ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年4月3日17時15分配信
【アムール造船工場はプロジェクト20380コルベットの価格を倍増する】
連邦院(上院)の防衛・安全保障委員会のトップ、ヴィクトール・オゼロフは、2014年4月3日にハバロフスクで開かれた記者会見において、セルゲイ・ショイグ国防相がコムソモリスクナアムーレを訪問した2月12日に国防省と統合造船業営団が締結したアムール造船工場におけるプロジェクト20380コルベット建造に関する合意の詳細を明らかにした。
「つい最近、我々は、確実な成果を収めました。
ここ(アムール造船工場)起工された1隻目のコルベットの価格は約65億ルーブルになりますが、この金額では、決して完成させる事など出来ませんでした。
今、国防省は、1隻目のコルベットの価格を130億ルーブルにする事で工業省と合意しております。
2隻目も同様です」
ヴィクトール・オゼロフは伝えた。
アムール造船工場では、現時点において2隻のプロジェクト20380コルベットが建造されており、潜水艦「ワルシャワンカ」の修理と高度な近代化が行なわれている。
シリーズ1隻目のコルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(工場番号2101)は、同社で2006年6月に起工され、2013年には納入されるという条件であった。
しかし、建造には問題が発生した。
アムール造船工場だけが署名したコルベットの契約における戦闘艦の価格は、2012年9月に工場を訪れた連邦院議長ワレンチン・マトヴィエンコが表明したように「実勢価格の半分以下である」
「アムール造船工場の現在の主要課題は、1隻目と2隻目のコルベットを高品質で納入する為の期限です。
工場の問題は、人員の確保が不十分な点にあります。
工場が先の契約により、コルベットの全てのラインを動かせば、国防相が述べ、海軍総司令官が話したように、コルベット1隻で1年というのは、企業の為の負担としては充分でしょう」
ヴィクトール・オゼロフは付け加えた。
プロジェクト20380コルベットは、全長105メートル、幅13メートル、排水量2200トンである。
この多目的警備艦は、水上艦及び潜水艦との戦闘、対空防衛の提供、海洋揚陸部隊の上陸支援の為に作られている。
2012年2月、アムール造船工場は、シリーズ2隻目の艦-コルベット「グロームキー」(工場番号2102)の建造を開始した。
艦は2012年4月20日に正式に起工された。
起工時には、海軍への納入は2015年に予定されていた。
ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク-ナ-アムーレのアムール造船工場で起工されましたが、建造工事は遅延しています。
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]
太平洋艦隊向けの2隻目のコルベット「グロームキー」は2012年4月20日に起工されています。
[新世代コルベット「グロームキー」は起工された]
これらのコルベットの建造遅延の原因の1つは、建造価格を巡る造船所と国防省の対立にありました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
極東で建造されているコルベットの各種コンポーネントは、ロシア西部(サンクトペテルブルク付近)から極東まで輸送されます。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
[太平洋艦隊の為の新世代コルベットの部品が製造される]
従って、サンクトペテルブルクの造船所「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造される同型のプロジェクト20380コルベットに比べ、コンポーネント輸送費用が余分に掛かる事になります。
当然、コルベットの建造費も、その分増える事になり、アムール造船所側にしてみれば、その分の費用を考慮して貰わなければ割に合わないわけです。
2014年2月中旬にセルゲイ・ショイグ国防相はアムール造船工場を視察し、作業が非効率的であると批判しましたが、その一方で造船所側の要求も聞き入れています。
[コムソモリスクナアムーレ造船所はロシア海軍の為の新世代艦艇を建造する]
この時、アムール造船工場で建造されているコルベット2隻の価格を増加する事で国防省と造船工場は合意しました。
つまり、造船工場側の要求が全面的に認められたという事です。
[ロシア国防省は太平洋艦隊向けコルベットの建造価格増加に同意した]
そして今回、ロシア上院議員ヴィクトール・オゼロフ氏より、その具体的な金額が明らかにされました。

1隻あたり130億ルーブルというのは、サンクトペテルブルクの「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されている同型のコルベット(100億ルーブル程度)よりも割高になりますが、国防省としては、コルベットを完成させて貰わないと困るので、造船所側の要求を呑んだようです。
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