fc2ブログ

ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される

13-1023a.jpg
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【メディア:フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の海軍への引き渡しは砲装置の問題が故に延期される】
2013年10月23日

サンクトペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されているプロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」の海軍への引き渡しは2014年より前にはならない。
サンクトペテルブルク設計局「アルセナル」で製造される130mm砲装置A-192Mに問題が有る為に。

係留されている同艦は、殆ど準備が出来ている。
砲装置を除いて。
『軍事産業メッセンジャー』は書き記した。

「A-192Mの作業は現在終了しており、来年には、利用可能な解決策による新たな開発設計作業が開始されます。
新たな研究開発の為の資金は、既に割り当てられています」

海軍総司令部の士官は伝えた。

フリゲートの海軍への最終的な引き渡し時期について、彼は困難であると言った。

「私共は、来年前半であると申し上げております。
全ては、発生した問題に対するアルセナルの速やかなる対処に依存します」

総司令部の士官は強調した。

砲装置(A-192M)の何が問題なのかについては、これまでに伝えられていない。

状況に精通している造船所のエンジニアによると、新たな砲はA-192Mと同じ電力消費量及び設計要素といった特性を有している事が肝心である。

「艦の建造は、殆ど完了しております。
もしも新たな砲装置の特性及び設計が異なるのであれば、電力供給ラインを改造し、甲板への装置の設置、弾薬倉庫やその他設計を変更する事になります」

彼は説明した。

造船所によると、艦の再建造には、約1年かかるかもしれない。

連邦宇宙庁(ロスコスモス)に加わっている設計局「アルセナル」は、海洋砲装置と、更には衛星を生産している。
(アルセナルから)コメントは得られなかった。
同社の管理部は、主任設計者協議会に出席中であるため、従業員からメディアに関する返答を得る事は出来なかった。

「統合造船業営団」広報秘書官アレクセイ・クラフチェンコは、現在、下請企業の受注時期の混乱の問題は、かなり頻繁に起こっていると話した。

「造船における協力システムは、まだ開発されていません。
旧ソヴィエトのものは壊され、新しいロシアには有りません。
統合造船業営団は、協力の全てのレベルを含む統一概念の開発を提案しております。
ですが、それが無ければ、その恩恵を受ける事も有りません」
クラフチェンコ
は話した。

前海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、ロシア戦闘艦の海洋砲装置として、イタリアの会社「OTOメラーラ」からの購入の可能性について検討していた。

2012年には、「アルセナル」の砲装置の問題が故に、海軍への2隻の艦-「見えない」コルベット「ボイキー」小型砲艦「マハチカラ」-の引き渡しが延期を余儀なくされた。

ロシア政府の決定により、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、2等近海ゾーン水上戦闘艦プロジェクト20380/20385コルベットの唯一の供給者であり、更には、ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲートの唯一の供給者となっている。


[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

プロジェクト22350フリゲートの1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。

現在、サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の岸壁で艤装工事が進められています。
13-1023b.jpg

既に「アドミラル・ゴルシコフ」には正規乗組員186名全てが乗艦し、艦内に居住しています。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」へ正規乗組員全てが乗艦した]

2013年7月31日からは工場岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]

しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」には、未だに搭載予定のA-192M 130mm砲「アルマート-プーマ」が載せられていません。
13-1023d.jpg

130mm砲の開発及び供給遅延については、以前にも報じられています。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の建造は長期化する]
[空母とフリゲートに対するロシア海軍の不満には根拠が無い]

今回の記事によると、A-192Mの開発は中止され、新たな130mm砲が開発されるとの事です。

開発元の「アルセナル」公式サイトより
【汎用艦載砲複合体A-192-5P-10E「アルマート-プーマ」】
以前にはA-192の解説と主要目が掲載されていましたが、現在は全て削除されており、白紙のページだけが残されています。


『イズベスチヤ』より
2013年10月22日0時1分配信
【4分の1に軽量化された艦砲】

「アメチスト」設計局により新たに開発される130mm砲「カルタウン-プーマ」は砲塔重量24トン、現用のAK-130 130mm連装砲(砲塔重量97トン)の4分の1に軽量化されるとの事です。

「カルタウン-プーマ」は排水量2000トン以上の水上艦に搭載できますが、まずはプロジェクト22350フリゲート2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」3番艦「アドミラル・ゴロフコ」などに搭載されます。
(1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載するとは書かれていない)

「カルタウン-プーマ」は2015年初頭に配備され、「アメチスト」設計局は、開発費用として2013-2014年に7億7600万ルーブルを受け取ります。

「カルタウン-プーマ」の製造は「アルセナル」工場で行なわれるとの事です。
13-1023c.jpg
関連記事
スポンサーサイト