重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(アドミラル・ウシャコーフ)は解体される
- カテゴリ:重原子力ロケット巡洋艦キーロフ型


『イタルタス』より
2014年6月10日15時18分配信
【当局は原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ウシャコーフ」の解体を決定した】
アルハンゲリスク、6月10日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ
我が国の水上艦隊で最大の戦闘艦の1隻であり、1990年からレイドアップされ、修理を待っていた重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ウシャコーフ」は、セヴェロドヴィンスクの防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」で解体される。
イタルタス特派員は、工場の広報サービス部員エフゲニー・グラジシェフより伝えられた。
「同艦の解体の基本的決定につきましては、国営企業ロスアトムから重原子力ロケット巡洋艦を解体プランへ含めるようにとの指示を受けました」
彼は話した。
2015年の予算において、「アドミラル・ウシャコーフ」解体プロジェクト展開の為の資金が提供される。
造船所の代理人が更に説明したように、現在、巡洋艦は同社の埠頭に在り、原子炉は停止され、全ての船外備品は密閉され、同艦は、削減された北方艦隊乗組員の支援により維持されている。
以前、「ズヴェズドーチカ」総取締役ウラジーミル・ニキーチンは話した。
同艦は造船所へ1997年へ到着し、その後、修理される事になっていた。
その作業の為の資金は当時には無く、巡洋艦は、今に至るまで動く事は無くレイドアップされている。
同艦は海軍の戦闘編制から除外されている。
1980年以降、その原子炉からは核燃料が撤去されていない。
「申し上げる事が出来るのは、現在、この艦は、セヴェロドヴィンスク及びその住民にとって明確な脅威をもたらしているという事であります。
巡洋艦のドック入り及び船体修理期間は長期に渡る事になるでしょうし、つまるところ、岸壁に浮かんでいるだけでも出費が嵩み、しかも、安全ではないのです」
ニキーチンは考慮する。
巡洋艦は係留所を占めており、工場にとって、現在の負担は軽いものでは無い。
2002年のサミット「ビッグ8」において採択された「グローバル・パートナーシップ」プログラムの枠組において巡洋艦の解体に関する国際プロジェクトが研究された時には、一連の理由により、それが実現する事は無かった。
専門家の見積もりによると、重原子力ロケット巡洋艦の解体には、最大の原子力潜水艦の解体の10倍以上のコストが掛かり、このような艦の解体の技術及び経験は、ロシアには未だ無い。
重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ウシャコーフ」~1992年5月まで「キーロフ」~は、1980年にサンクトペテルブルクのバルト工場で建造された。
1990年以降、同艦は修理を必要としており、海洋航海には参加していない。
公開情報によると、プロジェクト1144巡洋艦「オルラーン」の全長は251メートル、排水量24500トン、動力装置は総出力600メガワットの核動力炉2基である。
このプロジェクトの艦は合計で4隻建造された。
戦闘編制に残されているのは、1989年に建造され、1999年からセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」へ修理のために滞在している「アドミラル・ナヒーモフ」と、1996年に建造された北方艦隊旗艦の「ピョートル・ヴェリキー」の2隻である。
プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦の1番艦「アドミラル・ウシャコーフ」(キーロフ)は、2004年にロシア海軍から除籍された後も、「ズヴェズドーチカ」岸壁に係留され、就役記念日などには元乗組員が同艦へ集合し、記念式典が開催されていました。
[重原子力ロケット巡洋艦キーロフ(2011年4月16日)]
しかし、2012年4月14日を最後に、「キーロフ」艦上での会合も開かれなくなりました。





プロジェクト1144は、2009年以降、近代化改装の話が度々出ており、一時は「アドミラル・ウシャコーフ」を含む4隻全てを近代化するなどという話まで飛び出してきました。
[ロシアはキーロフ型を復帰させる]
[キーロフ型重原子力ロケット巡洋艦近代化計画]
しかし結局、1番艦「アドミラル・ウシャコーフ」と2番艦「アドミラル・ラーザレフ」の近代化は断念されました。
そしてついに、「キーロフ」/「アドミラル・ウシャコーフ」は解体が決定されました。

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