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ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母への兵装取付工事はクロンシュタット造船所では実施されず、その代わりにセーヴェルナヤ・ヴェルフィで実施されるかもしれない

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年4月28日16時26分配信
【クロンシュタット海洋工場はミストラルの兵装取付を行なわない】

クロンシュタット海洋工場は、「ミストラル」級ヘリコプター母艦の兵装取付を行なわない。
『中央海軍ポータル』は、同社の独自の情報提供者より伝えられた。

以前、ポータルサイト『Fontanka』は、「統合造船業営団」副総裁の談話を引用し、クロンシュタット海洋工場の生産能力を汎用揚陸艦「ミストラル」級の兵装の作業に活用するかもしれないと報じた。

2014年4月24日の木曜日、クロンシュタット工場の代理人は、同社の敷地のみが関与する事が可能であり、作業自体は外部の専門技術者により実行されると説明した。
4月28日、「ミストラル」に関する全ての作業はクロンシュタット海洋工場で実施されない事が明らかにされた。
「未確認情報によると、この発注はセーヴェルナヤ・ヴェルフィが受けました」
対談者は『中央海軍ポータル』へ説明した。

「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」広報サービスは、この情報に関するコメントを拒否し、それは、最初の「ミストラル」級汎用揚陸艦ロシアへ到着した時に公表される事になるだろうと説明した。
予備データによると、汎用揚陸艦「ウラジオストク」は2014年にロシア海軍へ加入しなければならず、現在はフランスで試験が実行されている。

イタルタスの情報によると、ロシア海軍の為に建造される汎用揚陸艦「ミストラル」級はロシアで生産された主要兵装を受け取る。
「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」は、対空防衛手段による艦の保護を強化する自己防衛の為のミサイル複合体の設置が計画されている。
増強されるヘリコプター部隊を使用した対潜任務の遂行が計画されている
「ミストラル」には、ロシアで開発された特殊弾頭を用いた兵器が配置されるかもしれない。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
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ロシア海軍向け「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスサン-ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

バルト工場で建造された「ウラジオストク」後部は2013年6月26日に進水し、7月8日にフランスサンナゼールへ向けて出発しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]

「ウラジオストク」後部は7月23日にサンナゼールへ到着しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部はサンナゼールへ到着した]

結合された「ウラジオストク」は2013年10月15日に進水しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは進水した]

2014年3月5日、最初の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクは最初の洋上試験を行なった]

「ウラジオストク」は現在までに3回の洋上試験が実施されており、2014年5月には4度目の洋上試験が予定されています。
[ロシア海軍向けミストラル級の建造工事は当初の契約に沿って進められている]


「ウラジオストク」は今年11月にロシアへ納入される予定となっており、その後、ロシア本国へ回航され、ロシア製兵装などを設置する最終艤装が行なわれます。
[ミストラル級へのロシア製兵装のインテグレートには約1年を要する]

その最終艤装は、以前にはクロンシュタット造船所で実施されると報じられていましたが、今回の記事によると、その話は消えました。
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ただし、クロンシュタット造船所で最終艤装を行なうと言っても、同社はドックや艤装岸壁といった作業場所を提供するだけであり、艤装作業自体は「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の専門技術者がクロンシュタットへ出張して実行する計画でした。

その話が消えた今、「ウラジオストク」の最終艤装(ロシア製兵装の取り付け工事)を行なう造船所となる可能性が高いのは、サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」です。
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これまでは「ミストラル」級の建造には全く関与しておらず、そもそも、「ミストラル」級が入渠出来るドックも無い「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」が。

サンクトペテルブルクには、「ミストラル」級が入渠出来るドックを有する「バルト工場」「アドミラルティ造船所」が有りますが、これらの造船所を差し置いて「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」「ミストラル」級への兵装取り付けを行なわなければならないのは、何故でしょうか?
(バルト工場「ミストラル」級の後部を建造している)
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これまでに揚陸艦の建造経験を全く持っておらず、水上戦闘艦の経験は豊富な「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で実施されなければならない兵装の取り付けとは、一体何でしょうか?
しかも「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、ロシア海軍向けの新世代水上戦闘艦(コルベットフリゲート)の建造で多忙を極めており、この上、「ミストラル」級の最終艤装まで手掛ける余裕は無い筈です。

考えられるのは、現在、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されている艦にしか搭載されていないロシア製兵装「ミストラル」級に装備されるという可能性です。

ここで想い起されるのは、2012年2月下旬、ロシア海軍「ミストラル」級には有翼ミサイル高射ミサイルが搭載されると報じられた事です。
[ロシア海軍向け「ミストラル」型には巡航ミサイル、対空・対潜ミサイルなどが装備される]
この記事では具体的な兵器名は出されていませんが、この記事の記述内容に適合するのは、高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」と、3R-14UKSK汎用ミサイル発射機(オーニクス/カリブル有翼ミサイル兼用発射機)です。
[新世代の艦対空ミサイルシステム3K96「リドゥート」]
[汎用ミサイル垂直発射機3R-14UKSK]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

現在の所、この両者は、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されているプロジェクト22350フリゲートにしか搭載されていません。
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[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
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