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ロシア海軍地中海連合作戦部隊の艦船の交代はシリア情勢とは関係が無い

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『インタファクス』より
2013年8月29日11時41分配信
【ロシアは地中海の海軍グループを更新する】
モスクワ、8月29日、インタファクス.RU

地中海の海軍常設作戦連合部隊の艦船の構成は、近い内に更新される。
『インタファクス-AVN』ロシア連邦軍参謀本部の情報提供者より伝えられた。

「地中海東部で起こっている良く知られている状況は、私共の海軍グループの構成に関し、個々の調整が必要となりました。
今後数日間に、そこ(地中海グループ)へ北方艦隊の大型対潜艦が補充されなければなりません。
その後、黒海艦隊のロケット巡洋艦モスクワが、現在の北大西洋での任務を完了し、大西洋を横断してジブラルタル海峡方向へと移動して(グループに)加わります」

対談者は話した。

彼によると、今年秋には海軍地中海グループ太平洋艦隊ロケット巡洋艦「ワリャーグ」が補充されなければならない。
現在、連合作戦部隊の一員として戦闘任務を遂行している太平洋艦隊大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」に代わって。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年8月29日12時08分配信
【地中海におけるロシア連邦海軍の更新はシリア情勢とは関係無い】
モスクワ、8月29日-ロシア通信社ノーボスチ

地中海におけるロシア海軍艦船グループの更新は計画ローテーションであり、シリア周辺の状況悪化に関連付けられていない、
木曜日、ロシア通信社ノーボスチロシア連邦海軍総司令部の高位の代理人より伝えられた。

これに先立ち、一部のメディアは、地中海ロシア艦船グループシリア周辺の状況に関連して更新されると報じた。

「地中海、更には世界の他の海域に滞在している艦船は、海軍総司令部及び参謀本部の計画に従って行動し、指示された任務を遂行しています。
これらの任務遂行を終えた艦は、彼らの基地へ戻って行き、或いは、指示された任務の遂行を継続する為、他の艦と交代します。
これはグループの更新もしくは集団化では無く、単に計画ローテーションです」

対談者は話した。
この点に関し、彼は、現時点で(海上に)展開しているグループ、特に地中海において、どの艦が交代の為に来るのかについてはコメントしなかった。

「対潜艦もしくは大型揚陸艦、或いは、他のタイプの艦になるのかどうかは、海軍総司令部と参謀本部の合意により決定されます」
ロシア連邦海軍の高位の代理人は話した。


インタファクスの記事によると、数日後にはロシア海軍地中海連合作戦部隊北方艦隊大型対潜艦が加わるとの事です。

北方艦隊大型対潜艦は4隻(「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、「アドミラル・レフチェンコ」、「セヴェロモルスク」、「アドミラル・チャバネンコ」)が稼働状態に在りますが、この内の「アドミラル・レフチェンコ」「セヴェロモルスク」バレンツ海で演習を行ないました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(北方艦隊)広報サービス発表
2013年8月27日17時25分配信
【北方艦隊の艦船はバレンツ海と白海で戦術演習を実施した】

「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」は、黒海艦隊親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」と共にカリブ海方面へ向かいましたが、現在の動向は明らかにされていません。
少なくとも、ロシア海軍ベネズエラ訪問には参加していないようです。
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[ロシア海軍艦船はベネズエラを訪れた]
[ベネズエラ大統領は親衛ロケット巡洋艦モスクワを訪れた]

「アドミラル・チャバネンコ」は、上記のバレンツ海の戦術演習には参加しておらず、現在の動向は明らかにされていません。

更にインタファクスの記事によれば、太平洋艦隊親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」地中海作戦連合部隊へ加わるとの事です。
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親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、近い内に太平洋への遠距離航海へ出発し、ベトナムオーストラリアを訪問すると発表されています。
[太平洋艦隊のロケット巡洋艦ワリャーグはオーストラリアへ行く]

親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、今年10月4日から11日までオーストラリア海軍創設100周年記念観艦式に参加する為に同国を訪問する予定です。

そして最新情報によると、同艦は9月~10月にインドネシアで対海賊演習に参加します。
『イタルタス』より
2013年8月29日12時19分配信
【ロケット巡洋艦「ワリャーグ」はインドネシアで対テロ演習に参加する】

少なくとも、ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、10月中旬までは太平洋に居る事になります。


一方、『ロシア通信社ノーボスチ』の記事に登場する「ロシア海軍総司令部の高位の代理人」氏は、地中海連合作戦部隊の艦船が交代する事は否定していませんが、具体的な内容には一切触れておらず、シリア情勢に起因する交代ではなく、単なる計画ローテーションであると述べています。

現在、ロシア海軍地中海連合作戦部隊に参加している艦船は、以下の通りです。

[太平洋艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」
救助曳船「フォーチィ・クリロフ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」

[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2013年3月~)]

[バルト艦隊艦船支隊]
大型揚陸艦「ミンスク」
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」

[バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスク、地中海へ]
[地中海のロシア海軍水上艦の動向]

これらの艦船は未来永劫に渡って地中海に滞在しているわけには行かないので、何れは交代する事になります。
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