fc2ブログ

空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は計画されていない

13-1117a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年11月15日18時11分配信
【開発者:「アドミラル・クズネツォフ」は今後数年間に修復される事は無い】
セヴェロドヴィンスク、11月15日-ロシア通信社ノーボスチ

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」ロシアにおいて、このクラスの唯一の稼働艦~は、今後6-8年掛けて修復(近代化)されない。
金曜日、「ネフスキー計画設計局」総取締役セルゲイ・ウラソフは記者団に伝えた。

以前、メディアは、造船企業「セヴマシュ」が2014年前半から重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理及び高度な近代化を開始すると報じた。
同艦は5年後に海軍の組織へ復帰する計画である。

「今後数年間はクズネツォフを修復(近代化)する計画は有りません。それは6-8年程度かかります。
現在、同艦は第35工場で常にメンテナンスされております。
私が思うに、それは修理に置かれなければなりません。
それには、3-4年は掛かるでしょう」
ウラソフ
は話した。

彼は、資金不足により、航空母艦の修復(近代化)は計画されないと見ている。
更に、艦上航空隊の飛行士にとっては、航空母艦の甲板からの戦闘機の離着艦をリアルな条件で習熟する所が他の何処にも無い。

「もしも修復が決定されたのならば、それは修理と近代化になります。
クズネツォフは1980年代に設計されたが故に、全ての複合体は徐々に旧式化しつつあります。
ですが、私共は、然るべき何らかの作業の実行を主導する国防省と近代化についての契約を有しておりません」
ウラソフ
は話した。

新たな航空母艦は、彼によると、10年で建造する事が出来、それには約3300億ルーブ​​ルの費用が掛かる。
「セヴマシュの既存の能力と蓄積された経験は、このクラスの新たな艦(航空母艦)の建造を可能とします。
その過程は容易くは有りませんが、技術的に困難というわけでも無く、特殊なものです」
ウラソフ
は指摘した。

彼は、新たな航空母艦の外観としては、唯一の近似物が提示されるかもしれず、全体的には、「クズネツォフ」に類似するであろうと付け加えた。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2010年以降、近代化改装の話が何度も出ています。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]

最近では、2014年前半から「セヴマシュ」で近代化改装に着手されると報じられました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2014年から近代化改装を開始する]

今回、「アドミラル・クズネツォフ」(プロジェクト11435)を設計した「ネフスキー計画設計局」のトップは、これを否定しました。

セルゲイ・ウラソフ氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の大規模修理は行なっても良いが、各種装備(電子機器や兵装)を全て入れ替えるような「高度の近代化」まで行なう必要は無いと考えているようです。

仮に「アドミラル・クズネツォフ」(プロジェクト11435)の「高度な近代化」を実施するのであれば、それに先立ち「ネフスキー計画設計局」は改装の為の設計図を作成しなければなりませんが、そのような作業は行なわれていないという事でしょう。
13-1117b.jpg

記事中で触れられていますが、「アドミラル・クズネツォフ」は、普段はムルマンスク郊外の第35艦船修理工場「セヴモルプーチ」(現在はセヴェロドヴィンスク艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」の傘下に入っている)の岸壁に停泊し、メンテナンスが行なわれています。
13-1117c.jpg


一方、「アドミラル・クズネツォフ」の新たな艦載機として、今年から艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBの受領が開始されます。
[空母アドミラル・クズネツォフは2013年に4機の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受け取る]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化は、艦載機の近代化と、更には、同艦の寿命延長工事だけで終わるかもしれません。
関連記事
スポンサーサイト