ロシア海軍の為の新型高射ミサイル「M-トール」が開発される
- カテゴリ:ロシア海軍の艦載兵器

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年2月6日12時07分配信
【ロシア連邦は陳腐化した「キンジャール」に代わり最新高射ミサイル複合体「トール」を艦に装備する】
デリー、2月6日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア連邦海軍の軍艦は、高射ミサイル複合体「トール-M2KM」の海洋ヴァージョンである高射ミサイル複合体「M-トール」で再武装する。
対空防衛コンツェルン「アルマーズ-アンテイ」総取締役の広報秘書官ユーリー・バイコフは発表した。
「M-トール」は、1989年に軍備採用され、現在、海軍の軍備として在る「キンジャール」(輸出名「クリノーク」、NATO分類SA-N-9ガントレット)を代替する。
「活発な作業が進行しており、更に改善された高射ミサイル複合体は戦闘能力が増加されています。
ロシア海軍の戦闘艦の建造者及び主要開発者と共に、陳腐化した艦載高射ミサイル複合体を高射ミサイル複合体トール-M2KMの海洋変更版と交換する艦の近代化作業が実施されます」
木曜日、デリーの兵器展示会「Defexpo India-2014」においてバイコフは記者団に伝えた。
更に、ロシア軍の北極圏部隊の為の「トール-M2KM」の改正ヴァージョンが検討されている事を広報秘書官は指摘した。
高射ミサイル複合体「キンジャール」は、陸上用高射ミサイル複合体「トール-M1」(SA-15ガントレット)の艦載型です。
ミサイル管制レーダー「ポドカート」(右端)

8連装ミサイル垂直発射機

「キンジャール」の開発は1975年からスタートし、プロジェクト1124K小型対潜艦MPK-104に試作品が搭載され、1982年から黒海で試験が行われました。

「キンジャール」は、プロジェクト1155大型対潜艦、プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦、プロジェクト11433重航空巡洋艦(ノヴォロシースク)への搭載が予定されていましたが、開発が難航した為、11433重航空巡洋艦と1144重原子力ロケット巡洋艦(1-3番艦)には搭載されず、1155大型対潜艦も、ミサイル発射機と管制用レーダーが揃った完全な形での搭載は4番艦「アドミラル・ザハロフ」以降になりました。
現在では、以下のロシア海軍水上艦に装備されています。
プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」

プロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」

プロジェクト1155/11551大型対潜艦

プロジェクト11540警備艦

2000年代には改良型の陸上用高射ミサイル複合体「トール-M2」が開発されました。
「トール-M2KM」は最新ヴァージョンです。
そして「トール-M2KM」の艦載ヴァージョンである「M-トール」も開発され、「キンジャール」を代替するとの事です。
この場合は、現在、「キンジャール」を装備している水上艦が近代化改装により「M-トール」へ換装されるという事になります。
ただ、上記の「キンジャール」装備艦が全て「M-トール」へ換装する可能性は低いでしょう。
「M-トール」へ換装されるのは、プロジェクト11551大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、プロジェクト11540警備艦あたりでしょうか。
更には、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装が実行に移されれば、「M-トール」へ換装されるかもしれません。
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