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ロシア海軍向けミストラル級にはフランス製衛星通信システムは搭載されない

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『イズベスチヤ』より
2014年5月6日0時01分配信
【ロシアの1隻目の「ミストラル」はシラキュースを奪われた】

フランス製衛星通信システムに代わり、ヘリコプター母艦「ウラジオストク」はロシア製(の衛星通信システム)を受け取る。
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「ウラジオストク」-ロシアの為にフランスで作成される2隻のヘリコプター揚陸ドック艦「ミストラル」の1隻目は、国産の衛星通信システム「チェンタヴル」を受け取る。
この情報は、(ロシア)海軍の開発の為の文書に含まれている(『イズベスチヤ』が入手した)。
海軍総参謀部に近い情報提供者は、「ウラジオストク」へ国産の通信機器が装備される事を確認した。
以前、同艦は、最新のフランス製衛星通信システム「シラキュース」を受け取ると報じられた。

「フランスは、旧式の電子機器のみを設置する可能性が有る事が明らかになったので、国産の機器を使用する事が決定されました。
特に、外国の機器の設置は情報漏えいに繋がる可能性が有りますから」

対談者は話した。

情報提供者は、同艦(ウラジオストク)がサンクトペテルブルクで完成する事を付け加えた。
しかしロシア軍の専門家は、引き渡しの前にフランスサンナゼール造船所で、通信設備の配置に関する会合へ参加し、更には、国内の通信機器を取り付け、起動、点検を行なう。

文書によると、HF呼びVHF通信の為のロシア海軍の伝統的な受信機及び送信機に加えて、「ウラジオストク」には近代化された衛星通信システム「チェンタヴル」を構成に含む製品R-794-1が設置される。
艦載ステーションのこのシステムは、艦の間、更には沿岸ステーションとの間で、512キロビット/秒の速度でデータ転送を提供する。

ウラジーミル・ザハロフ退役少将は、エレクトロニクスと戦闘艦は不可分のものであり、それは設計段階で考慮されるべきものである事を強調した。
彼によると、フランス製のケーブル線上に国産(ロシア製)の通信機を設置する事は、大いなる問題を引き起こす恐れが有る。

「複合戦闘・情報システムは、建造の非常に早い時期に配置され、その相互連携は、設計初期で発生しなければなりません。
もしもケーブルがフランスの技術の下に指揮所から配線されているのならば、我々の機器との適合は極めて困難となるでしょう」
その場合は、全ての機器を放棄し、全てを(ロシア製に統一して)設置しなければならないでしょう」
ウラジーミル・ザハロフ
は強調した。

戦略・技術分析センターの専門家コンスタンチン・マキエンコは、特定段階での試験は、残されたフランス製の機器との互換性の問題を発生させるかもしれないと考えている。

「あらゆるロシア製品の増加が、全てプラスになるかは疑問ですね。
他にも、残されたフランスの異種海洋戦力管理システムSIC21は、電磁フィールドの面において問題を引き起こす可能性が有ります」
コンスタンチン・マキエンコ
は指摘した。

「ウラジオストク」の通信システムの診断および調整作業は2014年11月25日まで続く。
連邦政府予算から、この目的の為に1億4500万ルーブルが割り当てられている。
作業は、サンナゼールサンクトペテルブルクで実行される。

「私共がロシアへお売りする艦は、他のミストラルと非常によく似ています。
変更点は、機器の優れた互換性です-ロシアの規格に適合した電子機器の為の。
これは、ロシア海軍の業務を秩序立ったものとする事を可能とします」
『イズベスチヤ』
は、「ミストラル」の組み立てを行なっているSTXフランス社の代理人より伝えられた。

以前、サンクトペテルブルクバルト工場(彼等は「ミストラル」後部を組み立てた事を想い起して欲しい)の代理人は、国家間プロジェクトの目的の1つは、外国の軍事技術の収集であると『イズベスチヤ』へ伝えた。


【ミストラルの為の通信システム】
ヘリコプター揚陸ドック艦「ウラジオストク」の為の各種通信機器の為の入札の公示です。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向け「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスサン-ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

バルト工場で建造された「ウラジオストク」後部は2013年6月26日に進水し、7月8日にフランスサンナゼールへ向けて出発しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]

「ウラジオストク」後部は7月23日にサンナゼールへ到着しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部はサンナゼールへ到着した]

結合された「ウラジオストク」は2013年10月15日に進水しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは進水した]

2014年3月5日、最初の洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクは最初の洋上試験を行なった]

「ウラジオストク」は現在までに3回の洋上試験が実施されており、5月には4度目の洋上試験が予定されています。
[ロシア海軍向けミストラル級の建造工事は当初の契約に沿って進められている]

「ウラジオストク」は今年11月1日にロシアへ納入される予定となっており、その後、ロシア本国へ回航され、ロシア製兵装などを設置する最終艤装が行なわれます。
[ミストラル級へのロシア製兵装のインテグレートには約1年を要する]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母への兵装取付工事はクロンシュタット造船所では実施されず、その代わりにセーヴェルナヤ・ヴェルフィで実施されるかもしれない]

今回の記事によると、「ウラジオストク」には、フランス製の「シラキュース」衛星通信システムは装備されず、ロシア製の衛星通信システム「チェンタヴル」が装備されるとの事です。

フランス海軍「ミストラル」級
アイランド上の前後にある丸い物体が「シラキュース」です。
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