空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征へ出発した

『イタルタス』より
2013年12月17日10時23分配信
【巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は大西洋及び地中海への遠距離航海の先頭に立つ】
モスクワ、12月17日/イタルタス
重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」が率いる北方艦隊航空艦グループは、北東大西洋及び地中海への遠距離航海へ出発した。
本日、イタルタスは、北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐より伝えられた。
「海洋へ出航した航空艦グループは、重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ、大型対潜艦アドミラル・レフチェンコ、大型揚陸艦オレネゴルスキー・ゴルニャク、救助曳船ニコライ・チケル、給油船セルゲイ・オシポフ、カーマで構成されています」
セルガは話した。
彼によると、指定された大洋及び海洋において、艦船は単一計画下の連合部隊において広範囲に渡る複合訓練戦闘任務を遂行し、他の艦隊の艦と共に一連の活動を果たしていく。
「特に注目すべきは、海洋及び大洋ゾーンにおける新たな脅威へ対応する為の措置への習熟に重点が置かれる事であります。
航海の目的は、世界の大洋の重要な海域における海軍の存在を確保する事に在ります」
北方艦隊の代理人は説明した。
航海は、北方艦隊司令官代理ヴィクトル・ソコロフ少将の指揮下で実施され、航空艦グループは、北方艦隊ロケット艦師団司令セルゲイ・ジューガ少将が指揮する。
「航海においては、艦上航空隊の完全な戦闘訓練が提供され、様々な気候帯で行動します」
北方艦隊の代理人は通知した。
彼は、この航海が、艦隊の新年度の遠距離航海シリーズの幕開けであると述べた。
1991年1月から北方艦隊の編制へ在籍している航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」にとって、これは7回目の遠距離航海となる。
1995年12月、「アドミラル・クズネツォフ」は多目的艦グループの一員として、初めてこのような(遠距離)航海へと出発した。
海軍総参謀部の情報によると、北方艦隊航空艦グループの現在の遠距離航海は、約3ヶ月間に渡って続く。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2013年12月17日10時28分配信
【北方艦隊艦上航空隊は大西洋と地中海で技量を仕上げる】
内容は、ほぼ同じです。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年9月以降、何度も洋上訓練を実施しています。
9月初頭にはバレンツ海で戦闘訓練を行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフはバレンツ海で戦闘訓練を行なった]
9月19日には北方艦隊の大規模演習へ参加する為にセヴェロモルスクを抜錨しました。
[空母アドミラル・クズネツォフはロシア北方艦隊の大規模演習に参加する]
その後、敵の空中攻撃から味方艦隊を守るという想定で演習を実施しました。
[空母アドミラル・クズネツォフは艦隊防空演習を行なった]
10月初頭にはバレンツ海で艦載機(Su-33、Su-25UTG、Ka-27)の発着訓練を行ないました。
[空母アドミラル・クズネツォフで艦載機の発着訓練が始まった]
その後はムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁へ戻っていました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近影]
11月19日、バレンツ海で各種訓練を行なう為、再び出航しました。
[空母アドミラル・クズネツォフは訓練の為にバレンツ海へ出航した]
[空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機Su-33の飛行訓練が行われた]
一連の訓練を終えた後、北方艦隊司令官ウラジーミル・コリョローフ提督は、「アドミラル・クズネツォフ」の遠距離航海の為の準備は完了したと記者会見で述べました。
[空母アドミラル・クズネツォフは遠距離航海の準備を終えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの艦載ヘリコプターは夜間着艦訓練を実施した]
[北方艦隊司令官は空母アドミラル・クズネツォフを査察した]
12月14日、ムルマンスク郊外の常駐場所(第35艦船修理工場の岸壁)からセヴェロモルスク泊地へ移動しました。


そして2013年12月17日、「アドミラル・クズネツォフ」は随伴艦船と共に遠距離航海へ出発しました。
今回のクズネツォフ機動部隊は、この6隻で構成されています。
重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」

大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」

大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」

救助曳船「ニコライ・チケル」

大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」

中型海洋給油船「カーマ」

大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は、11月26日から12月6日までセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれた後、セヴェロモルスクへ戻り、「アドミラル・クズネツォフ」に合流しました。
[大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは10日間で修理を終えた]
現在、地中海には北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポべドノ-セッツ」、救助曳船「アルタイ」が展開しているので、おそらくはクズネツォフ機動部隊と合流する事になるでしょう。
更には、地中海に滞在する他の艦隊の艦-例えば、太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」などと行動を共にする事も有り得ます。
遠距離航海の指揮官ヴィクトル・ソコロフ少将は、かつて太平洋艦隊のアデン湾海賊対処部隊指揮官を務めました。

[ロシア海軍第2次ソマリア遠征]
これまでに「アドミラル・クズネツォフ」は、2回の大西洋への遠距離航海と4回の地中海への遠距離航海を行なっています。
[第1次地中海遠征(1995年12月8日出港、1996年3月22日帰港)]
[北方艦隊]
重航空巡洋艦「ソ連邦海軍元帥クズネツォフ」、駆逐艦「ベッストラーシヌイ」、給油船「ドニエプル」、救助曳船SB-406、原子力潜水艦「ヴォルク」
[バルト艦隊]
警備艦「プイルキー」、給油船「オレクマ」
[黒海艦隊]
救助曳船「シャフテル」、給油船「イワン・ブブノフ」
[第2次地中海遠征(2007年12月5日出港、2008年2月3日帰港)]
[北方艦隊]
重航空巡洋艦「ソ連邦海軍元帥クズネツォフ」、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、「アドミラル・チャバネンコ」、給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「ニコライ・チケル」
[黒海艦隊]
親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、給油船「イワン・ブブノフ」
[第3次地中海遠征(2008年12月5日出港、2009年3月2日帰港)]
[北方艦隊]
重航空巡洋艦「ソ連邦海軍元帥クズネツォフ」、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」(途中で大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」と交代)、給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「ニコライ・チケル」
[第4次地中海遠征(2011年12月6日出港、2012年2月16日帰港)]
[北方艦隊]
重航空巡洋艦「ソ連邦海軍元帥クズネツォフ」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、救助曳船「ニコライ・チケル」、給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ヴャージマ」、「カーマ」
[バルト艦隊]
警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、給油船「レナ」
[黒海艦隊]
警備艦「ラードヌイ」
この他、2004年9月20日から11月1日まで北東大西洋への遠距離航海を行ないました。
[クズネツォフ復帰まで~1990年代末~2004年~]
この時の随伴艦は、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、駆逐艦「アドミラル・ウシャコーフ」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、大洋救助曳船「ニコライ・チケル」などで構成されていました。
翌2005年8月にも北東大西洋への遠距離航海を行なっております。
そして2013年12月17日、7度目となる遠距離航海、そして5度目となる地中海遠征へと出発しました。
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