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ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった

本日(2014年6月17日)、ロシア第4世代多用途原子力潜水艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は正式にロシア海軍へ就役しました。

『イタルタス』より
2014年6月17日10時08分配信
【「ヤーセン」プロジェクトの最初の多用途原子力潜水艦はロシア海軍に受け入れられた】
セヴェロドヴィンスク、6月17日/イタルタス特派員ウラジーミル・アヌフリエフ

「ヤーセン」プロジェクトの最初の多用途原子力潜水艦K-560「セヴェロドヴィンスク」ロシア海軍に受け入れられた。
新たな第4世代原子力潜水艦のトップへのアンドレイ旗掲揚式典は、防衛造船所「セヴマシュ」の埠頭で火曜日に開催された。

北方艦隊第11対空母師団司令官代理パーヴェル・シュリガ1等海佐は、式典において艦上に立ちすくんだ乗組員を前にして、ロケット艦を艦隊へ編入する命令書を読み上げた。
式典には、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフも出席した。

2013年12月30日、潜水艦は試験運用で海軍へ採用された。
「セヴマシュ」専門家の評価によると、「セヴェロドヴィンスク」は、国内の潜水艦で最も近代的かつ静粛である。
同艦は北方艦隊対空母師団に編入され、ザオゼルスク市に駐留する。

「多用途原子力潜水艦シリーズのトップである原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは、2014年末までに北方艦隊潜水艦部隊の常時駐留所へ移動する予定であり、潜水艦の試験訓練任務の遂行に取り掛かります」
チルコフ
は話した。
彼は、原子力艦の乗組員を前にして、最重要課題は、成功裏に駐留場所への移動を行ない、船員に託された新たな機器及び兵器への習熟開始である事を強調した。

「自律性及び新世代潜水艦に基づく複合システムは並行して開発されます。
その作成の為の作業は、北方艦隊及び太平洋艦隊の潜水艦部隊の配置場所で進められています」
チルコフ
は指摘した。
潜水艦は、彼によると、勤務の為の全ての条件、彼らの家族の立派な居住条件を有する事になる。

「駐留システム作成のベースとして、私共は、戦闘適応力の分野における展開作戦の機会、リソースの動員及びユニットの輸送と密接に関わる良好な軍事的、地理的、物理-地政学的条件を満たします」
総司令官は数え上げた。

海軍の非核戦略抑止戦力グループの基礎は、高精度の武器を装備し、中長期的には、新たな多用途原子力水中巡洋艦、更には、近代化された既存のプロジェクトの原子力潜水艦となる。
ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ


チルコフ提督は、潜水艦、特に、新世代原子力多用途潜水艦の設計と建造に関する問題は、海軍総司令部が業界と合同で解決した事を指摘した。

「私共は、隠密性の増加、高速時における静粛性の大幅な増加の方法として、通信及び管理手段を改善し、新たな兵器システムを装備しました」
総司令官は解決された課題について数え上げた。

彼によると、将来的には、多用途原子力潜水艦及び非核動力潜水艦の戦闘能力を増加させる為、兵装への将来ロボット(自動化)複合体のインテグレートが提供される。
「既に、このプランは提供されており、このプランは実行に移されます」
総司令官は保証した。

[潜水艦の特性]
弾道ミサイルを搭載しない多用途原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、サンクトペテルブルク海洋機械製造局「マラヒート」により設計された。
潜水艦「セヴマシュ」で1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水した。
建造工事が長期間に及んだのは、財政難の為だけでは無く、船体と兵器の根本的に新しい構造の為でもある。

公開情報によると、「セヴェロドヴィンスク」は、国内造船所の初の試みとして、魚雷発射管潜水艦の艦首ではなく、中央区画へ配置している。
これにより、大型水中音響複合体のアンテナを艦首に配置する事が可能となった。
ミサイル兵器の為に、垂直発射装置が使用される。

更に同艦は、最新の通信複合体、航海複合体、そして根本的に新しい核動力装置を受け取った。

1軸潜水艦の排水量は9500トン、全長120メートル、最大潜航深度600メートル、水中速力31ノット(時速約57キロ)、乗員85名。

2009年7月、「セヴマシュ」造船台で改善された第4世代原子力潜水艦プロジェクト885Mのトップ-「カザン」が、2013年夏には、更にもう1隻の原子力艦「ノヴォシビルスク」が起工された。
2020年までの国家軍備プログラム下で「セヴマシュ」は、有翼ミサイルで武装した7隻の原子力潜水艦「ヤーセン」及び「ヤーセン-M」を建造しなければならない。

「セヴェロドヴィンスク」は、海軍の為に「セヴマシュ」が建造した131隻目の原子力潜水艦である。


ブログ『kuleshovoleg』より
2014年6月17日12時54分配信
【原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」に旗が揚がった!】
「セヴェロドヴィンスク」海軍旗初掲揚式典の写真。


P885
12-1104h.jpg
[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]
プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中ロケット巡洋艦の1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は、1993年12月21日に「セヴマシュ」で起工され、2010年6月15日に進水しました。

2011年9月12日から海洋試験(工場航海試験)を開始しました。

2012年にも引き続き工場航海試験は実施されましたが、結局、2012年中のロシア海軍への引き渡しは実現できませんでした。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍は2012年に2隻の原潜と3隻の水上戦闘艦を受領できなかった]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年後半に海洋試験を実施し、同年末にロシア海軍へ引き渡される]

2012年の海洋試験では、有翼ミサイル「カリブル」の発射試験が複数回実施されました。

2012年11月7日:潜航状態で対艦攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で地上攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で対地攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]

2013年5月末から航海試験が再開され、これまでに4度に渡る試験(工場航海試験)が実施されました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは今年(2013年)3度目の航海試験を終えた]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの国家受領試験は2013年11月から始まる]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの工場航海試験プログラムは完全に実行されている]

工場航海試験は成功裏に全て完了し、2013年11月初頭から国家受領試験が開始されました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの国家受領試験が始まった]

11月6日、初めて超音速対艦ミサイル「オーニクス」が発射されました。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

2013年12月30日、「セヴマシュ」受領-引渡証書への署名(ロシア連邦海軍への納入)が行なわれました。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクはロシア海軍へ納入された]
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そして2014年6月17日、ロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)の初掲揚式典が開催され、ロシア北方艦隊第11対空母原潜師団への編入が発表されました。
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「セヴェロドヴィンスク」が編入された第11対空母原潜師団は、ザオゼルスク市ザーパドナヤ・リッツァに駐留しており、プロジェクト949A(オスカーII級)原潜3隻とプロジェクト671RTMK(ヴィクターIII級)原潜2隻で構成されています。
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「セヴェロドヴィンスク」乗組員も、第11対空母原潜師団から集められました。


ロシア海軍の艦の就役は
1:受領-引渡証書への署名(艦の造船所から海軍への納入)
2:海軍旗の初掲揚式典・各艦隊部隊への編入

の2段階で行なわれますが、原潜「セヴェロドヴィンスク」の場合、1は2013年12月30日に、2は2014年6月17日に実施されました。

これまでの慣例を見ても、新型艦の1番艦の場合、1が年末に実施され、2は翌年に実施されるというパターンになっております。
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