シエラI級原潜の近代化改装が始まる
- カテゴリ:ロシアの潜水艦


『イタルタス』より
2014年5月14日11時15分配信
【セヴェロドヴィンスクは1隻目のプロジェクト「バラクーダ」原子力潜水艦の近代化の準備を整える】
アルハンゲリスク、5月14日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ
防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」(セヴェロドヴィンスク)は、2隻のチタン原子力潜水艦「バラクーダ」の1隻目の高度な近代化に着手する。
イタルタス特派員は、工場の広報サービス代表エフゲニー・グラジシェフより伝えられた。
彼によると、原子力潜水艦K-239「カルプ」は「業務番号1」-使用済み核燃料の撤去-の実施準備を進めている。
今年、原子力艦は主要作業を実施する為、造船台に設置されなければならない。
「同艦の海軍への納入時期は2017年になります」
彼は説明した。
2隻の第3世代チタン原子力潜水艦「バラクーダ」を改修する為の国防省との国家契約は、入札の結果、2012年12月に締結された。
「カルプ」は既に20年に渡り「ズヴェズドーチカ」水域でレイドアップされている。
1980年代にニジニ・ノヴゴロドの「クラースノエ・ソルモーヴォ」工場で建造された北方艦隊のプロジェクト945(コード名「バラクーダ」)多目的原子力潜水艦K-239「カルプ」と同型潜水艦K-276「コストロマ」は、近代化された後、その技術的特性は、最新の第4世代潜水艦「ヤーセン」級に準拠するように企図されている。
最初に「カルプ」が修復されて海軍へ復帰し、その後、「コストロマ」が復帰する。
将来的には、他の改善された2隻のプロジェクト945A(コード名「コンドル」)チタン原子力潜水艦「プスコフ」と「ニジニ・ノヴゴロド」も修理と近代化が実施される。
近代化された後、潜水艦に残される元からの構成物は、事実上、チタン合金製の強度船体のみである。
潜水艦の全ての中身-打撃ミサイル複合体から原子炉まで-は、完全に新しいもの~近代化された「ヤーセン」が装備するものに近似、或いは匹敵する能力値の~と交換される。
海軍によると、「バラクーダ」と「コンドル」の主な目的は、敵の戦略ロケット潜水艦及び空母打撃群との戦闘である。
プロジェクト945原子力潜水艦の排水量は6300/8300立方メートル、全長107メートル、幅12.2メートル、原子炉出力190メガワット、水中速力35ノット(時速約65キロメートル)、潜航深度600メートル、自立行動期間100日、乗員60名。

チタン製の船体を持つプロジェクト945/945A原子力潜水艦は、1980年代前半~1990年代前半に掛けて計4隻が就役しました。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト945「バラクーダ」(NATOコード名「シエラI」)】
K-239:1979年7月20日起工/1983年7月29日進水/1984年9月29日就役
K-276:1984年4月21日起工/1986年7月26日進水/1987年10月27日就役
【プロジェクト945A「コンドル」(NATOコード名「シエラII」)】
K-534:1986年2月15日起工/1989年8月7日進水/1990年12月26日就役
K-336:1989年7月29日起工/1992年7月28日進水/1993年12月14日就役
K-239は1994年から「ズヴェズドーチカ」に滞在していますが、予算不足により修理は実施されず、1998年5月には海軍の戦闘編制から除籍されました。

プロジェクト945/945Aの近代化改装の話は、2013年3月に出てきました。
[ロシア海軍はシエラ級原潜を復帰させる]
[近代化改装後のシエラ級原潜は第4世代原潜に匹敵する]
その後、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、プロジェクト945原潜の近代化計画が有る事を認めました。
[ロシア海軍は2020年までに12隻の原子力潜水艦を近代化する]
[ロシア海軍は2020年までに10隻以上の近代化された原子力潜水艦を受け取る]
現在の所、具体的な近代化計画が有るのは945のみですが、将来的には、945Aも近代化されるようです。
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