ロシア海軍はタイフーン級戦略原潜を近代化しない
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【ロシア海軍は「アクラ」近代化を断念する】
2012年3月7日
ロシア海軍は財政的理由により、プロジェクト941「アクラ」戦略原子力潜水艦の兵装を近代化しない。
イタルタスは、防衛産業企業体の情報提供者の談話を報じた。
代理人の情報によると、「アクラ」1隻の大規模な近代化の費用は、新たなプロジェクト955「ボレイ」潜水艦2隻の建造費に匹敵する。
現在、ロシア海軍の軍備として3隻の「アクラ」プロジェクト潜水艦~「ドミトリー・ドンスコイ」、「アルハンゲリスク」、「セヴェルスターリ」~が在る。
最後の2隻の艦はセヴェロドヴィンスク港にあり、弾薬~弾道ミサイルR-39~が無い為に戦闘編制には在籍していない。
「セヴェルスターリ」は2004年以降、「アルハンゲリスク」は2006年以降、岸壁に係留されている。
「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として使用され、「ブラヴァー」ミサイル試験に参加した。
2011年12月初頭、「ドミトリー・ドンスコイ」はロシア海軍に留まり、新たな潜水艦の試験の為に使用されると報じられた。
とりわけ、潜水艦は兵器や水中音響ステーションの試験に参加する。
「ドミトリー・ドンスコイ」は白海海軍基地に所属している。
以前、潜水艦は2014年までに軍備から除外される予定だった。
現在、ロシア国防省と海軍は「アクラ」の今後の運命を決定している。
昨年9月、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は、兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化するか、或いは艦を解体するかの何れかの決定を行なうと報じられた。
2010年、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキーは、予備役にある2隻のプロジェクト941潜水艦は、2019年まで海軍の編制に留まると発表した。
彼は「これらの艦は、近代化の余裕が非常に大きい」と指摘した。
この記事で書かれている「アクラ」は、NATOコード名「タイフーン」級戦略原潜を指しています。
[戦略原潜タイフーン級]
今年2月9日、ロシア海軍総司令官ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューを受け、未だ保管されている弾道ミサイルR-39を搭載し、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は復帰すると述べました。
[タイフーン級戦略原潜は現役に留まる]
ヴィソツキー総司令官によると、これまでに全て廃棄されていたと言われていたタイフーン級の弾道ミサイル(R-39)は、まだ保管されているとの事です。
セヴェロドヴィンスク市の「セヴェルスターリ」(左)と「アルハンゲリスク」(右)

記事中の「兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化する」というのは、新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備する為の近代化という意味です。
ただ、この件(「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」のブラヴァー装備)に関しては、2008年12月の時点でロシア海軍筋から否定されています。
[2隻の 「タイフーン」型原潜は、最新弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備しない]
以後、ブラヴァー装備案に代わり実際に検討されたのが、巡航ミサイル原潜への改装です。
[ロシア海軍は、2010年に新世代潜水艦各タイプの1番艦を受領する]
しかし、ロシア海軍のオスカーII級原潜がミサイルを換装する近代化を実施する事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
この他、特殊作戦用原潜への改装プランも検討されたようですが、これまたオスカーII級原潜「ベルゴロド」を特殊作戦用原潜として完成させる事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
もう1隻の「ドミトリー・ドンスコイ」は、今後も試験艦として在籍します。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
セヴェロドヴィンスク市の「ドミトリー・ドンスコイ」
【ロシア海軍は「アクラ」近代化を断念する】
2012年3月7日
ロシア海軍は財政的理由により、プロジェクト941「アクラ」戦略原子力潜水艦の兵装を近代化しない。
イタルタスは、防衛産業企業体の情報提供者の談話を報じた。
代理人の情報によると、「アクラ」1隻の大規模な近代化の費用は、新たなプロジェクト955「ボレイ」潜水艦2隻の建造費に匹敵する。
現在、ロシア海軍の軍備として3隻の「アクラ」プロジェクト潜水艦~「ドミトリー・ドンスコイ」、「アルハンゲリスク」、「セヴェルスターリ」~が在る。
最後の2隻の艦はセヴェロドヴィンスク港にあり、弾薬~弾道ミサイルR-39~が無い為に戦闘編制には在籍していない。
「セヴェルスターリ」は2004年以降、「アルハンゲリスク」は2006年以降、岸壁に係留されている。
「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として使用され、「ブラヴァー」ミサイル試験に参加した。
2011年12月初頭、「ドミトリー・ドンスコイ」はロシア海軍に留まり、新たな潜水艦の試験の為に使用されると報じられた。
とりわけ、潜水艦は兵器や水中音響ステーションの試験に参加する。
「ドミトリー・ドンスコイ」は白海海軍基地に所属している。
以前、潜水艦は2014年までに軍備から除外される予定だった。
現在、ロシア国防省と海軍は「アクラ」の今後の運命を決定している。
昨年9月、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は、兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化するか、或いは艦を解体するかの何れかの決定を行なうと報じられた。
2010年、ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキーは、予備役にある2隻のプロジェクト941潜水艦は、2019年まで海軍の編制に留まると発表した。
彼は「これらの艦は、近代化の余裕が非常に大きい」と指摘した。
この記事で書かれている「アクラ」は、NATOコード名「タイフーン」級戦略原潜を指しています。
[戦略原潜タイフーン級]
今年2月9日、ロシア海軍総司令官ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューを受け、未だ保管されている弾道ミサイルR-39を搭載し、「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は復帰すると述べました。
[タイフーン級戦略原潜は現役に留まる]
ヴィソツキー総司令官によると、これまでに全て廃棄されていたと言われていたタイフーン級の弾道ミサイル(R-39)は、まだ保管されているとの事です。
セヴェロドヴィンスク市の「セヴェルスターリ」(左)と「アルハンゲリスク」(右)

記事中の「兵装部分をプロジェクト941UM(「ドミトリー・ドンスコイ」は同プロジェクトにより近代化された)と同様に近代化する」というのは、新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備する為の近代化という意味です。
ただ、この件(「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」のブラヴァー装備)に関しては、2008年12月の時点でロシア海軍筋から否定されています。
[2隻の 「タイフーン」型原潜は、最新弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備しない]
以後、ブラヴァー装備案に代わり実際に検討されたのが、巡航ミサイル原潜への改装です。
[ロシア海軍は、2010年に新世代潜水艦各タイプの1番艦を受領する]
しかし、ロシア海軍のオスカーII級原潜がミサイルを換装する近代化を実施する事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
この他、特殊作戦用原潜への改装プランも検討されたようですが、これまたオスカーII級原潜「ベルゴロド」を特殊作戦用原潜として完成させる事になったので、タイフーン級を改装する意義は無くなりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
もう1隻の「ドミトリー・ドンスコイ」は、今後も試験艦として在籍します。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
セヴェロドヴィンスク市の「ドミトリー・ドンスコイ」

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