ウクライナは未完成のスラヴァ級ロケット巡洋艦を売却する
- カテゴリ:クリミア(ウクライナ)情勢

『アルムス-タス』より
2014年3月18日16時43分配信
【キエフは未完成のロケット巡洋艦「ウクライナ」を売却するつもりである】
キエフ、3月18日(アルムス-タス)
長年に渡りニコラエフの「61コムーナ記念造船工場」に在る未完成のロケット巡洋艦「ウクライナ」は、ロシアの承諾を求める事無しに、すぐに売却する必要が有る。
ニコラエフ州政府のトップ、ニコライ・ロマンチュクはインターネット新聞『ノーボスチ-N』へ伝えた。
「今日、巡洋艦ウクライナの売却は、必ずしも当面の問題ではありません。
それが発生した後、我々はロシアを必要としておらず、彼等と相談する事も有りません。
我々は買い手を見つけなければならず、可能な限り早期に巡洋艦を売却する必要が有ります」
州のトップは話した。
彼によると、現在、国家(ウクライナ)は、巡洋艦を完成させる為の資金を持っておらず、それが近い内に出てくる事は有りそうに無い。
ロマンチュクによると、同艦の維持には、1ヶ月に600万グリブナ以上の予算が掛かる。
『アルムス-タス』が巡洋艦「ウクライナ」(以前は「アドミラル-フロータ・ロボフ」)を設計した「北方計画設計局」から伝えられた所によると、如何なる巡洋艦の近代化も、「コスト-パフォーマンス」の観点から見て、今日においては完全に意味を成さない。
「仮に、この艦の準備状態が、ウクライナ側が断言したように95パーセントだったと考えても、20年以上前に設置された"保管中の"機器は、完全に撤去、廃棄しなければならないでしょうね。
それが使用に適している事など、殆ど有り得ませんから」
「北方計画設計局」総取締役代理ヴャチェスラフ・センチュロフは、こう考えている。
「ウクライナを売却する場合、巡洋艦の全て(の機器)は撤去され、リビルドされる事になるでしょう。
"コスト-パフォーマンス"の基準に基づけば、これは、大いなる"徒労"でしかありません」
彼は強調した。
巡洋艦プロジェクトは「北方計画設計局」で開発された。
艦はニコラエフの「61コムーナ記念造船工場」でソヴィエト社会主義共和国連邦海軍の発注により1984年夏に起工され、1990年8月11日に進水した。
1993年10月1日、同艦はロシア海軍から除籍され、ウクライナへ所有権が移管された。
1年後、資金不足が故に巡洋艦の建造は中止された。
しかし1998年2月17日、ウクライナ大統領は巡洋艦の建造(再開)を決定し、その後、ウクライナ側の主張によれば、巡洋艦は95パーセント完成した。
ロシア海軍の編制には、現在、このタイプのロケット巡洋艦3隻が軍備として存在する:「モスクワ」、「マルシャル・ウスチーノフ」、「ワリャーグ」。

プロジェクト1164ロケット巡洋艦の4番艦「ウクライナ」は、1984年8月29日にウクライナのニコラエフ(現ムィコラーイウ)の61コムーナ造船工場で起工されました。
起工時の名前は「コムソモーレッツ」でしたが、1985年に「アドミラル-フロータ・ロボフ」と改名されました。
「アドミラル-フロータ・ロボフ」は1990年8月11日に進水しましたが、その翌年にソ連邦は解体されました。
1993年3月18日、完成度75パーセントで工事は中止されました。
ロシア連邦海軍は1993年10月1日に「アドミラル-フロータ・ロボフ」を除籍しました。
その後、巡洋艦はウクライナに移管され、1998年2月17日にはウクライナ大統領が巡洋艦を完成させる決定を下しました。
工事は再開され、90~95パーセント完成した所でまたストップしました。
2000年代以降、何度も外国への売却、或いはロシアへの売却が報じられましたが、結局実現には至らず、現在も61コムーナ造船工場の艤装岸壁に係留されたままになっております。
[未完のスラヴァ級巡洋艦4番艦をロシアが買い戻すかもしれない]
[ロシアは2013年末までに未完成巡洋艦ウクライナを購入するか否かを決定する]
しかし最近のウクライナ情勢の悪化により、ロシアへ売却する可能性も完全に消えました。
ウクライナは、独自に購入先を見つけ、同艦を売却するつもりですが、それが上手くいく保証は有りません。
スクラップとして売るのならば話は別ですが・・・

更に、ロケット巡洋艦「ウクライナ」を兵器として外国に売却する場合、その搭載兵器が問題となります。
ヤポーニヤ外務省公式サイトより
【ミサイル技術管理レジーム】
この協定による制限の1つに、射程300kmを超えるミサイルの輸出禁止というものがあります。
そして、ウクライナも、この協定に参加しています。
この場合、「ウクライナ」に搭載されている有翼ミサイル複合体「ヴルカーン」(射程700km)は、完全にミサイル技術管理レジーム違反となります。
同艦を兵器として輸出するのなら、「ヴルカーン」複合体一式は取り外す必要が有ります。
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