重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2014年から近代化改装を開始する

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2013年9月13日
【「アドミラル・クズネツォフ」は来年から大規模修理に取り掛かる】
今後5年間、重航空巡洋艦「ソ連邦海軍元帥クズネツォフ」の大規模修理と高度な近代化が造船企業「セヴマシュ」で実施される。
対談者が「インタファクス-AVN」へ明らかにした所によると、同艦は来年前半に工場へ入る。
作業開始から5年後、同艦は質的に更新され、海軍の編制へ復帰しなければならない。
統合造船業営団と国防省の間で航空巡洋艦の修理及び近代化の契約は締結されていない事は注目される。
重航空巡洋艦「クズネツォフ」は同社の施設に在る。
一方、巡洋艦の早急の修理と近代化の必要性については、昨年に表明された。
専門家は、同艦の動力装置が完全に置き換えられると主張している。
しかし、ロシアで唯一の航空母艦は、いつも新たな任務を受け取り、修理開始は定期的に延期されている。
現在、巡洋艦はバレンツ海で戦闘訓練任務を遂行している。
10月、飛行甲板から艦上航空機Su-33のフライトが開始される。
「クズネツォフ」が今後5年間は修理に置かれるというニュースは、ロシア連邦がクリミアのニートカ複合体の使用の拒否を決定したという報道と結び付く。
モスクワはウクライナ側へ、2014年初頭以降、艦上航空隊飛行士の訓練に特化された訓練場の使用を計画していないと公式に通知した。
しかし最近、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は、ロシア製のニートカ複合体のエイスク(クラスノダール地方)への建設が完了すると記者団に伝えた。
7月、航空機MiG-29KUBは、この訓練場で航空母艦の飛行甲板への模擬着艦の訓練飛行を行なった。
エイスクのシミュレータは2013-2014年の境目から完全に稼働する予定である。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
「アドミラル・クズネツォフ」は、以前から近代化改装の話が度々出ています。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]
ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、2012年7月末の記者会見で「アドミラル・クズネツォフ」近代化に言及しています。
『アルムス-タス』より
2012年7月26日15時57分配信
【海軍総司令官は近い将来のロシア海軍の発展を展望する】
チルコフ提督は、こう述べています。
「2020年までの近代化プログラムが存在します。
この枠内で航空巡洋艦は新たな航空機MiG-29Kを受け取ります」
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年7月27日10時00分配信
【ヴィクトル・チルコフへのインタビュー】
こちらでは、こう述べています。
「私共の唯一の航空母艦アドミラル・クズネツォフは、2020年までの国家軍備プログラムにより近代化される計画です。
この為に、新たな戦闘機MiG-29Kが購入されます」
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、今年12月に地中海遠征へ行くと報じられましたが、最近では、地中海へは行かないとも報じられています。
[空母アドミラル・クズネツォフは2013-2014年に遠距離航海を行なう]
[空母アドミラル・クズネツォフは年末に地中海へ行く]
[空母アドミラル・クズネツォフはシリア情勢とは関係なく2013年12月に地中海遠征へ出発する]
[空母アドミラル・クズネツォフは地中海へ行かない?]
今回の記事で触れられているように、「アドミラル・クズネツォフ」は、現在バレンツ海で演習を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で戦闘訓練を行なった]
今回の記事によると、「アドミラル・クズネツォフ」は、来年前半にセヴェロドヴィンスクのセヴマシュ造船所へ行き、大規模修理と高度の近代化を開始するとの事です。

ただし、近代化改装の為の契約は、まだ締結されていません。
更には、「高度な近代化」の具体的な内容にも触れられていません。
記事中では「アドミラル・クズネツォフ」の動力機関が完全に置き換えられるなどと書かれていますが、これは、ロシアの一部の軍事専門家が主張しているというだけの事であり、その主張を裏付ける具体的な根拠は一切ありません。
因みに、セヴマシュ造船所で「高度な近代化」が実施された航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」(旧「アドミラル・ゴルシコフ」)の場合、動力機関(蒸気タービン)自体は換装されておらず、蒸気発生用ボイラーを入れ替えただけです。

なお、記事後半では、ウクライナの艦上航空隊訓練施設「ニートカ」不使用とロシア国内のエイスクに建設される新「ニートカ」について触れられています。
[ロシア海軍の新ニートカは2014年初頭に稼働開始する]
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]
[艦上戦闘機MiG-29KUBは新ニートカで試験を行なう]
要するに、「アドミラル・クズネツォフ」が近代化改装の為、今後5年間は使用できなくなっても、エイスクの新「ニートカ」が稼働すれば、艦上航空隊のパイロットの発着訓練はエイスクで何時でも出来るという事です。
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