ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフはアデン湾で海賊対処任務に就いた


『イタルタス』より
2014年5月5日10時27分配信
【大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」はアデン湾のパトロールを開始した】
モスクワ、5月5日/イタルタス
大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」はアデン湾に到着し、この海域で対海賊当直に就いた。
太平洋艦隊の公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は記者団に伝えた。
「現在、同艦は民間船団を紅海の安全水域まで先導しています。
この方面へ向かうマルシャル・シャーポシニコフはスペインの大型貨物船に同行しています」
マルトフは話した。
彼は、数日前に、太平洋艦隊艦船支隊がアラビア海で水と燃料を補充し、対テロ教練の予備作業と監査を実施した事を想い起した。
「大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフ、給油船イルクト、救助曳船アラタウで構成され沿海地方異種戦力連合部隊司令官代理ウラジーミル・ドミトリエフ少将が指揮する太平洋艦隊艦船支隊は、3月中旬から太平洋で戦闘勤務に就いていました」
マルトフは付け加えた。
3月29日から4月3日まで、太平洋艦隊将兵は、多国籍演習「KOMODO-2104」の幾つかのエピソードに参加した。
「ロシア人船員は、アジア太平洋地域の16ヶ国の同僚と共に合同海洋機動演習、ヘリコプター演習、自然災害における仮想被災者への医療援助を実施し、更には、模擬自然災害の結果の除去に参加しました」
「4月19日から4月23日まで、パキスタン海軍並びにロシア海軍の関係に関する現代史において初めて大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフはカラチ港へ寄港しました。
訪問完了後、合同対海賊演習が実施されました」
太平洋艦隊の代理人は想い起した。
ロシア海軍部隊がアデン湾のソマリア沿岸で船舶航行の保護及び海賊と戦う為の任務を遂行するのは、今年が初めてでは無い。
2010年5月、アフリカの角海域への最初の航海中に「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、海賊に監禁されたロシアのタンカー「モスクワ大学」乗員を解放する為、前例の無い作戦を実施した。
2013年、同海域へは太平洋艦隊及び北方艦隊の艦船の2度の航海が行なわれ、19の船団を護送し、27ヶ国の105隻の船舶の安全を保障し、商船を捕獲しようとする試みを防いだ。
大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」を中核とするロシア太平洋艦隊艦船支隊は、3月中旬にウラジオストクを出航しました。
[ロシア太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフはインド洋へ行く]
3月28日、多国籍海軍演習KOMODOに参加する為、インドネシアのバタム島に到着しました。
[ロシア太平洋艦隊は多国籍海軍演習KOMODOに参加する]
3月31日、南シナ海のナトゥナ(リアウ)諸島海域で海上演習が開始されました。
[多国籍海軍演習KOMODOが始まった]
海上での演習は4月2日まで続けられ、4月3日には演習の終了セレモニーが開催されました。
[多国籍海軍演習KOMODO-2014は続く]
4月8日、マラッカ海峡を通過してインド洋へ入りました。
[大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフはインド洋へ入った]
4月19日、パキスタンのカラチ港を訪問しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船はパキスタンのカラチを訪問する]
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船のパキスタン訪問は続く]
訪問は4月23日まで続けられ、翌4月24日にパキスタン海軍との合同演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はパキスタン海軍と合同演習を実施した]
その後の動向は明らかにされていませんでしたが、5月5日、ロシア太平洋艦隊広報部は、「マルシャル・シャーポシニコフ」がアデン湾海賊対処任務に就いたと発表しました。
なお、「マルシャル・シャーポシニコフ」が出航する際、同艦がアデン湾で海賊対処任務に就く事は発表されていませんでした。
記事中で触れられていますが、「マルシャル・シャーポシニコフ」がアデン湾海賊対処任務に就くのは、今回で3度目です。
1度目は2010年3月末からであり、5月6日にはソマリア海賊に乗っ取られたロシアのタンカー「モスクワ大学」を解放しました。

【ソマリア海賊:露タンカー乗っ取り 翌日に解放】

『ロシア通信社ノーボスチ』情報グラフィックより。
2012年5月7日配信
【乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の突入解放作戦】
この時のロシア海軍海賊対処部隊指揮官は、第44対潜艦旅団司令官イリダル・アフメロフ1等海佐でした。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]
タンカー「モスクワ大学」を乗っ取ろうとしたソマリア海賊は1名が射殺され、10名が拘束されました。


しかし、拘束された10名も、ボートに乗せられて海上へ放逐され、その後、死亡しました。


結果的に、「モスクワ大学」を襲撃したソマリア海賊は、11名全てが死亡しました。
[アデン湾における大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフの活躍を描いた映画が撮影される]
2回目は2013年1月中旬から2月中旬頃までしたが、この時にはソマリア海賊との戦闘は有りませんでした。
[ロシア太平洋艦隊アデン湾派遣部隊はウラジオストクへ戻った]
ロシア海軍は、2008年10月の警備艦「ネウストラシムイ」以降、16回に渡りアデン湾へ海賊対処部隊を派遣しています。
[ロシア海軍はソマリア沖海賊対処任務を続ける]
1:警備艦「ネウストラシムイ」(バルト艦隊)
2:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」(太平洋艦隊)
3:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(太平洋艦隊)
4:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(太平洋艦隊)
5:大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」(北方艦隊)
6:警備艦「ネウストラシムイ」(バルト艦隊)
7:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」(太平洋艦隊)
8:大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」(北方艦隊)
9:大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」(太平洋艦隊)
10:大型対潜艦「セヴェロモルスク」(北方艦隊)
11:大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(太平洋艦隊)
12:大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(太平洋艦隊)
13:大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」(北方艦隊)
14:大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」(太平洋艦隊)
15:大型対潜艦「セヴェロモルスク」(北方艦隊)
16:警備艦「ネウストラシムイ」(バルト艦隊)
今回の「マルシャル・シャーポシニコフ」で通算17回目になります。
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