fc2ブログ

オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう

14-0410a.jpg
『イタルタス』より
2014年4月9日11時29分配信
【造船所「ズヴェズドーチカ」は北方艦隊の原子力潜水艦「オリョール」の修理契約へ署名した】
アルハンゲリスク、4月9日/イタルタス

防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」は、ロシア連邦国防省と、北方艦隊プロジェクト949A「アンテイ」打撃原子力潜水艦K-266「オリョール」の寿命延長工事を実施する契約に署名した。
水曜日、イタルタスは工場の広報サービス部長ナジェージダ・シチェルビニナより伝えられた。

彼女によると、原子力艦は、昨年秋から同社の岸壁に係留されている。
「潜水艦のシステム及び機器の調査を実施し、今後の作業量が決められ、近い内にオリョールはドックへ設置されます」
同社の代理人は話した。

「ズヴェズドーチカ」において原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は、昨年末に北方艦隊の常時駐留場所へと去った同タイプの原子力艦「スモレンスク」と置き換えられた。
おそらく、修理は約2年掛かるだろう。
「オリョール」「ズヴェズドーチカ」において機器準備状態回復のプロセスを実施する3隻目のプロジェクト949A原子力艦となる。
2011年11月、工場は、同型のロケット艦「ヴォロネジ」の緊急修理を完了し、寿命を3年半延長した。

「オリョール」セヴェロ​​ドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で建造され、1993年2月5日に海軍へ加わった。
公開情報によると、「アンテイ」海洋工学中央設計局「ルビーン」(サンクトペテルブルク)で開発された。

この第3世代多用途潜水艦(大陸間弾道ミサイルを有していない)は、NATO分類によると「オスカーII」である。
原子力艦は全長155メートル、排水量24000トン、潜航深度600メートル、水中最大速力32ノット(時速約59キロメートル)、乗組員は107名である。

「アンテイ」の兵装は、500キロメートル以上の行動範囲を有する有翼ミサイル「グラニート」発射装置24基、魚雷発射管6門である。

今日、超音速有翼ミサイルで武装する「アンテイ」ロシア海軍の主要打撃戦力であり、航空母艦グループを含めたあらゆる水上目標に対して効果的に対応できる。


プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」造船所で起工されました。
14-0410c.jpg
1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。

1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。

1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。
14-0410b.jpg

1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。

「オリョール」Орелロシア語「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。

2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。

2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村第82艦船修理工場大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。
14-0410d.jpg
因みに、交換された推進軸は、爆沈後に引き揚げられた「クルスク」のものでした。
14-0410e.jpg

2013年10月4日、バレンツ海有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」へ到着しました。
14-0409f.jpg
[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]

そして2014年4月、「オリョール」修理の為の契約が締結されました。

今回の記事によると、「オリョール」「ズヴェズドーチカ」で寿命延長工事を行ないます。

以前に「ズヴェズドーチカ」は、同型艦2隻の寿命延長工事を行なっています。

K-119「ヴォ​​ロネジ」は、2011年11月末に寿命延長近代化を終えました。
[オスカーII級ミサイル原潜「ヴォロネジ」は近代化改装を終えた]

K-410「スモレンスク」は2013年12月末に寿命延長近代化を終えています。
[オスカーII級原潜スモレンスクは修理を終えて基地へ戻った]


プロジェクト949Aは、主要兵装の有翼ミサイルを換装する「高度な近代化」が計画されています。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
[ロシア海軍の戦略非核戦力は多用途原潜と原子力巡洋艦から成る]

しかし、今回の記事では「高度な近代化」には一切触れられていないので、有翼ミサイルの換装までは実施されない可能性が高いでしょう。
関連記事
スポンサーサイト