを去り、中国へ向かった]

4月11日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマラッカ海峡へ入った]
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4月13日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南シナ海へ入った]

4月16日にはフィリピン海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィリピン海へ入った]
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4月20日に黄海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は黄海へ入った]

4月21日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国の青島港へ到着した]

4月23日には中国人民海軍創設70周年記念国際観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国への公式訪問を続けている]

4月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島を出航し、ウラジオストクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国を去り、ウラジオストクへ向かった]

4月28日に対馬海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は対馬海峡へ入った]

5月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はウラジオストクへ到着した]

5月7日、「アドミラル・ゴルシコフ」ウラジオストク金角湾第33埠頭を離れ、ウラジオストク西岸のアムール湾へ移動しました。
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5月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利74周年記念行事へ参加した後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は5月10日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中部太平洋へ向かった]
(ただし、給油船「カーマ」はそれよりも前に出航し、5月8日に津軽海峡を通過して太平洋へ入っている)

5月11日に津軽海峡を通過して太平洋へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年5月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は太平洋を東進し、5月15日にはハワイ諸島付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ沖へ到達した]
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その後も「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はハワイ諸島周辺海域に留まり、5月24日にはハワイ諸島南東海域で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ南東沖で対潜演習を行なった]

5月30日には、太平洋西部で捜索救助演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は太平洋西部で捜索救助演習を行なった]

6月8日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は赤道を通過し、古くからの船乗りの伝統に従い、赤道祭が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で赤道祭が行なわれた]
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6月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はエクアドルプエルト・ボリバル港へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルのプエルト・ボリバル港を訪問した]

6月12日、プエルト・ボリバル港ロシア連邦の祝日『ロシアの日』を祝いました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルで『ロシアの日』を祝った]

ソヴィエト連邦時代の1990年6月12日、ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国の国家主権の宣言が採択された事を記念し、この日はロシア連邦の祝日となりました。
『ロシア・ビヨンド』(日本語版)より
【「ロシアの日」って何?】

6月13日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はプエルト・ボリバル港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルを去り、パナマ運河へ向かった]

6月15日には給油船「カーマ」から燃料を補充しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南アメリカ沖で洋上給油を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」は6月18日までにパナマ運河の通過を完了してカリブ海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はパナマ運河を通過してカリブ海へ入った]
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翌6月19日、他の3隻の随伴船多機能後方支援船「エリブルス」、給油船「カーマ」、救助曳船「ニコライ・チケル」パナマ運河へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の支援船はパナマ運河を通過する]

6月20日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船3隻は、パナマ運河の出口で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船はカリブ海へ入った]

6月24日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻(多機能後方支援船「エリブルス」、救助曳船「ニコライ・チケル」)は、キューバハバナ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はキューバのハバナ港へ到着した]

「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻は、6月26日にハバナを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はキューバを去った]
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同じ6月26日、別行動を取っていた給油船「カーマ」は、物資補充の為、トリニダード・トバゴ島へ到着しました。

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船カリブ海を出て大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカリブ海を去った]
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7月1日に「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻は給油船「カーマ」と合流し、洋上で燃料補給を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は大西洋で洋上給油を行なった]

7月2日、「アドミラル・ゴルシコフ」は大西洋上でA-192 130mm単装砲の実弾射撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は大西洋上で130mm砲を発射した]

7月5日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船大西洋の横断を終え、カーボベルデ付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカーボベルデへ行く]
7月6日にはカーボベルデの首都プライア港へ入港しました。
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7月8日にプライア港を出航し、大西洋北東海域へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカーボベルデを去った]

7月12日にはカナリア諸島北方沖へ到達し、ここで潜水艦の捜索や強制浮上、潜水艦への武器使用の演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカナリア諸島沖で対潜演習を実施した]
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その後、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船は、ポルトガル・スペイン沖、そしてビスケー湾を通過し、7月17日に再びラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は英仏海峡へ入った]

グレートブリテン海軍、フランス海軍、ネーデルラント海軍の軍艦、ドイツ沿岸警備隊の艦に追跡された「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船は、7月19日にスカゲラク海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスカゲラク海峡へ入った]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ行く]

「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船バルト海へ入り、7月23日にクロンシュタットへ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


主要海軍パレードが終わった後、クロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後、ノルウェー海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"と大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海で演習を実施した]

8月19日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は世界一周航海を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2019年10月中旬のロシア連邦軍戦略演習『グロム-2019』へ参加し、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」白海「ミサイル兵器」の試験を行なう事になり、2019年11月23日にセヴェロドヴィンスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海でミサイルの試射を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

「アドミラル・ゴルシコフ」白海「ミサイル兵器」(極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」)の「試験準備の第1段階」を行なった後、12月26日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]


「アドミラル・ゴルシコフ」は、2020年1月にバレンツ海極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

4月2日にセヴェロモルスクを出航し、白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで部分的な近代化を行なう]

4月4日にセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]
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「アドミラル・ゴルシコフ」は、セヴェロドヴィンスクの艦船修理企業(おそらくは艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』)で定期整備と、部分的な近代化改装が行なわれました。
近代化の具体的な内容は明らかにされていませんが、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用(発射)に関するもののようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで極超音速ミサイル"ツィルコン"を積載する]
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

定期整備と改修を終えた「アドミラル・ゴルシコフ」は、6月27日にセヴェロドヴィンスクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なう為に出航した]

「アドミラル・ゴルシコフ」は、白海で改修後の洋上試験を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

当初、「アドミラル・ゴルシコフ」からの「ツィルコン」発射試験は、2020年春に行なわれる予定でしたが、新型コロナウイルス感染の影響(セヴェロドヴィンスクでも感染者が出ている)の為、結局、2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2020年中の「ツィルコン」発射試験を全て終えた「アドミラル・ゴルシコフ」は、12月末に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を終えたロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港への帰路に就いた]


2021年には先ず基地内で乗組員の各種訓練を行ない、2月19日にバレンツ海へ出航し、洋上戦闘訓練を開始しました。
2月19日には、130mm砲による沿岸目標への艦砲射撃が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

3月24日にバレンツ海へ出航し、洋上戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で射撃訓練を行なう]

翌3月25日、バレンツ海からノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標へ超音速ミサイル「オーニクス」を発射しました。
「アドミラル・ゴルシコフ」「オーニクス」を発射したのは、今回が初めてです。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海からノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標へ超音速ミサイル"オーニクス"を発射した]

3月26日には、A-192M130mm砲によるノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標への艦砲射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノヴァヤ・ゼムリャ群島で艦砲射撃訓練を行なった]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月31日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で対空防衛演習を行なう]

翌4月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を発射する対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

5月9日の大祖国戦争戦勝記念日には、ムルマンスク市で一般公開されました。
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フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]
その後、セヴェロモルスクへ戻りました。

2021年10月28日にバレンツ海対空ミサイル「ポリメントリドゥート」を対空目標と、更に海上目標へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月28日19時30分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」乗組員はバレンツ海で高射ミサイル射撃を実施した】

10月末にはコラ湾に停泊中の「アドミラル・ゴルシコフ」の甲板で、4機のKa-27PS捜索救助ヘリコプターが昼間と夜間に計10回以上の発着艦訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月30日13時45分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はコラ湾でヘリコプターの着艦へ取り組んだ】

11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月24日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、産業貿易相デニス・マントゥロフ氏や安全保障会議副議長ドミトリー・メドベージェフ氏などが参加するリモート会議の席上で、同日朝(モスクワ時間5時30分)に「ツィルコン」の一斉発射試験、つまり2発以上のミサイルの同時発射に成功したと発表しました。
[ロシア海軍は極超音速ミサイル「ツィルコン」の一斉発射試験に成功した]
プーチン大統領は、それ以上具体的な事は明らかにしませんでしたが、この発射試験も「アドミラル・ゴルシコフ」白海から実施した事は間違いないでしょう。
何処へ向けて発射したのかも明言されていませんが、順当に行って海上目標でしょう。

その後、セヴェロモルスクへ戻りました。


2022年1月末からのロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環としてバレンツ海で行なわれた北方艦隊の演習へ参加しました。

1月26日未明、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」を始めとする北方艦隊の艦船部隊もバレンツ海へ出航し、演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を開始した]

1月28日にはバレンツ海で砲撃訓練を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で砲撃訓練を実施した]

その後、一旦帰投していたようですが、2月15日に再びバレンツ海で演習を開始しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを始めとするロシア海軍北方艦隊の約20隻の艦船はバレンツ海で演習を開始した]

2月16日には北方艦隊艦上戦闘機隊と協同で対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊と艦上戦闘機隊はバレンツ海で対空防衛戦闘訓練を実施した]

2月17日には北方艦隊第45航空・防空軍に所属する艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K、そして更に前線爆撃機Su-24Mバレンツ海での対艦攻撃訓練の「相手役」を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊航空隊はバレンツ海で対艦攻撃訓練を実施した]

2月19日にはロシア連邦軍戦略抑止力演習『グロム』へ参加し、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア連邦軍戦略抑止力演習でロシア海軍の北方艦隊と黒海艦隊は、弾道ミサイルと巡航ミサイル、極超音速ミサイルを発射した]

2月22日に母港(セヴェロモルスクなど)へ帰投しました。
[バレンツ海での演習へ参加したロシア海軍北方艦隊の水上艦と潜水艦は母港へ帰投した]

3月2日、バレンツ海で沿岸目標への艦砲射撃訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で艦砲射撃演習を行なう]

対地・対空射撃訓練を行なった後、3月5日に対艦砲撃戦闘訓練を行ない、セヴェロモルスク港へ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で対艦砲撃戦訓練を実施した]

5月下旬に行なわれた北方艦隊の演習『クムジャ-2022』へ参加しました。


『ズヴェズダーテレビ』より
2022年5月27日17時27分配信
【過酷な北方水域:北方艦隊の演習『クムジャ-2022』からの映像】

5月28日にはバレンツ海から距離約1000kmの海上標的へ極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」、距離約1000kmの海上標的へ極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射(2022年5月28日)]

2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクと大型揚陸艦イワン・グレンは2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルクとクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加する]

これまで極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験に従事してきた「アドミラル・ゴルシコフ」ですが、そのままこのミサイルの最初の搭載艦となります。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の最初の搭載艦となる]

観艦式が終わった後もクロンシュタット軍港へ留まりました。
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2022年10月にクロンシュタット海洋工場ヴェレシチンスキー記念ドックへ入渠し、メンテナンスが行なわれました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はクロンシュタットでメンテナンスを行なった]

ドックを出た後、11月23日にバルト海へ出航し、海上目標へ高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」を発射しました。
元々は対空ミサイル「ポリメント-リドゥート」ですが、対艦攻撃にも使用できます。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバルト海で艦対空ミサイル「ポリメント-リドゥート」を海上目標へ発射した]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海を去り、2022年12月11日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバルト海からセヴェロモルスクへ帰投した]

2022年12月下旬から極超音速ミサイル「ツィルコン」ロシア海軍への引き渡しが始まっており、先ず最初に「アドミラル・ゴルシコフ」へ搭載され、2013年1月初頭から即応体制へ入ります。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は2021年1月初頭から極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を搭載して即応体制へ入る]

12月末にバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用準備と遠距離航海の準備を完了した]

「アドミラル・ゴルシコフ」は、2023年1月から「ツィルコン」を搭載して地中海への遠距離航海を開始します。

現在、地中海では同型艦「アドミラル・カサトノフ」が2022年2月から行動していますが、「アドミラル・ゴルシコフ」は同艦と交代するようです。

ロシア海軍の最新戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)はセヴェロドヴィンスクで進水した


『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月29日13時33分配信
【プーチンは原子力潜水艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典を執り行なった】

ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、原子力潜水艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典を執り行なった。

原子力潜水艦の進水は、海軍副総司令官(軍備担当)イーゴリ・ムハメドシン中将が主導した。

セルゲイ・ショイグ国防相は、最高司令官に「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水の準備が整った事を報告し、その移動を始める許可を求めた。

「許可します」
プーチン
は答えた。

その後、滑走台が動き出し、プロジェクト「ボレイ」7番艦は水上へ向かってスムーズに移動した。
ロケット艦の舷側で、伝統によりシャンパンのボトルが割られた。

これより前にプーチンは、原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」への(海軍)旗掲揚式典を執り行なった。




ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの7番艦「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は、2014年7月27日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工されました。
(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては4番艦)
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[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]

ロシア帝国海軍最後の戦列艦であり、ロシア革命後にチュニジアへ脱出した先代「インペラートル・アレクサンドルIII」に因んで命名されました。
同名の艦としては3代目となります。
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[ロシア海軍の新造艦に皇帝アレクサンドル3世の名が付けられる]
[ロシア海軍最新戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名される]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦インペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は発注された]
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ボレイ級7番艦はインペラートル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)と命名された]

3代目「インペラートル・アレクサンドルIII」の建造工事は『セヴマシュ』で進められ、2022年12月29日に進水式典が開催されました。

同時に、同型艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)も開催されました。
[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した]

「インペラートル・アレクサンドルIII」は2023年に洋上試験を行ない、同年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
[新世代戦略用途原子力水中巡洋艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は2023年末にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ配備される]

戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した

本日(2022年12月29日)、プロジェクト955A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、プロジェクト21631小型ロケット艦「グラード」、プロジェクト12700対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」はロシア連邦海軍へ就役しました。

『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月29日13時30分配信
【プーチンは原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の(海軍)旗掲揚式典を執り行なった】

更に(海軍)旗は、ロケット艦「グラード」と海洋掃海艦「アナトーリー・シレモフ」にも掲揚された。

ロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンは、原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」、小型ロケット艦「グラード」、掃海艦「アナトーリー・シレモフ」への海軍旗の掲揚を許可した。

12月29日・木曜日、ロシアの指導者はビデオ通信により、海軍への艦の受け入れ式典へ参加した。

ロシア国防省のトップ、セルゲイ・ショイグは、大統領に艦が(海軍)旗の初掲揚の準備が整った事を報告し、式典開始の許可を求めた。

「海軍へ受け入れられる艦への海軍旗の掲揚を許可します」
国家元首は話した。

これに加え、ウラジーミル・プーチンは、原子力潜水艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典を執り行なった。
伝統により、シャンパンのボトルは舷側で割られた。




『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月29日16時36分配信
【風の中の聖アンドレイ旗:ロシア海軍への新たな艦の就役式典はどのように行なわれたのか】

原子力水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の乗組員にとって最も重要な瞬間は、海軍総司令官艦長聖アンドレイ旗を手渡した時であった。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、第3のプロジェクト「ボレイ-A」潜水艦である。
最も現代的で恐るべき原子力水中艦であるが、その大部分の情報は機密である。
水中巡洋艦の全長は170メートルであり、高さは5階建てビルと同じである。
内部には、革新的な通信システムと水中音響システムが有るが、最も重要なのは、ロシア大統領が別個に指摘した強力な兵装である。

プロジェクト「ボレイ-A」艦は、氷の下からでさえミサイル発射が可能であり、10000キロメートルの距離で目標の撃破を保証されており、ロシアの国益を防護する為の我々の核の盾の基礎である。

セルゲイ・ショイグ国防相ウラジーミル・プーチン最高司令官は、ビデオ通信モードで海軍旗掲揚式典を開始させた。
同時に、ウラジオストク太平洋艦隊へ受け入れられた複合材料製船体を持つ最新対機雷防衛艦「アナトーリー・シレモフ」と、バルチースクバルト艦隊へ補充された小型ロケット艦「グラード」聖アンドレイ旗が翻った。
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「グラード」は、プロジェクト「ブヤン-M」10番艦である。
有翼ミサイル「カリブル」の搭載艦であり、シリア・アラブ共和国で戦闘任務を果たした際、そして更に特殊軍事作戦中にその有効性を示した。
海軍への艦の単一受領日は、もう1隻のプロジェクト「ボレイ-A」原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」の進水式典で完了した。

僅か1日の間に、我が海軍は3隻の最新艦を受け取った。
これらの艦は、まもなく我が国の西、北、東の国境で戦闘当直を開始する。
原子力水中巡洋艦「インペラートル・アレクサンドルIII」は、来年夏には試験へ向かう。
それは、1世紀半前に発せられた皇帝の最も有名な言葉の明確な確認となる。
「ロシアの信頼できる同盟国は2つだけである。それは陸軍と海軍だ」
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ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日のセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)での起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」(ゲネラリーシムス)にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。

2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]

2022年1月11日に進水し、造船所の岸壁で艤装工事と洋上試験の準備が進められました。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクの洋上試験の準備を進めている]

2022年7月19日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は洋上試験(工場航行試験)を行なう為にセヴェロドヴィンスクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役しておらず、白海で新造原子力潜水艦の試験の支援任務に就いている]

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その後も洋上試験は続けられました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を行なっている]

2022年10月から洋上試験の最終段階となる国家試験が始まり、11月3日には国家試験の総仕上げとして白海からカムチャツカ半島クラ射爆場への弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海からカムチャツカ半島への弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施した]

これで「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の洋上試験は全て終わりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を完了した]

2022年12月21日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」ロシア海軍へ納入されました。
[最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフはロシア海軍へ納入された]


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の10番艦「グラード」は、ロシア内陸部ゼレノドリスク『A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で2017年4月24日に起工されました。


[ロシア海軍の為のプロジェクト21631小型ロケット艦の10番艦グラードは起工された]

当初の予定では、2021年8月中の進水が予定されていましたが、少し遅れて2021年9月17日に進水しました。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦10番艦グラードは2021年8月30日までに進水する]
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その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年8月10日、「グラード」ロシア内陸水路経由クロンシュタットへ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはクロンシュタットへ向かった]
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「グラード」は10月7日にバルト海で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍バルト艦隊の為のブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で洋上試験を続けている]

工場航行試験は11月中旬頃に終わり、11月25日からは最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で最終洋上試験を開始した]

12月初頭にはA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲AK-630M-2「ドゥエト」による対水上/対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で砲撃試験を実施した]

12月5日には近接艦対空ミサイル「ギブカ」A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲による対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦グラードはバルト海で対空射撃試験を実施した]

12月11日にも近接艦対空ミサイル「ギブカ」の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのブヤン-M小型ロケット艦「グラード」はバルト海の洋上試験で近接対空ミサイル「ギブカ」を発射した]

これで「グラード」の国家試験は終了しました。


プロジェクト12700「アレクサンドリト」対機雷防衛艦の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2019年7月12日に起工されました。
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[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]

2021年11月26日に進水しました。

[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]

その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2022年7月末にロシア内陸水路経由で白海への移動を開始しました。
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7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。
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「アナトーリー・シレモフ」(651)は同型艦「ピョートル・イリイチョーフ」(543)と共に北極海(北方海上航路)を横断し、9月10日にチュクチ自治管区ぺヴェクへ寄港しました。
(「ピョートル・イリイチョーフ」は一足遅れて10月7日に寄港)
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフとアナトーリー・シレモフは北極海経由でカムチャツカ半島へ向かっている]

その後、「アナトーリー・シレモフ」は2022年11月3日にウラジオストクへ到着しました。

2022年11月12日、「アナトーリー・シレモフ」ピョートル大帝湾へ出航し、洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を続けている]

洋上試験は12月中旬頃に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で搭載機器の試験を実施した]


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2022年12月29日、セヴェロドヴィンスク「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の、バルチースク「グラード」の、ウラジオストク「アナトーリー・シレモフ」聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、この3隻は正式にロシア海軍へ就役しました。
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就役式典には、ウラジーミル・プーチン大統領もリモートで参加しました。

「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」「アナトーリー・シレモフ」太平洋艦隊「グラード」バルト艦隊へ配備されます。

ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空で領空侵犯機の迎撃訓練を実施した

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『AviaPort』より
2022年12月28日19時12分配信
【バルト艦隊の飛行士は空中物体の迎撃へ取り組んだ】

飛行訓練活動中にバルト艦隊海上航空隊連合部隊のSu-27乗員は、空中目標の迎撃、操縦技術、空中戦闘要素へ取り組んだ。

戦闘機飛行士は標準時間内に離陸を行なった。
次に彼らは仮想空中境界侵犯機の捜索を行ない、侵犯航空機の強制着陸の為の行動へ取り組んだ。
その後に攻撃へ入り、「空対空」クラスのミサイルから逃れる為の機動を行なった。

任務遂行の際、乗員は戦術対決訓練中に敵航空機の捜索、探知、破壊を順番に行なった。
10機の戦闘機Su-27が飛行訓練活動へ参加した。

ロシア戦闘機の飛行ルートは空中移動管制組織と合意された。
飛行は、バルト海中立海域上空で空域使用に関する国際規則に厳密に沿って実行された。




バルト艦隊海軍航空隊戦闘機爆撃機は、ロシア連邦の飛び地カリーニングラード州へ配備されています。
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カリーニングラード州チカロフスク飛行場に駐留する第689親衛戦闘機航空連隊は、18機程度の戦闘機Su-27及びSu-27UBを保有しています。
ロシア海軍戦闘機Su-27を保有しているのは、バルト艦隊航空隊のみです。
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第689親衛戦闘機航空連隊は1939年9月5日に創設され、大祖国戦争に参戦し、1953年秋に海軍航空隊へ移管されたものの、1978年には空軍へ戻り、1986年には防空軍へ移管され、1994年12月には再び海軍へ移管され、現在に至っています。
現在の装備機Su-27は1990年に導入されました。
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駐留している場所が場所なだけに、外国機と接触する機会も少なくありません。
例えば2019年1月24日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するスウェーデン空軍航空機を探知し、スクランブル発進しています。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はスウェーデンの偵察機に対するスクランブル発進を行なった]

2019年8月13日には、カリーニングラードを視察してモスクワへ戻るセルゲイ・ショイグ国防相を乗せた旅客機を護衛中、NATO軍戦闘機が接近してきたので、これを追い払いました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はNATOの戦闘機を追い払った]

2020年4月24日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するベルギー空軍戦闘機F-16を探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でベルギー空軍の戦闘機F-16に対するスクランブル発進を行なった]

2020年6月15日にはバルト海ロシア側防空識別圏へ接近するアメリカ空軍戦略爆撃機B-52Hを探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でアメリカ空軍の戦略爆撃機B-52Hに対するスクランブル発進を行なった]

2020年10月5日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するドイツ海軍航空隊対潜哨戒機P-3C(第3海軍航空団「グラーフ・ツェッペリン」所属)とスウェーデン空軍電波電子偵察機S102Bコルペンを探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でドイツ海軍航空隊のP-3Cとスウェーデン空軍のS102Bに対するスクランブル発進を行なった]

10月26日には、バルト海ロシア側防空識別圏へ接近するドイツ海軍航空隊対潜哨戒機P-3Cとアメリカ空軍の偵察機U-2Sを探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でドイツ海軍航空隊のP-3Cとアメリカ空軍のU-2Sに対するスクランブル発進を行なった]

2021年7月22日にはバルト海ロシア側防空識別圏へ接近するドイツ空軍戦闘機「タイフーン」を探知し、スクランブル発進しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空でドイツ空軍の戦闘機タイフーンに対するスクランブル発進を実施した]


このような環境に在るので、当然の事ですが、普段から領空侵犯機の迎撃訓練が行なわれています。

[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はカリーニングラード州で領空侵犯機の迎撃訓練を実施した]
[ロシア海軍バルト艦隊の高機動長距離戦闘機Su-27はカリーニングラード州で迎撃戦闘訓練を実施した]
[ロシア海軍バルト艦隊の高機動長距離戦闘機Su-27はカリーニングラード州で空戦訓練を実施した]

2022年8月2日からは1週間に渡る演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はカリーニングラード州で1週間の演習を行なう]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はカリーニングラード州で空対空ミサイル発射及び地上掃射訓練を実施した]

2022年10月上旬にはバルト艦隊航空隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の海軍航空隊はカリーニングラード州で演習を開始した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はカリーニングラード州で迎撃戦闘訓練を実施した]

2022年10月26日から数日間バルト海上空で戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海で空戦訓練を実施した]
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊の戦闘機Su-27はバルト海上空で空対空ミサイルを発射した]

最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年12月29日にロシア海軍へ就役する?

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『MASHNEWS』より
2022年12月28日19時17分配信
【原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は12月29日に海軍旗を掲揚する】

プロジェクト955A(「ボレイ-A」)原子力水中巡洋艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の(海軍)旗掲揚式典は12月29日に開催される。
『MASHNEWS』は造船業界の情報筋より伝えられた。


情報筋は、式典は生産合同『セヴマシュ』の敷地で開催されると通知した。
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以前、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」白海で試験を行なった。
原子力潜水艦『セヴマシュ』で2014年12月26日に起工され、2021年12月25日に造船台から出渠した。

[『MASHNEWS』参照]
プロジェクト955A(「ボレイ-A」)戦略用途ロケット水中巡洋艦
は、サンクトペテルブルク海洋工学中央設計局『ルビーン』により設計された。
このタイプの潜水艦の主要兵装は、新たなミサイル複合体「ブラヴァー」である。



ロシア海軍第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]

2014年12月26日のセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)での起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]



艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」(ゲネラリーシムス)にまで昇進しています。
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これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。

戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)
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巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)
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今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。

2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]

2022年1月11日に進水し、造船所の岸壁で艤装工事と洋上試験の準備が進められました。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクの洋上試験の準備を進めている]

2022年7月19日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は洋上試験(工場航行試験)を行なう為にセヴェロドヴィンスクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)は退役しておらず、白海で新造原子力潜水艦の試験の支援任務に就いている]

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その後も洋上試験は続けられました。
[ロシア海軍北方艦隊の重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208(ドミトリー・ドンスコイ)はバレンツ海で新造原子力潜水艦クラスノヤルスクとゲネラリーシムス・スヴォーロフの洋上試験の支援任務に就いている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を行なっている]

2022年10月から洋上試験の最終段階となる国家試験が始まり、11月3日には国家試験の総仕上げとして白海からカムチャツカ半島クラ射爆場への弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海からカムチャツカ半島への弾道ミサイル「ブラヴァー」発射試験を実施した]

これで「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の洋上試験は全て終わりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を完了した]

2022年12月21日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」ロシア海軍へ納入されました。
[最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフはロシア海軍へ納入された]

ロシア海軍新造艦の就役は
1:造船所から海軍への納入(受領-納入証書)
2:聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典の開催(正式な就役式典)

の2段階に分かれていますが、12月21日に行なわれたのは「1」です。

そして「2」~正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典は、非公式筋の情報ですが、12月29日になるようです。

ただ、以前には12月30日という情報も有りましたので、確定では有りませんが・・・
[最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクは2022年12月30日にロシア海軍へ就役し、2023年夏以降に太平洋艦隊の原子力潜水艦基地へ到着する]

ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンはバルト海での工場航行試験を完了し、国家試験を準備する

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『MASHNEWS』より
2022年12月28日12時26分配信
【大洋調査研究船「エフゲニー・ゴリグレジャン」は航行試験を完了した】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)の専門家は、プロジェクト02670大洋調査研究船「エフゲニー・ゴリグレジャン」の航行試験を完了した。
工場の広報サービスは発表した。


点検の結果に従い、全ての航行証明書へ署名された事が強調された。
船は国家試験を開始する準備が整っている。

「船の試験中、全てのシステムと機器の動作を確認しました」
声明では、こう述べられた。

2022年春、船は工場航行試験プログラムの枠組みで初めてバルト海へ出航した。

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[『MASHNEWS』参照]
プロジェクト02670大洋調査研究船「エフゲニー・ゴリグレジャン」(中央海洋設計局『アルマーズ』
が開発)は、救助曳船MB-305の修理及び改造の結果により作成された。
2016年3月19日に起工された。
船はロシア連邦国防省深海研究総局の為に建造され、その主な任務は水中での技術的作業の実施である。

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)は、ロシア連邦海軍の為の艦船の供給者の1つである。
1945年から2020年までの期間に工場『ヤンターリ』は161隻の戦闘艦、100隻以上の大型民間船と400隻以上の小型民間船を建造し、約500隻の艦船を修理した。



プロジェクトB92海上弾薬輸送船「イグラ」は、ポーランドシュチェチン造船社で1982年12月10日に起工され、1983年4月9日に進水し、1983年11月3日に就役し、北方艦隊へ配備されました。
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2008年に海洋曳船MB-305としてバルト艦隊へ転属しました。
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2016年3月19日、大洋調査研究船へ改造される事になり、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』においてプロジェクト02670「エフゲニー・ゴリグレジャン」として再起工されました。
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2020年12月25日に進水しました。


2021年6月4日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
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[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは係留試験を開始した]

「エフゲニー・ゴリグレジャン」の航行試験は2021年11月中旬に始まる予定でしたが、その航行試験を開始する為に『ヤンターリ』からバルチースク海軍基地へ移動したのは2021年1月末でした。
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[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは洋上試験の準備を進めている]

2022年3月11日、「エフゲニー・ゴリグレジャン」バルト海で航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンはバルト海で洋上試験を開始した]

「エフゲニー・ゴリグレジャン」ロシア海軍への引き渡しは、2022年7月末に予定されていました。
[大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは2022年7月末にロシア海軍へ就役する]

しかし洋上試験が完了せず、引き渡しは2022年9月下旬に延期されましたが、これも実現できませんでした。
[大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンは2022年9月下旬にロシア海軍へ就役する]

2022年12月13日、ようやく工場航行試験の最終段階が始まりました。

[ロシア海軍の大洋調査船エフゲニー・ゴリグレジャンはバルト海で工場航行試験の最終段階を開始した]

工場航行試験の最終段階は12月末に完了し、「エフゲニー・ゴリグレジャン」は造船所へ戻りました。

今後は洋上試験の第2段階(最終洋上試験)となる国家試験が始まります。

「エフゲニー・ゴリグレジャン」の国家試験が始まるのは、おそらく2023年1月になり、それを完了してロシア海軍へ引き渡されるのは、2023年春以降になるでしょう。

近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海での最終洋上試験を完了した

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『MASHNEWS』より
2022年12月28日11時26分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」は航行試験を完了した】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)の専門家は、プロジェクト11540警備艦「ネウストラシムイ」の受領-引渡試験を完了した。
以前に艦は計画修理を実施した。
工場の広報サービスは発表した。


試験の枠組みで艦は高射ミサイル複合体の射撃を実行した。
専門家は航法手段、電波位置測定監視・目標探知手段、移動制御手段、ダメージコントロール手段などの動作性能を点検した。

間もなく「ネウストラシムイ」バルト艦隊へ引き渡される。

以前、沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、艦の航法装置、電波位置測定監視・目標探知装置を改修する作業を完了した。
その結果、砲複合体、高射ミサイル複合体、移動制御手段、ダメージコントロール手段、放射線・化学・生物防護手段、そして更に通信複合体の動作性能の回復に成功した。

[『MASHNEWS』参照]
バルト艦隊
警備艦「ネウストラシムイ」は、プロジェクト11540(ヤストレブ)のトップ艦であり、敵潜水艦の捜索、探知、追跡、破壊の為、そして更に海上で戦闘艦及び船の対艦及び対空防衛を保障し、他の任務を果たす為に意図されている。
1993年に海軍へ加入し、アデン湾ソマリア海賊に対して船舶航行の安全を保障する作戦へ参加した。

2014年から「ネウストラシムイ」カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で技術的準備状態を回復する為のドック修理を行なっていた。



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プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。

就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)
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就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。

2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。

2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。

警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。
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[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]

2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート
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そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]

2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。
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[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]

2011年6月にはデンマークコペンハーゲンを訪問しました。

2012年7月から9月に掛けて北方艦隊大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]

その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]

「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]


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その後、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。

ガスタービン機関は、サマーラ工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]

当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]

「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。
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2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】

「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]

そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]

しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]

2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。
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[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。
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[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう]

2022年2月15日、「ネウストラシムイ」バルト海へ出航し、洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で洋上試験を開始した]

2月下旬にバルチースクへ戻り、2月23日の『祖国防衛者の日』にはナヒーモフ幼年学校の生徒が訪れました。
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その後、洋上試験を再開し、3月末~4月初頭に艦載砲(AK-100 100mm単装砲)、高射ミサイル砲複合体「コールチク」、魚雷の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で兵装射撃試験を実施した]

4月20日には高射ミサイル「キンジャール」発射試験を行ないました。
『タス通信』より
2022年4月20日20時30分配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は複合体「キンジャール」のミサイル射撃を実行した】

5月25日にはソナーの動作試験を行ないました。
[近代化改装後のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイ、バルト海でソナーの動作試験実施(2022年5月下旬)]

7月19日に再び高射ミサイル「キンジャール」の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは艦対空ミサイルを発射した]

12月16日に「ネウストラシムイ」バルト海で最終洋上試験を開始しました。
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[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で最終洋上試験を開始した]

洋上試験は12月28日までに完了しました。

今後、近い内に「ネウストラシムイ」バルト艦隊へ復帰します。

ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトはバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年12月28日9時56分配信
【砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」は国家試験へ着手した】

プロジェクト21180Mディーゼルエレクトリック砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」は、国家試験を実施する為にバルト海へ出航した。
ロシア連邦国防省は発表した。


バルト艦隊の部隊は国家試験の実施を保障し、その枠組みで砕氷船の全ての特性とシステム、電波航法手段及び他の電波技術手段、クレーン装置、生命維持システム、動力装置、操舵装置の点検が控えている。

「エヴパチー・コロヴラト」の航行試験は12月中旬に始まった事が想い起こされる。

砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」~これは、プロジェクト21180(現時点では、このタイプの船は唯一「イリヤー・ムーロメツ」のみが建造された)の軽量ヴァージョンである。
造船商会『アルマーズ』で2018年12月に起工された。
2020年11月20日には造船台を出た事が知られるようになった。

プロジェクト21180M船は、結氷条件下での艦船の自立先導、全種類の氷上作業、曳航保障、基地から離れた地域への貨物の移送、遭難した船の救助の実行の為に意図されている。

プロジェクト21180M砕氷船の満載排水量は4080トン、船体の長さは82メートル、幅19メートル、吃水4.6メートル。
速力14ノット、航続距離7600海里、自立行動期間30日、乗組員28名。
速力2ノットで厚さ1メートルの氷を突破できる。



プロジェクト21180ディーゼルエレクトリック砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は、2017年11月30日にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ配備されました。
[新型砕氷船イリヤー・ムーロメツ、ロシア海軍へ就役(2017年11月30日)]
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは北方艦隊基地へ到着した]

海軍向けの砕氷船は、ソヴィエト連邦時代の1960年代(1960年~1970年)にプロジェクト97砕氷船が8隻建造されて以来、ほぼ50年ぶりとなります。


「イリヤー・ムーロメツ」の就役から1年以上経った2018年12月12日、プロジェクト21180M砕氷船の1番船「エヴパチー・コロヴラト」サンクトペテルブルク『アルマーズ』造船所で起工されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトは起工された]

プロジェクト21180Mは、プロジェクト21180を小型化した砕氷船であり、基本的な機能は同一です。

プロジェクト21180砕氷船(イリヤー・ムーロメツ)
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プロジェクト21180M砕氷船
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「エヴパチー・コロヴラト」は2020年11月20日に造船台を出た後、浮きドックへ移されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトは造船台を出た]

浮きドック上の「エヴパチー・コロヴラト」(2020年11月22日)
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2020年12月末に浮きドックから進水しました。

2020年12月28日
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進水後は『アルマーズ』造船所の岸壁で艤装工事が続けられました。

2021年4月4日
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2021年7月21日
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2021年9月16日
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2021年12月8日
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2022年4月19日
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2022年6月2日
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2022年7月18日
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2022年8月7日
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2022年8月中旬、「エヴパチー・コロヴラト」『アルマーズ』造船所の岸壁を離れ、同じサンクトペテルブルク市内の『バルト工場』へ曳航されて行きました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトは最終艤装を行なう]

「エヴパチー・コロヴラト」は、『バルト工場』で上部のマストなどを取り付ける最終艤装工事を行ないました。
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2022年12月中旬にフィンランド湾へ出航し、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型砕氷船エヴパチー・コロヴラトはバルト海で洋上試験を開始した]

『マリントラフィック』より
【砕氷船「エヴパチー・コロヴラト」】

工場航行試験は12月下旬に完了し、12月28日からは最終洋上試験となる国家試験を開始しました。

国家試験が完了すれば、ロシア海軍への引き渡しの準備が整います。

ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用準備と遠距離航海の準備を完了した


『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月28日5時0分配信
【大洋の雷雨:「ツィルコン」を搭載した「アドミラル・ゴルシコフ」が水上艦にとって最も危険な敵になる理由】

フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、近代化の後の最初の海上演習へ入る。
北緯69度線は、長い間極夜であり、殆ど何も見えない。
しかし最も重要なのは、コンテナが世界初の艦載極超音速ミサイル「ツィルコン」を発射する準備態勢に在る事が分かることである。

ロシア国防省の最近の会議でウラジーミル・プーチン大統領セルゲイ・ショイグ国防相が声明を発表した後、それによりフリゲートは現在、世界の多くの国から増々注目を集めている。

この海上への出航は、「ツィルコン」の試験を行なう1月の遠距離航海に先立つ全てのシステムと艦の乗組員の最終点検である。


「艦は長距離ミサイルを含め、有翼ミサイルと極超音速ミサイル"ツィルコン"で武装しています。
言うまでも無く、これには明確な責任が伴います。
興奮は有りませんし、全ての任務は、期待通りに遂行される事に疑いは有りません」
北方艦隊
ロケット艦連合部隊の司令官オレグ・グラドキーは話した。


「ツィルコン」が置かれている隔室は、他のミサイル兵器と同様に、フリゲートの最も秘密の部屋の1つである。
この廊下での撮影許可は、非常に長引いた承諾の後にのみ得られた。
問題は、このドアの向こう側にミサイル発射筒が在る事である。
非常に限られた数の士官と艦のミサイル部門の専門家のみが、そこへ入る事が出来る。
186名の乗組員の内、ここへ入る事が出来るのは7名のみである。

「ツィルコン」の正確な能力は未だ機密であり、宣伝されていない。
しかし、このミサイルのおおよそのパラメータでさえ、既に競合していない。
飛行速度は音速の8倍である。
これは時速約9500キロメートルであり、攻撃距離は1000キロメートルである。
その間、ミサイル船員は発射を準備するのみであり、砲手は目標の撃破へ取り組む。


30mm砲複合体「パラシ」は、伝説的なAK-630の最新発展ヴァージョンである。
12門の銃身は、毎分10000発を発射できる。
この間、目標まで100発の弾が0.5秒で到達する。

その間も緊急救助チームは艦内で訓練を行っている。
考えられる全ての緊急事態における緊急事態班の行動が点検される。

艦は擬装モードで進む。
照明は無く、航行艦橋の上も暗く、計器の指示数と画面だけが点灯している。
航海士は、慣れ親しんだ無音と静寂の中で働く。
艦の安全は、そのような環境で彼らが設定した進路の正確さに大きく依存する。
更に彼らは、海軍で伝統的な六分儀、コンパス、定規、鉛筆だけでなく、衛星航法と電子航法の全ての能力を、等しく自信を持って使用しなければならない。

「もちろん、紙ベースの航海地図は、排除される事のない古典的な航法です。
更に我々のフリゲートには膨大な数の計器が含まれており、航海機器の航法精度が向上し、更に航海士が即座に決定を下す事を可能にする最新の航法複合体が有るという事実にも注意を払いたいと思います」
フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」
の航海士戦闘班長コンスタンチン・ニキツェフは話した。

「アドミラル・ゴルシコフ」は艦上にヘリコプターを搭載している。
しかし、今回の出航で同艦は地上飛行場から乗員を受け入れた~これは連携の必要な要素である。
2回の飛行交代勤務で、約20回の甲板での発艦と着艦を行なう。

飛行中のみ、フリゲートは擬装モードを終了しする。
ヘリコプター甲板に灯りが無ければ、真っ暗闇での着艦は不可能である。
そして今回の海上の波は、安全な飛行の為に許容できる限界だった。

海軍歩兵には艦を護る責任がある。
海上からの攻撃を制圧し、或いは機雷を破壊する為の主な武器は、重機関銃「ウチョス」である。

フリゲートの進路に給油船が現れた。
再び作業は完全な暗闇の中である。
甲板チームは、公海上で貨物の受入と給油へ取り組む。

北極の太陽は水平線の少し上に在り、その後は数時間しかない。
この時、艦が速度を上げて最も積極的に操艦し、艦の司令要員と整備士の訓練が行なわる。
近い内には、1月の極超音速ミサイル「ツィルコン」を発射する新たな、そして非常に責任の在る遠距離航海の準備を誰もが全て整えていなければならない。

無論「アドミラル・ゴルシコフ」フリゲートであり、その排水量は、ソヴィエト時代の最後のプロジェクト艦に劣る:駆逐艦大型対潜艦は言うまでも無く、プロジェクト「アトラント」巡洋艦「ワリャーグ」「ピョートル・ヴェリキー」など。
しかし、これは全く本格的な遠海ゾーン艦である~このフリゲートは、2019年に初めて世界一周航海を行なった際にそれを証明した。

このフリゲートは、その寸法にも関わらず、間もなく世界の海で水上艦にとって最も危険な敵である事を示さなければならない。

以前、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、ロシア連邦国防省の最終会議で、軍への極超音速ミサイル「ツィルコン」の生産品の引き渡しが始まったと述べた。
ロシア防衛当局のトップは、極超音速ミサイルを搭載するフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の準備が最終段階にあると付け加えた。


『タス通信』より
2022年12月28日14時39分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘勤務の準備を完了した】
モスクワ、12月28日/タス通信

北方艦隊プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、戦闘任務を遂行する準備を完了した。
水曜日に北方艦隊広報サービスは発表した。

「イーゴリ・クロフマル1等海佐が指揮するフリゲート"アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ"は、遠距離航海の準備を完了しました。
バレンツ海の北方艦隊の戦闘訓練射爆場への検査出航中に取り組んだ準備の最終段階で、艦の乗組員は数日間に渡り任務を遂行しました」

艦隊は通知し、検査出航中のフリゲート乗組員の行動は、艦隊本部の代表による専門家委員会で評価された事を指摘した。

12月21日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、国防省参与会の会議において、世界に如何なる同類も存在しない最新の極超音速ミサイル「ツィルコン」を搭載したフリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、来年1月から戦闘勤務へ入ると言った。
次に、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、フリゲートは世界の大洋の予定に無い海域での戦闘勤務の準備を整えていると述べた。

広報サービスは、フリゲートの検査出航中、全ての艦のシステム及びメカニズムの機能、そして更に様々な速力での操艦特性が点検されたと述べた。
フリゲートの航行中、艦載ヘリコプターKa-27は30回以上の甲板での発艦と着艦へ取り組んだ。
海上への出航では、戦術動作への取り組みと艦載兵器の使用方法に主な注意が払われた。

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艦隊は、艦の要員は、高射砲複合体「パラシ」からの射撃を成功裏に行ない、空中及び海上の目標を撃破したと付け加えた。
更にフリゲートの戦闘班は、潜水艦を捜索、追跡、仮想破壊する一連の訓練を実施した。

[フリゲートについて]
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
は、プロジェクト22350のトップ艦である。
12月に北方艦隊フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は、『クロンシュタット海洋工場』での計画技術的整備の後の艦隊間移動を行ない、北方艦隊主要基地セヴェロモルスク市へ到着した。



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

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「アドミラル・ゴルシコフ」北方艦隊第43ロケット艦師団へ編入されました。

就役の翌日の7月29日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

観艦式が終わった後、8月中はサンクトペテルブルクに滞在していましたが、9月1日に出航し、セヴェロモルスクへ向かいました。

2018年9月8日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]

2018年9月18日、乗組員の慣熟訓練の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は慣熟訓練の為にバレンツ海へ出航した]

2018年10月2日、バレンツ海「高射ミサイル複合体」(ポリメント-リドゥート)を使用する対空防衛演習を行ない、ミサイル標的「サマン」を撃墜しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

2018年10月4日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、バレンツ海で再び高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的及び海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で海上目標と空中目標を撃破した]

その後、一旦基地へ戻っていたようですが、10月13日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で戦闘演習を行なう]

2018年10月23日には、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を空中標的へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"で空中目標を撃破した]

2018年11月8日~9日、北方艦隊潜水艦「カルーガ」が遭難したという想定下で救助演習が行なわれ、「アドミラル・ゴルシコフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共に参加しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーとフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は潜水艦の救助演習を行なった]

2018年12月4日、戦闘訓練を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為に出航した]

2018年12月6日、バレンツ海から有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)をロシア北西部チジャ射爆場へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海から巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」の舷側番号は、就役前から「417」でしたが、2018年12月下旬までに「454」へ変更されました。
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北方艦隊水上艦で舷側番号400番台は駆逐艦に付けられているので、「アドミラル・ゴルシコフ」(プロジェクト22350フリゲート)は、駆逐艦と同格扱いになっているようです。


2019年1月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は戦闘訓練を実施する為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

1月28日にはA-192 130mm単装砲による海上および陸上目標への砲撃、更にはダメージコントロール訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で130mm砲を発射した]

1月31日には、北方艦隊掃海艦と協同で機雷源を突破する訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で機雷源突破訓練を行なった]

2月5日には、後方支援船「エリブルス」及び救助曳船「ニコライ・チケル」艦船支隊を編成し、北方艦隊副司令官ヴィクトール・ソコロフ中将が座乗する支隊の旗艦として行動しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海の演習で艦船支隊の旗艦を務めた]

『Marine Traffic』より
【「エリブルス」】
【曳船「ニコライ・チケル」】

2月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、この2隻と共に遠距離航海へ出発し、大西洋へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は遠距離航海へ出発した]

3月3日にはノルウェー海艦載ヘリコプターを使用する潜水艦捜索訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノルウェー海で潜水艦捜索訓練を行なった]

その後、北方艦隊艦船支隊には、プロジェクトREF-675中型海洋給油船の1番船「カーマ」(1982年9月29日就役)が合流しました。
『Marine Traffic』より
【給油船「カーマ」】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、グレートブリテン島北部のマレー湾で訓練を行なった後、3月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡へ入った]

ロシア海軍の艦船がラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過する際には、必ずグレートブリテン海軍の水上艦が監視任務へ就きますが、今回は、45型駆逐艦「ディフェンダー」(2013年3月21日就役)でした。
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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月8日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を出てケルト海へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]

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「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は、3月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
[スペイン空軍の対潜哨戒機P-3は地中海西部でロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"を監視する]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海を東へ進み、3月15日にはマルタ島周辺海域へ到達しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマルタ島周辺へ到達した]

3月19日には、地中海に居る北方艦隊大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共に、艦載ヘリコプターによる潜水艦の捜索や遭難者の捜索救助訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2019年3月19日16時54分配信
【北方艦隊のヘリコプター乗員は地中海の大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上からのフライトを行なった】

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は地中海東部を通過してスエズ運河へ入り、3月21日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
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3月25日にジブチへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチへ寄港した]
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3月28日にジブチを出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はジブチを去り、アデン湾へ向かった]

4月1日にはインド洋(随伴船の位置から推察すると、正確にはアラビア海ソコトラ島東方海域)で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はアラビア海で対空戦闘訓練を行なった]
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4月3日、「アドミラル・ゴルシコフ」スリランカコロンボ港へ入港しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを訪れた]

4月6日、「アドミラル・ゴルシコフ」コロンボ港を出航し、中国青島へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスリランカのコロンボを去り、中国へ向かった]

4月11日にマラッカ海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はマラッカ海峡へ入った]
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4月13日には南シナ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南シナ海へ入った]

4月16日にはフィリピン海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はフィリピン海へ入った]
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4月20日に黄海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は黄海へ入った]

4月21日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島へ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国の青島港へ到着した]

4月23日には中国人民海軍創設70周年記念国際観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国への公式訪問を続けている]

4月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は青島を出航し、ウラジオストクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中国を去り、ウラジオストクへ向かった]

4月28日に対馬海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は対馬海峡へ入った]

5月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はウラジオストクへ到着した]

5月7日、「アドミラル・ゴルシコフ」ウラジオストク金角湾第33埠頭を離れ、ウラジオストク西岸のアムール湾へ移動しました。
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5月9日の大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)勝利74周年記念行事へ参加した後、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は5月10日にウラジオストクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は中部太平洋へ向かった]
(ただし、給油船「カーマ」はそれよりも前に出航し、5月8日に津軽海峡を通過して太平洋へ入っている)

5月11日に津軽海峡を通過して太平洋へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2019年5月13日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は太平洋を東進し、5月15日にはハワイ諸島付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ沖へ到達した]
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その後も「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はハワイ諸島周辺海域に留まり、5月24日にはハワイ諸島南東海域で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はハワイ南東沖で対潜演習を行なった]

5月30日には、太平洋西部で捜索救助演習を実施しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は太平洋西部で捜索救助演習を行なった]

6月8日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船は赤道を通過し、古くからの船乗りの伝統に従い、赤道祭が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"で赤道祭が行なわれた]
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6月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はエクアドルプエルト・ボリバル港へ入りました。
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[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルのプエルト・ボリバル港を訪問した]

6月12日、プエルト・ボリバル港ロシア連邦の祝日『ロシアの日』を祝いました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルで『ロシアの日』を祝った]

ソヴィエト連邦時代の1990年6月12日、ロシア・ソヴィエト連邦社会主義共和国の国家主権の宣言が採択された事を記念し、この日はロシア連邦の祝日となりました。
『ロシア・ビヨンド』(日本語版)より
【「ロシアの日」って何?】

6月13日、「アドミラル・ゴルシコフ」と随伴船はプエルト・ボリバル港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はエクアドルを去り、パナマ運河へ向かった]

6月15日には給油船「カーマ」から燃料を補充しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は南アメリカ沖で洋上給油を行なった]

「アドミラル・ゴルシコフ」は6月18日までにパナマ運河の通過を完了してカリブ海へ入りました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はパナマ運河を通過してカリブ海へ入った]
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翌6月19日、他の3隻の随伴船多機能後方支援船「エリブルス」、給油船「カーマ」、救助曳船「ニコライ・チケル」パナマ運河へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の支援船はパナマ運河を通過する]

6月20日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船3隻は、パナマ運河の出口で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船はカリブ海へ入った]

6月24日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻(多機能後方支援船「エリブルス」、救助曳船「ニコライ・チケル」)は、キューバハバナ港へ入港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はキューバのハバナ港へ到着した]

「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻は、6月26日にハバナを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はキューバを去った]
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同じ6月26日、別行動を取っていた給油船「カーマ」は、物資補充の為、トリニダード・トバゴ島へ到着しました。

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船カリブ海を出て大西洋へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカリブ海を去った]
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7月1日に「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船2隻は給油船「カーマ」と合流し、洋上で燃料補給を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は大西洋で洋上給油を行なった]

7月2日、「アドミラル・ゴルシコフ」は大西洋上でA-192 130mm単装砲の実弾射撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は大西洋上で130mm砲を発射した]

7月5日、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船大西洋の横断を終え、カーボベルデ付近へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカーボベルデへ行く]
7月6日にはカーボベルデの首都プライア港へ入港しました。
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7月8日にプライア港を出航し、大西洋北東海域へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカーボベルデを去った]

7月12日にはカナリア諸島北方沖へ到達し、ここで潜水艦の捜索や強制浮上、潜水艦への武器使用の演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はカナリア諸島沖で対潜演習を実施した]
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その後、「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船は、ポルトガル・スペイン沖、そしてビスケー湾を通過し、7月17日に再びラマンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は英仏海峡へ入った]

グレートブリテン海軍、フランス海軍、ネーデルラント海軍の軍艦、ドイツ沿岸警備隊の艦に追跡された「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船は、7月19日にスカゲラク海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はスカゲラク海峡へ入った]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ行く]

「アドミラル・ゴルシコフ」随伴船バルト海へ入り、7月23日にクロンシュタットへ到着しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]

7月28日の『ロシア海軍の日』主要海軍パレード(クロンシュタット及びサンクトペテルブルクネヴァ川の観艦式)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


主要海軍パレードが終わった後、クロンシュタットを去り、バルト海で対潜演習を行ないました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海で演習を行なった]

2019年8月1日からバルト海で始まったロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]

8月5日には北海へ入りました。
[クロンシュタットの『ロシア海軍の日』観艦式へ参加した北方艦隊艦船はバルト海を去り、北海へ入った]

その後、ノルウェー海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"と大型対潜艦セヴェロモルスクはノルウェー海で演習を実施した]

8月19日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は世界一周航海を終えて母港セヴェロモルスクへ帰投した]

2019年10月中旬のロシア連邦軍戦略演習『グロム-2019』へ参加し、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。

[戦略演習『グロム-2019』においてロシア海軍の原潜と水上艦は弾道ミサイルと巡航ミサイルを発射した]

「アドミラル・ゴルシコフ」白海「ミサイル兵器」の試験を行なう事になり、2019年11月23日にセヴェロドヴィンスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海でミサイルの試射を行なう]
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は新型ミサイルの試験を行なう為にセヴェロドヴィンスクへ到着した]

「アドミラル・ゴルシコフ」白海「ミサイル兵器」(極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」)の「試験準備の第1段階」を行なった後、12月26日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港セヴェロモルスクへ帰投した]


「アドミラル・ゴルシコフ」は、2020年1月にバレンツ海極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2020年1月に極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を行なった]

4月2日にセヴェロモルスクを出航し、白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで部分的な近代化を行なう]

4月4日にセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]
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「アドミラル・ゴルシコフ」は、セヴェロドヴィンスクの艦船修理企業(おそらくは艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』)で定期整備と、部分的な近代化改装が行なわれました。
近代化の具体的な内容は明らかにされていませんが、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用(発射)に関するもののようです。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はセヴェロドヴィンスクで極超音速ミサイル"ツィルコン"を積載する]
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲートは近代化される]

定期整備と改修を終えた「アドミラル・ゴルシコフ」は、6月27日にセヴェロドヴィンスクを出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なう為に出航した]

「アドミラル・ゴルシコフ」は、白海で改修後の洋上試験を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海で演習を行なう]

当初、「アドミラル・ゴルシコフ」からの「ツィルコン」発射試験は、2020年春に行なわれる予定でしたが、新型コロナウイルス感染の影響(セヴェロドヴィンスクでも感染者が出ている)の為、結局、2回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては初)が実行されたのは、2020年10月6日になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は海上目標への極超音速ミサイル"ツィルコン"発射試験を行なった]

11月26日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海から3回目の「ツィルコン」発射試験(海上目標に対しては2回目)を実行しました。
公表された動画を見る限り、発射は夜間(おそらくは11月25日深夜~11月26日未明)に実施されたようです。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月11日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」発射試験を実行しました。

[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海から極超音速ミサイル"ツィルコン"を地上へ発射した]

2020年の「ツィルコン」発射試験は、全て成功と認められました。
具体的には、「驚くべき」命中精度を示したという事のようです。
[2020年の極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"発射試験は全て成功と認められた]

2020年中の「ツィルコン」発射試験を全て終えた「アドミラル・ゴルシコフ」は、12月末に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[極超音速ミサイル"ツィルコン"の発射試験を終えたロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は母港への帰路に就いた]


2021年には先ず基地内で乗組員の各種訓練を行ない、2月19日にバレンツ海へ出航し、洋上戦闘訓練を開始しました。
2月19日には、130mm砲による沿岸目標への艦砲射撃が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は戦闘訓練の為にバレンツ海へ出航した]

3月24日にバレンツ海へ出航し、洋上戦闘訓練を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で射撃訓練を行なう]

翌3月25日、バレンツ海からノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標へ超音速ミサイル「オーニクス」を発射しました。
「アドミラル・ゴルシコフ」「オーニクス」を発射したのは、今回が初めてです。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海からノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標へ超音速ミサイル"オーニクス"を発射した]

3月26日には、A-192M130mm砲によるノヴァヤ・ゼムリャ群島の地上目標への艦砲射撃を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はノヴァヤ・ゼムリャ群島で艦砲射撃訓練を行なった]

その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月31日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で対空防衛演習を行なう]

翌4月1日、「アドミラル・ゴルシコフ」は、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を発射する対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]

5月9日の大祖国戦争戦勝記念日には、ムルマンスク市で一般公開されました。
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フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験を行なう為、2021年5月中旬にセヴェロドヴィンスクへ移動しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"の最終試験の為にセヴェロドヴィンスクへ向かった]

2021年7月19日、「アドミラル・ゴルシコフ」白海からバレンツ海の地上目標(距離350km以上)への「ツィルコン」発射試験を実施しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海からバレンツ海の地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]
その後、セヴェロモルスクへ戻りました。

2021年10月28日にバレンツ海対空ミサイル「ポリメントリドゥート」を対空目標と、更に海上目標へ発射しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月28日19時30分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」乗組員はバレンツ海で高射ミサイル射撃を実施した】

10月末にはコラ湾に停泊中の「アドミラル・ゴルシコフ」の甲板で、4機のKa-27PS捜索救助ヘリコプターが昼間と夜間に計10回以上の発着艦訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年10月30日13時45分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はコラ湾でヘリコプターの着艦へ取り組んだ】

11月8日にセヴェロドヴィンスク白海海軍基地へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年11月8日23時15分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は白海海軍基地へ到着した】

11月18日に白海から海上目標へ「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は白海の海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

11月29日にも白海から「ツィルコン」を海上目標へ発射しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は再び海上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月16日、白海からチジャ射爆場の地上目標へ「ツィルコン」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は地上目標へ極超音速ミサイル"ツィルコン"を発射した]

12月24日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、産業貿易相デニス・マントゥロフ氏や安全保障会議副議長ドミトリー・メドベージェフ氏などが参加するリモート会議の席上で、同日朝(モスクワ時間5時30分)に「ツィルコン」の一斉発射試験、つまり2発以上のミサイルの同時発射に成功したと発表しました。
[ロシア海軍は極超音速ミサイル「ツィルコン」の一斉発射試験に成功した]
プーチン大統領は、それ以上具体的な事は明らかにしませんでしたが、この発射試験も「アドミラル・ゴルシコフ」白海から実施した事は間違いないでしょう。
何処へ向けて発射したのかも明言されていませんが、順当に行って海上目標でしょう。

その後、セヴェロモルスクへ戻りました。


2022年1月末からのロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環としてバレンツ海で行なわれた北方艦隊の演習へ参加しました。

1月26日未明、フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」を始めとする北方艦隊の艦船部隊もバレンツ海へ出航し、演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海での演習を開始した]

1月28日にはバレンツ海で砲撃訓練を行ないました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で砲撃訓練を実施した]

その後、一旦帰投していたようですが、2月15日に再びバレンツ海で演習を開始しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを始めとするロシア海軍北方艦隊の約20隻の艦船はバレンツ海で演習を開始した]

2月16日には北方艦隊艦上戦闘機隊と協同で対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊と艦上戦闘機隊はバレンツ海で対空防衛戦闘訓練を実施した]

2月17日には北方艦隊第45航空・防空軍に所属する艦上戦闘機Su-33及びMiG-29K、そして更に前線爆撃機Su-24Mバレンツ海での対艦攻撃訓練の「相手役」を務めました。
[ロシア海軍北方艦隊航空隊はバレンツ海で対艦攻撃訓練を実施した]

2月19日にはロシア連邦軍戦略抑止力演習『グロム』へ参加し、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア連邦軍戦略抑止力演習でロシア海軍の北方艦隊と黒海艦隊は、弾道ミサイルと巡航ミサイル、極超音速ミサイルを発射した]

2月22日に母港(セヴェロモルスクなど)へ帰投しました。
[バレンツ海での演習へ参加したロシア海軍北方艦隊の水上艦と潜水艦は母港へ帰投した]

3月2日、バレンツ海で沿岸目標への艦砲射撃訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で艦砲射撃演習を行なう]

対地・対空射撃訓練を行なった後、3月5日に対艦砲撃戦闘訓練を行ない、セヴェロモルスク港へ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバレンツ海で対艦砲撃戦訓練を実施した]

5月下旬に行なわれた北方艦隊の演習『クムジャ-2022』へ参加しました。


『ズヴェズダーテレビ』より
2022年5月27日17時27分配信
【過酷な北方水域:北方艦隊の演習『クムジャ-2022』からの映像】

5月28日にはバレンツ海から距離約1000kmの海上標的へ極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射しました。

[ロシア海軍のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」、距離約1000kmの海上標的へ極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を発射(2022年5月28日)]

2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式へ参加しました。

[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」と原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクと大型揚陸艦イワン・グレンは2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルクとクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加する]

これまで極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験に従事してきた「アドミラル・ゴルシコフ」ですが、そのままこのミサイルの最初の搭載艦となります。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の最初の搭載艦となる]

観艦式が終わった後もクロンシュタット軍港へ留まりました。
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2022年10月にクロンシュタット海洋工場ヴェレシチンスキー記念ドックへ入渠し、メンテナンスが行なわれました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はクロンシュタットでメンテナンスを行なった]

ドックを出た後、11月23日にバルト海へ出航し、海上目標へ高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」を発射しました。
元々は対空ミサイル「ポリメント-リドゥート」ですが、対艦攻撃にも使用できます。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバルト海で艦対空ミサイル「ポリメント-リドゥート」を海上目標へ発射した]

その後、「アドミラル・ゴルシコフ」バルト海を去り、2022年12月11日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」はバルト海からセヴェロモルスクへ帰投した]

2022年12月下旬から極超音速ミサイル「ツィルコン」ロシア海軍への引き渡しが始まっており、先ず最初に「アドミラル・ゴルシコフ」へ搭載され、2013年1月初頭から即応体制へ入ります。
[ロシア海軍北方艦隊のフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は2021年1月初頭から極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を搭載して即応体制へ入る]

12月末にバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。

「アドミラル・ゴルシコフ」は、2023年1月から「ツィルコン」を搭載して遠距離航海を開始するようです。

それ以上具体的な事は明らかにされていませんが、通常、北方艦隊水上艦の遠距離航海と言えば、行き先は大西洋地中海になります。

東シナ海でのロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』は終了した

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『新華社通信』ロシア語版より
2022年12月27日20時11分配信
【中国とロシアの合同演習『海洋協同-2022』は完了した】

駆逐艦「済南」、12月27日/新華社通信

中国-ロシア合同演習『海洋協同-2022』は、火曜日に東シナ海エリアで完了した。

これは2012年以以降、中国ロシア海軍が実施する11回目の合同海上演習である。

演習は、両国軍の間の年次協力計画により規定されたスケジュールに沿って実施された。

厳しい海上条件にも関わらず、両海軍は、封鎖と監視、救助作戦、対潜作戦及び対空防衛といった包括的な演習の為の合同作戦を完了した。

合同演習は、中国ロシア海軍間協力の成功例の1つであると中国海軍王于少将は言った。


『タス通信』より
2022年12月28日11時7分配信
【東シナ海でのロシア-中国演習は終了した】

モスクワ、12月28日/タス通信

ロシア中国海軍演習『海洋協同-2022』は東シナ海で終了した。
ロシア連邦国防省は報道機関へ伝えた。

「太平洋艦隊と中国人民解放軍海軍の戦闘艦支隊は、東シナ海水域で実施された二国間海軍演習『海洋協同-2022』の枠組みにおける実地任務への取り組みを完了しました」
軍当局は話した。

ロシア連邦国防省が指摘したように、演習中にロシア海軍中国海軍の船員は、乗っ取られた船を解放する訓練を行ない、海上での合同捜索救助活動へ取り組み、更に通信訓練を実施した。

これに加え両国の艦は、対潜航空隊の支援下で仮想敵潜水艦を捜索し、噴射推進爆雷の一斉射撃を行なった。
更に水上戦闘艦を模した標的への砲射撃が行なわれ、高射ミサイル及びで空中標的を撃破した。
「演習期間中に計10回以上の戦闘訓練が合同で実施されました」
軍当局は説明した。

ロシア-中国合同海軍演習『海洋協同-2022』は、12月21日から27日まで東シナ海水域で実施された。
ロシア海軍から演習を代表したのは、太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦「ワリャーグ」フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「ソヴェルシェーンヌイ」である。

中国人民解放軍海軍からは、駆逐艦「済南」、「包頭」、フリゲート「浜州」、「塩城」、複合補給艦、ディーゼル潜水艦が関わった。



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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年、2021年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

なお、それより以前の2005年8月下旬に実施されたロシア-中国合同演習『平和の使命-2005』において、初めてロシア海軍中国海軍の合同訓練が実施されました。
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『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

『海洋協同-2016』:2016年9月中旬に南シナ海で実施
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

『海洋協同-2017』
第1段階:2017年7月下旬にバルト海で実施
第2段階:2017年9月下旬に日本海及びオホーツク海で実施

[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

『海洋協同-2019』:2019年4月末~5月初頭に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

『海洋協同-2021』:2021年10月中旬に日本海で実施
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

2022年9月上旬にロシア極東方面で実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』にもロシア海軍中国海軍が参加し、演習が終わった後には太平洋ベーリング海、アリューシャン列島沖へ進出しました。
[ヴォストーク-2022演習と露中海軍の太平洋合同パトロール(2022年9月)]


そして2022年12月21日~27日に東シナ海合同演習『海洋協同-2022』が実施される事になり、ロシア太平洋艦隊の演習参加部隊は12月19日にウラジオストクを出航しました。
[2022年12月21日-27日に東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が実施される]

ロシア太平洋艦隊から合同演習へ参加したのは、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「ソヴェルシェーンヌイ」です。

演習参加部隊は12月20日夕方に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年12月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

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12月21日には東シナ海の演習実施海域(済州島の南方)で中国海軍の演習参加部隊と合流しました。
[東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が始まる]

中国海軍からは、駆逐艦「済南」、「包頭」、フリゲート「浜州」、「塩城」、複合補給艦、ディーゼル潜水艦が合同演習へ参加しました。

12月22日には合同操艦訓練や通信訓練を行ないました。
[合同演習『海洋協同-2022』へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船部隊は東シナ海で合流し、合同訓練を開始した]


その後も両国艦隊は海上演習を続け、12月27日に合同演習は終了しました。

ロシア海軍の演習参加部隊は12月27日夕方~28日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年12月28日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

カムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場へロシア海軍太平洋艦隊航空隊の2機の近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが到着した

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『インテルファクス極東ニュース』より
2022年12月27日5時20分配信
【2機の迎撃戦闘機MiG-31BMは近代化の後にカムチャツカへ戻った】
ペトロパヴロフスク・カムチャツキー、12月27日、インテルファクス-極東

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ニジニ・ノヴゴロド航空機製造工場『ソコル』で高度な近代化を行なった2機の超音速迎撃戦闘機MiG-31BMカムチャツカへ到着した。
火曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「双方の戦闘機は、以前にモデル『BM』への近代化を実施する為に去ったロシア北東軍集団の独立混成航空連隊へ復帰しました」
声明では、こう述べられた。

長距離飛行後、近代化されたMiG-31BMは技術的整備を行ない、飛行中隊の一員として加わり、カムチャツカ北極の極北地域で対空防衛の戦闘当直へ就く。



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カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場には、太平洋艦隊海軍航空隊迎撃戦闘機MiG-31が駐留しています。

エリゾヴォ基地
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エリゾヴォ基地MiG-31
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このMiG-31は、元々はロシア防空軍第865独立戦闘機航空連隊(1989年にSu-15からMiG-31へ機種改編)に所属していたのですが、防空軍空軍と合併した後の1998年7月1日に海軍航空隊へ移管されました。

その後、第865独立戦闘機航空連隊は廃止され、第317混成航空連隊の下の1個飛行隊へ改編されました。

現在は、30機程度のMiG-31が配備されています。


現在、ロシア航空宇宙軍MiG-31は、電子機器を換装し、対地/対艦ミサイルの運用能力を付与するMiG-31BMへの近代化改修を行なっています。




太平洋艦隊海軍航空隊所属のMiG-31ニジニ・ノヴゴロド航空機製造工場『ソコル』MiG-31BMへ改修される事になり、改修を終えた最初の2機が2019年2月20日にカムチャツカエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの慣熟訓練を進めている]
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊は近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMの飛行訓練を行なっている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは空中戦闘訓練を行なった]

2020年2月8日、次のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊へ高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]

2020年12月下旬には4機目のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊のカムチャツカの飛行場へ4機目の近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが配備された]

2020年12月1日からは、2機程度のMiG-31BMが交代でチュクチ半島アナドイル空港へ展開し、戦闘当直任務、つまりスクランブル待機に就いています。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMはチュクチ半島で戦闘当直に就いた]

2022年3月1日にも2機のMiG-31BMエリゾヴォへ到着しています。


[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊のカムチャツカの飛行場へ2機の近代化改修された高空迎撃戦闘機MiG-31BMが到着した]

2022年12月27日、2機のMiG-31BMエリゾヴォ飛行場へ到着しました。
これでエリゾヴォ飛行場に駐留する海軍航空隊MiG-31BMは計8機になりました。

ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦マガダンは2022年9月に北極海で運用試験を実施した

『イズベスチヤ』より
2022年12月27日0時0分配信
【氷の下は正常:ロシアの潜水艦は北極条件で試験を行なった】

プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦は、この数十年間北方海上航路で実施されていなかった演習へ参加した
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海軍水中「ブラック・ホール」と呼んでいるプロジェクト636.3ディーゼル潜水艦北方海上航路での点検を実施した。
国防省は、北極の条件下でこの潜水艦の試験を行なった。
演習中に独特な潜水艦は、水中及び水上の目標との戦闘を訓練した。
特に、有翼ミサイル「カリブル」の発射が実行された。
今や、このシリーズの潜水艦は、北方海上航路を上手くカバーできるようになった。
専門家によると、このような演習は北方海域では何十年も行なわれていなかった。
試験の詳細は、『イズベスチヤ』の資料で見て行こう。

[北極での点検]
軍当局の情報筋が『イズベスチヤ』へ話したように、現在、プロジェクト636.3潜水艦は、北方海上航路を含む北極での行動に適合していると認識されている。
この判断は、ロシア北東部におけるこのシリーズの潜水艦の行動を分析した後、今年の晩秋に下された。
点検は、複合北極探検『ウムカ-2022』の枠組みで行なわれた。

9月、演習の結果を国防省は発表し、探検『ウムカ-2022』の最中に太平洋艦隊有翼ミサイル搭載水中巡洋艦「オムスク」「ノヴォシビルスク」は、チュクチ海エリアから水上位置で対艦有翼ミサイル「グラニート」及び「オーニクス」の発射を実施した。


近年、国防省は、このような活動を何度も実施している。
昨年の遠征には、北方艦隊の部隊と手段が参加した。
今年、太平洋艦隊の将兵は北極地域の北東で行動した。
試験には潜水艦「マガダン」も参加した。

「マガダン」は昨年10月に海軍へ引き渡された。
過去に乗組員は任務をマスターし、潜水艦北方海上航路で試験を行なった後に太平洋へ出た。
この航海で艦は、北極緯度での戦闘演習任務を遂行した。

当初、636シリーズ艦は、ワルシャワ条約機構加盟国への輸出の為に開発された。
1990年代後半以降、中華人民共和国、アルジェリア、ベトナムの為の潜水艦が、同プロジェクト及びその改正型の下で建造された。
その後、ロシア海軍の為、この潜水艦の購入が決定された。
それは、近代化ヴァージョン636.3の下で作成された。
これらの潜水艦は、より優れた航行特性、低減された騒音レベル、自動制御システム、最新の航法複合体の存在により基礎ヴァージョンとは異なる。

[人生の道]
「最後にディーゼルエレクトリック潜水艦が北方海上航路を通行したのは1950年代でした」

軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「それは困難な航行でした。
大規模な艦支隊が移動し、一部の潜水艦は動けなくなりました。
そして今、何十年か振りで初めてディーゼルエレクトリック潜水艦が北方海上航路で太平洋艦隊への移動を行ないました」

「これは重要な出来事です。
1980年代も1990年代も、ここ数十年間は、このような艦は北方海上航路を航行しませんでした~これを行なったのは原子力潜水艦のみでした。
そして移動中に潜水艦は、北極圏で行なわれた演習『ウムカ-2022』に関連する特定の任務を果たしました。
同時に、艦は北方海域を走破しました。
今や、必要ならば同プロジェクト潜水艦は北極圏で行動できます。
例えば、北方海上航路の哨戒、偵察の実施など」

専門家は付け加えた。

最近、ロシア北極で積極的にインフラを建設し、北方海上航路をカバーする為に軍を展開している。
軍管区に相当する地位の統合戦略司令部「北方艦隊」が作成された。
沿岸ミサイル複合体「バル」及び「バスチオン」対空防衛手段北極諸島に展開している。
極地飛行場が再建され、そこで戦闘機が勤務に就いている。
これに加え、陸上及び海上の他の地域から北極への部隊の移動へ定期的に取り組んでいる。
昨年、北方艦隊艦支隊は、演習中に北方海上航路沿いで海上揚陸部隊の上陸を訓練した。
様々な地域で、極地の海岸が海軍歩兵及び北極自動車化射撃兵の部隊により襲撃された。

「北方海上航路は、歴史的にロシアへ属しています」
国際連合副事務総長セルゲイ・オルジョニキーゼ『イズベスチヤ』に思い出させた。
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「以前から、これは論争されていましたが、攻撃的な形ではなく、政治的および法的なものでした.
そして今は、攻撃的な形で争われています。
そして、攻撃的な主張が実現しないように、我々は北極での存在を主張しなければなりません。
これらに加え、北方海上航路はヨーロッパから極東及び東南アジアへ通じているため、その重要性の過大評価は難しい。
私が思いますに、世界は温暖化し、北方海上航路を利用する機会は、より増大していく事でしょう」


[見えない&静粛な]
プロジェクト636.3潜水艦
は、世界で最も静かな潜水艦の1つと考えられており、そのため海軍では「ブラック・ホール」と呼ばれている。
これらの潜水艦は、水上及び水中の目標の破壊、哨戒あるいは偵察の実施といった広範囲の任務を遂行できる。

プロジェクト636.3潜水艦6隻から成る最初のシリーズは2014年~2016年に建造され、これらの艦は全て黒海での勤務の為に向かった。
2016年9月、太平洋艦隊の為の更なる6隻の潜水艦の契約へ署名された。
現在、シリーズの3隻が建造されている。
「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は2019年に艦隊へ引き渡され、2020年には「ヴォルホフ」が引き渡され、昨年には潜水艦「マガダン」海軍へ加わった。
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プロジェクト636.3潜水艦の排水量は3900トン以上、全長74メートル、速力20ノット。
それは45日間に渡って海上へ滞在できる。
艦内へ533mm魚雷発射管6門を搭載し、魚雷及び機雷、そして更に有翼ミサイル「カリブル-PL」を使用できる。

太平洋艦隊は、ポストソヴィエト時代に長期に渡って無視されたままだった。
新たな艦は主に北極、バルト海、黒海へ行った。
しかし近年、ロシア国防省太平洋艦隊の艦船構成の更新を真剣に受け止めている。
2020年末、プロジェクト20385のトップ艦であり、ミサイル「カリブル」「オーニクス」を使用できるコルベット「グレミャーシチー」が就役した。
同時に、プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」が加入した。
更に、大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」の高度な近代化も完了した。
対艦ミサイル及び有翼ミサイルを搭載し、対空防衛の強化の後、旧対潜艦は専門を変更し、フリゲートへ再分類された。
これに加え、2020年には新たな基地掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」太平洋艦隊へ加わった。



太平洋艦隊向けの6隻のプロジェクト06363潜水艦の3番艦B-602「マガダン」は2019年11月1日に起工されました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト06363潜水艦マガダンとウファはサンクトペテルブルクで起工された]

2021年3月26日に進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンはサンクトペテルブルクで進水した]

4月20日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンは係留試験を開始した]
5月中旬にはオブニンスク研修センターで研修を終えた「マガダン」乗組員が造船所へ到着し、係留試験へ参加する事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダン乗組員は係留試験へ参加する]

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「マガダン」の係留試験は6月中旬頃に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンの係留試験は最終段階に在る]

「マガダン」の洋上試験(工場航行試験)は、2021年6月27日に始まりました。。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンは2021年6月に洋上試験を開始する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンはバルト海で洋上試験を開始した]

工場航行試験は7月末に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンはバルト海で洋上試験の第1段階(工場航行試験)を完了した]

8月16日に最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンはバルト海で国家試験を開始した]

国家試験は8月27日に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンは国家試験を完了した]

「マガダン」ロシア海軍への引き渡しは2021年11月10日に予定されていました。
[太平洋艦隊の為の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンは2021年11月にロシア海軍へ就役する]

しかし、予定よりも1ヶ月ほど前の2021年10月12日に聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

[プロジェクト06363潜水艦マガダン、ロシア海軍へ就役(2021年10月12日)]

就役後もクロンシュタット港に留まり、バルト海で慣熟訓練を行ないました。
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2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタットの観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
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その後、バルト海を出てバレンツ海へ向かい、北極海(北方海上航路)を通過してベーリング海へ到達しました。
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出迎えの大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」及び救助船「イーゴリ・べロウソフ」と合流してオホーツク海へ入り、10月7日に宗谷海峡を西進して日本海へ入りました。
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『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年10月7日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
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10月9日にウラジオストク南部のウリス湾へ到着しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の第3のプロジェクト06363潜水艦マガダンは北極海を経由してウラジオストクへ到着した]

2022年11月25日に日本海で海上目標及び地上目標(ハバロフスク地方シュルク射爆場)へ巡航ミサイル「カリブル」(対艦型の3M54と対地型の3M14)を発射しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦マガダンは日本海から海上目標及び地上目標へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]



11月28日にウラジオストク南部のウリス湾へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦マガダンは日本海で巡航ミサイル「カリブル」を発射した後に母港ウリス湾(ウラジオストク)へ帰投した]

上記のように、「マガダン」は2022年9月に北極海経由で極東方面へ回航されましたが、原子力潜水艦はともかく、通常動力潜水艦北極海経由で極東へ回航されたのは1950年代以来半世紀ぶりとなり、この為、「マガダン」極東回航は北極海での運用試験も兼ねていたようです。
この他、「マガダン」北極海の移動中に巡航ミサイル「カリブル」を発射しました。

ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー湾内で無人機の迎撃演習を実施した

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『KORABEL.RU』より
2022年12月26日19時54分配信
【カムチャツカの太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」は『対空防衛の日』を演習で祝った】

12月26日、ロシア『対空防衛部隊の日』を迎えた。
この祭日を太平洋艦隊コルベット「グレミャーシチー」の対空防衛隊乗組員は、カムチャツカで仮想敵空中攻撃手段を撃退する演習へ捧げた。

演習の筋書きにより、コルベットの対空防衛要員は、仮想敵無人飛行装置として識別された小型空中目標を探知したと東方軍管区広報サービスは伝えた。

空中からの仮想敵の攻撃を撃退する行動手順に沿って、コルベット「グレミャーシチー」の対空防衛要員は正体不明の無人飛行装置のコースを追跡し、湾海域の上空で仮想破壊した。

仮想無人飛行装置は、コルベット戦闘情報システムの助力を得て電子方式でシミュレートされた。



プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」(337)は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年2月1日に起工され、2017年6月30日に進水、2020年12月29日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後もバルト海に留まり、2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはクロンシュタット泊地の観艦式へ参加しました。


2021年8月中旬頃にバルト海から出て、地中海へ向かう北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と合流し、8月13日に英仏海峡へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフと太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"と黒海艦隊の対機雷防衛艦ウラジーミル・イェメリヤノフは英仏海峡へ入った]
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2021年11月にウラジオストクへ到着する]

その後、同じくウラジオストクへ回航する潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」及び「ヴォルホフ」と合流して地中海へ入りました。

9月23日にスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月23日9時59分配信
【太平洋艦隊支隊は地中海から紅海へ向かった】

その後、アデン湾を通過して10月7日にインド洋へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月7日10時1分配信
【情報筋:太平洋艦隊支隊はインド洋を横断した】

10月16日にスリランカコロンボへ寄港後、10月19日にはスリランカ南部へ到達し、太平洋艦隊の担当海域へ入りました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月19日8時35分配信
【太平洋艦隊の新たな潜水艦とコルベットはスリランカを迂回した】

10月30日にはミャンマーティラワ港へ寄港しました。

太平洋艦隊の担当海域へ入った後、ウラジオストクから出迎えに来た給油船及び救助曳船と合流、11月16日にフィリピンマニラ港へ寄港しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはフィリピンのマニラへ寄港した]

その後、マニラを出航し、11月23日に沖縄本島宮古島の間を通過し、11月27日に対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年11月30日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

11月29日夜にウラジオストクへ到着し、翌11月30日にウラジオストク港内の金角湾埠頭で歓迎式典が開催されました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはウラジオストクへ到着した]

新年の祭日期間中の2022年1月3日にウラジオストク港内でダメージコントロール演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭コルベット「グレミャーシチー」はウラジオストク港でダメージコントロール演習を実施した]

2022年1月14日にはウラジオストク港内で対空防衛訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」とロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフはウラジオストク港で対空防衛訓練を実施した]


「グレミャーシチー」などロシア太平洋艦隊の20隻以上の艦船は、2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として日本海オホーツク海で演習を行なう為、2021年2月1日にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船は日本海とオホーツク海で演習を行なう]

日本海での洋上演習後にラペルザ海峡(宗谷海峡)付近へ進出し、2月5日にはヘリコプターで氷上偵察を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海へ入る前にラペルザ海峡(宗谷海峡)付近の氷上偵察を行なった]

その後、砕氷船「カピタン・フレブニコフ」(1981年就航、ロシア連邦運輸省『ロスモルポルト』所属)の先導により、太平洋艦隊主力部隊はラペルザ海峡の通行を開始し、2月7日にはオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はラペルザ海峡(宗谷海峡)を通過してオホーツク海へ入った]

2月10日にはオホーツク海中型海洋給油船「イジョラ」(1970年4月24日就役)から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で洋上補給を行なった]

2月11日にはオホーツク海で水上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で対水上砲撃訓練を実施した]

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2月12日、クリル諸島ウルップ島周辺海域に居た太平洋艦隊艦船部隊は、ロシア領海を侵犯したアメリカ海軍ヴァージニア級原子力潜水艦を発見しました。
アメリカ原潜ロシア側の警告を無視したので、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543、1986年2月2日就役/2021年4月27日再就役)が警告射撃を行ない、アメリカ原潜は退去しました。
[ウルップ島付近で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はアメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦を発見し、退去させた]

このヴァージニア級原子力潜水艦は、2月12日に対潜哨戒機Il-38太平洋艦隊潜水艦を目標にして対潜演習を行なっていた時に発見されたようです。
[アメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦はロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機と潜水艦の対潜演習中にウルップ島周辺海域で発見された]

2月14日、太平洋艦隊艦船部隊オホーツク海(クリル諸島付近)で水上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海(クリル諸島付近)で対水上砲撃訓練を実施した]

2月下旬にオホーツク海(とその下の北海道)の天候が急激に悪化した為、演習参加部隊は2月20日夜までにペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ退避しました。
[オホーツク海で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は悪天候の為にペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ退避した]

天候回復後、2月24日に演習参加部隊はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港の沖(アヴァチンスキー湾)へ出航し、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」コルベット「グレミャーシチー」は、機雷掃討訓練と捜索救助ヘリコプターによる救助訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はカムチャツカ半島沖で機雷掃討訓練を実施した]

2月25日にはフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港の対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で基地防空訓練を実施した]

その後、太平洋艦隊艦船部隊ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で物資を補給して3月1日に同港を出航し、3月2日にはカムチャツカ沖で沿岸への艦砲射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット4隻はカムチャツカ半島沿岸で艦砲射撃演習を実施した]

3月4日には、カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊海上航空隊対潜哨戒機Il-38Il-38Nと艦船部隊がオホーツク海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で対潜哨戒機と共に対潜戦闘訓練を実施した]
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その後、太平洋艦隊艦船部隊太平洋を南下して津軽海峡を通過し、日本海へ入りました。
[【珍説】ロシア海軍艦船の津軽海峡通過は「日本けん制」「日本への脅し」]

3月14日までにウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はオホーツク海演習を終えた後に津軽海峡を通過してウラジオストクへ帰投した]

5月6日には日本海新型対潜ミサイル「オトヴェート」を発射しました。


テレビ局『ズヴェズダー』より
2022年5月6日6時0分配信
【決定的な「オトヴェート:」:コルベット「グレミャーシチー」からの最新対潜複合体のミサイル発射映像】


2022年5月20日、他のロシア太平洋艦隊の主力水上艦と共にウラジオストクを出航しました。

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5月末に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。


2022年6月3日、ロシア連邦国防省は、6月3日から10日まで太平洋上でロシア太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将指揮下の40隻以上の艦船と20機の航空機が参加する演習が実施されると発表しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年6月3日7時58分配信
【40隻以上の海軍の艦船は太平洋で演習を実施する】

6月9日、海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」(DD-103)は、北海道根室半島南東沖で太平洋艦隊水上艦部隊を確認しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月10日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

6月15日、コルベット「グレミャーシチー」太平洋上で対潜演習を実施し、その中で対潜ミサイル「オトヴェート」の模擬発射訓練を行ないました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年6月15日9時25分配信
【コルベット「グレミャーシチー」は仮想敵潜水艦狩りを行なった】

同じ6月15日、太平洋艦隊水上艦部隊北海道襟裳岬沖から千葉県犬吠岬沖へ向かった事が海上自衛隊により確認されました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月16日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

翌6月16日、太平洋艦隊水上艦部隊伊豆諸島海域を西進しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年6月17日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】


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その後、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、中型海洋給油船「ペチェンガ」と共に本隊と別れ、フィリピンへ向かいました。
(本隊は6月23日にウラジオストクへ帰投)

6月22日にフィリピンマニラ港へ寄港し、6月23日に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はフィリピンのマニラ港訪問を終えて出航した]

6月25日にベトナムカムラン港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はベトナムを訪れた]

6月28日にカムラン港から出航し、南シナ海で戦闘演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は南シナ海で戦闘演習を実施した]

7月1日に与那国島西表島の間の海域を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月2日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月4日には久場島大正島の間の海域を北上しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月5日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月5日に東シナ海機雷掃討訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は東シナ海で機雷掃討訓練を実施した]

7月5日夜に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年7月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

7月8日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は太平洋演習と東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した]

7月下旬(18-19日頃)にウラジオストクを出航し、7月20日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はカムチャツカへ行く]
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7月23日にクリル諸島沖で対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はクリル諸島(千島列島)沖で対空戦闘訓練を実施した]

7月25日にカムチャツカ半島ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着した]

2021年末に極東へ回航されて以来、ウラジオストクを拠点とし、沿海地方に駐留する艦と行動を共にしていた「グレミャーシチー」ですが、本来の所属部隊はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港に駐留する第114水域保護艦旅団です。
(「グレミャーシチー」以外の太平洋艦隊の3隻の20380コルベットウラジオストクに駐留する第44対潜艦旅団所属)

7月31日の『ロシア海軍の日』にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーの観艦式へ参加しました。



その後、またウラジオストクへ行き、2022年9月上旬に実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しました。
[ヴォストーク-2022演習と露中海軍の太平洋合同パトロール(2022年9月)]

9月2日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年9月3日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

9月6日、オホーツク海に居るコルベット「グレミャーシチー」は、距離300キロメートル以上の海上標的船へ巡航ミサイル「カリブル」(対艦型3M54)を発射しました。

[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はオホーツク海で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
ミサイルは目標までの飛行経路で「自然の障害物を迂回した」との事ですから、おそらくは千島列島の島の何れかを間に挟んで発射し、ミサイルは島の上空を低高度で飛行して(この時に山などを迂回した)目標へ命中したのでしょう。
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(戦略演習『ヴォストーク-2022』国後島択捉島でも実施された)


2022年12月26日の『対空防衛部隊の日』には、ペトロパヴロフスク・カムチャツキー湾内で無人機を迎撃する対空防衛演習を行ないました。

ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」はバルト海で洋上試験を継続する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年12月26日14時23分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は航行試験第2段階の為に海上へ出航した】
モスクワ、12月25日-ロシア通信社ノーボスチ

最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は、工場航行試験を継続する為にバルト海へ出航した。
ロシア国防省は発表した。

「最新フリゲート"アドミラル・ゴロフコ"は、工場航行試験を継続する為にバルト海の射爆場へ出航しました。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、試験の第2段階プログラムに関する報告を受けました」

リリースでは、こう述べられた。

第2段階の最中、フリゲート砲兵装複合体対空防衛複合体、これらを管制するシステム、電波技術装置と通信手段の動作を点検する。

以前、フリゲートは、11月末~11月初頭に掛けて10日間実施された工場航行試験第1段階の後、『北方造船所』に2週間滞在し、システムの検査と調整を行なった。

この間に乗組員と工場の受入-引渡チームは、フリゲートの機動性、ユニット、メカニズム及びシステムの動作性能を点検した。
艦の主動力装置と航法複合体の動作に特別な注意が払われた。

フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は、同プロジェクトの3番艦である。
フリゲートシリーズのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」と最初の生産艦「アドミラル・カサトノフ」は、既に北方艦隊ロケット艦連合部隊の一員として勤務に就いている。
このような艦は、有翼ミサイル「カリブル」を含む最新の海上発射ミサイル兵器の搭載艦である。
フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験を成功裏に実施した。

「アドミラル・ゴロフコ」は、傑出したソヴィエトの艦隊指揮官であり、大祖国戦争の間じゅう北方艦隊を指揮したアルセニー・グリゴリエヴィチ・ゴロフコ大将に敬意を表して命名された。
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1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」(2020年12月29日就役)と共にサンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年2月1日に起工されました。



本艦は「アドミラル・ゴロフコ」の名を持つ艦としては「2代目」になります。
初代「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト58ロケット巡洋艦として1961年4月20日に同じ『北方造船所』(当時は『A.A.ジダーノフ記念造船工場』)で起工され、1962年7月18日に進水、1964年12月30日に就役しました。
[ロケット巡洋艦「アドミラル・ゴロフコ」]
[キンダ級巡洋艦アドミラル・ゴロフコの晩年]
当初は北方艦隊へ配属されましたが、1968年3月に黒海艦隊へ転属し、1982年6月から1989年3月までセヴァストーポリでオーバーホールが行なわれました。
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ソ連邦解体後も現役に留まり、1990年代には黒海艦隊旗艦を務め、2002年11月に除籍されました。
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起工から2年後の2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係が悪化した為、ガスタービンエンジン(M90FR)の供給が途絶える事になりました。

元々、ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア及びウクライナの企業が関わっており、エンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ウクライナでの最終組み立てが出来なくなった為、その為の設備をロシア国内に建設し、完全にロシア国内だけでガスタービンエンジンを生産できる体制を構築する必要が生じ、この体制作りに数年を要しました。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]
[ロシア海軍の新世代フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)における輸入代替問題]

ようやくガスタービンエンジン完全国産の目途が立ち、「アドミラル・ゴロフコ」用のガスタービン造船所へ供給されました。
これにより、建造が遅延していた「アドミラル・ゴロフコ」も進水する目途が立ちました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年7月1日までに進水する]

以前には2020年4月末~5月初頭の進水が予定されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響の為、5月22日に延期されました。

[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2021年夏以降に造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは係留試験の準備を進めている]

「アドミラル・ゴロフコ」の洋上試験は2022年9月の開始が予定されていました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年9月に洋上試験を開始する]
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しかし、「アドミラル・ゴロフコ」サンクトペテルブルク造船所の岸壁を離れ、海上へ出たのは11月26日になりました。

[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコの最初の洋上試験が始まる]
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」、洋上試験開始(2022年11月26日)]

「アドミラル・ゴロフコ」フィンランド湾で洋上試験の最初の段階となる工場航行試験を開始し、バルト艦隊の艦船と航空隊が試験をサポートしました。
[ロシア海軍バルト艦隊は最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」の洋上試験をサポートする]

「アドミラル・ゴロフコ」工場航行試験の第1段階を完了し、12月6日にサンクトペテルブルク造船所の岸壁へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」はフィンランド湾での洋上試験の第1段階を完了し、サンクトペテルブルクへ帰投した]

12月26日に再び出航し、工場航行試験の第2段階を開始しました。
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以前には「アドミラル・ゴロフコ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、洋上試験の開始が11月下旬となり、12月末までに終わるとは考えられないので(洋上試験には工場航行試験国家試験の2つの段階が有り、最低でも4~5ヶ月程度は掛かる)、引き渡しは2023年に延期されます。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年12月末にロシア海軍へ就役する]


1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻は洋上試験中です。

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)
2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)

「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)
2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2023年就役予定
北方艦隊へ配備予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)
2013年11月14日起工/2023年以降就役予定

「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定

「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定

「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定

「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定


5番艦(「アドミラル・アメリコ」)以降は巡航ミサイルの搭載数を増加した改正型となります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]

ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で高射ミサイル-機関砲複合体パーンツィリ-Mによる対水上射撃試験を実施した

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『タス通信』より
2022年12月26日1時7分配信
【小型ロケット艦「ブーリャ」はバルト海での国家試験中に複合体「パーンツィリ-M」の射撃を実行した】
カリーニングラード、12月25日/タス通信

最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「ブーリャ」有翼ミサイル「カリブル」搭載艦~は、バルト海における国家試験の最終段階の枠組みで高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」から海上目標への射撃を成功裏に実行した。
日曜日にバルト艦隊広報サービスは発表した。

「国家試験プログラムを実施している小型ロケット艦ブーリャの乗組員は、仮想敵水上艦を模した海上盾船へ機関砲兵器複合体パーンツィリ-Mによる射撃を実施しました」
広報サービスは話した。
客観的観測データにより、それは成功と認められた事が指摘された。

以前の12月24日、艦は空中目標への砲複合体AK-176の射撃を成功裏に実行した。

海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の決定により、小型ロケット艦「ブーリャ」は国家試験プログラムの完了後にバルト艦隊へ加入し、バルト艦隊バルチースク海軍基地ロケット艦・ロケット艇連合部隊で意図された任務を遂行する。

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「パーンツィリ-M」は、ロシア高射ミサイル-機関砲複合体の艦載ヴァージョンであり、陸上ヴァージョンは「パーンツィリ-S」と呼ばれる。

「パーンツィリ-M」は、航空機、ヘリコプター、高精度兵器(対艦ミサイル無人飛行装置を含む)、そして更に水上及び沿岸の目標の撃破の為に意図されている。
艦載複合体「パーンツィリ-M」は、距離75キロメートルの目標を探知し、艦から半径40キロメートル、高度15キロメートルで破壊できる。
その特徴は、1グループを構成して様々な方向から攻撃してくる4個までの目標の同時攻撃能力に在る。
複合体は、約500トンの排水量を持つロケット艇から航空母艦まで、全ての種類の戦闘艦へ設置できる。

「ブーリャ」は、中央海洋設計局『アルマーズ』が開発したプロジェクト22800多目的小型ロケット艦であり、近海ゾーンで任務を遂行する為に意図されている。
同プロジェクト艦は、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の為の8セルの汎用艦載射撃複合体自動砲塔AK-176MAで武装する。
これに加え、艦の対空防衛構成には、携帯高射ミサイル複合体「イグラ」高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」が含まれる。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800小型ロケット艦の4番艦「ブーリャ」は、2016年12月24日にサンクトペテルブルク『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2018年10月23日に進水しました。

[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

「ブーリャ」は2021年末の就役が予定されていましたが、2021年中には洋上試験を開始するまでに至らず、翌年に延期されました。
[小型ロケット艦ブーリャとグラードは2021年にロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ配備される]
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2022年10月17日、「ブーリャ」バルト海で洋上試験の第1段階(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で洋上試験を開始した]

11月中旬には艦砲(76mm砲)の射撃試験などが行なわれました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で砲撃試験を実施した]

工場航行試験は12月上旬までに完了し、12月17日からは最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]

12月24日には76mm砲による対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で対空砲撃試験を実施した]

翌12月25日には高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」から水上目標への射撃試験を行ないました。

国家試験が完了し、その後の最終検査が終われば、ロシア海軍への引き渡し準備が整います。

「ブーリャ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、12月17日から始まった国家試験が12月中に終わる事は、今までの例からも考えられないので(最低でも1ヶ月程度は掛かる)、おそらくは2023年に延期される事になるでしょう。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは2022年12月にロシア海軍へ就役する]


なお、同じくバルト艦隊へ配備予定のプロジェクト21631小型ロケット艦「グラード」は、「ブーリャ」よりも早くバルト海で洋上試験を開始しており、こちらは12月末にはロシア海軍へ就役できそうです。
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[ブヤン-M小型ロケット艦グラードはタルーサと改名され、2022年12月末にロシア海軍へ就役する]


プロジェクト22800小型ロケット艦は、リードヤードであるサンクトペテルブルク『ペラ』造船工場で7隻(うち3隻は船体を下請けのフェオドシヤ造船所で建造)、ロシア内陸部ゼレノドリスク『ゴーリキー記念造船工場』で5隻(最初の3隻は下請けのケルチ造船工場ザリフで建造)、極東『アムール造船工場』で4隻の計16隻が起工されており、この内の3隻が就役しています。

[『ペラ』造船工場建造艦]
(工場番号254、255、256は下請けのフェオドシヤ造船工場『モーリェ』で船体を建造)
「ムィティシ」«Мытищи»(工場番号251)
2015年12月24日起工/2017年7月29日進水/2018年12月17日就役
バルト艦隊へ配備(567)

「ソヴィェツク」«Советск»(工場番号252)
2015年12月24日起工/201711月24日進水/2019年10月12日就役
バルト艦隊へ配備(577)

「オジンツォボ」«Одинцово»(工場番号253)
2016年7月29日起工/2018年5月5日進水/2020年11月21日就役
バルト艦隊へ配備(584)

「コゼリスク」«Козельск»(工場番号254)
2016年5月10日起工/2019年10月9日進水

「オホーツク」«Охотск»(工場番号255)
2017年3月17日起工/2019年10月29日進水

「ヴィフリ」«Вихрь»(工場番号256)
2017年12月19日起工/2019年11月13日進水

「ブーリャ」«Буря»(工場番号257)
2016年12月24日起工/2018年10月23日進水/2022年末就役予定
バルト艦隊へ配備予定(578)

[『ゴーリキー記念造船工場』建造艦]
(工場番号801、802、803は下請けのケルチ造船工場『ザリフ』で建造)
「ツィクロン」«Циклон»(工場番号801)
2016年7月26日起工/2020年7月24日進水/2022年就役予定
黒海艦隊へ配備(633)

「アスコリド」«Аскольд»(工場番号802)
2016年11月18日起工/2021年9月21日進水/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「アムール」«Амур»(工場番号803)
2017年7月30日起工/2022年進水予定/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「トゥーチャ」«Туча»(工場番号804)
2019年2月26日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

「タイフーン」«Тайфун»(工場番号805)
2019年9月11日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ルジェフ」«Ржев»(工場番号201)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウドムリャ」«Удомля»(工場番号202)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「パヴロフスク」«Павловск»(工場番号203)
2020年7月29日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウスリースク」«Уссурийск»(工場番号204)
2019年12月26日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2024年春に完成する

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『MASHNEWS』より
2022年12月16日9時9分配信
【『北方造船所』は新たな屋内造船台の建設の為の総合請負業者を見つけた】

『北方造船所』は、造船工場近代化の第1段階を完了する為の第3の総合請負業者を見つけた。
公開入札の勝者は、製造商会『ルスガルド』(ロストフ・ナ・ドヌー)であった。
『インテルファクス』は報じた。


製造商会『ルスガルド』は、対応する公開入札の唯一つの参加者であったことは注目される。

契約の枠組みにおいて、同社の専門家は、大型艦船の為の屋内造船台の柱立てを完了し、天上を取り付け、建物の外部を完成させる。
更に管理棟を建設し、工作機械及びクレーン機器を購入する。

作業は2024年3月に完了しなければならない。
契約の費用は明らかにされていない。

製造商会『ルスガルド』は、『北方造船所』の近代化に関与する第3の総合請負業者となる。
前の会社~有限会社『国内システム&テクノロジー』(モスクワ)公開株式会社『メトロストロイ』(サンクトペテルブルク)は、契約上の義務を履行できなかった。

「今回は、このような事が二度と起こらないように願っており、屋内造船台は建設されます。
私達には、非常に濃密な生産プログラムが有り、追加の船台の場所を必要としております。
私達は、作業の迅速な完了に関心を持っています」
『北方造船所』
総取締役イーゴリ・オルロフは話した。

10月にオルロフは、屋内造船台の建設は今年も継続が計画されていると『MASHNEWS』へ伝えた。

[『MASHNEWS』参照]
造船所
屋内造船台の建設は、工場の生産設備の近代化の第1段階である。
2017年に『メトロストロイ』は、これらの作業を遂行する契約を受けた。
作業は2019年第1四半期の完了が予定されていたが、請負業者はその課題に対応できず、契約はキャンセルされた。

2020年、『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、同年末までに屋内造船台の建設完了を計画していると言った。
2020年9月、『北方造船所』は新しい請負業者となる『国内システム&テクノロジー』との契約へ署名した。
その後、建物は2022年の納入が計画されていた。
契約費用は78億ルーブルと見積もられた。

生産設備近代化の第1段階には、高さ73.5メートルの屋内造船台で覆われた2ヶ所の250メートル×100メートルの水平スラブコンクリート船台の建設と、吊下げ能力350トンの橋形クレーンが含まれる。
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【『北方造船所』公式サイト】

サンクトペテルブルク『北方造船所』は、1912年11月14日に創立されました。
当初は『プチロフ造船所』という名前でしたが、1922年に『北方造船所』と改名されました。

1934年には『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(第190工場)と改名されましたが、1989年には『北方造船所』に戻され、現在に至っています。

『北方造船所』(当初は『プチロフ造船所』)が最初に建造した船は、今もロシア海軍で現役に留まっている救助船「コムーナ」です。
(1912年11月12日起工、1913年11月17日進水、1915年7月14日就役、就役時の船名は「ヴォルホフ」)
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操業開始以来、主に駆逐艦クラスの水上戦闘艦を建造してきました。

ソヴィエト連邦海軍初の嚮導駆逐艦(プロジェクト1)「レニングラード」『北方造船所』で建造されました。
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1960年代以降のプロジェクト58ロケット巡洋艦、プロジェクト1134ロケット巡洋艦、プロジェクト1134A大型対潜艦、プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、『北方造船所』のみで建造されました。

プロジェクト58ロケット巡洋艦:1962年~1965年に4隻建造
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プロジェクト1134ロケット巡洋艦:1967年~1969年に4隻建造
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プロジェクト1134A大型対潜艦:1969年~1977年に10隻建造
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プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦):1980年~1993年に17隻建造(この他、中国海軍向けとして改型2隻を含む4隻建造)
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この他、プロジェクト1135警備艦、プロジェクト1155大型対潜艦の一部も『北方造船所』で建造されました。

プロジェクト1135警備艦:1976年~1979年に6隻建造
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プロジェクト1155大型対潜艦:1981年~1988年に4隻建造
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21世紀に入ってからは、ロシア海軍新世代水上戦闘艦プロジェクト20380コルベットプロジェクト20385コルベットプロジェクト20386コルベットプロジェクト22350フリゲート~を建造しています。

プロジェクト20380コルベット:2001年~2015年に6隻起工、内2008年~2014年に4隻就役、1隻洋上試験中
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プロジェクト20385コルベット:2012年~2隻起工、内2020年に1隻就役
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プロジェクト22350フリゲート:2006年~2020年に8隻起工、内2018年~2020年に2隻就役、1隻洋上試験中
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これまでに通常動力艦のみを建造してきた『北方造船所』ですが、2012年2月には、原子力推進艦を建造できる認可をロシア連邦政府から得ました。
[サンクトペテルブルク北方造船所は、原子力艦の建造を準備する]

これは、将来の原子力駆逐艦「リデル」の建造を見据えた措置です。

しかし、『北方造船所』の乾ドックのサイズは全長170メートル、幅20メートルであり、全長200メートル以上の「リデル」を建造するのは不可能です。

そこで、新たに、より大型の乾ドックが建設される事になりました。
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この大型乾ドックは2021年末までの完成が予定されていましたが、請負業者が倒産してしまった為、2022年11月に公開入札が行なわれ、新たな請負業者が選定されました。
[サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2022年以降に稼働する]

新たな請負業者と締結された契約による工事完了時期は2024年3月末です。

新たな大型乾ドックの完成後、先ず初めにプロジェクト22350の拡大発展型であるプロジェクト22350Mフリゲートが建造されます。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]

ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海での洋上公試中に対水上砲撃を実施した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年12月25日20時39分配信
【コルベット「水星」(メルクーリイ)は国家試験中にバルト海で標的を撃破した】
モスクワ、12月25日-ロシア通信社ノーボスチ

最新のプロジェクト20380コルベット「水星」(メルクーリイ)バルト海の国家試験中、砲装置により敵艦を模した標的を撃破した。
日曜日にバルト艦隊広報サービスは発表した。

「国家試験の最終段階計画に沿って、コルベット"メルクーリイ"は、バルト海エリアに位置する射爆場で試験を行なっています。
艦の乗組員は、砲装置A-190及びAK-630から仮想敵艦を模した海上盾船への射撃を成功裏に実行しました」

声明では、こう述べられた。

射撃は、「敵」が電波電子対抗手段を使用する困難な妨害環境という条件下で行なわれた事が指摘された。
密集砲火により指摘目標は撃破された事を広報サービスは強調した。

演習が行なわれたバルト艦隊の海上射爆場は、民間船舶航行にとって一時的に危険であると宣言された。

ロシアコルベット「メルクーリイ」は、誘導ロケット兵器を搭載する第5のプロジェクト20380艦であり、『北方造船所』で建造された。
それは近海及び遠海ゾーンでの哨戒、そして更に敵の水上艦、潜水艦、航空機との戦闘の為に意図されている。
更に揚陸支援も出来る。



サンクトペテルブルク『北方造船所』で建造されるプロジェクト20380コルベットとしては5番艦となる「リェチーヴイ」(「熱心な」という意味の形容詞)は、2015年2月20日に起工されました。

[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]

複合材料製の上部構造物はサンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で製造され、2016年8月に完成し、『北方造船所』へ引き渡されました。
[ロシア海軍のプロジェクト20380コルベットの為の複合材料製上部構造物はサンクトペテルブルクで製造された]

2018年3月までにディーゼルエンジンが設置されました。


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2020年3月12日に進水しました。
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[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"はサンクトペテルブルクで進水した]

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2021年10月5日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月5日9時35分配信
【コルベット「リェチーヴイ」の係留試験が始まった】

2021年10月中旬、「リェチーヴイ」ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(水星)(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。
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[ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された]

2022年5月21日、「メルクーリイ」サンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新コルベット「メルクーリイ」洋上試験開始(2022年5月21日)]
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5月26日にクロンシュタットへ帰港しました。


「メルクーリイ」は5月末に出航し、6月1日にクロンシュタットへ帰港しました。
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7月31日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。

[最新鋭コルベット「メルクーリイ」は7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式に参加する]

観艦式が終わった後、「メルクーリイ」の洋上試験(工場航行試験)は再開されました。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」はロシア海軍への引き渡しを準備する]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「メルクーリイ」はバルト海で洋上試験を続けている]

2022年12月初頭には工場航行試験の最終段階を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で工場航行試験の最終段階を開始した]

工場航行試験は12月中旬までに終了し、12月15日から最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「水星」(メルクーリイ)はバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]

12月25日には水上目標への砲撃試験を行ないました。

国家試験が完了した後に造船所で艦の最終点検が行なわれ、ロシア海軍への引き渡し準備が整います。

以前には「メルクーリイ」ロシア海軍への引き渡しは2022年末に予定されていましたが、2023年に延期される事になるようです。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」のロシア海軍への引き渡しは2023年初頭になるかもしれない]

「メルクーリイ」黒海艦隊への配備が予定されています。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【コルベット「メルクーリイ」】


現在、極東方面(日本海)でも同型艦(極東『アムール造船工場』で建造)「リェーズキー」の洋上試験(国家試験)が行なわれています。
こちらもロシア海軍への引き渡しは2023年になります。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]
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新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380)は、現在までに計12隻が起工され、このうち7隻がロシア海軍へ引き渡されています。

20380は、サンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で建造されています。

[『北方造船所』建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号550)

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号531)

「ボイキー」Бойкий(建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号532)

「ストイーキー」Стойкий(建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号545)

「リェチーヴイ」Ретивый/「メルクーリイ」Меркурий(建造番号1007)
2015年2月20日起工/2020年3月12日進水/2023年就役予定
黒海艦隊に配備予定(艦番号535)

「ストローギー」Строгий(建造番号1008)
2015年2月20日起工/2023年以降就役予定
黒海艦隊に配備予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年7月20日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号333)

「グロームキー」Громкий(建造番号2102)
2012年4月20日起工/2017年7月28日進水/2018年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号335)

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年9月12日進水/2020年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号339)

「リェーズキー」Резкий(建造番号2104)
2016年7月1日起工/2021年7月1日進水/2023年就役予定
太平洋艦隊に配備予定(艦番号343)

「グローズヌイ」Грозный(建造番号2105)
2021年8月23日起工
太平洋艦隊に配備予定

「ブラーヴイ」Бравый(建造番号2106)
2021年9月29日起工
太平洋艦隊に配備予定

ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で最終洋上試験(国家試験)を開始した

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『タス通信』より
2022年12月26日4時43分配信
【最新コルベット「リェーズキー」は国家試験へ着手した】
モスクワ、12月25日/タス通信

最新のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は国家試験の第1段階へ着手した。
日曜日に『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「『アルマーズ』設計局のプロジェクト20380により『アムール造船工場』で建造された最新コルベット"リェーズキー"は、国家試験の第1段階へ着手しました」
同社は通知した。

ヘリコプターKa-27の発着場への着艦を伴う艦の航空複合体の試験と、水中及び水上の目標を探知する為の音響複合体の試験が計画されている。

コルベット「リェーズキー」プロジェクト20380多目的警備艦シリーズの4隻目であり、2016年に『アムール造船工場』で起工された。
2021年10月末、『アムール造船工場』の試運転基盤での艤装と追加装備の為、輸送ドック「ゼーヤ」によりウラジオストクへ送り届けられた。



ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの4隻目「リェーズキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』で2016年7月1日に起工されました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]
「リェーズキー」は、「激しい」「強烈な」といった意味の形容詞です。

5年後の2021年7月1日に造船台から出渠しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"は造船台を出た]

『アムール造船工場』では、コルベットの出渠(進水)式典でシャンパンを割る役目を担う「コルベットの花嫁」を同社の女性職員から選定していますが、「リェーズキー」「花嫁」には、工場コルベット試運転チームの一員であるクセニア・ザヴゴロドネワが選ばれました。
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輸送浮きドックへ載せられた「リェーズキー」は、最終艤装と試験の為、10月6日にウラジオストクへ出発しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日9時20分配信
【コルベット「リェーズキー」は試験の為にウラジオストクへ向かった】

10月下旬にウラジオストクへ到着し、同月末にドックから出渠しました。
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2021年11月上旬、ウラジオストク『アムール造船工場』艤装岸壁で「リェーズキー」の係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"の係留試験が始まった]

当初、係留試験は造船所の技術者だけで行なわれていましたが、12月初頭には乗組員が艦内へ居住し、係留試験へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"へ乗組員が居住した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"乗組員は係留試験へ参加する]

「リェーズキー」の最初の洋上試験~工場航行試験は2022年1月の開始が予定されていましたが実現せず、出航前の消磁作業が始まったのは4月上旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"は2022年1月に洋上試験を開始する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は洋上試験開始前の消磁作業を行なっている]

4月13日、「リェーズキー」は洋上試験の最初の段階~工場航行試験を開始する為にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で洋上試験を開始した]

その後も工場航行試験は続けられました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で洋上試験を続けている]

12月中旬には兵装の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」はピョートル大帝湾で砲撃試験を実施した]

12月25日から最終洋上試験となる国家試験を開始しました。

「リェーズキー」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、国家試験の開始が12月25日になった為、引き渡しは2023年に延期されます。
[プロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は2022年12月にロシア海軍太平洋艦隊へ就役する]


新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380)は、現在までに計12隻が起工され、このうち7隻がロシア海軍へ引き渡されています。

20380は、サンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で建造されています。

[『北方造船所』建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号550)

「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号531)

「ボイキー」Бойкий(建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号532)

「ストイーキー」Стойкий(建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号545)

「リェチーヴイ」Ретивый/「メルクーリイ」Меркурий(建造番号1007)
2015年2月20日起工/2020年3月12日進水/2023年就役予定
黒海艦隊に配備予定(艦番号535)

「ストローギー」Строгий(建造番号1008)
2015年2月20日起工/2023年以降就役予定
黒海艦隊に配備予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年7月20日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号333)

「グロームキー」Громкий(建造番号2102)
2012年4月20日起工/2017年7月28日進水/2018年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号335)

「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年9月12日進水/2020年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号339)

「リェーズキー」Резкий(建造番号2104)
2016年7月1日起工/2021年7月1日進水/2023年就役予定
太平洋艦隊に配備予定(艦番号343)

「グローズヌイ」Грозный(建造番号2105)
2021年8月23日起工
太平洋艦隊に配備予定

「ブラーヴイ」Бравый(建造番号2106)
2021年9月29日起工
太平洋艦隊に配備予定

『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した

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『ロシアビジネスコンサルタント』より
2022年12月24分19時49分配信
【『アドミラルティ造船所』総取締役は死去した】

ブザコフは『アドミラルティ造船所』で35年間勤務し、10年前に同社のトップとなった。
これはロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。

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『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した。
彼は66歳だった。
『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「彼は、伝説的な企業の労働力と遺産を保持する為に全ての事を行ない、何時も将来を考え、アドミラルティを新たな成功へ導きました。
アレクサンドル・セルゲイヴィチ・ブザコフの人生は、時期尚早に、悲劇的に終わりました」

声明では、こう述べられた。

前日・12月23日『アドミラルティ造船所』広報サービスは、潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」の進水を発表し、ブザコフはこの行事へ出席した。
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「これらの潜水艦は単殻であり、より機動性が有り、コンパクトです。
我々の今日における目標は、ロシア連邦海軍から与えられた課題~プロジェクト677潜水艦シリーズのタイムリーな就役~を実現する事です」

彼は話した。
潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」は2015年に同社で起工され、非核動力(通常動力)潜水艦隊に属し、ロシアの技術により建造され、装備の為に国産の部品が使用されている。

ブザコフは1956年に生まれ、1980年にレニングラード造船研究所を卒業して「船舶動力装置」の専門家となり、『アドミラルティ造船所』へ入社して技師となった。
そこで彼は23年間、同社のチーフエンジニアとなった。
ブザコフは 2004年に造船工場『北方造船所』のトップとなり、2007年~2008年まで連邦国家単一企業『中部ネヴァ川造船工場』総取締役の役職に在り、その後、『統合造船業営団』のサブホールディング『西方造船センター』のトップとなった。

彼は2011年7月に『アドミラルティ造船所』へ戻り、チーフエンジニアとなった。
2011年8月に同社の総取締役代行となり、2012年7月に総取締役の役職が承認された。

その前の25年間、同社のトップはウラジーミル・アレクサンドロフであったが、その後、息子のミハイル・アレクサンドロフが代行となった。
『コメルサント』の情報筋によると、ウラジーミル・アレクサンドロフ「赤い取締役」(ソヴィエト時代からの企業のトップ)であり、築き上げられた厳格な企業構造に従わなかった。

『アドミラルティ造船所』ロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。
『統合造船業営団』へ加入している。
民間船隊の設計、製造、近代化、そして更に核動力装置を含む軍事用途艦の建造を専門としている。

ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で対空砲撃試験を実施した

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『タス通信』より
2022年12月25日3時17分配信
【バルト艦隊の軍艦「ブーリャ」は試験中に砲射撃を実行した】
モスクワ、12月24日/タス通信

最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「ブーリャ」バルト艦隊の為に株式会社・レニングラード造船工場『ペラ』が建造した有翼ミサイル「カリブル」搭載艦~は、国家試験中に航空爆弾SAB-250の形の空中目標への砲射撃を実行した。
土曜日にバルト艦隊広報サービスは発表した。

「小型ロケット艦ブーリャは、バルト海における国家試験中、艦載砲AK-176から空中目標への砲射撃を実行しました」
声明では、こう述べられた。

空中標的として、(バルト)艦隊海上航空隊前線爆撃機Su-24により投下され、発光要素を持つ花輪の形で提示された発光航空爆弾SAB-250が使用された事が指摘された。


「客観的観測データによると、射撃は成功裏に実行されました。
近い内に乗組員には、海上及び空中の目標への高射ミサイル-機関砲複合体パーンツィリ-Mからの複合射撃への取り組みが待ち受けています」

艦隊広報サービスは付け加えた。

小型ロケット艦「ブーリャ」は、株式会社『機器製造設計局』が開発した新型高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」を標準装備する第2のプロジェクト22800「カラクルト」艦である。
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海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の決定により、小型ロケット艦「ブーリャ」バルト艦隊へ加入し、バルチースク海軍基地ロケット艦・ロケット艇連合部隊で意図された任務を遂行する。

プロジェクト22800「カラクルト」多目的小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』が開発し、2015年から海軍の為に3ヶ所の造船所『ペラ』タタールスタン『ゼレノドリスク造船工場』ハバロフスク地方『アムール造船工場』で建造されている。

基準排水量800トンの「カラクルト」は、近海ゾーンで任務を遂行する為に意図されている。
同プロジェクト艦は、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の為の8セルの汎用艦載射撃複合体自動砲塔AK-176MAで武装する。
これに加え、艦の対空防衛構成には、携帯高射ミサイル複合体「イグラ」高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」が含まれる。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800小型ロケット艦の4番艦「ブーリャ」は、2016年12月24日にサンクトペテルブルク『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2018年10月23日に進水しました。

[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

「ブーリャ」は2021年末の就役が予定されていましたが、2021年中には洋上試験を開始するまでに至らず、翌年に延期されました。
[小型ロケット艦ブーリャとグラードは2021年にロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ配備される]
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2022年10月17日、「ブーリャ」バルト海で洋上試験の第1段階(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で洋上試験を開始した]

11月中旬には艦砲(76mm砲)の射撃試験などが行なわれました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で砲撃試験を実施した]

工場航行試験は12月上旬までに完了し、12月17日からは最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]

国家試験が完了し、その後の最終検査が終われば、ロシア海軍への引き渡し準備が整います。

「ブーリャ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、12月17日から始まった国家試験が12月中に終わる事は、今までの例からも考えられないので(最低でも1ヶ月程度は掛かる)、おそらくは2023年に延期される事になるでしょう。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは2022年12月にロシア海軍へ就役する]


なお、同じくバルト艦隊へ配備予定のプロジェクト21631小型ロケット艦「グラード」は、「ブーリャ」よりも早くバルト海で洋上試験を開始しており、こちらは12月末にはロシア海軍へ就役できそうです。
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[ブヤン-M小型ロケット艦グラードはタルーサと改名され、2022年12月末にロシア海軍へ就役する]


プロジェクト22800小型ロケット艦は、リードヤードであるサンクトペテルブルク『ペラ』造船工場で7隻(うち3隻は船体を下請けのフェオドシヤ造船所で建造)、ロシア内陸部ゼレノドリスク『ゴーリキー記念造船工場』で5隻(最初の3隻は下請けのケルチ造船工場ザリフで建造)、極東『アムール造船工場』で4隻の計16隻が起工されており、この内の3隻が就役しています。

[『ペラ』造船工場建造艦]
(工場番号254、255、256は下請けのフェオドシヤ造船工場『モーリェ』で船体を建造)
「ムィティシ」«Мытищи»(工場番号251)
2015年12月24日起工/2017年7月29日進水/2018年12月17日就役
バルト艦隊へ配備(567)

「ソヴィェツク」«Советск»(工場番号252)
2015年12月24日起工/201711月24日進水/2019年10月12日就役
バルト艦隊へ配備(577)

「オジンツォボ」«Одинцово»(工場番号253)
2016年7月29日起工/2018年5月5日進水/2020年11月21日就役
バルト艦隊へ配備(584)

「コゼリスク」«Козельск»(工場番号254)
2016年5月10日起工/2019年10月9日進水

「オホーツク」«Охотск»(工場番号255)
2017年3月17日起工/2019年10月29日進水

「ヴィフリ」«Вихрь»(工場番号256)
2017年12月19日起工/2019年11月13日進水

「ブーリャ」«Буря»(工場番号257)
2016年12月24日起工/2018年10月23日進水/2022年末就役予定
バルト艦隊へ配備予定(578)

[『ゴーリキー記念造船工場』建造艦]
(工場番号801、802、803は下請けのケルチ造船工場『ザリフ』で建造)
「ツィクロン」«Циклон»(工場番号801)
2016年7月26日起工/2020年7月24日進水/2022年就役予定
黒海艦隊へ配備(633)

「アスコリド」«Аскольд»(工場番号802)
2016年11月18日起工/2021年9月21日進水/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「アムール」«Амур»(工場番号803)
2017年7月30日起工/2022年進水予定/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「トゥーチャ」«Туча»(工場番号804)
2019年2月26日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

「タイフーン」«Тайфун»(工場番号805)
2019年9月11日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ルジェフ」«Ржев»(工場番号201)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウドムリャ」«Удомля»(工場番号202)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「パヴロフスク」«Павловск»(工場番号203)
2020年7月29日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウスリースク」«Уссурийск»(工場番号204)
2019年12月26日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

ロシア海軍太平洋艦隊向けの第3のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット「ブーイヌイ」の船体の組み立てが始まる

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『MASHNEWS』より
2022年12月23日9時21分配信
【プロジェクト20385コルベット「ブーイヌイ」の艦首セクションは船台へ送られた】

造船所『アムール造船工場』は、プロジェクト20385コルベット「ブーイヌイ」の艦首セクションを組立-溶接作業所から船台へ移送した。
『統合造船業営団』広報サービスは発表した。


2022年末までに船台の作業所で艦の船体の最終的な形成が計画されている。

プロジェクト20385設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)により開発された。
コルベットは海域を哨戒し、水上艦及び潜水艦と戦い、艦支隊及び駐留所へ対空防衛を提供し、そして更に海上揚陸部隊の上陸及び行動の砲撃支援の為に意図されている。

2024年~2028年に艦隊は2隻のプロジェクト20380コルベットと4隻のプロジェクト20385艦を受け入れなければならない。
太平洋艦隊の最初のプロジェクト20385艦となったのは「グレミャーシチー」である。
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[『MASHNEWS』参照]
公開株式会社『アムール造船工場』
は、造船業界で最も古い企業の1つであり、ロシア極東地域における基礎的かつ唯一の大規模造船企業である。
これは、艦船及び総合機械製造の製品の大規模なリストの発展した生産施設を備えた本格的な造船企業である。
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プロジェクト20385コルベットプロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

20380対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃巡航ミサイル「カリブル」を装備します。

プロジェクト20385の1番艦「グレミャーシチー」(337)は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工され、2017年6月30日に進水し、2020年12月29日に就役、太平洋艦隊へ編入されました。
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[プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

2021年11月30日にウラジオストクへ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット"グレミャーシチー"、潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーとヴォルホフはウラジオストクへ到着した]

2022年7月25日には恒久配備地ペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着した]

2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]

2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)に発生した火災で損傷した為、就役は2024年に延期されました。
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット「プロヴォールヌイ」の新たな上部構造物が完成した]


2020年12月15日、極東コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』は、太平洋艦隊向けとして2隻のプロジェクト20380コルベットと4隻のプロジェクト20385コルベットの建造契約をロシア国防省と締結しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の4隻のプロジェクト20385コルベットと2隻のプロジェクト20380コルベットの建造契約が締結された]

これにより20385コルベットの3番艦以降は『アムール造船工場』で建造される事になり、2021年8月23日に3番艦「ブーイヌイ」が起工されました。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]


2022年12月下旬、「ブーイヌイ」の艦首セクションが完成し、船台へ移送されました。
今後は船台での船体の各セクションの接合・組み立てが始まります。


2022年6月12日には20385の4番艦「ラズムヌイ」が起工されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20385コルベット「ラズムヌイ」起工(2022年6月12日)]

ロシア海軍の第3のラーダ級潜水艦ヴェリーキエ・ルーキはサンクトペテルブルクで進水した



『統合造船業営団』公式サイトより
2022年12月23日配信
【潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」は進水した】

『アドミラルティ造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」の進水式典が開催された。
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この潜水艦は、改正技術プロジェクト677により起工された。
艦は、ロシア軍事都市ヴェリーキエ・ルーキに敬意を表して大型潜水艦B-587「ヴェリーキエ・ルーキ」と命名された。

プロジェクト677潜水艦海洋工学中央設計局『ルビーン』(『統合造船業営団』へ加入)により設計され、敵の潜水艦、水上艦、船を破壊し、海軍基地、海岸及び海上交通線を防護し、偵察を行なう為に意図されている。

「我々の造船所には多くの祭日が有ります。
本日のイベント~新製品の進水も、その1つです。
これは、設計及び建造の特定段階の終わりを象徴するものであり、この艦の完成と海軍への御引き渡しにおける多くの成功した最終ステップを約束してくれます。
今日、私は、我々の共同の労働の成果を見させて頂きました。
私は、皆様の御健康と御成功、そして『キール下の7フィート』を御祈り申し上げます」
『統合造船業営団』
総取締役アレクセイ・ラフマノフは、式典参加者へ向けて言った。
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「プロジェクト677ラーダ潜水艦は新世代通常動力潜水艦に属しています。
今日において、同プロジェクト潜水艦は、ロシア海軍の為に意図されている最新のディーゼルエレクトリック潜水艦として認識されております。
艦には、高度に近代化された機器のモデル:艦載機器設備の制御システム、電気推進システム、航法複合体などが設置されております。
『アドミラルティ造船所』は、このクラスの艦を建造するロシア唯一の工場です」
ロシア連邦産業貿易省
官房長・産業貿易次官ヴィクトール・エフトゥホフは演説で指摘した。



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ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の3番艦B-587は、「セヴァストーポリ」の名前で2006年11月10日にサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で起工されました。
[「ラーダ」型潜水艦3番艦「セヴァストーポリ」起工]
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しかし、「ラーダ」級の1番艦B-585「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、建造工事は2009年に一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

2番艦以降は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改設計されました。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「ラーダ」級3番艦は、「ヴェリーキエ・ルーキ」と改名された上で2015年3月19日に改めて起工式典が開催されました。



[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]

当初、「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし2022年中の引き渡しも実現できず、ようやく2022年12月23日に進水しました。
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今後、「ヴェリーキエ・ルーキ」造船所の岸壁で艤装工事を行ない、その後に岸壁での係留試験を行ない、それから洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行ないます。

「ヴェリーキエ・ルーキ」ロシア海軍への引き渡しは、おそらく2023年末になるでしょう。

ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦タンボフは近代化改装後の洋上試験を開始した

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『タス通信』より
2022年12月23日9時34分配信
【情報筋:原子力潜水艦「タンボフ」は修理及び近代化の後に試験へ出発した】
モスクワ、12月23日/タス通信

北方艦隊プロジェクト671RTMK原子力潜水艦「タンボフ」は、修理及び近代化の後の試験の為に海上へ出た。
『タス通信』は、防衛産業企業体及びロシア軍当局に近い2名の情報筋から伝えられた。

その内の1人によると「先日、潜水艦タンボフは、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)で実行された修理及び近代化の後の試験へ着手しました」
他の情報筋は、潜水艦の試験は、その結果にも依るが半年間は続くかもしれない事を指摘した。

対談者は、「タンボフ」の近代化の内容については明らかにしなかった。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

原子力潜水艦「タンボフ」は1991年10月に進水した。
1992年9月に北方艦隊の戦闘編制へ加わった。
同プロジェクト潜水艦の主な兵器は、様々なタイプの魚雷及びロケット魚雷である。



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プロジェクト671RTMK巡洋潜水艦K-448は、1991年1月28日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『アドミラルティ造船所』で起工されました。

K-448は、671RTM/RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)の最終艦(通算26番艦)であり、671(ヴィクター)シリーズの最終艦です。
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1991年10月17日に造船台から出渠し、10月19日に進水しました。

1992年春にはロシア内陸水路経由でセヴェロドヴィンスクへ回航されました。

1992年6月3日付で「原子力大型潜水艦」に艦種変更され、B-448と改称されました。

1992年6月18日から白海で航行試験を開始しました。

1992年8月には白海で国家試験を行ないました。

1992年9月24日、受領証書への署名が行なわれ、造船所からロシア海軍へ納入されました。

1992年10月6日、海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1992年10月26日にアラ・グバ基地(ヴィジャエヴォ)へ到着しました。
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1993年2月5日、正式に北方艦隊第6潜水艦師団へ編入されました。

1993年夏以降、洋上での戦闘勤務を開始しました。

1994年3月25日に「タンボフ」と命名されました。
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1994年10月1日、第7潜水艦師団へ転属しました。

1996年2月28日、潜航中の「タンボフ」の乗組員1名が虫垂炎と腹膜炎を発症し、病院へ搬送する必要が生じた為、付近で演習を行なっていたNATO艦隊の内の1隻であるイギリス海軍駆逐艦「グラスゴー」の近くへ浮上し、救助を求めました。
その後、「タンボフ」乗組員はイギリス海軍ヘリコプターで病院へ運ばれました。
この時、イギリス海軍は、潜航していた潜水艦アクラ級(プロジェクト971「シチューカ-B」)と誤認していました。

1999年6月22日~26日のロシア連邦軍戦略演習『ザーパド-99』へ参加しました。

1999年8月20日~26日には、同年1月に就役してセヴェロモルスクへ回航中の大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」のソナー試験に協力しました。

その後もバレンツ海方面で活動していましたが、2011年には修理及び近代化の為にスネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航されました。
[2012年の艦船修理工場「ネルパ」への国家発注は大幅に増加する]
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しかし修理と近代化の作業は遅々として進まず、一時期(2013年春頃)は近代化を断念して早期退役も検討されました。
[ロシア海軍はヴィクターIII級原潜を近代化しない]

その後、スローペースながらも修理と近代化の作業は進められ、2021年末の現役復帰が計画されていました。
『統合造船業営団』公式サイトより
2021年9月21日配信
【『統合造船業営団』副総取締役コロリョーフ:最新の科学の成果は先ず第一に艦隊で実現する】
『統合造船業営団』軍事造船担当副総取締役ウラジーミル・コロリョーフ(元ロシア海軍総司令官)は、「タンボフ」は2021年末までに修理を完了して(海軍へ)引き渡すと発言しました。

しかし、改装工事の完了と海軍への復帰は翌2022年に延期される事になりました。

[ロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦タンボフは2022年に近代化改装を終えて復帰する]

2022年12月20日、「タンボフ」は一旦アラ・グバ基地(ヴィジャエヴォ)へ戻りました。
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2022年12月22日、「タンボフ」は出航し、改装後の洋上試験を開始しました。

「タンボフ」の洋上試験は最長で半年は掛かる事になるので、試験を終えて現役に復帰するのは早くても2023年前半でしょう。


1977年~1992年に計26隻が就役したプロジェクト671RTM/RTMK原子力大型潜水艦の内、今も現役に留まっているのは、改装中の「タンボフ」以外には「オブニンスク」(1990年5月10日就役)のみです。
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ロシア海軍の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2022年12月末から最終洋上試験(国家試験)を開始する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年12月22日15時26分配信
【プロジェクト677潜水艦「クロンシュタット」は12月末に国家試験へ着手する】
モスクワ、12月22日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で建造されている新たなプロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」の進水日として 12月23日を承認した。
木曜日にロシア国防省は発表した。

「今年12月末、株式会社『アドミラルティ造船所』は、プロジェクト677潜水艦クロンシュタットの国家試験へ着手します」
リリースでは、こう述べられた。

同時に『アドミラルティ造船所』では、今年6月に起工された更なる2隻のプロジェクト677潜水艦「ヴォログダ」及び「ヤロスラヴリ」の建造が続けられている。
これらの建造に関する国家契約は、2019年6月のフォーラム『アルミヤ-2019』で締結された。

プロジェクト677潜水艦第4世代非核動力(通常動力)潜水艦に属する。
ロシア連邦国防省によると、これらの潜水艦「戦闘の有効性と他の一連の戦術的-技術的特性の点で」最も近代的で有望なロシア通常動力潜水艦である。



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ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の2番艦B-586「クロンシュタット」は2005年7月28日に起工されました。
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しかし、「ラーダ」級の1番艦B-585「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、建造工事は2009年に一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2番艦以降は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「クロンシュタット」は2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]


2019年7月28日にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
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その後、また『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は遅れている事が明らかにされました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

そして2021年12月17日、ようやく「クロンシュタット」の最初の洋上試験(工場航行試験)がフィンランド湾で始まりました。
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[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの洋上試験が始まった]

最初の工場航行試験(第1段階)は12月28日に完了し、「クロンシュタット」は一旦クロンシュタット港へ戻りました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの最初の洋上試験は完了した]
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2022年4月4日、2度目の工場航行試験(第2段階)が始まりました。
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[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2回目の洋上試験を開始した]
4月14日に『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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5月4日に出航し、5月9日に『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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6月2日にクロンシュタット港から出航し、6月11日に帰投しました。


7月初頭には『アドミラルティ造船所』の浮きドックへ入渠しました。
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8月8日にサンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験の最終段階を開始しました。
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[ロシア海軍の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは工場航行試験の最終段階を開始した]

その後もバルト艦隊のサポートの下で洋上試験が続けられました。
[ロシア海軍バルト艦隊は最新潜水艦ウファとクロンシュタットの洋上試験をサポートする]
[ロシア海軍の最新潜水艦ウファとクロンシュタットはバルト海で潜航試験を行なう]

9月末に一旦『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
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10月に洋上試験が再開され、11月初頭には潜航試験が行なわれました。
[ロシア海軍の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットはバルト海で洋上試験を続けている]

11月末にはソナーの試験を行ないました。
[ロシア海軍の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットはバルト海でソナーの試験を行なう]

これで工場航行試験は終わり、2022年12月末から最終洋上試験となる国家試験が始まります。

以前には「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、その12月末に国家試験が始まるので、引き渡しも2023年に延期される事になります。
[第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2022年秋にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ配備される]

なお、今回の記事で触れられていますが、2022年12月23日には「ラーダ」級潜水艦の3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」(2006年11月10日起工/2015年3月19日再起工)が進水します。
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近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフで小規模な火災が発生し、鎮火された

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年12月22日12時0分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」で火災が発生した】
モスクワ、12月22日-ロシア通信社ノーボスチ

修理中の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」で小規模な火災が発生した。
『ロシア通信社ノーボスチ』『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフより伝えられた。

「修理作業の実行中、些細なアクシデントが有りました。
火は消し止められました。
然るべき消防システムは正常に作動しました。
損害も死傷者も有りません」

彼は話した。

ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は2017年から修理中である。
2018年10月、の進水の際に事故が発生した。
浮きドックPD-50が突然沈没し、その結果、クレーン航空母艦へ落下し、甲板の一部が損傷した。

その後、「アドミラル・クズネツォフ」ムルマンスク第35艦船修理工場へ移された。
そこで2019年12月12日に火災が発生した~溶接の火花が、燃料が漏れた船室へ飛び散った。
この時、2名が死亡し、12名以上が負傷した。

これに加え、『統合造船業営団』は、ムルマンスク工場へ新たな乾ドックを建設する企業との契約の終了を余儀なくされた。
作業は契約書の記載よりも10倍遅延し、請負業者は26億ルーブルの前払いを報告できなかった。

現在、航空母艦は未だ第35工場に在る。
今夏にラフマノフは、艦は2024年の第1四半期に海軍へ復帰すると言った。



ロシア海軍唯一の「航空母艦」ウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月21日就役)は、シリア作戦(2016年11月~2017年1月)から帰投した翌年の2018年4月23日に近代化改装の契約が締結され、その直後にムルマンスク『第35艦船修理工場』(セヴェロドヴィンスク艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』の傘下)で改装工事が始まりました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

2022年5月下旬に『第35艦船修理工場』乾ドックへ入渠して船体下部の作業を行ない、その完了後、12月20日には乾ドックから進水させる作業が始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊のウシャコーフ勲章授与・重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは乾ドックからの出渠作業を開始した]

12月22日11時頃(モスクワ時間)、乾ドックに居た「アドミラル・クズネツォフ」で小規模な火災が発生しました。
『SeverPost』より
2022年12月22日11時19分配信
【ムルマンスクで巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」が燃えた】

火災の規模は小さかったのですが、「アドミラル・クズネツォフ」の重要性に鑑みて火災のランクはレベル2となり、消防部隊は増加しました。
『SeverPost』より
2022年12月22日11時48分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」の火災のランクが上がった】

その後、火災は鎮火されました。
『SeverPost』より
2022年12月22日11時54分配信
【情報筋:巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の火災は取り除かれた】

「アドミラル・クズネツォフ」の火災はすぐに探知されて直ちに消防隊が出動し、更には艦の消火システムも迅速に機能し、今回は大事には至りませんでした。
『SeverPost』より
2022年12月22日12時9分配信
【緊急事態省は巡洋艦の火災についてコメントした】

火災は左舷側の船室で発生し、6平方メートルが燃えましたが、11時30分頃に鎮火されました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年12月22日13時20分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」の火災で死傷者はいなかった】

合同演習『海洋協同-2022』へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船部隊は東シナ海で合流し、合同訓練を開始した


『ズヴェズダーテレビ』より
2022年12月22日11時12分配信
【東シナ海の『海洋協同-2022』でロシア連邦と中華人民共和国の艦が会合する映像が公開された】

ロシア国防省は、太平洋艦隊中国海軍の艦支隊がロシア-中国合同演習『海洋協同-2022』で会合した動画を示した。

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「前日、太平洋艦隊及び中国人民解放軍海軍の戦闘艦支隊は、済州島南方の東シナ海エリアで会合しました。
ロシア側の演習指揮官である太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊司令官ワレリー・カザコフ少将と、中国人民解放軍東方海軍統合司令部司令官王于少将は互いに無線通信で挨拶を交わし、合同作業計画で合意しました。
その後、両国の艦は演習実施海域へ進路を取りました。
ロシア艦支隊はナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグが、中国支隊は駆逐艦"済南"が率いています」

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声明は述べた。

海上でロシア及び中国の船員は合同戦術操艦へ取り組み、そして更に通信訓練を実施した。
東シナ海上空でロシア海軍艦上対潜ヘリコプターKa-27は飛行を実施した。

ロシア防衛当局は、演習『海洋協同-2022』は12月21日から27日まで東シナ海エリアで実施される事を想い起こした。

ロシア海軍から演習を代表するのは、太平洋艦隊旗艦・ロケット巡洋艦「ワリャーグ」フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」プロジェクト20380コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」「ソヴェルシェーンヌイ」である。

中国人民解放軍海軍からは、駆逐艦「済南」、「包頭」、フリゲート「浜州」、「塩城」、複合補給艦、ディーゼル潜水艦が関わる。

ロシア連邦国防省は、演習の活動部門中、合同ミサイル及び砲射撃、兵器を実地使用する合同対潜行動への取り組みが計画されていると付け加えた。

以前、巡洋艦「ワリャーグ」率いる太平洋艦隊艦支隊中国人民解放軍海軍との合同演習の為に出航する映像が公開された。




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ロシア海軍中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2019年、2021年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。

なお、それより以前の2005年8月下旬に実施されたロシア-中国合同演習『平和の使命-2005』において、初めてロシア海軍中国海軍の合同訓練が実施されました。
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『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]

『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]

『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]

『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]

『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]

『海洋協同-2016』:2016年9月中旬に南シナ海で実施
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]

『海洋協同-2017』
第1段階:2017年7月下旬にバルト海で実施
第2段階:2017年9月下旬に日本海及びオホーツク海で実施

[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2017』(2017年7月、9月)]

『海洋協同-2019』:2019年4月末~5月初頭に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

『海洋協同-2021』:2021年10月中旬に日本海で実施
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

2022年9月上旬にロシア極東方面で実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』にもロシア海軍中国海軍が参加し、演習が終わった後には太平洋ベーリング海、アリューシャン列島沖へ進出しました。
[ヴォストーク-2022演習と露中海軍の太平洋合同パトロール(2022年9月)]


そして2022年12月21日~27日には東シナ海合同演習『海洋協同-2022』が実施される事になり、演習参加部隊は12月19日にウラジオストクを出航しました。
[2022年12月21日-27日に東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が実施される]

ロシア太平洋艦隊からは、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「ソヴェルシェーンヌイ」などが参加します。

演習参加部隊は12月20日夕方に対馬海峡を通過しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年12月21日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

12月21日には東シナ海の演習実施海域(済州島の南方)で中国海軍の演習参加部隊と合流しました。
[東シナ海でロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2022』が始まる]

12月22日には合同操艦訓練や通信訓練を行ないました。