ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された

『イタルタス』より
2014年15時58分配信
【ロシア連邦海軍の軍備として潜水艦の為に作られたミサイル「ライネル」が採用された】
モスクワ、4月3日/イタルタス
全てのプロジェクト667BDRM(デリフィン)に装備される弾道ミサイル「ライネル」とミサイル兵器複合体D-9RMU2.1は軍備採用された。
イタルタスは、公開株式会社「アカデミー会員V.P.マケ―エフ記念国立ロケットセンター」より伝えられた。
「2011年、ライネルの試験設計作業は完了しました。
開発は、国防省の為に実行されました。
ミサイル"ライネル"のエネルギー質量は完璧であり、ブリテン、中国、ロシア、合衆国、フランスの全ての現代の固体燃料戦略ミサイルを凌駕しており、その戦闘用装備はアメリカの"トライデント-II"にも劣る事は有りません。
ミサイルは、異なる威力の戦闘ブロックの混成セットを装備する事が出来ます」
同社は話した。
「多くのヴァリエーションを有する戦闘装備は、外国の政治情勢の変化に適切に対抗する事を可能とします。
対空防衛システムの展開、或いは、合計弾頭数の制限条約に関連した」
国立ロケットセンターは指摘した。
65年以上の歴史を有する国立ロケットセンターは、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍及びロシア海軍の軍備として、3世代のミサイル複合体、8種類のベースミサイル、16種類の改正型を設計、納入した。
それは、ソヴィエト社会主義共和国及びロシアの海洋戦略核戦力の基礎となった。
各々の開発されたミサイル兵器複合体は、我が国の海洋ミサイルの確立という課題を根本的に解決し、世界のカウンターパート(のミサイル)よりも優れた品質という成果を挙げ、その結果、我が国の戦略核戦力の海洋部門の効果的な展開に貢献した。
マケーエフ記念国立ロケットセンターは、海軍の液体燃料及び固体燃料の戦略用途海洋ミサイル複合体の主要開発者である。
センターは、戦略ミサイル複合体の作成に関する科学研究及び試験設計作業を行っている。
現在、潜水艦の為のミサイル複合体「スタンツィヤ-2」及び「シネーワ」が運用中である。
ロシア海軍のプロジェクト667BDRM原子力戦略用途水中巡洋艦(デルタIV級)に装備される潜水艦発射用弾道ミサイルR-29RMU2.1「ライネル」は、R-29RM(SS-N-23)シリーズの最新型です。
R-29RMシリーズは、1986年の軍備採用以来、現在に至るまで改良が続けられています。
R-29RM:1986年2月軍備採用
R-29RMU:1988年3月軍備採用
R-29RMU1:2002年軍備採用
R-29RMU2「シネーワ」:2007年7月軍備採用
R-29RMU2.1「ライネル」:2014年4月軍備採用
「ライネル」の第1回目の発射試験は2011年5月20日にK-84「エカテリンブルク」から実施され、2回目の発射試験は2011年9月29日にK-114「トゥーラ」から実施され、いずれも成功しています。
設計元のマケーエフによると「ライネル」は「ブリテン、中国、ロシア、合衆国、フランスの全ての現代の固体燃料戦略ミサイルを凌駕する」との事です。
つまり、ロシアの新世代戦略原潜「ボレイ」級に搭載される新型弾道ミサイル「ブラヴァー」よりも優れていると言いたいのでしょう。
(「ブラヴァー」は『モスクワ熱技術研究所』が開発)
ロシア北方艦隊の667BDRM戦略原潜6隻は、1990年代末以降よりセヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」で第1次近代化改装を行ない、寿命を10年間延長しています。

K-51「ヴェルホトゥリエ」:1999年近代化改装完了
K-84「エカテリンブルク」:2003年近代化改装完了
K-114「トゥーラ」:2006年近代化改装完了
K-117「ブリャンスク」:2008年近代化改装完了
K-18「カレリア」:2010年近代化改装完了
K-407「ノヴォモスコフスク」:2012年近代化改装完了
最終艦「ノヴォモスコフスク」をもって第1次近代化改装は終了したので、また一巡して「ヴェルホトゥリエ」から第2次近代化改装に着手されました。
「ヴェルホトゥリエ」は2012年末に第2次近代化改装工事を完了しました。
[デルタIV級戦略原潜ヴェルホトゥリエはロシア海軍へ復帰した]
現在、「エカテリンブルク」が2011年12月末の火災事故による損傷の修理も兼ねて第2次近代化改装工事が行なわれており、2014年に復帰する予定です。
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクの修理作業は進んでいる]
既に新世代の戦略原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」級の就役が始まっていますが、こちらの数が揃うまでは、667BDRMがロシア海軍核戦力の中核となります。
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