ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは就役30周年を迎えた
- カテゴリ:ネウストラシムイ型警備艦
『Paluba.media』より
2023年1月30日12時21分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」がロシア連邦海軍の一員となってから30周年を迎えた】
バルチースクで警備艦「ネウストラシムイ」への海軍旗掲揚から30周年を記念する祝賀行事が開催された。
ロシア国防省広報サービスは発表した。
祝賀行事には、バルト艦隊司令官ヴィクトール・リーナ大将、水上艦連合部隊司令部の代表、艦の乗組員、バルト艦隊の退役軍人、警備艦の乗組員の家族と親類、士官候補生、青少年軍隊員が参加した。
艦の記念日へ捧げられた祝賀会は、乗組員の隊列形成、聖アンドレイ旗と満艦飾の掲揚で始まった。
近い内に艦の乗組員は、駐留条件下で必要な課題へ取り組んだ後、錬成任務(K-2)の要素へ移行する為に海上へ出る。
バルト艦隊の海上射爆場で「ネウストラシムイ」乗組員には、砲及び高射ミサイル射撃の実行、対空演習の実施、そして更には対潜任務への取り組みが待ち受けている。
警備艦「ネウストラシムイ」は1987年に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工された。
1988年に進水し、国家試験を成功裏に完了した後、1993年1月14日にロシア海軍へ加わった。
現在、艦は沿バルト造船工場『ヤンターリ』での計画修理を完了している。
艦では、艦載機構部分を更新する作業が行なわれた。
増速用エンジンは修復されて再び設置され、更には兵装及び支援機械が近代化された。


プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。
就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)

就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。
2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンのイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。
2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。
警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。

[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]
2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート

そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]
2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。


[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]
2011年6月にはデンマークのコペンハーゲンを訪問しました。
2012年7月から9月に掛けて北方艦隊の大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]
「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。
ガスタービン機関は、サマーラの工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]
当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]
「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。

2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】
「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]
そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]
2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。


[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう]
2022年2月15日、「ネウストラシムイ」はバルト海へ出航し、洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で洋上試験を開始した]
2月下旬にバルチースクへ戻り、2月23日の『祖国防衛者の日』にはナヒーモフ幼年学校の生徒が訪れました。






その後、洋上試験を再開し、3月末~4月初頭に艦載砲(AK-100 100mm単装砲)、高射ミサイル砲複合体「コールチク」、魚雷の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で兵装射撃試験を実施した]
4月20日には高射ミサイル「キンジャール」発射試験を行ないました。
『タス通信』より
2022年4月20日20時30分配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は複合体「キンジャール」のミサイル射撃を実行した】
5月25日にはソナーの動作試験を行ないました。
[近代化改装後のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイ、バルト海でソナーの動作試験実施(2022年5月下旬)]
7月19日に再び高射ミサイル「キンジャール」の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは艦対空ミサイルを発射した]
12月16日に「ネウストラシムイ」はバルト海で最終洋上試験を開始しました。

[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で最終洋上試験を開始した]
洋上試験は12月28日までに完了しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海での最終洋上試験を完了した]
2023年1月16日、「ネウストラシムイ」にバルト艦隊司令部、各部隊の幹部、艦長が集合し、艦隊の訓練計画についての会合が行なわれました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは乗組員の錬成訓練を行なう]
2023年1月24日に海軍旗初掲揚式典(正式なロシア海軍への就役式典)から30周年を迎え、1月30日に記念式典が開催されました。
「ネウストラシムイ」は2023年2月にバルト艦隊へ復帰します。
[近代化改装された警備艦ネウストラシムイは2023年2月にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
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