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ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力水中巡洋艦ヴォロネジは白海で遭難した小型艇を救助した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(北方艦隊)広報サービス発表
2014年6月9日10時15分配信
【北方艦隊の原子力潜水艦の乗組員は白海で嵐の中に取り残された人々を救助した】

4名の乗組員と1人の乗客を乗せた小型艇は、白海エリアで北方艦隊原子力水中ロケット巡洋艦「ヴォロネジ」のサブマリナ―に救助された。

アルハンゲリスク港へ帰る途中のボート「バレンツ-1100」からの遭難信号は、6月8日朝に届いた。
11メートルの船は、悪天候海域を避けようと試みたが、燃料が底を尽いた。

アルハンゲリスク州海洋救助センターは、遭難海域へ救助艇「メチェーリ」「リデル」、更には、同州のレスキューサービスと共に連合救助航空隊のヘリコプターMi-8を派遣した。

しかし、遭難海域に最も近い場所に居たのは、白海で計画戦闘訓練任務を遂行していた北方艦隊原子力水中ロケット巡洋艦「ヴォロネジ」だった。

8時50分、原子力水中ロケット巡洋艦の乗組員は、潜水艦を災害に遭ったボートと並んで停泊させ、(ボートの)乗員を艦上へ受け入れた。

水中巡洋艦の艦長からの報告によると、艦上へ受け入れた船員には医療援助は必要なかった。

12時、ヘリコプターMi-8は海域へ到着し、ボートディーゼル燃料を届けた。
しかし、気象条件の悪化により、耐航性の低い「バレンツ-1100」は、港まで自力で航行する事は危険であると判断された。

北方艦隊司令部は、救出した船員を原子力潜水艦に留まらせ、ボートは曳航する事を決定した。
その後、同船は遭難海域へ派遣された小型対潜艦「オネガ」に委ねられた。

約17時間に渡り、原子力水中ロケット巡洋艦「ヴォロネジ」ボート「バレンツ-1100」と並んで停泊し、係留中に翻弄され、海洋で押し流された。

現在、「バレンツ」乗組員は何も脅かされておらず、彼等は原子力潜水艦「ヴォロネジ」に滞在し、小型対潜艦「オネガ」と共にセヴェロドヴィンスク港へ向かっている。
救出された船員は、気象条件が許せば小型対潜艦へ移送され、その後、沿岸へ送り届けられる。

北方艦隊潜水艦が遭難した船員の救助に関わったのは、今回が初めてでは無い。
今年1月、原子力潜水艦「ニジニ・ノヴゴロド」乗組員は、嵐の中で3名の漁師を救助した。
2012年、原子力潜水艦「ダニール・モスコフスキー」乗組員は、バレンツ海において遭難し、数分間で沈没した漁船「ルイバチー」の乗組員を原子力潜水艦の艦内に受け入れた。


北方艦隊所属の親衛原子力水中巡洋艦「ヴォロネジ」(プロジェクト949A)は1989年12月29日に海軍へ納入され、翌日(12月30日)に海軍旗を初掲揚しました。

2009年から2011年11月まで寿命延長近代化改装が行なわれました。
[オスカーII級ミサイル原潜「ヴォロネジ」は近代化改装を終えた]

2013年10月4日には有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]

そして今回の記事に有る通り、2014年6月8日、白海で遭難した小型艇を救助しました。
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記事中で触れられていますが、2012年11月18日、北方艦隊所属の原子力潜水艦B-414「ダニール・モスコフスキー」は、バレンツ海で遭難した漁船を救助しています。
[ヴィクターIII級原潜ダニール・モスコフスキーは漁船を救助した]
[ヴィクターIII級原潜ダニール・モスコフスキーは遭難漁船の乗員を沿岸へ送り届けた]

2014年1月27日には、B-534「ニジニ・ノヴゴロド」バレンツ海で遭難した漁船を救助しています。
[シエラII級原潜ニジニ・ノヴゴロドは遭難した漁船員を救助した]
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