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ロシア海軍士官団はフランスでミストラル級の操作訓練を受ける

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年5月6日10時37分配信
【情報提供者:ロシア士官はフランスで「ミストラル」運用へ参加する】


ロシア海軍士官グループは、フランスサンナゼール市汎用揚陸艦「ミストラル」型の操作訓練を受ける。
ロシア海軍の為の2隻の汎用揚陸艦の建造プログラムに参加した防衛産業企業体の代理人は伝えた。

彼によると、ロシア士官グループはサンナゼールへ1ヶ月以内に到着し、ここで400名の船員により汎用揚陸艦「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」の乗組員が構成される。
双方の乗組員は今年夏までフランスに滞在し、その後、1番艦「ウラジオストク」サンナゼールからクロンシュタットへの移動が行なわれるとイタルタスは報じた。

契約条件によると、汎用揚陸艦「ウラジオストク」は今年11月1日までにクロンシュタットへ到着しなければならない。

情報提供者によると、建造中の艦は、ロシア側の要望により、フランスの設計に比べて人員数の検討など、一連の変更が提示された。
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まず第1に、困難な結氷状態を含めて北方緯度で使用する為、艦の船体は砕氷船クラスの鋼合金へ変更された。

第2に、汎用揚陸艦の高さは増大し、大きなサイズのヘリコプターKa-27Ka-52Kを係留する為、艦の内部ドックは改正された。

第3に、艦の設計では、追加される兵器を設置する為の場所が提供されている。
特に、空中攻撃を撃退する為の対空防衛手段、更には、海上からの攻撃に反撃する為の速射砲兵装及び大口径自動砲が。
強化された兵装は、汎用揚陸艦を公海上において少数の護衛水上艦の随伴で使用する事を可能とする。

3月、フランス外相ローラン・ファビウスは、「軍艦ミストラルの売却契約をキャンセルする可能性は、ロシアへの制裁の第3段階のリストに含まれている」と表明した。
ロシアの専門家は、その場合には、違約金の支払い義務によりフランス自身が苦しむことになると指摘した。
その後、フランス外務省報道官ロメン・ナダルは、フランスロシアヘリコプター母艦「ミストラル」を供給する契約を破棄するのではなく、一時停止の可能性についてのみ話したのだと説明した。

これに関し、ロシア副首相ドミトリー・ロゴージンは、フランスへ要請した。
「ミストラル」型ヘリコプター母艦を供給する契約上の義務を履行するか、或いは、ロシアへ金を返すか。

4月30日、ロシアの為に建造されるこのタイプの2隻目の艦「セヴァストーポリ」の後部が進水した。
2014年6月16日には、受領-引渡証書への署名式典が予定されている。
フランスの造船所において船体の前部と後部は結合され、艦は完成する。

2隻の「ミストラル」建造の為のモスクワパリの契約は2011年6月に署名された。
契約額は12億ユーロである。
艦には、打撃及び防衛用途の為の最新のロシア兵装システムが設置される。
超音速有翼ミサイルを含めて。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向け「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗組員400名は6月1日にサンナゼールへ到着します。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の乗組員は2014年6月にサンナゼールへ到着する]

乗組員は、ロシア太平洋艦隊から集められました。
[ロシア太平洋艦隊はミストラル級2隻の乗組員を編成する]


記事中で触れられていますが、ロシア海軍向け「ミストラル」級には、ロシア製の各種兵装が設置されます。
以前(2012年2月)には、こう報じられた事も有ります。
[ロシア海軍向け「ミストラル」型には巡航ミサイル、対空・対潜ミサイルなどが装備される]

今回の記事中の「速射砲」はいわゆる中口径砲(100mm前後の砲)、「大口径自動砲」は、AK-630M 30mmガトリング砲を指しています。
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ロシア海軍現用中口径砲には57mmから130mmまで有りますが、この場合の最有力候補は、A-190-01 100mm単装砲でしょうか。
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「空中攻撃を撃退する為の対空防衛手段」は、高射ミサイル複合体の事です。
具体的な名前は挙げられていませんが、「汎用揚陸艦を少数の護衛水上艦の随伴で使用する事を可能にする」などと書かれているくらいですから、ロシア海軍新世代水上戦闘艦に搭載されている「リドゥート」(ポリメント-リドゥート)の可能性が高いでしょう。
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「困難な結氷状態を含めて北方緯度で使用」というのは、具体的には、こういう事です。
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つまり、北極圏での運用を考慮して船体が強化されているという事です。

この他、ロシアヘリコプターKa-27などを収納する為、格納庫がフランス海軍の同型艦よりも高くなっているようです。
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以前にフランス側から出た情報によると、ロシア海軍向け「ミストラル」級の兵装は30mmガトリング砲AK-306(AK-630?)近接対空ミサイル「ギブカ」のみとなっておりましたが、今回の記事によると、兵装はそれ以上に強化されるようです。
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]
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