原子力偵察艦SSV-33ウラルは解体される
- カテゴリ:ロシアの水上艦


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年5月12日15時37配信
【世界最大の偵察艦はスクラップにされる】
ロスアトムは、世界最大の偵察艦プロジェクト1941を解体する。
大型偵察艦「ウラル」解体作業実施の為の公開入札文書は、国家調達サイトに記載された。
ロスアトム社は、大型原子力偵察艦プロジェクト1941「ウラル」解体作業実施の為の公開入札を発表した。
2014年7月9日に発表される入札勝利者は、2016年11月30日までに解体契約により提供される全ての事業を実行しなければならない。
契約の開始価格は6億9100万ルーブルであり、資金供給は3度に分けて実施される。
2014年にロスアトムは2億ルーブルを支払い、2015年には1億5000万ルーブル、2016年には残り3億4100万ルーブルを。
大型偵察艦「ウラル」は、世界最大の偵察艦プロジェクト1941「チターン」(NATO分類「カプスタ」)の唯一の艦であり、ソヴィエト社会主義共和国連邦及びロシアにおける最大の核動力装置搭載水上艦である。
太平洋艦隊における全ての勤務を通じ、同艦は駐留に関する問題を抱えていた。
その結果、寿命は計画時期よりも早く尽きた。
「ウラル」は、大半の時間をストレロク湾で係留されたまま過ごした。
1992年、「ウラル」の原子炉の火は消え、最も遠い桟橋に置かれる事になり、士官用宿舎に転用された。
1回のみの戦闘航海を実施しただけの同艦は2001年に除籍された。


政府機関による売却及び他国の船員による使用を不可能とする「ウラル」解体の動きは継続されている。
以前、ロシア連邦国防省は、バルト艦隊及び北方艦隊の艦船の売却を発表した。
(艦船の)外部への売却は、船員の評価により、その用途への使用を意図していない状態で行なわれる。

プロジェクト1941大型原子力偵察艦SSV-33「ウラル」は、1981年7月25日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)のS.オルジョニキーゼ記念バルト造船工場(現「バルト工場」)で起工され、1983年5月17日に進水し、1988年12月30日にソ連海軍へ納入されました。

1989年1月7日、海軍旗を初掲揚し、正式に海軍へ就役しました。
プロジェクト1941は、ソ連本土を遠く離れた海域、例えば太平洋の中部などへ進出し、アメリカの弾道ミサイル発射試験を監視する為に計画されました。
当初の計画では2隻が建造されることになっていましたが、1隻のみの建造で終わりました。
1989年に極東方面へ回航され、太平洋艦隊に配備されました。



しかし、その行動は不活発であり、記事中にある通り、「就役期間」の殆どはストレロク湾(フォーキノ)の桟橋に係留されていました。


2008年4月、長年に渡り係留されていたストレロク湾を離れ、ボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ストレロクを去る原子力偵察艦SSV-33「ウラル」]
[ボリショイ・カーメニ市の原子力偵察艦SSV-33「ウラル」]
現在、「ウラル」の上部構造物は殆ど撤去されており、船体のみが残されています。


その船体も、2016年11月30日までに解体されることになりました。
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