ロシア海軍向けミストラル級2番艦セヴァストーポリにはフランス製戦闘管理システムSENIT-9は搭載されない
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級


『Lenta.Ru』より
2014年4月30日13時38分配信
【ヘリコプター母艦「セヴァストーポリ」はロシア製の管理システムを装備する】
汎用揚陸艦「セヴァストーポリ」(ロシア海軍の為の「ミストラル」型2番艦)には、ロシア製の戦闘情報管理システム「シグマ-E」が装備される。
適切な機器の製造と設置の為の電波電子兵装の取得の入札提示は「ロソボロンポスタフカ」の「国家調達」サイトに記載された。
2430万ルーブルの最高値が付けられた入札により、まず第1に戦闘情報管理システム「シグマ-E」の機器一式の設置が提供され、対応する補助機器の設置作業が「セヴァストーポリ」で実施される。
月曜日・4月28日に公表された他の入札情報では、8760万ルーブルの価格で艦載電波位置特定識別装置(「味方-敵」システム)が供給される。
以前、ロシア海軍の為に建造される汎用揚陸艦「ミストラル」型には、フランス製の戦闘情報管理システム「SENIT-9」の装備が意図されており、その購入は契約の必要条件であると言われていた。
同時に『Lenta.Ru』が軍当局の情報提供者より説明されたように、既存の契約では、ロシア海軍の発注により建造される2隻の揚陸艦の何れか1隻の為の「SENIT-9」の供給に関する記述は一切含まれていない。
時にはヘリコプター揚陸ドック艦と呼ばれる事も有る汎用揚陸艦「セヴァストーポリ」は、ロシア海軍の発注によりフランスで建造されるフランス製プロジェクト「ミストラル」型汎用揚陸艦シリーズの2隻目である。
「セヴァストーポリ」は2013年6月に起工され、2014年末には進水し、来年(2015年)にはロシア海軍へ納入されなければならない。
ロシア海軍の為のこのタイプのトップ艦「ウラジオストク」は既に航海試験を受けており、2014年秋には発注者へ納入される予定となっている。
建造にはロシアの造船所も参加しており、双方の艦の後部はサンクトペテルブルクのバルト工場へ発注された。
ウクライナ危機に関連して、フランスでは、ロシア海軍の為の艦の建造契約を破棄する可能性について論議されている。
モスクワは、この事に関し、契約条件が履行されなかった場合、フランス側へ厳しいペナルティを課す可能性を否定しない。
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向け「ミストラル」級2番艦「セヴァストーポリ」(の前半部分)は、2013年6月18日にフランスのサンナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦が起工された]
同艦の後半部分は、2013年7月4日にロシアのバルト工場(サンクトペテルブルク)で起工されました。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]
そして今日(2014年4月30日)、バルト工場で建造された「セヴァストーポリ」後部は予定通りに進水しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
今後はバルト工場の岸壁で残りの作業が進められ、6月16日にフランスのサンナゼールへ出発します。
曳航には約3週間掛かり、サンナゼール到着は7月中旬頃になります。
その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて進水し、2015年にロシアへ引き渡され、ロシア本国の造船所へ回航されて兵装を取り付ける最終艤装が行なわれます。
無論、1番艦「ウラジオストク」の建造も着々と進められています。
[ロシア海軍向けミストラル級の建造工事は当初の契約に沿って進められている]
ロシア海軍向け「ミストラル」級には、当初、フランス海軍の同型艦と同様に戦術情報処理システム「SENIT-9」が搭載されると言われておりました。
[ロシア海軍向けミストラル型の建造は予定通りに進んでいる]

しかし、2番艦「セヴァストーポリ」には「SENIT-9」は搭載されず、代わりにロシア製の「シグマ-E」が搭載されることになるようです。
【戦闘情報管理システム「シグマ-E」】
【「セヴァストーポリ」の為の戦闘管理・自衛システムに関する入札】
「シグマ-E」はロシア海軍の新世代水上戦闘艦にも搭載されています。


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